説明

搬送車システム

【課題】搬送車システムにおいて、荷物保管場所の間隔を狭くすることで荷物保管場所の数を増やしつつも、待機状態になる搬送車の数を少なくする。
【解決手段】搬送車システム1において、第1通常ライン11aおよび第1バイパスライン12aは並んで配置されている。複数の搬送車3は、第1通常ライン11aおよび第1バイパスライン12aを別々に走行する。第1バッファ17Aおよび第2バッファ17Bは、第1通常ライン11aおよび第1バイパスライン12aの間に並んで設けられている。搬送車コントローラ27は、搬送車3を制御可能である。搬送車コントローラ27は、走行方向に隣り合う第1バッファ17Aおよび第2バッファ17Bへの搬送指令を、第1通常ライン11aおよび第1バイパスライン12aに分かれて走行するように第1搬送車3aおよび第2搬送車3bに割り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送車システムに関し、特に、複数の荷物保管場所の両側に並んで配置された一対の経路を複数の搬送車が別々に走行する搬送車システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、予め定まった経路と、経路上に設けられた複数のステーションと、経路に沿って走行して物品を搬送する複数の搬送車とを有する搬送車システムが知られている。搬送車システムでは、ステーションと搬送車との間では、荷つかみ(搬送車にステーションから物品が積み込まれること)や、荷おろし(搬送車からステーションに物品が積み出されること)が行われる。このシステムでは、あるステーションから物品の荷つかみ要求が発生すると、最も近い位置にある空き搬送車に、そのステーションに移動して物品を受け取るように搬送指令を割り付ける。最も近い空き搬送車を選択するのは、物品を迅速に搬送するためである。
【0003】
搬送車システムの代表例としては、半導体工場の搬送システムで用いられる天井搬送車システムが知られている。天井搬送車システムは、天井に設けられた軌道と、軌道に沿って走行可能な天井搬送車とから構成されている。天井搬送車は、主に、軌道に係合する走行部と、半導体ウェハが積まれたFOUPを保持可能な保持部と、保持部を上下に移動させるための移動機構とを有している。
【0004】
さらに、近年、天井搬送車は、荷物を横方向に移動する横方向移動機構を有している。搬送車システムは、横方向移動用の一時保管ポートを採用しており、これにより従来のストッカーに比べて簡便かつ迅速に一時保管運用が可能になっている(例えば、特許文献1を参照。)。
【特許文献1】特開2007−191235号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、一時保管能力を向上させるためには、一時保管ポートを走行方向に短い間隔で配置することが考えられる。しかし、その場合に、走行方向に隣接する2つの一時保管ポートに2台の搬送車がアクセスする場合に、2台の搬送車が同時に移載動作を実行できないという問題がある。具体的には、走行上流側の搬送車は走行方向下流側の搬送車が移載動作を終了するまで待機して、その後に目的の一時保管ポートに移動・停車して移載動作を行う。
【0006】
本発明の課題は、搬送車システムにおいて、間隔を狭くすることで荷物保管場所の数を増やしつつも、待機状態になる搬送車の数を少なくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る搬送車システムは、一対の経路と、複数の搬送車と、複数の荷物保管場所と、コントローラとを備えている。一対の経路は並んで配置されている。複数の搬送車は、一対の経路を別々に走行する。複数の荷物保管場所は、一対の経路の間に並んで設けられている。コントローラは、搬送車を制御可能である。コントローラは、走行方向に隣り合う二つの荷物保管場所への搬送指令を、一対の経路に分かれて走行するように二つの搬送車に割り付ける。
このシステムでは、隣り合う荷物保管場所が近接している場合でも、隣り合う荷物保管場所に対して同時に荷物を移載することができる。この結果、荷物保管場所の間隔を狭くすることで荷物保管場所の数を増やしつつも、待機状態になる搬送車の数を少なくできる。
【0008】
コントローラは、走行方向に並んだ複数の荷物保管場所をグループとして管理するとともに、グループ内で搬送車が一対の経路を均等に走行するように搬送指令を割り付ける。
このシステムでは、搬送車が一対の経路に均等に振り分けられるので、渋滞が防止される。より具体的には、搬送車が一方の経路に集中する事態が防止される。
【0009】
コントローラは、走行方向に並んだ複数の荷物保管場所をグループとして管理するとともに、グループ内で発生した搬送要求に対して、グループ内で搬送要求が出された最上流の荷物保管場所またはそれより上流の位置までの走行指令を搬送車に割り付ける。コントローラは、搬送要求が出されている荷物保管場所についての搬送指令を当該位置に到着した搬送車から順番に割り付ける。
