撮影情報表示装置、撮影情報表示方法及び撮影情報表示プログラム
【課題】撮影情報の撮影情報表示要求時に、速度が表示条件に合致していない場合でも、利用者が再入力することなく撮影情報の表示を行うことができる撮影情報表示装置を提供する。
【解決手段】撮影情報表示装置では、表示要求受付手段が、利用者の入力操作等に応じて撮影情報表示要求を受け付け、撮影情報表示制御手段が、撮影情報表示要求受付時の移動体の速度と、予め定められている閾値の速度とを比較した結果、撮影情報表示要求受付時の移動体の速度が閾値の速度を上回る場合、予約モードを設定する。そして、撮影情報表示制御手段は、予約モード中に移動体の速度が閾値以下になった時点で、撮影情報を表示する。
【解決手段】撮影情報表示装置では、表示要求受付手段が、利用者の入力操作等に応じて撮影情報表示要求を受け付け、撮影情報表示制御手段が、撮影情報表示要求受付時の移動体の速度と、予め定められている閾値の速度とを比較した結果、撮影情報表示要求受付時の移動体の速度が閾値の速度を上回る場合、予約モードを設定する。そして、撮影情報表示制御手段は、予約モード中に移動体の速度が閾値以下になった時点で、撮影情報を表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、移動体の外部の撮影情報を表示する技術に関する。
【背景技術】
【０００２】
車両の外部を撮影するカメラを搭載したナビゲーション装置では、利用者の入力操作等に応じて撮影情報表示要求を受け付けると、撮影情報表示要求を受け付けた時点の車両速度が所定の閾値以下でない場合、撮影情報を表示しない。
【０００３】
従って、利用者が撮影情報表示要求を行った時点で、車両の速度が閾値以下になっていない場合に、利用者が再度撮影情報表示要求を行う必要があるため、利用者にとって操作が煩雑である。
【０００４】
ところで、利用者が撮影情報表示要求を行った地点を保持しておき、再度上記地点を通過する際に、車両の速度が閾値以下になっている場合に自動的に車両の外部撮影情報を表示するブラインドモニタがある（例えば、特許文献１参照）。
【０００５】
上記の画面制御装置では、運転者が表示画面に視線を向けるだけで自動的に動画からナビゲーション情報に切り換えるので、運転手がリモートコントローラ等の操作を行う必要がないという利点がある。
【０００６】
【特許文献１】特開平１０−２７４５３４号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
上述のブラインドモニタは、撮影情報表示要求を行った地点の情報を保持しているので、同一の地点を通過する際に、撮影情報表示要求を再度行う必要がないという意味では、操作の煩雑性を解消しているが、保存している地点通過時に速度が閾値を上回る場合は、表示条件に合致しないため、速度が閾値以下になった状態で再度撮影情報表示要求を行う必要があり、利用者にとって操作が煩雑であるという問題点があった。
【０００８】
本発明が解決しようとする課題としては、上記のものが例として挙げられる。本発明の目的は、撮影情報の撮影情報表示要求時に、速度が表示条件に合致していない場合でも、利用者が再入力することなく撮影情報の表示を行うことができる撮影情報表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
請求項１に記載の発明は、移動体外部の撮影情報を表示する撮影情報表示装置であって、撮影情報表示要求を受け付ける表示要求受付手段と、前記撮影情報を取得する撮影情報取得手段と、前記移動体の速度を取得する速度取得手段と、前記撮影情報表示要求受付時の速度が閾値を上回る場合、予約モード設定処理を行い、予約モード時に速度が閾値以下になった時点で撮影情報を表示する撮影情報表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
【００１０】
請求項６に記載の発明は、移動体外部の撮影情報を表示する撮影情報表示方法であって、撮影情報表示要求を受け付ける表示要求受付工程と、前記撮影情報を取得する撮影情報取得工程と、前記移動体の速度を取得する速度取得工程と、前記撮影情報表示要求受付時の速度が閾値を上回る場合、予約モード設定処理を行い、予約モード時に速度が閾値以下になった時点で撮影情報を表示する撮影情報表示制御工程と、を備えることを特徴とする。
【００１１】
請求項７に記載の発明は、コンピュータを備える、移動体外部の撮影情報を表示する撮影情報表示装置によって実行される撮影情報表示プログラムであって、撮影情報表示要求を受け付ける表示要求受付手段、前記撮影情報を取得する撮影情報取得手段、前記移動体の速度を取得する速度取得手段、前記撮影情報表示要求受付時の速度が閾値を上回る場合、予約モード設定処理を行い、予約モード時に速度が閾値以下になった時点で撮影情報を表示する撮影情報表示制御手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１２】
本発明の好適な実施形態では、移動体外部の撮影情報を表示する撮影情報表示装置であって、撮影情報表示要求を受け付ける表示要求受付手段と、前記撮影情報を取得する撮影情報取得手段と、前記移動体の速度を取得する速度取得手段と、前記撮影情報表示要求受付時の速度が閾値を上回る場合、予約モード設定処理を行い、予約モード時に速度が閾値以下になった時点で撮影情報を表示する撮影情報表示制御手段と、を備える。
【００１３】
上記の撮影情報表示装置は、具体的には、ナビゲーション装置等に適用できる。そして、撮影情報表示装置では、表示要求受付手段が、利用者の入力操作等に応じて撮影情報表示要求を受け付け、撮影情報表示制御手段が、撮影情報表示要求受付時の移動体の速度と、予め定められている閾値の速度とを比較した結果、撮影情報表示要求受付時の移動体の速度が閾値の速度を上回る場合、予約モードを設定する。ここで予約モードとは、撮影情報の表示を保留することをいう。そして、撮影情報表示制御手段は、予約モード中に移動体の速度が閾値以下になった時点で、撮影情報を表示する。
【００１４】
このように、撮影情報表示装置は、撮影情報の表示要求受信時の車両速度が閾値を上回っても、一時的に撮影情報表示を保留し、車両速度が閾値以下になるまで待っているので、予約モード設定後に車両速度が閾値以下となれば、再度利用者による撮影情報表示要求がなくても自動的に撮影情報を表示することができる。
【００１５】
上記の撮影情報表示装置の一態様では、前記撮影情報表示制御手段は、予約モード設定後の速度が上昇傾向である場合に、予約モードを解除する。ここでいう上昇傾向とは、予約モード設定後の過去の速度に比して、予約モード設定後の最新の速度が上昇することをいう。これによれば、撮影情報表示装置は、長期間予約モードを継続することによって、車両の速度と閾値とを比較する処理を長期間行ってしまい、撮影情報表示装置自体に処理負荷をかけてしまうことを回避することができる。
【００１６】
上記の撮影情報表示装置の他の一態様では、前記撮影情報表示制御手段は、予約モード設定時から所定期間経過後に予約モードを解除する。これによれば、撮影情報表示装置は、長期間予約モードを継続することによって、車両の速度と閾値とを比較する処理を長期間行ってしまい、撮影情報表示装置自体に処理負荷をかけてしまうことを回避することができる。
【００１７】
