半導体装置の製造方法および酸化処理装置
【課題】酸化膜の形成にともなう基板へのダメージに起因した性能劣化を抑制することができる半導体装置の製造方法および酸化処理装置を提供する。
【解決手段】一の面を有する基板6aが準備される。一の面の上において酸化処理が行なわれる。酸化処理が行なわれる際、導入されたO3ガスの低温熱分解によってO(3P)ラジカルが発生させられ、該O(3P)ラジカルに光源4aが発する赤橙色光を照射し励起することによってO(1D)ラジカルが発生させられる。このO(1D)ラジカルによって基板6aの一の面の上に低温でダメージなく酸化膜が形成される。
【解決手段】一の面を有する基板6aが準備される。一の面の上において酸化処理が行なわれる。酸化処理が行なわれる際、導入されたO3ガスの低温熱分解によってO(3P)ラジカルが発生させられ、該O(3P)ラジカルに光源4aが発する赤橙色光を照射し励起することによってO(1D)ラジカルが発生させられる。このO(1D)ラジカルによって基板6aの一の面の上に低温でダメージなく酸化膜が形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法および酸化処理装置に関し、特に酸化処理を行なう工程を含む半導体装置の製造方法および酸化処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの集積度および処理速度の向上のためには、ゲート絶縁膜の電気容量の増加が必須である。このためゲート絶縁膜としてのSiO2膜は、その絶縁特性が向上されつつ薄膜化されてきた。この結果、SiO2膜の厚さは、たとえば数原子層程度に薄くなってきている。また、たとえばロジックデバイスにおいては、1.0〜1.5nm程度の厚さと高い信頼性とを併せ持つ酸化膜が必要となってきている。このような酸化膜を形成することは、たとえば文献:B. E. Deal and A. S. Grove, J. Appl. Phys. 36, 3770 (1965)(非特許文献1)に示すような従来の熱酸化法では困難となってきている。
【0003】
ゲート絶縁膜の電気容量の増加のために酸化膜を薄膜化する方法としては、上記のように酸化膜の信頼性を保ちつつ物理的な厚さを低減する方法の他に、誘電率を考慮した等価酸化膜厚(EOT:Equivalent Oxide Thickness)を低減する方法もある。この場合に用いられるHfSiO膜などの高誘電率膜(High−K膜)は、Si基板との間で相互拡散を起こしやすいので、バリア膜としての高信頼性酸化膜を介してSi基板上に形成される。よってたとえ高誘電率膜が適用される場合においても、高い信頼性を有する酸化膜の薄膜化を行なうための新たな手法が望まれている。
【0004】
また上記のような高信頼性酸化膜を、より低温で形成することが求められている。たとえばロジックデバイスおよびSRAM(Static Random Access Memory)においては、導電型不純物の再拡散を防止するためのサーマルバジェットの低減の観点で、酸化膜の形成温度の低温化が求められている。また、たとえばLTPS−TFT(Low Temperature Poly-Si Thin Film Transistor)デバイスの場合のようにガラス基板が用いられる場合、基板の耐熱温度が400〜500℃程度であることから、熱酸化法のような高温を伴なう酸化膜形成方法は適用が困難であり、高信頼性酸化膜の形成温度の低減が求められている。さらにユビキタスネットワーク社会において必要とされるシートコンピュータの場合のようにフレキシブル基板が用いられる場合、基板の耐熱温度が250〜300℃程度であることから、高信頼性酸化膜の形成温度のさらなる低温化が必要である。このように様々な製品分野において、高信頼性酸化膜の形成温度を低温化することが求められている。
【0005】
このため、たとえば特開2008−53561号公報(特許文献1)に開示された酸化膜形成方法によれば、基板に紫外光領域の光が照射されるとともに、この基板に有機シリコンからなる原料ガスとオゾンガスとが供される。この公報によれば、200℃以下のプロセスで電気特性に優れた酸化膜を形成できる、と記載されている。また、上記光の照射によって、下記の式(1)および(2)に示す反応が生じると記載されている。
【0006】
O3+hν(λ<410nm)→O2(3Σ)+O(1D) ・・・(1)
O3+hν(λ<310nm)→O2(3Δg)+O(1D) ・・・(2)
また近年、SiC基板を用いたパワーデバイス(SiCパワーデバイス)の開発が進められている。SiC基板の熱酸化によって酸化膜が形成される場合、基板中のCの残留に起因したC由来欠陥により、キャリア移動度の低下、すなわち電流ロスの増大が生じ得る。またパワーデバイスに適した、たとえば20〜100nm程度の厚いゲート絶縁膜を熱酸化によって形成するためには、基板上においてより深部まで熱酸化を行なう必要があることから、たとえば900〜1200℃程度の高い温度が必要となってしまう。このため、高信頼性酸化膜を形成するための熱酸化法以外の方法が求められている。
【0007】
このため、たとえば特開2008−243919号公報(特許文献2)によれば、まずSiC基板上に、SiO2膜を堆積する堆積工程が行なわれ、次に酸素ラジカルによる酸化工程が行なわれる。この酸素ラジカルの発生方法としては、具体的には、プラズマを用いる方法、UV(Ultraviolet)照射による方法、およびオゾンの熱分解による方法が挙げられている。この公報によれば、C由来欠陥の少ないSiO2膜とSiCとの界面が得られ、またSiO2膜が酸素ラジカルによって高密度化される、と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−53561号公報
【特許文献2】特開2008−243919号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】B. E. Deal and A. S. Grove, "General Relationship for the Thermal Oxidation of Silicon", J. Appl. Phys. 36, 3770 (1965)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記特開2008−53561号公報(特許文献1)の技術によれば、式(1)に示すように、波長410nm以下の光、すなわち3.02eV以上の高いエネルギーを有する光が用いられるので、酸化膜が形成される基板にダメージを与えやすい。たとえば上記のように3.02eV以上のエネルギーの光がSi基板に照射されると、Si−Si結合エネルギーが2.3eVであることから、ダングリングボンドなどの欠陥が容易に生じ得る。よって、たとえば酸化膜がゲート絶縁膜である場合、チャネルに欠陥が生成されることで、トランジスタの特性が劣化し得る。このように、紫外光を用いる方法は基板に与えるダメージが大きくなりやすい。
【0011】
また上記特開2008−243919号公報(特許文献2)の技術によれば、プラズマが用いられる。プラズマは一般的に、運動エネルギーの高いイオンや電子などの荷電粒子を多量に発生させるため、上記と同様、基板に与えるダメージが大きくなりやすい。
【0012】
このように、上述した技術によれば、基板に与えるダメージが大きくなりやすいので、この方法を用いて得られる半導体装置の特性が劣化してしまうという問題がある。
【0013】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その一の目的は、酸化膜の形成にともなう基板へのダメージに起因した性能劣化を抑制することができる半導体装置の製造方法および酸化処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の半導体装置の製造方法は、以下の工程を有する。
一の面を有する基板が準備される。一の面の上において酸化処理が行なわれる。酸化処理が行なわれる際、O(3P)ラジカルが発生させられ、O(3P)ラジカルを励起することによってO(1D)ラジカルが発生させられる。
【0015】
本発明の酸化処理装置は、基板の一の面の上において酸化処理を行なうためのものであって、容器と、ステージと、導入部と、加熱部と、光源とを有する。ステージは、容器内に基板を支持するためのものである。導入部は、容器内にO3ガスを導入するためのものである。加熱部は、基板を加熱するためのものである。光源は、基板に向けて590nm以上630nm以下の波長を有する光を出射するためのものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の半導体装置の製造方法によれば、酸化処理を行なうためのO(1D)ラジカルがO(3P)ラジカルの励起によって発生させられる。よってO(1D)ラジカルがO3から直接生成される場合に比して、O(1D)ラジカルがより低いエネルギーで生成される。これにより、酸化膜の形成にともなう基板へのダメージが抑制されるので、このダメージによる半導体装置の性能劣化を抑制することができる。
【0017】
また本発明の酸化処理装置によれば、O3ガスを加熱することでO(3P)ラジカルを発生させ、このO(3P)ラジカルに590nm以上630nm以下の波長を有する光を照射することで、O(1D)ラジカルが発生させられる。よってより短波長の光、すなわちより高エネルギーの光が用いられる場合に比して、酸化膜の形成にともなう基板へのダメージが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1における酸化処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1におけるO(1D)ラジカルの発生過程を模式的に示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1における半導体装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法の第1工程を概略的に示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法の第2工程を概略的に示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1の変形例における半導体装置の製造方法の第1工程を概略的に示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態1の変形例における半導体装置の製造方法の第2工程を概略的に示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態2における酸化処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態2におけるO(1D)ラジカルの発生過程を模式的に示す図である。
