説明

情報表示装置

【課題】所定の位置の周辺地域における複数のオブジェクトの位置や情報を並列的に確認するのに便利な地図表示を行うことができる情報表示装置を提供する。
【解決手段】車載装置は、地図データベースを検索して、特定の位置周辺の地図情報を読み出し、表示する。また、特定の位置に関連した情報に基づいて通信ネットワーク上のコンテンツの概要情報の検索を外部に要求し、該当する概要情報を取得する。さらに、概要情報に記載されたオブジェクトの位置を表す位置情報を取得し、地図上の当該オブジェクトの位置に、前記オブジェクトの有無を表すアイコン501〜503を表示する。その際、表示対象の各オブジェクトに該当する概要情報の件数(重複ヒット数)に応じてそのアイコン501〜503の表示形態を異ならせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示装置、特に地図に関連して情報を表示する情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カーナビゲーション装置のような車載装置は、地図情報を格納したDVDやHDDなどの記憶装置、および、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)などにより車両の現在位置を検出するための位置検出機能、さらに、目的地までの経路を探索する機能を備え、目的地までの道案内をするための装置であり、現在広く普及している。また、記憶装置内には、地図情報の他に、レストラン、給油所、コンビニエンスストア、観光地等の情報が格納され、現在地や目的地等に応じて、その近隣の施設や観光地等の情報も得られるようになっている。
【0003】
従来、装置内に任意の位置に関連する文字や画像、音声等の詳細情報のデータを持たなくても、移動通信手段を持ち、地図上にマッピングすることができる位置情報と、詳細情報を持ったインターネット上のウェブサーバのURLアドレスとを対応づける更新可能な記憶テーブルを用いて、観光情報などの詳細な情報を当該位置に自動的にリンクさせて、リアルタイムに取得することができる通信機能付きのカーナビゲーション装置が提案されている(特許文献1参照)。この発明によれば、記憶テーブルに登録された位置に関連して、ウェブサーバの利用により最新の詳細情報を得ることができる。
【0004】
また、端末において、インターネット上のサイトのウェブページを閲覧し、そのウェブページから住所や電話番号等の場所を特定するための文字情報を抽出し、この文字情報をサーバに渡して、サーバが当該場所に対応する位置情報(緯度、経度)を検索して端末に返送し、端末はこの位置情報を目的地として設定するナビゲーションシステムが提案されている(特許文献2参照)。これにより、ウェブページで紹介されている場所を目的地として設定し、経路案内や地図上での位置表示ができるようになる。
【特許文献1】特開平10−103977号公報
【特許文献2】特開2000−337911号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の車載装置におけるナビゲーションシステムでは、装置に内蔵された記憶装置内にある、近隣の施設や観光地等の情報は予め用意された固定的なものであるのに対して、特許文献1,2に記載の従来技術では、インターネット上の情報を利用できることから、ナビゲーションシステムの利用可能な情報の量や新しさの点で有用である。
【0006】
しかし、特許文献1に記載の技術は、一度、閲覧して登録したURLについて、再度の利用時に最新の情報を利用できるという利点はあるが、例えばある目的地の周辺にある未閲覧の不特定の情報(例えば「ラーメン屋」などの情報)を調べたい場合などには、直ちに利用できないという問題を有する。
【0007】
また、特許文献2に記載の技術は、あるウェブページを閲覧して、その中に紹介されているレストランやホテル等のオブジェクトが決まってから、その位置(緯度および経度)を確認して経路案内が行えるようにするものである。したがって、現在地や目的地等の特定の位置の周辺地域における複数のオブジェクトの位置や情報を並列的に確認するには不便である。
【0008】
本発明はこのような背景においてなされたものであり、その目的は、所定の位置の周辺地域における複数のオブジェクトの位置や情報を並列的に確認するのに便利な地図表示を行うことができる情報表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による情報表示装置は、通信ネットワークに接続するネットワーク接続手段と、地図データベースと、地図データベースを検索して、特定の位置周辺の地図情報を読み出す地図データベース検索手段と、前記特定の位置に関連した情報に基づいて通信ネットワーク上のコンテンツの概要情報の検索を外部に要求し、該当する概要情報を取得する概要情報取得手段と、前記概要情報に記載されたオブジェクトの位置を表す位置情報を取得し、地図上の当該オブジェクトの位置を特定する位置特定手段と、表示画面上で、地図上の前記特定された位置に、前記オブジェクトの有無を表すアイコンを表示する表示手段とを備える。前記表示手段は、表示対象の各オブジェクトに該当する概要情報の件数(重複ヒット数)に応じてそのアイコンの表示形態を異ならせる。これにより、ユーザには地図上に表示された複数のアイコンのオブジェクトのヒット数の多寡を認識することができる。このヒット数の多寡は、概要情報を選択する上での参考となる。
【0010】
前記表示手段は、前記アイコンが指示されたとき、当該アイコンに対応する概要情報を表示する。
【0011】
前記位置特定手段は、外部から取得した概要情報の中から当該オブジェクトに該当する位置情報を抽出する。また、前記外部から取得した概要情報に位置情報が付加されている場合にはその位置情報を利用する。
【0012】
前記表示手段は、前記特定の位置を中心とした共通基準範囲内でピックアップされる概要情報の件数またはアイコンの個数を制限するための閾値を、表示される地図の縮尺に応じて変えるようにしてもよい。これにより、広域の地図表示の際に、複数のアイコンが相互に重なって区別が付かなくなることが防止される。
【0013】
本発明の情報表示装置は、さらに、位置に関連づけられた検索対象情報を記憶する情報データベースを有し、この情報データベースを検索した結果に基づいて前記概要情報の検索の要求を行うようにしてもよい。この場合、内部に予め用意された情報を基準として概要情報の検索要求を行うので、オブジェクトの正確な位置情報が内部で得られる利点がある。
【0014】
