説明

振動子、発振器、および電子機器

【課題】衝撃力などの外乱が負荷されても、振動片の振動腕がパッケージ内部と接触することなく安定して振動し、なお且つ薄型で小型の振動子および発振器を提供する。
【解決手段】基部と、前記基部から延出される腕部と、を備え、前記腕部は前記腕部の1対の主面の法線方向の屈曲振動する振動片100を、内部に固定し、密封封止する蓋部300を備える収納容器200に収納した振動子1000であって、前記振動片100の屈曲振動方向が、前記収納容器200の回路基板への接合面と略平行の方向となっている振動子1000。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動子、発振器、および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末や電子機器に用いられる振動片を利用したタイミングデバイスに対して、より小型で薄型の要求が強くなってきている。この要望に対して、振動片、特に水晶を用いた振動片では、小型化、薄型化を追及することで水晶内部に発生する熱弾性損失などの内部損失の影響が無視できない状況となってきた。この問題に対して、水晶振動片に圧電体層を形成し、内部損失の少ない薄型で小型の水晶振動片が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−5022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、図1の断面図に示すように、上述の特許文献1の振動片1をパッケージ2に固定、封入して振動子10とした場合、振動片1の振動腕1aの先端部1bでは矢印で示すように、主面1cに対して法線方向の、いわゆる面外振動をしていることから、パッケージ2の蓋内面2aと、内底部2bと振動腕1aの先端部1bとの隙間δ1、δ2は振動腕1aの振動によって、常に増減を繰り返している。
【0005】
また、上述した通り、パッケージ2の厚みは極限まで薄型にすることが望まれている。そのため、隙間δ1あるいはδ2が小さくなるタイミングで振動子10に衝撃外乱が負荷されると、振動腕1aの先端部1bと蓋内面2aあるいはパッケージ2の内底部2bとが接触する場合が発生し、安定した振動を得られなくなってしまうことがあった。
【0006】
そこで、衝撃力などの外乱が負荷されても、振動片の振動腕がパッケージ内部と接触することなく安定して振動し、なお且つ薄型で小型の振動子および発振器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、少なくとも上述の課題の一つを解決するように、下記の形態または適用例として実現され得る。
【0008】
〔適用例1〕本適用例による振動子は、基部と、前記基部から延出される腕部と、を備え、前記腕部は前記腕部の1対の主面の法線方向の屈曲振動する振動片を、内部に固定し、密封封止する蓋部を備える収納容器に収納した振動子であって、前記振動片の屈曲振動方向が、前記収納容器の回路基板への接合面と略平行の方向となっていることを特徴とする。
【0009】
上述の適用例によれば、主面の法線方向の屈曲振動する振動片、いわゆる面外振動の振動モードの振動片では、振動腕先端部での振れ量が多く、振動子を形成するための収納容器の内壁との接触を回避しなければならない。振動子は、一般的に回路基板に電気的な接続を確保しながら固着される形態であるため、ますます小型化している振動片の大きさからではなく、回路基板に設けられた接続電極の配置によってパッケージのサイズが決定される。従って、本適用例の小型の振動片を、回路基板から決定付けられる収納容器の回路基板への接合面に対して、振動片の屈曲振動方向を略平行にして収納することで、振動片の最も振れ幅の大きい先端部と収納容器内壁とのすき間の余裕度を多くすることが可能となり、特に衝撃力に対する振動安定性を維持、確保することができ、信頼性の高い振動子を得ることができる。
【0010】
〔適用例2〕上述の適用例において、前記収納容器の、少なくとも前記振動片のどちらか一方の主面に対向する壁部の一部もしくは全部に透明部を備えることを特徴とする。
【0011】
上述の適用例によれば、振動片主面に対向する方向から周波数調整のためのレーザーなどのエネルギー線を照射することができ、容易に振動子の周波数調整を可能とする。
【0012】
〔適用例3〕上述の適用例において、前記振動片が、前記腕部の前記延出される方向と交差する3以上の奇数個の腕部を備え、隣り合う前記腕部の振動方向が逆であることを特徴とする。
【0013】
