半導体記憶装置
【課題】動作特性及び信頼性を向上した半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第1メモリセルユニットと、第2メモリセルユニットと、複数の第1配線と、複数の第2配線と、を有するメモリセルアレイ1と、前記複数の第1配線と接続された第1センスアンプ回路462と、前記複数の第2配線と接続された第2センスアンプ回路461と、を備え、前記複数の第1配線及び第2配線のそれぞれは、金属が埋め込み形成され、配線の上面高さが同じであり、互いに隣接して形成された第1配線と第2配線は複数対で繰り返された構造からなり、前記複数の第2配線のそれぞれの幅、及び、厚さ、の少なくともいずれかは、前記複数の第1配線のそれぞれよりも小さくされ、前記第1センスアンプ回路と、前記第2センスアンプ回路は、それぞれ、前記メモリセルアレイを挟んで対峙するように配置される。
【解決手段】それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第1メモリセルユニットと、第2メモリセルユニットと、複数の第1配線と、複数の第2配線と、を有するメモリセルアレイ1と、前記複数の第1配線と接続された第1センスアンプ回路462と、前記複数の第2配線と接続された第2センスアンプ回路461と、を備え、前記複数の第1配線及び第2配線のそれぞれは、金属が埋め込み形成され、配線の上面高さが同じであり、互いに隣接して形成された第1配線と第2配線は複数対で繰り返された構造からなり、前記複数の第2配線のそれぞれの幅、及び、厚さ、の少なくともいずれかは、前記複数の第1配線のそれぞれよりも小さくされ、前記第1センスアンプ回路と、前記第2センスアンプ回路は、それぞれ、前記メモリセルアレイを挟んで対峙するように配置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置(メモリ)の高集積化のために、メモリセルに接続されたデータ転送線の幅を、側壁加工技術を用いることで、リソグラフィの最小寸法の半分の幅で形成する方法がある。しかしながら、この方法においては、リソグラフィにおけるマスクパターンの幅の変動によって、隣接する配線において、例えば、広い配線幅と、狭い配線幅と、が交互に生じる。このため、配線間で配線抵抗が変動してしまう問題がある。
【0003】
特に、狭い配線幅の配線において、電気信号における配線遅延が大きくなると、読み出し速度が低下し、また、読み出しマージンが低下する。また、配線抵抗が上昇するとエレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションが生じ易くなり、半導体記憶装置の信頼性を劣化させる。
また、データ転送線に印加される電圧が一定の場合には、センスアンプ回路からもっとも遠いメモリセルではデータ転送線の直列抵抗が重畳されるため、メモリセルに流れる電流が減少して読み出し速度が低下するという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−194496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、動作特性及び信頼性を向上させた半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第1メモリセルユニットと、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第2メモリセルユニットと、複数の第1配線と、複数の第2配線と、を有するメモリセルアレイと、前記複数の第1配線と接続された第1センスアンプ回路と、前記複数の第2配線と接続された第2センスアンプ回路と、を備え、前記複数の第1配線のそれぞれは、第1方向に延在し、前記第1メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、前記複数の第2配線のそれぞれは、前記第1配線どうしのそれぞれ間において前記第1方向に延在し、前記第2メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、金属が埋め込み形成され、配線の上面高さが同じであり、互いに隣接して形成された前記複数の第1配線と前記複数の第2配線は複数対で繰り返された構造からなり、前記複数の第2配線のそれぞれの前記第1方向に対して垂直な第2方向に沿った幅、及び、前記複数の第2配線のそれぞれの前記第1方向と前記第2方向とに垂直な第3方向に沿った厚さ、の少なくともいずれかは、前記複数の第1配線のそれぞれよりも小さくされ、前記第1センスアンプ回路と、前記第2センスアンプ回路は、それぞれ、前記メモリセルアレイを挟んで対峙するように配置されていることを特徴とする半導体記憶装置が提供される。
【0007】
また、他の実施形態によれば、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第1メモリセルユニットと、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第2メモリセルユニットと、複数の第1配線と、複数の第2配線と、を有するメモリセルアレイと、前記複数の第1配線と接続された第1センスアンプ回路と、前記複数の第2配線と接続された第2センスアンプ回路と、を備え、前記複数の第1配線のそれぞれは、第1方向に延在し、前記第1メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、前記複数の第2配線のそれぞれは、前記第1配線どうしのそれぞれ間において前記第1方向に延在し、前記第2メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、金属が埋め込み形成され、配線の上面高さが同じであり、互いに隣接して形成された前記複数の第1配線と前記複数の第2配線は複数対で繰り返された構造からなり、前記第1センスアンプ回路と、前記第2センスアンプ回路は、前記メモリセルアレイの片側に形成され、前記第1センスアンプ回路は、前記第2センスアンプ回路よりも前記メモリセルアレイに近く形成され、前記複数の第1メモリセルユニットが有する前記複数のメモリセルのデータを前記複数の第2メモリセルユニットが有する前記複数のメモリセルのデータよりも先に出力することを特徴とする半導体記憶装置が提供される。
【0008】
また、他の実施形態によれば、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第1メモリセルユニットと、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第2メモリセルユニットと、複数の第1配線と、複数の第2配線と、を有するメモリセルアレイと、前記複数の第1配線と、前記複数の第2配線と、に接続されたセンスアンプ回路と、前記センスアンプ回路と、前記複数の第1配線または前記複数の第2配線と、の接続を切り替える切り替え回路と、制御回路と、を備え、前記複数の第1配線のそれぞれは、第1方向に延在し、前記第1メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、前記複数の第2配線のそれぞれは、前記第1配線どうしのそれぞれ間において前記第1方向に延在し、前記第2メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、前記制御回路は、前記複数の第1メモリセルユニットが有する前記複数のメモリセルのデータを前記複数の第2メモリセルユニットが有する前記複数のメモリセルのデータよりも先に出力することを特徴とする半導体記憶装置が提供される。
【0009】
また、他の実施形態によれば、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第1メモリセルユニットと、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第2メモリセルユニットと、複数の第1配線と、複数の第2配線と、を有するメモリセルアレイと、前記複数の第1配線と接続された第1センスアンプ回路と、前記複数の第2配線と接続された第2センスアンプ回路と、前記第1センスアンプ回路に接続された第1レジスタと、前記第2センスアンプ回路に接続された第2レジスタと、を備え、前記複数の第1配線のそれぞれは、第1方向に延在し、前記第1メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、前記複数の第2配線のそれぞれは、前記第1配線どうしのそれぞれ間において前記第1方向に延在し、前記第2メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、金属が埋め込み形成され、配線の上面高さが同じであり、互いに隣接して形成された前記複数の第1配線と前記複数の第2配線は複数対で繰り返された構造からなり、前記第1センスアンプ回路と、前記第2センスアンプ回路は、それぞれ、前記メモリセルアレイを挟んで対峙するように配置され、前記メモリセルの読み出しを行う時に、前記第1センスアンプ回路により第1配線を充電する電圧と、前記第2センスアンプ回路により第2配線を充電する電圧とが、前記第1メモリセルユニットおよび前記第2メモリセルユニットの位置によって異なることを特徴とする半導体記憶装置が提供される。
【0010】
また、他の実施形態によれば、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第1メモリセルユニットと、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第2メモリセルユニットと、複数の第1配線と、複数の第2配線と、を有するメモリセルアレイと、前記複数の第1配線と接続された第1センスアンプ回路と、前記複数の第2配線と接続された第2センスアンプ回路と、前記第1センスアンプ回路に接続された第1レジスタと、前記第2センスアンプ回路に接続された第2レジスタと、を備え、前記複数の第1配線のそれぞれは、第1方向に延在し、前記第1メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、前記複数の第2配線のそれぞれは、前記第1配線どうしのそれぞれ間において前記第1方向に延在し、前記第2メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、金属が埋め込み形成され、配線の上面高さが同じであり、互いに隣接して形成された前記複数の第1配線と前記複数の第2配線は複数対で繰り返された構造からなり、前記第1センスアンプ回路と、前記第2センスアンプ回路は、前記メモリセルアレイの片側に形成され、前記第1センスアンプ回路は、前記第2センスアンプ回路よりも前記メモリセルアレイの近くに形成され、前記メモリセルの読み出しを行う時に、前記第1センスアンプ回路により前記第1配線を充電する電圧と、前記第2センスアンプ回路により前記第2配線を充電する電圧とが、前記第1メモリセルユニットおよび前記第2メモリセルユニットの位置によって異なることを特徴とする半導体記憶装置が提供される。
【0011】
また、他の実施形態によれば、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第1メモリセルユニットと、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第2メモリセルユニットと、複数の第1配線と、複数の第2配線と、を有するメモリセルアレイと、前記複数の第1配線と、前記複数の第2配線と、に接続されたセンスアンプ回路と、前記センスアンプ回路に接続されたレジスタと、前記センスアンプ回路と、前記複数の第1配線または前記複数の第2配線と、の接続を切り替える切り替え回路と、を備え、前記複数の第1配線のそれぞれは、第1方向に延在し、前記第1メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、前記複数の第2配線のそれぞれは、前記第1配線どうしのそれぞれ間において前記第1方向に延在し、前記第2メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、前記メモリセルの読み出しを行う時に、前記センスアンプ回路により前記第1配線を充電する電圧と、前記センスアンプ回路により前記第2配線を充電する電圧とが、前記第1メモリセルユニットおよび前記第2メモリセルユニットの位置によって異なることを特徴とする半導体記憶装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を例示する模式図である。
【図2】第1の実施例の半導体記憶装置の構成を例示するブロック図である。
【図3】第1の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的回路図である。
【図4】第1の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式図である。
【図5】第1の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図6】第1の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的平面図である。
【図7】第1の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図8】第1の実施例の半導体記憶装置のデータ転送線の作製方法を例示する工程順 模式的断面図である。
【図9】第1の実施例の半導体記憶装置のデータ転送線の作製方法を例示する工程順 模式的断面図である。
【図10】比較例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的回路図である。
【図11】第2の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的平面図である。
【図12】第3の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的平面図である。
【図13】第2の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を例示する模式図である。
【図14】第4の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的回路図である。
【図15】第4の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的平面図である。
【図16】第3の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を例示するブロック図である。
【図17】第3の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を例示する模式的回路図である。
【図18】配線抵抗に差があった場合において読み出しを行う場合のリードタイミングを例示する模式図である。
【図19】データの読み出しを例示するフローチャートである。
【図20】配線抵抗に差があった場合において読み出しを行う場合のリードタイミングを例示する模式図である。
【図21】データの読み出しを例示するフローチャートである。
【図22】メモリセルアレイとデータ転送線のレイアウトを例示する模式的回路図である。
【図23】第4の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を例示するブロック図である。
【図24】第4の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を例示する模式的回路図である。
【図25】メモリセルの電流−電圧特性を例示する模式グラフ図である。
【図26】第5の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を例示するブロック図である。
【図27】(a)は、センスアンプ回路、メモリセルユニットなどの配置を例示する模式図、(b)、(c)は、配線抵抗に差があった場合において同時読み出しを行う場合のリードタイミングを例示する模式図である。
【図28】(a)は、メモリセルアレイとデータ転送線のレイアウトを例示する模式的回路図、(b)は、読み出し時のデータ転送線の電圧について例示する模式的グラフ図である。
【図29】(a)は、メモリセルアレイとデータ転送線のレイアウトを例示する模式的回路図、(b)は、読み出し時のデータ転送線の電圧について例示する模式的グラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比係数などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比係数が異なって表される場合もある。
また、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0014】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を例示する模式図である。
図1に表したように、本実施形態に係る半導体記憶装置510は、第1〜第4データ転送線DL1〜DL4を備える。
【0015】
半導体記憶装置510においては、半導体記憶装置510が設けられる基板(図示しない)の主面上に、第1領域RG1と第2領域RG2とが設けられる。第1領域RG1は、後述する第1メモリセルブロック1aが設けられる領域であり、第2領域RG2は、後述する第2メモリセルブロック1bが設けられる領域である。
【0016】
第1〜第4データ転送線DL1〜DL4は、それぞれ、複数のメモリセルを有するメモリセルユニット4(第1〜第4メモリセルユニットMCU1〜MCU4)の一端と接続される。
【0017】
ここで、基板の主面に対して垂直な方向をZ軸方向(第3方向)とする。そして、Z軸に対して垂直な1つの方向をX軸方向(第1方向)とする。そして、Z軸方向とX軸方向とに対して垂直な方向をY軸方向(第2方向)とする。
【0018】
第1領域RG1と第2領域RG2とは、X軸方向において隣接する。
第1〜第4データ転送線DL1〜DL4は、それぞれ、X軸方向に延在する。
第1及び第2データ転送線DL1及びDL2は、第1領域RG1に設けられ、第3及び
第4データ転送線DL3及びDL4は、第2領域RG1に設けられる。
【0019】
第1データ転送線DL1と第3データ転送線DL3とがX軸方向において隣接し、第3データ転送線DL3は、第1データ転送線DL1のX軸方向における延長線上に設けられる。第2データ転送線DL2と第4データ転送線DL4とがX軸方向において隣接し、第4データ転送線DL4は、第2データ転送線DL2のX軸方向における延長線上に設けられる。すなわち、X−Y平面内において、第4データ転送線DL4は、第1データ転送線DL1の斜め方向に位置する。
【0020】
第1〜第4データ転送線DL1〜DL4は、例えば、側壁加工によって形成される。側壁加工に関しては後述する。この側壁加工における変動により、第1〜第4データ転送線DL1〜DL4の幅や厚さは、互いに異なった値になる。
【0021】
ここで、幅は、Y軸方向に沿った長さである。例えば、半導体記憶装置510は、基板の主面に設けられるが、第1〜第4データ転送線DL1〜DL4の幅は、例えば、第1〜第4データ転送線DL1〜DL4の上面(基板とは反対側の面)の幅とすることができる。 また、厚さは、Z軸方向に沿った長さである。
【0022】
第2データ転送線DL2のY軸方向に沿った幅は、第1データ転送線DL1のY軸方向に沿った幅よりも狭い。第2データ転送線DL2のZ軸方向に沿った厚さは、第1データ転送線DL1のZ軸方向に沿った厚さよりも薄い。
ここで、第1データ転送線DL1の幅及び厚さの少なくともいずれかは、第2データ転送線DL1よりも大きい場合もある。また、第3データ転送線DL3の幅及び厚さの少なくともいずれかは、第4データ転送線DL4よりも大きい場合もある。
第3データ転送線DL3の幅及び厚さは、第1データ転送線DL1とほぼ同じとすることができ、第4データ転送線DL4の幅及び厚さは、第2データ転送線DL2とほぼ同じとすることができる。
【0023】
例えば、第1データ転送線DL1の深さは、第2データ転送線DL2よりも深い。また、第3データ転送線DL3の深さは、第4データ転送線DL4よりも深い。ここで、深さとは、データ転送線の上面から下面までのZ軸方向に沿った長さである。
【0024】
第2データ転送線DL2の電気抵抗は、第1データ転送線DL1よりも高く、第4データ転送線DL4の電気抵抗は、第3データ転送線DL3よりも高い。ここで、第1〜第4データ転送線DL1〜DL4の電気抵抗は、X軸方向に沿った抵抗であり、いわゆる配線抵抗である。
【0025】
すなわち、図1に表したように、半導体記憶装置510においては、配線抵抗が低い低抵抗配線L1と、配線抵抗が低抵抗配線L1よりも高い高抵抗配線L2とが、Y軸方向に、交互に並んで配置されている。
【0026】
このように、半導体記憶装置510は、第1領域RG1に設けられ、X軸方向に延在する複数の第1配線LL1(第1領域RG1の低抵抗配線L1)と、第1領域RG1に設けられ、第1配線LL1どうしのそれぞれ間においてX軸方向に延在し、第1配線LL1よりも電気抵抗が高い第2配線LL2(第1領域RG1の高抵抗配線L2)と、第1領域RG1に対してX軸方向において隣接する第2領域RG2に設けられ、第1配線LL1のX軸方向における延長線上においてX軸方向に延在する複数の第3配線LL3(第2領域RG1の低抵抗配線L1)と、第2領域RG2に設けられ、第2配線LL2のX軸方向における延長線上においてX軸方向に延在し、第3配線LL3よりも電気抵抗が高い第4配線LL4(第2領域RG2の高抵抗配線L2)と、を備え、第1〜第4配線LL1〜LL4のそれぞれは、複数のメモリセルを有する複数のメモリセルユニット4の一端にそれぞれ接続されている。また、複数の第1配線LL1と複数の第2配線LL2とが、Y軸方向において交互に並ぶ。また、複数の第3配線LL3と複数の第4配線LL4とが、Y軸方向において交互に並ぶ。
【0027】
第2配線LL2のY軸方向に沿った幅、及び、Z軸方向に沿った厚さ、の少なくともいずれかは、第1配線LL1よりも小さい。また、第4配線LL4のY軸方向に沿った幅、及び、Z軸方向に沿った厚さ、の少なくともいずれかは、第3配線LL3よりも小さい。
【0028】
第4配線LL4のいずれかは、第1領域RG1と第2領域RG2との間で第1配線LL1のいずれかと電気的に接続され、第3配線LL3のいずれかは、第1領域RG1と第2領域RG2との間で第2配線LL2のいずれかと電気的に接続されている。
【0029】
すなわち、本実施形態に係る半導体記憶装置510は、第1メモリセルブロック1aと、第1メモセルブロック1aに対してX軸方向において隣接する第2メモリセルブロック1bと、第1メモリセルブロック1aと第2メモリセルブロック1bとの間に設けられたデータ転送線つなぎ替え部100(配線つなぎ替え部)と、を備える。
【0030】
第1メモリセルブロック1aは、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第1セルユニットU1と、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第2セルユニットU2と、複数の第1配線LL1と、複数の第2配線LL2と、を有する。
複数の第1配線LL1のそれぞれは、X軸方向に延在し、第1セルユニットU1のそれぞれの一端に接続される。
複数の第2配線LL2のそれぞれは、第1配線LL1どうしのそれぞれ間においてX軸方向に延在し、第1配線LL1よりも電気抵抗が高く、第2セルユニットU2のそれぞれの一端に接続される。
【0031】
第2メモリセルブロック1bは、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第3セルユニットU3と、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第4セルユニットU4と、複数の第3配線LL3と、複数の第4配線LL4と、を有する。
複数の第3配線LL3のそれぞれは、第1配線LL1のX軸方向における延長線上においてX軸方向に延在し、第3セルユニットU3のそれぞれの一端に接続される。
複数の第4配線LL4のそれぞれは、第2配線LL2のX軸方向における延長線上においてX軸方向に延在し、第3配線LL3よりも電気抵抗が高く、第4セルユニットU4のそれぞれの一端に接続される。
【0032】
そして、データ転送線つなぎ替え部100は、第4配線LL4のいずれかと第1配線LL1のいずれかとを電気的に接続し、第3配線LL3のいずれかと第2配線LL2のいずれかとを電気的に接続する。
【0033】
なお、上記の複数のメモリセルMCはX軸方向に沿って並べられる。上記の複数の第1〜第4セルユニットU1〜U4のそれぞれは、X軸方向に延在する。上記の複数の第1及び第2セルユニットU1及びU2は、Y軸方向に沿って交互に並ぶ。上記の複数の第3及び第4セルユニットU3及びU4は、Y軸方向に沿って交互に並ぶ。
【0034】
なお、第1セルユニットU1の1つであり、第1データ転送線DL1に接続されているのが、第1メモリセルユニットMCU1である。第2セルユニットU2の1つであり、第2データ転送線DL2に接続されているのが、第2メモリセルユニットMCU2である。第3セルユニットU3の1つであり、第3データ転送線DL3に接続されているのが、第3メモリセルユニットMCU3である。第4セルユニットU4の1つであり、第4データ転送線DL4に接続されているのが、第4メモリセルユニットMCU4である。第3セルユニットU3の1つであり、後述する第5データ転送線DL5に接続されているのが、第5メモリセルユニットMCU5である。第2セルユニットU2の1つであり、後述する第6データ転送線DL6に接続されているのが、第6メモリセルユニットMCU6である。
【0035】
例えば、第1領域RG1において、低抵抗配線L1とそれに隣接する高抵抗配線L2との組みのいずれかにおいて、低抵抗配線L1が第1データ転送線DL1とされ、高抵抗配線L2が第2データ転送線DL2とされる。そして、第2領域RG2において、低抵抗配線L1とそれに隣接する高抵抗配線L2との組みのいずれかにおいて、データ転送線DL1に隣接する低抵抗配線L1が第3データ転送線DL3とされ、データ転送線DL2に隣接する高抵抗配線L2が第4データ転送線DL4とされる。
【0036】
そして、第1領域RG1と第2領域RG2との間のデータ線つなぎ替え部100(配線つなぎ替え部)において、例えば、第1データ転送線DL1と第4データ転送線DL4とが電気的に接続される。
【0037】
すなわち、第2配線LL2のうちの1つである第2データ転送線DL2は、第1配線LL1の1つである第1データ転送線DL1とY軸方向において隣接し、第3配線LL3のうちの1つである第3データ転送線DL3は、第1データ転送線DL1のX軸方向における延長線上に配置され、第4配線LL4のうちの1つである第4データ転送線DL4は、第2データ転送線DL2のX軸方向における延長線上に配置され、第4データ転送線DL4は、第1領域RG1と第2領域RG2との間において第1データ転送線DL1と電気的に接続される。
すなわち、第1データ転送線DL1と、第1データ転送線DL1からみて斜め方向に位置する第4データ転送線DL4と、が電気的に接続される。
【0038】
本具体例では、第1領域RG1のデータ転送線のそれぞれが、第2領域RG2のデータ転送線のそれぞれと、Y軸方向に1本分シフトして接続されている。
【0039】
ここで、第5データ転送線DL5は、第4データ転送線DL4の第3データ転送線DL3とはY軸方向の反対の側において第4データ転送線DL4に隣接する低抵抗配線L1とする。また、第6データ転送線DL6は、第1データ転送線DL1の第2データ転送線DL2とはY軸方向の反対の側において第1データ転送線DL1に隣接する高抵抗配線L2とする。
【0040】
第2データ転送線DL2は、第2領域RG2の第5データ転送線DL5(第5メモリセルユニットMCU5の一端と接続されている)と、データ線つなぎ替え部100において、電気的に接続されている。
そして、第3データ転送線DL3は、第1領域RG1の第6データ転送線DL6(第6メモリセルユニットMCU6の一端と接続されている)と、データ線つなぎ替え部100において、電気的に接続されている。
【0041】
すなわち、第3配線LL3のうちの別の1つである第5データ転送線DL5は、第4データ転送線DL4の第3データ転送線DL3とはY軸方向の反対の側において第4データ転送線DL4に隣接している。そして、第2配線LL2のうちの別の1つである第6データ転送線DL6は、第1データ転送線DL1の第2データ転送線DL2とはY軸方向の反対の側において第1データ転送線DL1に隣接している。そして、第2データ転送線DL2は、第1領域RG1と第2領域RG2との間において第5データ転送線DL5と電気的に接続されつつ、第3データ転送線DL3は、第1領域RG1と第2領域RG2との間において第6データ転送線DL6と電気的に接続される。
【0042】
このように、半導体記憶装置510は、第1領域RG1に設けられ、X軸方向に延在し、複数のメモリセルを有する第1メモリセルユニットMCU1の一端に接続された第1データ転送線DL1と、第1領域RG1に設けられ、X軸方向に延在し、Y軸方向において第1データ転送線DL1と隣接し、複数のメモリセルを有する第2メモリセルユニットMCU2の一端に接続され、第1データ転送線DL1よりも電気抵抗が高い第2データ転送線DL2と、第2領域RG2に設けられ、第1データ転送線DL1のX軸方向における延長線上においてX軸方向に延在し、複数のメモリセルを有する第3メモリセルユニットMCU3の一端に接続された第3データ転送線DL3と、第2領域RG2に設けられ、第2データ転送線DL2のX軸方向における延長線上においてX軸方向に延在し、複数のメモリセルを有する第4メモリセルユニットMCU4の一端に接続され、第3データ転送線DL3よりも電気抵抗が高く、第1領域RG1と第2領域RG2との間において第1データ転送線DL1と電気的に接続された第4データ転送線DL4と、を備える。
【0043】
この構成により、第1データ転送線DL1と第4データ転送線DL4との連続した配線は、低抵抗配線L1と高抵抗配線L2の組み合わせとなる。また、同様に、第2データ転送線DL2と第5データ転送線DL5との連続した配線も、低抵抗配線L1と高抵抗配線L2の組み合わせとなる。そして、同様に、第3データ転送線DL3と第6データ転送線DL6との連続した配線も、低抵抗配線L1と高抵抗配線L2の組み合わせとなる。
【0044】
このように、本実施形態に係る半導体記憶装置510においては、データ転送線が低抵抗配線L1と高抵抗配線L2との組み合わせで接続されることになり、配線抵抗が均一化され、配線抵抗が高いデータ転送線がなくなる。これにより、配線の電気抵抗の変動を補償でき、配線遅延を抑制することができ、動作特性及び信頼性を向上することができる。
【0045】
一方、データ転送線つなぎ替え部100を有していない比較例の半導体記憶装置においては、低抵抗配線L1は、第1領域RG1と第2領域RG2とで、連続して延在し、また、高抵抗配線L2も、第1領域RG1と第2領域RG2とで、連続して延在する。すなわち、例えば、第1データ転送線DL1と第3データ転送線DL3とが互いに接続され、第2データ転送線DL2と第4データ転送線DL4とが互いに接続される構成に相当する。このため、例えば、高抵抗配線L2である第2データ転送線DL2と第4データ転送線DL4の組み合わせのデータ転送線において、配線遅延が大きくなり、動作特性が劣化し、また、信頼性が劣化する。
【0046】
これに対し、本実施形態に係る半導体記憶装置510においては、データ線つなぎ替え部100によって低抵抗配線L1と高抵抗配線L2とを互いに電気的に接続する構成を採用することで、配線遅延を抑制することができ、動作特性及び信頼性が向上できる。
【0047】
なお、上記のデータ転送線どうしの接続の構成は一例であり、本発明はこれに限らず、種々の変形が可能である。データ転送線どうしの接続の形態、すなわち、データ線つなぎ替え部100の構成の具体例については後述する。
【0048】
以下、本実施形態に係る第1の実施例の半導体記憶装置について説明する。
(第1の実施例)
図2は、第1の実施例の半導体記憶装置の構成を例示するブロック図である。
第1の実施例に係る半導体記憶装置511は、NAND型EEPROMである。
図2に表したように半導体記憶装置511においては、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bが設けられている。第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bが設けられる領域が、それぞれ第1及び第2領域RG1及びRG2となる。第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bには、後述するように、直列に接続された複数の不揮発性のメモリセルを含むメモリセルユニット4が複数設けられる。
【0049】
半導体記憶装置511には、データ制御線ドライバ2、ロウデコーダ3、制御回路40、Vpgm発生回路41a、Vpass発生回路41b、Vread発生回路41c、基板電位制御回路42、入出力バッファ45、センスアンプ回路46、アドレスバッファ47及びカラムデコーダ48がさらに設けられる。
【0050】
センスアンプ回路46は、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bに設けられるデータ転送線のデータを検出し、書き込みデータを保持する。センスアンプ回路46は、データラッチを兼ねており、例えばフリップフロップ回路を含む。
【0051】
センスアンプ回路46は、入出力データが入出力される入出力バッファ45に接続される。センスアンプ回路46から入出力バッファ45へのデータ転送は、アドレスバッファ47からアドレス信号47aを受けるカラムデコーダ48の出力によって制御される。また、入出力バッファ45は、アウトプットドライバーI/Oに接続されている。
【0052】
ロウデコーダ3は、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bに対して、メモリセルの選択を行う。具体的には、ロウデコーダ3は、後述する制御ゲート線、及び、後述する選択ゲート線の制御を行う。
【0053】
基板電位制御回路42は、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bが形成される例えばp型基板(またはp型ウェル)の電位を制御する。基板電位制御回路42は、特に消去時に10V以上の消去電圧に昇圧が可能であることが望ましい。
【0054】
Vpgm発生回路41aは、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bの選択されたメモリセルにデータ書き込みを行う際に用いられる書き込み電圧Vpgmを発生する。書き込み電圧Vpgmは、電源電圧よりも昇圧される。
【0055】
Vpass発生回路41bは、データ書き込み時に非選択のメモリセルに与えられる書き込み用中間電圧Vpassを発生する。
【0056】
Vread発生回路41cは、データ読み出し時に非選択のメモリセルに与えられる読み出し用中間電圧Vreadを発生する。
【0057】
Vpgm発生回路41a、Vpass発生回路41b及びVread発生回路41cは、書き込み、消去及び読み出しの各状態で、必要な電圧出力がデータ制御線ドライバ2に加えられるように、制御回路40によって制御される。
【0058】
書き込み電圧Vpgmは、例えば、10V(ボルト)以上、30V以下の電圧である。書き込み用中間電圧Vpassは、例えば、3V以上、15V以下の電圧である。読み出し用中間電圧Vreadは、例えば、1V以上、9V以下の電圧である。
【0059】
データ制御線ドライバ2は、ロウデコーダ3の出力に従って、上記の各電圧を、書き込みまたは読み出しが必要なメモリセルの後述する制御ゲートに印加するスイッチ回路である。
【0060】
図3は、第1の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的回路図である。
図3に表したように、半導体記憶装置511においては、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bが設けられる。
【0061】
第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bは、複数のメモリセルユニット4を有する。複数のメモリセルユニット4のそれぞれに、複数のデータ制御線7が接続されている。
【0062】
また、メモリセルユニット4の端部のそれぞれには、複数のメモリセルユニット4から1つのメモリセルユニット4を選択してデータ転送線BL(データ転送線BL1〜BL2n+1)に接続するために、選択トランジスタが配置されている。それぞれの選択トランジスタのゲート電極は、選択ゲート線5及び選択ゲート線6にそれぞれ接続されている。
【0063】
データ転送線BLは、データ制御線7と互いに直交する方向に伸び、データ制御線7と互いに直交する方向に所定の間隔をおいて配置されている。
メモリセルユニット4に含まれるメモリセルMCは、データ転送線BLとデータ制御線7との交点に設けられる。メモリセルMCのそれぞれは、独立してデータの書き込み、保持、消去及び読み出しが可能となっている。
【0064】
メモリセルユニット4は、データ転送線BLの延在方向(X軸方向)、及び、データ制御線7の延在方向(Y軸方向)に沿って複数設けられる。少なくともY軸方向に沿って並べられた複数のメモリセルユニット4が、第1メモリセルブロック1aに含まれ、少なくともY軸方向に沿って並べられた別の複数のメモリセルユニット4が、第2メモリセルブロック1bに含まれる。
【0065】
図3においては、2つのメモリセルブロック(第1及び第2メモリセルブロック1a及び1b)が設けられているが、本発明はこれに限らず、メモリセルブロックの数は3つ以上でも良い。なお、メモリセルブロックの数が2i個(iは正の整数)であることが、アドレスデコードをする上で望ましい。
【0066】
複数のメモリセルユニット4が接続されたデータ制御線7(データ制御線WLであり、例えばデータ制御線WL11〜WL1b、データ制御線WL21〜WL2b)の一端には、データ制御線7を駆動するデータ制御線ドライバ2(データ制御線ドライバ2a及び2b)が設けられている。データ制御線ドライバ2aには、データ制御線WL11〜WL1b及び選択ゲート線5が接続され、データ制御線ドライバ2bには、データ制御線WL21〜WL2b及び選択ゲート線5が接続されている。
【0067】
図3に例示したように、X軸方向において隣接する複数のメモリセルユニット4において、データ制御線ドライバ2の配置を容易にし、1つのメモリセルブロック(例えば第1メモリセルブロック1a)のデータ制御線7間のスキューを揃えるために、データ制御線ドライバ2は、2つに分割され、データ制御線ドライバ2a及び2bとして、メモリセルブロックの両端に設けられている。
【0068】
データ制御線ドライバ2a及び2bは、ロウアドレス選択回路3a及び3bと、それぞれ接続されている。データ制御線WL11〜WL1bに接続されたメモリセルMCと、データ制御線WL11〜WL1bに接続されたメモリセルMCとは、それぞれ独立にブロック選択される。
【0069】
なお、上記においては、データ制御線ドライバ2は、データ制御線ドライバ2a及び2bとして、図中の左右に振り分けているが、例えば、右側または左側の一方に設けられていても良い。
【0070】
また、第1メモリセルブロック1aにおいて、それぞれのメモリセルユニット4の一方の端に、選択ゲート線5(ブロック選択線SG11)が設けられ、他方の端に選択ゲート線6(ブロック選択線SG12)が設けられている。また、第2メモリセルブロック1bにおいて、それぞれのメモリセルユニット4の一方の端に、選択ゲート線5(ブロック選択線SG21)が設けられ、他方の端に選択ゲート線6(ブロック選択線SG22)が設けられている。選択ゲート線5及び選択ゲート線6は、データ制御線7に対して平行に設けられる。
【0071】
なお、図3においては、図を判り易くするために省略しているが、メモリセルユニット4とデータ転送線BL(データ転送線BL1〜BL2n)とは、互いに接続されている。具体的には、メモリセルユニット4とデータ転送線BLとは、選択ゲート線5及び6のいずれかの側において、互いに接続される。
【0072】
データ転送線BLの一端には、センスアンプ回路46が接続される。本具体例では、センスアンプ回路46は、メモリセルブロック(第1及び第2メモリセルブロック1a及び1b)の中及びその間に埋め込まれるのではなく、データ転送線BLの一端にまとめて配置されている。これにより、メモリセルMCのパターン周期性を維持し、センスアンプ回路46よりも単純な構成の配線やトランジスタパターンをメモリセルブロックに集中して配置できる。これにより、半導体記憶装置511内においてメモリセルMCの占有率を上昇させることができる。
【0073】
図4は、第1の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式図である。
すなわち、同図(a)は、半導体記憶装置511のメモリセルユニット4の回路を例示する回路図である。同図(b)は、半導体記憶装置511のメモリセルユニット4の構成を例示する模式的平面図である。同図(b)においては、メモリセルの構造をわかり易くするために、データ転送線BLよりも下の構造のみを示している。
【0074】
図5は、第1の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的断面図である。
すなわち、図5(a)は、図4(b)のB−B’線断面図であり、図5(b)は、図4(b)のA−A’線断面図である。
【0075】
図4(a)に表したように、メモリセルユニット4は、複数のメモリセルMC(メモリセルM1〜Mb)を有する。ここで、メモリセルMCの数は、b個(bは2以上の整数)である。
【0076】
メモリセルMCは、不揮発性のメモリセルである。複数のメモリセルMCは直列に接続され、複数のメモリセルMCの一端が、選択トランジスタS1を介してデータ転送線BLに接続される。複数のメモリセルMCの他端が、選択トランジスタS2を介して共通ソース線SLに接続される。
複数のメモリセルMCのトランジスタは、同一のウェル上に形成されている。
【0077】
ここで、メモリセルMCの数bは、例えば、16、32、34、66、68、130または132とすることができる。メモリセルMCの数bは、kを3以上の整数としたとき、2k、2k+2、または、2k+4であることが望ましい。例えば、メモリセルMCの数が2k+2または2k+4の場合は、2本または4本のダミーワード線が設けられることに対応する。
【0078】
なお、図3に例示したように、1以上の整数であるブロックインデックスnを用いると、メモリセルM1〜Mbの制御電極は、それぞれデータ制御線WLn1〜WLnbに接続される。
【0079】
また、データ転送線BLに沿った複数のメモリセルユニット4から1つのメモリセルユニット4を選択してデータ転送線BLに接続するために、選択トランジスタS1の制御電極は、ブロック選択線(ブロック選択線SGn1または「SSL」と記載)に接続される。
また、選択トランジスタS2の制御電極は、ブロック選択線(ブロック選択線SGn2または「GSL」と記載)に接続される。
すなわち、メモリセルユニット4は、NAND型メモリセルユニットである。
【0080】
なお、メモリセルユニット4には、選択ゲート線5及び6のいずれか一方が設けられれば良い。選択ゲート線5及び6は、データ制御線7と同じ方向に延在することが、高密度化のためには望ましい。
【0081】
図4(b)、図5(a)及び図5(b)を参照しながら、メモリセルユニット4の構成の例について説明する。
図4(b)、図5(a)及び図5(b)に表したように、p型シリコン基板121の上にn型シリコン領域122が設けられ、n型シリコン領域122の上にp型シリコン領域123が設けられる。p型シリコン領域123は、素子分離絶縁膜124によって複数の領域に分断されている。
【0082】
p型シリコン領域123の上に、トンネルゲート絶縁膜125を介して、浮遊ゲート126が設けられる。
p型シリコン領域123においては、例えば、ボロン不純物濃度が1014cm−3〜1019cm−3の間とされる。トンネルゲート絶縁膜125には、例えば、シリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜、及び、シリコン窒化膜のいずれか、または、それらを含む積層膜を用いることができる。トンネルゲート絶縁膜125の厚さは、例えば、1nm(ナノメートル)〜20nmとすることができる。浮遊ゲート126には、例えばポリシリコンを用いることができ、浮遊ゲート126の厚さは、例えば10nm〜500nmとすることができる。
【0083】
浮遊ゲート126の上に、層間絶縁膜150を介して、制御ゲート127が設けられる。
【0084】
層間絶縁膜150には、シリコン酸化膜/シリコン窒化膜/シリコン酸化膜の積層膜、シリコン窒化膜/シリコン酸化膜/シリコン窒化膜/シリコン酸化膜/シリコン窒化膜の積層膜、シリコン酸化膜/AlOx膜/シリコン酸化膜の積層膜、シリコン酸化膜/HfAlOx膜/シリコン酸化膜の積層膜、シリコン酸化膜/HfOx膜/シリコン酸化膜の積層膜、または、シリコン酸化膜などを用いることができる。層間絶縁膜150の厚さは、例えば2nmから30nmとすることができる。
【0085】
制御ゲート127には、例えばポリシリコン、WSi(タングステンシリサイド)、CoSi(コバルトシリサイド)、NiSi(ニッケルシリサイド)、または、タングステンとポリシリコンとの積層膜などを用いることができる。制御ゲート127の厚さは、例えば10nm〜500nmとすることができる。制御ゲート127は、ゲート配線であり、図3に例示したデータ制御線7並びに選択ゲート線5及び6に相当する。
【0086】
なお、図5(a)に例示したように、素子分離絶縁膜124は、それぞれの素子の浮遊ゲート126の位置まで設けられるのが、浮遊ゲート126と制御ゲート127との間のカップリング比を上げるのには望ましい。
【0087】
図4(b)に例示したように、制御ゲート127は、隣接するメモリセルユニット4の間で互いに接続されるように、Y軸方向において、メモリセルブロック(メモリセルブロック1a)の境界まで連続している。
【0088】
これらゲート電極(浮遊ゲート126と制御ゲート127)のX軸方向における側面には、側壁絶縁膜143が設けられる。側壁絶縁膜143には、例えば、シリコン窒化膜またはシリコン酸化膜を用いることができ、側壁絶縁膜143の厚さは、例えば5nm〜200nmとすることができる。
【0089】
これらゲート電極(浮遊ゲート126と制御ゲート127)の両側のp型シリコン領域123において、ソース・ドレイン電極となるn型拡散層128が設けられる。
【0090】
n型拡散層128と、浮遊ゲート126と、制御ゲート127と、により、浮遊ゲート型不揮発性EEPROMセルトランジスタが形成されている。
このセルは、チャネルからトンネルゲート絶縁膜125を介してトンネル電流によって浮遊ゲート126に注入した電荷をディジタルビットの情報として格納し、その電荷量に応じたMOSFETのコンダクタンス変化を測定し、情報を読み出す不揮発性半導体メモリである。なお、浮遊ゲート126は、例えばシリコン窒化膜などの絶縁膜としても良い。
【0091】
浮遊ゲート126のゲート長(X軸方向における浮遊ゲート電極126の幅)は、例えば0.01μm(マイクロメートル)以上、0.5μmとすることができる。ソース・ドレイン領域となるn型拡散層128においては、例えば、リン、砒素及びアンチモンの少なくともいずれかが、表面濃度が1017cm−3〜1021cm−3となるように、ドープされる。n型拡散層128の深さは、例えば10nm〜500nmである。
n型拡散層128は、隣接するメモリセルMCどうしで共有され、NAND接続が実現されている。
【0092】
図4(b)及び図5(b)に例示したように、ゲート電極127SSL及びゲート電極127GSLは、図3に例示した選択ゲート線6及び選択ゲート線5(ブロック選択線)に接続されたゲート電極である。ゲート電極127SSL及びゲート電極127GSLは、制御ゲート127と同層である。
【0093】
なお、ゲート電極127SSL及びゲート電極127GSLの部分において、層間絶縁膜150を省略し、浮遊ゲート126とゲート電極127SSLとを互いに接続し、浮遊ゲート126とゲート電極127GSLとを互いに接続し、抵抗を下げても良い。
【0094】
ゲート電極127SSL及びゲート電極127GSLのゲート長は、メモリセルMCのゲート電極のゲート長よりも長く、例えば、0.02μm以上、1μm以下に設定することができる。これにより、ブロック選択時とブロック非選択時との間のオン・オフ比を大きく確保でき、誤書き込みや誤読み出しを防止できる。
【0095】
また、n型拡散層128の1つであるデータ転送線側拡散層128dは、コンタクト139及びコンタクト130dを介して、データ転送線136(データ転送線BL)と、接続される。
【0096】
データ転送線136には、例えば、Cu、タングステン、タングステンシリサイド及びアルミニウムなどを用いることができる。
【0097】
コンタクト139は、データ転送線136と中間配線層133dとの間のコンタクトであり、コンタクト130dは、中間配線層133dとデータ転送線側拡散層128dとの間のコンタクトである。
【0098】
なお、中間配線層133dは、データ転送線136からn型拡散層128までを接続する上では省略しても良いが、中間配線層133dを設け、中間配線層133dを、後述するデータ転送線つなぎ替え部100の一部として使用することで、導電層の数の増加を防ぐことができる。
【0099】
また、n型拡散層128の1つであるソース線側拡散層128sは、コンタクト130sを介して、共通ソース線SLとなる中間配線層133と接続される。共通ソース線SLは、隣接するメモリセルブロック(例えば第1及び第2メモリセルブロック1a及び1b)で接続されるように、X軸方向に連続して設けられる。
【0100】
なお、n型拡散層128をX軸方向に沿って隣接するメモリセルブロックどうしの境界まで延在させ、これをソース線(共通ソース線SL)としても良い。
【0101】
上記のコンタクト(コンタクト139、コンタクト130d及びコンタクト130s)には、例えば、n型またはp型にドープされたポリシリコン、タングステン、タングステンシリサイド、Cu、Al、TiN及びTiなどを用いることができる。コンタクトは、これらの材料をコンタクトホールに埋め込んだ導電体領域とすることができる。
【0102】
中間配線層133d及び中間配線層133には、例えば、n型またはp型にドープされたポリシリコン、タングステン、タングステンシリサイド、Cu、Al、TiN及びTiなどを用いることができる。
【0103】
データ転送線136は、隣接するメモリセルブロック(例えば第1及び第2メモリセルブロック1a及び1b)で接続されるように、X軸方向に連続して設けられる。
【0104】
なお、図4(b)に例示したように、X軸方向に隣接したメモリセルユニット4どうしの間で、ソース線コンタクトSLC及びデータ転送線コンタクトBLCのいずれかが形成されている。ソース線コンタクトSLC及びデータ転送線コンタクトBLCは、X軸方向に隣接したメモリセルユニット4どうしの間で共有されていることが、半導体記憶装置511の面積縮小のために望ましい。
【0105】
また、共通ソース線SL及びデータ転送線136と、メモリセルMCのトランジスタと、の間には、例えばSiO2からなる層間絶縁膜168が設けられる。
さらに、図示はしていないが、データ転送線136の上部には、データ制御線WLと同方向に形成された、例えば、タングステン、タングステンシリサイド及びアルミニウムなどによる配線が、例えば、SiO2やSiNからなる層間絶縁膜137上に設けられる。
【0106】
図6は、第1の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的平面図である。
すなわち、同図は、第1の実施例の半導体記憶装置511に設けられるデータ転送線つなぎ替え部100の構成を例示している。
図7は、第1の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的断面図である。
すなわち、図7(a)は、図6のA−A’線断面図であり、図7(b)は、図6のB−B’線断面図である。
【0107】
図6、図7(a)及び図7(b)に表したように、データ転送線つなぎ替え部100においては、第1つなぎ替え配線233、第2つなぎ替え配線227、第1つなぎ替えコンタクト239及び第2つなぎ替えコンタクト230が設けられる。
【0108】
第1つなぎ替え配線233には、例えば、既に説明した中間配線層133及び133dと同じ材料が用いられ、第1つなぎ替え配線233は、中間配線層133及び133dと同層の配線である。第1つなぎ替え配線233は、例えば、溝中に、TaN、TiN、TaW及びTiなどのバリアメタルを介して導電材料が埋め込まれて形成される。第1つなぎ替え配線233には、膜厚が30nm〜300nmのタングステン、Cu、Al、AlCuなどを用いることができる。
【0109】
第2つなぎ替え配線227には、例えば、制御ゲート127と同じ材料が用いられ、第2つなぎ替え配線227は、制御ゲート127と同層の配線である。この構成の第2つなぎ替え配線227により、素子分離絶縁膜124が隣接して配置される方向において、データ転送線のつなぎ替えが実現される。
【0110】
第1つなぎ替えコンタクト239は、データ転送線136と第1つなぎ替え配線233との間を電気的に接続する。第1つなぎ替えコンタクト239も、例えば、溝中に、TaN、TiN、TaW及びTiなどのバリアメタルを介して導電材料が埋め込まれて形成される。
【0111】
第2つなぎ替えコンタクト230は、第1つなぎ替え配線233と第2つなぎ替え配線227との間を電気的に接続する。
【0112】
なお、データ転送線136も、例えば、溝中に、TaN、TiN、TaW及びTiなどのバリアメタルを介して導電材料が埋め込まれて形成されることができる。
【0113】
なお、図6では、図をわかり易くするために、データ転送線136、第1つなぎ替え配線233、第2つなぎ替え配線227、第1つなぎ替えコンタクト239及び第2つなぎ替えコンタクト230のX−Y平面上の配置が示されている。
【0114】
なお、データ転送線136は、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bから、データ転送線つなぎ替え部100の領域に延在している。データ転送線136は、Y軸方向に交互に隣接した低抵抗配線L1及び高抵抗配線L2を有している。データ転送線136のピッチpyは、低抵抗配線L1及び高抵抗配線L2において同じであるが、低抵抗配線L1及び高抵抗配線L2の幅は互いに異なることができる(または、低抵抗配線L1及び高抵抗配線L2の厚さが互いに異なる)。データ転送線136のピッチpyは、例えば、20nm以上、100nm以下である。データ転送線136の幅(配線幅)は、例えば、10nm以上、50nm以下である。例えば、低抵抗配線L1の幅と、高抵抗配線L2の幅とは、互いに異なり、低抵抗配線L1の幅は、例えば、10nm以上、50nm以下である。
【0115】
Y軸方向において互いに隣接する第1つなぎ替えコンタクト239は、例えば、データ転送線136と同じ最小のピッチpyで形成されている。
【0116】
なお、本具体例のデータ転送線つなぎ替え部100においては、3種類の配線接続パターンが用いられているので、図6においては、3種類の配線接続パターンに対応させて、データ転送線136をデータ転送線136a、136b、136cとして表示されている。
【0117】
後述するように、データ転送線136は、側壁加工により形成される。第1メモリセルブロック1aから延在しているデータ転送線136の低抵抗配線L1は、第2メモリセルブロック1bから延在しているデータ転送線136の低抵抗配線L1と、X軸方向において同一の延長線上にある。同様に、第1メモリセルブロック1aから延在しているデータ転送線136の高抵抗配線L2は、第2メモリセルブロック1bから延在しているデータ転送線136の高抵抗配線L2と、X軸方向において同一の延長線上にある。
【0118】
なお、データ転送線136の幅と第1つなぎ替え配線233の幅はほぼ等しいが、データ転送線136と第2つなぎ替えコンタクト239の余裕を、メモリセルブロック内におけるデータ転送線136どうしの間隔以上に確保することも可能である。
【0119】
図6に例示したように、第1つなぎ替え配線233及び第2つなぎ替え配線227は、データ転送線136の幅の、例えば2倍以上に緩和された幅を有することができる。これにより、データ転送線136よりも安価な低解像度のリソグラフィを用いることができ、より低コストでデータ転送つなぎ替え部100を形成することができる。
【0120】
図6に例示したように、第2つなぎ替えコンタクト230は、第1つなぎ替えコンタクト239よりも、例えば、1.2倍以上大きい径を有することができる。これにより、第1つなぎ替えコンタクト239よりも安価な低解像度のリソグラフィを用いることができ、より低コストでデータ転送つなぎ替え部100を形成することができる。
