半導体装置の製造方法及び半導体ウエハ
【課題】 導電体部を有し、複数の絶縁膜を除去して形成される半導体装置において、金属汚染を抑制することが可能な半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 導電パターンを有する配線層と、導電パターンの側面を囲む第1の絶縁膜を含む複数の絶縁膜と、を有する半導体装置の製造方法において、半導体ウエハ上に複数の絶縁膜を形成する工程と、配線層を形成する工程と、を有する。そして、半導体ウエハ上に複数の絶縁膜を形成する工程及び配線層を形成する工程の後に、複数の絶縁膜の一部の領域を除去し、開口を形成する工程と、を有する。ここで、第1の絶縁膜は、導電パターンの配置位置のうちウエハの最外周に最も近い位置よりも半導体ウエハの外周に近い位置まで配置されている。
【解決手段】 導電パターンを有する配線層と、導電パターンの側面を囲む第1の絶縁膜を含む複数の絶縁膜と、を有する半導体装置の製造方法において、半導体ウエハ上に複数の絶縁膜を形成する工程と、配線層を形成する工程と、を有する。そして、半導体ウエハ上に複数の絶縁膜を形成する工程及び配線層を形成する工程の後に、複数の絶縁膜の一部の領域を除去し、開口を形成する工程と、を有する。ここで、第1の絶縁膜は、導電パターンの配置位置のうちウエハの最外周に最も近い位置よりも半導体ウエハの外周に近い位置まで配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置の製造方法、及び半導体ウエハに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、配線の微細化のために半導体装置の配線材料として銅配線が利用されている。特許文献1には、銅配線を有する半導体装置の製造方法における半導体装置を形成するウエハの端部の構成が開示されている。具体的には、配線が形成される絶縁膜よりもウエハの外周に配線の導電体である金属、ここでは銅が形成され、その上部にブロック層を形成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−093402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような配線の製造方法において絶縁膜をエッチングする場合に、ウエハ外縁の銅が形成される部分に絶縁体のエッチングがなされてしまう場合がある。銅が形成される部分の絶縁膜が除去されると、銅がウエハに飛散し、金属汚染を生じかねない。このような金属汚染の発生は、配線層を有し、複数の絶縁膜を一括で除去する工程を有する半導体装置で生じうる。
【0005】
また、本発明者らは、金属汚染は銅だけでなく、また配線層のみの問題ではないことを見出した。
【0006】
よって、本発明においては、金属汚染を抑制することが可能な半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。また、金属汚染が抑制された半導体ウエハを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の半導体装置の製造方法は、導電パターンを有する配線層と、前記導電パターンの側面を囲む第1の絶縁膜を含む複数の絶縁膜と、を有する半導体装置の製造方法において、半導体ウエハの上に前記複数の絶縁膜を形成する工程と、前記配線層を形成する工程と、前記複数の絶縁膜を形成する工程及び前記配線層を形成する工程の後に、前記複数の絶縁膜の一部の領域を除去し、開口を形成する工程と、を有し、前記第1の絶縁膜は、前記導電パターンの配置位置のうち前記ウエハの外周に最も近い位置よりも前記半導体ウエハの外周に近い位置まで配置されている。
【0008】
また、本発明の半導体ウエハは、素子と、導電パターンを有する配線層と、前記導電パターンの側面を囲む第1の絶縁膜を含む複数の絶縁膜と、前記複数の絶縁膜に配された光導波路と、を含む半導体装置を有する半導体ウエハにおいて、前記第1の絶縁膜は、前記導電パターンの配置位置のうち最も前記半導体ウエハの外周に近い位置よりも、前記半導体ウエハの外周の近くまで配置されている。
【0009】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、導電体部と、第1の絶縁膜を含む複数の絶縁膜と、を有する半導体装置の製造方法において、前記導電体部と前記複数の絶縁膜を有する半導体ウエハを準備する工程と、前記複数の絶縁膜の一部の領域を除去し、開口を形成する工程と、を有し、前記導電体部と前記複数の絶縁膜を有する半導体ウエハを準備する工程は、前記第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜の上に導電膜を形成することで導電体部を形成する工程とを有し、前記第1の絶縁膜を形成する工程において、前記第1の絶縁膜は前記半導体ウエハの外周から第1の位置まで形成され、前記導電体部を形成する工程において、前記導電膜は、前記第1の位置よりも前記半導体ウエハの外周から遠い前記第2の位置まで形成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、金属汚染を抑制することが可能な半導体装置の製造方法等を提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1を説明するためのウエハの平面模式図と断面模式図。
【図2】実施例1のウエハの平面模式図と断面模式図。
【図3】実施例1の製造方法を説明するための断面模式図。
【図4】実施例1の製造方法を説明するための断面模式図。
【図5】実施例1の製造方法を説明するための断面模式図。
【図6】実施例1の製造方法を説明するための断面模式図。
【図7】実施例2の製造方法を説明するための断面模式図。
【図8】実施例3の製造方法を説明するための断面模式図。
【図9】実施例4の製造方法を説明するための断面模式図。
【図10】固体撮像装置を説明するための平面模式図。
【図11】実施例5を説明するためのウエハの平面模式図。
【図12】実施例5を説明するためのウエハの断面模式図。
【図13】実施例5の製造方法を説明するための断面模式図。
【図14】実施例5の製造方法を説明するための断面模式図。
【図15】実施例6の製造方法を説明するためのウエハの平面模式図と断面模式図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、導電パターンを有する配線層と、導電パターンの側面を囲む第1の絶縁膜を含む複数の絶縁膜と、を有する半導体装置の製造方法において、半導体ウエハ上に複数の絶縁膜を形成する工程と、配線層を形成する工程と、を有する。そして、複数の絶縁膜を形成する工程及び配線層を形成する工程の後に、複数の絶縁膜の一部の領域を除去し、開口を形成する工程と、を有する。ここで、第1の絶縁膜は、導電パターンの配置位置のうちウエハの最外周に最も近い位置よりも半導体ウエハの外周に近い位置まで配置されている。
【0013】
このような構成によって、複数の絶縁膜の一部の領域を除去する工程において、配線層を構成する金属材料の露出及び飛散が生じないため、金属汚染の発生を抑制することが可能な製造方法を提供することが可能となる。
【0014】
また、本発明は、それぞれが複数の素子を有する半導体基板と、導電パターンを有する配線層と、導電パターンの側面を囲む第1の絶縁膜を含む複数の絶縁膜と、複数の絶縁膜に配された光導波路と、を含む複数の半導体装置を有するウエハに関する。ここで、第1の絶縁膜は、導電パターンの配置位置のうち最も半導体ウエハの外周に近い位置よりも半導体ウエハの外周の近くまで配置されている。
【0015】
このような構成によって、複数の絶縁膜の一部の領域を除去する工程において、配線層を構成する金属材料の露出及び飛散が生じないため、金属汚染の発生を抑制することが可能である。
【0016】
また、本発明は、配線層の導電パターンに加えシリサイド領域や遮光膜などを構成する場合にも適用可能である。配線層の導電パターンに加えシリサイド領域や遮光膜などを導電体部とし、導電体部を形成するための金属膜等を導電体膜とする。この時に、それらを形成するための導電膜の外縁より、導電膜の前に形成される第1の絶縁膜の外縁を、ウエハ外周に近い位置まで形成する工程を有する。
【0017】
以下、開口とは、複数の層間絶縁膜を貫通する場合あるいは貫通しない場合(凹部)のいずれの場合も含み、孔とも言える。開口を用いる構成として、実施例では導波路及び貫通ビア(貫通電極)を例に挙げるが、他の構成にも適用可能である。本発明は半導体装置一般に適用可能であるが、特に、金属汚染の低減が望まれる固体撮像装置に好適である。
【0018】
以下、図面を用いて詳細に説明する。
【実施例1】
【0019】
実施例1を図1〜図6を用いて説明する。まず、本件の課題について、図1を用いて更に詳細に説明する。
図1(a)は半導体ウエハ1(以下、ウエハとも称する)と露光領域についての平面模式図である。図1(a)は、ウエハの素子形成面である主面に対し、ウエハ1の中心10の直上から見たときの平面図である。ウエハの外周101は、ウエハ1の外周であり、ウエハ1の主面の外縁である。図1(a)には、露光領域について説明する格子が示されている。露光領域103は、ある1回の露光工程において、露光光が照射される範囲である。つまり、3×4格子に対応する領域を一度の露光工程で露光する。後に詳述するが、本実施例では、エッチングのためのマスクパターンを形成する工程(あるレイヤ)における露光とする。
【0020】
ここで、一般に、1つの半導体ウエハから複数の半導体装置(半導体チップ)を製造している。図1(a)においては1つのウエハに、1つの半導体装置に対応する格子102は12×12の配列で配されている。
【0021】
また、生産性を高めるため、1回の露光で複数の半導体装置にまたがって露光を行うことがなされており、本実施例において露光領域103は、半導体装置12個分に対応する領域に光を照射する。したがって、本実施例において、1レイヤを形成するためにウエハ1の全面に露光するためには、計12回の露光が必要である。ここで、ウエハ1の外周101よりも外側の領域は、実際には半導体装置は形成されない無効な領域である。つまり領域102の全体がウエハ内に存在して初めて一つの半導体装置として成り立つ。
【0022】
本実施例においては、配線層を形成する導電パターンが形成される領域の外縁105が、配線層を有する第1の絶縁膜が形成される領域の外縁104よりも外側に配される。図1(b)は図1(a)の注目領域107について拡大した図面である。第1の絶縁膜が形成される外縁104と、導電体が形成される外縁105とが、ウエハの中心10からウエハの外周101に向かってこの順に配置されている。以下、ウエハの中心10からウエハの外周101に向かう方向を外に向かう方向、あるいは外側とし、ウエハの外周101からウエハ中心10に向かう方向を内に向かう方向、あるいは内側とする。
【0023】
なお、半導体装置が形成可能な領域106は、1格子全体がウエハの外周101と、外縁105と、外縁104よりも内側に配置されている領域である。本実施例の構成において、完成する半導体装置は72個である。
【0024】
次に、図1(c)を用いて本件の課題について説明する。図1(c)は図1(b)のXI−YI線における断面模式図である。図1(a)の半導体基板110には素子が形成されている(不図示)。ここで、半導体基板110は半導体ウエハの一部を指しており、半導体基板といった場合には、ウエハのままの場合とダイシング等によって個々に分離され、半導体装置として完成した後の基板の両者を指すことがある。
【0025】
そして、半導体基板の上には、例えばトランジスタのゲートを構成する導電パターン111と、複数の絶縁層と、ゲートを構成する導電パターンよりも上部に配された、配線層を構成する導電パターンとが配置されている。本実施例において配線層は第1の配線層121と第2の配線層122の2層設けられており、それぞれを構成する導電パターンが図示されている。ゲートを構成する導電パターン111は例えばポリシリコンからなる。各配線層は各々が電気的に独立した複数の配線、すなわち複数の独立した導電パターンを有する。ここで、配線層を構成する導電パターンは、例えば銅を主成分とする。
【0026】
複数の絶縁層は、絶縁層112〜120を含み、例えば酸化シリコンからなる絶縁層と窒化シリコンからなる絶縁層とが交互に積層して構成される。複数の絶縁層は、少なくとも導電パターンの側面を囲む絶縁膜を有している。ここで、第1の配線層121を構成する導電パターンは、絶縁膜114及び絶縁膜113に側面を囲まれている。また、第2の配線層122を構成する導電パターンは、絶縁膜118及び絶縁膜117に側面を囲まれている。配線層を構成する導電パターンの側面を囲う絶縁膜を第1の絶縁膜と称する。第1の絶縁膜の一例として、ダマシン構造のように、導電パターンを提供するための溝(開口あるいは凹部)を有するものが挙げられる。具体的には、図1(c)において、第1の絶縁膜は、その溝に第1の配線層121の導電パターンが配置されている絶縁膜113及び絶縁膜114である。また、第1の絶縁膜は、その溝に第2の配線層122の導電パターンが配置されている絶縁膜117及び絶縁膜118である。つまり、第1の絶縁膜は配線層が配される第1の絶縁膜は単層でも複数層でもよい。このような構成は、シングルダマシンあるいはデュアルダマシン法によって形成することができる。ここで、第1の配線層121の導電パターンの上面は絶縁膜114の上面と接しており、第2の配線層122の導電パターンの上面は絶縁膜118の上面と接している。