上記の撮影情報表示装置の他の一態様では、地図情報を保持する地図情報保持手段と、前記移動体の位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記予約モード設定後の速度が閾値以下になった位置を登録する登録手段と、をさらに備える。この場合、撮影情報表示装置は、保持している情報を用いて、上記撮影情報表示開始位置を車両が再度通過した際に、自動で撮影情報を表示することができる。よって、車両の利用者は、再度撮影情報要求を行うことなく、撮影情報を利用することができる。
【００１８】
上記の撮影情報表示装置の他の一態様では、前記地図情報と共に、予約モード設定位置を示す予約モードアイコンを表示する予約モード設定通知手段をさらに備えることを特徴とする。この場合、撮影情報表示装置は、予約モードアイコンを付した地図情報を表示することにより、利用者に対して予約モードであることを明示的に通知することができる。
【００１９】
本発明の他の観点では、移動体外部の撮影情報を表示する撮影情報表示方法であって、撮影情報表示要求を受け付ける表示要求受付工程と、前記撮影情報を取得する撮影情報取得工程と、前記移動体の速度を取得する速度取得工程と、前記撮影情報表示要求受付時の速度が閾値を上回る場合、予約モード設定処理を行い、予約モード時に速度が閾値以下になった時点で撮影情報を表示する撮影情報表示制御工程と、を備える。
【００２０】
このような撮影情報表示方法によっても、撮影情報の表示要求受信時の車両速度が閾値を上回っても、一時的に撮影情報表示を保留し、車両速度が閾値以下になるまで待っているので、予約モード設定後に車両速度が閾値以下となれば、再度利用者による撮影情報表示要求がなくても自動的に撮影情報を表示することができる。
【００２１】
本発明の他の観点では、コンピュータを備える、移動体外部の撮影情報を表示する撮影情報表示装置によって実行される撮影情報表示プログラムであって、撮影情報表示要求を受け付ける表示要求受付手段、前記撮影情報を取得する撮影情報取得手段、前記移動体の速度を取得する速度取得手段、前記撮影情報表示要求受付時の速度が閾値を上回る場合、予約モード設定処理を行い、予約モード時に速度が閾値以下になった時点で撮影情報を表示する撮影情報表示制御手段、として前記コンピュータを機能させる。このような撮影情報表示プログラムを、各種装置上で実行することにより、本発明の撮影情報表示装置を実現することができる。なお、上記撮影情報表示プログラムは記録媒体に記録した状態で好適に取り扱うことができる。
【実施例】
【００２２】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
【００２３】
［ナビゲーション装置］
本実施例における、撮影情報表示装置は、実体的には、車両等の移動体のナビゲーション装置に搭載される。ここで、図１を用いて本発明の実施例に係るナビゲーション装置２００の構成を示す。図１に示すように、ナビゲーション装置２００は、自立測位装置１０、ＧＰＳ受信機１８、システムコントローラ２０、ディスクドライブ３１、データ記憶ユニット３６、通信用インタフェース３７、通信装置３８、表示ユニット４０、音声出力ユニット５０、入力装置６０、及び撮影装置７０を備える。
【００２４】
自立測位装置１０は、加速度センサ１１、角速度センサ１２及び距離センサ１３を備える。加速度センサ１１は、例えば圧電素子からなり、車両の加速度を検出し、加速度データを出力する。角速度センサ１２は、例えば振動ジャイロからなり、車両の方向変換時における車両の角速度を検出し、角速度データ及び相対方位データを出力する。距離センサ１３は、車両の車輪の回転に伴って発生されているパルス信号からなる車速パルスを計測する。
【００２５】
ＧＰＳ受信機１８は、複数のＧＰＳ衛星から、測位用データを含む下り回線データを搬送する電波１９を受信する。測位用データは、緯度及び経度情報等から車両の絶対的な位置を検出するために用いられる。
【００２６】
システムコントローラ２０は、インタフェース２１、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）２２、ＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）２３及びＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）２４を含んでおり、ナビゲーション装置２００全体の制御を行う。
【００２７】
インタフェース２１は、加速度センサ１１、角速度センサ１２及び距離センサ１３並びにＧＰＳ受信機１８とのインタフェース動作を行う。そして、これらから、車速パルス、加速度データ、相対方位データ、角速度データ、ＧＰＳ測位データ、絶対方位データ等をシステムコントローラ２０に入力する。ＣＰＵ２２は、システムコントローラ２０全体を制御する。ＲＯＭ２３は、システムコントローラ２０を制御する制御プログラム等が格納された図示しない不揮発性メモリ等を有する。ＲＡＭ２４は、入力装置６０を介して利用者により予め設定された経路データ等の各種データを読み出し可能に格納したり、ＣＰＵ２２に対してワーキングエリアを提供したりする。
【００２８】
システムコントローラ２０、ＣＤ−ＲＯＭドライブ又はＤＶＤ−ＲＯＭドライブなどのディスクドライブ３１、データ記憶ユニット３６、通信用インタフェース３７、表示ユニット４０、音声出力ユニット５０及び入力装置６０は、バスライン３０を介して相互に接続されている。
【００２９】
ディスクドライブ３１は、システムコントローラ２０の制御の下、ＣＤ又はＤＶＤといったディスク３３から、音楽データ、映像データなどのコンテンツデータを読み出し、出力する。なお、ディスクドライブ３１は、ＣＤ−ＲＯＭドライブ又はＤＶＤ−ＲＯＭドライブのうち、いずれか一方としても良いし、ＣＤ及びＤＶＤコンパチブルのドライブとしても良く、また、テレビチューナを内蔵したハードディスクレコーダでも良い。
【００３０】
データ記憶ユニット３６は、例えば、ＨＤＤなどにより構成され、地図データや施設データなどのナビゲーション処理に用いられる各種データを記憶する。
【００３１】
通信装置３８は、例えば、ＦＭチューナやビーコンレシーバ、携帯電話や専用の通信カードなどにより構成され、通信用インタフェース３７を介して、ＶＩＣＳ（Ｖｅｈｉｃｌｅ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ Ｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎ Ｓｙｓｔｅｍ）センタから配信される渋滞や交通情報などの道路交通情報を受信したり、所定のサーバからの種々の情報（例えば、天気情報等）を受信したりする。
【００３２】
表示ユニット４０は、システムコントローラ２０の制御の下、各種表示データをディスプレイなどの表示装置に表示する。具体的には、システムコントローラ２０は、データ記憶ユニット３６から地図データを読み出す。表示ユニット４０は、システムコントローラ２０によってデータ記憶ユニット３６から読み出された地図データを、ディスプレイなどの表示画面上に表示する。表示ユニット４０は、バスライン３０を介してＣＰＵ２２から送られる制御データに基づいて表示ユニット４０全体の制御を行うグラフィックコントローラ４１と、ＶＲＡＭ（Ｖｉｄｅｏ ＲＡＭ）等のメモリからなり即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するバッファメモリ４２と、グラフィックコントローラ４１から出力される画像データに基づいて、液晶、ＣＲＴ（Ｃａｔｈｏｄｅ Ｒａｙ Ｔｕｂｅ）等のディスプレイ４４を表示制御する表示制御部４３と、ディスプレイ４４とを備える。ディスプレイ４４は、例えば対角５〜１０インチ程度の液晶表示装置等からなり、車内のフロントパネル付近に装着される。
