説明

情報出力装置、情報出力方法、情報出力プログラムおよび記録媒体

【課題】地図情報内の所定範囲のエリアに関連付けられた案内情報を、利用者の、そのエリアに関する情報の精通度に応じて生成し、出力すること。
【解決手段】位置取得部102によって利用者の現在位置に関する情報を取得し、地点設定部103によって現在位置を設定地点として設定する。そして、設定地点から、方向予測部105によって予測された進行方向に向かった方向の所定範囲を、範囲設定部106によって設定範囲として設定する。また、利用者情報取得部107によって取得された利用者に関する情報から、回数抽出部108または距離抽出部109によって、利用者が設定範囲のエリア内を過去に移動した移動回数や総移動距離を抽出する。そして、判断部111によって判断された、利用者の、設定範囲のエリアに関する情報の精通度に基づいて、設定範囲のエリアに関連付けられた案内情報を生成し、出力部113によって出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地図情報内の案内地点に関する情報を出力する情報出力装置、情報出力方法、情報出力プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の現在位置に対応した地図情報を表示する際に、利用者によってあらかじめ選定された検索条件に応じて、施設サービス情報や文化情報などの案内情報を表示する情報表示装置が提案されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−174279号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1の技術では、たとえば利用者が過去に何度も走行した地域など、利用者が地域に関する情報に精通していても、利用者が地域に関する情報に精通していない、利用者が初めて走行するような地域と同様に、あらかじめ選定された検索条件に応じて案内情報が表示される。このため、何度も走行する地域では、その地域を走行する度に同じ案内情報が表示されるため、煩わしいという問題が挙げられる。
【0005】
また、利用者が精通している地域に合わせて、あらかじめ選定する検索条件を低くすることも考えられるが、この場合、初めて走行する地域など、利用者が地域に関する情報に精通していなくても、表示される案内情報が減ってしまう。このため、利用者の所望する案内情報が表示されない可能性があるという問題が挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる情報出力装置は、利用者に関する情報を取得する利用者情報取得手段と、前記利用者に関する情報に基づいて、当該利用者の、地図情報における所定範囲のエリアに関する情報の精通度を判断する判断手段と、前記精通度に基づいて、前記エリアに関連付けられた案内情報を生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された前記案内情報を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、請求項17の発明にかかる情報出力方法は、利用者に関する情報を取得する利用者情報取得工程と、前記利用者に関する情報に基づいて、当該利用者の、地図情報における所定範囲のエリアに関する情報の精通度を判断する判断工程と、前記精通度に基づいて、前記エリアに関連付けられた案内情報を生成する生成工程と、前記生成工程によって生成された前記案内情報を出力する出力工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、請求項18の発明にかかる情報出力プログラムは、請求項17に記載の情報出力方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0009】
また、請求項19の発明にかかる記録媒体は、請求項18に記載の情報出力プログラムをコンピュータに読み取り可能な状態で記録したことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報出力装置、情報出力方法、情報出力プログラムおよび記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態)
(情報出力装置の機能的構成)
まず、この発明の実施の形態にかかる情報出力装置100の機能的構成について説明する。図1は、本実施の形態にかかる情報出力装置の機能的構成を示すブロック図である。
【0012】
図1において、情報出力装置100は、記憶部101と、位置取得部102と、地点設定部103と、経路設定部104と、方向予測部105と、範囲設定部106と、利用者情報取得部107と、回数抽出部108と、距離抽出部109と、属性抽出部110と、判断部111と、生成部112と、出力部113と、を備えている。
【0013】
記憶部101は、地図情報が記憶されている。地図情報は、ノードおよびリンクからなる道路ネットワークデータと、施設や道路その他地形(山、川、土地)に関するフィーチャを用いて描画される画像データとを含んでいる。地図情報は、文字情報、施設の名称や住所などの情報、道路や施設の画像などを含んでいてもよい。また、記憶部101には、利用者が過去に移動した移動履歴に関する情報が記憶されている。移動履歴に関する情報は、過去に利用者が訪問した地点に関する情報や各地点の属性が含まれていてもよい。なお、記憶部101は、情報出力装置100と同体でもよいし、別体でもよい。また、記憶部101は、情報出力装置100とネットワークを介して接続されるサーバなどでもよい。
【0014】
位置取得部102は、利用者の現在位置に関する情報を取得する。具体的には、利用者の現在位置に関する情報は、たとえば、利用者の搭乗する車両に備えられたGPSユニットや加速度センサなどによって取得される。
【0015】
地点設定部103は、地図情報内の任意の地点を設定する。地点設定部103は、たとえば利用者からの操作の入力を受け付けることで地図情報内の任意の地点を設定してもよいし、利用者の現在位置を設定地点として設定してもよい。
【0016】
経路設定部104は、目的地点までの誘導経路を設定する。経路設定部104は、たとえば、利用者の現在位置に関する情報と、利用者によって設定された目的地点の位置情報と、に基づいて、目的地点までの誘導経路を設定する。
【0017】
方向予測部105は、利用者が進行する進行方向を予測する。方向予測部105は、たとえば、地点設定部103によって設定された地点(以下、設定地点とする)から、経路設定部104によって経路の設定された目的地点に向かった方向を進行方向であると予測する。また、方向予測部105は、一の設定地点と、一の設定地点の前に設定された設定地点と、の差分に基づいて、進行方向を予測する。この場合、たとえば、一の設定地点の前に設定された設定地点から、一の設定地点に向かった方向を進行方向であると予測する。
【0018】
範囲設定部106は、地図情報内の任意の範囲を設定する。範囲設定部106は、たとえば設定地点から所定範囲を設定範囲とする。具体的には、範囲設定部106は、設定地点から進行方向に向かった方向の所定範囲を設定範囲として設定する。所定範囲は、設定地点から進行方向に対して所定角度の範囲である。また、所定範囲は、設定地点から所定距離までの範囲でもよい。これらの所定範囲は、たとえばあらかじめ利用者からの操作の入力を受け付けることで設定される。