【0027】
配線層の導電パターンの側面を囲う絶縁膜が形成される領域の外縁104とは、絶縁膜を形成する際に、用いられる膜が形成される領域の外縁である。絶縁膜の配置位置はウエハの中心10から外縁104までである。外縁104よりも外縁には、第1の絶縁膜は配置されていない、もしくは除去されている。図1(c)においては、配線層が配置された絶縁膜が形成される領域の外縁104より外側には、絶縁膜113、114、117、118は配置されていない。そして、ウエハの中心10(不図示)から外縁104まで絶縁膜113、114、117、118が配置されている。
【0028】
また、導電パターンが形成されうる領域の外縁105とは、導電パターンを形成する際に用いられる導電膜が形成される領域の外縁である。導電パターンを形成する際には、導電体が全面に形成された後、外周101から一定距離の部分に形成された導電体はリンス処理がなされて除去される。外縁105とは、このリンス処理によって除去されない導電体が配された領域の外縁である。また、外縁105とは、導電体の除去処理、例えば化学機械研磨(Chemical Mechanical Poliching、以下CMP)による除去及び平坦化がなされて導電パターンが形成されうる領域の外縁ともいえる。
【0029】
図1(c)において、外縁104はウエハの外周101から間隔127だけ離れた位置にある。外縁105はウエハの外周101から間隔128だけ離れた位置にあり、外縁104と外周101との間に位置する。間隔127よりも間隔128の方が狭い。外縁104と外縁105とがこのような位置関係の場合、外縁105まで配された導電体を除去して導電パターンを形成する際に、不要導電パターン125が形成されてしまう。不要導電パターン125は、外縁104に生じる第1の絶縁膜の段差に形成されてしまう。
【0030】
このような不要導電パターン125を有する状態で、例えば光導波路を形成するために、複数の絶縁膜を貫通するように複数の絶縁膜の少なくとも一部の領域を除去し、開口を形成する。光導波路の場合には絶縁膜の光電変換部に対応する領域である。マスク123は、例えば、フォトレジストからなり、一部の領域に対応した開口124を有する。以下、図面において開口を示す符号は開口の側壁を示している。このフォトレジストのマスク123を形成する際の露光は、図1(a)に示したような露光領域103を有する露光によってなされる。ここで、マスク123の開口124の一部は不要導電パターン125の上部に配置される。このような状態で、絶縁膜の一部を除去するためにエッチングを行うと、不要導電パターン125が露出し、エッチングされてしまう。不要導電パターン125は、例えば銅を主成分とする金属であるため、金属がエッチングによって飛散し、エッチング装置内を汚染、あるいはウエハに拡散し汚染してしまう。エッチング装置内を汚染してしまった場合、金属に関係がない工程においてウエハに金属の汚染が生じる場合がある。このような半導体装置における金属の汚染は異常信号を発生する原因となり、特に撮像装置においては、白い点となり画像の品質の低下を生じてしまう。一方、以下に説明する本実施例の製造方法によれば金属汚染の発生を抑制することが可能である。なお、導電パターンとは、配線層を構成するパターンと、不要なパターン(不要導電パターン)とを含むものである。
【0031】
以下、本実施例について図2を用いて説明する。図2は、図1と対応した図面であり、同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。図2(a)は、半導体ウエハ1と露光領域についての平面模式図であり、図1(a)と対応する。図2(b)は、図2(a)の注目領域108について拡大した図面であり、図1(b)と対応する。
【0032】
図2(a)において、図1(a)と異なる点は、外縁104と外縁105との位置関係である。具体的には、外縁105よりも外縁104の方がウエハの外周101に近い。図2(c)を用いて具体的に説明を行う。
【0033】
図2(c)は、図2(b)のXII−YII線における断面模式図であり、図1(c)と対応しており、図1(c)と同様の構成については説明を省略する。図2(c)において、図1(c)と異なる点は、外縁105と外縁104との位置及び絶縁膜が配された領域201〜204である。
【0034】
外縁104はウエハの外周101から間隔207だけ離れた位置(第2の位置)にある。外縁105はウエハの外周101から間隔206だけ離れた位置(第1の位置)にある。間隔206よりも間隔207の方が狭く、外縁105と外周101との間に外縁104が位置する。つまり第1の位置よりも第2の位置の方がウエハの外周101に近い。このような配置関係によって、第1の絶縁膜の開口には、図1(c)において導電パターンが配置されていたが、図2(c)において導電パターンが配置されず絶縁膜のみが配置された領域202、204となっている。外縁105と外周101との間に外縁104が位置することで、外縁104に生じる第1の絶縁膜の段差に不要導電パターンが形成されない。よって、図2(c)の領域201、203には図1(c)の不要導電パターン125が形成されず、絶縁膜のみが配置されている。このような構成によって、マスク123によって絶縁膜の一部を除去するためにエッチングを行う場合に、不要導電パターンがないため、金属汚染の発生を抑制することが可能となる。なお、第1の位置よりも第2の位置の方がウエハの外周101に近いことで、形成される導電パターンの配置位置の中でウエハの外周に最も近い位置よりも、ウエハの外周に近い位置まで第1の絶縁膜が配置される構成となる。
【0035】
次に、図3〜図6を用いて、本実施例の固体撮像装置の製造方法を説明する。図3〜図6は、図2(c)と対応した断面模式図であり、同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。また、一般の半導体技術で製造可能な点については、詳細な説明を省略する。
【0036】
まず、図3(a)に示すように、ゲート電極を構成する第1の導電パターン111を覆う絶縁膜112を形成する。絶縁膜112は、例えば、BPSGや酸化シリコンである。絶縁膜112にはコンタクト(不図示)が形成されている。絶縁膜112の上に、例えば2層の絶縁膜を形成する。具体的には窒化シリコンと酸化シリコンをこの順に積層して形成する。窒化シリコンからなる絶縁膜は酸化シリコンからなる絶縁膜よりも膜厚が薄い。外縁104よりも外側の2層の絶縁膜はフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて除去される。そして、配線層の導電パターンを形成すべき領域の2層の絶縁膜を除去し、開口303を形成する。窒化シリコンからなる絶縁膜は開口303を有する絶縁膜301となり、酸化シリコンからなる絶縁膜は開口303を有する絶縁膜302となる。後に、絶縁膜301と絶縁膜302は第1の絶縁膜となる。ここでは、外縁104より外側の絶縁膜の除去と、開口の形成を別の工程で行っているが、同一工程で行ってもよい。
【0037】
そして、配線層を構成する導電パターンを形成する。まず、導電体として銅をめっきによって半導体基板110の主面110a上に形成する。次に、リンス処理を行いウエハの外周101から外縁105の間に形成された銅を除去し、導電体304を形成する(図3(b))。リンス処理では、フッ素系の溶液を用いて銅が除去される。その後、導電体304に対して、CMP法によって除去・平坦化処理を行い、導電体304から導電パターンを形成し、第1の配線層121を形成する(図3(c))。この時、CMP法によって、絶縁膜301と絶縁膜302の端部(外縁104側)が研磨され、絶縁膜113、114となる。また、外縁105よりも外側に形成された開口303の一部(303a)には導電パターンが形成されず、開口303aのままである。また、外縁104の近傍に導電パターンは配置されず、領域201は絶縁膜のみが配置されている。
【0038】
次に、図3(d)に示すように、絶縁膜115、116、305、306を絶縁膜114の上部に形成する。ここで、開口303aは絶縁膜115、116によって埋められ、絶縁膜のみの領域202となる。ここで、絶縁膜115と絶縁膜305とは例えば窒化シリコンからなり、絶縁膜116と絶縁膜306とは、例えば酸化シリコンからなる。窒化シリコンからなる絶縁膜は酸化シリコンからなる絶縁膜よりも膜厚が薄い。
【0039】
そして、図4(a)にあるように、外縁104よりも外側の絶縁膜305と絶縁膜306を除去し、開口308を形成する。絶縁膜305は開口308を有する絶縁膜117となる。その後、図4(b)に示すように第2の配線層122を形成する。第2の配線層122の導電パターンは、図3(b)及び図3(c)と同様に、外縁105まで導電体を形成し、CMP法によって平坦化されることで形成される。ここで、CMP法によって絶縁膜307の一部が除去され、絶縁膜118となる。また、外縁105よりも外側に配置される開口308aには導電パターンは形成されない。また、外縁104の近傍に導電体は配置されず、領域203は絶縁膜のみが配置されている。
【0040】
次に、絶縁膜119と絶縁膜120とが形成される(図4(c))。絶縁膜119は例えば窒化シリコンからなり、絶縁膜120は例えば酸化シリコンからなる。窒化シリコンからなる絶縁膜119は酸化シリコンからなる絶縁膜120よりも膜厚が薄い。開口308aは絶縁膜119と絶縁膜120とによって埋められた領域204となる。なお、この図4(c)の構造が形成されたウエハを準備し、以下の工程を行ってもよい。
【0041】
そして、図5(a)に示すフォトレジストからなるマスク123を絶縁膜120の上に形成する。この図5(a)は図2(c)と同じ構成である。そして、開口124を有するマスク123を用いて、複数の絶縁膜の開口124に対応した領域の絶縁膜を除去する。除去では、例えば異方性のエッチングを絶縁膜に行うことによってなされる。具体的には、C4F6等のフッ化炭素系のガスと、酸素と、アルゴン等の不活性ガスとを用いたプラズマエッチングを行う。ここで、複数の絶縁膜は全て除去されていてもよく、一部のみ除去されていてもよい。本実施例においては図5(b)のように絶縁膜112及び絶縁膜113は除去せずに、一部のみを除去し、領域201と領域203に開口501を形成する。少なくとも最上の導電パターンが配置される高さよりも下層まで開口が形成されればよい。複数の絶縁膜112〜120は、開口501を有する複数の絶縁膜112、113、504〜510となる。
【0042】
マスク123を除去した後、複数の絶縁膜よりも屈折率の高い高屈折率材料で開口501を埋め、図5(c)に示す高屈折率膜502を形成する。高屈折率膜502は高屈折率材料で開口501を埋め込んだ後、平坦化処理を施すことによって形成される。ここでは、高密度プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)によって窒化シリコンを堆積し、CMP法によって平坦化されている。開口501に埋め込まれた領域503は複数の絶縁膜と光導波路を構成する。
【0043】
ここで、複数の絶縁膜は、主に酸化シリコンからなる絶縁膜と、窒化シリコンからなる絶縁膜とを含むが、本実施例においては窒化シリコンからなる絶縁膜は、酸化シリコンからなる絶縁膜よりも薄く、開口の側面における割合が少ない。よって、本実施例においては、複数の絶縁膜は、酸化シリコンからなる絶縁膜とみなしている。したがって、高屈折率材料は、酸化シリコンの屈折率(約1.35〜1.54)よりも高い屈折率の材料であればよく、窒化シリコン、酸窒化シリコン、ポリイミド等の高屈折率樹脂等が使用可能である。窒化シリコンの屈折率は約1.75〜2.34、酸窒化シリコンの屈折率は酸化シリコンと窒化シリコンの間の値である。本実施例では、高屈折率材料は窒化シリコンであるとする。
【0044】
次に、高屈折率膜502の上に、酸窒化シリコンからなる絶縁膜を形成する。そして、高屈折率膜の外縁604よりも外側の高屈折率膜の一部を除去し、高屈折率膜603と高屈折率膜602と、酸窒化シリコンからなる絶縁膜601とが形成される(図6(a))。外縁104よりも外側は、第1の絶縁膜が配置されていないため、高屈折率材料が厚く堆積されてしまう。一般に高屈折率材料は応力が高いため、厚い膜が形成されているとクラックや剥がれを引き起こす可能性がある。よって、高屈折率膜の外縁604を第1の絶縁膜の外縁104よりも内側の位置(第3の位置)に配置することで、高屈折率膜を薄膜化することが可能となり、クラックや剥がれの発生を抑制することが可能となる。
【0045】
そして、図6(b)にて、例えば、酸化シリコンをプラズマCVDによって堆積し、絶縁膜605を形成する。絶縁膜605の上面は平坦化され平坦である。そして、絶縁膜605の上にレンズ607を有するレンズ層606を形成する。レンズ層606は例えば窒化シリコンからなる。本実施例のように、レンズ層606の上下面に酸窒化シリコンの膜が配置されていてもよい。更に、レンズ層606の上に、樹脂からなる平坦化層、カラーフィルタ層、更なるレンズ層など、任意の構成を形成すればよい。その後、各固体撮像装置に分離するため、図2(a)に示したウエハをダイシング処理し、複数の半導体装置、ここでは固体撮像装置が得られる。
