説明

基板傾斜を用いた半導体ドーピング

【課題】半導体基板をドープする方法、特に、注入源に対する基板の傾斜角を変えることによってドーパントを注入する方法を提供する。
【解決手段】基板にドーパントを注入する方法、及びそのような注入を利用して半導体素子を製造する方法。ドーパントを注入する方法は、他の段階の中でもとりわけ、注入プラテン(305)上又はその上に位置する基板(310)を注入源(320)に対して第1の方向の軸線に関して傾斜させる段階と、第1の方向に傾斜した基板(310)を使用して注入線量の一部分を注入する段階と、次に、基板(310)を第1の方向と反対の第2の方向に傾斜させる段階と、第2の方向に傾斜した基板(310)を使用して注入線量の別の部分を注入する段階とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、半導体基板をドープする方法に関し、より詳細には、注入源に対する基板の傾斜角を変えることによってドーパントを注入する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路製作におけるドーパントの注入では、ビーム入射角の精密な制御が要求される。いくつかの異なる種類のビーム入射角誤差が存在するが、より一般的な種類のうちの3つは、ウェーハを横切る円錐角誤差、ビームステアリング誤差、及び平行度誤差である。円錐角誤差は、一般的に、ウェーハ走査システムの幾何学形状に起因する円錐角効果の結果である。ビーム角誤差は、ウェーハにわたって変化する場合がある。例えば、ビーム角誤差は、ウェーハの一端で約−x度、ウェーハの中心部で約0度、及びウェーハの対向する反対端で約+x度とすることができる。一方、ステアリング誤差は、ロット間、注入バッチ間、又は調整が行われるあらゆるものの間でビームを調整する間に導入され、ウェーハにわたって均一になる傾向がある。しかし、平行度誤差は、ウェーハの幅にわたってランダムなビーム入射角誤差をもたらす。この誤差のランダム性は、補正を特に困難にする。
【0003】
残念なことに、ビーム入射角の精密な制御なしでは、様々な異なる問題が集積回路のトランジスタを劣化させる。一例として、トランジスタの非対称性、変動、及び低下した多重探針収量(MPY)は、ビーム入射角誤差の結果として生じることが多い。ビーム角の入射角誤差はまた、ゲートシャドーイングと非対称ドーパント分布をもたらす場合があり、それらは、両方とも望ましくない。図1は、トランジスタ素子100上のゲートシャドーイングの例を示している。トランジスタ素子100は、基板110の上に位置する高さ(h)のゲート構造体120を含む。トランジスタ素子100は、注入処理130を受けて注入領域140を形成する。図示のように、ゲート構造体120の高さ(h)は、注入ビームの入射角(θ)によって注入から基板110の一部分を影で覆うか又は遮蔽し、それによってゲート構造体の異なる側に位置する注入領域140のトポグラフィーに差異を引き起こす。例えば、一方の注入領域140(図1の左側に示す)は、ゲート構造体120の側壁から距離(d)で始まるが、他方の注入領域140(図1の右側に示す)は、ゲート構造体120の側壁に直接隣接して始まる。距離(d)は、式d=h・tan(θ)を使用して推定することができるが、それは、いずれにせよ距離(d)によって形成された意図しない非ドープ領域を作り出し、これは、製作したトランジスタ100の作動上の問題をもたらす場合がある。
従って、従来技術の方法及び素子の欠点を被らない基板内にドーパントを注入する方法が必要である。
【発明の開示】
【0004】
本発明は、基板にドーパントを注入する方法、及びドーピング中に基板傾斜角が変化する半導体素子を製造する方法を提供する。
実施形態では、ドーパントを注入する方法は、注入源に対する軸線に関して第1の方向に第1の角度(例えば、時計回りにx度)で基板を方向付けする段階と、第1の角度の向きに置かれた基板に注入線量の一部分を注入する段階と、注入源に対する軸線に関して第1の方向とは反対の第2の方向に第2の角度(例えば、反時計回りにx度)で基板を方向付けする段階と、第2の角度の向きに置かれた基板に注入線量の別の部分を注入する段階とを含む。第2の角度は、任意的に、第1の角度に等しく、それと反対になるように選択することができる。第1及び第2の角度は、任意的に、約90度の隔たりを有するように選択することができる。
【0005】