【図10】本発明の実施の形態3における酸化処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図11】本発明の実施の形態3におけるO(1D)ラジカルの発生過程を模式的に示す図である。
【図12】本発明の実施の形態3における半導体装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図13】本発明の実施の形態3における半導体装置の製造方法の第1工程を概略的に示す断面図である。
【図14】本発明の実施の形態3における半導体装置の製造方法の第2工程を概略的に示す断面図である。
【図15】本発明の実施の形態3の第1変形例における半導体装置の製造方法の第1工程を概略的に示す断面図である。
【図16】本発明の実施の形態3の第1変形例における半導体装置の製造方法の第2工程を概略的に示す断面図である。
【図17】本発明の実施の形態3の第2変形例における半導体装置の製造方法の一工程を概略的に示す断面図である。
【図18】本発明の実施の形態4における酸化処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図19】本発明の実施の形態4におけるO(1D)ラジカルおよびOHラジカルの発生過程を模式的に示す図である。
【図20】本発明の実施の形態5における酸化処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図21】本発明の実施の形態5におけるO(1D)ラジカルおよびOHラジカルの発生過程を模式的に示す図である。
【図22】本発明の実施の形態6における酸化処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図23】本発明の実施の形態6におけるO(1D)ラジカルおよびOHラジカルの発生過程を模式的に示す図である。
【図24】O3の熱分解におけるO(3P)ラジカルの生成効率の温度依存性を示すグラフである。
【図25】O2によるSiの酸化レートの温度依存性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
はじめに本実施の形態の酸化処理装置の構成について説明する。
【0020】
図1を参照して、本実施の形態の酸化処理装置51aは、被処理基板6aの主面(一の面)の上において酸化処理を行なうためのものである。酸化処理装置51aは、処理室10と、試料ステージ7と、ガス導入配管3a(導入部)と、排気配管23と、加熱用IR(Infrared)光源2(加熱部)と、支持部22と、下部窓9と、整流板1aと、励起用赤橙色光源4a(光源)とを有する。
【0021】
試料ステージ7は、処理室10内に被処理基板6aを支持するためのものである。
ガス導入配管3aは、処理室10内にO3ガスを導入するためのものである。
【0022】
加熱用IR光源2は、処理室10外において支持部22に支持されており、処理室10に取り付けられた下部窓9を介して被処理基板6aの主面と反対の面にIR光25を照射するものである。加熱用IR光源2は、被処理基板6aを280℃以上620℃以下の温度に加熱することができる程度の出力を有し、また被処理基板6aの温度が280℃以上620℃以下の任意の温度に保持されるようにこの出力を制御することができるように構成されている。
【0023】
整流板1aは、導入されたO3ガスの流れを、図中矢印で示すように、被処理基板6aの主面に均一に供給されるダウンフローとするためのものである。
【0024】
励起用赤橙色光源4aは、被処理基板6aに向けて590nm以上630nm以下の波長を有する赤橙色光5aを出射するものである。すなわち赤橙色光5aは被処理基板6aへ被処理基板6aの主面から入射される。励起用赤橙色光源4aは複数の発光部を有する。各発光部は、被処理基板6aの主面と整流板1aとの間に配置されるように、整流板1aの下端に取り付けられている。この構成により、励起用赤橙色光源4aは被処理基板6aの主面に赤橙色光5aを均一に照射することができる。好ましくは各発光部はLEDを有する。これにより、各発光部を整流板1aに容易に取り付けることができる。
【0025】
好ましくは、酸化処理装置51aは、処理室10内壁およびガス導入配管3aの温度を室温以上100℃以下に保持するための冷却機構を有する。
【0026】
次に酸化処理装置51aの使用方法について説明する。
図1および図2を参照して、まず被処理基板6aが準備される。次に被処理基板6aが処理室10内の試料ステージ7上に載置される。次に被処理基板6aの主面上において酸化処理が、以下のように行なわれる。
【0027】
まず加熱用IR光源2がオンされることによって、IR光25が下部窓9を通って、被処理基板6aの主面と反対の面に照射される。加熱用IR光源2の出力を制御することによって、被処理基板6aの主面の温度が280℃以上620℃以下の所定の温度に保持される。
【0028】
次にガス導入配管3aにO3ガスが流される。これによって処理室10の上方側から処理室10内へO3ガスが導入される。導入されたO3ガスは、整流板1aに導かれることによって、均一なダウンフローとして被処理基板6aの主面上に供給される。供給されたO3ガスは、280℃以上620℃以下の所定の温度に保持された被処理基板6aの主面によって加熱されることで熱分解する。この熱分解によって、被処理基板6aの主面上においてO(3P)ラジカルが発生する。すなわち、以下の式(3)に示す反応が生じる。
【0029】
O3+熱→O2+O(3P) ・・・(3)
被処理基板6a上において発生したO(3P)ラジカルは、以下の式(4)に示すように、励起用赤橙色光源4aからの赤橙色光5aによって励起される。
【0030】
O(3P)+hν(590<λ<630nm)→O(1D) ・・・(4)
これによって、被処理基板6aの主面上に均一にO(1D)ラジカルが発生する。このO(1D)ラジカルの酸化作用によって、被処理基板6aの主面上において酸化処理が行なわれる。
【0031】
次に本実施の形態の半導体装置の製造方法について説明する。
図3を参照して、本実施の形態の半導体装置は、半導体基板(被処理基板)6aと、ゲート絶縁膜30gと、ゲート電極33と、ソース・ドレイン領域34、35とを有する。この半導体装置の製造方法について、以下に説明する。
【0032】
図4および図5を参照して、主面Pを有する被処理基板6aが準備される。被処理基板6aは、たとえばSi基板である。次に酸化処理装置51aを用いて上述した酸化処理を行なうことによって、主面P上において酸化処理が行なわれる。これによって主面Pが酸化されることによって、被処理基板6a上に酸化膜30aが形成される。被処理基板6aがSi基板の場合、酸化膜30aはSiO2膜である。
【0033】
再び図3を参照して、ゲート電極33の形成と、酸化膜30aのパターニングによるゲート絶縁膜30gの形成と、ソース・ドレイン領域34、35の形成とが行なわれる。これにより本実施の形態の半導体装置が得られる。
【0034】
次に本実施の形態の変形例における半導体装置の製造方法について説明する。
図6を参照して、被処理基板6a上に酸化膜30pが堆積される。酸化膜30pの厚さは任意であり、たとえば20〜100nm程度の厚さ、すなわちパワーデバイスのゲート絶縁膜に適した厚さであってもよい。具体的には酸化膜30pとして、たとえばCVD(Chemical Vapor Deposition)法によってSiO2膜が形成される。CVDにより形成された酸化膜は、比較的密度が低く、絶縁特性に劣る。
【0035】
図6および図7を参照して、酸化処理装置51aを用いて上述した酸化処理を行なうことによって、酸化処理が行なわれる。これにより酸化膜30pが酸化膜30iに改質される。具体的には、たとえば密度および絶縁特性の向上がなされる。これにより、被処理基板6a上に酸化膜30iが形成される。
【0036】
次にゲート電極33(図3)の形成と、酸化膜30iのパターニングによるゲート絶縁膜30g(図3)の形成と、ソース・ドレイン領域34、35(図3)の形成とが行なわれる。これにより半導体装置(図3)が得られる。
【0037】
本実施の形態によれば、酸化処理を行なうためのO(1D)ラジカルがO(3P)ラジカルの励起によって発生させられる。よってO(1D)ラジカルがO3から直接生成される場合に比して、O(1D)ラジカルがより低いエネルギーで生成される。すなわち590nm以上630nm以下の波長を有する赤橙色光5aを用いてO(3P)ラジカルを発生させることができるので、UV光を用いる必要がない。これにより、酸化膜30a(図5)または30i(図7)の形成にともなう被処理基板6aへのダメージが抑制される。よってこのダメージによる半導体装置の性能劣化を抑制することができる。
【0038】
またO(1D)ラジカルを発生させるのに、特にプラズマを用いる必要がない。よって被処理基板6aへの運動エネルギーの高いイオンや電子などの荷電粒子によるダメージが全くない。
【0039】
なお、たとえばRLSA(Radial Line Slot Antenna)を用いたマイクロ波励起低電子温度プラズマなどの特殊なプラズマを使用したとしても、プラズマによるダメージを完全に防止することは困難である。また広い領域にわたって均一にプラズマを生成するためには大規模な設備が必要であるため、LTPS−TFTなどのように基板面積が比較的大きい場合、製造コストの大幅な増大を招く。