【0046】
以上述べてきたように、配線層が配置された第1の絶縁膜の外縁104を導電体が形成される外縁105よりもウエハの外周101側に配置することで、金属汚染を抑制しつつ、複数の絶縁膜を除去する工程を行うことが可能となる。また、本実施例のウエハによれば、金属汚染の低減された高品質な半導体装置が提供可能である。なお、半導体装置の中では特に、金属汚染の低減が望まれる固体撮像装置において、好適である。
【0047】
なお、半導体装置が形成できない領域まで導電パターンや第1の絶縁膜等を形成するのは、その後の平坦化工程などにおけるウエハの均一性を高めるためである。本実施例は特に、複数の半導体装置にかかる領域を一回の露光で行う場合について述べたが、1回の露光で1つの半導体装置にかかる領域のみを照射する場合についても適用可能である。また、材料は適宜変更可能であり、例えば、窒化シリコンは炭化シリコン等に変更可能であり、銅はアルミニウムやタングステン等の他の導電体材料に変更可能である。
【実施例2】
【0048】
本実施例について、図7を用いて説明する。本実施例は光導波路ではなく貫通ビアを有する構成である点で実施例1と異なり、その他の構成は実施例1と同様である。本実施例の図7(a)及び図7(b)は、実施例1の図5(a)及び図5(b)に対応した構成であり、同一の構成については同一の符号を付し説明を省略する。
【0049】
図7(a)では、フォトレジストからなるマスク701を有する。マスク701は実施例1の図2で示した露光領域103による露光によって形成されうる。マスク701は貫通ビアあるいは貫通電極のための開口702を有する。貫通ビアあるいは貫通電極とは、複数の絶縁膜を貫通して設けられた導電体からなり、例えば、外部端子が接続される外部パッド部と半導体基板110とを接続するために使用される。図7(a)のマスク701を用いて、複数の絶縁膜を除去するエッチングを行い、複数の絶縁膜に開口703を形成する。複数の絶縁膜112〜120は、開口703を有する複数の絶縁膜704、705、504〜510となる。ここで、実施例1と同様にマスク701の開口702の下部には導電体が配置されていないため、エッチングを行っても金属汚染が発生する可能性を低減可能である。この後、開口703を覆って埋め込む導電体を形成し、不要な部分を除去することで貫通ビアあるいは貫通電極が形成可能である。
【0050】
以上、本実施例のように貫通ビアあるいは貫通電極を形成する工程においても、金属汚染の発生を低減することが可能である。また、本実施例は固体撮像装置に限定されず、一般の半導体装置においても適用可能である。更には、実施例1と適宜組み合わせて光導波路と貫通ビアの両方を有する構成を得ることも可能である。
【実施例3】
【0051】
本実施例について、図8を用いて説明する。本実施例は実施例1の構成に更に配線を加えた場合の構成について説明するものであり、その他の構成は実施例1と同様である。本実施例の図8(a)〜図8(d)は、実施例1の図6(a)に続く製造方法を説明する断面図である。図6(a)と同一の構成については同一の符号を付し説明を省略する。
【0052】
図6(a)の絶縁膜601と高屈折率膜603の一部を除去し、高屈折率膜801と絶縁膜802とを形成する(図8(a))。そして、例えば酸化シリコンからなる絶縁膜803を形成する。絶縁膜803は、高屈折率膜801と絶縁膜802とを埋め込み、平坦化処理がなされた平らな上面を有する(図8(b))。そして、絶縁膜803に開口を形成し、プラグ804を形成する。絶縁膜803は絶縁膜805となる。プラグ804の上部であって、絶縁膜805の上に第3の配線層806を形成する。ここでは、第3の配線層806はアルミニウムを主成分とする導電体からなり、導電体の膜をパターニングすることによって形成される。
【0053】
その後、図6(c)と同様に、レンズ607を有するレンズ層606を形成する。レンズ層606の上下面に酸窒化シリコンの膜が配置されている。このように図8(d)の構成が得られる。更に、レンズ層606の上に、樹脂からなる平坦化層、カラーフィルタ層、更なるレンズ層など、任意の構成を形成してもよい。以上のように固体撮像装置が形成可能である。
【0054】
本実施例のように、配線層が複数層であってもよい。本実施例の構成においても、金属汚染の発生を低減することが可能である。
【実施例4】
【0055】
本実施例は、実施例1と第1の配線層及び第2の配線層の構造が異なり、その他の構成は実施例1と同様である。それに伴い、第1の絶縁膜に相当する絶縁膜の構成が異なる。以下、本実施例について図9を用いて説明する。本実施例の図9は、実施例1の図6(c)に対応した断面図である。図6(c)と同一の構成については同一の符号を付し説明を省略する。
【0056】
図9において、第1の配線層901の導電パターンは、導電体の膜をパターニングによって形成されており、その下面は絶縁膜903の下面と一致し、その上面は絶縁膜903によって覆われている。また、第2の配線層902の導電パターンは、導電体の膜をパターニングによって形成されており、その下面は絶縁膜904の下面と一致し、その上面は絶縁膜904によって覆われている。ここで、第1の配線層901あるいは第2の配線層902の導電パターンは、絶縁膜903あるいは絶縁膜904に囲まれており、絶縁膜903あるいは絶縁膜904の凹部に配されているともいえる。つまり、絶縁膜903及び絶縁膜904は第1の絶縁膜に相当する。
【0057】
本実施例においても、実施例1と同様に、第1の絶縁膜が形成される領域の外縁104は、導電体が形成される領域の外縁105よりもウエハの外周101に近く、高屈折率膜の外縁604よりもウエハの外周101に近い。このような構成によって、金属汚染の発生を抑制しつつ光導波路を形成することが可能となる。
【0058】
なお、本実施例において第1、第2の配線層はアルミニウムを主成分とする金属からなるが、他の導電体であっても形成可能である。
【0059】
また、例えば、第2の配線層902において、第1の絶縁膜が絶縁膜903の場合も有り得る。それは、第1の絶縁膜が形成される領域の外縁104が、導電体が形成される領域の外縁105よりもウエハの外周101から遠い場合には、第2の配線層902を形成する際に、第1の絶縁膜の段差に不要な導電パターンが形成されてしまう場合があるためである。このような場合にも、第1の絶縁膜が形成される領域の外縁104が、導電体が形成される領域の外縁105よりもウエハの外周101に近くすればよい。
【実施例5】
【0060】
本実施例について、半導体装置として固体撮像装置を例に挙げ、図11〜14を用いて説明する。本実施例において、他の実施例と同様な構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0061】
本実施例は、配線層の銅ではなく、例えば、シリサイド領域を構成する金属に対して、その拡散による汚染を低減することを目的としている。コンタクトホール等のシリサイド領域が設けられた部分が露出するような開口を形成する際に、シリサイド領域を構成する金属が飛散し、金属汚染を生じうる。特に、固体撮像装置においては、金属汚染はその画質に大きな影響を与えてしまう。よって、例えば、コンタクトホールを形成する際に、シリサイド領域を有する部分を露出させるコンタクトホールとシリサイド領域を有さない部分を露出させるコンタクトホールとは別に形成するなどの対策を行っている。しかしながら、実施例1等と同様にシリサイド領域が意図しない部分に設けられた場合には、シリサイド領域を有さない部分を露出させるコンタクトホールを形成している際に、シリサイド領域が露出し、金属汚染が生じてしまう。本実施例では、その拡散による汚染を低減することを目的としている。
【0062】
図11は、ウエハ1の平面模式図である。図11は、実施例1の図2(a)及び図2(b)と比較するとウエハ1における半導体装置の配置が異なるが、図2(b)と対応するものである。本実施例では、半導体装置の範囲の中に画素領域1104とその周囲の周辺領域1103とを示している。
【0063】
図11において、シリサイド領域を形成するための金属膜(導電体)の形成領域の外縁1102が、シリサイド領域が形成されることを防ぐための防止層(第1の絶縁膜)の外縁1101よりウエハの外周101から離れている。つまり、外縁1102はウエハの外周101から第2の間隔だけ離れた位置(第2の位置)にあり、外縁1101はウエハの外周101から第1の間隔だけ離れた位置(第1の位置)にある。第1の間隔は第2の間隔よりも小さい。なお、間隔は長さともいえる。このような構成にすることで、シリサイド領域を有さない部分を露出させるコンタクトホール形成時の意図せぬシリサイド領域の露出を抑制することが可能となる。以下、シリサイド領域を形成するための金属膜(導電体部)の形成領域の外縁1102をシリサイド領域の外縁1102と称する。
【0064】
このような構成について、更に、図12を用いて説明する。図12は、図11のXIII−YIII線におけるウエハの断面模式図であり、半導体装置を製造途中のウエハの断面を模式的に示している。図12は、説明を簡単にするために半導体領域や各種素子を省略した模式図である。
【0065】
まず、画素領域1104には、半導体基板110にウエル1200と、MOSトランジスタ1201とが設けられている。MOSトランジスタ1201を覆って防止層1204が設けられている。防止層1204によって、MOSトランジスタ1201はシリサイド領域を有さない。防止層1204はその外縁1101まで形成されている。そして、一部の周辺領域1103には半導体基板110にMOSトランジスタ1202が設けられている。MOSトランジスタ1202のゲート電極とソース領域及びドレイン領域には、シリサイド領域1203が設けられている。本実施例では、シリサイド領域1203を有する部分が周辺領域1103と等しい構成となっている。しかしながら、画素領域1104にシリサイド領域が設けられていてもよい。それは、防止層1204が覆わない部分を設けることでシリサイド領域を設けることが出来る。
【0066】
そして、層間絶縁膜1211が各MOSトランジスタを覆い、層間絶縁膜1211に設けられたコンタクトプラグ1205はMOSトランジスタ1201のソース領域及びドレイン領域と接続している。層間絶縁膜1211の上には、層間絶縁膜1212と層間絶縁膜1213とが層間絶縁膜1211側からこの順に積層している。本実施例では層間絶縁膜1211〜1213を例えば、シリコン酸化膜からなるものとする。層間絶縁膜は、絶縁体であればよく、単層でも積層でもよく、シリコン酸化膜に限定されない。固体撮像装置の場合には検出したい光を透過する材料であることが望ましい。本実施例では層間絶縁膜1211〜1213の外縁を防止層1204の外縁1101と同じ位置としているがこれに限らず、ウエハの外周101側に層間絶縁膜が形成されてよい。
【0067】
各層間絶縁膜の中あるいは間には、第1配線層1206と第2配線層1207と第3配線層1208が設けられ、それらを接続するビアプラグ1209とビアプラグ1210とが設けられている。第3配線層1208の上と層間絶縁膜1213の上を覆って、保護膜1215が設けられている。保護膜1215の上には保護膜1215の上面での反射を低減するための反射防止膜1216が設けられており、保護膜1215の下には保護膜1215の下面での反射を低減するための反射防止膜1214が設けられている。図12の構成は限定されるものではなく、適宜設定可能である。なお、この後、カラーフィルタやマイクロレンズなどが形成され半導体装置が完成する。ここで、配線層はアルミニウムを主成分とする導電体からなり、各種プラグはタングステンを主成分とする導電体からなるものとする。保護膜は例えばシリコン窒化膜であり、反射防止膜は反射防止として機能可能な屈折率を有していればよく、例えば、シリコン酸窒化膜である。
【0068】
ここで、シリサイド領域の外縁1102は防止層の外縁1101よりも外周101から離れている。仮に、防止層の外縁1101がシリサイド領域の外縁1102よりも外周101から離れていた場合には、図12の画素領域1104に示す防止層1204が形成されないため、MOSトランジスタ1201はシリサイド領域を含む構成となってしまう。つまり、意図せぬシリサイド領域を有する部分が形成されてしまう。そこで、コンタクトプラグ1205のためのコンタクトホールを形成すると、本来であればシリサイド領域が無い部分であるはずが、シリサイド領域が露出してしまう。しかし、本実施例のように、シリサイド領域の外縁1102は防止層の外縁1101よりも外周101から離れていることで、意図せぬシリサイド領域を有する部分の形成を抑制することが出来る。
【0069】
次に、図13及び図14を用いて、図12の構成の製造方法の一例を説明する。一般的な半導体製造方法に関する説明については、詳細な説明は省略する。また、以下の製造方法において、説明の簡易化のため、加工前の部材と加工後の部材とは同一の符号を付している場合がある。また、各図面の符号は相互に参照できるものである。
【0070】