前記表示手段は、表示される地図の縮尺に応じて、所定の距離範囲内にある複数のアイコンをグループ化し、グループ化されたアイコン(グループアイコン)については、当該グループ化される前のアイコンに代えて、グループアイコンを表示するようにしてもよい。これにより、複数のアイコンを一つのアイコンに代表させることができる。この場合、前記表示手段は、前記グループアイコンが指示されたとき、当該グループに含まれる各アイコンに対応する概要情報を一覧表示することにより、各アイコンの概要情報を確認することができる。
【0015】
この装置は車載のナビゲーションシステムに利用して好適である。ナビゲーションシステムとして利用する場合、情報表示装置の現在の位置を検出する位置検出手段と、現在地から目的地までのナビゲーションを行うナビゲーション装置とを備え、前記情報取得手段は、現在地から目的地までの間の経路上の複数の位置について前記概要情報を取得し、前記表示手段は、現在地の更新に伴って表示対象のアイコンを逐次更新表示していくようにしてもよい。これにより、ユーザが逐次指示を行わなくても、車両の進行に伴って周辺のオブジェクトを更新していくことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、地図上に複数のオブジェクトに対応するアイコンを同時に表示し、その概要情報を確認できるので、所定の位置の周辺地域における複数のオブジェクトの位置や情報を並列的に確認するのに便利である。それらの情報は未閲覧のものであってもよい。また、通信ネットワークを介してコンテンツ情報を取得する際には、まずはコンテンツ概要情報を取得するので、オブジェクトの個数が多くても通信情報量を抑制できる。また、表示対象の各オブジェクトに該当する概要情報の件数(重複ヒット数)に応じてそのアイコンの表示形態を異ならせることにより、ヒット数の多寡をアイコンに基づいて判断することができる。
【0017】
また、特定の位置を中心とした共通基準範囲内でピックアップされる概要情報の件数またはアイコンの個数を制限するための閾値を、表示される地図の縮尺に応じて変えることにより、または、アイコンを表示する対象となる縮尺の地図表示において、その縮尺に関わらず表示範囲内に一度に表示されるアイコンの個数を制限する共通の閾値を定めることにより、地図上でのアイコンの認識性を改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
<第1の実施の形態>
図1は、本実施の形態のシステム全体の概略の構成を示す図である。
【0020】
このシステムでは、カーナビゲーションシステムのような車載装置100が通信ネットワーク150を介して、検索サーバ200、情報サーバ210,220に接続されている。通信ネットワーク150は、インターネットおよびこれに接続するための任意のネットワークを含みうる。
【0021】
情報サーバ210,220は、それぞれ、当該情報を蓄積したデータベース211,221を有し、ホームページやブログなどのウェブページ情報等のコンテンツを提供するサイトを構成する。情報サーバは2個のみ示したが、多数存在しうる。検索サーバ200も複数存在しうる。
【0022】
「ブログ」とはウェブログ(weblog)の略であり、日付単位の記事ページで構成されるウェブサイトである。ブログの記事には、閲覧者がコメントを記載したり、トラックバックと呼ばれるブログ記事間をリンクする機能を有している。ウェブページ情報の代わりに、いわゆるポッドキャスティングによる音声メッセージを提供するものであってもよい。「ポッドキャスティング」とは、RSS(Rich Site Summary)の技術を利用して、インターネット上での音声データの配信等を行う仕組みである。RSSとは、ウェブサイト等の記事の見出しや概要を配信するための技術であり、概要情報であるRSS情報(RSSフィードとも呼ばれる)は、マークアップ言語の一種であるXML(eXtensible Markup Language)で記述されたファイルとして提供される。ブログでは、通常、記事の投稿に対して、自動的にそのRSS情報が生成される。
【0023】
検索サーバ200は、インターネットの1サイトを構成し、上記情報サーバ210,220で提供されるホームページやブログなどのウェブページ情報、音声メッセージ等のコンテンツ情報に対応するRSS情報を蓄積するデータベース201を有し、それらの情報の検索サービスを提供する。この実施の形態における検索サーバ200は、ブログサービスの提供を行うサイトを兼ねている例を示している。
【0024】
車載装置100は、制御部101、ユーザインタフェース部102、GPS受信部103、ブラウザ部106、通信部(ネットワーク接続部)107、地図データベース(地図DB)111、RSSデータベース(RSS・DB)113を有する。
【0025】
制御部101は、車載装置100の全体の動作を司る部位であり、本実施の形態では、特に、地図を含む各種情報の表示を管理・制御する地図・表示管理部104と、RSS情報の取得や蓄積・管理を行うRSS管理部105とを構成している。地図・表示管理部104は本発明における「表示手段」および「位置特定手段」の機能を有する。RSS管理部105は、本発明における「概要情報取得手段」の機能を有する。
【0026】
ユーザインタフェース部102は、LED等のディスプレイデバイスおよびその表示制御部を含み、表示インタフェースを提供するLCD等の任意の表示デバイスを含む表示部102aと、リモコンやタッチパネル等のユーザの操作を受け付ける入力インタフェースを提供する操作部102bと、音声メッセージ等の音声を出力するスピーカ等の音声出力部102cを有する。
【0027】
GPS受信部103は、本発明における位置検出手段を構成し、複数の衛星からの信号を受信して、装置の現在位置を検出する部位である。
【0028】
ブラウザ部106は、ホームページ等を構成するHTML等のマークアップ言語文書を解析して表示部102aに送る表示情報を生成する部位である。地図・表示管理部104により生成された表示情報と、ブラウザ部106により生成された表示情報は同じ画面に重ねて表示可能に構成されている。
【0029】
通信部(ネットワーク接続部)107は、ここでは無線通信インタフェースを介して通信ネットワーク150に接続する部位である。
【0030】
地図データベース111は、地図情報を検索可能に蓄積したデータベースであり、ここに、本実施の形態では地図情報のほかに、位置に関連づけられて、レストラン、給油所、コンビニエンスストア、観光地等の情報が格納されている。この地図データベース111は、これらの情報を装置内でローカルに(通信ネットワークを介さずに)提供するデータベースも兼ねている。
【0031】
