説明

基板ホルダ、基板貼り合せ装置、積層半導体装置製造方法及び積層半導体装置

【課題】基板ホルダの識別情報を管理して、基板貼り合せ装置の故障を防止する。
【解決手段】複数の基板を貼り合わせる基板貼り合わせ装置であって、複数の基板をそれぞれ保持し、固有の識別情報が割り当てられた複数の基板ホルダと、前記複数の基板ホルダに保持された前記複数の基板を貼り合わせる貼り合わせ部と、前記複数の基板ホルダに割り当てられた前記識別情報を認識する認識部と、前記認識部により認識された識別情報が重複する場合に、その旨を出力する出力部とを備える基板貼り合わせ装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板ホルダ、基板貼り合せ装置、積層半導体装置製造方法及び積層半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の実装密度を高める目的で、電子回路が形成された複数の基板を積層した積層型の半導体装置が注目されている。特許文献1が開示したウェハ接合装置のような装置を用いて複数の基板を積層する過程において、基板が基板ホルダに保持されて搬送されることが多い。
特許文献1 特開2005−302858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、基板ホルダの使用、管理が適切でないと、装置に損害、故障をもたらすおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、複数の基板を貼り合わせる基板貼り合わせ装置であって、複数の基板をそれぞれ保持し、固有の識別情報が割り当てられた複数の基板ホルダと、前記複数の基板ホルダに保持された前記複数の基板を貼り合わせる貼り合わせ部と、前記複数の基板ホルダに割り当てられた前記識別情報を認識する認識部と、前記認識部により認識された識別情報が重複する場合に、その旨を出力する出力部とを備える基板貼り合わせ装置が提供される。
【0005】
本発明の第2の態様においては、複数の基板を貼り合わせる基板貼り合わせ方法であって、複数の基板をそれぞれ保持し、固有の識別情報が割り当てられた複数の基板ホルダを準備する段階と、前記複数の基板ホルダに保持された前記複数の基板を貼り合わせる貼り合わせ段階と、前記複数の基板ホルダに割り当てられた前記識別情報を認識する認識段階と、前記認識段階において認識された識別情報が重複する場合にその旨を出力する出力段階とを備える基板貼り合わせ方法が提供される。
【0006】
本発明の第3の態様においては、上記基板貼り合わせ方法により貼り合わされた前記複数の基板を個片化する段階を備える積層半導体装置製造方法が提供される。
【0007】
本発明の第4の態様においては、上記積層半導体装置製造方法により製造された積層半導体装置が提供される。
【0008】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】一実施形態である基板貼り合せ装置100を模式的に示す平面図である。
【図2】ホルダ格納部128の構造を概略的に示す斜視図である。
【図3】ステージ装置140の構造を概略的に示す正面図である。
【図4】下基板ホルダ125を上方から見た斜視図である。
【図5】下基板ホルダ125を下方から見た斜視図である。
【図6】下基板ホルダ125の断面を概略的に示す。
【図7】基板ホルダの指標から情報を読み出し、結果を比較する過程を説明する概略図である。
【図8】下基板ホルダ125を概略的に示す平面図である。
【図9】積層半導体装置を製造する製造方法のフローチャートである。
【図10】他の実施形態である基板貼り合わせ装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0011】
図1は、一実施形態である基板貼り合せ装置100を模式的に示す平面図である。基板貼り合せ装置100は、複数の基板を重ね合わせて、貼り合わせる。基板貼り合せ装置100は、筐体102と、常温部104と、高温部106と、基板カセット112、114、116とを含む。常温部104および高温部106は、共通の筐体102の内部に設けられる。
【0012】
基板カセット112、114、116は、筐体102の外部に、筐体102に対して脱着自在に装着される。基板カセット112、114、116は、基板貼り合せ装置100において接合される第1基板122および第2基板123を収容する。基板カセット112、114、116により、複数の第1基板122および第2基板123が一括して基板貼り合せ装置100に装填される。また、基板貼り合せ装置100において接合された第1基板122および第2基板123が一括して回収される。
【0013】
常温部104は、筐体102の内側にそれぞれ配された、プリアライナ126、ステージ装置140、ホルダ格納部128および基板取り外し部130と、一対のロボットアーム132、134とを備える。筐体102の内部は、基板貼り合せ装置100が設置された環境の室温と略同じ温度が維持されるように温度管理される。常温部104は、大気中で第1基板122および第2基板123を搬送する。
【0014】
プリアライナ126は、高精度であるが故にステージ装置140の狭い調整範囲に第1基板122及び第2基板123の位置が収まるように、個々の第1基板122及び第2基板123の位置を仮合わせする。この場合に、プリアライナ126は第1基板122及び第2基板123の外形を観察することにより第1基板122及び第2基板123の位置決めを行う。これにより、ステージ装置140が第1基板122および第2基板123の位置を確実に位置決めすることができる。