このシステムでは、分岐・合流ポイントで搬送車の到着順序が変更されても、同じ走行ライン上の複数の荷物保管場所で同時に荷物を移載できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る搬送車システムでは、間隔を狭くすることで荷物保管場所の数を増やしつつも、待機状態になる搬送車の数を少なくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(1)搬送車システム
本発明の一実施形態としての搬送車システムは、定められた搬送軌道上に複数の搬送車を走行させるためのシステムである。搬送車は、搬送軌道上を一方向に走行し、上位のコントローラによって割り付けられる搬送指令に従い、目的の場所から物品を積み込み、次に搬送先の場所まで走行して物品を搬送先の場所に積み出す。
より具体的には、搬送車システム1は、例えばクリーンルーム内の天井スペースを利用して配置され、半導体ウェハを収容したFOUPなどの物品Wを、処理装置や検査装置などのロードポート間で搬送する。搬送軌道は、処理装置を並べたベイ内のU字状のイントラベイルートと、イントラベイルートを相互に接続するインターベイルートの2種類で構成されている。
【0012】
(2)搬送車システムのレイアウト
図1に、搬送車システム1のイントラベイルートのレイアウトを示している。
【0013】
搬送車システム1は、複数の搬送車3と、搬送軌道5とを有している。また、搬送軌道5に沿って、半導体などの処理を行う複数の第1処理装置9や第2処理装置10が配置されている。より詳細には、第1処理装置9と第2処理装置10は、図左右に一定の間隔を空けて配置されている。第1処理装置9および第2処理装置10は、物品の受け渡しを行うための第1ロードポート9aおよび第2ロードポート10aをそれぞれ有している。
【0014】
搬送軌道5は、第1処理装置9および第2処理装置10の第1ロードポート9aおよび第2ロードポート10aとの間で物品を移載するための走行レールである。搬送軌道5は、主に、通常ライン11、バイパスライン12、分岐部13および合流部14から構成されている。バイパスライン12は、追い越し用の走行レールである。通常ライン11とバイパスライン12は、互いに平行に延びており、分岐部13や合流部14で接続されている。
【0015】
通常ライン11は、第1処理装置9の近傍に配置された第1通常ライン11aと、第2処理装置10の近傍に配置された第2通常ライン11bとを有している。バイパスライン12は、第1バイパスライン12aと第2バイパスライン12bとを有している。第1バイパスライン12aは、第1通常ライン11aの内側(第1処理装置9と反対側)に配置されている。第2バイパスライン12bは、第2通常ライン11bの内側(第2処理装置10と反対側)に配置されている。
【0016】
第1処理装置9は、背が低い装置であり、その上方の天井スペースや空きスペースに第1サイドバッファ15が設置されている。第2処理装置10は背が高い装置であり、その上方にはサイドバッファを設置できない。そのため、通路などの空きスペースに第2サイドバッファ16が設置されている。第1サイドバッファ15や第2サイドバッファ16は、天井から延びる支柱43(図3)によって支持されている。なお、サイドバッファは、走行方向に並んだ複数のバッファから構成されている。
【0017】
第1通常ライン11aと第1バイパスライン12aとの間には第3サイドバッファ17が設けられており、第2通常ライン11bと第2バイパスライン12bとの間には、第4サイドバッファ18が設けられている。第3サイドバッファ17には、第1通常ライン11aを走行する搬送車3からも、第1バイパスライン12aを走行する搬送車3からも物品Wを受け渡し自在とする。第4サイドバッファ18には、第2通常ライン11bを走行する搬送車3からも、第2バイパスライン12bを走行する搬送車3からも物品Wを受け渡し自在とする。
【0018】
さらに、第1バイパスライン12aと第2バイパスライン12bとの間には、第5サイドバッファ19が設けられている。第5サイドバッファ19には、第1バイパスライン12aを走行する搬送車3からも、第2バイパスライン12bを走行する搬送車3からも物品Wを受け渡し自在とする。
【0019】
(3)搬送車システムの制御系
図2に、搬送車システム1の制御系20を示す。この制御系20は、製造コントローラ21と、物流コントローラ23と、搬送車コントローラ27とを有している。
物流コントローラ23は、搬送車コントローラ27の上位のコントローラである。搬送車コントローラ27は、複数の搬送車3を管理し、これらに搬送指令を割り付ける割り付け機能を有している。なお、「搬送指令」は、走行に関する指令や、荷つかみ位置と荷おろし位置に関する指令を含んでいる。
【0020】
