患者異常通知システムおよび集中監視装置
【課題】患者が寝具上で所定の動静をとると問題がある場合に、患者がその動静をとることにより患者に異常が発生したことを検出し、その異常を外部に通知することが可能な患者異常通知システムを提供する。
【解決手段】この患者異常通知システム100は、患者に装着される加速度センサ1aと、加速度センサ1aの出力データを受信可能な集中監視装置5とを備えている。また、集中監視装置5は、表示部5bと、加速度センサ1aによって検出された加速度情報に基づいて検出された患者の動静状態と、ハードディスク501dに記憶された患者の基準値とを比較し、患者の動静に異常が生じたか否かを判定する判定手段と、判定手段によって異常が生じたと判定された場合に、患者の異常を警告する異常警告画面800を表示部5bに表示させる制御部5aとを含んでいる。
【解決手段】この患者異常通知システム100は、患者に装着される加速度センサ1aと、加速度センサ1aの出力データを受信可能な集中監視装置5とを備えている。また、集中監視装置5は、表示部5bと、加速度センサ1aによって検出された加速度情報に基づいて検出された患者の動静状態と、ハードディスク501dに記憶された患者の基準値とを比較し、患者の動静に異常が生じたか否かを判定する判定手段と、判定手段によって異常が生じたと判定された場合に、患者の異常を警告する異常警告画面800を表示部5bに表示させる制御部5aとを含んでいる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、患者異常通知システムおよび集中監視装置に関し、特に、患者に異常が生じたか否かを判定する判定手段を備えた患者異常通知システムおよび集中監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、患者に異常が生じたか否かを判定する判定手段を備えた患者異常通知システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1では、患者の脈拍、血圧、体温および腕の動きなどの患者の情報を検出するとともに送信するライフセンサと、ライフセンサから受信した患者の情報に基づいて、患者に異常が発生したか否かを判定する判定手段を含むライフコントローラとを備えている。また、判定手段は、予め患者の年齢、持病などに対応して設定された許容値と、患者の情報とを比較することにより、患者に異常が発生したか否かを判定するように構成されている。たとえば、腕の動きに関しては、腕の動きが所定の時間継続して検出されなかった場合に、患者に異常が発生したと判定される。すなわち、上記特許文献1では、患者の動静に関しては、患者が動いているか否かのみに基づいて、患者に異常が発生したか否かを判定している。また、上記特許文献1のシステムは、患者に異常が発生したと判定した場合に、所定の機関または家族などの人間に自動的に通報するように構成されている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−155749号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
病院の入院患者や在宅の被介護者(以下、患者という)にあっては、所謂寝たきりの状態であったり、手術直後等の寝具上で安静にしなければならない状態である場合がある。例えば寝たきり状態の患者では、床ずれを防止するために定期的に寝返りをうたせなければならず、また離床してはならない場合がある。一方、手術直後の患者では、寝返りをうつことができず、また離床してはならない場合がある。このように、患者の状態によって患者毎に寝具上での動静について許容できる状態及び許容できない状態が定まる。医師、看護師及び介護士は、患者の寝具上での許容できる動静状態及び許容できない動静状態を患者毎に把握し、それぞれの患者に適した看護や介護(寝返りをうたせなければならない患者には、定期的に寝返りをうたせる等)を実施している。上記特許文献1では、患者の動静については、患者の腕が動いているか否かのみに基づいて患者に異常が発生したか否かを判定している。しかしながら、患者の腕の動きを検出しただけでは、それが寝具上での動静であるか否かを知ることはできず、よって上述のような患者が寝具上で許容できる状態にあるのか許容できない状態にあるのかを判定することはできない。したがって、患者が寝具上で許容できない状態にある場合に、その患者の異常を検出することができず、異常を外部に通知することができないという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、患者が寝具上で所定の動静をとると問題がある場合に、患者がその動静をとることにより患者に異常が発生したことを検出し、その異常を外部に通知することが可能な患者異常通知システムを提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
この発明の第1の局面による患者異常通知システムは、患者に装着される加速度センサと、加速度センサの出力データを受信可能な集中監視装置とを備え、集中監視装置は、表示部と、加速度センサによって検出された加速度情報に基づいて、患者の動静状態を検出する動静状態検出手段と、寝具上での患者の動静に関する基準値を患者毎に記憶する記憶部と、動静状態検出手段によって検出された患者の動静状態と、記憶部に記憶された患者の基準値とを比較し、寝具上での患者の動静に異常が生じたか否かを判定する判定手段と、判定手段によって異常が生じたと判定された場合に、患者の異常を警告する画面を表示部に表示させる表示制御手段とを含んでいる。
【0008】
この第1の局面による患者異常通知システムでは、上記のように、患者の寝具上での動静に関する基準値を患者毎に記憶する記憶部を設けることによって、患者毎に異常か否かを判定するための患者の寝具上での動静に関する基準値を患者毎に設定することができる。すなわち、患者にとって寝具上での問題のある姿勢または姿勢の遷移などの動静に関する基準値は個々の患者の健康状態により異なるので、基準値を患者毎に設定することにより、患者に適した判定を行うことができる。また、加速度センサによる加速度情報に基づいて患者の動静状態を検出する動静状態検出手段により、患者の寝具上での姿勢および姿勢の遷移を検出することができる。また、動静状態検出手段によって検出された患者の姿勢または姿勢の遷移などの動静状態と、記憶部に記憶された患者の基準値とを比較し、患者の姿勢または姿勢の遷移などの寝具上での動静に異常が生じたか否かを判定することによって、患者が寝具上で所定の姿勢をとると問題がある場合に、患者がその姿勢をとった時に、患者の動静状態が異常であると判定することができる。また、判定手段によって異常が生じたと判定された場合に、患者の異常を警告する画面を表示部に表示させることによって、患者の動静状態に異常が発生した場合に、表示部の画面により、患者の異常を医者などの患者の管理者に通知することができる。
【0009】
上記第1の局面による患者異常通知システムにおいて、好ましくは、集中監視装置は、入力部と、入力部によって患者毎に寝具上での患者の動静に関する基準値の設定を受け付ける設定受付手段と、設定受付手段によって受け付けられた基準値を、患者に対応させて記憶部に記憶させる書込手段とをさらに含んでいる。このように構成すれば、医者などの患者の管理者は、個々の患者毎に寝具上での患者の動静に関する基準値を設定することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、加速度センサは、加速度センサを特定するために使用される加速度センサ特定情報を、加速度情報と共に出力するように構成されており、集中監視装置は、加速度センサから出力された出力データに含まれる加速度センサ特定情報に基づいて、加速度センサを装着している患者を特定する患者特定手段をさらに備え、判定手段は、加速度センサによって検出された加速度から求められた患者の動静状態と、患者特定手段によって特定された患者に対応する基準値とを比較して、寝具上での患者の動静に異常が生じたか否かを判定するように構成されている。このように構成すれば、集中監視装置は、個々の患者にそれぞれ装着された加速度センサからの加速度情報が、どの患者の加速度情報であるかを判別することができる。これにより、集中監視装置は、判定手段により異常が発生したと判定された患者を特定して、患者の管理者などに警告を行うことができる。
【0011】
上記第1の局面による患者異常通知システムにおいて、好ましくは、寝具上での患者の動静は、寝具上における寝返りを含む。このように構成すれば、集中監視装置は、患者が寝返りをしてはいけない場合に、その患者が寝返りをしたことを検出するとともに、患者の管理者などに警告を行うことができる。
【0012】
上記第1の局面による患者異常通知システムにおいて、好ましくは、寝具上での患者の動静は、寝具上における離床を含む。このように構成すれば、集中監視装置は、患者が離床をしてはいけない場合に、その患者が離床をしたことを検出するとともに、患者の管理者などに警告を行うことができる。
【0013】
上記第1の局面による患者異常通知システムにおいて、好ましくは、患者に装着され、患者の生体情報を検出し、検出した生体情報を送信する生体センサをさらに備え、集中監視装置は、生体センサの出力データを受信可能に構成されており、記憶部は、生体情報に関する基準値を患者毎に記憶し、判定手段は、生体センサにより検出された生体情報と、記憶部に記憶された生体情報に関する基準値とを比較し、患者の生体情報に異常が生じたか否かを判定し、表示制御手段は、判定手段によって異常が生じたと判定された場合に、患者の異常を警告する画面を表示部に表示させるように構成されている。このように構成すれば、患者の生体情報に異常が発生した場合に、表示部の画面により、患者の異常を医者などの外部の人間に通知することができる。
【0014】
この場合、好ましくは、生体センサは、生体情報として心拍数、血圧および血中酸素飽和度を検出し、集中監視装置の判定手段は、生体センサによって検出された患者の心拍数、血圧および血中酸素飽和度に基づいて、患者に異常が発生したか否かを判定する。このように構成すれば、患者の心拍数、血圧および血中酸素飽和度に異常が発生した場合に、表示部の画面により、患者の異常を医者などの外部の人間に通知することができる。
【0015】
上記第1の局面による患者異常通知システムにおいて、好ましくは、集中監視装置は、加速度情報に基づいて、患者の位置を算出する位置算出手段をさらに含み、表示制御部は、位置算出手段により算出された患者の位置を、患者の異常を警告する画面に表示する。このように構成すれば、患者の異常を警告する画面により、医者などの患者の管理者は、異常が発生した患者の位置を確認することができる。
【0016】
上記第1の局面による患者異常通知システムにおいて、好ましくは、患者を撮像するためのカメラ装置をさらに備え、集中監視装置は、カメラ装置と通信可能に接続されており、表示制御部は、判定手段によって患者に異常が生じたと判定された場合に、カメラ装置に患者の撮像を開始させるとともに、カメラ装置による撮像画像を、患者の異常を警告する画面に表示する。このように構成すれば、医者などの患者の管理者は、患者の異常を警告する画面により、異常が発生した患者の状態を画像で確認することができる。
【0017】
この場合、好ましくは、カメラ装置は、複数設けられており、集中監視装置は、加速度情報に基づいて、患者の位置を算出する位置算出手段をさらに含み、集中監視装置の表示制御手段は、加速度情報に基づいて、患者の位置を判定するとともに、患者に最も近いカメラ装置により患者を撮像するようにカメラ装置を制御する。このように構成すれば、カメラ装置の撮像範囲外に患者が移動した場合にも、他のカメラ装置により異常が発生した患者を撮像することができる。
【0018】
この発明の第2の局面による集中監視装置は、患者に装着される加速度センサが出力する加速度情報を受信可能な集中監視装置であって、集中監視装置は、表示部と、加速度センサによって検出された加速度情報に基づいて、患者の動静状態を検出する動静状態検出手段と、患者の動静に関する基準値を患者毎に記憶する記憶部と、動静状態検出手段によって検出された患者の動静状態と、記憶部に記憶された患者の基準値とを比較し、患者の動静に異常が生じたか否かを判定する判定手段と、判定手段によって異常が生じたと判定された場合に、患者の異常を警告する画面を表示部に表示させる表示制御手段とを含んでいる。
【0019】
この第2の局面による集中監視装置では、上記のように、患者の動静に関する基準値を患者毎に記憶する記憶部を設けることによって、患者毎に異常か否かを判定するための患者の動静に関する基準値を患者毎に設定することができる。すなわち、患者にとって問題のある姿勢または姿勢の遷移などの動静に関する基準値は個々の患者の健康状態により異なるので、基準値を患者毎に設定することにより、患者に適した判定を行うことができる。また、加速度センサによる加速度情報に基づいて患者の動静状態を検出する動静状態検出手段により、患者の姿勢および姿勢の遷移を検出することができる。また、動静状態検出手段によって検出された患者の姿勢または姿勢の遷移などの動静状態と、記憶部に記憶された患者の基準値とを比較し、患者の姿勢または姿勢の遷移などの動静に異常が生じたか否かを判定することによって、患者が所定の姿勢をとると問題がある場合に、患者がその姿勢をとった時に、患者の動静状態が異常であると判定することができる。また、判定手段によって異常が生じたと判定された場合に、患者の異常を警告する画面を表示部に表示させることによって、患者の動静状態に異常が発生した場合に、表示部の画面により、患者の異常を医者などの患者の管理者に通知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態による患者異常通知システムの全体構成を示す概略図である。図2〜図7は、図1に示した患者異常通知システムの各部の構造を説明するための図である。まず、図1〜図7を参照して、本発明の一実施形態による患者異常通知システム100の構成を説明する。
【0022】
本実施形態による患者異常通知システム100は、病院などにおいて使用され、患者に異常が発生した場合に、自動的に警告を発するように構成されている。図1に示すように、この患者異常通知システム100は、各患者に装着される第1携帯型発信機1および第2携帯型発信機2と、病棟内の複数箇所に設置される受信機3およびカメラ装置4と、各階のナースセンターに設置される集中監視装置5と、受信機3およびカメラ装置4と集中監視装置5とをLANケーブル(図示せず)を介して通信可能に接続するハブ6とを備えている。ハブ6は、接続された受信機3およびカメラ装置4にLANケーブルを介して電源を供給することが可能である。
【0023】
第1携帯型発信機1は、患者の物理的状態(患者の動静および姿勢)および患者の体温を検出するために患者に装着される。図2に示すように、第1携帯型発信機1は、概ね500円玉程度の大きさの円盤形状であり、患者の胴体の動脈近傍の皮膚(胸部など)にテープ200などを用いて貼り付けることにより装着される。図3に示すように、この第1携帯型発信機1は、加速度センサ1aと、体温センサ1bと、CPUおよびメモリなどからなる制御部1cと、無線通信部1dとを含んでいる。また、第1携帯型発信機1は、電池を内蔵しており、この電池により制御部1cなどに電力を供給するように構成されている。
【0024】
加速度センサ1aは、3軸方向(X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向)の加速度を検出し、加速度を示す電気信号を出力するように構成されている。この加速度センサ1aとしては、たとえば、日立金属株式会社製のピエゾ抵抗型3軸加速度センサーH34CまたはH48Cなどを使用することができる。また、各第1携帯型発信機1には、固有の第1ID情報が割り当てられており、制御部1cのメモリに第1ID情報が格納されている。制御部1cは、加速度センサ1aおよび体温センサ1bの検出結果を第1ID情報とともに無線通信部1dを介して定期的に発信するように構成されている。この第1ID情報により、発信したデータがどの第1携帯型発信機1から発信されたデータであるかを集中監視装置5が認識することが可能である。
【0025】
第2携帯型発信機2は、患者の生体的状態(脈波、心拍、血圧および血中酸素飽和度(SpO2))を検出するために患者に装着される。第2携帯型発信機2は、患者の循環器の状態(脈波、心拍および血圧)と、患者の呼吸器の状態(血中酸素飽和度)とを検出することが可能である。図2に示すように、第2携帯型発信機2は、患者の腕部に装着される本体部2aと、患者の指に装着されるセンサ部2bとからなり、本体部2aとセンサ部2bとが信号ケーブル2cにより接続されている。また、図4に示すように、本体部2aは、CPUおよびメモリなどからなる制御部2dと、無線通信部2eとを含んでいる。また、センサ部2bは、脈波センサ2fおよびSpO2センサ2gを含んでいる。
【0026】
脈波センサ2fおよびSpO2センサ2gは、反射型の光学式センサであり、発光素子と受光素子とが隣接して設けられていることにより、発光素子から発せられた光が体表面体付近の動脈において反射および散乱するとともに、その反射光および散乱光が受光素子に受光される。このような構成により、公知の手法により脈波およびSpO2(血中酸素飽和度)を検出することが可能である。また、制御部2dは、脈波センサ2fによって検出された脈波情報に基づいて、心拍及び血圧を検出するように構成されている。また、第2携帯型発信機2には、上記第1携帯型発信機1と同様に、固有の第2ID情報が割り当てられており、制御部2dのメモリに第2ID情報が格納されている。制御部2dは、検出された心拍、血圧、及びSpO2の生体情報を、第2ID情報とともに無線通信部2eを介して定期的に発信するように構成されている。この第2ID情報により、発信したデータがどの第2携帯型発信機2から発信されたデータであるかを集中監視装置5が認識することが可能である。
【0027】
また、受信機3は、病室、トイレおよび廊下などの天井にカメラ装置4とともに取り付けられている。図5に示すように、受信機3は、CPUおよびメモリなどからなる制御部3aと無線通信部3bと有線通信部3cとを含んでいる。無線通信部3bは、所定の通信方式に従って無線信号を受信するように構成されている。この無線通信部3bにより、第1携帯型発信機1および第2携帯型発信機2から発信された無線信号(物理的情報信号、第1ID情報信号、生体的情報信号および第2ID情報信号)を受信することが可能である。また、有線通信部3cは、Ethernet(登録商標)通信インタフェースであり、所定の通信プロトコルに従って、ハブ6を介して集中監視装置5との間でデータ通信を行うことが可能である。すなわち、無線通信部3bにより受信した物理的情報および生体的情報が集中監視装置5に送信される。
【0028】