【0015】
ホルダ格納部128は、複数の上基板ホルダ124および複数の下基板ホルダ125を格納して待機させる。ホルダ格納部128には、上基板ホルダ124および下基板ホルダ125に付されたバーコードを読み取って認識するバーコードリーダー129が設けられる。
【0016】
上基板ホルダ124および下基板ホルダ125は、基板貼り合せ装置100において、それぞれ、第1基板122および第2基板123を静電吸着により保持して、搬送する。各上基板ホルダ124および下基板ホルダ125は、それぞれバーコードが付される。当該バーコードには、各基板ホルダに固有に割り当てられたIDが記録されており、外部のバーコードリーダーにより読み取ることができる。各基板ホルダに固有に割り当てられたIDは、識別情報の一例である。
【0017】
ステージ装置140は、貼り合せの対象である第1基板122と第2基板123における接合すべき電極同士の位置を合わせて、重ね合わせる。ステージ装置140を包囲して断熱壁145およびシャッタ146が設けられる。断熱壁145およびシャッタ146に包囲された空間は空調機等に連通して温度管理され、ステージ装置140における位置合わせ精度を維持する。ステージ装置140は、貼り合わせユニットの一例である。
【0018】
ステージ装置140は、上ステージ141と、下ステージ142と、制御部148とを有する。上ステージ141は、ステージ装置140の天板の下面に固定される。上ステージ141の下面が真空吸着により上基板ホルダ124を保持する。
【0019】
下ステージ142は、上ステージ141に対向して、ステージ装置140の底板の上に、XYZ方向に移動可能に配置される。下ステージ142は、傾斜機能を有する。下ステージ142の上面が真空吸着により下基板ホルダ125を保持する。
【0020】
制御部148は、下ステージ142の移動を制御する。制御部148は、下ステージ142を移動させて、上ステージ141に保持された第1基板122に対して、第2基板123の位置を合わせる。制御部148は、下ステージ142を上昇させて、第1基板122と第2基板123を重ね合せることができる。その後、上基板ホルダ124と下基板ホルダ125に挟まれた第1基板122と第2基板123は、位置止め機構により仮止めされる。上基板ホルダ124と下基板ホルダ125及びそれらに挟まれた第1基板122と第2基板123の組合せを「ホルダ対」と記載することがある。
【0021】
基板取り外し部130は、高温部106から搬出された上基板ホルダ124および下基板ホルダ125に挟まれて貼り合わされた第1基板122および第2基板123を取り出す。貼り合わされた第1基板122および第2基板123を「積層基板」と記載することがある。上基板ホルダ124および下基板ホルダ125から取り出された積層基板は、ロボットアーム134、132および下ステージ142により基板カセット112、114、116のうちのひとつに戻されて収容される。積層基板を取り出された上基板ホルダ124および下基板ホルダ125は、ホルダ格納部128に戻されて待機する。基板取り外し部130は、ホルダ格納部128の下方に配される。基板取り外し部130は、貼り合わせユニットの一例である。
【0022】
なお、基板貼り合せ装置100に装填される第1基板122および第2基板123は、単体のシリコンウエハ、化合物半導体ウェハ、ガラス基板等の他、それらに素子、回路、端子等が形成されたものであってよい。また、装填された第1基板122および第2基板123が、既に複数のウェハを積層して形成された積層基板である場合もある。
【0023】
一対のロボットアーム132、134のうち、基板カセット112、114、116に近い側に配置されたロボットアーム132は、基板カセット112、114、116、プリアライナ126およびステージ装置140の間で第1基板122および第2基板123を搬送する。一方、基板カセット112、114、116から遠い側に配置されたロボットアーム134は、ステージ装置140、ホルダ格納部128、基板取り外し部130およびエアロック220の間で、第1基板122、第2基板123、上基板ホルダ124および下基板ホルダ125を搬送する。
【0024】
上ステージ141に第1基板122を保持させる場合に、ロボットアーム134は、まずホルダ格納部128から一枚の上基板ホルダ124を取り出して下ステージ142に載置する。下ステージ142は、基板カセット112、114、116に近い側に移動する。ロボットアーム132は、プリアライナ126からプリアライメントされた第1基板122を取り出して、下ステージ142の上の上基板ホルダ124に載置して、静電吸着させる。
【0025】
下ステージ142は、再び基板カセット112、114、116から遠い側に移動する。ロボットアーム134は、下ステージ142から第1基板122を静電吸着した上基板ホルダ124を受け取り、裏返して上ステージ141に近づける。上ステージ141は、真空吸着によりその上基板ホルダ124を保持する。
【0026】
ロボットアーム134は、下ステージ142に下基板ホルダ125を載置する。ロボットアーム132は、その上に第2基板123を載置して保持させる。これにより、下ステージ142に保持された第2基板123における回路等が形成された面は、上ステージ141に保持された第1基板122における回路等が形成された面に、対向するように配置される。
【0027】
