情報出力システム、情報出力装置、情報出力方法およびプログラム
【課題】表示範囲を拡大/縮小するなどの操作をユーザが人間の感覚に沿った形でかつ容易に行なうことができるようにすること。
【解決手段】印刷媒体中の位置を示す座標値へ変換可能なパターンが印刷された印刷媒体30と、パターンを読み取る読取部10と、読み取ったパターンの印刷媒体中の位置を示す座標値を生成する生成部と、座標値と印刷媒体上に印刷された情報の位置座標値とを対応づけて記憶し、複数の座標値の中から所定の座標値を検出し、所定の座標値に対応した位置座標値へ変換し、変換した位置座標値に基づいて決定される領域を所定の表示範囲に合わせて拡大または縮小して表示する制御部と、を有する情報出力システム1とする。
【解決手段】印刷媒体中の位置を示す座標値へ変換可能なパターンが印刷された印刷媒体30と、パターンを読み取る読取部10と、読み取ったパターンの印刷媒体中の位置を示す座標値を生成する生成部と、座標値と印刷媒体上に印刷された情報の位置座標値とを対応づけて記憶し、複数の座標値の中から所定の座標値を検出し、所定の座標値に対応した位置座標値へ変換し、変換した位置座標値に基づいて決定される領域を所定の表示範囲に合わせて拡大または縮小して表示する制御部と、を有する情報出力システム1とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報出力システム、情報出力装置、情報出力方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ドットパターンと地図とを記録した電子ペーパーと、ドットパターンを読み取ることで電子ペーパー上の位置情報を取得する電子ペンとを有する地図情報処理システムを開示する。そして、この地図情報処理システムは、電子ペーパー上のペーパー座標と電子地図の地理座標を対応づけるデータベースを使用することでペーパー座標を地理座標として取得することができる。
【0003】
【特許文献1】特開2004−294942号公報(特許請求の範囲など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1にあるように、印刷された地図中の地点を電子ペンにより選択するだけで、電子ペーパーにおける位置座標値を取得でき、またその位置座標値を地図中の地理座標値への変換が可能である。しかしながら、特許文献1に開示される技術によると、ユーザが電子ペンを用いて電子ペーパーにおける地図中のある目的地を設定する場合には、目的地設定ボックスをチェックして、電子ペンにより目的地を丸で囲む、タッチする等の処理を行なった後に、送信ボックスにチェックを入れるといった多くの操作が必要であり、ユーザが人間の感覚に沿った形でかつ容易に操作することができない。また、設定された目的地周辺の地図を拡大または縮小して見たい場合には、地図の縮尺を変更する操作が更に生じる。また、複数の地点の位置関係を知るために表示領域を拡大/縮小する場合においても、同様に縮尺を変更する操作が更に生じる。
【0005】
このように、単に電子ペンにより地図中の地理座標値へ変換できるようにするだけでは、ユーザが所望の地域を選択し、複数の地点間の表示範囲を拡大/縮小するなどの操作を人間の感覚に沿った形でかつ容易に行なうことができない。
【0006】
本発明は、表示範囲を拡大/縮小するなどの操作をユーザが人間の感覚に沿った形でかつ容易に行なうことができる情報出力システム,情報出力装置,情報出力方法およびプログラムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る情報出力システムは、印刷媒体中に記された位置を示す座標値に変換可能なパターンが印刷された印刷媒体と、パターンを読み取る読取部と、読み取ったパターンの印刷媒体中の位置を示す座標値を生成する生成部と、座標値と印刷媒体上に印刷された情報の位置座標値とを対応づけて記憶し、複数の座標値の中から所定の座標値を検出し、所定の座標値に対応した位置座標値へ変換し、変換した位置座標値に基づいて決定される領域を所定の表示範囲に合わせて拡大または縮小して表示する制御部と、を有するものである。
【0008】
本発明に係る情報出力システムは、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、読取部と生成部とを有する読取機器を備え、該読取機器はパターンを光学的に読み取る読取手段を備えるものである。
【0009】
本発明に係る情報出力システムは、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、印刷媒体は、パターンと共に地図が印刷された地図印刷媒体であり、制御部は、座標値と地図印刷媒体上に印刷された地図の位置座標値となる地理座標値とを対応づけて記憶する記憶部と、複数の座標値の中から所定の座標値を検出し、記憶部を参照して所定の座標値に対応した地理座標値へ変換する変換部と、変換された地理座標値に基づいて決定される地域を所定の表示範囲に合わせて拡大または縮小して表示する表示部と、を有するものである。
【0010】
本発明に係る情報出力システムは、上述した発明の各構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、制御部は、媒体座標を印刷媒体の1点を始点とし、横方向位置をXn、縦方向位置をYmとする座標とし、その座標値(Xn,Ym)を複数取得したときは、それらの座標値の中から横方向の最小値(Xmin)および最大値(Xmax)と縦方向の最小値(Ymin)および最大値(Ymax)を検出し、次の4点となる(Xmin,Ymin),(Xmin,Ymax),(Xmax,Ymin),(Xmax,Ymax)またはその4つの座標値のうち対角線2つに対応した地理座標値へ変換して、その変換された地理座標値をもとに四角形の領域を決定するものである。
【0011】
本発明に係る情報出力システムは、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、制御部は、地図印刷媒体上に印刷された地図に対応した縮尺が異なる複数の地図情報を有し、四角形の領域を表示部の所定の表示範囲に表示できるように複数の地図情報の中から適した縮尺の地図情報を選択するものである。
【0012】
本発明に係る情報出力システムは、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、制御部は、四角形の領域として指定された範囲と、所定の表示範囲の縦横比とが略一致しない場合には、指定された範囲全体が含まれると共に最も拡大されて表示される地図情報を複数の地図情報の中から選択するものである。
【0013】
本発明に係る情報処理装置は、印刷媒体中の位置を示す座標値と印刷媒体に印刷された情報の位置座標値とが対応づけられて記録された記憶部と、複数の座標値の中から所定の座標値を検出し、記憶部を参照して所定の座標値に対応した位置座標値へ変換する変換部と、変換した位置座標値に基づいて決定される領域を所定の表示範囲に合わせて拡大または縮小して表示する表示部と、を有するものである。
【0014】
本発明に係る情報処理装置は、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、印刷媒体は、印刷媒体中の位置を示す座標値へ変換可能なパターンと地図が印刷された地図印刷媒体であり、座標値と地図印刷媒体上に印刷された地図の位置座標値となる地理座標値とを対応づけて記憶する記憶部と、複数の座標値の中から所定の座標値を検出し、記憶部を参照して所定の座標値に対応した地理座標値へ変換する変換部と、変換部で変換された地理座標値に基づいて決定される地域を所定の表示範囲に合わせて拡大または縮小して表示する表示部と、を有するものである。
【0015】
本発明に係る情報処理装置は、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、変換部は、印刷媒体の1点を始点とし、横方向位置をXn、縦方向位置をYmとする座標とし、その座標値(Xn,Ym)を複数取得したときは、それらの座標値の中から横方向の最小値(Xmin)および最大値(Xmax)と縦方向の最小値(Ymin)および最大値(Ymax)を検出し、次の4点となる(Xmin,Ymin),(Xmin,Ymax),(Xmax,Ymin),(Xmax,Ymax)またはその4つの座標値のうち対角線2つに対応した地理座標値へ変換して、その変換された地理座標値をもとに四角形の領域を決定するものである。
【0016】
本発明に係る情報処理装置は、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、記憶部は、地図印刷媒体上に印刷された地図に対応した縮尺が異なる複数の地図情報を有し、変換部は、四角形の領域が表示部の所定の表示範囲に表示できるように複数の地図情報の中から適した縮尺の地図情報を選択するものである。
【0017】
本発明に係る情報処理装置は、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、変換部は、四角形の領域として指定された範囲と、所定の表示範囲の縦横比とが略一致しない場合には、指定された範囲全体が含まれると共に最も拡大されて表示される地図情報を複数の地図情報の中から選択するものである。
【0018】
本発明に係る情報出力方法は、印刷媒体に印刷されたパターンを読み取るステップと、読み取ったパターンから印刷媒体中の位置を示す座標値を得るステップと、複数の座標値から所定の座標値を検出し、所定の座標値に対応する印刷媒体に印刷された情報の位置座標値へ変換するステップと、変換した位置座標値に基づいて決定される領域を所定の表示範囲に合わせて拡大または縮小して表示するステップと、を有するものである。
【0019】
本発明に係る情報出力方法は、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、印刷媒体は、媒体中の位置を示す座標値へ変換可能なパターンと地図が印刷された地図印刷媒体であり、地図印刷媒体における座標値の1点を始点として、横方向位置をXn、縦方向位置をYmとする座標とし、その座標値(Xn,Ym)を複数取得したときに、それらの座標値の中から横方向の最小値(Xmin)および最大値(Xmax)と縦方向の最小値(Ymin)および最大値(Ymax)を検出するステップと、次の4点となる(Xmin,Ymin),(Xmin,Ymax),(Xmax,Ymin),(Xmax,Ymax)またはその4つの座標値のうち対角線2つに対応する地理座標値へ変換するステップと、変換した地理座標値をもとに四角形の領域を決定するステップと、四角形の領域を所定の表示範囲に合わせて拡大または縮小して表示するステップと、を有するものである。
【0020】
本発明に係る情報出力方法は、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、地図に対応した縮尺が異なる複数の地図情報を記録するステップと、四角形の領域が所定の表示範囲に出力できるように複数の地図情報の中から適した縮尺の地図情報を選択するステップと、を有するものである。
【0021】
本発明に係る情報出力方法は、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、四角形の領域として指定された範囲と、所定の表示範囲の縦横比とが略一致しない場合には、指定された範囲全体が含まれると共に最も拡大されて表示される地図情報を選択するステップと、を有するものである。
【0022】
本発明に係るプログラムは、コンピュータを上述した情報処理装置のいずれか1つとして機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0023】
本発明では、表示範囲を拡大/縮小するなどの操作をユーザが人間の感覚に沿った形でかつ容易に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態に係る情報出力システム,情報出力装置,情報出力方法およびプログラムついて図面に基づいて説明する。以下の説明では、情報出力システムは、ナビゲーションシステム1をその一例として説明する。情報出力装置は、ナビゲーションシステム1のナビゲーション装置50をその一例として説明する。
【0025】
図1は、本発明の実施の形態に係るナビゲーションシステム1(情報出力システム)全体の構成の一例を示す図である。この図1に示すように、ナビゲーションシステム1は、電子ペン10(読取機器)、地図帳30(印刷媒体/地図印刷媒体)およびナビゲーション装置50(情報処理装置)を主要な構成要素としている。
【0026】
図2は、図1に示す電子ペン10の外観の一例を示す図である。この図2に示すように、電子ペン10は、例えば、略円柱形状を有するハウジング21を有している。このハウジング21の底部の一部には、例えば、ボールペン先や万年筆先等の筆記部材によって構成されるペン先22が設けられている。ペン先22の一端は、ハウジング21の内部で、後述する筆圧センサ16(図3参照)に接触されている。ペン先22の近傍には、地図帳30に印刷された後述するドットパターン31(図6参照)を読み取るための赤外線LED(Light Emitting Diode)11と、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)カメラ12が設けられている。
【0027】
ハウジング21の側面部の下部(図2の下)には、読み取った情報をナビゲーション装置50に転送する際に操作されるボタン13が設けられている。ハウジング21の天部には、ナビゲーション装置50と通信するための図示外のアンテナが設けられている。なお、このアンテナは、後述する通信部20(図3参照)に接続されている。なお、ユーザは、電子ペン10のペン先22を地図帳30に接触させることで、地図帳30から紙面中の座標値を読み取ることができる。このとき、ペン先22による地図帳30上の軌跡は、赤外線LED11とCMOSカメラ12によって読み取られたドットパターン31(後述する地図帳30の紙面に印刷されているドットパターン)に基づいて取得することができる。なお、電子ペン10は、取得したこれらの情報に基づいて、ナビゲーション装置50の後述する液晶デバイス等からなる表示部52(図8参照)に表示させる領域を拡大/縮小することができる。
