説明

成膜装置

【課題】成膜空間を高圧雰囲気にした場合であっても、成膜空間側に長くプラズマを引き出すことができる装置を提供する。
【解決手段】プラズマ発生源10は、プラズマ生成室21と、陰極31と、成膜用容器24の内部に配置された陽極26と、第1および第2中間電極22,23とを含み、第2中間電極23には、電位制御部28が接続され、陽極26と陰極31との間の電圧降下により第2中間電極23の位置で生じる電位よりその電位を低くする。これにより、第2中間電極23と陽極26との間の空間の電位勾配を、電圧降下による電位勾配より大きくすることができるため、プラズマ発生源から引き出された電子(プラズマ)を加速して、成膜空間に長く引き出すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ銃を用いた成膜装置に関し、特に、プラズマ銃の内部空間で生成したプラズマ中の電子を成膜空間中に引き出して成膜に使用する成膜装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマ銃を用いた成膜装置としては、プラズマ銃から引き出した電子を蒸発源(例えばAl)に照射し蒸発させ、電子と衝突させてイオン化し、基板に衝突させることにより成膜するイオンプレーティング装置や、プラズマ銃から引き出した電子に成膜原料ガス(例えばヘキサメチルジシロキサン:HMDSO)を供給してプラズマとし、分解または重合させることにより反応物(例えばシリコン酸化物)を基板上に付着させる成膜装置が知られている。例えば特許文献1および特許文献2には、圧力勾配型のイオンプレーティング装置が開示されている。
【0003】
プラズマ銃は、特許文献1に記載されているように、プラズマ銃の内部空間に陰極が配置され、不活性ガスが導入されるとアーク放電により内部空間にプラズマを生成する。成膜空間側には陽極(蒸着源)が配置されている。プラズマ銃の内部空間と成膜空間との間には、プラズマを安定させるために、開口を絞った円環状の中間電極が配置されている。プラズマ銃の内部空間で形成されたプラズマ中の電子は、中間電極の開口を通って成膜空間側に引き出される。引き出された電子は、陽極の蒸着源に照射される。このようなプラズマ銃は、一般に照射型と呼ばれている。一方、特許文献2のプラズマ銃は、中間電極と成膜空間との間に円環状の陽極を配置し、一旦成膜空間に引き出した電子を円環状の陽極に引き戻す、反射型と呼ばれるプラズマ銃である。
【0004】
照射型および反射型のいずれにおいても、中間電極は、その絞られた開口がオリフィスとして機能することにより、プラズマ銃の内部空間を成膜空間よりも高い圧力に保ち、圧力勾配を形成する。この圧力勾配により、成膜空間のイオンや反応ガスがプラズマ銃の内部空間に流入するのを防止し、陰極の物理的および化学的損傷から保護することにより、安定した放電を継続させる。
【特許文献1】特開平6−128730号公報
【特許文献2】特開2002−177765号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
プラズマ銃から成膜空間側へ長くプラズマ(電子)を引き出すことができれば、プラズマ引き出し方向に沿って複数箇所に配置した反応ガス供給源や蒸発源でそれぞれ成膜を行うことが可能となり、複数基板や大面積基板への成膜が可能となる。一方、近年、機能性薄膜等の実現するために、成膜空間を高圧雰囲気に設定することが望まれているが、高圧雰囲気では平均自由工程が短くなり、引き出されたプラズマが減衰する。
【0006】
本発明の目的は、プラズマ銃を備えた成膜装置であって、成膜空間を高圧雰囲気にした場合であっても、成膜空間側に長くプラズマを引き出すことができる装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の成膜装置は、成膜空間を形成する成膜用容器と、該成膜用容器に設けられた導入口に接続されたプラズマ発生源とを有し、プラズマ発生源は、プラズマ生成室と、プラズマ生成室内に配置された陰極と、成膜用容器の内部に配置された陽極と、陰極と成膜空間との間に順に配置された第1および第2中間電極とを含み、第2中間電極には、陽極から陰極への電圧降下により第2中間電極の位置で生じる電位より第2中間電極の電位を低くするための電位制御部が接続されている。これにより、第2中間電極と陽極との間の電位勾配を、電圧降下による電位勾配より大きくすることができるため、プラズマ発生源から引き出された電子(プラズマ)を加速して、成膜空間に長く引き出すことができる。