修正された実施においては、本方法は、注入源に対する軸線に関して基板を再び第1の方向に第3の角度で方向付けする段階と、第3の角度の向きに置かれた基板に注入線量の第3の部分を注入する段階と、注入源に対するその軸線に関して第1の方向とは反対の第2の方向に第4の角度で基板を方向付けする段階と、第4の角度の向きに置かれた基板に注入線量の第4の部分を注入する段階とを含むことができる。第3及び第4の角度は、任意的に、第1及び第2の角度にそれぞれ等しくなるように選択することができる。第1、第2、第3,及び第4の注入部分は、任意的に、等しい(すなわち、全量の1/4)注入線量、速度、又は期間の注入を含むことができる。
基板は、プラテン上に位置することができ、方向付けする段階は、ある一定の軸線に関してプラテンを傾けることによって達成することができる。
【0006】
本発明は、更に、上述のドーピング注入方法を使用した半導体素子を製造する方法を提供する。一実施形態では、半導体素子を製造する方法は、MOSトランジスタ素子のソース及びドレーン領域の形成のために、基板の上にゲート構造体を形成する段階と、ゲート構造体に隣接して基板内に注入部を形成する段階とを含む。
本発明の実施形態は、本明細書に添付図面を参照して説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、部分的には、ビーム入射角誤差が、多くの場合に半導体ウェーハ上に位置する垂直トランジスタに対して、同じ半導体ウェーハ上に位置する同様の水平トランジスタとは異なる影響を有するという認識に基づいている。図2は、同じウェーハ上の垂直トランジスタと水平トランジスタの両方に関してn形金属酸化膜トランジスタ(NMOS)素子の駆動電流に対してビーム入射角誤差が有する影響を示すグラフ200である。ビーム入射角誤差が約−0.5度から約3.0度に増加すると、垂直トランジスタと水平トランジスタのそれぞれの駆動電流は、別様に影響を受ける。特に、図2の例では、水平トランジスタが実質的にビーム入射角誤差の影響を受けているのに対して、垂直トランジスタは受けていない。ビーム入射角誤差が図2の例で与えられた方向に対して垂直であった場合は、反対の影響が起こるであろう。残念なことに、垂直トランジスタと水平トランジスタの間の駆動電流のばらばらの変化は、駆動電流の変化に適応することを困難にする。
【0008】
ビーム入射角誤差が、ウェーハにわたって変動する傾向があるという理解と上述の認識とを組み合わせると、本発明は、注入可能な基板を注入源に対するある一定の方向の軸線に関して方向付けし、そのように方向付けした基板に注入線量の一部分を注入し、次に、基板を反対方向に方向付けし、反対方向に方向付けした基板を使用して注入線量の別の部分を注入することによって恩典を受けることができると認識している。
【0009】
新しい注入処理は、ビーム入射角誤差による注入シャドーイングを低減することによってトランジスタの非対称性を低減する。それは、NMOSとPMOSトランジスタの両方のトランジスタ非対称性を改善する。更に、それは、垂直及び水平トランジスタの両方に実質的に同様のドーパントプロフィール、及び従って駆動電流を持たせようと試みるものである。これらの恩典は、とりわけ、トランジスタ適合回路の改善とSRAMバランスの改善をもたらす。
【0010】
図3−6は、本発明の例示的な実施形態による例示的なドーパント線量注入部の製作における段階の上面と断面を概略的に示す図である。図3は、注入プラテン305上又はその上に位置する複数の基板310の、それらが注入源からの注入を受けている時の上面図300と2つの断面図340、370である。上面図300と2つの断面図340、370は、注入プラテン305と基板310の、それらが注入プラテン305の中心点の周りに回転している時の時間的スナップショットを表している。当業者には公知のように、図3の実施形態における注入プラテン305は、一般的に、注入源320が注入プラテン305を横切って側面から側面までゆっくりと走査する時に、時計回り又は反時計回り方向に高速で回転する。
【0011】
図3の実施形態は、4つの基板310だけが、注入プラテン305上又はその上に位置することを示している。基板310の実際の数は、図示のものよりも少なく又は多くすることができる。また、注入プラテン305は、図3にはディスクとして示しているが、設計上の選択の問題で他の形状を有することができる。
最新の集積回路の場合によくあることであるが、図3の例示的実施形態における基板310の各々は、垂直(v)と水平(h)トランジスタの両方を有する。これは、勿論、要件ではなく、本発明の恩典は、垂直(v)又は水平(h)トランジスタだけが存在する状況にも適用可能である。
