説明

可撓性変換器ユニットの製造方法、可撓性変換器ユニット、および可撓性変換器ユニットを有するアレイ

【課題】可撓性変換器ユニットを製造するための新規な方法を提供する。
【解決手段】複数の変換器構造体を含むウェハーから、可撓性変換器ユニットを製造する方法に関するものであり、変換器構造体が、基板1と、金属−酸化物層10と、金属−酸化物層10における少なくとも1個のメッシュ構造体4と、金属−酸化物層10に少なくとも1個の第1コンタクトパッド3を有する電線2とを備える。本製造方法は、メッシュ4を解放するために金属−酸化物層10をエッチングする工程と、メッシュ4上に密封層7を形成する工程と、金属−酸化物層10上に第1可撓性材料層8を形成する工程と、変換器構造体を十分可撓性のあるものにするにはために基板1のかなりの厚さを除去する工程とを含む。また、メッシュを解放する前に、第1可撓性材料層8を形成してもよい。さらに、ウェハーの裏側に第2可撓性層9を形成する工程を有してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性変換器ユニットの製造方法に関し、特に複数の変換器構造体が製造されるウェハーから、可撓性変換器ユニットを製造する方法に関する。また、本発明は、先に述べた方法に従って製造される、可撓性変換器ユニットの新規な構造、および可撓性変換器ユニットのアレイに関する。
【背景技術】
【0002】
センサおよびアクチュエータの応用例は、典型的には、信号調整回路および駆動回路に接続される。電気的な寄生構成要素(component)を減少させ、信号対雑音比を向上させ、大規模なアレイ中のアレイ要素(one unit of array)へのアドレッシングを管理し、相互接続とパッケージングの複雑さおよびコストとを低減し、全体的なマイクロシステムサイズを小型化することなどのために、これらの回路と変換器を同一基板上に一体化することが極めて望ましい。集積回路の製作前、製作中、または製作後の変換器の製作において、変換器および回路の一体化のために提案されたすべての手法の中では、変換器デバイス用の集積回路および材料層に対して従来の生産ラインを利用し、続いていくつかの後処理工程を利用する方法が最も望ましい。というのは、プロセスを標準的なIC製造工場で行うことができ、顧客の設計プロセスを開発する必要がないからである。
【0003】
変換器パッケージングでは、物理的環境への変換器のインターフェースが提供され、または一定状態で変換器が保持される必要があり、例えば、慣性センサー用の密封された空洞(cavity)または圧力検出用の露出された膜などが創出され、さらに、通常のICパッケージングとして従来のデバイスパッシベーションおよび電線(electrical leads)が提供される。そのため、変換器パッケージングは、従来のICパッケージングより高価になる可能性がある。物理的環境への変換器のインターフェースを提供し、変換器動作状態を保持し、デバイスパッシベーションおよび電線を提供するという微細加工で使用する処理技術と同様の一括製造プロセスを利用することにより、変換器のウェハーレベルパッケージング方法を用いて変換器パッケージングコストを低減できる場合がある。これらのパッケージング技術は、変換デバイスおよびマイクロシステムと適合する必要がある。
医療インプラント、内視鏡診断ツール、または曲面もしくは柔らかい面上に使用されるデバイスなどの多くの用途では、パッケージングされた高機能変換器は、一定の可撓性を有する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、可撓性変換器ユニットを製造するための新規な方法を提供することである。
本発明の別の目的は、標準的なIC製造プロセスで実現できる可撓性変換器ユニットの製造方法を提供することである。
本発明のまた別の目的は、パッシベーションおよびパッケージングプロセスが完了する可撓性変換器ユニットの製造方法を提供することである。
【0005】
本発明のまたさらに別の目的は、可撓性変換器ユニットの新規な構造を提供することである。
本発明のまたさらに別の目的は、IC製造プロセスに従って製造、後処理、およびパッケージングされた可撓性変換器ユニットを提供することである。
本発明のまたさらに別の目的は、本発明方法に従って製造された可撓性変換器ユニットのアレイを提供することである。
本発明のまたさらに別の目的は、IC製造プロセスに従って製造、後処理、およびパッケージングされた可撓性変換器ユニットのアレイを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る可撓性変換器ユニットの製造方法は、変換器構造体の後処理方法が提供される。変換器構造体は、通常、基板と、金属−酸化物層と、前記金属−酸化物層(metal-oxide layer)における少なくとも1個のメッシュ構造体と、前記金属−酸化物層に少なくとも1個の第一コンタクトパッドを有するワイヤ(electric wire)とを備える。
本発明のほとんどの用途では、複数の変換器は1枚の基板上に製造され、その基板は、シリコン基板、より詳細には、SOI基板でよい。
【0007】
本発明に係る可撓性変換器ユニットの製造方法の1つの態様において、後処理方法は、
前記メッシュを解放するために金属−酸化物層をエッチングする工程と、メッシュ上に密封層を形成する工程と、金属−酸化物層上に第一可撓性材料層を形成する工程と、変換器構造体を十分可撓性のあるものにするために、基板のかなりの厚さを除去する工程と、を含む。
【0008】
本発明に係る可撓性変換器ユニットの製造方法では、基板は、エッチング、特にラッピングプロセスにより除去される。また、基板は、実質的に完全に除去される。
さらに本発明に係る可撓性変換器ユニットの製造方法において、後処理方法は、変換器構造体の金属−酸化物層上に第一可撓性材料層を形成する工程と、メッシュが設けられている領域の金属−酸化物層を露出する工程と、メッシュを解放するために金属−酸化物層をエッチングする工程と、メッシュ上に密封層を形成する工程と、変換器構造体を可撓性のあるものにするために、基板のかなりの厚さを除去する工程と、
を含む。
【0009】
同様に、基板は、エッチング、特にラッピングプロセスにより除去されてもよい。また、基板は、実質的に完全に除去されてもよい。
第二可撓性材料層は、基板が除去された後、露出した金属−酸化物層上に形成されてもよい。第一可撓性材料層が形成された後、ワイヤのコンタクトパッドを露出する必要がある場合がある。同様に、第二可撓性材料層が形成された後、ワイヤの第二コンタクトパッドを露出する必要がある場合がある。
【0010】
本発明に係るメッシュは、変換器の主構造体であり、金属メッシュ、特にCMOSプロセスに従って製造された金属メッシュでよい。変換器構造体は、さらに、金属−酸化物層に製造される金属−酸化物スタックを備えてもよい。メッシュを解放するとき、金属−酸化物スタックも解放してもよい。金属−酸化物スタックは、除去される金属−酸化物層の金属層が金属−酸化物層の金属バイアにより相互接続され、金属層の縁部がメッシュ解放工程後に露出されるように製造される。
【0011】