RSSデータベース(RSS・DB)113は、外部から取り込まれたRSS情報を装置内でローカルに検索可能に蓄積するデータベースである。
【0032】
図2は、検索サーバ200におけるRSS情報の蓄積およびその利用について説明するための図である。前述のように、検索サーバ200がブログサービスを提供するサーバを兼ねている例を示しているが、そのようなサーバは検索サーバ200と別個に存在してもよい。検索サーバ200におけるRSS情報の蓄積の方法は次のような態様がある。
(a)店舗等による任意のサービスを提供する業者がその端末(業者端末)310から、検索サーバ200のブログサービスにアクセスして、自己のブログに対して、位置情報(緯度および経度)とともにブログの記事を投稿する。この記事の投稿に対して、ブログサービスにより自動的に、位置情報付きのRSS情報が生成される。
(b)位置検出手段を備えた端末(ユーザ端末)320から検索サーバ200にアクセスして、自己のブログに対して、位置情報(緯度および経度)とともにブログの記事を投稿する。この記事の投稿に対して、ブログサービスにより自動的に、位置情報付きのRSS情報が生成される。
(c)GPS等の位置検出手段を備えた携帯端末330から、PoC等の技術により、ポッドキャスティングを行う自己のサイトに対して、位置情報(緯度および経度)とともに音声メッセージを投稿する。PoCとは、Push-to-Talk over Cellularの略であり、携帯端末間でインターネットプロトコルを利用してデータ通信網で通話を行う技術である。本実施の形態では、この技術を利用して、携帯端末から特定のサーバ(サーバ200)に対して、位置情報付きの音声メッセージの投稿を行う。この音声メッセージの投稿に対して、ポッドキャスティングサービスにより自動的に、位置情報付きのRSS情報が生成される。
(d)GPS等の位置検出手段を備えた携帯端末330から電子メール等により検索サーバ200にアクセスして、自己のブログに対して、位置情報とともにブログの記事を投稿する。この記事の投稿に対して、ブログサービスにより自動的に、位置情報付きのRSS情報が生成される。
【0033】
検索サーバ200は、外部からの記事の投稿によりRSS情報を生成、蓄積する他、外部のサイトを定期的に巡回してRSS情報を収集する。
【0034】
車載装置100は、必要時に、検索サーバ200に対してアクセスし、所定の検索キー情報に基づいて、RSS情報の検索要求を行い、該当するRSS情報を受信し、所定の処理に基づいてその内容の表示を行う。その詳細については後述する。
【0035】
図3は、図1のシステムの車載装置100によるRSS情報利用時の概略の処理の流れを示している。図中の括弧付きの数字は処理の順番を示している。この例では、ユーザが、車載装置100において、現在地や目的地、または指定した施設、観光地等の位置を表す位置情報をキー情報として、その位置に関連したRSS情報を検索サーバ200から入手する場合を示している。キー情報としては、位置情報に代えて、または加えて、住所や名称(市町村名、公共施設名、駅名、観光地名等)、ジャンル情報(飲食店、温泉、ホテル等)なども含みうる。
(1)ユーザによる操作部102bの操作に応じて、目的の位置情報を制御部101の地図・表示管理部104に入力する。
(1)’処理(1)と平行してGPS受信部103で検出した現在地の位置情報を地図・表示管理部104へ入力する。
(2)地図・表示管理部104が処理(1)(1)’で得られた位置情報をRSS管理部105へ与える。
(3)地図・表示管理部104は、現在地の位置情報に従って、その周辺の地図情報を地図データベース111から読み出す。
(3)’地図・表示管理部104は、読み出された地図情報を表示部102aに与え、表示画面上に表示させる。
(4)RSS管理部105が通信部107により、通信ネットワーク150を介して、検索サーバ200に、目的の位置情報をキーとしてRSS情報の検索を行うことを要求し、その検索結果を受領する。この検索結果は、RSS情報に位置情報が付加されている場合にはその位置情報とともに受領される。検索用のキーとして検索サーバ200に与えられる位置情報と、検索サーバ200から受領される位置情報とは必ずしも同じではない。すなわち、検索サーバ200からの位置情報は、検索用のキーとして指定された位置の周辺の施設等のオブジェクトの具体的な位置を定める情報である。なお、検索サーバ200から受領したRSS情報に位置情報が付加されていない場合には、RSS管理部105は、RSS情報の内容から位置を表す情報(住所や電話番号等)を抽出し、位置情報を生成する。より具体的には、RSS情報の中身から位置関連情報としての住所や電話番号等を抽出して、位置情報を求め、RSS情報とともに保存する。電話番号のみが分かり住所が不明の場合には、電話番号を基に電話帳データから住所を求められる場合には住所を求めて、これを保存する。
(5)RSS管理部105は、検索サーバ200から受領した位置情報とともに、RSS情報をRSSデータベース113に登録する。
(6)RSS管理部105は、RSS情報から生成した表示情報とともに位置情報を地図・表示管理部104へ与える。
(7)地図・表示管理部104は、表示部102aにおいて、表示画面上に表示されている地図に重ねて、RSS管理部105から得られた表示情報を表示するとともに、位置情報に対応する地図上の位置に所定のアイコンを表示させる。
(8)RSS管理部105は、表示画面に表示されたRSS情報に対するユーザによる操作部102bの操作に応じて、閲覧対象のURL情報を受け付ける。
(9)この操作に応じてRSS管理部105は、ブラウザ部106に対してURL情報を与える。
(10)ブラウザ部106は、通信部107により通信ネットワーク150を介してURLで指定されたサーバ(サーバ200または他のサーバ210,220等)にアクセスし、当該サイトの情報を受信する。
(11)ブラウザ部106は、表示部102aに対して、当該サイトの情報を表示情報として与え、表示部102aがこれを表示する。
【0036】
図4に、RSS・DB113が蓄積するデータの内容を、模式的にテーブル構成として示す。RSS・DB113は、この例では、ブログの記事ごとに、「ブログタイトル」「記事タイトル」「記事URL」「エリア」「詳細位置」「投稿日」「内容記憶位置ポインタ」「抽出名称」等を記憶している。「記事」とはブログにおける各日付に投稿された文章の一つ一つ(エントリー)を指す。「エリア」とはその記事の主題の該当する地域名であり、位置情報付きで登録されたRSS情報については、その位置情報から特定される地域名である。位置情報付きRSS情報ではない場合、記事中から該当する地域名を抽出してエリアとする。この場合、誤抽出の可能性もありうる。このテーブルにはさらに他の項目(例えばそのRSS情報に対応するオブジェクトの「ジャンル」等)を含んでもよい。