高温部106は、断熱壁108、エアロック220、ロボットアーム230、複数の加圧室240および冷却室250を有する。断熱壁108は、高温部106を包囲して、高温部106の外部への熱輻射を遮断する。これにより、高温部106の熱が常温部104に及ぼす影響を抑制する。高温部106は、その内部が一定の真空状態に維持される。これにより、高温部106に搬入された基板の汚染及び酸化を抑えることができる。
【0028】
ロボットアーム230は、加圧室240、冷却室250とエアロック220との間で第1基板122、第2基板123、上基板ホルダ124および下基板ホルダ125を搬送する。加圧室240、冷却室250及びエアロック220は、それぞれ貼り合わせユニットの一例である。
【0029】
エアロック220は、常温部104と高温部106とを連結する。エアロック220は、常温部104側と高温部106側とに、交互に開閉するシャッタ222、224を有する。
【0030】
第1基板122、第2基板123、上基板ホルダ124および下基板ホルダ125から構成されるホルダ対が常温部104から高温部106に搬入される場合、まず、常温部104側のシャッタ222が開かれ、ロボットアーム134がホルダ対をエアロック220に搬入する。次に、常温部104側のシャッタ222が閉じられ、エアロック220内部が真空に引かれる。エアロック220内部の真空度が、高温部106側の真空度になったら、高温部106側のシャッタ224が開かれる。
【0031】
続いて、ロボットアーム230が、エアロック220からホルダ対を搬出して、加圧室240のいずれかに装入する。加圧室240は、ホルダ対を加熱および加圧して、第1基板122と第2基板123を貼り合せる。その後、ロボットアーム230が、加圧室240からホルダ対を搬出して、冷却室250に装入して冷却する。加圧室240は、ホルダ対を加圧するだけで、第1基板122と第2基板123を貼り合せてもよい。ステージ装置140、エアロック220、加圧室240、冷却室250、基板取り外し部130等の貼り合わせユニットにより複数の基板ホルダに保持された複数の基板を貼り合わせる貼り合わせ部が構成される。
【0032】
高温部106から常温部104にホルダ対を搬出する場合は、常温部104から高温部106に搬入する場合の一連の動作を逆順で実行する。これらの一連の動作により、高温部106の内部雰囲気を常温部104側に漏らすことなく、ホルダ対を高温部106に搬入または搬出できる。
【0033】
基板貼り合せ装置100内の多くの領域において、上基板ホルダ124が第1基板122を保持した状態で、又は下基板ホルダ125が第2基板123を保持した状態で、ロボットアーム134、230および下ステージ142により搬送される。第1基板122を保持した上基板ホルダ124又は第2基板123を保持した下基板ホルダ125が搬送される場合、ロボットアーム134、230は、真空吸着又は静電吸着により上基板ホルダ124又は下基板ホルダ125を吸着して保持する。
【0034】
図2は、ホルダ格納部128の構造を概略的に示す斜視図である。ホルダ格納部128は、縦型の棚であり、上下に上部ラック262と下部ラック264に分けられる。上部ラック262は上基板ホルダ124を格納する複数の段を含み、下部ラック264は125を格納する複数の段を含む。各段にそれぞれ上基板ホルダ124又は下基板ホルダ125を1枚ずつ収納できる。上基板ホルダ124又は下基板ホルダ125は、ロボットアーム134によりホルダ格納部128の各段に出し入れされる。
【0035】
ホルダ格納部128にはバーコードリーダー129が設けられる。バーコードリーダー129は、取り付け具272によりボールネジ274に取り付けられ、モータ153の駆動でボールネジ274により上下に移動できる。バーコードリーダー129は、ホルダ格納部128の各段の位置に移動して、その段に収納された上基板ホルダ124又は下基板ホルダ125に付されたバーコードを読み取り、各基板ホルダに割り当てられたIDを認識することができる。バーコードリーダー129は、認識部の一例である。
【0036】
バーコードリーダー129は、上基板ホルダ124又は下基板ホルダ125から読み取ったIDを制御部148に送信する。制御部148は、バーコードリーダー129により読み取られたIDが重複する場合に、その旨を出力する。制御部148は、出力部の一例である。上記出力としては、ブザー等音声の警報を鳴らす。上記出力は、制御用モニターにメッセージとして出力することであってもよい。上記出力は、制御部148の制御により基板貼り合せ装置100の一部又は全部を停止することであってもよい。
【0037】
バーコードリーダー129は、上基板ホルダ124又は下基板ホルダ125が貼り合わせ部へ搬入されるとき及び貼り合わせ部から搬出されるときに上基板ホルダ124又は下基板ホルダ125のIDを読み取る。制御部148は、特定のIDに対応する基板ホルダが搬入された後であって搬出される前に、同一のIDに対応する基板ホルダが搬入されたことがバーコードリーダー129により読み取られた場合に、IDが重複したと判断してその旨を出力する。
【0038】