まず、画素領域1104の半導体基板110にウエル1200を形成する(図13(a))。そして、MOSトランジスタ等の素子を形成する。ここで、画素領域1104にはMOSトランジスタ1201が形成され、周辺領域1103にはMOSトランジスタ1301が形成される。その後、両MOSトランジスタを覆う防止層となる絶縁膜1302を形成する(図13(b))。ここでは、防止層となる絶縁膜1302はシリコン酸化膜である。そして、防止層を形成しない部分、すなわちシリサイド領域を形成する部分を露出するように、フォトレジストパターン1303を用いて、絶縁膜1302の一部を除去する(図13(c))。
【0071】
図13(d)には、絶縁膜1302の一部を除去して形成され、外縁1101を有する防止層1304が示されている。もちろん、防止層1304は任意のパターンを有するため、その端部が外縁1101と一致しない場合もあるが、外縁1101よりもウエハの外周101側には防止層1304は配置されない。
【0072】
そして、図13(e)に示すように、シリサイド領域を形成するための金属膜1305を形成する。ここでは、金属膜1305はコバルトシリサイドを形成するためのコバルト膜とする。その他、金属膜の材料は、シリサイドを形成することが可能な金属材料から選択可能である。金属膜1305はMOSトランジスタ1301のソース領域及びドレイン領域とゲート電極とを接して覆っている。また、画素領域1104においては、金属膜1305は防止膜1304と接し、MOSトランジスタ1201のソース領域及びドレイン領域とゲート電極と接していない。金属膜1305の端部は外縁1102であり、防止層1304の外縁1101よりも外周101側の領域にも金属膜は形成されない。形成方法としては、一度、全体に金属膜を形成した後に、外縁1102よりも外周101側の金属膜をウエットエッチング等で除去することで、金属膜1305を形成する。
【0073】
図13(e)の状態で、熱処理を行い、金属膜1305とポリシリコンを含むシリコンとを反応させシリサイドを形成(シリサイド化)し、シリサイド領域を形成する。金属膜1305のうち、防止層1304と接しシリサイド化していない部分や、シリサイドの上に残った未反応の部分を除去する。MOSトランジスタ1202はシリサイド領域1203を有する(図14(a))。
【0074】
その後、半導体基板110を覆う層間絶縁膜となる絶縁膜1401を形成する(図14(b))。絶縁膜1401の上に、シリサイド領域が無い部分を露出するコンタクトホール形成のための開口1403を有するフォトレジストパターン1402を形成する(図14(c))。フォトレジストパターン1402はその端部が外縁1101と一致しており、絶縁膜1401の端部を外縁1101と一致させるためのものである。フォトレジストパターン1402をマスクとして絶縁膜1401に対してエッチングを行い、フォトレジストパターン1402を除去する。この処理によって、層間絶縁膜1211が形成される。ここで、層間絶縁膜1211にはコンタクトホールが設けられている。その後、コンタクトホールに導電体が設けられることでコンタクトプラグ1205が形成され、図14(d)の構成となる。その後、一般の半導体製造方法によって、配線層等が形成され、図12の構成が形成される。このようにして、本実施例は実施される。
【0075】
本実施例では、シリサイドの場合について説明を行ったが、例えば、遮光膜などの金属膜を露出させる開口を形成する工程を有する場合についても、適用可能である。具体的には、電荷保持部を有し、それを遮光する金属膜からなる遮光膜を有する固体撮像装置が挙げられる。また、本実施例のシリサイド領域はMOSトランジスタのゲート電極、ソース領域及びドレイン領域に設けられているが、いずれかでもよく、いずれかの一部でもよい。
【実施例6】
【0076】
本実施例は、実施例5とは別の金属汚染抑制方法を説明するものである。実施例5では、シリサイド領域を形成するための金属膜の形成領域の外縁1102が、シリサイド領域が形成されることを防ぐための防止層の外縁1101よりウエハの外周101から離れていた。しかし、本実施例では、シリサイド領域が形成されることを防ぐための防止層の外縁がシリサイド領域を形成するための金属膜の形成領域の外縁より、ウエハの外周から離れている。しかし、金属膜の形成領域の外縁がシリサイド領域を形成しない領域、ここでは画素領域に含まれないことで、金属汚染の発生を抑制することが可能となる。以下、図15を用いて詳細に説明する。
【0077】
図15(a)は図11に対応するウエハの平面模式図であり、図15(b)及び図15(c)は図14(c)及び図14(d)に対応する断面模式図である。図15(a)〜図15(c)において、他の実施例と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0078】
図15(a)に示すように、本実施例では、シリサイド領域が形成されることを防ぐための防止層の外縁1513がシリサイド領域を形成するための金属膜の形成領域の外縁1512より、ウエハの外周101から離れている。しかし、金属膜の外縁1512は画素領域1104にかからない。このような構成によって、シリサイド領域が設けられる予定ではない画素領域1104に、意図せず形成されるシリサイド領域がないため、画素領域1104コンタクトホール形成時のシリサイド領域の露出は生じない。なお、層間絶縁膜の外縁1511は最も外周101側に設けられている。
【0079】
図15(b)及び図15(c)を用いて、製造方法の一部を説明する。図15(b)の構成は、実施例5の図13(a)〜図14(b)までの工程と同様の方法で製造可能である。但し、図15(b)では、防止層の外縁1513が画素領域1104よりも外周101から離れているため、画素領域1104に防止層が形成されていない。しかし、金属膜の外縁1512が画素領域1104に入らないため、MOSトランジスタ1201にはシリサイド領域が形成されていない。そして、実施例5の図14(c)と同様に、絶縁膜1501の上に開口1503を有するフォトレジストパターン1502を形成する(図15(b))。フォトレジストパターン1502をマスクに絶縁膜1501をエッチングして除去することでコンタクトホールを有する層間絶縁膜1504を形成する。コンタクトホールに導電体を設けることでコンタクトプラグ1505を形成し、図15(c)の構成が得られる。ここでは、フォトレジストパターン1502の外縁、すなわち層間絶縁膜1504の外縁1501が示されている。本実施例の構成によっても、金属汚染を抑制することが可能となる。
【0080】
最後に、本発明の半導体装置の一例として、固体撮像装置の構成について説明する。図10は固体撮像装置1000を説明するための平面模式図である。図2(a)の1つの半導体装置に相当する固体撮像装置1000は、例えば、CMOS型固体撮像装置である。図10において、固体撮像装置1000は、画素部1011と、垂直走査回路1012と、2つの読み出し回路1013と、2つの水平走査回路1014と、2つの出力アンプ1015を備えている。画素部1011以外の領域を周辺回路部1016とする。画素部1011は、複数の画素が2次元状に配列されて構成される。各画素は、少なくとも光電変換素子を有し、加えて読み出しのためのトランジスタなどを含みうる。上述の光導波路は光電変換素子の上部に、光電変換素子に対応して配置される。読み出し回路1013は、例えば、列アンプ、CDS回路、加算回路等を含み、垂直走査回路1012によって選択された行の画素から垂直信号線を介して読み出された信号に対して増幅、加算等を行う。列アンプ、CDS回路、加算回路等は、例えば、画素列又は複数の画素列毎に配置される。水平走査回路1014は、読み出し回路1013の信号を順番に読み出すための信号を生成する。出力アンプ1015は、水平走査回路1014によって選択された列の信号を増幅して出力する。読み出し回路1013と水平走査回路1014と出力アンプ1015とは、2系統の出力経路を構成するため、画素部1011を挟んで上下に1つずつ配置されている。しかし、出力経路は3つ以上設けられていてもよい。
【0081】
以上の構成は、固体撮像装置の一つの構成例に過ぎず、これに限定されるものではない。例えば、固体撮像装置1000はCCD型であってもよい。また、本発明はメモリなどの他の半導体装置に適用可能である。
【0082】
本発明の半導体装置の製造方法によれば、複数の絶縁膜を除去する場合においても金属汚染の発生を抑制することが可能となる。また、本発明のウエハの構成によれば、ノイズの少ない半導体装置が提供可能である。本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、各実施例は適宜変更・組み合わせ可能である。
【符号の説明】
【0083】
1 ウエハ
10 ウエハ中心
101 ウエハの外周
102 1つの半導体装置の範囲
103 露光領域
104 第1の絶縁膜が形成される領域の外縁
105 導電体が形成される領域の外縁
106 半導体装置の形成領域
107 注目範囲
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置の製造方法、及び半導体ウエハに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、配線の微細化のために半導体装置の配線材料として銅配線が利用されている。特許文献1には、銅配線を有する半導体装置の製造方法における半導体装置を形成するウエハの端部の構成が開示されている。具体的には、配線が形成される絶縁膜よりもウエハの外周に配線の導電体である金属、ここでは銅が形成され、その上部にブロック層を形成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−093402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような配線の製造方法において絶縁膜をエッチングする場合に、ウエハ外縁の銅が形成される部分に絶縁体のエッチングがなされてしまう場合がある。銅が形成される部分の絶縁膜が除去されると、銅がウエハに飛散し、金属汚染を生じかねない。このような金属汚染の発生は、配線層を有し、複数の絶縁膜を一括で除去する工程を有する半導体装置で生じうる。
【0005】
また、本発明者らは、金属汚染は銅だけでなく、また配線層のみの問題ではないことを見出した。
【0006】
よって、本発明においては、金属汚染を抑制することが可能な半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。また、金属汚染が抑制された半導体ウエハを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の半導体装置の製造方法は、導電パターンを有する配線層と、前記導電パターンの側面を囲む第1の絶縁膜を含む複数の絶縁膜と、を有する半導体装置の製造方法において、半導体ウエハの上に前記複数の絶縁膜を形成する工程と、前記配線層を形成する工程と、前記複数の絶縁膜を形成する工程及び前記配線層を形成する工程の後に、前記複数の絶縁膜の一部の領域を除去し、開口を形成する工程と、を有し、前記第1の絶縁膜は、前記導電パターンの配置位置のうち前記ウエハの外周に最も近い位置よりも前記半導体ウエハの外周に近い位置まで配置されている。
【0008】
また、本発明の半導体ウエハは、素子と、導電パターンを有する配線層と、前記導電パターンの側面を囲む第1の絶縁膜を含む複数の絶縁膜と、前記複数の絶縁膜に配された光導波路と、を含む半導体装置を有する半導体ウエハにおいて、前記第1の絶縁膜は、前記導電パターンの配置位置のうち最も前記半導体ウエハの外周に近い位置よりも、前記半導体ウエハの外周の近くまで配置されている。
【0009】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、導電体部と、第1の絶縁膜を含む複数の絶縁膜と、を有する半導体装置の製造方法において、前記導電体部と前記複数の絶縁膜を有する半導体ウエハを準備する工程と、前記複数の絶縁膜の一部の領域を除去し、開口を形成する工程と、を有し、前記導電体部と前記複数の絶縁膜を有する半導体ウエハを準備する工程は、前記第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜の上に導電膜を形成することで導電体部を形成する工程とを有し、前記第1の絶縁膜を形成する工程において、前記第1の絶縁膜は前記半導体ウエハの外周から第1の位置まで形成され、前記導電体部を形成する工程において、前記導電膜は、前記第1の位置よりも前記半導体ウエハの外周から遠い前記第2の位置まで形成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、金属汚染を抑制することが可能な半導体装置の製造方法等を提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1を説明するためのウエハの平面模式図と断面模式図。
【図2】実施例1のウエハの平面模式図と断面模式図。
【図3】実施例1の製造方法を説明するための断面模式図。
【図4】実施例1の製造方法を説明するための断面模式図。
【図5】実施例1の製造方法を説明するための断面模式図。
【図6】実施例1の製造方法を説明するための断面模式図。
【図7】実施例2の製造方法を説明するための断面模式図。
【図8】実施例3の製造方法を説明するための断面模式図。
