説明

情報処理装置、その方法

【課題】移動経路における有料経路の合計料金を適切に報知できるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置100の処理部180は、経路処理手段にて、メモリ170に記憶させた現在位置情報、目的地情報、設定事項情報、地図情報を取得して、現在位置から目的地までの移動経路を適宜探索する。処理部180は、有料経路認識手段で移動経路に例えば複数の有料移動区間から構成される有料経路が含まれていることを認識すると、料金算出手段にて、料金テーブルに基づいて、料金算出の可能な経路区間のみの料金を加算して合計料金を算出する。そして、処理部180は、料金報知形態設定手段で少なくとも料金の不明な有料経路区間が存在することを、合計料金とともに案内報知手段にて、報知させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体の移動経路における例えば有料道路などの移動時に有料となる有料経路の料金を報知するための情報処理装置、その方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載用のナビゲーション装置において、移動経路を探索して、この移動経路における例えば有料道路などの料金を報知する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1のものは、高速道路を優先的に選択して出発地から目的地までの経路を推奨経路として求める。そして、この推奨経路を表示するとともに、推奨経路による目的地までの走行距離、走行時間、高速料金情報などを表示する。
【0004】
【特許文献1】特開2003−161630号公報(第3頁左欄−第5頁右欄)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した特許文献1に記載のような構成において、料金が明確な有料道路と料金が不明確な例えば新たに開通した有料道路とを含む経路を求めた場合、料金が明確な有料道路の料金のみを表示し、不明確な有料道路の料金や経路における有料道路の合計料金を表示しない構成とすることが考えられる。しかしながら、このような構成では、不明確な料金や合計料金などが表示されないため、利用者が経路を走行する際の合計料金を適切に認識できないおそれがある。このように、利用者に移動経路における有料経路の合計料金を適切に認識させる構成が望まれている。
【0006】
本発明は、このような実情などに鑑みて、移動経路における有料経路の料金を適切に報知可能な情報処理装置、その方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、目的地までの移動体の移動経路を探索する探索手段と、前記探索された移動経路に複数の有料経路区間が含まれている場合、当該複数の経路区間毎の料金を加算した合計料金を算出する算出手段と、前記算出された合計料金を報知する報知手段と、を備え、前記算出手段は、前記複数の有料経路区間に料金の不明な有料経路区間が存在する場合、当該料金の不明な有料経路区間を除いた他の有料経路区間の各料金を加算した合計料金を算出し、前記報知手段は、少なくとも前記料金の不明な有料経路区間が存在することを、前記合計料金とともに報知することを特徴とする情報処理装置である。
【0008】
請求項3に記載の発明は、探索された目的地までの移動体の移動経路に複数の有料経路区間が含まれている場合の当該有料経路の料金を報知するための情報処理方法であって、前記複数の有料経路区間に料金の不明な有料経路区間が存在する場合、当該料金の不明な経路区間を除いた他の経路区間の各料金を加算した合計料金を算出する工程と、前記算出された合計料金とともに、少なくとも前記料金の不明な有料経路区間が存在することを報知する工程と、を有することを特徴とする情報処理方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明に係る一実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態では、本発明の情報処理装置としてのナビゲーション装置であって、移動体である例えば車両の移動経路を探索する構成を例示して説明する。なお、本発明の情報処理装置としては、車両の移動経路を探索する構成に限らず、いずれの移動体の移動経路を探索する構成が対象となる。図1は、本実施の形態に係るナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。図2は、地図情報を構成する表示用データのテーブル構造を模式的に示す概念図である。図3は、地図情報を構成するマッチングデータのテーブル構造を模式的に示す概念図
である。図4は、料金テーブルにおけるデータのテーブル構造を模式的に示す概念図である。図5は、料金属性テーブルにおけるデータのテーブル構造を模式的に示す概念図である。図6は、ナビゲーション装置を構成する処理部の概略構成を示すブロック図である。
【0010】
〔ナビゲーション装置の構成〕
図1において、100はナビゲーション装置である。このナビゲーション装置100は、移動体である例えば車両の移動状況に対応して移動に関する案内を報知する装置である。なお、移動体としては、車両に限らず、飛行機、船舶などいずれの移動体が対象となる。また、ナビゲーション装置100としては、例えば移動体としての車両に搭載される車載型や携帯型のナビゲーション装置、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、携帯型パーソナルコンピュータなどが例示できる。このナビゲーション装置100は、このナビゲーション装置100が有する地図情報に基づいて、現在位置や目的地に関する情報の表示、目的地までのルート探索や表示、探
索した移動経路における有料道路やフェリー航路などの料金算出や表示、最寄りの所定の店舗の検索やその表示あるいは店舗のサービス内容に関する情報の表示などを実施する。なお、以下において、有料道路やフェリー航路などの移動時に有料となる移動区間を、有料移動区間と適宜称して説明する。また、少なくとも1つの有料移動区間から構成される経路を、有料経路と適宜称して説明する。そして、このナビゲーション装置100は、図1に示すように、センサ部110と、VICS(Vehicle Information Communication System:道路交通情報通信システム)受信部120と、端末入力部130と、報知手段とし
ても機能する端末表示部140と、報知手段としても機能する音声出力部150と、記憶手段160と、メモリ170と、演算手段としての処理部180と、などを備えている。
【0011】
センサ部110は、移動体である例えば車両の移動の状態、すなわち現在位置や走行状況などを検出して処理部180に所定の信号Sscとして出力する。このセンサ部110は、例えば図示しないGPS(Global Positioning System)受信部と、図示しない速度センサ、方位角センサおよび加速度センサなどの各種センサなどにて構成されている。
【0012】
GPS受信部は、図示しない人工衛星であるGPS衛星から出力される航法電波を図示しないGPSアンテナにて受信する。そして、GPS受信部は、受信した航法電波に対応した信号に基づいて現在位置の擬似座標値を演算し、GPSデータとして処理部180に出力する。
【0013】
また、センサ部110のセンサである速度センサは、移動体である例えば車両に配設され、車両の移動速度である走行速度に対応して変動する信号に基づいて、車両の走行速度や実際の加速度を検出する。この速度センサは、例えば車軸や車輪の回転により出力されるパルス信号や電圧値などを読み取る。そして、速度センサは、読み取ったパルス信号や電圧値などの検出情報を処理部180へ出力する。センサである方位角センサは、車両に配設され、図示しないいわゆるジャイロセンサを有し、車両の方位角すなわち車両が前進する走行方向を検出する。この方位角センサは、検出した走行方向に関する検出情報であ
る信号を処理部180へ出力する。センサである加速度センサは、車両に配設され、車両の走行方向における加速度を検出する。この加速度センサは、検出した加速度を、例えばパルスや電圧などによる検出情報であるセンサ出力値に変換し、処理部180へ出力する。
【0014】
VICS受信部120は、図示しないVICSアンテナを有し、このVICSアンテナにより交通に関する情報を取得する。具体的には、図示しないVICSから、例えばビーコンやFM多重放送などにより、渋滞、交通事故、工事、交通規制などの交通情報(以下、VICSデータという。)を取得する。そして、取得した交通に関する情報を処理部180に所定の信号Sviとして出力する。
【0015】
端末入力部130は、例えばキーボードやマウスなどで、入力操作される図示しない各種操作ボタンや操作つまみなどを有している。この操作ボタンや操作つまみの入力操作の内容としては、例えばナビゲーション装置100の動作内容の設定などの設定事項である。具体的には、取得する情報の内容や取得する条件などの設定、探索する経路に関する設定、情報の検索、車両の移動状況である走行状態を表示させるなどが例示できる。そして、端末入力部130は、設定事項の入力操作により、所定の信号Sinを処理部180へ適宜出力して設定させる。なお、この端末入力部130としては、操作ボタンや操作つまみ
などの入力操作に限らず、例えば端末表示部140に設けられたタッチパネルによる入力操作や、音声による入力操作など、各種設定事項を設定入力可能ないずれの構成が適用できる。
【0016】
端末表示部140は、処理部180にて制御され処理部180からの画像データの信号Sdpを画面表示させる。画像データとしては、例えば地図情報や検索情報あるいは有料経路の料金などの画像データの他、図示しないTV受信機で受信したTV画像データ、外部装置など光ディスクや磁気ディスク、メモリカードなどの記録媒体に記録されドライブやドライバなどにて読み取った画像データ、メモリ170からの画像データなどである。この端末表示部140としては、例えば液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル、PDP(Plasma Display Panel)、CRT(Cathode-Ray Tube)、FED(Field
Emission Display)、電気泳動ディスプレイパネルなどが例示できる。
【0017】
音声出力部150は、例えば図示しないスピーカなどの発音手段を有する。この音声出力部150は、処理部180にて制御され、処理部180からの音声データなどの各種信号Sadを発音手段から音声により出力する。音声により出力する情報としては例えば車両の走行方向や走行状況、交通状況、有料経路の料金などで、車両の走行を案内する上で運転者などの搭乗者に報知する。なお、発音手段は、例えばTV受信機で受信したTV音声データや記録媒体さらにはメモリ170などに記録された音声データなどをも適宜出力可能である。また、音声出力部150は、発音手段を設けた構成に限らず、車両に配設され
