説明

基板洗浄装置および基板洗浄方法

【課題】被処理基板に対する洗浄効果を向上させることができるとともに、被処理基板の表面に洗浄液の液膜が形成されやすくなり、被処理基板にウォーターマークが形成されることを抑止することができる基板洗浄装置および基板洗浄方法を提供する。
【解決手段】基板洗浄装置1(2、3)は、洗浄液を供給する洗浄液供給部と、液滴生成用ガスを供給する液滴生成用ガス供給部と、洗浄液供給部から供給される洗浄液と液滴生成用ガス供給部から供給される液滴生成用ガスとを混合することにより生成される洗浄液の液滴を被処理基板Wの一部分に噴霧する二流体ノズル20と、被処理基板Wの一部分の加熱を行う加熱部40(60)と、を備えている。被処理基板Wにおける一の箇所に二流体ノズル20が洗浄液の液滴を噴霧する直前に、この一の箇所の加熱を加熱部40(60)により行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二流体ノズルを用いて被処理基板の洗浄を行う基板洗浄装置および基板洗浄方法に関し、とりわけ、被処理基板に対する洗浄効果を向上させることができるとともに、被処理基板にウォーターマークが形成されることを抑止することができる基板洗浄装置および基板洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造工程において、半導体ウエハ(以下、単にウエハともいう。)に成膜処理やエッチング処理等の処理を行う際にパーティクルが付着する場合がある。このため、ウエハの洗浄処理を行う必要がある。
【0003】
ウエハに対して洗浄処理を行うような基板洗浄装置としては、例えばウエハをスピンチャック上で回転させながらその表面に純水や薬液からなる洗浄液をノズル等から供給することによりウエハを洗浄し、その後ウエハに対してリンス処理を行い、最後にウエハを高速回転させることにより乾燥させるようなものが知られている。
【0004】
ここで、ウエハに洗浄液を供給するノズルとして、二流体ノズルが用いられる場合がある。二流体ノズルとは、一般的にガスと液体とを混合させることにより微小な液滴を生成し、この微小な液滴を噴霧する方式のノズルのことをいう。二流体ノズルには純水等の洗浄液および窒素ガス等の液滴生成用ガスが別々の経路から供給され、この二流体ノズルの内部で液滴生成用ガスと洗浄液とが混合することにより洗浄液の液滴が生成され、この洗浄液の液滴がウエハの一部分に対して噴霧されるようになっている。また、二流体ノズルは、ウエハの表面に沿ってこの表面とわずかに距離を隔てて水平方向に移動するようになっている。ウエハが回転しているときに二流体ノズルがウエハの表面に沿って移動することにより当該二流体ノズルからウエハの表面にまんべんなく均一に洗浄液の液滴が噴霧され、ウエハの表面に洗浄液の液膜が生成されることになる。
【0005】
ところで、二流体ノズルを用いてウエハの洗浄処理を行う際に、ウエハを載置するスピンチャックをヒータ等の加熱部により加熱する方法が知られている(例えば、特許文献1等参照)。このようなウエハの洗浄処理方法では、スピンチャックを加熱することにより当該スピンチャックに載置されたウエハも加熱される。このように、ウエハの表面に洗浄液の液滴を噴霧する際に、ウエハが加熱されている場合には、ウエハが常温のままこのウエハに洗浄液の液滴を噴霧する場合と比較して洗浄効果を向上させることができる。
【0006】
【特許文献1】特開2005−251847号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、スピンチャックを加熱することにより当該スピンチャックに載置されたウエハを加熱しながらこのウエハの表面に洗浄液の液滴を噴霧する方法には以下の問題点がある。すなわち、ウエハ全体が加熱された状態にあるので、ウエハの表面に洗浄液の液滴が噴霧されると、このウエハの表面に付着した洗浄液の液滴はすぐに乾燥してしまい、ウエハの表面に洗浄液の液膜が形成されにくくなってしまう。このため、ウエハにウォーターマークが形成されてしまうという問題が生じる。
【0008】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、被処理基板に対する洗浄効果を向上させることができるとともに、被処理基板の表面に洗浄液の液膜が形成されやすくなり、被処理基板にウォーターマークが形成されることを抑止することができ、また、被処理基板に対する不純物の再付着を防止することができる基板洗浄装置および基板洗浄方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の基板洗浄装置は、洗浄液と液滴生成用ガスとを混合して洗浄液の液滴を生成し、被処理基板の一部分に対してこの洗浄液の液滴を噴霧する二流体ノズルと、被処理基板の全体ではない一部分を加熱する加熱部であって、被処理基板における一の箇所に前記二流体ノズルが洗浄液の液滴を噴霧する直前に、この一の箇所の加熱を行うような加熱部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の基板洗浄方法は、被処理基板の全体ではない一部分である一の箇所の加熱を加熱部により行う工程と、被処理基板における一の箇所に対して加熱が行われた直後に、二流体ノズルにおいて洗浄液と液滴生成用ガスとを混合することにより生成された洗浄液の液滴をこの一の箇所に噴霧する工程と、を備え、被処理基板における一の箇所に前記二流体ノズルが洗浄液の液滴を噴霧する直前に前記加熱部がこの一の箇所の加熱を行うように前記加熱部および前記二流体ノズルが被処理基板の表面に沿って移動することを特徴とする。