また、図1に示すように、カメラ装置4は、天井300に取り付けられている。また、図6に示すように、カメラ装置4は、カメラ4aと、カメラ4aに接続される有線通信部4bとを含んでいる。有線通信部4bは、Ethernet(登録商標)通信インタフェースであり、所定の通信プロトコルに従って、ハブ6を介して集中監視装置5との間でデータ通信を行うことが可能である。すなわち、カメラ4aが撮像したカメラ画像のデータを集中監視装置5に送信することが可能であるとともに、集中監視装置5による制御信号をカメラ4aに送信することにより、集中監視装置5によりカメラ4aの制御を行うことが可能である。
【0029】
また、患者がいる病室の形、大きさなどにより複数のカメラ装置4が病室に配置される。また、トイレおよび廊下などの病院の各場所にもカメラ装置4が設置される。これにより、患者に異常が発生した場合に、患者がどこにいても患者の最も近くに位置するカメラ装置4により患者の様子を撮像することが可能である。
【0030】
次に、集中監視装置5の構成について詳細に説明する。集中監視装置5は、システムの全体的な制御を行うとともに、本システムが適用されている患者の状態を常に監視している。また、集中監視装置5は、監視している患者に異常が生じたか否かを判断する機能を有する。具体的には、集中監視装置5は、患者の姿勢が「転倒」または「落下」となった場合、または、患者の生体情報(脈拍、血圧、SpO2および体温)の値の少なくとも一つの値が、設定された正常範囲から逸脱した場合に、患者に異常が発生したと判断する。また、後述する患者情報の設定により、「転倒」および「落下」以外の他の姿勢を患者の異常として判定させるようにすることが可能である。また、集中監視装置5は、患者に異常が発生したと判断した場合には警告を行うとともに、患者の状態(患者の画像など)を表示するように構成されている。以下、具体的な構成を説明する。
【0031】
集中監視装置5は、図7に示すように、制御部5aと、表示部5bと、キーボード5cとから主として構成されたコンピュータ501によって構成されている。また、制御部5aは、CPU501aと、ROM501bと、RAM501cと、ハードディスク501dと、読出装置501eと、入出力インタフェース501fと、通信インタフェース501gと、画像出力インタフェース501hとから主として構成されている。CPU501a、ROM501b、RAM501c、ハードディスク501d、読出装置501e、入出力インタフェース501f、通信インタフェース501g、および画像出力インタフェース501hは、バス501iによって接続されている。
【0032】
CPU501aは、ROM501bに記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM501cにロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。そして、後述するようなアプリケーションプログラム504aをCPU501aが実行することにより、コンピュータ501が集中監視装置5として機能する。
【0033】
ROM501bは、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROMなどによって構成されており、CPU501aに実行されるコンピュータプログラムおよびこれに用いるデータなどが記録されている。たとえば、ROM501bには、受信した加速度情報から患者の位置および姿勢を判定するプログラム、および、患者の加速度が異常であるか否かを判断するための閾値などが記録されている。
【0034】
RAM501cは、SRAMまたはDRAMなどによって構成されている。RAM501cは、ROM501bおよびハードディスク501dに記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、RAM501cは、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU501aの作業領域として利用される。
【0035】
ハードディスク501dは、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU501aに実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびそのコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。また、ハードディスク501dには、2つのテーブルT1およびT2が記憶されている。テーブルT1には、第1携帯型発信機1に個別に割り当てられている第1ID情報および第2携帯型発信機2に個別に割り当てられている第2ID情報と、個々の患者を特定するための情報(患者氏名および患者IDなど)とが対応付けられて記憶されている。また、テーブルT2には、それぞれの受信機3およびカメラ装置4に割り当てられている第3ID情報と、受信機3およびカメラ装置4が設置されている位置情報(病室、トイレ、または廊下などの位置を特定する情報)とが対応付けられて記憶されている。
【0036】
また、ハードディスク501dには、患者の生体情報および加速度情報に基づいて、患者に異常が発生したか否かを判断するための閾値などの患者情報が患者IDと対応付けられて記憶されている。この患者情報は、個々の患者について別々に設定することが可能である。患者情報の設定については、後に詳細に説明する。
【0037】
読出装置501eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブなどによって構成されており、可搬型記録媒体504に記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体504には、本実施形態に係るアプリケーションプログラム504aが格納されており、コンピュータ501がその可搬型記録媒体504からアプリケーションプログラム504aを読み出し、そのアプリケーションプログラム504aをハードディスク501dにインストールすることが可能である。
【0038】
なお、上記アプリケーションプログラム504aは、可搬型記録媒体504によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ501と通信可能に接続された外部の機器から上記電気通信回線を通じて提供することも可能である。たとえば、上記アプリケーションプログラム504aがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータ501がアクセスして、そのアプリケーションプログラム504aをダウンロードし、これをハードディスク501dにインストールすることも可能である。
【0039】
また、ハードディスク501dには、たとえば、米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)などのグラフィカルユーザインタフェース環境を提供するオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、本実施形態に係るアプリケーションプログラム504aは上記オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0040】
入出力インタフェース501fは、たとえば、USB、IEEE1394、RS−232Cなどのシリアルインタフェース、SCSI、IDE、IEEE1284などのパラレルインタフェース、およびD/A変換器、A/D変換器などからなるアナログインタフェースなどから構成されている。入出力インタフェース501fには、キーボード5cおよびマウス(図示せず)が接続されており、ユーザがそのキーボード5cまたはマウスを使用することにより、コンピュータ501へのデータの入力および画面上のアイコンの選択などを行うことが可能である。
【0041】
通信インタフェース501gは、Ethernet(登録商標)インタフェースであり、コンピュータ501は、その通信インタフェース501gにより、所定の通信プロトコルを使用してハブ6およびLANケーブルを介して通信ネットワークに接続された受信機3およびカメラ装置4との間でデータの送受信が可能である。
【0042】
画像出力インタフェース501hは、LCDまたはCRTなどで構成された表示部5bに接続されており、CPU501aから与えられた画像データに応じた映像信号を表示部5bに出力するようになっている。表示部5bは、入力された映像信号にしたがって、画像(画面)を表示する。使用者は、この表示部5bにおいて、患者の状態(患者の姿勢、位置、カメラ画像)を確認することが可能である。
【0043】
図8〜図17は、本発明の一実施形態による患者異常通知システムの集中監視装置の表示部に表示される画面を示している。次に、図8〜図17を参照して、本実施形態による患者異常通知システム100の集中監視装置5の表示部5bに表示される画面の構成について説明する。
【0044】
本実施形態では、待ち受け状態において、図8に示すように、病室選択画面600が表示される。この病室選択画面600では、病院の各病室を示すアイコン601が病室番号とともに選択可能に表示されている。病室選択画面600においては、本実施形態による患者異常通知システム100が適用されている患者(以下、看まもり対象の患者)が室内にいる病室に対応するアイコン601aは、他の病室に対応するアイコン601bに対して識別可能に表示される。本実施形態では、看まもり対照の患者が室内にいる病室に対応するアイコン601a(図8では、201号室)は、青色に表示されることにより、白色に表示される他の病室に対応するアイコン601bと識別可能に表示されている。図8では、201号室に看まもり対象の患者がいることがわかる。また、病室選択画面600には、患者設定ボタン602が設けられている。この患者設定ボタン602については、後に詳細に説明する。
【0045】
また、病室選択画面600において、病室に対応するアイコン601を選択することにより、図9に示すように、患者選択ダイアログ610が表示される。患者選択ダイアログ610では、その病室に入院している患者に対応するアイコン611が患者名および患者IDとともに表示される。この患者選択ダイアログ610においても、看まもり対象の患者を示すアイコン611aは、看まもり対象でない患者のアイコン611bに対して識別可能に表示される。
【0046】
また、患者選択ダイアログ610において、患者を選択した場合には、図10〜図12に示すように、患者状態表示画面700が表示される。患者状態表示画面700では、選択した患者の姿勢、病室における位置、生体情報などの患者の状態を確認することが可能である。具体的には、患者状態表示画面700は、患者情報を表示する患者情報表示領域710と、患者の姿勢を簡易表示する姿勢表示領域720と、患者の病室における位置を表示する位置表示領域730と、患者の生体情報を表示する生体情報表示領域740と、患者の状態を切換表示する切換表示領域750と、切換表示領域750の表示を選択するための切換ボタン表示領域760とを含んでいる。
【0047】
患者情報表示領域710には、個々の患者を特定する情報(「患者の病室」、「ベッド」、「患者ID」および「患者氏名」)が表示される。
【0048】
姿勢表示領域720には、患者の姿勢(立位、座位、歩行中、背臥位、腹臥位、右臥位および左臥位)の各イラスト721が表示されるとともに、実際の患者の現在の姿勢を示すイラスト721aが他のイラスト721bに対して視認可能に色分け表示される。使用者は、姿勢表示領域720により、患者の現在の姿勢を確認することが可能である。
【0049】
また、位置表示領域730には、ベッドが表示されるとともに病室を模した構成となっており、患者を示すイラスト731が配置される。この位置表示領域730における患者のイラスト731の位置は、実際の病室における患者の位置と対応している。使用者は、位置表示領域730により、患者の病室における位置を確認することが可能である。
【0050】
また、生体情報表示領域740には、患者の現在の脈拍、血圧、SpO2(血中酸素飽和度)および体温がリアルタイムで表示される。
【0051】
また、切換表示領域750には、切換ボタン表示領域760の「姿勢」ボタン761を選択することにより、図10に示すように、患者の現在の姿勢および位置が立体的にアニメーション表示される。また、切換ボタン表示領域760の「バイタル」ボタン762を選択することにより、図11に示すように、患者の脈拍および血圧の現在から30分前までのグラフが表示される。また、切換ボタン表示領域760の「カメラ」ボタン763を選択することにより、図12に示すように、カメラ装置4による現在の患者の撮像画像が表示される。また、図12のスライドバー751および752を操作することにより、カメラ4aのレンズ(図示せず)を左右および上下に移動させて撮像範囲を移動させることが可能である。また、スライドバー753を操作することにより、撮像画像の拡大および縮小を行うことが可能である。また、「戻る」ボタン764を選択することにより、病室選択画面600が表示されるように構成されている。
【0052】
また、本実施形態による患者異常通知システム100は、患者に異常が発生したと判断された場合には、集中監視装置5が所定の警告音を発するとともに、図13に示すように、異常が発生した患者の状態を表示する異常警告画面800が自動的に表示される。この異常警告画面800においては、所定の警告表示がなされるとともに、患者の撮像画像が自動的に表示されるように構成されている。集中監視装置5は、上記のように、患者の姿勢が「転倒」または「落下」となった場合、または、患者の生体情報(脈拍、血圧、SpO2および体温)の値の少なくとも一つの値が、設定された正常範囲から逸脱した場合に、患者に異常が発生したと判断する。以下、図13を参照して、患者の姿勢が「転倒」となった場合の異常警告画面800の構成について説明する。
【0053】
異常警告画面800は、患者情報を表示する患者情報表示領域810と、患者の姿勢を簡易表示する姿勢表示領域820と、患者の病室における位置を表示する位置表示領域830と、患者の生体情報を表示する生体情報表示領域840と、患者の状態を切換表示する切換表示領域850と、切換表示領域850の表示を選択するための切換ボタン表示領域860とを含んでいる。患者情報表示領域810、位置表示領域830および生体情報表示領域840の構成は、それぞれ、上記した患者情報表示領域710、位置表示領域730および生体情報表示領域740の構成と同様であるので、説明を省略する。
【0054】
図13に示すように、患者の姿勢が「転倒」となった場合には、姿勢表示領域820に「転倒」の文字821および「転倒」を示すイラスト822が強調して表示される。本実施形態では、「転倒」の文字821の周りおよび「転倒」を示すイラスト822の周りが赤色で表示され、かつ、点滅することにより、患者が転倒したことが使用者が容易に視認できるように表示が行われる。また、姿勢表示領域820には、現在の患者の姿勢を示すイラスト823も合わせて表示される。
【0055】
また、異常警告画面800においては、切換ボタン表示領域860に、上記切換ボタン表示領域760のボタンと同様の機能を有する「姿勢」ボタン861、「バイタル」ボタン862、「カメラ」ボタン863および「戻る」ボタン864に加えて、「アラーム停止」ボタン865が追加される。「アラーム停止」ボタン865を選択することにより、警告音が停止されるように構成されている。また、「戻る」ボタン864が選択された場合、「アラーム停止」ボタン865が選択された場合、および、異常警告画面800が表示されてから1分が経過した場合には、警告状態が解除されるとともに、病室選択画面600が表示される。
【0056】
また、異常警告画面800では、切換表示領域850に最初にカメラ画像が表示されるように構成されている。これにより、使用者は、異常が発生した患者の状態をカメラ画像により確認することが可能である。また、異常警告画面800においても、切換ボタン表示領域860の各ボタンを選択することにより、切換表示領域850の表示を切り換えることが可能である。
【0057】
また、患者の姿勢が「落下」となった場合の異常警告画面(図示せず)にも、「転倒」の場合の異常警告画面800と同様に、姿勢表示領域に「落下」を示すイラストが強調して表示される。また、生体情報(脈拍、血圧、SpO2および体温)が異常となった場合の異常警告画面(図示せず)では、生体情報表示領域において、異常となった生体情報(脈拍、血圧、SpO2および体温の少なくとも一つ)を表示する部分が強調表示される。たとえば、脈拍が正常範囲から逸脱した場合には、生体情報表示領域の「脈拍」を表示する部分が赤色で表示され、かつ、点滅することにより、患者の脈拍が異常であることが使用者が容易に視認できるように表示が行われる。このように、本実施形態による患者異常通知システム100では、患者に異常が発生した場合に、患者の異常な部分を使用者が容易に視認できるように異常な項目を表示する領域が強調して表示される。
【0058】
また、本実施形態では、後述するように、患者が寝返りをした場合、および、患者が離床した場合にも警告を行うように設定することが可能である。これらの設定がなされている場合に、患者が寝返りをした場合には、図14に示すように、異常警告画面800aが表示部5bに表示される。また、患者が離床した場合には、図15に示すように、異常警告画面800bが表示部5bに表示される。異常警告画面800aの姿勢表示領域870以外の構成および異常警告画面800bの姿勢表示領域880以外の構成は、図13に示した異常警告画面800と同様であるので、説明を省略する。
【0059】
また、図14に示すように、患者の姿勢が「寝返り」となった場合には、姿勢表示領域870に「寝返り」の文字871および「寝返り」を示すイラスト872が強調して表示される。また、姿勢表示領域870には、現在の患者の姿勢を示すイラスト873も合わせて表示される。
【0060】
また、図15に示すように、患者の姿勢が「離床」となった場合には、姿勢表示領域880に「離床」の文字881および「離床」を示すイラスト882が強調して表示される。また、姿勢表示領域880には、現在の患者の姿勢を示すイラスト883も合わせて表示される。
【0061】
次に、図8、図16および図17を参照して、本実施形態による患者異常通知システム100における患者の異常判定を行う際の患者情報の設定について説明する。
【0062】
本実施形態による患者異常通知システム100では、個々の患者について患者情報を予め設定することによって、個々の患者のそれぞれに合わせて、異なる基準により患者が異常状態にあるか否かを判定することが可能である。個々の患者の患者情報は、図16に示す患者設定確認画面900により確認および変更することが可能である。また、患者情報は、図17に示す個別患者設定入力画面950により個別に設定および変更することが可能である。以下、詳細に説明する。
【0063】