ている発音手段を利用する構成としてもよい。
【0018】
記憶手段160は、例えば図2および図3に示すような地図情報と、図4に示すような料金テーブル30と、図5に示すような移動区間関連情報としての料金属性テーブル40と、などを格納、すなわち読み出し可能に記憶する。この記憶手段160は、図示しない、地図情報が記憶される地図情報記憶領域と、料金テーブル30および料金属性テーブル40が記憶される料金情報記憶領域と、などを備えている。なお、ここでは、記憶手段160が上述した2つの記憶領域を備えた構成について例示するが、これに限らず例えば記憶手段160に上述した記憶領域を備えない構成や、さらに他の記憶領域を備えた構成な
どとしてもよい。この記憶手段160としては、HD(Hard Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、光ディスク、メモリカードなどの記録媒体に読み出し可能に記憶するドライブやドライバなどが例示できる。
【0019】
ここで、情報としての地図情報は、例えば図2に示すようないわゆるPOI(Point Of Interest)データである表示用データVMと、例えば図3に示すようなマッチングデータMMと、移動経路探索用地図データと、などを備えている。
【0020】
表示用データVMは、例えばそれぞれ固有の番号が付加された複数の表示用メッシュ情報VMxを備えている。すなわち、表示用データVMは、一部の領域に関する表示用メッシュ情報VMxに複数分割され、表示用メッシュ情報VMxが縦横に複数連続して構成されている。なお、表示用メッシュ情報VMxは、適宜一部の領域に関する下層の表示用メッシュ情報VMxにさらに複数分割されていてもよい。
【0021】
そして、表示用メッシュ情報VMxは、例えば交差点の名称などの名称情報VMxAと、道路情報VMxBと、背景情報VMxCと、にて構成されている。名称情報VMxAは、その領域における他要素データである例えば交差点の名称や地域の名称などを絶対座標との位置関係で所定の位置に配置表示されるデータのテーブル構造に構成されている。道路情報VMxBは、その領域における道路要素データである道路を絶対座標との位置関係で所定の位置に配置表示させるデータのテーブル構造に構成されている。背景情報VMxCは、他要素データである著名な場所や建造物などを示すマークや、その著名な場所や建造物などを示す他要素データである画像情報などを絶対座標との位置関係で所定の位置に配置表示されるデータのテーブル構造に構成されている。
【0022】
一方、マッチングデータMMは、表示用データVMと同様に、例えばそれぞれ固有の番号が付加された一部の領域に関するマッチングメッシュ情報MMxに複数分割され、マッチングメッシュ情報MMxが縦横に複数連続して構成されている。なお、マッチングメッシュ情報MMxは、適宜一部の領域に関する下層のマッチングメッシュ情報MMxにさらに複数分割されていてもよい。また、マッチングメッシュ情報MMxは、表示用メッシュ情報VMxと異なる領域を表すデータ構造、すなわち分割される領域の縮尺が異なっていてもよい。
【0023】
そして、マッチングデータMMは、例えば車両の移動状態を地図情報に重畳させて表示させる際に、車両を表す表示が道路上ではなく建物上に位置するなどの誤表示を防止するため、車両を表す表示が道路上に位置するように表示を修正するマップマッチング処理に利用される。このマッチングデータMMは、複数のリンク列ブロック情報を有している。
【0024】
リンク列ブロック情報は、図3に示すように、道路を構成し地点を表す移動区間関連情報および地点情報としてのノードNを結ぶ線分である線分情報としてのリンクLが、所定の規則性で複数関連付けられたデータのテーブル構造である。具体的には、道路の所定の長さ例えば甲州街道や青梅街道などの連続する道路のように、リンクLが折れ線上にそれぞれ連なった連続するリンク列となるもので関連付けられている。そして、リンクLは、各リンクL毎に付加された固有の番号である線分固有情報(以下、リンクIDという。)と、リンクLが結ぶ2つのノードNを表す固有の番号などのノード情報とを有している。
また、リンクLは、VICSリンクに関連付けられ、VICSデータと地図表示との位置関係が対応するようになっている。
【0025】
また、ノードNは、各道路の交差点や屈曲点、分岐点、合流点などの結節点に相当する。そして、ノードNは、地点固有情報と、移動区間地点情報としての座標情報と、分岐フラグ情報と、移動区間料金属性情報および料金算出情報としての料金組込フラグ情報と、などを有している。地点固有情報は、リンク列ブロック情報におけるノードN毎に付加された固有の番号を示す情報である。座標情報は、各ノードNが存在する位置を示す情報である。分岐フラグ情報は、交差点や分岐点などの複数のリンクが交差する分岐位置か否かを示す情報である。料金組込フラグ情報は、ノードNが有料道路のインターチェンジ、ジャンクション、ランプや、フェリー乗り場などの入口施設や出口施設に対応する場合、これら入口施設や出口施設を起点や終点とする移動区間での料金である区間料金Ki(iは0以上の自然数)を、料金テーブル30に基づいて算出可能か否かを示す情報である。すなわち、例えば入口施設を起点とする有料移動区間に関する料金テーブル30または料金テーブル30の後述する料金情報32が、記憶手段160に記憶されているか否かを示す情報である。例えば、料金組込フラグ情報は、「0」であれば料金テーブル30や料金情報32が記憶手段160に記憶されていることを示し、「1」であれば記憶手段160に記憶されていることを示す。ここで、有料移動区間に関する料金テーブル30や料金情報32が記憶手段160に記憶されていない場合としては、例えば有料移動区間を含む有料経路が新たに開通した場合や、有料移動区間が伸びた場合などが例示できるがこれに限られない。
【0026】
さらに、マッチングデータMMのリンク列ブロック情報には、道路の構成に関する情報、例えば車線数、幅員、信号の数、本線か否か、国道や県道、有料道路などの種別やトンネル内などの構成などが関連付けられている。これら道路の構成に関する情報により、表示用データVMに対応して道路を地図表示可能となっている。また、移動経路探索用地図情報は、例えばマッチングデータMMと同様のテーブル構造、すなわち道路を表すノードNのように地点を表す地点情報とリンクLのように地点を結ぶ線分情報とを有したテーブル構造で、移動経路を探索するために道路を表すための情報構造となっている。
【0027】
料金テーブル30は、各有料移動区間毎の区間料金Kiを示すデータ群であり、例えば有料経路の各路線や各管理者に対応するものが記憶手段160に複数記憶されている。この料金テーブル30は、有料移動区間の区間料金Kiや、移動経路における有料経路の料金としての合計料金Aを算出する料金算出処理に用いられる。そして、料金テーブル30は、有料移動経路の入口施設や出口施設に関する出入口特定情報31と、各有料移動区間の区間料金Kiに関する料金関連情報としての料金情報32と、が1つのレコードとして記録されたテーブル構造に構成されている。料金情報32は、区間料金Kiの値を示す情
報である。例えば、Aインターチェンジから(Uジャンクション)Bインターチェンジまでの区間料金Kiは300円であり、ZインターチェンジからYインターチェンジまでの区間料金Kiは1450円であることを示す。
【0028】
ここで、インターチェンジ等の記載に関して追記しておく。通常一般高速道路では、出入口は「インターチェンジ」と称されるのが一般的である。しかし、首都高速道路等の都市高速道路や有料道路の一部では、出入口を「ランプ」と称する場合もある。また、管轄が異なる都市高速道路や一般高速道路が複数接続される部分を「ジャンクション」と称する場合もある。いずれも呼称の差異はあれども、このように管轄の異なる道路が接続するポイントは料金起算のポイントであることが多いため、以下、このようなポイントは同意義として扱うものとする。より具体的には、実際の出入口として使用する場合は、「イン
ターチェンジ」、「ランプ」等が好ましく、管轄が異なる道路が複数接続される部分(料金起算ポイントとなる部分)では「ジャンクション」と表示するのが感覚的により好ましい。
【0029】
料金属性テーブル40は、料金テーブル30の料金情報32により示される区間料金Kiが、例えば従来ある有料移動区間で明確な料金の値(以下、明確値と称す)、または、例えば新たに開通した有料移動区間で暫定的な料金の値(以下、暫定値と称す)であることを示すデータ群であり、例えば料金テーブル30と同数のものが記憶手段160に記憶されている。この料金属性テーブル40は、料金算出処理に用いられる。そして、料金属性テーブル40は、料金テーブル30の出入口特定情報31と同様の移動区間地点情報としての出入口特定情報41と、料金情報32により示される区間料金Kiが明確値または
暫定値であることを示す移動区間料金属性情報および料金暫定情報としての料金属性フラグ情報42と、などが1つのレコードとして記録されたテーブル構造に構成されている。料金属性フラグ情報42は、「0」であれば区間料金Kiが明確値であることを示し、「1」であれば区間料金Kiが暫定値であることを示す。例えば、AインターチェンジからBインターチェンジまでの区間料金Kiの300円は明確値であり、ZインターチェンジからYインターチェンジまでの区間料金Kiの1450円は暫定値であることを示す。
【0030】
さらに、記憶手段160には、例えば地図情報における所定の地点の情報を取得するための検索情報が記憶されている。すなわち、検索情報は、地図情報上で順次細分化される領域となる都道府県名、市町村名、地区名、地点名などの内容やガイダンスなどの各種情報や、地点としての店舗に関する各種情報などで、例えば階層状に項目情報が関連付けられたツリー構造のテーブル構造となっている。
【0031】
メモリ170は、端末入力部130で入力操作される設定事項、料金算出処理において算出される区間料金Kiや合計料金A、料金算出処理において用いられる暫定料金区間認識情報としての暫定料金フラグTや不明料金区間認識情報としての料金エラーフラグE、音楽データや画像データなどを適宜読み出し可能に記憶する。また、メモリ170は、ナビゲーション装置100全体を動作制御するOS(Operating System)上に展開される各種プログラムなどを記憶している。このメモリ170としては、例えば停電などにより突然電源が落ちた際にも記憶が保持される構成のメモリ、例えばCMOS(Complementary
