説明

射出成形方法、およびその装置

【課題】良好な微細転写が可能で、ムラの少ない射出成形方法を提供する。
【解決手段】射出装置から金型内に溶融成形材料を射出し、射出した溶融成形材料を金型内で冷却、固化させて成形品とし、この成形品を、金型内に前後進可能に設けられた押出部材を電動機により前進させて、金型内から押し出し、取り出し可能とした射出成形方法であり、金型が有するキャビティ内の所定位置まで押出部材を押し出し、かつ押出部材に所定量の力を付与して所定の押出し位置に保持させ、その後金型内に射出装置から溶融成形材料を射出し、金型内に射出した溶融成形材料による圧力が、押出部材に、押出部材に加えた所定量の力を超えたときなどに、その圧力により押出部材を金型内で後退させることとして射出成形方法を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細形状を成形品に転写する射出成形に関し、特に成形品が厚く射出充填時にキャビティ内部の成形材料の圧力が上昇しにくいものでの転写性の向上や均一化が図れる射出成形方法、およびその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学部品の成形品などでは、表面に100μm以下の微細な形状を金型から転写させることがある。金型から微細な形状を樹脂やガラスや金属等の成形材料に転写するには、キャビティ内での成形材料の圧力を高くする必要がある。
【0003】
また金型のキャビティ内に移動自在に入子を備え、ヒケなどを防止し、微細形状を正確に転写することとした成形方法が知られている。これは成形材料を射出する前に入子をキャビティ内部に突出させ、入子により狭められたキャビティ内に成形材料を充填し、その後入子を後退させて所望の形状の成形品を成形するようにしている。
【0004】
更に、キャビティ内における成形材料の圧力を、突出しピンを作動させる電動機にかかる負荷電流を用いて検出する圧力検出方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−98620号公報
【特許文献2】特開平6−856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来成形品の板厚が厚いなど、キャビティの容積が大きいと、充填中のキャビティ内の圧力が低く、微細形状の内部に成形材料が十分に入り込まない場合が生じる。また、金型のゲートから遠い部分では、成形材料圧が高められ十分に成形材料に転写されるが、射出直後に転写が行われるゲート近傍の部分では転写が弱められ、転写性に差が生じるなどの問題がある。
【0007】
入子を所定の圧力で後退させるには、キャビティ内に充填された成形材料から入子にかかる圧力を検出する圧力センサを設ける必要がある。一般に圧力センサ類は高価であり、圧力センサを用いた成形方法は、コストを上昇させる原因となっていた。
【0008】
本発明では、転写精度が高く、低コストで、かつ均一な成形品を成形する射出成形方法、および射出成形装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、上記課題を解決するために、次のように射出成形方法および装置を構成した。
【0010】
射出装置から金型内に溶融成形材料を射出し、射出した溶融成形材料を金型内で冷却、固化させて成形品とし、更に成形された成形品を、金型内に前後進可能に設けられた押出部材を電動機により前進させて、金型内から押し出し、取り出す射出成形である。
【0011】
かかる射出成形において、金型が有するキャビティ内の所定位置に押出部材を押し出し、その後射出装置から金型内に溶融成形材料を射出し、金型内に射出した溶融成形材料から押出部材にかかる圧力により押出部材を後退させることを特徴とした。
【0012】
また押出部材の後退動作を、溶融成形材料の圧力や、後退速度などに基づき制御することとした。押出部材を、押出ピンや稼動入子とした。
【発明の効果】
【0013】
本発明にかかる射出成形方法、および装置は、次の効果を有する。
【0014】
押出部材の突出により空間内が狭められたキャビティ内に成形材料を供給するので、温度管理、成形材料のフロー管理等が容易となり、精密な転写が可能となる。キャビティは、成形材料の圧力が所定圧力に達するまで容積が変動しないので、微細形状の転写が安定して行われる。
【0015】
成形材料の圧力によりキャビティ内部で押出部材が後退するので、成形装置の機構が簡略化される。押出部材が後退して正規の形状のキャビティが生成されるので、所望の製品が確実に成形できる。キャビティの圧力を計測できる高価な樹脂圧センサを用いることなく低いコストで成形が可能となる。
【0016】
押出ピンや稼動入子を用いたことにより、射出成形装置の構造を複雑化させることなく、実現できる。電動機を用いて押出部材を前後動させることとしたので、フィードバック制御が容易となる。電動機に所定の保持力又は所定の抵抗力を発生させることにより、押出部材に所定量の力を容易に付与できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明にかかる射出成形装置の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1に示す射出成形装置の断面図である。