【0040】
またO(1D)ラジカルは赤橙色光5aによって被処理基板6aの主面上で生成されるため、O(1D)ラジカルの10-7秒程度の極めて短い寿命の初期の期間をも十分に利用して被処理基板6aの主面上における酸化処理を行なうことができる。
【0041】
なお仮に被処理基板6aから離れた位置で生成されたO(1D)ラジカルが被処理基板6a上に移送されるとすると、O(1D)ラジカルは平均的には数百μm程度移動した時点で基底状態に遷移してO(3P)ラジカルに変化してしまうので、被処理基板6aへO(1D)ラジカルを効率よく供給することが困難である。
【0042】
また酸化処理の際、被処理基板6aは280℃以上の温度に保持される。O3は一般には200℃以上で熱分解すると言われているが、10-18(molecules/s)程度の十分に高い生成効率を得るためには、図24に示すように、280℃以上の温度で熱分解されることが好ましい。本実施の形態では被処理基板6aによってO3を280℃以上の温度に加熱できるので、被処理基板6a上においてO(3P)ラジカルを十分に高い生成効率で生成することができる。よってO(1D)ラジカルを表面で効率的に生成でき、O(1D)ラジカルによる酸化を効率よく行なうことができる。
【0043】
また酸化処理の際、被処理基板6aは620℃以下の温度に保持される。これにより、被処理基板6aのSiがO2よって酸化されるレートを、図25に示すように、実用上十分に小さい値である1nm/hr以下とすることができる。よってO3の熱分解(式(3))の際にO(3P)ラジカルとともに生じるO2による被処理基板6aのSiの熱酸化を抑制することができる。
【0044】
なおO2による熱酸化は、ラジカルによる酸化(ラジカル酸化)に比して、酸化力が弱い。このためO2による熱酸化が過度に生じる場合、酸化膜30a(図5)中に欠陥が残りやすい。また被処理基板6aがSiC基板である場合、Cが十分に酸化されずに被処理基板6a上に残存しやすい。またO2による熱酸化は、酸化膜30p(図6)の改質に寄与できない。
【0045】
また処理室10内壁およびガス導入配管3aの温度が100℃以下、すなわち一般にO3が分解しはじめる温度と言われている200℃よりも十分に低い温度とされることで、O3ガスが被処理基板6a上に到達する前に分解してしまうことを抑制することができる。
【0046】
またラジカル酸化が用いられることで、熱酸化が用いられる場合に比して、酸化レートの結晶方位依存性が抑制される。これにより、酸化膜30aと被処理基板6aとの界面がより平坦となるので、たとえば半導体装置(図3)において移動度の増大およびリーク電流の低減が期待される。またSTI(Shallow Trench Isolation)の形成や、トライゲートトランジスタなどの3次元構造の形成にも非常に有利である。またフラッシュメモリのインターポリ膜のようにいろいろな結晶方位を持った結晶粒が存在するポリシリコン上に酸化膜が形成される場合、ラフネスの増加を抑制することが可能である。超高集積化3次元LSIやシートコンピュータなどのデバイスでは、crystalline-Si(c-Si)上だけでなく、polycrystalline-Si(p-Si)上への酸化膜形成が必要となるため、ラジカル酸化による工法はさらに重要性が増すと考えられる。
【0047】
また加熱された被処理基板6aの主面に均一に供給されたO3ガスによって、O(3P)ラジカルが被処理基板6a上に均一に発生する。この被処理基板6a上に均一に発生したO(3P)ラジカルに対して赤橙色光5aが均一に照射されることによって、O(1D)ラジカルが被処理基板6a上に均一に発生する。このため被処理基板6aの主面における酸化処理の面内分布のばらつきを抑制することができる。よって、たとえば300mmウエハやLTPS−TFT用の基板のような大面積を有する基板において、酸化処理の面内ばらつきを特に低減することができる。
【0048】
また本実施の形態の変形例によれば、たとえばCVD法を用いて任意の厚さの酸化膜30p(図6)を形成でき、かつ、この酸化膜30pを酸化処理によって酸化膜30i(図7)に改質することで高い信頼性を確保することができる。すなわちラジカル酸化によって容易に形成し得る酸化膜30aの膜厚である10nm程度に比してより大きな膜厚を有し、かつ高い信頼性を有する酸化膜30iを容易に形成することができる。この酸化膜30iの形成方法は、たとえば3次元LSIやシートコンピュータにおけるpoly-Si層表面上の酸化膜形成のように、量産性の観点からCVD法が望まれる場合に適している。
【0049】
また任意の下地上に、任意の温度で、任意の膜厚の、絶縁特性に優れた酸化膜30iを形成できるため、全てのデバイスの全ての構造に適用可能という極めて高い設計自由度の獲得と、処理装置の統一による大幅なコストダウンとが可能になると期待される。
【0050】
また酸化膜30p(図6)は被処理基板6aの酸化によってではなく被処理基板6a上への酸化膜の堆積によって形成される。よって、たとえば無機系ガスソースを使うCVD法によって、Cを含有しない酸化膜30pを形成することができる。この酸化膜30pが改質されることで、被処理基板6aがCを含有するSiC基板である場合であっても、密度が高く、かつCの残留がない酸化膜30iを得ることができる。
【0051】
(実施の形態2)
図8を参照して、本実施の形態の酸化処理装置52aは、励起用赤橙色光源4b(光源)と、上部窓8と、整流板1bとを有する。
【0052】
整流板1bは、整流板1a(図1)とほぼ同様の形状および配置を有する。また整流板1bは、590nm以上630nm以下の波長の光を透過しやすい材料からなり、たとえば石英ガラスからなる。
【0053】
上部窓8は、被処理基板6aの主面との間に整流板1bを挟むように処理室10に配置されている。
【0054】
励起用赤橙色光源4bは、590nm以上630nm以下の波長を有する赤橙色光5bを出射するものであり、たとえばLEDまたはランプである。また励起用赤橙色光源4bは、被処理基板6aの主面との間に整流板1bおよび上部窓8を挟むように、処理室10外に配置されている。これにより赤橙色光5bは、上部窓8を透過して処理室10内へ入射し、さらに整流板1bを透過して被処理基板6aへ被処理基板6aの主面から入射される。
【0055】
なお図9に示すようにO(1D)ラジカルの発生過程は実施の形態1(図2)とほぼ同様である。
【0056】
また上記以外の構成については、上述した実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0057】
本実施の形態によっても、実施の形態1と同様の効果が得られる。さらに、励起用赤橙色光源4bが処理室10外に設けられるので、励起用赤橙色光源4bの設置が容易であり、励起用赤橙色光源4bの形状および大きさの制約も小さい。
【0058】
(実施の形態3)
はじめに本実施の形態の酸化処理装置の構成について説明する。
【0059】
図10を参照して、本実施の形態の酸化処理装置53aは、被処理基板6bの主面(一の面)の上において酸化処理を行なうためのものであり、励起用赤橙色光源4c(光源)を有する。
【0060】
被処理基板6bは励起用赤橙色光源4cからの赤橙色光5cの少なくとも一部を透過する材料からなり、好ましくは590nm以上630nm以下の波長の光を透過しやすい材料からなる。たとえば被処理基板6bはガラス基板またはSiC基板である。
【0061】
励起用赤橙色光源4cは、加熱用IR光源2とともに支持部22に支持されている。よって励起用赤橙色光源4cは、下部窓9を介して被処理基板6bの主面(一の面)と反対の面に面している。これにより励起用赤橙色光源4cは、下部窓9を介して、被処理基板6bに向けて590nm以上630nm以下の波長を有する赤橙色光5cを出射することができる。なお本実施の形態においては下部窓9は、IRだけでなく590nm以上630nm以下の波長の光を透過しやすい材料からなり、たとえば石英ガラスからなる。
【0062】
なお上記以外の構成については、上述した実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0063】
次に酸化処理装置51aの使用方法について説明する。
図11を参照して、実施の形態1(図2)と同様の方法によって、被処理基板6bの主面(図中の上面)上にO(3P)ラジカルが発生させられる。次に励起用赤橙色光源4cからの赤橙色光5cが被処理基板6bを経由して被処理基板6bの主面へ入射される。これにより、上記式(4)に示すように、O(1D)ラジカルが発生する。このO(1D)ラジカルの酸化作用によって、被処理基板6aの主面上において酸化処理が行なわれる。
【0064】
次に本実施の形態の半導体装置の製造方法について説明する。
図12を参照して、本実施の形態の半導体装置は、半導体基板(被処理基板)6bと、ゲート絶縁膜30gと、ゲート電極33と、ソース・ドレイン領域34、35とを有する。この半導体装置の製造方法について、以下に説明する。
【0065】
図13および図14を参照して、主面Pを有する被処理基板6bが準備される。被処理基板6bは、たとえばSiC基板である。次に酸化処理装置53aを用いて上述した酸化処理を行なうことによって、主面P上において酸化処理が行なわれる。これによって主面Pが酸化されることによって、被処理基板6b上に酸化膜30bが形成される。
【0066】
再び図3を参照して、ゲート電極33の形成と、酸化膜30bのパターニングによるゲート絶縁膜30gの形成と、ソース・ドレイン領域34、35の形成とが行なわれる。これにより本実施の形態の半導体装置が得られる。
【0067】
次に本実施の形態の第1変形例における半導体装置の製造方法について説明する。
図15を参照して、被処理基板6b上に酸化膜30pが堆積される。酸化膜30pの厚さは任意であり、たとえば20〜100nm程度の厚さ、すなわちパワーデバイスのゲート絶縁膜に適した厚さであってもよい。具体的には酸化膜30pとして、たとえばCVD(Chemical Vapor Deposition)法によってSiO2膜が形成される。CVDにより形成された酸化膜は、比較的密度が低く、絶縁特性に劣る。