Metal-Oxide Semiconductor)メモリなどを用いることが望ましい。なお、メモリ170としては、HD、DVD、光ディスクなどの記録媒体に読み出し可能に記憶するドライブやドライバなどを備えた構成としてもよい。
【0032】
ここで、区間料金Kiは、探索した移動経路が有料経路を含む場合、例えば現在位置から(i+1)番目の有料移動区間の料金を示す情報である。この区間料金Kiは、料金テーブル30に組み込まれた料金情報32のうちのいずれか1つの情報である。合計料金Aは、区間料金Kiを積算した値、すなわち移動経路における有料経路の合計料金を示すデータである。暫定料金フラグTは、区間料金Kiが暫定値の有料移動区間が移動経路に含まれているか否かを示すものである。この暫定料金フラグTは、「0」であれば暫定値の有料移動区間が移動経路に含まれていない、すなわち合計料金Aが明確な料金であること
を示す。一方、「1」であれば暫定値の有料移動区間が移動経路に含まれている、すなわち合計料金Aが暫定的な料金であることを示す。料金エラーフラグEは、料金テーブル30に基づいて区間料金Kiを算出不可能な有料移動区間が移動経路に含まれているか否かを示すものである。この料金エラーフラグEは、「0」であれば算出不可能な有料移動区間が移動経路に含まれいない、すなわち合計料金Aが明確な料金であることを示す。一方、「1」であれば算出不可能な有料移動区間が移動経路に含まれている、すなわち合計料金Aが算出可能な区間料金Kiのみを積算した必要最小限の料金であることを示す。ここ
で、区間料金Kiが算出不可能な有料移動区間を、区間料金Kiが異常値の有料移動区間と適宜称して説明する。
【0033】
処理部180は、図示しない各種入出力ポート、例えばVICSアンテナが接続されるVICS受信ポート、GPS受信部が接続されるGPS受信ポート、各種センサがそれぞれ接続されるセンサポート、端末入力部130が接続されるキー入力ポート、端末表示部140が接続される表示部制御ポート、音声出力部150が接続される音声制御ポート、記憶手段160が接続される記憶ポート、メモリ170が接続されるメモリポートなどを有する。そして、処理部180は、各種プログラムとして、図4に示すように、現在位置認識手段181と、目的地認識手段182と、報知制御手段としても機能する案内報知手
段183と、表示制御手段184と、マップマッチング手段185と、地図情報取得手段としても機能する経路探索手段としての経路処理手段186と、有料経路認識手段187と、料金関連情報取得手段およびマッチングデータ取得手段としても機能する料金算出手段188と、報知制御手段としても機能する料金報知形態設定手段189と、情報検索手段190と、カウンタ191と、などを備えている。
【0034】
現在位置認識手段181は、車両の現在位置を認識する。具体的には、現在位置認識手段181は、センサ部110の速度センサおよび方位角センサから出力される車両の速度データおよび方位角データに基づいて、車両の現在の擬似位置を複数算出する。さらに、現在位置認識手段181は、GPS受信部から出力される現在位置に関するGPSデータに基づいて、車両の現在の擬似座標値を認識する。そして、現在位置認識手段181は、算出した現在の擬似位置と、認識した現在の擬似座標値とを比較し、別途取得された地図情報上における車両の現在位置を算出し、現在位置を認識する。
【0035】
また、現在位置認識手段181は、加速度センサから出力される加速度データに基づいて、走行する道路の傾斜や高低差を判断し、車両の現在の擬似位置を算出し、現在位置を認識する。すなわち、立体交差点や高速道路など、平面上で重なる箇所でも、車両の現在位置を正確に認識できる。さらに、山道や坂道を走行する際に、速度データや方位角データのみから得る移動距離と、実際の車両の走行距離との誤差を、検出した道路の傾斜を用いて補正するなどにより正確な現在位置を認識する。なお、現在位置認識手段181は、現在位置として上述した車両の現在位置の他、端末入力部130にて設定入力された起点
となる出発地点などを、擬似現在位置として認識可能である。そして、現在位置認識手段181で得られた各種情報は、メモリ170に適宜記憶される。
【0036】
目的地認識手段182は、例えば端末入力部130の入力操作により設定入力された目的地に関する目的地情報を取得し、目的地の位置を認識する。設定入力される目的地情報としては、例えば緯度・経度などの座標、住所、電話番号など、場所を特定するための各種情報が利用可能である。そして、この目的地認識手段182で認識した目的地情報は、メモリ170に適宜記憶される。
【0037】
案内報知手段183は、メモリ170に記憶され、車両の走行状況に対応してあらかじめ取得した移動経路情報や地物案内情報に基づいて車両の移動に関する案内、例えば車両の走行を支援する内容の案内を、端末表示部140による画像表示や音声出力部150による発音にて報知する。具体的には、所定の矢印や記号などを端末表示部140の表示画面に表示したり、「700m先、aa交差点をyy方面右方向です。」、「移動経路から逸脱しました。」、「この先、渋滞です。」などの音声出力部150における音声により発音したり、することなどが例示できる。また、案内報知手段183は、メモリ170に
記憶された各種情報に基づいて、有料経路の区間料金Kiや合計料金Aに関する情報を、端末表示部140による画像表示や音声出力部150による発音にて報知する。
【0038】
表示制御手段184は、端末表示部140を適宜制御して各種情報を端末表示部140で表示させる。この表示制御手段184は、例えば端末入力部130による入力操作を促して各種情報を設定入力するための各種表示画面などをも表示制御する。
【0039】
マップマッチング手段185は、記憶手段160から取得する地図情報に基づいて、現在位置認識手段181にて認識した現在位置を適切に表示させるためのマップマッチング処理をする。このマップマッチング手段185は、上述したように、例えばマッチングデータMMを用い、現在位置を端末表示部140で地図に重畳して表示される位置が、端末表示部140で表示される地図を構成する要素である道路から逸脱しないように、現在位置情報を適宜修正すなわち補正して表示させるマップマッチング処理を実施する。
【0040】
経路処理手段186は、利用者により設定入力される経路設定のための設定事項情報、VICS受信部120にて取得したVICSデータ、および、記憶手段160に記憶された地図情報などに基づいて、車両の移動経路を演算してルート探索する。また、経路処理手段186は、複数の有料経路を含む移動経路を適宜演算してルート探索する。
【0041】
具体的には、経路処理手段186は、現在位置情報、目的地情報、VICSデータ、および、設定事項情報を取得する。経路処理手段186は、各種情報を取得すると、これら各種情報に基づいて、地図情報の移動経路探索用地図情報を利用し、例えば車両が通行可能な道路を探索する。そして、所要時間が短い経路、あるいは移動距離が短い経路、または交通渋滞や交通規制場所を回避した経路などを設定した移動経路情報を生成する。なお、この移動経路を探索する際、移動経路探索用地図情報の他、地図情報のマッチングデータMMを用いる場合もある。例えば、裏道などの幅の狭い道路などの移動経路探索用地図
情報ではない道路を利用して移動経路を探索する場合などである。また、移動経路情報は、例えば車両の走行の際に誘導して走行を補助する経路案内情報をも有する。この経路案内情報は、案内報知手段183による制御により、端末表示部140で適宜表示あるいは音声出力部150で適宜音声出力され、走行が補助される。そして、この経路処理手段186で生成した移動経路情報は、メモリ170に適宜記憶される。
【0042】
有料経路認識手段187は、経路処理手段186にて生成された移動経路情報に基づいて、移動経路に含まれる有料経路の有料移動区間と、この有料移動区間の入口施設および出口施設と、などを認識する。具体的には、有料経路認識手段187は、移動経路情報を取得する。そして、この移動経路情報に基づいて、移動経路に例えば複数の有料移動区間から構成される有料経路が含まれていることを認識した場合、各有料移動区間の入口施設および出口施設を認識する。さらに、有料経路認識手段187は、各有料移動区間に関する情報、例えば有料移動区間の数や入口施設や出口施設などに関する情報が記載された有
料経路関連情報を生成する。そして、この有料経路認識手段187で生成した有料経路関連情報は、メモリ170に適宜記憶される。
【0043】
料金算出手段188は、有料経路認識手段187にて生成された有料経路関連情報、記憶手段160に記憶された料金テーブル30や料金属性テーブル40あるいは料金組込フラグ情報などに基づいて、有料経路における有料移動区間の区間料金Kiや合計料金Aなどを算出する。また、区間料金Kiや合計料金Aに関する情報を生成する。
【0044】
具体的には、料金算出手段188は、有料経路関連情報を取得して、この有料経路関連情報に基づいて、例えば複数の有料移動区間と、これらの入口施設および出口施設と、を認識する。そして、有料移動区間に対応する料金テーブル30を記憶手段160から取得する。さらに、料金算出手段188は、この料金テーブル30の入口施設および出口施設にそれぞれ対応する出入口特定情報31に基づいて料金情報32を特定し、この特定した料金情報32の値を区間料金Kiとして算出する。例えば、料金算出手段188は、図4に示すような料金テーブル30に基づいて、AインターチェンジからYインターチェンジ
までの区間料金Kiを3500円と算出する。また、料金算出手段188は、有料移動区間に対応する料金属性テーブル40を記憶手段160から取得する。そして、この料金属性テーブル40の入口施設および出口施設にそれぞれ対応する出入口特定情報41に基づいて料金属性フラグ情報42を特定し、この特定した料金属性フラグ情報42の設定を認識する。さらに、料金算出手段188は、料金属性フラグ情報42の設定が「1」であることを認識した場合、この入口施設および出口施設に対応する有料移動区間の区間料金Kiが暫定値であると判断する。そして、メモリ170に記憶された暫定料金フラグTを「
1」に設定する。例えば、料金算出手段188は、図5に示すような料金属性テーブル40に基づいて、AインターチェンジからYインターチェンジまでの区間料金Kiである3500円が暫定値であると判断し、暫定料金フラグTを「1」に設定する。さらに、区間料金Kiの暫定値と、この値が暫定値である旨の情報と、この有料移動区間に関する情報と、などが記載された暫定区間情報を生成する。
【0045】
