説明

層析出装置および層析出装置を運転する方法

【課題】プロセスガスの前反応を減じる層析出装置を提供する。
【解決手段】チャンバ(10)が設けられており、該チャンバ(10)が、被覆したい少なくとも1つの基板(13)を受容するための基板キャリア(12)と、隔壁(23)を備えるプロセスガス室(11)とを有しており、前記隔壁(23)が、プロセスガス室(11)の第1のセグメント(21)をプロセスガス室(11)の第2のセグメント(22)から仕切っており、かつ前記少なくとも1つの基板(13)を前記隔壁(23)に対して相対的に運動させる装置(44)が設けられているようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、層析出装置および層析出装置を運転する方法に関する。
【0002】
この特許出願は、独国の特許出願であるDE102007046606.6号およびDE102008010041.2号の優先権を主張する。これにより、両明細書の開示内容が引用により取り込まれる。
【背景技術】
【0003】
層析出装置内での層の析出時、一般に、層の形成のために必要とされる複数のプロセスガスが同時に定置に、被覆したい基板上に案内される。このことは気相での前反応に至り得る。この前反応によって粒子がプロセスガス室内に発生し、基板上に配されることとなる。
【0004】
US6576062B2号は、第1および第2のガス供給部を有する層析出装置に関する。
【特許文献1】US6576062B2号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、プロセスガスの前反応を減じる層析出装置および層析出装置を運転する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決した本発明の構成によれば、チャンバが設けられており、該チャンバが、被覆したい少なくとも1つの基板を受容するための基板キャリアと、隔壁を備えるプロセスガス室とを有しており、前記隔壁が、プロセスガス室の第1のセグメントをプロセスガス室の第2のセグメントから仕切っており、かつ前記少なくとも1つの基板を前記隔壁に対して相対的に運動させる装置が設けられているようにした。
【0007】
本発明の有利な構成では、前記チャンバが、第1のセグメント内への第1のガス供給部と、第2のセグメント内への第2のガス供給部とを有する。本発明の別の有利な構成では、前記プロセスガス室が、少なくとも1つの別のセグメントと、少なくとも1つの別の隔壁とを有しており、かつ前記チャンバが、前記少なくとも1つの別のセグメント内への少なくとも1つの別のガス供給部を有する。本発明のさらに別の有利な構成では、当該層析出装置が、エピタキシー層析出装置として形成されている。本発明のさらに別の有利な構成では、前記基板キャリアが、円形のテーブルとして形成されている。本発明のさらに別の有利な構成では、前記基板キャリアが、プロセスガス室に対して、前記円形のテーブルの回転対称軸である軸を中心に回転可能に配置されている。本発明のさらに別の有利な構成では、前記少なくとも1つの基板を前記隔壁に対して相対的に運動させる装置が、モータを備え、基板が、第1の運転状態で第1のセグメント内に配置され、第2の運転状態で第2のセグメント内に配置されているようになっている。本発明のさらに別の有利な構成では、前記少なくとも1つの隔壁が、前記基板キャリアに対して間隔D1を有する。本発明のさらに別の有利な構成では、前記間隔D1が、5mmより小さい値を有する。本発明のさらに別の有利な構成では、前記ガス供給部の少なくとも1つが、相応のセグメント内にプロセスガスを分配するための複数の出口を備えるガス分配装置を有する。本発明のさらに別の有利な構成では、プロセスガスを分解するための前分解段が設けられている。本願発明のさらに別の有利な構成では、前記前分解段が熱分解装置として形成されている。本発明のさらに別の有利な構成では、前記前分解段が、プラズマを発生させる装置として形成されている。本発明のさらに別の有利な構成では、前記チャンバが、前記基板キャリアに対して前記基板を回転させる回転装置を有する。
【0008】
さらに上記課題を解決した本発明の方法によれば、被覆したい少なくとも1つの基板を基板キャリア上に配置し、第1のプロセス条件をプロセスガス室の第1のセグメント内に調整し、第2のプロセス条件をプロセスガス室の、隔壁により前記第1のセグメントから仕切られた第2のセグメント内に調整し、前記少なくとも1つの基板を隔壁に対して相対的に動かすようにした。
【0009】
本発明の有利な方法では、前記第1のプロセス条件の調整が、前記第1のセグメント内への第1のプロセスガスの供給を含み、前記第2のプロセス条件の調整が、前記第2のセグメント内への第2のプロセスガスの供給を含む。
【発明の効果】
【0010】
一実施形態では、層析出装置がチャンバを有する。チャンバは、被覆したい基板を受容するための基板キャリアと、プロセスガス室とを有する。プロセスガス室は、第1および第2のセグメントならびに隔壁を有する。隔壁は、第1のセグメントおよび第2のセグメントを互いに隔離する。さらに層析出装置は、基板を隔壁に対して相対的に運動させる装置を有する。
【0011】