【図3】図1に示す射出成形装置の断面図である。
【図4】射出成形装置の作動を示すグラフである。
【図5】成形品の一例を示す斜視図である。
【図6】図5に示した成形品の断面図である。
【図7】図5に示した成形品の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明にかかる射出成形方法、および装置の一実施形態について説明する。
【0019】
図1に、射出成形装置10を示す。射出成形装置10は、成形材料を射出する射出装置12と、金型30を開閉させる型締装置14などから構成されている。
【0020】
射出装置12は、バレル20と、バレル20内に設けられたスクリュー22と、スクリュー22を駆動させる駆動機構(図示せず。)を備え、図示しない移動機構により射出装置12の全体が型締装置14に対して前後進自在に設けられている。
【0021】
スクリュー22は、バレル20の内部において軸回りに回動自在で、かつ軸方向に往復駆動可能に設けられている。駆動機構は、スクリュー22をバレル20内で軸回りに所定の回転速度で回動させるとともに、バレル20の軸方向に所定の速度で往復駆動させる。
【0022】
バレル20にはホッパ24が設けてあり、ホッパ24に投入された成形材料が、スクリュー22が回転することによりバレル20の内部に引き込まれる。スクリュー22は、バレル20内で回転されるとバレル20内に流入させた成形材料を混練し、また混練に伴う成形材料の発熱や外部からの加熱などにより成形材料を溶融させる。そして、駆動機構によりスクリュー22が軸方向に押し出されると、溶融された成形材料が型締装置14で締結された金型30内に所定の圧力で射出される。
【0023】
また、射出装置12及びスクリュー22などの射出装置12を構成するものの前進の方向は、射出装置12が型締装置14に向かって移動する方向のことである。また、射出装置12及びスクリュー22などの射出装置12を構成するものの後退の方向は、射出装置12が型締装置14から離れる方向のことである。
【0024】
型締装置14は、固定ダイプレート32と、移動ダイプレート34と、移動ダイプレート34を移動させる駆動機構(図示せず。)を備えている。固定ダイプレート32には、取付具(いずれも図示せず。)を介して固定金型36が、移動ダイプレート34には、取付具を介して移動金型38が取り外し可能に固定されている。
【0025】
駆動装置は、例えばトグル機構(トグル機構の動作方式は、電動式、油圧式等基本的に何でもよい。)であり、移動ダイプレート34を図1の左右方向に駆動させる。これにより、移動金型38が固定金型36に対して移動し、一対の金型30が適宜開閉駆動される。尚、駆動装置は、直圧機構(直圧機構の動作方式は、電動式、油圧式等基本的に何でもよい。)、その他であってもよい。
【0026】
金型30は、固定金型36と移動金型38からなり、これらを組み付けた内部に所定のキャビティ40が形成されている。また固定金型36と移動金型38の少なくとも一方には、微細な形状を成形材料に転写する成形面が形成してあり、これにより成形品に微細形状を成形する。成形面の微細形状は、深さが数nmから数mm程度の凹凸であり、例えば回折格子の表面などを成形するものである。
【0027】
また移動金型38には、移動金型38を貫通して押出ピン42が、移動金型38に摺動自在に設けられている。押出ピン42は、移動金型38と移動ダイプレート34の間に設けられた押出プレート44に取り付けられている。
【0028】
押出プレート44は、移動ダイプレート34に対して移動可能に設けられ、駆動機構46に連結されている。駆動機構46は、送りねじ機構48と送りねじ機構48を駆動させるサーボモータ50から構成され、移動ダイプレート34に連結している。サーボモータ50には、制御装置52が接続されている。
【0029】
また、サーボモータ50は、駆動することにより送りねじ機構48を介して押出プレート44の位置、または押出プレート44に取り付けられている押出ピンの位置を移動させることができる。
【0030】
制御装置52は、射出装置12や型締装置14を制御し、これらに所定の作動を行わせるとともに、サーボモータ50の制御を行う。制御装置52にはモータ駆動部54が接続してあり、モータ駆動部54が制御装置52から作動信号を受けると、モータ駆動部54はサーボモータ50に所定の駆動電流を送出する。サーボモータ50が制御装置52から作動信号に従い駆動すると、伝動ベルト56を介して送りねじ機構48が作動し、送りねじ軸58が前後進し、ここで押出プレート44が所定量前後動される。
【0031】
押出プレート44及び押出ピン42や稼動入子72のように押出プレート44と連動して動作するものなど、図1において固定ダイプレート32を基準として移動ダイプレート34側に構成されているものの前進の方向は、移動ダイプレート34が固定ダイプレート32に向かって移動する方向のことである。また押出プレート44及び押出ピン42や稼動入子72のように押出プレート44と連動して動作するものなど、図1において固定ダイプレート32を基準として移動ダイプレート34側に構成されているものの後退の方向は、移動ダイプレート34が固定ダイプレート32から離れる方向のことである。