【0037】
「内容記憶位置ポインタ」は、当該記事の実体となるデータを記憶している装置内の記憶装置の位置(アドレス)を指し示すデータである。
【0038】
「抽出名称」とは、検索キーが位置およびカテゴリーである場合に、そのカテゴリーに合致する「名称」を記事中から抽出したものである。例えば、カテゴリが「飲食店」等の場合、それに合致する店名である。店名は固有名詞なので、何の基準もなく記事中のテキスト全文をスキャンして、抽出するのは困難である。そのため、記事中の「店名」等に続く名称を抽出したり、記事の記載に規則を設けておいたり、タグ等により抽出対象の名称が分かるようにしておいたりしてもよい。あるいは、サーバ200において、電話帳データ等からカテゴリー毎の名称を予め登録しておき、これらを基準として記事中の該当する名称を抽出するようにしてもよい。
【0039】
図5に、ブログの表示画面の一例を示す。本実施の形態では「概要情報」としてRSS情報を用いる。ブログについては記事の投稿により自動的にRSS情報が生成される仕組みとなっているので、本発明と親和性が高い。但し、ブログに限るものではなくホームページや音声メッセージについてもRSS情報等が利用できれば、本発明が適用できる。ブログの表示画面には、カレンダー表示451が有り、日付単位の記事ページが登録される。ブログの記事は、投稿日時453、記事タイトル452、本文455の他、ジャンル(カテゴリ)454、閲覧者がコメントを記載するコメント欄457、トラックバックと呼ばれるブログ記事間をリンクするための機能を有している。
【0040】
次に、本実施の形態における具体的な表示例について説明する。
【0041】
図6、図7、図8は、車載装置100の表示画面に、異なる3つの縮尺で同じ中心位置の地図を表示した場合の表示例を示している。地図上には、RSS情報の検索結果を表す表示情報が重ねて表示されている。これは、特定の位置の周辺においてRSS・DB113に登録されているRSS情報を異なる3個の表示形態のアイコン501〜503で表している。アイコン501〜503は、当該アイコンで表されているオブジェクトに対するRSS情報の重複したヒット数(重複ヒット数)に応じて設けられた3段階のヒット数を表している。この例では、一重丸のアイコン501がヒット数「少」、二重丸のアイコン502がヒット数「中」、三重丸のアイコン503がヒット数「多」、をそれぞれ表している。
【0042】
「重複ヒット数」とは、同じオブジェクトについて該当するRSS情報が複数存在する場合のRSS情報の件数である。例えば、同じラーメン屋について3件のRSS情報において言及されている場合、その重複したヒット数は“3”となる。
【0043】
異なる重複ヒット数の表示形態は、図6、図7、図8に示したようなアイコンのマーク変化によるものの他、図9に示すように、同形状のアイコンのサイズ変化によるもの、同サイズのアイコンの形状変化によるもの、同サイズ・同形状のアイコンの色(または濃度)変化によるもの、同サイズ・同形状のアイコンへの重複ヒット数の数値の付加によるもの、この数値を含む丸数字によるもの、等であってもよい。
【0044】
図10(a)は、地図を表示する表示画面400の例を示している。図10(a)の画面は、図6等に示した地図表示と同じである。ユーザが操作部から例えばカーソル411をアイコンに乗せる(重ねる)操作を行うと、そのブログ記事のタイトルが吹き出し形状のウィンドウ509に表示される。これにより、ユーザは、そのアイコンの対応づけられたRSS情報の大凡の内容を知ることができる。カーソル411をアイコンに乗せる操作は、操作部として表示画面に重ねて配置されたタッチパネルが用いられる場合には、アイコンに対するユーザの指のタッチに代えてもよい。タッチのみで操作される場合、カーソル411の表示はなくてもよい。また、ユーザが当該アイコンに対してさらに別の指示操作を行うと、表示画面400に代えて、またはその上に重ねて、そのアイコンに対応づけられている図5に示したようなブログ記事が表示される。ブログ記事内に、インターネット上の特定のサイトへのリンクが設定されている項目が存在する場合には、ユーザは、その項目の指示操作により、さらに当該サイトの閲覧を行うこともできる。
【0045】
RSS情報としてタイトル等のテキスト情報とともに音声メッセージが登録されている場合には、所定の操作に応じて音声メッセージが音声として音声出力部102c(図1)から出力される。
【0046】
なお、重複ヒットのアイコンについてカーソル411を乗せる操作を行った場合には、吹き出し形状のウィンドウに複数の記事のタイトルを羅列して表示するか、あるいは、図10(b)に示すように、別のウィンドウ510に複数の記事の少なくともタイトルを表示する。このウィンドウ510ではリストのスクロール操作が行えるようになっている。
【0047】
図11の画面は、カーソル411の位置とは関係なく、図10(a)の地図の表示領域402とは別にリスト表示領域404を設けたものである。図11の表示画面では、明確な地図上の位置が判明していないRSS情報について表示領域402にアイコン500を表示できない場合でも、その位置が、表示されている地図の範囲内であることが分かれば、リスト表示領域404にそのRSS情報を含めることができる。表示領域404内のアイコン500の表示されているRSS情報についてはその特定の項目をユーザが指示することにより、該当するアイコンがどれであるかが分かるように地図の表示態様を変化させる。例えば、該当するアイコンの表示形態を変化させたり、当該アイコンを地図の中心に位置するように地図をスクロールさせたりする。図11において、アイコンに対する操作は図10(a)の場合と同様である。図11の画面400では、さらに、リスト表示領域404内の任意のRSS情報に対して選択指示を行うことによっても、そのRSS情報の全体を表示させることができる。
【0048】
図12に表示領域404の具体例を示す。RSS情報421〜425はリスト形式で表示されている。1件のRSS情報には、その記事のタイトル427、記事内容(抜粋)426、および投稿日時429を含んでいる。その他、ブログタイトル等も含んでもよい。ユーザは記事タイトルを指示操作することにより、通信ネットワーク150を介してそのブログのサイトにアクセスし、当該ブログ記事を閲覧することができる。表示領域404内の前記特定の項目として、例えばいずれかの記事内容(抜粋)426をユーザが指示することにより、該当するアイコンがどれであるかが分かるように、上述のように地図の表示態様を変化させる。
【0049】
