説明

微小薄膜キャパシタンス素子及びそれを用いた薄膜誘電特性測定評価方法

【課題】薄膜誘電体の誘電特性測定に用いる微小薄膜キャパシタンス素子及び薄膜誘電特性測定評価方法であって、高周波数帯域における誘電体の誘電特性を高精度に測定評価することのできる微小薄膜キャパシタンス素子及びそれを用いた薄膜誘電特性測定評価方法を提供する。
【解決手段】薄膜誘電体7の誘電特性測定に用いる微小薄膜キャパシタンス素子1であって、被測定試料としての誘電体薄膜7が第1の電極層2aと第2の電極層6との間に挟まれてなるキャパシタ部2と、前記第1の電極層2aに電気的に接続されたコンタクト電極3と、前記第2の電極層6に電気的に接続され、前記コンタクト電極3の周りに形成されたグランド電極4とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、1MHz−60GHzの高周波領域における誘電体の薄膜誘電特性の測定評価に用いるキャパシタンス素子及びそれを用いた薄膜誘電特性測定評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高速・高集積の半導体LSIデバイスを用いたデジタル情報通信技術の急速な進展により、情報伝送ネットワーク上のデータ転送速度は数Gbit(ギガビット)毎秒に達している。
このような高速信号伝送系においては、信号配線として、インピーダンス整合のためのマイクロストリップ線路、コプレーナ線路等の高周波伝送に対応した伝送線路構造を導入することが必須となる。
伝送線路の高周波特性は、線路の断面形状と絶縁層の誘電特性で決まるため、絶縁層の高周波誘電特性を測定評価して、線路の設計にフィードバックすることが重要である。
従来、高周波誘電特性の測定方法として、空洞共振器法、Sパラメータ法、静電容量法などがある(非特許文献1、特許文献1等を参照)。
【非特許文献1】JIS R1641
【特許文献1】特開平5−157784号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、それら従来の測定方法にあっては、数百μmから数mmの厚さ寸法の大きめの被測定試料(例えば、10mmφ、50mm角、幅1mm程度で長さ10cm程度等)が必要であり、高速・高集積の半導体LSIデバイスに実際に用いられる誘電材料の膜厚(数百nm〜数μm)との差が大き過ぎるという課題があった。
即ち、誘電材料の膜厚の大きな被測定試料では、実際のLSIデバイス等に使用したい膜厚の誘電材料の誘電特性と異なることもあるため、またLSIデバイス等に使用する膜厚での作製プロセスのため、膜厚の大きな被測定試料の作製が困難であった。
【0004】
本発明は、前記したような事情の下になされたものであり、薄膜誘電体の誘電特性測定に用いる微小薄膜キャパシタンス素子及び薄膜誘電特性測定評価方法であって、高周波数帯域における誘電体の誘電特性を高精度に測定評価することのできる微小薄膜キャパシタンス素子及びそれを用いた薄膜誘電特性測定評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記した課題を解決するために、本発明に係る微小薄膜キャパシタンス素子は、薄膜誘電体の誘電特性測定に用いる微小薄膜キャパシタンス素子であって、被測定試料としての誘電体薄膜が第1の電極層と第2の電極層との間に挟まれてなるキャパシタ部と、前記第1の電極層に電気的に接続されたコンタクト電極と、前記第2の電極層に電気的に接続され、前記コンタクト電極の周りに形成されたグランド電極とを備えることに特徴を有する。尚、前記誘電体膜上に、前記第1の電極層と、前記コンタクト電極と、前記グランド電極とが形成されていることが望ましい。
また、前記コンタクト電極と前記グランド電極との間のピッチ寸法は、10μm以上30μm以下であり、前記コンタクト電極の面積は、100μm2以上10000μm2以下であることが望ましい。
また、前記第1の電極層の面形状は円形または方形であるが、キャパシタンス素子の精密な寸法が必要であることから、作製する上では円形であることが望ましい。
【0006】
このように構成された微小薄膜キャパシタンス素子によれば、高速・高集積のLSIデバイスに実際に用いられる誘電材料の膜厚に合わせた寸法の試料を用いて、誘電特性の測定を行うことができる。したがって、伝送線路の設計等において、誘電特性の測定評価を高精度にフィードバックすることができる。
【0007】