上述のように、多くの場合に、注入源320は、それに関連する注入角度誤差を有する。この注入角度誤差は、図3に(α)で示されている。注入角度誤差(α)は、一般的にできるだけ小さく保つべきであるが、より大きな角度の誤差(α)でも本発明の実施によって対処することができる。典型的な場合、注入角度誤差(α)は、約5度までの範囲とすることができる。
【0012】
本発明の革新的方法は、所定の注入線量が得られるまでいくつかの異なる構成で何回かの異なる回数で基板310を部分的に注入することにより、注入角度誤差(α)の影響を低減するように構成される。それを考慮して、基板310は、注入源320に対する第1の方向の軸線に関して方向付けされる。図3に示す実施形態では、基板310は、y軸の周りで反時計回りに角度(θ)だけ傾斜(ピボット回転)される。基板310が傾斜した後に、注入線量の1/4が基板310内に注入される。これは、等しい注入の部分的線量、速度、又は期間を与えることによって判断することができる。
【0013】
基板310の傾斜角(θ)は、大きく変化する場合がある。本発明の例示的実施形態では、傾斜角(θ)は、実質的に注入源320の注入角度誤差(α)に等しい。この実施形態では、傾斜角(θ)は、垂直(v)及び水平(h)トランジスタの両方に共通なより軽度にドープした基板の小さな領域に対するものを除いて、注入角度誤差(α)の影響を実質的に除去するであろう。それにも関わらず、例示的実施形態は、傾斜角(θ)が約5度までであり、特に約1度と約3度の間であることを示唆している。他の傾斜角(θ)も本発明の範囲内である。
【0014】
更に、傾斜角(θ)は、いくつかの異なる方法を使用して達成することができる。例えば、本発明の一実施形態は、基板310の傾斜が達成するために注入プラテン305全体を傾斜させる。本発明の別の異なる実施形態は、注入プラテン305自体の角度を不変のまま保持しながら、注入プラテン305上の各個々の基板310を傾斜させる。注入源に対して基板310傾斜させるための他の方法を使用することもできる。
【0015】
断面図340によって示したように、注入角度誤差(α)が水平トランジスタ(h)に対して実質的に影響を及ぼさないことがある。例えば、注入線量の第1の部分の結果として形成された注入領域380は、水平トランジスタ(h)のゲートから等距離に位置している。一方、断面図370によって示したように、注入角度誤差(α)は、垂直トランジスタ(v)に対して実質的に影響を及ぼすことになる。注入角度誤差(α)と傾斜角(θ)の組合せに起因するゲートシャドーイングは、垂直トランジスタ(v)の注入領域380が垂直トランジスタ(v)のゲートから等距離に位置しない原因になる。例えば、図3に示すように、一方の注入領域380が、垂直トランジスタ(v)のゲート構造体から除去され、他方の注入領域380が、垂直トランジスタ(v)のゲート構造体に隣接して位置する。これは、垂直トランジスタ(v)のゲート構造体の近くに位置するより少ないドーパントを有するより軽度にドープした領域390をもたらす。図3に示す段階においては、より軽度にドープした領域390は、実質的にドーパントをそこに有しない場合がある。基板310に位置する注入領域380は、この段階で全体の望ましい注入線量の1/4だけを含有する。
【0016】
図4は、基板310が、同じ軸線の周りであるが、反対方向に傾斜した後の図300、340、370(図3のそれらと同様)を示している。図4に示す実施形態では、基板310は、y軸の周りで時計回りに角度(θ)だけ傾斜する。例示的な実施形態では、図4で使用した傾斜角(θ)は、図3で使用した傾斜角(θ)に対して、値は実質的に同一であるが、方向が反対である。基板310がこの2度目に傾斜した後に、注入の線量の別の1/4が基板310に注入される。
【0017】
断面図340によって示すように、注入角度誤差(α)は、ここでもまた、水平トランジスタ(h)に対して実質的に影響を及ぼさない。例えば、注入線量の第2の部分の結果として形成された注入領域380は、依然として水平トランジスタ(h)のゲートから等距離に位置している。しかし、今回は、断面図370によって示したように、注入角度誤差(α)が傾斜角度(θ)だけ実質的にオフセットされているので、注入角度誤差(α)は、垂直トランジスタ(v)に実質的に影響を及ぼさない。結果として生じるのは、全ての1/4の注入線量が、基板310の注入領域380に達し、並びに全ての1/4の注入線量が、より軽度にドープした領域390に達することである。従って、この段階における垂直トランジスタ(v)と水平トランジスタ(h)の両方の注入領域380は、累積的に1/2の注入線量を有し、垂直トランジスタ(v)のゲートの近くに位置するより軽度にドープした領域390は、1/4の注入線量を有する。
【0018】