メッシュだけでなく、金属−酸化物スタックも解放するために、メッシュが設けられている領域の金属−酸化物層の等方性シリコン酸化物エッチングが使用されてもよい。金属−酸化物層の等方性シリコン酸化物エッチングは、金属−酸化物層に製造された下側のポリシリコン層または基板の表面で停止する。エッチングプロセスは、さらに、基板にアンダーカットを生成するために、異方性エッチングと等方性シリコンエッチングを組み合わせたエッチングを変換器構造体に施す工程を含んでもよい。
【0012】
メッシュの再密封は、気相中で行われ、テフロン(登録商標)またはパリレンなどのPECVD膜またはポリマー膜を生成してもよい。第一可撓性層および第二可撓性層は、それらの材料および構造が同じであってもよい。ポリマーで第一可撓性層および第二可撓性層を形成することが望ましい。適した材料には、ポリイミド、テフロン(登録商標)、およびパリレンがある。
金属−酸化物層上に第一可撓性層を形成した後、変換器構造体をキャリアウェハー(carrier wafer)に結合してもよい。基板を実質的に除去した後または第二可撓性層を形成した後、キャリアウェハーを除去する。
【0013】
基板を実質的に除去するために、コースエッチング(course etching)および微細エッチングを使用してもよい。コースエッチングでは、基板にラッピングプロセスが施され、典型的には50μmの範囲でかなり薄くされた層が残置され、それにより電子デバイスが損傷を受けない。その後、残存している薄い層のシリコン基板は、さらに、ウェットエッチング、RIE/プラズマエッチング、または気相エッチングなどにより除去される。これらの工程後、変換器は、分離できる状態にある。第一可撓性層および該当する場合は第二可撓性層に製造される複数の変換器構造体は、チップに分離される。また、所定の分離レーンにある金属−酸化物層が、変換器構造体の製造時に、完全に除去されてもよい。第一可撓性層の形成時、可撓性材料は、除去された金属−酸化物層の空間に充填される。それにより、ウェハーの切断時、チップ分離後に金属−酸化物層が露出することはない。
【0014】
本発明に係る製造方法に従って製造された可撓性変換器ユニットは、第一可撓性層と、前記第一可撓性層の第一表面と接続する金属−酸化物層と、第一コンタクトパッドと接続するワイヤであって前記金属−酸化物層に埋設される両方のワイヤと、前記金属−酸化物層に懸吊されるメッシュと、少なくとも前記メッシュを覆う密封層とを備える。可撓性変換器ユニットは、基板が完全に除去されていない場合、前記金属−酸化物層の第二側と接続する残存基板を備えてもよい。変換器ユニットは、さらに、残存基板または金属−酸化物層の第二側と接続する第二可撓性層を備えてもよい。
【0015】
変換器構造体には、前記金属−酸化物層に懸吊される金属−酸化物スタックが、さらに設けられてもよい。前記金属−酸化物スタックの金属層は、金属−酸化物層の金属バイアにより相互接続され、金属層の縁部は、露出される。金属−酸化物スタックは、1から前記金属−酸化物層の金属層の合計数までの中から選択された数の金属層を備える。変換器構造体は、メッシュに平行で所定の距離に延在するポリシリコン層も備えてもよい。ポリシリコンは、コンタクトパッドとして機能することができる。
【0016】
必要に応じて、第一コンタクトパッドが、第一可撓性層から露出される。また、第二コンタクトパッドが設けられてもよい。同様に、第二コンタクトパッドは第二可撓性層から露出されてもよい。密封層により、第一可撓性層が覆われてもよい。
可撓性変換器ユニットはウェハーに製造されるが、先に述べた特徴を有する変換器ユニットのアレイは一括で製造されてもよい。変換器ユニット間の金属−酸化物層が完全に除去され、後でその空間が第一可撓性層により充填される場合、ウェハーの変換器ユニットは、第一可撓性層により分離されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1(a)】本発明の第1実施形態による可撓性変換器ユニットの製造方法の一工程における変換器構造体を示す断面図である。
【図1(b)】本発明の第1実施形態による可撓性変換器ユニットの製造方法の一工程における構造体を示す断面図である。
【図1(c)】本発明の第1実施形態による可撓性変換器ユニットの製造方法の一工程における構造体を示す断面図である。
【図2(a)】本発明の第2実施形態による可撓性変換器ユニットの製造方法の一工程における変換器構造体を示す断面図である。
【図2(b)】本発明の第2実施形態による可撓性変換器ユニットの製造方法の一工程における構造体を示す断面図である。
【図2(c)】本発明の第2実施形態による可撓性変換器ユニットの製造方法の一工程における構造体を示す断面図である。
【図3(a)】本発明の第3実施形態による可撓性変換器ユニットの製造方法の一工程における変換器構造体を示す断面図である。
【図3(b)】本発明の第3実施形態による可撓性変換器ユニットの製造方法の一工程における構造体を示す断面図である。
【図3(c)】本発明の第3実施形態による可撓性変換器ユニットの製造方法の一工程における構造体を示す断面図である。
【図4(a)】本発明の第4実施形態による可撓性変換器ユニットの製造方法の一工程における変換器構造体を示す断面図である。
【図4(b)】本発明の第4実施形態による可撓性変換器ユニットの製造方法の一工程における構造体を示す断面図である。
【図4(c)】本発明の第4実施形態による可撓性変換器ユニットの製造方法の一工程における構造体を示す断面図である。
【図5】本発明の第5実施形態による可撓性変換器ユニットの製造方法のプロセス後に完成した変換器構造体を示す断面図である。
【図6】本発明の第6実施形態による可撓性変換器ユニットの製造方法のプロセス後の複数の変換器構造体を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、電子回路および微小変換器の一体化およびパッケージングを開示するものであり、最終的な集積デバイスを可撓性および/または生体適合性のあるものにする。本発明は、集積回路の製造プロセス、変換器の製造プロセス、およびウェハーレベルパッケージングプロセスの混合プロセスが標準的なIC製造プロセスで同時に完了できることを示す。回路集積化プロセスで、微小変換器を形成し、パッケージングすることができる。したがって、電子回路の製造、微小変換器の製造、および変換器ユニットのパッケージングを、別々の製造装置で、必要に応じて従来技術で、個別にまたは順次に行う必要はない。診断および人体の監視のための音響イメージングデバイスのような実施デバイス(implement device)、部分的に真空密封されているオシレーター、微小加速度計、ジャイロスコープ、圧力センサー、流量および音響センサー(acoustic sensors)などを生産するために、本発明方法を使用できる。曲面または柔らかい面を有するデバイスまたはインプラント/装着型の用途のためのデバイスを生産するためにも使用できる。
【0019】