【0121】
なお、データ転送つなぎ替え部100においては、データ転送線136をX−Y平面内で屈曲させて配置する必要がなく、データ転送つなぎ替え部100の領域内のデータ転送線136を、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bと同様にY軸方向に関して稠密に配置することができる。
【0122】
なお、データ転送線つなぎ替え部100において、第1つなぎ替え配線233の幅の最小値と、第1つなぎ替え配線233どうしの間の間隔の最小値、第2つなぎ替え配線227の幅の最小値、及び、第2つなぎ替え配線227どうしの間の間隔の最小値は、データ転送線136の幅、及び、データ転送線136どうしの間の間隔以上に確保できる。
【0123】
なお、データ転送線つなぎ替え部100は、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bに含まれる配線構造を用いて形成でき、新たな工程を追加することなく形成することができる。
【0124】
すなわち、データ転送線つなぎ替え部100で必要とされる最小配線ピッチは、データ転送線136のピッチpyである。また、コンタクトの最小幅、及び、コンタクトどうしの間の間隔の最小幅は、データ転送線136に直接接続される第1つなぎ替えコンタクト239の幅である。これらの値は、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bに含まれる構造を形成する工程で必要とされている寸法の値であり、従来よりも小さなコンタクトや細い配線を形成する必要はない。よって、従来よりも高解像度のリソグラフィを必要とせず、所望のつなぎ替えを実現することができる。
【0125】
すなわち、第1つなぎ替えコンタクト239は、例えば、メモリセルMCのデータ転送線136に接続されるコンタクトと同じ寸法により形成することができ、コンタクトプロセスや配線プロセスを増加させずに、第1つなぎ替えコンタクト239を形成することができる。
【0126】
本具体例のデータ転送線つなぎ替え部100は、データ転送線136が延在して設けられる配線層と、データ転送線136とは異なる層であってデータ転送線136の2倍以上太い最小配線幅を有する第1の配線層(第1つなぎ替え配線233)及び第2の配線層(第2つなぎ替え配線227)の2層と、データ転送線136と第1の配線層とを選択的に接続する第1のコンタクト(第1つなぎ替えコンタクト239)と、第1のコンタクトよりも1.2倍以上大きい径を有し、第1の配線層と第2の配線層と接続する第1のコンタクト(第2つなぎ替えコンタクト230)と、を有する。
【0127】
図6に例示したように、第2メモリセルブロック1bの側から伸びるデータ転送線136が、第1メモリセルブロック1aの側の、右側に1本ずれたデータ転送線136に電気的に接続されている。
【0128】
例えば、第2メモリセルブロック1bの側のデータ転送線136aが、第1メモリセルブロック1aの側のデータ転送線136bと、第1つなぎ替えコンタクト239と第1つなぎ替え配線233とを介して電気的に接続されている。
【0129】
また、第2メモリセルブロック1bの側のデータ転送線136cが、第1メモリセルブロック1aの側のデータ転送線136bと、第1つなぎ替えコンタクト239と、第1つなぎ替え配線233と、第2つなぎ替え配線227と、を介して電気的に接続されている。
【0130】
また、第2メモリセルブロック1bの側のデータ転送線136bが、第1メモリセルブロック1aの側のデータ転送線136aと、第1つなぎ替えコンタクト239と、第1つなぎ替え配線233と、を介して電気的に接続されている。
このような構成により、X−Y平面内において斜めの位置に互いに配置される、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bのデータ転送線136どうしを、電気的に接続することができる。
【0131】
なお、図3及び図6に例示した構成を、例えばX軸方向を中心にして鏡面反転した構成を用いても良い。
【0132】
なお、本具体例では、X−Y平面内において斜めの位置に互いに配置されるデータ転送線136どうしを、Y軸方向に沿って1本分シフトさせて電気的に接続するが、本発明はこれに限らない。すなわち、第1メモリセルブロック1aの低抵抗配線L1と、第2メモリセルブロック1bの高抵抗配線L2と、が電気的に接続され、第1メモリセルブロック1aの高抵抗配線L2と、第2メモリセルブロック1bの低抵抗配線L1と、が電気的に接続されれば良い。
【0133】
例えば、第1メモリセルブロック1aのデータ転送線136と、第2メモリセルブロック1bのデータ転送線136と、を、Y軸方向に沿って奇数本分シフトさせて電気的に接続しても良い。なお、3本、5本などのように3本以上の奇数本のつなぎ替えの構成とする場合は、例えば、1本のつなぎ替えを3回、5回などのように繰り返せば良いので、例えば、第1つなぎ替え配線233及び第2つなぎ替え配線227のパターンを調整することにより、半導体記憶装置511と同じ層数及びコンタクト層数で、データ転送線つなぎ替え部100を実現できる。
【0134】
ここで、つなぎ替えのシフトの本数に従ってデータ転送線136の数が増加する。そのため、半導体記憶装置511のように、1本のシフトのつなぎ替えの構成にすることにより、データ転送線136の数の増加を最小限にすることができ、半導体記憶装置の面積の増大を抑制できる。
【0135】
データ転送線つなぎ替え部100は、外部信号入力が必要なくデータ転送線136をつなぎかえることができる。よって、追加する回路は不要で、より回路面積を小さくできる。さらに、データ転送線つなぎ替え部100は、データ転送線136を導電体によって電気的に接続しており、半導体基板を介しない構造となっている。このため、配線間の電圧が正負に振れても、半導体基板にリーク電流が流れることがない。これにより、データ転送線136の電位の変化や電流の変化を小さく保ちつつ、データ転送線136の電位を、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bどうし間で伝達することが可能である。
【0136】
なお、半導体記憶装置511において、第1メモリセルブロック1aに属するメモリセルユニット4に含まれるメモリセルMCの数と、第2メモリセルブロック1bに属するメモリセルユニット4に含まれるメモリセルMCの数と、を、ほぼ等しくすることが望ましい。また、第1メモリセルブロック1aに属するデータ転送線136のX軸方向に沿った長さと、第2メモリセルブロック1bに属するデータ転送線136のX軸方向に沿った長さと、を、ほぼ等しくすることが望ましい。この構成により、低抵抗配線L1と高抵抗配線L2とが交互に配設される構成(例えば、側壁加工によってリソグラフィの倍の密度で配線を形成する構成)において、配線遅延を抑制して動作特性及び信頼性を向上させる効果が、特に効果的に発揮される。
【0137】
以下、データ転送線136の形成方法の例について説明する。
図8及び図9は、第1の実施例の半導体記憶装置のデータ転送線の作製方法を例示する工程順模式的断面図である。
図8(a)に表したように、基膜401の主面上に層間膜402が形成され、層間膜402の上に絶縁膜403が形成されている。基膜401は、例えば、作製するデータ転送線136よりも下層の基体の表面の膜である。
【0138】
絶縁膜403には、シリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜及びSiON膜などを用いることができる。層間膜402には、例えば、シリコン窒化膜、SiCN膜及びSiON膜などを用いることができる。基膜401には、層間膜402とは異なる材料が用いられ、基膜401には、例えば、シリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜及びSiON膜などが用いられる。
【0139】
絶縁膜403の主面の上に、芯材404となる芯材膜を形成した後、芯材膜の上に、リソグラフィにより、データ転送線136のピッチpyの倍のピッチでレジストを形成する。このレジストのピッチは、例えば、リソグラフィの加工精度の最小ピッチとされる。このレジストは、例えば、幅が30nm〜200nmの範囲の配線幅とされる。このレジストをマスクにして、芯材膜をパターニングし、芯材404を形成する。芯材404には、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜、アモルファスシリコン膜、および、カーボン膜を用いることができる。
【0140】
芯材404は、データ転送線136の想定ピッチの半分になるように、幅を狭めて形成される。この際、レジストの幅のばらつきによって、データ転送線136の想定ピッチの半分よりも若干太く芯材404が形成されているとする。データ転送線136の想定ピッチは、例えば、10nm〜100nmの間の値である。
【0141】
図8(b)に表したように、この芯材404の上面及び側面を覆うように側壁膜405を形成する。側壁膜405には、芯材404とは異なる材料が用いられる。側壁膜405には、例えば、シリコンやAl2O3などを用いることができる。また、芯材404と異なる膜であれば、側壁膜405として、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜、アモルファスシリコン膜、および、カーボン膜を用いることができる。側壁膜405のY軸方向に沿った厚さが、データ転送線136の想定ピッチの約半分の長さになるようにする。
【0142】
そして、異方性エッチングを行い、絶縁膜403の一部を露出させる。これにより、芯材404の側壁に側壁膜405が形成される。
【0143】
その後、図8(c)に表したように、芯材404を除去する。芯材404の除去には、例えば、フッ酸系エッチャントやRIE(Reactive Ion Etching)によるエッチングを用いることができる。
【0144】
図9(a)に表したように、側壁膜405をマスクとして、絶縁膜403及び層間膜402をエッチングする。このエッチングには、異方性エッチングを用いる。この際、基膜401としては、層間膜402とは異なる材料(層間膜402よりもエッチングレートが低い材料)が用いられており、層間膜402と基膜401との間の界面で、エッチングを停止させることができる。
【0145】
図9(b)に表したように、マスクとして使用された側壁膜405を除去し、露出した基膜401の上面、層間膜402の側面、並びに、絶縁膜403の上面及び側面に、バリアメタル406を形成する。バリアメタル406には、例えば、TaN、TaW、Ti、及びTiNなどを用いることができる。バリアメタル406の厚さは、例えば、1nm〜10nmとすることができる。
【0146】
その後、溝を埋め込むように、バリアメタル406の上に金属膜407を形成し、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)によって、平坦化する。なお、金属膜4
07には、バリアメタル406よりも低抵抗の材料が用いられ、金属膜407には、例えば、Cu、AlやWを用いることができる。この溝に埋め込まれた金属膜407(バリアメタル406を含む)が、データ転送線136となる。なお、データ転送線136は、いわゆる埋め込み配線となり、データ転送線136の断面形状は逆テーパー形状となっている。
【0147】
図9(a)に表したように、層間膜402及び絶縁膜403に形成された溝の幅は、レジストの寸法のばらつきと、側壁膜405の膜厚のばらつきの2倍と、の両方により、変動する。このため、広い幅の溝と、狭い幅の溝と、が交互に並んで形成される。
このため、図9(c)に表したように、広い幅のデータ転送線136と、狭い幅のデータ転送線136と、が交互に並ぶことになる。
【0148】
さらに、図9(c)に表したように、マイクロローディング効果より、広い溝は深い溝となり、狭い溝は浅い溝となる。このため、広い幅のデータ転送線136においては膜厚が厚く、狭い幅のデータ転送線136においては膜厚が薄くなる。
【0149】
また、幅が狭く浅いデータ転送線136ほど、それに含まれる金属の結晶粒径は小さくなる傾向があり、これにより、金属の結晶粒界、及び、金属膜407とバリアメタル406との間の境界抵抗が増加する。この効果によって、金属膜407の断面積の差異による抵抗の差異よりもさらに抵抗に差異が拡大する。
【0150】
このように、側壁加工におけるばらつきによって、データ転送線136の幅及び厚さが変動し、さらに、結晶粒径の変動による効果も加わり、データ転送線136において交互に繰り返される低抵抗と高抵抗とにおける抵抗値の差はさらに大きくなる。
【0151】
なお、図9(c)に表したように、データ転送線136どうしの間の絶縁膜の幅のばらつき(幅saと幅sbとの差)は、側壁膜405の厚さ(Y軸方向に沿った厚さ)のばらつきにより決まる。
また、データ転送線136の幅のばらつき(幅sdのばらつき)は、側壁膜405の幅(Y軸方向に沿った幅)のばらつきと、芯材404の幅(Y軸方向に沿った幅)のばらつきと、の合計のばらつきにより決まる。従って、隣接するデータ転送線136どうしの幅の差(幅scと幅sdとの差)は、隣接する、データ転送線136どうしの間の絶縁膜の幅の差(幅saと幅sbとの差)よりも大きい。
【0152】
すなわち、図9(c)に表したように、半導体記憶装置511においては、第1領域の高抵抗配線L2(第2配線)は、第1データ転送線DL1の第2データ転送線DL2とは反対の側において第1データ転送線DL1に隣接し、X軸方向に延在し、複数のメモリセルを有する第6メモリセルユニットMCU6の一端に接続され、第1データ転送線DL1よりも電気抵抗が高い第6データ転送線DL6をさらに有している。
第6データ転送線DL6の幅は、第2データ転送線DL2の幅と同じである。そして、第1データ転送線DL1の幅(幅sc)と、第2データ転送線DL2の幅(幅sd)と、の差の絶対値は、第1データ転送線DL1と第2データ転送線DL2のとの間の第1絶縁領域RGI1の幅(幅sb)と、第1データ転送線DL1と第6データ転送線DL6のとの間の第2絶縁領域RGI2の幅(幅sa)と、の差の絶対値よりも大きい。
【0153】
なお、図9(c)に表したように、データ転送線136の幅としては、データ転送線136の上面(基膜401、すなわち、p型シリコン基板121とは逆側の面)におけるデータ転送線136のY軸方向に沿った幅(幅sc及び幅sd)とすることができる。
また、データ転送線136の厚さは、データ転送線136のZ軸方向に沿った厚さ(厚さtc及び厚さtd)である。
【0154】
データ転送線136の上面における幅のばらつきよりも、データ転送線136どうしの間の絶縁膜の幅のばらつきの方が小さくなる上記の特徴は、データ転送線136どうしの間の絶縁膜の耐圧を確保するために有利な構造である。
【0155】
本実施形態に係る半導体記憶装置510及び第1の実施例に係る半導体記憶装置511においては、上記のように側壁加工のばらつきによって、低抵抗配線L1と高抵抗配線L2とが形成された場合においても、データ転送線つなぎ替え部100を設けることで、配線の電気抵抗の変動を補償し、配線遅延を抑制し、動作特性及び信頼性を向上させることができる。
【0156】
例えば、第1メモリセルブロック1aに属する第1データ転送線DL1の抵抗を第1抵抗R1とし、第2データ転送線DL2の抵抗を(R1+ΔR)とする。ここでΔRは正の値とする。また、第1データ転送線DL1と第2データ転送線DL2とを含む領域の容量を、集中定数に置き換えた容量として第1容量C1とする。
【0157】
一方、第2メモリセルブロック1bに属する第3データ転送線DL3の抵抗を第2抵抗R2とし、第4データ転送線DL4の抵抗を(R2+ΔR)と近似できる。また、第3データ転送線DL3と第4データ転送線DL4とを含む領域の容量を、集中定数に置き換えた容量として第2容量C2とする。X軸方向の延長線上において互いに隣接するデータ転送線136どうしの抵抗の比が、第1抵抗R1と第2抵抗R2との比になることから、第2容量C2は、データ転送線間の容量が支配的な場合、C1×(R2/R1)と近似できる。
【0158】
このとき、本実施形態に係る半導体記憶装置510及び第1の実施例に係る半導体記憶装置511においては、データ転送線つなぎ替え部100を設けることで、低抵抗配線L1と高抵抗配線L2とを互いに電気的に接続することで、抵抗が平均化される。すなわち、センスアンプ回路46から最も離れた位置にあるメモリセルユニット4までの配線遅延の時定数は、データ転送線つなぎ替え部100における抵抗の変化が十分小さいとすると、{R1C1×(1+ΔR)+R2C2}、または、{R1C1+R2C2×(1+ΔR)}となる。
【0159】
また、隣接するデータ転送線BL(データ転送線136)どうしの間における時定数の差は、(R1C1−R2C2)×ΔRとなる。
【0160】
ここで、第1メモリセルブロック1aと第2メモリセルブロック1bとにおける、データ転送線BLの長さをほぼ等しくすると、上記の時定数の差(R1C1−R2C2)×ΔRは、ほぼ零にすることができる。
【0161】
図10は、比較例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的回路図である。
図10に表した用に、比較例の半導体記憶装置519においては、データ転送線つなぎ替え部100が設けられていない。すなわち、例えば、図1における第1データ転送線DL1と第3データ転送線DL3とが互いに接続され、第2データ転送線DL2と第4データ転送線DL4とが互いに接続される。すなわち、X軸方向において隣接する低抵抗配線L1どうしが接続され、X軸方向において隣接する高抵抗配線L2どうしが接続される。これ以外は、半導体記憶装置511と同じなので説明を省略する。
【0162】
比較例の半導体記憶装置519においては、センスアンプ回路46から最も離れた位置にあるメモリセルユニット4までの配線遅延の時定数は、高抵抗配線L2においては、最も大きい場合には、(R1C1+R2C2)×(1+ΔR)となり、第1の実施例に係る半導体記憶装置511に比べて大きい。
【0163】
また、隣接するデータ転送線BL(データ転送線136)どうしの間における時定数の差は、(R1C1+R2C2)×ΔRとなり、第1の実施例に係る半導体記憶装置511に比べて大きく、また、零にすることができない。
【0164】
このため、半導体記憶装置519においては、読み出し速度が低下し、また、読み出しマージンが低下し、また、エレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションが生じ易くなり、信頼性を劣化させる。
【0165】
すなわち、配線抵抗が大きいデータ転送線BLにおいては、メモリセルMCに格納された情報を読み出す際の配線遅延が大きく、読み出し速度が低下する。また、配線抵抗がメモリセルMCに直列接続されているので、配線抵抗が上昇するとメモリセルMCに流せる電流が減少するため、遮断状態と導通状態のメモリセルMCの状態の区別がつきに難くなり、読み出しマージンが低下する。例えば、NANDフラッシュメモリアレイでは、メモリセルMCの占有率を上昇させるため、データ転送線BLとして、例えば2mm以上の長さの配線が使われ、データ転送線BLの端にセンスアンプ回路46が電気的に接続される。データ転送線BLのセンスアンプ回路46に近接するメモリセルMCと、センスアンプ回路46から最も遠いメモリセルMCと、では、配線の時定数に基づく遅延が生じ、これらメモリセルMCを同等の速度で読み出すために、読み出し時間のマージンを拡大する必要がある。
【0166】
また、狭い幅のデータ転送線BLにおいて、エレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションなどの信頼性低下が生じる可能性がある。
【0167】
これに対し、本実施形態に係る半導体記憶装置510及び第1実施例に係る半導体記憶装置511においては、データ転送線つなぎ替え部100を設けることで、配線の電気抵抗の変動を補償し、配線遅延を抑制し、動作特性及び信頼性を向上させることができる。
【0168】
第1メモリセルブロック1aのメモリセルユニット4に含まれるメモリセルMCの数NAに対する、第2メモリセルブロック1bのメモリセルユニット4に含まれるメモリセルMCの数NBと、の差を10%以下にすると、隣接するデータ転送線BLどうしの間における時定数の差を、比較例の半導体記憶装置519の時定数の差(R1C1+R2C2)×ΔRの10%以下に抑えることができ、回路動作上望ましい。
【0169】
すなわち、このように設定することで、配線の構造のばらつきによる時定数のばらつきによる変動を10%以下に抑制することができ、動作ばらつきの小さい回路を実現できる。なお、データ転送線136の幅の相対ばらつきは、リソグラフィの寸法ばらつき精度を保証するために、約10%程度許容する。上記の互いに隣接する配線どうしにおける時定数の相対ばらつきを10%以下に抑えることにより、時定数のばらつきをデータ転送136の幅の相対ばらつきよりも小さくでき、時定数の全体のばらつきを、より小さくすることができる。
【0170】
すなわち、第1メモリセルユニットMCU1に含まれるメモリセルMCの数と、第2メモリセルユニットMCU2に含まれるメモリセルMCの数と、は互いに等しく、第3メモリセルユニットMCU3に含まれるメモリセルMCの数と、第4メモリセルユニットMCU4に含まれるメモリセルユニットMCU4の数と、は互いに等しく設定されることができる。そして、第1メモリセルユニットMCU1に含まれるメモリセルMCの数をNAとし、第3メモリセルユニットMCU3に含まれるメモリセルMCの数をNBとしたとき、(NA−NB)/(NA+NB)の絶対値は、0.1以下とすることができる。
これにより時定数のばらつきを小さくでき、動作特性をさらに向上できる。
【0171】
なお、(NA−NB)/(NA+NB)の絶対値は0.05以下とすることがさらに望ましい。これにより、さらに動作特性を向上できる。
【0172】
本実施例の半導体記憶装置511によれば、隣接するデータ転送線BLに接続されるメモリセルブロックに含まれるメモリセルMCに対して、同時に読み出しや同時に書き込みを行う場合、データ転送線BLどうしの間の遅延時間の差の分、回路動作マージンを縮小しても回路を正常動作させることができ、回路動作を高速化できる。これにより、比較例よりも高速の読み出し及び書き込みが実現できる。
【0173】
また、隣接するデータ転送線BLに接続されるセンスアンプ回路46の動作タイミングを揃えることができ、全体として、遅延特性の揃った、及び、スキューの揃った回路動作を実現することができる。また、データ転送線BLどうしの間での遅延時間のばらつきも小さくすることができ、時定数の違いによるパルス波形の乱れも小さくすることができる。
【0174】
また、第1メモリセルブロック1a及び第2メモリセルブロック1bに含まれるデータ転送線BLの長さ(X軸方向に沿った長さ)をほぼ等しくした場合、配線遅延を、比較例よりも、(R1C1)×ΔR以上、縮小することができ、より、配線の充放電にかかる時間を短縮できる。これにより、回路動作マージンを縮小しても回路を正常動作させることができ、回路動作を高速化できる。これにより、比較例よりも高速の読み出し及び書き込みが実現できる。
【0175】
本実施例に係る半導体記憶装置511においては、例えば、データ転送線BLに流れる電流量の差が、しきい値判定の読み出しに影響を与える場合においても、センスアンプ回路46から最も遠いメモリセルユニット4までの抵抗の差を縮小でき、しきい値判定が安定できるので、有利である。
【0176】
つまり、データ転送線BLの配線つなぎ替えを行わない比較例の場合には、既に説明したように、低抵抗配線L1の配線抵抗は(R1+R2)であるのに対して、高抵抗配線L2の配線抵抗は(R1+R2)×(1+ΔR)となる。このように、比較例においては、低抵抗配線L1と高抵抗配線L2とで配線抵抗に差が生じ、流れる電流量に差が生じる。
【0177】
これに対して、本実施例に係る半導体記憶装置511においては、既に説明したように、配線遅延の時定数は、{R1C1×(1+ΔR)+R2C2}、または、{R1C1+R
2C2×(1+ΔR)}となり、隣接するデータ転送線BLどうしの間における時定数の
差は、(R1C1−R2C2)×ΔRとなる。
【0178】
そして、第1メモリセルブロック1aと第2メモリセルブロック1bとにおける、データ転送線BLの長さをほぼ等しくすると、上記の時定数の差(R1C1−R2C2)×ΔRは、ほぼ零にすることができる。
【0179】
これにより、隣接するデータ転送線BLに接続されたメモリセルMCに対して同時に読み出し及び書き込みを行う場合に、データ転送線BLどうし間の配線抵抗の差の分だけ回路動作マージンを縮小でき、回路動作を高速化できる。また、配線抵抗の差を小さくすることにより、配線抵抗の差に起因する電流量の差を小さくすることができ、よりしきい値の差をより精度良く検出することができる。これらにより、高速の読み出し及び書き込みを実現できる。
【0180】
また、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bに含まれるデータ転送線BLの長さをほぼ等しくした場合、配線抵抗を、比較例よりも、R1×ΔR以上、縮小することができ、より配線抵抗を削減し、メモリセルMCの電流を増大させることができる。
【0181】
(第2の実施例)
図11は、第2の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的平面図である。
すなわち、同図は、第1の実施形態に係る第2の実施例の半導体記憶装置512に設けられるデータ転送線つなぎ替え部100の構成を例示している。半導体記憶装置512のデータ転送線つなぎ替え部100以外の構成は、第1の実施例の半導体記憶装置511と同様なので説明を省略する。
【0182】
図11に表したように、半導体記憶装置512のデータ転送線つなぎ替え部100の領域RGaにおいては、2つの第1つなぎ替えコンタクト239と、1つのコンタクトリソグラフィ補助パターン339(実際はコンタクト開口せず)と、が1組みのコクタクトセットとなる。そして、1つのコンタクトセットにおいては、2つの第1つなぎ替えコンタクト239と、1つのコンタクトリソグラフィ補助パターン339(実際はコンタクト開口せず)と、がX−Y平面内で斜めに配置される。このようなコンタクトセットが、Y軸方向に沿って複数繰り返して配置されている。すなわち、2つの第1つなぎ替えコンタクト239と、1つのコンタクトリソグラフィ補助パターン339(実際はコンタクト開口せず)と、は、Y軸方向に沿って千鳥状(ジグザグ状)に繰り返して配置される。
【0183】
コンタクトリソグラフィ補助パターン339(実際はコンタクト開口せず)は、コンタクトのX−Y平面内における規則性を向上するために配置されたものである。コンタクトリソグラフィ補助パターン339(実際はコンタクト開口せず)は、例えば、第1つなぎ替えコンタクト239の大きさよりも3nm〜30nmの範囲で小さく形成される。その結果、コンタクトリソグラフィ補助パターン339(実際はコンタクト開口せず)の一部は、実際にはコンタクト穴が形成されないようにされ、導電層間の電気的な接続を行わないようにする。
【0184】
図11に表したように、第1データ転送線DL1が、第4データ転送線DL4と、第1つなぎ替えコンタクト239と第1つなぎ替え配線233とを介して、電気的に接続されている。
また、例えば、第2データ転送線DL2が、第5データ転送線DL5と、第1つなぎ替えコンタクト239と、第1つなぎ替え配線233と、第2つなぎ替え配線227と、を介して、電気的に接続されている。例えば、第3データ転送線DL3が、第6データ転送線DL6と、第1つなぎ替えコンタクト239と、第1つなぎ替え配線233と、第2つなぎ替え配線227と、を介して、電気的に接続されている。
これにより、半導体記憶装置512においても配線の電気抵抗の変動を補償し、配線遅延を抑制し、動作特性及び信頼性を向上できる。
【0185】
なお、メモリセルブロック内におけるデータ転送線BLのコンタクトも、2つの第1つなぎ替えコンタクト239と、1つのコンタクトリソグラフィ補助パターン339(実際はコンタクト開口せず)と、の3つの組みのコンタクトセットの周期的な配置とすることができる。これにより、メモリセルブロック内と同じリソグラフィの条件で、データ転送線つなぎ替え部100を形成でき、よりプロセスマージンを広げることができる。
【0186】
(第3の実施例)
図12は、第3の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的平面図である。
すなわち、同図は、第1の実施形態に係る第3の実施例の半導体記憶装置513に設けられるデータ転送線つなぎ替え部100の構成を例示している。半導体記憶装置513のデータ転送線つなぎ替え部100以外の構成は、第1の実施例の半導体記憶装置511と同様なので説明を省略する。
【0187】
図12に表したように、半導体記憶装置513においては、データ転送線136の分断位置(データ転送線136のX軸方向における端部の位置)は、低抵抗配線L1と高抵抗配線L2とにおいて、一定である。
【0188】
図12に表したように、例えば、第1データ転送線DL1が、第4データ転送線DL4と、第1つなぎ替えコンタクト239と、第1つなぎ替え配線233と、第2つなぎ替え配線227と、を介して、電気的に接続されている。
また、第2データ転送線DL2が、第5データ転送線DL5と、第1つなぎ替えコンタクト239と第1つなぎ替え配線233とを介して、電気的に接続されている。また、第3データ転送線DL3が、第6データ転送線DL6と、第1つなぎ替えコンタクト239と第1つなぎ替え配線233とを介して、電気的に接続されている。
これにより、半導体記憶装置513においても配線の電気抵抗の変動を補償し、配線遅延を抑制し、動作特性及び信頼性を向上できる。
【0189】
このように、本実施形態に係る半導体記憶装置510(及び、第1〜第3の実施例に係る半導体記憶装置511〜513)によれば、メモリセルMCを読み出す際の配線遅延が増大し、読み出し速度が低下する問題を緩和することができる。
【0190】
また、センスアンプ回路46とデータ転送線BL(データ転送線136)がメモリセルユニット4に直列接続される構造においては、配線抵抗が上昇するとメモリセルMCに流せる電流が減少するため、遮断状態の場合のセル電流と導通状態の場合のセル電流の差が減少し、メモリセルMCの状態の区別がつきにくくなり、読み出しマージンが低下するが、本実施形態によれば、比較例よりもメモリセルMCに流せる最小の電流を増大することができ、より読み出しマージンを拡大することができる。
【0191】
特に、NAND型フラッシュメモリにおいては、メモリセルMCの占有率を上昇させるために、データ転送線BLとして、例えば2mm以上の長さの配線が使われ、データ転送線BLの端にセンスアンプ回路46が電気的に接続される。この構成において、センスアンプ回路46の近傍においてデータ転送線BLに接続されたメモリセルMCと、センスアンプ回路46からも遠い位置において接続されたメモリセルMCでは、データ転送線BLの時定数による遅延が生じる。これらメモリセルMCを同等の速度で読み出す場合には、センスアンプ回路46から遠いメモリセルMCにおいても読み出しできるように、余裕をもった読み出しタイミングを確保する必要があるが、本実施形態を適用することで、データ転送線136どうしの間の時定数のばらつきを小さくすることができる。これにより、メモリセルMCの読み出し時間マージンを従来よりも増大することができる。
【0192】
さらに、データ転送線BLで発生する電圧低下量は配線抵抗に比例する。よって、データ転送線BLとなる金属配線の幅が一様に狭いと、金属配線の抵抗が上昇し、配線遅延が上昇する問題やエレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションに生じ易くなる。これに対し、本実施形態を適用することで、配線抵抗の上昇に伴うメモリセルMCに流せる電流の減少の問題を緩和できるため、読み出しマージンを従来よりも増大することができる。また、金属配線の幅が一様に狭い場合に比べて、金属配線の抵抗が上昇し、配線遅延が上昇する問題やエレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションを生じにくくできる。
【0193】
なお、本実施形態に係る半導体記憶装置510(及び、第1〜第3の実施例に係る半導体記憶装置511〜513)においては、以下の「特徴A」を有する。
すなわち、第1メモリセルブロック1aのデータ転送線BLと、第2メモリセルブロック1bのデータ転送線BLと、で、相対的な位置(例えばY軸方向に沿った位置)は、互いに同じにすることができ、従来から変更する必要がない。
このため、メモリセルMC間の物理/論理アドレス割り当てを奇数ビットだけシフトするだけで良い。すなわち、データ転送線BLへの印加電圧を、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bで変更する必要がなく、従来と同様の構成をそのまま適用することができる。
また、第1メモリセルブロック1aのデータ転送線BLと、第2メモリセルブロック1bのデータ転送線BLと、における相対関係と、第1メモリセルブロック1aのメモリセルMCと、第2メモリセルブロック1bのメモリセルMCと、における相対関係と、は、同じ関係になる。隣接するデータ転送線BLの相対関係と、隣接するセルの相対関係と、が互いに同じなので、第1メモリセルブロック1aと第2メモリセルブロック1bとで、メモリセルMCどうしの間の昇圧関係やディスターブに対して、パラメータを変える必要がなく、つなぎ替えをする場合としない場合とで、各種の設計パラメータを同等に扱うことができ、設計効率が高いというメリットがある。
【0194】
(第2の実施の形態)
図13は、第2の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を例示する模式図である。
図13に表したように、本実施形態に係る半導体記憶装置520においても、低抵抗配線L1(第1配線LL1第3配線LL3)及び高抵抗配線L2(第2配線LL2及び第4配線LL4)が設けられる。すなわち、半導体記憶装置520も、第1〜第4データ転送線DL1〜DL4を備える。そして、半導体記憶装置520においては、第1〜第4データ転送線DL1〜DL4のつなぎ替えの構成が、半導体記憶装置510と異なる。それ以外は、半導体記憶装置510と同様なので説明を省略する。
【0195】
半導体記憶装置520においては、第4データ転送線DL4が、第1データ転送線DL1と電気的に接続されつつ、第3データ転送線DL3は、第1領域RG1(第1メモリセルブロック1a)と第2領域RG2(第2メモリセルブロック1b)との間において、第2データ転送線DL2と電気的に接続されている。
【0196】
この構成によっても、第1領域RG1の低抵抗配線L1と、第2領域RG2の高抵抗配線L2と、が互いに接続され、第1領域RG1の高抵抗配線L2と、第2領域RG2の低抵抗配線L1と、が互いに接続されることで、配線抵抗を均一化することができる。
【0197】
これにより、第1の実施形態に関して説明した効果が同様に得られる。すなわち、配線の電気抵抗の変動を補償し、配線遅延を抑制し、動作特性及び信頼性を向上させることができる。
【0198】
第2の実施形態に係る半導体記憶装置520においては、第1の実施形態に関して説明した「特徴A」を除いて、第1の実施形態と同様な効果を発揮する。さらに、本実施形態に係る半導体記憶装置520においては、第1の実施形態に比べて、データ転送線BLのつなぎ替えのために、データ転送線BLを奇数本(奇数本×メモリセルブロックの数)だけ追加することなしに、データ転送線BLのつなぎ替えを行うことができる。これにより、回路面積をより小さくすることができる。
【0199】
(第4の実施例)
図14は、第4の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的回路図である。
図14に表したように、第2の実施形態の第4の実施例に係る半導体記憶装置524においては、第1の実施例に係る半導体記憶装置511に対して、データ転送線つなぎ替え部100の構成が異なっている他は、半導体記憶装置511と同様である。
すなわち、半導体記憶装置524においては、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bと、で2本ずつクロスするように、データ転送線BLがつなぎ替えられる。
【0200】
図15は、第4の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的平面図である。
すなわち、同図は、第4の実施例の半導体記憶装置524に設けられるデータ転送線つなぎ替え部100の構成を例示している。
図15に表したように、半導体記憶装置524においては、例えば、第1データ転送線DL1が、第4データ転送線DL4と、第1つなぎ替えコンタクト239と第1つなぎ替え配線233とを介して、電気的に接続されている。
また、第2データ転送線DL2が、第3データ転送線DL3と、第1つなぎ替えコンタクト239と、第1つなぎ替え配線233と、第2つなぎ替え配線227と、を介して、電気的に接続されている。
これにより、半導体記憶装置524においても配線の電気抵抗の変動を補償し、配線遅延を抑制し、動作特性及び信頼性を向上できる。
【0201】
なお、上記の第1及び第2の実施形態に係るいずれかの半導体記憶装置において、素子分離絶縁膜124、層間絶縁膜150及び層間絶縁膜168の形成方法は、例えば、シリコンをシリコン酸化膜やシリコン窒化膜に変換する方法の他、例えば、堆積したシリコン膜に酸素イオンを注入する方法や、堆積したシリコン膜を酸化する方法を用いることができる。
【0202】
また、上記の具体例では、浮遊ゲート126として、多結晶シリコンからなる導電性の膜を用いたが、浮遊ゲート126として、絶縁性の電荷蓄積層を用いることもできる。電荷蓄積層は、例えば、SIN、SiON、TiO2、Al2O3、タンタル酸化膜、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム及びチタン酸ジルコニウム鉛よりなる群から選択されたいずれかの単層膜、または、その群から選択されたいずれか2つ以上を含む積層膜を用いることができる。
【0203】
また、上記の具体例では、半導体記憶装置が形成される半導体基板としてp型シリコン基板121を用いたが、半導体基板として、SOI(Silicon On Insulator)を含むp型SOI基板、並びに、SiGe混晶、SiGeC混晶などのシリコンを含むp型単結晶半導体層を含む基板を用いることができる。
【0204】
また、上記の具体例では、p型シリコン領域123の上にn型FETが形成される構成について説明したが、n型シリコン領域の上にp型FETが形成される構成でも良い。この場合には、上記の「n型」を「p型」に読み替え、上記の「p型」を「n型」に読み替え、ドーピング不純物種のAs、P及びSbを、In及びBのいずれかに読み替えれば良い。
【0205】
また、浮遊ゲート126及び制御ゲート127には、Si半導体、SiGe混晶及びS
iGeC混晶のいずれかを用いることができ、また、これらの多結晶を用いても良く、また、これらを含む積層膜を用いることもできる。浮遊ゲート126及び制御ゲート127には、アモルファスSi、アモルファスSiGe混晶及びアモルファスSiGeC混晶のいずれかを用いることができ、また、これらのいずれかを含む積層膜を用いても良い。
【0206】
また、制御ゲート127の上に、堆積法によって形成する金属裏打ち層を設けても良く、また、例えば、Ti、Co、Ni、Mo、Pd及びPtよりなる群から選択された少なくともいずれかと制御ゲート127とを反応させたシリサイド層を形成し、これを金属裏打ち層としても良い。
【0207】
また、上記のメモリセルMCとしては、「0」及び「1」の2値の半導体メモリセルトランジスタを用いても良く、また、3値以上の多値を記憶する半導体メモリセルトランジスタを用いても良い。多値の半導体メモリセルトランジスタを用いる場合には、複数のしきい値間の間隔が狭く、隣接メモリセルとの容量結合によるしきい値増加や、誤書き込みが問題となり易いので、本実施形態を適用することで、より大きな効果を得ることができる。なお、1つのメモリセルMCに記憶するしきい値としては、2n値(nは正の整数)となることが、情報データのデコードが簡略化され望ましい。
【0208】
また、上記の具体例では、センスアンプ回路46が、第2メモリセルブロック1bの側に設けられているが、センスアンプ回路46は、第1メモリセルブロック1aの側と、第2メモリセルブロック1bの側と、の両方にその機能を分散させて設けても良い。
【0209】
(第3の実施形態)
図16は、第3の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を例示するブロック図である。
【0210】
第3の実施形態に係る半導体記憶装置530もNAND型EEPROMを例にして説明する。
図16に表したように半導体記憶装置530には、メモリセルアレイ1が設けられている。メモリセルアレイ1には、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bが設けられている。第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bが設けられる領域が、それぞれ第1及び第2領域RG1及びRG2となる。第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bには、後述するように、直列に接続された複数の不揮発性のメモリセルを含むメモリセルユニット4が複数設けられる。
【0211】
半導体記憶装置530には、データ制御線ドライバ2、ロウデコーダ3、制御回路40、Vpgm発生回路41a、Vpass発生回路41b、Vread発生回路41c、基板電位制御回路42、入出力バッファ45、センスアンプ回路461(第1センスアンプ回路)、センスアンプ回路462(第2センスアンプ回路)、アドレスバッファ47、カラムデコーダ481、カラムデコーダ482、データ切り替え回路447がさらに設けられる。
【0212】
センスアンプ回路461、センスアンプ回路462は、メモリセルアレイ1に設けられたデータ転送線からのデータを検出し、あるいは書き込みデータを保持する。センスアンプ回路461、センスアンプ回路462は、データラッチを兼ねており、例えばフリップフロップ回路を含む。センスアンプ回路461と、センスアンプ回路462とは、メモリセルアレイ1を挟んで対峙するようにして設けられている。
本実施の形態においては、センスアンプ回路461と制御回路40、センスアンプ回路462と制御回路40とがそれぞれ接続されている。そして、センスアンプ回路461およびセンスアンプ回路462からの出力の順番を制御回路40によって制御するようになっている。
【0213】
さらに、センスアンプ回路461とデータ切り替え回路447、センスアンプ回路462とデータ切り替え回路447とがそれぞれ接続されている。また、データ切り替え回路447と入出力データが入出力される入出力バッファ45とが接続されている。
データ切り替え回路447は、センスアンプ回路461とセンスアンプ回路462との入出力を切り替える。データ切り替え回路447は、切り替え制御回路を有し、アドレス情報が入力される。
【0214】
また、センスアンプ回路461のアドレスを指定するためのカラムデコーダ481、センスアンプ回路462のアドレスを指定するためのカラムデコーダ482が設けられている。これらは、カラムデコーダによりアドレス指定されたカラムを選択し、データの読み書きをするのに必要な回路となっている。
そのため、センスアンプ回路461から入出力バッファ45へのデータ転送は、アドレスバッファ47からのアドレス信号47aを受けるカラムデコーダ481の出力によって制御することができる。センスアンプ回路462から入出力バッファ45へのデータ転送は、アドレスバッファ47からのアドレス信号47aを受けるカラムデコーダ482の出力によって制御することができる。
【0215】
また、入出力バッファ45は、アウトプットドライバーI/O、アドレスバッファ47に接続されている。そして、アドレスバッファ47とカラムデコーダ481、アドレスバッファ47とカラムデコーダ482とがそれぞれ接続されている。
ロウデコーダ3は、メモリセルアレイ1に対して、メモリセルの選択を行う。具体的には、ロウデコーダ3は、制御ゲート線7、及び、選択ゲート線5、6の制御を行う。
【0216】
図17は、第3の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を例示する模式的回路図である。
前述したように、半導体記憶装置530にはメモリセルアレイ1が設けられており、メモリセルアレイ1には、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bが設けられている。第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bは、複数のメモリセルユニット4を有する。複数のメモリセルユニット4のそれぞれには、複数のデータ制御線7が接続されている。
【0217】
また、メモリセルユニット4の端部のそれぞれには、複数のメモリセルユニット4から1つのメモリセルユニット4を選択してデータ転送線BL(データ転送線BL1〜BL2n)に接続するために、選択トランジスタが配置されている。それぞれの選択トランジスタのゲート電極は、選択ゲート線5及び選択ゲート線6にそれぞれ接続されている。
【0218】
データ転送線BLは、データ制御線7と互いに直交する方向に伸び、データ制御線7と互いに直交する方向に所定の間隔をおいて配置されている。
メモリセルユニット4に含まれるメモリセルMCは、データ転送線BLとデータ制御線7との交点に設けられる。メモリセルMCのそれぞれは、独立してデータの書き込み、保持、消去及び読み出しが可能となっている。
【0219】
メモリセルユニット4は、データ転送線BLの延在方向(X軸方向)、及び、データ制御線7の延在方向(Y軸方向)に沿って複数設けられる。少なくともY軸方向に沿って並べられた複数のメモリセルユニット4が、第1メモリセルブロック1aに含まれ、少なくともY軸方向に沿って並べられた別の複数のメモリセルユニット4が、第2メモリセルブロック1bに含まれる。
【0220】
図17においては、2つのメモリセルブロック(第1及び第2メモリセルブロック1a及び1b)が設けられているが、メモリセルブロックの数は適宜変更することができる。なお、メモリセルブロックの数が2i個(iは正の整数)であることが、アドレスデコードをする上で望ましい。
【0221】
さらに、データ転送線BLの一端には、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462が接続されている。
本実施の形態においては、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462は、メモリセルブロック(第1及び第2メモリセルブロック1a及び1b)の中及びその間に埋め込まれるのではなく、データ転送線BLの一端に配置されている。これにより、メモリセルMCのパターン周期性を維持し、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462よりも単純な構成の配線やトランジスタパターンをメモリセルブロックに集中して配置できる。これにより、半導体記憶装置530内においてメモリセルMCの占有率を上昇させることができる。
【0222】
複数のメモリセルユニット4が接続されたデータ制御線7(データ制御線WLであり、例えばデータ制御線WL11〜WL1b、データ制御線WL21〜WL2b)の一端には、データ制御線7を駆動するデータ制御線ドライバ2(データ制御線ドライバ2a及び2b)が設けられている。データ制御線ドライバ2aには、データ制御線WL11〜WL1b及び選択ゲート線5が接続され、データ制御線ドライバ2bには、データ制御線WL21〜WL2b及び選択ゲート線5が接続されている。
ここで、図17に例示したように、X軸方向において隣接する複数のメモリセルユニット4において、データ制御線ドライバ2の配置を容易にし、1つのメモリセルブロック(例えば第1メモリセルブロック1a)のデータ制御線7間のスキューを揃えるために、データ制御線ドライバ2は、2つに分割され、データ制御線ドライバ2a及び2bとして、メモリセルブロックの両端に設けられている。
【0223】
本実施の形態においては、Y軸方向において奇数番目(奇数Index)のデータ転送線(例えば、BL1、BL3、BL5、・・・、BL2n−3、BL2n−1)はセンスアンプ回路462に接続されている。また、Y軸方向において偶数番目(偶数Index)のデータ転送線(例えば、BL2、BL4、BL6、・・・、BL2n−2、BL2n)はセンスアンプ回路461に接続されている。
【0224】
図1において例示をしたように、側壁加工によってデータ転送線を形成した場合には、配線抵抗が低い低抵抗配線L1と、配線抵抗が低抵抗配線L1よりも高い高抵抗配線L2とが、Y軸方向に、交互に並んで形成される。よって、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線同士、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線同士においては配線抵抗を揃えることができる。その結果として、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線同士、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線同士においては遅延時間(配線遅延)を揃えることができる。
【0225】
すなわち、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線同士、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線同士をそれぞれ組とすれば、それぞれの組の中においては奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線とを混在させた場合よりも遅延時間(配線遅延)を揃えることができる。
そのため、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462のそれぞれに接続されるデータ転送線における遅延時間(配線遅延)のばらつきを、すべてのデータ転送線における遅延時間(配線遅延)のばらつきよりも、小さくまとめることができる。
よって、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線ごとに接続されたメモリセルユニット4において同時に読み出しや書き込みを行う場合に、遅延時間(配線遅延)の差の分、回路動作マージンを縮小しても回路を正常動作させることができる。そのため、回路動作を高速化できるので、従来よりも高速の読み出しや書き込みを実現できる。
【0226】
次に、さらに高速の読み出しを実現できる場合について例示をする。
本具体例においては、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線とで、読み出しを異なるタイミングで分けて行うようにしている。ここで、隣接するデータ転送線において同時に読み出しを行うと、データ転送線に生じる電圧変動による容量結合により、隣接するデータ転送線相互に影響を与えることになる。すなわち、容量結合ノイズが問題となる。本具体例においては、読み出しを異なるタイミングで分けて行うようにしているので容量結合ノイズを低減させることができる。
【0227】
前述したように、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線とでは配線抵抗に差があるので、遅延時間(配線遅延)に差が生ずる。そのため、本具体例においては、読み出し時に、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線とでは別タイミングの読み出しを行う。
この場合、配線抵抗が低く、読み出し速度を速くすることができる側のデータ転送線に接続されたセンスアンプ回路461またはセンスアンプ回路462の出力を、例えば、選択的に偶数の物理アドレスに割り当てるようにすることができる。
例えば、センスアンプ回路461に接続されたデータ転送線の配線抵抗が、センスアンプ回路462に接続されたデータ転送線の配線抵抗よりも低い場合には、センスアンプ回路461の出力をアドレス0、2、4、6、・・・、2n(nは正の整数)に割り当て、センスアンプ回路462の出力をアドレス1、3、5、7、・・・、2n+1(nは正の整数)に割り当てるようにすることができる。
一方、これとは逆に、センスアンプ回路462に接続されたデータ転送線の配線抵抗が、センスアンプ回路461に接続されたデータ転送線の配線抵抗よりも低い場合には、センスアンプ回路462の出力をアドレス0、2、4、6、・・・、2n(nは正の整数)に割り当て、センスアンプ回路461の出力をアドレス1、3、5、7、・・・、2n+1(nは正の整数)に割り当てるようにすることができる。
なお、どちらの場合であっても、アドレスの割り当ては、データ切り替え回路447を用いて行うようにすることができる。
【0228】
そして、偶数アドレスに割り当てられたメモリセルのデータを先に出力するようにする。例えば、「0、1、2、3、・・・」というアドレスのデータを連続的に読み出しする場合や、「4、5、6、7、・・・」というアドレスのデータを連続的に読み出しする場合などにおいては、偶数アドレスとされたメモリセルのデータを先に出力するという入れ替えを行うことにより、さらに高速なデータ出力を行うことができる。
これは、例えば、2バイトごとのデータを出力する場合、1バイトずつI/Oを通じて時系列で出力するようにするため、高速な読み出しを行うことができる偶数アドレスに割り当てられた最初の1バイトのデータを先に出力するようにすればさらに高速なデータ出力を行うことができるようになるからである。
【0229】
なお、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線とでどちらの配線抵抗が大きくなるかは、プロセス変動等で変動し得る。そのため、アドレスの割り当ての変更については、例えば、ヒューズ、またはROM(Read Only Memory)などに記憶できるようにしておき、ロット試作後のテスト工程などで決定するようにすることができる。この場合、ウェハープロセス終了後のテスト工程でアドレスの割り当てを変更できるようにしておくことが望ましい。そして、例えば、入出力バッファ45に、ヒューズ、またはROM(Read Only Memory)などに記憶されたデータを入力し、データ切り替え回路447によりアドレスの割り当ての変更を行うようにする。
【0230】
次に、センスアンプ回路461とセンスアンプ回路462とにおいて、読み出し時のメモリセル電流を測定するのに必要なタイミング(リードタイミング)、つまり、時間設定を、異なる設定にすることにより読み出しを高速化できることを説明する。
図18は、配線抵抗に差があった場合において読み出しを行う場合のリードタイミングを例示する模式図である。すなわち、接続された奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線との配線抵抗に差があった場合において読み出しを行う場合のリードタイミングを例示する模式図である。
【0231】
図18(a)は、センスアンプ回路、メモリセルユニットなどの配置を例示する模式図である。図18(a)に表したものは、図17において例示をしたものと同様の配置をしている。メモリセルユニット4cはセンスアンプ回路461に接続され、センスアンプ回路461から最も遠いメモリセルユニットを表している。メモリセルユニット4bはセンスアンプ回路462に接続され、センスアンプ回路462から最も遠いメモリセルユニットを表している。また、「c」はセンスアンプ回路461から最も遠いデータ転送線端を表し、「b」はセンスアンプ回路462から最も遠いデータ転送線端を表している。
【0232】
ここで、図18(a)においては、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線であるBL1、BL3、BL5、・・・、BL(2n−1)が上側に記載されているセンスアンプ回路462に接続されている。また、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線であるBL2、BL4、BL6、・・・、BL2nが下側に記載されているセンスアンプ回路461に接続されている。この場合、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の配線抵抗が、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線の配線抵抗よりも低いものとする。なお、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の配線抵抗が、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線の配線抵抗よりも高い場合には、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線とを入れ替えて考えればよいので、その場合の説明は省略する。