【0032】
サーボモータ50には、位置センサ60が取り付けてあり、位置センサ60は、サーボモータ50の回転軸62の回転位置を検出し、その値を信号線64を介して制御装置52に送り出す。制御装置52は、サーボモータ50の回転位置とサーボモータ50によって駆動される押出プレート44の移動量または押出プレート44に取り付けられている押出ピン42の移動量との対応表や対応グラフなどが制御装置52内にある図示しないメモリに格納されており、サーボモータ50の回転位置を読み取ることにより、サーボモータ50によって駆動される押出プレート44の位置または押出プレート44に取り付けられている押出ピン42の位置も把握することができる。また、制御装置52は、サーボモータ50の保持力の上限を定めるテーブルなどが図示しないメモリに格納されており、設定によりサーボモータ50の保持力の上限を決めることができるようになっている。
【0033】
また射出装置12には、圧力センサ70が設けられており、ノズルからの溶融成形材料の射出圧力が検出され、制御装置52に送出される。更に移動金型38には、稼動入子72が設けられている。稼動入子72は、移動金型38に移動自在に取り付けられ、キャビティ40内にて押出ピン42の動作で任意に前後進される。したがって、稼動入子72の位置もまた、サーボモータ50の回転位置を読み取ることにより、制御装置52で把握することができる。
【0034】
また、制御装置52内には、サーボモータ50によって駆動される押出プレート44の動作の停止中、つまり押出プレート44をある位置で留まらせるためにサーボモータ50に加えるトルクなどのサーボモータ50の保持力を定めるテーブルや、サーボモータ50のある動作ごとのソフトリミットとしての最大トルクを示すテーブルなど、サーボモータ50や電動機51を動作させるために必要なあらゆるデータテーブルが記憶されている。
【0035】
また、制御装置52は、圧力センサ70より検出された射出圧力や成形運転前に制御装置52に入力された成形条件のデータから、金型30内の圧力を算出することができるようになっている。
【0036】
次に、射出成形装置10による成形動作について説明する。
【0037】
型締装置14の駆動により移動金型38を固定金型36に押し付け、金型30を型締めする。射出装置12を前進させ、バレル20を締結された金型30に当接させる。またサーボモータ50を駆動させ、送りねじ機構48を介して押出プレート44を所定量作動させる。これにより、図2に示すように押出ピン42が所定量前進され、稼動入子72がキャビティ40内に押し出される。稼動入子72がキャビティ40の内部に押し出されることにより、実質的なキャビティ40の容積が正規のキャビティ40の容積より減少することとなる。
【0038】
稼動入子72のキャビティ40内への前進量は、成形品を成形するための正規のキャビティ40の容積、溶融成形材料の射出圧力、成形材料の温度、転写形状の精密度などに応じて適宜設定される。すなわち稼動入子72のキャビティ40内への前進量は、稼動入子72の前進により容積が低減されたキャビティ40に溶融成形材料を所定圧力で射出した際、成形材料が転写用の微細形状に密着し、微細形状が確実に転写される量である。
【0039】
稼動入子72が上述した所定位置に前進されたら、設定されたサーボモータ50の保持力で稼動入子72の位置を保持する。ここで設定されたサーボモータ50の保持力は、成形運転前に設定値として入力された、溶融成形材料から受ける到達圧力を制御装置52内でサーボモータ50の保持力を定めるテーブルなどを用いて、サーボモータ50の保持力として換算されたものである。
【0040】
例えば、成形運転前に設定値として入力された溶融成形材料から受ける到達圧力値を5MPaとしたとすると、稼動入子72が上述した所定位置に前進されたとき、サーボモータ50は、5MPaと等しい力で稼動入子72を所定位置で保持する。つまり稼動入子72に対して5MPa以下の圧力などを与えても、稼動入子72は移動しない。そして、稼動入子72に対して5MPaよりも大きな圧力などを与えると、稼動入子72は多少なりとも動くこととなる。
【0041】
ただし成形運転前に設定値として溶融成形材料から受ける到達圧力値の入力がされなかった場合には、サーボモータ50の最大トルク、又は制御装置52内でソフトリミットとして上限を定めたサーボモータ50の最大トルクを保持力とする。(制御装置52により成形のある動作ごとに制御装置52内でソフトリミットとしてのサーボモータ50の最大トルクの上限値を変更できることとする。)
稼動入子72が、設定されたサーボモータ50の保持力で保持されたら射出装置12から溶融成形材料を射出する。射出された溶融成形材料は、図2の細かい斜線で示すようにキャビティ40内に充填される。溶融成形材料は、稼動入子72が前進していることから、容積が小さいキャビティ40内に早期に、かつ所定の圧力で充填される。したがって、キャビティ40に形成された転写用の微細形状が成形材料に正確に転写される。一般には、転写用の微細形状は固定金型36の内面に形成され、稼動入子72には、転写用の微細形状は形成されていない。
【0042】
