半導体装置の製造方法
【課題】配線幅が異なる第1及び第2の配線を有する配線パターンの上に形成された絶縁層を、十分に平坦化すること。
【解決手段】基板上に、第1の配線及び第1の配線よりも配線幅が小さい第2の配線を有する配線パターンを形成する配線形成工程S10と、配線パターンの上から、第1の絶縁層及び第2の絶縁層をこの順に形成する絶縁層形成工程S20と、第2の絶縁層の上に、配線パターンの反転パターンを有するレジストパターンを形成するレジスト形成工程S30と、第2の絶縁層の方が第1の絶縁層よりもエッチングされやすい条件で等方性エッチングするエッチング工程S40と、レジストパターンを除去するレジスト除去工程S50と、を有する半導体装置の製造方法。
【解決手段】基板上に、第1の配線及び第1の配線よりも配線幅が小さい第2の配線を有する配線パターンを形成する配線形成工程S10と、配線パターンの上から、第1の絶縁層及び第2の絶縁層をこの順に形成する絶縁層形成工程S20と、第2の絶縁層の上に、配線パターンの反転パターンを有するレジストパターンを形成するレジスト形成工程S30と、第2の絶縁層の方が第1の絶縁層よりもエッチングされやすい条件で等方性エッチングするエッチング工程S40と、レジストパターンを除去するレジスト除去工程S50と、を有する半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程において、配線パターン上に形成された絶縁層を平坦化する工程を含む場合がある。
【0003】
特許文献1には、図14に示すように、基板上に配線パターンを形成し(図14(a))、その上に、不純物を含有するガラス層を形成し(図14(b))、次いで、当該ガラス層の上に回転塗布ガラス膜を形成して平坦化した後(図14(c))、不純物を含有するガラス層及び回転塗布ガラス膜のエッチング速度を制御してウェットエッチングし、不純物を含有するガラス層を平坦化する(図14(d))平坦化方法が記載されている。なお、図14は特許文献1に開示されていた図面である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭63−260038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術の場合、図14(c)に示すように、上面に露出している不純物を含有するガラス層、及び、回転塗布ガラス膜の両方を同時にエッチングしていき、最終的に、図14(d)に示すように、平坦化された不純物を含有するガラス層を得る。このようなエッチングを実現するためには、不純物を含有するガラス層及び回転塗布ガラス膜が同じエッチング速度でエッチングされる必要があるが、図14(c)に示すように異なる層が異なった厚さで積層されている状態で、このようなエッチングを実現し、平坦な面を得るのは容易でない。
【0006】
ところで、平坦化に用いられる技術としてはCMP(Chemical Mechanical Polishing)が知られているが、配線幅が異なる第1の配線及び第2の配線を有する配線パターン上に形成された絶縁層を、CMPを用いて平坦化する場合、以下のような問題がある。
【0007】
例えば、図12に示すように、配線幅の異なる第1の配線20A及び第2の配線20Bを有する配線パターン上に、酸化膜30を形成すると、酸化膜30には、第1の配線20A及び第2の配線20Bの厚さを反映した凹凸が形成される。このような酸化膜30をCMPにより平坦化すると、図13に示すように、配線幅が大きい第1の配線20Aの上部で段差が残り、十分に平坦化されない場合がある。
【0008】
CMPによる研磨は、物理的エッチングと化学的エッチングのそれぞれの要素を含んでいるが、化学的エッチングは下地配線パターンの影響を受ける。具体的には、配線幅が小さい第2の配線20Bの上部に位置する酸化膜30は、配線幅が大きい第1の配線20Aの上部に位置する酸化膜30よりも、凹凸が多い分、露出面積が大きくなり、化学的エッチングの影響を受けやすくなる。このため、配線幅が小さい第2の配線20Bの上部に位置する酸化膜30は、配線幅が大きい第1の配線20Aの上部に位置する酸化膜30よりも、エッチングされやすくなる。結果、図13に示すように、配線幅が大きい第1の配線20Aの上部に、エッチング残りによる段差が生じる場合がある。
【0009】
上記従来技術のように、絶縁層を十分に平坦化できず、段差が残ったままの状態でその上層に配線を形成してしまうと、上層配線形成時のパターニング時のフォーカスマージンが悪化するなどの不都合が生じ得る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、基板上に、第1の配線及び前記第1の配線よりも配線幅が小さい第2の配線を有する配線パターンを形成する配線形成工程と、前記配線パターンの上から、第1の絶縁層及び第2の絶縁層をこの順に形成する絶縁層形成工程と、前記第2の絶縁層の上に、前記配線パターンの反転パターンを有するレジストパターンを形成するレジスト形成工程と、前記レジスト形成工程の後、前記第2の絶縁層の方が前記第1の絶縁層よりもエッチングされやすい条件で等方性エッチングするエッチング工程と、前記エッチング工程の後、前記レジストパターンを除去するレジスト除去工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0011】
本発明によれば、レジストパターンをマスクとした等方性エッチングにおいて、まず、露出している第2の絶縁層が基板に対して略垂直方向にエッチングされる。そして、第2の絶縁層のエッチングが進み、レジストパターンでマスクされていない箇所に第1の絶縁層が露出すると、その後、露出している第1の絶縁層が基板に対して略垂直方向にエッチングされるとともに、レジストパターンでマスクされている第2の絶縁層が基板に対して略平行方向にエッチングされる。
【0012】