【0233】
図18(b)は、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462を同時に駆動した場合の「b」、「c」における電圧の変化を例示する模式的グラフ図である。
図18(b)に表すように、データ転送線には、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462によってt0からt1までの間にGNDからVBLまで電圧が印加される。すなわち、t0からt1までの間にGNDからVBLまで充電される。この場合、データ転送線間の容量が大きいことと、隣接するデータ転送線間で同じ電圧VBLとなるように充電するため、ほぼ同じ時間で充電することができる。
【0234】
この後、t1からt2において、データ転送線の電圧を一定に維持する。すなわち、電圧VBLを一定に維持する期間(t1〜t2)を設ける。ここで、メモリセルの読み出しを行う場合、電流端子が直列に接続されたメモリセルに対して、メモリセルに割り当てられたデータのうち最大値を有するしきい値より高い電位であるVreadを制御ゲートに接続されたデータ制御線に印加するようにする。
【0235】
この場合、読み出しを行うデータ制御線の電圧をVrefとすれば、それに隣接するデータ制御線の電位はVreadであるので、容量結合によって読み出しを行うデータ制御線の電圧Vrefからの電圧変動が生じる。この電圧変動によってしきい値を越えた場合の誤読み出しを防ぐために、容量結合による電圧変動を収束させるための時定数より長いt1からt2の期間、データ転送線の電圧を一定に維持するようにしている。
【0236】
ここで、例えば、t0からt1の間に、読み出しを行うデータ制御線の電圧を例えばVrefとし、他のデータ制御線の電圧をVreadとし、ソース線側の選択トランジスタおよびドレイン側の選択トランジスタを遮断状態から導通状態にして、データ転送線の電位を上昇させるようにする。その結果、読み出しを行うNANDストリングを導通状態として電位を上昇させることにより、読み出しを行うデータ制御線の電圧を他のデータ制御線の電圧よりも前に上昇させることができる。そのため、他のデータ制御線のVreadへの電圧上昇によるNANDストリングのチャネル部分の容量結合による電圧上昇を防ぐことができる。
【0237】
次に、t1からt2の間に、ソース線側の選択トランジスタまたはドレイン側の選択トランジスタを導通状態から遮断状態にする。
ついで、t2からt3の間に、データ転送線に充電した電荷を、例えば、ソース線側の選択トランジスタまたはドレイン側の選択トランジスタを遮断状態から導通状態にすることにより、放電する。
この際、センスアンプ回路461およびセンスアンプ回路462にて、メモリセルの電荷の大小を判断する。例えば、センスアンプ回路461およびセンスアンプ回路462にて、データ転送線の電位の大小をある基準値(例えば、図18(b)に記載したVBL_th)と比較して大小の測定を行うことにより、メモリセルの電荷の大小を判断する。若しくは、センスアンプ回路461およびセンスアンプ回路462にて、データ転送線に流れる電流を測定することにより、メモリセルの電荷の大小を判断してもよい。
【0238】
以下では、消去状態と書き込み状態の"1"と"0"との2値を例としてあげているが、もちろん、多値の場合でも当てははめることができる。その場合は、消去状態と書き込み状態とを隣接するしきい値の2値のしきい値とすればよい。
【0239】
ここでは、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の配線抵抗が、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線の配線抵抗よりも低いものとしている。そのため、メモリセルのしきい値(メモリセルトランジスタのチャネル抵抗)が同じ場合でも、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセル4bに、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセル4cよりも、データ転送線の配線抵抗が低い分だけ大きな放電電流を流すことができる。
【0240】
このため、図18(b)においてメモリセルの論理値が"0"の場合、つまり、書き込み状態(メモリセルのしきい値がVrefよりも大きい)の場合、書き込みしきい値より低いVref値によって判断するため、メモリセル電流は流れず、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセル、および、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルのどちらの場合でも、VBLの電位は保たれる。
【0241】
一方、図18(b)においてメモリセルの論理値が"1"の場合、つまり、例えば、消去状態(メモリセルのしきい値がVrefよりも小さい)の場合、消去しきい値より高いVref値によって判断するため、メモリセル電流が流れ、データ転送線の電圧が低下する。特に、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセル4bの方が、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセル4cよりもデータ転送線の配線抵抗が低いため、よりデータ転送線の電圧低下が大きくなる。
【0242】
よって、例えば、VBL_thのしきい値電圧によって論理値を判断する場合、データ転送線の配線抵抗が低い奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルの場合には、"1"のメモリセルデータの場合、t3’の時間でVBL_thより低いデータ転送線電圧となるため、t3’以降で読み出しデータの判断が可能となる。一方、データ転送線の配線抵抗が高い偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルの場合には、データ転送線に流れる電流が小さいため、VBL_thより低いデータ転送線電圧となるには、t3’より長いt3の時間まで待つ必要がある。
【0243】
ここで、従来の技術においては、センスアンプ回路461およびセンスアンプ回路462を同時に同じタイミングで駆動するようにしている。すなわち、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルと、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルとにおいて、同じタイミングで読み出しを行うようにしている。そのため、データ転送線に充電した電荷を放電する時間として、より長いt3のタイミングまで待つ必要がある。すなわち、t3’以降で読み出しデータの判断が可能となる配線抵抗の低いデータ転送線に接続されたメモリセルの場合であってもt3のタイミングまで待つ必要がある。
なお、以降では、t3’はt3よりも短い時間とし、t4’はt4よりも短い時間としている。
【0244】
図19は、データの読み出しを例示するフローチャートである。
図19に表すように、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462を用いて、配線抵抗が低いデータ転送線に接続されたメモリセルのデータを先に出力するようにする。
【0245】
まず、ステップSE1において、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルユニット4のメモリセルのデータを、読み出しタイミングt1、t2、t3、t4のタイミングで読み出し、センスアンプ回路461のデータラッチに記憶する。
【0246】
ついで、ステップSE2において、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルユニット4のメモリセルのデータを、読み出しタイミングt1、t2、t3、t4のタイミングで読み出し、センスアンプ回路462のデータラッチに記憶する。
この場合、従来の技術においては、ステップSE1、SE2で行う読み出しは、同じ読み出しタイミングで行われる。そのため、読み出し時間は、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462で同じ時間となる。すなわち、ステップSE1、SE2で行う読み出しは、読み出し時間の長い方の時間に合わせることになる。
【0247】
次に、ステップSE3において、センスアンプ回路461のデータラッチに記憶されたデータと、センスアンプ回路462のデータラッチに記憶されたデータとを、あらかじめ決められた順序で、入出力バッファ45から出力する。
この場合、センスアンプ回路461のデータラッチに記憶されたメモリセルのデータと、センスアンプ回路462のデータラッチに記憶されたメモリセルのデータと、メモリとしての論理アドレスと、はあらかじめ所定の通りに割り当てられており、入れ替えることはない。
そのため、この場合でも、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線と、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線とで、それぞれ組となるので、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線とを混在させた場合よりも遅延時間(配線遅延)を揃えることができる。
【0248】
その結果、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462のそれぞれに接続されるデータ転送線における遅延時間(配線遅延)のばらつきを、すべてのデータ転送線をセンスアンプに混在させて接続した場合における遅延時間(配線遅延)のばらつきよりも、小さくまとめることができる。
よって、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線ごとに接続されたメモリセルユニット4において、これらのメモリセルユニット4が有するメモリセルに記憶されたデータを同時に読み出し、または、同時に書き込みを行う場合、遅延時間(配線遅延)の差の分、回路動作マージンを縮小しても回路を正常動作させることができる。そのため、回路動作を高速化できるので、従来よりも高速の読み出しや書き込みを実現できる。
【0249】
なお、上記の場合に、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルと、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルと、を入れ替えた場合であっても、メモリとしての論理アドレスがあらかじめ所定の通りに割り当てられている。この場合、従来の技術においては、ステップSE1、SE2で行う読み出しは、同じ読み出しタイミングで行われる。そのため、読み出し時間は、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462で同じ時間となる。ステップSE1、SE2で行う読み出しは、読み出し時間の長い方の時間に合わせることなる。
【0250】
図20も、配線抵抗に差があった場合において読み出しを行う場合のリードタイミングについて、さらなる例示をするための模式図である。すなわち、接続された奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線との配線抵抗に差があった場合において読み出しを行う場合のリードタイミングについて、さらなる例示をするための模式図である。
【0251】
図20(a)は、センスアンプ回路、メモリセルユニットなどの配置を例示する模式図である。図20(a)に表したものは、図17において例示をしたものと同様の配置をしている。
メモリセルユニット4aはセンスアンプ回路461に接続され、センスアンプ回路461に最も近いメモリセルユニットを表している。メモリセルユニット4cはセンスアンプ回路461に接続され、センスアンプ回路461から最も遠いメモリセルユニットを表している。また、メモリセルユニット4dはセンスアンプ回路462に接続され、センスアンプ回路462に最も近いメモリセルユニットを表している。メモリセルユニット4bはセンスアンプ回路462に接続され、センスアンプ回路462から最も遠いメモリセルユニットを表している。また、「c」はセンスアンプ回路461から最も遠いデータ転送線端を表し、「b」はセンスアンプ回路462から最も遠いデータ転送線端を表している。
【0252】
ここで、図20(a)においては、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線であるBL1、BL3、BL5、・・・、BL(2n−1)が上側に記載されているセンスアンプ回路462に接続されている。また、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線であるBL2、BL4、BL6、・・・、BL2nが下側に記載されているセンスアンプ回路461に接続されている。この場合、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の配線抵抗が、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線の配線抵抗よりも低いものとする。なお、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の配線抵抗が、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線の配線抵抗よりも高い場合には、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線とを入れ替えて考えればよいので、説明を省略する。
【0253】
図20(b)は、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462を別タイミングで駆動した場合の電圧の変化を例示する模式的グラフ図である。なお、前述した図18(b)と同様のものについては説明を適宜省略する。
図20(b)は、メモリセル4bが接続された付近の電圧の変化を例示するものである。
【0254】
図20(a)に表した場合には、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の配線抵抗が、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線の配線抵抗よりも低いものとしている。そのため、メモリセルの抵抗が同じ場合でも、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセル4b、4dに、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセル4c、4aよりも、データ転送線の配線抵抗が低い分だけ大きな放電電流を流すことができる。
【0255】
このため、図20(b)においてメモリセルの論理値が"0"の場合、つまり、書き込み状態の場合、書き込みしきい値より低いVref値によって判断するため、メモリセル電流は流れず、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセル、および、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルのどちらの場合でも、VBLの電位は保たれる。
【0256】
一方、図20(b)においてメモリセルの論理値が"1"の場合、つまり、例えば、消去状態の場合、消去しきい値より高いVref値によって判断するため、メモリセル電流が流れ、データ転送線の電圧が低下する。特に、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセル4bの方が、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセル4cよりもデータ転送線の配線抵抗が低いため、よりデータ転送線の電圧低下が大きくなる。
【0257】
よって、例えば、VBL_thのしきい値電圧によって論理値を判断する場合、データ転送線の配線抵抗が低い奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルの場合には、"1"のメモリセルデータの場合、t3’の時間でVBL_thより低いデータ転送線電圧となるため、t3’以降で読み出しデータの判断が可能となる。一方、データ転送線の配線抵抗が高い偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルの場合には、データ転送線に流れる電流が小さいため、VBL_thより低いデータ転送線電圧となるには、t3’より長いt3の時間まで待つ必要がある。
【0258】
ここで、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462により近いメモリセルの方がデータ転送線の配線抵抗がより低いため、読み出し信号量に相当するデータ転送線の読み出し電圧の電圧低下量がより大きくなる。例えば、図20(c)のように、同じデータ転送線に接続されたメモリセルであっても、センスアンプ回路462により近いメモリセル4dの方がメモリセル4bよりも読み出し時間を短縮できる。すなわち、図20(b)に表したメモリセル4bの読み出し時間t3よりも図20(c)に表したメモリセル4dの読み出し時間t3’を短くすることができる。
【0259】
図21は、図20において説明をした場合のデータの読み出しを例示するフローチャートである。
図21に表すように、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462を用いて、配線抵抗が低いデータ転送線に接続されたメモリセルのうちよりセンスアンプ回路に近いもののデータを先に出力するようにする。
まず、ステップSE4において、データ転送線を介してセンスアンプ回路461に接続されたメモリセルの方が、データ転送線を介してセンスアンプ回路462に接続されたメモリセルよりも読み出しシーケンスの時間(t0〜t4、t4’までの読み出し開始から終了までの時間)が短いか否かを判断する。
【0260】
この場合、例えば、半導体記憶装置の製造後にメモリセル4b、4cの読み出し時間をチェックすることにより判断基準を求めるようにすることができる。例えば、t1〜t4またはt1〜t4’までの読み出し時間をセンスアンプ回路461に接続されたメモリセル4cと、センスアンプ回路462に接続されたメモリセル4bとで測定することにより判断基準を求めるようにすることができる。そして、短い時間にて読み出しができるタイミングを、t1、t2、t3’、t4’またはt1、t2、t3、t4よりも短縮して設定しておく。
また、この設定には、例えば、半導体記憶装置内のROMに記憶されたデータを用いてもよいし、ヒューズに記憶されたデータを用いてもよい。
【0261】
本具体例においては、センスアンプ回路461に接続されたメモリセルの読み出し時間のタイミングを決めるパラメータと、センスアンプ回路462に接続されたメモリセルの読み出し時間のタイミングを決めるパラメータとを、それぞれ別にROMまたはヒューズに保持させておくことが特徴となる。
【0262】
ステップSE4において「Yes」の選択肢の場合には、ステップSE5において、1つのデータ制御線に接続されたメモリセルユニット4のメモリセルを、読み出しタイミングt1、t2、t3’、t4’のタイミングで、センスアンプ回路461のデータラッチに読み出す。
本具体例においては、配線抵抗の低いデータ転送線に繋がるメモリセルのデータを先に読み出すため、前述したステップSE1の場合よりもデータ転送線の放電時間を短くすることができる。
【0263】
ついで、ステップSE6において、ステップSE5において読み出したのと同じデータ制御線と接続されたメモリセルのデータを読み出しタイミングt1、t2、t3、t4のタイミングで、センスアンプ回路462のデータラッチに読み出す。
ついで、ステップSE7において、センスアンプ回路461のデータラッチに記憶されたデータを入出力バッファ45から、まず出力する。
ついで、ステップSE8において、センスアンプ回路462のデータラッチに記憶されたデータを入出力バッファ45から出力する。
このようにすることにより、センスアンプ回路461においてセンスアンプ回路462における場合よりもより早いタイミングで読み出しがされたデータをステップSE7において先に出力することができるので、より高速のデータ出力をすることができる。
【0264】
ステップSE4において「No」の選択肢の場合には、ステップSE9において、1つのデータ制御線に接続されたメモリセルユニット4のメモリセルを、読み出しタイミングt1、t2、t3’、t4’のタイミングで、センスアンプ回路462のデータラッチに読み出す。
【0265】
本具体例においては、配線抵抗の低いデータ転送線を読み出すため、前述したステップSE1の場合よりもデータ転送線の放電時間を短くすることができる。
【0266】
ついで、ステップSE10において、ステップSE9において読み出したのと同じデータ制御線と接続されたメモリセルのデータを読み出しタイミングt1、t2、t3、t4のタイミングで、センスアンプ回路461のデータラッチに読み出す。
ついで、ステップSE11において、センスアンプ回路462のデータラッチに記憶されたデータを入出力バッファ45から、まず出力する。
ついで、ステップSE12において、センスアンプ回路461のデータラッチに記憶されたデータを入出力バッファ45から出力する。
このようにすることにより、センスアンプ回路462においてセンスアンプ回路461における場合よりもより早いタイミングで読み出しがされたデータをステップSE11において先に出力することができるので、より高速のデータ出力をすることができる。
【0267】
以上のステップSE4からステップSE12を用いることにより、本具体例においては、センスアンプ回路461のデータラッチに記憶されたメモリセルのデータと、センスアンプ回路462のデータラッチに記憶されたメモリセルのデータと、メモリとしての論理アドレスを入れ替えることにより、配線抵抗の低いデータ転送線に接続されたメモリセルのデータを配線抵抗の高いデータ転送線に接続されたメモリセルよりも先に出力するようにすることができる。
なお、本具体例において、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線と奇数番目(奇数Index)のデータ転送線のデータ読み出しのタイミングt0、t1、t2については、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線と奇数番目(奇数Index)のデータ転送線とにおいて同時に行って、読み出しシーケンスの時間を短縮してもよい。
【0268】
例えば、t0からt1の間に、読み出しを行うデータ制御線の電圧を例えばVrefとし、他のデータ制御線の電圧をVreadとし、ソース線側の選択トランジスタおよびドレイン側の選択トランジスタを遮断状態から導通状態にして、データ転送線の電位を上昇させるようにする。その結果、読み出しを行うNANDストリングを導通状態として電位を上昇させることにより、読み出しを行うデータ制御線の電圧を他のデータ制御線の電圧よりも前に上昇させることができる。そのため、他のデータ制御線のVreadへの電圧上昇によるNANDストリングのチャネル部分の容量結合による電圧上昇を防ぐことができる。
【0269】
次に、t1からt2の間に、ソース線側の選択トランジスタまたはドレイン側の選択トランジスタを導通状態から遮断状態にする。
【0270】
その後、例えば、ステップSE5やステップSE9において、t2からt3’の間でソース線側の選択トランジスタまたはドレイン側の選択トランジスタを遮断状態から導通状態にすることにより、メモリセルのデータをセンスアンプ回路に読み出す。
また、ステップSE6やステップSE10において、t2からt3の間でソース線側の選択トランジスタまたはドレイン側の選択トランジスタを遮断状態から導通状態にすることにより、メモリセルのデータをセンスアンプ回路に読み出す。
【0271】
第3の実施形態に係る半導体記憶装置530によれば、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線同士、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線同士をそれぞれ組としているので、すべてのデータ転送線を混在させた場合よりも遅延時間(配線遅延)を揃えることができる。
そのため、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462のそれぞれに接続されるデータ転送線における遅延時間(配線遅延)のばらつきを、すべてのデータ転送線をセンスアンプ回路に混在させて接続した場合における遅延時間(配線遅延)のばらつきよりも、小さくまとめることができる。
よって、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線ごとに接続されたメモリセルユニット4において同時に読み出しや書き込みを行う場合に、遅延時間(配線遅延)の差の分、回路動作マージンを縮小しても回路を正常動作させることができる。そのため、回路動作を高速化できるので、従来よりも高速の読み出しや書き込みを実現できる。
【0272】
また、制御回路40によりセンスアンプ回路461からの出力と、センスアンプ回路462からの出力と、が異なるタイミングで行われる。そのため、回路動作を高速化できるので、従来よりも高速の読み出しや書き込みを実現できる。
また、配線抵抗が低いデータ転送線に接続されたメモリセルのデータを先に出力するようにすることができる。例えば、配線抵抗が低いデータ転送線に接続されたセンスアンプ回路からの出力は、配線抵抗が高いデータ転送線に接続されたセンスアンプ回路からの出力よりも先に行われるようにすることができる。その結果、より高速の読み出しや書き込みを実現できる。
また、配線抵抗が低いデータ転送線に接続されたメモリセルのうちよりセンスアンプ回路に近いもののデータを先に出力するようにすることができる。データ転送線においてセンスアンプ回路461により近い位置に設けられたメモリセルに関する出力が、より遠い位置に設けられたメモリセルに関する出力よりも先に行われるようにすることができる。また、データ転送線においてセンスアンプ回路462により近い位置に設けられたメモリセルに関する出力が、より遠い位置に設けられたメモリセルに関する出力よりも先に行われるようにすることができる。
【0273】
すなわち、制御回路40は、複数の第1配線に接続された複数の第1メモリセルユニットが有する複数のメモリセルのデータ読み出し時間が、複数の第2配線に接続された複数の第2メモリセルユニットが有する複数のメモリセルのデータ読み出し時間より短い場合、複数の第1メモリセルユニットが有する複数のメモリセルのデータを複数の第2メモリセルユニットが有する複数のメモリセルのデータよりも先に出力するようにすることができる。その結果、さらに高速の読み出しや書き込みを実現できる。そのため、動作特性及び信頼性を向上した半導体記憶装置を提供できる。
【0274】
次に、第3の実施形態に係る半導体記憶装置の変形例について例示をする。
図22は、メモリセルアレイとデータ転送線のレイアウトを例示する模式的回路図である。
図22に表したように半導体記憶装置531においては、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462をメモリセルアレイ1を挟んで対峙するようにして設けるのではなく、メモリセルアレイ1の片側にまとめて配置するようにしている。
【0275】
すなわち、センスアンプ回路461とセンスアンプ回路462はそれぞれまとまって配置されている。
【0276】
すなわち、本変形例においては、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線の一端に接続されたセンスアンプ回路461、および、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の一端に接続されたセンスアンプ回路462が、メモリセルアレイ1に対して同じ側に、まとまって配置されている。そのため、周辺回路や電源配線を集中して配置させることが可能となる。また、このようにまとめてセンスアンプ回路461、センスアンプ回路462を配置すれば、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462のそれぞれに接続されているデータ転送線の長さをほぼ同じようにすることができるので、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462のそれぞれに接続されるメモリセルに対するデータ転送線間のばらつきを小さくできる効果もある。
【0277】
この場合、センスアンプ回路461の上をセンスアンプ回路462に接続される偶数番目(偶数Index)のデータ転送線が横断するため、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線長よりも偶数番目(偶数Index)のデータ転送線長の方が長くなる。
このため、センスアンプ回路としては、センスアンプ回路461よりもセンスアンプ回路462の方がCR時定数が大きくなり、長い読み出し時間が必要となる。そのため、センスアンプ回路461に接続されるメモリセル4cと、センスアンプ回路462に接続されるメモリセル4bとにおいて読み出し時間を測定しておき、短い時間で読み出しができるタイミングを、t1、t2、t3’、t4’またはt1、t2、t3、t4よりも短縮して設定しておくようにする。そして、前述した第3の実施形態において説明したように、センスアンプ回路461とセンスアンプ回路462とで読み出しタイミングを切り替えることにより、読み出し時間を短縮するようにすることができる。
【0278】
この場合、前述した第3の実施形態において説明したように、センスアンプ回路461の読み出し時間のタイミングを決めるパラメータと、センスアンプ回路462の読み出し時間のタイミングを決めるパラメータとを、それぞれ別にROMまたはヒューズに保持するようにする。
なお、この変形例の場合、メモリセル4bはセンスアンプ回路462に接続され、センスアンプ回路462から遠いメモリセルを示しており、メモリセル4cはセンスアンプ回路461に接続され、センスアンプ回路461から遠いメモリセルを示しているとして読み替えればよい。
【0279】
本変形例に係る半導体記憶装置においても、前述した第3の実施形態に係る半導体記憶装置530と同様の効果を享受することができる。
また、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462をメモリセルアレイ1の片側にまとめて配置するようにしているので、周辺回路や電源配線を集中して配置させることが可能となる。また、このようにまとめてセンスアンプ回路461、センスアンプ回路462を配置すれば、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462のそれぞれに接続されているデータ転送線の長さを同じようにすることができるので、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462のそれぞれに接続されるメモリセルに対するデータ転送線間のばらつきを小さくできる効果もある。
【0280】
(第4の実施形態)
図23は、第4の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を例示するブロック図である。
第4の実施形態に係る半導体記憶装置540もNAND型EEPROMを例にして説明する。
図23に例示をしたものは、図16に例示をしたものと比較して、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線と奇数番目(奇数Index)のデータ転送線とをデータ転送線切り替え回路491を介して、1つのセンスアンプ回路463に接続しているところが異なっている。なお、図16などにおいて例示をしたものと同様の内容については説明を適宜省略する。
【0281】
メモリセルアレイ1には、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bが設けられている。第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bが設けられる領域が、それぞれ第1及び第2領域RG1及びRG2となる。第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bには、後述するように、直列に接続された複数の不揮発性のメモリセルを含むメモリセルユニット4が複数設けられる。
【0282】
このメモリセルアレイ1に設けられたデータ転送線からのデータを検出し、あるいは書き込みデータを保持するためにセンスアンプ回路463がデータ転送線切り替え回路491を介してメモリセルアレイ1の片側に設けられている。このセンスアンプ回路463は、データラッチを兼ねており、例えばフリップフロップ回路を含む。
【0283】
さらに、センスアンプ回路463は、入出力バッファ45と接続されている。また、センスアンプ回路463のアドレスを指定するためのカラムデコーダ483が設けられている。これらは、カラムデコーダ483によりアドレス指定されたカラムを選択し、データの読み書きをするのに必要な回路となっている。
そのため、センスアンプ回路463から入出力バッファ45へのデータ転送は、アドレスバッファ47からのアドレス信号47aを受けるカラムデコーダ483の出力によって制御される。
【0284】
ロウデコーダ3は、メモリセルアレイ1に対して、メモリセルの選択を行う。具体的には、ロウデコーダ3は、制御ゲート線7、及び、選択ゲート線5、6の制御を行う。
【0285】
図24は、第4の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を例示する模式的回路図である。
前述したように、半導体記憶装置540にはメモリセルアレイ1が設けられており、メモリセルアレイ1には、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bが設けられている。 第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bは、複数のメモリセルユニット4を有する。複数のメモリセルユニット4のそれぞれには、複数のデータ制御線7が接続されている。
【0286】
また、メモリセルユニット4の端部のそれぞれには、複数のメモリセルユニット4から1つのメモリセルユニット4を選択してデータ転送線BL(データ転送線BL1〜BL2n)に接続するために、選択トランジスタが配置されている。それぞれの選択トランジスタのゲート電極は、選択ゲート線5及び選択ゲート線6にそれぞれ接続されている。
【0287】
データ転送線BLは、データ制御線7と互いに直交する方向に伸び、データ制御線7と互いに直交する方向に所定の間隔をおいて配置されている。
メモリセルユニット4に含まれるメモリセルMCは、データ転送線BLとデータ制御線7との交点に設けられる。メモリセルMCのそれぞれは、独立してデータの書き込み、保持、消去及び読み出しが可能となっている。
【0288】
これらメモリセルユニット4はデータ転送線方向、およびデータ制御線7方向に複数個形成されメモリセルマトリックスを形成している。図24では、図をわかりやすくするために、メモリセルユニット4とデータ転送線との接続部は省略されているが、これらは図4(b)で表しているように、ブロック選択線SSL側の選択トランジスタを介してデータ転送線に接続されている。
【0289】
さらに、データ転送線の一端には、センスアンプ回路463が、トランジスタQ1またはQ2を介して接続されている。本実施の形態においては、メモリセルのパターン周期性を維持し、センスアンプ回路より単純な配線やトランジスタパターンを用いることによってメモリセルの占有率を上昇させるため、センスアンプ回路463はメモリセルブロック(第1及び第2メモリセルブロック1a及び1b)の中及びその間に埋め込まれるのではなく、データ転送線BLの一端にまとめて配置されている。
【0290】
データ転送線切り替え回路491は、センスアンプ回路463と、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線または奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と、の接続を切り替える。
【0291】
本実施の形態においては、データ転送線切り替え回路491は、図24に表したトランジスタQ1、Q2からなる。トランジスタQ1、Q2からなるデータ転送線切り替え回路491は、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線(例えば、BL2、BL4、BL6、・・・、BL2n−2、BL2n)と、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線(例えば、BL1、BL3、BL5、・・・、BL2n−3、BL2n−1)とを選択的にセンスアンプ回路463に接続するための回路となっている。
そして、このデータ転送線切り替え回路491を構成するトランジスタQ1、Q2の制御ゲート端子SEN1およびSEN2への信号を制御回路40により制御することで、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線とを切り替える。すなわち、制御回路40aにより奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルユニットが有するメモリセルの出力と、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルユニットが有するメモリセルの出力と、が異なるタイミングで行われることができるようになっている。
【0292】
さらに、図23に例示をしたように、複数のメモリセルユニット4が接続されたデータ制御線7の一端には、データ制御線7を駆動するデータ制御線ドライバ2(データ制御線ドライバ2a及び2b)が設けられている。
ここで、図23に例示したように、X軸方向において隣接する複数のメモリセルユニット4において、データ制御線ドライバ2の配置を容易にし、1つのメモリセルブロック(例えば第1メモリセルブロック1a)のデータ制御線7間のスキューを揃えるために、データ制御線ドライバ2は、2つに分割され、データ制御線ドライバ2a及び2bとして、メモリセルブロックの両端に設けられている。
【0293】
図1において例示をしたように、側壁加工によってデータ転送線を形成した場合には、配線抵抗が低い低抵抗配線L1と、配線抵抗が低抵抗配線L1よりも高い高抵抗配線L2とが、Y軸方向に、交互に並んで形成される。よって、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線同士、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線同士においては配線抵抗を揃えることができる。その結果として、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線同士、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線同士においては遅延時間(配線遅延)を揃えることができる。
【0294】
すなわち、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線同士、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線同士をそれぞれ組とすれば、それぞれの組の中においては奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線とを混在させた場合よりも遅延時間(配線遅延)を揃えることができる。
そのため、データ転送線切り替え回路491により奇数番目(奇数Index)のデータ転送線同士、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線同士ごとにセンスアンプ回路463に接続されるデータ転送線における遅延時間(配線遅延)のばらつきを、すべてのデータ転送線を混在させてセンスアンプ回路に接続した場合における遅延時間(配線遅延)のばらつきよりも、小さくまとめることができる。
よって、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線ごとに接続されたメモリセルユニット4において同時に読み出しや書き込みを行う場合に、遅延時間(配線遅延)の差の分、回路動作マージンを縮小しても回路を正常動作させることができる。そのため、回路動作を高速化できるので、従来よりも高速の読み出しや書き込みを実現できる。
【0295】
ここで、第3の実施形態において例示をしたものと同様に、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線と、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線とにおいて、それぞれ、読み出しができるタイミングを、t1、t2、t3’、t4’またはt1、t2、t3、t4と異なって設定するようにすることにより、読み出し時間を短縮することができる。
【0296】
なお、図21に例示をしたものと同様に、まず、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたセンスアンプ回路463から最も遠いメモリセルの読み出し時間と、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたセンスアンプ回路463から最も遠いメモリセルの読み出し時間とを比較し、短い時間にて読み出しができるタイミングを、t1、t2、t3’、t4’またはt1、t2、t3、t4よりも短縮して設定する。この設定には、例えば、半導体記憶装置内のROMに記憶されたデータを用いてもよいし、ヒューズに記憶されたデータを用いてもよい。
【0297】
そのため、本実施の形態においては、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルの読み出し時間のタイミングを決めるパラメータと、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルの読み出し時間のタイミングを決めるパラメータとを、それぞれ別にROMまたはヒューズに保持させておくことが特徴となる。
【0298】
また、本実施の形態においては、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルのデータと、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルのデータと、メモリとしての論理アドレスを入れ替えることにより、配線抵抗の低いデータ転送線に接続されたメモリセルのデータを配線抵抗の高いデータ転送線に接続されたメモリセルよりも先に出力するようにすることができる。
【0299】
なお、本実施の形態においても、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線と奇数番目(奇数Index)のデータ転送線のデータ読み出しのタイミングt0、t1、t2については、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線と奇数番目(奇数Index)のデータ転送線とにおいて同時に行って、読み出しシーケンスの時間を短縮してもよい。
【0300】
例えば、t0からt1の間に、読み出しを行うデータ制御線の電圧を例えばVrefとし、他のデータ制御線の電圧をVreadとし、ソース線側の選択トランジスタおよびドレイン側の選択トランジスタを遮断状態から導通状態にして、データ転送線の電位を上昇させるようにする。その結果、読み出しを行うNANDストリングを導通状態として電位を上昇させることにより、読み出しを行うデータ制御線の電圧を他のデータ制御線の電圧よりも前に上昇させることができる。そのため、他のデータ制御線のVreadへの電圧上昇によるNANDストリングのチャネル部分の容量結合による電圧上昇を防ぐことができる。
次に、t1からt2の間に、ソース線側の選択トランジスタまたはドレイン側の選択トランジスタを導通状態から遮断状態にする。
【0301】
その後、例えば、前述したステップSE5やステップSE9において、t2からt3’の間でソース線側の選択トランジスタまたはドレイン側の選択トランジスタを遮断状態から導通状態にすることにより、メモリセルのデータをセンスアンプ回路に読み出す。
また、前述したステップSE6やステップSE10において、t2からt3の間でソース線側の選択トランジスタまたはドレイン側の選択トランジスタを遮断状態から導通状態にすることにより、メモリセルのデータをセンスアンプ回路に読み出す。
【0302】
第4の実施形態に係る半導体記憶装置540においても、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線同士、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線同士をそれぞれ組としているので、すべてのデータ転送線を混在させた場合よりも遅延時間(配線遅延)を揃えることができる。
そのため、データ転送線切り替え回路491により奇数番目(奇数Index)のデータ転送線同士、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線同士ごとにセンスアンプ回路463に接続されるデータ転送線における遅延時間(配線遅延)のばらつきを、すべてのデータ転送線を混在させてセンスアンプ回路に接続した場合における遅延時間(配線遅延)のばらつきよりも、小さくまとめることができる。
よって、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線ごとに接続されたメモリセルユニット4において同時に読み出しや書き込みを行う場合に、遅延時間(配線遅延)の差の分、回路動作マージンを縮小しても回路を正常動作させることができる。そのため、回路動作を高速化できるので、従来よりも高速の読み出しや書き込みを実現できる。
【0303】
また、制御回路40aにより制御回路40aにより奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルユニットが有するメモリセルの出力と、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルユニットが有するメモリセルの出力と、が異なるタイミングで行われる。そのため、回路動作を高速化できるので、従来よりも高速の読み出しや書き込みを実現できる。
また、配線抵抗が低いデータ転送線に接続されたメモリセルのデータを先に出力するようにすることができる。例えば、配線抵抗が低いデータ転送線に接続されたメモリセルユニットが有するメモリセルの出力は、配線抵抗が高いデータ転送線に接続されたメモリセルユニットが有するメモリセルの出力よりも先に行われるようにすることができる。その結果、より高速の読み出しや書き込みを実現できる。
また、配線抵抗が低いデータ転送線に接続されたメモリセルのうちよりセンスアンプ回路に近いもののデータを先に出力するようにすることができる。配線抵抗が低いデータ転送線においてセンスアンプ回路463により近い位置に設けられたメモリセルのデータ出力が、より遠い位置に設けられたメモリセルのデータ出力よりも先に行われるようにすることができる。配線抵抗が高いデータ転送線においてセンスアンプ回路463により近い位置に設けられたメモリセルのデータ出力が、より遠い位置に設けられたメモリセルのデータ出力よりも先に行われるようにすることができる。すなわち、制御回路40aは、複数の第1配線に接続された複数の第1メモリセルユニットが有する複数のメモリセルのデータ読み出し時間が、複数の第2配線に接続された複数の第2メモリセルユニットが有する複数のメモリセルのデータ読み出し時間より短い場合、複数の第1メモリセルユニットが有する複数のメモリセルのデータを複数の第2メモリセルユニットが有する複数のメモリセルのデータよりも先に出力するようにすることができる。その結果、さらに高速の読み出しや書き込みを実現できる。そのため、動作特性及び信頼性を向上した半導体記憶装置を提供できる。
【0304】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態に係る半導体記憶装置について例示をする。
まず、メモリセルに流れる電流Icellが減少することで生じる読み出し速度の低下に関して説明をする。
データ転送線に印加される電圧が一定の場合には、センスアンプ回路の近傍に接続されたメモリセルに比べ、センスアンプ回路からもっとも遠くに接続されたメモリセルではデータ転送線の直列抵抗が重畳されるため、メモリセルに流れる電流Icellが減少する。
【0305】
図25は、メモリセルの電流−電圧特性を例示する模式グラフ図である。
図25は、例えば、ドレイン電極に0.3Vから1Vの間の一定の電圧を加えた場合である。また、横軸はメモリセルトランジスタのソース電圧に対するゲート電圧を表し、縦軸はメモリセルのドレイン電流を対数表示したものである。
図25に表すように、サブスレッショルド係数によるしきい値のばらつき幅は、メモリセルに流れる電流(ドレイン電流)が小さくになるにつれ増大する。
図中の実線は、平均的なしきい値を持つメモリセルの電流−電圧特性を表したものである。メモリセルのドレイン電流が、5極管しきい値(pentode threshold voltage)に比較して十分低い場合には、ゲート電圧に対して、対数的に依存するサブスレッショルド特性を示すことになる。
【0306】
また、図中の破線は、しきい値が低いメモリセルに対する電流−電圧特性を表したものである。ここで、しきい値が低いメモリセルでは、例えば、平均的なしきい値を持つメモリセルよりも実効ゲート長が短くなる。そして、ドレイン電極に0.3Vから1Vの間の一定の電圧が印加されると、平均的なしきい値を持つメモリセルの場合と比べて、ドレインとソース間にパンチスルー電流が多く流れ、短チャネル効果が悪化する。その結果、サブスレッショルド特性の傾きは、平均的なしきい値を持つメモリセルの場合よりも大きくなる。
【0307】
一方、図中の一点鎖線は、しきい値が高いメモリセルに対する電流−電圧特性を表したものである。ここで、しきい値が高いメモリセルでは、例えば、平均的なしきい値を持つメモリセルよりも実効ゲート長が長くなる。そして、ドレイン電極に0.3Vから1Vの間の一定の電圧が印加されると、平均的なしきい値を持つメモリセルの場合と比べて、ドレインとソース間に流れるパンチスルー電流が抑制され、短チャネル効果が改善する。その結果、サブスレッショルド特性の傾きは、平均的なしきい値を持つメモリセルの場合よりも小さくなる。
【0308】
ここで、メモリセルに流れるドレイン電流が大きいI1と、ドレイン電流が小さいI2とで、メモリセルのしきい値のばらつきを比較する。図25に表すように、ドレイン電流I1の場合のしきい値のばらつきはしきい値幅1となり、ドレイン電流I2の場合のしきい値のばらつきはしきい値幅2となる。そして、電流がより低い場合のしきい値幅2は、しきい値幅1よりも大きくなる。この様なメモリセルのサブスレッショルド係数のばらつきによって、メモリセルに流れる電流がより低い場合には、メモリセル間のしきい値のばらつきも増加する。
【0309】
一方、センスアンプ回路に接続されているデータ転送線端の電圧振幅ΔVを大きくしようとすると、センスアンプ回路からもっとも遠いメモリセルでは、充分なメモリセル電流を確保できないという問題が生じる。
また、データ転送線の電流が安定するまでの時間に影響するものとして、データ転送線間の容量結合により、(データ転送線の容量)×(データ転送線の抵抗)の積の時定数分の遅延以外に、(データ転送線容量)×(ΔV/Icell)に比例する成分がある。そのため、センスアンプ回路に接続されているデータ転送線端の電圧振幅ΔVが大きくとなると、より遅延が増加してしまう。
この場合、データ転送線端の電圧振幅ΔVを小さくすると、センスアンプ感度の高いセンスアンプ回路が必要となる。センスアンプ感度の高いセンスアンプ回路とするためには、例えば、センスアンプ回路の入力に使われるトランジスタのゲート面積を大きくする必要があり、センスアンプ回路面積が増加することになる。
【0310】
そのため、本実施の形態においては、センスアンプ回路から遠いメモリセルにおいて読み出しを行う際にデータ転送線の電圧変動を増大させて、メモリセル電流を増加させることにより、読み出し速度が低下するのを抑制するようにしている。
【0311】
図26は、第5の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を例示するブロック図である。
第5の実施形態に係る半導体記憶装置550もNAND型EEPROMを例にして説明する。
図26に例示をしたものは、図16に例示をしたものと比較して、センスアンプ回路461に接続されたレジスタ471(第1レジスタ)と、センスアンプ回路462に接続されたレジスタ472(第2レジスタ)とをさらに備えたところが異なっている。なお、図16などにおいて例示をしたものと同様の内容については説明を適宜省略する。
【0312】
奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線とに接続された各メモリセルユニット4までの配線抵抗値は、予め測定されレジスタ471、472に格納されている。
これらの配線抵抗値は、例えば、製品出荷前のテストなどにより予め測定しておくことによりレジスタ471、472に格納される。
【0313】
なお、レジスタ417、472に格納されるのは配線抵抗値だけでなく、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線の直列抵抗値から奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の直列抵抗値を引いた差(ΔR)を格納してもよい。また、レジスタ417、472にΔR×Icellに近い電圧を格納させておいてもよい。ここで、Icellは、例えば、製品出荷前のテストなどにより測定することが可能である。
【0314】
すなわち、レジスタ471、472は、各メモリセルユニット4ごとに予め測定された配線抵抗値などを格納する。
【0315】
第5の実施形態に係る半導体記憶装置550は、センスアンプ回路461、462に近いメモリセルユニットと、センスアンプ回路461、462から遠いメモリセルユニットとで、読み出し時のデータ転送線電圧を変更する。
すなわち、メモリセルにおける読み出しを行う時に、センスアンプ回路461によりデータ転送線を充電する電圧と、センスアンプ回路462によりデータ転送線を充電する電圧とが、メモリセルユニットの位置によって異なる。
【0316】
つまり、センスアンプ回路461は、メモリセルにおける読み出しを行う時に、メモリセルユニットの位置とレジスタ471に格納された配線抵抗値とに基づいて、データ転送線に印加する電圧を変化させる。また、センスアンプ回路462は、メモリセルにおける読み出しを行う時に、メモリセルユニットの位置とレジスタ472に格納された配線抵抗値とに基づいて、データ転送線に印加する電圧を変化させる。
【0317】
例えば、センスアンプ回路から遠いメモリセルユニットにおいて読み出しを行う場合、センスアンプ回路に近いメモリセルユニットにおいて読み出しを行う場合よりも、データ転送線に印加する電圧を上昇させることにより、メモリセルに流れる電流を増大させる。この際、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルと、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルとに流れる電流をほぼ同等とすることで、読み出し電流がより一定となるようにされる。
なお、以下においては、読み出し時の動作について説明するが、書き込みのベリファイ時の動作も同様である。そのため、書き込み時の動作についてはその説明を省略する。
【0318】
半導体記憶装置550の回路構成としては、前述した半導体記憶装置530の回路構成とほぼ同様であるが、読み出し時の駆動方法に本実施形態の特色がある。
そのため、図18(a)に例示をしたものと同様のメモリセル配置の場合を例に挙げて説明する。
図27(a)は、センスアンプ回路、メモリセルユニットなどの配置を例示する模式図である。図27(a)に表したものは、図18(a)において例示をしたものと同様の配置をしている。
【0319】