例えば、ロボットアーム134がホルダ格納部128からIDが「0012」番である上基板ホルダ124を取り出してステージ装置140に載置する場合に、バーコードリーダー129は、ロボットアーム134が取り出す前に当該上基板ホルダ124のIDを読み取り、制御部148に送信する。これにより、制御部148は、「0012」番の上基板ホルダ124が貼り合せ部へ搬入されることを記憶して、「0012」番上基板ホルダ124に対して流れの追跡を開始する。「0012」番の上基板ホルダ124は、続いて投入される下基板ホルダ125と共に、ステージ装置140において第1基板122と第2基板123を挟んでホルダ対を形成して、加圧室240及び冷却室250にて積層基板の貼り合せを完成して、基板取り外し部130にてホルダ対から分解されて、ロボットアーム134によりホルダ格納部128に戻される。このように、「0012」番の上基板ホルダ124が貼り合せ部から搬出されてホルダ格納部128に戻されたとき、バーコードリーダー129が再びそのIDを読み取り、制御部148に送信する。そこで、制御部148は、「0012」の上基板ホルダ124がホルダ格納部128に戻ったことを記憶して、当該上基板ホルダ124に対する追跡を終了する。「0012」番の上基板ホルダ124が貼り合せ部に使用され、まだ搬出されてホルダ格納部128に戻される前に、バーコードリーダー129が搬入される他の基板ホルダから同じ「0012」番のIDを読み取った場合に、制御部148は、それがIDの重複と判断して、出力として警報を発する。
【0039】
バーコードリーダー129は、複数の上基板ホルダ124及び下基板ホルダ125が貼り合わせ部へ搬入される前であってホルダ格納部128に格納された状態で、これらの複数の上基板ホルダ124及び下基板ホルダ125のIDをそれぞれ読み取ってもよい。制御部148は、バーコードリーダー129から送信される読み取り情報を確認して、複数の基板ホルダから同じIDが検出した場合に、出力として警報を発する。
【0040】
制御部148は、上述のように、基板ホルダのIDが重複する場合に、警報の代わりに、出力として、貼り合わせ部の動作を停止してもよい。制御部148は、基板ホルダのIDが重複する場合に、貼り合わせユニットのうち、重複したIDに対応する基板ホルダを処理している貼り合わせユニットの動作を停止し、他の貼り合わせユニットの動作を継続してもよい。例えば、「0012」番の上基板ホルダ124がステージ装置140において基板の位置合せに用いられているにも係らず、バーコードリーダー129が、新たにホルダ格納部128から搬入しようとする下基板ホルダ125からも「0012」番のIDを検出した場合、制御部148は、重複した「0012」番IDの上基板ホルダ124を処理しているステージ装置140だけを停止して、加圧室240等他の貼り合せユニットの動作を継続してよい。その後、制御部148は、ステージ装置140を制御して、「0012」番の上基板ホルダ124を回収してもよく、後述の方法により上基板ホルダ124に設けられた指標を観測して、当該上基板ホルダ124が「0012」番IDに対応する正規な基板ホルダか否かを判断してもよい。
【0041】
図3は、ステージ装置140の構造を概略的に示す。ステージ装置140は、本体310の内側に配された上ステージ141と、下ステージ142と、制御部148のほか、第1顕微鏡344と、第2顕微鏡342と、バーコードリーダー372と、比較部380とを備える。
【0042】
本体310は、互いに平行で水平な天板312および底板316と、天板312および底板316を結合する複数の支柱314とを備える。天板312、支柱314および底板316は、それぞれ高剛性な材料により形成され、内部機構の動作に係る反力が作用した場合も変形を生じない。なお、基板貼り合せ装置100に組み込まれた場合は、支柱314相互の間は断熱壁145により封止される。
【0043】
下ステージ142は、底板316の上に載置され、底板316に対して固定されたガイドレール352に案内されつつX方向に移動するXステージ354と、Xステージ354の上でY方向に移動するYステージ356と、Yステージ356の上に載置された昇降部360とを有する。制御部148の制御により、下ステージ142に搭載された部材は、XY平面上の任意の方向に移動できる。
【0044】
昇降部360は、シリンダ362と、ピストン364と、吸着プレート368とを有する。ピストン364は、制御部148の制御により、シリンダ362内をZ方向に昇降する。ピストン364の上に吸着プレート368が設けられ、下基板ホルダ125が保持される。更に、下基板ホルダ125上に第2基板123が保持される。
【0045】
昇降部360の駆動形式として、VCM(ボイスコイルモータ)による駆動であってもよい。下ステージ142は、粗動微動分離駆動機構を有してもよい。下ステージ142は、X、Y、Z軸を回転軸として回転する機能を有する。
【0046】
第1顕微鏡344は、下ステージ142に配置され、下ステージ142と共に上ステージ141に対して移動できる。第1顕微鏡344は、オートフォーカスセンサーを有する。第1顕微鏡344は、上ステージ141に保持された上基板ホルダ124に設けられた指標M、又は上基板ホルダ124に保持された第1基板122の表面に設けられた指標を観察して、その位置、距離、形状等を計測する。第1顕微鏡344により計測される位置、距離、形状等のデータは、制御部148又は比較部380に送信される。
【0047】
第2顕微鏡342は、天板312の下面に、上ステージ141に対して既知の間隔をおいて固定される。第2顕微鏡342は、オートフォーカスセンサーを有する。第2顕微鏡342は、下ステージ142に保持された下基板ホルダ125に設けられた指標M、又は下基板ホルダ125に保持された第2基板123の表面に設けられた指標を観察して、その位置、距離、形状等を計測する。
【0048】
第2顕微鏡342により計測される位置、距離、形状等のデータは、制御部148又は比較部380に送信される。制御部148は、受信したデータに基づいて、下ステージ142を制御する。
【0049】