【００３３】
音声出力ユニット５０は、システムコントローラ２０の制御の下、ディスクドライブ３１、又はＲＡＭ２４等からバスライン３０を介して送られる音声デジタルデータのＤ／Ａ（Ｄｉｇｉｔａｌ ｔｏ Ａｎａｌｏｇ）変換を行うＤ／Ａコンバータ５１と、Ｄ／Ａコンバータ５１から出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器（ＡＭＰ）５２と、増幅された音声アナログ信号を音声に変換して車内に出力するスピーカ５３とを備えて構成されている。
【００３４】
入力装置６０は、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、リモコン、音声入力装置等から構成されている。入力装置６０は、車内に搭載された当該車載用電子システムの本体のフロントパネルやディスプレイ４４の周囲に配置される。また、ディスプレイ４４がタッチパネル方式である場合には、ディスプレイ４４の表示画面上に設けられたタッチパネルも入力装置６０として機能する。
【００３５】
撮影装置７０は、車両周辺に取り付けられ、システムコントローラ２０の制御に応じて車両外部の撮影情報（動画情報又は静止画情報）を生成する。
【００３６】
［撮影情報表示装置］
図２に撮影情報表示装置３００の機能構成を示す。撮影情報表示装置３００は、実体的には、ナビゲーション装置２００の構成要素により構成される。撮影情報表示装置３００は、図示のように、自立測位装置１０と、ＧＰＳ受信機１８と、システムコントローラ２０と、データ記憶ユニット３６と、表示装置４０と、入力装置６０と、撮影装置７０とを備える。データ記憶ユニット３６は、地図情報ＤＢ１２０等、各種情報を記憶する。システムコントローラ２０は、表示要求受付部１０１と、撮影情報取得部１０２と、速度取得部１０３と、位置情報取得部１０４と、撮影情報表示制御部１０５と、予約モード設定通知部１０６と、登録部１０７とを備える。地図情報ＤＢ１２０は、地図情報を保持するデータベースである。
【００３７】
表示要求受付部１０１は、利用者による入力装置６０の操作を介して撮影情報表示要求を受け付ける。撮影情報取得部１０２は、撮影装置７０から車両外部の撮影情報を取得する。速度取得部１０３は、所定間隔で定期的に車両の速度を取得する。具体的には、速度取得部１０３は、ＧＰＳ受信機１８から取得した情報に基づいて車両速度としてＧＰＳ速度を取得する。
【００３８】
位置情報取得部１０４は、所定間隔で定期的にＧＰＳ受信機１８を介して位置情報（例えば、緯度経度情報）を取得する。
【００３９】
撮影情報表示制御部１０５は、撮影情報表示要求を受け付けた後、撮影情報の表示制御を行う。例えば、撮影情報表示制御部１０５は、撮影情報表示要求を受け付けた時点で、車両の速度が所定の閾値（例えば、１０ｋｍ／ｈ）以下の場合には、撮影情報を表示し、車両の速度が所定の閾値を上回っている場合には、予約モードを設定し、車両の速度が所定の閾値以下になるまで待って、撮影情報を表示する。
【００４０】
予約モード設定通知部１０６は、予約モードを設定した旨を通知する。具体的には、予約モード設定通知部１０６は、予約モード設定位置に、予約アイコンを付した情報を表示装置４０へ表示する。
【００４１】
登録部１０７は、撮影情報表示制御部１０５が撮影情報を表示した地点の位置情報を記憶ユニット３６へ登録する。
【００４２】
［撮影情報表示方法］
次に、本実施例による撮影情報表示方法について説明する。本実施例における撮影情報表示方法とは、撮影情報表示要求を受け付けた際に、撮影情報表示要求受付時の速度と、予め定められている速度である閾値とを比較し、撮影情報表示条件に合致していない場合は、予約モードに設定し、予約モードを設定している間に撮影情報表示条件に合致した時点で撮影情報を表示することをいう。
【００４３】
まず、表示要求受付部１０１は、利用者による入力装置６０の操作に基づき撮影情報表示要求を受け付ける。そして、撮影情報表示制御部１０５は、表示要求受付部１０１が撮影情報表示要求を受け付けた時点の車両速度と、予め設定されている閾値とを比較し、撮影情報表示要求を受け付けた時点の車両速度が予め設定されている閾値を上回っている場合、撮影情報表示制御部１０５は、予約モードを設定する。ここでいう予約モードとは、車両速度が閾値速度以下になるまで撮影情報の表示を保留する状態をいう。予約モードに設定する方法として、予約モード用のフラグ情報を変更する等の方法がある。
【００４４】
そして、予約モード設定通知部１０６は、撮影情報表示制御部１０５が予約モードを設定すると、撮影情報表示要求を受け付けた地点に予約モードアイコンを付した地図情報を表示装置４０へ表示する。図３に予約モードアイコン１８０を付した地図情報の例を示す。このように、撮影情報表示装置３００は、予約モードアイコン１８０を付した地図情報を表示することにより、利用者に対して予約モードであることを明示的に通知することができる。
【００４５】
そして、撮影情報表示制御部１０５は、予約モード設定後における車両の速度が、上昇傾向にある場合、予約モードを解除する。ここで、上昇傾向とは、予約モード設定後の過去の速度に比して、予約モード設定後の最新の速度が上昇することをいう。図４（Ａ）に上昇傾向となる場合の例を示す。
【００４６】
撮影情報表示装置３００は、上記のように車両の速度が上昇傾向の場合、車両の速度が閾値以下となる可能性が低いと判断し、予約モードを解除している。これにより、撮影情報表示装置３００は、長期間予約モードを継続することによって、車両の速度と閾値とを比較する処理を長期間行ってしまい、撮影情報表示装置３００自体に処理負荷をかけてしまうことを回避することができる。
【００４７】
また、撮影情報表示制御部１０５は、図４（Ｂ）に示すように、予約モード設定後から所定期間（本実施例では、８秒）経過した時点で、車両の速度が閾値の速度以下にならなかった場合、予約モードを解除する。
【００４８】
撮影情報表示装置３００は、上記のように予約モード設定後から所定期間経過しても、車両の速度が閾値以下にならない場合、車両の速度が閾値以下となる可能性が低いと判断し、予約モードを解除している。これにより、撮影情報表示装置３００は、長期間予約モードを継続することによって、車両の速度と閾値とを比較する処理を長期間行ってしまい、撮影情報表示装置３００自体に処理負荷をかけてしまうことを回避することができる。
【００４９】
そして、撮影情報表示制御部１０５は、図４（Ｃ）に示すように、上記の予約モード解除の条件に合致することなく、車両の速度が閾値以下となった場合、撮影装置７０から取得した撮影情報を表示装置４０へ表示する。そして、登録部１０７は、撮影情報の表示を開始した地点の位置情報を記憶ユニット３６へ登録する。
【００５０】
上述のように、撮影情報表示装置３００では、撮影情報表示要求を受信した時点の車両速度が閾値を上回っている状況でも予約モードを設定し、予約モード設定中に車両速度が閾値以下となるまで撮影情報の表示を保留する。
【００５１】
よって、撮影情報表示装置３００は、撮影情報の表示要求受信時の車両速度が閾値を上回っても、予約モード設定後に車両速度が閾値以下となれば、再度利用者による撮影情報表示要求がなくても自動的に撮影情報を表示することができる。
