説明

撮像装置、ナビゲーション装置、及び位置情報記憶システム

【課題】撮影によって得られた画像データに対して位置情報の付加を容易に行う。
【解決手段】自動車等の車両に設置されるカーナビゲーション装置において、時刻と位置とが関係付けられた位置データを例えば5分おきに作成し、内部メモリにテーブルデータとして書き込む。複数回の撮影を行ったデジタルカメラをカーナビゲーション装置に接続すると、最後に接続された時刻を示す時刻情報がデジタルカメラからカーナビゲーション装置に送信される。これを受けて、カーナビゲーション装置からデジタルカメラに該時刻以降に書き込まれた位置データがデジタルカメラに送信される。その後、位置データに基づいて、撮影位置情報が付加されていない画像データの撮影時刻情報と位置データの時刻とから撮影された場所を特定し、該特定された場所を撮影位置情報として画像データに付加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影時の位置情報が付加された画像データを作成する撮像装置、ナビゲーション装置、及び位置情報記憶システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
CCDイメージセンサ等のイメージセンサで撮像された被写体画像を画像データに変換し、内蔵メモリやメモリーカード等の記憶媒体に記録するデジタルカメラが普及している。このようなデジタルカメラでは、得られた画像データには撮像時の時刻を示す時刻情報が付与されており、上述した画像データをデジタルカメラに設けられたLCD等の表示装置に表示したときに、同時に表示できるようになっている。
【0003】
最近では、時刻情報の他に、撮影時の位置情報を、画像データに付与することができるようにしたデジタルカメラが考案されている。このようなデジタルカメラの場合、GPS(Global Positioning System)受信機を内蔵しており、GPS衛星からの信号から得られる撮像時の緯度、経度等の位置情報を撮像した画像データとともに記録している。しかしながら、GPS受信機をデジタルカメラに内蔵した場合、カメラ自体のコストが高くなる他に、カメラの消費電力が高くなるという問題がある。また、この他に、位置情報を受信しているときには、デジタルカメラにおいて撮影ができないという欠点や、例えば屋内など、位置情報を受信できない場合があるという課題がある。このような問題や課題を解決する方法として、例えば自動車等の車両に設置されたナビゲーション装置から無線等を使用して、位置情報をデジタルカメラに転送することが考案されている(例えば、特許文献1、2等)。
【特許文献1】特開2002−271723号公報
【特許文献2】特開2004−7503号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ナビゲーション装置からデジタルカメラに対して位置情報を無線にて転送する場合、該無線にて送信された位置情報を受信するための通信装置をデジタルカメラに内蔵する必要があり、デジタルカメラのコストが上がる、或いは消費電力が大きくなるという問題や、通信不可の場所では位置情報を取得することができない、或いは位置情報の取得時には、デジタルカメラにおいて撮影ができないという課題を解決するための有効な手段であるとは言い難い。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、撮影時に位置情報を取得しなくても、撮影によって得られた画像データに対して位置情報の付加を容易に行うことができるようにした撮像装置、ナビゲーション装置、及び位置情報記憶システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の撮像装置は、撮影した際に得られる画像データに対して、撮影時の時刻を示す撮影時刻情報を付加するデータ付加手段と、このデータ付加手段によって撮影時刻情報が付加された画像データを記憶する画像データ記憶手段を備えた撮像装置であって、前記撮像装置は、現在位置を示す現在位置情報を取得して、該現在位置情報と地図情報とから目的地までの経路誘導を行うナビゲーション装置と接続可能であり、前記ナビゲーション装置と接続されたときに、このナビゲーション装置に記憶された前記現在位置情報と時刻情報とが関連付けられた位置データを記憶するデータ記憶手段と、前記画像データに付加された撮影時刻情報と前記位置データとから生成された、撮影時の位置を示す撮影位置情報を前記画像データに付加するデータ付加手段と、撮影位置情報が付加された画像データを前記画像データ記憶手段に書き込むデータ書き込み手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明のナビゲーション装置は、現在位置を示す現在位置情報を取得して、該現在位置情報と地図情報とから目的地までの経路誘導を行うナビゲーション装置であって、前記ナビゲーション装置は、撮影することによって得られた画像データに対して、撮影時の時刻を示す撮影時刻情報を付加するデータ付加手段と、前記撮影時刻情報が付加された画像データを記憶する画像データ記憶手段とを備えた撮像装置と接続可能であり、取得された現在位置情報と時刻情報とが関連付けられた位置データを所定時間毎に作成する位置データ作成手段と、この位置データ作成手段によって作成された位置データを記憶する位置データ記憶手段と、前記撮像装置と接続されたときに、前記画像データ記憶手段に記憶された画像データを読み出すデータ読み出し手段と、読み出された画像データに付加された撮影時刻情報と前記位置データの時刻情報とから撮影時の位置を特定し、特定された撮影時の位置を示す撮影位置情報を画像データに付加するデータ付加手段と、このデータ付加手段によって撮影位置情報が付加された画像データを、前記撮像装置の画像データ記憶手段に書き込む書き込み手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の位置情報記憶システムによれば、車両の現在位置情報と時刻情報とが関連付けられた位置データを所定時間毎に作成する位置データ作成手段と、このデータ作成手段によって作成された位置データを記憶する位置データ記憶手段とを備えたナビゲーション装置と、撮影時の時刻を示す撮影時刻情報が付加された画像データを記憶する画像データ記憶手段と、前記ナビゲーション装置と接続されたときに、前記画像データに付加された撮影時刻情報と前記位置データとから撮影時の位置を特定し、特定された撮影時の位置を示す撮影位置情報を前記画像データに付加するデータ付加手段と、このデータ付加手段によって撮影位置情報が付加された画像データを前記画像データ記憶手段に書き込むデータ書き込み手段とを備えた撮像装置と、からなることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の位置情報記憶システムは、撮影することによって得られた画像データに対して、撮影された時刻を示す撮影時刻情報を付加するデータ付加手段と、撮影時刻情報が付加された画像データを記憶する画像データ記憶手段とを備えた撮像装置と、車両の現在位置情報と時刻情報とが関連付けられた位置データを所定時間毎に作成する位置データ作成手段と、この位置データ作成手段によって作成された位置データを記憶する位置データ記憶手段と、前記撮像装置と接続されたときに、前記画像データ記憶手段に記憶された画像データを読み出すデータ読み出し手段と、読み出された画像データに付加された時刻情報と前記位置データとから撮影時の位置を特定し、特定された撮影時の位置を示す撮影位置情報を画像データに付加するデータ付加手段と、このデータ付加手段によって撮影位置情報が付加された画像データを、前記撮像装置の画像データ記憶手段に書き込む書き込み手段とを備えたナビゲーション装置と、からなることを特徴とする。