そして、射出装置12からの溶融成形材料でキャビティ40内が満たされていくと、稼動入子72に溶融成形材料の圧力による稼動入子72を後退させようとする力がかかっていく。しかし、稼動入子72は、サーボモータ50の保持力によりサーボモータ50の保持力より大きい力がかかるまではその位置を保持する。
【0043】
そして稼動入子72にサーボモータ50の保持力よりも大きな溶融成形材料の圧力による稼動入子72を後退させようとする力が加えられると、稼動入子72はその位置を保持することが困難になり、少し後退する。そのときサーボモータ50は、設定されたサーボモータ50の保持力で保持していることを止め、圧力センサ70により検出された射出圧力や成形運転前に制御装置52に入力された成形条件のデータを基に、制御装置52内で算出された金型30内の圧力を一定に保つように稼動入子72の後退速度をフィードバック制御させながら、稼動入子72を、金型30に正規のキャビティ40が形成される位置まで後退させる。稼動入子72を後退させた状態を、図3に示す。
【0044】
稼動入子72が後退された金型30のキャビティ40内に成形材料が充填され、成形材料が冷却、固化されたら、型締装置14を作動させて金型30を開き、成形品を取り出す。その際押出ピン42や稼動入子72を突出させ、成形品を金型30の外に放出させてもよい。成形された成形品には、稼動入子72が前進した状態、つまり狭められたキャビティ40内に充填された溶融成形材料により所望の形状が正確に転写されている。そして、その後稼動入子72の後退に伴って充填された成形材料により、所定の厚さに形成され、所望の形状の成形品が成形される。
【0045】
図4に、金型30の作動状態と、押出ピン42の位置と、射出装置12のスクリュー22の位置と、金型30内の圧力との各関係を示す。図4の横軸は時間である。図4に従って、上記射出成形動作について、時間を追って説明する。
【0046】
時間t1で、金型30が閉じられ、同時に押出ピン42が前進する。押出ピン42の前進は、t2で終了し、ある決められたサーボモータ50の保持力で押出ピン42及び押出ピン42の前後進により動作する稼動入子72を保持する。そしてスクリュー22が前進するとともに、金型30内の圧力(成形材料の圧力)が上昇する。そして、押出ピン42及び押出ピン42の前後進により動作する稼動入子72が受ける成形材料の圧力が、ある決められたサーボモータ50の保持力を超えると、t3からt4まで、押出ピン42が後退する。この間、スクリュー22は前進し、成形材料は射出され続けているが、金型30内の圧力が一定となるように押出ピン42の後退速度を制御しながら押出ピン42を後退させるため、金型30内の圧力はt3からt4までの間一定に保たれる。
【0047】
t4になると、押出ピン42の後退が停止するが、スクリュー22は前進し続けるため金型30内の圧力はt5まで上昇する。t5でスクリュー22は前進を停止するので、金型30内の圧力はt5時の圧力で一定に保持される。t6以降は、スクリュー22が後退するとともに、成形材料が冷却固化され、金型30内部の圧力が低下する。t7でスクリュー22が射出動作前の位置に戻り、t8で金型30が開き、t9で押出ピン42が前進して、成形品が放出される。
【0048】
尚、t3からt4の間での押出ピン42の後退に関して、金型30内の圧力を一定に保つように押出ピン42を後退させるとしたが、射出圧力を一定に保つように押出ピン42を後退させるようにしてもよい。また、t3からt4において金型30内の圧力を一定に保つ場合において、金型30内の圧力、つまり稼動入子72に加えられた圧力が所定の圧力となればよく、射出装置12による成形材料の射出量と圧力や、稼動入子72の後退速度は、稼動入子72が後退している間、変動のない一定の値であっても、あるいはフィードバック制御やフィードフォワード制御のように後退位置に応じて適宜に変動する値であってもよい。これは、射出圧力を一定に保つようにする場合も同様である。
【0049】
また、稼動入子72の後退速度を基準とし、後退速度が一定の値となるようにサーボモータ50を制御してもよい。この時の稼動入子72の後退速度の基準速度は特に規定する必要はなく、例えば、予め設定された後退速度を基準速度として定めたり、溶融成形材料の圧力による稼動入子72を後退させようとする力がサーボモータ50の保持力よりも大きくなったときに起こる、稼動入子72が所定保持位置から少し後退したときの位置を計測し、それを基にその時の後退速度を制御装置52で算出し、その算出された後退速度を基準速度として定めたりしてもよい。また、このときの稼動入子72の後退速度は、一定の値となるようにサーボモータ50を制御すればよいため、その制御方法は特に規定する必要がなく、例えばフィードバック制御を行ったり、フィードフォワード制御を行ったりしてもよい。
【0050】
また、上記されている稼動入子72の後退に関して、稼動入子72の後退速度は規定せず、稼動入子72を金型30に正規のキャビティ40が形成される位置まで後退させるようにしてもよい。またサーボモータ50を用いる代わりに一般的な電動機51を用いてもよい。その場合も同様に、位置センサ60が取り付けられ、制御装置52内の図示しないメモリに保存されている電動機51の回転位置と、電動機51によって駆動される押出ピン42の移動量との対応表や対応グラフなどにより、押出プレート44に取り付けられている押出ピン42の位置、押出ピン42の動作により前後進する稼動入子72の位置も把握することができる。