【００５２】
また、撮影情報表示装置３００は、撮影情報の表示を開始した位置情報を保持している。この場合、撮影情報表示装置３００は、保持している情報を用いて、上記撮影情報表示開始位置を車両が再度通過した際に、自動で撮影情報を表示することができる。よって、車両の利用者は、再度撮影情報要求を行うことなく、撮影情報を利用することができる。
【００５３】
［撮影情報表示処理］
以下に、撮影情報表示処理の手順について図５に示すフローチャートを用いて説明する。この処理は、撮影情報表示装置３００のシステムコントローラ２０が、予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
【００５４】
まず、表示要求受付部１０１は、利用者の入力操作を介して撮影情報表示要求を受け付ける（ステップＳ１）。撮影情報表示制御部１０５は、速度取得部１０３が取得した表示要求受付時の速度と閾値とを比較し、表示要求受付時の速度が上記閾値を上回る場合（ステップＳ２；Ｙｅｓ）、撮影情報表示制御部１０５は、予約モードを設定する（ステップＳ３）。
【００５５】
そして、予約モード設定通知部１０６は、撮影情報表示要求を受け付けた位置周辺の地図情報に、撮影情報表示要求の受付地点へ予約アイコンを付した情報を表示装置４０へ表示する（ステップＳ４）。
【００５６】
そして、予約モード設定後の速度が閾値を上回っている場合において（ステップＳ５；Ｙｅｓ）、予約モード設定後の速度が上昇傾向である場合（ステップＳ６；Ｎｏ）、又は予約モード後８秒経過している場合（ステップＳ７；Ｎｏ）、撮影情報表示制御部１０５は、予約モードを解除して（ステップＳ８）、撮影情報表示処理を終了する。
【００５７】
また、予約モード設定後の速度が閾値を上回っている場合において（ステップＳ５；Ｙｅｓ）、予約モード設定後の速度が上昇傾向ではなく（ステップＳ６；Ｙｅｓ）、又は予約モード後８秒経過していない場合（ステップＳ７；Ｙｅｓ）、ステップＳ５へ移動する。
【００５８】
そして、予約モード設定後の速度が閾値以下となった場合において（ステップＳ５；Ｎｏ）、撮影情報表示制御部１０５は、撮影装置７０から取得した撮影情報を表示装置４０へ表示し（ステップＳ９）、登録部１０７が撮影情報の表示を開始した地点の位置情報を記憶ユニット３６へ登録し（ステップＳ１０）、撮影情報表示処理を終了する。
【００５９】
以上述べたように、移動体外部の撮影情報を表示する撮影情報表示装置３００であって、撮影情報表示要求を受け付ける表示要求受付手段と、撮影情報を取得する撮影情報取得手段と、移動体の速度を取得する速度取得手段と、撮影情報表示要求受付時の速度が閾値を上回る場合、予約モード設定処理を行い、予約モード時に速度が閾値以下になった時点で撮影情報を表示する撮影情報表示制御手段と、を備える。
【００６０】
このように、撮影情報表示装置３００は、撮影情報の表示要求受信時の車両速度が閾値を上回っても、予約モード設定後に車両速度が閾値以下となれば、再度利用者による撮影情報表示要求がなくても自動的に撮影情報を表示することができる。
【００６１】
［他の実施例］
速度取得部１０３は、ＧＰＳ受信機１８を介して緯度経度情報を取得する場合について述べたが、本発明は、これに限られず、自立測位装置１０から取得した情報等、種々の方法で取得した情報を速度情報として取得するようにしても良い。
【００６２】
予約モード設定通知部１０６は、予約モードアイコン１８０を表示装置４０へ表示することにより、利用者に対して予約モードである旨を通知する場合について述べたが、本発明は、これに限られず、音声出力やメッセージ画面表示等、種々の方法で予約モード設定通知をするようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【００６３】
【図１】ナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。
【図２】撮影情報表示装置の機能構成図である。
【図３】予約モードアイコンの表示例を示す図である。
【図４】予約モード設定後の速度変化の例を示す図である。
【図５】撮影情報表示処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【００６４】
１８ ＧＰＳ受信機
２０ システムコントローラ
３６ データ記憶ユニット
４０ 表示装置
６０ 入力装置
１０１ 表示要求受付部
１０２ 撮影情報取得部
１０３ 速度取得部
１０４ 位置情報取得部
１０５ 撮影情報表示制御部
１０６ 予約モード設定通知部
１０７ 登録部
１２０ 地図情報ＤＢ
２００ ナビゲーション装置
３００ 撮影情報表示装置
【技術分野】
【０００１】
本発明は、移動体の外部の撮影情報を表示する技術に関する。
【背景技術】
【０００２】
車両の外部を撮影するカメラを搭載したナビゲーション装置では、利用者の入力操作等に応じて撮影情報表示要求を受け付けると、撮影情報表示要求を受け付けた時点の車両速度が所定の閾値以下でない場合、撮影情報を表示しない。
【０００３】
従って、利用者が撮影情報表示要求を行った時点で、車両の速度が閾値以下になっていない場合に、利用者が再度撮影情報表示要求を行う必要があるため、利用者にとって操作が煩雑である。
【０００４】
ところで、利用者が撮影情報表示要求を行った地点を保持しておき、再度上記地点を通過する際に、車両の速度が閾値以下になっている場合に自動的に車両の外部撮影情報を表示するブラインドモニタがある（例えば、特許文献１参照）。
【０００５】
上記の画面制御装置では、運転者が表示画面に視線を向けるだけで自動的に動画からナビゲーション情報に切り換えるので、運転手がリモートコントローラ等の操作を行う必要がないという利点がある。
【０００６】
【特許文献１】特開平１０−２７４５３４号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
上述のブラインドモニタは、撮影情報表示要求を行った地点の情報を保持しているので、同一の地点を通過する際に、撮影情報表示要求を再度行う必要がないという意味では、操作の煩雑性を解消しているが、保存している地点通過時に速度が閾値を上回る場合は、表示条件に合致しないため、速度が閾値以下になった状態で再度撮影情報表示要求を行う必要があり、利用者にとって操作が煩雑であるという問題点があった。
【０００８】
本発明が解決しようとする課題としては、上記のものが例として挙げられる。本発明の目的は、撮影情報の撮影情報表示要求時に、速度が表示条件に合致していない場合でも、利用者が再入力することなく撮影情報の表示を行うことができる撮影情報表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
請求項１に記載の発明は、移動体外部の撮影情報を表示する撮影情報表示装置であって、撮影情報表示要求を受け付ける表示要求受付手段と、前記撮影情報を取得する撮影情報取得手段と、前記移動体の速度を取得する速度取得手段と、前記撮影情報表示要求受付時の速度が閾値を上回る場合、予約モード設定処理を行い、予約モード時に速度が閾値以下になった時点で撮影情報を表示する撮影情報表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
【００１０】
