説明

基板処理装置、その制御装置およびその制御方法

【課題】プロセス結果に悪影響を及ぼす処理ガス供給周期パターンを予め変更しておき、基板に対する適切な処理を行う。
【解決手段】設定値入力部41からの情報に基づいて、基板回転機構の回転周期、処理ガスの供給周期、処理ガスの供給時間及び処理ガスの供給回数を含む処理ガス供給周期パターン演算結果が、パターン演算部42において求められる。設定値入力部41からの情報に基づいて、基板上に供給される処理ガスの供給領域の形状がシミュレータ49によりシミュレーションされ、その結果がディスプレイ50に表示される。比較部43において、パターン演算部42からの処理ガス供給周期パターンの演算結果と、記憶部45からのプロセス結果に悪影響を与える処理ガス供給周期パターンの参照結果とが比較される。比較部43において、処理ガス供給周期パターンの演算結果と、プロセス結果に悪影響を与える参照結果が一致した場合、アラーム部44からアラームが発せられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板処理装置、その制御装置およびその制御方法に係り、とりわけ基板処理における面内均一性を向上させることができる制御装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、CVD装置等の基板処理装置において、基板上に処理ガスを供給することにより、基板上に成膜を行なっている。この場合、基板を回転させながら、処理ガスを一定時間持続して供給しているため、基板回転周期が基板処理における面内均一性に影響を与えることは稀だった。
【0003】
しかしながら、近年基板上の成膜に対する微細化の要求が高まり、処理ガスを短期間で断続的に供給するようになった。この場合、基板の回転周期と処理ガスの供給周期の関係が基板処理における面内均一性に影響することが判明した。特に原子層堆積法(ALD法)のプロセスにおいて影響があることがわかっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−239304
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、基板の回転周期と処理ガスの供給周期とが基板処理における面内均一性に影響を及ぼすことを考慮して、基板の回転周期および処理ガスの供給周期を制御することによりこの面内均一性の向上を図ることができる基板処理装置、その制御装置およびその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、基板を収納して処理する基板処理室と、基板処理室内の基板を回転自在に保持する基板回転機構と、基板処理室内の基板に対して処理ガスを供給する処理ガス供給部と、基板回転機構および処理ガス供給部を制御する制御装置とを備え、制御装置は基板回転機構の回転速度設定値P、処理ガス供給部からの処理ガスの供給サイクル設定値Q、供給時間設定値Rおよび供給回数設定値Sが入力される設定値入力部と、設定値入力部からの情報に基づいて基板回転機構の回転周期と、処理ガスの供給周期、供給時間および供給回数とを含む処理ガス供給周期パターンの演算結果を求めるパターン演算部と、を有することを特徴とする基板処理装置である。
【0007】
本発明は、制御装置は設定値入力部からの情報に基づいて、基板上に供給される処理ガスの供給領域の形状をシミュレーションするシミュレータを更に有し、シミュレータによるシミュレーション結果はディスプレイに表示されることを特徴とする基板処理装置である。
【0008】
本発明は、制御装置は、プロセス結果に悪影響を与える処理ガス供給周期パターンの参照結果が記憶された記憶部と、パターン演算部で求めた処理ガス供給周期パターンの演算結果と、記憶部からの処理ガス供給周期パターンの参照結果とを比較する比較部と、比較部において処理ガス供給周期パターンの演算結果と処理ガス供給周期パターンの参照結果とが一致した場合にアラームを発するアラーム部とを更に有することを特徴とする基板処理装置である。
【0009】