【0010】
なお、上述した撮像装置としては、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラの他に、カメラ機能付き携帯型電話機等が挙げられる。また、ナビゲーション装置としては、自動車等の車両に設置されるカーナビゲーション装置の他に、位置情報を取得可能な携帯型端末を挙げることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の撮像装置によれば、撮影した際に得られる画像データに対して、撮影時の時刻を示す撮影時刻情報を付加するデータ付加手段と、このデータ付加手段によって撮影時刻情報が付加された画像データを記憶する画像データ記憶手段を備えた撮像装置であって、前記撮像装置は、現在位置を示す現在位置情報を取得して、該現在位置情報と地図情報とから目的地までの経路誘導を行うナビゲーション装置と接続可能であり、前記ナビゲーション装置と接続されたときに、このナビゲーション装置に記憶された前記現在位置情報と時刻情報とが関連付けられた位置データを記憶するデータ記憶手段と、前記画像データに付加された撮影時刻情報と前記位置データとから生成された、撮影時の位置を示す撮影位置情報を前記画像データに付加するデータ付加手段と、撮影位置情報が付加された画像データを前記画像データ記憶手段に書き込むデータ書き込み手段とを備えたから、ナビゲーション装置と接続するだけで、撮影時の位置情報を容易に画像データに付加することができ、撮影の際に位置情報を取得する手間を省くことができる。
【0012】
また、本発明のナビゲーション装置によれば、現在位置を示す現在位置情報を取得して、該現在位置情報と地図情報とから目的地までの経路誘導を行うナビゲーション装置であって、前記ナビゲーション装置は、撮影することによって得られた画像データに対して、撮影時の時刻を示す撮影時刻情報を付加するデータ付加手段と、前記撮影時刻情報が付加された画像データを記憶する画像データ記憶手段とを備えた撮像装置と接続可能であり、取得された現在位置情報と時刻情報とが関連付けられた位置データを所定時間毎に作成する位置データ作成手段と、この位置データ作成手段によって作成された位置データを記憶する位置データ記憶手段と、前記撮像装置と接続されたときに、前記画像データ記憶手段に記憶された画像データを読み出すデータ読み出し手段と、読み出された画像データに付加された撮影時刻情報と前記位置データの時刻情報とから撮影時の位置を特定し、特定された撮影時の位置を示す撮影位置情報を画像データに付加するデータ付加手段と、このデータ付加手段によって撮影位置情報が付加された画像データを、前記撮像装置の画像データ記憶手段に書き込む書き込み手段とを備えたから、ナビゲーション装置にデジタルカメラ等の撮像装置を接続するだけで、撮影時の位置情報を容易に画像データに付加することができ、撮影の際に位置情報を取得する手間を省くことができる。
【0013】
また、本発明の位置情報記憶システムによれば、車両の現在位置情報と時刻情報とが関連付けられた位置データを所定時間毎に作成する位置データ作成手段と、このデータ作成手段によって作成された位置データを記憶する位置データ記憶手段とを備えたナビゲーション装置と、撮影時の時刻を示す撮影時刻情報が付加された画像データを記憶する画像データ記憶手段と、前記ナビゲーション装置と接続されたときに、前記画像データに付加された撮影時刻情報と前記位置データとから撮影時の位置を特定し、特定された撮影時の位置を示す撮影位置情報を前記画像データに付加するデータ付加手段と、このデータ付加手段によって撮影位置情報が付加された画像データを前記画像データ記憶手段に書き込むデータ書き込み手段とを備えた撮像装置と、からなるから、ナビゲーション装置と撮像装置とを接続するだけで、撮影時の位置情報を容易に画像データに付加することができ、撮影の際に位置情報を取得する手間を省くことができる。
【0014】
また、本発明の位置情報記憶システムによれば、撮影することによって得られた画像データに対して、撮影された時刻を示す撮影時刻情報を付加するデータ付加手段と、撮影時刻情報が付加された画像データを記憶する画像データ記憶手段とを備えた撮像装置と、車両の現在位置情報と時刻情報とが関連付けられた位置データを所定時間毎に作成する位置データ作成手段と、この位置データ作成手段によって作成された位置データを記憶する位置データ記憶手段と、前記撮像装置と接続されたときに、前記画像データ記憶手段に記憶された画像データを読み出すデータ読み出し手段と、読み出された画像データに付加された時刻情報と前記位置データとから撮影時の位置を特定し、特定された撮影時の位置を示す撮影位置情報を画像データに付加するデータ付加手段と、このデータ付加手段によって撮影位置情報が付加された画像データを、前記撮像装置の画像データ記憶手段に書き込む書き込み手段とを備えたナビゲーション装置と、からなるので、ナビゲーション装置と接続するだけで、撮影時の位置情報を容易に画像データに付加することができ、撮影の際に位置情報を取得する手間を省くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、第1の実施形態の位置情報記録システムを示す概略図である。位置情報記録システム10は、デジタルカメラ11と、カーナビゲーション装置12とから構成される。カーナビゲーション装置12はGPS衛星80(図4参照)からの信号を受けて、設置された自動車等の車両の現在位置情報を取得し、目的地まで経路誘導するために設けられている。このカーナビゲーション装置12は、図示しない地図データベース等を有するカーナビゲーション装置本体15に、GPS衛星80からの信号を受信するGPSアンテナ16や、例えば液晶モニタ等の表示装置17がケーブル18,19等によってそれぞれ接続されている。なお、このカーナビゲーション装置本体15には、デジタルカメラ11が例えばケーブル20によって接続される。なお、本実施形態は、ナビゲーション装置の例として、カーナビゲーション装置を取り上げるが、これに限定する必要はなく、例えばGPS機能付きの携帯型端末を用いることも可能である。
【0016】