また、料金算出手段188は、各有料移動区間の例えば入口施設に対応するノードNを記憶手段160から取得する。そして、このノードNの料金組込フラグ情報に基づいて、例えば入口施設を起点とする有料移動区間の区間料金Kiを料金テーブル30に基づいて算出不可能である、すなわち有料移動区間の区間料金Kiが異常値であることを認識する。例えば、料金算出手段188は、入口施設であるDインターチェンジに対応するノードNの料金組込フラグ情報に基づいて、Dインターチェンジを起点とする有料移動区間の区間料金Kiが異常値であることを認識する。そして、メモリ170に記憶された料金エラ
ーフラグEを「1」に設定する。また、区間料金Kiの値が異常値である旨の情報と、この有料移動区間に関する情報と、などが記載された異常区間情報を生成する。
【0046】
そして、料金算出手段188は、各有料移動区間の区間料金Kiが暫定値および異常値でなく明確値であることを認識した場合、区間料金Kiの明確値と、この値が明確値である旨の情報と、この有料移動区間に関する情報と、などが記載された明確区間情報を生成する。
【0047】
また、料金算出手段188は、有料経路に含まれる全ての有料移動区間の区間料金Kiを算出し、これらを積算して合計料金Aを算出する。さらに、料金算出手段188は、この合計料金Aの値などが記載された合計料金設定情報を生成する。そして、料金算出手段188で生成した各種情報は、メモリ170に適宜記憶される。
【0048】
料金報知形態設定手段189は、料金算出手段188にて生成された各種情報、メモリ170に記憶された各種情報などに基づいて、区間料金Kiや合計料金Aなどを報知させる報知形態を設定する。
【0049】
具体的には、料金報知形態設定手段189は、メモリ170に記憶された合計料金設定情報を取得して、合計料金Aの値を認識する。また、メモリ170に記憶された暫定料金フラグTを取得する。そして、この暫定料金フラグTが「1」であり、移動経路に区間料金Kiが暫定値の有料移動区間が含まれていることを認識した場合、合計料金Aが暫定値である旨を意味する単語や文章を端末表示部140に表示させるための合計暫定表示情報と、音声出力部150に出力させるための合計暫定音声情報と、を生成する。例えば、料金報知形態設定手段189は、合計料金Aの例えば「4900円」の単語を示す料金文字
情報に、暫定値である旨を意味する例えば「約」の単語を示す属性文字情報を付加して、「約4900円」の単語を表示させるための合計暫定表示情報を生成する。また、例えば「合計料金は約4900円です」の文章を音声として出力させるための合計暫定音声情報を生成する。なお、例えば「だいたい4900円」や「4900円くらい」など、合計料金Aが暫定値である旨を示すいずれの単語を表示させたり音声として出力させるための各種情報を生成する構成などとしてもよい。
【0050】
さらに、料金報知形態設定手段189は、メモリ170に記憶された暫定区間情報を取得し、区間料金Kiの暫定値、有料移動区間の入口施設や出口施設などを認識する。そして、有料移動区間の区間料金Kiが暫定値である旨を意味する単語や文章を端末表示部140に表示させるための区間暫定表示情報を生成する。例えば、料金報知形態設定手段189は、区間料金Kiの例えば「3500円」の単語を示す経路料金文字情報に例えば「約」の単語を示す経路料金属性文字情報を付加した「約3500円」の単語と、入口施設を示す有料区間特定情報としての例えば「Uジャンクション」の単語と、出口施設を示す
有料区間特定情報としての例えば「Yインターチェンジ」の単語と、を表示させるための区間暫定表示情報を生成する。なお、入口施設や出口施設を示す単語ではなく、有料経路の名前を示す例えば「F有料経路」などの単語を表示させるための区間暫定表示情報を生成する構成などとしてもよい。このように、管轄の異なる複数の道路が接続する部分では「Uジャンクション」と表示するのが好ましいが、入口施設や出口施設を示す単語として「Uジャンクション」ではなく、「Aインターチェンジ」と表示するのが好ましい。料金報知形態設定手段189は、移動経路に明確値の有料移動区間が含まれている場合、メモ
リ170に記憶された明確区間情報を取得し、区間料金Kiの明確値、有料移動区間の入口施設や出口施設などを認識する。そして、有料移動区間の区間料金Kiが明確値である旨を意味する単語や文章を端末表示部140に表示させるための区間明確表示情報を生成する。例えば、料金報知形態設定手段189は、区間料金Kiが明確値である旨を示す例えば「800円」の単語と、入口施設を示す例えば「Vジャンクション」の単語と、出口施設を示す例えば「Uジャンクション」の単語と、を表示させるための区間明確表示情報を生成する。また、料金報知形態設定手段189は、メモリ170に記憶された料金エラーフラグEを取得する。そして、この料金エラーフラグEが「1」であり、移動経路に区間料金Kiが異常値の有料移動区間が含まれていることを認識した場合、合計料金Aが必要最小限の値である旨を意味する単語や文章を端末表示部140に表示させるための合計異常表示情報と、音声出力部150に出力させるための合計異常音声情報と、を生成する。例えば、料金報知形態設定手段189は、合計料金Aの例えば「1200円」の単語を示す料金文字情報に、必要最小限の値である旨を意味する例えば「以上」の単語を示す属性文字情報を付加して、「1200円以上」の単語を表示させるための合計異常表示情報を生成する。また、例えば「合計料金は1200円以上です」の文章を音声として出力させるための合計異常音声情報を生成する。
【0051】
さらに、料金報知形態設定手段189は、メモリ170に記憶された異常区間情報を取得し、区間料金Kiが異常値である旨、有料移動区間の入口施設や出口施設などを認識する。そして、有料移動区間の区間料金Kiが異常値である旨を意味する単語や文章を端末表示部140に表示させるための区間異常表示情報を生成する。例えば、料金報知形態設定手段189は、区間料金Kiが異常値で算出不可能である旨を示す例えば「不明」の単語と、入口施設を示す有料区間特定情報としての例えば「Dインターチェンジ」の単語と、出口施設を示す有料区間特定情報としての例えば「Fジャンクション」の単語と、を表
示させるための区間異常表示情報を生成する。なお、ここでは、区間料金Kiが算出不可能である旨を示す単語として「不明」を例示したが、これに限らず「*」や「−」など区間料金Kiが算出不可能である旨を示すいずれの文字や単語としてもよい。また、区間料金Kiに対応するいずれの単語も表示させない区間異常表示情報を生成する構成などとしてもよい。さらに、料金報知形態設定手段189は、移動経路に明確値の有料移動区間が含まれている場合、上述したような処理を実施して、区間明確表示情報を生成する。
【0052】
また、料金報知形態設定手段189は、移動経路に区間料金Kiが暫定値や異常値の有料移動区間が含まれていないことを認識した場合、合計料金Aが明確値である旨を意味する単語や文章を端末表示部140に表示させるための合計明確表示情報と、音声出力部150に出力させるための合計明確音声情報と、を生成する。例えば、料金報知形態設定手段189は、合計料金Aの値が明確値である旨を示す例えば「3200円」の単語を表示させるための合計明確表示情報を生成する。また、例えば「合計料金は3200円です」の文章を音声として出力させるための合計明確音声情報を生成する。さらに、料金報知形
態設定手段189は、上述したような処理を実施して、区間明確表示情報を生成する。そして、料金報知形態設定手段189で生成した各種情報は、メモリ170に適宜記憶される。
【0053】
情報検索手段190は、例えば端末入力部130にて設定入力された検索情報の検索要求により、記憶手段160に記憶された検索情報を、例えば店舗や施設などの項目情報などに基づいて階層状に検索して取得する。カウンタ191は、料金算出手段188にて制御され、区間料金Kiを算出した回数を計数する。
【0054】
〔ナビゲーション装置の動作〕
次に、ナビゲーション装置100の動作として、移動経路の探索処理について、図7ないし図14に基づいて説明する。図7は、移動経路の探索処理を示すフローチャートである。図8は、料金算出処理を示すフローチャートである。図9は、料金報知処理1を示すフローチャートである。図10は、料金報知処理1を実施した際の料金報知画面の一例を示す模式図である。図11は、料金報知処理2を示すフローチャートである。図12は、料金報知処理2を実施した際の料金報知画面の一例を示す模式図である。図13は、料金報知処理3を示すフローチャートである。図14は、料金報知処理3を実施した際の料金
報知画面の一例を示す模式図である。
【0055】
まず、図7に示すように、利用者は、端末入力部130の入力操作により、例えば移動するための移動経路の探索処理を実施させる旨を設定入力する。この移動経路の探索処理を実施させる旨の設定入力を処理部180が認識すると(ステップS101)、処理部180は、移動経路の探索に必要な各種情報、例えば目的地、最短距離か最短時間か渋滞予測をするか否かなどの設定事項情報などの設定入力を促す表示画面を端末表示部140に表示させる。
【0056】
そして、処理部180は、移動経路の探索に必要な各種情報を認識すると、まず現在位置認識手段181にて、現在位置を認識する処理をするとともに(ステップS102)、目的地認識手段182にて、設定入力された目的地を認識する処理をする(ステップS103)。具体的には、現在位置認識手段181により、センサ部110の速度センサおよび方位角センサから出力される車両の速度データおよび方位角データと、GPS受信部から出力される現在位置に関するGPSデータとに基づいて、車両の現在位置を算出して現在位置情報を取得する。この取得した現在位置情報は、メモリ170に適宜記憶される。
【0057】
また、処理部180は、端末表示部140を制御して端末入力部130の入力操作による目的地の設定入力を促す表示をさせる。そして、利用者が表示された表示画面の指示に従って、端末入力部130の入力操作により目的地を設定入力すると、目的地認識手段182は設定入力された目的地に関する目的地情報を取得する。この取得した目的地情報は、メモリ170に適宜記憶される。ここで、端末入力部130の目的地の入力操作に際し、目的地の地点である地点に関する情報の取得を要求する場合、利用者が端末表示部140で表示される表示画面に基づいて、地点の検索情報を要求する旨の入力操作をする。この地点の検索情報の検索要求により、処理部180は情報検索手段190にて、目的地に関する検索情報を例えば地図情報を用いて領域毎のより下層のメッシュ情報に階層状に検索し、目的地の地点に関連付けられた検索情報を記憶手段160から取得する。そして、処理部180が端末表示部140を適宜制御して取得した検索情報を表示させる。
【0058】