図8に示したように縮小率の大きい広域の地図表示では複数のアイコンが互いに重なって見にくくなる場合がある。このような場合に、図13に示すように、所定の位置的範囲内にある複数のアイコンを一つのグループにまとめて、単一の別のアイコン505(本明細書ではグループアイコンという)で代表させるようにしてもよい。この例のアイコン505は四角形状のマークで表しているが、これに限るものではない。このアイコン505に対してカーソルが乗せられた場合、図10(b)に示したと同様にウィンドウ510を開いて、ここにRSS情報をリスト表示(一覧表示)するようにする。
【0050】
次に、本実施の形態の動作をフローチャートに基づいて説明する。
【0051】
図14は、本実施の形態の車載装置の一処理例である全体フロー(1)を示している。この処理例は、車載装置100のナビゲーションシステムが有する周辺の施設、観光地等の情報を基に、該当するRSS情報を検索するものである。
【0052】
まず、ユーザの操作に応じて、ナビゲーションシステムが起動され、表示処理が開始される(S11)。次に、ユーザの操作に応じて、ナビゲーションシステムが内部に有する施設等のオブジェクト(アイテム)が選択され、地図上に表示される(S12)。
【0053】
そこで、特定のオブジェクトがユーザにより指示操作されたら(S13,Yes)、選択されたオブジェクトに関連するRSS情報の検索要求をサーバ200に対して送信する(S14)。この際の検索のキー情報は当該オブジェクトの名称、住所、電話番号等の情報である。サーバ200は、この検索要求に応じて、該当する各オブジェクトについてのRSS情報の検索を行う。車載装置100は、この検索結果をサーバから受信する(S15)。当該オブジェクトに該当するRSS情報があれば(S16,Yes)、RSS情報表示処理を行う(S17)。この場合、サーバ200から受信するRSS情報には位置情報が付加されていなくても、車載装置では内部情報からその正確な位置は既に判明している。RSS情報表示処理の詳細な処理手順については後述する。
【0054】
図15は、本実施の形態の車載装置100の他の処理例である全体フロー(2)を示している。この処理例は、全体フロー(1)のように内部データをトリガとするものではなく、ナビゲーションシステムにおいてユーザにより指定された所定の位置をキーとしてRSS情報の検索を行うものである。
【0055】
まず、ユーザの操作に応じて、ナビゲーションシステムが起動され、表示処理が開始される(S21)。次に、ユーザの操作に応じて、所定位置(範囲)に関するRSS情報の検索指示があれば(S22,Yes)、指示された所定位置(範囲)に関連するRSS情報の検索要求をサーバ200に送信する(S23)。サーバ200は、この検索要求に応じて、当該指定された所定位置の周辺において該当するRSS情報を検索する。検索要求にジャンル等の指定がある場合にはそのジャンルに該当するオブジェクトの検索を行う。この検索結果をサーバから受信する(S24)。当該所定位置に該当するRSS情報があれば(S25,Yes)、RSS情報表示処理を行う(S26)。この場合、サーバ200から受信するRSS情報には位置情報が付加されていない場合、ナビゲーションシステムにおいて、地図上での大凡の位置または正確な位置をRSS情報から検出することを試みる。RSS情報表示処理の詳細な処理手順については後述する。
【0056】
図16は、本実施の形態の車載装置のさらに他の処理例である全体フロー(3)を示している。この処理例は、全体フロー(2)に類似し、位置に関連してRSS情報の検索を行うものであるが、検索のキーとなる位置は固定的な位置ではなく、ナビゲーションシステムの現在地(出発地)から目的地までの途中の経路においても、逐次、進行に伴って新たな現在地の周辺の施設等のRSS情報を検索して表示を更新していくものである。
【0057】
まず、ユーザの操作に応じて、ナビゲーションシステムが起動され、表示処理が開始される(S31)。次に、ユーザの操作に応じて、設定された出発地から目的地までの間の経路上の複数の位置(住所または緯度および経度)に関するRSS情報の検索要求をサーバ200に対して行い、検索結果を受信し、RSS・DB113に蓄積する(S32)。経路上の複数の位置の位置の選定は、特にその方法を限定するものではないが、所定距離毎に抽出したり、異なる地名毎に抽出したりすることができる。この処理は、ナビゲーションシステムの処理のバックグラウンドで実行することが好ましい。その後、表示中の地図の範囲に該当するRSS情報の検索を内部的に実行する(S33)。該当するRSS情報があれば(S34,Yes)、RSS情報表示処理を行う(S35)。この場合、サーバ200から受信するRSS情報には位置情報が付加されていない場合、ナビゲーションシステムにおいて、地図上での大凡の位置または正確な位置をRSS情報から検出することを試みる。RSS情報表示処理の詳細な処理手順については後述する。
【0058】
その後、車両の進行により現在位置が変化したら(S36,Yes)、ステップS33に戻り、新たなRSS情報の検索を行う(S33)。表示終了の指示があるまでは(S37)、ステップS35に戻って上記のRSS情報表示処理を繰り返す。途中経路上の位置に関する外部への検索要求は前もって実行しておくようにしたが、現在地の進行に伴ってその都度、分散して実行するようにしてもよい。
【0059】
図17は、上述したRSS情報表示処理の具体的な処理手順を示している。
【0060】
まず、検索ヒットした複数のRSS情報について、上述した重複ヒット数を検索する処理を実行する(S41)。この詳細手順については後述する。ついで、検索ヒット数が、最大表示可能なRSS情報の件数(またはアイコンの個数)として予め定められた閾値nより多いかどうかをチェックする(S42)。nより多ければ、重複ヒット数が多い項目に関するRSS情報を上位n件抽出する(S43)。nより多くなければ、ステップS43を迂回してステップS44へ進む。
【0061】
ステップS44では、ループ変数iを“1”に初期化し、次のステップS45〜S49を繰り返して実行する。すなわち、まず、i番目のRSS情報を地図上に表示可能か否かをチェックする(S45)。この判断は、そのRSS情報に詳細な位置情報が付加されているか、または詳細な位置情報が抽出できているかによる。表示可であれば、そのRSS情報のアイコンを地図上の当該位置に表示する(S46)。表示不可であれば、そのRSS情報(タイトル等)をリスト領域にリスト表示する(S47)。RSS情報がなくなるまで(S49)、ステップS45に戻ってステップS46またはS47を繰り返し実行する。その後、RSS情報の表示指示があれば(S50,Yes)、指定されたRSS情報を表示する(S51,Yes)。表示終了指示がある前に(S52)、次のn件の指示があれば(S53)、ステップS42に戻って、新たなRSS情報のアイコン表示に移行する。表示終了指示があれば、本処理を終了する。