図2は、デジタルカメラ11の正面を示す斜視図、図3は、その背面を示す斜視図である。デジタルカメラ11の前面には、撮影レンズ25、ストロボ発光部26、光学ファインダ27の対物窓27a、レンズバリア28が設けられている。レンズバリア28は撮影レンズ25、ストロボ発光部26を覆った閉じ位置と、図2で示されるように、それらの前面から退避して撮影可能な状態にした開き位置との間でスライド自在にされている。
【0017】
撮影レンズ25の奥にはCCDイメージセンサ52(図4参照)が配されている。CCDイメージセンサ52で撮像された被写体画像は、デジタルカメラ11の背面に設けられたLCD(液晶ディスプレイ)30に、所謂スルー画像として表示される。このようにLCD30はスルー画像を表示する他に、撮影済みの被写体画像の再生にも用いられる。また、背面には光学ファインダ27の接眼窓27bが設けられており、光学ファインダ27を用いてフレーミングを行うことができる。
【0018】
デジタルカメラ11の背面には、LCD30の他に、電源のオン/オフ切替を行う電源ボタン31、撮影レンズ25をズーミングするズーム操作ボタン32、各種モードを選択するモードボタン33、再生画像の選択やLCD30に表示される設定画面で各種の設定等を行う操作キー部34が設けられている。操作キー部34は、4方向のカーソルキー34aと、決定ボタン34bからなる。なお、モードボタン33の操作によって選択される動作モードとしては、静止画撮影を行う撮影モード、メモリーカード37に記録されている撮影画像をLCD30に表示する再生モード、及び各種設定を行うセットアップモードの他に、接続モードがある。なお、接続モードは、デジタルカメラ11と、カーナビゲーション装置12とがケーブル20によって接続された際に自動的に移行するモードであり、この接続モードに移行すると、メモリーカード37に記憶された画像データのうち、撮影箇所を示す撮影位置情報が付加されていない撮影付加情報が付帯された画像データに対して、撮影位置情報の付加処理が行われる。
【0019】
デジタルカメラ11の上面には、レリーズボタン35が設けられている。このレリーズボタン35を押圧操作することにより、静止画の撮影が行われる。このデジタルカメラ11の側面には、メモリーカード37を装着するメモリースロット36や、例えばケーブル20を接続するためのコネクタ38等が設けられている。
【0020】
図4は、デジタルカメラ11及びカーナビゲーション装置12の電気的構成を示す機能ブロック図である。デジタルカメラ11は、マイクロコンピュータ45によって統括的に制御される。マイクロコンピュータ45は、CPUや制御プログラムや参照データ等が記録されたROM、CPUの各種演算処理を行う際の作業エリアとなるRAM等から構成される。
【0021】
このマイクロコンピュータ45は時計回路46を備えており、後述する情報生成部65に、時刻情報を送信する。また、デジタルカメラ11がカーナビゲーション装置12に接続されたときに、マイクロコンピュータ45は内部メモリ61を参照して、最後にカーナビゲーション装置12からデータ収集を実行した時刻を取得して、該時刻をカーナビゲーション装置12に送信する。この送信の後に、カーナビゲーション装置12から、最後にデータ収集された時刻以降に記憶された位置データが送信されるので、マイクロコンピュータ45は、受信された位置データを内部メモリ61に書き込むとともに、時計回路46を参照して、通信が行われた時刻を内部メモリに書き込む。なお、この位置データは、時刻と、該時刻における位置(緯度、経度)が関連付けられたデータである。さらに、マイクロコンピュータ45は、メモリースロット36に差し込まれたメモリーカード37を参照して、最後にデータ収集された時刻以降に撮影された画像データを読み出して、内部メモリ61に該画像データを書き込む。
【0022】
操作部47は、レリーズボタン35、電源ボタン31、ズーム操作ボタン32、モードボタン33、操作キー部34から構成され、この操作部47からの操作信号に基づいてマイクロコンピュータ45は、各部の動作を制御する。
【0023】
撮影レンズ25は、ズーム操作ボタン32の操作に応じて、ズームモータ等から構成されるズーム機構50によって駆動されることで焦点距離が変化する。撮影レンズ25の焦点距離を検出する焦点距離検出手段としてのズームセンサ51は、撮影レンズ25の焦点距離に応じたズーム検出信号を出力する。なお、ズームセンサ51を用いずに、マイクロコンピュータ45にてズームモータに送る駆動信号の時間あるいは駆動パルス数によりズーム位置(撮影レンズの焦点距離)を検出できる。さらに、電子ズームでは、設定したズーム倍率にて検出できる。
【0024】
撮影レンズ3を透過した被写体光は、CCDイメージセンサ52の受光面に結像される。CCDイメージセンサ52の受光面に結像された被写体像は、入射光量に応じた量の電荷に変換されて蓄積され、その蓄積電荷に応じた電圧のアナログ画像信号として順次に出力される。CCDイメージセンサ52は、電荷の蓄積時間をコントロールする、いわゆる電子シャッタにより露光時間を調節する。
【0025】
CCDイメージセンサ52からのアナログ画像信号は、CDS(相関二重サンプリング)回路53によってノイズ除去が行われた後に、AMP(増幅器)54にて増幅され、A/D変換器55に入力される。このA/D変換器55によってR,G,Bの画像データに変換される。A/D変換器55からの画像データは、画像信号処理部60に入力される。
【0026】
バス56は、マイクロコンピュータ45や画像信号処理部60や、内部メモリ61等を相互に接続している。このバス56に接続された各部は、それを介してマイクロコンピュータ45によって制御されるとともに、相互間でデータの授受を行うことが可能になっている。
【0027】
画像信号処理部60は、スルー画像を表示する際には、A/D変換器55からの画像データに対して、γ補正やホワイトバランス補正,コントラスト補正等の画像処理を行い、処理済の画像データをドライバ62に送る。また、静止画の撮影時には、画像信号処理部60は、上記画像処理に加えて、R,G,Bの画像データを輝度信号と色差信号とに対応するY,Cb,Crの画像データに変換するYC変換処理,その画像データを所定の圧縮形式、例えばJPEG形式に圧縮する圧縮処理を行うとともに、撮影付加情報をタグとして画像データに付加する。さらに、再生モード下では、画像信号処理部60は、メモリーカード37から読み出した画像データを伸長する伸長処理、Y,Cb,Crの画像データをR,G,Bの画像データに変換するRGB変換処理を行う。このRGB変換処理が終了した後、画像信号処理部60は、撮影付加情報が付加された画像データをメディアコントローラ63に送る。また、接続モードに移行した場合、画像信号処理部60は、情報生成部65で生成された撮影位置情報が付加された撮影付加情報を、新たな撮影付加情報として画像データに付加する。
【0028】