患者設定確認画面900は、図8に示した「患者設定」ボタン602を選択することにより表示される。図16に示すように、患者設定確認画面900では、患者情報が設定されている患者の患者情報がリスト表示される。患者情報の項目としては、「病室名」、「ベッド番号」、「患者ID」、「患者名」、「入院」、「看まもり」、「寝返可」および「離床可」が含まれる。「入院」では、その患者が入院しているか、退院しているかを設定することが可能である。また、「看まもり」では、本実施形態による患者異常通知システム100により患者の看まもりを行うか否かを設定することが可能である。また、「寝返可」では、患者の寝返動作を異常として検出するか否かを設定することが可能である。また、「離床可」では、患者が離床動作を異常として検出するか否かを設定することが可能である。
【0064】
また、患者情報の項目には、さらに、「脈拍上限」、「脈拍下限」、「SpO2下限」、「最高血圧上限」、「最低血圧下限」、「体温上限」および「体温下限」が含まれる。これらの項目の数値を患者の生体情報の正常範囲の閾値として設定することにより、患者の生体情報が設定した正常範囲内にない場合に、患者に異常が発生したと判定するとともに、患者の異常の発生について患者異常通知システム100が警告を行うことが可能である。
【0065】
また、「新規登録」ボタン901を選択することにより、図17に示す個別患者設定入力画面950により、患者情報を新規に設定することが可能である。また、患者を選択した状態で「設定変更」ボタン902を選択することにより、その患者の患者情報を変更することが可能である。また、「設定完了」ボタン903が選択されることにより、患者情報の変更が有効になる(設定した数値などがハードディスク501dに記憶される)とともに、病室選択画面600に画面が切り替えられる。また、「キャンセル」ボタン904が選択されることにより、患者情報の変更が取り消されるとともに、病室選択画面600に画面が切り替えられる。
【0066】
また、個別患者設定入力画面950においては、「設定完了」ボタン951を選択することにより、入力した数値などを患者設定確認画面900に反映して、患者設定確認画面900に戻るように構成されている。また、「キャンセル」ボタン952を選択することにより、入力した数値などを患者設定確認画面900に反映せずに患者設定確認画面900に戻るように構成されている。
【0067】
図18〜図21は、本実施形態による患者異常通知システムの表示部に表示される画面の表示処理を説明するためのフローチャートである。次に、図8〜図12および図18〜図21を参照して、本実施形態による患者異常通知システムの表示部に表示される画面の表示処理を説明する。
【0068】
まず、集中監視装置5の電源(図示しない)を入れると、集中監視装置5の制御部5aにおいては、図18のステップS1において、制御部5aの初期化(プログラムの初期化)が行われる。また、集中監視装置5の電源が入れられることにより、カメラ装置4および受信機3にもLANケーブル(図示せず)およびハブ6を介して電源が供給される。そして、初期化が終了すると、ステップS2において、待ち受け画面として、図8に示すように、病室選択画面600が表示される。また、患者に装着された第1携帯型発信機1は、第1ID情報とともに、患者の加速度情報および体温情報を定期的に発信している。また、患者に装着された第2携帯型発信機2は、第2ID情報とともに、患者の生体的情報を定期的に発信している。また、受信機3は、それらの情報を受信するとともに、集中監視装置5にLANケーブルおよびハブ6を介して送信する。
【0069】
次に、ステップS3において、集中監視装置5の制御部5aが、第1ID情報、加速度情報および体温情報を受信したか否かが判断される。これらの情報を受信していない場合には、この判断が繰り返される。また、これらの情報を受信した場合には、ステップS4において、制御部5aは、加速度情報に基づいて、患者の位置を算出する。また、ステップS5において、制御部5aは、加速度情報に基づいて、患者の姿勢を判定する。また、制御部5aは、加速度情報と、予め設定された閾値とを比較することにより、加速度が異常であるか否かを判断する。
【0070】
また、ステップS6において、集中監視装置5の制御部5aが、第2ID情報、心拍情報、血圧情報およびSpO2情報を受信したか否かが判断される。これらの情報を受信していない場合には、この判断が繰り返される。また、これらの情報を受信した場合には、ステップS7において、制御部5aは、患者に異常が発生しているか否かを判定する異常判定処理を行う。この異常判定処理については、後に詳細に説明する。
【0071】
そして、ステップS8において、患者に異常が発生したか否かが判断される。上記異常判定処理により患者に異常が発生したと判定された場合には、ステップS9において、医者や看護婦などに患者の異常を通知する異常警告処理が行われる。この異常警告処理については、後に詳細に説明する。この後、ステップS3〜ステップS9の処理が繰り返される。
【0072】
また、患者に異常が発生していないと判定された場合には、ステップS10において、患者の選択を受け付けたか否かが判断される。すなわち、病室選択画面600(図8参照)において病室が選択されることにより表示される患者選択ダイアログ610(図9参照)において、患者が選択されたか否かが判断される。患者の選択を受け付けていない場合には、図19のステップS12に進む。また、患者の選択を受け付けた場合には、ステップS11において、選択された患者の患者状態画面700(図10参照)が表示されるとともに、患者状態画面700の切換表示領域750に患者の姿勢状態が表示される。
【0073】
その後、図19のステップS12において、患者状態画面700の切換表示領域750に患者の姿勢状態が表示されているか否かが判断される。図10に示すように、切換表示領域750に患者の姿勢状態が表示されている場合には、ステップS13において、上記ステップS3において得た体温情報、上記ステップS4において算出した患者の位置、上記ステップS5において判定した患者の姿勢、および、上記ステップS6において得た生体情報(心拍、血圧およびSpO2)に基づいて、表示されている画面(患者状態画面)が更新される。この後、ステップS18に進む。
【0074】
また、ステップS12において、切換表示領域750に患者の姿勢状態が表示されていない場合(切換表示領域750に、バイタル情報またはカメラ画像が表示されている場合、もしくは、病室選択画面600が表示されている場合)には、ステップS14において、切換表示領域750に姿勢状態を表示する指示を受け付けた(「姿勢」ボタン761が使用者により選択された)か否かが判断される。この指示を受け付けない場合には、ステップS13において、表示されている画面(患者状態画面700または病室選択画面600)が更新される。また、姿勢状態を表示する指示を受け付けた場合には、ステップS15において、カメラ装置4が動作中であるか否かが判断される。カメラ装置4が動作中でない場合には、ステップS17に進む。また、カメラ装置4が動作中である場合には、ステップS16において、動作中のカメラ装置4に撮像停止指示信号を送信する。この後、ステップS17において、切換表示領域750に患者の姿勢状態が表示される。
【0075】
また、ステップS18においては、患者状態画面700の切換表示領域750に患者の生体情報が表示されているか否かが判断される。切換表示領域750に患者の生体情報が表示されている場合には、ステップS19において、上記ステップS13と同様に、表示されている画面(患者状態画面700)が更新される。この後、図20のステップS24に進む。
【0076】
また、ステップS18において、切換表示領域750に患者の生体情報が表示されていない場合(切換表示領域750に、姿勢状態またはカメラ画像が表示されている場合、もしくは、病室選択画面600が表示されている場合)には、ステップS20において、切換表示領域750に生体情報を表示する指示を受け付けた(「バイタル」ボタン762が使用者により選択された)か否かが判断される。この指示を受け付けない場合には、ステップS19において、表示されている画面(患者状態画面700または病室選択画面600)が更新される。また、生体情報を表示する指示を受け付けた場合には、ステップS21およびステップS22において、上記ステップS15およびステップS16と同様の処理が行われる。この後、ステップS23において、切換表示領域750に患者の生体情報(図11参照)が表示される。
【0077】
この後、図20のステップS24においては、切換表示領域750にカメラ画像を表示中であるか否かが判断される。切換表示領域750にカメラ画像を表示中である場合には、ステップS29に進む。また、切換表示領域750にカメラ画像を表示中でない場合(切換表示領域750に、姿勢状態またはバイタル情報が表示されている場合、もしくは、病室選択画面600が表示されている場合)には、ステップS25において、切換表示領域750にカメラ画像を表示する指示を受け付けた(「カメラ」ボタン763が使用者により選択された)か否かが判断される。カメラ画像を表示する指示を受け付けない場合には、ステップS32において、表示している画面を更新する。
【0078】
また、カメラ画像を表示する指示を受け付けた場合には、ステップS26において、図18のステップS4において算出した患者の位置と、複数のカメラ装置4のそれぞれの位置とを比較することにより、患者に最も近い位置にあるカメラ装置4を特定する。この後、ステップS27において、特定したカメラ装置4に撮像開始信号を送信するとともに、ステップS28において、切換表示領域750の表示をカメラ画像(図12参照)に切り換える。
【0079】
また、撮像開始信号を受信したカメラ装置4では、カメラ4aにより患者の撮像が開始される。また、患者の映像を含むカメラ画像データは、集中監視装置5に順次送信される。また、集中監視装置5では、ステップS29において、カメラ画像データを受信したか否かが判断される。カメラ画像データを受信しない場合には、この判断が繰り返される。また、カメラ画像データを受信した場合には、ステップS30において、カメラ操作を受け付けたか否かが判断される。すなわち、使用者によりスライドバー751〜753(図12参照)が操作されることによって、カメラの撮像範囲の変更および倍率の変更が指示されたか否かが判断される。
【0080】
カメラ操作を受け付けない場合には、ステップS32に進む。また、カメラ操作を受け付けた場合には、ステップS31において、撮像中のカメラ装置4に使用者に指示された動作を指示する信号を送信する。カメラ装置4は、その信号を受けて、カメラの撮像範囲の変更および倍率の変更を行う。
【0081】
そして、ステップS32において、カメラ装置4から送信されたカメラ画像データに基づいて表示されている画面(患者状態画面700)の更新が行われる。
【0082】
この後、ステップS33において、病室選択画面600が表示されているか否かが判断される。病室選択画面600が表示されている場合には、図21のステップS38において、患者設定画面900の表示指示を受け付けたか否かが判断される。すなわち、病室選択画面600の「患者設定」ボタン602が選択されたか否かが判断される。患者設定画面900の表示指示を受け付けた場合には、ステップS39において、基準値設定処理が行われるとともに、図18のステップS3に進む。この基準値設定処理については、後に詳細に説明する。また、ステップS38において、患者設定画面900の表示指示を受け付けない場合には、図18のステップS3に進む。
【0083】
また、ステップS33において、病室選択画面600が表示されていない場合(患者状態画面700が表示されている場合)には、ステップS34において、病室選択画面600の表示の指示を受け付けたか否かが判断される。すなわち、患者状態画面700の「戻る」ボタン764が選択されたか否かが判断される。病室選択画面600の表示の指示を受け付けない場合には、図18のステップS3に進む。
【0084】
また、病室選択画面600の表示の指示を受け付けた場合には、ステップS35およびステップS36において、上記ステップS15およびステップS16と同様の処理が行われるとともに、ステップS37において、病室選択画面600が表示される。この後、ステップS3に進む。この後、ステップS3〜ステップS39が繰り返される。
【0085】
本実施形態による患者異常通知システム100では、ステップS3〜ステップS39が繰り返されることにより、患者状態画面700の表示が随時更新されるので、使用者が患者の状態をリアルタイムで確認することが可能である。
【0086】
図22および図23は、図18に示したステップS7の異常判定処理の詳細を説明するためのフローチャートである。次に、図22および図23を参照して、異常判定処理を説明する。
【0087】
異常判定処理では、まず、ステップS40において、異常判定を行うデータ(加速度情報および生体情報)に付された第1ID情報および第2ID情報に基づいて、異常の判定を行う患者の正常範囲情報(基準値)が読み出される。すなわち、ハードディスク501dに記憶されている患者情報を参照して、生体情報(心拍、血圧、SpO2および体温)の閾値と、「寝返り」および「離床」を患者の異常として検出するか否かの設定が読み込まれる。
【0088】
そして、読み出された正常範囲情報と、上記ステップS3において得た加速度情報および上記ステップS6において得た生体情報に異常があるか否かを判断する。具体的には、ステップS41において、加速度が正常範囲を逸脱したか否かが判断される。また、加速度が正常範囲を逸脱しない場合(加速度が正常範囲内である場合)には、ステップS44に進む。また、ステップS41において、加速度が正常範囲を逸脱した場合には、加速度の異常が転倒によるものかベッドなどからの転落によるものかが判定される。この場合、患者の姿勢が立位および歩行中から臥位に変化した場合に転倒と判定され、患者がベッド上にいる状態からベッドの下にいる状態に変化した場合に、転落と判定される。そして、転倒と判定された場合には、ステップS42において、異常状態「転倒」が記憶される。また、転落と判定された場合には、ステップS43において、異常状態「転落」が記憶される。
【0089】
この後、ステップS44において、加速度情報に基づいて、患者が寝返りをしたか否かが判断される。患者が寝返りをしていない場合には、ステップS47に進む。また、患者が寝返りをした場合には、ステップS45において、寝返りを異常として検出する設定になっているか否かが判断される。すなわち、図16および図17の「寝返り可」がONになっているか否かが判断される。寝返りを異常として検出する設定になっていない場合には、ステップS47に進む。また、寝返りを異常として検出する設定になっている場合には、ステップS46において、異常状態「寝返り」が記憶される。
【0090】
この後、ステップS47において、加速度情報に基づいて、患者が離床したか否かが判断される。患者が離床していない場合には、ステップS50に進む。また、患者が離床した場合には、ステップS48において、離床を異常として検出する設定になっているか否かが判断される。すなわち、図16および図17の「離床可」がONになっているか否かが判断される。離床を異常として検出する設定になっていない場合には、ステップS50に進む。また、離床を異常として検出する設定になっている場合には、ステップS49において、異常状態「離床」が記憶される。
【0091】
この後、ステップS50において、体温が正常範囲を逸脱するか否かが判断される。体温が正常範囲を逸脱しない場合(正常範囲内である場合)には、ステップS52に進む。また、体温が正常範囲を逸脱した場合には、ステップS51において、異常状態「体温」が記憶される。
【0092】
この後、ステップS52において、心拍が正常範囲を逸脱するか否かが判断される。心拍が正常範囲を逸脱しない場合(正常範囲内である場合)には、ステップS54に進む。また、心拍が正常範囲を逸脱した場合には、ステップS53において、異常状態「心拍」が記憶される。
【0093】
この後、ステップS54において、血圧が正常範囲を逸脱するか否かが判断される。血圧が正常範囲を逸脱しない場合(正常範囲内である場合)には、ステップS56に進む。また、血圧が正常範囲を逸脱した場合には、ステップS55において、異常状態「血圧」が記憶される。
【0094】
この後、ステップS56において、SpO2が正常範囲を逸脱するか否かが判断される。SpO2が正常範囲を逸脱しない場合(正常範囲内である場合)には、異常判定処理が終了する。また、SpO2が正常範囲を逸脱した場合には、ステップS57において、異常状態「SpO2」が記憶されて、異常判定処理が終了する。
【0095】
このように、異常判定処理では、加速度、体温、心拍、血圧およびSpO2のそれぞれの項目について、設定された正常状態の値と比較することにより、それぞれの項目が異常であるか否かが判定されるとともに、異常と判定された項目が記憶される。
【0096】
図24および図25は、図18のステップS9の異常警告処理の詳細を説明するためのフローチャートである。次に、図13〜図15、図24および図25を参照して、異常警告処理の詳細を説明する。
【0097】
異常警告処理では、まず、図24のステップS60において、上記した異常判定処理において異常が生じたと判定されたデータ(加速度情報、体温情報など)に対応する第1ID情報および第2ID情報から、異常が生じた患者が特定される。すなわち、ハードディスク501dに格納されたテーブルT1を参照することにより、その第1ID情報に対応する第1携帯型発信機1および第2ID情報に対応する第2携帯型発信機2を装着している患者(患者ID)を特定する。
【0098】
そして、ステップS61において、図18のステップS4において算出した患者の位置と、複数のカメラ装置4のそれぞれの位置とを比較することにより、患者に最も近い位置にあるカメラ装置4を特定する。この後、ステップS62において、特定したカメラ装置4に撮像開始信号を送信する。その後、ステップS63において、患者の異常状態(「転倒」、「落下」、「寝返り」または「離床」)によって、異常警告画面800(図13参照)、異常警告画面800a(図14参照)または異常警告画面800b(図15参照)を表示するとともに、「カメラ」ボタン863が選択された状態とすることにより、切換表示領域850にカメラ画像が表示されるように画面が切り換えられる。また、この異常警告画面(異常警告画面800、異常警告画面800aまたは異常警告画面800b)では、上記した異常判定処理で異常と判定された項目が他の項目と識別可能に強調して表示される。
【0099】
また、撮像開始信号を受信したカメラ装置4では、カメラ4aにより患者の撮像が開始される。また、患者の映像を含むカメラ画像データは、集中監視装置5に順次送信される。また、集中監視装置5では、ステップS64において、カメラ画像データを受信したか否かが判断される。カメラ画像データを受信しない場合には、この判断が繰り返される。また、カメラ画像データを受信した場合には、ステップS65において、受信したカメラ画像データに基づいて、異常警告画面(異常警告画面800、異常警告画面800aまたは異常警告画面800b)が更新される。