【0051】
ただし、一般的な電動機51では、電動機51にブレーキなど電動機の回転に負荷を与えることができるものを与え、ブレーキなどによる電動機51の回転に対する抵抗力、電動機51自体が持つ抵抗力、押出ピン42や稼動入子72の抵抗力などにより、前述したサーボモータ50の保持力と同様な働きをするようになっている。
【0052】
具体的には、電動機51の回転軸62に、回転軸62の回転に対して所定の回転抵抗力を設定したり、ブレーキなどにより回転抵抗力を与えたりする。これにより稼動入子72からの圧力により駆動機構46の送りねじ軸58に、送りねじ軸58を後退させる方向に力が加えられても、電動機51の回転軸62には、この逆回転に抵抗する力が作用し、稼動入子72の位置を固定させる。そして、回転抵抗力を超えた圧力が生じると、電動機51の回転軸62が逆回転される。したがって、所定圧力が稼動入子72、つまり押出プレート44に生じるまで稼動入子72は後退しないように、電動機51により保持される。
【0053】
また、抵抗力の異なるブレーキなどと交換することで、サーボモータ50の保持力のように稼動入子72の押出状態での保持力を変更することができる。またブレーキを用いず、電動機51自体が持つ抵抗力、押出ピン42や稼動入子72の抵抗力などにより、前述したサーボモータ50の保持力と同様な働きをするようにしてもよい。
【0054】
また、電動機51を用いた場合の稼動入子72の後退動作に関しては、サーボモータ50を用いたときと同様な方法を用いて行なう。つまり、電動機51の場合においても、サーボモータ50のところで示した稼動入子72を後退させる複数の動作方法を用いることができる。そのため、ここでは、電動機51を用いた場合の稼動入子72の後退動作に関する詳しい説明については、サーボモータ50の場合においての稼動入子72の後退動作を参照することとし、詳しい説明を省略する。
【0055】
次に、射出成形方法の他の例について説明する。
【0056】
この例では、キャビティ40内で前進させた稼動入子72を、キャビティ40内に射出した溶融成形材料の圧力のみで後退動作を行わせることとした。稼動入子72は、型締装置14で型締めされた金型30のキャビティ40内に、上述と同様に押出ピン42や押出プレート44により前進させる。また稼動入子72を前進させる量は、上述した条件と同様である。
【0057】
次にキャビティ40内で前進させた稼動入子72を、キャビティ40内に射出した溶融成形材料の圧力のみで後退動作させるに当たり、サーボモータ50を用いた場合と、サーボモータ50以外の電動機51を用いた場合とで分けて説明する。
【0058】
まず、サーボモータ50を用いた場合について説明する。サーボモータ50の場合には、稼動入子72をその位置で保持するために、サーボモータ50に設定されたサーボモータ50の保持力を与えることを上述と同様の方法で行う。ただし、ここでの設定されたサーボモータ50の保持力は、成形運転前に設定値として入力された溶融成形材料から受ける到達圧力を制御装置52内でサーボモータ50の保持力を定めるテーブルなどを用いて、サーボモータ50の保持力の上限値に換算し、その上限値として得られたものである。
【0059】
ただし、成形運転前に設定値として溶融成形材料から受ける到達圧力値等の入力がされなかった場合には、サーボモータ50の最大トルク、または制御装置52内でソフトリミットとして上限を定めたサーボモータ50の最大トルクを保持力とする。かかる構成で、稼動入子72を前進させたキャビティ40に射出装置12から溶融成形材料を充填すると、成形材料からの圧力がサーボモータ50の保持力以下であれば、稼動入子72の位置を保持する。
【0060】
そして、稼動入子72にかかる成形材料からの圧力がサーボモータ50の保持力を超えると、稼動入子72は後退し始める。この時、制御装置52では稼動入子72の位置を保持位置まで戻すために、そのときのサーボモータ50の保持力よりも大きい力を稼動入子72に与えようと試みるが、サーボモータ50では、この時の最大出力であるサーボモータ50の保持力までしか稼動入子72に力を与えることができないため、結果的に稼動入子72は後退する。
【0061】
また、稼動入子72が後退し始めた段階で、サーボモータ50は、稼動入子72の位置を保持するための保持力を加えることを止めてもよい。そして、稼動入子72は、溶融成形材料の圧力で正規のキャビティ40が形成される位置まで後退し、キャビティ40内に溶融成形材料が充填される。
【0062】
次に、サーボモータ50以外の電動機51を用いた場合について説明する。
【0063】
電動機51の回転軸62に、回転軸62の回転に対して所定の回転抵抗力を設定したり、ブレーキなどにより回転抵抗力を与えたりする。これにより稼動入子72からの圧力により駆動機構46の送りねじ軸58に、送りねじ軸58を後退させる方向に力が加えられても、電動機51の回転軸62には、この逆回転に抵抗する力が作用し、稼動入子72の位置を固定させる。そして回転抵抗力を超えた圧力が生じると、電動機51の回転軸62が逆回転される。したがって、所定圧力が稼動入子72、つまり押出プレート44に生じるまで稼動入子72は後退しないように、電動機51により保持される。