有利には、隔壁が第1のセグメントと第2のセグメントとの間に配置されているので、第1のセグメント内の第1のプロセス条件は、第2のセグメント内の第2のプロセス条件とは無関係にセットされ得る。これにより、プロセスガスの前反応は減じられる。ガスとはここではプラズマとも解される。一実施形態では、基板を動かす装置により、基板キャリアは隔壁に対して相対的に動かされることができる。基板キャリアは、被覆したい基板が第1のセグメントから第2のセグメントに移動するように動かされることができる。その結果、基板は交互にかつ前後して第1および第2のプロセス条件により被覆され得る。
【0012】
一実施形態では、チャンバが、第1のセグメント内への第1のガス供給部と、第2のセグメント内への第2のガス供給部とを有する。有利には、第1および第2のガス供給部により、第1のプロセスガスが第1のセグメント内に導入され、第2のプロセスガスが第2のセグメント内に導入され得る。第1および第2のプロセスガスは有利にはそれぞれ異なる。隔壁により、第1のセグメントは第2のセグメントから、有利には第1のプロセスガスが第2のプロセスガスと混じらないように隔離される。その結果、両プロセスガスの前反応は回避される。
【0013】
一実施形態では、層析出装置が、化学気相蒸着、英語ではchemical vapor deposition、略してCVDのために形成されている。有利には、層析出装置は、「エピタキシー層析出装置(Epitaxieschichtabscheidevorrichtung)」として実現されている。層析出装置は原子層エピタキシー法、英語ではatomic layer epitaxyのために実現されていることができる。これにより、層析出装置は、化合物半導体の析出のために使用され得る。その際、例えば、化合物半導体の第1の成分の原子層が第1のセグメント内に析出され、化合物半導体の第2の成分の原子層が第2のセグメント内に析出され得る。有利には、基板が繰り返し交互に第1および第2のセグメント内に存在するので、多数の原子層を有する層が析出され得る。
【0014】
一実施形態では、基板キャリアが円形のテーブルとして形成されている。円形のテーブルは回転対称軸を有する。基板キャリアおよびプロセスガス室は、互いに回転可能に配置されている。その際、相対運動の回転軸はテーブルの回転対称軸であることができる。有利には、基板はテーブルの回転対称軸の外、ひいては回転軸の外に配置されている。
【0015】
一実施形態では、基板キャリアが、多数の被覆したい基板を収容するために設計されている。
【0016】
一実施形態では、基板キャリアが、少なくとも1つの基板が浮動するプロセスガスまたはキャリアガスからなるガスクッションとして形成されている。ガスクッションは、少なくとも1つの基板が回転運動するように形成されていることができる。
【0017】
一実施形態では、プロセスガス室が実質的に円筒形である。有利には、隔壁が円筒の中心軸を通る。中心軸は回転軸であることができる。隔壁は実質的に長方形として形成されていることができる。択一的には、隔壁が単数または複数の長方形を有する。隔壁は機械的な隔壁として形成されていることができる。隔壁は固体として実現されていることができる。隔壁はガス不透過性の材料を有することができる。隔壁の材料は耐熱性であることができる。材料は、1000℃の温度まで温度安定性であることができる。択一的には、材料が、2000℃の温度まで温度安定性であることができる。材料は多孔性であることができる。材料はセラミック、特殊鋼またはモリブデンを有することができる。
【0018】
一実施形態では、隔壁が円筒形のプロセスガス室を、第1のセグメントと第2のセグメントとが同じ大きさであるように隔離する。択一的な実施形態では、第1のセグメントと第2のセグメントとが異なる大きさである。
【0019】
一実施形態では、基板キャリアを隔壁に対して相対的に運動させる装置がモータを有する。基板は第1の運転状態で第1のセグメント内に配置され、第2の運転状態で第2のセグメント内に配置されていることができる。
【0020】
有利には、基板キャリアがチャンバに対して可動に配置されている。これにより、基板キャリアはプロセスガス室に対して可動である。この実施形態では、隔壁ならびに第1および第2のガス供給部が固定的にチャンバに結合されている。
【0021】
一実施形態では、隔壁が基板キャリアに対して間隔を有する。この間隔は、20mmより小さな値を有することができる。択一的には、この間隔は5mmより小さな値を有することができる。有利には、この間隔は1mm〜0.1mmの値を有することができる。これにより有利には、せいぜいのところ僅かなガス交換が第1のセグメントと第2のセグメントとの間で可能な小さな隙間が、基板キャリアと隔壁との間に存在するにすぎない。
【0022】
一実施形態では、基板キャリアの表面と基板の表面とが、1つの共通の平面内に配置され得る。これにより有利には、隔壁が、基板キャリアに対しても基板に対しても一定の間隔を有する隙間を形成する。基板キャリアの回転に基づき、基板は順次第1および第2のセグメントを通走する。その際、隔壁の通走時、基板上の気相は小さな残分を除いてせん断される。
【0023】
一実施形態では、層析出装置が、基板を基板キャリアに対して回転させる回転装置を有する。これにより有利には、基板が、例えば第1のセグメント内にある間回転されるので、層析出の均等性は向上する。
【0024】
一実施形態では、層析出装置を運転する方法が、被覆したい少なくとも1つの基板を基板キャリア上に配置することを含む。第1のプロセス条件が、プロセスガス室の第1のセグメント内にセットされる。さらに第2のプロセス条件が、プロセスガス室の第2のセグメント内にセットされる。その際、隔壁は第1のセグメントを第2のセグメントから隔離する。基板は隔壁に対して相対的に動かされる。