【0100】
この後、図25のステップS66において、異常警告画面の切換表示領域850に患者の姿勢状態が表示されているか否かが判断される。切換表示領域850に患者の姿勢状態が表示されている場合には、ステップS67において、上記ステップS3において得た体温情報、上記ステップS4において算出した患者の位置、上記ステップS5において判定した患者の姿勢、および、上記ステップS6において得た生体情報(心拍、血圧およびSpO2)に基づいて、表示されている画面(異常警告画面)が更新される。この後、ステップS70に進む。
【0101】
また、ステップS66において、切換表示領域850に患者の姿勢状態が表示されていない場合(切換表示領域850に、バイタル情報またはカメラ画像が表示されている場合、もしくは、病室選択画面600が表示されている場合)には、ステップS68において、切換表示領域850に姿勢状態を表示する指示を受け付けた(「姿勢」ボタン861(図13参照)が使用者により選択された)か否かが判断される。この指示を受け付けない場合には、ステップS67において、表示されている画面(異常警告画面または病室選択画面600)が更新される。また、姿勢状態を表示する指示を受け付けた場合には、ステップS69において、切換表示領域850に異常が生じた患者の姿勢状態が表示される。
【0102】
また、ステップS70においては、患者状態画面の切換表示領域850に患者の生体情報が表示されているか否かが判断される。切換表示領域850に患者の生体情報が表示されている場合には、ステップS71において、上記ステップS67と同様に、表示されている画面(異常警告画面)が更新される。この後、ステップS74に進む。
【0103】
また、ステップS70において、切換表示領域850に患者の生体情報が表示されていない場合(切換表示領域850に、姿勢状態またはカメラ画像が表示されている場合、もしくは、病室選択画面600が表示されている場合)には、ステップS72において、切換表示領域850に生体情報を表示する指示を受け付けた(「バイタル」ボタン862が使用者により選択された)か否かが判断される。この指示を受け付けない場合には、ステップS71において、表示されている画面(異常警告画面または病室選択画面600)が更新される。また、生体情報を表示する指示を受け付けた場合には、ステップS73において、切換表示領域850に異常が生じた患者の生体情報が表示される。
【0104】
この後、ステップS74においては、切換表示領域850にカメラ画像を表示中であるか否かが判断される。切換表示領域850にカメラ画像を表示中である場合には、ステップS75に進む。また、切換表示領域850にカメラ画像を表示中でない場合(切換表示領域850に、姿勢状態またはバイタル情報が表示されている場合、もしくは、病室選択画面600が表示されている場合)には、ステップS76において、切換表示領域850にカメラ画像を表示する指示を受け付けた(「カメラ」ボタン863が使用者により選択された)か否かが判断される。カメラ画像を表示する指示を受け付けない場合には、ステップS75において、表示している画面が更新される。また、カメラ画像を表示する指示を受け付けた場合には、ステップS77において、切換表示領域850の表示を異常が生じた患者のカメラ画像が表示される。
【0105】
この後、ステップS78において、警告表示の停止の指示が使用者によりなされたか否かが判断される。すなわち、異常警告画面(異常警告画面800、異常警告画面800aまたは異常警告画面800b)の「戻る」ボタン864が選択されたか否か、もしくは、「アラーム停止」ボタン865が選択されたか否か、もしくは、異常警告画面800が表示されてから1分が経過したか否かが判断される。警告表示の停止の指示がない場合には、図24のステップS64に進む。また、警告表示の停止の指示があった場合には、ステップS79において、動作中(撮像中)のカメラ装置4に撮像停止指示信号を送信する。そして、ステップS80において、待ち受け画面である病室選択画面600が表示されて、異常警告処理が終了する。
【0106】
図26は、図21のステップS39の基準値設定処理の詳細を説明するためのフローチャートである。次に、図16、図17および図26を参照して、基準値設定処理の詳細を説明する。
【0107】
基準値設定処理では、まず、ステップS90において、患者設定確認画面900(図16参照)が表示される。そして、ステップS91において、個別患者設定入力画面950の表示指示を受け付けたか否かが判断される。すなわち、図16の「新規登録」ボタン901または「設定変更」ボタン902が選択されたか否かが判断される。個別患者設定入力画面950の表示指示を受け付けない場合には、基準値設定処理が終了する。
【0108】
また、個別患者設定入力画面950の表示指示を受け付けた場合には、ステップS92において、個別患者設定入力画面950が表示される。この画面において、使用者は、キーボード5cなどにより患者の患者情報の設定を行う。
【0109】
また、ステップS93において、使用者による設定の入力を受け付けたか否かが判断される。設定の入力を受け付けない場合には、ステップS96に進む。また、設定の入力を受け付けた場合には、ステップS94において、設定完了指示を受け付けたか否かが判断される。すなわち、図17の「設定完了」ボタン951が選択されたか否かが判断される。設定の入力を受け付けない場合には、ステップS96に進む。また、設定の入力を受け付けた場合には、ステップS95において、入力された設定(基準値)を患者IDに対応させてハードディスク501dに記憶して、基準値設定処理が終了する。
【0110】
また、ステップS96においては、図17の「キャンセル」ボタン952が選択されたか否かが判断される。「キャンセル」ボタン952が選択されない場合には、ステップS93に進むとともに、ステップS93〜ステップS96が繰り返される。また、「キャンセル」ボタン952が選択された場合には、基準値設定処理が終了する。
【0111】
本実施形態では、上記のように、「寝返り」および「離床」を異常として検出するか否かの設定を患者毎に設定することによって、患者に異常が生じたか否かの判定において、個々の患者に適した判定を行うことができる。
【0112】
また、本実施形態では、上記のように、集中監視装置5は、第1携帯型発信機1から出力された出力データに含まれる第1ID情報に基づいて、第1携帯型発信機1を装着している患者を特定することによって、集中監視装置5は、個々の患者にそれぞれ装着された第1携帯型発信機1からの加速度情報が、どの患者の加速度情報であるかを判別することができる。これにより、集中監視装置5は、異常が発生したと判定された患者を特定して、患者の管理者などに警告を行うことができる。
【0113】
また、本実施形態では、上記のように、患者の生体情報(心拍、血圧、SpO2および体温)の基準値を患者毎に設定可能に構成することによって、生体情報についても、患者に異常が生じたか否かの判定において、個々の患者に適した判定を行うことができる。
【0114】
また、本実施形態では、上記のように、患者の位置を、異常警告画面800、800aおよび800bの位置表示領域830に表示することによって、表示部5bに表示される異常警告画面800、800aおよび800bにより、医者などの患者の管理者は、異常と判定された患者の位置を確認することができる。
【0115】
また、本実施形態では、上記のように、患者に異常が生じた場合に、カメラ装置による撮像画像を、異常警告画面800、800aおよび800bの切換表示領域850に表示することによって、医者などの患者の管理者は、表示部5bに表示される異常警告画面800、800aおよび800bにより、異常と判定された患者の状態を画像で確認することができる。
【0116】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0117】
たとえば、上記実施形態では、「寝返り」および「離床」を異常として検出するか否かを患者毎に設定することが可能に構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、「寝返り」および「離床」以外の姿勢または動作についても、異常として検出するか否かを患者毎に設定することが可能に構成してもよい。
【0118】
また、上記実施形態では、脈波センサ2fおよびSpO2センサ2gの検出結果に基づいて生体情報(心拍、血圧およびSpO2)を算出した例を示したが、本発明はこれに限らず、脈波センサの検出結果のみから生体情報(心拍、血圧およびSpO2)を算出してもよい。
【0119】
また、上記実施形態では、第2携帯型発信機2のセンサ部を指部に装着する構成を示したが、本発明はこれに限らず、センサ部を本体部に設けることにより、腕部において脈波およびSpO2を検出してもよい。
【0120】
また、上記実施形態では、加速度情報により患者の位置を算出する例を示したが、本発明はこれに限らず、GPSにより患者の位置を特定してもよい。
【0121】
また、上記実施形態では、加速度情報により患者の位置を算出するとともに、患者の位置と複数のカメラ装置とのそれぞれの位置を比較することにより、患者に最も近いカメラ装置により撮像を行う例を示したが、本発明はこれに限らず、受信機とカメラ装置とを互いに近傍に設置するとともに、携帯型発信機からの無線情報を最も強く受信した受信機の近傍にあるカメラ装置により患者の撮像を行うように構成してもよい。
【0122】
また、上記実施形態では、病院において本システムを適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、独居老人の在宅介護に本システムを適用してもよい。たとえば、独居老人に携帯型発信機を装着するとともに、独居老人の家屋内に受信機およびカメラ装置を配置する。受信機およびカメラ装置は、遠隔地にある介護センターなどの施設内または介護者の家屋内に配置された集中監視装置とインターネットなどを介して接続される。これにより、独居老人に異常が検出された場合には、異常が発生したことが介護者に警告されるとともに、介護者は、独居老人の画像を即座に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】本発明の一実施形態による患者異常通知システムの全体構成を示す概略図である。
【図2】患者に装着される第1携帯型発信機および第2携帯型発信機を示す模式図である。
【図3】図2に示した第1携帯型発信機の構成を示すブロック図である。
【図4】図2に示した第2携帯型発信機の構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示した受信機の構成を示すブロック図である。
【図6】図1に示したカメラ装置の構成を示すブロック図である。
【図7】図1に示した集中監視装置の構成を示すブロック図である。
【図8】集中監視装置の表示部に表示される病室選択画面である。
【図9】集中監視装置の表示部に表示される患者選択ダイアログである。
【図10】集中監視装置の表示部に表示される姿勢状態を表示中の患者状態画面である。
【図11】集中監視装置の表示部に表示される生体情報を表示中の患者状態画面である。
【図12】集中監視装置の表示部に表示されるカメラ画像を表示中の患者状態画面である。
【図13】集中監視装置の表示部に表示される「転倒」の場合の異常警告画面である。
【図14】集中監視装置の表示部に表示される「寝返り」の場合の異常警告画面である。
【図15】集中監視装置の表示部に表示される「離床」の場合の異常警告画面である。
【図16】集中監視装置の表示部に表示される患者設定確認画面である。
【図17】集中監視装置の表示部に表示される患者設定入力画面である。
【図18】図1に示した患者異常通知システムの画面の表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図19】図1に示した患者異常通知システムの画面の表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図20】図1に示した患者異常通知システムの画面の表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図21】図1に示した患者異常通知システムの画面の表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図22】図18に示した異常判定処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【図23】図18に示した異常判定処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【図24】図18に示した異常警告処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【図25】図18に示した異常警告処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【図26】図21に示した基準値設定処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0124】
1a 加速度センサ
1b 体温センサ(生体センサ)
2f 脈波センサ(生体センサ)
2g SpO2センサ(生体センサ)
3 受信機
4 カメラ装置
4a カメラ
5 集中監視装置
5a 制御部(表示制御手段)
5b 表示部
100 患者異常通知システム
501d ハードディスク(記憶部)
800、800a、800b 異常警告画面
【技術分野】
【0001】
この発明は、患者異常通知システムおよび集中監視装置に関し、特に、患者に異常が生じたか否かを判定する判定手段を備えた患者異常通知システムおよび集中監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、患者に異常が生じたか否かを判定する判定手段を備えた患者異常通知システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1では、患者の脈拍、血圧、体温および腕の動きなどの患者の情報を検出するとともに送信するライフセンサと、ライフセンサから受信した患者の情報に基づいて、患者に異常が発生したか否かを判定する判定手段を含むライフコントローラとを備えている。また、判定手段は、予め患者の年齢、持病などに対応して設定された許容値と、患者の情報とを比較することにより、患者に異常が発生したか否かを判定するように構成されている。たとえば、腕の動きに関しては、腕の動きが所定の時間継続して検出されなかった場合に、患者に異常が発生したと判定される。すなわち、上記特許文献1では、患者の動静に関しては、患者が動いているか否かのみに基づいて、患者に異常が発生したか否かを判定している。また、上記特許文献1のシステムは、患者に異常が発生したと判定した場合に、所定の機関または家族などの人間に自動的に通報するように構成されている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−155749号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
病院の入院患者や在宅の被介護者(以下、患者という)にあっては、所謂寝たきりの状態であったり、手術直後等の寝具上で安静にしなければならない状態である場合がある。例えば寝たきり状態の患者では、床ずれを防止するために定期的に寝返りをうたせなければならず、また離床してはならない場合がある。一方、手術直後の患者では、寝返りをうつことができず、また離床してはならない場合がある。このように、患者の状態によって患者毎に寝具上での動静について許容できる状態及び許容できない状態が定まる。医師、看護師及び介護士は、患者の寝具上での許容できる動静状態及び許容できない動静状態を患者毎に把握し、それぞれの患者に適した看護や介護(寝返りをうたせなければならない患者には、定期的に寝返りをうたせる等)を実施している。上記特許文献1では、患者の動静については、患者の腕が動いているか否かのみに基づいて患者に異常が発生したか否かを判定している。しかしながら、患者の腕の動きを検出しただけでは、それが寝具上での動静であるか否かを知ることはできず、よって上述のような患者が寝具上で許容できる状態にあるのか許容できない状態にあるのかを判定することはできない。したがって、患者が寝具上で許容できない状態にある場合に、その患者の異常を検出することができず、異常を外部に通知することができないという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、患者が寝具上で所定の動静をとると問題がある場合に、患者がその動静をとることにより患者に異常が発生したことを検出し、その異常を外部に通知することが可能な患者異常通知システムを提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
この発明の第1の局面による患者異常通知システムは、患者に装着される加速度センサと、加速度センサの出力データを受信可能な集中監視装置とを備え、集中監視装置は、表示部と、加速度センサによって検出された加速度情報に基づいて、患者の動静状態を検出する動静状態検出手段と、寝具上での患者の動静に関する基準値を患者毎に記憶する記憶部と、動静状態検出手段によって検出された患者の動静状態と、記憶部に記憶された患者の基準値とを比較し、寝具上での患者の動静に異常が生じたか否かを判定する判定手段と、判定手段によって異常が生じたと判定された場合に、患者の異常を警告する画面を表示部に表示させる表示制御手段とを含んでいる。
【0008】
この第1の局面による患者異常通知システムでは、上記のように、患者の寝具上での動静に関する基準値を患者毎に記憶する記憶部を設けることによって、患者毎に異常か否かを判定するための患者の寝具上での動静に関する基準値を患者毎に設定することができる。すなわち、患者にとって寝具上での問題のある姿勢または姿勢の遷移などの動静に関する基準値は個々の患者の健康状態により異なるので、基準値を患者毎に設定することにより、患者に適した判定を行うことができる。また、加速度センサによる加速度情報に基づいて患者の動静状態を検出する動静状態検出手段により、患者の寝具上での姿勢および姿勢の遷移を検出することができる。また、動静状態検出手段によって検出された患者の姿勢または姿勢の遷移などの動静状態と、記憶部に記憶された患者の基準値とを比較し、患者の姿勢または姿勢の遷移などの寝具上での動静に異常が生じたか否かを判定することによって、患者が寝具上で所定の姿勢をとると問題がある場合に、患者がその姿勢をとった時に、患者の動静状態が異常であると判定することができる。また、判定手段によって異常が生じたと判定された場合に、患者の異常を警告する画面を表示部に表示させることによって、患者の動静状態に異常が発生した場合に、表示部の画面により、患者の異常を医者などの患者の管理者に通知することができる。