【図9】実施例4の製造方法を説明するための断面模式図。
【図10】固体撮像装置を説明するための平面模式図。
【図11】実施例5を説明するためのウエハの平面模式図。
【図12】実施例5を説明するためのウエハの断面模式図。
【図13】実施例5の製造方法を説明するための断面模式図。
【図14】実施例5の製造方法を説明するための断面模式図。
【図15】実施例6の製造方法を説明するためのウエハの平面模式図と断面模式図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、導電パターンを有する配線層と、導電パターンの側面を囲む第1の絶縁膜を含む複数の絶縁膜と、を有する半導体装置の製造方法において、半導体ウエハ上に複数の絶縁膜を形成する工程と、配線層を形成する工程と、を有する。そして、複数の絶縁膜を形成する工程及び配線層を形成する工程の後に、複数の絶縁膜の一部の領域を除去し、開口を形成する工程と、を有する。ここで、第1の絶縁膜は、導電パターンの配置位置のうちウエハの最外周に最も近い位置よりも半導体ウエハの外周に近い位置まで配置されている。
【0013】
このような構成によって、複数の絶縁膜の一部の領域を除去する工程において、配線層を構成する金属材料の露出及び飛散が生じないため、金属汚染の発生を抑制することが可能な製造方法を提供することが可能となる。
【0014】
また、本発明は、それぞれが複数の素子を有する半導体基板と、導電パターンを有する配線層と、導電パターンの側面を囲む第1の絶縁膜を含む複数の絶縁膜と、複数の絶縁膜に配された光導波路と、を含む複数の半導体装置を有するウエハに関する。ここで、第1の絶縁膜は、導電パターンの配置位置のうち最も半導体ウエハの外周に近い位置よりも半導体ウエハの外周の近くまで配置されている。
【0015】
このような構成によって、複数の絶縁膜の一部の領域を除去する工程において、配線層を構成する金属材料の露出及び飛散が生じないため、金属汚染の発生を抑制することが可能である。
【0016】
また、本発明は、配線層の導電パターンに加えシリサイド領域や遮光膜などを構成する場合にも適用可能である。配線層の導電パターンに加えシリサイド領域や遮光膜などを導電体部とし、導電体部を形成するための金属膜等を導電体膜とする。この時に、それらを形成するための導電膜の外縁より、導電膜の前に形成される第1の絶縁膜の外縁を、ウエハ外周に近い位置まで形成する工程を有する。
【0017】
以下、開口とは、複数の層間絶縁膜を貫通する場合あるいは貫通しない場合(凹部)のいずれの場合も含み、孔とも言える。開口を用いる構成として、実施例では導波路及び貫通ビア(貫通電極)を例に挙げるが、他の構成にも適用可能である。本発明は半導体装置一般に適用可能であるが、特に、金属汚染の低減が望まれる固体撮像装置に好適である。
【0018】
以下、図面を用いて詳細に説明する。
【実施例1】
【0019】
実施例1を図1〜図6を用いて説明する。まず、本件の課題について、図1を用いて更に詳細に説明する。
図1(a)は半導体ウエハ1(以下、ウエハとも称する)と露光領域についての平面模式図である。図1(a)は、ウエハの素子形成面である主面に対し、ウエハ1の中心10の直上から見たときの平面図である。ウエハの外周101は、ウエハ1の外周であり、ウエハ1の主面の外縁である。図1(a)には、露光領域について説明する格子が示されている。露光領域103は、ある1回の露光工程において、露光光が照射される範囲である。つまり、3×4格子に対応する領域を一度の露光工程で露光する。後に詳述するが、本実施例では、エッチングのためのマスクパターンを形成する工程(あるレイヤ)における露光とする。
【0020】
ここで、一般に、1つの半導体ウエハから複数の半導体装置(半導体チップ)を製造している。図1(a)においては1つのウエハに、1つの半導体装置に対応する格子102は12×12の配列で配されている。
【0021】
また、生産性を高めるため、1回の露光で複数の半導体装置にまたがって露光を行うことがなされており、本実施例において露光領域103は、半導体装置12個分に対応する領域に光を照射する。したがって、本実施例において、1レイヤを形成するためにウエハ1の全面に露光するためには、計12回の露光が必要である。ここで、ウエハ1の外周101よりも外側の領域は、実際には半導体装置は形成されない無効な領域である。つまり領域102の全体がウエハ内に存在して初めて一つの半導体装置として成り立つ。
【0022】
本実施例においては、配線層を形成する導電パターンが形成される領域の外縁105が、配線層を有する第1の絶縁膜が形成される領域の外縁104よりも外側に配される。図1(b)は図1(a)の注目領域107について拡大した図面である。第1の絶縁膜が形成される外縁104と、導電体が形成される外縁105とが、ウエハの中心10からウエハの外周101に向かってこの順に配置されている。以下、ウエハの中心10からウエハの外周101に向かう方向を外に向かう方向、あるいは外側とし、ウエハの外周101からウエハ中心10に向かう方向を内に向かう方向、あるいは内側とする。
【0023】
なお、半導体装置が形成可能な領域106は、1格子全体がウエハの外周101と、外縁105と、外縁104よりも内側に配置されている領域である。本実施例の構成において、完成する半導体装置は72個である。
【0024】
次に、図1(c)を用いて本件の課題について説明する。図1(c)は図1(b)のXI−YI線における断面模式図である。図1(a)の半導体基板110には素子が形成されている(不図示)。ここで、半導体基板110は半導体ウエハの一部を指しており、半導体基板といった場合には、ウエハのままの場合とダイシング等によって個々に分離され、半導体装置として完成した後の基板の両者を指すことがある。
【0025】
そして、半導体基板の上には、例えばトランジスタのゲートを構成する導電パターン111と、複数の絶縁層と、ゲートを構成する導電パターンよりも上部に配された、配線層を構成する導電パターンとが配置されている。本実施例において配線層は第1の配線層121と第2の配線層122の2層設けられており、それぞれを構成する導電パターンが図示されている。ゲートを構成する導電パターン111は例えばポリシリコンからなる。各配線層は各々が電気的に独立した複数の配線、すなわち複数の独立した導電パターンを有する。ここで、配線層を構成する導電パターンは、例えば銅を主成分とする。
【0026】
複数の絶縁層は、絶縁層112〜120を含み、例えば酸化シリコンからなる絶縁層と窒化シリコンからなる絶縁層とが交互に積層して構成される。複数の絶縁層は、少なくとも導電パターンの側面を囲む絶縁膜を有している。ここで、第1の配線層121を構成する導電パターンは、絶縁膜114及び絶縁膜113に側面を囲まれている。また、第2の配線層122を構成する導電パターンは、絶縁膜118及び絶縁膜117に側面を囲まれている。配線層を構成する導電パターンの側面を囲う絶縁膜を第1の絶縁膜と称する。第1の絶縁膜の一例として、ダマシン構造のように、導電パターンを提供するための溝(開口あるいは凹部)を有するものが挙げられる。具体的には、図1(c)において、第1の絶縁膜は、その溝に第1の配線層121の導電パターンが配置されている絶縁膜113及び絶縁膜114である。また、第1の絶縁膜は、その溝に第2の配線層122の導電パターンが配置されている絶縁膜117及び絶縁膜118である。つまり、第1の絶縁膜は配線層が配される第1の絶縁膜は単層でも複数層でもよい。このような構成は、シングルダマシンあるいはデュアルダマシン法によって形成することができる。ここで、第1の配線層121の導電パターンの上面は絶縁膜114の上面と接しており、第2の配線層122の導電パターンの上面は絶縁膜118の上面と接している。
【0027】
配線層の導電パターンの側面を囲う絶縁膜が形成される領域の外縁104とは、絶縁膜を形成する際に、用いられる膜が形成される領域の外縁である。絶縁膜の配置位置はウエハの中心10から外縁104までである。外縁104よりも外縁には、第1の絶縁膜は配置されていない、もしくは除去されている。図1(c)においては、配線層が配置された絶縁膜が形成される領域の外縁104より外側には、絶縁膜113、114、117、118は配置されていない。そして、ウエハの中心10(不図示)から外縁104まで絶縁膜113、114、117、118が配置されている。
【0028】
また、導電パターンが形成されうる領域の外縁105とは、導電パターンを形成する際に用いられる導電膜が形成される領域の外縁である。導電パターンを形成する際には、導電体が全面に形成された後、外周101から一定距離の部分に形成された導電体はリンス処理がなされて除去される。外縁105とは、このリンス処理によって除去されない導電体が配された領域の外縁である。また、外縁105とは、導電体の除去処理、例えば化学機械研磨(Chemical Mechanical Poliching、以下CMP)による除去及び平坦化がなされて導電パターンが形成されうる領域の外縁ともいえる。
【0029】
図1(c)において、外縁104はウエハの外周101から間隔127だけ離れた位置にある。外縁105はウエハの外周101から間隔128だけ離れた位置にあり、外縁104と外周101との間に位置する。間隔127よりも間隔128の方が狭い。外縁104と外縁105とがこのような位置関係の場合、外縁105まで配された導電体を除去して導電パターンを形成する際に、不要導電パターン125が形成されてしまう。不要導電パターン125は、外縁104に生じる第1の絶縁膜の段差に形成されてしまう。
【0030】
このような不要導電パターン125を有する状態で、例えば光導波路を形成するために、複数の絶縁膜を貫通するように複数の絶縁膜の少なくとも一部の領域を除去し、開口を形成する。光導波路の場合には絶縁膜の光電変換部に対応する領域である。マスク123は、例えば、フォトレジストからなり、一部の領域に対応した開口124を有する。以下、図面において開口を示す符号は開口の側壁を示している。このフォトレジストのマスク123を形成する際の露光は、図1(a)に示したような露光領域103を有する露光によってなされる。ここで、マスク123の開口124の一部は不要導電パターン125の上部に配置される。このような状態で、絶縁膜の一部を除去するためにエッチングを行うと、不要導電パターン125が露出し、エッチングされてしまう。不要導電パターン125は、例えば銅を主成分とする金属であるため、金属がエッチングによって飛散し、エッチング装置内を汚染、あるいはウエハに拡散し汚染してしまう。エッチング装置内を汚染してしまった場合、金属に関係がない工程においてウエハに金属の汚染が生じる場合がある。このような半導体装置における金属の汚染は異常信号を発生する原因となり、特に撮像装置においては、白い点となり画像の品質の低下を生じてしまう。一方、以下に説明する本実施例の製造方法によれば金属汚染の発生を抑制することが可能である。なお、導電パターンとは、配線層を構成するパターンと、不要なパターン(不要導電パターン)とを含むものである。
【0031】
以下、本実施例について図2を用いて説明する。図2は、図1と対応した図面であり、同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。図2(a)は、半導体ウエハ1と露光領域についての平面模式図であり、図1(a)と対応する。図2(b)は、図2(a)の注目領域108について拡大した図面であり、図1(b)と対応する。
【0032】
図2(a)において、図1(a)と異なる点は、外縁104と外縁105との位置関係である。具体的には、外縁105よりも外縁104の方がウエハの外周101に近い。図2(c)を用いて具体的に説明を行う。
【0033】
図2(c)は、図2(b)のXII−YII線における断面模式図であり、図1(c)と対応しており、図1(c)と同様の構成については説明を省略する。図2(c)において、図1(c)と異なる点は、外縁105と外縁104との位置及び絶縁膜が配された領域201〜204である。
【0034】
外縁104はウエハの外周101から間隔207だけ離れた位置(第2の位置)にある。外縁105はウエハの外周101から間隔206だけ離れた位置(第1の位置)にある。間隔206よりも間隔207の方が狭く、外縁105と外周101との間に外縁104が位置する。つまり第1の位置よりも第2の位置の方がウエハの外周101に近い。このような配置関係によって、第1の絶縁膜の開口には、図1(c)において導電パターンが配置されていたが、図2(c)において導電パターンが配置されず絶縁膜のみが配置された領域202、204となっている。外縁105と外周101との間に外縁104が位置することで、外縁104に生じる第1の絶縁膜の段差に不要導電パターンが形成されない。よって、図2(c)の領域201、203には図1(c)の不要導電パターン125が形成されず、絶縁膜のみが配置されている。このような構成によって、マスク123によって絶縁膜の一部を除去するためにエッチングを行う場合に、不要導電パターンがないため、金属汚染の発生を抑制することが可能となる。なお、第1の位置よりも第2の位置の方がウエハの外周101に近いことで、形成される導電パターンの配置位置の中でウエハの外周に最も近い位置よりも、ウエハの外周に近い位置まで第1の絶縁膜が配置される構成となる。