本発明では、このような流れで行われるエッチングにより、第1の絶縁層及び第2の絶縁層からなる絶縁層の表面を、十分に平坦化することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、配線パターンの上に形成された絶縁層を、十分に平坦化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態の半導体装置の製造方法の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図2】本実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための断面概念図である。
【図3】本実施形態の半導体装置の製造方法の効果を説明するための図である。
【図4】本実施形態の半導体装置の製造方法の効果を説明するための図である。
【図5】本実施形態の半導体装置の製造方法の効果を説明するための図である。
【図6】本実施形態の半導体装置の製造方法の効果を説明するための図である。
【図7】本実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための断面概念図である。
【図8】本実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための断面概念図である。
【図9】本実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための断面概念図である。
【図10】本実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための断面概念図である。
【図11】本実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための断面概念図である。
【図12】関連する半導体装置の製造方法を説明するための断面概念図である。
【図13】関連する半導体装置の製造方法を説明するための断面概念図である。
【図14】関連する半導体装置の製造方法を説明するための断面概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0016】
図1は、本実施形態の半導体装置の製造方法の処理の流れを示すフローチャートである。図1のフローチャートに示すように、本実施形態の半導体装置の製造方法は、配線形成工程S10と、絶縁層形成工程S20と、レジスト形成工程S30と、エッチング工程S40と、レジスト除去工程S50と、CMP工程S60とを有する。なお、必要に応じて、CMP工程S60を有さない構成とすることもできる。以下、各工程について説明する。
【0017】
配線形成工程S10では、例えば図2の断面概念図に示すように、基板1上に、第1の配線2Aと、第1の配線2Aよりも配線幅が小さい第2の配線2Bとを有する配線パターンを形成する。なお、図2に示す構成はあくまで一例であり、第1の配線2A及び第2の配線2Bの数、厚さ、配線幅の比などは図示する構成に限定されない。また、基板1及び配線パターンのその他の構成は特段制限されず、従来技術に準じたあらゆる構成とすることができる。
【0018】
絶縁層形成工程S20では、例えば図2の断面概念図に示すように、基板1上に形成された配線パターンの上から、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4をこの順に形成する。第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4の厚さは設計的事項であり、例えば、第1の絶縁層3は1.4μm程度、第2の絶縁層4は0.6μm程度とすることができる。
【0019】
ここで、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4は、BHF(buffered hydrofluoric acid)などのエッチング液を用いたウェットエッチングを行った場合、第2の絶縁層4が第1の絶縁層よりもエッチングされやすくなるよう構成される。このような第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4は、例えば以下のようにして形成することができる。
【0020】
例えば、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4として、上記関係を満たす酸化膜を、成膜条件を変えて作り分けることができる。以下、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4となる酸化膜の形成方法の一例を説明する。
【0021】
第1の例としては、成膜温度を変えて、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4となる酸化膜を作り分けることができる。具体的には、第1の絶縁層3を形成する時の方が、第2の絶縁層4を形成する時よりも成膜温度を高くする。
【0022】
ここで、図3に、プラズマ成長で成膜した酸化膜のBHFを用いたウェットエッチングレートの成膜温度依存性を示す。図3から分かるように、成膜温度が高くなるほど、酸化膜のエッチングレートが遅くなることが分かる。また、均一性は、成膜温度400℃付近が最低となり、成膜温度が400℃から上昇及び下降すると、均一性は向上することが分かる。なお、均一性(R)は、R=(膜厚測定値MAX−膜厚測定値MIN)/2×膜厚平均値の計算式により算出される。「膜厚測定値MAX」は膜厚の測定値の中の最大値であり、「膜厚測定値MIN」は膜厚の測定値の中の最低値であり、「膜厚平均値」は膜厚の測定値の平均値である。
【0023】
例えば、図3のデータに基づき、第1の絶縁層3の成膜温度を415℃以上425℃以下、好ましくは420℃とし、第2の絶縁層4の成膜温度を375℃以上385℃以下、好ましくは380℃として、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4となる酸化膜を作り分けてもよい。
【0024】
第2の例としては、TotalPowerを変えて、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4となる酸化膜を作り分けることができる。具体的には、第1の絶縁層3を形成する時の方が、第2の絶縁層4を形成する時よりもTotalPowerを高くする。本実施形態では、電極にかける周波数が2種類あり(高周波「HF」及び低周波「LF」)、これら高周波と低周波にかけるパワーを足したもの(HF+LF)がTotalPowerである。例えば、HF:300W、LF:200Wならば、TotalPowerは500Wである。