上述の適用例によれば、主面に対して法線方向の振動、いわゆる面外振動の腕部であっても、高いQ値を得ることができ、より小型化の振動子を得ることができる。
【0014】
〔適用例4〕上述の適用例において、前記振動片の前記腕部の前記主面のどちらか一方もしくは両方に、圧電体と電極層を含む圧電素子を備えることを特徴とする。
【0015】
上述の適用例によれば、高い電気機械結合係数を持つ圧電体により、振動特性の優れた振動片を得ることができ、より小型の振動子を得ることができる。
【0016】
〔適用例5〕上述の適用例において、前記振動片が水晶からなる、ことを特徴とする。
【0017】
上述の適用例によれば、小型化に伴う周波数特性などの温度依存性による温度特性の低下を抑制することができる。
【0018】
〔適用例6〕本適用例による発振器は、前記振動子の前記収納容器の内部に、前記振動片を駆動させる機能を有する回路部を備えることを特徴とする。
【0019】
上述の適用例によれば、小型の発振器を得ることができる。
【0020】
〔適用例7〕上述の振動子もしくは発振器を用いた電子機器。
【0021】
上述の適用例によれば、小型で信頼性の高い電子機器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来の振動子の断面図。
【図2】本実施形態に係る振動片の、(a)は断面図、(b)は側面図。
【図3】本実施形態に係る振動子の、(a)は蓋部を省略した平面図、(b)は(a)のA−A’断面図、(c)は(a)のB方向矢視図、(d)は側面図。
【図4】本実施形態の振動子を回路基板へ実装する説明図。
【図5】本実施形態の発振器の断面図。
【図6】実施例を説明する振動片の、(a)は平面図、(b)は側面図。
【図7】比較例の振動子を示す、(a)は蓋部を省略した平面図、(b)は断面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。
【0024】
(第1実施形態)
図2に本実施形態に用いる振動片を示し、図3に本実施形態の振動子を示す。図2(a)は本実施形態の振動片100の平面図、図2(b)は側面図を示す。図2(a)に示すように、振動片100は、基部10より延出する3本の腕部20a、20b、20cを備えている。腕部20の一方の主面20dには、圧電素子30a、30b、30cが形成されている。
【0025】
圧電素子30a、30b、30cは、主面20dより図示しない下部電極と、下部電極上に形成される圧電体40と、圧電体40上に下部電極と対応する上部電極50a、50b、50cとを含む。下部電極と上部電極50a、50b、50cとに図示しない駆動回路より交番電流を、基部10の側面10aに設けた接続電極50d、50eを介して負荷することで、腕部20a、20b、20cが図2(b)に示す矢印方向に屈曲振動、いわゆる面外振動させる。
【0026】
腕部20a、20b、20cの振動は、外側の腕部20a、20cと、内側の腕部20bとは互いに逆相の面外振動する振動片100となっている。このような振動片100は、面外振動のモードでありながら高いQ値を得ることができ、小型で薄型の振動片100を実現することができるものである。本実施形態では、3本の腕部20a、20b、20cを備える振動片100を例示したが、3本の腕部に限定されず、奇数本の腕部を外側の腕部を含む外側から奇数番目の腕部と、外側から偶数番目の腕部を逆相の面外振動をさせ、同様に高いQ値の小型、薄型の振動片を得ることができる。
【0027】
図3は図2に示す振動片100を容器内に収納した振動子1000を示し、図3(a)は説明上から封止用の蓋を除き、内部を露出させた状態での平面図、図3(b)は図3(a)に示すA−A’部の断面図、図3(c)は図3(a)に示すB方向からの矢視図、図3(d)は図3(a)に示すC方向からの矢視図である。
【0028】
図3(c)に示すように、振動片100を収納する収納容器200(以降、パッケージ200という)は、第1基板201と、第2基板202と、第3基板203とを積層して形成されている。このパッケージ200の内部に振動片100を固定し、蓋部300を封止材400によりパッケージ200に固定し、振動子1000が形成される。
【0029】
図3(b)に示すように、第2基板202の内側には、振動片100の接続電極50d、50eとワイヤー500によって電気的な接続をする、いわゆるワイヤーボンディングされる接続電極600aを端面に備える1対の張り出し部202aを備える。また、接続電極600aは、図示しないパッケージ200の内部引き回し配線により、接続電極600bに繋がっている。
【0030】