なお、検索情報が例えば目的地を含む地図情報の所定の領域を表示させる旨のもの、あるいは検索情報を認識した利用者が端末入力部130の入力操作により所定領域を表示させる旨を設定入力するなどの場合、処理部180が端末表示部140を適宜制御し対応する領域の表示用メッシュ情報VMxを表示させる。このようにして、端末表示部140に所望の地図情報が表示された後、適宜目的地の地点を端末入力部130の入力操作にて設定、例えば地図表示画面中に表示されるカーソルを移動する操作により、目的地の地点情報を特定する。この地点情報の特定により、処理部180の目的地認識手段182が目的
地の地点情報を目的地情報として認識し、メモリ170に適宜記憶させる。
【0059】
また、処理部180は、端末表示部140を制御して移動経路の探索のための条件である設定事項の入力操作を促す表示をさせる。そして、利用者が表示された表示画面の指示に従って、端末入力部130の入力操作により設定事項を設定入力すると、処理部180は設定入力された設定事項に関する設定事項情報を取得する(ステップS104)。この取得した設定事項情報は、メモリ170に適宜記憶される。
【0060】
そして、処理部180は、経路処理手段186にて現在位置情報、目的地情報、設定事項情報をメモリ170から取得する。そして、これら取得した各種情報に基づいて、車両の現在位置から目的地までの移動経路を、記憶手段160に記憶された地図情報の移動経路探索用地図情報およびマッチングデータMMを用いて探索するルート探索処理をする(ステップS105)。
【0061】
具体的には、例えば、主要道路などのように移動経路探索用地図情報にデータが蓄積され整備されている場合には移動経路探索用地図情報を用いてルート探索処理を行い、細街路などのような移動経路探索用地図情報にデータが蓄積されていない場合には細街路から主要道路までの区間についてマッチングデータMMを用いて探索する。なお、このマッチングデータMMを用いたルート探索処理の際、ノードNに対応する地点が同一の地点か否かを判断してリンクLの関係から道路の状態を認識して実施される。
【0062】
そして、経路処理手段186は、複数の移動経路を検出し、取得した設定事項情報に基づいて移動経路をいくつかに絞り込んで、利用者が所望する条件にあったいくつか、例えば5候補の移動経路に関する移動経路情報を生成する。そして、表示制御手段184により、演算された5候補の移動経路情報を端末表示部140に表示させるとともに、利用者による選択を要求する旨の表示をさせる。そして、利用者がいずれかの移動経路情報を選択する入力操作により、移動経路が設定される。この設定された移動経路に関する移動経路情報は、メモリ170に適宜記憶される。
【0063】
この後、処理部180は、有料経路認識手段187にて移動経路情報をメモリ170から取得する。そして、この移動経路情報に基づいて、移動経路に有料経路が含まれているか否かを判断する(ステップS106)。このステップS106において、処理部180は、有料経路認識手段187で有料経路が含まれていないと判断した場合、設定された移動経路に基づいた案内誘導を実施する(ステップS107)。
【0064】
具体的には、処理部180は、記憶手段160から地図情報を取得する。そして、表示制御手段184にて、移動経路情報に基づいて、移動経路を地図情報に重畳して端末表示部140に表示させる。また、表示制御手段184は、現在位置情報に基づく車両の現在位置を表すアイコンや目的地情報に基づく目的地を表すアイコンなどを、移動経路に重畳して表示させる。そして、処理部180は、案内報知手段183にて、適宜音声出力部150から音声を出力させて、移動経路に基づいた案内誘導を実施する。
【0065】
この後、処理部180は、センサ部110の速度センサ、方位角センサおよび加速度センサから出力されるデータと、GPS受信部から出力されるGPSデータとに基づいて、車両の移動状況を認識する。そして、処理部180は、案内報知手段183にて、認識した移動状況と、移動経路情報に含まれる経路案内情報とに基づいて車両の移動に関する案内情報を表示あるいは音声により報知し、車両の移動を案内誘導する。
【0066】
具体的には、処理部180の表示制御手段184が、記憶手段160から取得したマッチングメッシュ情報MMxのノードNをポリラインで結び、マッチングデータMMを構成するリング列ブロック情報に記載された道路の構成に基づいてポリラインを処理し、移動経路を含むマッチングメッシュ情報MMxの領域の道路を端末表示部140に表示させる。さらに、表示制御手段184は、記憶手段160から取得した表示用メッシュ情報VMxのマッチングメッシュ情報MMxに対応する領域における道路以外の地図を構成する要素に関する要素データである名称情報VMxAおよび背景情報VMxCを重畳させて表示させ
る。そして、この表示される地図に現在位置を重畳表示させる。
【0067】
この現在位置の重畳表示の際、車両の現在位置情報に基づく表示が道路から逸脱しないように、マッチングデータMMに基づいてマップマッチング処理する。すなわち、処理部180は、現在位置が移動経路のマッチングデータMM上に位置するように現在位置情報を適宜補正して表示位置をリンクLが連なるリンク列上となるようにする。このようにして地図と現在位置とを重畳表示させて、案内誘導する。また、現在位置が所定の位置に達した場合には、上述したように、表示や音声などにより移動する方向などを案内する。
【0068】
なお、この領域以外の領域において、例えば端末入力部130の入力操作にて他の領域の表示を見る設定入力がなされた場合に表示させる地図は、検索により表示させる場合と同様に、記憶手段160から取得した表示用メッシュ情報VMxにより表示させる。
【0069】
また、車両の移動中の際、処理部180は、経路処理手段186にて、例えば渋滞、交通事故、工事、交通規制などのVICSデータや気象情報などを取得する。そして、処理部180は、取得したVICSデータや気象情報などに基づいて、車両の移動の状態が影響を受けたり、変更したりするなどのおそれがある場合には、候補経路の探索処理を再度実施する。また、処理部180は、案内報知手段183にて、その旨の案内あるいは影響を報知する。
【0070】
一方、ステップS106において、処理部180は、有料経路認識手段187にて例えば複数の有料移動区間から構成される有料経路が含まれていると判断した場合、移動経路情報に基づいて、各有料移動区間の入口施設を認識する(ステップS108)。さらに、各有料移動区間の出口施設を認識する(ステップS109)。この後、有料経路認識手段187は、有料移動区間の数や入口施設や出口施設などに関する有料経路関連情報を生成する。そして、この生成した有料経路関連情報は、メモリ170に適宜記憶される。次に、処理部180は、料金算出手段188にて、記憶手段160やメモリ170に記憶され
た各種情報に基づいて、区間料金Kiや合計料金Aなどを算出したり、これらを端末表示部140や音声出力部150に報知させるための情報を生成する料金算出処理を実施する(ステップS110)。
【0071】
このステップS110における料金算出処理を実施した後、処理部180は、料金報知形態設定手段189にて、メモリ170に記憶された暫定料金フラグTが「0」であるか否かを判断する(ステップS111)。このステップS111において、処理部180は、料金報知形態設定手段189で暫定料金フラグTが「0」でなく「1」である、すなわち移動経路に区間料金Kiが暫定値の有料移動区間が含まれていると判断した場合、料金報知処理1を実施する(ステップS112)。このステップS112における料金報知処理1を実施した後、処理部180は、ステップS107に進み、案内誘導を実施する。
【0072】
一方、ステップS111において、処理部180は、料金報知形態設定手段189で暫定料金フラグTが「0」であると判断した場合、メモリ170に記憶された料金エラーフラグEが「0」であるか否かを判断する(ステップS113)。このステップS113において、処理部180は、料金報知形態設定手段189で料金エラーフラグEが「0」でなく「1」である、すなわち移動経路に区間料金Kiが異常値の有料移動区間が含まれていると判断した場合、料金報知処理2を実施する(ステップS114)。このステップS114における料金報知処理2を実施した後、処理部180は、ステップS107に進み
、案内誘導を実施する。
【0073】
また、ステップS113において、処理部180は、料金報知形態設定手段189で料金エラーフラグEが「0」である、すなわち移動経路に区間料金Kiが暫定値や異常値の有料移動区間が含まれていないと判断した場合、料金報知処理3を実施する(ステップS115)。このステップS115における料金報知処理3を実施した後、処理部180は、ステップS107に進み、案内誘導を実施する。
【0074】
一方、料金算出処理では、図8に示すように、処理部180は、料金算出手段188にて、メモリ170に記憶された合計料金Aの値を「0」に設定する(ステップS201)。そして、カウンタ191のカウンタ値iの値を「0」に設定する(ステップS202)。さらに、料金算出手段188は、メモリ170に記憶された料金エラーフラグEを「0」に設定する(ステップS203)。また、暫定料金フラグTを「0」に設定する(ステップS204)。この後、料金算出手段188は、有料経路関連情報をメモリ170から取得する。そして、この有料経路関連情報に基づいて、有料経路に含まれる有料移動区間の数b(以下、有料移動区間数bと称す)を認識する(ステップS205)。また、料金算出手段188は、有料経路関連情報に基づいて、例えば現在位置から最も近い有料移動区間の入口施設および出口施設を認識する。そして、この入口施設および出口施設の組み合わせから有料移動区間の区間料金Kiを算出する(ステップS206)。具体的には、料金算出手段188は、有料移動区間に対応する料金テーブル30を記憶手段160から取得し、この料金テーブル30の入口施設および出口施設に対応する出入口特定情報31に基づいて、料金情報32の値を入口施設から出口施設までの区間料金Kiとして算出する。
【0075】
料金算出手段188は、区間料金Kiを算出すると、有料移動区間に対応する料金属性テーブル40を記憶手段160から取得し、この料金属性テーブル40の入口施設および出口施設に対応する出入口特定情報41に基づいて、料金属性フラグ情報42を特定する。そして、この特定した料金属性フラグ情報42に基づいて、区間料金Kiが暫定値でないか否かを判断する(ステップS207)。このステップS207において、料金算出手段188は、区間料金Kiが暫定値でないと判断した場合、例えば入口施設に対応するノードNを記憶手段160から取得する。そして、このノードNの料金組込フラグ情報の設
定に基づいて、区間料金Kiが異常値でないか否かを判断する(ステップS208)。このステップS208において、料金算出手段188は、区間料金Kiが異常値でないと判断した場合、合計料金Aに区間料金Kiを加える(ステップS209)。ここで、料金算出手段188は、区間料金Kiが暫定値および異常値のいずれでもない場合、この区間料金Kiや有料移動区間などに関する明確区間情報を生成する。そして、この生成された明確区間情報は、メモリ170に適宜記憶される。