請求項６に記載の発明は、移動体外部の撮影情報を表示する撮影情報表示方法であって、撮影情報表示要求を受け付ける表示要求受付工程と、前記撮影情報を取得する撮影情報取得工程と、前記移動体の速度を取得する速度取得工程と、前記撮影情報表示要求受付時の速度が閾値を上回る場合、予約モード設定処理を行い、予約モード時に速度が閾値以下になった時点で撮影情報を表示する撮影情報表示制御工程と、を備えることを特徴とする。
【００１１】
請求項７に記載の発明は、コンピュータを備える、移動体外部の撮影情報を表示する撮影情報表示装置によって実行される撮影情報表示プログラムであって、撮影情報表示要求を受け付ける表示要求受付手段、前記撮影情報を取得する撮影情報取得手段、前記移動体の速度を取得する速度取得手段、前記撮影情報表示要求受付時の速度が閾値を上回る場合、予約モード設定処理を行い、予約モード時に速度が閾値以下になった時点で撮影情報を表示する撮影情報表示制御手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１２】
本発明の好適な実施形態では、移動体外部の撮影情報を表示する撮影情報表示装置であって、撮影情報表示要求を受け付ける表示要求受付手段と、前記撮影情報を取得する撮影情報取得手段と、前記移動体の速度を取得する速度取得手段と、前記撮影情報表示要求受付時の速度が閾値を上回る場合、予約モード設定処理を行い、予約モード時に速度が閾値以下になった時点で撮影情報を表示する撮影情報表示制御手段と、を備える。
【００１３】
上記の撮影情報表示装置は、具体的には、ナビゲーション装置等に適用できる。そして、撮影情報表示装置では、表示要求受付手段が、利用者の入力操作等に応じて撮影情報表示要求を受け付け、撮影情報表示制御手段が、撮影情報表示要求受付時の移動体の速度と、予め定められている閾値の速度とを比較した結果、撮影情報表示要求受付時の移動体の速度が閾値の速度を上回る場合、予約モードを設定する。ここで予約モードとは、撮影情報の表示を保留することをいう。そして、撮影情報表示制御手段は、予約モード中に移動体の速度が閾値以下になった時点で、撮影情報を表示する。
【００１４】
このように、撮影情報表示装置は、撮影情報の表示要求受信時の車両速度が閾値を上回っても、一時的に撮影情報表示を保留し、車両速度が閾値以下になるまで待っているので、予約モード設定後に車両速度が閾値以下となれば、再度利用者による撮影情報表示要求がなくても自動的に撮影情報を表示することができる。
【００１５】
上記の撮影情報表示装置の一態様では、前記撮影情報表示制御手段は、予約モード設定後の速度が上昇傾向である場合に、予約モードを解除する。ここでいう上昇傾向とは、予約モード設定後の過去の速度に比して、予約モード設定後の最新の速度が上昇することをいう。これによれば、撮影情報表示装置は、長期間予約モードを継続することによって、車両の速度と閾値とを比較する処理を長期間行ってしまい、撮影情報表示装置自体に処理負荷をかけてしまうことを回避することができる。
【００１６】
上記の撮影情報表示装置の他の一態様では、前記撮影情報表示制御手段は、予約モード設定時から所定期間経過後に予約モードを解除する。これによれば、撮影情報表示装置は、長期間予約モードを継続することによって、車両の速度と閾値とを比較する処理を長期間行ってしまい、撮影情報表示装置自体に処理負荷をかけてしまうことを回避することができる。
【００１７】
上記の撮影情報表示装置の他の一態様では、地図情報を保持する地図情報保持手段と、前記移動体の位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記予約モード設定後の速度が閾値以下になった位置を登録する登録手段と、をさらに備える。この場合、撮影情報表示装置は、保持している情報を用いて、上記撮影情報表示開始位置を車両が再度通過した際に、自動で撮影情報を表示することができる。よって、車両の利用者は、再度撮影情報要求を行うことなく、撮影情報を利用することができる。
【００１８】
上記の撮影情報表示装置の他の一態様では、前記地図情報と共に、予約モード設定位置を示す予約モードアイコンを表示する予約モード設定通知手段をさらに備えることを特徴とする。この場合、撮影情報表示装置は、予約モードアイコンを付した地図情報を表示することにより、利用者に対して予約モードであることを明示的に通知することができる。
【００１９】
本発明の他の観点では、移動体外部の撮影情報を表示する撮影情報表示方法であって、撮影情報表示要求を受け付ける表示要求受付工程と、前記撮影情報を取得する撮影情報取得工程と、前記移動体の速度を取得する速度取得工程と、前記撮影情報表示要求受付時の速度が閾値を上回る場合、予約モード設定処理を行い、予約モード時に速度が閾値以下になった時点で撮影情報を表示する撮影情報表示制御工程と、を備える。
【００２０】
このような撮影情報表示方法によっても、撮影情報の表示要求受信時の車両速度が閾値を上回っても、一時的に撮影情報表示を保留し、車両速度が閾値以下になるまで待っているので、予約モード設定後に車両速度が閾値以下となれば、再度利用者による撮影情報表示要求がなくても自動的に撮影情報を表示することができる。
【００２１】
本発明の他の観点では、コンピュータを備える、移動体外部の撮影情報を表示する撮影情報表示装置によって実行される撮影情報表示プログラムであって、撮影情報表示要求を受け付ける表示要求受付手段、前記撮影情報を取得する撮影情報取得手段、前記移動体の速度を取得する速度取得手段、前記撮影情報表示要求受付時の速度が閾値を上回る場合、予約モード設定処理を行い、予約モード時に速度が閾値以下になった時点で撮影情報を表示する撮影情報表示制御手段、として前記コンピュータを機能させる。このような撮影情報表示プログラムを、各種装置上で実行することにより、本発明の撮影情報表示装置を実現することができる。なお、上記撮影情報表示プログラムは記録媒体に記録した状態で好適に取り扱うことができる。
【実施例】
【００２２】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
【００２３】
［ナビゲーション装置］
本実施例における、撮影情報表示装置は、実体的には、車両等の移動体のナビゲーション装置に搭載される。ここで、図１を用いて本発明の実施例に係るナビゲーション装置２００の構成を示す。図１に示すように、ナビゲーション装置２００は、自立測位装置１０、ＧＰＳ受信機１８、システムコントローラ２０、ディスクドライブ３１、データ記憶ユニット３６、通信用インタフェース３７、通信装置３８、表示ユニット４０、音声出力ユニット５０、入力装置６０、及び撮影装置７０を備える。
【００２４】
自立測位装置１０は、加速度センサ１１、角速度センサ１２及び距離センサ１３を備える。加速度センサ１１は、例えば圧電素子からなり、車両の加速度を検出し、加速度データを出力する。角速度センサ１２は、例えば振動ジャイロからなり、車両の方向変換時における車両の角速度を検出し、角速度データ及び相対方位データを出力する。距離センサ１３は、車両の車輪の回転に伴って発生されているパルス信号からなる車速パルスを計測する。
【００２５】
ＧＰＳ受信機１８は、複数のＧＰＳ衛星から、測位用データを含む下り回線データを搬送する電波１９を受信する。測位用データは、緯度及び経度情報等から車両の絶対的な位置を検出するために用いられる。
【００２６】