図5は、基板310が特定の角度だけ回転し、次に図3と4に示すのと同じ軸線に関して傾斜した後の同様の図300、340、370を示している。図4に示す実施形態では、基板310は、z軸の周りで90度だけ時計回りの方向に回転し、y軸の周りで反時計回りに角度(θ)だけ傾斜する。基板310は、任意的に、有益な態様においては、それらが図3と4において占めた位置から約90度だけ時計回り又は反時計回りのいずれかの方向に回転することができることに注意すべきである。基板310がこの3回目に回転及び傾斜した後に、別の1/4の注入線量が基板310内に実施される。
【0019】
断面図340によって示したように、注入角度誤差(α)は、今度は水平トランジスタ(h)に実質的に影響を及ぼす。注入角度誤差(α)と傾斜角(θ)の組合せに起因するゲートシャドーイングは、水平トランジスタ(h)の注入領域380が水平トランジスタ(h)のゲートから等距離に位置しない原因になる。例えば、図5に示すように、一方の注入領域380が、水平トランジスタ(h)のゲート構造体から除去され、他方の注入領域510が、水平トランジスタ(h)のゲート構造体に隣接している。その結果、より軽度にドープした領域510が、1/2の線量だけを有する水平トランジスタ(h)のゲート構造体の近くに位置し、それに対して、水平トランジスタ(h)の注入領域380は、累積的に3/4の線量を有する。一方、垂直トランジスタ(v)は、この構成では注入角度誤差(α)によって実質的に影響されない。従って、垂直トランジスタ(v)の注入領域380は、今度は累積的に3/4の注入線量を有し、より軽度にドープした領域390は、累積的に1/2の注入線量を有する。
【0020】
図6は、基板310が同じ軸線の周りであるが、反対方向に傾斜した後の図300、340、370を示している。図6に示す実施形態では、基板310は、角度(θ)だけ時計回りにy軸の周りに傾斜する。基板310がこの4回目の傾斜をした後に、注入線量の第4の1/4が基板310に注入される。
断面図340によって示すように、注入角度誤差(α)が実質的に傾斜角(θ)だけオフセットしているので、注入角度誤差(α)は、今度は水平トランジスタ(h)に実質的に影響を及ぼさない。結果として、全ての1/4の注入線量が、基板310の注入領域380に達し、並びに全ての1/4の注入線量が、より軽度にドープした領域510に達する。更に、断面図370によって示すように、注入角度誤差(α)は、ここでもまた、垂直トランジスタ(v)に実質的に影響を及ぼさない。結果として、全ての1/4の注入線量が、垂直トランジスタ(v)の注入領域380に達し、並びに全ての1/4の注入線量が、より軽度にドープした領域390に達する。従って、垂直トランジスタ(v)と水平トランジスタ(h)の両方の注入領域380は、この段階では累積的に全ての注入線量を有し、垂直トランジスタ(v)のゲートの近くに位置するより軽度にドープした領域390と、水平トランジスタ(h)のゲートの近くに位置するより軽度にドープした領域510の各々は、累積的に3/4の注入線量を有する。
【0021】
理想的には、図6に示すように、得られる垂直トランジスタ(v)と水平トランジスタ(h)は、実質的に同一のドーパントプロフィールを有する。従って、得られる垂直トランジスタ(v)と水平トランジスタ(h)は、実質的に同一の駆動電流を有する。得られる垂直トランジスタ(v)と水平トランジスタ(h)は、実質的に同一の駆動電流を有するだけでなく、より軽度にドープした領域390、510の各々は、望ましい線量の少なくとも3/4を有する。更に、本発明の革新的態様は、軽度にドープしたソース/ドレーン拡張注入部を形成するのに特に有用である。
【0022】
図7は、本発明の原理に従って構成された半導体素子710を組み込む集積回路700の断面図である。IC700は、CMOS素子、BiCMOS素子、バイポーラ素子、又は他の種類の素子を形成するのに使用されるトランジスタのような素子を含むことができる。IC700は、誘導子又は抵抗器のような受動素子を更に含むことができ、又は光学素子又は光電子素子を含むこともできる。当業者は、これらの様々な種類の素子とその製造を熟知している。図7に示す特定的な実施形態では、IC700は、誘電体層720がその上に位置した半導体素子710を含む。更に、誘電体層720内に相互接続構造体730が位置し、様々な素子を相互接続し、すなわち、作動的集積回路700を形成する。