【0068】
さらに図16を参照して、酸化処理装置53aを用いて上述した酸化処理を行なうことによって、酸化処理が行なわれる。これにより酸化膜30pが酸化膜30iに改質される。具体的には、たとえば密度および絶縁特性の向上がなされる。これにより、被処理基板6b上に酸化膜30iが形成される。
【0069】
次にゲート電極33(図12)の形成と、酸化膜30iのパターニングによるゲート絶縁膜30g(図12)の形成と、ソース・ドレイン領域34、35(図12)の形成とが行なわれる。これにより半導体装置(図12)が得られる。
【0070】
なお図17に示すように、被処理基板6bの代わりに、ガラス基板61と、ガラス基板61上に形成された半導体層62とを有する被処理基板6cが用いられてもよい。
【0071】
本実施の形態によっても、実施の形態1と同様の効果が得られる。さらに実施の形態1と異なり、励起用赤橙色光源4cが処理室10外に設けられるので、励起用赤橙色光源4cの設置が容易であり、励起用赤橙色光源4cの形状および大きさの制約も小さい。また実施の形態2と異なり、励起用赤橙色光源4cからの光赤橙色光5cが整流板1aに遮られないので、整流板1aによる赤橙色光5cの反射、吸収または散乱が生じない。よって被処理基板6bの主面上に均一に赤橙色光5cを照射することができるので、酸化処理の面内ばらつきを抑制することができる。
【0072】
また本実施の形態の変形例によれば、被処理基板6a上に堆積された酸化膜30pが改質されることで酸化膜30iが形成されるので、被処理基板6bを直接酸化する必要がない。よって被処理基板6bが直接酸化される場合に懸念されるCの残留を防止することができる。
【0073】
(実施の形態4)
はじめに本実施の形態の酸化処理装置の構成について説明する。
【0074】
図18を参照して、本実施の形態の酸化処理装置51bはガス導入配管3bを有する。ガス導入配管3bは、H2Oを含んだO3ガスを処理室10内に導入するためのものである。すなわちガス導入配管3bは、O3ガスおよびH2Oガスを導入するためのものである。
【0075】
なお上記以外の構成については、上述した実施の形態1の構成(図1)とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0076】
次に酸化処理装置51bの使用方法について説明する。
図19を参照して、まず実施の形態1(図2)と同様の方法によって、被処理基板6aの主面上に均一にO(1D)ラジカルが発生させられる。このO(1D)ラジカルは、被処理基板6aの主面上にO3ガスとともに供給されたH2Oと反応する。すなわち、以下の式(5)に示す反応によってOHラジカルが発生する。
【0077】
O(1D)+H2O→2OH ・・・(5)
このO(1D)ラジカルおよびOHラジカルの酸化作用によって、被処理基板6aの主面上において酸化処理が行なわれる。
【0078】
なおO(3P)は、O(1D)と異なり、H2Oとの間で式(5)に示すような反応を起こすことができない。
【0079】
本実施の形態によれば、実施の形態1と同様の効果が得られる。
さらに本実施の形態によれば、O(1D)ラジカルだけでなく、OHラジカルが酸化処理に寄与する。OHラジカルは極めて反応性に富むので、OHラジカルが用いられることで、より高い酸化レート、またはより高い改質効率を得ることができる。
【0080】
またOHラジカルは、OHラジカル同士の衝突などによって短時間で失活しやすい性質を有する。本実施の形態においてはOHラジカルは、被処理基板6aの主面上に均一に供給されたO(1D)ラジカルと、同じく被処理基板6aの主面上に均一に供給されたH2Oとの反応によって生成される。これにより、OHラジカルの寿命の初期の期間をも十分に利用して被処理基板6aの主面上における酸化処理を効率よく行なうことができる。また被処理基板6aの主面上にOHラジカルが均一に生成されるので、酸化処理の面内ばらつきを抑制することができる。
【0081】
(実施の形態5)
図20を参照して、本実施の形態の酸化処理装置52bは、実施の形態4(図18)と同様のガス導入配管3bを有する。
【0082】
なお上記以外の構成については、上述した実施の形態2の構成(図8)とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0083】
また図21に示すように、O(1D)ラジカルおよびOHラジカルの発生過程は実施の形態4(図19)とほぼ同様である。
【0084】
本実施の形態によれば、実施の形態2と同様の効果が得られる。
さらに本実施の形態によれば、実施の形態4と同様の理由で、より高い酸化レート、またはより高い改質効率を得ることができ、また酸化処理の面内ばらつきを抑制することができる。
【0085】
(実施の形態6)
図22を参照して、本実施の形態の酸化処理装置53bは、実施の形態4(図18)と同様のガス導入配管3bを有する。
【0086】
なお上記以外の構成については、上述した実施の形態3の構成(図10)とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0087】
また図23に示すように、O(1D)ラジカルの発生過程は実施の形態3(図11)とほぼ同様であり、またOHラジカルの発生過程は実施の形態4(図19)とほぼ同様である。
【0088】
本実施の形態によれば、実施の形態3と同様の効果が得られる。
さらに本実施の形態によれば、実施の形態4と同様の理由で、より高い酸化レート、またはより高い改質効率を得ることができ、また酸化処理の面内ばらつきを抑制することができる。
【0089】
今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、酸化処理を行なう工程を含む半導体装置の製造方法および酸化処理装置に特に有利に適用され得る。
【符号の説明】
【0091】
1a,1b 整流板、2 加熱用IR光源(加熱部)、3a,3b ガス導入配管(導入部)、4a〜4c 励起用赤橙色光源(光源)、5a〜5c 光赤橙色光、6a,6b 基板、7 試料ステージ、8 上部窓、9 下部窓、10 処理室、22 支持部、23 排気配管、25 IR光、30g ゲート絶縁膜、30a,30b,30i,30p 酸化膜、33 ゲート電極、34 ソース・ドレイン領域、51a,51b,52a,52b,53a,53b 酸化処理装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法および酸化処理装置に関し、特に酸化処理を行なう工程を含む半導体装置の製造方法および酸化処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの集積度および処理速度の向上のためには、ゲート絶縁膜の電気容量の増加が必須である。このためゲート絶縁膜としてのSiO2膜は、その絶縁特性が向上されつつ薄膜化されてきた。この結果、SiO2膜の厚さは、たとえば数原子層程度に薄くなってきている。また、たとえばロジックデバイスにおいては、1.0〜1.5nm程度の厚さと高い信頼性とを併せ持つ酸化膜が必要となってきている。このような酸化膜を形成することは、たとえば文献:B. E. Deal and A. S. Grove, J. Appl. Phys. 36, 3770 (1965)(非特許文献1)に示すような従来の熱酸化法では困難となってきている。
【0003】
ゲート絶縁膜の電気容量の増加のために酸化膜を薄膜化する方法としては、上記のように酸化膜の信頼性を保ちつつ物理的な厚さを低減する方法の他に、誘電率を考慮した等価酸化膜厚(EOT:Equivalent Oxide Thickness)を低減する方法もある。この場合に用いられるHfSiO膜などの高誘電率膜(High−K膜)は、Si基板との間で相互拡散を起こしやすいので、バリア膜としての高信頼性酸化膜を介してSi基板上に形成される。よってたとえ高誘電率膜が適用される場合においても、高い信頼性を有する酸化膜の薄膜化を行なうための新たな手法が望まれている。
【0004】
また上記のような高信頼性酸化膜を、より低温で形成することが求められている。たとえばロジックデバイスおよびSRAM(Static Random Access Memory)においては、導電型不純物の再拡散を防止するためのサーマルバジェットの低減の観点で、酸化膜の形成温度の低温化が求められている。また、たとえばLTPS−TFT(Low Temperature Poly-Si Thin Film Transistor)デバイスの場合のようにガラス基板が用いられる場合、基板の耐熱温度が400〜500℃程度であることから、熱酸化法のような高温を伴なう酸化膜形成方法は適用が困難であり、高信頼性酸化膜の形成温度の低減が求められている。さらにユビキタスネットワーク社会において必要とされるシートコンピュータの場合のようにフレキシブル基板が用いられる場合、基板の耐熱温度が250〜300℃程度であることから、高信頼性酸化膜の形成温度のさらなる低温化が必要である。このように様々な製品分野において、高信頼性酸化膜の形成温度を低温化することが求められている。
【0005】
このため、たとえば特開2008−53561号公報(特許文献1)に開示された酸化膜形成方法によれば、基板に紫外光領域の光が照射されるとともに、この基板に有機シリコンからなる原料ガスとオゾンガスとが供される。この公報によれば、200℃以下のプロセスで電気特性に優れた酸化膜を形成できる、と記載されている。また、上記光の照射によって、下記の式(1)および(2)に示す反応が生じると記載されている。
【0006】
O3+hν(λ<410nm)→O2(3Σ)+O(1D) ・・・(1)
O3+hν(λ<310nm)→O2(3Δg)+O(1D) ・・・(2)
また近年、SiC基板を用いたパワーデバイス(SiCパワーデバイス)の開発が進められている。SiC基板の熱酸化によって酸化膜が形成される場合、基板中のCの残留に起因したC由来欠陥により、キャリア移動度の低下、すなわち電流ロスの増大が生じ得る。またパワーデバイスに適した、たとえば20〜100nm程度の厚いゲート絶縁膜を熱酸化によって形成するためには、基板上においてより深部まで熱酸化を行なう必要があることから、たとえば900〜1200℃程度の高い温度が必要となってしまう。このため、高信頼性酸化膜を形成するための熱酸化法以外の方法が求められている。