【0019】
利用者情報取得部107は、利用者に関する情報を取得する。利用者に関する情報は、たとえば記憶部101に記憶された移動履歴に関する情報である。また、利用者情報取得部107は、たとえば利用者によって入力された利用者の出身地域や利用者の自宅が含まれる地域に関する情報を取得してもよい。
【0020】
回数抽出部108は、移動履歴に関する情報から、利用者がエリア内を過去に移動した移動回数を抽出する。ここで、エリアは、たとえば地図情報内における、設定地点から所定範囲までの地域であり、設定地点が移動することで、エリアも移動する。また、距離抽出部109は、移動履歴に関する情報から、利用者がエリア内を過去に移動した総移動距離を抽出する。
【0021】
属性抽出部110は、移動履歴に関する情報から、利用者がエリアにおいて過去に訪問した地点の属性を抽出する。属性は、具体的には、たとえば「寺院・神社」、「景勝地」、「温泉」、「お土産屋」、「食事処」などである。また、属性抽出部110は、利用者によって入力された情報から属性を抽出してもよい。
【0022】
判断部111は、利用者に関する情報に基づいて、利用者の、地図情報における所定範囲のエリアに関する情報の精通度を判断する。精通度は、そのエリアに関する情報に、利用者がどれ程詳しいかの度合いである。判断部111は、たとえば、移動履歴に関する情報に基づいて、精通度を判断する。具体的には、判断部111は、たとえば移動履歴に関する情報から抽出された、移動回数や総移動距離に基づいて、精通度を判断する。この場合、たとえば移動回数や総移動距離が所定値以上の場合に、精通度が高いと判断する。なお、判断部111は、たとえば精通度を判断するエリアが、利用者の出身地域や利用者の自宅の含まれる地域の場合、精通度が高いと判断してもよい。
【0023】
生成部112は、精通度に基づいて、エリアに関連付けられた案内情報を生成する。生成部112は、たとえば記憶部101に記憶された地図情報に関連付けられた様々な案内情報から、精通度に基づいた案内情報を選択してもよい。案内情報は、地図情報に含まれる各案内地点に関する情報である。案内情報は、具体的には、たとえば、公共施設や一般施設などの施設に関する情報、山や湖などの景勝地に関する情報、行政区画に関する情報、道路交通情報などである。また、たとえば各案内地点の名称、属性、連絡先、開いている時間、見どころ、文化情報、歴史などが含まれていてもよい。
【0024】
生成部112は、具体的には、たとえば、精通度が所定値より高い場合、案内情報を出力する案内地点を所定量より増やす。また、生成部112は、精通度が所定値より高い場合、案内情報を出力する各案内地点における案内情報の量を所定量より減らしてもよい。また、生成部112は、属性抽出部110によって抽出された属性に基づいて、案内情報を生成してもよい。この場合、たとえば利用者が過去に訪問した地点と同じ属性の案内地点を増やしてもよい。また、生成部112は、利用者が過去に訪問した地点に関する案内情報を生成しなくてもよい。
【0025】
出力部113は、地図情報を表示する表示画面や、案内情報に含まれる音声データを出力するスピーカを備えている。そして、生成部112によって生成された案内情報を出力する。また、出力部113は、生成部112によって生成された案内情報を、地図情報に関連付けて出力する。
【0026】
(情報出力装置の情報出力処理手順)
つぎに、情報出力装置100の情報出力処理手順について説明する。図2は、情報出力装置の情報出力処理手順を示すフローチャートである。図2のフローチャートにおいて、まず、位置取得部102によって利用者の現在位置に関する情報を取得する(ステップS201)。つぎに、地点設定部103によって、ステップS201において取得された現在位置を設定地点として設定する(ステップS202)。ステップS202においては、利用者によって入力された任意の地点を設定地点として設定してもよい。この場合、ステップS201を省略してもよい。
【0027】
つぎに、方向予測部105によって、利用者が進行する進行方向を予測する(ステップS203)。ステップS203においては、たとえば設定地点から、経路設定部104によって設定された目的地点に向かった方向を進行方向であると予測する。また、一の設定地点と、一の設定地点の前に設定された設定地点と、に基づいて、進行方向を予測してもよい。そして、範囲設定部106によって、設定地点から進行方向に向かった方向の所定範囲を設定範囲として設定する(ステップS204)。ステップS204においては、設定地点から進行方向に対して所定角度の範囲を設定範囲として設定する。また、設定地点から所定距離までの範囲を設定範囲として設定する。さらに、利用者情報取得部107によって、利用者に関する情報を取得する(ステップS205)。ステップS205においては、利用者に関する情報として、たとえば記憶部101に記憶された移動履歴に関する情報を取得する。
【0028】
つぎに、回数抽出部108によって、ステップS205において取得された利用者に関する情報から、利用者が設定範囲のエリア内を過去に移動した移動回数を抽出する(ステップS206)。また、距離抽出部109によって、利用者に関する情報から、利用者が設定範囲のエリア内を過去に移動した総移動距離を抽出する(ステップS207)。
【0029】
つぎに、判断部111によって、利用者の、地図情報における設定範囲のエリアに関する情報の精通度を判断する(ステップS208)。ステップS208においては、たとえば、ステップS206において抽出された移動回数、またはステップS207において抽出された総移動距離に基づいて、精通度を判断する。また、ステップS208においては、利用者によって入力された利用者に関する情報(たとえば、利用者の出身地域に関する情報など)から精通度を判断してもよい。この場合、ステップS206およびステップS207を省略してもよい。
【0030】
さらに、属性抽出部110によって、ステップS205によって取得された利用者に関する情報から、利用者が設定範囲のエリアにおいて、過去に訪問した地点の属性を抽出する(ステップS209)。ついで、生成部112によって、ステップS208において判断された精通度、およびステップS209において抽出された属性に基づいて、設定範囲のエリアに関連付けられた案内情報を生成する(ステップS210)。ステップS210においては、精通度のみに基づいて、案内情報を生成してもよい。この場合、ステップS209を省略してもよい。
【0031】
そして、出力部113によって、ステップS210において生成された案内情報を出力する(ステップS211)。さらに、利用者が移動中か否かを判断して(ステップS212)、利用者が移動中ではないと判断された場合(ステップS212:No)、そのまま一連の処理を終了する。一方、ステップS212において利用者が移動中であると判断された場合(ステップS212:Yes)、ステップS201に戻り、以降の処理を繰り返しおこなう。
【0032】
上述したように、本実施の形態の情報出力装置100によれば、利用者情報取得部107によって取得された利用者に関する情報に基づいて、判断部111によって、利用者の、地図情報における所定範囲のエリアに関する情報の精通度を判断する。そして、生成部112によって、精通度に基づいて、エリアに関連付けられた案内情報を生成し、出力部113によって出力することができる。したがって、所定範囲のエリアにおいて、利用者の精通度によって、出力する案内情報を変更することができる。