【0076】
そして、料金算出手段188は、カウンタ191のカウンタ値iに「1」を加える(ステップS210)。この後、料金算出手段188は、カウンタ値iの値が有料移動区間数bと等しいか否かを判断する(ステップS211)。このステップS211において、料金算出手段188は、カウンタ値iの値が有料移動区間数bの値と等しくないと判断した場合、ステップS206に戻り、例えば現在位置から最も近くかつ区間料金Kiを算出していない有料移動区間の区間料金Kiを算出する。一方、ステップS211において、料金算出手段188は、カウンタ値iの値が有料移動区間数bの値と等しい、すなわち移動
経路に含まれる全ての有料移動区間の区間料金Kiを算出したと判断した場合、メモリ170に記憶された合計料金Aを移動経路における有料経路の合計料金として認識する(ステップS212)。この後、この合計料金Aの値などが記載された合計料金設定情報を生成して、料金演算処理を終了する。この生成した合計料金設定情報は、メモリ170に適宜記憶される。
【0077】
一方、ステップS207において、料金算出手段188は、区間料金Kiが暫定値であると判断した場合、暫定料金フラグTを「1」に設定する(ステップS213)。さらに、料金算出手段188は、この区間料金Kiや有料移動区間などに関する暫定区間情報を生成する。そして、この生成された暫定区間情報は、メモリ170に適宜記憶される。この後、料金算出手段188は、ステップS208の処理を実施する。
【0078】
また、ステップS208において、料金算出手段188は、区間料金Kiが異常値であると判断した場合、料金エラーフラグEを「1」に設定する(ステップS214)。さらに、料金算出手段188は、区間料金Kiが異常値である旨や有料移動区間などに関する異常区間情報を生成する。そして、この生成された異常区間情報は、メモリ170に適宜記憶される。この後、料金算出手段188は、ステップS210の処理を実施する。
【0079】
一方、料金報知処理1では、図9に示すように、処理部180は、料金報知形態設定手段189にて、暫定区間情報をメモリ170から取得する。また、メモリ170に明確区間情報が記憶されている場合、この明確区間情報を取得する。そして、これら各種情報に基づいて、暫定値の区間料金Kiである暫定区間料金の値、明確値の区間料金Kiである明確区間料金の値、各有料移動区間の入口施設や出口施設などを認識する(ステップS301)。さらに、料金報知形態設定手段189は、合計料金設定情報をメモリ170から取得する。そして、この合計料金設定情報に基づいて、合計料金Aの値を認識する(ステ
ップS302)。この後、料金報知形態設定手段189は、暫定区間料金の値および合計料金Aの値に、それぞれが暫定的な値である旨を意味する「約」の単語を付加した文字情報を生成する(ステップS303)。また、料金報知形態設定手段189は、明確区間料金の値、入口施設、出口施設などを示す文字情報を生成する。そして、これら生成した情報に基づいて、合計暫定表示情報と、合計暫定音声情報と、区間暫定表示情報と、区間明確表示情報と、を生成する。そして、これら生成した各種情報は、メモリ170に適宜記憶される。
【0080】
この後、処理部180は、案内報知手段183にて、暫定区間料金、明確区間料金、合計料金、入口施設、出口施設などを報知する処理を実施して(ステップS304)、料金報知処理1を終了する。具体的には、案内報知手段183は、合計暫定表示情報、区間暫定表示情報、区間明確表示情報をメモリ170から取得する。そして、案内報知手段183は、取得した各種表示情報に基づいて、例えば図10に示すように、端末表示部140の料金表示領域141に各区間料金や合計料金などを画面表示させる。また、各区間料金の例えば上方に入口施設や出口施設の名前などを画面表示させる。さらに、案内報知手段
183は、合計暫定音声情報をメモリ170から取得する。そして、この合計暫定音声情報に基づいて、例えば「合計料金は約4900円です」などの音声を音声出力部150に発音させる。
【0081】
一方、料金報知処理2では、図11に示すように、処理部180は、料金報知形態設定手段189にて、異常区間情報をメモリ170から取得する。また、メモリ170に明確区間情報が記憶されている場合、この明確区間情報を取得する。そして、これら各種情報に基づいて、区間料金Kiが異常値である旨、明確区間料金の値、各有料移動区間の入口施設や出口施設などを認識する(ステップS401)。さらに、料金報知形態設定手段189は、合計料金設定情報をメモリ170から取得して、この合計料金設定情報に基づいて、合計料金Aの値を認識する(ステップS402)。この後、料金報知形態設定手段189は、合計料金Aの値に必要最小限の値である旨を意味する「以上」の単語を付加した文字情報を生成する(ステップ403)。また、料金報知形態設定手段189は、異常値の区間料金Kiである異常区間料金を算出不可能である旨を意味する「不明」に設定し(ステップS404)、この「不明」の単語を示す文字情報を生成する。さらに、料金報知形態設定手段189は、明確区間料金の値、入口施設、出口施設などを示す文字情報を生成する。そして、これら生成した情報に基づいて、合計異常表示情報と、合計異常音声情報と、区間異常表示情報と、区間明確表示情報と、を生成する。そして、これら生成した
各種情報は、メモリ170に適宜記憶される。
【0082】
この後、処理部180は、案内報知手段183にて、異常区間料金、明確区間料金、合計料金、入口施設、出口施設などを報知する処理を実施して(ステップS405)、料金報知処理2を終了する。具体的には、案内報知手段183は、各種表示情報をメモリ170から取得して、例えば図12に示すように、料金表示領域141に各区間料金、合計料金、有料移動区間の入口施設や出口施設などを画面表示させる。さらに、案内報知手段183は、合計異常音声情報をメモリ170から取得して、例えば「合計料金は1200円以上です」などの音声を音声出力部150に発音させる。
【0083】
一方、料金報知処理3では、図13に示すように、処理部180は、料金報知形態設定手段189にて、明確区間情報をメモリ170から適宜取得する。そして、この明確区間情報に基づいて、明確区間料金の値、入口施設や出口施設などを認識する(ステップS501)。さらに、料金報知形態設定手段189は、合計料金設定情報をメモリ170から取得して、この合計料金設定情報に基づいて、合計料金Aの値を認識する(ステップS502)。この後、これら認識した各種情報に基づいて、合計明確表示情報と、合計明確音声情報と、区間明確表示情報と、を生成する。そして、これら生成した各種情報は、メモ
リ170に適宜記憶される。この後、処理部180は、案内報知手段183にて、明確区間料金、合計料金、入口施設、出口施設などを報知する処理を実施して(ステップS503)、料金報知処理3を終了する。具体的には、案内報知手段183は、各種表示情報をメモリ170から取得して、例えば図14に示すように、料金表示領域141に明確区間料金、合計料金、有料移動区間の入口施設や出口施設などを画面表示させる。さらに、案内報知手段183は、合計明確音声情報をメモリ170から取得して、例えば「合計料金は3200円です」などの音声を音声出力部150に発音させる。
【0084】
〔ナビゲーション装置の作用効果〕
上述したように、上記実施形態では、ナビゲーション装置100の処理部180は、経路処理手段186にて、メモリ170に記憶された現在位置情報、目的地情報、設定事項情報、地図情報の例えば移動探索用地図情報を取得する。次に、経路処理手段186は、これら取得した各種情報に基づいて、現在位置から目的地までの移動経路を適宜探索する。この後、処理部180は、有料経路認識手段187にて、移動経路に例えば複数の有料移動区間から構成される有料経路が含まれていることを認識する。そして、処理部180は、料金算出手段188にて、記憶手段160に記憶された料金テーブル30に基づいて
、各有料移動区間の区間料金Kiの合計料金Aを算出する。この後、処理部180は、料金報知形態設定手段189で少なくとも1つの有料移動区間の区間料金Kiが不明確であることを認識すると、案内報知手段183にて、合計料金Aが不明確な料金である旨を意味する例えば「合計料金は約4900円です」などの音声を音声出力部150に発音させる。
【0085】
このため、ナビゲーション装置100は、少なくとも1つの有料移動区間の区間料金Kiが不明確な場合、例えば「合計料金は約4900円です」などの音声により、報知される有料経路の合計料金Aの値が不明確である旨を利用者に報知できる。したがって、ナビゲーション装置100は、移動経路における合計料金を適切に報知できる。
【0086】
処理部180は、料金報知形態設定手段189で全ての有料移動区間の区間料金Kiが明確であることを認識すると、案内報知手段183にて、合計料金Aが明確な料金である旨を意味する例えば「合計料金は3200円です」などの音声を音声出力部150に発音させる。このため、ナビゲーション装置100は、合計料金Aが不明確な旨に加え、明確な旨も利用者に適宜報知できる。したがって、ナビゲーション装置100は、移動経路における合計料金をより適切に報知できる。
【0087】
処理部180は、合計料金Aが不明確な場合、料金報知形態設定手段189にて、例えば合計料金Aの「4900円」を示す料金文字情報に、不明確である旨を意味する「約」の単語を示す属性文字情報を付加する。そして、処理部180は、案内報知手段183にて、「合計料金は約4900円です」の文章の音声を音声出力部150に発音させる。このため、ナビゲーション装置100は、合計料金Aが不明確である旨を文字情報を用いて報知でき、利用者に合計料金Aが不明確である旨を容易に認識させることができる。したがって、ナビゲーション装置100は、合計料金をより適切に報知できる。
【0088】
処理部180は、料金報知形態設定手段189で少なくとも1つの有料移動区間の区間料金Kiが暫定的であることを認識すると、案内報知手段183にて、合計料金Aが暫定的な料金である旨を意味する例えば「合計料金は約4900円です」などの音声を音声出力部150に発音させる。このため、ナビゲーション装置100は、少なくとも1つの有料移動区間の区間料金Kiが暫定的な場合、有料経路のおおよその合計料金Aを利用者に報知できる。したがって、利用者に有料経路の走行に必要なおおよその料金を予め認識させることができ、ナビゲーション装置100の利便性を向上できる。
【0089】