【0007】
このため、たとえば特開2008−243919号公報(特許文献2)によれば、まずSiC基板上に、SiO2膜を堆積する堆積工程が行なわれ、次に酸素ラジカルによる酸化工程が行なわれる。この酸素ラジカルの発生方法としては、具体的には、プラズマを用いる方法、UV(Ultraviolet)照射による方法、およびオゾンの熱分解による方法が挙げられている。この公報によれば、C由来欠陥の少ないSiO2膜とSiCとの界面が得られ、またSiO2膜が酸素ラジカルによって高密度化される、と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−53561号公報
【特許文献2】特開2008−243919号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】B. E. Deal and A. S. Grove, "General Relationship for the Thermal Oxidation of Silicon", J. Appl. Phys. 36, 3770 (1965)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記特開2008−53561号公報(特許文献1)の技術によれば、式(1)に示すように、波長410nm以下の光、すなわち3.02eV以上の高いエネルギーを有する光が用いられるので、酸化膜が形成される基板にダメージを与えやすい。たとえば上記のように3.02eV以上のエネルギーの光がSi基板に照射されると、Si−Si結合エネルギーが2.3eVであることから、ダングリングボンドなどの欠陥が容易に生じ得る。よって、たとえば酸化膜がゲート絶縁膜である場合、チャネルに欠陥が生成されることで、トランジスタの特性が劣化し得る。このように、紫外光を用いる方法は基板に与えるダメージが大きくなりやすい。
【0011】
また上記特開2008−243919号公報(特許文献2)の技術によれば、プラズマが用いられる。プラズマは一般的に、運動エネルギーの高いイオンや電子などの荷電粒子を多量に発生させるため、上記と同様、基板に与えるダメージが大きくなりやすい。
【0012】
このように、上述した技術によれば、基板に与えるダメージが大きくなりやすいので、この方法を用いて得られる半導体装置の特性が劣化してしまうという問題がある。
【0013】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その一の目的は、酸化膜の形成にともなう基板へのダメージに起因した性能劣化を抑制することができる半導体装置の製造方法および酸化処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の半導体装置の製造方法は、以下の工程を有する。
一の面を有する基板が準備される。一の面の上において酸化処理が行なわれる。酸化処理が行なわれる際、O(3P)ラジカルが発生させられ、O(3P)ラジカルを励起することによってO(1D)ラジカルが発生させられる。
【0015】
本発明の酸化処理装置は、基板の一の面の上において酸化処理を行なうためのものであって、容器と、ステージと、導入部と、加熱部と、光源とを有する。ステージは、容器内に基板を支持するためのものである。導入部は、容器内にO3ガスを導入するためのものである。加熱部は、基板を加熱するためのものである。光源は、基板に向けて590nm以上630nm以下の波長を有する光を出射するためのものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の半導体装置の製造方法によれば、酸化処理を行なうためのO(1D)ラジカルがO(3P)ラジカルの励起によって発生させられる。よってO(1D)ラジカルがO3から直接生成される場合に比して、O(1D)ラジカルがより低いエネルギーで生成される。これにより、酸化膜の形成にともなう基板へのダメージが抑制されるので、このダメージによる半導体装置の性能劣化を抑制することができる。
【0017】
また本発明の酸化処理装置によれば、O3ガスを加熱することでO(3P)ラジカルを発生させ、このO(3P)ラジカルに590nm以上630nm以下の波長を有する光を照射することで、O(1D)ラジカルが発生させられる。よってより短波長の光、すなわちより高エネルギーの光が用いられる場合に比して、酸化膜の形成にともなう基板へのダメージが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1における酸化処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1におけるO(1D)ラジカルの発生過程を模式的に示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1における半導体装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法の第1工程を概略的に示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法の第2工程を概略的に示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1の変形例における半導体装置の製造方法の第1工程を概略的に示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態1の変形例における半導体装置の製造方法の第2工程を概略的に示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態2における酸化処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態2におけるO(1D)ラジカルの発生過程を模式的に示す図である。
【図10】本発明の実施の形態3における酸化処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図11】本発明の実施の形態3におけるO(1D)ラジカルの発生過程を模式的に示す図である。
【図12】本発明の実施の形態3における半導体装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図13】本発明の実施の形態3における半導体装置の製造方法の第1工程を概略的に示す断面図である。
【図14】本発明の実施の形態3における半導体装置の製造方法の第2工程を概略的に示す断面図である。
【図15】本発明の実施の形態3の第1変形例における半導体装置の製造方法の第1工程を概略的に示す断面図である。
【図16】本発明の実施の形態3の第1変形例における半導体装置の製造方法の第2工程を概略的に示す断面図である。
【図17】本発明の実施の形態3の第2変形例における半導体装置の製造方法の一工程を概略的に示す断面図である。
【図18】本発明の実施の形態4における酸化処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図19】本発明の実施の形態4におけるO(1D)ラジカルおよびOHラジカルの発生過程を模式的に示す図である。
【図20】本発明の実施の形態5における酸化処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図21】本発明の実施の形態5におけるO(1D)ラジカルおよびOHラジカルの発生過程を模式的に示す図である。
【図22】本発明の実施の形態6における酸化処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図23】本発明の実施の形態6におけるO(1D)ラジカルおよびOHラジカルの発生過程を模式的に示す図である。
【図24】O3の熱分解におけるO(3P)ラジカルの生成効率の温度依存性を示すグラフである。
【図25】O2によるSiの酸化レートの温度依存性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
はじめに本実施の形態の酸化処理装置の構成について説明する。
【0020】
図1を参照して、本実施の形態の酸化処理装置51aは、被処理基板6aの主面(一の面)の上において酸化処理を行なうためのものである。酸化処理装置51aは、処理室10と、試料ステージ7と、ガス導入配管3a(導入部)と、排気配管23と、加熱用IR(Infrared)光源2(加熱部)と、支持部22と、下部窓9と、整流板1aと、励起用赤橙色光源4a(光源)とを有する。
【0021】
試料ステージ7は、処理室10内に被処理基板6aを支持するためのものである。
ガス導入配管3aは、処理室10内にO3ガスを導入するためのものである。
【0022】
加熱用IR光源2は、処理室10外において支持部22に支持されており、処理室10に取り付けられた下部窓9を介して被処理基板6aの主面と反対の面にIR光25を照射するものである。加熱用IR光源2は、被処理基板6aを280℃以上620℃以下の温度に加熱することができる程度の出力を有し、また被処理基板6aの温度が280℃以上620℃以下の任意の温度に保持されるようにこの出力を制御することができるように構成されている。
【0023】
整流板1aは、導入されたO3ガスの流れを、図中矢印で示すように、被処理基板6aの主面に均一に供給されるダウンフローとするためのものである。
【0024】
励起用赤橙色光源4aは、被処理基板6aに向けて590nm以上630nm以下の波長を有する赤橙色光5aを出射するものである。すなわち赤橙色光5aは被処理基板6aへ被処理基板6aの主面から入射される。励起用赤橙色光源4aは複数の発光部を有する。各発光部は、被処理基板6aの主面と整流板1aとの間に配置されるように、整流板1aの下端に取り付けられている。この構成により、励起用赤橙色光源4aは被処理基板6aの主面に赤橙色光5aを均一に照射することができる。好ましくは各発光部はLEDを有する。これにより、各発光部を整流板1aに容易に取り付けることができる。