【0033】
これによって、利用者は、たとえば精通している地域では出力される案内情報を少なくさせて、走行することに集中することができ、精通していない地域では出力される案内情報を多くさせて、所望の案内情報を得ることができる。また、利用者は、たとえば精通している地域では、いままで案内されなかった案内地点を表示させることで、よりその地域に関する情報に精通することができ、精通していない地域では、余計な案内地点を表示させないことで、重要な案内地点に関する情報を誤ることなく得ることができる。
【0034】
また、本実施の形態の情報出力装置100によれば、判断部111によって、利用者が過去に移動した移動履歴に関する情報に基づいて、精通度を判断することができる。したがって、利用者が走行したことのあるエリアに対して、利用者が精通していると判断することができる。これによって、利用者は、同じエリアを走行する際に、同じ案内情報を出力されることがないため、案内情報を煩わしく感じずに、走行に集中することができる。
【0035】
また、本実施の形態の情報出力装置100によれば、判断部111によって、エリア内を過去に移動した移動回数に基づいて、精通度を判断することができる。したがって、利用者が走行した回数が多いほど、そのエリアの精通度が高いと判断することができる。これによって、利用者は、同じエリアを走行する度に、毎回同じ案内情報を出力されることがないため、案内情報を煩わしく感じずに、走行に集中することができる。
【0036】
また、本実施の形態の情報出力装置100によれば、判断部111によって、エリア内を過去に移動した総移動距離に基づいて、精通度を判断することができる。したがって、利用者が走行した距離が長いほど、そのエリアの精通度が高いと判断することができる。これによって、利用者は、同じエリアを走行する度に、毎回同じ案内情報を出力されることがないため、案内情報を煩わしく感じずに、走行に集中することができる。
【0037】
また、本実施の形態の情報出力装置100によれば、生成部112によって、精通度が所定値より高い場合、案内情報を出力する案内地点を所定量より増やすことができる。これによって、利用者は、何度も走行しているエリアにおいて、いままでに知らなかった施設や観光名所を知ることができる。
【0038】
また、本実施の形態の情報出力装置100によれば、生成部112によって、精通度が所定値より高い場合、案内情報を出力する各案内地点における案内情報の量を所定量より減らすことができる。これによって、利用者は、すでに知っている案内地点に関する詳細な情報を出力させないことができるため、案内情報を煩わしく感じずに、走行に集中することができる。
【0039】
また、本実施の形態の情報出力装置100によれば、判断部111によって、設定範囲のエリアに関する情報の精通度を判断し、生成部112によって、精通度に基づいて、設定範囲のエリアに関連付けられた案内情報を生成することができる。したがって、たとえばあらかじめ利用者によって設定された範囲の案内情報のみを出力することができる。これによって、利用者は、所望のエリアの案内情報を得ることができる。
【0040】
また、本実施の形態の情報出力装置100によれば、範囲設定部106によって、設定地点から所定範囲を設定範囲とすることができる。したがって、一つの地点を設定するのみで、その地点からの所定の範囲を、案内情報を生成する範囲とすることができる。これによって、利用者は、あらかじめ任意の範囲を設定しておくことで、一つの地点を選ぶだけで、その地点に応じた範囲の案内情報を出力させることができるため、毎回範囲を設定する必要がなく、簡単に操作をおこなうことができる。
【0041】
また、本実施の形態の情報出力装置100によれば、地点設定部103によって、利用者の現在位置を設定地点として設定することができる。これによって、利用者は、あらかじめ任意の範囲を設定しておくことで、自身の現在位置から所望の範囲のエリアに関する案内情報を簡単に得ることができる。
【0042】
また、本実施の形態の情報出力装置100によれば、範囲設定部106によって、設定地点から進行方向に向かった方向の所定範囲を設定範囲として設定することができる。これによって、利用者は、すでに通過した地域や、進行する予定のない地域の案内情報を表示させないことができる。したがって、所望の案内情報を簡単に見つけることができる。
【0043】
また、本実施の形態の情報出力装置100によれば、方向予測部105によって、設定地点と、設定地点の前に設定された設定地点と、の差分に基づいて、進行方向を予測することができる。したがって、利用者が現在位置に到着するまでに移動した方向を、現在位置から進行する進行方向であると予測することができる。これによって、利用者は、すでに通過した地域や、進行する予定のない地域の案内情報を表示させないことができる。したがって、所望の案内情報を簡単に見つけることができる。
【0044】
また、本実施の形態の情報出力装置100によれば、範囲設定部106によって、利用者からの操作の入力を受け付けることで、設定地点から進行方向に対して所定角度の範囲、所定距離までの範囲を設定範囲として設定することができる。したがって、たとえばあらかじめ利用者から角度および距離の入力を受け付けていれば、利用者の現在位置に応じた、所定角度、所定距離の範囲を設定範囲とすることができる。これによって、利用者は、自身の現在位置から所望の角度、所望の距離までの案内情報のみを表示させるため、所望の案内情報を簡単に見つけることができる。また、利用者は、余計な案内情報を表示させないため、案内情報を煩わしく感じずに、走行に集中することができる。
【0045】
また、本実施の形態の情報出力装置100によれば、生成部112によって、利用者がエリアにおいて、過去に訪問した地点の属性に基づいて、案内情報を生成することができる。したがって、利用者が興味のある案内地点を出力することができる。これによって、利用者は、所望の案内情報を得ることができる。
【実施例】
【0046】
以下に、本発明の実施例について説明する。本実施例では、たとえば、車両(四輪車、二輪車を含む)などの移動体に搭載されるナビゲーション装置によって、本発明の情報出力装置を実施した場合の一例について説明する。
【0047】
(ナビゲーション装置のハードウェア構成)
つぎに、本実施例にかかるナビゲーション装置300のハードウェア構成について説明する。図3は、本実施例にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図3において、ナビゲーション装置300は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、磁気ディスクドライブ304と、磁気ディスク305と、光ディスクドライブ306と、光ディスク307と、音声I/F(インターフェース)308と、マイク309と、スピーカ310と、入力デバイス311と、映像I/F312と、ディスプレイ313と、通信I/F314と、GPSユニット315と、各種センサ316と、カメラ317と、を備えている。各構成部301〜317は、バス320によってそれぞれ接続されている。
【0048】