【0008】
上述の第1中間電極および第2中間電極は、例えば、陰極から陽極へ引き出されるプラズマの軸が通過する位置に開口部を有する形状とすることができる。このとき、第2中間電極の開口部の径を、第1中間電極の開口部の径よりも5倍以上大きくすることができる。これにより、第2中間電極にオリフィスの働きを兼用させることができる。
【0009】
上述の第1中間電極および第2中間電極の少なくとも一方は、例えば、2以上の部材に分割されたものを用いることができる。開口部の内壁面は、2以上の部材の面により構成される。2以上の部材のうちの少なくとも一つは、他の部材とは電気的に非導通の非電極部とすることができる。これにより、電極部の形状を任意に形成した場合であっても、非電極部と組み合わせることにより、開口部を形成することができる。よって、オリフィスとして作用させることができる。
【0010】
上記第2中間電極の開口部の形状は、円環状、平板状または矩形状等にすることができる。このとき、開口部のプラズマの接する面とプラズマ軸との距離が25mm以上150mm以下にすることが望ましい。
【0011】
また、成膜容器には、導入口から陽極へ向かって複数の成膜手段を並べて配置した構成にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の一実施の形態の成膜装置について図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態の成膜装置は、成膜空間を構成する成膜真空容器24と、成膜真空容器24のプラズマ導入口24aに接続されたプラズマ発生源(プラズマ銃)10とを有する。プラズマ発生源10は、内部空間がプラズマ生成室となるプラズマ真空容器21と、その内部に配置された陰極31と、第1および第2中間電極22、23と、成膜真空容器24内に配置された陽極26とを備えている。
【0013】
陰極31の構造は、アーク放電によってプラズマを生成するのに適した構造であり、公知の陰極構造を用いる。陽極26は、成膜真空容器24の内側であって、プラズマ導入口24aと向かい合う位置に配置されている。
【0014】
第1中間電極22および第2中間電極23は、プラズマ真空容器21と成膜真空容器24との間に順に配置されている。第1および第2中間電極22、23は、いずれもプラズマ生成室からひきだされるプラズマ27の軸27aが通過する位置に円形の開口を有する円環形状である。第2中間電極23は、成膜真空容器24のプラズマ導入口24aに近接して配置され、プラズマ導入口24a付近のプラズマの電位を制御する作用と、成膜空間とプラズマ生成室との圧力差を維持するオリフィスとしての作用を兼用する。
【0015】
第2中間電極23の開口径は、第1中間電極22の開口径よりも5倍以上大きい径に設定することが望ましい。開口径を大きくすることにより、プラズマ27の電位を維持しながら、プラズマ電流が第2中間電極23に流れ込む量を抑制することができるため、成膜空間が高圧雰囲気の場合であっても、放電の安定化を図り、かつ、負電位を持ったエネルギーの高いプラズマ27を成膜室に導入することが可能になる。ただし、開口径が大きすぎるとプラズマ27が不安定になる傾向があるため、第2中間電極23の開口径を、第1中間電極22の開口径の10倍〜20倍以下程度に設定することが好適である。開口径が大きすぎるとプラズマ27が不安定になる理由は、第2中間電極23の開口内壁とプラズマ軸27aとの距離が離れすぎるため、中間電極としての作用ならびにオリフィスとしての作用が弱まり、第2中間電極23を配置していない構造と等価になるためであると思われる。本実施の形態では、実用的な数値として、第1中間電極22の開口径を10mmとし、第2中間電極23の開口径を50mm以上300mm以下の範囲に設定している。すなわち、開口の内壁面とプラズマ27の中心軸27aとの距離を25mm以上150mm以下に設定している。
【0016】
また、プラズマ真空容器21には、プラズマ生成室に不活性ガス30を導入するためのガス導入口41と、不図示の排気装置とが備えられている。なお、図1では、図示を省略しているが、プラズマ真空容器21と成膜真空容器24との間には、第1中間電極22および第2中間電極23の外側を覆うように筒状フランジが配置されており、プラズマ真空容器21と成膜真空容器24とを外部から気密を保った状態で連結している。
【0017】
成膜真空容器24には、プラズマ導入口24aと陽極26とを結ぶ空間に原料ガス33を供給する原料ガス導入管28が設けられ、原料ガス導入管28の開口と向き合う位置には、基板34を支持する基板ホルダー29が配置されている。