【0025】
ここで、図4に、プラズマ成長で成膜した酸化膜のBHFを用いたウェットエッチングレートのTotalPower依存性を示す。ここでは、HF=LF+100Wとした。図4から分かるように、TotalPowerが高くなるほど、エッチングレートが遅くなることが分かる。また、均一性は、TotalPowerへの依存は低く、580W以上780W以下の範囲でほぼ等しい値を示すが、TotalPower680W付近が最低となり、TotalPowerが680Wから上昇及び下降すると、均一性が向上することが分かる。
【0026】
例えば、図4のデータに基づき、第1の絶縁層3を形成する時のTotalPowerを755W以上805W以下、好ましくは780Wとし、第2の絶縁層4を形成する時のTotalPowerを555W以上605W以下、好ましくは580Wとして、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4となる酸化膜を作り分けてもよい。
【0027】
第3の例としては、TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)流量を変えて、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4となる酸化膜を作り分けることができる。具体的には、第1の絶縁層3を形成する時の方が、第2の絶縁層4を形成する時よりもTEOS流量を低くする。
【0028】
ここで、図5に、プラズマ成長で成膜した酸化膜のBHFを用いたウェットエッチングレートのTEOS流量依存性を示す。図5から分かるように、TEOS流量が高くなるほど、エッチングレートが速くなることが分かる。また、均一性は、TEOS流量への依存は低く、80sccm以上160sccm以下の範囲でほぼ等しい値を示すが、TEOS流量120sccm付近が最低となり、TEOS流量が120sccmから上昇及び下降すると、均一性が向上することが分かる。
【0029】
例えば、図5のデータに基づき、第1の絶縁層3を形成する時のTEOS流量を70sccm以上90sccm以下、好ましくは80sccmとし、第2の絶縁層4を形成する時のTEOS流量を150sccm以上170sccm以下、好ましくは160sccmとして、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4となる酸化膜を作り分けてもよい。
【0030】
第4の例としては、上記第1の例乃至第3の例の中の少なくとも2つの手段を組み合わせて、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4となる酸化膜を作り分けることができる。
【0031】
例えば、図3乃至図5のデータに基づき、第1の絶縁層3の成膜条件を、成膜温度415℃以上425℃以下、好ましくは420℃、TotalPower755W以上805W以下、好ましくは780W、TEOS流量70sccm以上90sccm以下、好ましくは80sccmとし、第2の絶縁層4の成膜条件を、成膜温度375℃以上385℃以下、好ましくは380℃、TotalPower555W以上605W以下、好ましくは580W、TEOS流量150sccm以上170sccm以下、好ましくは160sccmとして、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4となる酸化膜を作り分けてもよい。
【0032】
第5の例としては、上記第1の例乃至第4の例に示す構成を基本とし、さらに、図6に示すデータを利用して、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4となる酸化膜を作り分ける成膜条件を変更することができる。
【0033】
図6に示すデータは、プラズマ成長で成膜した酸化膜の均一性、及び、BHFを用いたウェットエッチングレートの複数のパタメータ各々に対する依存性を示す。図6に示すデータによれば、図3乃至図5を用いて説明した依存性に加えて、さらに以下のような依存性が分かる。
【0034】
すなわち、O2流量が高くなるほど、均一性はやや高くなり、エッチングレートはやや遅くなることが分かる。また、He流量が高くなるほど、均一性はやや高くなり、エッチングレートはほとんど変わらないことが分かる。また、プラズマ成長の装置内の真空度が高くなるほど、均一性はやや低くなり、エッチングレートはやや速くなることが分かる。また、Power比が高くなるほど、均一性はやや高くなり、エッチングレートはやや遅くなることが分かる。なお、Power比は、Power比=LF/(LF+HF)と定義される。例えば、HF:300W、LF:200Wならば、Power比は、300W/(300W+200W)=0.6となる。
【0035】
図6のデータから分かるように、O2流量、He流量、プラズマ成長の装置内の真空度、及び、Power比は、TEOS流量、TotalPower、及び、成膜温度に比べて、均一性及びエッチングレートに及ぼす影響は小さいが、一定の傾向を持って均一性及びエッチングレートに影響を及ぼすことができる。
【0036】
第5の例では、TEOS流量、TotalPower、及び、成膜温度の中の少なくとも1つの成膜条件に加えて、O2流量、He流量、プラズマ成長の装置内の真空度、及び、Power比の中の少なくとも1つの成膜条件を適切に調整し、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4となる酸化膜を作り分けることができる。
【0037】
図1に戻り、レジスト形成工程S30では、図7の断面概念図に示すように、第2の絶縁層4の上に、配線パターンの反転パターンを有するレジストパターン5を形成する。なお、反転パターンは、配線パターンを厳密に反転したパターンであってもよいし、多少のズレを含んだパターンであってもよい。
【0038】