【0025】
有利には、第1および第2のセグメント内の第1および第2のプロセス条件が、それぞれ異なって互いに別個にセットされ得るので、前反応は減じられる。基板は基板キャリアが動かされることにより動かされることができる。
【0026】
一実施形態では、第1のプロセス条件をセットするために、第1のプロセスガスが第1のセグメント内に導入される。第2のプロセスガスは第2のセグメント内に、第2のプロセス条件をセットするために導入される。第1のプロセスガスは有利には第2のプロセスガスとは異なっている。隔壁により、有利には、第1のセグメント内の第1のプロセスガスと、第2のセグメント内の第2のプロセスガスとの混合が減じられるので、第1のプロセスガスと第2のプロセスガスとの前反応は減じられている。
【0027】
一実施形態では、エピタキシー層が基板上に析出される。エピタキシー層は化合物半導体として形成されていることができる。その際、第1のプロセスガスは、化合物半導体の第1の成分を有し、第2のプロセスガスは、化合物半導体の第2の成分を有することができる。
【0028】
基板は有利には繰り返し交互にプロセスガス室の第1のセグメントおよび第2のセグメントに置かれる。これにより有利には、原子層形式でエピタキシー層が析出され得る。第1のセグメント内での基板の第1の暴露時間および第2のセグメント内での基板の第2の暴露時間は有利には、基板を受容するために設計されている基板キャリアの回転時間の確定により調節され得る。これにより有利には、基板が第1のプロセスガスおよび第2のプロセスガスにそれぞれ短時間だけ曝されていることが達成され得る。
【0029】
回転時間は、30秒より小であることができる。さらに回転時間は、0.1秒より小であることができる。有利には回転時間は、10秒より小であることができる。
【0030】
一実施形態では、第1のプロセスガスが第1のキャリアガスを有し、第2のプロセスガスが第2のキャリアガスを有する。第1のキャリアガスは第2のキャリアガスとは異なっていることができるので、化合物半導体のそれぞれの成分のために適したキャリアガスが選択され得る。
【0031】
化合物半導体は、III‐V族化合物半導体系またはII‐VI族化合物半導体系であることができる。III‐V族化合物半導体は、窒化物化合物半導体系、リン化物化合物半導体系、アンチモン化物化合物半導体系、ヒ化物化合物半導体系またはその合金系であることができる。
【0032】
「窒化物化合物半導体系」とは、本発明の関連では、活性のエピタキシー層序またはそのうちの少なくとも1つの層が、窒化物‐III族化合物半導体材料、有利にはAlGaIn1−n−mN(ただし、0≦n≦1、0≦m≦1およびn+m≦1)を有することを意味する。その際、この材料は必ずしも上記式に基づく数学的に正確な組成を有する必要はない。むしろ、単数または複数のドーパントならびに付加的な成分、すなわち、AlGaIn1−n−mN材料の特徴的な物理的特性を実質的に変化させない付加的な成分を有することができる。しかし、単純化するために、上記式は、部分的に微量の別の物質により置換されている可能性があるにしろ、結晶格子の主な成分Al,Ga,In,Nだけを含んでいる。
【0033】
「リン化物化合物半導体系」とは、本発明の関連では、半導体本体、特に活性の領域が有利にはAlGaIn1−n−mP(ただし、0≦n≦1、0≦m≦1およびn+m≦1、有利にはn≠0および/またはm≠0)を有することを意味する。その際、この材料は必ずしも上記式に基づく数学的に正確な組成を有する必要はない。むしろ、単数または複数のドーパントならびに付加的な成分、すなわち、材料の特徴的な物理的特性を実質的に変化させない付加的な成分を有することができる。しかし、単純化するために、上記式は、部分的に微量の別の物質により置換されている可能性があるにしろ、結晶格子の主な成分Al,Ga,In,Pだけを含んでいる。
【0034】
「アンチモン化物化合物半導体系」とは、本発明の関連では、半導体本体、特に活性の領域が有利にはAlInGa1−n−mSb(ただし、0≦n≦1、0≦m≦1およびn+m≦1)を有することを意味する。その際、この材料は必ずしも上記式に基づく数学的に正確な組成を有する必要はない。むしろ、単数または複数のドーパントならびに付加的な成分、すなわち、材料の特徴的な物理的特性を実質的に変化させない付加的な成分を有することができる。しかし、単純化するために、上記式は、部分的に微量の別の物質により置換されている可能性があるにしろ、結晶格子の主な成分Al,In,Ga,Sbだけを含んでいる。
【0035】
「ヒ化物化合物半導体系」とは、本発明の関連では、半導体本体、特に活性の領域が有利にはAlInGa1−n−mAs(ただし、0≦n≦1、0≦m≦1およびn+m≦1)を有することを意味する。その際、この材料は必ずしも上記式に基づく数学的に正確な組成を有する必要はない。むしろ、単数または複数のドーパントならびに付加的な成分、すなわち、材料の特徴的な物理的特性を実質的に変化させない付加的な成分を有することができる。しかし、単純化するために、上記式は、部分的に微量の別の物質により置換されている可能性があるにしろ、結晶格子の主な成分Al,In,Ga,Asだけを含んでいる。
【0036】