本発明の実施形態による可撓性変換器ユニットの製造方法は、一般に、変換器微細構造の後処理に関するものであり、プロセスは次のように理解される。SOIウェハー上の集積回路の微細加工プロセス後、最上部シリコン層の厚さがマイクロメートルの何分の1から数マイクロメートルの範囲になり、所望の電子回路構成要素および金属−酸化物層に含まれる変換器構造体を備え、変換器に本発明の実施形態の後処理工程が施され、それらの製造が完了する。本発明の実施形態では、複数の変換器構造体を含むウェハーから可撓性変換器ユニットが製造され、該変換器構造体が、基板と、金属−酸化物層と、金属−酸化物層における少なくとも1個のメッシュ構造体と、金属−酸化物層に少なくとも1個のコンタクトパッドを有するワイヤとを備える。この可撓性変換器ユニットの製造方法は、次の工程を含む。最初に、変換器構造体および空洞のシーリングメッシュ(ceiling mesh)がHFベースの化学エッチングなどにより解放される。次に、変換器構造体および空洞のシーリングメッシュは、空洞のシーリング(ceiling)を形成するために、気相付着した1種類または複数の材料により再密封される。デバイス全体を可撓性のあるものにするために、ポリマー層(例えば、ポリイミド、パリレン、またはテフロン(登録商標)など)は、変換器領域が露出されたまま、ウェハーの表側(front side)に付着される。ウェハーはキャリアウェハーに結合される。また、変換器構造体およびメッシュを解放する前に、表側のポリマーを付着することが可能である。その後、裏側(back side)のシリコン基板は、電子デバイスが損傷を受けないようにしながら、典型的には50μmの範囲で比較的薄い厚さにラッピングプロセスにより除去される。残存している薄いシリコン層は、さらに、ウェットエッチング、RIE/プラズマエッチング、または気相エッチングなどにより除去される。薄いシリコン層に埋設されている酸化物層は、エッチストップとして使用される。次に、裏側は別のポリマー層により覆われ、そのポリマー層は表側と同じ材料でも異なる材料でもよい。2層のポリマー層は、対称な幾何形状であり、かつ適合性のある材料であることが望ましい。というのは、その2層のポリマー層は、電子デバイスおよび変換器の能動部分が受ける応力を最小にするからである。最後に、こうした可撓性ウェハーは、個々のチップに切断される前または後に剥離される。
以下に、本発明のいくつかの具体的な実施形態の詳細な説明を示す。好ましい実施形態の説明及び図面は、本発明の範囲を限定する意図はない。
【0020】
(第1実施形態)
図1(a)から図1(c)は、本発明の第1実施形態による可撓性変換器ユニットの製造方法におけるいくつかの工程を示す図である。
これらの図に示すように、第1実施形態では、変換器を有した構造体を含むウェハーが最初に製造される。図1(a)は、変換器構造体の断面図を示す。図示したように、変換器構造体は、シリコン基板1と、金属−酸化物層10と、金属−酸化物層10に埋設されたワイヤとしての金属線2およびこの金属線2に接続されるコンタクトパッド3と、金属−酸化物層10から露出される金属メッシュ4および金属−酸化物スタック5の両方と、金属−酸化物層10の上面すなわち「表側」を覆う保護層6とを備える。
【0021】
図1(a)に示した構造体は、従来のICプロセス、具体的にはCMOSプロセスに続いて、金属メッシュ4が設けられている領域を除いてウェハー表面を保護層6で覆うためのフォトリソグラフィー工程と、金属メッシュ4を露出するための異方性シリコン酸化物エッチング工程と、金属−酸化物スタック5を解放するための異方性シリコンエッチングと等方性シリコンエッチングを組み合わせた工程とにより、SOIウェハー上に形成される(fabrication)。次に、別のウェット金属エッチングプロセスが、少なくとも1層の金属中間層(図示せず)を除去するために適用される。金属−酸化物スタック5は、除去される金属層(metal layers to be removed)が金属バイアにより相互接続され、これらの金属層の縁部が先の異方性シリコン酸化物エッチング工程後に露出されるように設計される。そのため、金属−酸化物スタック5は、最上部のグループが金属メッシュ4として機能しながら、複数のグループに分離される。図1(a)では、金属−酸化物スタックのグループが2つ示されている。第1のグループは、5と符号付けされた金属−酸化物スタックであり、第2のグループは、4と符号付けされた金属メッシュである。
【0022】
金属−酸化物スタック5(および金属メッシュ4)の設計により、ウェハー構造体に懸吊され露出または密封された弾性層の生成の可能性が与えられ、弾性層に含まれる金属層の数、弾性層の厚さおよび強度、弾性層間の空間の高さ、ならび弾性層と密封層または基板との間の空間の高さが様々に選択される。これらの要因は、各金属層または酸化物層の幅およびエッチング速度により制御することができる。
【0023】
ウェハーは、金属メッシュ4を再密封するために処理される。再密封プロセスは、気相中で行われ、金属メッシュ4上ならびに保護層6およびコンタクトパッド3上に、テフロン(登録商標)、パリレンなどの例えばポリマー膜であるPECVD膜または密封層7を生成する。デバイスに電気的にアクセスする必要がある場合、任意のフォトリソグラフィー工程およびRIE工程が、コンタクトパッドの開口のためにその後で使用される。本工程は、受動RFIDデバイスなどに対して、必須ではない。そのようにして製造された構造体の断面図を図1(b)に示す。
【0024】
デバイス全体を可撓性のあるものにするために、例えば、ポリイミド、パリレン、またはテフロン(登録商標)などのポリマー層8は、ウェハーの表側で、密封層7の上部に付着される。その後、構造体は、変換器領域および/またはコンタクトパッド領域を露出させるために、従来技術を使用して処理される。これは、例えば、任意のフォトリソグラフィー工程およびRIE工程により行われ、コンタクトパッドおよび変換器が配置されている領域の密封層7および表側のポリマー層8をエッチオフする。次に、構造体はキャリアウェハー(図示せず)に結合される。これにより得られた構造体を図1(c)に示す。
【0025】
次の工程では、裏側のシリコン基板1は、ラッピングプロセスにより除去され、典型的には50μmの範囲でかなり薄くされた層が残置され、それにより電子デバイスが損傷を受けない。その後、残存している薄い層のシリコン基板1は、さらに、ウェットエッチング、RIE/プラズマエッチング、または気相エッチングなどにより除去される。金属−酸化物層10に埋設されている酸化物層は、エッチストップとして使用される。次に、裏側は、裏側のポリマー層9により再度覆われる。裏側のポリマー層9は、表側と同じ材料でも異なる材料でもよい。このようにして製造された構造体の断面図を図1(c)に示す。最後に、こうした可撓性ウェハーは、個々のチップに切断される前または後にキャリアウェハーから剥離される。
【0026】
(第2実施形態)
図2(a)から図2(c)は、本発明の第2実施形態による可撓性変換器ユニットの製造方法におけるいくつかの工程を示す図である。これらの図において、図1(a)から図1(c)と同じ構成要素には、同じ符号が付けられている。それらの構成要素において、図2(a)は、変換器構造体の断面図を示し、該変換器構造体は、シリコン基板1と、金属−酸化物層10と、金属−酸化物層10に埋設される金属線2およびこの金属線2に接続されるコンタクトパッド3と、金属−酸化物層10から露出される金属メッシュ4と、ウェハーの表側を覆う保護層6とを備える。
【0027】
構造体は、従来のICプロセスにより製造され、SOIウェハー上に金属線2および金属メッシュ4が生成される。フォトリソグラフィー工程により、変換器が設けられている領域を除いて、ウェハー表面が覆われる。等方性シリコン酸化物エッチングは、金属メッシュ4を解放し、下側のポリシリコン層10aまたはシリコン基板1の表面で停止する。他の構造体層の中には、解放されるものがあってもよい。ポリシリコン層10aが設けられている場合、得られた変換器構造体により、変換器のコンタクトパッドの1つとしてポリシリコン層の使用の可能性が与えられる。