システムコントローラ２０は、インタフェース２１、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）２２、ＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）２３及びＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）２４を含んでおり、ナビゲーション装置２００全体の制御を行う。
【００２７】
インタフェース２１は、加速度センサ１１、角速度センサ１２及び距離センサ１３並びにＧＰＳ受信機１８とのインタフェース動作を行う。そして、これらから、車速パルス、加速度データ、相対方位データ、角速度データ、ＧＰＳ測位データ、絶対方位データ等をシステムコントローラ２０に入力する。ＣＰＵ２２は、システムコントローラ２０全体を制御する。ＲＯＭ２３は、システムコントローラ２０を制御する制御プログラム等が格納された図示しない不揮発性メモリ等を有する。ＲＡＭ２４は、入力装置６０を介して利用者により予め設定された経路データ等の各種データを読み出し可能に格納したり、ＣＰＵ２２に対してワーキングエリアを提供したりする。
【００２８】
システムコントローラ２０、ＣＤ−ＲＯＭドライブ又はＤＶＤ−ＲＯＭドライブなどのディスクドライブ３１、データ記憶ユニット３６、通信用インタフェース３７、表示ユニット４０、音声出力ユニット５０及び入力装置６０は、バスライン３０を介して相互に接続されている。
【００２９】
ディスクドライブ３１は、システムコントローラ２０の制御の下、ＣＤ又はＤＶＤといったディスク３３から、音楽データ、映像データなどのコンテンツデータを読み出し、出力する。なお、ディスクドライブ３１は、ＣＤ−ＲＯＭドライブ又はＤＶＤ−ＲＯＭドライブのうち、いずれか一方としても良いし、ＣＤ及びＤＶＤコンパチブルのドライブとしても良く、また、テレビチューナを内蔵したハードディスクレコーダでも良い。
【００３０】
データ記憶ユニット３６は、例えば、ＨＤＤなどにより構成され、地図データや施設データなどのナビゲーション処理に用いられる各種データを記憶する。
【００３１】
通信装置３８は、例えば、ＦＭチューナやビーコンレシーバ、携帯電話や専用の通信カードなどにより構成され、通信用インタフェース３７を介して、ＶＩＣＳ（Ｖｅｈｉｃｌｅ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ Ｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎ Ｓｙｓｔｅｍ）センタから配信される渋滞や交通情報などの道路交通情報を受信したり、所定のサーバからの種々の情報（例えば、天気情報等）を受信したりする。
【００３２】
表示ユニット４０は、システムコントローラ２０の制御の下、各種表示データをディスプレイなどの表示装置に表示する。具体的には、システムコントローラ２０は、データ記憶ユニット３６から地図データを読み出す。表示ユニット４０は、システムコントローラ２０によってデータ記憶ユニット３６から読み出された地図データを、ディスプレイなどの表示画面上に表示する。表示ユニット４０は、バスライン３０を介してＣＰＵ２２から送られる制御データに基づいて表示ユニット４０全体の制御を行うグラフィックコントローラ４１と、ＶＲＡＭ（Ｖｉｄｅｏ ＲＡＭ）等のメモリからなり即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するバッファメモリ４２と、グラフィックコントローラ４１から出力される画像データに基づいて、液晶、ＣＲＴ（Ｃａｔｈｏｄｅ Ｒａｙ Ｔｕｂｅ）等のディスプレイ４４を表示制御する表示制御部４３と、ディスプレイ４４とを備える。ディスプレイ４４は、例えば対角５〜１０インチ程度の液晶表示装置等からなり、車内のフロントパネル付近に装着される。
【００３３】
音声出力ユニット５０は、システムコントローラ２０の制御の下、ディスクドライブ３１、又はＲＡＭ２４等からバスライン３０を介して送られる音声デジタルデータのＤ／Ａ（Ｄｉｇｉｔａｌ ｔｏ Ａｎａｌｏｇ）変換を行うＤ／Ａコンバータ５１と、Ｄ／Ａコンバータ５１から出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器（ＡＭＰ）５２と、増幅された音声アナログ信号を音声に変換して車内に出力するスピーカ５３とを備えて構成されている。
【００３４】
入力装置６０は、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、リモコン、音声入力装置等から構成されている。入力装置６０は、車内に搭載された当該車載用電子システムの本体のフロントパネルやディスプレイ４４の周囲に配置される。また、ディスプレイ４４がタッチパネル方式である場合には、ディスプレイ４４の表示画面上に設けられたタッチパネルも入力装置６０として機能する。
【００３５】
撮影装置７０は、車両周辺に取り付けられ、システムコントローラ２０の制御に応じて車両外部の撮影情報（動画情報又は静止画情報）を生成する。
【００３６】
［撮影情報表示装置］
図２に撮影情報表示装置３００の機能構成を示す。撮影情報表示装置３００は、実体的には、ナビゲーション装置２００の構成要素により構成される。撮影情報表示装置３００は、図示のように、自立測位装置１０と、ＧＰＳ受信機１８と、システムコントローラ２０と、データ記憶ユニット３６と、表示装置４０と、入力装置６０と、撮影装置７０とを備える。データ記憶ユニット３６は、地図情報ＤＢ１２０等、各種情報を記憶する。システムコントローラ２０は、表示要求受付部１０１と、撮影情報取得部１０２と、速度取得部１０３と、位置情報取得部１０４と、撮影情報表示制御部１０５と、予約モード設定通知部１０６と、登録部１０７とを備える。地図情報ＤＢ１２０は、地図情報を保持するデータベースである。
【００３７】
表示要求受付部１０１は、利用者による入力装置６０の操作を介して撮影情報表示要求を受け付ける。撮影情報取得部１０２は、撮影装置７０から車両外部の撮影情報を取得する。速度取得部１０３は、所定間隔で定期的に車両の速度を取得する。具体的には、速度取得部１０３は、ＧＰＳ受信機１８から取得した情報に基づいて車両速度としてＧＰＳ速度を取得する。
【００３８】
位置情報取得部１０４は、所定間隔で定期的にＧＰＳ受信機１８を介して位置情報（例えば、緯度経度情報）を取得する。
【００３９】
撮影情報表示制御部１０５は、撮影情報表示要求を受け付けた後、撮影情報の表示制御を行う。例えば、撮影情報表示制御部１０５は、撮影情報表示要求を受け付けた時点で、車両の速度が所定の閾値（例えば、１０ｋｍ／ｈ）以下の場合には、撮影情報を表示し、車両の速度が所定の閾値を上回っている場合には、予約モードを設定し、車両の速度が所定の閾値以下になるまで待って、撮影情報を表示する。
【００４０】
予約モード設定通知部１０６は、予約モードを設定した旨を通知する。具体的には、予約モード設定通知部１０６は、予約モード設定位置に、予約アイコンを付した情報を表示装置４０へ表示する。
【００４１】
登録部１０７は、撮影情報表示制御部１０５が撮影情報を表示した地点の位置情報を記憶ユニット３６へ登録する。
【００４２】
［撮影情報表示方法］
次に、本実施例による撮影情報表示方法について説明する。本実施例における撮影情報表示方法とは、撮影情報表示要求を受け付けた際に、撮影情報表示要求受付時の速度と、予め定められている速度である閾値とを比較し、撮影情報表示条件に合致していない場合は、予約モードに設定し、予約モードを設定している間に撮影情報表示条件に合致した時点で撮影情報を表示することをいう。