【0028】
続いて、電子ペン10(読取機器)の構成について図3を用いて説明する。図3は、図1に示す電子ペン10の構成例を示すブロック図である。この図3に示すように、電子ペン10は、赤外線LED11,CMOSカメラ12(読取手段),ボタン13,CPU(Central Processing Unit)15,筆圧センサ16,画像処理部17(生成部の一部),メモリ18,タイマ19,通信部20,座標生成部23,読取データ24を保存する読取テーブル25および図示外のバッテリなどを主要な構成要素としている。
【0029】
読取手段としてのCMOSカメラ12は、たとえば赤外線用のCCD(Charge Coupled Device)、またはCMOSセンサであり、赤外線のパターンデータを受光する。そして、その受光したパターンデータは、画像処理部17を介してCPU15へ周期的に出力される。なお、図3に示すように、赤外線LED11およびCMOSカメラ12は、電子ペン10のペン先22に向けて配設される。これにより、CMOSカメラ12は、赤外線LED12がペン先22に向けて照射した赤外線の地図帳30の紙面による反射光を受光し、そのペン先22付近のドットパターン31(図6参照)を周期的に読み取ることができる。
【0030】
筆圧センサ16は、例えば、印加される圧力に応じて抵抗値が変化する感圧センサ等によって構成され、ペン先22が地図帳30に接触されて所定の内容が書き込まれる際の筆圧を検出してCPU15に供給する。なお、ペン先22は、所定の内容を書き込むのではなく、所定の内容を単になぞるだけのペン先22としてもよい。
【0031】
画像処理部17は、CMOSカメラ12に入射した赤外線によるドットパターン31を抽出し、そのパターンデータをCPU15に供給する。
【0032】
メモリ18は、例えば、フラッシュメモリ等によって構成されており、CPU15が実行する基本的なプログラムを格納している。また、メモリ18は、CPU15が演算処理を実行する際に、演算途中のプログラムまたはデータを一時的に記憶する。
【0033】
タイマ19は、時刻情報を生成し、CPU15に供給する。なお、時刻ではなく、電子ペン10の電源が投入されてからの経過時間等を生成するようにしてもよい。
【0034】
通信部20は、例えば、ブルートゥース(Bluetooth)等の規格に基づいて、後述するナビゲーション装置50との間で、図示外のアンテナを介して情報を送受信する。なお、無線通信の代わりに、例えば、USB(Universal Serial Bus)等のケーブルを用いて、ナビゲーション装置50と有線接続し、情報を送受信するようにしてもよい。
【0035】
生成部としての座標生成部23は、CPU15から供給されたパターンデータを解析し、各パターンデータにコード化されている読取座標値を生成して、その読取座標値をCPU15に供給する。
【0036】
読取テーブル25は、複数の読取データ24が記録されているテーブルである。
※特にデータベース形式に対して言及する必要はないと判断しました。
→ご指摘の記載を削除しました。
【0037】
図4は、図3中の読取テーブル25のデータ構造の一例を示す説明図である。なお、図4に示すように読取データ24には、座標生成部23が生成した複数の読取座標値からなる筆跡データと、各読取座標値の読取時刻を示す複数の時刻情報とが含まれている。また、読取データ24には、その他に筆圧センサ16によって入手されたペン圧情報と、読取座標値および読取時刻情報とから形成された筆跡データとが含まれている。
【0038】
CPU15は、メモリ18に記憶される図示外のプログラムを読み込んで実行する。これにより、CPU15は、上述した画像処理部17、メモリ18、タイマ19、通信部20、生成部の一部としての座標生成部23、読取テーブル25などの機能を実現する。具体的には、CPU15は、筆圧センサ16で筆圧を検出した場合に、CMOSカメラ12で入射し、その後に画像処理部17で抽出したパターンデータを座標生成部23へ受け渡す。そして、CPU15は、座標生成部23から供給される読取座標置と、タイマ19から供給される時刻情報とを対応付けした読取データ24を複数生成する。更に、CPU15は、これら複数の読取データ24を読取テーブル25に記憶する。そして、CPU15は、ボタン13がユーザにより押下された時に、それまでに格納した複数の読取データ24を、読取テーブル25を参照して通信部20へ供給する。
【0039】
続いて、図1に示す電子ペン10のメモリ18に格納されているソフトウエアとしてのプログラムについて説明する。
【0040】
図5は、図1に示す電子ペン10のメモリ18に格納されているソフトウエアとしてのプログラム(不図示)がCPU15により実行された場合に、ハードウエアとしてのCPU15その他とソフトウエアとが協働することにより実現される処理モジュールの一例を示す図である。
【0041】
電子ペン10は、プログラムが実行された場合に実現される機能ブロック群としては、入力インタフェース61、読取データ生成モジュール62、読取データ記憶モジュール63、出力インタフェース64を主要な構成要素としている。入力インタフェース61は、上述したボタン13、筆圧センサ16、画像処理部17およびタイマ19から出力される情報を入力するインタフェースである。読取データ生成モジュール62は、上述した座標生成部23に対応するモジュールであり、読取データ24を生成する。読取データ生成モジュール62は、筆圧センサ16が筆圧を検出した場合(ペン先22を地図帳30に接触させた場合)には、画像処理部17から出力される位置情報(ドットパターン31から生成された情報)に対して、タイマ19から出力された時刻情報を対応付けして読取データ24を生成し、その読取データ24を読取データ記憶モジュール63へ渡す。読取データ記憶モジュール63は、読取データ生成モジュール62で生成した読取データ24をメモリ18に記憶する。また、読取データ生成モジュール62は、ボタン13が押下され、入力インタフェース61を介してその押下された信号(図示外)を受信した場合には、読取データ記憶モジュール63を介してメモリ18を参照して出力インタフェース64へ複数の読取データ24を出力する。出力インタフェース64は、複数の読取データ24を通信部20へ渡す。なお、読取データ記憶モジュール62によってメモリ18に記憶された複数の読取データ24は、上述した読取テーブル25に記憶されている複数の読取データ24それぞれに相当し、読取テーブル25の各行が1つの読取データ24に対応し、各読取データ24は、たとえば、地図帳30の所定のページの左上端を原点とするx,y座標値による位置情報と、時、分、秒による時刻情報とを有している。
【0042】
このような構成により電子ペン10(読取機器)は機能する。続いて、地図帳30(印刷媒体/地図印刷媒体)について図6を用いて説明する。
【0043】
図6は、図1に示す地図帳30の所定のページに印刷されたドットパターン31の詳細を説明する図である。この図6に示すように、地図帳30の各ページには、赤外線を透過させる通常のインクで地図情報が印刷されるとともに、赤外線を吸収するインクによりドットパターン31が印刷されている。上述した通り、電子ペン10は、ドットパターン31以外の部分で反射されてくる赤外線をCMOSカメラ12で受光してドットパターン31を認識する。そして、当該ドットパターン31を電子ペン10で読み取ることにより、紙面上における一意の座標値を得ることができる。このドットパターン31は、複数のドット32から構成され、図6の中央に拡大して示すように、0.3mm間隔で赤外線を吸収するインクによりドット32が印刷されている。これらのドット32は、図6中の右にさらに拡大して示すように、格子の中心から上下左右のいずれかの方向に所定量だけずれて印刷されている。6×6=36ドットが集まって、1つのドットパターン31を構成しており、1ドット32は4通りの組合せを有することから、1.8mm×1.8mmサイズの1つのドットパターン31には4の36乗通りの組合せが存在するため、同じドットパターン31を使用しないことで1つのドットパターン31を一意に識別することが可能となる。なお、複数のページのうち、どのページが指定されたかを知る方法としては、例えば、ドットパターン31にページに関する情報を記憶する方法がある。また、全てのページに対して同一の座標系の位置情報を記憶する方法もある。すなわち、全てのページを平面上に並べて大きな用紙とした場合に、この大きな用紙の左上隅が原点となるように座標系を設定することができる。なお、座標系の原点は左上以外にも中央や右上などの他の箇所としても勿論よい。
【0044】
図7は、図1に示す地図帳30の所定のページの一部の断面構造を示す図である。この図7に示すように、地図帳30のベースとなる紙本体30a上には、赤外線を吸収するドットインク30bによって、図6に示すドットパターン31が印刷されている。また、その上には、赤外線を透過する通常インク30cによって、地図情報が印刷されている。赤外線LED11から射出された赤外線のうち通常インク30cを透過して、ドットインク30bに照射された部分は吸収されてCMOSカメラ12には入射されない。また、通常インク30cを透過し、かつドットインク30bに照射されない光は、紙本体30aにより反射され、CMOSカメラ12に入射される。これにより、ドットパターン31に応じた赤外線画像がCMOSカメラ12に入射される。
【0045】
このように地図帳30(印刷媒体/地図印刷媒体)は、構成される。続いてナビゲーション装置50(情報処理装置)について図8を用いて説明する。
【0046】
図8は、図1に示すナビゲーション装置50の構成を示すブロック図である。図8に示すように、ナビゲーション装置50は、通信部51、等からなる表示部52、制御部53、タッチパネルなどの入力手段としての図示外の入力デバイス、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波を受信する図示外のGPS受信デバイス、これらが接続される図示外のシステムバスなどを主要な構成要素としている。また、制御部53は、CPU54、変換部55、受信データ56を保存するメモリ57、変換テーブル58を有する。ナビゲーション装置50は、例えば、自動車などの車両のセンターコンソールやダッシュボードなどに設置されるものである。ナビゲーション装置50は、ユーザが電子ペン10によって地図帳30のあるページで指定した範囲に関する情報(座標値)を受信し、その受信した情報を緯度経度情報(位置座標値/地理座標値)に変換し、当該緯度経度情報に基づいて拡大/縮小処理を行ない、表示部52に表示させることができる。
【0047】
通信部51は、ナビゲーション装置50の通信を管理する。通信部51は、電子ペン10の通信部20からデータを受信すると、そのデータをCPU54に供給する。CPU54は、供給されたデータをメモリ57に保存する。これにより、メモリ57には、受信データ56が記憶される。すなわち、ナビゲーション装置50の通信部51が、電子ペン10の通信部20から読取データ24を受信した場合、メモリ57には、読取データ24と同一内容の受信データ56が記憶されることになる。
【0048】
CPU54は、メモリ57に記憶される図示外のプログラムを読み込んで、ナビゲーション装置50の全体の動作を管理し、制御する。これにより、ナビゲーション装置50の通信部51、変換部55やその他の上述した各機能が実現される。そして、CPU54は、たとえば、入力デバイスや変換部55などから図示外の表示画面の切り替えコマンド信号(切り替え指示命令)などが供給されると、それを解釈して実行する。すなわち、CPU54は、その解釈に応じた表示画面のデータを選択して読み込み、読み込んだ表示画面を表示部52に表示させることができる。
【0049】
記憶部の一部としてのメモリ57は、例えば、フラッシュメモリ等によって構成されており、CPU54が実行する基本的なプログラムを格納している。また、メモリ57は、CPU54が演算処理を実行する際に、演算途中のプログラムまたはデータを一時的に記憶する。また、メモリ57は、受信データ56,変換テーブル58,図示外の地図帳30に対応した縮尺の異なる複数の地図情報などの各種のデータを記憶する。
【0050】
記憶部の一部としての変換テーブル58は、CPU54が通信部51で受信した受信データ56に含まれる座標値からその座標値に対応付けられている経度緯度情報へ変換するためのテーブルである。変換テーブル58は、たとえばRDBMS(Relational Database Manegement System)等の一部として構成される。
【0051】
図9は、図8中の変換テーブル58のデータ構造の一例を示す説明図である。記憶部の一部としての変換テーブル58は、地図帳30に印刷されるドットパターン31により得られる複数の座標値を有する。また、変換テーブル58において、各座標値には、その座標値がコード化されたドットパターン31と重ねて印刷される地図中の地点の緯度経度値(位置座標値/地理座標値)が対応付けられている。たとえば、図9に示すようにドットパターン31にコード化される座標値(x1,y1)には、北緯35度39分17秒および東経139度44分07秒の緯度経度値が対応付けられている。
【0052】
変換部55は、取得した紙面上の複数の座標値から所定の座標値を検出し、変換テーブル58を参照して所定の座標値に対応した緯度経度値へ変換し、変換した緯度経度値に基づいて表示部52に表示させる四角形の領域を決定する。また、変換部55は、その四角形の領域が表示部52の表示範囲に表示できるように複数の地図情報の中から適した縮尺の地図情報を選択する。更に変換部55は、四角形の領域として指定された範囲と、表示部52の表示範囲の縦横比とが略一致しない場合には、指定された範囲全体が含まれる地図情報を複数の地図情報の中から選択する。なお、上述した「所定の座標値」については、後述する動作説明の中で詳述する。