まず、CPU301は、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。ROM302は、ブートプログラム、データ更新プログラム、経路設定プログラム、進行方向予測プログラム、精通度判断プログラム、案内情報生成プログラムなどのプログラムを記録している。また、RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU301は、RAM303をワークエリアとして使用しながら、ROM302に記録された各種プログラムを実行することによって、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。
【0049】
経路設定プログラムは、目的地点までの誘導経路を設定させる。経路設定プログラムは、後述するGPSユニット315などの情報から算出される車両の現在位置に関する情報を示す情報に基づいて、車両の現在位置から、利用者によって入力された目的地点までの誘導経路を設定させる。
【0050】
進行方向予測プログラムは、詳細は後述するが、車両の進行方向を予測させる。進行方向予測プログラムは、たとえば経路設定プログラムによって設定された経路の目的地点に向かった方向を進行方向であると予測させる。また、たとえば車両の現在位置に関する情報と、車両の所定時間前の位置情報と、に基づいて、進行方向を予測させる。具体的には、所定時間前の位置から、現在位置に向かった方向を進行方向であると予測させる。
【0051】
精通度判断プログラムは、詳細は後述するが、対象範囲のエリアを利用者が過去に移動した移動回数や総移動距離に基づいて、利用者の、このエリアに関する情報の精通度を判断させる。
【0052】
案内情報生成プログラムは、詳細は後述するが、精通度判断プログラムによって判断された精通度に基づいて、そのエリアに関連付けられた案内情報を生成させる。また、案内情報生成プログラムは、エリア内において、利用者が過去に訪問した地点の属性に基づいて、案内情報を生成させてもよい。
【0053】
磁気ディスクドライブ304は、CPU301の制御にしたがって磁気ディスク305に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク305は、磁気ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク305としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0054】
また、光ディスクドライブ306は、CPU301の制御にしたがって光ディスク307に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク307は、光ディスクドライブ306の制御にしたがってデータが読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク307は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。着脱可能な記録媒体として、光ディスク307のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0055】
磁気ディスク305および光ディスク307に記録される情報の一例としては、地図情報や機能情報が挙げられる。地図情報は、建物、河川、地表面などの地物(フィーチャ)をあらわす背景データと、道路の形状をあらわす道路形状データとを含んでおり、地区ごとに分けられた複数のデータファイルによって構成されている。
【0056】
道路形状データは、さらに交通条件データを有する。交通条件データには、たとえば、各ノードについて、信号や横断歩道などの有無、高速道路の出入り口やジャンクションの有無、各リンクについての長さ(距離)、道幅、進行方向、道路種別(高速道路、有料道路、一般道路など)などの情報が含まれている。
【0057】
機能情報は、地図上の施設の形状をあらわす3次元データ、当該施設の説明をあらわす文字データ、その他地図情報以外の各種のデータである。地図情報や機能情報は、地区ごとあるいは機能ごとにブロック分けされた状態で記録されている。具体的には、たとえば、地図情報は、各々が、表示画面に表示された地図において所定の地区をあらわすように、地区ごとにブロック分けすることができる状態で記録されている。また、たとえば、機能情報は、各々が、1つの機能を実現するように、機能ごとに複数にブロック分けすることができる状態で記録されている。
【0058】
また、機能情報は、上述した3次元データや文字データに加えて、経路探索、所要時間の算出、経路誘導などを実現するプログラムデータなどの機能を実現するためのデータである。地図情報および機能情報は、それぞれ、地区ごとあるいは機能ごとに分けられた複数のデータファイルによって構成されている。
【0059】
また、磁気ディスク305および光ディスク307に記録される情報の他の一例としては、移動履歴が挙げられる。移動履歴は、過去に利用者が移動した履歴や、利用者の搭乗する車両が走行した走行履歴であり、地図情報に関連付けられている。走行履歴には、それぞれの経路を走行した走行回数や、総走行距離が含まれる。また、走行履歴には、過去に利用者が訪問した地点(たとえば、車両が所定時間以上停車した地点)の情報が含まれていてもよい。
【0060】
音声I/F308は、音声入力用のマイク309および音声出力用のスピーカ310に接続される。マイク309に受音された音声は、音声I/F308内でA/D変換される。マイク309は、たとえば、車両のサンバイザー付近に設置され、その数は単数でも複数でもよい。スピーカ310からは、所定の音声信号を音声I/F308内でD/A変換した音声が出力される。なお、マイク309から入力された音声は、音声データとして磁気ディスク305あるいは光ディスク307に記録可能である。
【0061】
入力デバイス311は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス311は、リモコン、キーボード、タッチパネルのうちいずれか1つの形態によって実現されてもよいが、複数の形態によって実現することも可能である。
【0062】
映像I/F312は、ディスプレイ313に接続される。映像I/F312は、具体的には、たとえば、ディスプレイ313全体を制御するグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいてディスプレイ313を制御する制御ICなどによって構成される。
【0063】
ディスプレイ313には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ313には、上述した地図情報が、2次元または3次元に描画される。ディスプレイ313に表示された地図情報には、ナビゲーション装置300を搭載した車両の現在位置をあらわすマークなどを重ねて表示することができる。車両の現在位置は、CPU301によって算出される。
【0064】
また、ディスプレイ313には、案内情報生成プログラムによって生成された案内情報が表示される。また、ディスプレイ313には、案内情報生成プログラムによって案内情報の生成された各案内地点が、地図情報に関連付けられて表示される。
【0065】
ディスプレイ313としては、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを用いることができる。ディスプレイ313は、たとえば、車両のダッシュボード付近に設置される。ディスプレイ313は、車両のダッシュボード付近のほか、車両の後部座席周辺などに設置するなどして、車両において複数設置されていてもよい。