【0028】
ウェハーは、さらに、金属メッシュ4を密封するために処理される。再密封プロセスは、気相中で行われ、密封層7としてPECVD膜またはポリマー膜を生成する。ここで使用されるポリマーは、テフロン(登録商標)、パリレンなどであってもよい。変換器の用途でデバイスに電気的にアクセスする必要がある場合、任意のフォトリソグラフィー工程およびRIE工程が、コンタクトパッドの開口のためにその後で使用される。本工程は、構造体が受動RFIDデバイスとして使用される場合、必要ではない。得られた構造体の断面図を図2(b)に示す。
【0029】
デバイス全体を可撓性のあるものにするために、ポリイミド、パリレン、またはテフロン(登録商標)などのポリマー層8は、ウェハーの表側に付着される。その後、構造体は、変換器領域および/またはコンタクトパッド領域を露出させるために、従来技術を使用して処理される。これは、例えば、任意のフォトリソグラフィー工程およびRIE工程により行われ、コンタクトパッドおよび変換器が配置されている領域の密封層7および表側のポリマー層8をエッチオフする。次に、構造体はキャリアウェハー(図示せず)に結合される。得られた構造体を図2(c)に示す。
次の工程では、裏側のシリコン基板は、ラッピングプロセスにより除去され、典型的には50μmの範囲でかなり薄くされた層が残され、それにより電子デバイスが損傷を受けない。その後、残存している薄い層のシリコン基板1は、さらに、ウェットエッチング、RIE/プラズマエッチング、または気相エッチングなどにより除去される。金属−酸化物層10に埋設されている酸化物層は、エッチストップとして使用される。次に、裏側は、裏側のポリマー層9により再度覆われる。裏側のポリマー層9は、表側と同じ材料でも異なる材料でもよい。そのようにして製造された構造体の断面図を図2(c)に示す。最後に、こうした可撓性ウェハーは、個々のチップに切断される前または後にキャリアウェハーから剥離される。
【0030】
(第3実施形態)
図3(a)から図3(c)は、本発明の第3実施形態による可撓性変換器ユニットの製造方法におけるいくつかの工程を示す図である。これらの図において、図2(a)から図2(c)と同じ構成要素には、同じ符号が付けられている。それらの構成要素において、図3(a)は、変換器構造体の断面図を示し、該変換器構造体は、シリコン基板1と、金属−酸化物層10と、コンタクトパッド3に接続される金属線2であって金属−酸化物層10に埋設される両方の金属線2と、金属−酸化物層10から露出される金属メッシュ4と、ウェハーの表側を覆う保護層6とを備える。
【0031】
構造体は、従来のICプロセスにより製造され、SOIウェハー上に金属線2および金属メッシュ4が形成される。フォトリソグラフィー工程により、変換器が設けられている領域を除いて、ウェハー表面が覆われる。等方性シリコン酸化物エッチングは、金属メッシュ4を解放し、下側のシリコン基板1の表面またはシリコン基板1の表面で停止する。他の構造体層の中には、解放されるものがあってもよい。変換器構造体に、さらに、異方性シリコンエッチングと等方性シリコンエッチングを組み合わせた工程が施され、シリコン基板1にアンダーカット1aを形成する。アンダーカット1aにより、金属メッシュ4の裏側にある空洞の高さは、金属−酸化物層10の高さに制限されるものではない。
【0032】
ウェハーは、さらに、金属メッシュ4を密封するために処理される。再密封プロセスは、気相中で行われ、密封層7としてPECVD膜またはポリマー膜を生成して、金属メッシュ4を密封する。ここで使用されるポリマーは、テフロン(登録商標)、パリレンなどであってもよい。変換器の用途でデバイスに電気的にアクセスする必要がある場合、任意のフォトリソグラフィー工程およびRIE工程が、コンタクトパッドの開口のためにその後で使用される。本工程は、構造体が受動RFIDデバイスとして使用される場合、必要ではない。得られた構造体の断面図を図3(b)に示す。
【0033】
デバイス全体を可撓性のあるものにするために、ポリイミド、パリレン、またはテフロン(登録商標)などのポリマー層8は、ウェハーの表側に付着される。その後、構造体は、変換器領域および/またはコンタクトパッド領域を露出させるために、従来技術を使用して処理される。これは、例えば、任意のフォトリソグラフィー工程およびRIE工程により行われ、コンタクトパッドおよび変換器が配置されている領域の密封層7および表側のポリマー層8をエッチオフする。次に、構造体はキャリアウェハー(図示せず)に結合される。得られた構造体を図3(c)に示す。
【0034】
次の工程では、裏側のシリコン基板1は、ラッピングプロセスにより除去され、典型的には50μmの範囲でかなり薄くされた層が残置され、それにより電子デバイスが損傷を受けない。その後、残存している薄い層のシリコン基板1は、さらに、ウェットエッチング、RIE/プラズマエッチング、または気相エッチングなどの工程により除去される。金属−酸化物層10に埋設されている酸化物層は、エッチストップとして使用される。次に、ウェハーの裏側は、裏側のポリマー層9により再度覆われる。裏側のポリマー層9は、表側と同じ材料でも異なる材料でもよい。そのようにして製造された構造体の断面図を図3(c)に示す。最後に、こうした可撓性ウェハーは、個々のチップに切断される前または後にキャリアウェハーから剥離される。
【0035】
(第4実施形態)
図4(a)から図4(c)は、本発明の第4実施形態による可撓性変換器ユニットの製造方法におけるいくつかの工程を示す図である。これらの図において、図2(a)から図2(c)と同じ構成要素には、同じ符号が付けられている。それらの構成要素において、図4(a)は、変換器構造体の断面図を示し、該変換器構造体は、シリコン基板1と、金属−酸化物層10と、コンタクトパッド3に接続される金属線2であって金属−酸化物層10に埋設される両方の金属線2と、金属−酸化物層10から露出される金属メッシュ4と、ウェハーの表側を覆う保護層6とを備える。変換器構造体は、第2実施形態に示した方法と同じ方法または同様の方法に従って製造される。
【0036】
第4実施形態では、工程は、金属メッシュ4が解放および再密封される前に表側のポリマー層8が変換器構造体に塗布されること以外は、第2実施形態の工程と同様である。
図4(a)では、金属メッシュ4が解放される前に、表側のポリマー層8がウェハーの表側に塗布されることが示されている。コンタクトパッド3および変換器(メッシュ)領域は、必要な従来のプロセスの後、露出される。図4(b)では、金属メッシュ4は、第2実施形態と同じ技術を使用して解放される。次に、密封層7は、金属メッシュ4および表側のポリマー層8を覆うために塗布される。図4(c)では、裏側のシリコン基板1は、第2実施形態に記述されている同じ技術によって、不必要な厚さを除去するためにエッチングされる。最後に、裏側のポリマー層9は、ウェハーの裏側に塗布される。
【0037】
(第5実施形態)
図5は、本発明の第5実施形態のプロセス後に完成した変換器構造体の断面図である。この図において、図2(a)から図2(c)と同じ構成要素には、同じ符号が付けられている。この図に示したように、第5実施形態に従って製造された変換器構造体には、ウェハーの裏側に露出される第二コンタクトパッド3aがある。したがって、第5実施形態では、プロセスは、第二コンタクトパッド3aが変換器構造体の製造時に製造され、第二コンタクトパッド3aが金属−酸化物層10から露出されること以外は、第2実施形態と同じである。