製造コントローラ21は、第1処理装置9および第2処理装置10との間で通信することができる。第1処理装置9および第2処理装置10は、処理が終了した物品の搬送要求(荷つかみ要求・荷おろし要求)を製造コントローラ21に送信する。
【0021】
製造コントローラ21は、第1処理装置9および第2処理装置10からの搬送要求を物流コントローラ23に送信し、物流コントローラ23は報告を製造コントローラ21に送信する。
【0022】
物流コントローラ23は、製造コントローラ21から搬送要求を受けると、それを搬送指令に変換し、搬送車3への搬送指令割り付け動作を行う。
【0023】
搬送車コントローラ27は、搬送指令を作成するために各搬送車3と連続的に通信して、各搬送車3から送信された位置データをもとにその位置情報を得ている。位置情報を取得する例としては、以下の方法がある。搬送軌道5に複数のポイントを設定しておき、搬送車3がポイントを通過したときに通過信号を搬送車コントローラ27に送信させるようにする。その上で搬送車コントローラ27が、搬送車3が直近に通過したポイントと、ポイントを通過した時刻を記憶する。そして、そのポイント区間の規定速度と時間をもとに搬送車3の位置を演算して求める。あるいは、例えばエンコーダを搬送車3に設けておいて、ポイントを通過してからの走行距離を搬送車3から搬送車コントローラ27へ位置データとして送信させ、搬送車コントローラ27がこれによって搬送車3の位置を把握する。
【0024】
(4)天井搬送車の構造
図3は、搬送車3の正面図を示している。図3では、搬送車3は、第1バイパスライン12aを走行しており、両側には第3サイドバッファ17および第5サイドバッファ19が配置されている。
【0025】
搬送軌道5は、主に、走行レール30から構成されている。走行レール30は、支柱31によってクリーンルームの天井から支持されている。走行レール30は、走行レール本体32と給電レール33とから構成されている。
【0026】
搬送車3は、本体ベース34と、走行駆動部35と、受電部36とを有している。本体ベース34は、走行レール30の下方に設けられている。走行駆動部35は、走行レール本体32内を走行する。受電部36は、給電レール33から受電する。
【0027】
搬送車3は、さらに、旋回部39、昇降駆動部40および昇降台41を有している。昇降駆動部40は、旋回部39に支持され、昇降台41をベルトやワイヤ、ロープなどの吊持材で昇降させることができる。昇降台41は、物品Wの上部のフランジをハンドによりチャック・解除できる。
【0028】
搬送車3は、さらに、横移動機構38を有している。横移動機構3838は、旋回部39,昇降駆動部40,昇降台41および物品Wを、走行レール30の進行方向とほぼ直角に左右方向へ横移動させることができる。搬送車3の前後には、物品Wを前後から挟むように一対の落下防止カバー42が設けられている。
【0029】
横移動機構38は、上側部38aと下側部38bとを有している。搬送車3の走行中には、図3の実線で示すように、上側部38aおよび下側部38bは走行レール30と平行な方向に上下に重ねられ、このため旋回部39は本体ベース34の直下にある。
【0030】
物品Wを横移動させる際には、図3の一点鎖線のように、上側部38aおよび下側部38bを延ばす。これにより、物品Wは第5サイドバッファ19の上方へと横移動する。これに対して図3の二点鎖線のように横移動機構38を延ばすと、物品Wは第3サイドバッファ17の上方へと移動する。旋回部39の旋回角度を例えば±5°内などの小さな範囲でも良い。ただし、好ましくは、旋回部39で例えば90°回転できるようにして、物品Wの向きを第1処理装置9または第2処理装置10に適した向きに入れ替えることができるようにする。
【0031】
以上のように、横移動機構38、旋回部39,昇降駆動部40,昇降台41により、搬送車3は、物品Wを、その直下の位置と走行レール30の左右両側の位置に移動させることができる。つまり、搬送車3は、第1サイドバッファ15、第2サイドバッファ16、第3サイドバッファ17、第4サイドバッファ18、および第5サイドバッファ19と荷物Wを受け渡しできる。
【0032】
(5)隣接するバッファに同時荷おろしを行う制御動作
図4および図5は、搬送車システム1において、隣接するバッファに同時荷おろしを行う制御動作を説明するための模式図である。図6は上記制御動作のフローチャートである。
【0033】
図4では、第1通常ライン11aと、第1バイパスライン12aと、それらの間の第3サイドバッファ17とが開示されている。第3サイドバッファ17には、2台の第1バッファ17Aと第2バッファ17Bが示されている。第1バッファ17Aが走行方向下流側であり、第2バッファ17Bが走行方向上流側である。第1バッファ17Aと第2バッファ17Bは隣り合っており、その間隔は搬送車3の走行方長さより短い。つまり、2台の搬送車3は、第1通常ライン11aまたは第1バイパスライン12aのいずれか一方に載った状態で、第1バッファ17Aと第2バッファ17Bに同時にアクセスすることはできない。