【0018】
陰極31と陽極26は電源25の負極と正極にそれぞれ接続されている。第1および第2中間電極22、23は、電源25の正極と陽極26とを結ぶ配線42に、電源25と並列に接続されている。このとき、第1および第2中間電極22、23と配線42との間には、それぞれ抵抗43、32が配置されている。なお、図示の都合上、図1では配線42と原料ガス導入管28とが接しているが、原料ガス導入管28と配線とは電気的に絶縁されている。
【0019】
第1中間電極22の電位は、図2のように電圧降下により陰極31の電位よりも高くなるため、プラズマ中の電子を引き出す作用をする。一方、第2中間電極23は、プラズマ導入口24a付近に配置されているため、上述したようにプラズマ導入口24a付近におけるプラズマ電位を負電位を維持する作用とオリフィスとしての作用を兼用する。
【0020】
また、第2中間電極23の形状としては、円環状のものに限らず、開口形状が平板状のものや、図3(a)のようにプラズマと接する部分が矩形状の電極321を用いることができる。また、図3(b)に示した第2中間電極322のように、開口部を中心に2つの部材に分割した構成にすることもできる。この場合、1つの部材(平板状部材)322aのみを抵抗32に接続し、もう一方の部材322bを平板状部材322aとは電気的に絶縁した構成にする。これにより、平板状部材322aは電極として作用するが、部材322bは非電極となる。ただし、部材322bは、平板状部材322aと組み合わされて開口を形成するため、電極となる部材322aの形状に関わらず第2中間電極23にオリフィス機能を発揮させることが可能となり、部材322aの形状の設計の自由度が高まる。第1中間電極22の形状を、図3(a)、(b)のような形状にすることも可能である。
【0021】
つぎに、本実施の形態の成膜装置の各部の動作について説明する。
プラズマ発生源10のプラズマ真空容器21の内部空間(プラズマ生成室)を排気装置(不図示)で排気した後、Ar等の不活性ガス30を所定の圧力まで導入する。一方、成膜真空容器24内の成膜空間は一旦所定圧力まで排気した後、原料ガス導入管28により原料ガス(ヘキサメチルジシロキサン:HMDSO)を所定の圧力30Pa程度まで導入する。プラズマ生成室の圧力は、成膜空間よりも高い圧力とし、第1及び第2中間電極22,23をオリフィスとして作用させ、圧力勾配を形成する。これにより、成膜空間の原料ガスやイオンがプラズマ生成室に流入するのを防止する。
【0022】
電源25によって陰極31と陽極26との間に電圧を印加し、プラズマ真空容器21内の内部空間にアーク放電を生じさせ、不活性ガス30のプラズマを生成する。このとき、第1中間電極22の電位は、図2のように電圧降下により陰極31の電位よりも高いため、プラズマ中の電子は、第1中間電極22の開口(10mmφ)を通って陽極26の方向へ引き出される。引き出されたプラズマ(電子)27はプラズマ導入口24aに近接配置された第2中間電極23の開口を通過する。第2中間電極23の開口径を第1中間電極22の開口径の5倍以上(ここでは90mmφ)に設定しているため、第2中間電極23は、プラズマ導入口24a付近におけるプラズマを負電位に維持するとともに、プラズマ電流が第2中間電極23に流れ込む量を制限することができる。これにより、負電位を持ったエネルギーの高いプラズマ27が安定した放電状態で成膜室に引き出される。
【0023】
引き出されたプラズマ27には、成膜空間の位置36において原料ガス供給管28より原料ガス(HMDSO)33が供給され、HMDSOを分解・重合した反応生成物Si系材料の膜を基板34上に成膜することができる。成膜空間は30Paに設定された高圧雰囲気であるため、基板上に形成されるSi系材料膜は、優れた特長、例えば超撥水性を示す。なお、第2中間電極23がオリフィスとして作用するため、成膜空間を高圧雰囲気にした場合でもプラズマ発生源10の放電状態を安定させることができる。
【0024】
このように、第2中間電極23の電位を、電圧降下によるその位置の電位よりも負電位とすることにより、引き出された電子を急な電位勾配により加速することができる。これにより、成膜空間の圧力が30Pa程度の高圧雰囲気であっても、プラズマ導入口24aから陽極26側に例えば60cm以上の位置37まで到達させることができ、プラズマ導入口24aから60cmの位置36でも成膜が可能である。
【0025】