【0064】
また、抵抗力の異なるブレーキなどと交換することで、サーボモータ50の保持力のように稼動入子72の押出状態での保持力を変更することができる。
【0065】
かかる構成で、射出装置12から稼動入子72を前進させたキャビティ40に溶融成形材料を充填すると、成形材料からの圧力が稼動入子72に加えられ、その値が電動機51に伝達されるが、圧力が回転抵抗力以下であれば、稼動入子72の位置は保持される。
【0066】
そして、稼動入子72にかかる圧力が、電動機51に設定された回転抵抗力を超えると、電動機51の回転軸62を逆回転させて、稼動入子72が後退移動する。稼動入子72は、成形材料の圧力で正規のキャビティ40が形成される位置まで後退し、キャビティ40内に溶融成形材料が充填される、
このように成形すると、稼動入子72の前進により当初狭められたキャビティ40内に射出された成形材料は、所定圧力まで容積が保持されたキャビティ40に充填され転写が正確に実施される。そしてその後溶融成形材料の圧力により稼動入子72が後退し、キャビティ40が正規の形状になるまで充填される。したがって、制御が容易となり、簡易に、かつ正確に成形品を成形できる。
【0067】
尚上記例では、サーボモータ50の保持力や電動機51の回転軸62に所定の回転抵抗力が生じるように設定したが、例えば押出プレート44にばね(図示せず。)を設け、ばね力により稼動入子72に一定の反力を付与してもよい。
【0068】
ばねを用いた例について説明する。かかる射出成形装置では、稼動入子72がばね力で前進し、狭められたキャビティ40内に成形材料が充填される。更に射出装置12から成形材料が注入されると、稼動入子72が成形材料の圧力を受けて、ばねを押し縮めながら後退移動する。その際ばねは、稼動入子72からの圧力で適宜圧縮されるので、ばねの圧縮力を稼動入子72に付与しつつ、正規の位置まで稼動入子72が後退する。
【0069】
このように成形しても、溶融成形材料を金型30内に射出した当初は、狭められたキャビティ40に成形材料が充填されるので、成形材料への正確な転写が実現でき、その後、ばね力に抗して所定の圧力を保持して稼動入子72が後退し、所望の成形品が成形される。したがって、電動機51やサーボモータ50などを使用することなく、簡易な制御で、精密な形状の成形品を成形できる。
【0070】
また、上述した各実施例では、全て稼動入子72を用いてキャビティ40の容量を変更したが、本発明は、それに限るものではない。例えば、成形された製品を金型30から押し出すための押出ピン42を用い、押出ピン42をキャビティ40内に直接前後進させて成形してもよい。つまり、上述した各実施例で、キャビティ40内に充填された溶融成形材料による圧力を受けるものは、例えば稼動入子72ではなく、押出ピン42であってもよい。
【0071】
更に上述した各実施例において金型30のキャビティ40内に射出された溶融成形材料を正規のキャビティ40まで充填した後、再度押出ピン42や稼動入子72を前進させてもよい。このように成形材料を金型30に充填した後再度加圧すると、ヒケなどを防止し、精度よく成形品を成形できる。例えば図5に示すような薄板状の部材表面にボス82を備えた部品80などを成形する場合などでは、射出時には、図6に示すように押圧ピン42をボス82の内部から抜き出す方向に所定量移動させておき、成形材料を金型内に充填した後、押圧ピン42を図7に示すように前進させる。すると、ボス82の底部において溶融成形材料が押し付けられ、ボス82の底部に生じ易い、ヒケを防止できる。また、ボス82周辺の成形材料の流路が拡大することから、均一に成形材料を充填することができる。
【0072】
また、上述した各実施例では、稼動入子72の後退開始が、稼動入子72にかかる成形材料からの圧力がサーボモータ50の保持力や電動機51などによる抵抗力を超えた時に行われているが、稼動入子72の後退開始は、スクリュー22の位置によって開始させてもよい。すなわち、射出時、スクリュー22を前進させながらキャビティ40内に溶融成形材料を射出するが、このスクリュー22が設定された位置以上前進したとき、稼動入子72の後退動作を開始させてもよい。また、そのスクリュー22が設定された位置以上前進後、更にある決められた時間経過した後に、稼動入子72の後退動作を開始してもよい。そして、稼動入子72の後退動作は、前述した各実施例のように動作させる。
【0073】
また、射出時スクリュー22が設定された位置以上前進し、かつ稼動入子72が受ける溶融成形材料からの圧力がある設定された圧力以上となったとき、または、その時から更にある決められた時間経過したとき、稼動入子72の後退動作を開始させてもよい。この場合も、稼動入子72の後退動作は、前述した各実施例のように動作させる。ただし、これらの場合に必要な設定等は、制御装置52の内に組み込まれていたり、成形前に設定したりして得られるものとする。
【0074】