このようなレジストパターン5を形成する手段は特段制限されないが、例えば、配線パターンの反転レチクルを用いて形成してもよい。または、通常ポジ型レジストを使用する場合には、ネガ型レジストを使用し、配線パターンと同一レチクルを用いて形成してもよい。
【0039】
エッチング工程S40では、レジスト形成工程S30の後、第2の絶縁層4の方が第1の絶縁層3よりもエッチングされやすい条件で、第2の絶縁層4及び第1の絶縁層3を等方性エッチングする。
【0040】
例えば、エッチング工程S40では、BHFなどのエッチング液を用いたウェットエッチングを行う。このようなエッチング条件の場合、上述の通り、第2の絶縁層4の方が第1の絶縁層3よりもエッチングされやすくなる。
【0041】
ここで、図7乃至図9の断面概念図を用いて、エッチング工程S40における第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4の状態の変化の様子を説明する。
【0042】
まず、図7の状態からレジストパターン5をマスクとしてウェットエッチングを行うと第2の絶縁層4の露出部分から等方的にエッチングされ、図8に示すような状態となる。
【0043】
図8に示す状態からさらにウェットエッチングが進むと、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4の露出部分から等方的にエッチングされる。なお、上述の通り、第2の絶縁層4の方が第1の絶縁層3よりもエッチングされやすいので、第1の絶縁層3を図中下方向にエッチングするスピードよりも、第2の絶縁層を図中略横方向にエッチングするスピードの方が速い。このような条件でエッチングが進むと、図9に示すように、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4からなる絶縁層6の図中上側の面は略平坦化される。
【0044】
図1に戻り、レジスト除去工程S50では、エッチング工程S40の後、レジストパターン5を除去する。レジストパターン5を除去する手段は特段制限されず、従来技術に準じて実現することができる。当該工程の後、図10の断面概念図に示すような状態が得られる。
【0045】
CMP工程S60では、レジスト除去工程S50の後、絶縁層6の露出面に対して、CMPによる平坦化処理を行う。CMPによる平坦化処理は従来技術に準じて実現できるので、ここでの説明は省略する。当該工程の後、図11の断面概念図に示すような状態が得られる。
【0046】
その後、絶縁層6の上に配線層を形成するなどの次の工程に進むことができる。
【0047】
なお、レジスト除去工程S50の後に、絶縁層6の露出面が十分な平坦性を有する場合、本実施形態の半導体装置の製造方法は、CMP工程S60を経ることなく、絶縁層6の上に配線層を形成するなどの次の工程に進むことができる。
【0048】
本実施形態の半導体装置の製造方法では、絶縁層6の露出面の凹凸を軽減した後に、CMPによる平坦化処理を行う。すなわち、配線幅が異なる第1の配線2A及び第2の配線2Bの上方に位置する絶縁層6の露出面の凹凸状態の差を軽減した後に、CMPによる平坦化処理を行う。
【0049】
このような本実施形態の半導体装置の製造方法によれば、配線幅が異なる第1の配線2A及び第2の配線2Bを有する配線パターン上に形成された絶縁層の露出面を、十分に平坦化することができる。
【0050】
また、本実施形態の半導体装置の製造方法によれば、CMPでエッチングする絶縁層の量(厚さ)を少なくすることができるので、CMP装置の負担を軽減することができる。
【0051】
また、本実施形態の半導体装置の製造方法によれば、配線幅が異なる第1の配線2A及び第2の配線2Bを有する配線パターン上に形成された絶縁層の露出面を、CMPでエッチングすることなく、十分に平坦化することができる場合もある。このような本実施形態の半導体装置の製造方法によれば、CMP装置の負担を軽減することができるほか、工程数を減らすことができ、製造効率を向上高めることができる。
【符号の説明】
【0052】
1 基板
2A 第1の配線
2B 第2の配線
3 第1の絶縁層
4 第2の絶縁層
5 レジストパターン
6 絶縁層
10 基板
20A 第1の配線
20B 第2の配線
30 絶縁層
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程において、配線パターン上に形成された絶縁層を平坦化する工程を含む場合がある。
【0003】
特許文献1には、図14に示すように、基板上に配線パターンを形成し(図14(a))、その上に、不純物を含有するガラス層を形成し(図14(b))、次いで、当該ガラス層の上に回転塗布ガラス膜を形成して平坦化した後(図14(c))、不純物を含有するガラス層及び回転塗布ガラス膜のエッチング速度を制御してウェットエッチングし、不純物を含有するガラス層を平坦化する(図14(d))平坦化方法が記載されている。なお、図14は特許文献1に開示されていた図面である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭63−260038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術の場合、図14(c)に示すように、上面に露出している不純物を含有するガラス層、及び、回転塗布ガラス膜の両方を同時にエッチングしていき、最終的に、図14(d)に示すように、平坦化された不純物を含有するガラス層を得る。このようなエッチングを実現するためには、不純物を含有するガラス層及び回転塗布ガラス膜が同じエッチング速度でエッチングされる必要があるが、図14(c)に示すように異なる層が異なった厚さで積層されている状態で、このようなエッチングを実現し、平坦な面を得るのは容易でない。
【0006】
ところで、平坦化に用いられる技術としてはCMP(Chemical Mechanical Polishing)が知られているが、配線幅が異なる第1の配線及び第2の配線を有する配線パターン上に形成された絶縁層を、CMPを用いて平坦化する場合、以下のような問題がある。
【0007】