また、前記課題を解決するため、本発明に係る薄膜誘電特性測定評価方法は、前記微小薄膜キャパシタンス素子を用いた薄膜誘電特性測定評価方法であって、信号電極とグランド電極との間の電極間ピッチが10μm以上30μm以下に形成されたコンタクトプローブの信号電極を、前記微小薄膜キャパシタンス素子のコンタクトパッドに接続し、且つ、該プローブのグランド電極を前記微小薄膜キャパシタンス素子の前記グランド電極に接続するステップと、前記コンタクトプローブを介して測定信号を得るステップとを実行することに特徴を有する。
【0008】
このような方法を実施することにより、高速・高集積のLSIデバイスに実際に用いられる誘電材料の膜厚に合わせた寸法の試料を用いて、誘電特性の測定を行うことができる。したがって、伝送線路の設計等において、誘電特性の測定評価を高精度にフィードバックすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、薄膜誘電体の誘電特性測定に用いる微小薄膜キャパシタンス素子及び薄膜誘電特性測定評価方法であって、高周波数帯域における誘電体の誘電特性を高精度に測定評価することのできる微小薄膜キャパシタンス素子及びそれを用いた薄膜誘電特性測定評価方法を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明に係る微小薄膜キャパシタンス素子及びそれを用いた薄膜誘電特性測定評価方法の実施形態について説明する。
図1は、本発明の微小薄膜キャパシタンス素子が適用されるキャパシタンス素子1の平面図、図2は、図1のA−A矢視断面図である。
【0011】
図1、図2に示すように、このキャパシタンス素子1は、被測定試料である誘電体薄膜(誘電体層7)を上下から金属層で挟み込んでなるキャパシタ部2(図2のクロスハッチ領域)と、前記金属層から延設された信号電極であるコンタクトパッド3(コンタクト電極)と、コンタクトパッド3の周囲に前記誘電体層7を介して形成されたグランド電極4とを有する。
ここで、キャパシタ部2における誘電体層7の膜厚及び面積は、LSIデバイスに用いられる所望の寸法に合わせて形成されている。
【0012】
また、図2に示すように、キャパシタ部2の第2の電極層を構成するグランド層6は、グランド層を構成する金属が、銅、銀、金、アルミニウム、タングステン、チタン、タンタル、ニオブであり、誘電体層7の下層に形成されている。
また、グランド層6の下層には、例えばSiO2或いはSi或いは、シリコンナイトライド、シリコンカーバイドなどの無機絶縁材料、ポリイミドやエポキシ樹脂などの有機絶縁材料からなる絶縁基板層5が設けられている。
尚、本実施の形態においては、被検査試料となる誘電体層7は例えばSiO2等の無機絶縁体材料、およびポリイミド、ベンゾシクロブテン等の有機誘電体材料より形成され、キャパシタ部2の第1の電極層としての金属層2a、コンタクトパッド3、及びグランド電極4は、銅、銀、金、アルミニウム、タングステン、チタン、タンタル、ニオブのような金属層となされている。
【0013】
尚、図3(a)のように、電極層2aおよび電極層6の下部との層の間に、チタン、チタンナイトライド、タンタル、タンタルナイトライド、パラジウム、アルミニウムなどの密着保護層8を用いることで、電極層と下部層との密着が強固となり、電極層の剥離を防ぎ、キャパシタンス評価時の寄生効果を抑制できる。
また、さらに図3(b)のように、誘電体層7と電極層6との間に、チタン、チタンナイトライド、タンタル、タンタルナイトライド、パラジウム、アルミニウムなどの密着保護層8を用いることで、誘電体層7と電極層6との密着が強固となり、誘電体層7の剥離を防ぎ、キャパシタンス評価時の寄生効果を抑制できる。
また、さらに図3(c)のように、電極層2a上部に、金、チタン、チタンナイトライド、タンタル、タンタルナイトライド、パラジウム、アルミニウムなどの保護層8を用いることで、電極層2aの酸化等の劣化を防ぎ、電極層の抵抗値が上昇する等のキャパシタンス評価時の寄生効果を抑制できる。
【0014】
また、キャパシタ部2の電極である前記金属層2aの平面形状は、図1に示すように、好ましくは円形に形成されている。これは、微細形状であっても、円形であれば形成が容易であること、及び形成後の寸法が設計時の寸法とほぼ同一に制御できることの理由による。
また、図1に示す円形のキャパシタ部2の面積a1は例えば1600μm2に形成され、コンタクトパッド3とグランド電極4との間の電極間ピッチ寸法d1は、例えば30μmに形成されている。