以上説明したように、本発明にかかる射出成形方法、および射出成形装置によれば、金型30のキャビティ40内に稼動入子72や押出ピン42などの押出部材を突出させ、押出部材を所定の力で保持することとしたので、キャビティ40内に押出部材が突出している分キャビティ40の容量が低下し、溶融成形材料の射出開始から早期にキャビティ40内に成形材料が充填され、かつその狭められたキャビティ40の容量が保持されることから、キャビティ40の形状が成形材料に確実に転写される。
【0075】
そして、押出部材により狭められたキャビティ40内に成形材料が充填された後、成形材料の圧力により押出部材を後退させながらキャビティ40が正規のキャビティ40になるまで溶融成形材料を射出するので、正規のキャビティ40で所望の成形品を成形することができる。更に、押出ピン42に加えられる圧力に応じて、稼動入子72や押出ピン42の先端面が、正規のキャビティ40を形成する位置に達するまで後退されるので、成形材料の流れや内部圧力の分布が良好な成形品を成形できる。よって、成形品肉厚が変化している成形品に対しても、成形材料の流れによる模様や線状のむらやヒケや反りなどを防止でき、良好な成形品を成形できる。また、金型内の圧力を測ることができる高価な樹脂圧センサを使用しないで、成形品を成形できるため、低いコストで成形が可能となる。尚稼動入子72を、押出ピン42を用いず、他の装置で移動可能としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、稼動入子や押出ピンなど押出部材を備えた射出成形方法に利用できる。
【符号の説明】
【0077】
10…射出成形装置
12…射出装置
14…型締装置
30…金型
32…固定ダイプレート
34…移動ダイプレート
36…固定金型
38…移動金型
40…キャビティ
42…押出ピン
44…押出プレート
46…駆動機構
48…送りねじ機構
50…サーボモータ
51…電動機
52…制御装置
60…回転センサ
70…圧力センサ
72…稼動入子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出装置から金型内に溶融成形材料を射出し、射出した該溶融成形材料を前記金型内で冷却、固化させて成形品とし、該成形品を、前記金型内に前後進可能に設けられた押出部材を電動機により前進させて、前記金型内から押し出し、取り出し可能とした射出成形方法であり、
前記金型が有するキャビティ内の所定位置に前記押出部材を押し出し、
その後前記射出装置から前記金型内に溶融成形材料を射出し、前記金型内に射出した溶融成形材料から前記押出部材にかかる圧力により前記押出部材を後退させることを特徴とする射出成形方法。
【請求項2】
射出装置から金型内に溶融成形材料を射出し、射出した該溶融成形材料を前記金型内で冷却、固化させて成形品とし、該成形品を、前記金型内に前後進可能に設けられた押出部材を電動機により前進させて、前記金型内から押し出し、取り出し可能とした射出成形方法であり、
前記金型が有するキャビティ内の所定位置に前記押出部材を押し出すとともに、所定の保持力を前記押出部材に付与して該押出部材を前記所定位置に留め、
その後前記射出装置から前記金型内に溶融成形材料を射出し、予め定められた後退開始の条件を満たすと、前記押出部材を後退させることを特徴とする射出成形方法。
【請求項3】
前記押出部材の後退開始は、前記溶融成形材料から前記押出部材にかかる圧力が所定値を超えたとき、前記射出装置の射出用スクリューが所定位置に到達したとき、前記射出装置の射出用スクリューが所定位置に到達した後さらに予め決められた時間経過したとき、前記溶融成形材料から前記押出部材にかかる圧力が所定値以上となり、かつ前記射出装置の射出用スクリューが所定位置に到達したとき、前記溶融成形材料から前記押出部材にかかる圧力が所定値以上となり、かつ前記射出装置の射出用スクリューが所定位置に到達した後さらに予め決められた時間経過したとき、のいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載の射出成形方法。
【請求項4】
前記押出部材を、該押出部材が前記金型内で押し出された所定位置から所望の成形品の厚さが得られる位置まで後退させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の射出成形方法。
【請求項5】
前記金型内に射出した溶融成形材料から前記押出部材にかかる圧力により、前記押出部材を、該押出部材が前記金型内で押し出された所定位置から所望の成形品の厚さが得られる位置まで後退させることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の射出成形方法。
【請求項6】
前記金型内の溶融成形材料の圧力、または前記射出の圧力を所定の値に保持した状態で、前記押出部材を、該押出部材が前記金型内で押し出された所定位置から所望の成形品の厚さが得られる位置まで後退させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の射出成形方法。
【請求項7】
前記押出部材を所定の速度で、該押出部材が前記金型内で押し出された所定位置から所望の成形品の厚さが得られる位置まで後退させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の射出成形方法。