例えば、図12に示すように、配線幅の異なる第1の配線20A及び第2の配線20Bを有する配線パターン上に、酸化膜30を形成すると、酸化膜30には、第1の配線20A及び第2の配線20Bの厚さを反映した凹凸が形成される。このような酸化膜30をCMPにより平坦化すると、図13に示すように、配線幅が大きい第1の配線20Aの上部で段差が残り、十分に平坦化されない場合がある。
【0008】
CMPによる研磨は、物理的エッチングと化学的エッチングのそれぞれの要素を含んでいるが、化学的エッチングは下地配線パターンの影響を受ける。具体的には、配線幅が小さい第2の配線20Bの上部に位置する酸化膜30は、配線幅が大きい第1の配線20Aの上部に位置する酸化膜30よりも、凹凸が多い分、露出面積が大きくなり、化学的エッチングの影響を受けやすくなる。このため、配線幅が小さい第2の配線20Bの上部に位置する酸化膜30は、配線幅が大きい第1の配線20Aの上部に位置する酸化膜30よりも、エッチングされやすくなる。結果、図13に示すように、配線幅が大きい第1の配線20Aの上部に、エッチング残りによる段差が生じる場合がある。
【0009】
上記従来技術のように、絶縁層を十分に平坦化できず、段差が残ったままの状態でその上層に配線を形成してしまうと、上層配線形成時のパターニング時のフォーカスマージンが悪化するなどの不都合が生じ得る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、基板上に、第1の配線及び前記第1の配線よりも配線幅が小さい第2の配線を有する配線パターンを形成する配線形成工程と、前記配線パターンの上から、第1の絶縁層及び第2の絶縁層をこの順に形成する絶縁層形成工程と、前記第2の絶縁層の上に、前記配線パターンの反転パターンを有するレジストパターンを形成するレジスト形成工程と、前記レジスト形成工程の後、前記第2の絶縁層の方が前記第1の絶縁層よりもエッチングされやすい条件で等方性エッチングするエッチング工程と、前記エッチング工程の後、前記レジストパターンを除去するレジスト除去工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0011】
本発明によれば、レジストパターンをマスクとした等方性エッチングにおいて、まず、露出している第2の絶縁層が基板に対して略垂直方向にエッチングされる。そして、第2の絶縁層のエッチングが進み、レジストパターンでマスクされていない箇所に第1の絶縁層が露出すると、その後、露出している第1の絶縁層が基板に対して略垂直方向にエッチングされるとともに、レジストパターンでマスクされている第2の絶縁層が基板に対して略平行方向にエッチングされる。
【0012】
本発明では、このような流れで行われるエッチングにより、第1の絶縁層及び第2の絶縁層からなる絶縁層の表面を、十分に平坦化することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、配線パターンの上に形成された絶縁層を、十分に平坦化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態の半導体装置の製造方法の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図2】本実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための断面概念図である。
【図3】本実施形態の半導体装置の製造方法の効果を説明するための図である。
【図4】本実施形態の半導体装置の製造方法の効果を説明するための図である。
【図5】本実施形態の半導体装置の製造方法の効果を説明するための図である。
【図6】本実施形態の半導体装置の製造方法の効果を説明するための図である。
【図7】本実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための断面概念図である。
【図8】本実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための断面概念図である。
【図9】本実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための断面概念図である。
【図10】本実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための断面概念図である。
【図11】本実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための断面概念図である。
【図12】関連する半導体装置の製造方法を説明するための断面概念図である。
【図13】関連する半導体装置の製造方法を説明するための断面概念図である。
【図14】関連する半導体装置の製造方法を説明するための断面概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0016】
図1は、本実施形態の半導体装置の製造方法の処理の流れを示すフローチャートである。図1のフローチャートに示すように、本実施形態の半導体装置の製造方法は、配線形成工程S10と、絶縁層形成工程S20と、レジスト形成工程S30と、エッチング工程S40と、レジスト除去工程S50と、CMP工程S60とを有する。なお、必要に応じて、CMP工程S60を有さない構成とすることもできる。以下、各工程について説明する。
【0017】
配線形成工程S10では、例えば図2の断面概念図に示すように、基板1上に、第1の配線2Aと、第1の配線2Aよりも配線幅が小さい第2の配線2Bとを有する配線パターンを形成する。なお、図2に示す構成はあくまで一例であり、第1の配線2A及び第2の配線2Bの数、厚さ、配線幅の比などは図示する構成に限定されない。また、基板1及び配線パターンのその他の構成は特段制限されず、従来技術に準じたあらゆる構成とすることができる。
【0018】
絶縁層形成工程S20では、例えば図2の断面概念図に示すように、基板1上に形成された配線パターンの上から、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4をこの順に形成する。第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4の厚さは設計的事項であり、例えば、第1の絶縁層3は1.4μm程度、第2の絶縁層4は0.6μm程度とすることができる。