メモリセルユニット4cはセンスアンプ回路461に接続され、センスアンプ回路461から最も遠いメモリセルユニットを表している。メモリセルユニット4bはセンスアンプ回路462に接続され、センスアンプ回路462から最も遠いメモリセルユニットを表している。また、「c」はセンスアンプ回路461から最も遠いデータ転送線端を表し、「b」はセンスアンプ回路462から最も遠いデータ転送線端を表している。また、「a」はセンスアンプ回路461から最も近いデータ転送線位置を表し、「d」はセンスアンプ回路462から最も近いデータ転送線位置を表している。
【0320】
ここで、図27(a)においては、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線であるBL1、BL3、BL5、・・・、BL(2n−1)が上側に記載されているセンスアンプ回路462に接続されている。また、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線であるBL2、BL4、BL6、・・・、BL2nが下側に記載されているセンスアンプ回路461に接続されている。
【0321】
図27(b)は、配線抵抗に差があった場合において同時読み出しを行う場合のリードタイミングを例示する模式図である。すなわち、接続された奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線との配線抵抗に差があった場合において同時読み出しを行う場合のリードタイミングを例示する模式図である。
【0322】
例えば、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462を同時に駆動した場合のメモリセル4c、メモリセル4dにおける電圧の変化を例示する模式的グラフ図である。この場合、センスアンプ回路461よりもセンスアンプ回路462に近いメモリセルにおける読み出しを行う場合のデータ転送線の電圧とタイミングを表している。
【0323】
図27(b)に表すように、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線には、センスアンプ回路461によってt0からt1までの間にGNDからVBL1−eまで電圧が印加される。一方、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線には、センスアンプ回路462によってt0からt1までの間にGNDからVBL2−oまで電圧が印加される。すなわち、t0からt1までの間にGNDからVBL1−e、VBL2−oまでそれぞれ充電される。
【0324】
ここで、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に印加される電圧をVBL1−e、VBL2−eとし、奇数番目(奇数Index)データ転送線に印加される電圧をVBL1−o、VBL2−oとする。ただし、両者を総称して、単にVBL1、VBL2と称する場合もある。なお、VBL1−eとVBL1−o、または、VBL2−eとVBL2−oは同じ値で有っても良いし、異なる値であっても良い。
【0325】
ここで、センスアンプ回路461よりもセンスアンプ回路462に近いメモリセルにおいて読み出しを行う場合、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルはセンスアンプ回路462までのデータ転送線長が短くデータ転送線の直列抵抗が低くなる。一方、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルはセンスアンプ回路461までのデータ転送線長が長く、データ転送線の直列抵抗がより高くなる。
【0326】
この場合、センスアンプ回路461よりもセンスアンプ回路462に近いメモリセルにおいて読み出しを行う場合、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線の直列抵抗値から奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の直列抵抗値を引いた差をΔR、読み出し時にメモリセルに流れる電流をIcellとすると、VBL1−eはVBL2−oにΔR×Icellを加えた値となる。その様にすれば、センスアンプ回路461から遠い位置に配置されたメモリセルと、センスアンプ回路462から近い位置に配置されたメモリセルとで、メモリセルに流す電流をほぼ同じにすることが出来る。
【0327】
例えば、VBL1−eは、データ転送線の3/4の長さに相当する配線の直列抵抗が接続されたメモリセルに流れる電流となるような電圧とし、データ転送線同士における電圧が等しくなるようにするのが望ましい。ここで、メモリセルが接続されたデータ転送線の位置までの直列抵抗から、センスアンプ回路に接続されたデータ転送線の位置の直列抵抗を引いた差をΔR1とする。また、読み出し時にデータ転送線の1/4の長さに相当する配線の直列抵抗が接続されたメモリセルに流れる電流をIcellとする。
【0328】
このとき、VBL1−eはVBL2−oに(1/2)×ΔR1×Icellを加えた値とすることで、センスアンプ回路461から遠い位置に配置されたメモリセルに流れる電流と、センスアンプ回路461に近い位置に配置されたメモリセルに流れる電流とを、より一定にすることができる。具体的には、ΔR1がデータ転送線の抵抗以外のメモリセルの直列抵抗成分に比べて十分小さい場合、メモリセルアレイ1におけるメモリセル(メモリセルが属するメモリセルブロックの場合もある)の配置位置によるデータ転送線上の位置における配線抵抗変動を、±(1/4)×ΔR1×Icell以下と最も抑えることができる。
【0329】
また、図18に例示をしたものでは、読み出し時のデータ転送線の電圧は、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線と奇数番目(奇数Index)のデータ転送線とで等しくしたが本実施の形態のようにVBL1−eをVBL2−oに対して、例えば、0.1Vから1Vの範囲の高い電圧とすることにより、センスアンプ回路461から遠い位置に配置されたメモリセル4cと、センスアンプ回路462に近い位置に配置されたメモリセル4dとで、メモリセルに流れる電流の差を縮小することができる。
【0330】
また、このようにすることにより、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線と奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の両方にVBL1−eの電圧を印加した場合と比べて、メモリセルに流れる最小電流を維持しつつ、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルに流れる電流を小さくすることができる。そのため、半導体記憶装置の消費電力をより削減することができるとともに、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に大きな電流が流れることによる配線の信頼性低下を抑えることができる。
【0331】
また、図27(c)は、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462を同時に駆動した場合のメモリセル4a、メモリセル4bにおける電圧の変化を例示する模式的グラフ図である。すなわち、センスアンプ回路462よりもセンスアンプ回路461に近いメモリセルにおける読み出しを行う場合のデータ転送線の電圧とタイミングを表している。
【0332】
図27(c)に表すように、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線には、センスアンプ回路461によってt0からt1までの間にGNDからVBL2−eまで電圧が印加される。一方、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線には、センスアンプ回路462によってt0からt1までの間にGNDからVBL1−oまで電圧が印加される。すなわち、t0からt1までの間にGNDからVBL1−o、VBL2−eまでそれぞれ充電される。
【0333】
ここで、センスアンプ回路462よりもセンスアンプ回路461に近いメモリセルにおいて読み出しを行う場合、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルはセンスアンプ回路461までのデータ転送線長が短くデータ転送線の直列抵抗が低くなる。一方、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルはセンスアンプ回路462までのデータ転送線長が長く、データ転送線の直列抵抗がより高くなる。
【0334】
ここで、センスアンプ回路462よりもセンスアンプ回路461に近いメモリセルにおいて読み出しを行う場合、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線の直列抵抗値から奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の直列抵抗値を引いた差をΔR、読み出し時にメモリセルに流れる電流をIcellとすると、VBL1−oはVBL2−eにΔR×Icellを加えた値となる。その様にすれば、センスアンプ回路462から遠い位置に配置されたメモリセルと、センスアンプ回路461から近い位置に配置されたメモリセルとで、メモリセルに流す電流をほぼ同じにすることが出来る。
【0335】
また、このようにすることにより、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線と奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の両方にVBL1−oの電圧を印加した場合と比べて、メモリセルに流れる最小電流を維持しつつ、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルに流れる電流を小さくすることができる。そのため、半導体記憶装置の消費電力をより削減することができるとともに、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に大きな電流が流れることによる配線の信頼性低下を抑えることができる。
【0336】
次に、図27(b)、(c)に表すように、t1からt2において、データ転送線の電圧を一定に維持する。すなわち、VBL1、VBL2をそれぞれ一定に維持する期間(t1〜t2)を設ける。ここで、メモリセルの読み出しを行う場合、電流端子が直列に接続されたメモリセルに対して、メモリセルに割り当てられたデータのうち最大値を有するしきい値より高い電位であるVreadを制御ゲートに接続されたデータ制御線に印加するようにする。
【0337】
この場合、読み出しを行うデータ制御線の電圧をVrefとすれば、それに隣接するデータ制御線の電位はVreadであるので、容量結合によって読み出しを行うデータ制御線の電圧Vrefからの電圧変動が生じる。この電圧変動によってしきい値を越えた場合の誤読み出しを防ぐために、容量結合による電圧変動を収束させるための時定数より長いt1からt2の期間、データ転送線の電圧を一定に維持するようにしている。
【0338】
ここで、例えば、t0からt1の間に、読み出しを行うデータ制御線の電圧を例えばVrefとし、他のデータ制御線の電圧をVreadとし、ソース線側の選択トランジスタおよびドレイン側の選択トランジスタを遮断状態から導通状態にして、データ転送線の電位を上昇させるようにする。その結果、読み出しを行うNANDストリングを導通状態として電位を上昇させることにより、読み出しを行うデータ制御線の電圧を他のデータ制御線の電圧よりも前に上昇させることができる。そのため、他のデータ制御線のVreadへの電圧上昇によるNANDストリングのチャネル部分の容量結合による電圧上昇を防ぐことができる。
【0339】
次に、t1からt2の間に、ソース線側の選択トランジスタまたはドレイン側の選択トランジスタを導通状態から遮断状態にする。
ついで、t2からt3の間に、データ転送線に充電した電荷を、例えば、ソース線側の選択トランジスタまたはドレイン側の選択トランジスタを遮断状態から導通状態にすることにより、放電する。
【0340】
この際、センスアンプ回路461およびセンスアンプ回路462にて、メモリセルの電荷の大小を判断する。例えば、センスアンプ回路461にて、センスアンプ回路461に接続された端のデータ転送線の電位の大小をある基準値(例えば、図27(b)に例示したVBL1_th)と比較して大小の測定を行うことにより、メモリセルの電荷の大小を判断する。また、センスアンプ回路462にて、センスアンプ回路462に接続された端のデータ転送線の電位の大小をある基準値(例えば、図27(b)に例示したVBL2_th)と比較して大小の測定を行うことにより、メモリセルの電荷の大小を判断する。
【0341】
ここで、図27(b)においてメモリセルの論理値が"0"の場合、つまり、書き込み状態(メモリセルのしきい値がVrefよりも大きい)の場合、書き込みしきい値より低いVref値によって判断するため、メモリセル電流は流れず、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線の電位は、VBL1−eに保たれる。また、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の電位は、VBL2−oに保たれる。
【0342】
一方、図27(b)においてメモリセルの論理値が"1"の場合、つまり、例えば、消去状態(メモリセルのしきい値がVrefよりも小さい)の場合、消去しきい値より高いVref値によって判断するため、メモリセル電流が流れ、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線、および、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の電位が低下する。
【0343】
なお、上記は、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルの論理状態と、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルの論理状態が同じ場合で説明をしている。しかし、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルの論理状態と、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルの論理状態が異なる場合があるのは言うまでもない。
【0344】
また、図27(c)に例示をした場合には、センスアンプ回路462にて、センスアンプ回路462に接続された端のデータ転送線の電位の大小をある基準値(例えば、図27(c)に例示したVBL1_th)と比較して大小の測定を行うことにより、メモリセルの電荷の大小を判断する。また、センスアンプ回路461にて、センスアンプ回路461に接続された端のデータ転送線の電位の大小をある基準値(例えば、図27(c)に例示したVBL2_th)と比較して大小の測定を行うことにより、メモリセルの電荷の大小を判断する。
【0345】
ここで、図27(c)においてメモリセルの論理値が"0"の場合、つまり、書き込み状態(メモリセルのしきい値がVrefよりも大きい)の場合、書き込みしきい値より低いVref値によって判断するため、メモリセル電流は流れず、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線の電位は、VBL2−eに保たれる。また、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の電位は、VBL1−oに保たれる。
【0346】
一方、図27(c)においてメモリセルの論理値が"1"の場合、つまり、例えば、消去状態(メモリセルのしきい値がVrefよりも小さい)の場合、消去しきい値より高いVref値によって判断するため、メモリセル電流が流れ、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線、および、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の電位が低下する。
【0347】
ここで、前述したように、センスアンプ回路461、462から遠いメモリセルと、センスアンプ回路461、462に近いメモリセルとのセル電流Icellの差を縮小できるため、データ転送線のVBL1−oとVBL1_thとの差と、VBL2−eとVBL2_thとの差とを小さくすることができるので、t2とt3との間における時間(メモリセル電流を測定する時間)をほぼ等しくすることができる。
【0348】
なお、センスアンプ回路461およびセンスアンプ回路462にて、データ転送線に流れる電流を測定することにより、メモリセルの電荷の大小を判断してもよい。この場合、センスアンプ回路からのデータ転送線長が異なっていても、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線と奇数番目(奇数Index)のデータ転送線とで、メモリセルに流れる電流を揃えることができる。そのため、t2とt3との間における時間に相当するセンスアンプ回路461とセンスアンプ回路462とにおいてメモリセルの電荷の大小を判断するのに必要な時間を、より揃えることができる。
【0349】
また、この場合、メモリセルユニットのビット線コンタクトに印加する電圧を、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線と、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線とでより揃えることができる。この結果、読み出し時の電圧Vreadとチャネルとの電位差によるしきい値変動(リードディスターブ)を偶数番目(偶数Index)のデータ転送線と奇数番目(奇数Index)のデータ転送線とで揃えることができ、より信頼性の高い半導体記憶装置を提供することができる。また、センスアンプ回路463から遠いメモリセルと、センスアンプ回路463に近いメモリセルとで読み出し時の電圧Vreadとチャネルとの電位差によるしきい値変動(リードディスターブ)を揃えることができ、より信頼性の高い半導体記憶装置を提供することができる。
【0350】
以上では、消去状態("1")と書き込み状態("0")との2値を例としてあげているが、勿論、多値の場合にも適用させることができる。その様な場合には、例えば、消去状態と書き込み状態とに隣接する状態のしきい値を設けるようにすればよい。
【0351】
ここで、センスアンプ回路461およびセンスアンプ回路462とを同時に同じタイミングで駆動する場合(図18において例示をした場合)、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルと、奇数番目(奇数Index)のデータに接続されたメモリセルとで、同じタイミングで読み出しを行うためには、データ転送線に充電した電荷を放電する時間としてt3のタイミングまで待つ必要がある。そして、t3からt4の間で、データ転送線に充電した電荷をさらに放電してGDN電位とし、次の読み出しのシーケンスの条件を揃えるようにする。
【0352】
本実施の形態においては、読み出し時、またはベリファイ読み出し時に、各メモリセルユニットのデータ転送線の長手方向における位置(センスアンプ回路からの位置)によって、データ転送線に印加する電圧を変化させるようにしている。そのため、各メモリセルに流れる電流をより揃えることができる。
【0353】
ここで、データ転送線に印加する電圧を変化させる方法としては、例えば、センスアンプ回路461よりもセンスアンプ回路462に近い第1メモリセルブロック1aにおいて図27(b)に例示をした様な電圧印加を行い、センスアンプ回路462よりもセンスアンプ回路461に近い第2メモリセルブロック1bにおいて図27(c)に例示をした様な電圧印加を行うように切り替えを行うような方法を例示することができる。
【0354】
この場合、センスアンプ回路461および、センスアンプ回路462に、少なくとも2種類の電圧をデータ転送線に印加する回路を追加するか、メモリセルユニットの位置に応じて、データ転送線に印加する電圧を変化させる回路を追加すればよい。
ここで、レジスタ471、472には、各メモリセルユニット4ごとに予め測定された配線抵抗値が格納されているので、格納されている配線抵抗値に基づいて、少なくとも2種類の電圧を切り替えたり、データ転送線に印加する電圧を変化させたりすればよい。
【0355】
また、本実施の形態においては、2種類のデータ転送線に電圧を印加する場合を例示したが、次のように、2種類以上のデータ転送線に電圧を印加するようにすれば、本実施の形態に係る効果をより有効なものとすることが出来る。
【0356】
例えば、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線における長さと、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線における長さとの差が小さい、すなわち、センスアンプ回路461からメモリセルユニットまでの距離と、センスアンプ回路462からメモリセルユニットまでの距離との差が小さい場合には、VBL1とVBL2の中間の電圧を、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線、および、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に印加することにより、メモリセルに流れる電流をより一定とすることができる。
【0357】
また、VBL1とVBL2の中間の電圧を印加するようにすることで、偶数番目(偶数Index)と奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の両方にVBL1の電圧を印加する場合と比べてメモリセルの電流を小さくすることができる。
そのため、半導体記憶装置の消費電力をより削減することができるとともに、データ転送線に大きな電流が流れることによる配線の信頼性低下を抑えることができる。
【0358】
本実施の形態によれば、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線と奇数番目(奇数Index)のデータ転送線とに接続されたメモリセルユニットにおける読み出しや書き込みを同時に行う場合、メモリセルに流れる電流Icellを、データ転送線の配線長に拠らず、より一定に保つことができる。また、メモリセルの電流を測定するのに必要な時間をより一定に揃えることができる。
【0359】
ここで、図25において例示をしたように、サブスレッショルド係数によるしきい値のばらつき幅はメモリセルに流れる電流が小さくになるにつれ増大する。特に、センスアンプ回路から遠い位置にあるメモリセルブロックに属するメモリセルにおいて顕著となる。本実施の形態によれば、メモリセルに流れる電流の最小値を大きくすることができるので、センスアンプ回路のセンス電流を一定とし、しきい値のばらつき幅をより小さくすることができる。
この場合、図25に表したように、センスアンプ回路のセンス電流が一定でない場合には、サブスレッショルド特性の傾きにより電流としきい値とが正の依存性を持つことから、しきい値ばらつきがより大きくなる。よって、消去状態("1")のメモリセルに流れる電流の値を一定とすることにより、しきい値のばらつきをより小さくできることは明らかである。
【0360】
一方、センスアンプ回路に接続されているデータ転送線端の電圧振幅ΔVを大きくしようとすると、データ転送線の配線抵抗が高いため、センスアンプ回路からもっとも遠いメモリセルでは、充分なメモリセル電流Icellを確保できないという問題が生じる。
また、データ転送線の電流が安定するまでの時間に影響するものとして、データ転送線間の容量結合により、(データ転送線の容量)×(データ転送線の抵抗)の積の時定数分の遅延以外に、(データ転送線容量)×(ΔV/Icell)に比例する成分がある。そのため、センスアンプ回路に接続されているデータ転送線端の電圧振幅ΔVが大きくとなると、より遅延が増加してしまう。
【0361】
本実施の形態によれば、メモリセルに流れる電流の最小値を大きくすることができるので、(データ転送線容量)×(ΔV/Icell)に比例する遅延時間を短くすることができる。また、データ転送線端の電圧振幅ΔVが小さくなると、センスアンプ感度が高いセンスアンプ回路が必要となる。センスアンプ感度の高いセンスアンプ回路とするためには、例えば、センスアンプ回路の入力に使われるトランジスタのゲート面積を大きくする必要があり、センスアンプ回路面積が増加することになる。
本実施の形態によれば、読み出し時におけるメモリセル電流Icellの最大値と最小値の差をより小さくすることができるので、センスアンプ回路の面積増大を防ぐことが出来る。そのため、本実施の形態によれば、配線間の遅延時間の差の分だけ回路動作マージンを縮小しても回路を正常動作させることができ、回路動作を高速化できる。よって、より高速な読み出しや、より高速なベリファイ読み出しを実現できる。
【0362】
次に、第5の実施形態に係る半導体記憶装置の変形例について例示をする。
図28(a)は、メモリセルアレイとデータ転送線のレイアウトを例示する模式的回路図である。図28(b)は、読み出し時のデータ転送線の電圧について例示する模式的グラフ図である。
本変形例におけるメモリセルアレイとデータ転送線のレイアウトは、図22において例示したものと同様である。そのため、図22において例示をしたものと同様の内容については適宜省略する。
【0363】
図28(a)に表したように半導体記憶装置551においては、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462をメモリセルアレイ1を挟んで対峙するようにして設けるのではなく、メモリセルアレイ1の片側にまとめて配置するようにしている。
すなわち、センスアンプ回路461とセンスアンプ回路462はそれぞれまとまって配置されている。
【0364】
すなわち、本変形例においては、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線の一端に接続されたセンスアンプ回路461、および、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の一端に接続されたセンスアンプ回路462が、メモリセルアレイ1に対して同じ側に、まとまって配置されている。そのため、周辺回路や電源配線を集中して配置させることが可能となる。また、このようにまとめてセンスアンプ回路461、センスアンプ回路462を配置すれば、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462のそれぞれに接続されているデータ転送線の長さをほぼ同じようにすることができるので、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462のそれぞれに接続されるメモリセルに対するデータ転送線間のばらつきを小さくできる効果もある。
【0365】
また、メモリセルアレイの両側にセンスアンプ回路が形成される実施形態と異なり、本変形例では、メモリセルの片側にセンスアンプ回路が形成されている。これにより、読み出し時における隣接データ転送線からのアレイノイズをより小さいものにすることができる。なぜなら、センスアンプ回路から遠い読み出しメモリセルブロックになるほど、メモリセルブロックの位置により変化するデータ転送線の充電電圧が高くなる。そのため、読み出し時においてメモリセルの論理値が"0"(メモリセルのしきい値がVrefよりも大きい)の場合、センスアンプ回路から遠いメモリセルブロックのデータ転送線電圧はVBL2よりも高いVBL1となる。
このため、メモリセルアレイの両側にセンスアンプ回路が形成されている場合には、センスアンプ回路から近いメモリセルに接続されたデータ転送線に隣接する隣接データ線電圧がVBL2よりも高いVBL1となる。そのため、メモリセルの論理値が"0"の場合、隣接メモリセルのチャネルからの容量結合により、電流を測定するメモリセルに接続されたデータ転送線の電位がより上昇する問題が生じる。
【0366】
また、隣接する2本のデータ転送線の電圧が、メモリセルの論理値が"1"のメモリセルに接続されたデータ転送線で電圧がVBL2となり、かつ、このメモリセルに隣接するメモリセル(「隣接メモリセル」と称する)の論理値が"0"であり、隣接メモリセルに接続されたデータ転送線がVBL2より高いVBL1となる場合がある。このため、それぞれのデータ転送線に接続されたコンタクト間に発生するリーク電流を低く抑えることが難しくなる。
一方、メモリセルアレイの片側にセンスアンプが形成された場合には、同一のデータ選択線に接続されたメモリセルを読み出す場合において、隣接するデータ転送線電圧をほぼ揃えることができる。その結果、データ転送線間のコンタクト間のリーク電流をより低く抑えることができる。
【0367】
また、本実施の形態においても、センスアンプ回路461は、メモリセルにおける読み出しを行う時に、メモリセルユニットの位置とレジスタ471に格納された配線抵抗値とに基づいて、データ転送線に印加する電圧を変化させる。また、センスアンプ回路462は、メモリセルにおける読み出しを行う時に、メモリセルユニットの位置とレジスタ472に格納された配線抵抗値とに基づいて、データ転送線に印加する電圧を変化させる。なお、印加電圧を変化させることに関しては前述したものと同様のためその説明は適宜省略する。
【0368】
図28(b)は、センスアンプ回路461およびセンスアンプ回路462を同時に駆動して、メモリセルにおける読み出しを行う場合のデータ転送線の電圧とタイミングを表している。
ここで、例えば、センスアンプ回路461およびセンスアンプ回路462から遠い位置にある第1メモリセルブロック1aに設けられたメモリセルユニットの場合のデータ転送線電圧をVBL1とする。また、例えば、センスアンプ回路461およびセンスアンプ回路462から近い位置にある第2メモリセルブロック1bに設けられたメモリセルユニットの場合のデータ転送線電圧をVBL1より低いVBL2とする。
【0369】
この場合、例えば、VBL1は、データ転送線の3/4の長さに相当する配線の直列抵抗が接続されたメモリセルに流れる電流となるような電圧とし、データ転送線同士における電圧が等しくなるようにするのが望ましい。ここで、メモリセルが接続されたデータ転送線の位置までの直列抵抗から、センスアンプ回路に接続されたデータ転送線の位置の直列抵抗を引いた差をΔR1とする。また、読み出し時にデータ転送線の1/4の長さに相当する配線の直列抵抗が接続されたメモリセルに流れる電流をIcellとする。
【0370】
このとき、VBL1はVBL2に(1/2)×ΔR1×Icellを加えた値とすることで、センスアンプ回路461から遠い位置に配置されたメモリセルに流れる電流と、センスアンプ回路461に近い位置に配置されたメモリセルに流れる電流とを、より一定にすることができる。具体的には、ΔR1がデータ転送線の抵抗以外のメモリセルの直列抵抗成分に比べて十分小さい場合、メモリセルアレイ1におけるメモリセル(メモリセルが属するメモリセルブロックの場合もある)の配置位置によるデータ転送線上の位置における配線抵抗変動を、±(1/4)×ΔR1×Icell以下と最も抑えることができる。
【0371】
ここで、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線の直列抵抗値から奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の直列抵抗値を引いた差をΔR、読み出し時にメモリセルに流れる電流をIcellとすると、VBL1はVBL2にΔR×Icellを加えた値となる。その様にすれば、センスアンプ回路461から遠い位置に配置されたメモリセルと、センスアンプ回路462から近い位置に配置されたメモリセルとに流れる電流の差をより小さくすることができ、さらに電流を一定とすることができるので望ましい。
【0372】
なお、本変形例のようにVBL1をVBL2に対して、例えば、0.1Vから1Vの範囲の高い電圧とすることにより、センスアンプ回路461から遠い位置に配置されたメモリセル4cと、センスアンプ回路462に近い位置に配置されたメモリセル4bとで、メモリセルに流れる電流の差を縮小することができる。
また、VBL1より低いVBL2を印加することで、データ転送線に常にVBL1の電圧を印加した場合と比べて、センスアンプ回路461およびセンスアンプ回路462に近いメモリセルに流れる電流を小さくすることができる。そのため、半導体記憶装置の消費電力をより削減することができるとともに、データ転送線に大きな電流が流れることによる配線の信頼性低下を抑えることができる。
【0373】
また、センスアンプ回路461、462から遠いメモリセルと、センスアンプ回路461、462に近いメモリセルとのセル電流Icellの差を縮小できるため、データ転送線のVBL1とVBL1_thとの差と、VBL2とVBL2_thとの差とを小さくすることができるので、t2とt3との間における時間(メモリセル電流を測定する時間)をほぼ等しくすることができる。
【0374】
なお、センスアンプ回路461およびセンスアンプ回路462にて、データ転送線に流れる電流を測定することにより、メモリセルの電荷の大小を判断してもよい。この場合、データ転送線に接続されたメモリセルユニットの位置が変わっても、メモリセルに流れる電流を揃えることができる。そのため、t2とt3との間における時間に相当するセンスアンプ回路461とセンスアンプ回路462とにおいてメモリセルの電荷の大小を判断するのに必要な時間を、より揃えることができる。
【0375】
また、この場合、データ転送線に接続されたメモリセルユニットの位置が変わっても、メモリセルユニットのビット線コンタクトに印加する電圧をより揃えることができる。この結果、読み出し時の電圧Vreadとチャネルとの電位差によるしきい値変動(リードディスターブ)を偶数番目(偶数Index)のデータ転送線と奇数番目(奇数Index)のデータ転送線とで揃えることができ、より信頼性の高い半導体記憶装置を提供することができる。また、センスアンプ回路463から遠いメモリセルと、センスアンプ回路463に近いメモリセルとで読み出し時の電圧Vreadとチャネルとの電位差によるしきい値変動(リードディスターブ)を揃えることができ、より信頼性の高い半導体記憶装置を提供することができる。
【0376】
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態に係る半導体記憶装置について例示をする。
第6の実施形態に係る半導体記憶装置560は、前述した第4の実施形態に係る半導体記憶装置540とほぼ同様の構成を有している。ただし、センスアンプ回路463に近いメモリセルユニットと、センスアンプ回路463から遠いメモリセルユニットとで、読み出し時のデータ転送線電圧を変更する点が異なっている。
すなわち、メモリセルの読み出しを行う時に、センスアンプ回路463によりデータ転送線を充電する電圧と、センスアンプ回路463によりデータ転送線を充電する電圧とが、メモリセルユニットの位置によって異なる。
【0377】
つまり、センスアンプ回路463は、メモリセルにおける読み出しを行う時に、メモリセルユニットの位置とレジスタ473に格納された配線抵抗値とに基づいて、データ転送線に印加する電圧を変化させるところが異なっている。
【0378】
この場合、センスアンプ回路463から遠いメモリセルにおいて読み出しを行う場合には、センスアンプ回路463に近いメモリセルにおいて読み出しを行う場合よりも、データ転送線に印加する電圧を上昇させることにより、メモリセルに流れる電流を増大させるようにしている。そのため、メモリセルユニットの位置に拠らずメモリセルに流れる電流をより一定にできる。
【0379】
なお、以下においては、読み出し時の動作について説明するが、書き込みのベリファイ時の動作も同様である。そのため、書き込み時の動作についてはその説明を省略する。また、本実施の形態に係る半導体記憶装置560は、前述した第4の実施形態に係る半導体記憶装置540と同様の構成を有しているため、図24などにおいて例示をしたものと同様の内容については説明を適宜省略する。
【0380】
図29(a)は、メモリセルアレイとデータ転送線のレイアウトを例示する模式的回路図である。図29(b)は、読み出し時のデータ転送線の電圧について例示する模式的グラフ図である。
図29(a)に表すように、本実施の形態においては、センスアンプ回路463をデータ転送線の一端の片側にまとめて配置している。そして、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線をトランジスタQ1の電流端子を介してセンスアンプ回路463と接続し、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線をトランジスタQ2の電流端子を介してセンスアンプ回路463と接続している。
センスアンプ回路463にはレジスタ473が接続されている。
また、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線とに接続された各メモリセルユニット4までの配線抵抗値は、予め測定されレジスタ473に格納されている。
すなわち、レジスタ473は、各メモリセルユニット4ごとに予め測定された配線抵抗値を格納する。
【0381】
本実施の形態においては、センスアンプ回路463が、メモリセルアレイに対して同じ片側に、まとまって配置されているので、周辺回路や電源配線を集中して配置させることが可能となる。この場合、このようなセンスアンプ回路463の配置とすることで、センスアンプ回路463に接続されているデータ転送線の長さを同じにすることができるので、センスアンプ回路463に接続されているメモリセルに流れる電流のデータ転送線間におけるばらつきを小さくできるという効果がある。
【0382】
図29(b)は、センスアンプ回路463を駆動して、メモリセルにおける読み出しを行う場合のデータ転送線の電圧とタイミングを表している。
ここで、例えば、センスアンプ回路463から遠い位置にある第1メモリセルブロック1aに設けられたメモリセルユニットの場合のデータ転送線電圧をVBL1とする。また、例えば、センスアンプ回路463から近い位置にある第2メモリセルブロック1bに設けられたメモリセルユニットの場合のデータ転送線電圧をVBL1より低いVBL2とする。
【0383】
この場合、例えば、VBL1は、データ転送線の3/4の長さに相当する配線の直列抵抗が接続されたメモリセルに流れる電流となるような電圧とし、VBL2は、データ転送線の1/4の長さに相当する配線の直列抵抗が接続されたメモリセルに流れる電流となるような電圧とする。そして、これらメモリセルに流れる電流が等しくなるようなVBL1、VBL2とする。その様にすれば、各メモリセルにおける電流がばらつくことを抑えることができる。
【0384】
なお、本実施の形態のようにVBL1をVBL2に対して、例えば、0.1Vから1Vの範囲の高い電圧とすることにより、センスアンプ回路463から遠い位置に配置されたメモリセル4cと、センスアンプ回路463に近い位置に配置されたメモリセル4bとで、メモリセルに流れる電流の差を縮小することができる。
また、VBL1より低いVBL2を印加することで、データ転送線に常にVBL1の電圧を印加した場合と比べて、センスアンプ回路463に近いメモリセルに流れる電流を小さくすることができる。そのため、半導体記憶装置の消費電力をより削減することができるとともに、データ転送線に大きな電流が流れることによる配線の信頼性低下を抑えることができる。
【0385】
また、センスアンプ回路463から遠いメモリセルと、センスアンプ回路463に近いメモリセルとのセル電流Icellの差を縮小できるため、データ転送線のVBL1とVBL1_thとの差と、VBL2とVBL2_thとの差とを小さくすることができるので、t2とt3との間における時間(メモリセル電流を測定する時間)をほぼ等しくすることができる。
【0386】
なお、センスアンプ回路463にて、データ転送線に流れる電流を測定することにより、メモリセルの電荷の大小を判断してもよい。この場合、データ転送線に接続されたメモリセルユニットの位置が変わっても、メモリセルに流れる電流を揃えることができる。そのため、t2とt3との間における時間に相当するセンスアンプ回路463においてメモリセルの電荷の大小を判断するのに必要な時間を、より揃えることができる。
【0387】
また、この場合、データ転送線に接続されたメモリセルユニットの位置が変わっても、メモリセルユニットのビット線コンタクトに印加する電圧をより揃えることができる。この結果、読み出し時の電圧Vreadとチャネルとの電位差によるしきい値変動(リードディスターブ)をセンスアンプ回路463から遠いメモリセルと、センスアンプ回路463に近いメモリセルとで揃えることができ、より信頼性の高い半導体記憶装置を提供することができる。
【0388】
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれは良い。
【0389】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、半導体記憶装置を構成する第1〜第4配線、低抵抗配線、高抵抗配線、第1〜第6データ転送配線、メモリセル、メモリセルユニット、メモリセルブロック、第1及び第2領域、第1及び第2絶縁領域、データ転送線つなぎ替え部、つなぎ替え配線、つなぎ替えコンタクト等、各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0390】
また、第5の実施形態において、レジスタ472がセンスアンプ回路462に接続された例を示したが、直接接続されなくてもよい。例えば、レジスタ472からディジタル/アナログ変換回路を介してセンスアンプ回路462に電気的に接続され、アナログ変換回路の出力によりデータ転送線電圧を調整できる回路構成となっていてもよい。
また、レジスタ471がセンスアンプ回路461に接続された例を示したが、直接接続されなくてもよい。例えば、レジスタ471からディジタル/アナログ変換回路を介してセンスアンプ回路461に電気的に接続され、アナログ変換回路の出力によりデータ転送線電圧を調整できる回路構成となっていてもよい。
さらに、これらレジスタ471およびレジスタ472は、配線抵抗値そのものを格納しなくても、対応するディジタルデータをコード化して格納するようにしてもよい。
【0391】
また、第6の実施形態において、レジスタ473がセンスアンプ回路463に接続された例を示したが、直接接続されなくてもよい。例えば、レジスタ473からディジタル/アナログ変換回路を介してセンスアンプ回路463に電気的に接続され、アナログ変換回路の出力によりデータ転送線電圧を調整できる回路構成となっていてもよい。
さらに、レジスタ473は、配線抵抗値そのものを格納しなくても、対応するディジタルデータをコード化して格納すればよい。
【0392】
その他、本発明の実施の形態として上述した半導体記憶装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての半導体記憶装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0393】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含有される。
【符号の説明】
【0394】
1a…第1メモリセルブロック、 1b…第2メモリセルブロック、 2、2a、2b…データ制御線ドライバ、 3…ロウデコーダ、 3a、3b…ロウアドレス選択回路、
4…メモリセルユニット、 5、6…選択ゲート線、 7…データ制御線、 40…制御回路、 41a…Vpgm発生回路、 41b…Vpass発生回路、 41c…Vread発生回路、 42…基板電位制御回路、 45…入出力バッファ、 46…センスアンプ回路、 47…アドレスバッファ、 47a…アドレス信号、 48…カラムデコーダ、 100…データ転送線つなぎ替え部(配線つなぎ替え部)、 121…p型シリコン基板、 122…n型シリコン領域、 123…p型シリコン領域、 124…素子分離絶縁膜、 125…トンネルゲート絶縁膜、 126…浮遊ゲート、 127…制御ゲート、 127GSL、127SSL…ゲート電極、 128…n型拡散層、 128d…データ転送線側拡散層、 128s…ソース線側拡散層、 130d、130s…コンタクト、 133、133d…中間配線層、 136、136a、136b、136c…データ転送線、 137…配線、 139…コンタクト、 143…側壁絶縁膜、 150…層間絶縁膜、 168…層間絶縁膜、 227…第2つなぎ替え配線、 230…第2つなぎ替えコンタクト、 233…第1つなぎ替え配線、 239…第1つなぎ替えコンタクト、 339…コンタクトリソグラフィ補助パターン、 401…基膜、 402…層間膜、 403…絶縁膜、 404…芯材、 405…側壁膜、 406…バリアメタル、 407…金属膜、 447…データ切り替え回路、 461…センスアンプ回路、 462…センスアンプ回路、 463…センスアンプ回路、 471、472、473…レジスタ、 481…カラムデコーダ、 482…カラムデコーダ、 483…カラムデコーダ、 510、511、512、513、519、520、524、530、531、540、550、551、560…半導体記憶装置、 BL、BL1〜BL2n…データ転送配線、 BLC…データ転送線コンタクト、 DL1〜DL6…第1〜第6データ転送線、 L1…低抵抗配線、 L2…高抵抗配線、 LL1〜LL4…第1〜第4配線、 M1〜Mb…メモリセル、 MC…メモリセル、 MCU1〜MCU6…第1〜第6メモリセルユニット、 RG1、RG2…第1及び第2領域、 RGI1、RGI2…第1及び第2絶縁領域、 RGa…領域、 S1、S2…選択トランジスタ、 SG11、SG12、SG21、SG22、SGn1、SGn2…ブロック選択線、 SL…共通ソース線、 SLC…ソース線コンタクト、 U1〜U4…セルユニット、 WL、WL11〜WL1b、WL21〜WL2b、WLn1〜WLnb…データ制御線、 py…ピッチ、 sa、sb、sc、sd…幅、 tc、td…厚さ
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置(メモリ)の高集積化のために、メモリセルに接続されたデータ転送線の幅を、側壁加工技術を用いることで、リソグラフィの最小寸法の半分の幅で形成する方法がある。しかしながら、この方法においては、リソグラフィにおけるマスクパターンの幅の変動によって、隣接する配線において、例えば、広い配線幅と、狭い配線幅と、が交互に生じる。このため、配線間で配線抵抗が変動してしまう問題がある。
【0003】
特に、狭い配線幅の配線において、電気信号における配線遅延が大きくなると、読み出し速度が低下し、また、読み出しマージンが低下する。また、配線抵抗が上昇するとエレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションが生じ易くなり、半導体記憶装置の信頼性を劣化させる。
また、データ転送線に印加される電圧が一定の場合には、センスアンプ回路からもっとも遠いメモリセルではデータ転送線の直列抵抗が重畳されるため、メモリセルに流れる電流が減少して読み出し速度が低下するという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−194496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、動作特性及び信頼性を向上させた半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第1メモリセルユニットと、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第2メモリセルユニットと、複数の第1配線と、複数の第2配線と、を有するメモリセルアレイと、前記複数の第1配線と接続された第1センスアンプ回路と、前記複数の第2配線と接続された第2センスアンプ回路と、を備え、前記複数の第1配線のそれぞれは、第1方向に延在し、前記第1メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、前記複数の第2配線のそれぞれは、前記第1配線どうしのそれぞれ間において前記第1方向に延在し、前記第2メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、金属が埋め込み形成され、配線の上面高さが同じであり、互いに隣接して形成された前記複数の第1配線と前記複数の第2配線は複数対で繰り返された構造からなり、前記複数の第2配線のそれぞれの前記第1方向に対して垂直な第2方向に沿った幅、及び、前記複数の第2配線のそれぞれの前記第1方向と前記第2方向とに垂直な第3方向に沿った厚さ、の少なくともいずれかは、前記複数の第1配線のそれぞれよりも小さくされ、前記第1センスアンプ回路と、前記第2センスアンプ回路は、それぞれ、前記メモリセルアレイを挟んで対峙するように配置されていることを特徴とする半導体記憶装置が提供される。
【0007】
また、他の実施形態によれば、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第1メモリセルユニットと、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第2メモリセルユニットと、複数の第1配線と、複数の第2配線と、を有するメモリセルアレイと、前記複数の第1配線と接続された第1センスアンプ回路と、前記複数の第2配線と接続された第2センスアンプ回路と、を備え、前記複数の第1配線のそれぞれは、第1方向に延在し、前記第1メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、前記複数の第2配線のそれぞれは、前記第1配線どうしのそれぞれ間において前記第1方向に延在し、前記第2メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、金属が埋め込み形成され、配線の上面高さが同じであり、互いに隣接して形成された前記複数の第1配線と前記複数の第2配線は複数対で繰り返された構造からなり、前記第1センスアンプ回路と、前記第2センスアンプ回路は、前記メモリセルアレイの片側に形成され、前記第1センスアンプ回路は、前記第2センスアンプ回路よりも前記メモリセルアレイに近く形成され、前記複数の第1メモリセルユニットが有する前記複数のメモリセルのデータを前記複数の第2メモリセルユニットが有する前記複数のメモリセルのデータよりも先に出力することを特徴とする半導体記憶装置が提供される。
【0008】
また、他の実施形態によれば、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第1メモリセルユニットと、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第2メモリセルユニットと、複数の第1配線と、複数の第2配線と、を有するメモリセルアレイと、前記複数の第1配線と、前記複数の第2配線と、に接続されたセンスアンプ回路と、前記センスアンプ回路と、前記複数の第1配線または前記複数の第2配線と、の接続を切り替える切り替え回路と、制御回路と、を備え、前記複数の第1配線のそれぞれは、第1方向に延在し、前記第1メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、前記複数の第2配線のそれぞれは、前記第1配線どうしのそれぞれ間において前記第1方向に延在し、前記第2メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、前記制御回路は、前記複数の第1メモリセルユニットが有する前記複数のメモリセルのデータを前記複数の第2メモリセルユニットが有する前記複数のメモリセルのデータよりも先に出力することを特徴とする半導体記憶装置が提供される。
【0009】
また、他の実施形態によれば、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第1メモリセルユニットと、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第2メモリセルユニットと、複数の第1配線と、複数の第2配線と、を有するメモリセルアレイと、前記複数の第1配線と接続された第1センスアンプ回路と、前記複数の第2配線と接続された第2センスアンプ回路と、前記第1センスアンプ回路に接続された第1レジスタと、前記第2センスアンプ回路に接続された第2レジスタと、を備え、前記複数の第1配線のそれぞれは、第1方向に延在し、前記第1メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、前記複数の第2配線のそれぞれは、前記第1配線どうしのそれぞれ間において前記第1方向に延在し、前記第2メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、金属が埋め込み形成され、配線の上面高さが同じであり、互いに隣接して形成された前記複数の第1配線と前記複数の第2配線は複数対で繰り返された構造からなり、前記第1センスアンプ回路と、前記第2センスアンプ回路は、それぞれ、前記メモリセルアレイを挟んで対峙するように配置され、前記メモリセルの読み出しを行う時に、前記第1センスアンプ回路により第1配線を充電する電圧と、前記第2センスアンプ回路により第2配線を充電する電圧とが、前記第1メモリセルユニットおよび前記第2メモリセルユニットの位置によって異なることを特徴とする半導体記憶装置が提供される。
【0010】
また、他の実施形態によれば、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第1メモリセルユニットと、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第2メモリセルユニットと、複数の第1配線と、複数の第2配線と、を有するメモリセルアレイと、前記複数の第1配線と接続された第1センスアンプ回路と、前記複数の第2配線と接続された第2センスアンプ回路と、前記第1センスアンプ回路に接続された第1レジスタと、前記第2センスアンプ回路に接続された第2レジスタと、を備え、前記複数の第1配線のそれぞれは、第1方向に延在し、前記第1メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、前記複数の第2配線のそれぞれは、前記第1配線どうしのそれぞれ間において前記第1方向に延在し、前記第2メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、金属が埋め込み形成され、配線の上面高さが同じであり、互いに隣接して形成された前記複数の第1配線と前記複数の第2配線は複数対で繰り返された構造からなり、前記第1センスアンプ回路と、前記第2センスアンプ回路は、前記メモリセルアレイの片側に形成され、前記第1センスアンプ回路は、前記第2センスアンプ回路よりも前記メモリセルアレイの近くに形成され、前記メモリセルの読み出しを行う時に、前記第1センスアンプ回路により前記第1配線を充電する電圧と、前記第2センスアンプ回路により前記第2配線を充電する電圧とが、前記第1メモリセルユニットおよび前記第2メモリセルユニットの位置によって異なることを特徴とする半導体記憶装置が提供される。
【0011】
また、他の実施形態によれば、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第1メモリセルユニットと、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第2メモリセルユニットと、複数の第1配線と、複数の第2配線と、を有するメモリセルアレイと、前記複数の第1配線と、前記複数の第2配線と、に接続されたセンスアンプ回路と、前記センスアンプ回路に接続されたレジスタと、前記センスアンプ回路と、前記複数の第1配線または前記複数の第2配線と、の接続を切り替える切り替え回路と、を備え、前記複数の第1配線のそれぞれは、第1方向に延在し、前記第1メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、前記複数の第2配線のそれぞれは、前記第1配線どうしのそれぞれ間において前記第1方向に延在し、前記第2メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、前記メモリセルの読み出しを行う時に、前記センスアンプ回路により前記第1配線を充電する電圧と、前記センスアンプ回路により前記第2配線を充電する電圧とが、前記第1メモリセルユニットおよび前記第2メモリセルユニットの位置によって異なることを特徴とする半導体記憶装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を例示する模式図である。
【図2】第1の実施例の半導体記憶装置の構成を例示するブロック図である。
【図3】第1の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的回路図である。