【0038】
これは、金属メッシュ4を解放および再密封した後、裏側のシリコン基板1を除去する工程と、埋設されているシリコン−酸化物層(silicon-oxide layer)を除去する工程と、次に来る薄いシリコン層およびシリコン−酸化物層を除去する工程とにより行われてもよく、それにより第二コンタクトパッド3aが予め定義されている(predefined)金属層の1層がウェハーの裏側から露出される。次に、裏側のポリマー層9が付着され、チップ分離前に第二コンタクトパッド3aを露出するためのコンタクトパッド開口工程が続く。
【0039】
(第6実施形態)
図6は、本発明の第6実施形態のプロセス後の複数の変換器構造体の断面図である。この図において、図2(a)〜図2(c)と同じ構成要素には、同じ符号が付けられている。
第6実施形態は、プロセスにおけるポリマーのサンドイッチ構造に埋設された変換器ユニットの事前分離に関する。これは、変換器構造体の製造時に表側の分離レーン1dで酸化物層をシリコン基板1に至るまで完全に除去することにより行われる。分離レーンの酸化物層は、例えば、第1実施形態の方法を使用する場合、変換器構造体の製造時にシリコン−酸化物層および薄いシリコン層の異方性エッチングプロセスを使用して全面的に除去される。第3実施形態の方法を使用する場合、分離レーンの除去は、等方性酸化物除去と異方性シリコン除去の組み合わせにより実現される。金属メッシュの解放および再密封のプロセスならびに表側のポリマー層付着プロセスは、第1実施形態から第3実施形態と同じである。その後、第1実施形態から第3実施形態と同じ方法で、裏側のシリコン基板1は除去され、埋設されているシリコン−酸化物層も除去される。裏側のポリマー付着工程およびコンタクトパッド開口工程が続き、それによって複数の事前分離された変換器ユニットを含むウェハーが製造される。
【0040】
次に、ウェハーは、分離レーン1dでの切断による分離が施される。表側のポリマー層8のみが分離レーン1dに残存しているので、チップ分離工程では、シリコンおよび酸化物の亀裂(crack propagation)が非常に最小限に抑えられるかまたは無くなる。
本発明は、その好ましい実施形態を参照して示して説明されているので、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、上記およびその他の変更がその中でなされ得ることを、当業者は認識されよう。
【0041】
例えば、変換器構造体の後処理において、ある特別な状況では裏側のポリマー層のパッシベーションは行われなくてもよく、その状況としては、十分に管理され、汚染度が低い動作環境で、完成した変換器を使用する場合や、可撓性変換器チップをその所望の用途に取り付けた後、以降に続く他のパッシベーション工程が実施される場合などがある。
さらに、変換器は、空洞内に密封され、そしてウェハーレベルパッケージングプロセスで電子回路と一体化される場合も一体化されない場合も、シリコン基板1が可撓性である限りは、シリコン基板1の薄化は行われなくてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1:シリコン基板、1a:アンダーカット、1d:分離レーン、2:金属線、3:コンタクトパッド、3a:第二コンタクトパッド、4:金属メッシュ、5:金属−酸化物スタック、6:保護層、7:密封層、8:表側のポリマー層、9:裏側のポリマー層、10:金属−酸化物層、10a:ポリシリコン層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、金属−酸化物層と、前記金属−酸化物層における少なくとも1個のメッシュ構造体と、前記金属−酸化物層に少なくとも1個の第一コンタクトパッドを有するワイヤとを備える変換器構造体から可撓性変換器ユニットを製造する方法であって、
前記メッシュを解放するために前記金属−酸化物層をエッチングする工程と、
前記メッシュ上に密封層を形成する工程と、
前記金属−酸化物層上に第一可撓性材料層を形成する工程と、
前記変換器構造体を十分可撓性のあるものにするために前記基板のかなりの厚さを除去する工程と、
を含むことを特徴とする可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項2】
前記基板が、エッチングにより除去されることを特徴とする請求項1に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項3】
前記基板が、ラッピングプロセスにより除去されることを特徴とする請求項1に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項4】
前記基板が、実質的に完全に除去されることを特徴とする請求項1に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項5】
前記基板の裏側に第二可撓性材料層を塗布する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項6】
前記基板の除去後、露出された前記金属−酸化物層に第二可撓性材料層を塗布する工程をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項7】
前記第一可撓性材料層を塗布する工程後、前記ワイヤの前記第一コンタクトパッドを露出する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項8】
前記第二可撓性材料層を塗布する工程後、前記ワイヤの第二コンタクトパッドを露出する工程をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項9】
前記第二可撓性材料層を塗布する工程後、前記ワイヤの第二コンタクトパッドを露出する工程をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項10】
チップを形成するために前記変換器構造体を分離する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項11】
前記基板が、シリコンを含むことを特徴とする請求項1に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項12】
前記メッシュが、金属メッシュであることを特徴とする請求項1に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項13】
前記メッシュが、CMOSプロセスに従って製造された金属メッシュであることを特徴とする請求項12に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項14】
前記基板が、金属−酸化物スタックをさらに備え、
前記メッシュを解放する工程が、前記金属−酸化物スタックを解放する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項15】