【0019】
ここで、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4は、BHF(buffered hydrofluoric acid)などのエッチング液を用いたウェットエッチングを行った場合、第2の絶縁層4が第1の絶縁層よりもエッチングされやすくなるよう構成される。このような第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4は、例えば以下のようにして形成することができる。
【0020】
例えば、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4として、上記関係を満たす酸化膜を、成膜条件を変えて作り分けることができる。以下、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4となる酸化膜の形成方法の一例を説明する。
【0021】
第1の例としては、成膜温度を変えて、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4となる酸化膜を作り分けることができる。具体的には、第1の絶縁層3を形成する時の方が、第2の絶縁層4を形成する時よりも成膜温度を高くする。
【0022】
ここで、図3に、プラズマ成長で成膜した酸化膜のBHFを用いたウェットエッチングレートの成膜温度依存性を示す。図3から分かるように、成膜温度が高くなるほど、酸化膜のエッチングレートが遅くなることが分かる。また、均一性は、成膜温度400℃付近が最低となり、成膜温度が400℃から上昇及び下降すると、均一性は向上することが分かる。なお、均一性(R)は、R=(膜厚測定値MAX−膜厚測定値MIN)/2×膜厚平均値の計算式により算出される。「膜厚測定値MAX」は膜厚の測定値の中の最大値であり、「膜厚測定値MIN」は膜厚の測定値の中の最低値であり、「膜厚平均値」は膜厚の測定値の平均値である。
【0023】
例えば、図3のデータに基づき、第1の絶縁層3の成膜温度を415℃以上425℃以下、好ましくは420℃とし、第2の絶縁層4の成膜温度を375℃以上385℃以下、好ましくは380℃として、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4となる酸化膜を作り分けてもよい。
【0024】
第2の例としては、TotalPowerを変えて、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4となる酸化膜を作り分けることができる。具体的には、第1の絶縁層3を形成する時の方が、第2の絶縁層4を形成する時よりもTotalPowerを高くする。本実施形態では、電極にかける周波数が2種類あり(高周波「HF」及び低周波「LF」)、これら高周波と低周波にかけるパワーを足したもの(HF+LF)がTotalPowerである。例えば、HF:300W、LF:200Wならば、TotalPowerは500Wである。
【0025】
ここで、図4に、プラズマ成長で成膜した酸化膜のBHFを用いたウェットエッチングレートのTotalPower依存性を示す。ここでは、HF=LF+100Wとした。図4から分かるように、TotalPowerが高くなるほど、エッチングレートが遅くなることが分かる。また、均一性は、TotalPowerへの依存は低く、580W以上780W以下の範囲でほぼ等しい値を示すが、TotalPower680W付近が最低となり、TotalPowerが680Wから上昇及び下降すると、均一性が向上することが分かる。
【0026】
例えば、図4のデータに基づき、第1の絶縁層3を形成する時のTotalPowerを755W以上805W以下、好ましくは780Wとし、第2の絶縁層4を形成する時のTotalPowerを555W以上605W以下、好ましくは580Wとして、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4となる酸化膜を作り分けてもよい。
【0027】
第3の例としては、TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)流量を変えて、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4となる酸化膜を作り分けることができる。具体的には、第1の絶縁層3を形成する時の方が、第2の絶縁層4を形成する時よりもTEOS流量を低くする。
【0028】
ここで、図5に、プラズマ成長で成膜した酸化膜のBHFを用いたウェットエッチングレートのTEOS流量依存性を示す。図5から分かるように、TEOS流量が高くなるほど、エッチングレートが速くなることが分かる。また、均一性は、TEOS流量への依存は低く、80sccm以上160sccm以下の範囲でほぼ等しい値を示すが、TEOS流量120sccm付近が最低となり、TEOS流量が120sccmから上昇及び下降すると、均一性が向上することが分かる。
【0029】
例えば、図5のデータに基づき、第1の絶縁層3を形成する時のTEOS流量を70sccm以上90sccm以下、好ましくは80sccmとし、第2の絶縁層4を形成する時のTEOS流量を150sccm以上170sccm以下、好ましくは160sccmとして、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4となる酸化膜を作り分けてもよい。
【0030】
第4の例としては、上記第1の例乃至第3の例の中の少なくとも2つの手段を組み合わせて、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4となる酸化膜を作り分けることができる。
【0031】
例えば、図3乃至図5のデータに基づき、第1の絶縁層3の成膜条件を、成膜温度415℃以上425℃以下、好ましくは420℃、TotalPower755W以上805W以下、好ましくは780W、TEOS流量70sccm以上90sccm以下、好ましくは80sccmとし、第2の絶縁層4の成膜条件を、成膜温度375℃以上385℃以下、好ましくは380℃、TotalPower555W以上605W以下、好ましくは580W、TEOS流量150sccm以上170sccm以下、好ましくは160sccmとして、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4となる酸化膜を作り分けてもよい。