本発明は、制御装置は、比較部において処理ガス供給周期パターンの演算結果と処理ガス供給周期パターンの参照結果とが一致したと判断された場合に、設定値入力部に対して回転速度設定値P、供給サイクル設定値Q、供給時間設定値Rおよび供給回数設定値Sのいずれかを変更するよう指示する変更指示部と、プロセスの結果に悪影響を与える処理ガス供給周期パターンが新たに発現した場合、この処理ガス供給周期パターンを記憶部の処理ガス供給周期パターンの参照結果に加える教育部と、変更指示部に対して、回転速度設定値P、供給サイクル設定値Q、供給時間設定値Rおよび供給回数設定値Sのうち、いずれの設定値を優先的に変更すべきかの情報を出力する優先順位出力部とを更に有することを特徴とする基板処理装置である。
【0010】
本発明は、優先順位出力部は回転速度設定値Pと供給サイクル設定値Qを優先的に変更するよう変更指示部に出力することを特徴とする基板処理装置である。
【0011】
本発明は、基板回転機構は一枚の基板を載置するサセプタを回転させることを特徴とする基板処理装置である。
【0012】
本発明は、基板回転機構は複数枚の基板を載置するサセプタを回転させることを特徴とする基板処理装置である。
【0013】
本発明は、基板回転機構は複数枚の基板を収納したボートを回転させるボート回転機構からなることを特徴とする基板処理装置である。
【0014】
本発明は、処理ガス供給部は基板回転機構に保持された基板外周に離間して配置された一対の処理ガス供給装置からなり、一方の処理ガス供給装置はAガスを供給し、他方の処理ガス供給装置はAガスと異なるBガスを供給することを特徴とする基板処理装置である。
【0015】
本発明は、基板を収納して処理する基板処理室と、基板処理室内の基板を回転自在に保持する基板回転機構と、基板処理室内の基板に対して処理ガスを供給する処理ガス供給部と、処理ガス供給部とを備えた基板処理装置に使用される制御装置において、基板回転機構の回転速度設定値P、処理ガス供給部からの処理ガスの供給サイクル設定値Q、供給時間設定値Rおよび供給回数設定値Sが入力される設定値入力部と、設定値入力部からの情報に基づいて基板回転機構の回転周期と、処理ガスの供給周期、供給時間および供給回数とを含む処理ガス供給周期パターンの演算結果を求めるパターン演算部と、を備えたことを特徴とする制御装置である。
【0016】
本発明は、設定値入力部からの情報に基づいて、基板上に供給される処理ガスの供給領域の形状をシミュレーションするシミュレータを更に備えたことを特徴とする制御装置である。
【0017】
本発明は、上記記載の基板処理装置の制御方法において、設定値入力部により基板回転機構の回転速度設定値P、処理ガス供給部からの処理ガスの供給サイクル設定値Q、供給時間設定値Rおよび供給回数設定値Sを入力する工程と、設定値入力部からの情報に基づいて、パターン演算部により基板回転機構の回転周期と、処理ガスの供給周期、供給時間および供給回数とを含む処理ガス供給周期パターンの演算値を求める工程と、を備えたことを特徴とする基板処理装置の制御方法である。
【0018】
本発明は、設定値入力部からの情報に基づいて、基板上に供給される処理ガスの供給領域の形状をシミュレータによりシミュレーションするとともに、このシミュレーション結果をディスプレイに表示する工程を備えたことを特徴とする基板処理装置の制御方法である。
【発明の効果】
【0019】
以上のように本発明によれば、パターン演算部で求めた処理ガス供給周期パターンの演算結果と、記憶部からの処理ガス供給周期パターンの参照結果とが、比較部において比較され、比較部において処理ガス供給周期パターンの演算結果と参照結果が一致していると判断された場合、アラーム部からアラームが発せられる。このためプロセス結果に悪影響を与える処理ガス供給周期パターンを予め変更しておくことができ、これにより基板に対する適切な処理を行なって、面間均一性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は本発明による基板処理装置を示す図。
【図2】図2は被処理基板の回転周期と、処理ガスの供給周期と、供給時間と、供給回数を含む処理ガス供給周期パターンを示す図。
【図3】図3は被処理基板に供給された処理ガスの供給領域、供給周期、供給時間、供給回数、基板回転状態を示す図。
【図4】図4(a)(b)は被処理基板に供給された処理ガスの供給領域、供給周期、供給時間、供給回数、基板回転状態を示す図。
【図5】図5は被処理基板に供給された処理ガスの供給領域、供給周期、供給時間、供給回数、基板回転状態を示す図。
【図6】図6は被処理基板に供給された処理ガスの供給領域、供給周期、供給時間、供給回数、基板回転状態を示す図。
【図7】図7は被処理基板上に処理された処理ガスの供給領域の形状を示す図。