【００４３】
まず、表示要求受付部１０１は、利用者による入力装置６０の操作に基づき撮影情報表示要求を受け付ける。そして、撮影情報表示制御部１０５は、表示要求受付部１０１が撮影情報表示要求を受け付けた時点の車両速度と、予め設定されている閾値とを比較し、撮影情報表示要求を受け付けた時点の車両速度が予め設定されている閾値を上回っている場合、撮影情報表示制御部１０５は、予約モードを設定する。ここでいう予約モードとは、車両速度が閾値速度以下になるまで撮影情報の表示を保留する状態をいう。予約モードに設定する方法として、予約モード用のフラグ情報を変更する等の方法がある。
【００４４】
そして、予約モード設定通知部１０６は、撮影情報表示制御部１０５が予約モードを設定すると、撮影情報表示要求を受け付けた地点に予約モードアイコンを付した地図情報を表示装置４０へ表示する。図３に予約モードアイコン１８０を付した地図情報の例を示す。このように、撮影情報表示装置３００は、予約モードアイコン１８０を付した地図情報を表示することにより、利用者に対して予約モードであることを明示的に通知することができる。
【００４５】
そして、撮影情報表示制御部１０５は、予約モード設定後における車両の速度が、上昇傾向にある場合、予約モードを解除する。ここで、上昇傾向とは、予約モード設定後の過去の速度に比して、予約モード設定後の最新の速度が上昇することをいう。図４（Ａ）に上昇傾向となる場合の例を示す。
【００４６】
撮影情報表示装置３００は、上記のように車両の速度が上昇傾向の場合、車両の速度が閾値以下となる可能性が低いと判断し、予約モードを解除している。これにより、撮影情報表示装置３００は、長期間予約モードを継続することによって、車両の速度と閾値とを比較する処理を長期間行ってしまい、撮影情報表示装置３００自体に処理負荷をかけてしまうことを回避することができる。
【００４７】
また、撮影情報表示制御部１０５は、図４（Ｂ）に示すように、予約モード設定後から所定期間（本実施例では、８秒）経過した時点で、車両の速度が閾値の速度以下にならなかった場合、予約モードを解除する。
【００４８】
撮影情報表示装置３００は、上記のように予約モード設定後から所定期間経過しても、車両の速度が閾値以下にならない場合、車両の速度が閾値以下となる可能性が低いと判断し、予約モードを解除している。これにより、撮影情報表示装置３００は、長期間予約モードを継続することによって、車両の速度と閾値とを比較する処理を長期間行ってしまい、撮影情報表示装置３００自体に処理負荷をかけてしまうことを回避することができる。
【００４９】
そして、撮影情報表示制御部１０５は、図４（Ｃ）に示すように、上記の予約モード解除の条件に合致することなく、車両の速度が閾値以下となった場合、撮影装置７０から取得した撮影情報を表示装置４０へ表示する。そして、登録部１０７は、撮影情報の表示を開始した地点の位置情報を記憶ユニット３６へ登録する。
【００５０】
上述のように、撮影情報表示装置３００では、撮影情報表示要求を受信した時点の車両速度が閾値を上回っている状況でも予約モードを設定し、予約モード設定中に車両速度が閾値以下となるまで撮影情報の表示を保留する。
【００５１】
よって、撮影情報表示装置３００は、撮影情報の表示要求受信時の車両速度が閾値を上回っても、予約モード設定後に車両速度が閾値以下となれば、再度利用者による撮影情報表示要求がなくても自動的に撮影情報を表示することができる。
【００５２】
また、撮影情報表示装置３００は、撮影情報の表示を開始した位置情報を保持している。この場合、撮影情報表示装置３００は、保持している情報を用いて、上記撮影情報表示開始位置を車両が再度通過した際に、自動で撮影情報を表示することができる。よって、車両の利用者は、再度撮影情報要求を行うことなく、撮影情報を利用することができる。
【００５３】
［撮影情報表示処理］
以下に、撮影情報表示処理の手順について図５に示すフローチャートを用いて説明する。この処理は、撮影情報表示装置３００のシステムコントローラ２０が、予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
【００５４】
まず、表示要求受付部１０１は、利用者の入力操作を介して撮影情報表示要求を受け付ける（ステップＳ１）。撮影情報表示制御部１０５は、速度取得部１０３が取得した表示要求受付時の速度と閾値とを比較し、表示要求受付時の速度が上記閾値を上回る場合（ステップＳ２；Ｙｅｓ）、撮影情報表示制御部１０５は、予約モードを設定する（ステップＳ３）。
【００５５】
そして、予約モード設定通知部１０６は、撮影情報表示要求を受け付けた位置周辺の地図情報に、撮影情報表示要求の受付地点へ予約アイコンを付した情報を表示装置４０へ表示する（ステップＳ４）。
【００５６】
そして、予約モード設定後の速度が閾値を上回っている場合において（ステップＳ５；Ｙｅｓ）、予約モード設定後の速度が上昇傾向である場合（ステップＳ６；Ｎｏ）、又は予約モード後８秒経過している場合（ステップＳ７；Ｎｏ）、撮影情報表示制御部１０５は、予約モードを解除して（ステップＳ８）、撮影情報表示処理を終了する。
【００５７】
また、予約モード設定後の速度が閾値を上回っている場合において（ステップＳ５；Ｙｅｓ）、予約モード設定後の速度が上昇傾向ではなく（ステップＳ６；Ｙｅｓ）、又は予約モード後８秒経過していない場合（ステップＳ７；Ｙｅｓ）、ステップＳ５へ移動する。
【００５８】
そして、予約モード設定後の速度が閾値以下となった場合において（ステップＳ５；Ｎｏ）、撮影情報表示制御部１０５は、撮影装置７０から取得した撮影情報を表示装置４０へ表示し（ステップＳ９）、登録部１０７が撮影情報の表示を開始した地点の位置情報を記憶ユニット３６へ登録し（ステップＳ１０）、撮影情報表示処理を終了する。
【００５９】
以上述べたように、移動体外部の撮影情報を表示する撮影情報表示装置３００であって、撮影情報表示要求を受け付ける表示要求受付手段と、撮影情報を取得する撮影情報取得手段と、移動体の速度を取得する速度取得手段と、撮影情報表示要求受付時の速度が閾値を上回る場合、予約モード設定処理を行い、予約モード時に速度が閾値以下になった時点で撮影情報を表示する撮影情報表示制御手段と、を備える。
【００６０】
このように、撮影情報表示装置３００は、撮影情報の表示要求受信時の車両速度が閾値を上回っても、予約モード設定後に車両速度が閾値以下となれば、再度利用者による撮影情報表示要求がなくても自動的に撮影情報を表示することができる。
【００６１】
［他の実施例］
速度取得部１０３は、ＧＰＳ受信機１８を介して緯度経度情報を取得する場合について述べたが、本発明は、これに限られず、自立測位装置１０から取得した情報等、種々の方法で取得した情報を速度情報として取得するようにしても良い。
【００６２】
予約モード設定通知部１０６は、予約モードアイコン１８０を表示装置４０へ表示することにより、利用者に対して予約モードである旨を通知する場合について述べたが、本発明は、これに限られず、音声出力やメッセージ画面表示等、種々の方法で予約モード設定通知をするようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【００６３】