【0009】
上記第1の局面による患者異常通知システムにおいて、好ましくは、集中監視装置は、入力部と、入力部によって患者毎に寝具上での患者の動静に関する基準値の設定を受け付ける設定受付手段と、設定受付手段によって受け付けられた基準値を、患者に対応させて記憶部に記憶させる書込手段とをさらに含んでいる。このように構成すれば、医者などの患者の管理者は、個々の患者毎に寝具上での患者の動静に関する基準値を設定することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、加速度センサは、加速度センサを特定するために使用される加速度センサ特定情報を、加速度情報と共に出力するように構成されており、集中監視装置は、加速度センサから出力された出力データに含まれる加速度センサ特定情報に基づいて、加速度センサを装着している患者を特定する患者特定手段をさらに備え、判定手段は、加速度センサによって検出された加速度から求められた患者の動静状態と、患者特定手段によって特定された患者に対応する基準値とを比較して、寝具上での患者の動静に異常が生じたか否かを判定するように構成されている。このように構成すれば、集中監視装置は、個々の患者にそれぞれ装着された加速度センサからの加速度情報が、どの患者の加速度情報であるかを判別することができる。これにより、集中監視装置は、判定手段により異常が発生したと判定された患者を特定して、患者の管理者などに警告を行うことができる。
【0011】
上記第1の局面による患者異常通知システムにおいて、好ましくは、寝具上での患者の動静は、寝具上における寝返りを含む。このように構成すれば、集中監視装置は、患者が寝返りをしてはいけない場合に、その患者が寝返りをしたことを検出するとともに、患者の管理者などに警告を行うことができる。
【0012】
上記第1の局面による患者異常通知システムにおいて、好ましくは、寝具上での患者の動静は、寝具上における離床を含む。このように構成すれば、集中監視装置は、患者が離床をしてはいけない場合に、その患者が離床をしたことを検出するとともに、患者の管理者などに警告を行うことができる。
【0013】
上記第1の局面による患者異常通知システムにおいて、好ましくは、患者に装着され、患者の生体情報を検出し、検出した生体情報を送信する生体センサをさらに備え、集中監視装置は、生体センサの出力データを受信可能に構成されており、記憶部は、生体情報に関する基準値を患者毎に記憶し、判定手段は、生体センサにより検出された生体情報と、記憶部に記憶された生体情報に関する基準値とを比較し、患者の生体情報に異常が生じたか否かを判定し、表示制御手段は、判定手段によって異常が生じたと判定された場合に、患者の異常を警告する画面を表示部に表示させるように構成されている。このように構成すれば、患者の生体情報に異常が発生した場合に、表示部の画面により、患者の異常を医者などの外部の人間に通知することができる。
【0014】
この場合、好ましくは、生体センサは、生体情報として心拍数、血圧および血中酸素飽和度を検出し、集中監視装置の判定手段は、生体センサによって検出された患者の心拍数、血圧および血中酸素飽和度に基づいて、患者に異常が発生したか否かを判定する。このように構成すれば、患者の心拍数、血圧および血中酸素飽和度に異常が発生した場合に、表示部の画面により、患者の異常を医者などの外部の人間に通知することができる。
【0015】
上記第1の局面による患者異常通知システムにおいて、好ましくは、集中監視装置は、加速度情報に基づいて、患者の位置を算出する位置算出手段をさらに含み、表示制御部は、位置算出手段により算出された患者の位置を、患者の異常を警告する画面に表示する。このように構成すれば、患者の異常を警告する画面により、医者などの患者の管理者は、異常が発生した患者の位置を確認することができる。
【0016】
上記第1の局面による患者異常通知システムにおいて、好ましくは、患者を撮像するためのカメラ装置をさらに備え、集中監視装置は、カメラ装置と通信可能に接続されており、表示制御部は、判定手段によって患者に異常が生じたと判定された場合に、カメラ装置に患者の撮像を開始させるとともに、カメラ装置による撮像画像を、患者の異常を警告する画面に表示する。このように構成すれば、医者などの患者の管理者は、患者の異常を警告する画面により、異常が発生した患者の状態を画像で確認することができる。
【0017】
この場合、好ましくは、カメラ装置は、複数設けられており、集中監視装置は、加速度情報に基づいて、患者の位置を算出する位置算出手段をさらに含み、集中監視装置の表示制御手段は、加速度情報に基づいて、患者の位置を判定するとともに、患者に最も近いカメラ装置により患者を撮像するようにカメラ装置を制御する。このように構成すれば、カメラ装置の撮像範囲外に患者が移動した場合にも、他のカメラ装置により異常が発生した患者を撮像することができる。
【0018】
この発明の第2の局面による集中監視装置は、患者に装着される加速度センサが出力する加速度情報を受信可能な集中監視装置であって、集中監視装置は、表示部と、加速度センサによって検出された加速度情報に基づいて、患者の動静状態を検出する動静状態検出手段と、患者の動静に関する基準値を患者毎に記憶する記憶部と、動静状態検出手段によって検出された患者の動静状態と、記憶部に記憶された患者の基準値とを比較し、患者の動静に異常が生じたか否かを判定する判定手段と、判定手段によって異常が生じたと判定された場合に、患者の異常を警告する画面を表示部に表示させる表示制御手段とを含んでいる。
【0019】
この第2の局面による集中監視装置では、上記のように、患者の動静に関する基準値を患者毎に記憶する記憶部を設けることによって、患者毎に異常か否かを判定するための患者の動静に関する基準値を患者毎に設定することができる。すなわち、患者にとって問題のある姿勢または姿勢の遷移などの動静に関する基準値は個々の患者の健康状態により異なるので、基準値を患者毎に設定することにより、患者に適した判定を行うことができる。また、加速度センサによる加速度情報に基づいて患者の動静状態を検出する動静状態検出手段により、患者の姿勢および姿勢の遷移を検出することができる。また、動静状態検出手段によって検出された患者の姿勢または姿勢の遷移などの動静状態と、記憶部に記憶された患者の基準値とを比較し、患者の姿勢または姿勢の遷移などの動静に異常が生じたか否かを判定することによって、患者が所定の姿勢をとると問題がある場合に、患者がその姿勢をとった時に、患者の動静状態が異常であると判定することができる。また、判定手段によって異常が生じたと判定された場合に、患者の異常を警告する画面を表示部に表示させることによって、患者の動静状態に異常が発生した場合に、表示部の画面により、患者の異常を医者などの患者の管理者に通知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態による患者異常通知システムの全体構成を示す概略図である。図2〜図7は、図1に示した患者異常通知システムの各部の構造を説明するための図である。まず、図1〜図7を参照して、本発明の一実施形態による患者異常通知システム100の構成を説明する。
【0022】
本実施形態による患者異常通知システム100は、病院などにおいて使用され、患者に異常が発生した場合に、自動的に警告を発するように構成されている。図1に示すように、この患者異常通知システム100は、各患者に装着される第1携帯型発信機1および第2携帯型発信機2と、病棟内の複数箇所に設置される受信機3およびカメラ装置4と、各階のナースセンターに設置される集中監視装置5と、受信機3およびカメラ装置4と集中監視装置5とをLANケーブル(図示せず)を介して通信可能に接続するハブ6とを備えている。ハブ6は、接続された受信機3およびカメラ装置4にLANケーブルを介して電源を供給することが可能である。
【0023】
第1携帯型発信機1は、患者の物理的状態(患者の動静および姿勢)および患者の体温を検出するために患者に装着される。図2に示すように、第1携帯型発信機1は、概ね500円玉程度の大きさの円盤形状であり、患者の胴体の動脈近傍の皮膚(胸部など)にテープ200などを用いて貼り付けることにより装着される。図3に示すように、この第1携帯型発信機1は、加速度センサ1aと、体温センサ1bと、CPUおよびメモリなどからなる制御部1cと、無線通信部1dとを含んでいる。また、第1携帯型発信機1は、電池を内蔵しており、この電池により制御部1cなどに電力を供給するように構成されている。
【0024】
加速度センサ1aは、3軸方向(X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向)の加速度を検出し、加速度を示す電気信号を出力するように構成されている。この加速度センサ1aとしては、たとえば、日立金属株式会社製のピエゾ抵抗型3軸加速度センサーH34CまたはH48Cなどを使用することができる。また、各第1携帯型発信機1には、固有の第1ID情報が割り当てられており、制御部1cのメモリに第1ID情報が格納されている。制御部1cは、加速度センサ1aおよび体温センサ1bの検出結果を第1ID情報とともに無線通信部1dを介して定期的に発信するように構成されている。この第1ID情報により、発信したデータがどの第1携帯型発信機1から発信されたデータであるかを集中監視装置5が認識することが可能である。
【0025】
第2携帯型発信機2は、患者の生体的状態(脈波、心拍、血圧および血中酸素飽和度(SpO2))を検出するために患者に装着される。第2携帯型発信機2は、患者の循環器の状態(脈波、心拍および血圧)と、患者の呼吸器の状態(血中酸素飽和度)とを検出することが可能である。図2に示すように、第2携帯型発信機2は、患者の腕部に装着される本体部2aと、患者の指に装着されるセンサ部2bとからなり、本体部2aとセンサ部2bとが信号ケーブル2cにより接続されている。また、図4に示すように、本体部2aは、CPUおよびメモリなどからなる制御部2dと、無線通信部2eとを含んでいる。また、センサ部2bは、脈波センサ2fおよびSpO2センサ2gを含んでいる。
【0026】
脈波センサ2fおよびSpO2センサ2gは、反射型の光学式センサであり、発光素子と受光素子とが隣接して設けられていることにより、発光素子から発せられた光が体表面体付近の動脈において反射および散乱するとともに、その反射光および散乱光が受光素子に受光される。このような構成により、公知の手法により脈波およびSpO2(血中酸素飽和度)を検出することが可能である。また、制御部2dは、脈波センサ2fによって検出された脈波情報に基づいて、心拍及び血圧を検出するように構成されている。また、第2携帯型発信機2には、上記第1携帯型発信機1と同様に、固有の第2ID情報が割り当てられており、制御部2dのメモリに第2ID情報が格納されている。制御部2dは、検出された心拍、血圧、及びSpO2の生体情報を、第2ID情報とともに無線通信部2eを介して定期的に発信するように構成されている。この第2ID情報により、発信したデータがどの第2携帯型発信機2から発信されたデータであるかを集中監視装置5が認識することが可能である。
【0027】
また、受信機3は、病室、トイレおよび廊下などの天井にカメラ装置4とともに取り付けられている。図5に示すように、受信機3は、CPUおよびメモリなどからなる制御部3aと無線通信部3bと有線通信部3cとを含んでいる。無線通信部3bは、所定の通信方式に従って無線信号を受信するように構成されている。この無線通信部3bにより、第1携帯型発信機1および第2携帯型発信機2から発信された無線信号(物理的情報信号、第1ID情報信号、生体的情報信号および第2ID情報信号)を受信することが可能である。また、有線通信部3cは、Ethernet(登録商標)通信インタフェースであり、所定の通信プロトコルに従って、ハブ6を介して集中監視装置5との間でデータ通信を行うことが可能である。すなわち、無線通信部3bにより受信した物理的情報および生体的情報が集中監視装置5に送信される。
【0028】
また、図1に示すように、カメラ装置4は、天井300に取り付けられている。また、図6に示すように、カメラ装置4は、カメラ4aと、カメラ4aに接続される有線通信部4bとを含んでいる。有線通信部4bは、Ethernet(登録商標)通信インタフェースであり、所定の通信プロトコルに従って、ハブ6を介して集中監視装置5との間でデータ通信を行うことが可能である。すなわち、カメラ4aが撮像したカメラ画像のデータを集中監視装置5に送信することが可能であるとともに、集中監視装置5による制御信号をカメラ4aに送信することにより、集中監視装置5によりカメラ4aの制御を行うことが可能である。
【0029】
また、患者がいる病室の形、大きさなどにより複数のカメラ装置4が病室に配置される。また、トイレおよび廊下などの病院の各場所にもカメラ装置4が設置される。これにより、患者に異常が発生した場合に、患者がどこにいても患者の最も近くに位置するカメラ装置4により患者の様子を撮像することが可能である。
【0030】
次に、集中監視装置5の構成について詳細に説明する。集中監視装置5は、システムの全体的な制御を行うとともに、本システムが適用されている患者の状態を常に監視している。また、集中監視装置5は、監視している患者に異常が生じたか否かを判断する機能を有する。具体的には、集中監視装置5は、患者の姿勢が「転倒」または「落下」となった場合、または、患者の生体情報(脈拍、血圧、SpO2および体温)の値の少なくとも一つの値が、設定された正常範囲から逸脱した場合に、患者に異常が発生したと判断する。また、後述する患者情報の設定により、「転倒」および「落下」以外の他の姿勢を患者の異常として判定させるようにすることが可能である。また、集中監視装置5は、患者に異常が発生したと判断した場合には警告を行うとともに、患者の状態(患者の画像など)を表示するように構成されている。以下、具体的な構成を説明する。
【0031】
集中監視装置5は、図7に示すように、制御部5aと、表示部5bと、キーボード5cとから主として構成されたコンピュータ501によって構成されている。また、制御部5aは、CPU501aと、ROM501bと、RAM501cと、ハードディスク501dと、読出装置501eと、入出力インタフェース501fと、通信インタフェース501gと、画像出力インタフェース501hとから主として構成されている。CPU501a、ROM501b、RAM501c、ハードディスク501d、読出装置501e、入出力インタフェース501f、通信インタフェース501g、および画像出力インタフェース501hは、バス501iによって接続されている。
【0032】
CPU501aは、ROM501bに記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM501cにロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。そして、後述するようなアプリケーションプログラム504aをCPU501aが実行することにより、コンピュータ501が集中監視装置5として機能する。
【0033】
ROM501bは、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROMなどによって構成されており、CPU501aに実行されるコンピュータプログラムおよびこれに用いるデータなどが記録されている。たとえば、ROM501bには、受信した加速度情報から患者の位置および姿勢を判定するプログラム、および、患者の加速度が異常であるか否かを判断するための閾値などが記録されている。
【0034】
RAM501cは、SRAMまたはDRAMなどによって構成されている。RAM501cは、ROM501bおよびハードディスク501dに記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、RAM501cは、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU501aの作業領域として利用される。
【0035】
ハードディスク501dは、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU501aに実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびそのコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。また、ハードディスク501dには、2つのテーブルT1およびT2が記憶されている。テーブルT1には、第1携帯型発信機1に個別に割り当てられている第1ID情報および第2携帯型発信機2に個別に割り当てられている第2ID情報と、個々の患者を特定するための情報(患者氏名および患者IDなど)とが対応付けられて記憶されている。また、テーブルT2には、それぞれの受信機3およびカメラ装置4に割り当てられている第3ID情報と、受信機3およびカメラ装置4が設置されている位置情報(病室、トイレ、または廊下などの位置を特定する情報)とが対応付けられて記憶されている。
【0036】
また、ハードディスク501dには、患者の生体情報および加速度情報に基づいて、患者に異常が発生したか否かを判断するための閾値などの患者情報が患者IDと対応付けられて記憶されている。この患者情報は、個々の患者について別々に設定することが可能である。患者情報の設定については、後に詳細に説明する。
【0037】
読出装置501eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブなどによって構成されており、可搬型記録媒体504に記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体504には、本実施形態に係るアプリケーションプログラム504aが格納されており、コンピュータ501がその可搬型記録媒体504からアプリケーションプログラム504aを読み出し、そのアプリケーションプログラム504aをハードディスク501dにインストールすることが可能である。
【0038】
なお、上記アプリケーションプログラム504aは、可搬型記録媒体504によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ501と通信可能に接続された外部の機器から上記電気通信回線を通じて提供することも可能である。たとえば、上記アプリケーションプログラム504aがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータ501がアクセスして、そのアプリケーションプログラム504aをダウンロードし、これをハードディスク501dにインストールすることも可能である。