【図8】図8は本発明に本発明による基板処理装置が適用された縦型熱処理装置を示す図。
【図9】図9は基板処理装置の変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
まず図8により本発明による基板処理装置が適用される縦型熱処理装置20について説明する。図8に示す縦型熱処理装置はCVD法被処理基板(ウエハ)上に処理ガスを供給して、ウエハ上に成膜を施すものである。
【0022】
図8に示すように縦型処理装置20は加熱手段であるヒータ22と、ヒータ22内に配置され被処理基板(ウエハ)に対して熱処理を施す反応容器(基板処理室)21とを有している。この反応容器21の下端開口は蓋体29によりOリング30を介して気密に閉塞されている。蓋体29上には保温筒28を介してボートBが設けられ、保温筒28はボートBを保持する。ボートBは反応容器21に挿入される。ボートBにはバッチ処理される複数のウエハWが水平姿勢で管軸方向に多段に積載され、ヒータ22は反応容器21に挿入されたウエハWを所定の温度に加熱する。
【0023】
そして、反応容器21へ複数種類のガス、例えばAガスおよびBガスを供給するため制御弁31aが取付けられたガス供給管31が設けられている。
【0024】
またガス供給管31は反応容器21内に延び、ガス供給管31先端に形成されたガス供給孔31bから、反応容器21内に配置されたウエハWに対してガスが供給される。
【0025】
この場合、ガス供給管31と、制御弁31aと、ガス供給孔31bとによって処理ガス供給部31Aが構成される。
【0026】
また反応容器21は真空ポンプ34に接続され、さらに反応容器21内に挿入されたボードBはボード回転機構36によって回転駆動される。
【0027】
そして、これらガス供給管31の制御弁31aと、ボード回転機構36と、ヒータ22は、いずれも後述する制御装置40により制御される。
【0028】
なお、AガスおよびBガスとは別に、ガス供給管31と同様の構造をもつガス供給管によって、パージガスが反応容器21内に供給されるようになっている。
【0029】
上述のように本発明による基板処理装置は、図8に示す縦型熱処理装置20について適用することができるが、その他サセプタS上に1枚のウエハWを載置した基板処理装置にも適用することができ(図9(a))、かつサセプタS上に複数枚のウエハWを載置した基板処理装置にも適用することができる(図9(b))。
【0030】
なお、基板回転機構としては、必ずしもボート回転機構36に限られることはなく、1枚のウエハWを載置したサセプタS、あるいは複数枚のウエハWを載置したサセプタSを回転させる基板回転機構(図示せず)から構成してもよい(図9(a)(b))。
【0031】
また基板処理室21内のウエハWに対して処理ガスを供給するため、ウエハWの外周に対向する一対の処理ガス供給部31A、32Aを設けてもよく、この場合各処理ガス供給部31A、32Aから互いに異なるAガス、Bガスが供給される(図1の実線および二点鎖線)。
【0032】
あるいはウエハWの外周に対向する一対の処理ガス供給部31A、32Aを設けてもよく、この場合は一方の処理ガス供給部31AからAガスを供給してもよく、対向する他方の処理ガス供給部32AからAガスと異なるBガスを供給してもよい。また一対の処理ガス供給部31A、32Aから同一のAガスを供給してもよい。
【0033】
また図1に示すように、制御装置40は基板回転機構の回転速度設定値P、処理ガス供給部31A,32AからのAガスとBガスとからなる処理ガスの供給サイクル設定値Q、処理ガスの供給時間設定値R、および処理ガスの供給回数設定値Sが入力される設定値入力部41と、設定値入力部からの情報に基づいて基板回転機構の回転周期と、処理ガスの供給周期とを含む処理ガス供給周期パターンの演算結果を求めるパターン演算部42と、プロセス結果に悪影響を与える処理ガス供給周期パターンの参照結果が記憶された記憶部45と、パターン演算部42で求めた処理ガス供給周期パターンの演算結果と、記憶部45からの処理ガス供給周期パターンの参照結果とを比較する比較部43と、比較部43において処理ガス供給周期パターンの演算結果と処理ガス供給周期パターンの参照結果とが一致した場合にアラームを発するアラーム部44とを備えている。このことから、実際の処理前に不具合をみつけることが可能となる。
【0034】