情報生成部65は、シャッタボタン35が操作されたときに、撮影時の設定情報や、撮影時の日時や時刻を示す撮影時刻情報等からなる撮影付加情報を作成する。また、デジタルカメラ11が接続モードに移行したときに作動され、内部メモリ61に書き込まれた画像データに付加された撮影付加情報のうちの撮影時刻情報と、内部メモリ61に記憶された位置データとから、撮影が行われた位置を特定して撮影位置情報を生成する。生成された撮影位置情報は画像信号処理部60に送られ、画像データにタグとして付加される。なお、撮影位置情報としては、緯度・経度の情報の他に、緯度経度から得られる場所の名称(例えば、ランドマーク)、或いは住所の情報が挙げられる。
【0029】
内部メモリ61は、メモリーカード37に記録するための処理中の画像データや、再生中の撮影画像の画像データとそれに対応する撮影付加情報が記録される。これらの各種データは、処理に応じてマイクロコンピュータ45,画像信号処理部60によって読み出される。また、この他に、カーナビゲーション装置12から読み出された位置データが記録される。
【0030】
ドライバ62は、入力されるデータに基づいてLCD30を駆動する。撮影モード下では、A/D変換器55からの画像データが画像信号処理部60で画像処理されて、次々にドライバ62に送られる。これによりLCD30には、スルー画像が表示される。また、再生モードの場合には、メモリーカード37から読み出され、画像信号処理部60で伸長処理、RGB変換処理が行われた画像データがドライバ62に送られることにより、メモリーカード37に記録されている撮影画像がLCD30に表示される。
【0031】
メディアコントローラ63は、メモリーカード61の読み出し及び書き込みを行う。撮影モード時では、レリーズボタン35の操作に応答して撮影された1フレーム分の画像データが画像信号処理部60からメディアコントローラ63に入力されて、メモリーカード37に記録される。また、再生モード下では、メディアコントローラ63は、メモリーカード37から画像データを読み出して画像信号処理部60に送る。なお、記録媒体としては、メモリーカード37に限らず、デジタルカメラに内蔵されたメモリ等であってもよい。
【0032】
通信I/F(インタフェース)65は、コネクタ38を有し、そのコネクタ38を介してカーナビゲーション装置12が接続される。なお、上述したように、デジタルカメラ11のコネクタ38にカーナビゲーション装置12に接続されたケーブル20が接続されると、マイクロコンピュータ45は、動作モードを接続モードに切り替えて、操作部45からの操作信号を無効にするとともに、LCD30の駆動を停止させる。
【0033】
カーナビゲーション装置12は、マイクロコンピュータ70によって統括的に制御され、例えば、ナビゲーション装置本体15に設けられた操作部71の操作によって出力される信号に基づいて各部の処理を実行させる。マイクロコンピュータ70は、CPUや制御プログラムや参照データ等が記録されたROM、CPUの各種演算処理を行う際の作業エリアとなるRAM等から構成される。このマイクロコンピュータ70は時計回路72を備えており、マイクロコンピュータ70は、この時計回路72を参照することによって、データ作成部75を所定時間毎に作動させる。
【0034】
このマイクロコンピュータ70には、バス73を介してGPSモジュール74、データ作成部75、ディスクドライブ76、内部メモリ77等が接続され、それら間でデータ授受が行われる。また、この他に、通信I/F78が接続されており、外部装置との接続が可能となっている。
【0035】
GPSモジュール74は、GPSアンテナ16を介して複数のGPS衛星80からの信号を受信することにより、カーナビゲーション装置12の位置(緯度、経度)、つまり現在の車両の位置を現在位置情報として出力する。
【0036】
データ作成部75は、カーナビゲーション装置12に給電が開始されることを契機にして作動し、作動したときの時刻と、その時刻における現在位置とを関連付けた位置データを作成し、内部メモリ77に記憶する。また、データ作成部75は、所定時間が経過する毎に作動して位置データを作成し、内部メモリ77に記憶していく。この内部メモリ77には、データ作成部75で作成された複数の位置データは、テーブルデータ79としてまとめられて記憶される(図6参照)。なお、カーナビゲーション装置12は、自動車等の車両に設置されているため、時間単位で位置データの作成を行うと、その間の経路が特定できなくなるので、データ作成部75の作動間隔は、分単位で行われることが好ましい。また、カーナビゲーション装置12への給電が停止された際にも、データ作成部75による位置データの作成が行われ、該位置データが内部メモリ77に書き込まれる。
【0037】
ディスクドライブ76は、例えば、CD−ROMやDVD−ROM等の光学記録媒体や、がセットされるドライブの他に、ハードディスクドライブ等のディスクドライブからなる。このディスクドライブにセットされる記録媒体には、地図や、地名等のテキスト情報を含む地図情報が記録されており、GPSモジュール74によって得られた現在位置情報から、現在の現在位置付近の地図情報を読み出して、LCD17上に地図画像を表示し、さらに表示された地図画像上に現在の車両の位置を示す指標を重ねて表示する。なお、符号81はドライバであり、LCD17の表示制御を行うものである。
【0038】
次に、本実施形態の作用について説明する。まず、自動車のエンジンを始動させると、カーナビゲーション装置12に給電が行われ、カーナビゲーション装置12が起動する。このカーナビゲーション装置12が起動すると、GPS衛星80からの信号をGPSアンテナ16が受信するので、GPSモジュール74から現在位置情報が出力される。また、カーナビゲーション装置12の起動によりデータ作成部75が作動し、給電が行われたときの時刻と、そのときの位置を対応付けた位置データを作成し、作成された位置データを内部メモリ77にテーブルデータ79として記憶する。なお、マイクロコンピュータ70は時計回路72を備えているから、マイクロコンピュータ70は、例えば5分おきにデータ作成部75を作動させ、作成された位置データをテーブルデータ79として内部メモリ77に書き込む。なお、目的地まで自動車で移動しエンジンを停止させると、カーナビゲーション装置12に対する給電が停止されるので、マイクロコンピュータ70はテーブル作成部75を作動させて、位置データを内部メモリ77に書き込む。このようにして、自動車で移動を行った場合には、5分おきに位置データが作成され、内部メモリ77にテーブルデータ79として記憶される。
【0039】
例えば目的地にてデジタルカメラ11を用いて撮影を行って次の目的地まで自動車で移動する間に、デジタルカメラ11と、カーナビゲーション装置12とをケーブル20によって接続する場合がある。図5に示すように、デジタルカメラ11と、カーナビゲーション装置12とを接続すると、デジタルカメラ11の動作モードが接続モードに切り替わる。接続モードに移行すると、デジタルカメラ11のマイコンピュータ45によって、内部メモリ61に書き込まれた最後にデータ収集された時刻を示す時刻情報が読み出され、この時刻情報がカーナビゲーション装置12に送信される。
【0040】