【0025】
好ましくは、酸化処理装置51aは、処理室10内壁およびガス導入配管3aの温度を室温以上100℃以下に保持するための冷却機構を有する。
【0026】
次に酸化処理装置51aの使用方法について説明する。
図1および図2を参照して、まず被処理基板6aが準備される。次に被処理基板6aが処理室10内の試料ステージ7上に載置される。次に被処理基板6aの主面上において酸化処理が、以下のように行なわれる。
【0027】
まず加熱用IR光源2がオンされることによって、IR光25が下部窓9を通って、被処理基板6aの主面と反対の面に照射される。加熱用IR光源2の出力を制御することによって、被処理基板6aの主面の温度が280℃以上620℃以下の所定の温度に保持される。
【0028】
次にガス導入配管3aにO3ガスが流される。これによって処理室10の上方側から処理室10内へO3ガスが導入される。導入されたO3ガスは、整流板1aに導かれることによって、均一なダウンフローとして被処理基板6aの主面上に供給される。供給されたO3ガスは、280℃以上620℃以下の所定の温度に保持された被処理基板6aの主面によって加熱されることで熱分解する。この熱分解によって、被処理基板6aの主面上においてO(3P)ラジカルが発生する。すなわち、以下の式(3)に示す反応が生じる。
【0029】
O3+熱→O2+O(3P) ・・・(3)
被処理基板6a上において発生したO(3P)ラジカルは、以下の式(4)に示すように、励起用赤橙色光源4aからの赤橙色光5aによって励起される。
【0030】
O(3P)+hν(590<λ<630nm)→O(1D) ・・・(4)
これによって、被処理基板6aの主面上に均一にO(1D)ラジカルが発生する。このO(1D)ラジカルの酸化作用によって、被処理基板6aの主面上において酸化処理が行なわれる。
【0031】
次に本実施の形態の半導体装置の製造方法について説明する。
図3を参照して、本実施の形態の半導体装置は、半導体基板(被処理基板)6aと、ゲート絶縁膜30gと、ゲート電極33と、ソース・ドレイン領域34、35とを有する。この半導体装置の製造方法について、以下に説明する。
【0032】
図4および図5を参照して、主面Pを有する被処理基板6aが準備される。被処理基板6aは、たとえばSi基板である。次に酸化処理装置51aを用いて上述した酸化処理を行なうことによって、主面P上において酸化処理が行なわれる。これによって主面Pが酸化されることによって、被処理基板6a上に酸化膜30aが形成される。被処理基板6aがSi基板の場合、酸化膜30aはSiO2膜である。
【0033】
再び図3を参照して、ゲート電極33の形成と、酸化膜30aのパターニングによるゲート絶縁膜30gの形成と、ソース・ドレイン領域34、35の形成とが行なわれる。これにより本実施の形態の半導体装置が得られる。
【0034】
次に本実施の形態の変形例における半導体装置の製造方法について説明する。
図6を参照して、被処理基板6a上に酸化膜30pが堆積される。酸化膜30pの厚さは任意であり、たとえば20〜100nm程度の厚さ、すなわちパワーデバイスのゲート絶縁膜に適した厚さであってもよい。具体的には酸化膜30pとして、たとえばCVD(Chemical Vapor Deposition)法によってSiO2膜が形成される。CVDにより形成された酸化膜は、比較的密度が低く、絶縁特性に劣る。
【0035】
図6および図7を参照して、酸化処理装置51aを用いて上述した酸化処理を行なうことによって、酸化処理が行なわれる。これにより酸化膜30pが酸化膜30iに改質される。具体的には、たとえば密度および絶縁特性の向上がなされる。これにより、被処理基板6a上に酸化膜30iが形成される。
【0036】
次にゲート電極33(図3)の形成と、酸化膜30iのパターニングによるゲート絶縁膜30g(図3)の形成と、ソース・ドレイン領域34、35(図3)の形成とが行なわれる。これにより半導体装置(図3)が得られる。
【0037】
本実施の形態によれば、酸化処理を行なうためのO(1D)ラジカルがO(3P)ラジカルの励起によって発生させられる。よってO(1D)ラジカルがO3から直接生成される場合に比して、O(1D)ラジカルがより低いエネルギーで生成される。すなわち590nm以上630nm以下の波長を有する赤橙色光5aを用いてO(3P)ラジカルを発生させることができるので、UV光を用いる必要がない。これにより、酸化膜30a(図5)または30i(図7)の形成にともなう被処理基板6aへのダメージが抑制される。よってこのダメージによる半導体装置の性能劣化を抑制することができる。
【0038】
またO(1D)ラジカルを発生させるのに、特にプラズマを用いる必要がない。よって被処理基板6aへの運動エネルギーの高いイオンや電子などの荷電粒子によるダメージが全くない。
【0039】
なお、たとえばRLSA(Radial Line Slot Antenna)を用いたマイクロ波励起低電子温度プラズマなどの特殊なプラズマを使用したとしても、プラズマによるダメージを完全に防止することは困難である。また広い領域にわたって均一にプラズマを生成するためには大規模な設備が必要であるため、LTPS−TFTなどのように基板面積が比較的大きい場合、製造コストの大幅な増大を招く。
【0040】
またO(1D)ラジカルは赤橙色光5aによって被処理基板6aの主面上で生成されるため、O(1D)ラジカルの10-7秒程度の極めて短い寿命の初期の期間をも十分に利用して被処理基板6aの主面上における酸化処理を行なうことができる。
【0041】
なお仮に被処理基板6aから離れた位置で生成されたO(1D)ラジカルが被処理基板6a上に移送されるとすると、O(1D)ラジカルは平均的には数百μm程度移動した時点で基底状態に遷移してO(3P)ラジカルに変化してしまうので、被処理基板6aへO(1D)ラジカルを効率よく供給することが困難である。
【0042】
また酸化処理の際、被処理基板6aは280℃以上の温度に保持される。O3は一般には200℃以上で熱分解すると言われているが、10-18(molecules/s)程度の十分に高い生成効率を得るためには、図24に示すように、280℃以上の温度で熱分解されることが好ましい。本実施の形態では被処理基板6aによってO3を280℃以上の温度に加熱できるので、被処理基板6a上においてO(3P)ラジカルを十分に高い生成効率で生成することができる。よってO(1D)ラジカルを表面で効率的に生成でき、O(1D)ラジカルによる酸化を効率よく行なうことができる。
【0043】
また酸化処理の際、被処理基板6aは620℃以下の温度に保持される。これにより、被処理基板6aのSiがO2よって酸化されるレートを、図25に示すように、実用上十分に小さい値である1nm/hr以下とすることができる。よってO3の熱分解(式(3))の際にO(3P)ラジカルとともに生じるO2による被処理基板6aのSiの熱酸化を抑制することができる。
【0044】
なおO2による熱酸化は、ラジカルによる酸化(ラジカル酸化)に比して、酸化力が弱い。このためO2による熱酸化が過度に生じる場合、酸化膜30a(図5)中に欠陥が残りやすい。また被処理基板6aがSiC基板である場合、Cが十分に酸化されずに被処理基板6a上に残存しやすい。またO2による熱酸化は、酸化膜30p(図6)の改質に寄与できない。
【0045】
また処理室10内壁およびガス導入配管3aの温度が100℃以下、すなわち一般にO3が分解しはじめる温度と言われている200℃よりも十分に低い温度とされることで、O3ガスが被処理基板6a上に到達する前に分解してしまうことを抑制することができる。
【0046】
またラジカル酸化が用いられることで、熱酸化が用いられる場合に比して、酸化レートの結晶方位依存性が抑制される。これにより、酸化膜30aと被処理基板6aとの界面がより平坦となるので、たとえば半導体装置(図3)において移動度の増大およびリーク電流の低減が期待される。またSTI(Shallow Trench Isolation)の形成や、トライゲートトランジスタなどの3次元構造の形成にも非常に有利である。またフラッシュメモリのインターポリ膜のようにいろいろな結晶方位を持った結晶粒が存在するポリシリコン上に酸化膜が形成される場合、ラフネスの増加を抑制することが可能である。超高集積化3次元LSIやシートコンピュータなどのデバイスでは、crystalline-Si(c-Si)上だけでなく、polycrystalline-Si(p-Si)上への酸化膜形成が必要となるため、ラジカル酸化による工法はさらに重要性が増すと考えられる。
【0047】
また加熱された被処理基板6aの主面に均一に供給されたO3ガスによって、O(3P)ラジカルが被処理基板6a上に均一に発生する。この被処理基板6a上に均一に発生したO(3P)ラジカルに対して赤橙色光5aが均一に照射されることによって、O(1D)ラジカルが被処理基板6a上に均一に発生する。このため被処理基板6aの主面における酸化処理の面内分布のばらつきを抑制することができる。よって、たとえば300mmウエハやLTPS−TFT用の基板のような大面積を有する基板において、酸化処理の面内ばらつきを特に低減することができる。
【0048】
また本実施の形態の変形例によれば、たとえばCVD法を用いて任意の厚さの酸化膜30p(図6)を形成でき、かつ、この酸化膜30pを酸化処理によって酸化膜30i(図7)に改質することで高い信頼性を確保することができる。すなわちラジカル酸化によって容易に形成し得る酸化膜30aの膜厚である10nm程度に比してより大きな膜厚を有し、かつ高い信頼性を有する酸化膜30iを容易に形成することができる。この酸化膜30iの形成方法は、たとえば3次元LSIやシートコンピュータにおけるpoly-Si層表面上の酸化膜形成のように、量産性の観点からCVD法が望まれる場合に適している。
【0049】
また任意の下地上に、任意の温度で、任意の膜厚の、絶縁特性に優れた酸化膜30iを形成できるため、全てのデバイスの全ての構造に適用可能という極めて高い設計自由度の獲得と、処理装置の統一による大幅なコストダウンとが可能になると期待される。