制御部148は、上ステージ141及び下ステージ142における第1顕微鏡344及び第2顕微鏡342の位置を記憶しているので、第1顕微鏡344及び第2顕微鏡342により送信されるデータに基づいて、上基板ホルダ124を介して上ステージ141に保持された第1基板122と、下基板ホルダ125を介して下ステージ142に保持された第2基板123との相対位置を算出できる。制御部148は、算出した結果に基づいて、下ステージ142を精密に制御して、第1基板122と第2基板123の位置合せをして、重ね合せることができる。
【0050】
バーコードリーダー372は、上基板ホルダ124が下ステージ142に載置された場合に、上基板ホルダ124に設けられたバーコードを読み取り、そのバーコードに記憶された上基板ホルダ124における指標Mを観測する観測方法の情報、および、その観測方法により得られるべき結果の情報を読み出す。バーコードリーダー372により読み出された情報は、制御部148及び比較部380に送信される。制御部148は、当該上基板ホルダ124が上ステージ141に保持された後、その情報に基づいて第1顕微鏡344を制御して、当該観測方法により上基板ホルダ124における指標Mを観測する。バーコードリーダー372は、認識部の一例である。
【0051】
バーコードリーダー372は、下基板ホルダ125に設けられたバーコード370を読み取り、バーコード370に記憶された下基板ホルダ125における指標Mを観測する観測方法の情報、および、その観測方法により得られるべき結果の情報を読み出す。バーコードリーダー372により読み出された情報は、制御部148及び比較部380に送信される。制御部148は、その情報に基づいて第2顕微鏡342を制御して、当該観測方法により下基板ホルダ125における指標Mを観測する。
【0052】
比較部380は、バーコードリーダー372により読み出された下基板ホルダ125又は上基板ホルダ124における指標Mを観測する観測方法により得られるべき結果の情報と、第2顕微鏡342又は第1顕微鏡344の実際の観測結果とを比較して、比較結果を制御部148に出力する。バーコードリーダー372により読み出された得られるべき観測結果の情報と、第2顕微鏡342又は第1顕微鏡344の実際の観測結果とが一致しない場合、又はその違いが予め定められた閾値を超えた場合、制御部148は、警報を出すかステージ装置140を停止させる。比較部380は、制御部148の内部に設けられてもよい。
【0053】
図4は、下基板ホルダ125を上方から見た斜視図である。図5は、同じ下基板ホルダ125を下方から見た斜視図である。図6は、下基板ホルダ125の断面を概略的に示す。
【0054】
下基板ホルダ125は、本体部422と、バーコード370と、吸着子424、溝426と、切り欠き428と、電極440と、マーク450を有する。下基板ホルダ125の外形は、第2基板123よりも径がひとまわり大きな円板状をなす。
【0055】
本体部422は、セラミックス等により形成されてよい。本体部422は、第2基板123を保持する基板保持面を有する。当該基板保持面が高い平坦性を有して、第2基板123を静電吸着する。図4は、基板保持面に第2基板123を保持した状態の下基板ホルダ125を示す。マーク450は、本体部422の上面であって、基板保持面の外周に設けられる。
【0056】
バーコード370は、下基板ホルダ125に割り当てられたID、下基板ホルダ125の指標Mを観測する観測方法の情報、および、当該観測方法により得られるべき結果の情報を記憶する。バーコード370に記憶された情報は、バーコードリーダー372により読み出すことができる。本実施形態において、バーコード370は、下基板ホルダ125の側面に形成されているが、基板保持面を有する下基板ホルダ125の上面に形成されてもよい。
【0057】
吸着子424は、磁性体材料により形成され、第2基板123を保持する表面において、保持した第2基板123よりも外側に複数配される。吸着子424は、第2基板123を保持する平面と略同じ平面内に、吸着子424の上面が位置するように、本体部422に形成された陥没領域に配されてよい。
【0058】
図1の基板貼り合せ装置100では、ステージ装置140において、それぞれが第1基板122を保持した上基板ホルダ124と第2基板123を保持した下基板ホルダ125とを位置合わせして、当接させ、加圧室240において当接させた第1基板122と第2基板123を接合させる。このため、ステージ装置140から加圧室240に搬送される間は、接合されていない第1基板122と第2基板123の相対位置を維持することが求められる。このような要求に対して、下基板ホルダ125の吸着子424を上基板ホルダ124に設けられる永久磁石に吸着させることにより、第1基板122と第2基板123が下基板ホルダ125および上基板ホルダ124から挟みつけられて、相対位置を保持できる。
【0059】
電極440は、第2基板123を本体部422の基板保持面に静電吸着させる。電極440は、本体部422の内部に設けられる。電極440は、裏面側端子432と、裏面側端子434とを有する。
【0060】
図6は、電極440と各端子との接続関係を示す図面であり、各端子の位置関係を限定する図面ではない。図6は、双極方式の電極440を示す。即ち、電極440は、二つの部分から構成され、それぞれプラス電源とマイナス電源に接続され、下基板ホルダ125と第2基板123との間に電位差を生じさせて、第2基板123を下基板ホルダ125に吸着する。また、静電吸着は単極方式であってもよい。
【0061】
裏面側端子432および裏面側端子434は、本体部422における第2基板123を載置する側の面の裏面に露出する。裏面側端子432は、下ステージ142の電力供給部と接続して、下ステージ142から電極440へ電力を供給する。裏面側端子434は、下基板ホルダ125が搬送用ロボットアームにより搬送されるときに、ロボットアームの電力供給部と接続して、ロボットアームから電極440へ電力を供給する。