【0034】
本実施形態では、第1バッファ17Aと第2バッファ17BがグループAを構成するように設定されている。さらに、第1通常ライン11aと第1バイパスライン12aにおいて、第1バッファ17Aに対応する位置に、第1停止ポイントA1と第2停止ポイントA2がそれぞれ設定されている。
【0035】
以下、搬送車コントローラ27の制御動作について説明する。
【0036】
図6のフローチャートでは、ステップS1でグループ内のいずれかのバッファから搬送要求が出されるのを待つ。搬送要求を受け付けると、ステップS2に移行する。
【0037】
ステップS2では、グループ内の他のバッファの状態が確認される。
ステップS3では、他のバッファに関して搬送指令が割り付けられているか否かが判断される。割り付けられていない場合はステップS5に移行して、搬送要求が出されたバッファに関して空き搬送車に搬送指令を割り付ける。この場合、左右いずれのラインかにこだわらず最も近い空き搬送車に搬送指令を割り付ける。
【0038】
ステップS3において他のバッファに関して搬送車が割り付けられていると判断されると、ステップS4に移行する。ステップS4では、他のバッファに関して割り付けられている搬送車が走行している走行ラインとは別の走行ラインが選択され、その別の走行ラインにおける停止ポイントを起点として空き搬送車が呼び込まれる。具体的には、当該搬送車に停止ポイントまでの走行指令が割り付けられる。
【0039】
次に、図4を用いて、具体例について説明する。
図4の状態では、第1搬送車3aが、第1通常ライン11aを走行してグループAに接近している。第1搬送車3aには、第1バッファ17Aに関する搬送指令が割り付けられている。
【0040】
この状態で、第2バッファ17Bに関して搬送要求が出されたとする(ステップS1のYes)。すると、第2バッファ17Bの最寄りのバッファである第1バッファ17Aの状態が確認される(ステップS2)。この場合、第1バッファ17Aに第1搬送車3aが割り付けられている(ステップS3のYes)ので、次に空き搬送車を検索する(ステップS4)。ここで第1搬送車3aは第1通常ライン11aを走行しているので、空き搬送車の検索は第1バイパスライン12aにおいて行われる。この結果、第2搬送車3bが検出され、第2搬送車3bに対して搬送指令が割り付けられる。より具体的には、第1バイパスライン12a上の第2停止ポイントA2までの走行指令が、第2搬送車3bに割り付けられる。
【0041】
以上の結果、図5に示すように、第1搬送車3aが第1バッファ17Aにアクセスすると同時に、第2搬送車3bが第2バッファ17Bにアクセスすることができる。このように隣接するバッファでの同時移載が可能になり、その結果、搬送車システム1における搬送効率が向上する。
【0042】
(6)一列のバッファに対して左右両側の搬送車から荷おろしを行う制御動作
図7、図8および図9は、搬送車システムにおいて、一列のバッファに対して左右両側の搬送車から荷おろしを行う制御動作を説明するための模式図である。図10は上記制御動作のフローチャートである。
【0043】
図7では、第1通常ライン11aと、第1バイパスライン12aと、それらの間の第3サイドバッファ17とが開示されている。第3サイドバッファ17には、8台のバッファが配置されている。第1バッファ17A、第2バッファ17B、第3バッファ17C、第4バッファ17D、第5バッファ17E、第6バッファ17F、第7バッファ17G、および第8バッファ17Hである。第1バッファ17Aが走行方向最下流に位置しており、第8バッファ17Hが走行方向最上流に位置している。
【0044】
搬送車コントローラ27は、各グループの構成を含むレイアウトデータを有しており、それにより、第1バッファ17A〜第8バッファ17HをグループBであると認識している。
【0045】
さらに、グループBより搬送方向上流側において、第1通常ライン11aから第1バイパスライン12aに移行可能な分岐路28が形成されている。分岐路28によって、第1通常ライン11aには分岐ポイント13Aが設けられ、第1バイパスライン12aには合流ポイント14Aが設けられている。
【0046】
搬送指令割り付け動作について説明する。なお、図10のフローチャートは、搬送車コントローラ27の制御動作を示している。
【0047】
ステップS11では、物流コントローラ23からバッファへの荷おろし要求が送信されるのが待たれる。荷おろし要求の数は1つであっても良いし、複数であっても良い。
ステップS12では、所定数の搬送車に所定位置までの走行指令を割り付ける。具体的には、走行中の搬送車と交信することによりその位置データが取得され、それによりグループBの走行方向上流側を走行している搬送指令を割り付け可能な搬送車があるか否かが調べられる。「搬送指令を割り付け可能」な搬送車とは、物品を積み込んでおらず、搬送指令が未だ割り付けられていない搬送車であって、かつ、所定ポイントまでの距離が所定値より大きい搬送車を意味する。これは、搬送車に走行指令が割り付けられた場合に、減速して所定ポイントで停止できるだけの距離が必要だからである。なお、「走行指令」とは、行き先のみを指定した走行に関する指令であり、荷つかみ・荷おろし動作に関する指令を含んでいない。