振動片100は、張り出し部202aのどちらか一方の側面202bに、振動片100の基部10の一方の面10bを対向配置し、接着剤700によって固定されることでパッケージ200内部に収納固定される。このように振動片100がパッケージ200の内部に固定されることで、振動片100の振動方向、いわゆる図3(a)の腕部20先端部に描いた矢印方向の面外振動方向と、図示しない回路基板面に固着される第1基板201の固着面201a、すなわち回路基板に振動子1000を実装したときに、回路基板面と略平行となるように振動片100はパッケージ200内部に固定される。
【0031】
次に、振動片100が固定されたパッケージ200の開口の端部に蓋部300が封止材400によって、減圧チャンバー内でパッケージ200に固定され、内部が減圧状態に保たれた振動子1000を得ることができる。
【0032】
ここで、図4を用いて振動子1000におけるパッケージ200の大きさを決定する要素について説明する。図4は、回路基板2000の回路形成面へ振動子1000の実装を模式図的に示す斜視図である。
【0033】
回路基板2000の回路形成面2000aには、上述の実施形態の振動子1000、振動子1000を駆動するための回路を含むICチップ2100、その他回路を構成するための図示しないデバイスが表面実装されている。各デバイス間は回路形成面2000a表面に形成された接続線2000bによって、各デバイス間を電気的に接続している。各デバイスを実装する位置には、接続電極2000cが形成され、接続線2000bと繋がっている。
【0034】
接続電極2000cと振動子1000との固定および電気的な接続は半田2000dにより実現される。半田2000dの形成は表面実装の場合、リフロー半田もしくはフロー半田が一般的に用いられている。
【0035】
このように実装される振動子1000であるため、回路基板2000の接続電極2000cの正負電極間距離δとしては、電気的な短絡(ショート)を起こさない距離を確保しなければならない。また、接続電極2000cにおいても、振動子1000の半田による固定力を確保するためには、所定の面積すなわち「l×m」が規定される。このように規定された接続電極2000cから、振動子1000の回路基板2000に対向する側に設けた接続電極600bが、少なくとも回路基板2000の接続電極2000cと一致する寸法設定であったとしても、L=l、M=m、Δ=δとなる。これらの電極寸法から、振動子1000の平面視の大きさは、P≧M、Q≧Nであって、N=2L+Δである。上述したような回路基板2000の接続電極2000cと、振動子1000の接続電極600bとの関係であるなら、P≧m、Q≧nとなり、n=2l+δである。
【0036】
上述の通り、振動子1000の平面視の大きさは、回路基板2000の接続電極2000cによって決定付けられる。これに対して、図3(c)に示すように、振動子1000の厚さHpは、内部に収納される振動片100の主面方向の幅rによって決定付けられる。従って、振動片100の小型化、薄型化を図ることで厚さHpを薄くすることが可能となる。
【0037】
また、パッケージ200には、図3(d)の矢視図に示すように、振動片100の上部電極50a、50b、50cが形成された側に対向するように透明部材による周波数調整部204を備えている。周波数調整は、振動片100の表面に備える上部電極50a、50b、50cを部分的にエネルギー線、たとえばレーザー光など、によって電極膜を削除し、腕部20の重さを変化させることで、腕部20の振動周波数を所望の周波数に合わせこむことである。
【0038】
本実施形態では、パッケージ200の内部側壁に振動片100の上部電極50a、50b、50cが向かうように振動片100が収納されているため、従来の振動片のように蓋部300を透明部材として、蓋部300側からのエネルギー線照射では、振動片100の電極50には斜めに照射されてしまう。そのために、照射されるエネルギー量は極端に不足し、所望の電極膜削除が行われず、十分な周波数調整ができない。しかし、本実施形態では、パッケージ200の振動片100の電極50に対向する位置に透明部材による周波数調整部204を備えることで、エネルギー線を電極50の面に対して略法線方向から照射できるので、高い密度のエネルギー照射が可能となり、周波数調整を確実に行うことができる。
【0039】
周波数調整部204は、パッケージ200の基板材料との接合性が良く、パッケージ200の各基板接合と同じ接合方によって基板と接合できる無機ガラスが好適に用いられる。周波数調整部の形状には限定は無く、例えば円形状等としても良い。また、基板、例えば第2基板202を無機ガラス、水晶などの透明部材で形成し、パッケージ200の全周に亘って透明部位を備えるようにしても良い。