一方、比較例として、図4のように、第2中間電極123の配置をプラズマ導入口24aから離し、開口径を従来のままにした場合(第1中間電極22の開口を10mmφ、第2中間電極123の開口を15〜20mmφ)、プラズマ27の電位は、図2に示したようにプラズマ導入口24a付近ですでに0電位となっており、プラズマを成膜空間に長く引き出すことはできなかった。また、高圧雰囲気では放電電圧が著しく高くなってしまい、放電も不安定で持続することができなかった。
【0026】
このように、本実施の形態では、成膜空間を30Pa程度の高圧雰囲気にした場合であっても、成膜空間に長くプラズマ27を引き出すことができるため、引き出し方向に沿って、例えば位置35から位置36までの長い区間を成膜に用いることが可能である。これにより、位置35から位置36までの径を有する大きな基板34を配置し、プラズマ27全体に原料ガスを供給することにより、大面積の成膜を行うことができる。
【0027】
また、図5に示したように、プラズマ27の引き出し方向に沿って複数の基板34を並べ、それぞれの位置へ配置した原料ガス導入管28により原料ガスを供給する構成にすることにより、複数基板34に同時に成膜処理を行うことができる。これにより、高圧雰囲気での成膜を量産することが可能になる。
【0028】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、原料ガスを分解・重合した反応生成物を成膜する装置について説明したが、本発明の成膜装置における成膜方法についてはこれに限られるものではなく、引き出したプラズマ27を利用して成膜するものであれば種々の成膜方法を用いることができる。例えば、図6に示したようにイオンプレーティング装置を構成することが可能である。
【0029】
このイオンプレーティング装置は、プラズマ27の引き出し方向に沿って複数箇所に、内部に蒸発源304が充填された蒸発源容器303が配置されている。蒸発源304および蒸発源容器303は導電性であり、電源25の正極と陽極26とを結ぶ配線42に電気的に接続されている。これにより、補助陽極としても作用している。蒸発源容器304の近傍には、反応ガス導入管301がそれぞれ配置されている。(なお、図6において導入管301と配線42は電気的に絶縁されている。)また、図示していないが基板34および基板ホルダー29は、陽極26より低い電位が印加されている。蒸発源容器303の近傍には、プラズマ(電子)27の一部を90度偏向させて蒸発源304に向かわせるための磁場発生源を配置することも可能である。他の構成は、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0030】
プラズマ発生源10から陽極26に向かって引き出されたプラズマ27の一部は、補助陽極である蒸発源304および蒸発源容器303に向かって偏向し、蒸発源304に照射される。これにより、蒸発源304は蒸発し、反応ガス供給管301から供給される反応ガス302とともにプラズマ27と衝突することにより両者がイオン化し、低い電位に保たれた基板34表面に引き寄せられ、衝突・反応して堆積され、膜を形成する。
【0031】
これにより、プラズマ27の引き出し方向にそって複数箇所で、イオンプレーティング法による成膜を行うことができ、量産性に優れたイオンプレーティング装置を提供することができる。
【0032】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態の成膜装置として、図7に示したスパッタリング装置を説明する。この装置は、プラズマ27の引き出し方向に沿って複数箇所に、スパッタターゲット403を保持するターゲット保持部404が配置されている。スパッタターゲット403およびターゲット保持部404は導電性材料によって構成され、電源25の正極と接地された陽極26とを結ぶ配線42に電気的に接続され、負の電位が付与されている。スパッタターゲット403の近傍には不活性ガス402もしくは、不活性ガスと反応ガスとの混合ガスを導入するガス導入管401がそれぞれ配置されている。他の構成は、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。(なお、図6において導入管301と配線42は電気的に絶縁されている。)
【0033】