本発明を詳細に説明したが、当業者は、彼らが本発明の最も広範な形態におけるその範囲から逸脱することなく、本明細書の様々な変更、置換、及び代替を行うことができることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】トランジスタ素子の製造における公知のドーピングのドーピング中のゲートシャドーイングの例を示す図である(従来技術)。
【図2】同じウェーハ上の垂直トランジスタ及び水平トランジスタの両方に関してビーム入射角誤差がn形金属酸化膜半導体(NMOS)素子の駆動電流に対して有する影響を示すグラフである。
【図3】複数の基板が本発明の原理に従ってドーピングを受ける例示的な処理の段階における上面及び断面を示す概略図である。
【図4】複数の基板が本発明の原理に従ってドーピングを受ける例示的な処理の段階における上面及び断面を示す概略図である。
【図5】複数の基板が本発明の原理に従ってドーピングを受ける例示的な処理の段階における上面及び断面を示す概略図である。
【図6】複数の基板が本発明の原理に従ってドーピングを受ける例示的な処理の段階における上面及び断面を示す概略図である。
【図7】本発明の原理を利用するドーピング処理によって製作した半導体素子を組み込む集積回路(IC)の断面図である。
【符号の説明】
【0024】
305 注入プラテン
310 基板
320 注入源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板にドーパントを注入する方法であって、
注入源に対する軸線に関して第1の方向に第1の角度で基板を方向付けする段階と、
前記第1の角度の向きに置かれた前記基板に注入線量の一部分を注入する段階と、
前記注入源に対する前記軸線に関して前記第1の方向と反対の第2の方向に第2の角度で前記基板を方向付けする段階と、
前記第2の角度の向きに置かれた前記基板に前記注入線量の別の部分を注入する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第2の角度は、前記第1の角度に等しく、かつ向きが反対であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1及び第2の角度は、約90度だけ離れていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記注入源に対する前記軸線に関して前記第1の方向に第3の角度で前記基板を再び方向付けする段階と、
前記第3の角度の向きに置かれた前記基板に前記注入線量の第3の部分を注入する段階と、
前記注入源に対する前記軸線に関して前記第1の方向と反対の前記第2の方向に第4の角度で前記基板を方向付けする段階と、
前記第4の角度の向きに置かれた前記基板に前記注入線量の第4の部分を注入する段階と、
を更に含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第3及び第4の角度は、それぞれ、前記第1及び第2の角度と同じであることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1、第2、第3、及び第4の部分は、等しい注入の部分的線量、速度、又は期間の注入を含むことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記基板は、プラテン上に位置し、前記方向付けする段階は、該プラテンを前記軸線に関して傾斜させることによって達成されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のドーパントを注入する方法を使用して少なくとも1つの注入部を形成する段階、
を含むことを特徴とする、半導体素子を製造する方法。
【請求項9】
基板の上にゲート構造体を形成する段階を更に含み、
ドーパントを注入する前記方法は、MOSトランジスタ素子のソース及びドレーン領域の形成の少なくとも一部のために使用される、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−515243(P2008−515243A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−534873(P2007−534873)
【出願日】平成17年10月3日(2005.10.3)
【国際出願番号】PCT/US2005/035562
【国際公開番号】WO2006/039677
【国際公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(507107291)テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド (50)
【Fターム(参考)】