【0050】
また酸化膜30p(図6)は被処理基板6aの酸化によってではなく被処理基板6a上への酸化膜の堆積によって形成される。よって、たとえば無機系ガスソースを使うCVD法によって、Cを含有しない酸化膜30pを形成することができる。この酸化膜30pが改質されることで、被処理基板6aがCを含有するSiC基板である場合であっても、密度が高く、かつCの残留がない酸化膜30iを得ることができる。
【0051】
(実施の形態2)
図8を参照して、本実施の形態の酸化処理装置52aは、励起用赤橙色光源4b(光源)と、上部窓8と、整流板1bとを有する。
【0052】
整流板1bは、整流板1a(図1)とほぼ同様の形状および配置を有する。また整流板1bは、590nm以上630nm以下の波長の光を透過しやすい材料からなり、たとえば石英ガラスからなる。
【0053】
上部窓8は、被処理基板6aの主面との間に整流板1bを挟むように処理室10に配置されている。
【0054】
励起用赤橙色光源4bは、590nm以上630nm以下の波長を有する赤橙色光5bを出射するものであり、たとえばLEDまたはランプである。また励起用赤橙色光源4bは、被処理基板6aの主面との間に整流板1bおよび上部窓8を挟むように、処理室10外に配置されている。これにより赤橙色光5bは、上部窓8を透過して処理室10内へ入射し、さらに整流板1bを透過して被処理基板6aへ被処理基板6aの主面から入射される。
【0055】
なお図9に示すようにO(1D)ラジカルの発生過程は実施の形態1(図2)とほぼ同様である。
【0056】
また上記以外の構成については、上述した実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0057】
本実施の形態によっても、実施の形態1と同様の効果が得られる。さらに、励起用赤橙色光源4bが処理室10外に設けられるので、励起用赤橙色光源4bの設置が容易であり、励起用赤橙色光源4bの形状および大きさの制約も小さい。
【0058】
(実施の形態3)
はじめに本実施の形態の酸化処理装置の構成について説明する。
【0059】
図10を参照して、本実施の形態の酸化処理装置53aは、被処理基板6bの主面(一の面)の上において酸化処理を行なうためのものであり、励起用赤橙色光源4c(光源)を有する。
【0060】
被処理基板6bは励起用赤橙色光源4cからの赤橙色光5cの少なくとも一部を透過する材料からなり、好ましくは590nm以上630nm以下の波長の光を透過しやすい材料からなる。たとえば被処理基板6bはガラス基板またはSiC基板である。
【0061】
励起用赤橙色光源4cは、加熱用IR光源2とともに支持部22に支持されている。よって励起用赤橙色光源4cは、下部窓9を介して被処理基板6bの主面(一の面)と反対の面に面している。これにより励起用赤橙色光源4cは、下部窓9を介して、被処理基板6bに向けて590nm以上630nm以下の波長を有する赤橙色光5cを出射することができる。なお本実施の形態においては下部窓9は、IRだけでなく590nm以上630nm以下の波長の光を透過しやすい材料からなり、たとえば石英ガラスからなる。
【0062】
なお上記以外の構成については、上述した実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0063】
次に酸化処理装置51aの使用方法について説明する。
図11を参照して、実施の形態1(図2)と同様の方法によって、被処理基板6bの主面(図中の上面)上にO(3P)ラジカルが発生させられる。次に励起用赤橙色光源4cからの赤橙色光5cが被処理基板6bを経由して被処理基板6bの主面へ入射される。これにより、上記式(4)に示すように、O(1D)ラジカルが発生する。このO(1D)ラジカルの酸化作用によって、被処理基板6aの主面上において酸化処理が行なわれる。
【0064】
次に本実施の形態の半導体装置の製造方法について説明する。
図12を参照して、本実施の形態の半導体装置は、半導体基板(被処理基板)6bと、ゲート絶縁膜30gと、ゲート電極33と、ソース・ドレイン領域34、35とを有する。この半導体装置の製造方法について、以下に説明する。
【0065】
図13および図14を参照して、主面Pを有する被処理基板6bが準備される。被処理基板6bは、たとえばSiC基板である。次に酸化処理装置53aを用いて上述した酸化処理を行なうことによって、主面P上において酸化処理が行なわれる。これによって主面Pが酸化されることによって、被処理基板6b上に酸化膜30bが形成される。
【0066】
再び図3を参照して、ゲート電極33の形成と、酸化膜30bのパターニングによるゲート絶縁膜30gの形成と、ソース・ドレイン領域34、35の形成とが行なわれる。これにより本実施の形態の半導体装置が得られる。
【0067】
次に本実施の形態の第1変形例における半導体装置の製造方法について説明する。
図15を参照して、被処理基板6b上に酸化膜30pが堆積される。酸化膜30pの厚さは任意であり、たとえば20〜100nm程度の厚さ、すなわちパワーデバイスのゲート絶縁膜に適した厚さであってもよい。具体的には酸化膜30pとして、たとえばCVD(Chemical Vapor Deposition)法によってSiO2膜が形成される。CVDにより形成された酸化膜は、比較的密度が低く、絶縁特性に劣る。
【0068】
さらに図16を参照して、酸化処理装置53aを用いて上述した酸化処理を行なうことによって、酸化処理が行なわれる。これにより酸化膜30pが酸化膜30iに改質される。具体的には、たとえば密度および絶縁特性の向上がなされる。これにより、被処理基板6b上に酸化膜30iが形成される。
【0069】
次にゲート電極33(図12)の形成と、酸化膜30iのパターニングによるゲート絶縁膜30g(図12)の形成と、ソース・ドレイン領域34、35(図12)の形成とが行なわれる。これにより半導体装置(図12)が得られる。
【0070】
なお図17に示すように、被処理基板6bの代わりに、ガラス基板61と、ガラス基板61上に形成された半導体層62とを有する被処理基板6cが用いられてもよい。
【0071】
本実施の形態によっても、実施の形態1と同様の効果が得られる。さらに実施の形態1と異なり、励起用赤橙色光源4cが処理室10外に設けられるので、励起用赤橙色光源4cの設置が容易であり、励起用赤橙色光源4cの形状および大きさの制約も小さい。また実施の形態2と異なり、励起用赤橙色光源4cからの光赤橙色光5cが整流板1aに遮られないので、整流板1aによる赤橙色光5cの反射、吸収または散乱が生じない。よって被処理基板6bの主面上に均一に赤橙色光5cを照射することができるので、酸化処理の面内ばらつきを抑制することができる。
【0072】
また本実施の形態の変形例によれば、被処理基板6a上に堆積された酸化膜30pが改質されることで酸化膜30iが形成されるので、被処理基板6bを直接酸化する必要がない。よって被処理基板6bが直接酸化される場合に懸念されるCの残留を防止することができる。
【0073】
(実施の形態4)
はじめに本実施の形態の酸化処理装置の構成について説明する。
【0074】
図18を参照して、本実施の形態の酸化処理装置51bはガス導入配管3bを有する。ガス導入配管3bは、H2Oを含んだO3ガスを処理室10内に導入するためのものである。すなわちガス導入配管3bは、O3ガスおよびH2Oガスを導入するためのものである。
【0075】
なお上記以外の構成については、上述した実施の形態1の構成(図1)とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0076】
次に酸化処理装置51bの使用方法について説明する。
図19を参照して、まず実施の形態1(図2)と同様の方法によって、被処理基板6aの主面上に均一にO(1D)ラジカルが発生させられる。このO(1D)ラジカルは、被処理基板6aの主面上にO3ガスとともに供給されたH2Oと反応する。すなわち、以下の式(5)に示す反応によってOHラジカルが発生する。
【0077】
O(1D)+H2O→2OH ・・・(5)
このO(1D)ラジカルおよびOHラジカルの酸化作用によって、被処理基板6aの主面上において酸化処理が行なわれる。
【0078】
なおO(3P)は、O(1D)と異なり、H2Oとの間で式(5)に示すような反応を起こすことができない。
【0079】
本実施の形態によれば、実施の形態1と同様の効果が得られる。
さらに本実施の形態によれば、O(1D)ラジカルだけでなく、OHラジカルが酸化処理に寄与する。OHラジカルは極めて反応性に富むので、OHラジカルが用いられることで、より高い酸化レート、またはより高い改質効率を得ることができる。
【0080】
またOHラジカルは、OHラジカル同士の衝突などによって短時間で失活しやすい性質を有する。本実施の形態においてはOHラジカルは、被処理基板6aの主面上に均一に供給されたO(1D)ラジカルと、同じく被処理基板6aの主面上に均一に供給されたH2Oとの反応によって生成される。これにより、OHラジカルの寿命の初期の期間をも十分に利用して被処理基板6aの主面上における酸化処理を効率よく行なうことができる。また被処理基板6aの主面上にOHラジカルが均一に生成されるので、酸化処理の面内ばらつきを抑制することができる。
【0081】
(実施の形態5)
図20を参照して、本実施の形態の酸化処理装置52bは、実施の形態4(図18)と同様のガス導入配管3bを有する。
【0082】
なお上記以外の構成については、上述した実施の形態2の構成(図8)とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0083】
また図21に示すように、O(1D)ラジカルおよびOHラジカルの発生過程は実施の形態4(図19)とほぼ同様である。
【0084】
本実施の形態によれば、実施の形態2と同様の効果が得られる。
さらに本実施の形態によれば、実施の形態4と同様の理由で、より高い酸化レート、またはより高い改質効率を得ることができ、また酸化処理の面内ばらつきを抑制することができる。
【0085】
(実施の形態6)