【0062】
溝426は、ロボットアーム134およびロボットアーム230における上基板ホルダ124に電力を供給する電力供給部を回避する目的で設けられる。切り欠き428は、下基板ホルダ125を下ステージ142に設置したときに、下ステージ142から上基板ホルダ124に電力を供給する電力供給部を回避する目的で設けられる。
【0063】
図7は、基板ホルダの指標から情報を読み出し、結果を比較する過程を説明する概略図である。下基板ホルダ125は下ステージ142に載置される。下ステージ142は、バーコードリーダー372により下基板ホルダ125に設けられたバーコード370を読み出すことのできる位置まで下基板ホルダ125を移動する。
【0064】
バーコードリーダー372は、バーコード370を読み取り、バーコード370に記憶された下基板ホルダ125における指標Mを観測する観測方法の情報aを読み出して、それを制御部148に送信する。制御部148は、その情報aに基づいて制御信号bを第2顕微鏡342に出して、当該観測方法により下基板ホルダ125における指標Mを観測する。
【0065】
バーコードリーダー372は、更に上記観測方法により得られるべき結果の情報cをバーコード370から読み出して、それを比較部380に送信する。一方、第2顕微鏡342は、制御部148からの制御信号bに基づいて指標Mを観測して、その観測結果dを比較部380に送信する。
【0066】
比較部380は、第2顕微鏡342の実際の観測結果dと、バーコードリーダー372により読み出された下基板ホルダ125における指標Mを観測する観測方法により得られるべき結果cとを比較して、比較結果(c−d)を制御部148に出力する。制御部148は、バーコードリーダー372により読み出された得られるべき観測結果の情報cと、第2顕微鏡342の実際の観測結果dとが一致しない場合、又はその違いが予め定められた閾値を超えた場合、当該下基板ホルダ125を排除する。
【0067】
図8は、下基板ホルダ125を概略的に示す平面図である。図8は、指標Mが本体部422の外観形状である場合の例を示す。指標Mは、例えば、切り欠き428であってよく、溝426であってもよく、マーク450であってもよい。観測方法として、例えば、第2顕微鏡342により切り欠き428、溝426又はマーク450の形状寸法又は位置を観測してよい。第2顕微鏡342により二つの切り欠き428の間隔Lを観測してもよく、本体部422の厚さを観測してもよい。切り欠き428、溝426及びマーク450は、設計値自体が基板ホルダごとに異なっていてもよいが、同じ設計値に対する公差を予め計測して、当該公差を観測されるべき結果としてもよい。
【0068】
バーコード370には、下基板ホルダ125の指標Mを観測する観測方法の情報、および、当該観測方法により得られるべき結果の情報が、下基板ホルダ125のIDに対応付けて記憶される。具体例として、バーコード370には、第2顕微鏡342により二つの切り欠き428の間隔Lを観測する観測方法の情報、及び、その観測により得られるべきLの値が、下基板ホルダ125のIDに対応付けて記憶される。
【0069】
バーコードリーダー129が複数の下基板ホルダ125から重複するIDを読み取った場合、当該IDを有する下基板ホルダ125を下ステージ142に載置して、バーコードリーダー372によりバーコード370を読み取り、読み取った観測方法、即ち第2顕微鏡342により二つの切り欠き428の間隔Lを観測する観測方法に基づいて、第2顕微鏡342により間隔Lを観測する。観測したLの値がバーコード370から読み出した観測により得られるべきLの値と一致しない場合、制御部148は、当該下基板ホルダ125が当該基板貼り合せ装置100での使用が予定されていない基板ホルダであると判断して、ロボットアーム134等を制御して、当該下基板ホルダ125を基板貼り合せ装置100から排除する。バーコードリーダー129が重複IDを発見しない場合、上述の判断は行わなくても良い。
【0070】
上述の実施形態において、ID等の識別情報、指標を観測する観測方法の情報、及び当該観測方法により得られるべき結果の情報を記憶する情報記憶部として、バーコードが例示されたが、情報記憶部は、QRコード等であってもよい。情報記憶部は、識別情報、観測方法の情報、および、その観測方法により得られるべき結果の情報等を記憶できるメモリ等であってよい。その場合、読み取り部は、バーコードリーダー129及びバーコードリーダー372の代わりに、そのようなメモリを読み取ることができるメモリ読み取り装置であってよい。
【0071】
上述の実施形態において、観測する指標として、下基板ホルダ125の形状等が例示されたが、指標は、本体部422の物理量であってよい。例えば、本体部422のインピーダンス、電気抵抗等の電気的又は磁気的パラメータであってよい。そのパラメータの計測方法及び当該方法により得られるべき計測結果が、上記情報記憶部に記憶されてよい。
【0072】
指標は、電極440の電気な特性であってよい。例えば、電極440が固有のインピーダンスであってよく、二つ電極440の間のリーク電流であってよい。その計測は裏面側端子432又は裏面側端子434により行ってよい。また、指標は、バーコード370のプレートが取り付けられた位置であってよい。指標は、上基板ホルダ124に設けられる磁石の磁力であってよい。
【0073】