【0011】
このような基板洗浄装置および基板洗浄方法によれば、被処理基板における一の箇所に洗浄液の液滴を噴霧する直前に、この一の箇所の加熱を行うようになっている。このため、被処理基板が常温のままこの被処理基板に洗浄液の液滴を噴霧する場合と比較して洗浄効果を向上させることができる。また、被処理基板の加熱を部分的に、しかも洗浄液の液滴を噴霧する直前に行うことにより、被処理基板全体を予め加熱しておく方法と比較して被処理基板の表面に付着した洗浄液の液滴が乾燥されにくくなる。このことにより、被処理基板の表面に洗浄液の液膜が形成されやすくなり、被処理基板にウォーターマークが形成されることを抑止することができる。また、被処理基板に対する不純物の再付着を防止することができるようになる。また、このような基板洗浄装置および基板洗浄方法は、二流体ノズルによる洗浄工程の前に被処理基板に対して薬液処理を行う場合、高温の被処理基板に供給されることが好ましくないような薬液が用いられるときにとりわけ有効である。
【0012】
本発明の基板洗浄装置および基板洗浄方法においては、前記加熱部は、前記被処理基板の一部分のみならず前記二流体ノズルから噴霧される洗浄液の液滴をも加熱するようになっていることが好ましい。この際に、前記加熱部はランプであってもよい。このように、例えばランプ等の加熱部が二流体ノズルから噴霧される洗浄液の液滴をも加熱することにより、この洗浄液の液滴の粒径を小さくすることができる。このため、被処理基板に対する洗浄効果をより一層向上させることができる。また、液滴の粒径が小さくなるので噴霧の際の被処理基板に対するダメージを軽減することができる。
【0013】
あるいは、本発明の基板洗浄装置および基板洗浄方法においては、前記加熱部は、被処理基板よりも温度が高いガスを被処理基板の一部に対して噴射するガスノズルであってもよい。この際に、前記ガスノズルは前記二流体ノズルを囲むようこの二流体ノズルの周囲に設置されており、前記二流体ノズルから被処理基板に向かって噴霧される洗浄液の液滴は前記ガスノズルから被処理基板に向かって噴射されるガスによりその噴霧方向が調整されることが特に好ましい。このように、ガスノズルは二流体ノズルを囲むようこの二流体ノズルの周囲に設置されているので、ガスノズルから被処理基板に向かって下向きに噴射されるガスによって、二流体ノズルから被処理基板に向かって下向きに噴霧される洗浄液の液滴が拡散することを抑止することができる。このことにより、洗浄液の液滴の噴霧方向を安定させることができる。しかも、ガスノズルから噴射される高温のガスにより洗浄液の液滴も加熱されることとなるので、液滴の粒径を小さくすることができ、このため、被処理基板に対する洗浄効果をより一層向上させることができる。
【0014】
本発明の基板洗浄装置においては、被処理基板の基板面に沿ってこの基板面と距離を隔てて前記二流体ノズルを移動させる二流体ノズル駆動機構と、被処理基板の基板面に沿ってこの基板面と距離を隔てて前記加熱部を移動させる加熱部駆動機構であって、被処理基板における一の箇所に前記二流体ノズルが洗浄液の液滴を噴霧する直前に前記加熱部がこの一の箇所の加熱を行うように前記加熱部を移動させる加熱部駆動機構と、を更に備えたことが好ましい。
【0015】
あるいは、本発明の基板洗浄装置においては、被処理基板の基板面に沿ってこの基板面と距離を隔てて前記二流体ノズルおよび前記加熱部を一体的に移動させる一体型駆動機構であって、前記加熱部が前記二流体ノズルよりも先行するよう前記二流体ノズルおよび前記加熱部を移動させる一体型駆動機構を更に備えたことが好ましい。
【0016】
本発明の基板洗浄装置および基板洗浄方法においては、前記二流体ノズルに送られる洗浄液および液滴生成用ガスの少なくともいずれか一方は加熱されたものであることが好ましい。このことにより、二流体ノズルから噴霧される洗浄液の液滴は高温のものとなるので、当該洗浄液の液滴の粒径は小さくなる。このため、被処理基板に対する洗浄効果をより一層向上させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の基板洗浄装置および基板洗浄方法によれば、被処理基板に対する洗浄効果を向上させることができるとともに、被処理基板の表面に洗浄液の液膜が形成されやすくなり、被処理基板にウォーターマークが形成されることを抑止することができる。また、被処理基板に対する不純物の再付着を防止することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
〔第1の実施の形態〕
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。図1および図2は、本発明による基板洗浄装置の第1の実施の形態を示す図である。
このうち、図1は、本発明の第1の実施の形態における基板洗浄装置の構成を示す概略構成図であり、図2は、図1に示す基板洗浄装置における二流体ノズルおよび赤外線ランプの構成の詳細を示す図である。
【0019】