【0040】
上述の通り、薄型、小型の面外振動を有する振動片を、基板実装面と平行方向に振動方向を合わせてパッケージに収納することで、耐衝撃性能に優れた振動子を提供するものである。
【0041】
(第2実施形態)
第2実施形態として、上述の実施形態の振動子内部に、振動片回路を備えるICチップを実装した発振器について説明する。図5は、第2実施形態の発振器3000の概略断面図である。本実施形態は、第1実施形態の振動子1000に対して、振動片100を駆動させる駆動回路を含むICチップを備えた点が、第1実施形態と異なるため、第1実施形態と同様の構成の説明は省略し、同じ構成には同一の符号を付与する。
【0042】
図5に示すように、発振器3000はパッケージ200の内部に振動片100が、第1実施形態と同じく、主面の法線方向が回路基板へ実装された時の回路基板面方向なるように第2基板202に固定され、ワイヤー500によって振動片100の接続電極50d、50eと第2基板202の接続電極600aにワイヤーボンディングされている。更に、第1基板201にはICチップ800が接着剤などにより固定され、ICチップ800の上面に形成されたIC接続パッド801と第1基板201上に形成された内部接続端子600cとを金属ワイヤー900で電気的に接続している。
【0043】
上述の通り、薄型、小型の面外振動を有する振動片を、基板実装面と平行方向に振動方向を合わせてパッケージに収納することで、耐衝撃性能に優れた発振器を提供するものである。
【実施例】
【0044】
(実施例)
図6に示す本実施形態の振動片の各寸法が、次のような振動片を製作した。
r=210μm
s=100μm
t=700μm
u=30μm
v=30μm
w=30μm
x=50μm
y=10μm
なお、腕部長さt、腕部厚さyは、所定の共振周波数となるように調整されるが、本実施例では32.768kHzに調整された。
【0045】
この振動片を収納するパッケージ200は、図3に示す寸法Lp、Wp、Hpを以下の、
Lp=2.05mm
Wp=1.2mm
Hp=0.6mm
で製作された。
【0046】
上述のパッケージの大きさは、回路基板側の電極部について、図4に示す電極寸法が下記の条件、
l=0.7mm
m=1.4mm
δ=0.8mm
n=2×l+δ=2.2mm
に対して、回路基板2000への位置合わせ精度などを加味し、決定、製作された。すなわち、寸法Lpに対応する回路基板電極の寸法n、寸法Wpに対応する回路基板電極の寸法mによって形成される領域内にパッケージ寸法Wp、Lpが入るように設定されている。
【0047】
また、図3においてパッケージ200の第1基板201の厚さT1、第2基板202の壁厚さおよび第3基板203の壁厚さT2、蓋部300の厚さT3は、それぞれ下記の通り製作された。
T1=0.1mm
T2=0.1mm
T3=0.1mm
【0048】
従ってパッケージ200の内部収納部の平面寸法Lp1、Wp1は、
Lp1=Lp−2×T2=1.85mm
Wp1=Wp−2×T2=1.0mm
となる。
【0049】
また、収納高さHp1は、図3に示すように第1基板201に対して振動片100の主面を略法線方向にして実装するので、振動片100の幅rに加えて、ボンディングされるワイヤー500の高さzに対して、蓋部300との接触を防止する隙間αを確保しなければならず、それぞれは、
z=0.1mm
α=0.05mm
と設定された。これにより収納高さHp1は、
Hp1=r+z+α=0.36mm
が確保される。その結果、パッケージ200の厚さHpは、
Hp=Hp1+T1+T3=0.6mm
として導き出された。
【0050】
このように製作された振動子1000は、振動片100の矢印で示す振動方向に対して、パッケージ200内部との余裕が多く、耐衝撃性能に優れた振動子を得ることができた。また、振動子1000のうち容積が0.666mm3と、小型の振動子を実現することができた。
【0051】
(比較例)
比較例として、上述の実施例の振動片100を、図7に示す従来の実装方法で振動子1100を製作した。図7に示すように、振動片100を、パッケージ210の第1基板211に対して主面を略平行にパッケージ210に実装した。
【0052】
この振動片を収納するパッケージ210は、図7(a)に示す平面サイズでは図3に示す実施例と同一寸法で製作された。また、パッケージ210の第1基板211の厚さ、第2基板212の壁厚さおよび第3基板213の壁厚さ、蓋部310の厚さも、上述の図3に示す実施例と同一寸法で製作された。従って、パッケージ210においても、内部収納部の平面サイズは上述の実施例と同一寸法となる。