【0035】
次に、図3〜図6を用いて、本実施例の固体撮像装置の製造方法を説明する。図3〜図6は、図2(c)と対応した断面模式図であり、同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。また、一般の半導体技術で製造可能な点については、詳細な説明を省略する。
【0036】
まず、図3(a)に示すように、ゲート電極を構成する第1の導電パターン111を覆う絶縁膜112を形成する。絶縁膜112は、例えば、BPSGや酸化シリコンである。絶縁膜112にはコンタクト(不図示)が形成されている。絶縁膜112の上に、例えば2層の絶縁膜を形成する。具体的には窒化シリコンと酸化シリコンをこの順に積層して形成する。窒化シリコンからなる絶縁膜は酸化シリコンからなる絶縁膜よりも膜厚が薄い。外縁104よりも外側の2層の絶縁膜はフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて除去される。そして、配線層の導電パターンを形成すべき領域の2層の絶縁膜を除去し、開口303を形成する。窒化シリコンからなる絶縁膜は開口303を有する絶縁膜301となり、酸化シリコンからなる絶縁膜は開口303を有する絶縁膜302となる。後に、絶縁膜301と絶縁膜302は第1の絶縁膜となる。ここでは、外縁104より外側の絶縁膜の除去と、開口の形成を別の工程で行っているが、同一工程で行ってもよい。
【0037】
そして、配線層を構成する導電パターンを形成する。まず、導電体として銅をめっきによって半導体基板110の主面110a上に形成する。次に、リンス処理を行いウエハの外周101から外縁105の間に形成された銅を除去し、導電体304を形成する(図3(b))。リンス処理では、フッ素系の溶液を用いて銅が除去される。その後、導電体304に対して、CMP法によって除去・平坦化処理を行い、導電体304から導電パターンを形成し、第1の配線層121を形成する(図3(c))。この時、CMP法によって、絶縁膜301と絶縁膜302の端部(外縁104側)が研磨され、絶縁膜113、114となる。また、外縁105よりも外側に形成された開口303の一部(303a)には導電パターンが形成されず、開口303aのままである。また、外縁104の近傍に導電パターンは配置されず、領域201は絶縁膜のみが配置されている。
【0038】
次に、図3(d)に示すように、絶縁膜115、116、305、306を絶縁膜114の上部に形成する。ここで、開口303aは絶縁膜115、116によって埋められ、絶縁膜のみの領域202となる。ここで、絶縁膜115と絶縁膜305とは例えば窒化シリコンからなり、絶縁膜116と絶縁膜306とは、例えば酸化シリコンからなる。窒化シリコンからなる絶縁膜は酸化シリコンからなる絶縁膜よりも膜厚が薄い。
【0039】
そして、図4(a)にあるように、外縁104よりも外側の絶縁膜305と絶縁膜306を除去し、開口308を形成する。絶縁膜305は開口308を有する絶縁膜117となる。その後、図4(b)に示すように第2の配線層122を形成する。第2の配線層122の導電パターンは、図3(b)及び図3(c)と同様に、外縁105まで導電体を形成し、CMP法によって平坦化されることで形成される。ここで、CMP法によって絶縁膜307の一部が除去され、絶縁膜118となる。また、外縁105よりも外側に配置される開口308aには導電パターンは形成されない。また、外縁104の近傍に導電体は配置されず、領域203は絶縁膜のみが配置されている。
【0040】
次に、絶縁膜119と絶縁膜120とが形成される(図4(c))。絶縁膜119は例えば窒化シリコンからなり、絶縁膜120は例えば酸化シリコンからなる。窒化シリコンからなる絶縁膜119は酸化シリコンからなる絶縁膜120よりも膜厚が薄い。開口308aは絶縁膜119と絶縁膜120とによって埋められた領域204となる。なお、この図4(c)の構造が形成されたウエハを準備し、以下の工程を行ってもよい。
【0041】
そして、図5(a)に示すフォトレジストからなるマスク123を絶縁膜120の上に形成する。この図5(a)は図2(c)と同じ構成である。そして、開口124を有するマスク123を用いて、複数の絶縁膜の開口124に対応した領域の絶縁膜を除去する。除去では、例えば異方性のエッチングを絶縁膜に行うことによってなされる。具体的には、C4F6等のフッ化炭素系のガスと、酸素と、アルゴン等の不活性ガスとを用いたプラズマエッチングを行う。ここで、複数の絶縁膜は全て除去されていてもよく、一部のみ除去されていてもよい。本実施例においては図5(b)のように絶縁膜112及び絶縁膜113は除去せずに、一部のみを除去し、領域201と領域203に開口501を形成する。少なくとも最上の導電パターンが配置される高さよりも下層まで開口が形成されればよい。複数の絶縁膜112〜120は、開口501を有する複数の絶縁膜112、113、504〜510となる。
【0042】
マスク123を除去した後、複数の絶縁膜よりも屈折率の高い高屈折率材料で開口501を埋め、図5(c)に示す高屈折率膜502を形成する。高屈折率膜502は高屈折率材料で開口501を埋め込んだ後、平坦化処理を施すことによって形成される。ここでは、高密度プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)によって窒化シリコンを堆積し、CMP法によって平坦化されている。開口501に埋め込まれた領域503は複数の絶縁膜と光導波路を構成する。
【0043】
ここで、複数の絶縁膜は、主に酸化シリコンからなる絶縁膜と、窒化シリコンからなる絶縁膜とを含むが、本実施例においては窒化シリコンからなる絶縁膜は、酸化シリコンからなる絶縁膜よりも薄く、開口の側面における割合が少ない。よって、本実施例においては、複数の絶縁膜は、酸化シリコンからなる絶縁膜とみなしている。したがって、高屈折率材料は、酸化シリコンの屈折率(約1.35〜1.54)よりも高い屈折率の材料であればよく、窒化シリコン、酸窒化シリコン、ポリイミド等の高屈折率樹脂等が使用可能である。窒化シリコンの屈折率は約1.75〜2.34、酸窒化シリコンの屈折率は酸化シリコンと窒化シリコンの間の値である。本実施例では、高屈折率材料は窒化シリコンであるとする。
【0044】
次に、高屈折率膜502の上に、酸窒化シリコンからなる絶縁膜を形成する。そして、高屈折率膜の外縁604よりも外側の高屈折率膜の一部を除去し、高屈折率膜603と高屈折率膜602と、酸窒化シリコンからなる絶縁膜601とが形成される(図6(a))。外縁104よりも外側は、第1の絶縁膜が配置されていないため、高屈折率材料が厚く堆積されてしまう。一般に高屈折率材料は応力が高いため、厚い膜が形成されているとクラックや剥がれを引き起こす可能性がある。よって、高屈折率膜の外縁604を第1の絶縁膜の外縁104よりも内側の位置(第3の位置)に配置することで、高屈折率膜を薄膜化することが可能となり、クラックや剥がれの発生を抑制することが可能となる。
【0045】
そして、図6(b)にて、例えば、酸化シリコンをプラズマCVDによって堆積し、絶縁膜605を形成する。絶縁膜605の上面は平坦化され平坦である。そして、絶縁膜605の上にレンズ607を有するレンズ層606を形成する。レンズ層606は例えば窒化シリコンからなる。本実施例のように、レンズ層606の上下面に酸窒化シリコンの膜が配置されていてもよい。更に、レンズ層606の上に、樹脂からなる平坦化層、カラーフィルタ層、更なるレンズ層など、任意の構成を形成すればよい。その後、各固体撮像装置に分離するため、図2(a)に示したウエハをダイシング処理し、複数の半導体装置、ここでは固体撮像装置が得られる。
【0046】
以上述べてきたように、配線層が配置された第1の絶縁膜の外縁104を導電体が形成される外縁105よりもウエハの外周101側に配置することで、金属汚染を抑制しつつ、複数の絶縁膜を除去する工程を行うことが可能となる。また、本実施例のウエハによれば、金属汚染の低減された高品質な半導体装置が提供可能である。なお、半導体装置の中では特に、金属汚染の低減が望まれる固体撮像装置において、好適である。
【0047】
なお、半導体装置が形成できない領域まで導電パターンや第1の絶縁膜等を形成するのは、その後の平坦化工程などにおけるウエハの均一性を高めるためである。本実施例は特に、複数の半導体装置にかかる領域を一回の露光で行う場合について述べたが、1回の露光で1つの半導体装置にかかる領域のみを照射する場合についても適用可能である。また、材料は適宜変更可能であり、例えば、窒化シリコンは炭化シリコン等に変更可能であり、銅はアルミニウムやタングステン等の他の導電体材料に変更可能である。
【実施例2】
【0048】
本実施例について、図7を用いて説明する。本実施例は光導波路ではなく貫通ビアを有する構成である点で実施例1と異なり、その他の構成は実施例1と同様である。本実施例の図7(a)及び図7(b)は、実施例1の図5(a)及び図5(b)に対応した構成であり、同一の構成については同一の符号を付し説明を省略する。
【0049】
図7(a)では、フォトレジストからなるマスク701を有する。マスク701は実施例1の図2で示した露光領域103による露光によって形成されうる。マスク701は貫通ビアあるいは貫通電極のための開口702を有する。貫通ビアあるいは貫通電極とは、複数の絶縁膜を貫通して設けられた導電体からなり、例えば、外部端子が接続される外部パッド部と半導体基板110とを接続するために使用される。図7(a)のマスク701を用いて、複数の絶縁膜を除去するエッチングを行い、複数の絶縁膜に開口703を形成する。複数の絶縁膜112〜120は、開口703を有する複数の絶縁膜704、705、504〜510となる。ここで、実施例1と同様にマスク701の開口702の下部には導電体が配置されていないため、エッチングを行っても金属汚染が発生する可能性を低減可能である。この後、開口703を覆って埋め込む導電体を形成し、不要な部分を除去することで貫通ビアあるいは貫通電極が形成可能である。
【0050】
以上、本実施例のように貫通ビアあるいは貫通電極を形成する工程においても、金属汚染の発生を低減することが可能である。また、本実施例は固体撮像装置に限定されず、一般の半導体装置においても適用可能である。更には、実施例1と適宜組み合わせて光導波路と貫通ビアの両方を有する構成を得ることも可能である。
【実施例3】
【0051】
本実施例について、図8を用いて説明する。本実施例は実施例1の構成に更に配線を加えた場合の構成について説明するものであり、その他の構成は実施例1と同様である。本実施例の図8(a)〜図8(d)は、実施例1の図6(a)に続く製造方法を説明する断面図である。図6(a)と同一の構成については同一の符号を付し説明を省略する。
【0052】
図6(a)の絶縁膜601と高屈折率膜603の一部を除去し、高屈折率膜801と絶縁膜802とを形成する(図8(a))。そして、例えば酸化シリコンからなる絶縁膜803を形成する。絶縁膜803は、高屈折率膜801と絶縁膜802とを埋め込み、平坦化処理がなされた平らな上面を有する(図8(b))。そして、絶縁膜803に開口を形成し、プラグ804を形成する。絶縁膜803は絶縁膜805となる。プラグ804の上部であって、絶縁膜805の上に第3の配線層806を形成する。ここでは、第3の配線層806はアルミニウムを主成分とする導電体からなり、導電体の膜をパターニングすることによって形成される。
【0053】
その後、図6(c)と同様に、レンズ607を有するレンズ層606を形成する。レンズ層606の上下面に酸窒化シリコンの膜が配置されている。このように図8(d)の構成が得られる。更に、レンズ層606の上に、樹脂からなる平坦化層、カラーフィルタ層、更なるレンズ層など、任意の構成を形成してもよい。以上のように固体撮像装置が形成可能である。
【0054】
本実施例のように、配線層が複数層であってもよい。本実施例の構成においても、金属汚染の発生を低減することが可能である。
【実施例4】
【0055】
本実施例は、実施例1と第1の配線層及び第2の配線層の構造が異なり、その他の構成は実施例1と同様である。それに伴い、第1の絶縁膜に相当する絶縁膜の構成が異なる。以下、本実施例について図9を用いて説明する。本実施例の図9は、実施例1の図6(c)に対応した断面図である。図6(c)と同一の構成については同一の符号を付し説明を省略する。
【0056】
図9において、第1の配線層901の導電パターンは、導電体の膜をパターニングによって形成されており、その下面は絶縁膜903の下面と一致し、その上面は絶縁膜903によって覆われている。また、第2の配線層902の導電パターンは、導電体の膜をパターニングによって形成されており、その下面は絶縁膜904の下面と一致し、その上面は絶縁膜904によって覆われている。ここで、第1の配線層901あるいは第2の配線層902の導電パターンは、絶縁膜903あるいは絶縁膜904に囲まれており、絶縁膜903あるいは絶縁膜904の凹部に配されているともいえる。つまり、絶縁膜903及び絶縁膜904は第1の絶縁膜に相当する。
【0057】
本実施例においても、実施例1と同様に、第1の絶縁膜が形成される領域の外縁104は、導電体が形成される領域の外縁105よりもウエハの外周101に近く、高屈折率膜の外縁604よりもウエハの外周101に近い。このような構成によって、金属汚染の発生を抑制しつつ光導波路を形成することが可能となる。