【0053】
続いて、ナビゲーション装置50のメモリ57に格納されているソフトウエアとしてのプログラムについて説明する。なお、以下の説明が請求項に記載したプログラムの一例に対応するものである。
【0054】
図10は、図1に示すナビゲーション装置50のメモリ57に格納されているソフトウエアとしてのプログラム(不図示)が実行された場合に、ハードウエアとしてのCPU54その他とソフトウエアとが協働することにより実現される処理モジュールの一例を示す図である。
【0055】
ナビゲーション装置50は、プログラムが実行された場合に実現される機能ブロック群としては、入力インタフェース71,データ変換モジュール72,緯度経度変換DB73,データ処理モジュール74および出力インタフェース75を主要な構成要素としている。入力インタフェース71は、上述した通信部51から出力される情報を入力するインタフェースである。データ変換モジュール72は、読取データ生成モジュール62で生成された読取データ24を取得し、緯度経度変換DB73を参照して、読取データ24を緯度経度情報に変換する。緯度経度変換DB73は、地図帳30に印刷されているドットパターン31から生成される紙面位置情報を、緯度経度情報に変換するためのデータベースである。データ処理モジュール74は、データ変換モジュール72から供給される、緯度経度情報から表示する領域を決定して出力インタフェース75へ値を渡す。出力インタフェース75は、データ処理モジュール74から出力される情報を、画像または文字情報について表示部としての表示部52に供給して表示させるための出力インタフェースである。
【0056】
(ナビゲーションシステム1の動作説明)
次に、以上の構成を有するナビゲーションシステム1の動作について説明する。なお、この以下の動作説明が、請求項に記載した情報出力方法の一例に対応するものである。
【0057】
図11は、地図帳30のページ30bと、ページ30b上にユーザが電子ペン10を用いてなぞった軌跡αを示した図である。以下の説明では、ユーザがナビゲーション装置50でスタート地点Sから立寄り地点Aを経由してゴール地点Gまでの経路探索を行なった結果が、表示部52にページ30bと同様の地域が全体表示されているものとする。そして、ユーザは電子ペン10を操作して、表示部52に表示された立寄り地点Aとその立寄り地点AのX軸方向の地域を拡大して表示部52に表示させたいと考え、軌跡αの通りになぞった場合を一例として説明する。なお、電子ペン10とナビゲーション装置50とが、相互に無線通信が可能であることを前提とし、ページ30b上の軌跡αは、図面11上では説明のために示しているが、実際にページ30bに描かれている訳ではない。ただし、ペン先22によって軌跡αを直接書き込むことができるときは、その限りではない。
【0058】
図12は、図1に示す電子ペン10が、図11に示す軌跡αの通りなぞった場合に実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【0059】
ユーザが電子ペン10を操作して、ページ30bを軌跡αの通りになぞると(START)、電子ペン10のCMOSカメラ12は、紙面により反射された赤外線を受光し、赤外線のパターンデータをCPU15へ出力する(ステップS100)。CPU15は、CMOSカメラ12で受光した赤外線のパターンデータから画像処理部22によってドットパターン31を抽出する(ステップS101)。そして、CPU15は、その抽出したドットパターン31を座標生成部23により解析させて、読取座標値を生成する(ステップS102)。CPU15は、この生成した読取座標値に、タイマ19で計測される現在時刻とを対応付けて、読取テーブル25に記憶する(ステップS103)。これにより、読取テーブル25には、ドットパターン31にコード化された座標値を有する読取データ24が記憶される。読取テーブル25に読取データ24が記憶された後に、ボタン13が押下されると(ステップS104でYES)、CPU15は、読取テーブル25を参照して、これらの読取データ24を通信部20へ送信データとして供給する(ステップS105)。通信部20は、供給された送信データを、無線通信によりナビゲーション装置50の通信部51へ送信して(ステップS106)、処理を終了する(END)。
【0060】
続いて、図13および図14を用いてナビゲーション装置50が上記の電子ペン10の処理後に実行される処理について説明する。
【0061】
図13は、図11に示す軌跡αによって求められた表示部52に表示される領域Eをページ30b上に概念的に示した図である。図14は、図1に示すナビゲーション装置50が、図12に示す処理が実行された後に実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【0062】
ナビゲーション装置50の通信部51は、電子ペン10の通信部20からデータを受信すると(START)、その受信したデータをメモリ57に記憶させる(ステップS110)。CPU54は、読取データ24が受信データ56としてメモリ57に記憶されると、変換部55によって段落0052で説明した「所定の座標値」を検出する処理を開始する。具体的には、変換部55は、読取データ24に含まれる複数の読取座標値(Xn,Ym)からX座標の最大値(Xmax)および最小値(Xmin)と、Y座標の最大値(Ymax)および最小値(Ymin)を検出する(ステップS111)。その後、それらの値からX座標とY座標をそれぞれ最小値となる点(Xmin,Ymin)と、それぞれ最大値となる点(Xmax,Ymax)を対角線の頂点とする四角形の領域を決定する(ステップS112)。すなわち次の4点である(Xmin,Ymin),(Xmin,Ymax),(Xmax,Ymin), (Xmax,Ymax)の各点を頂点とする四角形の領域を決定する。
【0063】
本実施の形態では図13に示すように座標点T1は、X軸およびY軸で示される各座標値それぞれが最小値となる座標値(Xmin,Ymin)の組合せであり、座標点T2は、それぞれ最大値となる座標値(Xmax,Ymax)の組合せであると検出される。その結果、ナビゲーション装置50の変換部55は、これらの座標点T1(Xmin,Ymin)と座標点T2(Xmax,Ymax)を対角線とする四角形の領域Eとして決定する。すなわち、変換部55は、上述した処理により当該四角形の各頂点に対応する座標値を求める(ステップS112)。
【0064】
具体的には、図13に示すように変換部54は、座標点T1(Xmin,Ymin)および座標点T2(Xmax,Ymax)から、座標点T3(Xmax,Ymin),座標点T4(Xmin,Ymax)を求めて、四角形の領域Eを決定する。そして、変換部55は、これらの求めた座標値をそれぞれ緯度経度値へ変換する(ステップS113)。この変換処理では、4地点の変換処理ではなく、対角線上の2地点である座標値(Xmin,Ymin)と座標値(Xmax,Ymax)が変換される。これは、この2地点を変換すれば地図上の対応する四角形の領域も把握でき、表示できるためである。変換部55は、変換テーブル58を参照して、これらの2地点の座標値に対応付けられている緯度経度値を取得する。そして、変換部55は、求めた緯度経度値により表示する四角形の領域Eが、表示部52の表示領域52aのサイズ内に入り、かつ最も大きく表示できるようにメモリ57を参照してその表示に適した縮尺の地図情報を選択する(ステップS114)。その後、CPU54は、選択された縮尺の地図情報を表示部52の表示領域52aに表示して(ステップS115)、処理を終了する(END)。
【0065】
なお、変換部55は、電子ペン10にて決定した四角形の領域Eの縦横比と、表示部52の表示領域52aの縦横比とが略一致しない場合も、電子ペン10によって得られた四角形の領域Eが必ず含まれるように地図情報の縮尺を決定する。たとえば、四角形の領域Eの縦横比は3:4であり、表示部52の表示領域52aの縦横比が4:3である場合には、四角形の領域Eの縦方向がちょうど表示できる縮尺を設定する。この結果、表示部52の表示領域52aには、図15に示すように四角形の領域Eの横方向に拡大している部分が表示されることとなる。
【0066】
図16は、図14のフローチャートの変形例を示す図である。この図16のフローチャートは、表示部52の表示領域52aに表示される地図の縮尺が、段階的にしか表示できない場合におけるフローチャートを示している。なお、図16に示すフローチャートにおいて、図14で示したステップS110,S111,S112についてはそれぞれ図16で示すステップS120,S121,S122に対応し、同一の処理であるため、説明を省略する。
【0067】
また、図14の例におけるステップS113では、2つの頂点の座標値を緯度経度情報に変換したが、この例におけるステップS123では、4つの頂点の座標値を緯度経度情報に変換している。その後、変換部55は四角形の領域E全体が表示される縮尺の地図情報を抽出する。その結果、縮尺の異なる複数の地図情報が抽出された場合は、その複数の地図情報の中から四角形の領域Eが最も拡大して表示される地図情報を選択する(ステップ124)。
【0068】
その後、変換部55は、四角形の領域Eを含む選択された縮尺の地図情報の縦横比と、表示部52の表示領域52aの縦横比とが略一致するか否かを判定する(ステップS125)。変換部55は、四角形の領域Eを含む選択された縮尺の地図情報の縦横比と表示部52の表示領域52aの縦横比とが略一致しない場合には(ステップS125でNO)、ステップS124に戻って、1段階縮尺が大きい地図情報を選択する。変換部55は、四角形の領域Eを含む選択された縮尺の地図情報の縦横比と、表示部52の表示部領域52a領域の縦横比とが略一致する場合(または表示部52の表示領域52a内に領域Eが表示させることができる場合)には、その縮尺の地図情報をCPU53に供給する。CPU53は、供給された地図情報を表示部52の表示領域52aに表示して(ステップS116)、処理を終了する(END)。
【0069】
以上のように、この実施の形態によれば、ユーザは地図帳30の紙面上を電子ペン10によって所望の地点を囲み、ボタン13を押下するだけで、ナビゲーション装置50の表示部52に当該囲んだ領域を拡大して表示させることができる。なお、表示部52に表示されている領域を縮小する場合には(たとえば、ユーザが現在表示している地域を含むより広範な地域を見たい場合など)、電子ペン10で地図帳30の該当ページを表示部52に表示されている領域より大きく囲んで、ボタン13を押下することによって、ナビゲーション装置50の表示部52に当該囲んだ領域が表示されるため、現在表示されている地域を縮小して表示させることができる。したがって、ユーザは、電子ペン10で所望の地域を囲むようになぞり、ボタン13を押下するだけで、当該部分を表示部52に拡大/縮小して表示させることができる。
【0070】
以上の実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形や変更が可能である。
【0071】
たとえば、上記実施の形態では、図12のフローチャートにおいて電子ペン10からナビゲーション装置50にデータを送信するためには、ボタン13を押下している。この他にもたとえば、CPU15が読取データ24の更新有無を読取テーブル25に定期的に問い合わせて、新しい読取データ24がある場合には通信部20を用いてナビゲーション装置50にデータを送信するようにしてもよい。このような設定にすることで、ユーザは、ボタン13を押下しなくても、電子ペン10で所望の地域を囲むだけで、当該部分を表示部52に拡大/縮小して表示させることができるため、より簡単に利用することができる。
【0072】
また、上記実施の形態では、図11に示した軌跡αは略楕円状となる軌跡を描いた場合を一例として説明している。この他にもたとえば、丸のほかに四角形、三角形などの他の形状となる軌跡としてもよい。更に、この軌跡がたとえば図17に示すようにスタート地点S付近と立寄り地点A付近を直線状に結ぶ軌跡β1や、図18に示すように上記拡大処理の後に再びスタート地点Sからゴール地点Gの経路探索のルート上をなぞる軌跡β2であってもよい。すなわち、所定の座標値は、電子ペン10で読み取った座標値からX座標の最小値/最大値とY座標の最小値/最大値を検出して、表示領域を決定するものであるから、必ずしもユーザは、電子ペン10で表示したい領域を略楕円状などで囲む必要はない。また、電子ペン10で2点(対角線上の2点)または左右上下の4点を指示して、その地点の座標値を読み取ることで縮小/拡大を行なわせてもよい。その場合には、その2点または4点の座標値を(Xmin),(Xmax),(Ymax),(Ymin)を検出することになる。
【0073】
また、上記実施の形態では、図16に示した処理のフローチャートにおいて、「所定の座標値」を求めてから地理座標値への変換を行なっている。この他にもたとえば、既に地理座標値に変換したデータから、「所定の座標値」を求めてもよい。具体的には、変換テーブル58が、電子ペン10に機能として内蔵されている場合には、電子ペン10から地理座標値としての緯度経度情報が送信されてくるため、変換部55は、その情報のなかから「所定の座標値」を求めることができる。なお、その場合には変換部55は、緯度情報の最大値/最小値と経度情報の最大値/最小値を求めることになる。
【0074】
また、上記実施の形態では、紙面中の位置を示す座標値は、ドットパターン31としてコード化されている。この他にもたとえば、紙面中の位置を示す座標値は、QR(Quick Response)コード、バーコードなどとしてコード化されていてもよい。また、これら電子ペン10で読取可能なパターンには、複数枚の地図において共通する1つの座標系での座標値がコード化されていてもよい。
【0075】