前記金属−酸化物スタックは、除去される前記金属−酸化物層の金属層が前記金属−酸化物層の金属バイアにより相互接続され、前記金属層の縁部が前記メッシュを解放する工程後に露出されるように製造されることを特徴とする請求項14に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項16】
前記メッシュを解放する工程は、前記メッシュが設けられている領域の前記金属−酸化物層の等方性シリコン酸化物エッチングの工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項17】
解放の前記等方性シリコン酸化物エッチングは、前記金属−酸化物層に製造された下側のポリシリコン層で停止することを特徴とする請求項16に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項18】
解放の前記等方性シリコン酸化物エッチングは、前記シリコン基板の表面で停止することを特徴とする請求項16に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項19】
前記メッシュを解放する工程は、前記基板にアンダーカットを生成するために、異方性エッチングと等方性シリコンエッチングとを組み合わせたエッチングを前記変換器構造体に施す工程をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項20】
前記メッシュを解放する工程は、気相中で行われ、PECVD膜を生成することを特徴とする請求項1に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項21】
前記メッシュを解放する前記工程は、気相中で行われ、ポリマー膜を生成することを特徴とする請求項1に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項22】
前記ポリマー膜が、テフロン(登録商標)およびパリレンからなる群から選択されるものであることを特徴とする請求項21に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項23】
前記第一可撓性材料が、ポリマー層を有することを特徴とする請求項1に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項24】
前記ポリマー層が、ポリイミド、パリレン、およびテフロン(登録商標)からなる群から選択されるものであることを特徴とする請求項23に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項25】
前記第二可撓性材料が、ポリマー層を有することを特徴とする請求項5または6に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項26】
前記ポリマー層が、ポリイミド、パリレン、およびテフロン(登録商標)からなる群から選択されるものであることを特徴とする請求項25に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項27】
前記金属−酸化物層上に前記第一可撓性層を形成した後、前記変換器構造体をキャリアウェハーに結合する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項28】
前記金属−酸化物層上に前記第一可撓性層を形成した後、前記変換器構造体をキャリアウェハーに結合する工程と、前記露出された金属−酸化物層上に前記第二可撓性層を形成した後、前記キャリアウェハーを除去する工程とをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項29】
前記金属−酸化物層上に前記第一可撓性層を形成した後、前記変換器構造体をキャリアウェハーに結合する工程と、前記露出された金属−酸化物層上に前記第二可撓性層を形成した後、前記キャリアウェハーを除去する工程とをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項30】
前記基板の除去が、前記基板のコースエッチングと、前記基板の微細エッチングとを含み、前記微細エッチングが、ウェットエッチング、RIE/プラズマエッチング、および気相エッチングからなる群から選択されるエッチングにより、前記コースエッチング後、前記基板の残存部を除去する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項31】
所定の分離レーンにある前記金属−酸化物層が、前記変換器構造体の製造時に、完全に除去されることを特徴とする請求項1に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項32】
基板と、金属−酸化物層と、前記金属−酸化物層における少なくとも1個のメッシュ構造体と、前記金属−酸化物層に少なくとも1個の第一コンタクトパッドを有するワイヤとを備える変換器構造体から、可撓性変換器ユニットを製造する方法であって、
前記金属−酸化物層上に第一可撓性材料層を形成する工程と、
前記メッシュが設けられている領域の前記金属−酸化物層を露出する工程と、
前記メッシュを解放するために前記金属−酸化物層をエッチングする工程と、
前記メッシュ上に密封層を形成する工程と、
前記変換器構造体を可撓性のあるものにするために前記基板のかなりの厚さを除去する工程と、
を含むことを特徴とする可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項33】
前記基板が、実質的に完全に除去されることを特徴とする請求項32に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項34】
前記基板の除去後、露出された金属−酸化物層に第二可撓性材料層を塗布する工程をさらに含むことを特徴とする請求項33に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項35】
前記基板の裏側に第二可撓性材料層を塗布する工程をさらに含むことを特徴とする請求項32に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項36】
前記第一可撓性材料層を塗布する工程後、前記ワイヤの前記コンタクトパッドを露出する工程をさらに含むことを特徴とする請求項32に記載の製造方法。
【請求項37】
前記第二可撓性材料層を塗布する工程後、前記ワイヤの第二コンタクトパッドを露出する工程をさらに含むことを特徴とする請求項34または35に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項38】
ダイを形成するために前記変換器構造体を分離する工程をさらに含むことを特徴とする請求項32に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項39】
前記メッシュが、CMOSプロセスに従って製造された金属メッシュであることを特徴とする請求項32に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項40】
前記基板が、金属−酸化物スタックをさらに備え、
前記メッシュを解放する工程が、前記金属−酸化物スタックを解放する工程をさらに含むことを特徴とする請求項32に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項41】