【0058】
なお、本実施例において第1、第2の配線層はアルミニウムを主成分とする金属からなるが、他の導電体であっても形成可能である。
【0059】
また、例えば、第2の配線層902において、第1の絶縁膜が絶縁膜903の場合も有り得る。それは、第1の絶縁膜が形成される領域の外縁104が、導電体が形成される領域の外縁105よりもウエハの外周101から遠い場合には、第2の配線層902を形成する際に、第1の絶縁膜の段差に不要な導電パターンが形成されてしまう場合があるためである。このような場合にも、第1の絶縁膜が形成される領域の外縁104が、導電体が形成される領域の外縁105よりもウエハの外周101に近くすればよい。
【実施例5】
【0060】
本実施例について、半導体装置として固体撮像装置を例に挙げ、図11〜14を用いて説明する。本実施例において、他の実施例と同様な構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0061】
本実施例は、配線層の銅ではなく、例えば、シリサイド領域を構成する金属に対して、その拡散による汚染を低減することを目的としている。コンタクトホール等のシリサイド領域が設けられた部分が露出するような開口を形成する際に、シリサイド領域を構成する金属が飛散し、金属汚染を生じうる。特に、固体撮像装置においては、金属汚染はその画質に大きな影響を与えてしまう。よって、例えば、コンタクトホールを形成する際に、シリサイド領域を有する部分を露出させるコンタクトホールとシリサイド領域を有さない部分を露出させるコンタクトホールとは別に形成するなどの対策を行っている。しかしながら、実施例1等と同様にシリサイド領域が意図しない部分に設けられた場合には、シリサイド領域を有さない部分を露出させるコンタクトホールを形成している際に、シリサイド領域が露出し、金属汚染が生じてしまう。本実施例では、その拡散による汚染を低減することを目的としている。
【0062】
図11は、ウエハ1の平面模式図である。図11は、実施例1の図2(a)及び図2(b)と比較するとウエハ1における半導体装置の配置が異なるが、図2(b)と対応するものである。本実施例では、半導体装置の範囲の中に画素領域1104とその周囲の周辺領域1103とを示している。
【0063】
図11において、シリサイド領域を形成するための金属膜(導電体)の形成領域の外縁1102が、シリサイド領域が形成されることを防ぐための防止層(第1の絶縁膜)の外縁1101よりウエハの外周101から離れている。つまり、外縁1102はウエハの外周101から第2の間隔だけ離れた位置(第2の位置)にあり、外縁1101はウエハの外周101から第1の間隔だけ離れた位置(第1の位置)にある。第1の間隔は第2の間隔よりも小さい。なお、間隔は長さともいえる。このような構成にすることで、シリサイド領域を有さない部分を露出させるコンタクトホール形成時の意図せぬシリサイド領域の露出を抑制することが可能となる。以下、シリサイド領域を形成するための金属膜(導電体部)の形成領域の外縁1102をシリサイド領域の外縁1102と称する。
【0064】
このような構成について、更に、図12を用いて説明する。図12は、図11のXIII−YIII線におけるウエハの断面模式図であり、半導体装置を製造途中のウエハの断面を模式的に示している。図12は、説明を簡単にするために半導体領域や各種素子を省略した模式図である。
【0065】
まず、画素領域1104には、半導体基板110にウエル1200と、MOSトランジスタ1201とが設けられている。MOSトランジスタ1201を覆って防止層1204が設けられている。防止層1204によって、MOSトランジスタ1201はシリサイド領域を有さない。防止層1204はその外縁1101まで形成されている。そして、一部の周辺領域1103には半導体基板110にMOSトランジスタ1202が設けられている。MOSトランジスタ1202のゲート電極とソース領域及びドレイン領域には、シリサイド領域1203が設けられている。本実施例では、シリサイド領域1203を有する部分が周辺領域1103と等しい構成となっている。しかしながら、画素領域1104にシリサイド領域が設けられていてもよい。それは、防止層1204が覆わない部分を設けることでシリサイド領域を設けることが出来る。
【0066】
そして、層間絶縁膜1211が各MOSトランジスタを覆い、層間絶縁膜1211に設けられたコンタクトプラグ1205はMOSトランジスタ1201のソース領域及びドレイン領域と接続している。層間絶縁膜1211の上には、層間絶縁膜1212と層間絶縁膜1213とが層間絶縁膜1211側からこの順に積層している。本実施例では層間絶縁膜1211〜1213を例えば、シリコン酸化膜からなるものとする。層間絶縁膜は、絶縁体であればよく、単層でも積層でもよく、シリコン酸化膜に限定されない。固体撮像装置の場合には検出したい光を透過する材料であることが望ましい。本実施例では層間絶縁膜1211〜1213の外縁を防止層1204の外縁1101と同じ位置としているがこれに限らず、ウエハの外周101側に層間絶縁膜が形成されてよい。
【0067】
各層間絶縁膜の中あるいは間には、第1配線層1206と第2配線層1207と第3配線層1208が設けられ、それらを接続するビアプラグ1209とビアプラグ1210とが設けられている。第3配線層1208の上と層間絶縁膜1213の上を覆って、保護膜1215が設けられている。保護膜1215の上には保護膜1215の上面での反射を低減するための反射防止膜1216が設けられており、保護膜1215の下には保護膜1215の下面での反射を低減するための反射防止膜1214が設けられている。図12の構成は限定されるものではなく、適宜設定可能である。なお、この後、カラーフィルタやマイクロレンズなどが形成され半導体装置が完成する。ここで、配線層はアルミニウムを主成分とする導電体からなり、各種プラグはタングステンを主成分とする導電体からなるものとする。保護膜は例えばシリコン窒化膜であり、反射防止膜は反射防止として機能可能な屈折率を有していればよく、例えば、シリコン酸窒化膜である。
【0068】
ここで、シリサイド領域の外縁1102は防止層の外縁1101よりも外周101から離れている。仮に、防止層の外縁1101がシリサイド領域の外縁1102よりも外周101から離れていた場合には、図12の画素領域1104に示す防止層1204が形成されないため、MOSトランジスタ1201はシリサイド領域を含む構成となってしまう。つまり、意図せぬシリサイド領域を有する部分が形成されてしまう。そこで、コンタクトプラグ1205のためのコンタクトホールを形成すると、本来であればシリサイド領域が無い部分であるはずが、シリサイド領域が露出してしまう。しかし、本実施例のように、シリサイド領域の外縁1102は防止層の外縁1101よりも外周101から離れていることで、意図せぬシリサイド領域を有する部分の形成を抑制することが出来る。
【0069】
次に、図13及び図14を用いて、図12の構成の製造方法の一例を説明する。一般的な半導体製造方法に関する説明については、詳細な説明は省略する。また、以下の製造方法において、説明の簡易化のため、加工前の部材と加工後の部材とは同一の符号を付している場合がある。また、各図面の符号は相互に参照できるものである。
【0070】
まず、画素領域1104の半導体基板110にウエル1200を形成する(図13(a))。そして、MOSトランジスタ等の素子を形成する。ここで、画素領域1104にはMOSトランジスタ1201が形成され、周辺領域1103にはMOSトランジスタ1301が形成される。その後、両MOSトランジスタを覆う防止層となる絶縁膜1302を形成する(図13(b))。ここでは、防止層となる絶縁膜1302はシリコン酸化膜である。そして、防止層を形成しない部分、すなわちシリサイド領域を形成する部分を露出するように、フォトレジストパターン1303を用いて、絶縁膜1302の一部を除去する(図13(c))。
【0071】
図13(d)には、絶縁膜1302の一部を除去して形成され、外縁1101を有する防止層1304が示されている。もちろん、防止層1304は任意のパターンを有するため、その端部が外縁1101と一致しない場合もあるが、外縁1101よりもウエハの外周101側には防止層1304は配置されない。
【0072】
そして、図13(e)に示すように、シリサイド領域を形成するための金属膜1305を形成する。ここでは、金属膜1305はコバルトシリサイドを形成するためのコバルト膜とする。その他、金属膜の材料は、シリサイドを形成することが可能な金属材料から選択可能である。金属膜1305はMOSトランジスタ1301のソース領域及びドレイン領域とゲート電極とを接して覆っている。また、画素領域1104においては、金属膜1305は防止膜1304と接し、MOSトランジスタ1201のソース領域及びドレイン領域とゲート電極と接していない。金属膜1305の端部は外縁1102であり、防止層1304の外縁1101よりも外周101側の領域にも金属膜は形成されない。形成方法としては、一度、全体に金属膜を形成した後に、外縁1102よりも外周101側の金属膜をウエットエッチング等で除去することで、金属膜1305を形成する。
【0073】
図13(e)の状態で、熱処理を行い、金属膜1305とポリシリコンを含むシリコンとを反応させシリサイドを形成(シリサイド化)し、シリサイド領域を形成する。金属膜1305のうち、防止層1304と接しシリサイド化していない部分や、シリサイドの上に残った未反応の部分を除去する。MOSトランジスタ1202はシリサイド領域1203を有する(図14(a))。
【0074】
その後、半導体基板110を覆う層間絶縁膜となる絶縁膜1401を形成する(図14(b))。絶縁膜1401の上に、シリサイド領域が無い部分を露出するコンタクトホール形成のための開口1403を有するフォトレジストパターン1402を形成する(図14(c))。フォトレジストパターン1402はその端部が外縁1101と一致しており、絶縁膜1401の端部を外縁1101と一致させるためのものである。フォトレジストパターン1402をマスクとして絶縁膜1401に対してエッチングを行い、フォトレジストパターン1402を除去する。この処理によって、層間絶縁膜1211が形成される。ここで、層間絶縁膜1211にはコンタクトホールが設けられている。その後、コンタクトホールに導電体が設けられることでコンタクトプラグ1205が形成され、図14(d)の構成となる。その後、一般の半導体製造方法によって、配線層等が形成され、図12の構成が形成される。このようにして、本実施例は実施される。
【0075】
本実施例では、シリサイドの場合について説明を行ったが、例えば、遮光膜などの金属膜を露出させる開口を形成する工程を有する場合についても、適用可能である。具体的には、電荷保持部を有し、それを遮光する金属膜からなる遮光膜を有する固体撮像装置が挙げられる。また、本実施例のシリサイド領域はMOSトランジスタのゲート電極、ソース領域及びドレイン領域に設けられているが、いずれかでもよく、いずれかの一部でもよい。
【実施例6】
【0076】
本実施例は、実施例5とは別の金属汚染抑制方法を説明するものである。実施例5では、シリサイド領域を形成するための金属膜の形成領域の外縁1102が、シリサイド領域が形成されることを防ぐための防止層の外縁1101よりウエハの外周101から離れていた。しかし、本実施例では、シリサイド領域が形成されることを防ぐための防止層の外縁がシリサイド領域を形成するための金属膜の形成領域の外縁より、ウエハの外周から離れている。しかし、金属膜の形成領域の外縁がシリサイド領域を形成しない領域、ここでは画素領域に含まれないことで、金属汚染の発生を抑制することが可能となる。以下、図15を用いて詳細に説明する。
【0077】
図15(a)は図11に対応するウエハの平面模式図であり、図15(b)及び図15(c)は図14(c)及び図14(d)に対応する断面模式図である。図15(a)〜図15(c)において、他の実施例と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0078】
図15(a)に示すように、本実施例では、シリサイド領域が形成されることを防ぐための防止層の外縁1513がシリサイド領域を形成するための金属膜の形成領域の外縁1512より、ウエハの外周101から離れている。しかし、金属膜の外縁1512は画素領域1104にかからない。このような構成によって、シリサイド領域が設けられる予定ではない画素領域1104に、意図せず形成されるシリサイド領域がないため、画素領域1104コンタクトホール形成時のシリサイド領域の露出は生じない。なお、層間絶縁膜の外縁1511は最も外周101側に設けられている。
【0079】