また、上記実施の形態では、地図帳30に印刷されたドットパターン31は、電子ペン10により読み取られている。この他にもたとえば、地図帳30に印刷されたパターンは、カメラ付きの携帯電話端末や携帯情報端末などで読み取るようにしてもよい。
【0076】
また、上記実施の形態では、変換テーブル58、ナビゲーション装置50のメモリ57に記憶され、変換部55は、ナビゲーション装置50において実現されている。この他にもたとえば、電子ペン10、携帯電話端末、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、あるいはナビゲーション装置50と通信可能な別体のユニットなどに設けられていてもよい。また、携帯電話端末、携帯情報端末、パーソナルコンピュータなどは、電子ペン10の機能を兼ね備えるものであってもよい。
【0077】
また、上記実施の形態に係る読取機器としては、赤外線を使用した電子ペン10を用いている。この他にもたとえば、超音波、紫外線、磁気などのいずれかを使用する機器を用いるものであってもよい。
【0078】
また、上記実施の形態に係る地図帳30の各ページには、6×6=36ドットが集まって、1つのドットパターン31を構成しているものとしている。この他にもたとえば、8×8=64ドットなどの他のドット数が集まって、1つのドットパターン31を構成するようにしてもよい。また、ドット自体の形状を、単一の形状とせず、複数の異なるドットを使用することにより、ドットパターン31を更に増やしてもよい。また、光学パターンだけでなく、磁気パターン等としてもよい。
【0079】
また、上記実施の形態に係る印刷媒体としては紙を用いている。この他にもドットパターン31が判別可能であれば、たとえば、セルロイド樹脂などの樹脂材,金属材など他の印刷媒体としてもよい。
【0080】
また、上記実施の形態では、あらかじめ上述した電子ペン10のメモリ18とナビゲーション装置50のメモリ57にプログラムが記録されている。この他にもたとえば、これらのプログラムが、これらの機器の出荷前にメモリ18,57に記憶されたものであっても、これらの機器の出荷後にメモリ18,57に記憶されたものであってもよい。また、メモリ18,57に記憶されるプログラムの一部が、これらの機器の出荷後に記憶されたものであってもよい。このように出荷後にメモリ18,57に記憶されるプログラムは、たとえばCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)や半導体メモリなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶されているものをインストールしたものであっても、インターネットなどの伝送媒体を介してサーバ装置などからダウンロードしたものであってもよい。また、これらのプログラムの一部あるいは全部が、CPU53以外のたとえばHDDなどの外部記憶デバイスや、ナビゲーション装置50と着脱可能なたとえばメモリカードやCD−ROMに記憶されていてもよい。特に、変換テーブル58は、地図帳30の印刷内容と密接に関連するデータを有するので、ナビゲーション装置50から着脱可能なメモリカードに記憶され、地図帳30とともにユーザへ提供されるようにするとよい。これにより、ナビゲーション装置50は、各地図帳30などに対応するメモリカードが交換して装着されることで、複数の地図帳30などに対応することができる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、ナビゲーションシステム1などにおいて、所望の地点を含む表示領域の拡大/縮小操作を行なうために利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の実施の形態に係るナビゲーションシステム(情報出力システム)全体の構成の一例を示す図である。
【図2】図1に示す電子ペンの外観の一例を示す図である。
【図3】図1に示す電子ペンの主要な構成を示すブロック図である。
【図4】図3中の読取テーブルのデータ構造の一例を示す説明図である。
【図5】図1に示す電子ペンのメモリに格納されているソフトウエアとしてのプログラムがCPUにより実行された場合に、ハードウエアとしてのCPUその他とソフトウエアとが協働することにより実現される処理モジュールの一例を示す図である。
【図6】図1に示す地図帳の所定のページに印刷されたドットパターンの詳細を説明する図である。
【図7】図1に示す地図帳の所定のページの一部の断面構造を示す図である。
【図8】図1に示すナビゲーション装置の主要な構成を示すブロック図である。
【図9】図8中の変換テーブルのデータ構造の一例を示す説明図である。
【図10】図1に示すナビゲーション装置のメモリに格納されているソフトウエアとしてのプログラムが実行された場合に、ハードウエアとしてのCPUその他とソフトウエアとが協働することにより実現される処理モジュールの一例を示す図である。
【図11】地図帳のページと、ページ上にユーザが電子ペンを用いてなぞった軌跡を示した図である。
【図12】図1に示す電子ペンが、図11に示す軌跡の通りなぞった場合に実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】図11に示す軌跡によって求められた表示部に表示される領域をページ上に概念的に示した図である。
【図14】図1に示すナビゲーション装置が、図12に示す処理が実行された後に実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】図14に示すフローチャートが実行された結果、表示部に表示される地図を示す図である。
【図16】図1に示すナビゲーション装置が、図12に示す処理が実行された後に実行される他の処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】図1に示すナビゲーションシステム1において使用される地図帳のページと、ページ上にユーザが電子ペンを用いてなぞった他の軌跡を示した図である。
【図18】図1に示すナビゲーションシステム1において使用される地図帳のページと、ページ上にユーザが電子ペンを用いてなぞった他の軌跡を示した図である。
【符号の説明】
【0083】
1 ナビゲーションシステム(情報出力システム)、10 電子ペン(読取機器)、11 赤外線LED、12 CMOSカメラ(読取手段)、22 画像処理部(生成部の一部)、23 座標生成部(生成部の一部)、30 地図帳(印刷媒体/地図印刷媒体)、31 ドットパターン(座標値に変換可能なパターン)、50 ナビゲーション装置(情報処理装置)、52 表示部、53 制御部、54 変換部、56 メモリ(記憶部の一部)、58 変換テーブル(記憶部の一部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報出力システム、情報出力装置、情報出力方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ドットパターンと地図とを記録した電子ペーパーと、ドットパターンを読み取ることで電子ペーパー上の位置情報を取得する電子ペンとを有する地図情報処理システムを開示する。そして、この地図情報処理システムは、電子ペーパー上のペーパー座標と電子地図の地理座標を対応づけるデータベースを使用することでペーパー座標を地理座標として取得することができる。
【0003】
【特許文献1】特開2004−294942号公報(特許請求の範囲など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1にあるように、印刷された地図中の地点を電子ペンにより選択するだけで、電子ペーパーにおける位置座標値を取得でき、またその位置座標値を地図中の地理座標値への変換が可能である。しかしながら、特許文献1に開示される技術によると、ユーザが電子ペンを用いて電子ペーパーにおける地図中のある目的地を設定する場合には、目的地設定ボックスをチェックして、電子ペンにより目的地を丸で囲む、タッチする等の処理を行なった後に、送信ボックスにチェックを入れるといった多くの操作が必要であり、ユーザが人間の感覚に沿った形でかつ容易に操作することができない。また、設定された目的地周辺の地図を拡大または縮小して見たい場合には、地図の縮尺を変更する操作が更に生じる。また、複数の地点の位置関係を知るために表示領域を拡大/縮小する場合においても、同様に縮尺を変更する操作が更に生じる。
【0005】
このように、単に電子ペンにより地図中の地理座標値へ変換できるようにするだけでは、ユーザが所望の地域を選択し、複数の地点間の表示範囲を拡大/縮小するなどの操作を人間の感覚に沿った形でかつ容易に行なうことができない。
【0006】
本発明は、表示範囲を拡大/縮小するなどの操作をユーザが人間の感覚に沿った形でかつ容易に行なうことができる情報出力システム,情報出力装置,情報出力方法およびプログラムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る情報出力システムは、印刷媒体中に記された位置を示す座標値に変換可能なパターンが印刷された印刷媒体と、パターンを読み取る読取部と、読み取ったパターンの印刷媒体中の位置を示す座標値を生成する生成部と、座標値と印刷媒体上に印刷された情報の位置座標値とを対応づけて記憶し、複数の座標値の中から所定の座標値を検出し、所定の座標値に対応した位置座標値へ変換し、変換した位置座標値に基づいて決定される領域を所定の表示範囲に合わせて拡大または縮小して表示する制御部と、を有するものである。
【0008】
本発明に係る情報出力システムは、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、読取部と生成部とを有する読取機器を備え、該読取機器はパターンを光学的に読み取る読取手段を備えるものである。
【0009】
本発明に係る情報出力システムは、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、印刷媒体は、パターンと共に地図が印刷された地図印刷媒体であり、制御部は、座標値と地図印刷媒体上に印刷された地図の位置座標値となる地理座標値とを対応づけて記憶する記憶部と、複数の座標値の中から所定の座標値を検出し、記憶部を参照して所定の座標値に対応した地理座標値へ変換する変換部と、変換された地理座標値に基づいて決定される地域を所定の表示範囲に合わせて拡大または縮小して表示する表示部と、を有するものである。
【0010】
本発明に係る情報出力システムは、上述した発明の各構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、制御部は、媒体座標を印刷媒体の1点を始点とし、横方向位置をXn、縦方向位置をYmとする座標とし、その座標値(Xn,Ym)を複数取得したときは、それらの座標値の中から横方向の最小値(Xmin)および最大値(Xmax)と縦方向の最小値(Ymin)および最大値(Ymax)を検出し、次の4点となる(Xmin,Ymin),(Xmin,Ymax),(Xmax,Ymin),(Xmax,Ymax)またはその4つの座標値のうち対角線2つに対応した地理座標値へ変換して、その変換された地理座標値をもとに四角形の領域を決定するものである。
【0011】
本発明に係る情報出力システムは、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、制御部は、地図印刷媒体上に印刷された地図に対応した縮尺が異なる複数の地図情報を有し、四角形の領域を表示部の所定の表示範囲に表示できるように複数の地図情報の中から適した縮尺の地図情報を選択するものである。
【0012】
本発明に係る情報出力システムは、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、制御部は、四角形の領域として指定された範囲と、所定の表示範囲の縦横比とが略一致しない場合には、指定された範囲全体が含まれると共に最も拡大されて表示される地図情報を複数の地図情報の中から選択するものである。
【0013】
本発明に係る情報処理装置は、印刷媒体中の位置を示す座標値と印刷媒体に印刷された情報の位置座標値とが対応づけられて記録された記憶部と、複数の座標値の中から所定の座標値を検出し、記憶部を参照して所定の座標値に対応した位置座標値へ変換する変換部と、変換した位置座標値に基づいて決定される領域を所定の表示範囲に合わせて拡大または縮小して表示する表示部と、を有するものである。
【0014】
本発明に係る情報処理装置は、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、印刷媒体は、印刷媒体中の位置を示す座標値へ変換可能なパターンと地図が印刷された地図印刷媒体であり、座標値と地図印刷媒体上に印刷された地図の位置座標値となる地理座標値とを対応づけて記憶する記憶部と、複数の座標値の中から所定の座標値を検出し、記憶部を参照して所定の座標値に対応した地理座標値へ変換する変換部と、変換部で変換された地理座標値に基づいて決定される地域を所定の表示範囲に合わせて拡大または縮小して表示する表示部と、を有するものである。
【0015】
本発明に係る情報処理装置は、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、変換部は、印刷媒体の1点を始点とし、横方向位置をXn、縦方向位置をYmとする座標とし、その座標値(Xn,Ym)を複数取得したときは、それらの座標値の中から横方向の最小値(Xmin)および最大値(Xmax)と縦方向の最小値(Ymin)および最大値(Ymax)を検出し、次の4点となる(Xmin,Ymin),(Xmin,Ymax),(Xmax,Ymin),(Xmax,Ymax)またはその4つの座標値のうち対角線2つに対応した地理座標値へ変換して、その変換された地理座標値をもとに四角形の領域を決定するものである。
【0016】