【0048】
ステップS13では、走行指令を送信後に、グループB内の他のバッファから新たな荷おろし要求が出されているか否かが調べられる。追加の荷おろし要求が出されている場合はステップS14に移行する。出されていない場合は、ステップS14をスキップして、ステップS15に移行する。
【0049】
ステップS14では、追加された数に相当する搬送車3に所定ポイントまでの走行指令が送信される。その後ステップS15に移行する。
【0050】
ステップS15では、搬送車3が所定ポイントに到着するのが待たれる。搬送車3が到着していなければ、ステップS13に戻って、追加荷おろし要求が出されているか否かがチェックされる。搬送車3が所定ポイントに到着すると、ステップS16に移行する。
【0051】
ステップS16では、バランス判断が実行される。バランス判断では、「その時点でのグループB内の搬送指令の左右アクセス数」がチェックされ、左右アクセス数が比較される。これは左右アクセス数の少ない走行ラインを優先することで、左右のアクセス数をバランスするためである
ステップS16では、さらに、前述の隣接判断が実行される。具体的には、左右アクセス数の少ないラインにおいて、既に荷おろし要求が出されているバッファと新たに荷おろし要求が出されたバッファとが隣接しているか否かが判断される。これは隣接するバッファに同じ走行ラインで搬送車が同時にアクセスすることができないので、そのような割り付けを避けるためである。
【0052】
ステップS17では、隣接判断とバランス判断を考慮して、搬送車の検索対象となる走行ラインを選択する。なお、隣接判断とバランス判断が対立した場合は、隣接判断を優先させても良いし、バランス判断を優先させても良い。
【0053】
ステップS17では、搬送車3にグループB内で現在荷おろし要求を出しているバッファ中で最下流のバッファでの搬送指令(アクセスする走行ライン情報も含まれている)が搬送車3に割り付けられ。なお、搬送車3は、所定ポイントに到着すると同時に割り付け指令を受け取るので、所定ポイントで停止することなく走行を続ける。したがって、搬送車システム1の搬送効率が良い。続いて、ステップS18に移行する。
【0054】
ステップS18では、荷おろし要求のあった全てのバッファについて搬送車3に搬送指令を出したか否かが判断される。終了していない場合は、ステップS13〜S17が繰り返される。
【0055】
(6−1)第1実施例
図8を用いて、第1実施例を説明する。
【0056】
ステップS11では、物流コントローラ23から第3サイドバッファ17での荷おろし要求が送信されるのが待たれる。この実施例では、第1バッファ17A、第4バッファ17Dおよび第5バッファ17Eでの荷おろし要求が出される。
【0057】
ステップS12では、以下のようにして、搬送車3に走行指令が割り付けられる。荷おろし要求が出されているバッファの数が3つなので、3台の搬送車3に分岐ポイント13Aまでの走行指令を割り付ける。なお、この走行指令の割り付けは、第1通常ライン11aにある搬送車3に割り付けても良いし、第1バイパスライン12aにある搬送車3に割り付けても良いし、第1通常ライン11aにある搬送車3と第1バイパスライン12aにある搬送車3の両方に割り付けても良い。
【0058】
ステップS13では、追加荷おろしの要求があるか否かが判断される。ここで、第3バッファ17Cでの搬送要求が出されたとする。
【0059】
ステップS14では、新たに荷おろし要求が出されているバッファの数が1つなので、第1通常ライン11aにある新たな1台の搬送車3に分岐ポイント13Aまでの走行指令を割り付ける。
【0060】
ステップS15で搬送車3が分岐ポイント13Aに到着すると、ステップS16に移行する。
ステップS16では、隣接判断とバランス判断が実行される。これら判断の内容は後述する。
【0061】
ステップS17では、第1通常ライン11aまたは第1バイパスライン12aの最下流のバッファでの搬送指令が割り付けられる。以上の動作が搬送車3が分岐ポイント13Aに到達するたびに行われる。この結果、合計で4台の搬送車3に順番に搬送指令が割り付けられる。
【0062】
以上より、図8に示すように、グループBより走行方向上流側でかつ分岐ポイント13Aより走行方向下流側において、第3搬送車3cおよび第4搬送車3dが第1通常ライン11aを走行しており、第5搬送車3eおよび第6搬送車3fが第1バイパスライン12aを走行している。
この結果、第3搬送車3cは、第1通常ライン11a側から第3バッファ17Cで荷おろしを行う。第4搬送車3dは、第1通常ライン11a側から第5バッファ17Eで荷おろしを行う。第5搬送車3eは、第1バイパスライン12a側から第1バッファ17Aで荷おろしを行う。第6搬送車3fは、第1バイパスライン12a側から第4バッファ17Dで荷おろしを行う。