【0032】
第5の例としては、上記第1の例乃至第4の例に示す構成を基本とし、さらに、図6に示すデータを利用して、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4となる酸化膜を作り分ける成膜条件を変更することができる。
【0033】
図6に示すデータは、プラズマ成長で成膜した酸化膜の均一性、及び、BHFを用いたウェットエッチングレートの複数のパタメータ各々に対する依存性を示す。図6に示すデータによれば、図3乃至図5を用いて説明した依存性に加えて、さらに以下のような依存性が分かる。
【0034】
すなわち、O2流量が高くなるほど、均一性はやや高くなり、エッチングレートはやや遅くなることが分かる。また、He流量が高くなるほど、均一性はやや高くなり、エッチングレートはほとんど変わらないことが分かる。また、プラズマ成長の装置内の真空度が高くなるほど、均一性はやや低くなり、エッチングレートはやや速くなることが分かる。また、Power比が高くなるほど、均一性はやや高くなり、エッチングレートはやや遅くなることが分かる。なお、Power比は、Power比=LF/(LF+HF)と定義される。例えば、HF:300W、LF:200Wならば、Power比は、300W/(300W+200W)=0.6となる。
【0035】
図6のデータから分かるように、O2流量、He流量、プラズマ成長の装置内の真空度、及び、Power比は、TEOS流量、TotalPower、及び、成膜温度に比べて、均一性及びエッチングレートに及ぼす影響は小さいが、一定の傾向を持って均一性及びエッチングレートに影響を及ぼすことができる。
【0036】
第5の例では、TEOS流量、TotalPower、及び、成膜温度の中の少なくとも1つの成膜条件に加えて、O2流量、He流量、プラズマ成長の装置内の真空度、及び、Power比の中の少なくとも1つの成膜条件を適切に調整し、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4となる酸化膜を作り分けることができる。
【0037】
図1に戻り、レジスト形成工程S30では、図7の断面概念図に示すように、第2の絶縁層4の上に、配線パターンの反転パターンを有するレジストパターン5を形成する。なお、反転パターンは、配線パターンを厳密に反転したパターンであってもよいし、多少のズレを含んだパターンであってもよい。
【0038】
このようなレジストパターン5を形成する手段は特段制限されないが、例えば、配線パターンの反転レチクルを用いて形成してもよい。または、通常ポジ型レジストを使用する場合には、ネガ型レジストを使用し、配線パターンと同一レチクルを用いて形成してもよい。
【0039】
エッチング工程S40では、レジスト形成工程S30の後、第2の絶縁層4の方が第1の絶縁層3よりもエッチングされやすい条件で、第2の絶縁層4及び第1の絶縁層3を等方性エッチングする。
【0040】
例えば、エッチング工程S40では、BHFなどのエッチング液を用いたウェットエッチングを行う。このようなエッチング条件の場合、上述の通り、第2の絶縁層4の方が第1の絶縁層3よりもエッチングされやすくなる。
【0041】
ここで、図7乃至図9の断面概念図を用いて、エッチング工程S40における第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4の状態の変化の様子を説明する。
【0042】
まず、図7の状態からレジストパターン5をマスクとしてウェットエッチングを行うと第2の絶縁層4の露出部分から等方的にエッチングされ、図8に示すような状態となる。
【0043】
図8に示す状態からさらにウェットエッチングが進むと、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4の露出部分から等方的にエッチングされる。なお、上述の通り、第2の絶縁層4の方が第1の絶縁層3よりもエッチングされやすいので、第1の絶縁層3を図中下方向にエッチングするスピードよりも、第2の絶縁層を図中略横方向にエッチングするスピードの方が速い。このような条件でエッチングが進むと、図9に示すように、第1の絶縁層3及び第2の絶縁層4からなる絶縁層6の図中上側の面は略平坦化される。
【0044】
図1に戻り、レジスト除去工程S50では、エッチング工程S40の後、レジストパターン5を除去する。レジストパターン5を除去する手段は特段制限されず、従来技術に準じて実現することができる。当該工程の後、図10の断面概念図に示すような状態が得られる。
【0045】
CMP工程S60では、レジスト除去工程S50の後、絶縁層6の露出面に対して、CMPによる平坦化処理を行う。CMPによる平坦化処理は従来技術に準じて実現できるので、ここでの説明は省略する。当該工程の後、図11の断面概念図に示すような状態が得られる。
【0046】
その後、絶縁層6の上に配線層を形成するなどの次の工程に進むことができる。
【0047】
なお、レジスト除去工程S50の後に、絶縁層6の露出面が十分な平坦性を有する場合、本実施形態の半導体装置の製造方法は、CMP工程S60を経ることなく、絶縁層6の上に配線層を形成するなどの次の工程に進むことができる。
【0048】
本実施形態の半導体装置の製造方法では、絶縁層6の露出面の凹凸を軽減した後に、CMPによる平坦化処理を行う。すなわち、配線幅が異なる第1の配線2A及び第2の配線2Bの上方に位置する絶縁層6の露出面の凹凸状態の差を軽減した後に、CMPによる平坦化処理を行う。
【0049】
このような本実施形態の半導体装置の製造方法によれば、配線幅が異なる第1の配線2A及び第2の配線2Bを有する配線パターン上に形成された絶縁層の露出面を、十分に平坦化することができる。
【0050】
また、本実施形態の半導体装置の製造方法によれば、CMPでエッチングする絶縁層の量(厚さ)を少なくすることができるので、CMP装置の負担を軽減することができる。