本発明に係る情報処理装置は、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、記憶部は、地図印刷媒体上に印刷された地図に対応した縮尺が異なる複数の地図情報を有し、変換部は、四角形の領域が表示部の所定の表示範囲に表示できるように複数の地図情報の中から適した縮尺の地図情報を選択するものである。
【0017】
本発明に係る情報処理装置は、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、変換部は、四角形の領域として指定された範囲と、所定の表示範囲の縦横比とが略一致しない場合には、指定された範囲全体が含まれると共に最も拡大されて表示される地図情報を複数の地図情報の中から選択するものである。
【0018】
本発明に係る情報出力方法は、印刷媒体に印刷されたパターンを読み取るステップと、読み取ったパターンから印刷媒体中の位置を示す座標値を得るステップと、複数の座標値から所定の座標値を検出し、所定の座標値に対応する印刷媒体に印刷された情報の位置座標値へ変換するステップと、変換した位置座標値に基づいて決定される領域を所定の表示範囲に合わせて拡大または縮小して表示するステップと、を有するものである。
【0019】
本発明に係る情報出力方法は、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、印刷媒体は、媒体中の位置を示す座標値へ変換可能なパターンと地図が印刷された地図印刷媒体であり、地図印刷媒体における座標値の1点を始点として、横方向位置をXn、縦方向位置をYmとする座標とし、その座標値(Xn,Ym)を複数取得したときに、それらの座標値の中から横方向の最小値(Xmin)および最大値(Xmax)と縦方向の最小値(Ymin)および最大値(Ymax)を検出するステップと、次の4点となる(Xmin,Ymin),(Xmin,Ymax),(Xmax,Ymin),(Xmax,Ymax)またはその4つの座標値のうち対角線2つに対応する地理座標値へ変換するステップと、変換した地理座標値をもとに四角形の領域を決定するステップと、四角形の領域を所定の表示範囲に合わせて拡大または縮小して表示するステップと、を有するものである。
【0020】
本発明に係る情報出力方法は、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、地図に対応した縮尺が異なる複数の地図情報を記録するステップと、四角形の領域が所定の表示範囲に出力できるように複数の地図情報の中から適した縮尺の地図情報を選択するステップと、を有するものである。
【0021】
本発明に係る情報出力方法は、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、四角形の領域として指定された範囲と、所定の表示範囲の縦横比とが略一致しない場合には、指定された範囲全体が含まれると共に最も拡大されて表示される地図情報を選択するステップと、を有するものである。
【0022】
本発明に係るプログラムは、コンピュータを上述した情報処理装置のいずれか1つとして機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0023】
本発明では、表示範囲を拡大/縮小するなどの操作をユーザが人間の感覚に沿った形でかつ容易に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態に係る情報出力システム,情報出力装置,情報出力方法およびプログラムついて図面に基づいて説明する。以下の説明では、情報出力システムは、ナビゲーションシステム1をその一例として説明する。情報出力装置は、ナビゲーションシステム1のナビゲーション装置50をその一例として説明する。
【0025】
図1は、本発明の実施の形態に係るナビゲーションシステム1(情報出力システム)全体の構成の一例を示す図である。この図1に示すように、ナビゲーションシステム1は、電子ペン10(読取機器)、地図帳30(印刷媒体/地図印刷媒体)およびナビゲーション装置50(情報処理装置)を主要な構成要素としている。
【0026】
図2は、図1に示す電子ペン10の外観の一例を示す図である。この図2に示すように、電子ペン10は、例えば、略円柱形状を有するハウジング21を有している。このハウジング21の底部の一部には、例えば、ボールペン先や万年筆先等の筆記部材によって構成されるペン先22が設けられている。ペン先22の一端は、ハウジング21の内部で、後述する筆圧センサ16(図3参照)に接触されている。ペン先22の近傍には、地図帳30に印刷された後述するドットパターン31(図6参照)を読み取るための赤外線LED(Light Emitting Diode)11と、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)カメラ12が設けられている。
【0027】
ハウジング21の側面部の下部(図2の下)には、読み取った情報をナビゲーション装置50に転送する際に操作されるボタン13が設けられている。ハウジング21の天部には、ナビゲーション装置50と通信するための図示外のアンテナが設けられている。なお、このアンテナは、後述する通信部20(図3参照)に接続されている。なお、ユーザは、電子ペン10のペン先22を地図帳30に接触させることで、地図帳30から紙面中の座標値を読み取ることができる。このとき、ペン先22による地図帳30上の軌跡は、赤外線LED11とCMOSカメラ12によって読み取られたドットパターン31(後述する地図帳30の紙面に印刷されているドットパターン)に基づいて取得することができる。なお、電子ペン10は、取得したこれらの情報に基づいて、ナビゲーション装置50の後述する液晶デバイス等からなる表示部52(図8参照)に表示させる領域を拡大/縮小することができる。
【0028】
続いて、電子ペン10(読取機器)の構成について図3を用いて説明する。図3は、図1に示す電子ペン10の構成例を示すブロック図である。この図3に示すように、電子ペン10は、赤外線LED11,CMOSカメラ12(読取手段),ボタン13,CPU(Central Processing Unit)15,筆圧センサ16,画像処理部17(生成部の一部),メモリ18,タイマ19,通信部20,座標生成部23,読取データ24を保存する読取テーブル25および図示外のバッテリなどを主要な構成要素としている。
【0029】
読取手段としてのCMOSカメラ12は、たとえば赤外線用のCCD(Charge Coupled Device)、またはCMOSセンサであり、赤外線のパターンデータを受光する。そして、その受光したパターンデータは、画像処理部17を介してCPU15へ周期的に出力される。なお、図3に示すように、赤外線LED11およびCMOSカメラ12は、電子ペン10のペン先22に向けて配設される。これにより、CMOSカメラ12は、赤外線LED12がペン先22に向けて照射した赤外線の地図帳30の紙面による反射光を受光し、そのペン先22付近のドットパターン31(図6参照)を周期的に読み取ることができる。
【0030】
筆圧センサ16は、例えば、印加される圧力に応じて抵抗値が変化する感圧センサ等によって構成され、ペン先22が地図帳30に接触されて所定の内容が書き込まれる際の筆圧を検出してCPU15に供給する。なお、ペン先22は、所定の内容を書き込むのではなく、所定の内容を単になぞるだけのペン先22としてもよい。
【0031】
画像処理部17は、CMOSカメラ12に入射した赤外線によるドットパターン31を抽出し、そのパターンデータをCPU15に供給する。
【0032】
メモリ18は、例えば、フラッシュメモリ等によって構成されており、CPU15が実行する基本的なプログラムを格納している。また、メモリ18は、CPU15が演算処理を実行する際に、演算途中のプログラムまたはデータを一時的に記憶する。
【0033】
タイマ19は、時刻情報を生成し、CPU15に供給する。なお、時刻ではなく、電子ペン10の電源が投入されてからの経過時間等を生成するようにしてもよい。
【0034】
通信部20は、例えば、ブルートゥース(Bluetooth)等の規格に基づいて、後述するナビゲーション装置50との間で、図示外のアンテナを介して情報を送受信する。なお、無線通信の代わりに、例えば、USB(Universal Serial Bus)等のケーブルを用いて、ナビゲーション装置50と有線接続し、情報を送受信するようにしてもよい。
【0035】
生成部としての座標生成部23は、CPU15から供給されたパターンデータを解析し、各パターンデータにコード化されている読取座標値を生成して、その読取座標値をCPU15に供給する。
【0036】
読取テーブル25は、複数の読取データ24が記録されているテーブルである。
※特にデータベース形式に対して言及する必要はないと判断しました。
→ご指摘の記載を削除しました。
【0037】
図4は、図3中の読取テーブル25のデータ構造の一例を示す説明図である。なお、図4に示すように読取データ24には、座標生成部23が生成した複数の読取座標値からなる筆跡データと、各読取座標値の読取時刻を示す複数の時刻情報とが含まれている。また、読取データ24には、その他に筆圧センサ16によって入手されたペン圧情報と、読取座標値および読取時刻情報とから形成された筆跡データとが含まれている。
【0038】
CPU15は、メモリ18に記憶される図示外のプログラムを読み込んで実行する。これにより、CPU15は、上述した画像処理部17、メモリ18、タイマ19、通信部20、生成部の一部としての座標生成部23、読取テーブル25などの機能を実現する。具体的には、CPU15は、筆圧センサ16で筆圧を検出した場合に、CMOSカメラ12で入射し、その後に画像処理部17で抽出したパターンデータを座標生成部23へ受け渡す。そして、CPU15は、座標生成部23から供給される読取座標置と、タイマ19から供給される時刻情報とを対応付けした読取データ24を複数生成する。更に、CPU15は、これら複数の読取データ24を読取テーブル25に記憶する。そして、CPU15は、ボタン13がユーザにより押下された時に、それまでに格納した複数の読取データ24を、読取テーブル25を参照して通信部20へ供給する。
【0039】
続いて、図1に示す電子ペン10のメモリ18に格納されているソフトウエアとしてのプログラムについて説明する。
【0040】
図5は、図1に示す電子ペン10のメモリ18に格納されているソフトウエアとしてのプログラム(不図示)がCPU15により実行された場合に、ハードウエアとしてのCPU15その他とソフトウエアとが協働することにより実現される処理モジュールの一例を示す図である。
【0041】
電子ペン10は、プログラムが実行された場合に実現される機能ブロック群としては、入力インタフェース61、読取データ生成モジュール62、読取データ記憶モジュール63、出力インタフェース64を主要な構成要素としている。入力インタフェース61は、上述したボタン13、筆圧センサ16、画像処理部17およびタイマ19から出力される情報を入力するインタフェースである。読取データ生成モジュール62は、上述した座標生成部23に対応するモジュールであり、読取データ24を生成する。読取データ生成モジュール62は、筆圧センサ16が筆圧を検出した場合(ペン先22を地図帳30に接触させた場合)には、画像処理部17から出力される位置情報(ドットパターン31から生成された情報)に対して、タイマ19から出力された時刻情報を対応付けして読取データ24を生成し、その読取データ24を読取データ記憶モジュール63へ渡す。読取データ記憶モジュール63は、読取データ生成モジュール62で生成した読取データ24をメモリ18に記憶する。また、読取データ生成モジュール62は、ボタン13が押下され、入力インタフェース61を介してその押下された信号(図示外)を受信した場合には、読取データ記憶モジュール63を介してメモリ18を参照して出力インタフェース64へ複数の読取データ24を出力する。出力インタフェース64は、複数の読取データ24を通信部20へ渡す。なお、読取データ記憶モジュール62によってメモリ18に記憶された複数の読取データ24は、上述した読取テーブル25に記憶されている複数の読取データ24それぞれに相当し、読取テーブル25の各行が1つの読取データ24に対応し、各読取データ24は、たとえば、地図帳30の所定のページの左上端を原点とするx,y座標値による位置情報と、時、分、秒による時刻情報とを有している。
【0042】
このような構成により電子ペン10(読取機器)は機能する。続いて、地図帳30(印刷媒体/地図印刷媒体)について図6を用いて説明する。
【0043】
図6は、図1に示す地図帳30の所定のページに印刷されたドットパターン31の詳細を説明する図である。この図6に示すように、地図帳30の各ページには、赤外線を透過させる通常のインクで地図情報が印刷されるとともに、赤外線を吸収するインクによりドットパターン31が印刷されている。上述した通り、電子ペン10は、ドットパターン31以外の部分で反射されてくる赤外線をCMOSカメラ12で受光してドットパターン31を認識する。そして、当該ドットパターン31を電子ペン10で読み取ることにより、紙面上における一意の座標値を得ることができる。このドットパターン31は、複数のドット32から構成され、図6の中央に拡大して示すように、0.3mm間隔で赤外線を吸収するインクによりドット32が印刷されている。これらのドット32は、図6中の右にさらに拡大して示すように、格子の中心から上下左右のいずれかの方向に所定量だけずれて印刷されている。6×6=36ドットが集まって、1つのドットパターン31を構成しており、1ドット32は4通りの組合せを有することから、1.8mm×1.8mmサイズの1つのドットパターン31には4の36乗通りの組合せが存在するため、同じドットパターン31を使用しないことで1つのドットパターン31を一意に識別することが可能となる。なお、複数のページのうち、どのページが指定されたかを知る方法としては、例えば、ドットパターン31にページに関する情報を記憶する方法がある。また、全てのページに対して同一の座標系の位置情報を記憶する方法もある。すなわち、全てのページを平面上に並べて大きな用紙とした場合に、この大きな用紙の左上隅が原点となるように座標系を設定することができる。なお、座標系の原点は左上以外にも中央や右上などの他の箇所としても勿論よい。