まず、本実施の形態の基板洗浄装置1の概略的な構成について図1を用いて説明する。この基板洗浄装置1は、被処理基板としての半導体ウエハ(以下、単にウエハともいう。)Wを洗浄するためのものである。
【0020】
基板洗浄装置1は、チャンバー10と、このチャンバー10内に設置された、ウエハWを保持するためのスピンチャック12と、を備えている。スピンチャック12の具体的な構成については後述する。
【0021】
チャンバー10内において、スピンチャック12の側方を取り囲むように略円筒状の外筒16が設けられている。外筒16の中心軸はスピンチャック12の回転軸部の中心軸と略一致しており、この外筒16は、下端に底板が設けられているとともに上端は開口している。
【0022】
外筒16の底板には洗浄液排出管50の一端が接続されている。ここで、ウエハWに対する洗浄等に用いられ外筒16の底板に送られた洗浄液は洗浄液排出管50を介して排出される。
【0023】
スピンチャック12は、ウエハWをほぼ水平に保持しながら回転するものであり、具体的には、鉛直方向に延びるよう配置された回転軸部と、この回転軸部の上端に取り付けられた円板状のスピンベースとを有している。スピンチャック12によりウエハWを保持する際に、当該ウエハWはスピンベースの上面に載置されるようになっている。回転軸部にはモータ等のスピンチャック駆動機構(図示せず)が取り付けられており、このスピンチャック駆動機構は回転軸部をその中心軸のまわりに回転させることができるようになっている。このことにより、スピンチャック12に保持されたウエハWを水平面上で回転させることができるようになっている。また、スピンチャック12はスピンチャック昇降機構(図示せず)により鉛直方向にも往復移動することができるようになっている。このことにより、ウエハWを搬入してスピンチャック12に保持させるときや、スピンチャック12上にあるウエハWを搬出するときには、スピンチャック12の上端を外筒16の上端よりも高くすることができる。一方、スピンチャック12に保持されたウエハWに対して二流体ノズル20(後述)から洗浄液を供給するときには、スピンチャック12に保持されたウエハWの側方に外筒16の側壁が位置するようにすることができる。
【0024】
チャンバー10内においてスピンチャック12により保持されたときのウエハWの上方の位置に、二流体ノズル20が下向きに設けられている。この二流体ノズル20は、アーム22を介して回転軸部24に連結されている。回転軸部24には、当該回転軸部24を正逆両方向に回転させるアーム駆動機構(図示せず)が設けられている。このアーム駆動機構が、回転軸部24を中心としてアーム22を水平方向に回転させることにより、二流体ノズル20を、ウエハWの中心部の上方の位置(図1参照)からウエハWの周縁部の外方の位置までの範囲内で水平面に沿って往復移動させるようになっている。また、アーム駆動機構は、回転軸部24を鉛直方向に往復移動させることができるようになっている。このことにより、二流体ノズル20の先端と、スピンチャック12に保持されたウエハWとの間隔を調整することができるようになっている。また、図1に示すようにアーム22には赤外線ランプ40が下向きに取り付けられている。この赤外線ランプ40は、その下方におけるウエハWの全体ではない一部分を加熱するようになっている。なお、図2において、二点鎖線41で示される領域は、赤外線ランプ40により熱照射される範囲を示している。二流体ノズル20および赤外線ランプ40は、アーム22の移動に伴ってウエハWの上方で水平方向に一体的に移動するようになっている。
【0025】
図1においては単に赤外線ランプ40および二流体ノズル20がアーム22に取り付けられた例を概略的に示しているに過ぎないが、アーム22に対する赤外線ランプ40および二流体ノズル20の詳細の取り付け位置について説明すると、水平面に沿った移動方向において赤外線ランプ40が二流体ノズル20に先行するよう、かつ赤外線ランプ40および二流体ノズル20が近傍に位置するよう、アーム22に対する赤外線ランプ40および二流体ノズル20の各々の取り付け位置が設定されている。すなわち、アーム駆動機構が回転軸部24を中心としてアーム22を水平方向に回転させると、このアーム22はウエハWの上方で水平方向に移動することとなるが、この際にまず赤外線ランプ40がウエハWの一の箇所を加熱し、その直後にこの加熱された一の箇所に対して二流体ノズル20が洗浄液の液滴を噴霧することとなる。
【0026】
二流体ノズル20の構成について、図2を参照して具体的に説明する。二流体ノズルとは、前述のように、一般的にガスと液体とを混合させることにより微小な液滴を生成し、この微小な液滴を噴霧する方式のノズルのことをいう。図2において、二点鎖線21で示される領域は、二流体ノズル20から噴霧される洗浄液の液滴の噴霧範囲を示している。本実施の形態においては、二流体ノズル20には、洗浄液供給管26(後述)を介して純水や薬液からなる洗浄液が供給されるとともに、窒素ガス供給管28(後述)から窒素ガスが供給されるようになっている。二流体ノズル20は例えばフッ素樹脂から形成された略円柱状のノズル本体20aを有しており、このノズル本体20aの内部には、洗浄液供給管26に連通するような洗浄液流路20bと、窒素ガス供給管28に連通するような窒素ガス流路20cとがそれぞれ設けられている。これらの洗浄液流路20bおよび窒素ガス流路20cはノズル本体20a内部にある三つ又状の合流部20dで合流し、この合流部20dから二流体ノズル20の吐出口20eまで内部流路が更に形成されている。