【0066】
通信I/F314は、無線を介してネットワークに接続され、ナビゲーション装置300とCPU301とのインターフェースとして機能する。通信I/F314は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU301とのインターフェースとしても機能する。
【0067】
通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。具体的には、通信I/F314は、たとえば、FMチューナー、VICS(Vehicle Information and Communication System)/ビーコンレシーバ、無線ナビゲーション装置、およびその他のナビゲーション装置によって構成され、VICSセンターから配信される渋滞や交通規制などの道路交通情報を取得する。なお、VICSは登録商標である。また、通信I/F314は、たとえば、DSRC(Dedicated Short Range Communication)を用いた場合は、路側に設置された無線装置と双方向の無線通信をおこなう車載無線装置によって構成され、交通情報や地図情報など各種情報を取得する。なお、DSRCの具体例としては、ETC(ノンストップ自動料金支払いシステム)が挙げられる。
【0068】
GPSユニット315は、GPS衛星からの電波を受信し、車両の現在位置を示す情報を出力する。GPSユニット315の出力情報は、後述する各種センサ316の出力値とともに、CPU301による車両の現在位置の算出に際して利用される。現在位置を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図情報上の1点を特定する情報である。
【0069】
各種センサ316は、車速センサ、加速度センサ、角速度センサなどの、車両の位置や挙動を判断するための情報を出力する。各種センサ316の出力値は、CPU301による車両の現在位置の算出や、速度や方位の変化量の算出に用いられる。
【0070】
カメラ317は、車両内部あるいは外部の映像を撮影する。映像は静止画あるいは動画のどちらでもよく、たとえば、カメラ317によって車両内部の搭乗者の挙動を撮影し、撮影した映像を映像I/F312を介して磁気ディスク305や光ディスク307などの記録媒体に出力する。また、カメラ317によって車両外部の状況を撮影し、撮影した映像を映像I/F312を介して磁気ディスク305や光ディスク307などの記録媒体に出力する。また、カメラ317は、赤外線カメラ機能を有しており、赤外線カメラ機能を用いて撮影された映像情報に基づいて車両内部に存在する物体の表面温度の分布を相対的に比較することができる。また、記録媒体に出力された映像は、上書き記録や保存がおこなわれる。
【0071】
図1に示した情報出力装置100が備える記憶部101、位置取得部102、地点設定部103、経路設定部104、方向予測部105、範囲設定部106、利用者情報取得部107、回数抽出部108、距離抽出部109、属性抽出部110、判断部111、生成部112、出力部113は、図3に示したナビゲーション装置300におけるROM302、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU301が所定のプログラムを実行し、ナビゲーション装置300における各部を制御することによってその機能を実現する。
【0072】
すなわち、実施例のナビゲーション装置300は、ナビゲーション装置300における記録媒体としてのROM302に記録されている情報出力プログラムを実行することにより、図1に示した情報出力装置が備える機能を、図2に示した情報出力処理手順で実行することができる。
【0073】
(ナビゲーション装置の処理の内容)
つぎに、ナビゲーション装置の処理の内容について説明する。図4は、ナビゲーション装置の処理の内容を示すフローチャートである。図4のフローチャートにおいて、まず、対象範囲を受け付ける(ステップS401)。ステップS401において、対象範囲は、たとえば利用者によって入力された任意の範囲である。対象範囲は、たとえば、利用者が地図情報内の任意の地点に応じて、案内情報を生成・表示させたい範囲である。
【0074】
つぎに、車両の現在位置に関する情報を取得する(ステップS402)。ステップS402において、車両の現在位置に関する情報は、GPSユニット315などの情報から算出される。さらに、進行方向予測プログラムを実行することで車両の進行方向を予測する(ステップS403)。そして、ステップS402において取得された車両の現在位置から、ステップS403において予測された進行方向に向かった方向の、ステップS401において受け付けられた対象範囲を、検索エリアとして設定する(ステップS404)。ステップS404において検索エリアは、地図情報内における案内情報を生成・表示する地域である。
【0075】
つぎに、走行履歴を取得する(ステップS405)。ステップS405においては、たとえば磁気ディスク305および光ディスク307から走行履歴を取得する。なお、ステップS405においては、ナビゲーション装置300とは別体の図示しない記憶装置や、通信I/F314を介して接続される図示しないサーバなどから走行履歴を取得してもよい。つぎに、精通度判断プログラムを実行することにより、ステップS405において取得された走行履歴に基づいて、ステップS404において設定された検索エリアに関する情報の精通度を判断する(ステップS406)。
【0076】
つぎに、案内情報生成プログラムを実行することにより、ステップS406において判断された精通度に基づいて、案内情報を生成する(ステップS407)。そして、ステップS408において生成された案内情報を出力する(ステップS408)。ステップS408においては、たとえばディスプレイ313に案内情報を表示する。さらに、車両が走行中か否かを判断して(ステップS409)、車両が走行中であると判断された場合(ステップS409:Yes)、ステップS402に戻り、以降の処理を繰り返しおこなう。一方、ステップS409において、車両が走行中ではないと判断された場合(ステップS409:No)、そのまま一連の処理を終了する。ステップS409においては、たとえば所定時間以上、車両が停車している場合、走行中ではないと判断する。また、たとえば経路設定プログラムによって設定された経路の目的地点に到着した場合、車両が走行中ではないと判断してもよい。
【0077】
(検索エリアについて)
つぎに、図4のステップS403において進行方向を予測する処理と、ステップS404において検索エリアとして設定する処理と、について説明する。図5は、検索エリアの一例について示す説明図である。図5に示すように、検索エリア510は、車両の現在位置501から、予測される進行方向Dに向かって、所定角度θa、所定距離Laの範囲である。ここで、所定角度θaおよび所定距離Laは、図4のステップS401において、利用者からの入力を受け付けた値である。また、所定角度θaは、たとえばその半分の角度θa/2が進行方向Dと重なるようにする。
【0078】
また、進行方向Dは、たとえば車両の現在位置501と、所定時間前の車両の位置502と、に基づいて予測される。具体的には、所定時間前の車両の位置502から、車両の現在位置501に向かった方向を、進行方向Dであると予測する。
【0079】