【0044】
図7は、図1に示す地図帳30の所定のページの一部の断面構造を示す図である。この図7に示すように、地図帳30のベースとなる紙本体30a上には、赤外線を吸収するドットインク30bによって、図6に示すドットパターン31が印刷されている。また、その上には、赤外線を透過する通常インク30cによって、地図情報が印刷されている。赤外線LED11から射出された赤外線のうち通常インク30cを透過して、ドットインク30bに照射された部分は吸収されてCMOSカメラ12には入射されない。また、通常インク30cを透過し、かつドットインク30bに照射されない光は、紙本体30aにより反射され、CMOSカメラ12に入射される。これにより、ドットパターン31に応じた赤外線画像がCMOSカメラ12に入射される。
【0045】
このように地図帳30(印刷媒体/地図印刷媒体)は、構成される。続いてナビゲーション装置50(情報処理装置)について図8を用いて説明する。
【0046】
図8は、図1に示すナビゲーション装置50の構成を示すブロック図である。図8に示すように、ナビゲーション装置50は、通信部51、等からなる表示部52、制御部53、タッチパネルなどの入力手段としての図示外の入力デバイス、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波を受信する図示外のGPS受信デバイス、これらが接続される図示外のシステムバスなどを主要な構成要素としている。また、制御部53は、CPU54、変換部55、受信データ56を保存するメモリ57、変換テーブル58を有する。ナビゲーション装置50は、例えば、自動車などの車両のセンターコンソールやダッシュボードなどに設置されるものである。ナビゲーション装置50は、ユーザが電子ペン10によって地図帳30のあるページで指定した範囲に関する情報(座標値)を受信し、その受信した情報を緯度経度情報(位置座標値/地理座標値)に変換し、当該緯度経度情報に基づいて拡大/縮小処理を行ない、表示部52に表示させることができる。
【0047】
通信部51は、ナビゲーション装置50の通信を管理する。通信部51は、電子ペン10の通信部20からデータを受信すると、そのデータをCPU54に供給する。CPU54は、供給されたデータをメモリ57に保存する。これにより、メモリ57には、受信データ56が記憶される。すなわち、ナビゲーション装置50の通信部51が、電子ペン10の通信部20から読取データ24を受信した場合、メモリ57には、読取データ24と同一内容の受信データ56が記憶されることになる。
【0048】
CPU54は、メモリ57に記憶される図示外のプログラムを読み込んで、ナビゲーション装置50の全体の動作を管理し、制御する。これにより、ナビゲーション装置50の通信部51、変換部55やその他の上述した各機能が実現される。そして、CPU54は、たとえば、入力デバイスや変換部55などから図示外の表示画面の切り替えコマンド信号(切り替え指示命令)などが供給されると、それを解釈して実行する。すなわち、CPU54は、その解釈に応じた表示画面のデータを選択して読み込み、読み込んだ表示画面を表示部52に表示させることができる。
【0049】
記憶部の一部としてのメモリ57は、例えば、フラッシュメモリ等によって構成されており、CPU54が実行する基本的なプログラムを格納している。また、メモリ57は、CPU54が演算処理を実行する際に、演算途中のプログラムまたはデータを一時的に記憶する。また、メモリ57は、受信データ56,変換テーブル58,図示外の地図帳30に対応した縮尺の異なる複数の地図情報などの各種のデータを記憶する。
【0050】
記憶部の一部としての変換テーブル58は、CPU54が通信部51で受信した受信データ56に含まれる座標値からその座標値に対応付けられている経度緯度情報へ変換するためのテーブルである。変換テーブル58は、たとえばRDBMS(Relational Database Manegement System)等の一部として構成される。
【0051】
図9は、図8中の変換テーブル58のデータ構造の一例を示す説明図である。記憶部の一部としての変換テーブル58は、地図帳30に印刷されるドットパターン31により得られる複数の座標値を有する。また、変換テーブル58において、各座標値には、その座標値がコード化されたドットパターン31と重ねて印刷される地図中の地点の緯度経度値(位置座標値/地理座標値)が対応付けられている。たとえば、図9に示すようにドットパターン31にコード化される座標値(x1,y1)には、北緯35度39分17秒および東経139度44分07秒の緯度経度値が対応付けられている。
【0052】
変換部55は、取得した紙面上の複数の座標値から所定の座標値を検出し、変換テーブル58を参照して所定の座標値に対応した緯度経度値へ変換し、変換した緯度経度値に基づいて表示部52に表示させる四角形の領域を決定する。また、変換部55は、その四角形の領域が表示部52の表示範囲に表示できるように複数の地図情報の中から適した縮尺の地図情報を選択する。更に変換部55は、四角形の領域として指定された範囲と、表示部52の表示範囲の縦横比とが略一致しない場合には、指定された範囲全体が含まれる地図情報を複数の地図情報の中から選択する。なお、上述した「所定の座標値」については、後述する動作説明の中で詳述する。
【0053】
続いて、ナビゲーション装置50のメモリ57に格納されているソフトウエアとしてのプログラムについて説明する。なお、以下の説明が請求項に記載したプログラムの一例に対応するものである。
【0054】
図10は、図1に示すナビゲーション装置50のメモリ57に格納されているソフトウエアとしてのプログラム(不図示)が実行された場合に、ハードウエアとしてのCPU54その他とソフトウエアとが協働することにより実現される処理モジュールの一例を示す図である。
【0055】
ナビゲーション装置50は、プログラムが実行された場合に実現される機能ブロック群としては、入力インタフェース71,データ変換モジュール72,緯度経度変換DB73,データ処理モジュール74および出力インタフェース75を主要な構成要素としている。入力インタフェース71は、上述した通信部51から出力される情報を入力するインタフェースである。データ変換モジュール72は、読取データ生成モジュール62で生成された読取データ24を取得し、緯度経度変換DB73を参照して、読取データ24を緯度経度情報に変換する。緯度経度変換DB73は、地図帳30に印刷されているドットパターン31から生成される紙面位置情報を、緯度経度情報に変換するためのデータベースである。データ処理モジュール74は、データ変換モジュール72から供給される、緯度経度情報から表示する領域を決定して出力インタフェース75へ値を渡す。出力インタフェース75は、データ処理モジュール74から出力される情報を、画像または文字情報について表示部としての表示部52に供給して表示させるための出力インタフェースである。
【0056】
(ナビゲーションシステム1の動作説明)
次に、以上の構成を有するナビゲーションシステム1の動作について説明する。なお、この以下の動作説明が、請求項に記載した情報出力方法の一例に対応するものである。
【0057】
図11は、地図帳30のページ30bと、ページ30b上にユーザが電子ペン10を用いてなぞった軌跡αを示した図である。以下の説明では、ユーザがナビゲーション装置50でスタート地点Sから立寄り地点Aを経由してゴール地点Gまでの経路探索を行なった結果が、表示部52にページ30bと同様の地域が全体表示されているものとする。そして、ユーザは電子ペン10を操作して、表示部52に表示された立寄り地点Aとその立寄り地点AのX軸方向の地域を拡大して表示部52に表示させたいと考え、軌跡αの通りになぞった場合を一例として説明する。なお、電子ペン10とナビゲーション装置50とが、相互に無線通信が可能であることを前提とし、ページ30b上の軌跡αは、図面11上では説明のために示しているが、実際にページ30bに描かれている訳ではない。ただし、ペン先22によって軌跡αを直接書き込むことができるときは、その限りではない。
【0058】
図12は、図1に示す電子ペン10が、図11に示す軌跡αの通りなぞった場合に実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【0059】
ユーザが電子ペン10を操作して、ページ30bを軌跡αの通りになぞると(START)、電子ペン10のCMOSカメラ12は、紙面により反射された赤外線を受光し、赤外線のパターンデータをCPU15へ出力する(ステップS100)。CPU15は、CMOSカメラ12で受光した赤外線のパターンデータから画像処理部22によってドットパターン31を抽出する(ステップS101)。そして、CPU15は、その抽出したドットパターン31を座標生成部23により解析させて、読取座標値を生成する(ステップS102)。CPU15は、この生成した読取座標値に、タイマ19で計測される現在時刻とを対応付けて、読取テーブル25に記憶する(ステップS103)。これにより、読取テーブル25には、ドットパターン31にコード化された座標値を有する読取データ24が記憶される。読取テーブル25に読取データ24が記憶された後に、ボタン13が押下されると(ステップS104でYES)、CPU15は、読取テーブル25を参照して、これらの読取データ24を通信部20へ送信データとして供給する(ステップS105)。通信部20は、供給された送信データを、無線通信によりナビゲーション装置50の通信部51へ送信して(ステップS106)、処理を終了する(END)。
【0060】
続いて、図13および図14を用いてナビゲーション装置50が上記の電子ペン10の処理後に実行される処理について説明する。
【0061】
図13は、図11に示す軌跡αによって求められた表示部52に表示される領域Eをページ30b上に概念的に示した図である。図14は、図1に示すナビゲーション装置50が、図12に示す処理が実行された後に実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【0062】
ナビゲーション装置50の通信部51は、電子ペン10の通信部20からデータを受信すると(START)、その受信したデータをメモリ57に記憶させる(ステップS110)。CPU54は、読取データ24が受信データ56としてメモリ57に記憶されると、変換部55によって段落0052で説明した「所定の座標値」を検出する処理を開始する。具体的には、変換部55は、読取データ24に含まれる複数の読取座標値(Xn,Ym)からX座標の最大値(Xmax)および最小値(Xmin)と、Y座標の最大値(Ymax)および最小値(Ymin)を検出する(ステップS111)。その後、それらの値からX座標とY座標をそれぞれ最小値となる点(Xmin,Ymin)と、それぞれ最大値となる点(Xmax,Ymax)を対角線の頂点とする四角形の領域を決定する(ステップS112)。すなわち次の4点である(Xmin,Ymin),(Xmin,Ymax),(Xmax,Ymin), (Xmax,Ymax)の各点を頂点とする四角形の領域を決定する。
【0063】
本実施の形態では図13に示すように座標点T1は、X軸およびY軸で示される各座標値それぞれが最小値となる座標値(Xmin,Ymin)の組合せであり、座標点T2は、それぞれ最大値となる座標値(Xmax,Ymax)の組合せであると検出される。その結果、ナビゲーション装置50の変換部55は、これらの座標点T1(Xmin,Ymin)と座標点T2(Xmax,Ymax)を対角線とする四角形の領域Eとして決定する。すなわち、変換部55は、上述した処理により当該四角形の各頂点に対応する座標値を求める(ステップS112)。
【0064】
具体的には、図13に示すように変換部54は、座標点T1(Xmin,Ymin)および座標点T2(Xmax,Ymax)から、座標点T3(Xmax,Ymin),座標点T4(Xmin,Ymax)を求めて、四角形の領域Eを決定する。そして、変換部55は、これらの求めた座標値をそれぞれ緯度経度値へ変換する(ステップS113)。この変換処理では、4地点の変換処理ではなく、対角線上の2地点である座標値(Xmin,Ymin)と座標値(Xmax,Ymax)が変換される。これは、この2地点を変換すれば地図上の対応する四角形の領域も把握でき、表示できるためである。変換部55は、変換テーブル58を参照して、これらの2地点の座標値に対応付けられている緯度経度値を取得する。そして、変換部55は、求めた緯度経度値により表示する四角形の領域Eが、表示部52の表示領域52aのサイズ内に入り、かつ最も大きく表示できるようにメモリ57を参照してその表示に適した縮尺の地図情報を選択する(ステップS114)。その後、CPU54は、選択された縮尺の地図情報を表示部52の表示領域52aに表示して(ステップS115)、処理を終了する(END)。
【0065】
なお、変換部55は、電子ペン10にて決定した四角形の領域Eの縦横比と、表示部52の表示領域52aの縦横比とが略一致しない場合も、電子ペン10によって得られた四角形の領域Eが必ず含まれるように地図情報の縮尺を決定する。たとえば、四角形の領域Eの縦横比は3:4であり、表示部52の表示領域52aの縦横比が4:3である場合には、四角形の領域Eの縦方向がちょうど表示できる縮尺を設定する。この結果、表示部52の表示領域52aには、図15に示すように四角形の領域Eの横方向に拡大している部分が表示されることとなる。
【0066】
図16は、図14のフローチャートの変形例を示す図である。この図16のフローチャートは、表示部52の表示領域52aに表示される地図の縮尺が、段階的にしか表示できない場合におけるフローチャートを示している。なお、図16に示すフローチャートにおいて、図14で示したステップS110,S111,S112についてはそれぞれ図16で示すステップS120,S121,S122に対応し、同一の処理であるため、説明を省略する。