図22を参照して、本実施の形態の酸化処理装置53bは、実施の形態4(図18)と同様のガス導入配管3bを有する。
【0086】
なお上記以外の構成については、上述した実施の形態3の構成(図10)とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0087】
また図23に示すように、O(1D)ラジカルの発生過程は実施の形態3(図11)とほぼ同様であり、またOHラジカルの発生過程は実施の形態4(図19)とほぼ同様である。
【0088】
本実施の形態によれば、実施の形態3と同様の効果が得られる。
さらに本実施の形態によれば、実施の形態4と同様の理由で、より高い酸化レート、またはより高い改質効率を得ることができ、また酸化処理の面内ばらつきを抑制することができる。
【0089】
今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、酸化処理を行なう工程を含む半導体装置の製造方法および酸化処理装置に特に有利に適用され得る。
【符号の説明】
【0091】
1a,1b 整流板、2 加熱用IR光源(加熱部)、3a,3b ガス導入配管(導入部)、4a〜4c 励起用赤橙色光源(光源)、5a〜5c 光赤橙色光、6a,6b 基板、7 試料ステージ、8 上部窓、9 下部窓、10 処理室、22 支持部、23 排気配管、25 IR光、30g ゲート絶縁膜、30a,30b,30i,30p 酸化膜、33 ゲート電極、34 ソース・ドレイン領域、51a,51b,52a,52b,53a,53b 酸化処理装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一の面を有する基板を準備する工程と、前記一の面の上において酸化処理を行なう工程とを備え、
前記酸化処理を行なう工程は、O(3P)ラジカルを発生させる工程と、前記O(3P)ラジカルを励起することによってO(1D)ラジカルを発生させる工程とを含む、半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記酸化処理を行なう工程は、前記一の面を酸化することによって前記基板上に酸化膜を形成する工程を含む、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記酸化処理を行なう工程の前に、前記一の面の上に酸化膜を形成する工程をさらに備え、
前記酸化処理を行なう工程は、前記酸化膜を改質する工程を含む、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記O(1D)ラジカルを発生させる工程は、前記半導体基板上に前記O(3P)ラジカルを供給する工程と、前記供給されたO(3P)を光を照射することによって励起する工程とを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記光は前記半導体基板へ前記一の面から入射される、請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記半導体基板は前記光の少なくとも一部を透過する材料からなり、
前記光は前記半導体基板を経由して前記一の面へ入射される、請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記光は590nm以上630nm以下の波長を有する、請求項4〜6のいずれかに記載の記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記O(3P)ラジカルを発生させる工程は、前記半導体基板上にO3ガスを供給する工程と、前記供給されたO3ガスを熱分解する工程とを含む、請求項1〜7のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記半導体基板を280℃以上620℃以下に加熱する工程をさらに備えた、請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記O(1D)ラジカルとH2Oとを反応させることによってOHラジカルを発生させる工程をさらに備えた、請求項1〜9のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
基板の一の面の上において酸化処理を行なうための酸化処理装置であって、
容器と、
前記容器内に前記基板を支持するためのステージと、
前記容器内にO3ガスを導入するための導入部と、
前記基板を加熱するための加熱部と、
前記基板に向けて590nm以上630nm以下の波長を有する光を出射する光源とを備えた、酸化処理装置。
【請求項12】
前記加熱部は、前記基板を280℃以上620℃以下の温度に加熱するためのものである、請求項11に記載の酸化処理装置。
【請求項13】
前記導入されたO3ガスの流れを前記一の面に向けるための整流板をさらに備えた、請求項11または12に記載の酸化処理装置。
【請求項14】
前記光源は前記一の面と前記整流板との間に配置されている、請求項13に記載の酸化処理装置。
【請求項15】
前記光源は複数の発光部を有する、請求項14に記載の酸化処理装置。
【請求項16】
前記光源は前記一の面との間に前記整流板を挟むように配置され、前記整流板は前記光の少なくとも一部を透過する、請求項13に記載の酸化処理装置。
【請求項17】
前記光源は前記基板の前記一の面と反対の面に面している、請求項11〜13のいずれかに記載の酸化処理装置。
【請求項18】
前記導入部はO3ガスおよびH2Oガスを導入するためのものである、請求項11〜17のいずれかに記載の酸化処理装置。
【請求項1】
一の面を有する基板を準備する工程と、前記一の面の上において酸化処理を行なう工程とを備え、
前記酸化処理を行なう工程は、O(3P)ラジカルを発生させる工程と、前記O(3P)ラジカルを励起することによってO(1D)ラジカルを発生させる工程とを含む、半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記酸化処理を行なう工程は、前記一の面を酸化することによって前記基板上に酸化膜を形成する工程を含む、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記酸化処理を行なう工程の前に、前記一の面の上に酸化膜を形成する工程をさらに備え、
前記酸化処理を行なう工程は、前記酸化膜を改質する工程を含む、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記O(1D)ラジカルを発生させる工程は、前記半導体基板上に前記O(3P)ラジカルを供給する工程と、前記供給されたO(3P)を光を照射することによって励起する工程とを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記光は前記半導体基板へ前記一の面から入射される、請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記半導体基板は前記光の少なくとも一部を透過する材料からなり、
前記光は前記半導体基板を経由して前記一の面へ入射される、請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記光は590nm以上630nm以下の波長を有する、請求項4〜6のいずれかに記載の記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記O(3P)ラジカルを発生させる工程は、前記半導体基板上にO3ガスを供給する工程と、前記供給されたO3ガスを熱分解する工程とを含む、請求項1〜7のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記半導体基板を280℃以上620℃以下に加熱する工程をさらに備えた、請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記O(1D)ラジカルとH2Oとを反応させることによってOHラジカルを発生させる工程をさらに備えた、請求項1〜9のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
基板の一の面の上において酸化処理を行なうための酸化処理装置であって、
容器と、
前記容器内に前記基板を支持するためのステージと、
前記容器内にO3ガスを導入するための導入部と、
前記基板を加熱するための加熱部と、
前記基板に向けて590nm以上630nm以下の波長を有する光を出射する光源とを備えた、酸化処理装置。
【請求項12】
前記加熱部は、前記基板を280℃以上620℃以下の温度に加熱するためのものである、請求項11に記載の酸化処理装置。
【請求項13】
前記導入されたO3ガスの流れを前記一の面に向けるための整流板をさらに備えた、請求項11または12に記載の酸化処理装置。
【請求項14】
前記光源は前記一の面と前記整流板との間に配置されている、請求項13に記載の酸化処理装置。
【請求項15】
前記光源は複数の発光部を有する、請求項14に記載の酸化処理装置。
【請求項16】
前記光源は前記一の面との間に前記整流板を挟むように配置され、前記整流板は前記光の少なくとも一部を透過する、請求項13に記載の酸化処理装置。
【請求項17】
前記光源は前記基板の前記一の面と反対の面に面している、請求項11〜13のいずれかに記載の酸化処理装置。
【請求項18】
前記導入部はO3ガスおよびH2Oガスを導入するためのものである、請求項11〜17のいずれかに記載の酸化処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2010−232280(P2010−232280A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−76054(P2009−76054)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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