これらの指標の計測方法及び当該方法により得られるべき計測結果が、下基板ホルダ125に設けられた上記情報記憶部に記憶されるので、下基板ホルダ125を用いる何れの装置においても記憶された情報を読み出して、当該計測方法により指標を計測して下基板ホルダ125を点検して、使用が予定されている基板ホルダか否かが分かる。なお、新しい基板ホルダが投入された場合に、使用されるべき基板ホルダのリストを更新しなくても、基板ホルダ自身からの情報で、使用されるべき基板ホルダか否かが分かる。例えば、上述の実施形態において、ステージ装置140に設けられた第1顕微鏡344及び第2顕微鏡342を用いて指標を観測する例を挙げられたが、ホルダ格納部128、エアロック220、加圧室240又は冷却室250に下基板ホルダ125の情報記憶部に記憶された情報を読み出す読み出し部、指標を観測する指標観測部及び比較部を設けて、下基板ホルダ125の指標を観測してもよい。言うまでもなく、上基板ホルダ124に指標及び情報記憶部を設けて、上述の方法により、上基板ホルダ124の指標を観測してもよい。
【0074】
図9は、積層半導体装置を製造する製造方法の概略を示す。基板ホルダを準備する段階S010において、固有に割り当てられたID等識別情報が外部から読み取り可能に付された複数の上基板ホルダ124及び下基板ホルダ125を準備する。基板ホルダのID等識別情報を読み取る段階S020において、バーコードリーダー129により複数の上基板ホルダ124及び下基板ホルダ125に割り当てられたID等識別情報を読み取る。ID等識別情報の重複があるかを判断する段階S030において、S020段階で読み取ったID等識別情報に重複するものがあるかを判断する。ID等識別情報に重複がない場合、基板を貼り合せる段階S040に進み、基板貼り合せ装置100の貼り合せ部により、上基板ホルダ124及び下基板ホルダ125に保持された第1基板122及び第2基板123を貼り合せる。積層基板を個片化する段階S050において、貼り合せられた積層基板をダイシング等により個片化して、積層半導体装置の製造を完成する。
【0075】
但し、バーコードリーダー129により読み取られたID等識別情報が重複する場合、警報を出力する段階S042に進み、制御部148により警報を出力する。なお、警報の代わりに、基板貼り合せ装置100の全部又は一部を停止してもよい。例えば、重複するID等識別情報を有する基板ホルダが処理されているステージ装置140等の貼り合せユニットだけを停止しても良い。また、上述の積層半導体装置の製造方法から、複数の基板を貼り合せて積層基板を形成する基板貼り合せ方法も把握できる。
【0076】
基板貼り合せ装置100において、上基板ホルダ124及び下基板ホルダ125の種類の区別、上基板ホルダ124及び下基板ホルダ125のメンテナンス時期等は、各基板ホルダに付されたID等識別情報により、各基板ホルダに対してそれぞれ管理される。そこで、何らかの原因により、複数の基板ホルダに同一のID等識別情報が付されると、管理システムが乱れて、基板貼り合せ装置100に破損及び故障をもたらすおそれがある。
【0077】
例えば、制御部148において「0012」番のIDが上基板ホルダ124のIDとして登録されたにもかかわらず、「0012」番のIDが正しく付された上基板ホルダ124のほかに、同じ「0012」番のIDが間違って付された下基板ホルダ125がある場合、ステージ装置140等の貼り合せユニットが当該下基板ホルダ125を上基板ホルダ124として処理する。上基板ホルダ124と下基板ホルダ125の構造が大きく異なる場合、下基板ホルダ125を上基板ホルダ124として扱う貼り合せユニットが故障及び破損するおそれがある。また、上基板ホルダ124及び下基板ホルダ125のメンテナンス時期は使用回数により管理される場合、複数の「0012」番のIDが付された上基板ホルダ124があると、正確に「0012」番の上基板ホルダ124の使用回数をカウントすることができず、管理することができなくなる。
【0078】
上述の実施形態の基板貼り合せ装置、基板貼り合せ方法及び積層半導体装置の製造方法により、重複するID等識別情報が付された上基板ホルダ124及び下基板ホルダ125が使用されることを防ぐことができ、且つ間違ってID等識別情報が付された上基板ホルダ124又は下基板ホルダ125を検出して排除することができるので、ID等識別情報の重複に起因する基板貼り合せ装置100の故障を防止できる。
【0079】
図10は、他の実施形態である基板貼り合わせ装置の概略図である。この実施形態において、互いに独立して動作する複数の基板貼り合せ装置100がネットワーク500を通じて、中央制御部520に接続される。各基板貼り合せ装置100は、上述のようにそれぞれバーコードリーダー129と、制御部148と、貼り合せ部を含む。ネットワーク500は、インターネット、イントラネット等、それに接続された中央制御部520と各基板貼り合せ装置100との間に、情報の授受により双方向に情報通信ができる如何なるネットワークであってもよい。
【0080】
各基板貼り合せ装置100のバーコードリーダー129は、その基板貼り合せ装置100に使用される上基板ホルダ124及び下基板ホルダ125のID等識別情報を読み取り、ネットワーク500を通じて中央制御部520に送信する。中央制御部520は、全てのバーコードリーダー129から送信されたID等識別情報に対して重複の有無を判断する。中央制御部520は、重複のID等識別情報を発見した場合、当該ID等識別情報を有する上基板ホルダ124又は下基板ホルダ125を処理している全ての基板貼り合せ装置100の制御部148にその旨を出力する。中央制御部520は、出力部の一例である。