カーナビゲーション装置12のマイコンピュータ70にデジタルカメラ11からの時刻情報を受信すると、内部メモリ77に記憶されたテーブルデータ79を参照し、最後にデータ収集された時刻以降に書き込まれた位置データを読み出してデジタルカメラ11に送信する。デジタルカメラが位置データを受信すると、この位置データを内部メモリ61に書き込む。例えば、図6に示すように、デジタルカメラ11がカーナビゲーション装置12に接続された時刻が「2005/05/01 22:00」となり、最後にデータ収集が行われた時刻が「2005/05/01 8:40」となる場合には、テーブルデータ79から、「2005/05/01 8:40」から「2005/05/01 22:00」までの位置データがカーナビゲーション装置12のマイクロコンピュータ70によって読み出され、デジタルカメラ11に送信される。これら位置データがデジタルカメラ11に送信されると、デジタルカメラ11のマイクロコンピュータ45は、これら位置データを内部メモリ61に書き込む。
【0041】
同時に、デジタルカメラ11のマイコンピュータ45は、メモリーカード61に記録された画像データから、撮影位置情報が付加されていない画像データがあるか否かを判定する。そして、撮影位置情報が付加されていない画像データがある場合には、情報生成部65は、該画像データに付加されている時刻情報と、内部メモリ61に書き込まれた位置データのうちの時刻情報とをそれぞれ参照して、画像データに付加された撮影時刻情報における撮影位置を特定する。情報生成部65は、特定された撮影位置を撮影位置情報として作成し、画像信号処理部60に送る。これにより、新たに作成された撮影位置情報は、画像信号処理部60において該画像データにタグとして付加される。
【0042】
例えば画像データに付加された撮影時刻情報から得られる撮影時刻が、「2005/05/01 15:30」となる場合、12時55分から21時24分まではカーナビゲーション装置12によって得られた位置が変化していない、つまり自動車が移動していないから、撮影位置は「北緯35°37’47” 東経139°53’8”」となるので、この撮影位置に基づいて撮影位置情報が生成される。同様にして、撮影位置情報が付加されていない画像データに対して撮影位置情報が作成され、それぞれの画像データに付加されていく。なお、情報生成部65における撮影位置情報の生成、及び画像信号処理部60における画像データへの撮影付加情報の付加は、デジタルカメラ11の内部で実行されるので、デジタルカメラ11とカーナビゲーション装置12とは、接続されたままでも、接続を解除した後に実行されるようにしてもよいものとする。これにより、撮影時に撮影位置情報をデジタルカメラによって受信する必要が無くなるので、撮影時の手間を省くことが可能である。一方、最後にデータ収集が行われた時刻よりも後に撮影が行われていない場合には、撮影位置情報が付加されていない画像データが無いことから、上述した処理は行われない。
【0043】
一方、自動車にて移動中に撮影が行われることがある。例えば、図7に示すように、時刻Tにおいて撮影が行われた場合について説明する。例えば、位置データが作成された時刻Tsにおける位置(検出位置S)は、「緯度ns 経度es」となり、位置データが作成された時刻Tuにおける位置(検出位置U)は、「緯度nu 経度eu」で示される。これら位置データから、例えば時刻Tにおける緯度nは、n=│nu−ns│×{T/(Tu−Ts)}から、経度は、n=│eu−es│×{T/(Tu−Ts)}からそれぞれ算出される。この場合、実際の移動経路(図7中実線)を、直線(図7中二点差線)の移動経路として考えるため、算出された位置は、必ずしも撮影された位置であるとは言い難いが、撮影された大まかな位置がわかることになる。
【0044】
第1実施形態では、デジタルカメラと、カーナビゲーション装置とを接続したときに、それぞれが作動するようにしたが、これに限定する必要はなく、例えばデジタルカメラにおいて、カーナビゲーション装置を大容量記憶媒体として認識させるようにしてもよい。この場合、マイクロコンピュータは、直接カーナビゲーション装置の内部メモリを参照して、テーブルデータを参照し、最後にデータ収集が行われた時刻以降に書き込まれた位置データを読み出して、撮影位置情報が付加されていない画像データに対して、撮影位置情報を付加する。
【0045】
図8は、本発明の第2実施形態の位置情報記録システムを示す機能ブロックである。この第2実施形態は、第1実施形態と同様に、デジタルカメラとカーナビゲーション装置とから構成されるが、デジタルカメラで撮影位置情報を画像データに付加するのではなく、カーナビゲーション装置において、撮影位置情報を画像データに付加するものである。このため、デジタルカメラをカーナビゲーション装置に接続したときには、カーナビゲーション装置は、デジタルカメラを大容量記憶装置として識別するように作動する。なお、以下では、位置情報記録システムとして符号85を、デジタルカメラとして符号90を、カーナビゲーション装置として符号115をそれぞれ付して説明する。
【0046】
デジタルカメラ90は、マイクロコンピュータ91によって統括的に制御される。マイクロコンピュータ91は、CPUや制御プログラムや参照データ等が記録されたROM、CPUの各種演算処理を行う際の作業エリアとなるRAM等から構成される。このマイクロコンピュータ91は時計回路92を備えており、デジタルカメラ90を用いた撮影が行われたときに後述する情報生成部107に時刻情報を送信する。
【0047】
操作部93は、レリーズボタン、電源ボタン、ズーム操作ボタン、モードボタン、操作キー部等から構成され、この操作部93からの操作信号に基づいてマイクロコンピュータ91は、各部の動作を制御する。
【0048】
撮影レンズ94は、ズーム操作ボタンの操作に応じて、ズームモータ等から構成されるズーム機構95によって駆動されることで焦点距離が変化する。撮影レンズ94の焦点距離を検出する焦点距離検出手段としてのズームセンサ96は、撮影レンズ94の焦点距離に応じたズーム検出信号を出力する。なお、ズームセンサ96を用いずに、マイクロコンピュータ92にてズームモータに送る駆動信号の時間あるいは駆動パルス数によりズーム位置(撮影レンズの焦点距離)を検出できる。さらに、電子ズームでは、設定したズーム倍率にて検出できる。
【0049】
撮影レンズ94を透過した被写体光は、CCDイメージセンサ97の受光面に結像される。CCDイメージセンサ97の受光面に結像された被写体像は、入射光量に応じた量の電荷に変換されて蓄積され、その蓄積電荷に応じた電圧のアナログ画像信号として順次に出力される。CCDイメージセンサ97は、電荷の蓄積時間をコントロールする、いわゆる電子シャッタにより露光時間を調節する。
【0050】
CCDイメージセンサ97からのアナログ画像信号は、CDS(相関二重サンプリング)回路98によってノイズ除去が行われた後に、AMP(増幅器)99にて増幅され、A/D変換器100に入力される。このA/D変換器100によってR,G,Bの画像データに変換される。A/D変換器100からの画像データは、画像信号処理部106に入力される。