プラズマ発生源10から陽極26に向かって引き出されたプラズマ27に対して、ガス導入管401から不活性ガス402、もしくは、不活性ガスおよび反応ガスの混合ガスが供給されることにより、これらのガスは電離しプラズマを形成する。不活性ガスイオンは、負の電位のスパッタターゲット403に衝突し、飛び出したターゲット材料は、基板34に到達し堆積する。このとき供給ガスに反応ガスが含まれている場合には、飛び出したターゲット材料と反応ガスイオンとが反応し、基板34に堆積する。これにより、プラズマ27の引き出し方向に沿って複数箇所で、ターゲット材料もしくは、ターゲット材料と反応ガスとの反応生成物を成膜することができ、量産に適したスパッタ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】第1の実施の形態の成膜装置の構成を示すブロック図。
【図2】本実施の形態の成膜装置および比較例の成膜装置の各電極およびプラズマの電位分布を示すグラフ。
【図3】(a)開口が矩形の第2中間電極321の例を示す斜視図、(b)2分割された第2中間電極322の例を示す斜視図。
【図4】比較例の成膜装置の構成を示すブロック図。
【図5】第1の実施の形態において、プラズマ27の引き出し方向に沿って複数の基板24および原料ガス供給管28を配置した構成を示すブロック図。
【図6】第2の実施の形態の、プラズマ27の引き出し方向に沿って複数の基板34および蒸発源304を配置したイオンプレーティング装置の構成を示すブロック図。
【図7】第3の実施の形態の、プラズマ27の引き出し方向に沿って複数の基板34およびスパッタターゲット403を配置したスパッタ装置の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0035】
10・・・プラズマ発生源、21・・・プラズマ真空容器、22・・・第1中間電極、23・・・第2中間電極、24・・・成膜真空容器、25・・・電源、26・・・陽極、27・・・電子(プラズマ)、28・・・原料ガス導入管、29・・・基板ホルダー、30・・・不活性ガス導入口、31・・・陰極、32・・・抵抗、33・・・原料ガス、34・・・基板、42・・・配線、43・・・抵抗、301・・・反応ガス導入管、302・・・反応ガス、303・・・蒸発源容器、304・・・蒸発源、401・・・ガス導入管、402・・・不活性ガス、403・・・スパッタターゲット、404・・・ターゲット保持部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成膜空間を形成する成膜用容器と、該成膜用容器に設けられた導入口に接続されたプラズマ発生源とを有し、
前記プラズマ発生源は、プラズマ生成室と、プラズマ生成室内に配置された陰極と、前記成膜用容器の内部に配置された陽極と、前記陰極と前記成膜空間との間に順に配置された第1および第2中間電極とを含み、
前記第2中間電極には、前記陽極から前記陰極への電圧降下により前記第2中間電極の位置で生じる電位より該第2中間電極の電位を低くするための電位制御部が接続されていることを特徴とする成膜装置。
【請求項2】
請求項1に記載の成膜装置において、前記第1中間電極および第2中間電極はそれぞれ、前記陰極から陽極へ引き出されるプラズマの軸が通過する位置に開口部を有し、前記第2中間電極の開口部の径は、前記第1中間電極の開口部の径よりも5倍以上大きいことを特徴とする成膜装置。
【請求項3】
請求項2に記載の成膜装置において、前記第1中間電極および第2中間電極の少なくとも一方は、2以上の部材に分割され、前記開口部の内壁面は、該2以上の部材によって構成され、該2以上の部材のうちの少なくとも一つは、他の部材とは電気的に非導通の非電極部であることを特徴とする成膜装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の成膜装置において、前記第2中間電極の開口部の形状は、円形、平板状または矩形であり、開口部のプラズマと接する面とプラズマ軸との距離が25mm以上150mm以下であることを特徴とする成膜装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の成膜装置において、前記導入口から前記陽極へ向かって複数の成膜手段が並べて配置されていることを特徴とする成膜装置。

【図2】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−35952(P2007−35952A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−217635(P2005−217635)
【出願日】平成17年7月27日(2005.7.27)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】