【0039】
また、ハードディスク501dには、たとえば、米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)などのグラフィカルユーザインタフェース環境を提供するオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、本実施形態に係るアプリケーションプログラム504aは上記オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0040】
入出力インタフェース501fは、たとえば、USB、IEEE1394、RS−232Cなどのシリアルインタフェース、SCSI、IDE、IEEE1284などのパラレルインタフェース、およびD/A変換器、A/D変換器などからなるアナログインタフェースなどから構成されている。入出力インタフェース501fには、キーボード5cおよびマウス(図示せず)が接続されており、ユーザがそのキーボード5cまたはマウスを使用することにより、コンピュータ501へのデータの入力および画面上のアイコンの選択などを行うことが可能である。
【0041】
通信インタフェース501gは、Ethernet(登録商標)インタフェースであり、コンピュータ501は、その通信インタフェース501gにより、所定の通信プロトコルを使用してハブ6およびLANケーブルを介して通信ネットワークに接続された受信機3およびカメラ装置4との間でデータの送受信が可能である。
【0042】
画像出力インタフェース501hは、LCDまたはCRTなどで構成された表示部5bに接続されており、CPU501aから与えられた画像データに応じた映像信号を表示部5bに出力するようになっている。表示部5bは、入力された映像信号にしたがって、画像(画面)を表示する。使用者は、この表示部5bにおいて、患者の状態(患者の姿勢、位置、カメラ画像)を確認することが可能である。
【0043】
図8〜図17は、本発明の一実施形態による患者異常通知システムの集中監視装置の表示部に表示される画面を示している。次に、図8〜図17を参照して、本実施形態による患者異常通知システム100の集中監視装置5の表示部5bに表示される画面の構成について説明する。
【0044】
本実施形態では、待ち受け状態において、図8に示すように、病室選択画面600が表示される。この病室選択画面600では、病院の各病室を示すアイコン601が病室番号とともに選択可能に表示されている。病室選択画面600においては、本実施形態による患者異常通知システム100が適用されている患者(以下、看まもり対象の患者)が室内にいる病室に対応するアイコン601aは、他の病室に対応するアイコン601bに対して識別可能に表示される。本実施形態では、看まもり対照の患者が室内にいる病室に対応するアイコン601a(図8では、201号室)は、青色に表示されることにより、白色に表示される他の病室に対応するアイコン601bと識別可能に表示されている。図8では、201号室に看まもり対象の患者がいることがわかる。また、病室選択画面600には、患者設定ボタン602が設けられている。この患者設定ボタン602については、後に詳細に説明する。
【0045】
また、病室選択画面600において、病室に対応するアイコン601を選択することにより、図9に示すように、患者選択ダイアログ610が表示される。患者選択ダイアログ610では、その病室に入院している患者に対応するアイコン611が患者名および患者IDとともに表示される。この患者選択ダイアログ610においても、看まもり対象の患者を示すアイコン611aは、看まもり対象でない患者のアイコン611bに対して識別可能に表示される。
【0046】
また、患者選択ダイアログ610において、患者を選択した場合には、図10〜図12に示すように、患者状態表示画面700が表示される。患者状態表示画面700では、選択した患者の姿勢、病室における位置、生体情報などの患者の状態を確認することが可能である。具体的には、患者状態表示画面700は、患者情報を表示する患者情報表示領域710と、患者の姿勢を簡易表示する姿勢表示領域720と、患者の病室における位置を表示する位置表示領域730と、患者の生体情報を表示する生体情報表示領域740と、患者の状態を切換表示する切換表示領域750と、切換表示領域750の表示を選択するための切換ボタン表示領域760とを含んでいる。
【0047】
患者情報表示領域710には、個々の患者を特定する情報(「患者の病室」、「ベッド」、「患者ID」および「患者氏名」)が表示される。
【0048】
姿勢表示領域720には、患者の姿勢(立位、座位、歩行中、背臥位、腹臥位、右臥位および左臥位)の各イラスト721が表示されるとともに、実際の患者の現在の姿勢を示すイラスト721aが他のイラスト721bに対して視認可能に色分け表示される。使用者は、姿勢表示領域720により、患者の現在の姿勢を確認することが可能である。
【0049】
また、位置表示領域730には、ベッドが表示されるとともに病室を模した構成となっており、患者を示すイラスト731が配置される。この位置表示領域730における患者のイラスト731の位置は、実際の病室における患者の位置と対応している。使用者は、位置表示領域730により、患者の病室における位置を確認することが可能である。
【0050】
また、生体情報表示領域740には、患者の現在の脈拍、血圧、SpO2(血中酸素飽和度)および体温がリアルタイムで表示される。
【0051】
また、切換表示領域750には、切換ボタン表示領域760の「姿勢」ボタン761を選択することにより、図10に示すように、患者の現在の姿勢および位置が立体的にアニメーション表示される。また、切換ボタン表示領域760の「バイタル」ボタン762を選択することにより、図11に示すように、患者の脈拍および血圧の現在から30分前までのグラフが表示される。また、切換ボタン表示領域760の「カメラ」ボタン763を選択することにより、図12に示すように、カメラ装置4による現在の患者の撮像画像が表示される。また、図12のスライドバー751および752を操作することにより、カメラ4aのレンズ(図示せず)を左右および上下に移動させて撮像範囲を移動させることが可能である。また、スライドバー753を操作することにより、撮像画像の拡大および縮小を行うことが可能である。また、「戻る」ボタン764を選択することにより、病室選択画面600が表示されるように構成されている。
【0052】
また、本実施形態による患者異常通知システム100は、患者に異常が発生したと判断された場合には、集中監視装置5が所定の警告音を発するとともに、図13に示すように、異常が発生した患者の状態を表示する異常警告画面800が自動的に表示される。この異常警告画面800においては、所定の警告表示がなされるとともに、患者の撮像画像が自動的に表示されるように構成されている。集中監視装置5は、上記のように、患者の姿勢が「転倒」または「落下」となった場合、または、患者の生体情報(脈拍、血圧、SpO2および体温)の値の少なくとも一つの値が、設定された正常範囲から逸脱した場合に、患者に異常が発生したと判断する。以下、図13を参照して、患者の姿勢が「転倒」となった場合の異常警告画面800の構成について説明する。
【0053】
異常警告画面800は、患者情報を表示する患者情報表示領域810と、患者の姿勢を簡易表示する姿勢表示領域820と、患者の病室における位置を表示する位置表示領域830と、患者の生体情報を表示する生体情報表示領域840と、患者の状態を切換表示する切換表示領域850と、切換表示領域850の表示を選択するための切換ボタン表示領域860とを含んでいる。患者情報表示領域810、位置表示領域830および生体情報表示領域840の構成は、それぞれ、上記した患者情報表示領域710、位置表示領域730および生体情報表示領域740の構成と同様であるので、説明を省略する。
【0054】
図13に示すように、患者の姿勢が「転倒」となった場合には、姿勢表示領域820に「転倒」の文字821および「転倒」を示すイラスト822が強調して表示される。本実施形態では、「転倒」の文字821の周りおよび「転倒」を示すイラスト822の周りが赤色で表示され、かつ、点滅することにより、患者が転倒したことが使用者が容易に視認できるように表示が行われる。また、姿勢表示領域820には、現在の患者の姿勢を示すイラスト823も合わせて表示される。
【0055】
また、異常警告画面800においては、切換ボタン表示領域860に、上記切換ボタン表示領域760のボタンと同様の機能を有する「姿勢」ボタン861、「バイタル」ボタン862、「カメラ」ボタン863および「戻る」ボタン864に加えて、「アラーム停止」ボタン865が追加される。「アラーム停止」ボタン865を選択することにより、警告音が停止されるように構成されている。また、「戻る」ボタン864が選択された場合、「アラーム停止」ボタン865が選択された場合、および、異常警告画面800が表示されてから1分が経過した場合には、警告状態が解除されるとともに、病室選択画面600が表示される。
【0056】
また、異常警告画面800では、切換表示領域850に最初にカメラ画像が表示されるように構成されている。これにより、使用者は、異常が発生した患者の状態をカメラ画像により確認することが可能である。また、異常警告画面800においても、切換ボタン表示領域860の各ボタンを選択することにより、切換表示領域850の表示を切り換えることが可能である。
【0057】
また、患者の姿勢が「落下」となった場合の異常警告画面(図示せず)にも、「転倒」の場合の異常警告画面800と同様に、姿勢表示領域に「落下」を示すイラストが強調して表示される。また、生体情報(脈拍、血圧、SpO2および体温)が異常となった場合の異常警告画面(図示せず)では、生体情報表示領域において、異常となった生体情報(脈拍、血圧、SpO2および体温の少なくとも一つ)を表示する部分が強調表示される。たとえば、脈拍が正常範囲から逸脱した場合には、生体情報表示領域の「脈拍」を表示する部分が赤色で表示され、かつ、点滅することにより、患者の脈拍が異常であることが使用者が容易に視認できるように表示が行われる。このように、本実施形態による患者異常通知システム100では、患者に異常が発生した場合に、患者の異常な部分を使用者が容易に視認できるように異常な項目を表示する領域が強調して表示される。
【0058】
また、本実施形態では、後述するように、患者が寝返りをした場合、および、患者が離床した場合にも警告を行うように設定することが可能である。これらの設定がなされている場合に、患者が寝返りをした場合には、図14に示すように、異常警告画面800aが表示部5bに表示される。また、患者が離床した場合には、図15に示すように、異常警告画面800bが表示部5bに表示される。異常警告画面800aの姿勢表示領域870以外の構成および異常警告画面800bの姿勢表示領域880以外の構成は、図13に示した異常警告画面800と同様であるので、説明を省略する。
【0059】
また、図14に示すように、患者の姿勢が「寝返り」となった場合には、姿勢表示領域870に「寝返り」の文字871および「寝返り」を示すイラスト872が強調して表示される。また、姿勢表示領域870には、現在の患者の姿勢を示すイラスト873も合わせて表示される。
【0060】
また、図15に示すように、患者の姿勢が「離床」となった場合には、姿勢表示領域880に「離床」の文字881および「離床」を示すイラスト882が強調して表示される。また、姿勢表示領域880には、現在の患者の姿勢を示すイラスト883も合わせて表示される。
【0061】
次に、図8、図16および図17を参照して、本実施形態による患者異常通知システム100における患者の異常判定を行う際の患者情報の設定について説明する。
【0062】
本実施形態による患者異常通知システム100では、個々の患者について患者情報を予め設定することによって、個々の患者のそれぞれに合わせて、異なる基準により患者が異常状態にあるか否かを判定することが可能である。個々の患者の患者情報は、図16に示す患者設定確認画面900により確認および変更することが可能である。また、患者情報は、図17に示す個別患者設定入力画面950により個別に設定および変更することが可能である。以下、詳細に説明する。
【0063】
患者設定確認画面900は、図8に示した「患者設定」ボタン602を選択することにより表示される。図16に示すように、患者設定確認画面900では、患者情報が設定されている患者の患者情報がリスト表示される。患者情報の項目としては、「病室名」、「ベッド番号」、「患者ID」、「患者名」、「入院」、「看まもり」、「寝返可」および「離床可」が含まれる。「入院」では、その患者が入院しているか、退院しているかを設定することが可能である。また、「看まもり」では、本実施形態による患者異常通知システム100により患者の看まもりを行うか否かを設定することが可能である。また、「寝返可」では、患者の寝返動作を異常として検出するか否かを設定することが可能である。また、「離床可」では、患者が離床動作を異常として検出するか否かを設定することが可能である。
【0064】
また、患者情報の項目には、さらに、「脈拍上限」、「脈拍下限」、「SpO2下限」、「最高血圧上限」、「最低血圧下限」、「体温上限」および「体温下限」が含まれる。これらの項目の数値を患者の生体情報の正常範囲の閾値として設定することにより、患者の生体情報が設定した正常範囲内にない場合に、患者に異常が発生したと判定するとともに、患者の異常の発生について患者異常通知システム100が警告を行うことが可能である。
【0065】
また、「新規登録」ボタン901を選択することにより、図17に示す個別患者設定入力画面950により、患者情報を新規に設定することが可能である。また、患者を選択した状態で「設定変更」ボタン902を選択することにより、その患者の患者情報を変更することが可能である。また、「設定完了」ボタン903が選択されることにより、患者情報の変更が有効になる(設定した数値などがハードディスク501dに記憶される)とともに、病室選択画面600に画面が切り替えられる。また、「キャンセル」ボタン904が選択されることにより、患者情報の変更が取り消されるとともに、病室選択画面600に画面が切り替えられる。
【0066】
また、個別患者設定入力画面950においては、「設定完了」ボタン951を選択することにより、入力した数値などを患者設定確認画面900に反映して、患者設定確認画面900に戻るように構成されている。また、「キャンセル」ボタン952を選択することにより、入力した数値などを患者設定確認画面900に反映せずに患者設定確認画面900に戻るように構成されている。
【0067】
図18〜図21は、本実施形態による患者異常通知システムの表示部に表示される画面の表示処理を説明するためのフローチャートである。次に、図8〜図12および図18〜図21を参照して、本実施形態による患者異常通知システムの表示部に表示される画面の表示処理を説明する。
【0068】
まず、集中監視装置5の電源(図示しない)を入れると、集中監視装置5の制御部5aにおいては、図18のステップS1において、制御部5aの初期化(プログラムの初期化)が行われる。また、集中監視装置5の電源が入れられることにより、カメラ装置4および受信機3にもLANケーブル(図示せず)およびハブ6を介して電源が供給される。そして、初期化が終了すると、ステップS2において、待ち受け画面として、図8に示すように、病室選択画面600が表示される。また、患者に装着された第1携帯型発信機1は、第1ID情報とともに、患者の加速度情報および体温情報を定期的に発信している。また、患者に装着された第2携帯型発信機2は、第2ID情報とともに、患者の生体的情報を定期的に発信している。また、受信機3は、それらの情報を受信するとともに、集中監視装置5にLANケーブルおよびハブ6を介して送信する。
【0069】
次に、ステップS3において、集中監視装置5の制御部5aが、第1ID情報、加速度情報および体温情報を受信したか否かが判断される。これらの情報を受信していない場合には、この判断が繰り返される。また、これらの情報を受信した場合には、ステップS4において、制御部5aは、加速度情報に基づいて、患者の位置を算出する。また、ステップS5において、制御部5aは、加速度情報に基づいて、患者の姿勢を判定する。また、制御部5aは、加速度情報と、予め設定された閾値とを比較することにより、加速度が異常であるか否かを判断する。
【0070】
また、ステップS6において、集中監視装置5の制御部5aが、第2ID情報、心拍情報、血圧情報およびSpO2情報を受信したか否かが判断される。これらの情報を受信していない場合には、この判断が繰り返される。また、これらの情報を受信した場合には、ステップS7において、制御部5aは、患者に異常が発生しているか否かを判定する異常判定処理を行う。この異常判定処理については、後に詳細に説明する。
【0071】
そして、ステップS8において、患者に異常が発生したか否かが判断される。上記異常判定処理により患者に異常が発生したと判定された場合には、ステップS9において、医者や看護婦などに患者の異常を通知する異常警告処理が行われる。この異常警告処理については、後に詳細に説明する。この後、ステップS3〜ステップS9の処理が繰り返される。
【0072】
また、患者に異常が発生していないと判定された場合には、ステップS10において、患者の選択を受け付けたか否かが判断される。すなわち、病室選択画面600(図8参照)において病室が選択されることにより表示される患者選択ダイアログ610(図9参照)において、患者が選択されたか否かが判断される。患者の選択を受け付けていない場合には、図19のステップS12に進む。また、患者の選択を受け付けた場合には、ステップS11において、選択された患者の患者状態画面700(図10参照)が表示されるとともに、患者状態画面700の切換表示領域750に患者の姿勢状態が表示される。
【0073】
その後、図19のステップS12において、患者状態画面700の切換表示領域750に患者の姿勢状態が表示されているか否かが判断される。図10に示すように、切換表示領域750に患者の姿勢状態が表示されている場合には、ステップS13において、上記ステップS3において得た体温情報、上記ステップS4において算出した患者の位置、上記ステップS5において判定した患者の姿勢、および、上記ステップS6において得た生体情報(心拍、血圧およびSpO2)に基づいて、表示されている画面(患者状態画面)が更新される。この後、ステップS18に進む。
【0074】