【0051】
バス105は、マイクロコンピュータ91や画像信号処理部106や、内部メモリ108等を相互に接続している。このバス105に接続された各部は、それを介してマイクロコンピュータ91によって制御されるとともに、相互間でデータの授受を行うことが可能になっている。
【0052】
画像信号処理部106は、スルー画像を表示する際には、A/D変換器100からの画像データに対して、γ補正やホワイトバランス補正,コントラスト補正等の画像処理を行い、処理済の画像データをドライバ109に送る。また、静止画の撮影時には、画像信号処理部106は、上記画像処理に加えて、R,G,Bの画像データを輝度信号と色差信号とに対応するY,Cb,Crの画像データに変換するYC変換処理,その画像データを所定の圧縮形式、例えばJPEG形式に圧縮する圧縮処理を行うとともに、情報生成部107で生成された撮影付加情報をタグとして画像データに付加する。さらに、再生モード下では、画像信号処理部106は、メモリーカード111から読み出した画像データを伸長する伸長処理、Y,Cb,Crの画像データをR,G,Bの画像データに変換するRGB変換処理を行う。このRGB変換処理が終了した後、画像信号処理部106は、撮影付加情報が付加された画像データをメディアコントローラ110に送る。
【0053】
情報生成部107は、シャッタボタンが操作されたときに、撮影時の設定情報や、撮影時の日時や時刻を示す撮影時刻情報等からなる撮影付加情報を生成する。この撮影付加情報は、画像信号処理部106に送られ、画像信号処理部106によって圧縮処理された画像データに付加される。
【0054】
内部メモリ108は、メモリーカード111に記録するための処理中の画像データや、再生中の撮影画像の画像データとそれに対応する撮影付加情報が記録される。これらの各種データは、処理に応じてマイクロコンピュータ91,画像信号処理部106によって読み出される。
【0055】
ドライバ109は、入力されるデータに基づいてLCD112を駆動する。撮影モード下では、A/D変換器100からの画像データが画像信号処理部106で画像処理されて、次々にドライバ109に送られる。これによりLCD112には、スルー画像が表示される。また、再生モードの場合には、メモリーカード111から読み出され、画像信号処理部106で伸長処理、RGB変換処理が行われた画像データがドライバ109に送られることにより、メモリーカード111に記録されている撮影画像がLCD112に表示される。
【0056】
メディアコントローラ110は、メモリーカード111の読み出し及び書き込みを行う。撮影モード時では、レリーズボタンの操作に応答して撮影された1フレーム分の画像データが画像信号処理部106からメディアコントローラ110に入力されて、メモリーカード112に記録される。また、再生モード下では、メディアコントローラ110は、メ
モリーカード112から画像データを読み出して画像信号処理部106に送る。なお、記
録媒体としては、メモリーカードに限らず、デジタルカメラに内蔵されたメモリ等であってもよい。通信I/F(インタフェース)113はコネクタを有し、そのコネクタを介してカーナビゲーション装置115が接続される。
【0057】
カーナビゲーション装置115は、マイクロコンピュータ116によって統括的に制御され、例えば、ナビゲーション装置115に設けられた操作部117の操作によって出力される信号に基づいて各部の処理を実行させる。マイクロコンピュータ116は、CPUや制御プログラムや参照データ等が記録されたROM、CPUの各種演算処理を行う際の作業エリアとなるRAM等から構成される。このマイクロコンピュータ116は時計回路118を備えており、マイクロコンピュータ116は、この時計回路118を参照することによって、データ作成部122を所定時間毎に作動させる。
【0058】
また、マイクロコンピュータ116は、デジタルカメラ90が接続されたときに、内部メモリに記憶された機種情報から、デジタルカメラの機種の判別を行った後に、該デジタルカメラを大容量記憶装置として認識する。また、デジタルカメラ90の内部メモリ108を参照して、最後に接続された時刻を示す時刻情報を読み出す。さらに、マイクロコンピュータ116は、デジタルカメラ90に挿し込まれたメモリーカード111を参照して、撮影時刻情報から得られる撮影時刻が最後に接続された時刻以降である画像データを読み出して、内部メモリ126に書き込む。そして、内部メモリ126に書き込まれた全ての画像データに対して撮影位置情報が付加されると、デジタルカメラ90の内部メモリ108に書き込まれた時刻情報を新たな時刻情報に書き換える。なお、デジタルカメラ90の内部メモリ108に対して接続された時刻を示す時刻情報を書き込むようにしたが、これに限定する必要はなく、カーナビゲーション装置115の内部メモリ126に、デジタルカメラ90とカーナビゲーション装置115とが接続された時刻を示す時刻情報を書き込むようにしてもよい。
【0059】
このマイクロコンピュータ116には、バス120を介してGPSモジュール121、データ作成部122、情報生成部123、データ処理部124、ディスクドライブ125、内部メモリ126等が接続され、それら間でデータの授受が行われる。また、この他に、通信I/F127が接続されており、外部装置との接続が可能となっている。
【0060】
GPSモジュール121は、GPSアンテナ128を介して複数のGPS衛星130からの信号を受信することにより、カーナビゲーション装置115の位置(緯度、経度)、つまり現在の車両の位置を現在位置情報として出力する。
【0061】
データ作成部122は、カーナビゲーション装置115に給電が開始されることを契機にして作動し、作動したときの時刻と、GPSモジュール121から出力された位置情報とを関連付けた位置データを作成し、内部メモリ126に記憶する。また、データ作成部122は、所定時間が経過する毎に作動して位置データを作成し、内部メモリ126に記憶していく。データ作成部122で作成された複数の位置データは、テーブルデータ131としてまとめられて内部メモリ126に記憶される。なお、カーナビゲーション装置122は、自動車等の車両に設置されているため、時間単位でテーブルデータの作成を行うと、その間の経路が特定できなくなるので、データ作成部122の作動間隔は、分単位で行われることが好ましい。このため、本実施形態では、5分間隔でデータ作成部122が作動するものとして説明する。また、カーナビゲーション装置115への給電が停止された際にも、データ作成部122による位置データの作成が行われ、該位置データが内部メモリ126に書き込まれる。
【0062】
情報生成部123は、デジタルカメラ90の内部メモリ108に書き込まれた、最後に接続モードに移行したときの時刻がマイクロコンピュータ116によって読み出されたときに作動し、内部メモリ126に記憶された画像データの撮影時刻情報と、内部メモリ126に記憶されたテーブルデータ131とから、撮影された位置(緯度、経度等)を示す撮影位置情報を生成する。