【図4】第1の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式図である。
【図5】第1の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図6】第1の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的平面図である。
【図7】第1の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図8】第1の実施例の半導体記憶装置のデータ転送線の作製方法を例示する工程順 模式的断面図である。
【図9】第1の実施例の半導体記憶装置のデータ転送線の作製方法を例示する工程順 模式的断面図である。
【図10】比較例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的回路図である。
【図11】第2の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的平面図である。
【図12】第3の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的平面図である。
【図13】第2の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を例示する模式図である。
【図14】第4の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的回路図である。
【図15】第4の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的平面図である。
【図16】第3の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を例示するブロック図である。
【図17】第3の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を例示する模式的回路図である。
【図18】配線抵抗に差があった場合において読み出しを行う場合のリードタイミングを例示する模式図である。
【図19】データの読み出しを例示するフローチャートである。
【図20】配線抵抗に差があった場合において読み出しを行う場合のリードタイミングを例示する模式図である。
【図21】データの読み出しを例示するフローチャートである。
【図22】メモリセルアレイとデータ転送線のレイアウトを例示する模式的回路図である。
【図23】第4の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を例示するブロック図である。
【図24】第4の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を例示する模式的回路図である。
【図25】メモリセルの電流−電圧特性を例示する模式グラフ図である。
【図26】第5の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を例示するブロック図である。
【図27】(a)は、センスアンプ回路、メモリセルユニットなどの配置を例示する模式図、(b)、(c)は、配線抵抗に差があった場合において同時読み出しを行う場合のリードタイミングを例示する模式図である。
【図28】(a)は、メモリセルアレイとデータ転送線のレイアウトを例示する模式的回路図、(b)は、読み出し時のデータ転送線の電圧について例示する模式的グラフ図である。
【図29】(a)は、メモリセルアレイとデータ転送線のレイアウトを例示する模式的回路図、(b)は、読み出し時のデータ転送線の電圧について例示する模式的グラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比係数などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比係数が異なって表される場合もある。
また、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0014】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を例示する模式図である。
図1に表したように、本実施形態に係る半導体記憶装置510は、第1〜第4データ転送線DL1〜DL4を備える。
【0015】
半導体記憶装置510においては、半導体記憶装置510が設けられる基板(図示しない)の主面上に、第1領域RG1と第2領域RG2とが設けられる。第1領域RG1は、後述する第1メモリセルブロック1aが設けられる領域であり、第2領域RG2は、後述する第2メモリセルブロック1bが設けられる領域である。
【0016】
第1〜第4データ転送線DL1〜DL4は、それぞれ、複数のメモリセルを有するメモリセルユニット4(第1〜第4メモリセルユニットMCU1〜MCU4)の一端と接続される。
【0017】
ここで、基板の主面に対して垂直な方向をZ軸方向(第3方向)とする。そして、Z軸に対して垂直な1つの方向をX軸方向(第1方向)とする。そして、Z軸方向とX軸方向とに対して垂直な方向をY軸方向(第2方向)とする。
【0018】
第1領域RG1と第2領域RG2とは、X軸方向において隣接する。
第1〜第4データ転送線DL1〜DL4は、それぞれ、X軸方向に延在する。
第1及び第2データ転送線DL1及びDL2は、第1領域RG1に設けられ、第3及び
第4データ転送線DL3及びDL4は、第2領域RG1に設けられる。
【0019】
第1データ転送線DL1と第3データ転送線DL3とがX軸方向において隣接し、第3データ転送線DL3は、第1データ転送線DL1のX軸方向における延長線上に設けられる。第2データ転送線DL2と第4データ転送線DL4とがX軸方向において隣接し、第4データ転送線DL4は、第2データ転送線DL2のX軸方向における延長線上に設けられる。すなわち、X−Y平面内において、第4データ転送線DL4は、第1データ転送線DL1の斜め方向に位置する。
【0020】
第1〜第4データ転送線DL1〜DL4は、例えば、側壁加工によって形成される。側壁加工に関しては後述する。この側壁加工における変動により、第1〜第4データ転送線DL1〜DL4の幅や厚さは、互いに異なった値になる。
【0021】
ここで、幅は、Y軸方向に沿った長さである。例えば、半導体記憶装置510は、基板の主面に設けられるが、第1〜第4データ転送線DL1〜DL4の幅は、例えば、第1〜第4データ転送線DL1〜DL4の上面(基板とは反対側の面)の幅とすることができる。 また、厚さは、Z軸方向に沿った長さである。
【0022】
第2データ転送線DL2のY軸方向に沿った幅は、第1データ転送線DL1のY軸方向に沿った幅よりも狭い。第2データ転送線DL2のZ軸方向に沿った厚さは、第1データ転送線DL1のZ軸方向に沿った厚さよりも薄い。
ここで、第1データ転送線DL1の幅及び厚さの少なくともいずれかは、第2データ転送線DL1よりも大きい場合もある。また、第3データ転送線DL3の幅及び厚さの少なくともいずれかは、第4データ転送線DL4よりも大きい場合もある。
第3データ転送線DL3の幅及び厚さは、第1データ転送線DL1とほぼ同じとすることができ、第4データ転送線DL4の幅及び厚さは、第2データ転送線DL2とほぼ同じとすることができる。
【0023】
例えば、第1データ転送線DL1の深さは、第2データ転送線DL2よりも深い。また、第3データ転送線DL3の深さは、第4データ転送線DL4よりも深い。ここで、深さとは、データ転送線の上面から下面までのZ軸方向に沿った長さである。
【0024】
第2データ転送線DL2の電気抵抗は、第1データ転送線DL1よりも高く、第4データ転送線DL4の電気抵抗は、第3データ転送線DL3よりも高い。ここで、第1〜第4データ転送線DL1〜DL4の電気抵抗は、X軸方向に沿った抵抗であり、いわゆる配線抵抗である。
【0025】
すなわち、図1に表したように、半導体記憶装置510においては、配線抵抗が低い低抵抗配線L1と、配線抵抗が低抵抗配線L1よりも高い高抵抗配線L2とが、Y軸方向に、交互に並んで配置されている。
【0026】
このように、半導体記憶装置510は、第1領域RG1に設けられ、X軸方向に延在する複数の第1配線LL1(第1領域RG1の低抵抗配線L1)と、第1領域RG1に設けられ、第1配線LL1どうしのそれぞれ間においてX軸方向に延在し、第1配線LL1よりも電気抵抗が高い第2配線LL2(第1領域RG1の高抵抗配線L2)と、第1領域RG1に対してX軸方向において隣接する第2領域RG2に設けられ、第1配線LL1のX軸方向における延長線上においてX軸方向に延在する複数の第3配線LL3(第2領域RG1の低抵抗配線L1)と、第2領域RG2に設けられ、第2配線LL2のX軸方向における延長線上においてX軸方向に延在し、第3配線LL3よりも電気抵抗が高い第4配線LL4(第2領域RG2の高抵抗配線L2)と、を備え、第1〜第4配線LL1〜LL4のそれぞれは、複数のメモリセルを有する複数のメモリセルユニット4の一端にそれぞれ接続されている。また、複数の第1配線LL1と複数の第2配線LL2とが、Y軸方向において交互に並ぶ。また、複数の第3配線LL3と複数の第4配線LL4とが、Y軸方向において交互に並ぶ。
【0027】
第2配線LL2のY軸方向に沿った幅、及び、Z軸方向に沿った厚さ、の少なくともいずれかは、第1配線LL1よりも小さい。また、第4配線LL4のY軸方向に沿った幅、及び、Z軸方向に沿った厚さ、の少なくともいずれかは、第3配線LL3よりも小さい。
【0028】
第4配線LL4のいずれかは、第1領域RG1と第2領域RG2との間で第1配線LL1のいずれかと電気的に接続され、第3配線LL3のいずれかは、第1領域RG1と第2領域RG2との間で第2配線LL2のいずれかと電気的に接続されている。
【0029】
すなわち、本実施形態に係る半導体記憶装置510は、第1メモリセルブロック1aと、第1メモセルブロック1aに対してX軸方向において隣接する第2メモリセルブロック1bと、第1メモリセルブロック1aと第2メモリセルブロック1bとの間に設けられたデータ転送線つなぎ替え部100(配線つなぎ替え部)と、を備える。
【0030】
第1メモリセルブロック1aは、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第1セルユニットU1と、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第2セルユニットU2と、複数の第1配線LL1と、複数の第2配線LL2と、を有する。
複数の第1配線LL1のそれぞれは、X軸方向に延在し、第1セルユニットU1のそれぞれの一端に接続される。
複数の第2配線LL2のそれぞれは、第1配線LL1どうしのそれぞれ間においてX軸方向に延在し、第1配線LL1よりも電気抵抗が高く、第2セルユニットU2のそれぞれの一端に接続される。
【0031】
第2メモリセルブロック1bは、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第3セルユニットU3と、それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第4セルユニットU4と、複数の第3配線LL3と、複数の第4配線LL4と、を有する。
複数の第3配線LL3のそれぞれは、第1配線LL1のX軸方向における延長線上においてX軸方向に延在し、第3セルユニットU3のそれぞれの一端に接続される。
複数の第4配線LL4のそれぞれは、第2配線LL2のX軸方向における延長線上においてX軸方向に延在し、第3配線LL3よりも電気抵抗が高く、第4セルユニットU4のそれぞれの一端に接続される。
【0032】
そして、データ転送線つなぎ替え部100は、第4配線LL4のいずれかと第1配線LL1のいずれかとを電気的に接続し、第3配線LL3のいずれかと第2配線LL2のいずれかとを電気的に接続する。
【0033】
なお、上記の複数のメモリセルMCはX軸方向に沿って並べられる。上記の複数の第1〜第4セルユニットU1〜U4のそれぞれは、X軸方向に延在する。上記の複数の第1及び第2セルユニットU1及びU2は、Y軸方向に沿って交互に並ぶ。上記の複数の第3及び第4セルユニットU3及びU4は、Y軸方向に沿って交互に並ぶ。
【0034】
なお、第1セルユニットU1の1つであり、第1データ転送線DL1に接続されているのが、第1メモリセルユニットMCU1である。第2セルユニットU2の1つであり、第2データ転送線DL2に接続されているのが、第2メモリセルユニットMCU2である。第3セルユニットU3の1つであり、第3データ転送線DL3に接続されているのが、第3メモリセルユニットMCU3である。第4セルユニットU4の1つであり、第4データ転送線DL4に接続されているのが、第4メモリセルユニットMCU4である。第3セルユニットU3の1つであり、後述する第5データ転送線DL5に接続されているのが、第5メモリセルユニットMCU5である。第2セルユニットU2の1つであり、後述する第6データ転送線DL6に接続されているのが、第6メモリセルユニットMCU6である。
【0035】
例えば、第1領域RG1において、低抵抗配線L1とそれに隣接する高抵抗配線L2との組みのいずれかにおいて、低抵抗配線L1が第1データ転送線DL1とされ、高抵抗配線L2が第2データ転送線DL2とされる。そして、第2領域RG2において、低抵抗配線L1とそれに隣接する高抵抗配線L2との組みのいずれかにおいて、データ転送線DL1に隣接する低抵抗配線L1が第3データ転送線DL3とされ、データ転送線DL2に隣接する高抵抗配線L2が第4データ転送線DL4とされる。
【0036】
そして、第1領域RG1と第2領域RG2との間のデータ線つなぎ替え部100(配線つなぎ替え部)において、例えば、第1データ転送線DL1と第4データ転送線DL4とが電気的に接続される。
【0037】
すなわち、第2配線LL2のうちの1つである第2データ転送線DL2は、第1配線LL1の1つである第1データ転送線DL1とY軸方向において隣接し、第3配線LL3のうちの1つである第3データ転送線DL3は、第1データ転送線DL1のX軸方向における延長線上に配置され、第4配線LL4のうちの1つである第4データ転送線DL4は、第2データ転送線DL2のX軸方向における延長線上に配置され、第4データ転送線DL4は、第1領域RG1と第2領域RG2との間において第1データ転送線DL1と電気的に接続される。
すなわち、第1データ転送線DL1と、第1データ転送線DL1からみて斜め方向に位置する第4データ転送線DL4と、が電気的に接続される。
【0038】
本具体例では、第1領域RG1のデータ転送線のそれぞれが、第2領域RG2のデータ転送線のそれぞれと、Y軸方向に1本分シフトして接続されている。
【0039】
ここで、第5データ転送線DL5は、第4データ転送線DL4の第3データ転送線DL3とはY軸方向の反対の側において第4データ転送線DL4に隣接する低抵抗配線L1とする。また、第6データ転送線DL6は、第1データ転送線DL1の第2データ転送線DL2とはY軸方向の反対の側において第1データ転送線DL1に隣接する高抵抗配線L2とする。
【0040】
第2データ転送線DL2は、第2領域RG2の第5データ転送線DL5(第5メモリセルユニットMCU5の一端と接続されている)と、データ線つなぎ替え部100において、電気的に接続されている。
そして、第3データ転送線DL3は、第1領域RG1の第6データ転送線DL6(第6メモリセルユニットMCU6の一端と接続されている)と、データ線つなぎ替え部100において、電気的に接続されている。
【0041】
すなわち、第3配線LL3のうちの別の1つである第5データ転送線DL5は、第4データ転送線DL4の第3データ転送線DL3とはY軸方向の反対の側において第4データ転送線DL4に隣接している。そして、第2配線LL2のうちの別の1つである第6データ転送線DL6は、第1データ転送線DL1の第2データ転送線DL2とはY軸方向の反対の側において第1データ転送線DL1に隣接している。そして、第2データ転送線DL2は、第1領域RG1と第2領域RG2との間において第5データ転送線DL5と電気的に接続されつつ、第3データ転送線DL3は、第1領域RG1と第2領域RG2との間において第6データ転送線DL6と電気的に接続される。
【0042】
このように、半導体記憶装置510は、第1領域RG1に設けられ、X軸方向に延在し、複数のメモリセルを有する第1メモリセルユニットMCU1の一端に接続された第1データ転送線DL1と、第1領域RG1に設けられ、X軸方向に延在し、Y軸方向において第1データ転送線DL1と隣接し、複数のメモリセルを有する第2メモリセルユニットMCU2の一端に接続され、第1データ転送線DL1よりも電気抵抗が高い第2データ転送線DL2と、第2領域RG2に設けられ、第1データ転送線DL1のX軸方向における延長線上においてX軸方向に延在し、複数のメモリセルを有する第3メモリセルユニットMCU3の一端に接続された第3データ転送線DL3と、第2領域RG2に設けられ、第2データ転送線DL2のX軸方向における延長線上においてX軸方向に延在し、複数のメモリセルを有する第4メモリセルユニットMCU4の一端に接続され、第3データ転送線DL3よりも電気抵抗が高く、第1領域RG1と第2領域RG2との間において第1データ転送線DL1と電気的に接続された第4データ転送線DL4と、を備える。
【0043】
この構成により、第1データ転送線DL1と第4データ転送線DL4との連続した配線は、低抵抗配線L1と高抵抗配線L2の組み合わせとなる。また、同様に、第2データ転送線DL2と第5データ転送線DL5との連続した配線も、低抵抗配線L1と高抵抗配線L2の組み合わせとなる。そして、同様に、第3データ転送線DL3と第6データ転送線DL6との連続した配線も、低抵抗配線L1と高抵抗配線L2の組み合わせとなる。
【0044】
このように、本実施形態に係る半導体記憶装置510においては、データ転送線が低抵抗配線L1と高抵抗配線L2との組み合わせで接続されることになり、配線抵抗が均一化され、配線抵抗が高いデータ転送線がなくなる。これにより、配線の電気抵抗の変動を補償でき、配線遅延を抑制することができ、動作特性及び信頼性を向上することができる。
【0045】
一方、データ転送線つなぎ替え部100を有していない比較例の半導体記憶装置においては、低抵抗配線L1は、第1領域RG1と第2領域RG2とで、連続して延在し、また、高抵抗配線L2も、第1領域RG1と第2領域RG2とで、連続して延在する。すなわち、例えば、第1データ転送線DL1と第3データ転送線DL3とが互いに接続され、第2データ転送線DL2と第4データ転送線DL4とが互いに接続される構成に相当する。このため、例えば、高抵抗配線L2である第2データ転送線DL2と第4データ転送線DL4の組み合わせのデータ転送線において、配線遅延が大きくなり、動作特性が劣化し、また、信頼性が劣化する。
【0046】
これに対し、本実施形態に係る半導体記憶装置510においては、データ線つなぎ替え部100によって低抵抗配線L1と高抵抗配線L2とを互いに電気的に接続する構成を採用することで、配線遅延を抑制することができ、動作特性及び信頼性が向上できる。
【0047】
なお、上記のデータ転送線どうしの接続の構成は一例であり、本発明はこれに限らず、種々の変形が可能である。データ転送線どうしの接続の形態、すなわち、データ線つなぎ替え部100の構成の具体例については後述する。
【0048】
以下、本実施形態に係る第1の実施例の半導体記憶装置について説明する。
(第1の実施例)
図2は、第1の実施例の半導体記憶装置の構成を例示するブロック図である。
第1の実施例に係る半導体記憶装置511は、NAND型EEPROMである。
図2に表したように半導体記憶装置511においては、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bが設けられている。第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bが設けられる領域が、それぞれ第1及び第2領域RG1及びRG2となる。第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bには、後述するように、直列に接続された複数の不揮発性のメモリセルを含むメモリセルユニット4が複数設けられる。
【0049】
半導体記憶装置511には、データ制御線ドライバ2、ロウデコーダ3、制御回路40、Vpgm発生回路41a、Vpass発生回路41b、Vread発生回路41c、基板電位制御回路42、入出力バッファ45、センスアンプ回路46、アドレスバッファ47及びカラムデコーダ48がさらに設けられる。
【0050】
センスアンプ回路46は、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bに設けられるデータ転送線のデータを検出し、書き込みデータを保持する。センスアンプ回路46は、データラッチを兼ねており、例えばフリップフロップ回路を含む。
【0051】
センスアンプ回路46は、入出力データが入出力される入出力バッファ45に接続される。センスアンプ回路46から入出力バッファ45へのデータ転送は、アドレスバッファ47からアドレス信号47aを受けるカラムデコーダ48の出力によって制御される。また、入出力バッファ45は、アウトプットドライバーI/Oに接続されている。
【0052】
ロウデコーダ3は、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bに対して、メモリセルの選択を行う。具体的には、ロウデコーダ3は、後述する制御ゲート線、及び、後述する選択ゲート線の制御を行う。
【0053】
基板電位制御回路42は、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bが形成される例えばp型基板(またはp型ウェル)の電位を制御する。基板電位制御回路42は、特に消去時に10V以上の消去電圧に昇圧が可能であることが望ましい。
【0054】
Vpgm発生回路41aは、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bの選択されたメモリセルにデータ書き込みを行う際に用いられる書き込み電圧Vpgmを発生する。書き込み電圧Vpgmは、電源電圧よりも昇圧される。
【0055】
Vpass発生回路41bは、データ書き込み時に非選択のメモリセルに与えられる書き込み用中間電圧Vpassを発生する。
【0056】
Vread発生回路41cは、データ読み出し時に非選択のメモリセルに与えられる読み出し用中間電圧Vreadを発生する。
【0057】
Vpgm発生回路41a、Vpass発生回路41b及びVread発生回路41cは、書き込み、消去及び読み出しの各状態で、必要な電圧出力がデータ制御線ドライバ2に加えられるように、制御回路40によって制御される。
【0058】
書き込み電圧Vpgmは、例えば、10V(ボルト)以上、30V以下の電圧である。書き込み用中間電圧Vpassは、例えば、3V以上、15V以下の電圧である。読み出し用中間電圧Vreadは、例えば、1V以上、9V以下の電圧である。
【0059】
データ制御線ドライバ2は、ロウデコーダ3の出力に従って、上記の各電圧を、書き込みまたは読み出しが必要なメモリセルの後述する制御ゲートに印加するスイッチ回路である。
【0060】
図3は、第1の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的回路図である。
図3に表したように、半導体記憶装置511においては、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bが設けられる。
【0061】
第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bは、複数のメモリセルユニット4を有する。複数のメモリセルユニット4のそれぞれに、複数のデータ制御線7が接続されている。
【0062】
また、メモリセルユニット4の端部のそれぞれには、複数のメモリセルユニット4から1つのメモリセルユニット4を選択してデータ転送線BL(データ転送線BL1〜BL2n+1)に接続するために、選択トランジスタが配置されている。それぞれの選択トランジスタのゲート電極は、選択ゲート線5及び選択ゲート線6にそれぞれ接続されている。
【0063】
データ転送線BLは、データ制御線7と互いに直交する方向に伸び、データ制御線7と互いに直交する方向に所定の間隔をおいて配置されている。
メモリセルユニット4に含まれるメモリセルMCは、データ転送線BLとデータ制御線7との交点に設けられる。メモリセルMCのそれぞれは、独立してデータの書き込み、保持、消去及び読み出しが可能となっている。
【0064】
メモリセルユニット4は、データ転送線BLの延在方向(X軸方向)、及び、データ制御線7の延在方向(Y軸方向)に沿って複数設けられる。少なくともY軸方向に沿って並べられた複数のメモリセルユニット4が、第1メモリセルブロック1aに含まれ、少なくともY軸方向に沿って並べられた別の複数のメモリセルユニット4が、第2メモリセルブロック1bに含まれる。
【0065】
図3においては、2つのメモリセルブロック(第1及び第2メモリセルブロック1a及び1b)が設けられているが、本発明はこれに限らず、メモリセルブロックの数は3つ以上でも良い。なお、メモリセルブロックの数が2i個(iは正の整数)であることが、アドレスデコードをする上で望ましい。
【0066】
複数のメモリセルユニット4が接続されたデータ制御線7(データ制御線WLであり、例えばデータ制御線WL11〜WL1b、データ制御線WL21〜WL2b)の一端には、データ制御線7を駆動するデータ制御線ドライバ2(データ制御線ドライバ2a及び2b)が設けられている。データ制御線ドライバ2aには、データ制御線WL11〜WL1b及び選択ゲート線5が接続され、データ制御線ドライバ2bには、データ制御線WL21〜WL2b及び選択ゲート線5が接続されている。
【0067】
図3に例示したように、X軸方向において隣接する複数のメモリセルユニット4において、データ制御線ドライバ2の配置を容易にし、1つのメモリセルブロック(例えば第1メモリセルブロック1a)のデータ制御線7間のスキューを揃えるために、データ制御線ドライバ2は、2つに分割され、データ制御線ドライバ2a及び2bとして、メモリセルブロックの両端に設けられている。
【0068】
データ制御線ドライバ2a及び2bは、ロウアドレス選択回路3a及び3bと、それぞれ接続されている。データ制御線WL11〜WL1bに接続されたメモリセルMCと、データ制御線WL11〜WL1bに接続されたメモリセルMCとは、それぞれ独立にブロック選択される。
【0069】
なお、上記においては、データ制御線ドライバ2は、データ制御線ドライバ2a及び2bとして、図中の左右に振り分けているが、例えば、右側または左側の一方に設けられていても良い。
【0070】
また、第1メモリセルブロック1aにおいて、それぞれのメモリセルユニット4の一方の端に、選択ゲート線5(ブロック選択線SG11)が設けられ、他方の端に選択ゲート線6(ブロック選択線SG12)が設けられている。また、第2メモリセルブロック1bにおいて、それぞれのメモリセルユニット4の一方の端に、選択ゲート線5(ブロック選択線SG21)が設けられ、他方の端に選択ゲート線6(ブロック選択線SG22)が設けられている。選択ゲート線5及び選択ゲート線6は、データ制御線7に対して平行に設けられる。
【0071】
なお、図3においては、図を判り易くするために省略しているが、メモリセルユニット4とデータ転送線BL(データ転送線BL1〜BL2n)とは、互いに接続されている。具体的には、メモリセルユニット4とデータ転送線BLとは、選択ゲート線5及び6のいずれかの側において、互いに接続される。
【0072】
データ転送線BLの一端には、センスアンプ回路46が接続される。本具体例では、センスアンプ回路46は、メモリセルブロック(第1及び第2メモリセルブロック1a及び1b)の中及びその間に埋め込まれるのではなく、データ転送線BLの一端にまとめて配置されている。これにより、メモリセルMCのパターン周期性を維持し、センスアンプ回路46よりも単純な構成の配線やトランジスタパターンをメモリセルブロックに集中して配置できる。これにより、半導体記憶装置511内においてメモリセルMCの占有率を上昇させることができる。
【0073】
図4は、第1の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式図である。
すなわち、同図(a)は、半導体記憶装置511のメモリセルユニット4の回路を例示する回路図である。同図(b)は、半導体記憶装置511のメモリセルユニット4の構成を例示する模式的平面図である。同図(b)においては、メモリセルの構造をわかり易くするために、データ転送線BLよりも下の構造のみを示している。
【0074】
図5は、第1の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的断面図である。
すなわち、図5(a)は、図4(b)のB−B’線断面図であり、図5(b)は、図4(b)のA−A’線断面図である。
【0075】
図4(a)に表したように、メモリセルユニット4は、複数のメモリセルMC(メモリセルM1〜Mb)を有する。ここで、メモリセルMCの数は、b個(bは2以上の整数)である。
【0076】
メモリセルMCは、不揮発性のメモリセルである。複数のメモリセルMCは直列に接続され、複数のメモリセルMCの一端が、選択トランジスタS1を介してデータ転送線BLに接続される。複数のメモリセルMCの他端が、選択トランジスタS2を介して共通ソース線SLに接続される。
複数のメモリセルMCのトランジスタは、同一のウェル上に形成されている。
【0077】
ここで、メモリセルMCの数bは、例えば、16、32、34、66、68、130または132とすることができる。メモリセルMCの数bは、kを3以上の整数としたとき、2k、2k+2、または、2k+4であることが望ましい。例えば、メモリセルMCの数が2k+2または2k+4の場合は、2本または4本のダミーワード線が設けられることに対応する。
【0078】
なお、図3に例示したように、1以上の整数であるブロックインデックスnを用いると、メモリセルM1〜Mbの制御電極は、それぞれデータ制御線WLn1〜WLnbに接続される。
【0079】
また、データ転送線BLに沿った複数のメモリセルユニット4から1つのメモリセルユニット4を選択してデータ転送線BLに接続するために、選択トランジスタS1の制御電極は、ブロック選択線(ブロック選択線SGn1または「SSL」と記載)に接続される。
また、選択トランジスタS2の制御電極は、ブロック選択線(ブロック選択線SGn2または「GSL」と記載)に接続される。
すなわち、メモリセルユニット4は、NAND型メモリセルユニットである。
【0080】
なお、メモリセルユニット4には、選択ゲート線5及び6のいずれか一方が設けられれば良い。選択ゲート線5及び6は、データ制御線7と同じ方向に延在することが、高密度化のためには望ましい。
【0081】
図4(b)、図5(a)及び図5(b)を参照しながら、メモリセルユニット4の構成の例について説明する。
図4(b)、図5(a)及び図5(b)に表したように、p型シリコン基板121の上にn型シリコン領域122が設けられ、n型シリコン領域122の上にp型シリコン領域123が設けられる。p型シリコン領域123は、素子分離絶縁膜124によって複数の領域に分断されている。
【0082】
p型シリコン領域123の上に、トンネルゲート絶縁膜125を介して、浮遊ゲート126が設けられる。
p型シリコン領域123においては、例えば、ボロン不純物濃度が1014cm−3〜1019cm−3の間とされる。トンネルゲート絶縁膜125には、例えば、シリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜、及び、シリコン窒化膜のいずれか、または、それらを含む積層膜を用いることができる。トンネルゲート絶縁膜125の厚さは、例えば、1nm(ナノメートル)〜20nmとすることができる。浮遊ゲート126には、例えばポリシリコンを用いることができ、浮遊ゲート126の厚さは、例えば10nm〜500nmとすることができる。
【0083】
浮遊ゲート126の上に、層間絶縁膜150を介して、制御ゲート127が設けられる。
【0084】
層間絶縁膜150には、シリコン酸化膜/シリコン窒化膜/シリコン酸化膜の積層膜、シリコン窒化膜/シリコン酸化膜/シリコン窒化膜/シリコン酸化膜/シリコン窒化膜の積層膜、シリコン酸化膜/AlOx膜/シリコン酸化膜の積層膜、シリコン酸化膜/HfAlOx膜/シリコン酸化膜の積層膜、シリコン酸化膜/HfOx膜/シリコン酸化膜の積層膜、または、シリコン酸化膜などを用いることができる。層間絶縁膜150の厚さは、例えば2nmから30nmとすることができる。
【0085】
制御ゲート127には、例えばポリシリコン、WSi(タングステンシリサイド)、CoSi(コバルトシリサイド)、NiSi(ニッケルシリサイド)、または、タングステンとポリシリコンとの積層膜などを用いることができる。制御ゲート127の厚さは、例えば10nm〜500nmとすることができる。制御ゲート127は、ゲート配線であり、図3に例示したデータ制御線7並びに選択ゲート線5及び6に相当する。
【0086】
なお、図5(a)に例示したように、素子分離絶縁膜124は、それぞれの素子の浮遊ゲート126の位置まで設けられるのが、浮遊ゲート126と制御ゲート127との間のカップリング比を上げるのには望ましい。
【0087】
図4(b)に例示したように、制御ゲート127は、隣接するメモリセルユニット4の間で互いに接続されるように、Y軸方向において、メモリセルブロック(メモリセルブロック1a)の境界まで連続している。
【0088】
これらゲート電極(浮遊ゲート126と制御ゲート127)のX軸方向における側面には、側壁絶縁膜143が設けられる。側壁絶縁膜143には、例えば、シリコン窒化膜またはシリコン酸化膜を用いることができ、側壁絶縁膜143の厚さは、例えば5nm〜200nmとすることができる。
【0089】
これらゲート電極(浮遊ゲート126と制御ゲート127)の両側のp型シリコン領域123において、ソース・ドレイン電極となるn型拡散層128が設けられる。
【0090】
n型拡散層128と、浮遊ゲート126と、制御ゲート127と、により、浮遊ゲート型不揮発性EEPROMセルトランジスタが形成されている。
このセルは、チャネルからトンネルゲート絶縁膜125を介してトンネル電流によって浮遊ゲート126に注入した電荷をディジタルビットの情報として格納し、その電荷量に応じたMOSFETのコンダクタンス変化を測定し、情報を読み出す不揮発性半導体メモリである。なお、浮遊ゲート126は、例えばシリコン窒化膜などの絶縁膜としても良い。
【0091】
浮遊ゲート126のゲート長(X軸方向における浮遊ゲート電極126の幅)は、例えば0.01μm(マイクロメートル)以上、0.5μmとすることができる。ソース・ドレイン領域となるn型拡散層128においては、例えば、リン、砒素及びアンチモンの少なくともいずれかが、表面濃度が1017cm−3〜1021cm−3となるように、ドープされる。n型拡散層128の深さは、例えば10nm〜500nmである。
n型拡散層128は、隣接するメモリセルMCどうしで共有され、NAND接続が実現されている。
【0092】
図4(b)及び図5(b)に例示したように、ゲート電極127SSL及びゲート電極127GSLは、図3に例示した選択ゲート線6及び選択ゲート線5(ブロック選択線)に接続されたゲート電極である。ゲート電極127SSL及びゲート電極127GSLは、制御ゲート127と同層である。
【0093】
なお、ゲート電極127SSL及びゲート電極127GSLの部分において、層間絶縁膜150を省略し、浮遊ゲート126とゲート電極127SSLとを互いに接続し、浮遊ゲート126とゲート電極127GSLとを互いに接続し、抵抗を下げても良い。
【0094】
ゲート電極127SSL及びゲート電極127GSLのゲート長は、メモリセルMCのゲート電極のゲート長よりも長く、例えば、0.02μm以上、1μm以下に設定することができる。これにより、ブロック選択時とブロック非選択時との間のオン・オフ比を大きく確保でき、誤書き込みや誤読み出しを防止できる。
【0095】
また、n型拡散層128の1つであるデータ転送線側拡散層128dは、コンタクト139及びコンタクト130dを介して、データ転送線136(データ転送線BL)と、接続される。
【0096】
データ転送線136には、例えば、Cu、タングステン、タングステンシリサイド及びアルミニウムなどを用いることができる。
【0097】
コンタクト139は、データ転送線136と中間配線層133dとの間のコンタクトであり、コンタクト130dは、中間配線層133dとデータ転送線側拡散層128dとの間のコンタクトである。
【0098】
なお、中間配線層133dは、データ転送線136からn型拡散層128までを接続する上では省略しても良いが、中間配線層133dを設け、中間配線層133dを、後述するデータ転送線つなぎ替え部100の一部として使用することで、導電層の数の増加を防ぐことができる。
【0099】
また、n型拡散層128の1つであるソース線側拡散層128sは、コンタクト130sを介して、共通ソース線SLとなる中間配線層133と接続される。共通ソース線SLは、隣接するメモリセルブロック(例えば第1及び第2メモリセルブロック1a及び1b)で接続されるように、X軸方向に連続して設けられる。
【0100】
なお、n型拡散層128をX軸方向に沿って隣接するメモリセルブロックどうしの境界まで延在させ、これをソース線(共通ソース線SL)としても良い。
【0101】
上記のコンタクト(コンタクト139、コンタクト130d及びコンタクト130s)には、例えば、n型またはp型にドープされたポリシリコン、タングステン、タングステンシリサイド、Cu、Al、TiN及びTiなどを用いることができる。コンタクトは、これらの材料をコンタクトホールに埋め込んだ導電体領域とすることができる。
【0102】
中間配線層133d及び中間配線層133には、例えば、n型またはp型にドープされたポリシリコン、タングステン、タングステンシリサイド、Cu、Al、TiN及びTiなどを用いることができる。
【0103】
データ転送線136は、隣接するメモリセルブロック(例えば第1及び第2メモリセルブロック1a及び1b)で接続されるように、X軸方向に連続して設けられる。
【0104】
なお、図4(b)に例示したように、X軸方向に隣接したメモリセルユニット4どうしの間で、ソース線コンタクトSLC及びデータ転送線コンタクトBLCのいずれかが形成されている。ソース線コンタクトSLC及びデータ転送線コンタクトBLCは、X軸方向に隣接したメモリセルユニット4どうしの間で共有されていることが、半導体記憶装置511の面積縮小のために望ましい。
【0105】
また、共通ソース線SL及びデータ転送線136と、メモリセルMCのトランジスタと、の間には、例えばSiO2からなる層間絶縁膜168が設けられる。
さらに、図示はしていないが、データ転送線136の上部には、データ制御線WLと同方向に形成された、例えば、タングステン、タングステンシリサイド及びアルミニウムなどによる配線が、例えば、SiO2やSiNからなる層間絶縁膜137上に設けられる。
【0106】
図6は、第1の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的平面図である。
すなわち、同図は、第1の実施例の半導体記憶装置511に設けられるデータ転送線つなぎ替え部100の構成を例示している。
図7は、第1の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的断面図である。
すなわち、図7(a)は、図6のA−A’線断面図であり、図7(b)は、図6のB−B’線断面図である。
【0107】
図6、図7(a)及び図7(b)に表したように、データ転送線つなぎ替え部100においては、第1つなぎ替え配線233、第2つなぎ替え配線227、第1つなぎ替えコンタクト239及び第2つなぎ替えコンタクト230が設けられる。
【0108】
第1つなぎ替え配線233には、例えば、既に説明した中間配線層133及び133dと同じ材料が用いられ、第1つなぎ替え配線233は、中間配線層133及び133dと同層の配線である。第1つなぎ替え配線233は、例えば、溝中に、TaN、TiN、TaW及びTiなどのバリアメタルを介して導電材料が埋め込まれて形成される。第1つなぎ替え配線233には、膜厚が30nm〜300nmのタングステン、Cu、Al、AlCuなどを用いることができる。
【0109】
第2つなぎ替え配線227には、例えば、制御ゲート127と同じ材料が用いられ、第2つなぎ替え配線227は、制御ゲート127と同層の配線である。この構成の第2つなぎ替え配線227により、素子分離絶縁膜124が隣接して配置される方向において、データ転送線のつなぎ替えが実現される。
【0110】
第1つなぎ替えコンタクト239は、データ転送線136と第1つなぎ替え配線233との間を電気的に接続する。第1つなぎ替えコンタクト239も、例えば、溝中に、TaN、TiN、TaW及びTiなどのバリアメタルを介して導電材料が埋め込まれて形成される。
【0111】
第2つなぎ替えコンタクト230は、第1つなぎ替え配線233と第2つなぎ替え配線227との間を電気的に接続する。
【0112】
なお、データ転送線136も、例えば、溝中に、TaN、TiN、TaW及びTiなどのバリアメタルを介して導電材料が埋め込まれて形成されることができる。
【0113】
なお、図6では、図をわかり易くするために、データ転送線136、第1つなぎ替え配線233、第2つなぎ替え配線227、第1つなぎ替えコンタクト239及び第2つなぎ替えコンタクト230のX−Y平面上の配置が示されている。
【0114】
なお、データ転送線136は、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bから、データ転送線つなぎ替え部100の領域に延在している。データ転送線136は、Y軸方向に交互に隣接した低抵抗配線L1及び高抵抗配線L2を有している。データ転送線136のピッチpyは、低抵抗配線L1及び高抵抗配線L2において同じであるが、低抵抗配線L1及び高抵抗配線L2の幅は互いに異なることができる(または、低抵抗配線L1及び高抵抗配線L2の厚さが互いに異なる)。データ転送線136のピッチpyは、例えば、20nm以上、100nm以下である。データ転送線136の幅(配線幅)は、例えば、10nm以上、50nm以下である。例えば、低抵抗配線L1の幅と、高抵抗配線L2の幅とは、互いに異なり、低抵抗配線L1の幅は、例えば、10nm以上、50nm以下である。
【0115】
Y軸方向において互いに隣接する第1つなぎ替えコンタクト239は、例えば、データ転送線136と同じ最小のピッチpyで形成されている。
【0116】
なお、本具体例のデータ転送線つなぎ替え部100においては、3種類の配線接続パターンが用いられているので、図6においては、3種類の配線接続パターンに対応させて、データ転送線136をデータ転送線136a、136b、136cとして表示されている。
【0117】
後述するように、データ転送線136は、側壁加工により形成される。第1メモリセルブロック1aから延在しているデータ転送線136の低抵抗配線L1は、第2メモリセルブロック1bから延在しているデータ転送線136の低抵抗配線L1と、X軸方向において同一の延長線上にある。同様に、第1メモリセルブロック1aから延在しているデータ転送線136の高抵抗配線L2は、第2メモリセルブロック1bから延在しているデータ転送線136の高抵抗配線L2と、X軸方向において同一の延長線上にある。
【0118】
なお、データ転送線136の幅と第1つなぎ替え配線233の幅はほぼ等しいが、データ転送線136と第2つなぎ替えコンタクト239の余裕を、メモリセルブロック内におけるデータ転送線136どうしの間隔以上に確保することも可能である。
【0119】
図6に例示したように、第1つなぎ替え配線233及び第2つなぎ替え配線227は、データ転送線136の幅の、例えば2倍以上に緩和された幅を有することができる。これにより、データ転送線136よりも安価な低解像度のリソグラフィを用いることができ、より低コストでデータ転送つなぎ替え部100を形成することができる。
【0120】
図6に例示したように、第2つなぎ替えコンタクト230は、第1つなぎ替えコンタクト239よりも、例えば、1.2倍以上大きい径を有することができる。これにより、第1つなぎ替えコンタクト239よりも安価な低解像度のリソグラフィを用いることができ、より低コストでデータ転送つなぎ替え部100を形成することができる。
【0121】
なお、データ転送つなぎ替え部100においては、データ転送線136をX−Y平面内で屈曲させて配置する必要がなく、データ転送つなぎ替え部100の領域内のデータ転送線136を、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bと同様にY軸方向に関して稠密に配置することができる。
【0122】
なお、データ転送線つなぎ替え部100において、第1つなぎ替え配線233の幅の最小値と、第1つなぎ替え配線233どうしの間の間隔の最小値、第2つなぎ替え配線227の幅の最小値、及び、第2つなぎ替え配線227どうしの間の間隔の最小値は、データ転送線136の幅、及び、データ転送線136どうしの間の間隔以上に確保できる。
【0123】
なお、データ転送線つなぎ替え部100は、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bに含まれる配線構造を用いて形成でき、新たな工程を追加することなく形成することができる。
【0124】
すなわち、データ転送線つなぎ替え部100で必要とされる最小配線ピッチは、データ転送線136のピッチpyである。また、コンタクトの最小幅、及び、コンタクトどうしの間の間隔の最小幅は、データ転送線136に直接接続される第1つなぎ替えコンタクト239の幅である。これらの値は、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bに含まれる構造を形成する工程で必要とされている寸法の値であり、従来よりも小さなコンタクトや細い配線を形成する必要はない。よって、従来よりも高解像度のリソグラフィを必要とせず、所望のつなぎ替えを実現することができる。
【0125】
すなわち、第1つなぎ替えコンタクト239は、例えば、メモリセルMCのデータ転送線136に接続されるコンタクトと同じ寸法により形成することができ、コンタクトプロセスや配線プロセスを増加させずに、第1つなぎ替えコンタクト239を形成することができる。
【0126】
本具体例のデータ転送線つなぎ替え部100は、データ転送線136が延在して設けられる配線層と、データ転送線136とは異なる層であってデータ転送線136の2倍以上太い最小配線幅を有する第1の配線層(第1つなぎ替え配線233)及び第2の配線層(第2つなぎ替え配線227)の2層と、データ転送線136と第1の配線層とを選択的に接続する第1のコンタクト(第1つなぎ替えコンタクト239)と、第1のコンタクトよりも1.2倍以上大きい径を有し、第1の配線層と第2の配線層と接続する第1のコンタクト(第2つなぎ替えコンタクト230)と、を有する。
【0127】
図6に例示したように、第2メモリセルブロック1bの側から伸びるデータ転送線136が、第1メモリセルブロック1aの側の、右側に1本ずれたデータ転送線136に電気的に接続されている。
【0128】
例えば、第2メモリセルブロック1bの側のデータ転送線136aが、第1メモリセルブロック1aの側のデータ転送線136bと、第1つなぎ替えコンタクト239と第1つなぎ替え配線233とを介して電気的に接続されている。
【0129】
また、第2メモリセルブロック1bの側のデータ転送線136cが、第1メモリセルブロック1aの側のデータ転送線136bと、第1つなぎ替えコンタクト239と、第1つなぎ替え配線233と、第2つなぎ替え配線227と、を介して電気的に接続されている。
【0130】
また、第2メモリセルブロック1bの側のデータ転送線136bが、第1メモリセルブロック1aの側のデータ転送線136aと、第1つなぎ替えコンタクト239と、第1つなぎ替え配線233と、を介して電気的に接続されている。
このような構成により、X−Y平面内において斜めの位置に互いに配置される、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bのデータ転送線136どうしを、電気的に接続することができる。
【0131】
なお、図3及び図6に例示した構成を、例えばX軸方向を中心にして鏡面反転した構成を用いても良い。
【0132】
なお、本具体例では、X−Y平面内において斜めの位置に互いに配置されるデータ転送線136どうしを、Y軸方向に沿って1本分シフトさせて電気的に接続するが、本発明はこれに限らない。すなわち、第1メモリセルブロック1aの低抵抗配線L1と、第2メモリセルブロック1bの高抵抗配線L2と、が電気的に接続され、第1メモリセルブロック1aの高抵抗配線L2と、第2メモリセルブロック1bの低抵抗配線L1と、が電気的に接続されれば良い。
【0133】
例えば、第1メモリセルブロック1aのデータ転送線136と、第2メモリセルブロック1bのデータ転送線136と、を、Y軸方向に沿って奇数本分シフトさせて電気的に接続しても良い。なお、3本、5本などのように3本以上の奇数本のつなぎ替えの構成とする場合は、例えば、1本のつなぎ替えを3回、5回などのように繰り返せば良いので、例えば、第1つなぎ替え配線233及び第2つなぎ替え配線227のパターンを調整することにより、半導体記憶装置511と同じ層数及びコンタクト層数で、データ転送線つなぎ替え部100を実現できる。
【0134】
ここで、つなぎ替えのシフトの本数に従ってデータ転送線136の数が増加する。そのため、半導体記憶装置511のように、1本のシフトのつなぎ替えの構成にすることにより、データ転送線136の数の増加を最小限にすることができ、半導体記憶装置の面積の増大を抑制できる。
【0135】
データ転送線つなぎ替え部100は、外部信号入力が必要なくデータ転送線136をつなぎかえることができる。よって、追加する回路は不要で、より回路面積を小さくできる。さらに、データ転送線つなぎ替え部100は、データ転送線136を導電体によって電気的に接続しており、半導体基板を介しない構造となっている。このため、配線間の電圧が正負に振れても、半導体基板にリーク電流が流れることがない。これにより、データ転送線136の電位の変化や電流の変化を小さく保ちつつ、データ転送線136の電位を、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bどうし間で伝達することが可能である。
【0136】
なお、半導体記憶装置511において、第1メモリセルブロック1aに属するメモリセルユニット4に含まれるメモリセルMCの数と、第2メモリセルブロック1bに属するメモリセルユニット4に含まれるメモリセルMCの数と、を、ほぼ等しくすることが望ましい。また、第1メモリセルブロック1aに属するデータ転送線136のX軸方向に沿った長さと、第2メモリセルブロック1bに属するデータ転送線136のX軸方向に沿った長さと、を、ほぼ等しくすることが望ましい。この構成により、低抵抗配線L1と高抵抗配線L2とが交互に配設される構成(例えば、側壁加工によってリソグラフィの倍の密度で配線を形成する構成)において、配線遅延を抑制して動作特性及び信頼性を向上させる効果が、特に効果的に発揮される。
【0137】
以下、データ転送線136の形成方法の例について説明する。
図8及び図9は、第1の実施例の半導体記憶装置のデータ転送線の作製方法を例示する工程順模式的断面図である。
図8(a)に表したように、基膜401の主面上に層間膜402が形成され、層間膜402の上に絶縁膜403が形成されている。基膜401は、例えば、作製するデータ転送線136よりも下層の基体の表面の膜である。
【0138】
絶縁膜403には、シリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜及びSiON膜などを用いることができる。層間膜402には、例えば、シリコン窒化膜、SiCN膜及びSiON膜などを用いることができる。基膜401には、層間膜402とは異なる材料が用いられ、基膜401には、例えば、シリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜及びSiON膜などが用いられる。
【0139】
絶縁膜403の主面の上に、芯材404となる芯材膜を形成した後、芯材膜の上に、リソグラフィにより、データ転送線136のピッチpyの倍のピッチでレジストを形成する。このレジストのピッチは、例えば、リソグラフィの加工精度の最小ピッチとされる。このレジストは、例えば、幅が30nm〜200nmの範囲の配線幅とされる。このレジストをマスクにして、芯材膜をパターニングし、芯材404を形成する。芯材404には、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜、アモルファスシリコン膜、および、カーボン膜を用いることができる。
【0140】
芯材404は、データ転送線136の想定ピッチの半分になるように、幅を狭めて形成される。この際、レジストの幅のばらつきによって、データ転送線136の想定ピッチの半分よりも若干太く芯材404が形成されているとする。データ転送線136の想定ピッチは、例えば、10nm〜100nmの間の値である。
【0141】
図8(b)に表したように、この芯材404の上面及び側面を覆うように側壁膜405を形成する。側壁膜405には、芯材404とは異なる材料が用いられる。側壁膜405には、例えば、シリコンやAl2O3などを用いることができる。また、芯材404と異なる膜であれば、側壁膜405として、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜、アモルファスシリコン膜、および、カーボン膜を用いることができる。側壁膜405のY軸方向に沿った厚さが、データ転送線136の想定ピッチの約半分の長さになるようにする。
【0142】
そして、異方性エッチングを行い、絶縁膜403の一部を露出させる。これにより、芯材404の側壁に側壁膜405が形成される。
【0143】
その後、図8(c)に表したように、芯材404を除去する。芯材404の除去には、例えば、フッ酸系エッチャントやRIE(Reactive Ion Etching)によるエッチングを用いることができる。
【0144】
図9(a)に表したように、側壁膜405をマスクとして、絶縁膜403及び層間膜402をエッチングする。このエッチングには、異方性エッチングを用いる。この際、基膜401としては、層間膜402とは異なる材料(層間膜402よりもエッチングレートが低い材料)が用いられており、層間膜402と基膜401との間の界面で、エッチングを停止させることができる。
【0145】
図9(b)に表したように、マスクとして使用された側壁膜405を除去し、露出した基膜401の上面、層間膜402の側面、並びに、絶縁膜403の上面及び側面に、バリアメタル406を形成する。バリアメタル406には、例えば、TaN、TaW、Ti、及びTiNなどを用いることができる。バリアメタル406の厚さは、例えば、1nm〜10nmとすることができる。
【0146】
その後、溝を埋め込むように、バリアメタル406の上に金属膜407を形成し、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)によって、平坦化する。なお、金属膜4
07には、バリアメタル406よりも低抵抗の材料が用いられ、金属膜407には、例えば、Cu、AlやWを用いることができる。この溝に埋め込まれた金属膜407(バリアメタル406を含む)が、データ転送線136となる。なお、データ転送線136は、いわゆる埋め込み配線となり、データ転送線136の断面形状は逆テーパー形状となっている。
【0147】
図9(a)に表したように、層間膜402及び絶縁膜403に形成された溝の幅は、レジストの寸法のばらつきと、側壁膜405の膜厚のばらつきの2倍と、の両方により、変動する。このため、広い幅の溝と、狭い幅の溝と、が交互に並んで形成される。
このため、図9(c)に表したように、広い幅のデータ転送線136と、狭い幅のデータ転送線136と、が交互に並ぶことになる。
【0148】
さらに、図9(c)に表したように、マイクロローディング効果より、広い溝は深い溝となり、狭い溝は浅い溝となる。このため、広い幅のデータ転送線136においては膜厚が厚く、狭い幅のデータ転送線136においては膜厚が薄くなる。
【0149】
また、幅が狭く浅いデータ転送線136ほど、それに含まれる金属の結晶粒径は小さくなる傾向があり、これにより、金属の結晶粒界、及び、金属膜407とバリアメタル406との間の境界抵抗が増加する。この効果によって、金属膜407の断面積の差異による抵抗の差異よりもさらに抵抗に差異が拡大する。
【0150】
このように、側壁加工におけるばらつきによって、データ転送線136の幅及び厚さが変動し、さらに、結晶粒径の変動による効果も加わり、データ転送線136において交互に繰り返される低抵抗と高抵抗とにおける抵抗値の差はさらに大きくなる。
【0151】