ピッチ寸法d1を微細ピッチで形成することにより、測定装置のコンタクトプローブが接触した際に、コンタクトパッド3の寄生効果を極力排除し、より高精度の測定を行うことができる。
【0015】
このような構成のキャパシタンス素子1は、図4に断面図で示す作製工程に従い作製することができる。
先ず、SiO2或いはSi或いは、シリコンナイトライド、シリコンカーバイドなどの無機絶縁材料、ポリイミドやエポキシ樹脂などの有機絶縁材料からなる絶縁基板層5上に真空蒸着法により金属層を成膜し、グランド層6を形成する(図4(a))。
次いで、グランド層6上にSiO2等の無機絶縁体材料、およびポリイミド、ベンゾシクロブテン等の有機誘電体材料を被測定試料として、誘電体層7(薄膜誘電体)を形成する(図4(b))。
【0016】
誘電体層7の形成後、フォトリソグラフィ工程によりフォトレジストパターン10を形成し(図4(c))、エッチングにより誘電体層7に、グランド層6への接続穴を形成する(図4(d))。
次いで、フォトレジスト10を除去し(図4(e))、さらにフォトリソグラフィ工程により、誘電体層7上に金属層を形成する部分のフォトレジストパターン11を形成する(図4(f))。
【0017】
そして、フォトレジストパターン11上から真空蒸着法により、金属層20を成膜し(図4(g))、最後にフォトレジスト11を除去することによりキャパシタ部2の上部電極としての金属層2a、コンタクトパッド3、及びグランド電極4が形成される(図4(h))。
【0018】
尚、キャパシタンス素子1は、図5に断面図で示す作製工程に従い作製することもできる。
先ず、SiO2或いはSi或いは、シリコンナイトライド、シリコンカーバイドなどの無機絶縁材料、ポリイミドやエポキシ樹脂などの有機絶縁材料からなる絶縁基板層5上に真空蒸着法により密着保護層8、金属層6bを成膜する。
次いで、金属層6b上にめっき法により金属膜6aを成膜し、金属膜6aおよび金属膜6bを合わせてグランド層6を形成する(図5(b))。
次いで、グランド層6上にSiO2等の無機絶縁体材料、およびポリイミド、ベンゾシクロブテン等の有機誘電体材料を被測定試料として、誘電体層7(薄膜誘電体)を形成する(図5(c))。
【0019】
誘電体層7の形成後、フォトリソグラフィ工程によりフォトレジストパターン10を形成し(図5(d))、エッチングにより誘電体層7に、グランド層6への接続穴を形成し(図5(e))、フォトレジスト10を除去する(図5(f))。
次いで、誘電体層7上に真空蒸着法により密着保護層9、金属層2bを成膜し(図5(g))、さらにフォトリソグラフィ工程により、誘電体層7上に金属層を形成する部分のフォトレジストパターン11を形成する(図5(h))。
【0020】
そして、フォトレジストパターン11形成後、めっき法により、金属層20を成膜し(図5(i))、フォトレジスト11を除去する(図5(j))。最後に上面に現れている金属層20以外の金属層2bおよび9をエッチングすることによりキャパシタ部2の上部電極としての金属層2a、コンタクトパッド3、及びグランド電極4が形成される(図5(k))。
【0021】
また、誘電体層7に、グランド層6への接続穴を形成する場合、誘電体層が、例えば、感光性ポリイミドのように誘電体層自体が感光性をもち、且つ、感光性ポリイミドがポジ型感光性ポリイミドの場合には、図6に示す手順により形成することができる。
即ち、図6に示すように、金属層6上に誘電体層7を形成後(図6(a))、フォトマスクを用いてグランド層6への接続穴部分へ紫外線露光15を行い(図6(b))、露光部分を現像(エッチング16)する(図6(c))。これにより、誘電体層7に、グランド層6への接続穴を形成することができる(図6(d))。
【0022】
またさらに、感光性を示す誘電体層7がネガ型感光性誘電体層の場合、金属層6上に誘電体層7を形成後(図7(a))、フォトマスクを用いてグランド層6への接続穴以外の部分へ紫外線露光15を行い(図7(b))、未露光部分を現像(エッチング16)する(図7(c))ことで、誘電体層7に、グランド層6への接続穴を形成することができる(図7(d))。
【0023】