【0063】
データ処理部124は、情報生成部123によって生成された撮影位置情報を、画像データに付加するために設けられている。なお、画像データには撮影付加情報が予め付加されているので、情報生成部123によって生成された撮影位置情報は、そのまま画像データにタグとして付加される。なお、撮影位置情報が付加された画像データは、通信I/F127を介してメディアコントローラ110に送られる。
【0064】
ディスクドライブ125は、例えば、CD−ROMやDVD−ROM等の光学記録媒体や、がセットされるドライブの他に、ハードディスクドライブ等のディスクドライブからなる。このディスクドライブ125にセットされる記録媒体には、地図や、地名等のテキスト情報を含む地図情報が記録されており、GPSモジュール121によって得られた現在位置情報から、現在の現在位置付近の地図情報を読み出して、LCD132上に地図画像を表示し、さらに表示された地図画像上に現在の車両の位置を示す指標を重ねて表示する。なお、符号133はドライバであり、LCD132の表示制御を行うものである。
【0065】
次に、第2実施形態における作用について説明する。まず、自動車のエンジンを始動させると、カーナビゲーション装置115に給電が行われ、カーナビゲーション装置115が起動する。このカーナビゲーション装置115が起動すると、GPS衛星130からの信号をGPSアンテナ128が受信するので、GPSモジュール121から位置情報が出力される。また、カーナビゲーション装置115の起動によりデータ作成部122が作動し、給電が行われたときの時刻と、そのときの位置を対応付けた位置データを作成し、内部メモリ126にテーブルデータ131として記憶する。なお、マイクロコンピュータ116は時計回路117を備えているから、マイクロコンピュータ116は、例えば5分おきにデータ作成部122を作動させ、作成された位置データをテーブルデータ131として内部メモリ126に書き込む。なお、目的地まで自動車で移動しエンジンを停止させると、カーナビゲーション装置115に対する給電が停止されるので、マイクロコンピュータ116はデータ作成部122を作動させて、位置データを内部メモリ126に書き込む。このようにして、自動車で移動を行った場合には、5分おきに位置データが作成され、内部メモリ126にテーブルデータ131として記憶されていく。
【0066】
例えば目的地にてデジタルカメラ90を用いて撮影を行って次の目的地まで自動車で移動する間に、デジタルカメラ90と、カーナビゲーション装置115とを接続する。図9に示すように、デジタルカメラ90と、カーナビゲーション装置115とを接続すると、カーナビゲーション装置115のマイコンピュータ116は、接続されたデジタルカメラ90の内部メモリ108を参照して、デジタルカメラ108の種類を識別した後に、該デジタルカメラ108を大容量記憶装置として認識する。また、マイクロコンピュータ116は、デジタルカメラ90の内部メモリ108を参照して、最後に接続された時刻を示す時刻情報を読み出す。マイクロコンピュータ116は、読み出した時刻情報と、メモリーカード113に書き込まれた画像データの撮影時刻情報とから、撮影時刻情報が示す撮影時刻が、最後に接続された時刻以降であるか否かの判別を行い、撮影時刻が最後に接続された時刻以降である画像データをカーナビゲーション装置115の内部メモリ126に書き込む。なお、撮影時刻が最後に接続された時刻以降となる画像データが無い場合には、マイコンピュータ116は、デジタルカメラ90の内部メモリ108に書き込まれた時刻を消去して、新たに接続された時刻を書き込む。
【0067】
撮影時刻が最後に接続された時刻以降となる画像データがある場合には、情報生成部123が作動し、内部メモリ126に書き込まれた画像データの撮影時刻情報と、テーブルデータ131とを参照して、撮影された位置を示す撮影位置情報を生成する。この撮影位置情報はデータ処理部124に送られ、データ処理部124において、撮影位置情報が画像データにタグとして付加される。この処理が、カーナビゲーション装置115の内部メモリ126に書き込まれた全ての画像データに対して行われる。そして、マイコンピュータ116は、デジタルカメラ90の内部メモリ108に書き込まれた時刻情報を書き換える。これにより、撮影時に撮影位置情報を取得する必要が無くなるので、撮影時の手間を省くことができる。また、デジタルカメラ自体に、GPS機能を搭載する必要が無くなるので、デジタルカメラの製造コスト、或いは価格を上げる必要がない。
【0068】
第2実施形態の場合、撮影位置情報を経度、緯度の他に、地名や、ランドマークの名称とすることも可能である。以下では、第2実施形態と同様の機能を有する箇所については、同一の符号を付して説明する。上述したように、カーナビゲーション装置115は、ディスクドライブ125にセットされた記憶媒体から現在の現在位置付近の地図情報を読み出して、LCD132上に地図画像を表示するように構成されており、また、ディスクドライブ125にセットされる記憶媒体には、地名となるテキストデータが記憶されているので、カーナビゲーション装置115の内部メモリ126に書き込まれる位置データに記憶媒体に記憶されたテキストデータから得られる地名或いはランドマークの名称を時刻とともに関連付けて位置データを作成する。そして、内部メモリ126にテーブルデータとして記憶する。これによれば、撮影位置情報が、ランドマークの名称や地名となるので
撮影後にファイルをPC等で読み込んだときにわかりやすいので、画像データの分別を容易に行うことができる。
【0069】
さらに、撮影位置情報を、地名やランドマークの名称とする場合には、デジタルカメラに差し込まれたメモリーカード内の画像データを整理することができる。この場合、図10(a)に示すように、デジタルカメラを使用して撮影を行った場合には、メモリーカードには、ルートディレクトリの中に、デジタルカメラ名となるフォルダが作成され、そのフォルダ内に、撮影時に得られた画像データが書き込まれている。
【0070】
図11に示すように、まず、画像データに撮影時刻情報を付加した後に、付加された撮影時刻情報に基づいて、撮影された日時と、特定された位置情報に基づいたランドマークの名称とを関連付けた位置データからなる管理用データを作成する(図12参照)。これらを全ての画像データに対して行う。
【0071】