【0027】
このような二流体ノズル20においては、ノズル本体20a内において、洗浄液供給管26から洗浄液流路20bに送られた洗浄液と、窒素ガス供給管28から窒素ガス流路20cに送られた窒素ガスとが合流部20dで衝突して混合し、このことにより当該合流部20dにおいて洗浄液の液滴が形成され、ウエハWに対して吐出口20eからこの洗浄液の液滴が噴霧されるようになっている。
【0028】
図1に示すように、洗浄液供給管26の上流側端部には洗浄液タンク30が設けられており、この洗浄液タンク30には純水や薬液からなる洗浄液が貯留されている。そして、ポンプ等の図示しない圧送手段により、洗浄液タンク30から洗浄液が洗浄液供給管26に送られるようになっている。また、洗浄液供給管26には、開度調整が可能なバルブ34、およびパーティクル除去用のフィルタ38が介設されている。ここで、洗浄液タンク30、洗浄液供給管26、バルブ34等により、二流体ノズル20へ洗浄液を供給するための洗浄液供給部が構成されている。
【0029】
また、二流体ノズル20には窒素ガス供給管28が接続されており、この窒素ガス供給管28の上流側端部には窒素ガス供給機構32が設けられている。この窒素ガス供給機構32は高圧の窒素ガスを窒素ガス供給管28に供給することができるようになっている。また、窒素ガス供給管28にはバルブ36が介設されている。このバルブ36の開度を変え、二流体ノズル20に送られる窒素ガスの圧力(流量)を変えることにより、二流体ノズル20において生成される洗浄液の液滴の粒径を変化させることができる。このことにより、洗浄液の液滴によるウエハWの洗浄処理性能を変化させることができる。ここで、窒素ガス供給機構32、窒素ガス供給管28およびバルブ36等により、液滴生成用ガス供給部が構成されている。
【0030】
次に、このような構成からなる基板洗浄装置1の動作について説明する。
【0031】
まず、スピンチャック昇降機構によりスピンチャック12を上方に移動させた状態においてウエハWをチャンバー10内に搬入し、このスピンチャック12にウエハWを保持させる。そして、スピンチャック12を降下させ、このスピンチャック12の側方に外筒16の側壁が位置するようにする。
【0032】
次に、チャンバー10内においてスピンチャック12に保持されて回転するウエハWに対して洗浄液を供給する。具体的には、バルブ34、36を同時に開状態とし、二流体ノズル20に洗浄液および窒素ガスを同時に供給し、この二流体ノズル20から洗浄液の液滴を、回転するスピンチャック12上のウエハWに噴霧するようにする。同時に、赤外線ランプ40をオンとし、この赤外線ランプ40によりウエハWの全体ではない一部分を加熱するようにする。
【0033】
そして、アーム駆動機構により回転軸部24を中心としてアーム22を水平方向に回転させる。そうすると、このアーム22はウエハWの上方で、ウエハWの略中心から周縁に向かって水平方向に移動することとなり、当該アーム22に取り付けられた二流体ノズル20および赤外線ランプ40は一体的に同方向に移動することとなる。ここで、図2の矢印方向に示すように、赤外線ランプ40が二流体ノズル20よりも先行するよう、二流体ノズル20および赤外線ランプ40が一体的に移動するようになっているので、まず赤外線ランプ40がウエハWの一の箇所を加熱し、その直後にこの加熱された一の箇所に対して二流体ノズル20が洗浄液の液滴を噴霧することとなる。
【0034】
このように、アーム駆動機構によってウエハWの上方でアーム22を水平方向に移動させることにより、このアーム22に取り付けられた二流体ノズル20がウエハWの上面に対してまんべんなく均一に洗浄液の液滴を噴霧し、このウエハWの上面に洗浄液の液膜が形成されることとなる。
【0035】
二流体ノズル20がウエハWの外周に移動し、二流体ノズル20からの洗浄液の噴霧を停止し、スピンチャック駆動機構がスピンチャック12を高速回転させることにより、このスピンチャック12に保持されたウエハWも高速回転させられ、このことによりウエハWの乾燥が行われる。
【0036】
以上のように本実施の形態による基板洗浄装置1および基板洗浄方法によれば、ウエハWにおける一の箇所に洗浄液の液滴を噴霧する直前に、この一の箇所の加熱を行うようになっている。このため、ウエハWが常温のままこのウエハWに洗浄液の液滴を噴霧する場合と比較して洗浄効果を向上させることができる。また、ウエハWの加熱を部分的に、しかも洗浄液の液滴を噴霧する直前に行うことにより、ウエハW全体を予め加熱しておく方法と比較してウエハWの表面に付着した洗浄液の液滴が乾燥されにくくなる。このことにより、ウエハWの表面に洗浄液の液膜が形成されやすくなり、ウエハWにウォーターマークが形成されることを抑止することができる。特に、二流体ノズル20の移動に伴い、噴霧された後のウエハWの箇所の乾燥を防ぐことに有効である。また、ウエハWに対する不純物の再付着を防止することができるようになる。また、このような基板洗浄装置1および基板洗浄方法は、二流体ノズル20による洗浄工程の前にウエハWに対して薬液処理を行う場合、高温のウエハWに供給されることが好ましくないような薬液が用いられるときにとりわけ有効である。