前記金属−酸化物スタックは、除去される前記金属−酸化物層の金属層が前記金属−酸化物層の金属バイアにより相互接続され、前記金属層の縁部が前記メッシュを解放する前記第三工程後に露出されるように製造されることを特徴とする請求項40に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項42】
前記メッシュを解放する工程は、前記メッシュが設けられている領域の前記金属−酸化物層の等方性シリコン酸化物エッチングの工程を含むことを特徴とする請求項32に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項43】
解放の前記等方性シリコン酸化物エッチングは、前記金属−酸化物層に製造された下側のポリシリコン層で停止することを特徴とする請求項42に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項44】
解放の前記等方性シリコン酸化物エッチングは、前記シリコン基板の表面で停止することを特徴とする請求項42に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項45】
前記メッシュを解放する工程は、前記基板にアンダーカットを生成するために、異方性エッチングと等方性シリコンエッチングとを組み合わせたエッチングを前記変換器構造体に施す工程をさらに含むことを特徴とする請求項42に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項46】
前記メッシュを解放する工程は、気相中で行われ、PECVD膜を生成することを特徴とする請求項32に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項47】
前記メッシュを解放する工程は、気相中で行われ、ポリマー膜を生成することを特徴とする請求項32に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項48】
前記ポリマー膜は、テフロン(登録商標)およびパリレンからなる群から選択されるものであることを特徴とする請求項47に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項49】
前記第一可撓性材料が、ポリマー層を有することを特徴とする請求項32に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項50】
前記ポリマー層が、ポリイミド、パリレン、およびテフロン(登録商標)からなる群から選択されるものであることを特徴とする請求項49に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項51】
前記金属−酸化物層上に前記第一可撓性層を形成した後、前記変換器構造体をキャリアウェハーに結合する工程をさらに含むことを特徴とする請求項32に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項52】
前記金属−酸化物層上に前記第一可撓性層を形成した後、前記変換器構造体をキャリアウェハーに結合する工程と、前記露出された金属−酸化物層上に前記第二可撓性層を形成した後、前記キャリアウェハーを除去する工程とをさらに含むことを特徴とする請求項34に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項53】
前記金属−酸化物層上に前記第一可撓性層を形成した後、前記変換器構造体をキャリアウェハーに結合する工程と、前記露出された金属−酸化物層上に前記第二可撓性層を形成した後、前記キャリアウェハーを除去する工程とをさらに含むことを特徴とする請求項35に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項54】
前記基板の除去が、前記基板のコースエッチングと、前記基板の微細エッチングとを含み、前記微細エッチングが、ウェットエッチング、RIE/プラズマエッチング、および気相エッチングからなる群から選択されるエッチングにより、前記コースエッチング後、前記基板の残存部を除去する工程を含むことを特徴とする請求項32に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項55】
所定の分離レーンにある前記金属−酸化物層が、前記変換器構造体の製造時に、完全に除去されることを特徴とする請求項32に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項56】
前記第二可撓性材料が、ポリマー層を有することを特徴とする請求項34または35に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項57】
前記ポリマー層が、ポリイミド、パリレン、およびテフロン(登録商標)からなる群から選択されるものであることを特徴とする請求項56に記載の可撓性変換器ユニットの製造方法。
【請求項58】
変換器構造体であって、第一可撓性層と、前記第一可撓性層の第一表面と接続する金属−酸化物層と、前記金属−酸化物層に埋設されたワイヤおよび前記ワイヤに接続される第一コンタクトパッドと、前記金属−酸化物層に懸吊されるメッシュと、少なくとも前記メッシュを覆う密封層とを備える変換器構造体。
【請求項59】
前記金属−酸化物層の第二側と接続する残存基板をさらに備えることを特徴とする請求項58に記載の変換器構造体。
【請求項60】
前記金属−酸化物層の第二側の前記残存基板と接続する第二可撓性層をさらに備えることを特徴とする請求項59に記載の変換器構造体。
【請求項61】
前記金属−酸化物層の第二側と接続する第二可撓性層をさらに備えることを特徴とする請求項58に記載の変換器構造体。
【請求項62】
前記金属−酸化物層に懸吊される金属−酸化物スタックをさらに備えることを特徴とする請求項58に記載の変換器構造体。
【請求項63】
前記金属−酸化物スタックの金属層が前記金属−酸化物層の金属バイアにより相互接続され、前記金属層の縁部が露出されることを特徴とする請求項62に記載の変換器構造体。
【請求項64】
前記金属−酸化物スタックが、1から前記金属−酸化物層の金属層の合計数までの中から選択された数の金属層を備えることを特徴とする請求項62に記載の変換器構造体。
【請求項65】
前記メッシュに平行で所定の距離に延在するポリシリコン層をさらに備えることを特徴とする請求項58に記載の変換器構造体。
【請求項66】
前記第一コンタクトパッドが、前記第一可撓性層から露出されることを特徴とする請求項58に記載の変換器構造体。
【請求項67】
前記ワイヤと接続し、前記第二可撓性層から露出される第二コンタクトパッドをさらに備えることを特徴とする請求項60に記載の変換器構造体。
【請求項68】
前記ワイヤと接続し、前記第二可撓性層から露出される第二コンタクトパッドをさらに備えることを特徴とする請求項61に記載の変換器構造体。
【請求項69】
前記密封層が、さらに、前記第一可撓性層を覆うことを特徴とする請求項58に記載の変換器構造体。
【請求項70】
前記メッシュが、金属メッシュであることを特徴とする請求項58に記載の変換器構造体。
【請求項71】