図12に示すように、マイクロコンピュータ116は、管理用データを参照して、メモリーカード111に作成したルートディレクトリ内に、例えばフォルダ名「2005/05/01 遊園地○○○○」や、フォルダ名「2005/05/01 レストラン○○○○」等のフォルダを作成する。例えば、「002.jpg」や「003.jpg」は、ランドマークの名称が、「遊園地○○○○」であるから、これら画像データは、フォルダ名「2005/05/01 遊園地○○○○」のフォルダ内に移動される。同様にして他の画像データに対しても行われる。これにより、図10(b)に示すように、デジタルカメラに差し込まれたメモリーカード111の内部に書き込まれた画像データが、同一の撮影日、且つ同一の撮影場所のフォルダ毎に分類された状態となる。これにより、多くの撮影を行った場合に、それぞれの撮影場所における画像データを分類する手間を省くことができる。なお、この場合、画像データ自体をフォルダ毎に分類する必要はなく、例えば作成された位置データをまとめたテーブルデータを作成しておき、メモリーカードに書き込んでおくことも可能である。この場合、撮影後に、PC等でテーブルデータを読み出せるようにしておけば、テーブルデータと、画像データとを参照しながら、容易に分類することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】位置情報記録システムの構成を示す斜視図である。
【図2】デジタルカメラの前面の外観を示す斜視図である。
【図3】デジタルカメラの後面の外観を示す斜視図である。
【図4】第1実施形態のデジタルカメラと、カーナビゲーション装置とのそれぞれの電気的構成を示す機能ブロック図である。
【図5】位置情報を記録する流れを示すフローチャートである。
【図6】テーブルデータの内容を示す説明図である。
【図7】移動中に撮影が行われたときに得られた画像データに対する撮影位置を特定する場合を示す説明図である。
【図8】第2実施形態のデジタルカメラと、カーナビゲーション装置とのそれぞれの電気的構成を示す機能ブロック図である。
【図9】位置情報を記録する流れを示すフローチャートである。
【図10】撮影位置情報が付加されていない場合のメモリーカードに記録されている画像データの構成(a)と、撮影位置情報が付加された場合のメモリカードに記録されている画像データの構成(b)との一例をそれぞれ示す説明図である。
【図11】撮影位置情報が付加された画像データを整理する際の流れを示すフローチャートである。
【図12】管理用データの一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0073】
10 位置情報記録システム
11 デジタルカメラ
12 カーナビゲーション装置
45、70、91、116 マイクロコンピュータ
37、111 メモリーカード
46、72、92、118 時計回路
60、106 画像信号処理部
61、77、108、126 内部メモリ
65、123 情報生成部
75、122 データ作成部
79、131 テーブルデータ
124 データ処理部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影した際に得られる画像データに対して、撮影時の時刻を示す撮影時刻情報を付加するデータ付加手段と、このデータ付加手段によって撮影時刻情報が付加された画像データを記憶する画像データ記憶手段を備えた撮像装置であって、
前記撮像装置は、現在位置を示す現在位置情報を取得して、該現在位置情報と地図情報とから目的地までの経路誘導を行うナビゲーション装置と接続可能であり、
前記ナビゲーション装置と接続されたときに、このナビゲーション装置に記憶された前記現在位置情報と時刻情報とが関連付けられた位置データを記憶するデータ記憶手段と、前記画像データに付加された撮影時刻情報と前記位置データとから生成された、撮影時の位置を示す撮影位置情報を前記画像データに付加するデータ付加手段と、撮影位置情報が付加された画像データを前記画像データ記憶手段に書き込むデータ書き込み手段とを備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
現在位置を示す現在位置情報を取得して、該現在位置情報と地図情報とから目的地までの経路誘導を行うナビゲーション装置であって、
前記ナビゲーション装置は、撮影することによって得られた画像データに対して、撮影時の時刻を示す撮影時刻情報を付加するデータ付加手段と、前記撮影時刻情報が付加された画像データを記憶する画像データ記憶手段とを備えた撮像装置と接続可能であり、
取得された現在位置情報と時刻情報とが関連付けられた位置データを所定時間毎に作成する位置データ作成手段と、この位置データ作成手段によって作成された位置データを記憶する位置データ記憶手段と、前記撮像装置と接続されたときに、前記画像データ記憶手段に記憶された画像データを読み出すデータ読み出し手段と、読み出された画像データに付加された撮影時刻情報と前記位置データの時刻情報とから撮影時の位置を特定し、特定された撮影時の位置を示す撮影位置情報を画像データに付加するデータ付加手段と、このデータ付加手段によって撮影位置情報が付加された画像データを、前記撮像装置の画像データ記憶手段に書き込む書き込み手段とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
車両の現在位置情報と時刻情報とが関連付けられた位置データを所定時間毎に作成する位置データ作成手段と、このデータ作成手段によって作成された位置データを記憶する位置データ記憶手段とを備えたナビゲーション装置と、
撮影時の時刻を示す撮影時刻情報が付加された画像データを記憶する画像データ記憶手段と、前記ナビゲーション装置と接続されたときに、前記画像データに付加された撮影時刻情報と前記位置データとから撮影時の位置を特定し、特定された撮影時の位置を示す撮影位置情報を前記画像データに付加するデータ付加手段と、このデータ付加手段によって撮影位置情報が付加された画像データを前記画像データ記憶手段に書き込むデータ書き込み手段とを備えた撮像装置と、からなることを特徴とする位置情報記憶システム。
【請求項4】
撮影することによって得られた画像データに対して、撮影された時刻を示す撮影時刻情報を付加するデータ付加手段と、撮影時刻情報が付加された画像データを記憶する画像データ記憶手段とを備えた撮像装置と、
車両の現在位置情報と時刻情報とが関連付けられた位置データを所定時間毎に作成する位置データ作成手段と、この位置データ作成手段によって作成された位置データを記憶する位置データ記憶手段と、前記撮像装置と接続されたときに、前記画像データ記憶手段に記憶された画像データを読み出すデータ読み出し手段と、読み出された画像データに付加された時刻情報と前記位置データとから撮影時の位置を特定し、特定された撮影時の位置を示す撮影位置情報を画像データに付加するデータ付加手段と、このデータ付加手段によって撮影位置情報が付加された画像データを、前記撮像装置の画像データ記憶手段に書き込む書き込み手段とを備えたナビゲーション装置と、からなることを特徴とする位置情報記憶システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−89075(P2007−89075A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−278555(P2005−278555)
【出願日】平成17年9月26日(2005.9.26)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】