【0063】
第3搬送車3cは、ステップS14で第3バッファ17Cでの搬送要求が出されなければ、第5バッファ17Eでの荷おろしを行っている。しかし、この実施例では、第3搬送車3cが分岐ポイント13Aに到着した時には第1通常ライン11aにおいて最下流の搬送要求を出しているバッファは第3バッファ17Cに変更されている。したがって、第3搬送車3cは、分岐ポイント13Aでは、第3バッファ17Cでの搬送指令を割り付けられる。
【0064】
第1バッファ17A、第3バッファ17C、第4バッファ17Dおよび第5バッファ17Eに対して、第1通常ライン11aに第3搬送車3cと第4搬送車3dが振り分けられ、第1バイパスライン12aに第5搬送車3eと第6搬送車3fが振り分けられている。これは、ステップS16でバランス判断が行われ、その判断に結果に基づいて搬送車3の振り分けが決定されているからである。
【0065】
隣接する第3バッファ17C、第4バッファ17Dおよび第5バッファ17Eに対して、第1通常ライン11aと第1バイパスライン12aから交互に搬送車3がアクセスするように搬送指令が割り付けられている。これは、ステップS16で隣接判断が行われ、その判断結果に基づいて搬送車3の振り分けが決定されているからである。
【0066】
この実施例では、上記のように搬送指令が割り付けられているので、第3バッファ17Cにおいて第3搬送車3cが荷おろしするのと同時に、第5バッファ17Eにおいて第4搬送車3dが荷おろしできる。また、第1バッファ17Aにおいて第5搬送車3eが荷おろしするのと同時に、第4バッファ17Dにおいて第6搬送車3fが荷おろしできる。
【0067】
さらに、第3バッファ17cにおいて第3搬送車3cが荷おろしするのと同時に、第4バッファ17Dにおいて第6搬送車3fが荷おろしすることができる。また、第4バッファ17Dにおいて第6搬送車3fが荷おろしするのと同時に、第5バッファ17Eにおいて第4搬送車3dが荷おろしできる。
【0068】
(6−2)第2実施例
図9を用いて、第2実施例を説明する。
【0069】
ステップS11では、物流コントローラ23から第3サイドバッファ17での荷おろし要求が送信されるのが待たれる。この実施例では、第1バッファ17A、第4バッファ17Dおよび第5バッファ17Eでの荷おろし要求が出される。
【0070】
ステップS12では、以下のようにして、搬送車3に走行指令が割り付けられる。荷おろし要求が出されているバッファの数が3つなので、3台の搬送車3に分岐ポイント13Aまでの走行指令を割り付ける。なお、この走行指令の割り付けは、第1通常ライン11aにある搬送車3に割り付けても良いし、第1バイパスライン12aにある搬送車3に割り付けても良いし、第1通常ライン11aにある搬送車3と第1バイパスライン12aにある搬送車3の両方に割り付けても良い。
【0071】
ステップS13では、追加荷おろしの要求があるか否かが判断される。ここで、第6バッファ17Fでの搬送要求が出されたとする。
【0072】
ステップS14では、新たに荷おろし要求が出されているバッファの数が1つなので、新たな1台の搬送車3に分岐ポイント13Aまでの走行指令を割り付ける。なお、この走行指令の割り付けは、第1通常ライン11aにある搬送車3に割り付けても良いし、第1バイパスライン12aにある搬送車3に割り付けても良い。
【0073】
ステップS15で搬送車3が分岐ポイント13Aに到着すると、ステップS16に移行する。
ステップS16では、隣接判断とバランス判断が実行される。これら判断については後述する。
【0074】
ステップS17では、第1通常ライン11aまたは第2バイパスライン11aの最下流のバッファでの搬送指令が割り付けられる。
【0075】
以上より、図9に示すように、グループBより走行方向上流側において、第1通常ライン11aには第7搬送車3gが走行しており、第1バイパスライン12aには第8搬送車3h、第9搬送車3iおよび第10搬送車3jが走行している。
この結果、合計で4台の搬送車3に順番に搬送指令が割り付けられる。この結果、第7搬送車3gは、第1通常ライン11a側から第5バッファ17Eで荷おろしを行う。第8搬送車3hは、第1バイパスライン12a側から第1バッファ17Aで荷おろしを行う。第9搬送車3iは、第1バイパスライン12a側から第4バッファ17Dで荷おろしを行う。第10搬送車3jは、第1バイパスライン12a側から第6バッファ17Fで荷おろしを行う。
【0076】
以上の結果、隣接する第4バッファ17D、第5バッファ17Eおよび第6バッファ17Fに対して、第1通常ライン11aと第1バイパスライン12aから交互に搬送車3がアクセスするように搬送指令が割り付けられている。これは、ステップS16で隣接判断が行われ、その判断結果に基づいて搬送車3の振り分けが決定されているからである。