なお、ステップS41の重複ヒット数検出処理、または、これに加えてステップS42,S43の上位n件のRSS情報の抽出処理は、サーバ側で行うことも可能である。
【0062】
図18は、上述した重複ヒット数の検出処理の具体的な処理手順を示している。この処理では、上述した「抽出名称」と「エリア」の組み合わせに割り当てられる番号を表す整数の変数iの重複ヒット数を関数h(i)で表す。「抽出名称」と「エリア」の組み合わせにより、特定の位置にあるオブジェクトが一意に特定されると考えられるからである。但し、同エリアに同じ抽出名称が存在しないことが保証されるのであれば、または、同エリアに同じ抽出名称が存在しても誤差として許容されるのであれば、必ずしも「エリア」を用いる必要はない。
【0063】
図18の処理において、まず、すべての変数iについて関数h(i)の値を0に初期化する(S61)。ついで、変数iの値を“0”として(S62)、以降の処理ループを実行する。
【0064】
処理ループでは、まず、RSS・DB113から1件のRSS情報(記事)を読み出す(S63)。この記事の抽出名称が既出でない(新たな)抽出名称か否かをチェックする(S64)。既出でない場合には、その抽出名称とエリアの組み合わせに新たなi値(ここでは1増分した値)を割り当て(S66)、ステップS69へ移行する。
【0065】
既出の抽出名称である場合、「エリア」または「詳細位置」が先のRSS情報のそれと同じであれば(S65,Yes)、当該抽出名称とエリアの組み合わせのi値を確認し(S67)、そのi値について関数h(i)の値をインクリメント(1増分)する(S68)。そうでなければ、ステップS66へ進む。このような処理を、RSS・DB113の全記事について(S69)、繰り返し実行する。全記事についてループ処理が終了すると、すべての抽出名称とエリアの組み合わせ(すなわち異なるi値)について、関数h(i)の値がその重複ヒット数となる。
【0066】
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。システムおよび装置の構成はすべて第1の実施の形態と同じであり、重複した説明は省略する。
【0067】
図6、図7、図8に示したように縮尺の異なる地図を表示する場合、縮小率の大きい(広域の)地図表示では、表示対象となる位置的範囲が広がるため該当するRSS情報の件数が多くなる反面、地図は微細になる。また、アイコンのサイズは、縮尺の変化と同じに変化させると視認性の問題が生じるので、地図の縮小率に依存させないことが望ましい。その結果、図8のような縮小率の大きい広域の地図表示では、アイコンが密集して重なり合うような場合が生じる。そこで、本実施の形態では、前記特定の位置を中心とした共通基準範囲内でピックアップされる概要情報の件数またはアイコンの個数を制限するための閾値を、表示される地図の縮尺に応じて異なった値に設定する。
【0068】
図19(a)はヒット数閾値nと縮小率との関係を定めたデータテーブルを用いる例を示している。縮小率が大きくなるほど(すなわち広域となるほど)、ヒット数閾値nを小さく設定している。ただし、このヒット数閾値nは予め設定した基準の領域(例えば指定位置の周辺の所定距離範囲)内でのヒット数に対するものであり、縮小率毎に変わる表示範囲内のヒット数に対するものではないことに留意されたい。縮小率およびヒット数閾値nを処理プログラムの中の条件判定ステップにおける条件値および定数値として保持する場合も、実質的にデータテーブルを利用したと等価である。データテーブルの他に、図19(b)は、ヒット数閾値nを縮小率の関数値として定めた数式を用いる例を示している。図19(c)は、別のデータテーブルを示している。これは、アイコンを表示する対象となる縮尺の地図表示においては、その縮尺に関わらず表示範囲内に一度に表示されるアイコンの個数を制限する共通の閾値(n1)を定めるものである。すなわち、縮尺の度合いが変わっても、表示画面内に表示される最大のアイコンの個数は一定に制限しようとするものである。図19(a)(b)の場合には、表示範囲内のアイコンの最大個数が一定となるか否かは保証されないが、図19(c)の場合には一定になることが保証される。
【0069】
ヒット数がヒット数閾値nを超える場合、上位のn個のRSS情報を選択し、該当する位置にアイコンを表示する。アイコンの表示形態については第1の実施の形態と同様とすることができる。
【0070】
上位のn個のRSS情報の選択方法としては、上述した重複ヒット数が大きいものから選択する。重複ヒット数が同じRSS情報については、更新日時の新しい順、RSS・DB113内の登録順等、任意の規則にしたがって選択する。これにより、広域の地図表示では重複ヒット数の大きい検索対象について優先的に抽出・表示することができる。
【0071】
図20は、第1の実施の形態で説明した図8に対応する広域の地図表示画面であるが、図19(a)(b)の場合の閾値nの制限を受けたために、図8に比べてアイコンの個数が低減し、重複ヒット数の少ないアイコン501が存在しなくなった場合を示している。
【0072】
n個のRSS情報のアイコンを表示した後に、ユーザの所定の操作に応じて、元のアイコン表示に代えて残りのRSS情報について新たなアイコン表示を行うようにしてもよい。この場合には、重複ヒット数の少ないアイコンも表示されるようになる。
【0073】
図21は、第2の実施の形態におけるRSS情報表示処理(2)の処理手順を示したフローチャートである。この処理は図17に示した処理に類似しているが、地図の縮尺に合わせて閾値nを変更する点が異なる。
【0074】
まず、地図の縮尺に合わせて、最大表示可能なRSS情報の件数の閾値nを設定する(S71)。これは、図19(a)(b)(c)で説明したような方法により行う。ついで、検索ヒットした複数のRSS情報について、上述した重複ヒット数検出処理を行う(S72)。ついで、検索ヒット数が、最大表示可能なRSS情報の件数として予め定められた閾値nより多いかどうかをチェックする(S73)。nより多ければ、重複ヒット数が多い項目に関するRSS情報を上位n件抽出する(S74)。ヒット件数がnより多くなければ、ステップS74を迂回してステップS75へ進む。
【0075】