前記第一可撓性層の材料が、ポリイミド、パリレン、およびテフロン(登録商標)からなる群から少なくとも1つ選択されるものであることを特徴とする請求項58に記載の変換器構造体。
【請求項72】
前記第二可撓性層の材料が、ポリイミド、パリレン、およびテフロン(登録商標)からなる群から少なくとも1つ選択されるものであることを特徴とする請求項60に記載の変換器構造体。
【請求項73】
前記第二可撓性層の材料が、ポリイミド、パリレン、およびテフロン(登録商標)からなる群から少なくとも1つ選択されるものであることを特徴とする請求項61に記載の変換器構造体。
【請求項74】
前記密封層が、PECVD膜であることを特徴とする請求項58に記載の変換器構造体。
【請求項75】
前記密封層が、ポリマー膜であることを特徴とする請求項58に記載の変換器構造体。
【請求項76】
前記密封層の前記ポリマーの材料が、テフロン(登録商標)およびパリレンからなる群から少なくとも1つ選択されるものであることを特徴とする請求項75に記載の変換器構造体。
【請求項77】
各可撓性変換器ユニットが、第一可撓性層と、前記第一可撓性層の第一表面と接続する金属−酸化物層と、前記金属−酸化物層に埋設されたワイヤおよび前記ワイヤに接続される第一コンタクトパッドと、前記金属−酸化物層に懸吊されるメッシュと、少なくとも前記メッシュを覆う密封層と、を備えることを特徴とする可撓性変換器ユニットを有するアレイ。
【請求項78】
各前記可撓性変換器ユニットが、さらに、前記金属−酸化物層の第二側と接続する残存基板を備えることを特徴とする請求項77に記載の可撓性変換器ユニットを有するアレイ。
【請求項79】
各前記可撓性変換器ユニットが、さらに、前記金属−酸化物層の第二側の前記残存基板と接続する第二可撓性層を備えることを特徴とする請求項78に記載の可撓性変換器ユニットを有するアレイ。
【請求項80】
各前記可撓性変換器ユニットが、さらに、前記金属−酸化物層の第二側と接続する第二可撓性層を備えることを特徴とする請求項77に記載の可撓性変換器ユニットを有するアレイ。
【請求項81】
各前記可撓性変換器ユニットが、さらに、前記金属−酸化物層に懸吊される金属−酸化物スタックを備えることを特徴とする請求項77に記載の可撓性変換器ユニットを有するアレイ。
【請求項82】
前記金属−酸化物スタックの金属層が前記金属−酸化物層の金属バイアにより相互接続され、前記金属層の縁部が露出されることを特徴とする請求項81に記載の可撓性変換器ユニットを有するアレイ。
【請求項83】
前記金属−酸化物スタックが、1から前記金属−酸化物層の金属層の合計数までの中から選択された数の金属層を備えることを特徴とする請求項81に記載の可撓性変換器ユニットを有するアレイ。
【請求項84】
前記各変換器ユニットが、さらに、前記メッシュに平行で所定の距離に延在するポリシリコン層を備えることを特徴とする請求項77に記載の可撓性変換器ユニットを有するアレイ。
【請求項85】
前記第一コンタクトパッドが、前記第一可撓性層から露出されることを特徴とする請求項77に記載の可撓性変換器ユニットを有するアレイ。
【請求項86】
各前記可撓性変換器ユニットが、さらに、前記ワイヤと接続し、前記第二可撓性層から露出される第二コンタクトパッドを備えることを特徴とする請求項79に記載の可撓性変換器ユニットを有するアレイ。
【請求項87】
各前記可撓性変換器ユニットが、さらに、前記ワイヤと接続し、前記第二可撓性層から露出される第二コンタクトパッドを備えることを特徴とする請求項80に記載の可撓性変換器ユニットを有するアレイ。
【請求項88】
前記密封層が、さらに、前記第一可撓性層を覆うことを特徴とする請求項77に記載の可撓性変換器を有するユニットアレイ。
【請求項89】
前記メッシュが、金属メッシュであることを特徴とする請求項77に記載の可撓性変換器ユニットを有するアレイ。
【請求項90】
前記第一可撓性層の材料が、ポリイミド、パリレン、およびテフロン(登録商標)からなる群から少なくとも1つ選択されるものであることを特徴とする請求項77に記載の可撓性変換器ユニットを有するアレイ。
【請求項91】
前記第二可撓性層の材料が、ポリイミド、パリレン、およびテフロン(登録商標)からなる群から少なくとも1つ選択されるものであることを特徴とする請求項79に記載の可撓性変換器ユニットを有するアレイ。
【請求項92】
前記第二可撓性層の材料が、ポリイミド、パリレン、およびテフロン(登録商標)からなる群から少なくとも1つ選択されるものであることを特徴とする請求項80に記載の可撓性変換器ユニットを有するアレイ。
【請求項93】
前記密封層が、PECVD膜であることを特徴とする請求項77に記載の可撓性変換器ユニットを有するアレイ。
【請求項94】
前記密封層が、ポリマー膜であることを特徴とする請求項77に記載の可撓性変換器ユニットを有するアレイ。
【請求項95】
前記密封層の前記ポリマーの材料が、テフロン(登録商標)およびパリレンからなる群から少なくとも1つ選択されるものであることを特徴とする請求項94に記載の可撓性変換器ユニットを有するアレイ。
【請求項96】
各前記変換器ユニットが、前記第一可撓性層により分離されることを特徴とする請求項77に記載の可撓性変換器ユニットを有するアレイ。

【図1(a)】
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【図1(b)】
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【図1(c)】
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【図2(a)】
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【図2(b)】
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【図2(c)】
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【図3(a)】
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【図3(b)】
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【図3(c)】
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【図4(a)】
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【図4(b)】
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【図4(c)】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−131744(P2010−131744A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−236560(P2009−236560)
【出願日】平成21年10月13日(2009.10.13)
【出願人】(509283270)
【氏名又は名称原語表記】Long−Sheng FAN
【出願人】(509283959)
【氏名又は名称原語表記】Kuei Ann WEN
【Fターム(参考)】