【0077】
以上の結果、第1バッファ17A、第4バッファ17D、第5バッファ17Eおよび第6バッファ17Fに対して、第1通常ライン11aに第7搬送車3gが振り分けられ、第1バイパスライン12aに第8搬送車3hと第9搬送車3iと第10搬送車3jが振り分けられている。これは、ステップS16で、隣接判断がバランス判断より優先して採用された結果である。つまり、第10搬送車3jが分岐ポイント13Aに到着した時点で、第1バイパスライン12aを走行して第6バッファ17Fに荷おろしするように搬送指令が割り付けられているからである。
【0078】
この実施例では、上記のように搬送指令が割り付けられているので、第1バッファ17Aにおいて第8搬送車3hが荷おろしするのと同時に、第4バッファ17Dにおいて第9搬送車3iが荷おろしできる。また、第4バッファ17Dにおいて第9搬送車3iが荷おろしできるのと同時に、第6バッファ17Fにおいて第10搬送車3jが荷おろしできる。
【0079】
さらに、第4バッファ17Dにおいて第9搬送車3iが荷おろしすると同時に、第5バッファ17Eにおいて第7搬送車3gが荷おろしすることができる。また、第5バッファ17Eにおいて第7搬送車3gが荷おろしすると同時に、第6バッファ17Fにおいて第10搬送車3jが荷おろしできる。
【0080】
(7)アクセス方向を強制切り替えする制御動作
図11は、第3実施例のおける搬送車システムの模式図を示している。
この実施例のレイアウトは、前記実施例と同様である。
【0081】
第1バイパスライン12aで第11搬送車3kがグループB付近で走行中に異常を発生して停止したとする。
【0082】
この場合、搬送車コントローラ27は、グループBを「第1バイパスライン12aアクセス禁止」状態にする。これ以降、搬送車3への走行指令は第1通常ライン11aを走行する搬送車3にのみ送信される。
(8)特徴
【0083】
(8−1)
搬送車システム1は、第1通常ライン11aおよび第1バイパスライン12aと、複数の搬送車3と、第1バッファ17Aおよび第2バッファ17Bと、搬送車コントローラ27とを備えている(図4〜図6)。第1通常ライン11aおよび第1バイパスライン12aは並んで配置されている。複数の搬送車3は、第1通常ライン11aおよび第1バイパスライン12aを別々に走行する。第1バッファ17Aおよび第2バッファ17Bは、第1通常ライン11aおよび第1バイパスライン12aの間に並んで設けられている。搬送車コントローラ27は、搬送車3を制御可能である。搬送車コントローラ27は、走行方向に隣り合う第1バッファ17Aおよび第2バッファ17Bへの搬送指令を、第1通常ライン11aおよび第1バイパスライン12aに分かれて走行するように第1搬送車3aおよび第2搬送車3bに割り付ける。
【0084】
このシステムでは、隣り合う第1バッファ17Aと第2バッファ17Bが近接している場合でも、第1バッファ17Aと第2バッファ17Bに対して第1搬送車3aおよび第2搬送車3bから同時に荷物を移載することができる。この結果、第1バッファ17Aと第2バッファ17Bの間隔を狭くすることでバッファの数を増やしつつも、待機状態になる搬送車3の数を少なくできる。
【0085】
(8−2)
搬送車コントローラ27は、走行方向に並んだ複数の第1バッファ17A〜第8バッファ17HをグループBとして管理する(図7〜図10)。また、搬送車コントローラ27は、グループB内で搬送車3が第1通常ライン11aおよび第1バイパスライン12aを均等に走行するように搬送指令を割り付ける。
【0086】
このシステムでは、搬送車3が第1通常ライン11aおよび第1バイパスライン12aに均等に振り分けられるので、渋滞が防止される。より具体的には、搬送車3が第1通常ライン11aおよび第1バイパスライン12aの一方に集中する事態が防止される。
【0087】
(8−3)
搬送車コントローラ27は、走行方向に並んだ複数の第1バッファ17A〜第8バッファ17HをグループBとして管理するとともに、グループB内で発生した搬送要求に対して、グループB内で搬送要求が出された最上流のバッファまたはそれより上流の位置までの走行指令を搬送車3に出す(図7〜図10)。搬送車コントローラ27は、さらに、搬送要求を出したバッファについての搬送指令を当該位置に到着した搬送車3から順番に割り付ける。
【0088】
このシステムでは、分岐部13や合流部14で搬送車3の到着順序が変更されても、前後の搬送車3で複数のバッファに同時にアクセスできる。
【0089】
(9)他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0090】
前記実施形態では、搬送車の種類は天井走行車であるが、無軌道で走行する無人搬送車や有軌道台車であっても良い。
前記実施形態では搬送車の横移動装置はスカラアームを用いているが、ベルト機構であっても良い。
前記実施形態では、複数種類の制御動作を個別に説明したが、これらは任意に組み合わせられても良い。