なお、図9(c)に表したように、データ転送線136どうしの間の絶縁膜の幅のばらつき(幅saと幅sbとの差)は、側壁膜405の厚さ(Y軸方向に沿った厚さ)のばらつきにより決まる。
また、データ転送線136の幅のばらつき(幅sdのばらつき)は、側壁膜405の幅(Y軸方向に沿った幅)のばらつきと、芯材404の幅(Y軸方向に沿った幅)のばらつきと、の合計のばらつきにより決まる。従って、隣接するデータ転送線136どうしの幅の差(幅scと幅sdとの差)は、隣接する、データ転送線136どうしの間の絶縁膜の幅の差(幅saと幅sbとの差)よりも大きい。
【0152】
すなわち、図9(c)に表したように、半導体記憶装置511においては、第1領域の高抵抗配線L2(第2配線)は、第1データ転送線DL1の第2データ転送線DL2とは反対の側において第1データ転送線DL1に隣接し、X軸方向に延在し、複数のメモリセルを有する第6メモリセルユニットMCU6の一端に接続され、第1データ転送線DL1よりも電気抵抗が高い第6データ転送線DL6をさらに有している。
第6データ転送線DL6の幅は、第2データ転送線DL2の幅と同じである。そして、第1データ転送線DL1の幅(幅sc)と、第2データ転送線DL2の幅(幅sd)と、の差の絶対値は、第1データ転送線DL1と第2データ転送線DL2のとの間の第1絶縁領域RGI1の幅(幅sb)と、第1データ転送線DL1と第6データ転送線DL6のとの間の第2絶縁領域RGI2の幅(幅sa)と、の差の絶対値よりも大きい。
【0153】
なお、図9(c)に表したように、データ転送線136の幅としては、データ転送線136の上面(基膜401、すなわち、p型シリコン基板121とは逆側の面)におけるデータ転送線136のY軸方向に沿った幅(幅sc及び幅sd)とすることができる。
また、データ転送線136の厚さは、データ転送線136のZ軸方向に沿った厚さ(厚さtc及び厚さtd)である。
【0154】
データ転送線136の上面における幅のばらつきよりも、データ転送線136どうしの間の絶縁膜の幅のばらつきの方が小さくなる上記の特徴は、データ転送線136どうしの間の絶縁膜の耐圧を確保するために有利な構造である。
【0155】
本実施形態に係る半導体記憶装置510及び第1の実施例に係る半導体記憶装置511においては、上記のように側壁加工のばらつきによって、低抵抗配線L1と高抵抗配線L2とが形成された場合においても、データ転送線つなぎ替え部100を設けることで、配線の電気抵抗の変動を補償し、配線遅延を抑制し、動作特性及び信頼性を向上させることができる。
【0156】
例えば、第1メモリセルブロック1aに属する第1データ転送線DL1の抵抗を第1抵抗R1とし、第2データ転送線DL2の抵抗を(R1+ΔR)とする。ここでΔRは正の値とする。また、第1データ転送線DL1と第2データ転送線DL2とを含む領域の容量を、集中定数に置き換えた容量として第1容量C1とする。
【0157】
一方、第2メモリセルブロック1bに属する第3データ転送線DL3の抵抗を第2抵抗R2とし、第4データ転送線DL4の抵抗を(R2+ΔR)と近似できる。また、第3データ転送線DL3と第4データ転送線DL4とを含む領域の容量を、集中定数に置き換えた容量として第2容量C2とする。X軸方向の延長線上において互いに隣接するデータ転送線136どうしの抵抗の比が、第1抵抗R1と第2抵抗R2との比になることから、第2容量C2は、データ転送線間の容量が支配的な場合、C1×(R2/R1)と近似できる。
【0158】
このとき、本実施形態に係る半導体記憶装置510及び第1の実施例に係る半導体記憶装置511においては、データ転送線つなぎ替え部100を設けることで、低抵抗配線L1と高抵抗配線L2とを互いに電気的に接続することで、抵抗が平均化される。すなわち、センスアンプ回路46から最も離れた位置にあるメモリセルユニット4までの配線遅延の時定数は、データ転送線つなぎ替え部100における抵抗の変化が十分小さいとすると、{R1C1×(1+ΔR)+R2C2}、または、{R1C1+R2C2×(1+ΔR)}となる。
【0159】
また、隣接するデータ転送線BL(データ転送線136)どうしの間における時定数の差は、(R1C1−R2C2)×ΔRとなる。
【0160】
ここで、第1メモリセルブロック1aと第2メモリセルブロック1bとにおける、データ転送線BLの長さをほぼ等しくすると、上記の時定数の差(R1C1−R2C2)×ΔRは、ほぼ零にすることができる。
【0161】
図10は、比較例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的回路図である。
図10に表した用に、比較例の半導体記憶装置519においては、データ転送線つなぎ替え部100が設けられていない。すなわち、例えば、図1における第1データ転送線DL1と第3データ転送線DL3とが互いに接続され、第2データ転送線DL2と第4データ転送線DL4とが互いに接続される。すなわち、X軸方向において隣接する低抵抗配線L1どうしが接続され、X軸方向において隣接する高抵抗配線L2どうしが接続される。これ以外は、半導体記憶装置511と同じなので説明を省略する。
【0162】
比較例の半導体記憶装置519においては、センスアンプ回路46から最も離れた位置にあるメモリセルユニット4までの配線遅延の時定数は、高抵抗配線L2においては、最も大きい場合には、(R1C1+R2C2)×(1+ΔR)となり、第1の実施例に係る半導体記憶装置511に比べて大きい。
【0163】
また、隣接するデータ転送線BL(データ転送線136)どうしの間における時定数の差は、(R1C1+R2C2)×ΔRとなり、第1の実施例に係る半導体記憶装置511に比べて大きく、また、零にすることができない。
【0164】
このため、半導体記憶装置519においては、読み出し速度が低下し、また、読み出しマージンが低下し、また、エレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションが生じ易くなり、信頼性を劣化させる。
【0165】
すなわち、配線抵抗が大きいデータ転送線BLにおいては、メモリセルMCに格納された情報を読み出す際の配線遅延が大きく、読み出し速度が低下する。また、配線抵抗がメモリセルMCに直列接続されているので、配線抵抗が上昇するとメモリセルMCに流せる電流が減少するため、遮断状態と導通状態のメモリセルMCの状態の区別がつきに難くなり、読み出しマージンが低下する。例えば、NANDフラッシュメモリアレイでは、メモリセルMCの占有率を上昇させるため、データ転送線BLとして、例えば2mm以上の長さの配線が使われ、データ転送線BLの端にセンスアンプ回路46が電気的に接続される。データ転送線BLのセンスアンプ回路46に近接するメモリセルMCと、センスアンプ回路46から最も遠いメモリセルMCと、では、配線の時定数に基づく遅延が生じ、これらメモリセルMCを同等の速度で読み出すために、読み出し時間のマージンを拡大する必要がある。
【0166】
また、狭い幅のデータ転送線BLにおいて、エレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションなどの信頼性低下が生じる可能性がある。
【0167】
これに対し、本実施形態に係る半導体記憶装置510及び第1実施例に係る半導体記憶装置511においては、データ転送線つなぎ替え部100を設けることで、配線の電気抵抗の変動を補償し、配線遅延を抑制し、動作特性及び信頼性を向上させることができる。
【0168】
第1メモリセルブロック1aのメモリセルユニット4に含まれるメモリセルMCの数NAに対する、第2メモリセルブロック1bのメモリセルユニット4に含まれるメモリセルMCの数NBと、の差を10%以下にすると、隣接するデータ転送線BLどうしの間における時定数の差を、比較例の半導体記憶装置519の時定数の差(R1C1+R2C2)×ΔRの10%以下に抑えることができ、回路動作上望ましい。
【0169】
すなわち、このように設定することで、配線の構造のばらつきによる時定数のばらつきによる変動を10%以下に抑制することができ、動作ばらつきの小さい回路を実現できる。なお、データ転送線136の幅の相対ばらつきは、リソグラフィの寸法ばらつき精度を保証するために、約10%程度許容する。上記の互いに隣接する配線どうしにおける時定数の相対ばらつきを10%以下に抑えることにより、時定数のばらつきをデータ転送136の幅の相対ばらつきよりも小さくでき、時定数の全体のばらつきを、より小さくすることができる。
【0170】
すなわち、第1メモリセルユニットMCU1に含まれるメモリセルMCの数と、第2メモリセルユニットMCU2に含まれるメモリセルMCの数と、は互いに等しく、第3メモリセルユニットMCU3に含まれるメモリセルMCの数と、第4メモリセルユニットMCU4に含まれるメモリセルユニットMCU4の数と、は互いに等しく設定されることができる。そして、第1メモリセルユニットMCU1に含まれるメモリセルMCの数をNAとし、第3メモリセルユニットMCU3に含まれるメモリセルMCの数をNBとしたとき、(NA−NB)/(NA+NB)の絶対値は、0.1以下とすることができる。
これにより時定数のばらつきを小さくでき、動作特性をさらに向上できる。
【0171】
なお、(NA−NB)/(NA+NB)の絶対値は0.05以下とすることがさらに望ましい。これにより、さらに動作特性を向上できる。
【0172】
本実施例の半導体記憶装置511によれば、隣接するデータ転送線BLに接続されるメモリセルブロックに含まれるメモリセルMCに対して、同時に読み出しや同時に書き込みを行う場合、データ転送線BLどうしの間の遅延時間の差の分、回路動作マージンを縮小しても回路を正常動作させることができ、回路動作を高速化できる。これにより、比較例よりも高速の読み出し及び書き込みが実現できる。
【0173】
また、隣接するデータ転送線BLに接続されるセンスアンプ回路46の動作タイミングを揃えることができ、全体として、遅延特性の揃った、及び、スキューの揃った回路動作を実現することができる。また、データ転送線BLどうしの間での遅延時間のばらつきも小さくすることができ、時定数の違いによるパルス波形の乱れも小さくすることができる。
【0174】
また、第1メモリセルブロック1a及び第2メモリセルブロック1bに含まれるデータ転送線BLの長さ(X軸方向に沿った長さ)をほぼ等しくした場合、配線遅延を、比較例よりも、(R1C1)×ΔR以上、縮小することができ、より、配線の充放電にかかる時間を短縮できる。これにより、回路動作マージンを縮小しても回路を正常動作させることができ、回路動作を高速化できる。これにより、比較例よりも高速の読み出し及び書き込みが実現できる。
【0175】
本実施例に係る半導体記憶装置511においては、例えば、データ転送線BLに流れる電流量の差が、しきい値判定の読み出しに影響を与える場合においても、センスアンプ回路46から最も遠いメモリセルユニット4までの抵抗の差を縮小でき、しきい値判定が安定できるので、有利である。
【0176】
つまり、データ転送線BLの配線つなぎ替えを行わない比較例の場合には、既に説明したように、低抵抗配線L1の配線抵抗は(R1+R2)であるのに対して、高抵抗配線L2の配線抵抗は(R1+R2)×(1+ΔR)となる。このように、比較例においては、低抵抗配線L1と高抵抗配線L2とで配線抵抗に差が生じ、流れる電流量に差が生じる。
【0177】
これに対して、本実施例に係る半導体記憶装置511においては、既に説明したように、配線遅延の時定数は、{R1C1×(1+ΔR)+R2C2}、または、{R1C1+R
2C2×(1+ΔR)}となり、隣接するデータ転送線BLどうしの間における時定数の
差は、(R1C1−R2C2)×ΔRとなる。
【0178】
そして、第1メモリセルブロック1aと第2メモリセルブロック1bとにおける、データ転送線BLの長さをほぼ等しくすると、上記の時定数の差(R1C1−R2C2)×ΔRは、ほぼ零にすることができる。
【0179】
これにより、隣接するデータ転送線BLに接続されたメモリセルMCに対して同時に読み出し及び書き込みを行う場合に、データ転送線BLどうし間の配線抵抗の差の分だけ回路動作マージンを縮小でき、回路動作を高速化できる。また、配線抵抗の差を小さくすることにより、配線抵抗の差に起因する電流量の差を小さくすることができ、よりしきい値の差をより精度良く検出することができる。これらにより、高速の読み出し及び書き込みを実現できる。
【0180】
また、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bに含まれるデータ転送線BLの長さをほぼ等しくした場合、配線抵抗を、比較例よりも、R1×ΔR以上、縮小することができ、より配線抵抗を削減し、メモリセルMCの電流を増大させることができる。
【0181】
(第2の実施例)
図11は、第2の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的平面図である。
すなわち、同図は、第1の実施形態に係る第2の実施例の半導体記憶装置512に設けられるデータ転送線つなぎ替え部100の構成を例示している。半導体記憶装置512のデータ転送線つなぎ替え部100以外の構成は、第1の実施例の半導体記憶装置511と同様なので説明を省略する。
【0182】
図11に表したように、半導体記憶装置512のデータ転送線つなぎ替え部100の領域RGaにおいては、2つの第1つなぎ替えコンタクト239と、1つのコンタクトリソグラフィ補助パターン339(実際はコンタクト開口せず)と、が1組みのコクタクトセットとなる。そして、1つのコンタクトセットにおいては、2つの第1つなぎ替えコンタクト239と、1つのコンタクトリソグラフィ補助パターン339(実際はコンタクト開口せず)と、がX−Y平面内で斜めに配置される。このようなコンタクトセットが、Y軸方向に沿って複数繰り返して配置されている。すなわち、2つの第1つなぎ替えコンタクト239と、1つのコンタクトリソグラフィ補助パターン339(実際はコンタクト開口せず)と、は、Y軸方向に沿って千鳥状(ジグザグ状)に繰り返して配置される。
【0183】
コンタクトリソグラフィ補助パターン339(実際はコンタクト開口せず)は、コンタクトのX−Y平面内における規則性を向上するために配置されたものである。コンタクトリソグラフィ補助パターン339(実際はコンタクト開口せず)は、例えば、第1つなぎ替えコンタクト239の大きさよりも3nm〜30nmの範囲で小さく形成される。その結果、コンタクトリソグラフィ補助パターン339(実際はコンタクト開口せず)の一部は、実際にはコンタクト穴が形成されないようにされ、導電層間の電気的な接続を行わないようにする。
【0184】
図11に表したように、第1データ転送線DL1が、第4データ転送線DL4と、第1つなぎ替えコンタクト239と第1つなぎ替え配線233とを介して、電気的に接続されている。
また、例えば、第2データ転送線DL2が、第5データ転送線DL5と、第1つなぎ替えコンタクト239と、第1つなぎ替え配線233と、第2つなぎ替え配線227と、を介して、電気的に接続されている。例えば、第3データ転送線DL3が、第6データ転送線DL6と、第1つなぎ替えコンタクト239と、第1つなぎ替え配線233と、第2つなぎ替え配線227と、を介して、電気的に接続されている。
これにより、半導体記憶装置512においても配線の電気抵抗の変動を補償し、配線遅延を抑制し、動作特性及び信頼性を向上できる。
【0185】
なお、メモリセルブロック内におけるデータ転送線BLのコンタクトも、2つの第1つなぎ替えコンタクト239と、1つのコンタクトリソグラフィ補助パターン339(実際はコンタクト開口せず)と、の3つの組みのコンタクトセットの周期的な配置とすることができる。これにより、メモリセルブロック内と同じリソグラフィの条件で、データ転送線つなぎ替え部100を形成でき、よりプロセスマージンを広げることができる。
【0186】
(第3の実施例)
図12は、第3の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的平面図である。
すなわち、同図は、第1の実施形態に係る第3の実施例の半導体記憶装置513に設けられるデータ転送線つなぎ替え部100の構成を例示している。半導体記憶装置513のデータ転送線つなぎ替え部100以外の構成は、第1の実施例の半導体記憶装置511と同様なので説明を省略する。
【0187】
図12に表したように、半導体記憶装置513においては、データ転送線136の分断位置(データ転送線136のX軸方向における端部の位置)は、低抵抗配線L1と高抵抗配線L2とにおいて、一定である。
【0188】
図12に表したように、例えば、第1データ転送線DL1が、第4データ転送線DL4と、第1つなぎ替えコンタクト239と、第1つなぎ替え配線233と、第2つなぎ替え配線227と、を介して、電気的に接続されている。
また、第2データ転送線DL2が、第5データ転送線DL5と、第1つなぎ替えコンタクト239と第1つなぎ替え配線233とを介して、電気的に接続されている。また、第3データ転送線DL3が、第6データ転送線DL6と、第1つなぎ替えコンタクト239と第1つなぎ替え配線233とを介して、電気的に接続されている。
これにより、半導体記憶装置513においても配線の電気抵抗の変動を補償し、配線遅延を抑制し、動作特性及び信頼性を向上できる。
【0189】
このように、本実施形態に係る半導体記憶装置510(及び、第1〜第3の実施例に係る半導体記憶装置511〜513)によれば、メモリセルMCを読み出す際の配線遅延が増大し、読み出し速度が低下する問題を緩和することができる。
【0190】
また、センスアンプ回路46とデータ転送線BL(データ転送線136)がメモリセルユニット4に直列接続される構造においては、配線抵抗が上昇するとメモリセルMCに流せる電流が減少するため、遮断状態の場合のセル電流と導通状態の場合のセル電流の差が減少し、メモリセルMCの状態の区別がつきにくくなり、読み出しマージンが低下するが、本実施形態によれば、比較例よりもメモリセルMCに流せる最小の電流を増大することができ、より読み出しマージンを拡大することができる。
【0191】
特に、NAND型フラッシュメモリにおいては、メモリセルMCの占有率を上昇させるために、データ転送線BLとして、例えば2mm以上の長さの配線が使われ、データ転送線BLの端にセンスアンプ回路46が電気的に接続される。この構成において、センスアンプ回路46の近傍においてデータ転送線BLに接続されたメモリセルMCと、センスアンプ回路46からも遠い位置において接続されたメモリセルMCでは、データ転送線BLの時定数による遅延が生じる。これらメモリセルMCを同等の速度で読み出す場合には、センスアンプ回路46から遠いメモリセルMCにおいても読み出しできるように、余裕をもった読み出しタイミングを確保する必要があるが、本実施形態を適用することで、データ転送線136どうしの間の時定数のばらつきを小さくすることができる。これにより、メモリセルMCの読み出し時間マージンを従来よりも増大することができる。
【0192】
さらに、データ転送線BLで発生する電圧低下量は配線抵抗に比例する。よって、データ転送線BLとなる金属配線の幅が一様に狭いと、金属配線の抵抗が上昇し、配線遅延が上昇する問題やエレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションに生じ易くなる。これに対し、本実施形態を適用することで、配線抵抗の上昇に伴うメモリセルMCに流せる電流の減少の問題を緩和できるため、読み出しマージンを従来よりも増大することができる。また、金属配線の幅が一様に狭い場合に比べて、金属配線の抵抗が上昇し、配線遅延が上昇する問題やエレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションを生じにくくできる。
【0193】
なお、本実施形態に係る半導体記憶装置510(及び、第1〜第3の実施例に係る半導体記憶装置511〜513)においては、以下の「特徴A」を有する。
すなわち、第1メモリセルブロック1aのデータ転送線BLと、第2メモリセルブロック1bのデータ転送線BLと、で、相対的な位置(例えばY軸方向に沿った位置)は、互いに同じにすることができ、従来から変更する必要がない。
このため、メモリセルMC間の物理/論理アドレス割り当てを奇数ビットだけシフトするだけで良い。すなわち、データ転送線BLへの印加電圧を、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bで変更する必要がなく、従来と同様の構成をそのまま適用することができる。
また、第1メモリセルブロック1aのデータ転送線BLと、第2メモリセルブロック1bのデータ転送線BLと、における相対関係と、第1メモリセルブロック1aのメモリセルMCと、第2メモリセルブロック1bのメモリセルMCと、における相対関係と、は、同じ関係になる。隣接するデータ転送線BLの相対関係と、隣接するセルの相対関係と、が互いに同じなので、第1メモリセルブロック1aと第2メモリセルブロック1bとで、メモリセルMCどうしの間の昇圧関係やディスターブに対して、パラメータを変える必要がなく、つなぎ替えをする場合としない場合とで、各種の設計パラメータを同等に扱うことができ、設計効率が高いというメリットがある。
【0194】
(第2の実施の形態)
図13は、第2の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を例示する模式図である。
図13に表したように、本実施形態に係る半導体記憶装置520においても、低抵抗配線L1(第1配線LL1第3配線LL3)及び高抵抗配線L2(第2配線LL2及び第4配線LL4)が設けられる。すなわち、半導体記憶装置520も、第1〜第4データ転送線DL1〜DL4を備える。そして、半導体記憶装置520においては、第1〜第4データ転送線DL1〜DL4のつなぎ替えの構成が、半導体記憶装置510と異なる。それ以外は、半導体記憶装置510と同様なので説明を省略する。
【0195】
半導体記憶装置520においては、第4データ転送線DL4が、第1データ転送線DL1と電気的に接続されつつ、第3データ転送線DL3は、第1領域RG1(第1メモリセルブロック1a)と第2領域RG2(第2メモリセルブロック1b)との間において、第2データ転送線DL2と電気的に接続されている。
【0196】
この構成によっても、第1領域RG1の低抵抗配線L1と、第2領域RG2の高抵抗配線L2と、が互いに接続され、第1領域RG1の高抵抗配線L2と、第2領域RG2の低抵抗配線L1と、が互いに接続されることで、配線抵抗を均一化することができる。
【0197】
これにより、第1の実施形態に関して説明した効果が同様に得られる。すなわち、配線の電気抵抗の変動を補償し、配線遅延を抑制し、動作特性及び信頼性を向上させることができる。
【0198】
第2の実施形態に係る半導体記憶装置520においては、第1の実施形態に関して説明した「特徴A」を除いて、第1の実施形態と同様な効果を発揮する。さらに、本実施形態に係る半導体記憶装置520においては、第1の実施形態に比べて、データ転送線BLのつなぎ替えのために、データ転送線BLを奇数本(奇数本×メモリセルブロックの数)だけ追加することなしに、データ転送線BLのつなぎ替えを行うことができる。これにより、回路面積をより小さくすることができる。
【0199】
(第4の実施例)
図14は、第4の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的回路図である。
図14に表したように、第2の実施形態の第4の実施例に係る半導体記憶装置524においては、第1の実施例に係る半導体記憶装置511に対して、データ転送線つなぎ替え部100の構成が異なっている他は、半導体記憶装置511と同様である。
すなわち、半導体記憶装置524においては、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bと、で2本ずつクロスするように、データ転送線BLがつなぎ替えられる。
【0200】
図15は、第4の実施例の半導体記憶装置の構成を例示する模式的平面図である。
すなわち、同図は、第4の実施例の半導体記憶装置524に設けられるデータ転送線つなぎ替え部100の構成を例示している。
図15に表したように、半導体記憶装置524においては、例えば、第1データ転送線DL1が、第4データ転送線DL4と、第1つなぎ替えコンタクト239と第1つなぎ替え配線233とを介して、電気的に接続されている。
また、第2データ転送線DL2が、第3データ転送線DL3と、第1つなぎ替えコンタクト239と、第1つなぎ替え配線233と、第2つなぎ替え配線227と、を介して、電気的に接続されている。
これにより、半導体記憶装置524においても配線の電気抵抗の変動を補償し、配線遅延を抑制し、動作特性及び信頼性を向上できる。
【0201】
なお、上記の第1及び第2の実施形態に係るいずれかの半導体記憶装置において、素子分離絶縁膜124、層間絶縁膜150及び層間絶縁膜168の形成方法は、例えば、シリコンをシリコン酸化膜やシリコン窒化膜に変換する方法の他、例えば、堆積したシリコン膜に酸素イオンを注入する方法や、堆積したシリコン膜を酸化する方法を用いることができる。
【0202】
また、上記の具体例では、浮遊ゲート126として、多結晶シリコンからなる導電性の膜を用いたが、浮遊ゲート126として、絶縁性の電荷蓄積層を用いることもできる。電荷蓄積層は、例えば、SIN、SiON、TiO2、Al2O3、タンタル酸化膜、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム及びチタン酸ジルコニウム鉛よりなる群から選択されたいずれかの単層膜、または、その群から選択されたいずれか2つ以上を含む積層膜を用いることができる。
【0203】
また、上記の具体例では、半導体記憶装置が形成される半導体基板としてp型シリコン基板121を用いたが、半導体基板として、SOI(Silicon On Insulator)を含むp型SOI基板、並びに、SiGe混晶、SiGeC混晶などのシリコンを含むp型単結晶半導体層を含む基板を用いることができる。
【0204】
また、上記の具体例では、p型シリコン領域123の上にn型FETが形成される構成について説明したが、n型シリコン領域の上にp型FETが形成される構成でも良い。この場合には、上記の「n型」を「p型」に読み替え、上記の「p型」を「n型」に読み替え、ドーピング不純物種のAs、P及びSbを、In及びBのいずれかに読み替えれば良い。
【0205】
また、浮遊ゲート126及び制御ゲート127には、Si半導体、SiGe混晶及びS
iGeC混晶のいずれかを用いることができ、また、これらの多結晶を用いても良く、また、これらを含む積層膜を用いることもできる。浮遊ゲート126及び制御ゲート127には、アモルファスSi、アモルファスSiGe混晶及びアモルファスSiGeC混晶のいずれかを用いることができ、また、これらのいずれかを含む積層膜を用いても良い。
【0206】
また、制御ゲート127の上に、堆積法によって形成する金属裏打ち層を設けても良く、また、例えば、Ti、Co、Ni、Mo、Pd及びPtよりなる群から選択された少なくともいずれかと制御ゲート127とを反応させたシリサイド層を形成し、これを金属裏打ち層としても良い。
【0207】
また、上記のメモリセルMCとしては、「0」及び「1」の2値の半導体メモリセルトランジスタを用いても良く、また、3値以上の多値を記憶する半導体メモリセルトランジスタを用いても良い。多値の半導体メモリセルトランジスタを用いる場合には、複数のしきい値間の間隔が狭く、隣接メモリセルとの容量結合によるしきい値増加や、誤書き込みが問題となり易いので、本実施形態を適用することで、より大きな効果を得ることができる。なお、1つのメモリセルMCに記憶するしきい値としては、2n値(nは正の整数)となることが、情報データのデコードが簡略化され望ましい。
【0208】
また、上記の具体例では、センスアンプ回路46が、第2メモリセルブロック1bの側に設けられているが、センスアンプ回路46は、第1メモリセルブロック1aの側と、第2メモリセルブロック1bの側と、の両方にその機能を分散させて設けても良い。
【0209】
(第3の実施形態)
図16は、第3の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を例示するブロック図である。
【0210】
第3の実施形態に係る半導体記憶装置530もNAND型EEPROMを例にして説明する。
図16に表したように半導体記憶装置530には、メモリセルアレイ1が設けられている。メモリセルアレイ1には、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bが設けられている。第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bが設けられる領域が、それぞれ第1及び第2領域RG1及びRG2となる。第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bには、後述するように、直列に接続された複数の不揮発性のメモリセルを含むメモリセルユニット4が複数設けられる。
【0211】
半導体記憶装置530には、データ制御線ドライバ2、ロウデコーダ3、制御回路40、Vpgm発生回路41a、Vpass発生回路41b、Vread発生回路41c、基板電位制御回路42、入出力バッファ45、センスアンプ回路461(第1センスアンプ回路)、センスアンプ回路462(第2センスアンプ回路)、アドレスバッファ47、カラムデコーダ481、カラムデコーダ482、データ切り替え回路447がさらに設けられる。
【0212】
センスアンプ回路461、センスアンプ回路462は、メモリセルアレイ1に設けられたデータ転送線からのデータを検出し、あるいは書き込みデータを保持する。センスアンプ回路461、センスアンプ回路462は、データラッチを兼ねており、例えばフリップフロップ回路を含む。センスアンプ回路461と、センスアンプ回路462とは、メモリセルアレイ1を挟んで対峙するようにして設けられている。
本実施の形態においては、センスアンプ回路461と制御回路40、センスアンプ回路462と制御回路40とがそれぞれ接続されている。そして、センスアンプ回路461およびセンスアンプ回路462からの出力の順番を制御回路40によって制御するようになっている。
【0213】
さらに、センスアンプ回路461とデータ切り替え回路447、センスアンプ回路462とデータ切り替え回路447とがそれぞれ接続されている。また、データ切り替え回路447と入出力データが入出力される入出力バッファ45とが接続されている。
データ切り替え回路447は、センスアンプ回路461とセンスアンプ回路462との入出力を切り替える。データ切り替え回路447は、切り替え制御回路を有し、アドレス情報が入力される。
【0214】
また、センスアンプ回路461のアドレスを指定するためのカラムデコーダ481、センスアンプ回路462のアドレスを指定するためのカラムデコーダ482が設けられている。これらは、カラムデコーダによりアドレス指定されたカラムを選択し、データの読み書きをするのに必要な回路となっている。
そのため、センスアンプ回路461から入出力バッファ45へのデータ転送は、アドレスバッファ47からのアドレス信号47aを受けるカラムデコーダ481の出力によって制御することができる。センスアンプ回路462から入出力バッファ45へのデータ転送は、アドレスバッファ47からのアドレス信号47aを受けるカラムデコーダ482の出力によって制御することができる。
【0215】
また、入出力バッファ45は、アウトプットドライバーI/O、アドレスバッファ47に接続されている。そして、アドレスバッファ47とカラムデコーダ481、アドレスバッファ47とカラムデコーダ482とがそれぞれ接続されている。
ロウデコーダ3は、メモリセルアレイ1に対して、メモリセルの選択を行う。具体的には、ロウデコーダ3は、制御ゲート線7、及び、選択ゲート線5、6の制御を行う。
【0216】
図17は、第3の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を例示する模式的回路図である。
前述したように、半導体記憶装置530にはメモリセルアレイ1が設けられており、メモリセルアレイ1には、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bが設けられている。第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bは、複数のメモリセルユニット4を有する。複数のメモリセルユニット4のそれぞれには、複数のデータ制御線7が接続されている。
【0217】
また、メモリセルユニット4の端部のそれぞれには、複数のメモリセルユニット4から1つのメモリセルユニット4を選択してデータ転送線BL(データ転送線BL1〜BL2n)に接続するために、選択トランジスタが配置されている。それぞれの選択トランジスタのゲート電極は、選択ゲート線5及び選択ゲート線6にそれぞれ接続されている。
【0218】
データ転送線BLは、データ制御線7と互いに直交する方向に伸び、データ制御線7と互いに直交する方向に所定の間隔をおいて配置されている。
メモリセルユニット4に含まれるメモリセルMCは、データ転送線BLとデータ制御線7との交点に設けられる。メモリセルMCのそれぞれは、独立してデータの書き込み、保持、消去及び読み出しが可能となっている。
【0219】
メモリセルユニット4は、データ転送線BLの延在方向(X軸方向)、及び、データ制御線7の延在方向(Y軸方向)に沿って複数設けられる。少なくともY軸方向に沿って並べられた複数のメモリセルユニット4が、第1メモリセルブロック1aに含まれ、少なくともY軸方向に沿って並べられた別の複数のメモリセルユニット4が、第2メモリセルブロック1bに含まれる。
【0220】
図17においては、2つのメモリセルブロック(第1及び第2メモリセルブロック1a及び1b)が設けられているが、メモリセルブロックの数は適宜変更することができる。なお、メモリセルブロックの数が2i個(iは正の整数)であることが、アドレスデコードをする上で望ましい。
【0221】
さらに、データ転送線BLの一端には、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462が接続されている。
本実施の形態においては、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462は、メモリセルブロック(第1及び第2メモリセルブロック1a及び1b)の中及びその間に埋め込まれるのではなく、データ転送線BLの一端に配置されている。これにより、メモリセルMCのパターン周期性を維持し、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462よりも単純な構成の配線やトランジスタパターンをメモリセルブロックに集中して配置できる。これにより、半導体記憶装置530内においてメモリセルMCの占有率を上昇させることができる。
【0222】
複数のメモリセルユニット4が接続されたデータ制御線7(データ制御線WLであり、例えばデータ制御線WL11〜WL1b、データ制御線WL21〜WL2b)の一端には、データ制御線7を駆動するデータ制御線ドライバ2(データ制御線ドライバ2a及び2b)が設けられている。データ制御線ドライバ2aには、データ制御線WL11〜WL1b及び選択ゲート線5が接続され、データ制御線ドライバ2bには、データ制御線WL21〜WL2b及び選択ゲート線5が接続されている。
ここで、図17に例示したように、X軸方向において隣接する複数のメモリセルユニット4において、データ制御線ドライバ2の配置を容易にし、1つのメモリセルブロック(例えば第1メモリセルブロック1a)のデータ制御線7間のスキューを揃えるために、データ制御線ドライバ2は、2つに分割され、データ制御線ドライバ2a及び2bとして、メモリセルブロックの両端に設けられている。
【0223】
本実施の形態においては、Y軸方向において奇数番目(奇数Index)のデータ転送線(例えば、BL1、BL3、BL5、・・・、BL2n−3、BL2n−1)はセンスアンプ回路462に接続されている。また、Y軸方向において偶数番目(偶数Index)のデータ転送線(例えば、BL2、BL4、BL6、・・・、BL2n−2、BL2n)はセンスアンプ回路461に接続されている。
【0224】
図1において例示をしたように、側壁加工によってデータ転送線を形成した場合には、配線抵抗が低い低抵抗配線L1と、配線抵抗が低抵抗配線L1よりも高い高抵抗配線L2とが、Y軸方向に、交互に並んで形成される。よって、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線同士、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線同士においては配線抵抗を揃えることができる。その結果として、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線同士、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線同士においては遅延時間(配線遅延)を揃えることができる。
【0225】
すなわち、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線同士、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線同士をそれぞれ組とすれば、それぞれの組の中においては奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線とを混在させた場合よりも遅延時間(配線遅延)を揃えることができる。
そのため、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462のそれぞれに接続されるデータ転送線における遅延時間(配線遅延)のばらつきを、すべてのデータ転送線における遅延時間(配線遅延)のばらつきよりも、小さくまとめることができる。
よって、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線ごとに接続されたメモリセルユニット4において同時に読み出しや書き込みを行う場合に、遅延時間(配線遅延)の差の分、回路動作マージンを縮小しても回路を正常動作させることができる。そのため、回路動作を高速化できるので、従来よりも高速の読み出しや書き込みを実現できる。
【0226】
次に、さらに高速の読み出しを実現できる場合について例示をする。
本具体例においては、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線とで、読み出しを異なるタイミングで分けて行うようにしている。ここで、隣接するデータ転送線において同時に読み出しを行うと、データ転送線に生じる電圧変動による容量結合により、隣接するデータ転送線相互に影響を与えることになる。すなわち、容量結合ノイズが問題となる。本具体例においては、読み出しを異なるタイミングで分けて行うようにしているので容量結合ノイズを低減させることができる。
【0227】
前述したように、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線とでは配線抵抗に差があるので、遅延時間(配線遅延)に差が生ずる。そのため、本具体例においては、読み出し時に、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線とでは別タイミングの読み出しを行う。
この場合、配線抵抗が低く、読み出し速度を速くすることができる側のデータ転送線に接続されたセンスアンプ回路461またはセンスアンプ回路462の出力を、例えば、選択的に偶数の物理アドレスに割り当てるようにすることができる。
例えば、センスアンプ回路461に接続されたデータ転送線の配線抵抗が、センスアンプ回路462に接続されたデータ転送線の配線抵抗よりも低い場合には、センスアンプ回路461の出力をアドレス0、2、4、6、・・・、2n(nは正の整数)に割り当て、センスアンプ回路462の出力をアドレス1、3、5、7、・・・、2n+1(nは正の整数)に割り当てるようにすることができる。
一方、これとは逆に、センスアンプ回路462に接続されたデータ転送線の配線抵抗が、センスアンプ回路461に接続されたデータ転送線の配線抵抗よりも低い場合には、センスアンプ回路462の出力をアドレス0、2、4、6、・・・、2n(nは正の整数)に割り当て、センスアンプ回路461の出力をアドレス1、3、5、7、・・・、2n+1(nは正の整数)に割り当てるようにすることができる。
なお、どちらの場合であっても、アドレスの割り当ては、データ切り替え回路447を用いて行うようにすることができる。
【0228】
そして、偶数アドレスに割り当てられたメモリセルのデータを先に出力するようにする。例えば、「0、1、2、3、・・・」というアドレスのデータを連続的に読み出しする場合や、「4、5、6、7、・・・」というアドレスのデータを連続的に読み出しする場合などにおいては、偶数アドレスとされたメモリセルのデータを先に出力するという入れ替えを行うことにより、さらに高速なデータ出力を行うことができる。
これは、例えば、2バイトごとのデータを出力する場合、1バイトずつI/Oを通じて時系列で出力するようにするため、高速な読み出しを行うことができる偶数アドレスに割り当てられた最初の1バイトのデータを先に出力するようにすればさらに高速なデータ出力を行うことができるようになるからである。
【0229】
なお、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線とでどちらの配線抵抗が大きくなるかは、プロセス変動等で変動し得る。そのため、アドレスの割り当ての変更については、例えば、ヒューズ、またはROM(Read Only Memory)などに記憶できるようにしておき、ロット試作後のテスト工程などで決定するようにすることができる。この場合、ウェハープロセス終了後のテスト工程でアドレスの割り当てを変更できるようにしておくことが望ましい。そして、例えば、入出力バッファ45に、ヒューズ、またはROM(Read Only Memory)などに記憶されたデータを入力し、データ切り替え回路447によりアドレスの割り当ての変更を行うようにする。
【0230】
次に、センスアンプ回路461とセンスアンプ回路462とにおいて、読み出し時のメモリセル電流を測定するのに必要なタイミング(リードタイミング)、つまり、時間設定を、異なる設定にすることにより読み出しを高速化できることを説明する。
図18は、配線抵抗に差があった場合において読み出しを行う場合のリードタイミングを例示する模式図である。すなわち、接続された奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線との配線抵抗に差があった場合において読み出しを行う場合のリードタイミングを例示する模式図である。
【0231】
図18(a)は、センスアンプ回路、メモリセルユニットなどの配置を例示する模式図である。図18(a)に表したものは、図17において例示をしたものと同様の配置をしている。メモリセルユニット4cはセンスアンプ回路461に接続され、センスアンプ回路461から最も遠いメモリセルユニットを表している。メモリセルユニット4bはセンスアンプ回路462に接続され、センスアンプ回路462から最も遠いメモリセルユニットを表している。また、「c」はセンスアンプ回路461から最も遠いデータ転送線端を表し、「b」はセンスアンプ回路462から最も遠いデータ転送線端を表している。
【0232】
ここで、図18(a)においては、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線であるBL1、BL3、BL5、・・・、BL(2n−1)が上側に記載されているセンスアンプ回路462に接続されている。また、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線であるBL2、BL4、BL6、・・・、BL2nが下側に記載されているセンスアンプ回路461に接続されている。この場合、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の配線抵抗が、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線の配線抵抗よりも低いものとする。なお、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の配線抵抗が、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線の配線抵抗よりも高い場合には、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線とを入れ替えて考えればよいので、その場合の説明は省略する。
【0233】
図18(b)は、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462を同時に駆動した場合の「b」、「c」における電圧の変化を例示する模式的グラフ図である。
図18(b)に表すように、データ転送線には、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462によってt0からt1までの間にGNDからVBLまで電圧が印加される。すなわち、t0からt1までの間にGNDからVBLまで充電される。この場合、データ転送線間の容量が大きいことと、隣接するデータ転送線間で同じ電圧VBLとなるように充電するため、ほぼ同じ時間で充電することができる。
【0234】
この後、t1からt2において、データ転送線の電圧を一定に維持する。すなわち、電圧VBLを一定に維持する期間(t1〜t2)を設ける。ここで、メモリセルの読み出しを行う場合、電流端子が直列に接続されたメモリセルに対して、メモリセルに割り当てられたデータのうち最大値を有するしきい値より高い電位であるVreadを制御ゲートに接続されたデータ制御線に印加するようにする。
【0235】
この場合、読み出しを行うデータ制御線の電圧をVrefとすれば、それに隣接するデータ制御線の電位はVreadであるので、容量結合によって読み出しを行うデータ制御線の電圧Vrefからの電圧変動が生じる。この電圧変動によってしきい値を越えた場合の誤読み出しを防ぐために、容量結合による電圧変動を収束させるための時定数より長いt1からt2の期間、データ転送線の電圧を一定に維持するようにしている。
【0236】
ここで、例えば、t0からt1の間に、読み出しを行うデータ制御線の電圧を例えばVrefとし、他のデータ制御線の電圧をVreadとし、ソース線側の選択トランジスタおよびドレイン側の選択トランジスタを遮断状態から導通状態にして、データ転送線の電位を上昇させるようにする。その結果、読み出しを行うNANDストリングを導通状態として電位を上昇させることにより、読み出しを行うデータ制御線の電圧を他のデータ制御線の電圧よりも前に上昇させることができる。そのため、他のデータ制御線のVreadへの電圧上昇によるNANDストリングのチャネル部分の容量結合による電圧上昇を防ぐことができる。
【0237】
次に、t1からt2の間に、ソース線側の選択トランジスタまたはドレイン側の選択トランジスタを導通状態から遮断状態にする。
ついで、t2からt3の間に、データ転送線に充電した電荷を、例えば、ソース線側の選択トランジスタまたはドレイン側の選択トランジスタを遮断状態から導通状態にすることにより、放電する。
この際、センスアンプ回路461およびセンスアンプ回路462にて、メモリセルの電荷の大小を判断する。例えば、センスアンプ回路461およびセンスアンプ回路462にて、データ転送線の電位の大小をある基準値(例えば、図18(b)に記載したVBL_th)と比較して大小の測定を行うことにより、メモリセルの電荷の大小を判断する。若しくは、センスアンプ回路461およびセンスアンプ回路462にて、データ転送線に流れる電流を測定することにより、メモリセルの電荷の大小を判断してもよい。
【0238】
以下では、消去状態と書き込み状態の"1"と"0"との2値を例としてあげているが、もちろん、多値の場合でも当てははめることができる。その場合は、消去状態と書き込み状態とを隣接するしきい値の2値のしきい値とすればよい。
【0239】
ここでは、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の配線抵抗が、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線の配線抵抗よりも低いものとしている。そのため、メモリセルのしきい値(メモリセルトランジスタのチャネル抵抗)が同じ場合でも、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセル4bに、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセル4cよりも、データ転送線の配線抵抗が低い分だけ大きな放電電流を流すことができる。
【0240】
このため、図18(b)においてメモリセルの論理値が"0"の場合、つまり、書き込み状態(メモリセルのしきい値がVrefよりも大きい)の場合、書き込みしきい値より低いVref値によって判断するため、メモリセル電流は流れず、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセル、および、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルのどちらの場合でも、VBLの電位は保たれる。
【0241】
一方、図18(b)においてメモリセルの論理値が"1"の場合、つまり、例えば、消去状態(メモリセルのしきい値がVrefよりも小さい)の場合、消去しきい値より高いVref値によって判断するため、メモリセル電流が流れ、データ転送線の電圧が低下する。特に、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセル4bの方が、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセル4cよりもデータ転送線の配線抵抗が低いため、よりデータ転送線の電圧低下が大きくなる。
【0242】
よって、例えば、VBL_thのしきい値電圧によって論理値を判断する場合、データ転送線の配線抵抗が低い奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルの場合には、"1"のメモリセルデータの場合、t3’の時間でVBL_thより低いデータ転送線電圧となるため、t3’以降で読み出しデータの判断が可能となる。一方、データ転送線の配線抵抗が高い偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルの場合には、データ転送線に流れる電流が小さいため、VBL_thより低いデータ転送線電圧となるには、t3’より長いt3の時間まで待つ必要がある。
【0243】
ここで、従来の技術においては、センスアンプ回路461およびセンスアンプ回路462を同時に同じタイミングで駆動するようにしている。すなわち、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルと、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルとにおいて、同じタイミングで読み出しを行うようにしている。そのため、データ転送線に充電した電荷を放電する時間として、より長いt3のタイミングまで待つ必要がある。すなわち、t3’以降で読み出しデータの判断が可能となる配線抵抗の低いデータ転送線に接続されたメモリセルの場合であってもt3のタイミングまで待つ必要がある。
なお、以降では、t3’はt3よりも短い時間とし、t4’はt4よりも短い時間としている。
【0244】
図19は、データの読み出しを例示するフローチャートである。
図19に表すように、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462を用いて、配線抵抗が低いデータ転送線に接続されたメモリセルのデータを先に出力するようにする。
【0245】
まず、ステップSE1において、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルユニット4のメモリセルのデータを、読み出しタイミングt1、t2、t3、t4のタイミングで読み出し、センスアンプ回路461のデータラッチに記憶する。
【0246】
ついで、ステップSE2において、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルユニット4のメモリセルのデータを、読み出しタイミングt1、t2、t3、t4のタイミングで読み出し、センスアンプ回路462のデータラッチに記憶する。
この場合、従来の技術においては、ステップSE1、SE2で行う読み出しは、同じ読み出しタイミングで行われる。そのため、読み出し時間は、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462で同じ時間となる。すなわち、ステップSE1、SE2で行う読み出しは、読み出し時間の長い方の時間に合わせることになる。
【0247】
次に、ステップSE3において、センスアンプ回路461のデータラッチに記憶されたデータと、センスアンプ回路462のデータラッチに記憶されたデータとを、あらかじめ決められた順序で、入出力バッファ45から出力する。
この場合、センスアンプ回路461のデータラッチに記憶されたメモリセルのデータと、センスアンプ回路462のデータラッチに記憶されたメモリセルのデータと、メモリとしての論理アドレスと、はあらかじめ所定の通りに割り当てられており、入れ替えることはない。
そのため、この場合でも、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線と、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線とで、それぞれ組となるので、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線とを混在させた場合よりも遅延時間(配線遅延)を揃えることができる。
【0248】
その結果、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462のそれぞれに接続されるデータ転送線における遅延時間(配線遅延)のばらつきを、すべてのデータ転送線をセンスアンプに混在させて接続した場合における遅延時間(配線遅延)のばらつきよりも、小さくまとめることができる。
よって、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線ごとに接続されたメモリセルユニット4において、これらのメモリセルユニット4が有するメモリセルに記憶されたデータを同時に読み出し、または、同時に書き込みを行う場合、遅延時間(配線遅延)の差の分、回路動作マージンを縮小しても回路を正常動作させることができる。そのため、回路動作を高速化できるので、従来よりも高速の読み出しや書き込みを実現できる。
【0249】
なお、上記の場合に、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルと、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルと、を入れ替えた場合であっても、メモリとしての論理アドレスがあらかじめ所定の通りに割り当てられている。この場合、従来の技術においては、ステップSE1、SE2で行う読み出しは、同じ読み出しタイミングで行われる。そのため、読み出し時間は、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462で同じ時間となる。ステップSE1、SE2で行う読み出しは、読み出し時間の長い方の時間に合わせることなる。
【0250】
図20も、配線抵抗に差があった場合において読み出しを行う場合のリードタイミングについて、さらなる例示をするための模式図である。すなわち、接続された奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線との配線抵抗に差があった場合において読み出しを行う場合のリードタイミングについて、さらなる例示をするための模式図である。
【0251】
図20(a)は、センスアンプ回路、メモリセルユニットなどの配置を例示する模式図である。図20(a)に表したものは、図17において例示をしたものと同様の配置をしている。
メモリセルユニット4aはセンスアンプ回路461に接続され、センスアンプ回路461に最も近いメモリセルユニットを表している。メモリセルユニット4cはセンスアンプ回路461に接続され、センスアンプ回路461から最も遠いメモリセルユニットを表している。また、メモリセルユニット4dはセンスアンプ回路462に接続され、センスアンプ回路462に最も近いメモリセルユニットを表している。メモリセルユニット4bはセンスアンプ回路462に接続され、センスアンプ回路462から最も遠いメモリセルユニットを表している。また、「c」はセンスアンプ回路461から最も遠いデータ転送線端を表し、「b」はセンスアンプ回路462から最も遠いデータ転送線端を表している。
【0252】