【図１】ナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。
【図２】撮影情報表示装置の機能構成図である。
【図３】予約モードアイコンの表示例を示す図である。
【図４】予約モード設定後の速度変化の例を示す図である。
【図５】撮影情報表示処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【００６４】
１８ ＧＰＳ受信機
２０ システムコントローラ
３６ データ記憶ユニット
４０ 表示装置
６０ 入力装置
１０１ 表示要求受付部
１０２ 撮影情報取得部
１０３ 速度取得部
１０４ 位置情報取得部
１０５ 撮影情報表示制御部
１０６ 予約モード設定通知部
１０７ 登録部
１２０ 地図情報ＤＢ
２００ ナビゲーション装置
３００ 撮影情報表示装置
【特許請求の範囲】
【請求項１】
移動体外部の撮影情報を表示する撮影情報表示装置であって、
撮影情報表示要求を受け付ける表示要求受付手段と、
前記撮影情報を取得する撮影情報取得手段と、
前記移動体の速度を取得する速度取得手段と、
前記撮影情報表示要求受付時の速度が閾値を上回る場合、予約モード設定処理を行い、予約モード時に速度が閾値以下になった時点で撮影情報を表示する撮影情報表示制御手段と、を備えることを特徴とする撮影情報表示装置。
【請求項２】
前記撮影情報表示制御手段は、予約モード設定後の速度が上昇傾向である場合に、予約モードを解除することを特徴とする請求項１に記載の撮影情報表示装置。
【請求項３】
前記撮影情報表示制御手段は、予約モード設定時から所定期間経過後に予約モードを解除することを特徴とする請求項１又は２に記載の撮影情報表示装置。
【請求項４】
地図情報を保持する地図情報保持手段と、
前記移動体の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記予約モード設定後の速度が閾値以下になった位置を登録する登録手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか一項に記載の撮影情報表示装置。
【請求項５】
前記地図情報と共に、予約モード設定位置を示す予約モードアイコンを表示する予約モード設定通知手段をさらに備えることを特徴とする請求項４に記載の撮影情報表示装置。
【請求項６】
移動体外部の撮影情報を表示する撮影情報表示方法であって、
撮影情報表示要求を受け付ける表示要求受付工程と、
前記撮影情報を取得する撮影情報取得工程と、
前記移動体の速度を取得する速度取得工程と、
前記撮影情報表示要求受付時の速度が閾値を上回る場合、予約モード設定処理を行い、予約モード時に速度が閾値以下になった時点で撮影情報を表示する撮影情報表示制御工程と、を備えることを特徴とする撮影情報表示方法。
【請求項７】
コンピュータを備える、移動体外部の撮影情報を表示する撮影情報表示装置によって実行される撮影情報表示プログラムであって、
撮影情報表示要求を受け付ける表示要求受付手段、
前記撮影情報を取得する撮影情報取得手段、
前記移動体の速度を取得する速度取得手段、
前記撮影情報表示要求受付時の速度が閾値を上回る場合、予約モード設定処理を行い、予約モード時に速度が閾値以下になった時点で撮影情報を表示する撮影情報表示制御手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする撮影情報表示プログラム。
【請求項８】
請求項７に記載の撮影情報表示プログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
【請求項１】
移動体外部の撮影情報を表示する撮影情報表示装置であって、
撮影情報表示要求を受け付ける表示要求受付手段と、
前記撮影情報を取得する撮影情報取得手段と、
前記移動体の速度を取得する速度取得手段と、
前記撮影情報表示要求受付時の速度が閾値を上回る場合、予約モード設定処理を行い、予約モード時に速度が閾値以下になった時点で撮影情報を表示する撮影情報表示制御手段と、を備えることを特徴とする撮影情報表示装置。
【請求項２】
前記撮影情報表示制御手段は、予約モード設定後の速度が上昇傾向である場合に、予約モードを解除することを特徴とする請求項１に記載の撮影情報表示装置。
【請求項３】
前記撮影情報表示制御手段は、予約モード設定時から所定期間経過後に予約モードを解除することを特徴とする請求項１又は２に記載の撮影情報表示装置。
【請求項４】
地図情報を保持する地図情報保持手段と、
前記移動体の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記予約モード設定後の速度が閾値以下になった位置を登録する登録手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか一項に記載の撮影情報表示装置。
【請求項５】
前記地図情報と共に、予約モード設定位置を示す予約モードアイコンを表示する予約モード設定通知手段をさらに備えることを特徴とする請求項４に記載の撮影情報表示装置。
【請求項６】
移動体外部の撮影情報を表示する撮影情報表示方法であって、
撮影情報表示要求を受け付ける表示要求受付工程と、
前記撮影情報を取得する撮影情報取得工程と、
前記移動体の速度を取得する速度取得工程と、
前記撮影情報表示要求受付時の速度が閾値を上回る場合、予約モード設定処理を行い、予約モード時に速度が閾値以下になった時点で撮影情報を表示する撮影情報表示制御工程と、を備えることを特徴とする撮影情報表示方法。
【請求項７】
コンピュータを備える、移動体外部の撮影情報を表示する撮影情報表示装置によって実行される撮影情報表示プログラムであって、
撮影情報表示要求を受け付ける表示要求受付手段、
前記撮影情報を取得する撮影情報取得手段、
前記移動体の速度を取得する速度取得手段、
前記撮影情報表示要求受付時の速度が閾値を上回る場合、予約モード設定処理を行い、予約モード時に速度が閾値以下になった時点で撮影情報を表示する撮影情報表示制御手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする撮影情報表示プログラム。
【請求項８】
請求項７に記載の撮影情報表示プログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２００９−２５０８７３（Ｐ２００９−２５０８７３Ａ）
【公開日】平成２１年１０月２９日（２００９．１０．２９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−１０１３８９（Ｐ２００８−１０１３８９）
【出願日】平成２０年４月９日（２００８．４．９）
【公序良俗違反の表示】
（特許庁注：以下のものは登録商標）
１．ＶＩＣＳ
【出願人】（０００００５０１６）パイオニア株式会社 (3,620)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年１０月２９日（２００９．１０．２９）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年４月９日（２００８．４．９）
【公序良俗違反の表示】
（特許庁注：以下のものは登録商標）
１．ＶＩＣＳ
【出願人】（０００００５０１６）パイオニア株式会社 (3,620)
【Ｆターム（参考）】
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