【0081】
中央制御部520から当該出力を受けた制御部148は、上述の警報を発する方法、又は基板貼り合せ装置100全体或は重複ID等識別情報を有する基板ホルダを処理する貼り合せユニットを停止して、装置の故障を防止することができる。更に、当該基板貼り合せ装置100は、制御部148の制御により、上述のように、重複ID等識別情報を有する基板ホルダの指標を計測することにより、その基板ホルダが当該ID等識別情報を付すべき正規な基板ホルダか否かを判断して、それを排除する又は保留することができる。
【0082】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0083】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0084】
100 基板貼り合せ装置、102 筐体、104 常温部、106 高温部、108 断熱壁、112 基板カセット、114 基板カセット、116 基板カセット、122 第1基板、123 第2基板、124 上基板ホルダ、125 下基板ホルダ、126 プリアライナ、128 ホルダ格納部、129 バーコードリーダー、130 基板取り外し部、132 ロボットアーム、134 ロボットアーム、140 ステージ装置、141 上ステージ、142 下ステージ、145 断熱壁、146 シャッタ、148 制御部、153 モータ、220 エアロック、222 シャッタ、224 シャッタ、230 ロボットアーム、240 加圧室、250 冷却室、262 上部ラック、264 下部ラック、272 取り付け具、274 ボールネジ、310 本体、312 天板、314 支柱、316 底板、342 第2顕微鏡、344 第1顕微鏡、352 ガイドレール、354 Xステージ、356 Yステージ、360 昇降部、362 シリンダ、364 ピストン、368 吸着プレート、370 バーコード、372 バーコードリーダー、380 比較部、422 本体部、424 吸着子、426 溝、428 切り欠き、432 裏面側端子、434 裏面側端子、440 電極、450 マーク、500 ネットワーク、520 中央制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板を貼り合わせる基板貼り合わせ装置であって、
複数の基板をそれぞれ保持し、固有の識別情報が割り当てられた複数の基板ホルダと、
前記複数の基板ホルダに保持された前記複数の基板を貼り合わせる貼り合わせ部と、
前記複数の基板ホルダに割り当てられた前記識別情報を認識する認識部と、
前記認識部により認識された識別情報が重複する場合に、その旨を出力する出力部と
を備える基板貼り合わせ装置。
【請求項2】
前記認識部は、前記複数の基板ホルダのそれぞれが前記貼り合わせ部へ搬入されるとき及び前記貼り合わせ部から搬出されるときに前記識別情報を認識し、
前記出力部は、特定の識別情報に対応する基板ホルダが搬入された後であって搬出される前に、前記特定の識別情報と同一の識別情報に対応する基板ホルダが搬入されたことが前記認識部により認識された場合に、識別情報が重複したと判断してその旨を出力する請求項1に記載の基板貼り合わせ装置。
【請求項3】
前記複数の基板ホルダを格納するホルダ格納部をさらに備え、
前記認識部は、前記複数の基板ホルダが前記貼り合わせ部へ搬入される前であって前記ホルダ格納部に格納された状態で、前記複数の基板ホルダの前記識別情報をそれぞれ認識する請求項1に記載の基板貼り合わせ装置。
【請求項4】
前記出力部は、前記識別情報が重複する場合に、前記貼り合わせ部の動作を停止する請求項1から3のいずれか1項に記載の基板貼り合わせ装置。
【請求項5】
前記貼り合わせ部は複数の貼り合わせユニットを含み、
前記出力部は、前記識別情報が重複する場合に、前記複数の貼り合わせユニットのうち、重複した前記識別情報に対応する基板ホルダを処理している貼り合わせユニットの動作を停止し、他の貼り合わせユニットの動作を継続する請求項1から3のいずれか1項に記載の基板貼り合わせ装置。
【請求項6】
互いに独立して動作する前記貼り合わせ部を複数備えるとともに、
前記複数の貼り合わせ部に対応して、前記認識部を複数備え、
前記出力部は、前記複数の認識部から認識された識別情報に対して重複の有無を判断する請求項1から5のいずれか1項に記載の基板貼り合わせ装置。
【請求項7】
複数の基板を貼り合わせる基板貼り合わせ方法であって、
複数の基板をそれぞれ保持し、固有の識別情報が割り当てられた複数の基板ホルダを準備する段階と、
前記複数の基板ホルダに保持された前記複数の基板を貼り合わせる貼り合わせ段階と、
前記複数の基板ホルダに割り当てられた前記識別情報を認識する認識段階と、
前記認識段階において認識された識別情報が重複する場合にその旨を出力する出力段階と
を備える基板貼り合わせ方法。
【請求項8】
請求項7に記載の基板貼り合わせ方法により貼り合わされた前記複数の基板を個片化する段階を備える積層半導体装置製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載の積層半導体装置製造方法により製造される積層半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−109319(P2012−109319A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−255315(P2010−255315)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】