【請求項8】
前記電動機にフィードバック制御を施すことにより、該押出部材が前記金型内で押し出された所定位置から所望の成形品の厚さが得られる位置まで後退させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の射出成形方法。
【請求項9】
前記押出部材を、該押出部材が前記金型内で押し出された所定位置から所望の成形品の厚さが得られる位置まで後退させた後、該押出部材を所定量前進動作させることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の射出成形方法。
【請求項10】
前記押出部材は、押出棒あるいは稼動入子であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の射出成形方法。
【請求項11】
金型と、溶融成形材料を前記金型内に射出する射出装置と、成形品を前記金型から押し出す押出部材と、前記押出部材を前後進させる電動機とを備え、前記金型内で前記溶融成形材料を冷却、固化させて成形品を成形する射出成形装置であり、
前記金型が有するキャビティ内の所定位置に前記押出部材が押し出された状態で、前記射出装置が前記金型内に溶融成形材料を射出し、前記金型内に射出した溶融成形材料から前記押出部材にかかる圧力により前記押出部材を後退させることを特徴とする射出成形装置。
【請求項12】
金型と、溶融成形材料を前記金型内に射出する射出装置と、成形品を前記金型から押し出す押出部材と、前記押出部材を前後進させる電動機とを備え、前記金型内で前記溶融成形材料を冷却、固化させて成形品を成形する射出成形装置であり、
前記金型が有するキャビティ内の所定位置に前記押出部材を押し出すとともに、前記押出部材に付与した所定の保持力により該押出部材を前記所定位置に留め、
その後前記射出装置が前記金型内に溶融成形材料を射出し、予め定められた後退開始の条件により、前記押出部材を後退させることを特徴とする射出成形装置。
【請求項13】
前記押出部材は、前記溶融成形材料から前記押出部材にかかる圧力が所定値を超えたとき、前記射出装置の射出用スクリューが所定位置に到達したとき、前記射出装置の射出用スクリューが所定位置に到達した後さらに予め決められた時間経過したとき、前記溶融成形材料から前記押出部材にかかる圧力が所定値以上となり、かつ前記射出装置の射出用スクリューが所定位置に到達したとき、前記溶融成形材料から前記押出部材にかかる圧力が所定値以上となり、かつ前記射出装置の射出用スクリューが所定位置に到達した後さらに予め決められた時間経過したとき、のいずれかで後退を開始することを特徴とする請求項11または12に記載の射出成形装置。
【請求項14】
前記押出部材は、該押出部材が前記金型内で押し出された所定位置から所望の成形品の厚さが得られる位置まで後退することを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の射出成形装置。
【請求項15】
前記押出部材は、前記金型内に射出した溶融成形材料から該押出部材にかかる圧力により、該押出部材が前記金型内で押し出された所定位置から所望の成形品の厚さが得られる位置まで後退することを特徴とする請求項12〜14のいずれか1項に記載の射出成形装置。
【請求項16】
前記押出部材は、前記金型内の溶融成形材料の圧力、または前記射出の圧力を所定の値に保持した状態で、該押出部材が前記金型内で押し出された所定位置から所望の成形品の厚さが得られる位置まで後退することを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項に記載の射出成形装置。
【請求項17】
前記押出部材は、所定の速度で、該押出部材が前記金型内で押し出された所定位置から所望の成形品の厚さが得られる位置まで後退することを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項に記載の射出成形装置。
【請求項18】
前記押出部材は、前記電動機に施されたフィードバック制御により、該押出部材が前記金型内で押し出された所定位置から所望の成形品の厚さが得られる位置まで後退することを特徴とする請求項11〜17のいずれか1項に記載の射出成形装置。
【請求項19】
前記押出部材は、該押出部材が前記金型内で押し出された所定位置から所望の成形品の厚さが得られる位置まで後退した後、所定量前進動作することを特徴とする請求項11〜18のいずれか1項に記載の射出成形装置。
【請求項20】
前記押出部材は、押出棒あるいは稼動入子であることを特徴とする請求項11〜19のいずれか1項に記載の射出成形装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−240602(P2011−240602A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−114641(P2010−114641)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【出願人】(000003458)東芝機械株式会社 (843)
【Fターム(参考)】