【0067】
また、図14の例におけるステップS113では、2つの頂点の座標値を緯度経度情報に変換したが、この例におけるステップS123では、4つの頂点の座標値を緯度経度情報に変換している。その後、変換部55は四角形の領域E全体が表示される縮尺の地図情報を抽出する。その結果、縮尺の異なる複数の地図情報が抽出された場合は、その複数の地図情報の中から四角形の領域Eが最も拡大して表示される地図情報を選択する(ステップ124)。
【0068】
その後、変換部55は、四角形の領域Eを含む選択された縮尺の地図情報の縦横比と、表示部52の表示領域52aの縦横比とが略一致するか否かを判定する(ステップS125)。変換部55は、四角形の領域Eを含む選択された縮尺の地図情報の縦横比と表示部52の表示領域52aの縦横比とが略一致しない場合には(ステップS125でNO)、ステップS124に戻って、1段階縮尺が大きい地図情報を選択する。変換部55は、四角形の領域Eを含む選択された縮尺の地図情報の縦横比と、表示部52の表示部領域52a領域の縦横比とが略一致する場合(または表示部52の表示領域52a内に領域Eが表示させることができる場合)には、その縮尺の地図情報をCPU53に供給する。CPU53は、供給された地図情報を表示部52の表示領域52aに表示して(ステップS116)、処理を終了する(END)。
【0069】
以上のように、この実施の形態によれば、ユーザは地図帳30の紙面上を電子ペン10によって所望の地点を囲み、ボタン13を押下するだけで、ナビゲーション装置50の表示部52に当該囲んだ領域を拡大して表示させることができる。なお、表示部52に表示されている領域を縮小する場合には(たとえば、ユーザが現在表示している地域を含むより広範な地域を見たい場合など)、電子ペン10で地図帳30の該当ページを表示部52に表示されている領域より大きく囲んで、ボタン13を押下することによって、ナビゲーション装置50の表示部52に当該囲んだ領域が表示されるため、現在表示されている地域を縮小して表示させることができる。したがって、ユーザは、電子ペン10で所望の地域を囲むようになぞり、ボタン13を押下するだけで、当該部分を表示部52に拡大/縮小して表示させることができる。
【0070】
以上の実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形や変更が可能である。
【0071】
たとえば、上記実施の形態では、図12のフローチャートにおいて電子ペン10からナビゲーション装置50にデータを送信するためには、ボタン13を押下している。この他にもたとえば、CPU15が読取データ24の更新有無を読取テーブル25に定期的に問い合わせて、新しい読取データ24がある場合には通信部20を用いてナビゲーション装置50にデータを送信するようにしてもよい。このような設定にすることで、ユーザは、ボタン13を押下しなくても、電子ペン10で所望の地域を囲むだけで、当該部分を表示部52に拡大/縮小して表示させることができるため、より簡単に利用することができる。
【0072】
また、上記実施の形態では、図11に示した軌跡αは略楕円状となる軌跡を描いた場合を一例として説明している。この他にもたとえば、丸のほかに四角形、三角形などの他の形状となる軌跡としてもよい。更に、この軌跡がたとえば図17に示すようにスタート地点S付近と立寄り地点A付近を直線状に結ぶ軌跡β1や、図18に示すように上記拡大処理の後に再びスタート地点Sからゴール地点Gの経路探索のルート上をなぞる軌跡β2であってもよい。すなわち、所定の座標値は、電子ペン10で読み取った座標値からX座標の最小値/最大値とY座標の最小値/最大値を検出して、表示領域を決定するものであるから、必ずしもユーザは、電子ペン10で表示したい領域を略楕円状などで囲む必要はない。また、電子ペン10で2点(対角線上の2点)または左右上下の4点を指示して、その地点の座標値を読み取ることで縮小/拡大を行なわせてもよい。その場合には、その2点または4点の座標値を(Xmin),(Xmax),(Ymax),(Ymin)を検出することになる。
【0073】
また、上記実施の形態では、図16に示した処理のフローチャートにおいて、「所定の座標値」を求めてから地理座標値への変換を行なっている。この他にもたとえば、既に地理座標値に変換したデータから、「所定の座標値」を求めてもよい。具体的には、変換テーブル58が、電子ペン10に機能として内蔵されている場合には、電子ペン10から地理座標値としての緯度経度情報が送信されてくるため、変換部55は、その情報のなかから「所定の座標値」を求めることができる。なお、その場合には変換部55は、緯度情報の最大値/最小値と経度情報の最大値/最小値を求めることになる。
【0074】
また、上記実施の形態では、紙面中の位置を示す座標値は、ドットパターン31としてコード化されている。この他にもたとえば、紙面中の位置を示す座標値は、QR(Quick Response)コード、バーコードなどとしてコード化されていてもよい。また、これら電子ペン10で読取可能なパターンには、複数枚の地図において共通する1つの座標系での座標値がコード化されていてもよい。
【0075】
また、上記実施の形態では、地図帳30に印刷されたドットパターン31は、電子ペン10により読み取られている。この他にもたとえば、地図帳30に印刷されたパターンは、カメラ付きの携帯電話端末や携帯情報端末などで読み取るようにしてもよい。
【0076】
また、上記実施の形態では、変換テーブル58、ナビゲーション装置50のメモリ57に記憶され、変換部55は、ナビゲーション装置50において実現されている。この他にもたとえば、電子ペン10、携帯電話端末、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、あるいはナビゲーション装置50と通信可能な別体のユニットなどに設けられていてもよい。また、携帯電話端末、携帯情報端末、パーソナルコンピュータなどは、電子ペン10の機能を兼ね備えるものであってもよい。
【0077】
また、上記実施の形態に係る読取機器としては、赤外線を使用した電子ペン10を用いている。この他にもたとえば、超音波、紫外線、磁気などのいずれかを使用する機器を用いるものであってもよい。
【0078】
また、上記実施の形態に係る地図帳30の各ページには、6×6=36ドットが集まって、1つのドットパターン31を構成しているものとしている。この他にもたとえば、8×8=64ドットなどの他のドット数が集まって、1つのドットパターン31を構成するようにしてもよい。また、ドット自体の形状を、単一の形状とせず、複数の異なるドットを使用することにより、ドットパターン31を更に増やしてもよい。また、光学パターンだけでなく、磁気パターン等としてもよい。
【0079】
また、上記実施の形態に係る印刷媒体としては紙を用いている。この他にもドットパターン31が判別可能であれば、たとえば、セルロイド樹脂などの樹脂材,金属材など他の印刷媒体としてもよい。
【0080】
また、上記実施の形態では、あらかじめ上述した電子ペン10のメモリ18とナビゲーション装置50のメモリ57にプログラムが記録されている。この他にもたとえば、これらのプログラムが、これらの機器の出荷前にメモリ18,57に記憶されたものであっても、これらの機器の出荷後にメモリ18,57に記憶されたものであってもよい。また、メモリ18,57に記憶されるプログラムの一部が、これらの機器の出荷後に記憶されたものであってもよい。このように出荷後にメモリ18,57に記憶されるプログラムは、たとえばCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)や半導体メモリなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶されているものをインストールしたものであっても、インターネットなどの伝送媒体を介してサーバ装置などからダウンロードしたものであってもよい。また、これらのプログラムの一部あるいは全部が、CPU53以外のたとえばHDDなどの外部記憶デバイスや、ナビゲーション装置50と着脱可能なたとえばメモリカードやCD−ROMに記憶されていてもよい。特に、変換テーブル58は、地図帳30の印刷内容と密接に関連するデータを有するので、ナビゲーション装置50から着脱可能なメモリカードに記憶され、地図帳30とともにユーザへ提供されるようにするとよい。これにより、ナビゲーション装置50は、各地図帳30などに対応するメモリカードが交換して装着されることで、複数の地図帳30などに対応することができる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、ナビゲーションシステム1などにおいて、所望の地点を含む表示領域の拡大/縮小操作を行なうために利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の実施の形態に係るナビゲーションシステム(情報出力システム)全体の構成の一例を示す図である。
【図2】図1に示す電子ペンの外観の一例を示す図である。
【図3】図1に示す電子ペンの主要な構成を示すブロック図である。
【図4】図3中の読取テーブルのデータ構造の一例を示す説明図である。
【図5】図1に示す電子ペンのメモリに格納されているソフトウエアとしてのプログラムがCPUにより実行された場合に、ハードウエアとしてのCPUその他とソフトウエアとが協働することにより実現される処理モジュールの一例を示す図である。
【図6】図1に示す地図帳の所定のページに印刷されたドットパターンの詳細を説明する図である。
【図7】図1に示す地図帳の所定のページの一部の断面構造を示す図である。
【図8】図1に示すナビゲーション装置の主要な構成を示すブロック図である。
【図9】図8中の変換テーブルのデータ構造の一例を示す説明図である。
【図10】図1に示すナビゲーション装置のメモリに格納されているソフトウエアとしてのプログラムが実行された場合に、ハードウエアとしてのCPUその他とソフトウエアとが協働することにより実現される処理モジュールの一例を示す図である。
【図11】地図帳のページと、ページ上にユーザが電子ペンを用いてなぞった軌跡を示した図である。
【図12】図1に示す電子ペンが、図11に示す軌跡の通りなぞった場合に実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】図11に示す軌跡によって求められた表示部に表示される領域をページ上に概念的に示した図である。
【図14】図1に示すナビゲーション装置が、図12に示す処理が実行された後に実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】図14に示すフローチャートが実行された結果、表示部に表示される地図を示す図である。
【図16】図1に示すナビゲーション装置が、図12に示す処理が実行された後に実行される他の処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】図1に示すナビゲーションシステム1において使用される地図帳のページと、ページ上にユーザが電子ペンを用いてなぞった他の軌跡を示した図である。
【図18】図1に示すナビゲーションシステム1において使用される地図帳のページと、ページ上にユーザが電子ペンを用いてなぞった他の軌跡を示した図である。
【符号の説明】
【0083】
1 ナビゲーションシステム(情報出力システム)、10 電子ペン(読取機器)、11 赤外線LED、12 CMOSカメラ(読取手段)、22 画像処理部(生成部の一部)、23 座標生成部(生成部の一部)、30 地図帳(印刷媒体/地図印刷媒体)、31 ドットパターン(座標値に変換可能なパターン)、50 ナビゲーション装置(情報処理装置)、52 表示部、53 制御部、54 変換部、56 メモリ(記憶部の一部)、58 変換テーブル(記憶部の一部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体中に記された位置を示す座標値に変換可能なパターンが印刷された印刷媒体と、
上記パターンを読み取る読取部と、
読み取った上記パターンの印刷媒体中の位置を示す座標値を生成する生成部と、
上記座標値と上記印刷媒体上に印刷された情報の位置座標値とを対応づけて記憶し、上記座標値の中から所定の座標値を検出し、上記所定の座標値に対応した上記位置座標値へ変換し、上記変換した位置座標値に基づいて決定される領域を所定の表示範囲に合わせて拡大または縮小して表示する制御部と、
を有することを特徴とする情報出力システム。
【請求項2】
前記読取部と前記生成部とを有する読取機器を備え、該読取機器は前記パターンを光学的に読み取る読取手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報出力システム。
【請求項3】
前記印刷媒体は、前記パターンと共に地図が印刷された地図印刷媒体であり、
前記制御部は、
前記座標値と上記地図印刷媒体上に印刷された地図の前記位置座標値となる地理座標値とを対応づけて記憶する記憶部と、
前記複数の座標値の中から所定の座標値を検出し、上記記憶部を参照して上記所定の座標値に対応した地理座標値へ変換する変換部と、
変換された上記地理座標値に基づいて決定される地域を所定の表示範囲に合わせて拡大または縮小して表示する表示部と、
を有することを特徴とする請求項1または2に記載の情報出力システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記座標を前記印刷媒体の1点を始点とし、横方向位置をXn、縦方向位置をYmとする座標とし、その座標値(Xn,Ym)を複数取得したときは、それらの座標値の中から横方向の最小値(Xmin)および最大値(Xmax)と縦方向の最小値(Ymin)および最大値(Ymax)を検出し、次の4点となる(Xmin,Ymin),(Xmin,Ymax),(Xmax,Ymin),(Xmax,Ymax)またはその4つの座標値のうち対角線2つに対応した地理座標値へ変換して、その変換された地理座標値をもとに四角形の領域を決定することを特徴とする請求項3に記載の情報出力システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記地図印刷媒体上に印刷された地図に対応した縮尺が異なる複数の地図情報を有し、