さらに比較部43において処理ガス供給周期パターンの演算結果と処理ガス供給周期パターンの参照結果とが一致したと判断した場合、変更指示部47により設定値入力部41に対して回転速度設定値P、供給サイクル設定値Q、供給時間設定値Rおよび供給回転設定値Sのいずれかを変更するよう指示するようになっている。このことから、自動的に不具合を回避することが可能となる。
【0035】
またプロセスの結果に悪影響を与える処理ガス供給周期パターンが新たに発現した場合、この処理ガス供給周期パターンは教育部46によって記憶部45の処理ガス供給周期パターンの参照結果に追加される。
【0036】
また制御装置40は変更指示部47に対して回転速度設定値P、供給サイクル設定値Q、供給時間設定値Rおよび供給回数設定値Sのうち、いずれの設定値を優先的に変更すべきかの情報を出力する優先順位出力部48を更に有し、この優先順位出力部48は回転速度設定値Pと供給サイクル設定値Qを優先的に補正するよう、変更指示部47に指示するようになっている。
【0037】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0038】
まず、図1に示す制御装置40において、設定値入力部41から基板回転機構の回転速度設定値Pと、処理ガス供給部31Aまたは32Aの処理ガスの供給サイクル設定値Qと、処理ガスの供給時間設定値Rと、処理ガスの供給回数設定値Sが入力される。
【0039】
この場合、処理ガスの供給サイクル設定値Q、供給時間設定値R、および供給回数設定値Sは、あらかじめレシピ作成部において作成されて設定される。
【0040】
次に設定値入力部41からの情報に基づいて、基板回転機構の回転周期と、処理ガスの供給周期と、処理ガスの供給時間と、処理ガスの供給回数とを含む処理ガス供給パターンの演算結果P1がパターン演算部42において求められる。
【0041】
ここで図2は、パターン演算部42において演算して求められた処理ガス供給パターンの演算結果P1を示す図である。図2においてAガスおよびBガスの供給周期とウエハWの回転周期は一致しておらず、AガスおよびBガスを均一にウエハW上に供給するためには、ウエハWを5回以上回転させる必要がある。
【0042】
記憶部45内には、基板処理装置において処理されたウエハWに対するプロセス結果に悪影響を与える処理ガス供給パターンの参照結果が予め内蔵されている。
【0043】
また、基板回転機構の回転周期、処理ガスの供給周期、処理ガスの供給時間、処理ガスの供給回数を含むある処理ガス供給パターンに基づいて、ウエハWに対して熱処理を施した場合に、面内均一性等について不具合が生じた場合、このような問題が生じた処理ガス供給パターンが参照結果として記憶部45に新たに記憶される。
【0044】
次に、比較部43において、パターン演算部42において求めた処理ガス供給周期パターンの演算結果P1と、記憶部45からの処理ガス供給周期パターンの参照結果が比較され、比較部43において処理ガス供給周期パターンの演算結果P1と、処理ガス供給周期パターンの参照結果が一致していると判断された場合、処理ガス供給周期パターンの演算結果に基づいてウエハWに対して熱処理を施すと、同様な不具合が生じると判断してアラーム部44からアラームが発せられる。
【0045】
また比較部43において、処理ガス供給周期パターンの演算結果P1と処理ガス供給周期パターンの参照結果とが一致したと判断された場合、変更指示部47から設定値入力部41に対して回転速度設定値P、供給サイクル設定値Q、供給時間設定値Rおよび供給回数設定値Sのいずれかを変更するよう指示が出される。
【0046】
この場合、優先順位出力部48は、変更指示部47に対して、回転速度設定値P、供給サイクル設定値Q、供給時間設定値Rおよび供給回数設定値Sのうち、いずれかの設定値を優先的に変更すべきかの情報を出力する。
【0047】
また制御装置40のシミュレータ49は、設定値入力部41の情報に基づいてウエハW上に供給される処理ガスの供給領域の形状をシミュレーションし、そのシミュレーション結果はディスプレイ50上に表示される。
【0048】
図3乃至図7により、制御装置40のシミュレータ49により求められたウエハW上の処理ガスの供給領域の形状について説明する。
【0049】
まず、図3に示すようにウエハWを60秒間で1回転させ、供給時間15秒間として、60秒間の供給周期でウエハWに対してAガスを供給する。この場合、ウエハWを4回転させることによって、ウエハW全域にAガスを供給することができる。