ステップS75では、ループ変数iを“1”に初期化し、次のステップS76〜S80を繰り返して実行する。すなわち、i番目のRSS情報を地図上に表示可能か否かをチェックする(S76)。この判断は、そのRSS情報に詳細な位置情報が付加されているか、または詳細な位置情報が抽出できているかによる。表示可であれば、そのRSS情報のアイコンを地図上の当該位置に表示する(S77)。表示不可であれば、そのRSS情報(タイトル等)をリスト領域にリスト表示する(S78)。その後、ループ変数iを1増分して(S79)、RSS情報がなくなるまで(S80)、ステップS76に戻ってステップS77またはS78を繰り返し実行する。その後、RSS情報の表示指示があれば(S81,Yes)、指定されたRSS情報を表示する(S82)。縮尺の変更があれば(S83,Yes)、ステップS71に戻る。表示終了指示がある前に(S84)、次のn件の指示があれば(S85,Yes)、ステップS81に戻って、新たなRSS情報のアイコン表示に移行する。表示終了指示があれば、本処理を終了する。
【0076】
本発明の変形例として、図7に示したようにアイコンが密集して互いに重複した場合、ユーザによる所定の指示に応じて、その重複状態が解消される縮尺にまで、地図の倍率を拡大する機能を設けてもよい。そのためには、当該所定の指示があった場合、制御部は、各縮尺の地図上で最も近接している隣接アイコンの中心間の地図上距離がアイコンの外接円の直径を超えるような縮尺を見つけ、地図表示の縮尺をそのような縮尺に自動的に変更する。「所定の指示」とは、例えばタッチパネル上に用意された特定の表示ボタンなどに対するタッチ操作、あるいは、アイコンに対する他の操作と干渉しない特定の操作である。
【0077】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、上記で言及した以外にも種々の変形、変更を行うことが可能である。
【0078】
例えば、概要情報の一例としてRSSを挙げたが、ATOM等の他の概要情報であってもよい。
【0079】
各オブジェクトをそのジャンル(飲食店、ガソリンスタンド、駐車場、等)により分類し、ユーザによる操作部からのジャンルの指定または選択に応じて、当該指定または選択されたジャンルに該当するオブジェクトを抽出し、現在表示されているアイコンに代えて当該オブジェクトのアイコンを表示するようにしてもよい。また、この場合、ジャンル毎に、アイコンの表示形態を変化させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の実施の形態のシステム全体の概略の構成を示す図である。
【図2】図1内に示した検索サーバにおけるRSS情報の蓄積およびその利用について説明するための図である。
【図3】図1内に示した車載装置によるRSS情報利用時の概略の処理の流れを示した説明図である。
【図4】図1内に示したRSS・DBが蓄積するデータの内容を、模式的にテーブル構成として示す図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるブログ記事の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態において車載装置の表示画面に表示される第1の縮尺の地図の表示例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態において車載装置の表示画面に表示される第2の縮尺の地図の表示例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態において車載装置の表示画面に表示される第3の縮尺の地図の表示例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態において採用しうる異なる重複ヒット数の表示形態を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態における地図の表示画面の例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における地図の表示画面の別の例を示す図である。
【図12】図11内に示した表示領域404の具体例を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態において所定の位置的範囲内にある複数のアイコンを一つのグループにまとめて、単一の別のアイコンで代表させた例を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態の車載装置の一処理例である全体フロー(1)を示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施の形態の車載装置の一処理例である全体フロー(2)を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施の形態の車載装置の一処理例である全体フロー(3)を示すフローチャートである。
【図17】図14〜図16の全体フロー内のRSS情報表示処理の具体的な処理手順を示すフローチャートである。
【図18】本発明の実施の形態における重複ヒット数の検出処理の具体的な処理手順を示すフローチャートである。
【図19】本発明の第2の実施の形態におけるヒット数閾値nと縮小率との関係を定める手段の説明図である。
【図20】本発明の第2の実施の形態における、図8に対応する広域の地図表示画面を示す図である。
【図21】本発明の第2の実施の形態におけるRSS情報表示処理(2)の処理手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0081】
100…車載装置、101…制御部、102…ユーザインタフェース部、102a…表示部、102b…操作部、102c…音声出力部、103…GPS受信部、104…地図・表示管理部、105…RSS管理部、106…ブラウザ部、107…通信部、111…地図データベース、113…RSSデータベース、150…通信ネットワーク、200…検索サーバ、201…データベース、210,220…情報サーバ、211,221…データベース、330…携帯端末、400…表示画面、402…表示領域、404…リスト表示領域、411…カーソル、421〜425…RSS情報、427…記事タイトル、429…投稿日時、451…カレンダー表示、452…記事タイトル、453…投稿日時、455…本文、457…コメント欄、500…アイコン、501…アイコン、502…アイコン、503…アイコン、505…アイコン、509…ウィンドウ、510…ウィンドウ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークに接続するネットワーク接続手段と、
地図データベースを検索して、特定の位置周辺の地図情報を読み出す地図データベース検索手段と、