【0053】
収納高さHp1’は、図7(b)に示すように第1基板211に対して振動片100の主面を略平行に実装するので、振動片100の振動先端部100aが第1基板211および蓋部310と、振動子1100に衝撃が負荷されても接触することなく振動させるための余裕を含め、隙間β、γが確保されなければならない。
【0054】
特に得たい共振周波数が低く設定された場合には、腕部長さtは500μm〜700μmと、長く設定しなければならず、故に十分な隙間を確保する必要がある。本比較例では腕部長さt=600μmに対して、振動や衝撃に対する上方への許容隙間を腕部長さtの半分である0.3mmとした。更に、ボンディングされるワイヤー500の高さz’に対して、蓋部310との接触を防止する隙間α’を確保しなければならず、それぞれは、
β=0.2mm
γ=0.3mm
z’=0.1mm
α’=0.05mm
と設定された。このうちγと(z’+α’)とのどちらか大きい方を選択すればよく、γが大きいので、これにより収納高さHp1’は、
Hp1’=β+y+γ=0.51mm
が確保され、その結果、パッケージ210の厚さHp’は、
Hp’=Hp1’+T1+T3=0.71mm
として導き出された。
【0055】
このように製作された振動子1100は、平面サイズでは実施例と同一のパッケージを実現できたが、厚みで0.11mm大きく、内容積では0.2775mm3多く、容積比で41.7%も大きいパッケージとなってしまう。
【0056】
上述の通り、本発明の実施形態による実施例の通り、振動片の薄型化、小型化による耐衝撃性の低下を、パッケージを小型化しつつも振動片とパッケージとの隙間の余裕を多く確保することで、振動子あるいは発振器の耐衝撃性能の向上を実現できる。
【0057】
上述の実施形態による実施例に限らず、本願発明の振動子および発振器を、デジタルカメラ、カーナビゲーションシステム、携帯電話、モバイルPC、およびゲームコントローラーなどの電子機器に適用することで、小型で信頼性の高い電子機器を得ることができる。
【符号の説明】
【0058】
100…振動片、200…収納容器、300…蓋部、400…封止材、500…ワイヤー、600a…接続電極、700…接着剤、1000…振動子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、前記基部から延出される腕部と、を備え、前記腕部は前記腕部の1対の主面の法線方向の屈曲振動する振動片を、内部に固定し、密封封止する蓋部を備える収納容器に収納した振動子であって、
前記振動片の屈曲振動方向が、前記収納容器の回路基板への接合面と略平行の方向となっている、
ことを特徴とする振動子。
【請求項2】
前記収納容器の、少なくとも前記振動片のどちらか一方の主面に対向する壁部の一部もしくは全部に透明部を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の振動子。
【請求項3】
前記振動片が、前記腕部の前記延出される方向と交差する3以上の奇数個の腕部を備え、
隣り合う前記腕部の振動方向が逆である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の振動子。
【請求項4】
前記振動片の前記腕部の前記主面のどちらか一方もしくは両方に、圧電体と電極層を含む圧電素子を備える、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の振動子。
【請求項5】
前記振動片が水晶からなる、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の振動子。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の前記振動子の前記収納容器の内部に、前記振動片を駆動させる機能を有する回路部を備える、
ことを特徴とする発振器。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか一項に記載の前記振動子もしくは請求項6に記載の前記発振器を用いた電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−10219(P2012−10219A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−145917(P2010−145917)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】