以上のように形成されたキャパシタンス素子1を用い、薄膜誘電特性測定評価を行う場合、コンタクトパッド3及びグランド電極4に対し、例えばベクトルネットワークアナライザ等の測定機器に接続された微細ピッチの高周波プローブを電気的に接続する。ここで用いる高周波プローブとは、信号電極とグランド電極との間の電極間ピッチが、コンタクトパッド3及びグランド電極4の電極間ピッチに合わせて、例えば10μm以上30μm以下の間で設定され、形成されたコンタクトプローブ(図示せず)である。尚、このようなプローブは、例えば、特開2006−10678号公報に開示されたコンタクトプローブやPCT公開特許公報WO2007/123185に開示された微細ピッチマルチチャンネルコンタクトプローブをシングルチャンネルで用いることで、好適に用いることが出来る。
【0024】
具体的には、高周波プローブの信号電極を、キャパシタンス素子1のコンタクトパッド3に接続し、且つ、該プローブのグランド電極をキャパシタンス素子1のグランド電極4に接続する。
そして、前記高周波プローブを介して測定信号を得て、測定機器を用いて高周波数領域におけるアドミッタンスを求める。また、このときキャパシタ素子1と同様のコンタクトパッド構造をもつオープン素子と、ショート素子を、前記高周波プローブを解して測定信号を得て、オープン素子およびショート素子のアドミッタンスを求める。キャパシタンス素子、オープン素子、ショート素子の3つのアドミッタンスから、キャパシタ部2における薄膜誘電体の誘電特性の測定評価を行うことができる。
【0025】
尚、薄膜誘電体の誘電特性の測定評価に関しては、非特許文献2に記載されている(非特許文献2:『Measurement of High−Frequency Dielectric Characteristics in the mm−Wave Band for Dielectric Thin Films on Semiconductor Substrates』,生田健治, 楳田洋太郎,石井康信,Japanese Journal of Applied Physics,Vol.34,No.9B,pp.L1211−L1213,1995)
【0026】
以上のように、本発明に係る微小薄膜キャパシタンス素子によれば、高速・高集積のLSIデバイスに実際に用いられる誘電材料の膜厚に合わせた大きさの試料を用いて、試料に対する誘電特性の測定を行うことができる。
したがって、伝送線路の設計等において、誘電特性の測定評価を高精度にフィードバックすることができる。
【0027】
尚、前記実施の形態においては、キャパシタンス部2の面積a1を1600μm2、コンタクトパッド3とグランド電極4との間のピッチ寸法d1を30μmの例を示したが、本発明にあっては、キャパシタンス部2の面積a1およびピッチ寸法d1は、それに限定されるものではない。
コンタクトパッド3とグランド電極4との間のピッチ寸法d1は図8に示すように、例えば、誘電体層7の膜厚が500nmの場合、30μm以下では、誘電特性である誘電率および誘電正接損の真値からのずれが5パーセント以内となり、ピッチ寸法d1を微細ピッチで形成することにより、測定装置のコンタクトプローブが接触した際に、コンタクトパッド3の寄生効果を極力排除し、より高精度の測定を行うことができる。
【0028】
また、キャパシタ部2の面積a1は図9に示すように、例えば、誘電体層7の膜厚が1μmの場合、10000μm2以下では、誘電特性である誘電率および誘電正接損の真値からのずれが5パーセント以内となり、キャパシタンス素子自体の寄生効果が小さくなり、より高精度の測定を行うことができる。
例えば、図10(a)に示すように、コンタクトパッド3とグランド電極4との間のピッチ寸法d1の寸法を小さく(例えば、ピッチ寸法d1=20μm)形成することがより好ましい。また、図10(b)に示すように、グランド電極4の構造はコンタクトパッドの左右に分割されていても良い。
また、前記実施の形態においては、キャパシタ部2の好ましい平面形状として、円形を示したが、本発明にあっては、それに限定されず、例えば、図11に示すような方形状であってもよい。
【0029】
尚、本発明の対応する周波数に関しては、図12に示すように、例えば、誘電体層7の膜厚が500nmの場合、誘電率および誘電正接損の真値からのずれが5パーセント以内となり、60GHz程度まではキャパシタンス素子自体の寄生効果が小さく、より高精度の測定を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、特に、1MHz−60GHzでの高周波領域における誘電体の薄膜誘電特性の測定評価に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、本発明の微小薄膜キャパシタンス素子が適用されるキャパシタンス素子の平面図である。