【0037】
なお、ウエハWにおける一の箇所に洗浄液の液滴を噴霧する直前に、この一の箇所の加熱を行うような加熱部としては、赤外線ランプに限定されることはなく、他の種類のランプ、具体的には例えば水銀ランプ、ハロゲンランプ等を用いることもできる。あるいは、加熱部としてヒータ等、他の種類のものを用いてもよい。
また、更に他の種類の加熱部としては、高温の空気や窒素ガス等の高温ガスをウエハWに噴射するようなガスノズルを用いることができるが、このようなガスノズルを加熱部とする構成については後述の第2の実施の形態や第3の実施の形態において詳述する。
【0038】
また、二流体ノズル20および赤外線ランプ40をウエハWの上面で移動させる駆動機構は、図1に示すような二流体ノズル20および赤外線ランプ40を一体的に移動させる一体型のアーム駆動機構に限定されることはない。代わりに、ウエハWの表面に沿ってこの表面と距離を隔てて二流体ノズル20のみを移動させる二流体ノズル駆動機構(図示せず)と、ウエハWの表面に沿ってこの表面と距離を隔てて赤外線ランプ40のみを移動させる赤外線ランプ駆動機構(図示せず)とが互いに独立して設けられていてもよい。この場合、ウエハWにおける一の箇所に二流体ノズル20が洗浄液の液滴を噴霧する直前に赤外線ランプ40がこの一の箇所の加熱を行うように、二流体ノズル駆動機構および赤外線ランプ駆動機構はそれぞれ二流体ノズル20および赤外線ランプ40を移動させるようになっている。
【0039】
また、二流体ノズル20および赤外線ランプ40の位置関係は、図2に示すようなものに限定されることはない。代わりに、図3に示すように赤外線ランプ40がウエハWの一部分のみならず二流体ノズル20から噴霧される洗浄液の液滴をも加熱するよう、アーム22に対する二流体ノズル20および赤外線ランプ40の取り付け位置が設定されていてもよい。なお、図3において、二点鎖線21で示される領域は、二流体ノズル20から噴霧される洗浄液の液滴の噴霧範囲を示しており、二点鎖線41で示される領域は、赤外線ランプ40により熱照射される範囲を示している。
【0040】
図3に示すような構成においては、二流体ノズル20から噴霧された洗浄液の液滴はウエハWに付着する前に赤外線ランプ40により加熱させられることとなる。そして、赤外線ランプ40により加熱させられた洗浄液の液滴がウエハWの表面に付着する。
【0041】
二流体ノズル20および赤外線ランプ40の位置関係が図3に示すようになっている場合には、赤外線ランプ40が二流体ノズル20から噴霧される洗浄液の液滴をも加熱することにより、この洗浄液の液滴は加熱されることにより液滴の粒径を小さくすることができる。このため、ウエハWに対する洗浄効果をより一層向上させることができる。また、液滴の粒径が小さくなるので噴霧の際のウエハWに対するダメージを軽減することができる。
【0042】
〔第2の実施の形態〕
次に、図面を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。図4は、本発明の第2の実施の形態における基板洗浄装置の構成を示す概略構成図である。
【0043】
図4に示す基板洗浄装置2は、ウエハWの一部分の加熱を行うような加熱部として、赤外線ランプ40の代わりに、高温の空気や窒素ガス等の高温ガスをウエハWに噴射するようなガスノズル60を用いた点が異なるのみであり、他は実質的に図1および図2に示す第1の実施の形態と同様の構成を有している。
図4に示す第2の実施の形態において、図1および図2に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0044】
以下、本実施の形態の基板洗浄装置2の構成について詳述する。
図2に示すように、アーム22には二流体ノズル20の他にガスノズル60が下向きに取り付けられている。ガスノズル60は、高温の空気や窒素ガス等の高温ガスをウエハWに噴射することにより、ウエハWの一部分を加熱するようになっている。このガスノズル60には高温ガス供給管66が接続されており、この高温ガス供給管66の上流側端部には高温ガス供給機構68が設けられている。この高温ガス供給機構68は、高圧かつ高温のガスを高温ガス供給管66に供給することができるようになっている。具体的には、高温ガス供給機構68から供給される高温ガスは、ウエハWの温度よりも温度が高くなっている。また、高温ガス供給管66にはバルブ67が介設されている。このバルブ67の開度を変えることにより、ガスノズル60に送られる高温ガスの圧力(流量)を変えることができるようになっている。
【0045】
図4においては単にガスノズル60および二流体ノズル20がアーム22に取り付けられた例を概略的に示しているに過ぎないが、アーム22に対するガスノズル60および二流体ノズル20の詳細の取り付け位置について説明すると、アーム22の水平面に沿った移動方向においてガスノズル60が二流体ノズル20に先行するよう、かつガスノズル60および二流体ノズル20が近傍に位置するよう、アーム22に対するガスノズル60および二流体ノズル20の各々の取り付け位置が設定されている。すなわち、アーム駆動機構が回転軸部24を中心としてアーム22を水平方向に回転させると、このアーム22はウエハWの上方で水平方向に移動することとなるが、この際にまずガスノズル60がウエハWの一の箇所を加熱し、その直後にこの加熱された一の箇所に対して二流体ノズル20が洗浄液の液滴を噴霧することとなる。