また、ステップS12において、切換表示領域750に患者の姿勢状態が表示されていない場合(切換表示領域750に、バイタル情報またはカメラ画像が表示されている場合、もしくは、病室選択画面600が表示されている場合)には、ステップS14において、切換表示領域750に姿勢状態を表示する指示を受け付けた(「姿勢」ボタン761が使用者により選択された)か否かが判断される。この指示を受け付けない場合には、ステップS13において、表示されている画面(患者状態画面700または病室選択画面600)が更新される。また、姿勢状態を表示する指示を受け付けた場合には、ステップS15において、カメラ装置4が動作中であるか否かが判断される。カメラ装置4が動作中でない場合には、ステップS17に進む。また、カメラ装置4が動作中である場合には、ステップS16において、動作中のカメラ装置4に撮像停止指示信号を送信する。この後、ステップS17において、切換表示領域750に患者の姿勢状態が表示される。
【0075】
また、ステップS18においては、患者状態画面700の切換表示領域750に患者の生体情報が表示されているか否かが判断される。切換表示領域750に患者の生体情報が表示されている場合には、ステップS19において、上記ステップS13と同様に、表示されている画面(患者状態画面700)が更新される。この後、図20のステップS24に進む。
【0076】
また、ステップS18において、切換表示領域750に患者の生体情報が表示されていない場合(切換表示領域750に、姿勢状態またはカメラ画像が表示されている場合、もしくは、病室選択画面600が表示されている場合)には、ステップS20において、切換表示領域750に生体情報を表示する指示を受け付けた(「バイタル」ボタン762が使用者により選択された)か否かが判断される。この指示を受け付けない場合には、ステップS19において、表示されている画面(患者状態画面700または病室選択画面600)が更新される。また、生体情報を表示する指示を受け付けた場合には、ステップS21およびステップS22において、上記ステップS15およびステップS16と同様の処理が行われる。この後、ステップS23において、切換表示領域750に患者の生体情報(図11参照)が表示される。
【0077】
この後、図20のステップS24においては、切換表示領域750にカメラ画像を表示中であるか否かが判断される。切換表示領域750にカメラ画像を表示中である場合には、ステップS29に進む。また、切換表示領域750にカメラ画像を表示中でない場合(切換表示領域750に、姿勢状態またはバイタル情報が表示されている場合、もしくは、病室選択画面600が表示されている場合)には、ステップS25において、切換表示領域750にカメラ画像を表示する指示を受け付けた(「カメラ」ボタン763が使用者により選択された)か否かが判断される。カメラ画像を表示する指示を受け付けない場合には、ステップS32において、表示している画面を更新する。
【0078】
また、カメラ画像を表示する指示を受け付けた場合には、ステップS26において、図18のステップS4において算出した患者の位置と、複数のカメラ装置4のそれぞれの位置とを比較することにより、患者に最も近い位置にあるカメラ装置4を特定する。この後、ステップS27において、特定したカメラ装置4に撮像開始信号を送信するとともに、ステップS28において、切換表示領域750の表示をカメラ画像(図12参照)に切り換える。
【0079】
また、撮像開始信号を受信したカメラ装置4では、カメラ4aにより患者の撮像が開始される。また、患者の映像を含むカメラ画像データは、集中監視装置5に順次送信される。また、集中監視装置5では、ステップS29において、カメラ画像データを受信したか否かが判断される。カメラ画像データを受信しない場合には、この判断が繰り返される。また、カメラ画像データを受信した場合には、ステップS30において、カメラ操作を受け付けたか否かが判断される。すなわち、使用者によりスライドバー751〜753(図12参照)が操作されることによって、カメラの撮像範囲の変更および倍率の変更が指示されたか否かが判断される。
【0080】
カメラ操作を受け付けない場合には、ステップS32に進む。また、カメラ操作を受け付けた場合には、ステップS31において、撮像中のカメラ装置4に使用者に指示された動作を指示する信号を送信する。カメラ装置4は、その信号を受けて、カメラの撮像範囲の変更および倍率の変更を行う。
【0081】
そして、ステップS32において、カメラ装置4から送信されたカメラ画像データに基づいて表示されている画面(患者状態画面700)の更新が行われる。
【0082】
この後、ステップS33において、病室選択画面600が表示されているか否かが判断される。病室選択画面600が表示されている場合には、図21のステップS38において、患者設定画面900の表示指示を受け付けたか否かが判断される。すなわち、病室選択画面600の「患者設定」ボタン602が選択されたか否かが判断される。患者設定画面900の表示指示を受け付けた場合には、ステップS39において、基準値設定処理が行われるとともに、図18のステップS3に進む。この基準値設定処理については、後に詳細に説明する。また、ステップS38において、患者設定画面900の表示指示を受け付けない場合には、図18のステップS3に進む。
【0083】
また、ステップS33において、病室選択画面600が表示されていない場合(患者状態画面700が表示されている場合)には、ステップS34において、病室選択画面600の表示の指示を受け付けたか否かが判断される。すなわち、患者状態画面700の「戻る」ボタン764が選択されたか否かが判断される。病室選択画面600の表示の指示を受け付けない場合には、図18のステップS3に進む。
【0084】
また、病室選択画面600の表示の指示を受け付けた場合には、ステップS35およびステップS36において、上記ステップS15およびステップS16と同様の処理が行われるとともに、ステップS37において、病室選択画面600が表示される。この後、ステップS3に進む。この後、ステップS3〜ステップS39が繰り返される。
【0085】
本実施形態による患者異常通知システム100では、ステップS3〜ステップS39が繰り返されることにより、患者状態画面700の表示が随時更新されるので、使用者が患者の状態をリアルタイムで確認することが可能である。
【0086】
図22および図23は、図18に示したステップS7の異常判定処理の詳細を説明するためのフローチャートである。次に、図22および図23を参照して、異常判定処理を説明する。
【0087】
異常判定処理では、まず、ステップS40において、異常判定を行うデータ(加速度情報および生体情報)に付された第1ID情報および第2ID情報に基づいて、異常の判定を行う患者の正常範囲情報(基準値)が読み出される。すなわち、ハードディスク501dに記憶されている患者情報を参照して、生体情報(心拍、血圧、SpO2および体温)の閾値と、「寝返り」および「離床」を患者の異常として検出するか否かの設定が読み込まれる。
【0088】
そして、読み出された正常範囲情報と、上記ステップS3において得た加速度情報および上記ステップS6において得た生体情報に異常があるか否かを判断する。具体的には、ステップS41において、加速度が正常範囲を逸脱したか否かが判断される。また、加速度が正常範囲を逸脱しない場合(加速度が正常範囲内である場合)には、ステップS44に進む。また、ステップS41において、加速度が正常範囲を逸脱した場合には、加速度の異常が転倒によるものかベッドなどからの転落によるものかが判定される。この場合、患者の姿勢が立位および歩行中から臥位に変化した場合に転倒と判定され、患者がベッド上にいる状態からベッドの下にいる状態に変化した場合に、転落と判定される。そして、転倒と判定された場合には、ステップS42において、異常状態「転倒」が記憶される。また、転落と判定された場合には、ステップS43において、異常状態「転落」が記憶される。
【0089】
この後、ステップS44において、加速度情報に基づいて、患者が寝返りをしたか否かが判断される。患者が寝返りをしていない場合には、ステップS47に進む。また、患者が寝返りをした場合には、ステップS45において、寝返りを異常として検出する設定になっているか否かが判断される。すなわち、図16および図17の「寝返り可」がONになっているか否かが判断される。寝返りを異常として検出する設定になっていない場合には、ステップS47に進む。また、寝返りを異常として検出する設定になっている場合には、ステップS46において、異常状態「寝返り」が記憶される。
【0090】
この後、ステップS47において、加速度情報に基づいて、患者が離床したか否かが判断される。患者が離床していない場合には、ステップS50に進む。また、患者が離床した場合には、ステップS48において、離床を異常として検出する設定になっているか否かが判断される。すなわち、図16および図17の「離床可」がONになっているか否かが判断される。離床を異常として検出する設定になっていない場合には、ステップS50に進む。また、離床を異常として検出する設定になっている場合には、ステップS49において、異常状態「離床」が記憶される。
【0091】
この後、ステップS50において、体温が正常範囲を逸脱するか否かが判断される。体温が正常範囲を逸脱しない場合(正常範囲内である場合)には、ステップS52に進む。また、体温が正常範囲を逸脱した場合には、ステップS51において、異常状態「体温」が記憶される。
【0092】
この後、ステップS52において、心拍が正常範囲を逸脱するか否かが判断される。心拍が正常範囲を逸脱しない場合(正常範囲内である場合)には、ステップS54に進む。また、心拍が正常範囲を逸脱した場合には、ステップS53において、異常状態「心拍」が記憶される。
【0093】
この後、ステップS54において、血圧が正常範囲を逸脱するか否かが判断される。血圧が正常範囲を逸脱しない場合(正常範囲内である場合)には、ステップS56に進む。また、血圧が正常範囲を逸脱した場合には、ステップS55において、異常状態「血圧」が記憶される。
【0094】
この後、ステップS56において、SpO2が正常範囲を逸脱するか否かが判断される。SpO2が正常範囲を逸脱しない場合(正常範囲内である場合)には、異常判定処理が終了する。また、SpO2が正常範囲を逸脱した場合には、ステップS57において、異常状態「SpO2」が記憶されて、異常判定処理が終了する。
【0095】
このように、異常判定処理では、加速度、体温、心拍、血圧およびSpO2のそれぞれの項目について、設定された正常状態の値と比較することにより、それぞれの項目が異常であるか否かが判定されるとともに、異常と判定された項目が記憶される。
【0096】
図24および図25は、図18のステップS9の異常警告処理の詳細を説明するためのフローチャートである。次に、図13〜図15、図24および図25を参照して、異常警告処理の詳細を説明する。
【0097】
異常警告処理では、まず、図24のステップS60において、上記した異常判定処理において異常が生じたと判定されたデータ(加速度情報、体温情報など)に対応する第1ID情報および第2ID情報から、異常が生じた患者が特定される。すなわち、ハードディスク501dに格納されたテーブルT1を参照することにより、その第1ID情報に対応する第1携帯型発信機1および第2ID情報に対応する第2携帯型発信機2を装着している患者(患者ID)を特定する。
【0098】
そして、ステップS61において、図18のステップS4において算出した患者の位置と、複数のカメラ装置4のそれぞれの位置とを比較することにより、患者に最も近い位置にあるカメラ装置4を特定する。この後、ステップS62において、特定したカメラ装置4に撮像開始信号を送信する。その後、ステップS63において、患者の異常状態(「転倒」、「落下」、「寝返り」または「離床」)によって、異常警告画面800(図13参照)、異常警告画面800a(図14参照)または異常警告画面800b(図15参照)を表示するとともに、「カメラ」ボタン863が選択された状態とすることにより、切換表示領域850にカメラ画像が表示されるように画面が切り換えられる。また、この異常警告画面(異常警告画面800、異常警告画面800aまたは異常警告画面800b)では、上記した異常判定処理で異常と判定された項目が他の項目と識別可能に強調して表示される。
【0099】
また、撮像開始信号を受信したカメラ装置4では、カメラ4aにより患者の撮像が開始される。また、患者の映像を含むカメラ画像データは、集中監視装置5に順次送信される。また、集中監視装置5では、ステップS64において、カメラ画像データを受信したか否かが判断される。カメラ画像データを受信しない場合には、この判断が繰り返される。また、カメラ画像データを受信した場合には、ステップS65において、受信したカメラ画像データに基づいて、異常警告画面(異常警告画面800、異常警告画面800aまたは異常警告画面800b)が更新される。
【0100】
この後、図25のステップS66において、異常警告画面の切換表示領域850に患者の姿勢状態が表示されているか否かが判断される。切換表示領域850に患者の姿勢状態が表示されている場合には、ステップS67において、上記ステップS3において得た体温情報、上記ステップS4において算出した患者の位置、上記ステップS5において判定した患者の姿勢、および、上記ステップS6において得た生体情報(心拍、血圧およびSpO2)に基づいて、表示されている画面(異常警告画面)が更新される。この後、ステップS70に進む。
【0101】
また、ステップS66において、切換表示領域850に患者の姿勢状態が表示されていない場合(切換表示領域850に、バイタル情報またはカメラ画像が表示されている場合、もしくは、病室選択画面600が表示されている場合)には、ステップS68において、切換表示領域850に姿勢状態を表示する指示を受け付けた(「姿勢」ボタン861(図13参照)が使用者により選択された)か否かが判断される。この指示を受け付けない場合には、ステップS67において、表示されている画面(異常警告画面または病室選択画面600)が更新される。また、姿勢状態を表示する指示を受け付けた場合には、ステップS69において、切換表示領域850に異常が生じた患者の姿勢状態が表示される。
【0102】
また、ステップS70においては、患者状態画面の切換表示領域850に患者の生体情報が表示されているか否かが判断される。切換表示領域850に患者の生体情報が表示されている場合には、ステップS71において、上記ステップS67と同様に、表示されている画面(異常警告画面)が更新される。この後、ステップS74に進む。
【0103】
また、ステップS70において、切換表示領域850に患者の生体情報が表示されていない場合(切換表示領域850に、姿勢状態またはカメラ画像が表示されている場合、もしくは、病室選択画面600が表示されている場合)には、ステップS72において、切換表示領域850に生体情報を表示する指示を受け付けた(「バイタル」ボタン862が使用者により選択された)か否かが判断される。この指示を受け付けない場合には、ステップS71において、表示されている画面(異常警告画面または病室選択画面600)が更新される。また、生体情報を表示する指示を受け付けた場合には、ステップS73において、切換表示領域850に異常が生じた患者の生体情報が表示される。
【0104】
この後、ステップS74においては、切換表示領域850にカメラ画像を表示中であるか否かが判断される。切換表示領域850にカメラ画像を表示中である場合には、ステップS75に進む。また、切換表示領域850にカメラ画像を表示中でない場合(切換表示領域850に、姿勢状態またはバイタル情報が表示されている場合、もしくは、病室選択画面600が表示されている場合)には、ステップS76において、切換表示領域850にカメラ画像を表示する指示を受け付けた(「カメラ」ボタン863が使用者により選択された)か否かが判断される。カメラ画像を表示する指示を受け付けない場合には、ステップS75において、表示している画面が更新される。また、カメラ画像を表示する指示を受け付けた場合には、ステップS77において、切換表示領域850の表示を異常が生じた患者のカメラ画像が表示される。
【0105】
この後、ステップS78において、警告表示の停止の指示が使用者によりなされたか否かが判断される。すなわち、異常警告画面(異常警告画面800、異常警告画面800aまたは異常警告画面800b)の「戻る」ボタン864が選択されたか否か、もしくは、「アラーム停止」ボタン865が選択されたか否か、もしくは、異常警告画面800が表示されてから1分が経過したか否かが判断される。警告表示の停止の指示がない場合には、図24のステップS64に進む。また、警告表示の停止の指示があった場合には、ステップS79において、動作中(撮像中)のカメラ装置4に撮像停止指示信号を送信する。そして、ステップS80において、待ち受け画面である病室選択画面600が表示されて、異常警告処理が終了する。
【0106】
図26は、図21のステップS39の基準値設定処理の詳細を説明するためのフローチャートである。次に、図16、図17および図26を参照して、基準値設定処理の詳細を説明する。
【0107】
基準値設定処理では、まず、ステップS90において、患者設定確認画面900(図16参照)が表示される。そして、ステップS91において、個別患者設定入力画面950の表示指示を受け付けたか否かが判断される。すなわち、図16の「新規登録」ボタン901または「設定変更」ボタン902が選択されたか否かが判断される。個別患者設定入力画面950の表示指示を受け付けない場合には、基準値設定処理が終了する。
【0108】
また、個別患者設定入力画面950の表示指示を受け付けた場合には、ステップS92において、個別患者設定入力画面950が表示される。この画面において、使用者は、キーボード5cなどにより患者の患者情報の設定を行う。
【0109】
また、ステップS93において、使用者による設定の入力を受け付けたか否かが判断される。設定の入力を受け付けない場合には、ステップS96に進む。また、設定の入力を受け付けた場合には、ステップS94において、設定完了指示を受け付けたか否かが判断される。すなわち、図17の「設定完了」ボタン951が選択されたか否かが判断される。設定の入力を受け付けない場合には、ステップS96に進む。また、設定の入力を受け付けた場合には、ステップS95において、入力された設定(基準値)を患者IDに対応させてハードディスク501dに記憶して、基準値設定処理が終了する。
【0110】
また、ステップS96においては、図17の「キャンセル」ボタン952が選択されたか否かが判断される。「キャンセル」ボタン952が選択されない場合には、ステップS93に進むとともに、ステップS93〜ステップS96が繰り返される。また、「キャンセル」ボタン952が選択された場合には、基準値設定処理が終了する。
【0111】
本実施形態では、上記のように、「寝返り」および「離床」を異常として検出するか否かの設定を患者毎に設定することによって、患者に異常が生じたか否かの判定において、個々の患者に適した判定を行うことができる。
【0112】