「II‐VI族化合物半導体系」とは、本発明の関連では、半導体本体、特に活性の領域が、周期表の第2主族に属する少なくとも1つの成分、特にベリリウム、マグネシウム、亜鉛、カドミウム、水銀と、第6主族に属する少なくとも1つの成分、特に酸素、硫黄、セレン、テルルとの化合物を有することを意味する。II−VI族化合物半導体は、有利にはZnCd1−nSe1−m(ただし、0≦n≦1および0≦m≦1)を有することができる。その際、この材料は必ずしも数学的に正確な組成を有する必要はない。むしろ、単数または複数のドーパントならびに付加的な成分、すなわち、材料の特徴的な物理的特性を実質的に変化させない付加的な成分を有することができる。しかし、単純化するために、上記式は、部分的に微量の別の物質により置換されている可能性があるにしろ、結晶格子の主な成分Zn,Cd,S,Seだけを含んでいる。II−VI族化合物半導体は例えば硫化物および/またはセレン化物を有することができる。
【0037】
化合物半導体は、発光ダイオード、特に薄膜発光ダイオードチップ、レーザ、太陽電池またはデテクタの製造のために析出され得る。
【0038】
本発明の複数の実施例について以下に図面を参照しながら詳説する。機能もしくは作用の同じコンポーネントおよび構成部分には同じ符号を付した。コンポーネントまたは構成部分の機能が相当している限り、その説明を後続の図面のたびに繰り返すことはしない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
図1は、提案する原理に基づく層析出装置の一実施形態を平面図を示す。層析出装置は、プロセスガス室11と基板キャリア12とを備えるチャンバ10を有する。基板キャリア12は、円形のテーブルとして構成されている。プロセスガス室11の中心軸は、基板キャリア12の回転対称軸27に合致する。基板キャリア12上には、被覆したい第1の基板13ならびに後続の5つの被覆したい基板14〜18が配置されている。6つの被覆したい基板13〜18は、基板キャリア12上に配置されている。第1の基板13の中心は、基板キャリア12の回転対称軸27を中心とする円周19上にある。後続の基板14〜18の中心点も円周19上にある。
【0040】
プロセスガス室11は実質的に円筒形に形成されている。基板キャリア12の直径D2は、プロセスガス室11の直径D3より小さい。それゆえ、チャンバ10はギャップ20を基板キャリア12とプロセスガス室11の壁との間に有する。プロセスガス室11は、第1のセグメント21および第2のセグメント22を有する。第2のセグメント22は、第1のセグメント21から隔壁23により仕切られている。隔壁23は、プロセスガス室11の中心軸および基板キャリア12の回転対称軸27を通る。隔壁23は、プロセスガス室11の壁の一区分から、プロセスガス室11の壁の、対向して位置する一区分にかけて延在する。これにより、隔壁23の長さLは、プロセスガス室11の直径D3である。さらにプロセスガス室11は、第1のガス供給部25および第2のガス供給部26を有する。第1のガス供給部25は、第1のセグメント21内への出口を有する。相応に第2のガス供給部26は、第2のセグメント22内への出口を有する。ギャップ20は、図1Aには示さない真空システム24に接続されている。ギャップ20はガス吸引のために役立つ。
【0041】
層の析出のため、まずチャンバ10を開放し、被覆したい基板13〜18を基板キャリア12上に配置する。チャンバ10の閉鎖後、真空システム24により負圧をプロセスガス室11内に形成する。図1Aには示さないガス供給システム28により、両ガス供給部25,26を介して、まずパージガスをプロセスガス室11の第1および第2のセグメント21,22内に導入する。引き続いて、基板キャリア12を回転対称軸27を中心に、図1Aに示した矢印の方向で回転させる。その際、隔壁23は基板キャリア12ならびに基板13〜19と接触しない。図1Aで見て第1のセグメント21内に存在する第1の基板13は、第2のセグメント22内へ運動する。さらに第1のガス供給部25が、第1のプロセスガスG1を第1のセグメント21内に導入する。相応に第2のガス供給部26が、第2のプロセスガスG2を第2のセグメント22内に導入する。第1のプロセスガスG1により、第1の層が基板13上に析出される。第1の基板13を第1のセグメント21から第2のセグメント22へ回動させた後、第2のプロセスガスG2により、第2の層が基板13上に析出される。第1の基板13は交互に第1および第2のセグメント21,22内に存在するので、所望の層序が第1の基板13上に析出される。例えば、第1のプロセスガスG1により、化合物半導体の第1の成分の原子の単層が析出され、第2のプロセスガスG2により、化合物半導体の第2の成分の原子の単層が析出され得る。
【0042】
有利には、隔壁により、それぞれ異なるプロセス条件を有する2つのセグメント21,22が達成され得る。これにより、層の析出時の高いフレキシビリティが可能である。有利には、隔壁23は第1のプロセスガスG1と第2のプロセスガスG2との混合を阻止する。
【0043】
図示しない択一的な実施形態では、付加的な基板を受容するための基板キャリア12が形成されている。付加的な基板は、基板キャリア12の回転対称軸27を中心とする別の円周に沿って配置されていることができる。これにより、層析出装置の容量は拡大されている。
【0044】
図示しない択一的な実施形態では、基板を受容するための基板キャリア12が、基板が円周上に配置されていないように形成されている。例えば、基板は「最密の球充填(dichteste Kugelpackung)」の原理に基づいて配置されていることができる。
【0045】