また、図6は、検索エリアの他の一例について示す説明図である。図6においては、経路設定往路グラムによって、目的地点602までの誘導経路603が設定されていることとする。図6に示すように、検索エリア610は、車両の現在位置601から、目的地点602に向かった方向を進行方向として、この進行方向に向かって所定角度θb、所定距離Lbの範囲である。
【0080】
なお、図6においては、車両の現在位置601から、目的地点602に向かった方向を進行方向としているが、これに限るものではない。たとえば、車両が現在走行中の経路の方向を進行方向としてもよい。また、検索エリア610は、たとえば、所定角度θbが設定されず、車両の現在位置601から目的地点602までの誘導経路603が全て含まれる角度の範囲を、検索エリア610としてもよい。
【0081】
なお、図5または図6においては、検索エリアに、所定角度と、所定距離とを、ともに設定した場合について示したが、どちらか一方のみを設定してもよいし、たとえばどちらも設定せず、ディスプレイに表示される地図情報の範囲全体を検索エリアとしてもよい。
【0082】
(精通度を判断する処理について)
つぎに、図4のステップS406において精通度を判断する処理の一例について説明する。図7は、精通度を判断する処理の一例について示すフローチャートである。図7においては、まず、図4のステップS405において取得された走行履歴から、検索エリア内の走行回数を抽出する(ステップS701)。そして、ステップS701において抽出された走行回数が所定値以上か否かを判断する(ステップS702)。ステップS702において走行回数が所定値以上であると判断された場合(ステップS702:Yes)、精通度が高いと判断して(ステップS703)、一連の処理を終了する。
【0083】
一方、ステップS702において走行回数が所定値以上であると判断されなかった場合(ステップS702:No)、精通度が低いと判断して(ステップS704)、一連の処理を終了する。
【0084】
また、図8は、精通度を判断する処理の他の一例について示すフローチャートである。図8においては、まず、図4のステップS405において取得された走行履歴から、検索エリア内の総走行距離を抽出する(ステップS801)。そして、ステップS801において抽出された総走行距離が所定値以上か否かを判断する(ステップS802)。ステップS802において、総走行距離が所定値以上であると判断された場合(ステップS802:Yes)、精通度が高いと判断して(ステップS803)、一連の処理を終了する。
【0085】
一方、ステップS802において、総走行距離が所定値以上であると判断されなかった場合(ステップS802:No)、精通度が低いと判断して(ステップS804)、一連の処理を終了する。
【0086】
なお、図7または図8においては、精通度を「高い」または「低い」の2つのレベルとしたがこれに限るものではない。たとえば、精通度を、さらに段階的にレベル分けをして、「高」、「中」、「低」の3つのレベルとしたり、それ以上のレベルに分かれた構成としてもよい。
【0087】
(案内情報を生成する処理について)
つぎに、図4のステップS407において、案内情報を生成する処理について説明する。図9は、案内情報を生成する処理について示すフローチャートである。図9に示すように、まず、図4のステップS405において取得された走行履歴から、利用者が過去に訪問した地点(以下、訪問地点とする)に関する情報を抽出する(ステップS901)。ステップS901においては、さらに、利用者が訪問地点を過去に訪問した回数を抽出してもよい。
【0088】
つぎに、ステップS901において抽出された訪問地点の属性を抽出する(ステップS902)。属性は、地図情報内の任意の地点に関連付けられた情報であり、具体的には、たとえば、「寺院・神社」、「景勝地」、「温泉」、「お土産屋」、「食事処」などである。そして、図4のステップS406において判断された精通度が高い場合(ステップS903:Yes)、ステップS902において抽出された属性に基づいて、案内地点を多く、かつ各案内地点に関する案内情報を少なくして(ステップS904)、案内情報を生成し(ステップS905)、一連の処理を終了する。
【0089】
一方、ステップS903において、精通度が低い場合(ステップS903:No)、ステップS902において抽出された属性に基づいて、案内地点を少なく、かつ各案内地点に関する案内情報を多くして(ステップS906)、ステップS905に進み、案内情報を生成して、一連の処理を終了する。
【0090】
なお、図9のフローチャートにおいては、ステップS904またはステップS906において、ステップS901において抽出された訪問地点を案内地点に含まないようにしてもよい。また、ステップS904またはステップS906においては、ステップS902において抽出された属性に基づくとしているが、これに限るものではない。たとえば、属性には関わらず、検索エリアに含まれる全ての案内地点を対象としてもよい。
【0091】
図10は、検索エリア内の案内地点について示す説明図である。図10に示すように、たとえば地図情報内の各案内地点に関する情報には、属性と、名称と、利用者が各案内地点を訪問した訪問回数と、各案内地点の案内レベルとが含まれている。ここで、案内レベルとは、たとえば各案内地点の重要度や知名度である。図10に示すように、たとえば案内レベルがAの案内地点は、知名度が高く、常に表示させる地点であり、たとえば案内レベルがBの案内地点は、知名度が低く、利用者が所望する場合にのみ表示させる地点である。
【0092】
本実施例においては、たとえば地図情報の検索エリア内の全案内地点が、属性が「寺院・神社」の、A寺1001、B大社1002、C神宮1003、D寺院1004と、属性が「温泉」の、D温泉1005、E温泉1006と、属性が「食事処」の、F屋1007、Gレストラン1008、Hそば1009と、である。また、利用者が過去に、A寺1001に3回、Gレストラン1008に1回、訪問したこととする。
【0093】
(案内地点の表示例)
つぎに、図4のステップS408における、案内情報の表示例について説明する。図11は、精通度が低い場合の、案内地点の表示例について示す説明図である。図11において、精通度が低い場合、図10に示す案内地点のうちの、案内レベルがAの地点のみを表示させる。また、図11においては、利用者が過去に訪問した訪問地点の属性に含まれる案内地点のみを表示させて、かつ訪問地点は表示させないこととした。したがって、図11に示すように、ディスプレイ313には、図10において、訪問地点の属性である「寺院・神社」および「食事処」に含まれ、訪問地点である、A寺1001およびGレストラン1008以外の、案内レベルがAの案内地点が表示される。すなわち、精通度が低い場合、ディスプレイ313には、B大社1002と、F屋1007とが、表示される。
【0094】
図12は、精通度が高い場合の、案内地点の表示例について示す説明図である。図12において、精通度が高い場合、図10に示す案内地点のうちの、案内レベルがAおよびBの地点を表示させる。また、図12においては、訪問地点の属性に含まれる案内地点のみを表示させて、かつ訪問地点は表示させないこととした。したがって、図12に示すように、ディスプレイ313には、図10において、訪問地点の属性である「寺院・神社」および「食事処」に含まれ、訪問地点である、A寺1001およびGレストラン1008以外の、案内レベルがAおよびBの案内地点が表示される。すなわち、精通度が高い場合、ディスプレイ313には、B大社1002と、F屋1007と、に加え、C神宮1003、D寺院1004、Hそば1009が表示される。