処理部180は、料金算出手段188にて、各有料移動区間の区間料金Kiが暫定的な値か否かを判断し、暫定的な値であると判断した場合、メモリ170に記憶された暫定料金フラグTを「1」に設定する。そして、処理部180は、料金報知形態設定手段189にて、暫定料金フラグTが「1」に設定されていることを認識すると、合計料金Aが暫定的な料金であると判断する。このため、料金報知形態設定手段189は、暫定料金フラグTの設定を参照するだけの簡単な方法で、合計料金Aが暫定的であるか否かを判断できる。したがって、合計料金Aが暫定的であるか否かの判断を迅速にでき、利用者に合計料金
Aに関する情報をより迅速に報知できる。
【0090】
処理部180は、料金算出手段188にて、区間料金Kiを算出する際に有料移動区間に対応する料金属性テーブル40を取得し、この料金属性テーブル40の入口施設および出口施設に対応する出入口特定情報41に基づいて、料金属性フラグ情報42を特定する。そして、料金算出手段188は、この特定した料金属性フラグ情報42が「1」に設定されていることを認識すると、区間料金Kiが暫定値であることを認識する。このため、料金算出手段188は、料金属性フラグ情報42の設定を参照するだけの簡単な方法で、区間料金Kiが暫定的であるか否かを判断できる。したがって、区間料金Kiが暫定的で
あるか否かの判断を迅速にでき、利用者に合計料金Aに関する情報をさらに迅速に報知できる。
【0091】
処理部180は、料金算出手段188にて、区間料金Kiが異常値でない有料移動区間、すなわち区間料金Kiを算出可能な有料移動区間の料金を算出する。そして、料金算出手段188は、算出可能な有料移動区間の料金を積算して合計料金Aを算出する。この後、処理部180は、料金報知形態設定手段189にて、移動経路に区間料金Kiが算出不可能な有料移動区間が含まれているか否かを判断する。そして、処理部180は、料金報知形態設定手段189で少なくとも1つの有料移動区間の区間料金Kiが算出不可能であることを認識すると、案内報知手段183にて、合計料金Aが必要最低限な料金である旨
を意味する例えば「合計料金は1200円以上です」などの音声を音声出力部150に発音させる。このため、ナビゲーション装置100は、少なくともいずれか1つの有料移動区間の区間料金Kiが算出不可能な場合、有料経路の合計料金Aを必要最小限な料金として利用者に報知できる。したがって、利用者に有料経路の通行に必要な最小限の料金を予め認識させることができ、ナビゲーション装置100の利便性を向上できる。
【0092】
処理部180は、料金算出手段188にて、各有料移動区間の区間料金Kiが算出可能か否かを判断し、算出不可能であると判断した場合、メモリ170に記憶された料金エラーフラグEを「1」に設定する。そして、処理部180は、料金報知形態設定手段189にて、料金エラーフラグEが「1」に設定されていることを認識すると、移動経路に区間料金Kiが算出不可能な有料移動区間が含まれていると判断する。このため、料金報知形態設定手段189は、料金エラーフラグEの設定を参照するだけの簡単な方法で、区間料金Kiが算出不可能な有料移動区間が含まれているか否かを判断できる。したがって、区
間料金Kiが算出不可能な有料移動区間が含まれているか否かの判断を迅速にでき、利用者に合計料金Aに関する情報をより迅速に報知できる。
【0093】
処理部180は、料金算出手段188にて、区間料金Kiを算出する際に有料移動区間の例えば入口施設に対応するノードNを取得し、このノードNの料金組込フラグ情報の設定を認識する。そして、料金算出手段188は、料金組込フラグ情報が例えば「1」に設定されていることを認識すると、区間料金Kiを算出不可能であると判断する。このため、料金算出手段188は、料金組込フラグ情報の設定を参照するだけの簡単な方法で、区間料金Kiを算出可能な否かを判断できる。したがって、区間料金Kiを算出可能か否かの判断を迅速にでき、利用者に合計料金Aに関する情報をさらに迅速に報知できる。
【0094】
処理部180は、料金報知形態設定手段189にて、暫定区間情報、異常区間情報、明確区間情報などをメモリ170から取得し、これら取得した各区間情報に基づいて、各有料移動区間の区間料金Kiが明確か否かを認識する。そして、処理部180は、料金報知形態設定手段189で区間料金Kiが明確であると認識した場合、案内報知手段183にて、区間料金Kiの値を例えば図10に示すように「600円」や「800円」と端末表示部140に表示させる。また、料金報知形態設定手段189で区間料金Kiが明確ではなく例えば暫定値であると認識した場合、案内報知手段183にて、区間料金Kiの値を
例えば図10に示すように「約3500円」と表示させる。このため、ナビゲーション装置100は、合計料金Aの詳細を利用者に報知できる。したがって、利用者に合計料金Aのうちのいくらが不明確なのかを認識させることができ、ナビゲーション装置100の利便性をより向上できる。
【0095】
処理部180は、案内報知手段183にて、各区間料金Kiの表示の例えば上方に、各有料移動区間を特定する入口施設および出口施設の名前を表示させる。このため、ナビゲーション装置100は、区間料金Kiが不明確な有料移動区間を利用者に認識させることができる。したがって、ナビゲーション装置100の利便性をさらに向上できる。
【0096】
ナビゲーション装置100は、合計料金Aが不明確な料金である旨を端末表示部140に表示させる。このため、利用者は、例えば停車中など任意のタイミングで端末表示部140を確認することにより、合計料金Aが不明確である旨を認識できる。したがって、ナビゲーション装置100は、合計料金Aが不明確である旨を良好に報知できる。
【0097】
ナビゲーション装置100は、合計料金Aが不明確な料金である旨を音声にて音声出力部150に発音させる。このため、利用者は、運転中であってもナビゲーション装置100の方向に視線を移すことなく、報知された合計料金Aが不明確である旨を認識できる。したがって、ナビゲーション装置100は、合計料金Aが不明確である旨を良好に報知できる。
[実施の形態の変形]
なお、本発明は、上述した一実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
【0098】
すなわち、料金報知形態設定手段189にて、合計料金Aが不明確な場合に合計料金Aの値「4900円」を例えば赤色で表示させる形態に設定し、合計料金Aが明確な場合に合計料金Aの値「3200円」を例えば黒色で表示させる形態に設定する構成などとしてもよい。このような構成にすれば、ナビゲーション装置100は、合計料金Aの値のみを表示させる形態であっても表示色の違いにより合計料金Aが不明確である旨を利用者に報知できる。したがって、料金表示領域141に表示させる文字数を必要最小限に抑えることができ、料金表示領域141を縮小できる。
【0099】
この他、例えば料金報知処理1を実施した際に、図10に示すような表示とともに、図15に示すように、端末表示部140の図示しない地図表示領域に、区間料金Kiが明確値の有料移動区間を示す有料移動区間経路W1と、区間料金Kiが例えば暫定値の有料移動区間を示す有料移動区間経路W2と、を異なる表示色や線種で表示させる構成などとしてもよい。また、料金報知処理2を実施した際にも同様に表示させる構成などとしてもよい。このような構成にすれば、ナビゲーション装置100は、有料移動区間経路W1,W2の表示色や線種の違いによりいずれの有料移動区間の区間料金Kiが暫定値であるかを
利用者に容易に認識させることができる。また、区間料金Kiが暫定値の有料移動区間を地図上における位置関係で認識させることができ、ナビゲーション装置100の利便性を向上できる。
【0100】
さらに、例えば料金報知処理1を実施した際に、図16に示すように、料金表示領域141における区間料金Kiの例えば下方に、入口施設や出口施設を示す略丸形状の施設表示H1と、これら施設表示H1により示される施設間の有料移動区間を示す略棒状の有料移動区間表示H2と、を表示させる。そして、区間料金Kiが明確値の例えばSインターチェンジからUジャンクションまでを示す有料移動区間表示H2の表示色の明度や彩度を、区間料金Kiが暫定値である例えばUジャンクションからYインターチェンジまでを示す有料移動区間表示H2の表示色とは異なるもので表示させる構成などとしてもよい。ま
た、料金報知処理2を実施した際にも同様に表示させる構成などとしてもよい。このような構成にすれば、ナビゲーション装置100は、有料移動区間表示H2の表示色の違いによりいずれの有料移動区間の区間料金Kiが暫定値であるかを利用者に容易に認識させることができる。
【0101】
処理部180に、合計料金Aが暫定的な料金である旨を報知する機能と、合計料金Aが必要最低限の料金である旨を報知する機能と、を設けた構成について例示したが、これに限らずいずれか一方の機能のみを設けた構成などとしてもよい。このような構成にすれば、処理部180の構成を簡略化でき、ナビゲーション装置100のコストを低減できる。
【0102】
料金算出手段188に、各有料移動区間の区間料金Kiが暫定的な値であると判断した場合、その旨の暫定料金区間認識情報を生成して出力する機能を設ける。そして、料金報知形態設定手段189に、暫定料金区間認識情報の取得を認識した際に、合計料金Aが暫定的な値であることを認識する機能を設ける構成などとしてもよい。また、料金算出手段188に、各有料移動区間の区間料金Kiを算出不可能であると判断した場合、その旨の不明料金区間認識情報を生成して出力する機能を設ける。そして、料金報知形態設定手段189に、不明料金区間認識情報の取得を認識した際に、移動経路に区間料金Kiが算出
不可能な有料移動区間が含まれていることを認識する機能を設ける構成などとしてもよい。これらのような構成にすれば、メモリ170に暫定料金フラグTや料金エラーフラグEを記憶させる必要がなくなる。したがって、メモリ170の容量を最小限に抑えることができる。また、料金報知形態設定手段189に、暫定料金フラグTや料金エラーフラグEなどの情報をメモリ170から取得する処理を実施させる必要がなくなるので、利用者に合計料金Aに関する情報をより迅速に報知できる。
【0103】
記憶手段160の料金情報記憶領域に料金属性テーブル40を記憶させずに、例えば以下のような構成などとしてもよい。すなわち、マッチングデータMMのノードNに、料金属性テーブル40の料金属性フラグ情報42と同様の機能を有する料金属性フラグ情報、すなわち料金テーブル30の料金情報32により示されノードNに対応する例えば入口施設を起点とする有料移動区間の区間料金Kiが暫定値か否かを示す料金属性フラグ情報を備える。そして、料金算出手段188に、例えば入口施設に対応するノードNを取得し、このノードNの料金属性フラグ情報に基づいて、区間料金Kiが暫定値か否かを判断する
機能を設ける構成などとしてもよい。このような構成にすれば、料金情報記憶領域に記憶させる情報のデータ量を少なくできる。