【0050】
また、図4(a)に示すように、ウエハWを60秒間で1回転させ、供給時間5秒間として、10秒間の供給周期でウエハWに対してAガスを供給する。ウエハWを60秒間で1回転させ、Aガスを供給時間5秒間、供給周期10秒間で供給した場合、ウエハW上においてAガスの供給位置が一致してしまうため、供給位置を変化させるために、Aガスの供給タイミングを周期的に変更している。
【0051】
また、図4(b)に示すように、ウエハWを60秒間で1回転させ、供給時間5秒間として、56秒間の供給周期でウエハWに対してAガスを供給する。この場合、供給回数を30回とすると、ウエハW全域に供給することはできず、アラーム部44からアラームが発せられる。または、変更指示部47からの信号に基づいて、設定値入力部41において、供給回数設定値を60回に増やしたり、供給時間設定値を6秒間にしたり、あるいは回転速度設定値を2回転/60秒に変更する。これは優先順位出力部46により選択される。
【0052】
このようにしてウエハWの全面に渡ってAガスを供給することができる。
【0053】
また図5に示すように、ウエハWの同一位置に対してAガスとBガスを供給することもできる。さらに図6に示すようにウエハWの180°向き合う対向する位置に対してAガスとBガスを供給することもできる。
【0054】
また図7(a)(b)に示すように、シミュレータ49によって、処理ガス供給部31Aから供給されるAガスのウエハWへの噴射形状50Aを予め求めておき(図7(a))、シミュレータ49により供給回数設定値Sの回数からウエハW上への供給領域の形状50Bを求める。これらAガスの噴射形状50A、および供給領域の形状50Bはディスプレイ50上に表示される。
【0055】
以上のように本実施の形態によれば、パターン演算部42で求めた処理ガス供給周期パターンの演算結果と、記憶部45からのプロセス結果に悪影響を与える処理ガス供給周期パターンの参照結果とが比較部43において比較され、比較部43において処理ガス供給周期パターンの演算結果と参照結果が一致していると判断された場合、アラーム部44からアラームが発せられる。このため、プロセス結果に悪影響を与える処理ガス供給周期パターンを予め変更しておくことができ、これにより基板に対する適切な処理を行なって面間均一性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0056】
20 縦型熱処理装置
21 反応容器
22 ヒータ
28 キャップ
30 0リング
31 ガス供給管
31a 制御弁
31b ガス供給孔
31A 処理ガス供給部
32A 処理ガス供給部
40 制御装置
41 設定値入力部
42 パターン演算部
43 比較部
44 アラーム部
45 記憶部
46 教育部
47 変更指示部
48 優先順位出力部
49 シミュレータ
50 ディスプレイ
B ボート
S サセプタ
W ウエハ
P1 処理ガス供給周期の演算結果

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を収納して処理する基板処理室と、
基板処理室内の基板を回転自在に保持する基板回転機構と、
基板処理室内の基板に対して処理ガスを供給する処理ガス供給部と、
基板回転機構および処理ガス供給部を制御する制御装置とを備え、
制御装置は基板回転機構の回転速度設定値P、処理ガス供給部からの処理ガスの供給サイクル設定値Q、供給時間設定値Rおよび供給回数設定値Sが入力される設定値入力部と、
設定値入力部からの情報に基づいて基板回転機構の回転周期と、処理ガスの供給周期、供給時間および供給回数とを含む処理ガス供給周期パターンの演算結果を求めるパターン演算部と、を有することを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
制御装置は設定値入力部からの情報に基づいて、基板上に供給される処理ガスの供給領域の形状をシミュレーションするシミュレータを更に有し、シミュレータによるシミュレーション結果はディスプレイに表示されることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
制御装置は、
プロセス結果に悪影響を与える処理ガス供給周期パターンの参照結果が記憶された記憶部と、
パターン演算部で求めた処理ガス供給周期パターンの演算結果と、記憶部からの処理ガス供給周期パターンの参照結果とを比較する比較部と、