【0046】
このように、本実施の形態による基板洗浄装置2および基板洗浄方法においても、ウエハWにおける一の箇所に洗浄液の液滴を噴霧する直前に、ガスノズル60によってこの一の箇所の加熱を行うようになっている。このため、ウエハWが常温のままこのウエハWに洗浄液の液滴を噴霧する場合と比較して洗浄効果を向上させることができる。また、ガスノズル60によってウエハWの加熱を部分的に、しかも洗浄液の液滴を噴霧する直前に行うことにより、ウエハW全体を予め加熱しておく方法と比較してウエハWの表面に付着した洗浄液の液滴が乾燥されにくくなる。このことにより、ウエハWの表面に洗浄液の液膜が形成されやすくなり、ウエハWにウォーターマークが形成されることを抑止することができる。また、ウエハWに対する不純物の再付着を防止することができるようになる。
【0047】
なお、二流体ノズル20およびガスノズル60をウエハWの上面で移動させる駆動機構は、図4に示すような二流体ノズル20およびガスノズル60を一体的に移動させる一体型のアーム駆動機構に限定されることはない。代わりに、ウエハWの表面に沿ってこの表面と距離を隔てて二流体ノズル20のみを移動させる二流体ノズル駆動機構(図示せず)と、ウエハWの表面に沿ってこの表面と距離を隔ててガスノズル60のみを移動させるガスノズル駆動機構(図示せず)とが互いに独立して設けられていてもよい。この場合、ウエハWにおける一の箇所に二流体ノズル20が洗浄液の液滴を噴霧する直前にガスノズル60がこの一の箇所の加熱を行うように、二流体ノズル駆動機構およびガスノズル駆動機構はそれぞれ二流体ノズル20およびガスノズル60を移動させるようになっている。この場合でも、ウエハWにおける一の箇所に洗浄液の液滴を噴霧する直前に、この一の箇所の加熱を行うことができるようになる。
【0048】
〔第3の実施の形態〕
次に、図面を参照して本発明の第3の実施の形態について説明する。図5は、本発明の第3の実施の形態における基板洗浄装置の構成を示す概略構成図であり、図6は、図5に示す基板洗浄装置における一体型ノズルの構成の詳細を示す図である。
【0049】
図5に示す基板洗浄装置3は、第2の実施の形態におけるガスノズル60を二流体ノズル20の周囲に配置するようガスノズル60および二流体ノズル20を合体させることにより一体型ノズル70を形成した点が異なるのみであり、他は実質的に図4に示す第2の実施の形態と同様の構成を有している。
図5および図6に示す第3の実施の形態において、図1および図2に示す第1の実施の形態、および図4に示す第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0050】
以下、本実施の形態の基板洗浄装置3の構成について詳述する。
図5に示すように、チャンバー10内においてスピンチャック12により保持されたときのウエハWの上方の位置に、一体型ノズル70が下向きに設けられている。一体型ノズル70の構成の詳細については後述する。
【0051】
この一体型ノズル70は、アーム72を介して回転軸部74に連結されている。回転軸部74には、当該回転軸部74を正逆両方向に回転させるアーム駆動機構(図示せず)が設けられている。このアーム駆動機構が、回転軸部74を中心としてアーム72を水平方向に回転させることにより、一体型ノズル70を、ウエハWの中心部の上方の位置(図5参照)からウエハWの周縁部の外方の位置までの範囲内で水平面に沿って往復移動させるようになっている。また、アーム駆動機構は、回転軸部74を鉛直方向に往復移動させることができるようになっている。このことにより、一体型ノズル70の先端と、スピンチャック12に保持されたウエハWとの間隔を調整することができるようになっている。
【0052】
一体型ノズル70の構成について、図6を参照して具体的に説明する。この一体型ノズル70は、第2の実施の形態に示されるようなガスノズル60および二流体ノズル20が一体化されたものであり、具体的には、ガスノズル60が二流体ノズル20を囲むような形態で、当該ガスノズル60が二流体ノズル20の周囲に設置されるよう一体化されている。本実施の形態においては、一体型ノズル70には、洗浄液供給管26をから純水や薬液からなる洗浄液が供給されるとともに、窒素ガス供給管28から窒素ガスが供給され、更に高温ガス供給管66から高温の空気や窒素ガス等の高温ガスが供給されるようになっている。
【0053】
一体型ノズル70は例えばフッ素樹脂から形成された略円柱状のノズル本体70aを有しており、このノズル本体70aの内部には、洗浄液供給管26に連通するような洗浄液流路70bと、この洗浄液流路70bを取り囲むようにして設けられた、高温ガス供給管66に連通するような高温ガス流路70fと、窒素ガス供給管28に連通するような窒素ガス流路70cとがそれぞれ設けられている。ここで、ノズル本体70aの内部はいわゆる二重管の構造となっており、内管には洗浄液流路70bが、外管には高温ガス流路70fが形成されるようになっている。洗浄液流路70bおよび窒素ガス流路70cはノズル本体70a内部にある三つ又状の合流部70dで合流し、この合流部70dから一体型ノズル70の吐出口70eまで内部流路が更に形成されている。
【0054】