図15(b)及び図15(c)を用いて、製造方法の一部を説明する。図15(b)の構成は、実施例5の図13(a)〜図14(b)までの工程と同様の方法で製造可能である。但し、図15(b)では、防止層の外縁1513が画素領域1104よりも外周101から離れているため、画素領域1104に防止層が形成されていない。しかし、金属膜の外縁1512が画素領域1104に入らないため、MOSトランジスタ1201にはシリサイド領域が形成されていない。そして、実施例5の図14(c)と同様に、絶縁膜1501の上に開口1503を有するフォトレジストパターン1502を形成する(図15(b))。フォトレジストパターン1502をマスクに絶縁膜1501をエッチングして除去することでコンタクトホールを有する層間絶縁膜1504を形成する。コンタクトホールに導電体を設けることでコンタクトプラグ1505を形成し、図15(c)の構成が得られる。ここでは、フォトレジストパターン1502の外縁、すなわち層間絶縁膜1504の外縁1501が示されている。本実施例の構成によっても、金属汚染を抑制することが可能となる。
【0080】
最後に、本発明の半導体装置の一例として、固体撮像装置の構成について説明する。図10は固体撮像装置1000を説明するための平面模式図である。図2(a)の1つの半導体装置に相当する固体撮像装置1000は、例えば、CMOS型固体撮像装置である。図10において、固体撮像装置1000は、画素部1011と、垂直走査回路1012と、2つの読み出し回路1013と、2つの水平走査回路1014と、2つの出力アンプ1015を備えている。画素部1011以外の領域を周辺回路部1016とする。画素部1011は、複数の画素が2次元状に配列されて構成される。各画素は、少なくとも光電変換素子を有し、加えて読み出しのためのトランジスタなどを含みうる。上述の光導波路は光電変換素子の上部に、光電変換素子に対応して配置される。読み出し回路1013は、例えば、列アンプ、CDS回路、加算回路等を含み、垂直走査回路1012によって選択された行の画素から垂直信号線を介して読み出された信号に対して増幅、加算等を行う。列アンプ、CDS回路、加算回路等は、例えば、画素列又は複数の画素列毎に配置される。水平走査回路1014は、読み出し回路1013の信号を順番に読み出すための信号を生成する。出力アンプ1015は、水平走査回路1014によって選択された列の信号を増幅して出力する。読み出し回路1013と水平走査回路1014と出力アンプ1015とは、2系統の出力経路を構成するため、画素部1011を挟んで上下に1つずつ配置されている。しかし、出力経路は3つ以上設けられていてもよい。
【0081】
以上の構成は、固体撮像装置の一つの構成例に過ぎず、これに限定されるものではない。例えば、固体撮像装置1000はCCD型であってもよい。また、本発明はメモリなどの他の半導体装置に適用可能である。
【0082】
本発明の半導体装置の製造方法によれば、複数の絶縁膜を除去する場合においても金属汚染の発生を抑制することが可能となる。また、本発明のウエハの構成によれば、ノイズの少ない半導体装置が提供可能である。本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、各実施例は適宜変更・組み合わせ可能である。
【符号の説明】
【0083】
1 ウエハ
10 ウエハ中心
101 ウエハの外周
102 1つの半導体装置の範囲
103 露光領域
104 第1の絶縁膜が形成される領域の外縁
105 導電体が形成される領域の外縁
106 半導体装置の形成領域
107 注目範囲
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電パターンを有する配線層と、前記導電パターンの側面を囲む第1の絶縁膜を含む複数の絶縁膜と、を有する半導体装置の製造方法において、
半導体ウエハの上に前記複数の絶縁膜を形成する工程と、
前記配線層を形成する工程と、
前記複数の絶縁膜を形成する工程及び前記配線層を形成する工程の後に、前記複数の絶縁膜の一部の領域を除去し、開口を形成する工程と、を有し、
前記第1の絶縁膜は、前記導電パターンの配置位置のうち前記ウエハの外周に最も近い位置よりも前記半導体ウエハの外周に近い位置まで配置されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記配線層を形成する工程は、
前記複数の絶縁膜を形成する工程のうち第1の絶縁膜を形成する工程の後に行われる、前記第1の絶縁膜に形成された溝に形成され、前記配線層を構成する導電パターンを形成する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記配線層を構成する導電パターンは、銅を主成分とする材料からなることを特徴とする請求項1あるいは2のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記配線層を形成する工程は、
前記複数の絶縁膜を形成する工程のうち第1の絶縁膜を形成する工程の前に行われる、前記配線層を構成する導電パターンを形成する工程を有し、
前記第1の絶縁膜を形成する工程において、前記導電パターンを覆うことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記半導体装置は、複数の光電変換素子を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記複数の絶縁膜の一部の領域を除去する工程の後に、
前記一部の領域に前記第1の絶縁膜よりも屈折率の高い高屈折率膜を形成する工程を有する請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記高屈折率膜を形成する工程の後に、前記高屈折率膜の少なくとも一部を除去する工程を有し、
前記除去する工程において、
前記半導体ウエハの外周に近い前記第1の絶縁膜が配置される位置よりも前記半導体ウエハの外周から遠い位置と前記半導体ウエハの外周との間の前記高屈折率膜の少なくとも一部を除去することを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記第1の絶縁膜は少なくとも酸化シリコンからなる絶縁膜を含み、
前記高屈折率膜は窒化シリコンからなることを特徴とする請求項6あるいは7のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記複数の絶縁膜の一部の領域を除去する工程の後に、
前記一部の領域に導電体を形成し、貫通ビアを形成する工程を有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記複数の絶縁膜の一部の領域を除去する工程において、
前記複数の絶縁膜の上に、フォトレジストを形成する工程と、
前記フォトレジストを露光及びパターニングし、マスクを形成する工程と、を有し、
前記マスクを形成する工程の露光は、
1回で、複数の半導体装置に対応する領域を露光することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の半導体ウエハの製造方法と、
前記複数の半導体装置を分離する分離工程を有する半導体装置の製造方法。
【請求項12】
素子と、導電パターンを有する配線層と、前記導電パターンの側面を囲む第1の絶縁膜を含む複数の絶縁膜と、
前記複数の絶縁膜に配された光導波路と、を含む半導体装置を有する半導体ウエハにおいて、
前記第1の絶縁膜は、前記導電パターンの配置位置のうち最も前記半導体ウエハの外周に近い位置よりも、前記半導体ウエハの外周の近くまで配置されていることを特徴とする半導体ウエハ。
【請求項13】
導電体部と、第1の絶縁膜を含む複数の絶縁膜と、を有する半導体装置の製造方法において、
前記導電体部と前記複数の絶縁膜を有する半導体ウエハを準備する工程と、
前記複数の絶縁膜の一部の領域を除去し、開口を形成する工程と、を有し、
前記導電体部と前記複数の絶縁膜を有する半導体ウエハを準備する工程は、前記第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜の上に導電膜を形成することで導電体部を形成する工程とを有し、
前記第1の絶縁膜を形成する工程において、前記第1の絶縁膜は前記半導体ウエハの外周から第1の位置まで形成され、
前記導電体部を形成する工程において、前記導電膜は、前記第1の位置よりも前記半導体ウエハの外周から遠い前記第2の位置まで形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項1】
導電パターンを有する配線層と、前記導電パターンの側面を囲む第1の絶縁膜を含む複数の絶縁膜と、を有する半導体装置の製造方法において、
半導体ウエハの上に前記複数の絶縁膜を形成する工程と、
前記配線層を形成する工程と、
前記複数の絶縁膜を形成する工程及び前記配線層を形成する工程の後に、前記複数の絶縁膜の一部の領域を除去し、開口を形成する工程と、を有し、
前記第1の絶縁膜は、前記導電パターンの配置位置のうち前記ウエハの外周に最も近い位置よりも前記半導体ウエハの外周に近い位置まで配置されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記配線層を形成する工程は、
前記複数の絶縁膜を形成する工程のうち第1の絶縁膜を形成する工程の後に行われる、前記第1の絶縁膜に形成された溝に形成され、前記配線層を構成する導電パターンを形成する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記配線層を構成する導電パターンは、銅を主成分とする材料からなることを特徴とする請求項1あるいは2のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記配線層を形成する工程は、
前記複数の絶縁膜を形成する工程のうち第1の絶縁膜を形成する工程の前に行われる、前記配線層を構成する導電パターンを形成する工程を有し、
前記第1の絶縁膜を形成する工程において、前記導電パターンを覆うことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記半導体装置は、複数の光電変換素子を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記複数の絶縁膜の一部の領域を除去する工程の後に、
前記一部の領域に前記第1の絶縁膜よりも屈折率の高い高屈折率膜を形成する工程を有する請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記高屈折率膜を形成する工程の後に、前記高屈折率膜の少なくとも一部を除去する工程を有し、
前記除去する工程において、
前記半導体ウエハの外周に近い前記第1の絶縁膜が配置される位置よりも前記半導体ウエハの外周から遠い位置と前記半導体ウエハの外周との間の前記高屈折率膜の少なくとも一部を除去することを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記第1の絶縁膜は少なくとも酸化シリコンからなる絶縁膜を含み、
前記高屈折率膜は窒化シリコンからなることを特徴とする請求項6あるいは7のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記複数の絶縁膜の一部の領域を除去する工程の後に、
前記一部の領域に導電体を形成し、貫通ビアを形成する工程を有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記複数の絶縁膜の一部の領域を除去する工程において、
前記複数の絶縁膜の上に、フォトレジストを形成する工程と、
前記フォトレジストを露光及びパターニングし、マスクを形成する工程と、を有し、
前記マスクを形成する工程の露光は、
1回で、複数の半導体装置に対応する領域を露光することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の半導体ウエハの製造方法と、
前記複数の半導体装置を分離する分離工程を有する半導体装置の製造方法。
【請求項12】
素子と、導電パターンを有する配線層と、前記導電パターンの側面を囲む第1の絶縁膜を含む複数の絶縁膜と、
前記複数の絶縁膜に配された光導波路と、を含む半導体装置を有する半導体ウエハにおいて、
前記第1の絶縁膜は、前記導電パターンの配置位置のうち最も前記半導体ウエハの外周に近い位置よりも、前記半導体ウエハの外周の近くまで配置されていることを特徴とする半導体ウエハ。
【請求項13】
導電体部と、第1の絶縁膜を含む複数の絶縁膜と、を有する半導体装置の製造方法において、
前記導電体部と前記複数の絶縁膜を有する半導体ウエハを準備する工程と、
前記複数の絶縁膜の一部の領域を除去し、開口を形成する工程と、を有し、
前記導電体部と前記複数の絶縁膜を有する半導体ウエハを準備する工程は、前記第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜の上に導電膜を形成することで導電体部を形成する工程とを有し、
前記第1の絶縁膜を形成する工程において、前記第1の絶縁膜は前記半導体ウエハの外周から第1の位置まで形成され、
前記導電体部を形成する工程において、前記導電膜は、前記第1の位置よりも前記半導体ウエハの外周から遠い前記第2の位置まで形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−182428(P2012−182428A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223295(P2011−223295)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]