上記実施形態では、荷つかみにも荷おろしの場合と同様の割り付け制御動作を行っても良い。この場合、荷おろしと荷つかみの両方において上記制御が行われるため、搬送車システムにおける搬送効率がさらに向上する。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、複数の荷物保管場所の両側に並んで配置された一対の経路を複数の搬送車が別々に走行する搬送車システムに広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の一実施形態に係る搬送車システムのレイアウトを示す部分平面図。
【図2】搬送車システムの制御系を示すブロック図。
【図3】天井搬送車の正面図。
【図4】隣接するバッファに同時荷おろしを実行する制御動作を説明するためのレイアウト模式図。
【図5】隣接するバッファに同時荷おろしを実行する制御動作を説明するためのレイアウト模式図。
【図6】隣接するバッファに同時荷おろしを実行する制御動作を説明するするためのフローチャート。
【図7】一列のバッファに対して左右両側の搬送車から荷おろしを実行する制御動作を説明するためのレイアウト模式図。
【図8】一列のバッファに対して左右両側の搬送車から荷おろしを実行する制御動作を説明するためのレイアウト模式図(第1実施例)。
【図9】一列のバッファに対して左右両側の搬送車から荷おろしを実行する制御動作を説明するためのレイアウト模式図(第2実施例)。
【図10】一列のバッファに対して左右両側の搬送車から荷おろしを実行する制御動作を説明するためのフローチャート。
【図11】アクセス方向を強制切り替えする制御動作を説明するためのレイアウト模式図。
【符号の説明】
【0093】
1 搬送車システム
3 搬送車
3a 第1搬送車
3b 第2搬送車
3c 第3搬送車
3d 第4搬送車
3e 第5搬送車
3f 第6搬送車
3g 第7搬送車
3h 第8搬送車
3i 第9搬送車
3j 第10搬送車
3k 第11搬送車
5 搬送軌道(経路)
9 第1処理装置
9a 第1ロードポート
10 第2処理装置
10a 第2ロードポート
11 通常ライン(経路)
11a 第1通常ライン
11b 第2通常ライン
12 バイパスライン(経路)
12a 第1バイパスライン
12b 第2バイパスライン
13 分岐部
13A 分岐ポイント
14 合流部
14A 合流ポイント
15 第1サイドバッファ(荷物保管場所)
16 第2サイドバッファ(荷物保管場所)
17 第3サイドバッファ(荷物保管場所)
17A 第1バッファ
17B 第2バッファ
17C 第3バッファ
17D 第4バッファ
17E 第5バッファ
17F 第6バッファ
17G 第7バッファ
17H 第8バッファ
18 第4サイドバッファ(荷物保管場所)
19 第5サイドバッファ(荷物保管場所)
20 制御系
21 製造コントローラ
23 物流コントローラ
27 搬送車コントローラ
28 分岐路
30 走行レール
31 支柱
32 走行レール本体
33 給電レール
34 本体ベース
35 走行駆動部
36 受電部
38 横移動機構
38a 上側部
38b 下側部
39 旋回部
40 昇降駆動部
41 昇降台
42 落下防止カバー
43 支柱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
並んで配置された一対の経路と、
前記一対の経路を別々に走行する複数の搬送車と、
前記一対の経路の間に並んで設けられた複数の荷物保管場所と、
前記搬送車を制御可能なコントローラとを備え、
前記コントローラは、走行方向に隣り合う二つの荷物保管場所への搬送指令を、前記一対の経路に分かれて走行するように二つの搬送車に割り付ける、
搬送車システム。
【請求項2】
前記コントローラは、走行方向に並んだ複数の荷物保管場所をグループとして管理するとともに、前記グループ内で前記搬送車が前記一対の経路を均等に走行するように搬送指令を割り付ける、請求項1に記載の搬送車システム。
【請求項3】
前記コントローラは、走行方向に並んだ複数の荷物保管場所をグループとして管理するとともに、前記グループ内で発生した搬送要求に対して、前記グループ内で搬送要求が出された最上流の荷物保管場所またはそれより上流の位置までの走行指令を前記搬送車に割り付け、搬送要求が出されている荷物保管場所についての搬送指令を前記位置に到着した搬送車から順番に割り付ける、請求項1または2に記載の搬送車システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−152766(P2010−152766A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−331709(P2008−331709)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】