【図2】図2は、図1のキャパシタンス素子のA−A矢視断面図である。
【図3】図3は、図1のキャパシタンス素子の他の形態を示すA−A矢視断面図である。
【図4】図4は、図1のキャパシタンス素子の作製工程を示す断面図である。
【図5】図5は、図1のキャパシタンス素子の他の作製工程を示す断面図である。
【図6】図6は、図1のキャパシタンス素子の他の作製工程を示す断面図である。
【図7】図7は、図1のキャパシタンス素子の他の作製工程を示す断面図である。
【図8】図8は、図1のキャパシタンス素子のコンタクトパッド3とグランド電極4との間のピッチ寸法d1の変化に対応する誘電特性の変位量を示すグラフである。
【図9】図9は、図1のキャパシタンス素子のキャパシタ部2の面積a1の変化に対応する誘電特性の変位量を示すグラフである。
【図10】図10は、図1のキャパシタンス素子の他の形態を示す平面図である。
【図11】図11は、図1のキャパシタンス素子の他の形態を示す平面図である。
【図12】図12は、図1のキャパシタンス素子の周波数に対応する誘電特性の変位量を示すグラフである。
【符号の説明】
【0032】
1 キャパシタンス素子(微小薄膜キャパシタンス素子)
2 キャパシタ部
2a 金属層(第1の電極層)
3 コンタクトパッド(コンタクト電極)
4 グランド電極
5 絶縁基板層
6 グランド層(第2の電極層)
7 誘電体層(誘電体薄膜)
8 密着保護層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜誘電体の誘電特性測定に用いる微小薄膜キャパシタンス素子であって、
被測定試料としての誘電体薄膜が第1の電極層と第2の電極層との間に挟まれてなるキャパシタ部と、
前記第1の電極層に電気的に接続されたコンタクト電極と、
前記第2の電極層に電気的に接続され、前記コンタクト電極の周りに形成されたグランド電極とを備えることを特徴とする微小薄膜キャパシタンス素子。
【請求項2】
前記誘電体膜上に、前記第1の電極層と、前記コンタクト電極と、前記グランド電極とが形成されていることを特徴とする請求項1に記載された微小薄膜キャパシタンス素子。
【請求項3】
前記コンタクト電極と前記グランド電極との間のピッチ寸法は、10μm以上30μm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された微小薄膜キャパシタンス素子。
【請求項4】
前記コンタクト電極の面積は、100μm2以上10000μm2以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された微小薄膜キャパシタンス素子。
【請求項5】
前記第1の電極層の面形状は円形または正方形であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された微小薄膜キャパシタンス素子。
【請求項6】
前記請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の微小薄膜キャパシタンス素子を用いた薄膜誘電特性測定評価方法であって、
信号電極とグランド電極との間の電極間ピッチが10μm以上30μm以下の範囲で形成されたコンタクトプローブの信号電極を、前記微小薄膜キャパシタンス素子のコンタクトパッドに接続し、且つ、該プローブのグランド電極を前記微小薄膜キャパシタンス素子の前記グランド電極に接続するステップと、
前記コンタクトプローブを介して測定信号を得るステップとを実行することを特徴とする薄膜誘電特性測定評価方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−73741(P2010−73741A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−236794(P2008−236794)
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成19年度経済産業省「中小・ベンチャー企業の検査・計測機器等の調達に向けた実証研究事業/産業技術研究開発事業/中小企業支援型/MEMS技術を応用した微細ピッチ高周波プローブを用いた誘電特性計測装置に関する研究」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(591037133)有限会社清田製作所 (14)
【Fターム(参考)】