また、本実施形態では、上記のように、集中監視装置5は、第1携帯型発信機1から出力された出力データに含まれる第1ID情報に基づいて、第1携帯型発信機1を装着している患者を特定することによって、集中監視装置5は、個々の患者にそれぞれ装着された第1携帯型発信機1からの加速度情報が、どの患者の加速度情報であるかを判別することができる。これにより、集中監視装置5は、異常が発生したと判定された患者を特定して、患者の管理者などに警告を行うことができる。
【0113】
また、本実施形態では、上記のように、患者の生体情報(心拍、血圧、SpO2および体温)の基準値を患者毎に設定可能に構成することによって、生体情報についても、患者に異常が生じたか否かの判定において、個々の患者に適した判定を行うことができる。
【0114】
また、本実施形態では、上記のように、患者の位置を、異常警告画面800、800aおよび800bの位置表示領域830に表示することによって、表示部5bに表示される異常警告画面800、800aおよび800bにより、医者などの患者の管理者は、異常と判定された患者の位置を確認することができる。
【0115】
また、本実施形態では、上記のように、患者に異常が生じた場合に、カメラ装置による撮像画像を、異常警告画面800、800aおよび800bの切換表示領域850に表示することによって、医者などの患者の管理者は、表示部5bに表示される異常警告画面800、800aおよび800bにより、異常と判定された患者の状態を画像で確認することができる。
【0116】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0117】
たとえば、上記実施形態では、「寝返り」および「離床」を異常として検出するか否かを患者毎に設定することが可能に構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、「寝返り」および「離床」以外の姿勢または動作についても、異常として検出するか否かを患者毎に設定することが可能に構成してもよい。
【0118】
また、上記実施形態では、脈波センサ2fおよびSpO2センサ2gの検出結果に基づいて生体情報(心拍、血圧およびSpO2)を算出した例を示したが、本発明はこれに限らず、脈波センサの検出結果のみから生体情報(心拍、血圧およびSpO2)を算出してもよい。
【0119】
また、上記実施形態では、第2携帯型発信機2のセンサ部を指部に装着する構成を示したが、本発明はこれに限らず、センサ部を本体部に設けることにより、腕部において脈波およびSpO2を検出してもよい。
【0120】
また、上記実施形態では、加速度情報により患者の位置を算出する例を示したが、本発明はこれに限らず、GPSにより患者の位置を特定してもよい。
【0121】
また、上記実施形態では、加速度情報により患者の位置を算出するとともに、患者の位置と複数のカメラ装置とのそれぞれの位置を比較することにより、患者に最も近いカメラ装置により撮像を行う例を示したが、本発明はこれに限らず、受信機とカメラ装置とを互いに近傍に設置するとともに、携帯型発信機からの無線情報を最も強く受信した受信機の近傍にあるカメラ装置により患者の撮像を行うように構成してもよい。
【0122】
また、上記実施形態では、病院において本システムを適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、独居老人の在宅介護に本システムを適用してもよい。たとえば、独居老人に携帯型発信機を装着するとともに、独居老人の家屋内に受信機およびカメラ装置を配置する。受信機およびカメラ装置は、遠隔地にある介護センターなどの施設内または介護者の家屋内に配置された集中監視装置とインターネットなどを介して接続される。これにより、独居老人に異常が検出された場合には、異常が発生したことが介護者に警告されるとともに、介護者は、独居老人の画像を即座に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】本発明の一実施形態による患者異常通知システムの全体構成を示す概略図である。
【図2】患者に装着される第1携帯型発信機および第2携帯型発信機を示す模式図である。
【図3】図2に示した第1携帯型発信機の構成を示すブロック図である。
【図4】図2に示した第2携帯型発信機の構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示した受信機の構成を示すブロック図である。
【図6】図1に示したカメラ装置の構成を示すブロック図である。
【図7】図1に示した集中監視装置の構成を示すブロック図である。
【図8】集中監視装置の表示部に表示される病室選択画面である。
【図9】集中監視装置の表示部に表示される患者選択ダイアログである。
【図10】集中監視装置の表示部に表示される姿勢状態を表示中の患者状態画面である。
【図11】集中監視装置の表示部に表示される生体情報を表示中の患者状態画面である。
【図12】集中監視装置の表示部に表示されるカメラ画像を表示中の患者状態画面である。
【図13】集中監視装置の表示部に表示される「転倒」の場合の異常警告画面である。
【図14】集中監視装置の表示部に表示される「寝返り」の場合の異常警告画面である。
【図15】集中監視装置の表示部に表示される「離床」の場合の異常警告画面である。
【図16】集中監視装置の表示部に表示される患者設定確認画面である。
【図17】集中監視装置の表示部に表示される患者設定入力画面である。
【図18】図1に示した患者異常通知システムの画面の表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図19】図1に示した患者異常通知システムの画面の表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図20】図1に示した患者異常通知システムの画面の表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図21】図1に示した患者異常通知システムの画面の表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図22】図18に示した異常判定処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【図23】図18に示した異常判定処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【図24】図18に示した異常警告処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【図25】図18に示した異常警告処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【図26】図21に示した基準値設定処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0124】
1a 加速度センサ
1b 体温センサ(生体センサ)
2f 脈波センサ(生体センサ)
2g SpO2センサ(生体センサ)
3 受信機
4 カメラ装置
4a カメラ
5 集中監視装置
5a 制御部(表示制御手段)
5b 表示部
100 患者異常通知システム
501d ハードディスク(記憶部)
800、800a、800b 異常警告画面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に装着される加速度センサと、
前記加速度センサの出力データを受信可能な集中監視装置とを備え、
前記集中監視装置は、
表示部と、
前記加速度センサによって検出された加速度情報に基づいて、患者の動静状態を検出する動静状態検出手段と、
寝具上での患者の動静に関する基準値を患者毎に記憶する記憶部と、
前記動静状態検出手段によって検出された患者の動静状態と、前記記憶部に記憶された前記患者の基準値とを比較し、寝具上での患者の動静に異常が生じたか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって異常が生じたと判定された場合に、患者の異常を警告する画面を前記表示部に表示させる表示制御手段とを含む、患者異常通知システム。
【請求項2】
前記集中監視装置は、
入力部と、
前記入力部によって患者毎に寝具上での患者の動静に関する基準値の設定を受け付ける設定受付手段と、
前記設定受付手段によって受け付けられた基準値を、患者に対応させて前記記憶部に記憶させる書込手段とをさらに含む、請求項1に記載の患者異常通知システム。
【請求項3】
前記加速度センサは、前記加速度センサを特定するために使用される加速度センサ特定情報を、加速度情報と共に出力するように構成されており、
前記集中監視装置は、
前記加速度センサから出力された出力データに含まれる前記加速度センサ特定情報に基づいて、前記加速度センサを装着している患者を特定する患者特定手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記加速度センサによって検出された加速度から求められた患者の動静状態と、前記患者特定手段によって特定された患者に対応する基準値とを比較して、寝具上での患者の動静に異常が生じたか否かを判定するように構成されている、請求項1または2に記載の患者異常通知システム。
【請求項4】
前記寝具上での患者の動静は、寝具上における寝返りを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の患者異常通知システム。
【請求項5】
前記寝具上での患者の動静は、寝具上における離床を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の患者異常通知システム。
【請求項6】
患者に装着され、患者の生体情報を検出し、検出した生体情報を送信する生体センサをさらに備え、
前記集中監視装置は、前記生体センサの出力データを受信可能に構成されており、
前記記憶部は、前記生体情報に関する基準値を患者毎に記憶し、
前記判定手段は、前記生体センサにより検出された生体情報と、前記記憶部に記憶された生体情報に関する基準値とを比較し、患者の生体情報に異常が生じたか否かを判定し、
前記表示制御手段は、前記判定手段によって異常が生じたと判定された場合に、患者の異常を警告する画面を前記表示部に表示させるように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の患者異常通知システム。
【請求項7】
前記生体センサは、前記生体情報として心拍数、血圧および血中酸素飽和度を検出し、
前記集中監視装置の判定手段は、前記生体センサによって検出された前記患者の前記心拍数、前記血圧および前記血中酸素飽和度に基づいて、患者に異常が発生したか否かを判定する、請求項6に記載の患者異常通知システム。
【請求項8】
前記集中監視装置は、前記加速度情報に基づいて、患者の位置を算出する位置算出手段をさらに含み、
前記表示制御部は、前記位置算出手段により算出された患者の位置を、前記患者の異常を警告する画面に表示する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の患者異常通知システム。
【請求項9】
患者を撮像するためのカメラ装置をさらに備え、
前記集中監視装置は、前記カメラ装置と通信可能に接続されており、
前記表示制御部は、前記判定手段によって患者に異常が生じたと判定された場合に、前記カメラ装置に患者の撮像を開始させるとともに、前記カメラ装置による撮像画像を、前記患者の異常を警告する画面に表示する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の患者異常通知システム。
【請求項10】
前記カメラ装置は、複数設けられており、
前記集中監視装置は、前記加速度情報に基づいて、患者の位置を算出する位置算出手段をさらに含み、
前記集中監視装置の表示制御手段は、前記加速度情報に基づいて、患者の位置を判定するとともに、患者に最も近い前記カメラ装置により患者を撮像するように前記カメラ装置を制御する、請求項9に記載の患者異常通知システム。
【請求項11】
患者に装着される加速度センサが出力する加速度情報を受信可能な集中監視装置であって、
前記集中監視装置は、
表示部と、
前記加速度センサによって検出された加速度情報に基づいて、患者の動静状態を検出する動静状態検出手段と、
患者の動静に関する基準値を患者毎に記憶する記憶部と、
前記動静状態検出手段によって検出された患者の動静状態と、前記記憶部に記憶された前記患者の基準値とを比較し、患者の動静に異常が生じたか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって異常が生じたと判定された場合に、患者の異常を警告する画面を前記表示部に表示させる表示制御手段とを含む、集中監視装置。
【請求項1】
患者に装着される加速度センサと、
前記加速度センサの出力データを受信可能な集中監視装置とを備え、
前記集中監視装置は、
表示部と、
前記加速度センサによって検出された加速度情報に基づいて、患者の動静状態を検出する動静状態検出手段と、
寝具上での患者の動静に関する基準値を患者毎に記憶する記憶部と、
前記動静状態検出手段によって検出された患者の動静状態と、前記記憶部に記憶された前記患者の基準値とを比較し、寝具上での患者の動静に異常が生じたか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって異常が生じたと判定された場合に、患者の異常を警告する画面を前記表示部に表示させる表示制御手段とを含む、患者異常通知システム。
【請求項2】
前記集中監視装置は、
入力部と、
前記入力部によって患者毎に寝具上での患者の動静に関する基準値の設定を受け付ける設定受付手段と、
前記設定受付手段によって受け付けられた基準値を、患者に対応させて前記記憶部に記憶させる書込手段とをさらに含む、請求項1に記載の患者異常通知システム。
【請求項3】
前記加速度センサは、前記加速度センサを特定するために使用される加速度センサ特定情報を、加速度情報と共に出力するように構成されており、
前記集中監視装置は、
前記加速度センサから出力された出力データに含まれる前記加速度センサ特定情報に基づいて、前記加速度センサを装着している患者を特定する患者特定手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記加速度センサによって検出された加速度から求められた患者の動静状態と、前記患者特定手段によって特定された患者に対応する基準値とを比較して、寝具上での患者の動静に異常が生じたか否かを判定するように構成されている、請求項1または2に記載の患者異常通知システム。
【請求項4】
前記寝具上での患者の動静は、寝具上における寝返りを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の患者異常通知システム。
【請求項5】
前記寝具上での患者の動静は、寝具上における離床を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の患者異常通知システム。
【請求項6】
患者に装着され、患者の生体情報を検出し、検出した生体情報を送信する生体センサをさらに備え、
前記集中監視装置は、前記生体センサの出力データを受信可能に構成されており、
前記記憶部は、前記生体情報に関する基準値を患者毎に記憶し、
前記判定手段は、前記生体センサにより検出された生体情報と、前記記憶部に記憶された生体情報に関する基準値とを比較し、患者の生体情報に異常が生じたか否かを判定し、
前記表示制御手段は、前記判定手段によって異常が生じたと判定された場合に、患者の異常を警告する画面を前記表示部に表示させるように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の患者異常通知システム。
【請求項7】
前記生体センサは、前記生体情報として心拍数、血圧および血中酸素飽和度を検出し、
前記集中監視装置の判定手段は、前記生体センサによって検出された前記患者の前記心拍数、前記血圧および前記血中酸素飽和度に基づいて、患者に異常が発生したか否かを判定する、請求項6に記載の患者異常通知システム。
【請求項8】
前記集中監視装置は、前記加速度情報に基づいて、患者の位置を算出する位置算出手段をさらに含み、
前記表示制御部は、前記位置算出手段により算出された患者の位置を、前記患者の異常を警告する画面に表示する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の患者異常通知システム。
【請求項9】
患者を撮像するためのカメラ装置をさらに備え、
前記集中監視装置は、前記カメラ装置と通信可能に接続されており、
前記表示制御部は、前記判定手段によって患者に異常が生じたと判定された場合に、前記カメラ装置に患者の撮像を開始させるとともに、前記カメラ装置による撮像画像を、前記患者の異常を警告する画面に表示する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の患者異常通知システム。
【請求項10】
前記カメラ装置は、複数設けられており、
前記集中監視装置は、前記加速度情報に基づいて、患者の位置を算出する位置算出手段をさらに含み、
前記集中監視装置の表示制御手段は、前記加速度情報に基づいて、患者の位置を判定するとともに、患者に最も近い前記カメラ装置により患者を撮像するように前記カメラ装置を制御する、請求項9に記載の患者異常通知システム。
【請求項11】
患者に装着される加速度センサが出力する加速度情報を受信可能な集中監視装置であって、
前記集中監視装置は、
表示部と、
前記加速度センサによって検出された加速度情報に基づいて、患者の動静状態を検出する動静状態検出手段と、
患者の動静に関する基準値を患者毎に記憶する記憶部と、
前記動静状態検出手段によって検出された患者の動静状態と、前記記憶部に記憶された前記患者の基準値とを比較し、患者の動静に異常が生じたか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって異常が生じたと判定された場合に、患者の異常を警告する画面を前記表示部に表示させる表示制御手段とを含む、集中監視装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2008−293301(P2008−293301A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−138491(P2007−138491)
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【出願人】(502204931)シスメックスRA株式会社 (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【出願人】(502204931)シスメックスRA株式会社 (7)
【Fターム(参考)】
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