【0095】
(案内地点に関する案内情報の表示例)
図13は、精通度が低い場合の、案内地点に関する案内情報の表示例について示す説明図である。図13に示すように、精通度が低い場合、各案内地点に関する情報を多くする。たとえば、図10に示すB大社1002に関する情報のうち、名称、住所、電話番号に加え、案内地点に関するコメントや、案内地点内の見どころなどを表示する。
【0096】
図14は、精通度が高い場合の、案内地点に関する案内情報の表示例について示す説明図である。図14に示すように、精通度が高い場合、各案内地点に関する情報を少なくする。たとえば、図10に示すB大社1002に関する情報のうち、名称、住所、電話番号のみを表示させる。
【0097】
上述したように、本実施例のナビゲーション装置300によれば、利用者情報取得部107によって取得された利用者に関する情報に基づいて、判断部111によって、利用者の、地図情報における所定範囲のエリアに関する情報の精通度を判断する。そして、生成部112によって、精通度に基づいて、エリアに関連付けられた案内情報を生成し、出力部113によって出力することができる。したがって、所定範囲のエリアにおいて、利用者の精通度によって、出力する案内情報を変更することができる。
【0098】
これによって、利用者は、たとえば精通している地域では出力される案内情報を少なくさせて、走行することに集中することができ、精通していない地域では出力される案内情報を多くさせて、所望の案内情報を得ることができる。また、利用者は、たとえば精通している地域では、いままで案内されなかった案内地点を表示させることで、よりその地域に関する情報に精通することができ、精通していない地域では、余計な案内地点を表示させないことで、重要な案内地点に関する情報を誤ることなく得ることができる。
【0099】
また、本実施例のナビゲーション装置300によれば、判断部111によって、利用者が過去に移動した移動履歴に関する情報に基づいて、精通度を判断することができる。したがって、利用者が走行したことのあるエリアに対して、利用者が精通していると判断することができる。これによって、利用者は、同じエリアを走行する際に、同じ案内情報を出力されることがないため、案内情報を煩わしく感じずに、走行に集中することができる。
【0100】
また、本実施例のナビゲーション装置300によれば、判断部111によって、エリア内を過去に移動した移動回数に基づいて、精通度を判断することができる。したがって、利用者が走行した回数が多いほど、そのエリアの精通度が高いと判断することができる。これによって、利用者は、同じエリアを走行する度に、毎回同じ案内情報を出力されることがないため、案内情報を煩わしく感じずに、走行に集中することができる。
【0101】
また、本実施例のナビゲーション装置300によれば、判断部111によって、エリア内を過去に移動した総移動距離に基づいて、精通度を判断することができる。したがって、利用者が走行した距離が長いほど、そのエリアの精通度が高いと判断することができる。これによって、利用者は、同じエリアを走行する度に、毎回同じ案内情報を出力されることがないため、案内情報を煩わしく感じずに、走行に集中することができる。
【0102】
また、本実施例のナビゲーション装置300によれば、生成部112によって、精通度が所定値より高い場合、案内情報を出力する案内地点を所定量より増やすことができる。これによって、利用者は、何度も走行しているエリアにおいて、いままでに知らなかった施設や観光名所を知ることができる。
【0103】
また、本実施例のナビゲーション装置300によれば、生成部112によって、精通度が所定値より高い場合、案内情報を出力する各案内地点における案内情報の量を所定量より減らすことができる。これによって、利用者は、すでに知っている案内地点に関する詳細な情報を出力させないことができるため、案内情報を煩わしく感じずに、走行に集中することができる。
【0104】
また、本実施例のナビゲーション装置300によれば、判断部111によって、設定範囲のエリアに関する情報の精通度を判断し、生成部112によって、精通度に基づいて、設定範囲のエリアに関連付けられた案内情報を生成することができる。したがって、たとえばあらかじめ利用者によって設定された範囲の案内情報のみを出力することができる。これによって、利用者は、所望のエリアの案内情報を得ることができる。
【0105】
また、本実施例のナビゲーション装置300によれば、範囲設定部106によって、設定地点から所定範囲を設定範囲とすることができる。したがって、一つの地点を設定するのみで、その地点からの所定の範囲を、案内情報を生成する範囲とすることができる。これによって、利用者は、あらかじめ任意の範囲を設定しておくことで、一つの地点を選ぶだけで、その地点に応じた範囲の案内情報を出力させることができるため、毎回範囲を設定する必要がなく、簡単に操作をおこなうことができる。
【0106】
また、本実施例のナビゲーション装置300によれば、地点設定部103によって、利用者の現在位置を設定地点として設定することができる。これによって、利用者は、あらかじめ任意の範囲を設定しておくことで、自身の現在位置から所望の範囲のエリアに関する案内情報を簡単に得ることができる。
【0107】
また、本実施例のナビゲーション装置300によれば、範囲設定部106によって、設定地点から進行方向に向かった方向の所定範囲を設定範囲として設定することができる。これによって、利用者は、すでに通過した地域や、進行する予定のない地域の案内情報を表示させないことができる。したがって、所望の案内情報を簡単に見つけることができる。
【0108】
また、本実施例のナビゲーション装置300によれば、方向予測部105によって、設定地点と、設定地点の前に設定された設定地点と、の差分に基づいて、進行方向を予測することができる。したがって、利用者が現在位置に到着するまでに移動した方向を、現在位置から進行する進行方向であると予測することができる。これによって、利用者は、すでに通過した地域や、進行する予定のない地域の案内情報を表示させないことができる。したがって、所望の案内情報を簡単に見つけることができる。
【0109】
また、本実施例のナビゲーション装置300によれば、範囲設定部106によって、利用者からの操作の入力を受け付けることで、設定地点から進行方向に対して所定角度の範囲、所定距離までの範囲を設定範囲として設定することができる。したがって、たとえばあらかじめ利用者から角度および距離の入力を受け付けていれば、利用者の現在位置に応じた、所定角度、所定距離の範囲を設定範囲とすることができる。これによって、利用者は、自身の現在位置から所望の角度、所望の距離までの案内情報のみを表示させるため、所望の案内情報を簡単に見つけることができる。また、利用者は、余計な案内情報を表示させないため、案内情報を煩わしく感じずに、走行に集中することができる。
【0110】
また、本実施例のナビゲーション装置300によれば、生成部112によって、利用者がエリアにおいて、過去に訪問した地点の属性に基づいて、案内情報を生成することができる。したがって、利用者が興味のある案内地点を出力することができる。これによって、利用者は、所望の案内情報を得ることができる。
【0111】