ここで、図20(a)においては、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線であるBL1、BL3、BL5、・・・、BL(2n−1)が上側に記載されているセンスアンプ回路462に接続されている。また、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線であるBL2、BL4、BL6、・・・、BL2nが下側に記載されているセンスアンプ回路461に接続されている。この場合、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の配線抵抗が、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線の配線抵抗よりも低いものとする。なお、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の配線抵抗が、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線の配線抵抗よりも高い場合には、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線とを入れ替えて考えればよいので、説明を省略する。
【0253】
図20(b)は、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462を別タイミングで駆動した場合の電圧の変化を例示する模式的グラフ図である。なお、前述した図18(b)と同様のものについては説明を適宜省略する。
図20(b)は、メモリセル4bが接続された付近の電圧の変化を例示するものである。
【0254】
図20(a)に表した場合には、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の配線抵抗が、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線の配線抵抗よりも低いものとしている。そのため、メモリセルの抵抗が同じ場合でも、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセル4b、4dに、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセル4c、4aよりも、データ転送線の配線抵抗が低い分だけ大きな放電電流を流すことができる。
【0255】
このため、図20(b)においてメモリセルの論理値が"0"の場合、つまり、書き込み状態の場合、書き込みしきい値より低いVref値によって判断するため、メモリセル電流は流れず、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセル、および、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルのどちらの場合でも、VBLの電位は保たれる。
【0256】
一方、図20(b)においてメモリセルの論理値が"1"の場合、つまり、例えば、消去状態の場合、消去しきい値より高いVref値によって判断するため、メモリセル電流が流れ、データ転送線の電圧が低下する。特に、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセル4bの方が、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセル4cよりもデータ転送線の配線抵抗が低いため、よりデータ転送線の電圧低下が大きくなる。
【0257】
よって、例えば、VBL_thのしきい値電圧によって論理値を判断する場合、データ転送線の配線抵抗が低い奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルの場合には、"1"のメモリセルデータの場合、t3’の時間でVBL_thより低いデータ転送線電圧となるため、t3’以降で読み出しデータの判断が可能となる。一方、データ転送線の配線抵抗が高い偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルの場合には、データ転送線に流れる電流が小さいため、VBL_thより低いデータ転送線電圧となるには、t3’より長いt3の時間まで待つ必要がある。
【0258】
ここで、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462により近いメモリセルの方がデータ転送線の配線抵抗がより低いため、読み出し信号量に相当するデータ転送線の読み出し電圧の電圧低下量がより大きくなる。例えば、図20(c)のように、同じデータ転送線に接続されたメモリセルであっても、センスアンプ回路462により近いメモリセル4dの方がメモリセル4bよりも読み出し時間を短縮できる。すなわち、図20(b)に表したメモリセル4bの読み出し時間t3よりも図20(c)に表したメモリセル4dの読み出し時間t3’を短くすることができる。
【0259】
図21は、図20において説明をした場合のデータの読み出しを例示するフローチャートである。
図21に表すように、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462を用いて、配線抵抗が低いデータ転送線に接続されたメモリセルのうちよりセンスアンプ回路に近いもののデータを先に出力するようにする。
まず、ステップSE4において、データ転送線を介してセンスアンプ回路461に接続されたメモリセルの方が、データ転送線を介してセンスアンプ回路462に接続されたメモリセルよりも読み出しシーケンスの時間(t0〜t4、t4’までの読み出し開始から終了までの時間)が短いか否かを判断する。
【0260】
この場合、例えば、半導体記憶装置の製造後にメモリセル4b、4cの読み出し時間をチェックすることにより判断基準を求めるようにすることができる。例えば、t1〜t4またはt1〜t4’までの読み出し時間をセンスアンプ回路461に接続されたメモリセル4cと、センスアンプ回路462に接続されたメモリセル4bとで測定することにより判断基準を求めるようにすることができる。そして、短い時間にて読み出しができるタイミングを、t1、t2、t3’、t4’またはt1、t2、t3、t4よりも短縮して設定しておく。
また、この設定には、例えば、半導体記憶装置内のROMに記憶されたデータを用いてもよいし、ヒューズに記憶されたデータを用いてもよい。
【0261】
本具体例においては、センスアンプ回路461に接続されたメモリセルの読み出し時間のタイミングを決めるパラメータと、センスアンプ回路462に接続されたメモリセルの読み出し時間のタイミングを決めるパラメータとを、それぞれ別にROMまたはヒューズに保持させておくことが特徴となる。
【0262】
ステップSE4において「Yes」の選択肢の場合には、ステップSE5において、1つのデータ制御線に接続されたメモリセルユニット4のメモリセルを、読み出しタイミングt1、t2、t3’、t4’のタイミングで、センスアンプ回路461のデータラッチに読み出す。
本具体例においては、配線抵抗の低いデータ転送線に繋がるメモリセルのデータを先に読み出すため、前述したステップSE1の場合よりもデータ転送線の放電時間を短くすることができる。
【0263】
ついで、ステップSE6において、ステップSE5において読み出したのと同じデータ制御線と接続されたメモリセルのデータを読み出しタイミングt1、t2、t3、t4のタイミングで、センスアンプ回路462のデータラッチに読み出す。
ついで、ステップSE7において、センスアンプ回路461のデータラッチに記憶されたデータを入出力バッファ45から、まず出力する。
ついで、ステップSE8において、センスアンプ回路462のデータラッチに記憶されたデータを入出力バッファ45から出力する。
このようにすることにより、センスアンプ回路461においてセンスアンプ回路462における場合よりもより早いタイミングで読み出しがされたデータをステップSE7において先に出力することができるので、より高速のデータ出力をすることができる。
【0264】
ステップSE4において「No」の選択肢の場合には、ステップSE9において、1つのデータ制御線に接続されたメモリセルユニット4のメモリセルを、読み出しタイミングt1、t2、t3’、t4’のタイミングで、センスアンプ回路462のデータラッチに読み出す。
【0265】
本具体例においては、配線抵抗の低いデータ転送線を読み出すため、前述したステップSE1の場合よりもデータ転送線の放電時間を短くすることができる。
【0266】
ついで、ステップSE10において、ステップSE9において読み出したのと同じデータ制御線と接続されたメモリセルのデータを読み出しタイミングt1、t2、t3、t4のタイミングで、センスアンプ回路461のデータラッチに読み出す。
ついで、ステップSE11において、センスアンプ回路462のデータラッチに記憶されたデータを入出力バッファ45から、まず出力する。
ついで、ステップSE12において、センスアンプ回路461のデータラッチに記憶されたデータを入出力バッファ45から出力する。
このようにすることにより、センスアンプ回路462においてセンスアンプ回路461における場合よりもより早いタイミングで読み出しがされたデータをステップSE11において先に出力することができるので、より高速のデータ出力をすることができる。
【0267】
以上のステップSE4からステップSE12を用いることにより、本具体例においては、センスアンプ回路461のデータラッチに記憶されたメモリセルのデータと、センスアンプ回路462のデータラッチに記憶されたメモリセルのデータと、メモリとしての論理アドレスを入れ替えることにより、配線抵抗の低いデータ転送線に接続されたメモリセルのデータを配線抵抗の高いデータ転送線に接続されたメモリセルよりも先に出力するようにすることができる。
なお、本具体例において、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線と奇数番目(奇数Index)のデータ転送線のデータ読み出しのタイミングt0、t1、t2については、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線と奇数番目(奇数Index)のデータ転送線とにおいて同時に行って、読み出しシーケンスの時間を短縮してもよい。
【0268】
例えば、t0からt1の間に、読み出しを行うデータ制御線の電圧を例えばVrefとし、他のデータ制御線の電圧をVreadとし、ソース線側の選択トランジスタおよびドレイン側の選択トランジスタを遮断状態から導通状態にして、データ転送線の電位を上昇させるようにする。その結果、読み出しを行うNANDストリングを導通状態として電位を上昇させることにより、読み出しを行うデータ制御線の電圧を他のデータ制御線の電圧よりも前に上昇させることができる。そのため、他のデータ制御線のVreadへの電圧上昇によるNANDストリングのチャネル部分の容量結合による電圧上昇を防ぐことができる。
【0269】
次に、t1からt2の間に、ソース線側の選択トランジスタまたはドレイン側の選択トランジスタを導通状態から遮断状態にする。
【0270】
その後、例えば、ステップSE5やステップSE9において、t2からt3’の間でソース線側の選択トランジスタまたはドレイン側の選択トランジスタを遮断状態から導通状態にすることにより、メモリセルのデータをセンスアンプ回路に読み出す。
また、ステップSE6やステップSE10において、t2からt3の間でソース線側の選択トランジスタまたはドレイン側の選択トランジスタを遮断状態から導通状態にすることにより、メモリセルのデータをセンスアンプ回路に読み出す。
【0271】
第3の実施形態に係る半導体記憶装置530によれば、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線同士、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線同士をそれぞれ組としているので、すべてのデータ転送線を混在させた場合よりも遅延時間(配線遅延)を揃えることができる。
そのため、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462のそれぞれに接続されるデータ転送線における遅延時間(配線遅延)のばらつきを、すべてのデータ転送線をセンスアンプ回路に混在させて接続した場合における遅延時間(配線遅延)のばらつきよりも、小さくまとめることができる。
よって、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線ごとに接続されたメモリセルユニット4において同時に読み出しや書き込みを行う場合に、遅延時間(配線遅延)の差の分、回路動作マージンを縮小しても回路を正常動作させることができる。そのため、回路動作を高速化できるので、従来よりも高速の読み出しや書き込みを実現できる。
【0272】
また、制御回路40によりセンスアンプ回路461からの出力と、センスアンプ回路462からの出力と、が異なるタイミングで行われる。そのため、回路動作を高速化できるので、従来よりも高速の読み出しや書き込みを実現できる。
また、配線抵抗が低いデータ転送線に接続されたメモリセルのデータを先に出力するようにすることができる。例えば、配線抵抗が低いデータ転送線に接続されたセンスアンプ回路からの出力は、配線抵抗が高いデータ転送線に接続されたセンスアンプ回路からの出力よりも先に行われるようにすることができる。その結果、より高速の読み出しや書き込みを実現できる。
また、配線抵抗が低いデータ転送線に接続されたメモリセルのうちよりセンスアンプ回路に近いもののデータを先に出力するようにすることができる。データ転送線においてセンスアンプ回路461により近い位置に設けられたメモリセルに関する出力が、より遠い位置に設けられたメモリセルに関する出力よりも先に行われるようにすることができる。また、データ転送線においてセンスアンプ回路462により近い位置に設けられたメモリセルに関する出力が、より遠い位置に設けられたメモリセルに関する出力よりも先に行われるようにすることができる。
【0273】
すなわち、制御回路40は、複数の第1配線に接続された複数の第1メモリセルユニットが有する複数のメモリセルのデータ読み出し時間が、複数の第2配線に接続された複数の第2メモリセルユニットが有する複数のメモリセルのデータ読み出し時間より短い場合、複数の第1メモリセルユニットが有する複数のメモリセルのデータを複数の第2メモリセルユニットが有する複数のメモリセルのデータよりも先に出力するようにすることができる。その結果、さらに高速の読み出しや書き込みを実現できる。そのため、動作特性及び信頼性を向上した半導体記憶装置を提供できる。
【0274】
次に、第3の実施形態に係る半導体記憶装置の変形例について例示をする。
図22は、メモリセルアレイとデータ転送線のレイアウトを例示する模式的回路図である。
図22に表したように半導体記憶装置531においては、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462をメモリセルアレイ1を挟んで対峙するようにして設けるのではなく、メモリセルアレイ1の片側にまとめて配置するようにしている。
【0275】
すなわち、センスアンプ回路461とセンスアンプ回路462はそれぞれまとまって配置されている。
【0276】
すなわち、本変形例においては、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線の一端に接続されたセンスアンプ回路461、および、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の一端に接続されたセンスアンプ回路462が、メモリセルアレイ1に対して同じ側に、まとまって配置されている。そのため、周辺回路や電源配線を集中して配置させることが可能となる。また、このようにまとめてセンスアンプ回路461、センスアンプ回路462を配置すれば、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462のそれぞれに接続されているデータ転送線の長さをほぼ同じようにすることができるので、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462のそれぞれに接続されるメモリセルに対するデータ転送線間のばらつきを小さくできる効果もある。
【0277】
この場合、センスアンプ回路461の上をセンスアンプ回路462に接続される偶数番目(偶数Index)のデータ転送線が横断するため、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線長よりも偶数番目(偶数Index)のデータ転送線長の方が長くなる。
このため、センスアンプ回路としては、センスアンプ回路461よりもセンスアンプ回路462の方がCR時定数が大きくなり、長い読み出し時間が必要となる。そのため、センスアンプ回路461に接続されるメモリセル4cと、センスアンプ回路462に接続されるメモリセル4bとにおいて読み出し時間を測定しておき、短い時間で読み出しができるタイミングを、t1、t2、t3’、t4’またはt1、t2、t3、t4よりも短縮して設定しておくようにする。そして、前述した第3の実施形態において説明したように、センスアンプ回路461とセンスアンプ回路462とで読み出しタイミングを切り替えることにより、読み出し時間を短縮するようにすることができる。
【0278】
この場合、前述した第3の実施形態において説明したように、センスアンプ回路461の読み出し時間のタイミングを決めるパラメータと、センスアンプ回路462の読み出し時間のタイミングを決めるパラメータとを、それぞれ別にROMまたはヒューズに保持するようにする。
なお、この変形例の場合、メモリセル4bはセンスアンプ回路462に接続され、センスアンプ回路462から遠いメモリセルを示しており、メモリセル4cはセンスアンプ回路461に接続され、センスアンプ回路461から遠いメモリセルを示しているとして読み替えればよい。
【0279】
本変形例に係る半導体記憶装置においても、前述した第3の実施形態に係る半導体記憶装置530と同様の効果を享受することができる。
また、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462をメモリセルアレイ1の片側にまとめて配置するようにしているので、周辺回路や電源配線を集中して配置させることが可能となる。また、このようにまとめてセンスアンプ回路461、センスアンプ回路462を配置すれば、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462のそれぞれに接続されているデータ転送線の長さを同じようにすることができるので、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462のそれぞれに接続されるメモリセルに対するデータ転送線間のばらつきを小さくできる効果もある。
【0280】
(第4の実施形態)
図23は、第4の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を例示するブロック図である。
第4の実施形態に係る半導体記憶装置540もNAND型EEPROMを例にして説明する。
図23に例示をしたものは、図16に例示をしたものと比較して、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線と奇数番目(奇数Index)のデータ転送線とをデータ転送線切り替え回路491を介して、1つのセンスアンプ回路463に接続しているところが異なっている。なお、図16などにおいて例示をしたものと同様の内容については説明を適宜省略する。
【0281】
メモリセルアレイ1には、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bが設けられている。第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bが設けられる領域が、それぞれ第1及び第2領域RG1及びRG2となる。第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bには、後述するように、直列に接続された複数の不揮発性のメモリセルを含むメモリセルユニット4が複数設けられる。
【0282】
このメモリセルアレイ1に設けられたデータ転送線からのデータを検出し、あるいは書き込みデータを保持するためにセンスアンプ回路463がデータ転送線切り替え回路491を介してメモリセルアレイ1の片側に設けられている。このセンスアンプ回路463は、データラッチを兼ねており、例えばフリップフロップ回路を含む。
【0283】
さらに、センスアンプ回路463は、入出力バッファ45と接続されている。また、センスアンプ回路463のアドレスを指定するためのカラムデコーダ483が設けられている。これらは、カラムデコーダ483によりアドレス指定されたカラムを選択し、データの読み書きをするのに必要な回路となっている。
そのため、センスアンプ回路463から入出力バッファ45へのデータ転送は、アドレスバッファ47からのアドレス信号47aを受けるカラムデコーダ483の出力によって制御される。
【0284】
ロウデコーダ3は、メモリセルアレイ1に対して、メモリセルの選択を行う。具体的には、ロウデコーダ3は、制御ゲート線7、及び、選択ゲート線5、6の制御を行う。
【0285】
図24は、第4の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を例示する模式的回路図である。
前述したように、半導体記憶装置540にはメモリセルアレイ1が設けられており、メモリセルアレイ1には、第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bが設けられている。 第1及び第2メモリセルブロック1a及び1bは、複数のメモリセルユニット4を有する。複数のメモリセルユニット4のそれぞれには、複数のデータ制御線7が接続されている。
【0286】
また、メモリセルユニット4の端部のそれぞれには、複数のメモリセルユニット4から1つのメモリセルユニット4を選択してデータ転送線BL(データ転送線BL1〜BL2n)に接続するために、選択トランジスタが配置されている。それぞれの選択トランジスタのゲート電極は、選択ゲート線5及び選択ゲート線6にそれぞれ接続されている。
【0287】
データ転送線BLは、データ制御線7と互いに直交する方向に伸び、データ制御線7と互いに直交する方向に所定の間隔をおいて配置されている。
メモリセルユニット4に含まれるメモリセルMCは、データ転送線BLとデータ制御線7との交点に設けられる。メモリセルMCのそれぞれは、独立してデータの書き込み、保持、消去及び読み出しが可能となっている。
【0288】
これらメモリセルユニット4はデータ転送線方向、およびデータ制御線7方向に複数個形成されメモリセルマトリックスを形成している。図24では、図をわかりやすくするために、メモリセルユニット4とデータ転送線との接続部は省略されているが、これらは図4(b)で表しているように、ブロック選択線SSL側の選択トランジスタを介してデータ転送線に接続されている。
【0289】
さらに、データ転送線の一端には、センスアンプ回路463が、トランジスタQ1またはQ2を介して接続されている。本実施の形態においては、メモリセルのパターン周期性を維持し、センスアンプ回路より単純な配線やトランジスタパターンを用いることによってメモリセルの占有率を上昇させるため、センスアンプ回路463はメモリセルブロック(第1及び第2メモリセルブロック1a及び1b)の中及びその間に埋め込まれるのではなく、データ転送線BLの一端にまとめて配置されている。
【0290】
データ転送線切り替え回路491は、センスアンプ回路463と、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線または奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と、の接続を切り替える。
【0291】
本実施の形態においては、データ転送線切り替え回路491は、図24に表したトランジスタQ1、Q2からなる。トランジスタQ1、Q2からなるデータ転送線切り替え回路491は、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線(例えば、BL2、BL4、BL6、・・・、BL2n−2、BL2n)と、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線(例えば、BL1、BL3、BL5、・・・、BL2n−3、BL2n−1)とを選択的にセンスアンプ回路463に接続するための回路となっている。
そして、このデータ転送線切り替え回路491を構成するトランジスタQ1、Q2の制御ゲート端子SEN1およびSEN2への信号を制御回路40により制御することで、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線とを切り替える。すなわち、制御回路40aにより奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルユニットが有するメモリセルの出力と、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルユニットが有するメモリセルの出力と、が異なるタイミングで行われることができるようになっている。
【0292】
さらに、図23に例示をしたように、複数のメモリセルユニット4が接続されたデータ制御線7の一端には、データ制御線7を駆動するデータ制御線ドライバ2(データ制御線ドライバ2a及び2b)が設けられている。
ここで、図23に例示したように、X軸方向において隣接する複数のメモリセルユニット4において、データ制御線ドライバ2の配置を容易にし、1つのメモリセルブロック(例えば第1メモリセルブロック1a)のデータ制御線7間のスキューを揃えるために、データ制御線ドライバ2は、2つに分割され、データ制御線ドライバ2a及び2bとして、メモリセルブロックの両端に設けられている。
【0293】
図1において例示をしたように、側壁加工によってデータ転送線を形成した場合には、配線抵抗が低い低抵抗配線L1と、配線抵抗が低抵抗配線L1よりも高い高抵抗配線L2とが、Y軸方向に、交互に並んで形成される。よって、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線同士、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線同士においては配線抵抗を揃えることができる。その結果として、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線同士、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線同士においては遅延時間(配線遅延)を揃えることができる。
【0294】
すなわち、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線同士、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線同士をそれぞれ組とすれば、それぞれの組の中においては奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線とを混在させた場合よりも遅延時間(配線遅延)を揃えることができる。
そのため、データ転送線切り替え回路491により奇数番目(奇数Index)のデータ転送線同士、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線同士ごとにセンスアンプ回路463に接続されるデータ転送線における遅延時間(配線遅延)のばらつきを、すべてのデータ転送線を混在させてセンスアンプ回路に接続した場合における遅延時間(配線遅延)のばらつきよりも、小さくまとめることができる。
よって、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線ごとに接続されたメモリセルユニット4において同時に読み出しや書き込みを行う場合に、遅延時間(配線遅延)の差の分、回路動作マージンを縮小しても回路を正常動作させることができる。そのため、回路動作を高速化できるので、従来よりも高速の読み出しや書き込みを実現できる。
【0295】
ここで、第3の実施形態において例示をしたものと同様に、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線と、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線とにおいて、それぞれ、読み出しができるタイミングを、t1、t2、t3’、t4’またはt1、t2、t3、t4と異なって設定するようにすることにより、読み出し時間を短縮することができる。
【0296】
なお、図21に例示をしたものと同様に、まず、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたセンスアンプ回路463から最も遠いメモリセルの読み出し時間と、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたセンスアンプ回路463から最も遠いメモリセルの読み出し時間とを比較し、短い時間にて読み出しができるタイミングを、t1、t2、t3’、t4’またはt1、t2、t3、t4よりも短縮して設定する。この設定には、例えば、半導体記憶装置内のROMに記憶されたデータを用いてもよいし、ヒューズに記憶されたデータを用いてもよい。
【0297】
そのため、本実施の形態においては、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルの読み出し時間のタイミングを決めるパラメータと、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルの読み出し時間のタイミングを決めるパラメータとを、それぞれ別にROMまたはヒューズに保持させておくことが特徴となる。
【0298】
また、本実施の形態においては、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルのデータと、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルのデータと、メモリとしての論理アドレスを入れ替えることにより、配線抵抗の低いデータ転送線に接続されたメモリセルのデータを配線抵抗の高いデータ転送線に接続されたメモリセルよりも先に出力するようにすることができる。
【0299】
なお、本実施の形態においても、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線と奇数番目(奇数Index)のデータ転送線のデータ読み出しのタイミングt0、t1、t2については、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線と奇数番目(奇数Index)のデータ転送線とにおいて同時に行って、読み出しシーケンスの時間を短縮してもよい。
【0300】
例えば、t0からt1の間に、読み出しを行うデータ制御線の電圧を例えばVrefとし、他のデータ制御線の電圧をVreadとし、ソース線側の選択トランジスタおよびドレイン側の選択トランジスタを遮断状態から導通状態にして、データ転送線の電位を上昇させるようにする。その結果、読み出しを行うNANDストリングを導通状態として電位を上昇させることにより、読み出しを行うデータ制御線の電圧を他のデータ制御線の電圧よりも前に上昇させることができる。そのため、他のデータ制御線のVreadへの電圧上昇によるNANDストリングのチャネル部分の容量結合による電圧上昇を防ぐことができる。
次に、t1からt2の間に、ソース線側の選択トランジスタまたはドレイン側の選択トランジスタを導通状態から遮断状態にする。
【0301】
その後、例えば、前述したステップSE5やステップSE9において、t2からt3’の間でソース線側の選択トランジスタまたはドレイン側の選択トランジスタを遮断状態から導通状態にすることにより、メモリセルのデータをセンスアンプ回路に読み出す。
また、前述したステップSE6やステップSE10において、t2からt3の間でソース線側の選択トランジスタまたはドレイン側の選択トランジスタを遮断状態から導通状態にすることにより、メモリセルのデータをセンスアンプ回路に読み出す。
【0302】
第4の実施形態に係る半導体記憶装置540においても、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線同士、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線同士をそれぞれ組としているので、すべてのデータ転送線を混在させた場合よりも遅延時間(配線遅延)を揃えることができる。
そのため、データ転送線切り替え回路491により奇数番目(奇数Index)のデータ転送線同士、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線同士ごとにセンスアンプ回路463に接続されるデータ転送線における遅延時間(配線遅延)のばらつきを、すべてのデータ転送線を混在させてセンスアンプ回路に接続した場合における遅延時間(配線遅延)のばらつきよりも、小さくまとめることができる。
よって、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線ごとに接続されたメモリセルユニット4において同時に読み出しや書き込みを行う場合に、遅延時間(配線遅延)の差の分、回路動作マージンを縮小しても回路を正常動作させることができる。そのため、回路動作を高速化できるので、従来よりも高速の読み出しや書き込みを実現できる。
【0303】
また、制御回路40aにより制御回路40aにより奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルユニットが有するメモリセルの出力と、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルユニットが有するメモリセルの出力と、が異なるタイミングで行われる。そのため、回路動作を高速化できるので、従来よりも高速の読み出しや書き込みを実現できる。
また、配線抵抗が低いデータ転送線に接続されたメモリセルのデータを先に出力するようにすることができる。例えば、配線抵抗が低いデータ転送線に接続されたメモリセルユニットが有するメモリセルの出力は、配線抵抗が高いデータ転送線に接続されたメモリセルユニットが有するメモリセルの出力よりも先に行われるようにすることができる。その結果、より高速の読み出しや書き込みを実現できる。
また、配線抵抗が低いデータ転送線に接続されたメモリセルのうちよりセンスアンプ回路に近いもののデータを先に出力するようにすることができる。配線抵抗が低いデータ転送線においてセンスアンプ回路463により近い位置に設けられたメモリセルのデータ出力が、より遠い位置に設けられたメモリセルのデータ出力よりも先に行われるようにすることができる。配線抵抗が高いデータ転送線においてセンスアンプ回路463により近い位置に設けられたメモリセルのデータ出力が、より遠い位置に設けられたメモリセルのデータ出力よりも先に行われるようにすることができる。すなわち、制御回路40aは、複数の第1配線に接続された複数の第1メモリセルユニットが有する複数のメモリセルのデータ読み出し時間が、複数の第2配線に接続された複数の第2メモリセルユニットが有する複数のメモリセルのデータ読み出し時間より短い場合、複数の第1メモリセルユニットが有する複数のメモリセルのデータを複数の第2メモリセルユニットが有する複数のメモリセルのデータよりも先に出力するようにすることができる。その結果、さらに高速の読み出しや書き込みを実現できる。そのため、動作特性及び信頼性を向上した半導体記憶装置を提供できる。
【0304】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態に係る半導体記憶装置について例示をする。
まず、メモリセルに流れる電流Icellが減少することで生じる読み出し速度の低下に関して説明をする。
データ転送線に印加される電圧が一定の場合には、センスアンプ回路の近傍に接続されたメモリセルに比べ、センスアンプ回路からもっとも遠くに接続されたメモリセルではデータ転送線の直列抵抗が重畳されるため、メモリセルに流れる電流Icellが減少する。
【0305】
図25は、メモリセルの電流−電圧特性を例示する模式グラフ図である。
図25は、例えば、ドレイン電極に0.3Vから1Vの間の一定の電圧を加えた場合である。また、横軸はメモリセルトランジスタのソース電圧に対するゲート電圧を表し、縦軸はメモリセルのドレイン電流を対数表示したものである。
図25に表すように、サブスレッショルド係数によるしきい値のばらつき幅は、メモリセルに流れる電流(ドレイン電流)が小さくになるにつれ増大する。
図中の実線は、平均的なしきい値を持つメモリセルの電流−電圧特性を表したものである。メモリセルのドレイン電流が、5極管しきい値(pentode threshold voltage)に比較して十分低い場合には、ゲート電圧に対して、対数的に依存するサブスレッショルド特性を示すことになる。
【0306】
また、図中の破線は、しきい値が低いメモリセルに対する電流−電圧特性を表したものである。ここで、しきい値が低いメモリセルでは、例えば、平均的なしきい値を持つメモリセルよりも実効ゲート長が短くなる。そして、ドレイン電極に0.3Vから1Vの間の一定の電圧が印加されると、平均的なしきい値を持つメモリセルの場合と比べて、ドレインとソース間にパンチスルー電流が多く流れ、短チャネル効果が悪化する。その結果、サブスレッショルド特性の傾きは、平均的なしきい値を持つメモリセルの場合よりも大きくなる。
【0307】
一方、図中の一点鎖線は、しきい値が高いメモリセルに対する電流−電圧特性を表したものである。ここで、しきい値が高いメモリセルでは、例えば、平均的なしきい値を持つメモリセルよりも実効ゲート長が長くなる。そして、ドレイン電極に0.3Vから1Vの間の一定の電圧が印加されると、平均的なしきい値を持つメモリセルの場合と比べて、ドレインとソース間に流れるパンチスルー電流が抑制され、短チャネル効果が改善する。その結果、サブスレッショルド特性の傾きは、平均的なしきい値を持つメモリセルの場合よりも小さくなる。
【0308】
ここで、メモリセルに流れるドレイン電流が大きいI1と、ドレイン電流が小さいI2とで、メモリセルのしきい値のばらつきを比較する。図25に表すように、ドレイン電流I1の場合のしきい値のばらつきはしきい値幅1となり、ドレイン電流I2の場合のしきい値のばらつきはしきい値幅2となる。そして、電流がより低い場合のしきい値幅2は、しきい値幅1よりも大きくなる。この様なメモリセルのサブスレッショルド係数のばらつきによって、メモリセルに流れる電流がより低い場合には、メモリセル間のしきい値のばらつきも増加する。
【0309】
一方、センスアンプ回路に接続されているデータ転送線端の電圧振幅ΔVを大きくしようとすると、センスアンプ回路からもっとも遠いメモリセルでは、充分なメモリセル電流を確保できないという問題が生じる。
また、データ転送線の電流が安定するまでの時間に影響するものとして、データ転送線間の容量結合により、(データ転送線の容量)×(データ転送線の抵抗)の積の時定数分の遅延以外に、(データ転送線容量)×(ΔV/Icell)に比例する成分がある。そのため、センスアンプ回路に接続されているデータ転送線端の電圧振幅ΔVが大きくとなると、より遅延が増加してしまう。
この場合、データ転送線端の電圧振幅ΔVを小さくすると、センスアンプ感度の高いセンスアンプ回路が必要となる。センスアンプ感度の高いセンスアンプ回路とするためには、例えば、センスアンプ回路の入力に使われるトランジスタのゲート面積を大きくする必要があり、センスアンプ回路面積が増加することになる。
【0310】
そのため、本実施の形態においては、センスアンプ回路から遠いメモリセルにおいて読み出しを行う際にデータ転送線の電圧変動を増大させて、メモリセル電流を増加させることにより、読み出し速度が低下するのを抑制するようにしている。
【0311】
図26は、第5の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を例示するブロック図である。
第5の実施形態に係る半導体記憶装置550もNAND型EEPROMを例にして説明する。
図26に例示をしたものは、図16に例示をしたものと比較して、センスアンプ回路461に接続されたレジスタ471(第1レジスタ)と、センスアンプ回路462に接続されたレジスタ472(第2レジスタ)とをさらに備えたところが異なっている。なお、図16などにおいて例示をしたものと同様の内容については説明を適宜省略する。
【0312】
奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線とに接続された各メモリセルユニット4までの配線抵抗値は、予め測定されレジスタ471、472に格納されている。
これらの配線抵抗値は、例えば、製品出荷前のテストなどにより予め測定しておくことによりレジスタ471、472に格納される。
【0313】
なお、レジスタ417、472に格納されるのは配線抵抗値だけでなく、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線の直列抵抗値から奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の直列抵抗値を引いた差(ΔR)を格納してもよい。また、レジスタ417、472にΔR×Icellに近い電圧を格納させておいてもよい。ここで、Icellは、例えば、製品出荷前のテストなどにより測定することが可能である。
【0314】
すなわち、レジスタ471、472は、各メモリセルユニット4ごとに予め測定された配線抵抗値などを格納する。
【0315】
第5の実施形態に係る半導体記憶装置550は、センスアンプ回路461、462に近いメモリセルユニットと、センスアンプ回路461、462から遠いメモリセルユニットとで、読み出し時のデータ転送線電圧を変更する。
すなわち、メモリセルにおける読み出しを行う時に、センスアンプ回路461によりデータ転送線を充電する電圧と、センスアンプ回路462によりデータ転送線を充電する電圧とが、メモリセルユニットの位置によって異なる。
【0316】
つまり、センスアンプ回路461は、メモリセルにおける読み出しを行う時に、メモリセルユニットの位置とレジスタ471に格納された配線抵抗値とに基づいて、データ転送線に印加する電圧を変化させる。また、センスアンプ回路462は、メモリセルにおける読み出しを行う時に、メモリセルユニットの位置とレジスタ472に格納された配線抵抗値とに基づいて、データ転送線に印加する電圧を変化させる。
【0317】
例えば、センスアンプ回路から遠いメモリセルユニットにおいて読み出しを行う場合、センスアンプ回路に近いメモリセルユニットにおいて読み出しを行う場合よりも、データ転送線に印加する電圧を上昇させることにより、メモリセルに流れる電流を増大させる。この際、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルと、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルとに流れる電流をほぼ同等とすることで、読み出し電流がより一定となるようにされる。
なお、以下においては、読み出し時の動作について説明するが、書き込みのベリファイ時の動作も同様である。そのため、書き込み時の動作についてはその説明を省略する。
【0318】
半導体記憶装置550の回路構成としては、前述した半導体記憶装置530の回路構成とほぼ同様であるが、読み出し時の駆動方法に本実施形態の特色がある。
そのため、図18(a)に例示をしたものと同様のメモリセル配置の場合を例に挙げて説明する。
図27(a)は、センスアンプ回路、メモリセルユニットなどの配置を例示する模式図である。図27(a)に表したものは、図18(a)において例示をしたものと同様の配置をしている。
【0319】
メモリセルユニット4cはセンスアンプ回路461に接続され、センスアンプ回路461から最も遠いメモリセルユニットを表している。メモリセルユニット4bはセンスアンプ回路462に接続され、センスアンプ回路462から最も遠いメモリセルユニットを表している。また、「c」はセンスアンプ回路461から最も遠いデータ転送線端を表し、「b」はセンスアンプ回路462から最も遠いデータ転送線端を表している。また、「a」はセンスアンプ回路461から最も近いデータ転送線位置を表し、「d」はセンスアンプ回路462から最も近いデータ転送線位置を表している。
【0320】
ここで、図27(a)においては、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線であるBL1、BL3、BL5、・・・、BL(2n−1)が上側に記載されているセンスアンプ回路462に接続されている。また、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線であるBL2、BL4、BL6、・・・、BL2nが下側に記載されているセンスアンプ回路461に接続されている。
【0321】
図27(b)は、配線抵抗に差があった場合において同時読み出しを行う場合のリードタイミングを例示する模式図である。すなわち、接続された奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線との配線抵抗に差があった場合において同時読み出しを行う場合のリードタイミングを例示する模式図である。
【0322】
例えば、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462を同時に駆動した場合のメモリセル4c、メモリセル4dにおける電圧の変化を例示する模式的グラフ図である。この場合、センスアンプ回路461よりもセンスアンプ回路462に近いメモリセルにおける読み出しを行う場合のデータ転送線の電圧とタイミングを表している。
【0323】
図27(b)に表すように、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線には、センスアンプ回路461によってt0からt1までの間にGNDからVBL1−eまで電圧が印加される。一方、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線には、センスアンプ回路462によってt0からt1までの間にGNDからVBL2−oまで電圧が印加される。すなわち、t0からt1までの間にGNDからVBL1−e、VBL2−oまでそれぞれ充電される。
【0324】
ここで、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に印加される電圧をVBL1−e、VBL2−eとし、奇数番目(奇数Index)データ転送線に印加される電圧をVBL1−o、VBL2−oとする。ただし、両者を総称して、単にVBL1、VBL2と称する場合もある。なお、VBL1−eとVBL1−o、または、VBL2−eとVBL2−oは同じ値で有っても良いし、異なる値であっても良い。
【0325】
ここで、センスアンプ回路461よりもセンスアンプ回路462に近いメモリセルにおいて読み出しを行う場合、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルはセンスアンプ回路462までのデータ転送線長が短くデータ転送線の直列抵抗が低くなる。一方、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルはセンスアンプ回路461までのデータ転送線長が長く、データ転送線の直列抵抗がより高くなる。
【0326】
この場合、センスアンプ回路461よりもセンスアンプ回路462に近いメモリセルにおいて読み出しを行う場合、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線の直列抵抗値から奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の直列抵抗値を引いた差をΔR、読み出し時にメモリセルに流れる電流をIcellとすると、VBL1−eはVBL2−oにΔR×Icellを加えた値となる。その様にすれば、センスアンプ回路461から遠い位置に配置されたメモリセルと、センスアンプ回路462から近い位置に配置されたメモリセルとで、メモリセルに流す電流をほぼ同じにすることが出来る。
【0327】
例えば、VBL1−eは、データ転送線の3/4の長さに相当する配線の直列抵抗が接続されたメモリセルに流れる電流となるような電圧とし、データ転送線同士における電圧が等しくなるようにするのが望ましい。ここで、メモリセルが接続されたデータ転送線の位置までの直列抵抗から、センスアンプ回路に接続されたデータ転送線の位置の直列抵抗を引いた差をΔR1とする。また、読み出し時にデータ転送線の1/4の長さに相当する配線の直列抵抗が接続されたメモリセルに流れる電流をIcellとする。
【0328】
このとき、VBL1−eはVBL2−oに(1/2)×ΔR1×Icellを加えた値とすることで、センスアンプ回路461から遠い位置に配置されたメモリセルに流れる電流と、センスアンプ回路461に近い位置に配置されたメモリセルに流れる電流とを、より一定にすることができる。具体的には、ΔR1がデータ転送線の抵抗以外のメモリセルの直列抵抗成分に比べて十分小さい場合、メモリセルアレイ1におけるメモリセル(メモリセルが属するメモリセルブロックの場合もある)の配置位置によるデータ転送線上の位置における配線抵抗変動を、±(1/4)×ΔR1×Icell以下と最も抑えることができる。
【0329】
また、図18に例示をしたものでは、読み出し時のデータ転送線の電圧は、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線と奇数番目(奇数Index)のデータ転送線とで等しくしたが本実施の形態のようにVBL1−eをVBL2−oに対して、例えば、0.1Vから1Vの範囲の高い電圧とすることにより、センスアンプ回路461から遠い位置に配置されたメモリセル4cと、センスアンプ回路462に近い位置に配置されたメモリセル4dとで、メモリセルに流れる電流の差を縮小することができる。
【0330】
また、このようにすることにより、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線と奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の両方にVBL1−eの電圧を印加した場合と比べて、メモリセルに流れる最小電流を維持しつつ、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルに流れる電流を小さくすることができる。そのため、半導体記憶装置の消費電力をより削減することができるとともに、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に大きな電流が流れることによる配線の信頼性低下を抑えることができる。
【0331】
また、図27(c)は、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462を同時に駆動した場合のメモリセル4a、メモリセル4bにおける電圧の変化を例示する模式的グラフ図である。すなわち、センスアンプ回路462よりもセンスアンプ回路461に近いメモリセルにおける読み出しを行う場合のデータ転送線の電圧とタイミングを表している。
【0332】
図27(c)に表すように、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線には、センスアンプ回路461によってt0からt1までの間にGNDからVBL2−eまで電圧が印加される。一方、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線には、センスアンプ回路462によってt0からt1までの間にGNDからVBL1−oまで電圧が印加される。すなわち、t0からt1までの間にGNDからVBL1−o、VBL2−eまでそれぞれ充電される。
【0333】
ここで、センスアンプ回路462よりもセンスアンプ回路461に近いメモリセルにおいて読み出しを行う場合、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルはセンスアンプ回路461までのデータ転送線長が短くデータ転送線の直列抵抗が低くなる。一方、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルはセンスアンプ回路462までのデータ転送線長が長く、データ転送線の直列抵抗がより高くなる。
【0334】
ここで、センスアンプ回路462よりもセンスアンプ回路461に近いメモリセルにおいて読み出しを行う場合、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線の直列抵抗値から奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の直列抵抗値を引いた差をΔR、読み出し時にメモリセルに流れる電流をIcellとすると、VBL1−oはVBL2−eにΔR×Icellを加えた値となる。その様にすれば、センスアンプ回路462から遠い位置に配置されたメモリセルと、センスアンプ回路461から近い位置に配置されたメモリセルとで、メモリセルに流す電流をほぼ同じにすることが出来る。
【0335】
また、このようにすることにより、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線と奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の両方にVBL1−oの電圧を印加した場合と比べて、メモリセルに流れる最小電流を維持しつつ、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルに流れる電流を小さくすることができる。そのため、半導体記憶装置の消費電力をより削減することができるとともに、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に大きな電流が流れることによる配線の信頼性低下を抑えることができる。
【0336】
次に、図27(b)、(c)に表すように、t1からt2において、データ転送線の電圧を一定に維持する。すなわち、VBL1、VBL2をそれぞれ一定に維持する期間(t1〜t2)を設ける。ここで、メモリセルの読み出しを行う場合、電流端子が直列に接続されたメモリセルに対して、メモリセルに割り当てられたデータのうち最大値を有するしきい値より高い電位であるVreadを制御ゲートに接続されたデータ制御線に印加するようにする。
【0337】
この場合、読み出しを行うデータ制御線の電圧をVrefとすれば、それに隣接するデータ制御線の電位はVreadであるので、容量結合によって読み出しを行うデータ制御線の電圧Vrefからの電圧変動が生じる。この電圧変動によってしきい値を越えた場合の誤読み出しを防ぐために、容量結合による電圧変動を収束させるための時定数より長いt1からt2の期間、データ転送線の電圧を一定に維持するようにしている。
【0338】
ここで、例えば、t0からt1の間に、読み出しを行うデータ制御線の電圧を例えばVrefとし、他のデータ制御線の電圧をVreadとし、ソース線側の選択トランジスタおよびドレイン側の選択トランジスタを遮断状態から導通状態にして、データ転送線の電位を上昇させるようにする。その結果、読み出しを行うNANDストリングを導通状態として電位を上昇させることにより、読み出しを行うデータ制御線の電圧を他のデータ制御線の電圧よりも前に上昇させることができる。そのため、他のデータ制御線のVreadへの電圧上昇によるNANDストリングのチャネル部分の容量結合による電圧上昇を防ぐことができる。
【0339】
次に、t1からt2の間に、ソース線側の選択トランジスタまたはドレイン側の選択トランジスタを導通状態から遮断状態にする。
ついで、t2からt3の間に、データ転送線に充電した電荷を、例えば、ソース線側の選択トランジスタまたはドレイン側の選択トランジスタを遮断状態から導通状態にすることにより、放電する。
【0340】
この際、センスアンプ回路461およびセンスアンプ回路462にて、メモリセルの電荷の大小を判断する。例えば、センスアンプ回路461にて、センスアンプ回路461に接続された端のデータ転送線の電位の大小をある基準値(例えば、図27(b)に例示したVBL1_th)と比較して大小の測定を行うことにより、メモリセルの電荷の大小を判断する。また、センスアンプ回路462にて、センスアンプ回路462に接続された端のデータ転送線の電位の大小をある基準値(例えば、図27(b)に例示したVBL2_th)と比較して大小の測定を行うことにより、メモリセルの電荷の大小を判断する。
【0341】