図示しない択一的な実施形態では、単独の基板13が基板キャリア12上に配置されている。基板13は同時に第1および第2のセグメント21,22内に存在することができる。基板13は、200mmより大きな値の直径を有することができる。一実施形態では、基板キャリア12は、基板13が浮動するガスクッションとして形成されていることができる。
【0046】
図示しない択一的な実施形態では、層析出装置は大気圧反応器として形成されている。その際、チャンバ10内には軽微な正圧が存在する。正圧は、1mbar〜2barの間の値を取ることができる。
【0047】
図示しない択一的な実施形態では、セグメント21,22のためにそれぞれ1つの吸引装置が存在する。
【0048】
図1Bは、提案する原理に基づく層析出装置の別の例示的な実施形態を示す。図1Bに示す層析出装置は、図1Aに示した層析出装置の変化形である。図1Bによれば、プロセスガス室11′は、第2および第3の隔壁30,31を有する。その結果、プロセスガス室11′は第3および第4のセグメント32,33を有する。4つのセグメント21,22,32,33の大きさはそれぞれ異なる。これにより、隔壁23,30,31により、円筒形のプロセスガス室11′は4つの部分に仕切られる。その際、図1Bに示す横断面の第1のセグメント21の面積は、第1の角度φ1に比例し、第2のセグメント22の面積は、第2の角度φ2に比例し、第3のセグメント32の面積は、第3の角度φ3に比例し、かつ第4のセグメント33の面積は、第4の角度φ4に比例する。さらにチャンバ10は、第3のプロセスガスG3を導入するための、第3のセグメント32内への第3のガス供給部34と、第4のプロセスガスG4を導入するための、第4のセグメント33内への第4のガス供給部35とを有する。
【0049】
第3のガス供給部34は、第3のセグメント32を第3のプロセスガスG3で負荷する。相応に第4のガス供給部35は、第4のセグメント33を第4のプロセスガスG4で負荷する。これにより、層の析出のために、4つのセグメント21,22,32,33は、それぞれ異なるガスで負荷され得る。例えば、第1および第3のセグメント21,32は、層の成分を含むガスで負荷され、第2および第4のセグメント22,33は、パージガスで負荷され得る。パージガスは、例えば窒素またはアルゴンであることができる。基板キャリア12は、回転時間Tで運動する。これにより、第1の基板13は、以下の方程式、すなわち
【数1】

に基づく、暴露時間と呼ばれ得る第1の継続時間T1の間、第1のセグメント21内に存在する。ただし、φ1は、第1のセグメント21の角度である。隔壁23は、角度φ1の両辺に配置されている。相応に、第1の基板13は、以下の方程式、すなわち
【数2】

に基づく、第2の継続時間T2の間、第2のセグメント22内に存在し、第3の継続時間T3の間、第3のセグメント30内に存在し、かつ第4の継続時間T4の間、第4のセグメント33内にある(ただし、φ1+φ2+φ3+φ4=360°およびT1+T2+T3+T4=Tが成立する)。
【0050】
有利には、第1のセグメント21内に存在する第1のプロセスガスG1と、第3のセグメント32内に存在する第3のプロセスガスG3との混合がさらに減じられる。これにより有利には、隔壁23,30,32の位置により、個々のセグメント内での第1の基板13の暴露時間が決定され得る。これにより、第1のプロセスガスG1による負荷のための暴露時間、第1のプロセスガスG1による負荷後の掃気のための暴露時間、第3のプロセスガスG3による負荷のための暴露時間および第3のプロセスガスG3による負荷後の掃気のための暴露時間は、個別的に調節可能である。暴露時間T1〜T4は、例えば0.01〜10秒であることができる。
【0051】
図1Cは、提案する原理に基づく層析出装置の別の例示的な実施形態を示す。図1Cに示す層析出装置は、図1Aおよび図1Bに示した実施形態の変化形である。図1Cに示すプロセスガス室11′′は、6つのセグメントを有する。基板13は順次、第1のセグメント21、第2のセグメント22、第3のセグメント32、第4のセグメント33、第5のセグメント36および第6のセグメント37を通走する。これにより、プロセスガス室11′′は、第4および第5の隔壁38,39を有する。第4の隔壁38は、第4のセグメント33と第5のセグメント36との間に配置されており、第5の隔壁39は、第5のセグメント36と第6のセグメント37との間に配置されている。さらにチャンバは、第5のセグメント36内への第5のガス供給部40および第6のセグメント37内への第6のガス供給部41を有する。
【0052】
これにより、基板13は順次、6つのそれぞれ異なるプロセスガスG1〜G6により以下の順序で負荷される:
G1:水素キャリアガスを含む化合物半導体のIII族成分
G2:窒素キャリアガス
G3:水素キャリアガスを含む化合物半導体のV族成分
G4:水素キャリアガス
G5:窒素キャリアガスを含む化合物半導体のIII族成分
G6:水素キャリアガスを含むドーパント。
【0053】
6つのセグメント21,22,32,33,36,37の6つの角度φ1〜φ6に応じて、6つのそれぞれ異なるプロセスガスG1〜G6のための6つの暴露時間T1〜T6が調節され得る。
【0054】
有利には、III族成分を含む第1および第5のプロセスガスG1,G5と、化合物半導体のV族成分を含む第3のプロセスガスG3との混合は、僅かに保たれる。異なる成分のために、異なるキャリアガスが使用され得る。同様に、同じ成分のために、異なるキャリアガスが使用され得る。
【0055】