【0104】
マッチングデータMMのノードNに料金組込フラグ情報を備えずに、例えば以下のような構成などとしてもよい。すなわち、有料移動区間の区間料金Kiを算出可能か否かを示す料金組込テーブルを、記憶手段160に記憶させる。そして、料金算出手段188に、有料移動区間に対応する料金組込テーブルを取得し、この料金組込テーブルに基づいて、区間料金Kiを算出可能か否かを判断する機能を設ける構成などとしてもよい。このような構成にすれば、例えば有料移動区間の区間料金Kiが算出不可能な状態から算出可能な状態に変更された場合、マッチングデータMMと比べてデータ量が少ない料金組込テーブ
ルを更新するだけで対応できる。したがって、区間料金Kiが算出可能か否かに関する情報の更新をより容易にできる。
【0105】
料金テーブル30および料金属性テーブル40を別々のデータテーブルとして構成した場合を例示したが、これに限らずこれらを1つのデータテーブルとして構成してもよい。このような構成にすれば、例えば出入口特定情報31,41を共通化したテーブル構造とすることができ、各テーブル30,40を別々のデータテーブルとして構成する場合と比べて、料金情報記憶領域に記憶させる情報のデータ量を少なくできる。
【0106】
端末表示部140の料金表示領域141に、区間料金Kiの値や、有料移動区間の入口施設や出口施設などを表示させない構成などとしてもよい。このような構成にすれば、料金表示領域141に表示させる文字数を最小限に抑えることができ、料金表示領域141を縮小できる。
【0107】
本発明の報知手段として、端末表示部140および音声出力部150の両方を用いた構成について例示したが、これに限らずいずれか一方のみを用いる構成としてもよい。このような構成にすれば、料金報知処理1,2,3において料金報知形態設定手段189にて生成する情報の量を減らすことができる。したがって、料金報知処理1,2,3をより迅速にできる。
【0108】
例えば、以下のような構成などとしてもよい。すなわち、料金算出手段188に、車両が有料経路である例えば高速道路上の任意の地点を走行していることを認識した場合、料金テーブル30に基づいて、少なくとも1つの出口施設までの区間料金Kiを算出する機能を設ける。また、料金報知形態設定手段189に、区間料金Kiが例えば暫定的な料金であることを認識した場合、区間料金Kiの報知形態を暫定的な料金である旨を報知する形態、例えば「Yインターチェンジまでの料金は約1450円です」などの音声を音声出力部150に発音させる形態に設定する機能を設ける構成などとしてもよい。このような
構成にすれば、ナビゲーション装置100は、任意の出口施設までの区間料金Kiが例えば暫定的な場合、例えば「Yインターチェンジまでの料金は約1450円です」などの音声により、区間料金Kiが暫定的な料金である旨を利用者に報知できる。したがって、ナビゲーション装置100は、移動経路における料金を適切に報知できる。
【0109】
本発明の情報処理装置を、通信型のカーナビゲーションシステム、PDA、携帯電話、PHS、携帯型パーソナルコンピュータなどに適用してもよい。さらに、パーソナルコンピュータのアプリケーションソフトに適用してもよい。
【0110】
上述した各機能をプログラムとして構築したが、例えば回路基板などのハードウェアあるいは1つのIC(Integrated Circuit)などの素子にて構成するなどしてもよく、いずれの形態としても利用できる。なお、プログラムや別途記録媒体から読み取らせる構成とすることにより、取扱が容易で、利用の拡大が容易に図れる。
【0111】
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
[実施形態の作用効果]
上述したように、上記実施形態では、ナビゲーション装置100の処理部180は、経路処理手段186にて、メモリ170に記憶させた現在位置情報、目的地情報、設定事項情報、地図情報を取得して、現在位置から目的地までの移動経路を適宜探索する。処理部180は、有料経路認識手段187で移動経路に例えば複数の有料移動区間から構成される有料経路が含まれていることを認識すると、料金算出手段188にて、料金テーブル30に基づいて、各有料移動区間の区間料金Kiの合計料金Aを算出する。この後、処理部
180は、料金報知形態設定手段189で少なくとも1つの有料移動区間の区間料金Kiが不明確であることを認識すると、案内報知手段183にて、合計料金Aが不明確な料金である旨を意味する例えば「合計料金は約4900円です」などの音声を音声出力部150に発音させる。このため、ナビゲーション装置100は、少なくとも1つの有料移動区間の区間料金Kiが不明確な場合、例えば「合計料金は約4900円です」などの音声により、報知される有料経路の合計料金Aの値が不明確である旨を利用者に報知できる。また、当該合計金額Aとともに区間料金Kiが不明である旨を報知する。このため、ナビゲーション装置は料金が不明な区間が存在する旨を合計金額とともに報知することで、当該合計金額が正確ではない旨を利用者に報知でき、さらに、その合計金額より実際の金額が高くなる旨を示唆することができる。したがって、ナビゲーション装置100は、移動経路における合計料金を適切に報知できる。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の一実施の形態に係るナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】前記一実施の形態における地図情報を構成する表示用データのテーブル構造を模式的に示す概念図である。
【図3】前記一実施の形態における地図情報を構成するマッチングデータのテーブル構造を模式的に示す概念図である。
【図4】前記一実施の形態における料金テーブルにおけるデータのテーブル構造を模式的に示す概念図である。
【図5】前記一実施の形態における料金属性テーブルにおけるデータのテーブル構造を模式的に示す概念図である。
【図6】前記一実施の形態におけるナビゲーション装置を構成する処理部の概略構成を示すブロック図である。
【図7】前記一実施の形態における移動経路の探索処理を示すフローチャートである。
【図8】前記一実施の形態における料金算出処理を示すフローチャートである。
【図9】前記一実施の形態における料金報知処理1を示すフローチャートである。
【図10】前記一実施の形態における料金報知処理1を実施した際の料金報知画面の一例を示す模式図である。
【図11】前記一実施の形態における料金報知処理2を示すフローチャートである。
【図12】前記一実施の形態における料金報知処理2を実施した際の料金報知画面の一例を示す模式図である。
【図13】前記一実施の形態における料金報知処理3を示すフローチャートである。
【図14】前記一実施の形態における料金報知処理3を実施した際の料金報知画面の一例を示す模式図である。
【図15】本発明の他の実施の形態に係る料金報知処理1を実施した際の地図表示画面の一例を示す模式図である。
【図16】本発明のさらに他の実施の形態に係る料金報知処理1を実施した際の料金報知画面の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0113】
32 料金関連情報としての料金情報
40 移動区間関連情報としての料金属性テーブル
41 移動区間地点情報としての出入口特定情報
42 移動区間料金属性情報および料金暫定情報としての料金属性フラグ情報
100 情報処理装置としてのナビゲーション装置
140 報知手段としても機能する端末表示部
150 報知手段としても機能する音声出力部
180 演算手段としての処理部
181 現在位置認識手段
182 目的地認識手段
183 報知制御手段としても機能する案内報知手段
186 地図情報取得手段としても機能する経路探索手段としての経路処理手段
187 有料経路認識手段
188 料金関連情報取得手段およびマッチングデータ取得手段としても機能する料金算出手段
189 報知制御手段としても機能する料金報知形態設定手段
A 有料経路の料金としての合計料金
E 不明料金区間認識情報としての料金エラーフラグ
Ki 移動区間での料金である区間料金
L 線分情報としてのリンク
MM マッチングデータ
N 移動区間関連情報および地点情報としてのノード
T 暫定料金区間認識情報としての暫定料金フラグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地までの移動体の移動経路を探索する探索手段と、
前記探索された移動経路に複数の有料経路区間が含まれている場合、当該複数の有料経路区間毎の料金を加算した合計料金を算出する算出手段と、
前記算出された合計料金を報知する報知手段と、を備え、
前記算出手段は、前記複数の有料経路区間に料金の不明な有料経路区間が含まれている場合、当該料金の不明な有料経路区間を除いた他の有料経路区間の各料金を加算して合計料金を算出し、
前記報知手段は、少なくとも前記料金の不明な有料経路区間が存在することを、前記合計料金とともに報知することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記報知手段は、前記探索された移動経路に含まれている前記複数の有料経路区間を当該移動経路における前記移動体の進行方向に応じた順序で報知するとともに、前記移動体の進行方向に応じた順序で報知された前記複数の有料経路区間のうちの前記料金の不明な有料経路区間に対応して料金が不明である旨を報知することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
探索された目的地までの移動体の移動経路に複数の有料経路区間が含まれている場合の当該有料経路の料金を報知するための情報処理方法であって、
前記複数の有料経路区間に料金の不明な有料経路区間が存在する場合、当該料金の不明な有料経路区間を除いた他の有料経路区間の各料金を加算した合計料金を算出する工程と、
前記算出された合計料金とともに、少なくとも前記料金の不明な有料経路区間が存在することを報知する工程と、
を有することを特徴とする情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−261869(P2008−261869A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−128652(P2008−128652)
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【分割の表示】特願2004−103647(P2004−103647)の分割
【原出願日】平成16年3月31日(2004.3.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】