前記特定の位置に関連した情報に基づいて通信ネットワーク上のコンテンツの概要情報の検索を外部に要求し、該当する概要情報を取得する概要情報取得手段と、
前記概要情報に記載されたオブジェクトの位置を表す位置情報を取得し、地図上の当該オブジェクトの位置を特定する位置特定手段と、
表示画面上で、地図上の前記特定された位置に、前記オブジェクトの有無を表すアイコンを表示する表示手段とを備え、
前記表示手段は、表示対象の各オブジェクトに該当する概要情報の件数(重複ヒット数)に応じてそのアイコンの表示形態を異ならせる
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
前記表示手段は、前記アイコンが指示されたとき、当該アイコンに対応する概要情報を表示する請求項1記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記位置特定手段は、外部から取得した概要情報の中から当該オブジェクトに該当する位置情報を抽出する請求項1記載の情報表示装置。
【請求項4】
前記位置特定手段は、前記外部から取得した概要情報に位置情報が付加されている場合にはその位置情報を利用する請求項3記載の情報表示装置。
【請求項5】
位置に関連づけられた検索対象情報を記憶する情報データベースを有し、この情報データベースを検索した結果に基づいて前記概要情報の検索の要求を行う請求項1記載の情報表示装置。
【請求項6】
前記表示手段は、表示される地図の縮尺に応じて、所定の距離範囲内にある複数のアイコンをグループ化し、グループ化されたアイコン(グループアイコン)については、当該グループ化される前のアイコンに代えて、グループアイコンを表示する請求項1記載の情報表示装置。
【請求項7】
前記表示手段は、前記グループアイコンが指示されたとき、当該グループに含まれる各アイコンに対応する概要情報を一覧表示する請求項6記載の情報表示装置。
【請求項8】
情報表示装置の現在の位置を検出する位置検出手段と、
現在地から目的地までのナビゲーションを行うナビゲーション装置とを備え、
前記情報取得手段は、現在地から目的地までの間の経路上の複数の位置について前記概要情報を取得し、前記表示手段は、現在地の更新に伴って表示対象のアイコンを逐次更新表示していく請求項1記載の情報表示装置。
【請求項9】
前記表示手段は、前記特定の位置を中心とした共通基準範囲内でピックアップされる概要情報の件数またはアイコンの個数を制限するための閾値を、表示される地図の縮尺に応じて変える請求項1記載の情報表示装置。
【請求項10】
前記表示手段は、アイコンを表示する対象となる縮尺の地図表示においては、その縮尺に関わらず表示範囲内に一度に表示されるアイコンの個数を制限する共通の閾値を定めることを特徴とする請求項1記載の情報表示装置。
【請求項11】
前記表示手段は、閾値を越えるアイコンが存在する場合、重複ヒット数の多いオブジェクトのアイコンを優先して選択することを特徴とする請求項9または10記載の情報表示装置。
【請求項12】
通信ネットワークに接続するネットワーク接続手段と、
地図データベースを検索して、特定の位置周辺の地図情報を読み出す地図データベース検索手段と、
前記特定の位置に関連した情報に基づいて通信ネットワーク上のコンテンツの概要情報の検索を外部に要求し、該当する概要情報を取得する概要情報取得手段と、
前記概要情報に記載されたオブジェクトの位置を表す位置情報を取得し、地図上の当該オブジェクトの位置を特定する位置特定手段と、
表示画面上で、地図上の前記特定された位置に、前記オブジェクトの有無を表すアイコンを表示する表示手段とを備え、
前記表示手段は、前記特定の位置を中心とした共通基準範囲内でピックアップされる概要情報の件数またはアイコンの個数を制限するための閾値を、表示される地図の縮尺に応じて変える
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項13】
通信ネットワークに接続するネットワーク接続手段と、
地図データベースを検索して、特定の位置周辺の地図情報を読み出す地図データベース検索手段と、
前記特定の位置に関連した情報に基づいて通信ネットワーク上のコンテンツの概要情報の検索を外部に要求し、該当する概要情報を取得する概要情報取得手段と、
前記概要情報に記載されたオブジェクトの位置を表す位置情報を取得し、地図上の当該オブジェクトの位置を特定する位置特定手段と、
表示画面上で、地図上の前記特定された位置に、前記オブジェクトの有無を表すアイコンを表示する表示手段とを備え、
前記表示手段は、アイコンを表示する対象となる縮尺の地図表示においては、その縮尺に関わらず表示範囲内に一度に表示されるアイコンの個数を制限する共通の閾値を定める
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項14】
前記表示手段は、表示対象の各オブジェクトに該当する概要情報の件数(重複ヒット数)に応じてそのアイコンの表示形態を異ならせる請求項12または13記載の情報表示装置。
【請求項15】
前記表示手段は、閾値を越えるアイコンが存在する場合、重複ヒット数の多いオブジェクトのアイコンを優先して選択する請求項12または13記載の情報表示装置。
【請求項16】
前記概要情報にはコンテンツのURL情報を含み、前記ネットワーク接続手段は、ユーザの指示に応じて当該URLにアクセスし、当該コンテンツを取得し、前記表示手段は前記コンテンツを表示する請求項1、12または13記載の情報表示装置。
【請求項17】
表示画面上でアイコンが密集して互いに重複した場合、ユーザによる所定の指示に応じて、その重複状態が解消される縮尺にまで地図の倍率を拡大する手段を備えた請求項1、12または13記載の情報表示装置。
【請求項18】
オブジェクトはジャンルにより分類され、ジャンルの指定または選択に応じて、当該指定または選択されたジャンルに該当するオブジェクトを抽出し、現在表示されているアイコンに代えて当該オブジェクトのアイコンを表示する請求項1、12または13記載の情報表示装置。
【請求項19】
前記ジャンル毎に、アイコンの表示形態を変化させる請求項18記載の情報表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2007−278807(P2007−278807A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−104668(P2006−104668)
【出願日】平成18年4月5日(2006.4.5)
【出願人】(591112522)株式会社ACCESS (91)
【Fターム(参考)】