図1Dは、層析出装置の例示的な実施形態を横断面図で示す。図1Dは、図1Aに示した線AA′に沿った横断面図を示す。図1Dに示す層析出装置は、鉛直型反応器として形成されている。それゆえ、層析出装置は鉛直型反応器とも呼ばれる。それというのも、プロセスガス室11内でのプロセスガスG1,G2の運動の主方向は、基板13,16に関して垂直であるからである。
【0056】
第1の基板13と別の基板16とは、基板キャリア12の凹部内に位置する。これにより、基板キャリア12の表面と基板13,16の表面とはほぼ1つの平面を形成する。基板キャリア12上には、第1および第2のセグメント21,22を有するプロセスガス室11が配置されている。第1および第2のガス供給部25,26は、基板キャリア12に対向して配置されている。隔壁23は、第1のセグメント21と第2のセグメント22との間に配置されている。隔壁23は、基板キャリア12に対して間隔D1を有する。さらにチャンバ10は、第1のヒータ42および第2のヒータ43を有する。両ヒータ42,43は、基板キャリア12の下に配置されている。層析出装置は、環状に延びるギャップ20に接続されている真空システム24を有する。さらに層析出装置は、基板キャリア12を隔壁23に対して相対的に運動させる装置44を有する。装置44は、モータ46を有する。モータ46の軸45は基板キャリア12に結合されている。その際、基板キャリア12の回転対称軸27は、軸45の中心軸線に相当する。さらに層析出装置は、ガス供給システム28を有する。ガス供給システム28は、供給ラインを介して第1のガス供給部25および第2のガス供給部26に接続されている。
【0057】
基板13,16は、基板キャリア12上に載置される。真空システム24は、負圧を基板キャリア12の下およびプロセスガス室11の中に形成する。プロセスガス室11内の絶対圧は、1mbarから1barの間の値であることができる。モータ46および軸47により、基板キャリア12は回転時間Tで回転運動可能である。第1および第2のヒータ42,43は、基板13〜19を加熱するために設けられている。これにより、基板13〜19は、析出工程に適した温度を有する。ガス供給システム28は、掃気ステップのためにはパージガスを提供し、析出工程中には第1および第2のプロセスガスG1,G2を提供する。一実施形態では、第1のプロセスガスG1が、III族前駆物質およびキャリアガスを有し、第2のプロセスガスG2が、V族前駆物質およびキャリアガスを有する。基板13,16の被覆は上方から実施される。それゆえ、この種の層析出装置は、フェースアップアッセンブリ(Face−up−Anordnung)とも呼ばれる。
【0058】
図1Eは、図1Dに示した層析出装置の変化形をなす、層析出装置の別の例示的な実施形態を横断面図で示す。図1Eに示す層析出装置はやはり鉛直型反応器として形成されている。基板13,16は下方から被覆される。基板キャリア12は、基板13,16が位置する切欠きを有するので、基板13,16は下方から切欠きを通して被覆され得る。これにより、基板13〜19は、被覆したい方の面を下向きに、基板キャリア12内に装填される。それゆえ、この種の層析出装置は、フェースダウンアッセンブリ(Face−down−Anordnung)とも呼ばれる。これにより、プロセスガス室11は、基板キャリア12の下に配置されている。層析出装置の別のコンポーネントは、図1Dに示したコンポーネントに相当するが、図1Dでは基板キャリア12の上に配置されたコンポーネントは、図1Eでは基板キャリア12の下に配置され、図1Dでは基板キャリア12の下に配置されたコンポーネントは、図1Eに示す層析出装置では基板キャリア12の上に配置されている。フェースダウンアッセンブリでは、プロセスガス室11内に場合によっては存在する粒子が、基板13,16の、被覆したい表面に衝突することが回避される。
【0059】
図1Fは、層析出装置の別の例示的な実施形態を横断面図で示す。図1Fに示す層析出装置は、図1Dに示した層析出装置の変化形である。図1Fに示す層析出装置は、水平型反応器として実現されている。この層析出装置では、プロセスガスG1,G2の主運動が水平方向、すなわち基板13,16の表面に対して実質的に平行である。水平の流動は、基板キャリア12の表面に対する直接的な近傍でのガス出口25,26の配置ならびにチャンバ10の縁でのプロセスガス室11の吸引により達成される。層析出装置はフェースアップアッセンブリとして実現されている。
【0060】
図2は、提案する原理に基づく層析出装置の別の例示的な実施形態を示す。図2には、図1Bに示した実施形態の変化形が示されている。図2によれば、ガス吸引のための開口50は、プロセスガス室11′′′の中央に設けられている。第1のガス供給部25は、プロセスガス室11の壁に沿って第1のセグメント21内に配置されている。相応に第2、第3および第4のガス供給部26,34,35は、プロセスガス室11′′′の壁に沿って第2、第3および第4のセグメント22,32,33内に配置されている。これにより、プロセスガスG1〜G4は、プロセスガス室11′′′の壁を起点として横方向に基板13〜19上をプロセスガス室11′′′の中央に向かって運動し、そこで、真空システム24に通じる開口50により吸引される。
【0061】
これにより、図2では、プロセスガスG1〜G4の流動方向が、図1Bに示した実施形態とは逆になっている。
【0062】