なお、本実施の形態で説明した情報出力方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータ、ワークステーション、携帯端末装置(携帯電話)などのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本実施の形態にかかる情報出力装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】情報出力装置の情報出力処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本実施例にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】ナビゲーション装置の処理の内容を示すフローチャートである。
【図5】検索エリアの一例について示す説明図である。
【図6】検索エリアの他の一例について示す説明図である。
【図7】精通度を判断する処理の一例について示すフローチャートである。
【図8】精通度を判断する処理の他の一例について示すフローチャートである。
【図9】案内情報を生成する処理について示すフローチャートである。
【図10】検索エリア内の案内地点について示す説明図である。
【図11】精通度が低い場合の、案内地点の表示例について示す説明図である。
【図12】精通度が高い場合の、案内地点の表示例について示す説明図である。
【図13】精通度が低い場合の、案内地点に関する案内情報の表示例について示す説明図である。
【図14】精通度が高い場合の、案内地点に関する案内情報の表示例について示す説明図である。
【符号の説明】
【0113】
100 情報出力装置
101 記憶部
102 位置取得部
103 地点設定部
104 経路設定部
105 方向予測部
106 範囲設定部
107 利用者情報取得部
108 回数抽出部
109 距離抽出部
110 属性抽出部
111 判断部
112 生成部
113 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者に関する情報を取得する利用者情報取得手段と、
前記利用者に関する情報に基づいて、当該利用者の、地図情報における所定範囲のエリアに関する情報の精通度を判断する判断手段と、
前記精通度に基づいて、前記エリアに関連付けられた案内情報を生成する生成手段と、
前記生成手段によって生成された前記案内情報を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする情報出力装置。
【請求項2】
前記利用者情報取得手段は、前記利用者が過去に移動した移動履歴に関する情報を取得し、
前記判断手段は、前記移動履歴に関する情報に基づいて、前記精通度を判断することを特徴とする請求項1に記載の情報出力装置。
【請求項3】
前記移動履歴に関する情報から、前記利用者が前記エリア内を過去に移動した移動回数を抽出する回数抽出手段をさらに備え、
前記判断手段は、前記移動回数に基づいて、前記精通度を判断することを特徴とする請求項2に記載の情報出力装置。
【請求項4】
前記移動履歴に関する情報から、前記利用者が前記エリア内を過去に移動した総移動距離を抽出する距離抽出手段をさらに備え、
前記判断手段は、前記総移動距離に基づいて、前記精通度を判断することを特徴とする請求項2または3に記載の情報出力装置。
【請求項5】
前記生成手段は、前記精通度が所定値より高い場合、前記案内情報を出力する案内地点を所定量より増やすことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の情報出力装置。
【請求項6】
前記生成手段は、前記精通度が所定値より高い場合、前記案内情報を出力する各案内地点における案内情報の量を所定量より減らすことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の情報出力装置。
【請求項7】
前記地図情報内の任意の範囲を設定する範囲設定手段を備え、
前記判断手段は、前記利用者の、前記範囲設定手段によって設定された範囲(以下、設定範囲とする)のエリアに関する情報の前記精通度を判断し、
前記生成手段は、前記精通度に基づいて、前記設定範囲のエリアに関連付けられた案内情報を生成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の情報出力装置。
【請求項8】
前記地図情報内の任意の地点を設定する地点設定手段を備え、
前記範囲設定手段は、前記地点設定手段によって設定された地点(以下、設定地点とする)から所定範囲を前記設定範囲とすることを特徴とする請求項7に記載の情報出力装置。
【請求項9】
前記利用者の現在位置に関する情報を取得する位置取得手段を備え、
前記地点設定手段は、前記利用者の現在位置を前記設定地点として設定することを特徴とする請求項8に記載の情報出力装置。
【請求項10】
前記利用者が進行する進行方向を予測する方向予測手段をさらに備え、
前記範囲設定手段は、前記設定地点から前記進行方向に向かった方向の所定範囲を前記設定範囲として設定することを特徴とする請求項7〜9のいずれか一つに記載の情報出力装置。
【請求項11】
目的地点までの誘導経路を設定する経路設定手段を備え、
前記方向予測手段は、前記設定地点から前記目的地点に向かった方向を前記進行方向であると予測することを特徴とする請求項10に記載の情報出力装置。
【請求項12】
前記方向予測手段は、前記設定地点と、当該設定地点の前に設定された設定地点と、の差分に基づいて、前記進行方向を予測することを特徴とする請求項10または11に記載の情報出力装置。
【請求項13】
前記範囲設定手段は、前記設定地点から前記進行方向に対して所定角度の範囲を前記設定範囲として設定することを特徴とする請求項10〜12のいずれか一つに記載の情報出力装置。
【請求項14】
前記範囲設定手段は、前記設定地点から所定距離までを前記設定範囲として設定することを特徴とする請求項10〜13のいずれか一つに記載の情報出力装置。
【請求項15】
前記範囲設定手段は、前記利用者からの操作の入力を受け付けることを特徴とする請求項10〜14のいずれか一つに記載の情報出力装置。
【請求項16】
前記移動履歴に関する情報から、前記利用者が前記エリアにおいて、過去に訪問した地点の属性を抽出する属性抽出手段を備え、
前記生成手段は、前記属性に基づいて、前記案内情報を生成することを特徴とする請求項2〜15のいずれか一つに記載の情報出力装置。
【請求項17】
利用者に関する情報を取得する利用者情報取得工程と、
前記利用者に関する情報に基づいて、当該利用者の、地図情報における所定範囲のエリアに関する情報の精通度を判断する判断工程と、
前記精通度に基づいて、前記エリアに関連付けられた案内情報を生成する生成工程と、
前記生成工程によって生成された前記案内情報を出力する出力工程と、
を含むことを特徴とする情報出力方法。
【請求項18】
請求項17に記載の情報出力方法をコンピュータに実行させることを特徴とする情報出力プログラム。
【請求項19】
請求項18に記載の情報出力プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−222409(P2009−222409A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−64262(P2008−64262)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】