そして、このような一体型ノズル70においては、ノズル本体70a内において、洗浄液供給管26から洗浄液流路70bに送られた洗浄液と、窒素ガス供給管28から窒素ガス流路70cに送られた窒素ガスとが合流部70dで衝突して混合し、このことにより当該合流部70dにおいて洗浄液の液滴が形成され、ウエハWに対して吐出口70eからこの洗浄液の液滴が噴霧されるようになっている。一方、高温ガス供給管66から高温ガス流路70fに送られた高温ガスは、そのままノズル本体70a内を下方に流れ、ウエハWに対して吐出口70gからこの高温ガスが噴射されるようになっている。このように、一体型ノズル70は、あたかも第2の実施の形態におけるガスノズル60(本実施の形態の高温ガス流路70fおよび吐出口70gに対応)が二流体ノズル20(本実施の形態の洗浄液流路70b、窒素ガス流路70c、合流部70dおよび吐出口70eに対応)を囲むような形態で、当該ガスノズル60が二流体ノズル20の周囲に設置されるよう一体化されたものとなっている。なお、図6において、二点鎖線76で示される領域は、吐出口70eから噴霧される洗浄液の液滴の噴霧範囲を示しており、二点鎖線78で示される領域は、吐出口70gから噴射される高温ガスの噴射範囲を示している。
【0055】
図6に示すように、吐出口70eからウエハWに向かって下方に噴霧された洗浄液の液滴は、吐出口70gからウエハWに向かって下方に噴射された高温ガスによって、水平方向への拡散が抑止される。すなわち、洗浄液の液滴の噴霧範囲76の周囲を高温ガスの噴射範囲78が囲むようになっているので、この洗浄液の液滴の噴霧範囲76が水平方向に拡散することはない。
【0056】
このように、本実施の形態による基板洗浄装置3および基板洗浄方法においては、ウエハWにおける一の箇所に洗浄液の液滴を噴霧する直前に、その周囲で噴射される高温ガスによって一の箇所の加熱を行うようになっている。このため、ウエハWが常温のままこのウエハWに洗浄液の液滴を噴霧する場合と比較して洗浄効果を向上させることができる。また、ウエハWの加熱を部分的に、しかも洗浄液の液滴を噴霧する直前に行うことにより、ウエハW全体を予め加熱しておく方法と比較してウエハWの表面に付着した洗浄液の液滴が乾燥されにくくなる。このことにより、ウエハWの表面に洗浄液の液膜が形成されやすくなり、ウエハWにウォーターマークが形成されることを抑止することができる。また、ウエハWに対する不純物の再付着を防止することができるようになる。
【0057】
さらに、一体型ノズル70において、高温ガスの吐出口70gが洗浄液の液滴の吐出口70eの周囲に設置されているので、吐出口70gからウエハWに向かって下向きに噴射される高温ガスによって、吐出口70eからウエハWに向かって下向きに噴霧される洗浄液の液滴が拡散することを抑止することができる。このことにより、洗浄液の液滴の噴霧方向を安定させることができる。しかも、吐出口70eから噴射される高温のガスにより洗浄液の液滴も加熱されることとなるので、液滴の粒径を小さくすることができ、このため、ウエハWに対する洗浄効果をより一層向上させることができる。
【0058】
なお、更なる変形例としては、上述の第1〜第3の実施の形態において、洗浄液タンク30は予め加熱された洗浄液を二流体ノズル20や一体型ノズル70に供給するようになっていてもよく、あるいは窒素ガス供給機構32は予め加熱された窒素ガスを二流体ノズル20や一体型ノズル70に供給するようになっていてもよい。この場合、二流体ノズル20や一体型ノズル70から噴霧される洗浄液の液滴は高温のものとなるので、当該洗浄液の液滴の粒径は小さくなる。このため、ウエハWに対する洗浄効果をより一層向上させることができる。
【0059】
また、代わりに、上述の第1〜第3の実施の形態において、洗浄液を加熱するための洗浄液加熱機構(図示せず)が洗浄液供給管26に介設されていてもよく、あるいは窒素ガスを加熱するための窒素ガス加熱機構(図示せず)が窒素ガス供給管28に介設されていてもよい。この場合でも、二流体ノズル20や一体型ノズル70に供給される洗浄液または窒素ガスが高温のものとなるので、二流体ノズル20や一体型ノズル70から噴霧される洗浄液の液滴も高温のものとなり、当該洗浄液の液滴の粒径は小さくなる。このため、ウエハWに対する洗浄効果をより一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1の実施の形態における基板洗浄装置の構成を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す基板洗浄装置における二流体ノズルおよび赤外線ランプの構成の詳細を示す図である。
【図3】図1に示す基板洗浄装置における二流体ノズルおよび赤外線ランプの他の構成の詳細を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における基板洗浄装置の構成を示す概略構成図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態における基板洗浄装置の構成を示す概略構成図である。
【図6】図5に示す基板洗浄装置における一体型ノズルの構成の詳細を示す図である。
【符号の説明】
【0061】
1、2、3 基板洗浄装置
10 チャンバー
12 スピンチャック
16 外筒
20 二流体ノズル
20a ノズル本体