図3Aは、ガス供給部の例示的な構成を示す。ガス供給部25は、1つの入口61と複数の出口62とを備えるガス分配装置60を有する。出口62は、基板キャリア12に対向して配置されている。ガス分配装置60と基板キャリア12との間の間隔は僅かである。この間隔は例えば1cmである。出口62は、基板キャリア12の、相前後して異なる基板13〜19が存在する領域に対向して配置されている。
【0063】
有利には、ガス分配装置60により、基板13上でのガス濃度の高い均質性、ひいては層析出の高い均質性が達成される。
【0064】
図3Bは、ガス供給部の例示的な択一的な構成を示す。ガス供給部25は熱分解装置70を有する。熱分解装置70は加熱源を有する。熱分解装置70により、プロセスガスは熱分解される。
【0065】
これにより有利には、プロセスガスG1の前分解が、既にプロセスガスG1による基板13の負荷前に実施され得る。
【0066】
図3Cは、プラズマを発生させる装置80を備えるセグメントの例示的な実施形態を示す。装置80は第1および第2の電極81,82を有する。両電極81および82は、チャンバ10の外に配置されている交流電圧発生器83に接続されている。
【0067】
両電極81,82に交流電圧を印加することにより、プラズマが両電極81,82の間に、ひいてはセグメント内に形成される。プラズマにより、セグメントのプロセスガスG1の成分は前分解される。これにより、プラズマエピタキシーのためのセグメントが形成されている。
【0068】
プラズマは、基板13〜16の近傍に、特に0.5〜2cmの間隔を置いて、または基板13〜18から離れてプロセスガス室11内に形成され得る。
【0069】
有利には、プロセスガスG1の反応は、プラズマにより、既に基板への衝突前に実施され得る。
【0070】
択一的な実施形態では、プラズマが、ガス供給部25,26,34,35,36,37の1つ、またはチャンバ10の上流に接続されるプレチャンバ内で形成され得る。
【0071】
図3Dは、基板キャリアの例示的な実施形態を示す。図3Dによれば、基板キャリア12は回転装置90を有する。回転装置90は、基板13を受容するためのターンテーブル91を有する。さらに回転装置90は、ターンテーブル91の回転軸に結合されている軸を有するモータ92を有する。
【0072】
これにより有利には、基板13はターンテーブル91の軸、ひいては基板13の中心を中心として析出工程中回転可能である。これにより有利には、基板13上への層析出の均等性が向上する。
【0073】
図示しない択一的な実施形態では、ターンテーブル91が、複数の基板のための受容部を有する。これにより、層析出装置の容量はさらに増大し得る。
【0074】
図示しない択一的な実施形態では、駆動がモータなしに行われる。駆動は、単数または複数の基板13または基板キャリア12が浮動するガスクッション内の流動により発生され得る。
【0075】
本発明は、発明を実施するための最良の形態に限定されるものではない。むしろ本発明は、請求項に記載される特徴およびその組み合わせはもちろん、仮にそれが請求項および発明の詳細な説明に明記されていないものであっても、あらゆる新規な特徴ならびにこれらの特徴のあらゆる組み合わせを包含する。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1A】提案する原理に基づく層析出装置の一実施例を示す図である。
【図1B】提案する原理に基づく層析出装置の一実施例を示す図である。
【図1C】提案する原理に基づく層析出装置の一実施例を示す図である。
【図1D】提案する原理に基づく層析出装置の一実施例を示す図である。
【図1E】提案する原理に基づく層析出装置の一実施例を示す図である。
【図1F】提案する原理に基づく層析出装置の一実施例を示す図である。
【図2】提案する原理に基づく層析出装置の択一的な実施例を示す図である。
【図3A】提案する原理に基づく層析出装置のコンポーネントの例を示す図である。
【図3B】提案する原理に基づく層析出装置のコンポーネントの例を示す図である。
【図3C】提案する原理に基づく層析出装置のコンポーネントの例を示す図である。
【図3D】提案する原理に基づく層析出装置のコンポーネントの例を示す図である。
【符号の説明】
【0077】
10 チャンバ
11,11′,11′′,11′′′ プロセスガス室
12 基板キャリア
13 基板
14 基板
15 基板
16 基板
17 基板
18 基板
19 円周
20 ギャップ
21 第1のセグメント
22 第2のセグメント
23 隔壁
24 真空システム
25 第1のガス供給部
26 第2のガス供給部
27 回転対称軸
28 ガス供給システム
30 第2の隔壁
31 第3の隔壁
32 第3のセグメント
33 第4のセグメント
34 第3のガス供給部
35 第4のガス供給部
36 第5のセグメント
37 第6のセグメント
38 第4の隔壁
39 第5の隔壁
40 第5のガス供給部
41 第6のガス供給部
42 第1のヒータ
43 第2のヒータ
44 基板キャリアを隔壁に対して相対的に運動させる装置
45 軸
46 モータ
50 開口
60 ガス分配装置
61 入口
62 出口
70 熱分解装置
80 プラズマを発生させる装置
81 第1の電極
82 第2の電極
83 交流電圧発生器
90 回転装置
91 ターンテーブル
92 モータ
D1 間隔
D2 直径
D3 直径
G1 第1のプロセスガス
G2 第2のプロセスガス
G3 第3のプロセスガス
G4 第4のプロセスガス
L 長さ
T 回転時間
T1 第1の継続時間
T2 第2の継続時間
T3 第3の継続時間
T4 第4の継続時間
φ1 第1の角度
φ2 第2の角度
φ3 第3の角度