前記四角形の領域を前記表示部の所定の表示範囲に表示できるように上記複数の地図情報の中から適した縮尺の地図情報を選択することを特徴とする請求項4に記載の情報出力システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記四角形の領域として指定された範囲と、前記所定の表示範囲の縦横比とが略一致しない場合には、上記指定された範囲全体が含まれると共に最も拡大されて表示される地図情報を前記複数の地図情報の中から選択することを特徴とする請求項5に記載の情報出力システム。
【請求項7】
印刷媒体中の位置を示す座標値と上記印刷媒体に印刷された情報の位置座標値とが対応づけられて記録された記憶部と、
所定の座標値を検出し、上記記憶部を参照して上記所定の座標値に対応した上記位置座標値へ変換する変換部と、
変換した上記位置座標値に基づいて決定される領域を所定の表示範囲に合わせて拡大または縮小して表示する表示部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
前記印刷媒体は、印刷媒体中の位置を示す座標値に変換可能なパターンと地図が印刷された地図印刷媒体であり、
前記記憶部は、前記座標値と上記地図印刷媒体上に印刷された地図の前記位置座標値となる地理座標値とを対応づけて記憶し、
前記変換部は、所定の座標値を検出し、上記記憶部を参照して上記所定の座標値に対応した地理座標値へ変換し、
前記表示部は、上記変換部で変換された地理座標値に基づいて決定される地域を所定の表示範囲に合わせて拡大または縮小して表示することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記変換部は、前記座標を前記印刷媒体の1点を始点とし、横方向位置をXn、縦方向位置をYmとする座標とし、その座標値(Xn,Ym)を複数取得したときは、それらの座標値の中から横方向の最小値(Xmin)および最大値(Xmax)と縦方向の最小値(Ymin)および最大値(Ymax)を検出し、次の4点となる(Xmin,Ymin),(Xmin,Ymax),(Xmax,Ymin),(Xmax,Ymax)またはその4つの座標値のうち対角線2つに対応した地理座標値へ変換して、その変換された地理座標値をもとに四角形の領域を決定することを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記記憶部は、前記地図印刷媒体上に印刷された地図に対応した縮尺が異なる複数の地図情報を有し、
前記変換部は、前記四角形の領域が前記表示部の所定の表示範囲に表示できるように上記複数の地図情報の中から適した縮尺の地図情報を選択することを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記変換部は、前記四角形の領域として指定された範囲と、前記所定の表示範囲の縦横比とが略一致しない場合には、上記指定された範囲全体が含まれると共に最も拡大されて表示される地図情報を前記複数の地図情報の中から選択することを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
印刷媒体に印刷されたパターンを読み取るステップと、
読み取った上記パターンから上記印刷媒体中の位置を示す座標値を得るステップと、
上記座標値から所定の座標値を検出し、上記所定の座標値に対応する上記印刷媒体に印刷された情報の位置座標値へ変換するステップと、
上記変換した位置座標値に基づいて決定される領域を所定の表示範囲に合わせて拡大または縮小して表示するステップと、
を有することを特徴とする情報出力方法。
【請求項13】
前記印刷媒体は、媒体中の位置を示す座標値に変換可能なパターンと地図が印刷された地図印刷媒体であり、
上記地図印刷媒体における座標値の1点を始点として、横方向位置をXn、縦方向位置をYmとする座標とし、その座標値(Xn,Ym)を複数取得したときに、それらの座標値の中から横方向の最小値(Xmin)および最大値(Xmax)と縦方向の最小値(Ymin)および最大値(Ymax)を検出するステップと、
次の4点となる(Xmin,Ymin),(Xmin,Ymax),(Xmax,Ymin),(Xmax,Ymax)またはその4つの座標値のうち対角線2つに対応する地理座標値へ変換するステップと、
上記変換した地理座標値をもとに四角形の領域を決定するステップと、
上記四角形の領域を所定の表示範囲に合わせて拡大または縮小して表示するステップと、
を有することを特徴とする請求項12に記載の情報出力方法。
【請求項14】
前記地図に対応した縮尺が異なる複数の地図情報を記録するステップと、
前記四角形の領域が所定の表示範囲に出力できるように上記複数の地図情報の中から適した縮尺の地図情報を選択するステップと、
を有することを特徴とする請求項13に記載の情報出力方法。
【請求項15】
前記四角形の領域として指定された範囲と、前記所定の表示範囲の縦横比とが略一致しない場合には、上記指定された範囲全体が含まれると共に最も拡大されて表示される地図情報を選択するステップと、を有することを特徴とする請求項14に記載の情報出力方法。
【請求項16】
コンピュータを前記請求項7から請求項11のいずれか1項に記載の情報処理装置として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
印刷媒体中に記された位置を示す座標値に変換可能なパターンが印刷された印刷媒体と、
上記パターンを読み取る読取部と、
読み取った上記パターンの印刷媒体中の位置を示す座標値を生成する生成部と、
上記座標値と上記印刷媒体上に印刷された情報の位置座標値とを対応づけて記憶し、上記座標値の中から所定の座標値を検出し、上記所定の座標値に対応した上記位置座標値へ変換し、上記変換した位置座標値に基づいて決定される領域を所定の表示範囲に合わせて拡大または縮小して表示する制御部と、
を有することを特徴とする情報出力システム。
【請求項2】
前記読取部と前記生成部とを有する読取機器を備え、該読取機器は前記パターンを光学的に読み取る読取手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報出力システム。
【請求項3】
前記印刷媒体は、前記パターンと共に地図が印刷された地図印刷媒体であり、
前記制御部は、
前記座標値と上記地図印刷媒体上に印刷された地図の前記位置座標値となる地理座標値とを対応づけて記憶する記憶部と、
前記複数の座標値の中から所定の座標値を検出し、上記記憶部を参照して上記所定の座標値に対応した地理座標値へ変換する変換部と、
変換された上記地理座標値に基づいて決定される地域を所定の表示範囲に合わせて拡大または縮小して表示する表示部と、
を有することを特徴とする請求項1または2に記載の情報出力システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記座標を前記印刷媒体の1点を始点とし、横方向位置をXn、縦方向位置をYmとする座標とし、その座標値(Xn,Ym)を複数取得したときは、それらの座標値の中から横方向の最小値(Xmin)および最大値(Xmax)と縦方向の最小値(Ymin)および最大値(Ymax)を検出し、次の4点となる(Xmin,Ymin),(Xmin,Ymax),(Xmax,Ymin),(Xmax,Ymax)またはその4つの座標値のうち対角線2つに対応した地理座標値へ変換して、その変換された地理座標値をもとに四角形の領域を決定することを特徴とする請求項3に記載の情報出力システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記地図印刷媒体上に印刷された地図に対応した縮尺が異なる複数の地図情報を有し、
前記四角形の領域を前記表示部の所定の表示範囲に表示できるように上記複数の地図情報の中から適した縮尺の地図情報を選択することを特徴とする請求項4に記載の情報出力システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記四角形の領域として指定された範囲と、前記所定の表示範囲の縦横比とが略一致しない場合には、上記指定された範囲全体が含まれると共に最も拡大されて表示される地図情報を前記複数の地図情報の中から選択することを特徴とする請求項5に記載の情報出力システム。
【請求項7】
印刷媒体中の位置を示す座標値と上記印刷媒体に印刷された情報の位置座標値とが対応づけられて記録された記憶部と、
所定の座標値を検出し、上記記憶部を参照して上記所定の座標値に対応した上記位置座標値へ変換する変換部と、
変換した上記位置座標値に基づいて決定される領域を所定の表示範囲に合わせて拡大または縮小して表示する表示部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
前記印刷媒体は、印刷媒体中の位置を示す座標値に変換可能なパターンと地図が印刷された地図印刷媒体であり、
前記記憶部は、前記座標値と上記地図印刷媒体上に印刷された地図の前記位置座標値となる地理座標値とを対応づけて記憶し、
前記変換部は、所定の座標値を検出し、上記記憶部を参照して上記所定の座標値に対応した地理座標値へ変換し、
前記表示部は、上記変換部で変換された地理座標値に基づいて決定される地域を所定の表示範囲に合わせて拡大または縮小して表示することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記変換部は、前記座標を前記印刷媒体の1点を始点とし、横方向位置をXn、縦方向位置をYmとする座標とし、その座標値(Xn,Ym)を複数取得したときは、それらの座標値の中から横方向の最小値(Xmin)および最大値(Xmax)と縦方向の最小値(Ymin)および最大値(Ymax)を検出し、次の4点となる(Xmin,Ymin),(Xmin,Ymax),(Xmax,Ymin),(Xmax,Ymax)またはその4つの座標値のうち対角線2つに対応した地理座標値へ変換して、その変換された地理座標値をもとに四角形の領域を決定することを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記記憶部は、前記地図印刷媒体上に印刷された地図に対応した縮尺が異なる複数の地図情報を有し、
前記変換部は、前記四角形の領域が前記表示部の所定の表示範囲に表示できるように上記複数の地図情報の中から適した縮尺の地図情報を選択することを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記変換部は、前記四角形の領域として指定された範囲と、前記所定の表示範囲の縦横比とが略一致しない場合には、上記指定された範囲全体が含まれると共に最も拡大されて表示される地図情報を前記複数の地図情報の中から選択することを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
印刷媒体に印刷されたパターンを読み取るステップと、
読み取った上記パターンから上記印刷媒体中の位置を示す座標値を得るステップと、
上記座標値から所定の座標値を検出し、上記所定の座標値に対応する上記印刷媒体に印刷された情報の位置座標値へ変換するステップと、
上記変換した位置座標値に基づいて決定される領域を所定の表示範囲に合わせて拡大または縮小して表示するステップと、
を有することを特徴とする情報出力方法。
【請求項13】
前記印刷媒体は、媒体中の位置を示す座標値に変換可能なパターンと地図が印刷された地図印刷媒体であり、
上記地図印刷媒体における座標値の1点を始点として、横方向位置をXn、縦方向位置をYmとする座標とし、その座標値(Xn,Ym)を複数取得したときに、それらの座標値の中から横方向の最小値(Xmin)および最大値(Xmax)と縦方向の最小値(Ymin)および最大値(Ymax)を検出するステップと、
次の4点となる(Xmin,Ymin),(Xmin,Ymax),(Xmax,Ymin),(Xmax,Ymax)またはその4つの座標値のうち対角線2つに対応する地理座標値へ変換するステップと、
上記変換した地理座標値をもとに四角形の領域を決定するステップと、
上記四角形の領域を所定の表示範囲に合わせて拡大または縮小して表示するステップと、
を有することを特徴とする請求項12に記載の情報出力方法。
【請求項14】
前記地図に対応した縮尺が異なる複数の地図情報を記録するステップと、
前記四角形の領域が所定の表示範囲に出力できるように上記複数の地図情報の中から適した縮尺の地図情報を選択するステップと、
を有することを特徴とする請求項13に記載の情報出力方法。
【請求項15】
前記四角形の領域として指定された範囲と、前記所定の表示範囲の縦横比とが略一致しない場合には、上記指定された範囲全体が含まれると共に最も拡大されて表示される地図情報を選択するステップと、を有することを特徴とする請求項14に記載の情報出力方法。
【請求項16】
コンピュータを前記請求項7から請求項11のいずれか1項に記載の情報処理装置として機能させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2009−217678(P2009−217678A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−62335(P2008−62335)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】
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