【0051】
また、本実施形態の半導体装置の製造方法によれば、配線幅が異なる第1の配線2A及び第2の配線2Bを有する配線パターン上に形成された絶縁層の露出面を、CMPでエッチングすることなく、十分に平坦化することができる場合もある。このような本実施形態の半導体装置の製造方法によれば、CMP装置の負担を軽減することができるほか、工程数を減らすことができ、製造効率を向上高めることができる。
【符号の説明】
【0052】
1 基板
2A 第1の配線
2B 第2の配線
3 第1の絶縁層
4 第2の絶縁層
5 レジストパターン
6 絶縁層
10 基板
20A 第1の配線
20B 第2の配線
30 絶縁層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、第1の配線及び前記第1の配線よりも配線幅が小さい第2の配線を有する配線パターンを形成する配線形成工程と、
前記配線パターンの上から、第1の絶縁層及び第2の絶縁層をこの順に形成する絶縁層形成工程と、
前記第2の絶縁層の上に、前記配線パターンの反転パターンを有するレジストパターンを形成するレジスト形成工程と、
前記レジスト形成工程の後、前記第2の絶縁層の方が前記第1の絶縁層よりもエッチングされやすい条件で等方性エッチングするエッチング工程と、
前記エッチング工程の後、前記レジストパターンを除去するレジスト除去工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記レジスト除去工程の後、CMP(Chemical Mechanical Polishing)による平坦化を行うCMP工程をさらに有する半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法において、
前記絶縁層形成工程では、前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層として、エッチングレートの異なる酸化膜を、成膜温度、TotalPower、及び、TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)流量の中の少なくとも1つの成膜条件を変更して形成する半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の半導体装置の製造方法において、
前記絶縁層形成工程では、前記第1の絶縁層形成時の方が、前記第2の絶縁層形成時よりも成膜温度が高い半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項3または4に記載の半導体装置の製造方法において、
前記絶縁層形成工程では、前記第1の絶縁層形成時の方が、前記第2の絶縁層形成時よりもTotalPowerが高い半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項3から5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記絶縁層形成工程では、前記第1の絶縁層形成時の方が、前記第2の絶縁層形成時よりもTEOS流量が低い半導体装置の製造方法。
【請求項1】
基板上に、第1の配線及び前記第1の配線よりも配線幅が小さい第2の配線を有する配線パターンを形成する配線形成工程と、
前記配線パターンの上から、第1の絶縁層及び第2の絶縁層をこの順に形成する絶縁層形成工程と、
前記第2の絶縁層の上に、前記配線パターンの反転パターンを有するレジストパターンを形成するレジスト形成工程と、
前記レジスト形成工程の後、前記第2の絶縁層の方が前記第1の絶縁層よりもエッチングされやすい条件で等方性エッチングするエッチング工程と、
前記エッチング工程の後、前記レジストパターンを除去するレジスト除去工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記レジスト除去工程の後、CMP(Chemical Mechanical Polishing)による平坦化を行うCMP工程をさらに有する半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法において、
前記絶縁層形成工程では、前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層として、エッチングレートの異なる酸化膜を、成膜温度、TotalPower、及び、TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)流量の中の少なくとも1つの成膜条件を変更して形成する半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の半導体装置の製造方法において、
前記絶縁層形成工程では、前記第1の絶縁層形成時の方が、前記第2の絶縁層形成時よりも成膜温度が高い半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項3または4に記載の半導体装置の製造方法において、
前記絶縁層形成工程では、前記第1の絶縁層形成時の方が、前記第2の絶縁層形成時よりもTotalPowerが高い半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項3から5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記絶縁層形成工程では、前記第1の絶縁層形成時の方が、前記第2の絶縁層形成時よりもTEOS流量が低い半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−80859(P2013−80859A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220835(P2011−220835)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
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