φ4 第4の角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
層析出装置において、
‐チャンバ(10)が設けられており、該チャンバ(10)が、
被覆したい少なくとも1つの基板(13)を受容するための基板キャリア(12)と、
隔壁(23)を備えるプロセスガス室(11)とを有しており、前記隔壁(23)が、プロセスガス室(11)の第1のセグメント(21)をプロセスガス室(11)の第2のセグメント(22)から仕切っており、かつ
‐前記少なくとも1つの基板(13)を前記隔壁(23)に対して相対的に運動させる装置(44)が設けられている
ことを特徴とする、層析出装置。
【請求項2】
前記チャンバ(10)が、
‐第1のセグメント(21)内への第1のガス供給部(25)と、
‐第2のセグメント(22)内への第2のガス供給部(26)と、
を有する、請求項1記載の層析出装置。
【請求項3】
前記プロセスガス室(11)が、少なくとも1つの別のセグメント(32,33,36,37)と、少なくとも1つの別の隔壁(30,31,38,39)とを有しており、かつ前記チャンバ(10)が、前記少なくとも1つの別のセグメント(32,33,36,37)内への少なくとも1つの別のガス供給部(34,35,40,41)を有する、請求項2記載の層析出装置。
【請求項4】
当該層析出装置が、エピタキシー層析出装置として形成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の層析出装置。
【請求項5】
前記基板キャリア(12)が、円形のテーブルとして形成されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の層析出装置。
【請求項6】
前記基板キャリア(12)が、プロセスガス室(11)に対して、前記円形のテーブルの回転対称軸である軸(45)を中心に回転可能に配置されている、請求項5記載の層析出装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの基板を前記隔壁に対して相対的に運動させる装置(44)が、モータ(46)を備え、基板(13)が、第1の運転状態で第1のセグメント(21)内に配置され、第2の運転状態で第2のセグメント(22)内に配置されているようになっている、請求項1から6までのいずれか1項記載の層析出装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの隔壁(23)が、前記基板キャリア(12)に対して間隔D1を有する、請求項1から7までのいずれか1項記載の層析出装置。
【請求項9】
前記間隔D1が、5mmより小さい値を有する、請求項8記載の層析出装置。
【請求項10】
前記ガス供給部(25,26,34,35,40,41)の少なくとも1つが、相応のセグメント(21,22,32,33,36,37)内にプロセスガス(G1,G2,G3,G4,G5,G6)を分配するための複数の出口(62)を備えるガス分配装置(60)を有する、請求項1から9までのいずれか1項記載の層析出装置。
【請求項11】
プロセスガス(G1,G2,G3,G4,G5,G6)を分解するための前分解段が設けられている、請求項1から10までのいずれか1項記載の層析出装置。
【請求項12】
前記前分解段が熱分解装置(70)として形成されている、請求項11記載の層析出装置。
【請求項13】
前記前分解段が、プラズマを発生させる装置(80)として形成されている、請求項11または12記載の層析出装置。
【請求項14】
前記チャンバ(10)が、前記基板キャリア(12)に対して前記基板(13)を回転させる回転装置(90)を有する、請求項1から13までのいずれか1項記載の層析出装置。
【請求項15】
層析出装置を運転する方法において、
‐被覆したい少なくとも1つの基板(13)を基板キャリア(12)上に配置し、
‐第1のプロセス条件をプロセスガス室(11)の第1のセグメント(21)内に調整し、第2のプロセス条件をプロセスガス室(11)の、隔壁(23)により前記第1のセグメント(21)から仕切られた第2のセグメント(22)内に調整し、
‐前記少なくとも1つの基板(13)を隔壁(23)に対して相対的に動かす
ことを特徴とする、層析出装置を運転する方法。
【請求項16】
前記第1のプロセス条件の調整が、前記第1のセグメント(21)内への第1のプロセスガス(G1)の供給を含み、前記第2のプロセス条件の調整が、前記第2のセグメント(22)内への第2のプロセスガス(G2)の供給を含む、請求項15記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【公開番号】特開2009−84693(P2009−84693A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−250749(P2008−250749)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(599133716)オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (586)
【氏名又は名称原語表記】Osram Opto Semiconductors GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D−93055 Regensburg, Germany
【Fターム(参考)】