比較部において処理ガス供給周期パターンの演算結果と処理ガス供給周期パターンの参照結果とが一致した場合にアラームを発するアラーム部とを更に有することを特徴とする請求項1または2記載の基板処理装置。
【請求項4】
制御装置は、比較部において処理ガス供給周期パターンの演算結果と処理ガス供給周期パターンの参照結果とが一致したと判断された場合に、設定値入力部に対して回転速度設定値P、供給サイクル設定値Q、供給時間設定値Rおよび供給回数設定値Sのいずれかを変更するよう指示する変更指示部と、
プロセスの結果に悪影響を与える処理ガス供給周期パターンが新たに発現した場合、この処理ガス供給周期パターンを記憶部の処理ガス供給周期パターンの参照結果に加える教育部と、
変更指示部に対して、回転速度設定値P、供給サイクル設定値Q、供給時間設定値Rおよび供給回数設定値Sのうち、いずれの設定値を優先的に変更すべきかの情報を出力する優先順位出力部とを更に有することを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項5】
優先順位出力部は回転速度設定値Pと供給サイクル設定値Qを優先的に変更するよう変更指示部に出力することを特徴とする請求項4記載の基板処理装置。
【請求項6】
基板回転機構は一枚の基板を載置するサセプタを回転させることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項7】
基板回転機構は複数枚の基板を載置するサセプタを回転させることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項8】
基板回転機構は複数枚の基板を収納したボートを回転させるボート回転機構からなることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項9】
処理ガス供給部は基板回転機構に保持された基板外周に離間して配置された一対の処理ガス供給装置からなり、
一方の処理ガス供給装置はAガスを供給し、他方の処理ガス供給装置はAガスと異なるBガスを供給することを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項10】
基板を収納して処理する基板処理室と、
基板処理室内の基板を回転自在に保持する基板回転機構と、
基板処理室内の基板に対して処理ガスを供給する処理ガス供給部と、
処理ガス供給部とを備えた基板処理装置に使用される制御装置において、
基板回転機構の回転速度設定値P、処理ガス供給部からの処理ガスの供給サイクル設定値Q、供給時間設定値Rおよび供給回数設定値Sが入力される設定値入力部と、
設定値入力部からの情報に基づいて基板回転機構の回転周期と、処理ガスの供給周期、供給時間および供給回数とを含む処理ガス供給周期パターンの演算結果を求めるパターン演算部と、を備えたことを特徴とする制御装置。
【請求項11】
設定値入力部からの情報に基づいて、基板上に供給される処理ガスの供給領域の形状をシミュレーションするシミュレータを更に備えたことを特徴とする請求項10記載の制御装置。
【請求項12】
請求項1記載の基板処理装置の制御方法において、
設定値入力部により基板回転機構の回転速度設定値P、処理ガス供給部からの処理ガスの供給サイクル設定値Q、供給時間設定値Rおよび供給回数設定値Sを入力する工程と、
設定値入力部からの情報に基づいて、パターン演算部により基板回転機構の回転周期と、処理ガスの供給周期、供給時間および供給回数とを含む処理ガス供給周期パターンの演算値を求める工程と、
を備えたことを特徴とする基板処理装置の制御方法。
【請求項13】
設定値入力部からの情報に基づいて、基板上に供給される処理ガスの供給領域の形状をシミュレータによりシミュレーションするとともに、このシミュレーション結果をディスプレイに表示する工程を備えたことを特徴とする請求項12記載の基板処理装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−241460(P2011−241460A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116481(P2010−116481)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】