20b 洗浄液流路
20c 窒素ガス流路
20d 合流部
20e 吐出口
21 洗浄液の液滴の噴霧範囲
22 アーム
24 回転軸部
26 洗浄液供給管
28 窒素ガス供給管
30 洗浄液タンク
32 窒素ガス供給機構
34 バルブ
36 バルブ
38 フィルタ
40 赤外線ランプ
41 赤外線ランプにより熱照射される範囲
50 洗浄液排出管
60 ガスノズル
66 高温ガス供給管
67 バルブ
68 高温ガス供給機構
70 一体型ノズル
70a ノズル本体
70b 洗浄液流路
70c 窒素ガス流路
70d 合流部
70e 吐出口
70f 高温ガス流路
70g 吐出口
72 アーム
74 回転軸部
76 洗浄液の液滴の噴霧範囲
78 高温ガスの噴射範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄液と液滴生成用ガスとを混合して洗浄液の液滴を生成し、被処理基板の一部分に対してこの洗浄液の液滴を噴霧する二流体ノズルと、
被処理基板の全体ではない一部分を加熱する加熱部であって、被処理基板における一の箇所に前記二流体ノズルが洗浄液の液滴を噴霧する直前に、この一の箇所の加熱を行うような加熱部と、
を備えたことを特徴とする基板洗浄装置。
【請求項2】
前記加熱部はランプであることを特徴とする請求項1記載の基板洗浄装置。
【請求項3】
前記ランプは、前記被処理基板の一部分のみならず前記二流体ノズルから噴霧される洗浄液の液滴をも加熱するようになっていることを特徴とする請求項2記載の基板洗浄装置。
【請求項4】
前記加熱部は、被処理基板よりも温度が高いガスを被処理基板の一部に対して噴射するガスノズルであることを特徴とする請求項1記載の基板洗浄装置。
【請求項5】
前記ガスノズルは前記二流体ノズルを囲むようこの二流体ノズルの周囲に設置されており、前記二流体ノズルから被処理基板に向かって噴霧される洗浄液の液滴は前記ガスノズルから被処理基板に向かって噴射されるガスによりその噴霧方向が調整されることを特徴とする請求項4記載の基板洗浄装置。
【請求項6】
被処理基板の基板面に沿ってこの基板面と距離を隔てて前記二流体ノズルを移動させる二流体ノズル駆動機構と、
被処理基板の基板面に沿ってこの基板面と距離を隔てて前記加熱部を移動させる加熱部駆動機構であって、被処理基板における一の箇所に前記二流体ノズルが洗浄液の液滴を噴霧する直前に前記加熱部がこの一の箇所の加熱を行うように前記加熱部を移動させる加熱部駆動機構と、
を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の基板洗浄装置。
【請求項7】
被処理基板の基板面に沿ってこの基板面と距離を隔てて前記二流体ノズルおよび前記加熱部を一体的に移動させる一体型駆動機構であって、前記加熱部が前記二流体ノズルよりも先行するよう前記二流体ノズルおよび前記加熱部を移動させる一体型駆動機構を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の基板洗浄装置。
【請求項8】
前記二流体ノズルに送られる洗浄液および液滴生成用ガスの少なくともいずれか一方は加熱されたものであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の基板洗浄装置。
【請求項9】
被処理基板の全体ではない一部分である一の箇所の加熱を加熱部により行う工程と、
被処理基板における一の箇所に対して加熱が行われた直後に、二流体ノズルにおいて洗浄液と液滴生成用ガスとを混合することにより生成された洗浄液の液滴をこの一の箇所に噴霧する工程と、
を備え、
被処理基板における一の箇所に前記二流体ノズルが洗浄液の液滴を噴霧する直前に前記加熱部がこの一の箇所の加熱を行うように前記加熱部および前記二流体ノズルが被処理基板の表面に沿って移動することを特徴とする基板洗浄方法。
【請求項10】
前記加熱部は、被処理基板における一の箇所の加熱を行う際に、前記二流体ノズルから噴霧される洗浄液の液滴をも加熱するようになっていることを特徴とする請求項9記載の基板洗浄方法。
【請求項11】
前記加熱部は、被処理基板よりも温度が高いガスを被処理基板の一部に対して噴射するガスノズルであることを特徴とする請求項9記載の基板洗浄方法。
【請求項12】
前記ガスノズルは前記二流体ノズルを囲むようこの二流体ノズルの周囲に設置されており、前記二流体ノズルから被処理基板に向かって噴霧される洗浄液の液滴は前記ガスノズルから被処理基板に向かって噴射されるガスによりその噴霧方向が調整されることを特徴とする請求項11記載の基板洗浄方法。
【請求項13】
前記二流体ノズルに送られる洗浄液および液滴生成用ガスの少なくともいずれか一方は加熱されたものであることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか一項に記載の基板洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−270402(P2008−270402A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−109082(P2007−109082)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】