ここで、図27(b)においてメモリセルの論理値が"0"の場合、つまり、書き込み状態(メモリセルのしきい値がVrefよりも大きい)の場合、書き込みしきい値より低いVref値によって判断するため、メモリセル電流は流れず、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線の電位は、VBL1−eに保たれる。また、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の電位は、VBL2−oに保たれる。
【0342】
一方、図27(b)においてメモリセルの論理値が"1"の場合、つまり、例えば、消去状態(メモリセルのしきい値がVrefよりも小さい)の場合、消去しきい値より高いVref値によって判断するため、メモリセル電流が流れ、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線、および、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の電位が低下する。
【0343】
なお、上記は、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルの論理状態と、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルの論理状態が同じ場合で説明をしている。しかし、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルの論理状態と、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルの論理状態が異なる場合があるのは言うまでもない。
【0344】
また、図27(c)に例示をした場合には、センスアンプ回路462にて、センスアンプ回路462に接続された端のデータ転送線の電位の大小をある基準値(例えば、図27(c)に例示したVBL1_th)と比較して大小の測定を行うことにより、メモリセルの電荷の大小を判断する。また、センスアンプ回路461にて、センスアンプ回路461に接続された端のデータ転送線の電位の大小をある基準値(例えば、図27(c)に例示したVBL2_th)と比較して大小の測定を行うことにより、メモリセルの電荷の大小を判断する。
【0345】
ここで、図27(c)においてメモリセルの論理値が"0"の場合、つまり、書き込み状態(メモリセルのしきい値がVrefよりも大きい)の場合、書き込みしきい値より低いVref値によって判断するため、メモリセル電流は流れず、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線の電位は、VBL2−eに保たれる。また、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の電位は、VBL1−oに保たれる。
【0346】
一方、図27(c)においてメモリセルの論理値が"1"の場合、つまり、例えば、消去状態(メモリセルのしきい値がVrefよりも小さい)の場合、消去しきい値より高いVref値によって判断するため、メモリセル電流が流れ、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線、および、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の電位が低下する。
【0347】
ここで、前述したように、センスアンプ回路461、462から遠いメモリセルと、センスアンプ回路461、462に近いメモリセルとのセル電流Icellの差を縮小できるため、データ転送線のVBL1−oとVBL1_thとの差と、VBL2−eとVBL2_thとの差とを小さくすることができるので、t2とt3との間における時間(メモリセル電流を測定する時間)をほぼ等しくすることができる。
【0348】
なお、センスアンプ回路461およびセンスアンプ回路462にて、データ転送線に流れる電流を測定することにより、メモリセルの電荷の大小を判断してもよい。この場合、センスアンプ回路からのデータ転送線長が異なっていても、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線と奇数番目(奇数Index)のデータ転送線とで、メモリセルに流れる電流を揃えることができる。そのため、t2とt3との間における時間に相当するセンスアンプ回路461とセンスアンプ回路462とにおいてメモリセルの電荷の大小を判断するのに必要な時間を、より揃えることができる。
【0349】
また、この場合、メモリセルユニットのビット線コンタクトに印加する電圧を、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線と、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線とでより揃えることができる。この結果、読み出し時の電圧Vreadとチャネルとの電位差によるしきい値変動(リードディスターブ)を偶数番目(偶数Index)のデータ転送線と奇数番目(奇数Index)のデータ転送線とで揃えることができ、より信頼性の高い半導体記憶装置を提供することができる。また、センスアンプ回路463から遠いメモリセルと、センスアンプ回路463に近いメモリセルとで読み出し時の電圧Vreadとチャネルとの電位差によるしきい値変動(リードディスターブ)を揃えることができ、より信頼性の高い半導体記憶装置を提供することができる。
【0350】
以上では、消去状態("1")と書き込み状態("0")との2値を例としてあげているが、勿論、多値の場合にも適用させることができる。その様な場合には、例えば、消去状態と書き込み状態とに隣接する状態のしきい値を設けるようにすればよい。
【0351】
ここで、センスアンプ回路461およびセンスアンプ回路462とを同時に同じタイミングで駆動する場合(図18において例示をした場合)、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線に接続されたメモリセルと、奇数番目(奇数Index)のデータに接続されたメモリセルとで、同じタイミングで読み出しを行うためには、データ転送線に充電した電荷を放電する時間としてt3のタイミングまで待つ必要がある。そして、t3からt4の間で、データ転送線に充電した電荷をさらに放電してGDN電位とし、次の読み出しのシーケンスの条件を揃えるようにする。
【0352】
本実施の形態においては、読み出し時、またはベリファイ読み出し時に、各メモリセルユニットのデータ転送線の長手方向における位置(センスアンプ回路からの位置)によって、データ転送線に印加する電圧を変化させるようにしている。そのため、各メモリセルに流れる電流をより揃えることができる。
【0353】
ここで、データ転送線に印加する電圧を変化させる方法としては、例えば、センスアンプ回路461よりもセンスアンプ回路462に近い第1メモリセルブロック1aにおいて図27(b)に例示をした様な電圧印加を行い、センスアンプ回路462よりもセンスアンプ回路461に近い第2メモリセルブロック1bにおいて図27(c)に例示をした様な電圧印加を行うように切り替えを行うような方法を例示することができる。
【0354】
この場合、センスアンプ回路461および、センスアンプ回路462に、少なくとも2種類の電圧をデータ転送線に印加する回路を追加するか、メモリセルユニットの位置に応じて、データ転送線に印加する電圧を変化させる回路を追加すればよい。
ここで、レジスタ471、472には、各メモリセルユニット4ごとに予め測定された配線抵抗値が格納されているので、格納されている配線抵抗値に基づいて、少なくとも2種類の電圧を切り替えたり、データ転送線に印加する電圧を変化させたりすればよい。
【0355】
また、本実施の形態においては、2種類のデータ転送線に電圧を印加する場合を例示したが、次のように、2種類以上のデータ転送線に電圧を印加するようにすれば、本実施の形態に係る効果をより有効なものとすることが出来る。
【0356】
例えば、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線における長さと、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線における長さとの差が小さい、すなわち、センスアンプ回路461からメモリセルユニットまでの距離と、センスアンプ回路462からメモリセルユニットまでの距離との差が小さい場合には、VBL1とVBL2の中間の電圧を、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線、および、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線に印加することにより、メモリセルに流れる電流をより一定とすることができる。
【0357】
また、VBL1とVBL2の中間の電圧を印加するようにすることで、偶数番目(偶数Index)と奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の両方にVBL1の電圧を印加する場合と比べてメモリセルの電流を小さくすることができる。
そのため、半導体記憶装置の消費電力をより削減することができるとともに、データ転送線に大きな電流が流れることによる配線の信頼性低下を抑えることができる。
【0358】
本実施の形態によれば、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線と奇数番目(奇数Index)のデータ転送線とに接続されたメモリセルユニットにおける読み出しや書き込みを同時に行う場合、メモリセルに流れる電流Icellを、データ転送線の配線長に拠らず、より一定に保つことができる。また、メモリセルの電流を測定するのに必要な時間をより一定に揃えることができる。
【0359】
ここで、図25において例示をしたように、サブスレッショルド係数によるしきい値のばらつき幅はメモリセルに流れる電流が小さくになるにつれ増大する。特に、センスアンプ回路から遠い位置にあるメモリセルブロックに属するメモリセルにおいて顕著となる。本実施の形態によれば、メモリセルに流れる電流の最小値を大きくすることができるので、センスアンプ回路のセンス電流を一定とし、しきい値のばらつき幅をより小さくすることができる。
この場合、図25に表したように、センスアンプ回路のセンス電流が一定でない場合には、サブスレッショルド特性の傾きにより電流としきい値とが正の依存性を持つことから、しきい値ばらつきがより大きくなる。よって、消去状態("1")のメモリセルに流れる電流の値を一定とすることにより、しきい値のばらつきをより小さくできることは明らかである。
【0360】
一方、センスアンプ回路に接続されているデータ転送線端の電圧振幅ΔVを大きくしようとすると、データ転送線の配線抵抗が高いため、センスアンプ回路からもっとも遠いメモリセルでは、充分なメモリセル電流Icellを確保できないという問題が生じる。
また、データ転送線の電流が安定するまでの時間に影響するものとして、データ転送線間の容量結合により、(データ転送線の容量)×(データ転送線の抵抗)の積の時定数分の遅延以外に、(データ転送線容量)×(ΔV/Icell)に比例する成分がある。そのため、センスアンプ回路に接続されているデータ転送線端の電圧振幅ΔVが大きくとなると、より遅延が増加してしまう。
【0361】
本実施の形態によれば、メモリセルに流れる電流の最小値を大きくすることができるので、(データ転送線容量)×(ΔV/Icell)に比例する遅延時間を短くすることができる。また、データ転送線端の電圧振幅ΔVが小さくなると、センスアンプ感度が高いセンスアンプ回路が必要となる。センスアンプ感度の高いセンスアンプ回路とするためには、例えば、センスアンプ回路の入力に使われるトランジスタのゲート面積を大きくする必要があり、センスアンプ回路面積が増加することになる。
本実施の形態によれば、読み出し時におけるメモリセル電流Icellの最大値と最小値の差をより小さくすることができるので、センスアンプ回路の面積増大を防ぐことが出来る。そのため、本実施の形態によれば、配線間の遅延時間の差の分だけ回路動作マージンを縮小しても回路を正常動作させることができ、回路動作を高速化できる。よって、より高速な読み出しや、より高速なベリファイ読み出しを実現できる。
【0362】
次に、第5の実施形態に係る半導体記憶装置の変形例について例示をする。
図28(a)は、メモリセルアレイとデータ転送線のレイアウトを例示する模式的回路図である。図28(b)は、読み出し時のデータ転送線の電圧について例示する模式的グラフ図である。
本変形例におけるメモリセルアレイとデータ転送線のレイアウトは、図22において例示したものと同様である。そのため、図22において例示をしたものと同様の内容については適宜省略する。
【0363】
図28(a)に表したように半導体記憶装置551においては、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462をメモリセルアレイ1を挟んで対峙するようにして設けるのではなく、メモリセルアレイ1の片側にまとめて配置するようにしている。
すなわち、センスアンプ回路461とセンスアンプ回路462はそれぞれまとまって配置されている。
【0364】
すなわち、本変形例においては、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線の一端に接続されたセンスアンプ回路461、および、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の一端に接続されたセンスアンプ回路462が、メモリセルアレイ1に対して同じ側に、まとまって配置されている。そのため、周辺回路や電源配線を集中して配置させることが可能となる。また、このようにまとめてセンスアンプ回路461、センスアンプ回路462を配置すれば、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462のそれぞれに接続されているデータ転送線の長さをほぼ同じようにすることができるので、センスアンプ回路461、センスアンプ回路462のそれぞれに接続されるメモリセルに対するデータ転送線間のばらつきを小さくできる効果もある。
【0365】
また、メモリセルアレイの両側にセンスアンプ回路が形成される実施形態と異なり、本変形例では、メモリセルの片側にセンスアンプ回路が形成されている。これにより、読み出し時における隣接データ転送線からのアレイノイズをより小さいものにすることができる。なぜなら、センスアンプ回路から遠い読み出しメモリセルブロックになるほど、メモリセルブロックの位置により変化するデータ転送線の充電電圧が高くなる。そのため、読み出し時においてメモリセルの論理値が"0"(メモリセルのしきい値がVrefよりも大きい)の場合、センスアンプ回路から遠いメモリセルブロックのデータ転送線電圧はVBL2よりも高いVBL1となる。
このため、メモリセルアレイの両側にセンスアンプ回路が形成されている場合には、センスアンプ回路から近いメモリセルに接続されたデータ転送線に隣接する隣接データ線電圧がVBL2よりも高いVBL1となる。そのため、メモリセルの論理値が"0"の場合、隣接メモリセルのチャネルからの容量結合により、電流を測定するメモリセルに接続されたデータ転送線の電位がより上昇する問題が生じる。
【0366】
また、隣接する2本のデータ転送線の電圧が、メモリセルの論理値が"1"のメモリセルに接続されたデータ転送線で電圧がVBL2となり、かつ、このメモリセルに隣接するメモリセル(「隣接メモリセル」と称する)の論理値が"0"であり、隣接メモリセルに接続されたデータ転送線がVBL2より高いVBL1となる場合がある。このため、それぞれのデータ転送線に接続されたコンタクト間に発生するリーク電流を低く抑えることが難しくなる。
一方、メモリセルアレイの片側にセンスアンプが形成された場合には、同一のデータ選択線に接続されたメモリセルを読み出す場合において、隣接するデータ転送線電圧をほぼ揃えることができる。その結果、データ転送線間のコンタクト間のリーク電流をより低く抑えることができる。
【0367】
また、本実施の形態においても、センスアンプ回路461は、メモリセルにおける読み出しを行う時に、メモリセルユニットの位置とレジスタ471に格納された配線抵抗値とに基づいて、データ転送線に印加する電圧を変化させる。また、センスアンプ回路462は、メモリセルにおける読み出しを行う時に、メモリセルユニットの位置とレジスタ472に格納された配線抵抗値とに基づいて、データ転送線に印加する電圧を変化させる。なお、印加電圧を変化させることに関しては前述したものと同様のためその説明は適宜省略する。
【0368】
図28(b)は、センスアンプ回路461およびセンスアンプ回路462を同時に駆動して、メモリセルにおける読み出しを行う場合のデータ転送線の電圧とタイミングを表している。
ここで、例えば、センスアンプ回路461およびセンスアンプ回路462から遠い位置にある第1メモリセルブロック1aに設けられたメモリセルユニットの場合のデータ転送線電圧をVBL1とする。また、例えば、センスアンプ回路461およびセンスアンプ回路462から近い位置にある第2メモリセルブロック1bに設けられたメモリセルユニットの場合のデータ転送線電圧をVBL1より低いVBL2とする。
【0369】
この場合、例えば、VBL1は、データ転送線の3/4の長さに相当する配線の直列抵抗が接続されたメモリセルに流れる電流となるような電圧とし、データ転送線同士における電圧が等しくなるようにするのが望ましい。ここで、メモリセルが接続されたデータ転送線の位置までの直列抵抗から、センスアンプ回路に接続されたデータ転送線の位置の直列抵抗を引いた差をΔR1とする。また、読み出し時にデータ転送線の1/4の長さに相当する配線の直列抵抗が接続されたメモリセルに流れる電流をIcellとする。
【0370】
このとき、VBL1はVBL2に(1/2)×ΔR1×Icellを加えた値とすることで、センスアンプ回路461から遠い位置に配置されたメモリセルに流れる電流と、センスアンプ回路461に近い位置に配置されたメモリセルに流れる電流とを、より一定にすることができる。具体的には、ΔR1がデータ転送線の抵抗以外のメモリセルの直列抵抗成分に比べて十分小さい場合、メモリセルアレイ1におけるメモリセル(メモリセルが属するメモリセルブロックの場合もある)の配置位置によるデータ転送線上の位置における配線抵抗変動を、±(1/4)×ΔR1×Icell以下と最も抑えることができる。
【0371】
ここで、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線の直列抵抗値から奇数番目(奇数Index)のデータ転送線の直列抵抗値を引いた差をΔR、読み出し時にメモリセルに流れる電流をIcellとすると、VBL1はVBL2にΔR×Icellを加えた値となる。その様にすれば、センスアンプ回路461から遠い位置に配置されたメモリセルと、センスアンプ回路462から近い位置に配置されたメモリセルとに流れる電流の差をより小さくすることができ、さらに電流を一定とすることができるので望ましい。
【0372】
なお、本変形例のようにVBL1をVBL2に対して、例えば、0.1Vから1Vの範囲の高い電圧とすることにより、センスアンプ回路461から遠い位置に配置されたメモリセル4cと、センスアンプ回路462に近い位置に配置されたメモリセル4bとで、メモリセルに流れる電流の差を縮小することができる。
また、VBL1より低いVBL2を印加することで、データ転送線に常にVBL1の電圧を印加した場合と比べて、センスアンプ回路461およびセンスアンプ回路462に近いメモリセルに流れる電流を小さくすることができる。そのため、半導体記憶装置の消費電力をより削減することができるとともに、データ転送線に大きな電流が流れることによる配線の信頼性低下を抑えることができる。
【0373】
また、センスアンプ回路461、462から遠いメモリセルと、センスアンプ回路461、462に近いメモリセルとのセル電流Icellの差を縮小できるため、データ転送線のVBL1とVBL1_thとの差と、VBL2とVBL2_thとの差とを小さくすることができるので、t2とt3との間における時間(メモリセル電流を測定する時間)をほぼ等しくすることができる。
【0374】
なお、センスアンプ回路461およびセンスアンプ回路462にて、データ転送線に流れる電流を測定することにより、メモリセルの電荷の大小を判断してもよい。この場合、データ転送線に接続されたメモリセルユニットの位置が変わっても、メモリセルに流れる電流を揃えることができる。そのため、t2とt3との間における時間に相当するセンスアンプ回路461とセンスアンプ回路462とにおいてメモリセルの電荷の大小を判断するのに必要な時間を、より揃えることができる。
【0375】
また、この場合、データ転送線に接続されたメモリセルユニットの位置が変わっても、メモリセルユニットのビット線コンタクトに印加する電圧をより揃えることができる。この結果、読み出し時の電圧Vreadとチャネルとの電位差によるしきい値変動(リードディスターブ)を偶数番目(偶数Index)のデータ転送線と奇数番目(奇数Index)のデータ転送線とで揃えることができ、より信頼性の高い半導体記憶装置を提供することができる。また、センスアンプ回路463から遠いメモリセルと、センスアンプ回路463に近いメモリセルとで読み出し時の電圧Vreadとチャネルとの電位差によるしきい値変動(リードディスターブ)を揃えることができ、より信頼性の高い半導体記憶装置を提供することができる。
【0376】
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態に係る半導体記憶装置について例示をする。
第6の実施形態に係る半導体記憶装置560は、前述した第4の実施形態に係る半導体記憶装置540とほぼ同様の構成を有している。ただし、センスアンプ回路463に近いメモリセルユニットと、センスアンプ回路463から遠いメモリセルユニットとで、読み出し時のデータ転送線電圧を変更する点が異なっている。
すなわち、メモリセルの読み出しを行う時に、センスアンプ回路463によりデータ転送線を充電する電圧と、センスアンプ回路463によりデータ転送線を充電する電圧とが、メモリセルユニットの位置によって異なる。
【0377】
つまり、センスアンプ回路463は、メモリセルにおける読み出しを行う時に、メモリセルユニットの位置とレジスタ473に格納された配線抵抗値とに基づいて、データ転送線に印加する電圧を変化させるところが異なっている。
【0378】
この場合、センスアンプ回路463から遠いメモリセルにおいて読み出しを行う場合には、センスアンプ回路463に近いメモリセルにおいて読み出しを行う場合よりも、データ転送線に印加する電圧を上昇させることにより、メモリセルに流れる電流を増大させるようにしている。そのため、メモリセルユニットの位置に拠らずメモリセルに流れる電流をより一定にできる。
【0379】
なお、以下においては、読み出し時の動作について説明するが、書き込みのベリファイ時の動作も同様である。そのため、書き込み時の動作についてはその説明を省略する。また、本実施の形態に係る半導体記憶装置560は、前述した第4の実施形態に係る半導体記憶装置540と同様の構成を有しているため、図24などにおいて例示をしたものと同様の内容については説明を適宜省略する。
【0380】
図29(a)は、メモリセルアレイとデータ転送線のレイアウトを例示する模式的回路図である。図29(b)は、読み出し時のデータ転送線の電圧について例示する模式的グラフ図である。
図29(a)に表すように、本実施の形態においては、センスアンプ回路463をデータ転送線の一端の片側にまとめて配置している。そして、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線をトランジスタQ1の電流端子を介してセンスアンプ回路463と接続し、偶数番目(偶数Index)のデータ転送線をトランジスタQ2の電流端子を介してセンスアンプ回路463と接続している。
センスアンプ回路463にはレジスタ473が接続されている。
また、奇数番目(奇数Index)のデータ転送線と偶数番目(偶数Index)のデータ転送線とに接続された各メモリセルユニット4までの配線抵抗値は、予め測定されレジスタ473に格納されている。
すなわち、レジスタ473は、各メモリセルユニット4ごとに予め測定された配線抵抗値を格納する。
【0381】
本実施の形態においては、センスアンプ回路463が、メモリセルアレイに対して同じ片側に、まとまって配置されているので、周辺回路や電源配線を集中して配置させることが可能となる。この場合、このようなセンスアンプ回路463の配置とすることで、センスアンプ回路463に接続されているデータ転送線の長さを同じにすることができるので、センスアンプ回路463に接続されているメモリセルに流れる電流のデータ転送線間におけるばらつきを小さくできるという効果がある。
【0382】
図29(b)は、センスアンプ回路463を駆動して、メモリセルにおける読み出しを行う場合のデータ転送線の電圧とタイミングを表している。
ここで、例えば、センスアンプ回路463から遠い位置にある第1メモリセルブロック1aに設けられたメモリセルユニットの場合のデータ転送線電圧をVBL1とする。また、例えば、センスアンプ回路463から近い位置にある第2メモリセルブロック1bに設けられたメモリセルユニットの場合のデータ転送線電圧をVBL1より低いVBL2とする。
【0383】
この場合、例えば、VBL1は、データ転送線の3/4の長さに相当する配線の直列抵抗が接続されたメモリセルに流れる電流となるような電圧とし、VBL2は、データ転送線の1/4の長さに相当する配線の直列抵抗が接続されたメモリセルに流れる電流となるような電圧とする。そして、これらメモリセルに流れる電流が等しくなるようなVBL1、VBL2とする。その様にすれば、各メモリセルにおける電流がばらつくことを抑えることができる。
【0384】
なお、本実施の形態のようにVBL1をVBL2に対して、例えば、0.1Vから1Vの範囲の高い電圧とすることにより、センスアンプ回路463から遠い位置に配置されたメモリセル4cと、センスアンプ回路463に近い位置に配置されたメモリセル4bとで、メモリセルに流れる電流の差を縮小することができる。
また、VBL1より低いVBL2を印加することで、データ転送線に常にVBL1の電圧を印加した場合と比べて、センスアンプ回路463に近いメモリセルに流れる電流を小さくすることができる。そのため、半導体記憶装置の消費電力をより削減することができるとともに、データ転送線に大きな電流が流れることによる配線の信頼性低下を抑えることができる。
【0385】
また、センスアンプ回路463から遠いメモリセルと、センスアンプ回路463に近いメモリセルとのセル電流Icellの差を縮小できるため、データ転送線のVBL1とVBL1_thとの差と、VBL2とVBL2_thとの差とを小さくすることができるので、t2とt3との間における時間(メモリセル電流を測定する時間)をほぼ等しくすることができる。
【0386】
なお、センスアンプ回路463にて、データ転送線に流れる電流を測定することにより、メモリセルの電荷の大小を判断してもよい。この場合、データ転送線に接続されたメモリセルユニットの位置が変わっても、メモリセルに流れる電流を揃えることができる。そのため、t2とt3との間における時間に相当するセンスアンプ回路463においてメモリセルの電荷の大小を判断するのに必要な時間を、より揃えることができる。
【0387】
また、この場合、データ転送線に接続されたメモリセルユニットの位置が変わっても、メモリセルユニットのビット線コンタクトに印加する電圧をより揃えることができる。この結果、読み出し時の電圧Vreadとチャネルとの電位差によるしきい値変動(リードディスターブ)をセンスアンプ回路463から遠いメモリセルと、センスアンプ回路463に近いメモリセルとで揃えることができ、より信頼性の高い半導体記憶装置を提供することができる。
【0388】
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれは良い。
【0389】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、半導体記憶装置を構成する第1〜第4配線、低抵抗配線、高抵抗配線、第1〜第6データ転送配線、メモリセル、メモリセルユニット、メモリセルブロック、第1及び第2領域、第1及び第2絶縁領域、データ転送線つなぎ替え部、つなぎ替え配線、つなぎ替えコンタクト等、各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0390】
また、第5の実施形態において、レジスタ472がセンスアンプ回路462に接続された例を示したが、直接接続されなくてもよい。例えば、レジスタ472からディジタル/アナログ変換回路を介してセンスアンプ回路462に電気的に接続され、アナログ変換回路の出力によりデータ転送線電圧を調整できる回路構成となっていてもよい。
また、レジスタ471がセンスアンプ回路461に接続された例を示したが、直接接続されなくてもよい。例えば、レジスタ471からディジタル/アナログ変換回路を介してセンスアンプ回路461に電気的に接続され、アナログ変換回路の出力によりデータ転送線電圧を調整できる回路構成となっていてもよい。
さらに、これらレジスタ471およびレジスタ472は、配線抵抗値そのものを格納しなくても、対応するディジタルデータをコード化して格納するようにしてもよい。
【0391】
また、第6の実施形態において、レジスタ473がセンスアンプ回路463に接続された例を示したが、直接接続されなくてもよい。例えば、レジスタ473からディジタル/アナログ変換回路を介してセンスアンプ回路463に電気的に接続され、アナログ変換回路の出力によりデータ転送線電圧を調整できる回路構成となっていてもよい。
さらに、レジスタ473は、配線抵抗値そのものを格納しなくても、対応するディジタルデータをコード化して格納すればよい。
【0392】
その他、本発明の実施の形態として上述した半導体記憶装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての半導体記憶装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0393】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含有される。
【符号の説明】
【0394】
1a…第1メモリセルブロック、 1b…第2メモリセルブロック、 2、2a、2b…データ制御線ドライバ、 3…ロウデコーダ、 3a、3b…ロウアドレス選択回路、
4…メモリセルユニット、 5、6…選択ゲート線、 7…データ制御線、 40…制御回路、 41a…Vpgm発生回路、 41b…Vpass発生回路、 41c…Vread発生回路、 42…基板電位制御回路、 45…入出力バッファ、 46…センスアンプ回路、 47…アドレスバッファ、 47a…アドレス信号、 48…カラムデコーダ、 100…データ転送線つなぎ替え部(配線つなぎ替え部)、 121…p型シリコン基板、 122…n型シリコン領域、 123…p型シリコン領域、 124…素子分離絶縁膜、 125…トンネルゲート絶縁膜、 126…浮遊ゲート、 127…制御ゲート、 127GSL、127SSL…ゲート電極、 128…n型拡散層、 128d…データ転送線側拡散層、 128s…ソース線側拡散層、 130d、130s…コンタクト、 133、133d…中間配線層、 136、136a、136b、136c…データ転送線、 137…配線、 139…コンタクト、 143…側壁絶縁膜、 150…層間絶縁膜、 168…層間絶縁膜、 227…第2つなぎ替え配線、 230…第2つなぎ替えコンタクト、 233…第1つなぎ替え配線、 239…第1つなぎ替えコンタクト、 339…コンタクトリソグラフィ補助パターン、 401…基膜、 402…層間膜、 403…絶縁膜、 404…芯材、 405…側壁膜、 406…バリアメタル、 407…金属膜、 447…データ切り替え回路、 461…センスアンプ回路、 462…センスアンプ回路、 463…センスアンプ回路、 471、472、473…レジスタ、 481…カラムデコーダ、 482…カラムデコーダ、 483…カラムデコーダ、 510、511、512、513、519、520、524、530、531、540、550、551、560…半導体記憶装置、 BL、BL1〜BL2n…データ転送配線、 BLC…データ転送線コンタクト、 DL1〜DL6…第1〜第6データ転送線、 L1…低抵抗配線、 L2…高抵抗配線、 LL1〜LL4…第1〜第4配線、 M1〜Mb…メモリセル、 MC…メモリセル、 MCU1〜MCU6…第1〜第6メモリセルユニット、 RG1、RG2…第1及び第2領域、 RGI1、RGI2…第1及び第2絶縁領域、 RGa…領域、 S1、S2…選択トランジスタ、 SG11、SG12、SG21、SG22、SGn1、SGn2…ブロック選択線、 SL…共通ソース線、 SLC…ソース線コンタクト、 U1〜U4…セルユニット、 WL、WL11〜WL1b、WL21〜WL2b、WLn1〜WLnb…データ制御線、 py…ピッチ、 sa、sb、sc、sd…幅、 tc、td…厚さ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第1メモリセルユニットと、
それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第2メモリセルユニットと、
複数の第1配線と、
複数の第2配線と、を有するメモリセルアレイと、
前記複数の第1配線と接続された第1センスアンプ回路と、
前記複数の第2配線と接続された第2センスアンプ回路と、
を備え、
前記複数の第1配線のそれぞれは、第1方向に延在し、前記第1メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、
前記複数の第2配線のそれぞれは、前記第1配線どうしのそれぞれ間において前記第1方向に延在し、前記第2メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、金属が埋め込み形成され、配線の上面高さが同じであり、
互いに隣接して形成された前記複数の第1配線と前記複数の第2配線は複数対で繰り返された構造からなり、
前記複数の第2配線のそれぞれの前記第1方向に対して垂直な第2方向に沿った幅、及び、前記複数の第2配線のそれぞれの前記第1方向と前記第2方向とに垂直な第3方向に沿った厚さ、の少なくともいずれかは、前記複数の第1配線のそれぞれよりも小さくされ、前記第1センスアンプ回路と、前記第2センスアンプ回路は、それぞれ、前記メモリセルアレイを挟んで対峙するように配置されていることを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項2】
前記複数の第1配線に接続された前記複数の第1のメモリセルユニットが有する前記複数のメモリセルの読み出し時間が、前記複数の第2配線に接続された前記複数のメモリセルユニットが有する前記複数のメモリセルの読み出し時間より短く、前記複数の第1のメモリセルユニットが有する前記複数のメモリセルのデータを前記複数の第2のメモリセルユニットが有する前記複数のメモリセルのデータよりも先に出力するモードを有することを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第1メモリセルユニットと、
それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第2メモリセルユニットと、
複数の第1配線と、
複数の第2配線と、を有するメモリセルアレイと、
前記複数の第1配線と接続された第1センスアンプ回路と、
前記複数の第2配線と接続された第2センスアンプ回路と、
を備え、
前記複数の第1配線のそれぞれは、第1方向に延在し、前記第1メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、
前記複数の第2配線のそれぞれは、前記第1配線どうしのそれぞれ間において前記第1方向に延在し、前記第2メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、
金属が埋め込み形成され、配線の上面高さが同じであり、
互いに隣接して形成された前記複数の第1配線と前記複数の第2配線は複数対で繰り返された構造からなり、
前記第1センスアンプ回路と、前記第2センスアンプ回路は、前記メモリセルアレイの片側に形成され、
前記第1センスアンプ回路は、前記第2センスアンプ回路よりも前記メモリセルアレイの近くに形成され、
前記複数の第1メモリセルユニットが有する前記複数のメモリセルのデータを前記複数の第2メモリセルユニットが有する前記複数のメモリセルのデータよりも先に出力することを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項4】
それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第1メモリセルユニットと、
それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第2メモリセルユニットと、
複数の第1配線と、
複数の第2配線と、を有するメモリセルアレイと、
前記複数の第1配線と、前記複数の第2配線と、に接続されたセンスアンプ回路と、
前記センスアンプ回路と、前記複数の第1配線または前記複数の第2配線と、の接続を切り替える切り替え回路と、
制御回路と、
を備え、
前記複数の第1配線のそれぞれは、第1方向に延在し、前記第1メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、
前記複数の第2配線のそれぞれは、前記第1配線どうしのそれぞれ間において前記第1方向に延在し、前記第2メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、
前記制御回路は、前記複数の第1メモリセルユニットが有する前記複数のメモリセルのデータを前記複数の第2メモリセルユニットが有する前記複数のメモリセルのデータよりも先に出力することを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項5】
前記複数の第1配線の上面高さ部分の幅のばらつきよりも、前記複数の第1配線と前記複数の第2配線の間の絶縁膜の幅の変動の方が小さいことを特徴とする請求項1乃至4に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第1メモリセルユニットと、
それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第2メモリセルユニットと、
複数の第1配線と、
複数の第2配線と、を有するメモリセルアレイと、
前記複数の第1配線と接続された第1センスアンプ回路と、
前記複数の第2配線と接続された第2センスアンプ回路と、
前記第1センスアンプ回路に接続された第1レジスタと、
前記第2センスアンプ回路に接続された第2レジスタと、
を備え、
前記複数の第1配線のそれぞれは、第1方向に延在し、前記第1メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、
前記複数の第2配線のそれぞれは、前記第1配線どうしのそれぞれ間において前記第1方向に延在し、前記第2メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、
金属が埋め込み形成され、配線の上面高さが同じであり、
互いに隣接して形成された前記複数の第1配線と前記複数の第2配線は複数対で繰り返された構造からなり、
前記第1センスアンプ回路と、前記第2センスアンプ回路は、それぞれ、前記メモリセルアレイを挟んで対峙するように配置され、
前記メモリセルの読み出しを行う時に、前記第1センスアンプ回路により第1配線を充電する電圧と、前記第2センスアンプ回路により第2配線を充電する電圧とが、前記第1メモリセルユニットおよび前記第2メモリセルユニットの位置によって異なることを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項7】
それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第1メモリセルユニットと、
それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第2メモリセルユニットと、
複数の第1配線と、
複数の第2配線と、を有するメモリセルアレイと、
前記複数の第1配線と接続された第1センスアンプ回路と、
前記複数の第2配線と接続された第2センスアンプ回路と、
前記第1センスアンプ回路に接続された第1レジスタと、
前記第2センスアンプ回路に接続された第2レジスタと、
を備え、
前記複数の第1配線のそれぞれは、第1方向に延在し、前記第1メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、
前記複数の第2配線のそれぞれは、前記第1配線どうしのそれぞれ間において前記第1方向に延在し、前記第2メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、
金属が埋め込み形成され、配線の上面高さが同じであり、
互いに隣接して形成された前記複数の第1配線と前記複数の第2配線は複数対で繰り返された構造からなり、
前記第1センスアンプ回路と、前記第2センスアンプ回路は、前記メモリセルアレイの片側に形成され、
前記第1センスアンプ回路は、前記第2センスアンプ回路よりも前記メモリセルアレイの近くに形成され、
前記メモリセルの読み出しを行う時に、前記第1センスアンプ回路により前記第1配線を充電する電圧と、前記第2センスアンプ回路により前記第2配線を充電する電圧とが、前記第1メモリセルユニットおよび前記第2メモリセルユニットの位置によって異なることを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項8】
前記電圧は、前記第1メモリセルユニットの位置が前記第1センスアンプ回路から遠くなるほど高くなり、前記第2メモリセルユニットの位置が前記第2センスアンプ回路から遠くなるほど高くなること、を特徴とする請求項6または7に記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第1メモリセルユニットと、
それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第2メモリセルユニットと、
複数の第1配線と、
複数の第2配線と、を有するメモリセルアレイと、
前記複数の第1配線と、前記複数の第2配線と、に接続されたセンスアンプ回路と、
前記センスアンプ回路に接続されたレジスタと、
前記センスアンプ回路と、前記複数の第1配線または前記複数の第2配線と、の接続を切り替える切り替え回路と、
を備え、
前記複数の第1配線のそれぞれは、第1方向に延在し、前記第1メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、
前記複数の第2配線のそれぞれは、前記第1配線どうしのそれぞれ間において前記第1方向に延在し、前記第2メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、
前記メモリセルの読み出しを行う時に、前記センスアンプ回路により前記第1配線を充電する電圧と、前記センスアンプ回路により前記第2配線を充電する電圧とが、前記第1メモリセルユニットおよび前記第2メモリセルユニットの位置によって異なることを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項10】
前記電圧は、前記第1メモリセルユニットの位置または前記第2メモリセルユニットの位置が前記センスアンプ回路から遠くなるほど高くなること、を特徴とする請求項9記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
前記第1センスアンプ回路は、前記メモリセルにおける読み出しを行う時に、前記第1メモリセルユニットの位置と前記第1レジスタに格納された配線抵抗値とに基づいて、前記第1配線に印加する電圧を変化させ、
前記第2センスアンプ回路は、前記メモリセルにおける読み出しを行う時に、前記第2メモリセルユニットの位置と前記第2レジスタに格納された配線抵抗値とに基づいて、前記第2配線に印加する電圧を変化させること、を特徴とする請求項6〜8のいずれか1つに記載の半導体記憶装置。
【請求項12】
前記センスアンプ回路は、前記メモリセルにおける読み出しを行う時に、前記第1メモリセルユニットの位置と前記レジスタに格納された配線抵抗値とに基づいて、前記第1配線に印加する電圧を変化させ、前記第2メモリセルユニットの位置と前記レジスタに格納された配線抵抗値とに基づいて、前記第2配線に印加する電圧を変化させること、を特徴とする請求項9または10に記載の半導体記憶装置。
【請求項1】
それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第1メモリセルユニットと、
それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第2メモリセルユニットと、
複数の第1配線と、
複数の第2配線と、を有するメモリセルアレイと、
前記複数の第1配線と接続された第1センスアンプ回路と、
前記複数の第2配線と接続された第2センスアンプ回路と、
を備え、
前記複数の第1配線のそれぞれは、第1方向に延在し、前記第1メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、
前記複数の第2配線のそれぞれは、前記第1配線どうしのそれぞれ間において前記第1方向に延在し、前記第2メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、金属が埋め込み形成され、配線の上面高さが同じであり、
互いに隣接して形成された前記複数の第1配線と前記複数の第2配線は複数対で繰り返された構造からなり、
前記複数の第2配線のそれぞれの前記第1方向に対して垂直な第2方向に沿った幅、及び、前記複数の第2配線のそれぞれの前記第1方向と前記第2方向とに垂直な第3方向に沿った厚さ、の少なくともいずれかは、前記複数の第1配線のそれぞれよりも小さくされ、前記第1センスアンプ回路と、前記第2センスアンプ回路は、それぞれ、前記メモリセルアレイを挟んで対峙するように配置されていることを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項2】
前記複数の第1配線に接続された前記複数の第1のメモリセルユニットが有する前記複数のメモリセルの読み出し時間が、前記複数の第2配線に接続された前記複数のメモリセルユニットが有する前記複数のメモリセルの読み出し時間より短く、前記複数の第1のメモリセルユニットが有する前記複数のメモリセルのデータを前記複数の第2のメモリセルユニットが有する前記複数のメモリセルのデータよりも先に出力するモードを有することを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第1メモリセルユニットと、
それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第2メモリセルユニットと、
複数の第1配線と、
複数の第2配線と、を有するメモリセルアレイと、
前記複数の第1配線と接続された第1センスアンプ回路と、
前記複数の第2配線と接続された第2センスアンプ回路と、
を備え、
前記複数の第1配線のそれぞれは、第1方向に延在し、前記第1メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、
前記複数の第2配線のそれぞれは、前記第1配線どうしのそれぞれ間において前記第1方向に延在し、前記第2メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、
金属が埋め込み形成され、配線の上面高さが同じであり、
互いに隣接して形成された前記複数の第1配線と前記複数の第2配線は複数対で繰り返された構造からなり、
前記第1センスアンプ回路と、前記第2センスアンプ回路は、前記メモリセルアレイの片側に形成され、
前記第1センスアンプ回路は、前記第2センスアンプ回路よりも前記メモリセルアレイの近くに形成され、
前記複数の第1メモリセルユニットが有する前記複数のメモリセルのデータを前記複数の第2メモリセルユニットが有する前記複数のメモリセルのデータよりも先に出力することを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項4】
それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第1メモリセルユニットと、
それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第2メモリセルユニットと、
複数の第1配線と、
複数の第2配線と、を有するメモリセルアレイと、
前記複数の第1配線と、前記複数の第2配線と、に接続されたセンスアンプ回路と、
前記センスアンプ回路と、前記複数の第1配線または前記複数の第2配線と、の接続を切り替える切り替え回路と、
制御回路と、
を備え、
前記複数の第1配線のそれぞれは、第1方向に延在し、前記第1メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、
前記複数の第2配線のそれぞれは、前記第1配線どうしのそれぞれ間において前記第1方向に延在し、前記第2メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、
前記制御回路は、前記複数の第1メモリセルユニットが有する前記複数のメモリセルのデータを前記複数の第2メモリセルユニットが有する前記複数のメモリセルのデータよりも先に出力することを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項5】
前記複数の第1配線の上面高さ部分の幅のばらつきよりも、前記複数の第1配線と前記複数の第2配線の間の絶縁膜の幅の変動の方が小さいことを特徴とする請求項1乃至4に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第1メモリセルユニットと、
それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第2メモリセルユニットと、
複数の第1配線と、
複数の第2配線と、を有するメモリセルアレイと、
前記複数の第1配線と接続された第1センスアンプ回路と、
前記複数の第2配線と接続された第2センスアンプ回路と、
前記第1センスアンプ回路に接続された第1レジスタと、
前記第2センスアンプ回路に接続された第2レジスタと、
を備え、
前記複数の第1配線のそれぞれは、第1方向に延在し、前記第1メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、
前記複数の第2配線のそれぞれは、前記第1配線どうしのそれぞれ間において前記第1方向に延在し、前記第2メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、
金属が埋め込み形成され、配線の上面高さが同じであり、
互いに隣接して形成された前記複数の第1配線と前記複数の第2配線は複数対で繰り返された構造からなり、
前記第1センスアンプ回路と、前記第2センスアンプ回路は、それぞれ、前記メモリセルアレイを挟んで対峙するように配置され、
前記メモリセルの読み出しを行う時に、前記第1センスアンプ回路により第1配線を充電する電圧と、前記第2センスアンプ回路により第2配線を充電する電圧とが、前記第1メモリセルユニットおよび前記第2メモリセルユニットの位置によって異なることを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項7】
それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第1メモリセルユニットと、
それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第2メモリセルユニットと、
複数の第1配線と、
複数の第2配線と、を有するメモリセルアレイと、
前記複数の第1配線と接続された第1センスアンプ回路と、
前記複数の第2配線と接続された第2センスアンプ回路と、
前記第1センスアンプ回路に接続された第1レジスタと、
前記第2センスアンプ回路に接続された第2レジスタと、
を備え、
前記複数の第1配線のそれぞれは、第1方向に延在し、前記第1メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、
前記複数の第2配線のそれぞれは、前記第1配線どうしのそれぞれ間において前記第1方向に延在し、前記第2メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、
金属が埋め込み形成され、配線の上面高さが同じであり、
互いに隣接して形成された前記複数の第1配線と前記複数の第2配線は複数対で繰り返された構造からなり、
前記第1センスアンプ回路と、前記第2センスアンプ回路は、前記メモリセルアレイの片側に形成され、
前記第1センスアンプ回路は、前記第2センスアンプ回路よりも前記メモリセルアレイの近くに形成され、
前記メモリセルの読み出しを行う時に、前記第1センスアンプ回路により前記第1配線を充電する電圧と、前記第2センスアンプ回路により前記第2配線を充電する電圧とが、前記第1メモリセルユニットおよび前記第2メモリセルユニットの位置によって異なることを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項8】
前記電圧は、前記第1メモリセルユニットの位置が前記第1センスアンプ回路から遠くなるほど高くなり、前記第2メモリセルユニットの位置が前記第2センスアンプ回路から遠くなるほど高くなること、を特徴とする請求項6または7に記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第1メモリセルユニットと、
それぞれが複数のメモリセルを有する複数の第2メモリセルユニットと、
複数の第1配線と、
複数の第2配線と、を有するメモリセルアレイと、
前記複数の第1配線と、前記複数の第2配線と、に接続されたセンスアンプ回路と、
前記センスアンプ回路に接続されたレジスタと、
前記センスアンプ回路と、前記複数の第1配線または前記複数の第2配線と、の接続を切り替える切り替え回路と、
を備え、
前記複数の第1配線のそれぞれは、第1方向に延在し、前記第1メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、
前記複数の第2配線のそれぞれは、前記第1配線どうしのそれぞれ間において前記第1方向に延在し、前記第2メモリセルユニットのそれぞれの一端に接続され、
前記メモリセルの読み出しを行う時に、前記センスアンプ回路により前記第1配線を充電する電圧と、前記センスアンプ回路により前記第2配線を充電する電圧とが、前記第1メモリセルユニットおよび前記第2メモリセルユニットの位置によって異なることを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項10】
前記電圧は、前記第1メモリセルユニットの位置または前記第2メモリセルユニットの位置が前記センスアンプ回路から遠くなるほど高くなること、を特徴とする請求項9記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
前記第1センスアンプ回路は、前記メモリセルにおける読み出しを行う時に、前記第1メモリセルユニットの位置と前記第1レジスタに格納された配線抵抗値とに基づいて、前記第1配線に印加する電圧を変化させ、
前記第2センスアンプ回路は、前記メモリセルにおける読み出しを行う時に、前記第2メモリセルユニットの位置と前記第2レジスタに格納された配線抵抗値とに基づいて、前記第2配線に印加する電圧を変化させること、を特徴とする請求項6〜8のいずれか1つに記載の半導体記憶装置。
【請求項12】
前記センスアンプ回路は、前記メモリセルにおける読み出しを行う時に、前記第1メモリセルユニットの位置と前記レジスタに格納された配線抵抗値とに基づいて、前記第1配線に印加する電圧を変化させ、前記第2メモリセルユニットの位置と前記レジスタに格納された配線抵抗値とに基づいて、前記第2配線に印加する電圧を変化させること、を特徴とする請求項9または10に記載の半導体記憶装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2011−216837(P2011−216837A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−143666(P2010−143666)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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