槽キャリア及び基板処理装置
【課題】複数枚の基板とともに処理部を移動することにより、流体の使用量を低減することができる槽キャリアを提供する。
【解決手段】筐体3内の支持部材11に複数枚の基板Wを支持させた槽キャリア1を所望の処理部に移動させる。そして、筐体3に処理液を供給されることにより、複数枚の基板Wに対する処理を行うので、処理液の供給量を低減できる。したがって、処理に要する処理液の使用量を低減することができる。また、基板Wの受け渡しの機会を少なくできる。
【解決手段】筐体3内の支持部材11に複数枚の基板Wを支持させた槽キャリア1を所望の処理部に移動させる。そして、筐体3に処理液を供給されることにより、複数枚の基板Wに対する処理を行うので、処理液の供給量を低減できる。したがって、処理に要する処理液の使用量を低減することができる。また、基板Wの受け渡しの機会を少なくできる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ、液晶ディスプレイ用基板、プラズマディスプレイ用基板、有機EL用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスプレイ用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、太陽電池用基板(以下、単に基板と称する)を処理液で処理するための槽キャリア及び基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装置として、FOUP(Front Opening Unified Pod)に収納された複数枚の基板を一括して取り込み、それらの基板を搬送して処理するものが挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
具体的には、FOUPを載置されるロードポートと、ロードポートに隣接して配置され、複数個のFOUPを収納するストッカーと、ストッカーに隣接して配置され、FOUPから取り出された複数枚の基板の姿勢を変換する姿勢変換部と、基板に対して各種の処理を行い、並設された複数個の処理部と、複数個の処理部に沿って配置された搬送部と、各処理部に配置され、搬送部との間で複数枚の基板を受け渡すとともに、処理部の処理位置との間で複数枚の基板を昇降するリフタとを備えている。
【0004】
このような構成の基板処理装置は、ロードポートに載置されたFOUPがストッカーに搬入される。その後、水平姿勢でFOUPに収納されている複数枚の基板が取り出されるとともに、姿勢変換部において複数枚の基板が垂直姿勢に変換される。そして、搬送部によって複数枚の基板が所望の処理部に搬送され、リフタが複数枚の基板を受け取る。リフタが処理部の処理位置に移動して、例えば、複数枚の基板に対して処理液による処理を一括して行う。処理部による処理を終えると、リフタが処理位置から上昇し、搬送部が複数枚の基板を受け取って、姿勢変換部に複数枚の基板を戻す。そして、複数枚の基板がFOUPに収納されて、ロードポートにFOUPが搬出される。このようにしてFOUPに収納された複数枚の基板に対する処理が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−205359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の装置は、搬送部により処理部に搬送した後に、複数枚の基板をリフタで処理部の処理位置に移動させるので、処理部にはリフタが下降できるだけの空間的な余裕が必要にある。したがって、流体を貯留する処理部の容積が大きくなり、処理液の使用量も多くなるという問題がある。
【0007】
また、FOUPから複数枚の基板を取り出して姿勢変換を行った後、姿勢変換部と搬送部との間と、搬送部とリフタとの間とでは複数枚の基板を受け渡す必要がある。これらの受け渡しは、複数枚の基板の端縁を直接的に把持することによって行われるので、受け渡しミスが生じると基板の破損が生じる恐れがある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、複数枚の基板とともに処理部を移動することにより、流体の使用量を低減することができるとともに、複数枚の基板の端縁を直接的に把持する受け渡しの機会を少なくすることにより、受け渡しに起因する基板の破損を防止することができる槽キャリア及び基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、複数枚の基板を収納可能な槽キャリアにおいて、流体に対する耐性を備え、少なくとも一面が開放された筐体と、前記筐体の内壁に設けられ、複数枚の基板を支持するための支持部材と、を備え、所望の処理部に移動されて前記筐体に流体を供給されることにより、複数枚の基板に対する処理を行うことを特徴とするものである。
【0010】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、筐体内の支持部材に複数枚の基板を支持させた槽キャリアを所望の処理部に移動させる。そして、筐体に流体を供給されることにより、複数枚の基板に対する処理を行うので、流体の供給量を低減できる。したがって、処理に要する流体の使用量を低減することができる。また、基板の受け渡しの機会を少なくできる。
【0011】
また、本発明において、前記筐体は、複数枚の基板を起立姿勢で整列して収納し、整列方向に形成された側面開口部と、整列方向と直交する方向に形成された上面開口部とを備え、所望の処理部にて、流体を供給する流体供給ノズルを備えた側面蓋部材を前記側面開口部に密着されることが好ましい(請求項2)。
【0012】
側面開口部に側面蓋部材が密着されて流体供給ノズルから流体が供給されるので、側面開口部から供給された流体は、複数枚の基板に対して作用した後、上面開口部から排出される。したがって、通常の処理槽と同様に、上面開口部の上縁における四方に流体の流れを生じさせることができる。
【0013】
また、本発明において、前記筐体は、前記側面蓋部材を前記側面開口部から離反されることにより、供給された流体を排出されることが好ましい(請求項3)。
【0014】
筐体に供給された流体は、側面蓋部材が側面開口部から離反されると、側面開口部から排出される。したがって、流体の急速排水を残液が少なく良好に行うことができるので、処理時間を短縮できる。また、液を置換する場合も効率良く置換でき、処理液の使用量も低減できる。
【0015】
また、本発明において、前記筐体は、複数枚の基板を起立姿勢で整列して収納し、整列方向に形成された側面開口部と、整列方向と直交する方向に形成された上面開口部とを備え、所望の処理部にて、流体を供給する流体供給ノズルを備えた処理部側壁に前記側面開口部を密着されることが好ましい(請求項4)。
【0016】
側面開口部を処理部側壁に密着されて流体供給ノズルから流体が供給される。側面開口部から供給された流体は、複数枚の基板に対して作用した後、上面開口部から排出される。したがって、上面開口部の上縁における三方に流体を排出させることができる。
【0017】
また、本発明において、前記筐体は、前記処理部側壁から前記側面開口部を離反されることにより、供給された流体を排出されることが好ましい(請求項5)。
【0018】
筐体に供給された流体は、筐体が処理部側壁から離反されると、側面開口部から排出される。したがって、流体の急速排水を行うことができるので、処理時間を短縮することができる。
【0019】
また、請求項6に記載の発明は、基板に対して所定の処理を行う基板処理装置において、基板に対して流体による処理を行う複数個の処理部と、流体に対する耐性を備え、少なくとも一面が開放された筐体と、前記筐体の内壁に設けられ、FOUPから取り出された複数枚の基板を支持するための支持部材とを備えた槽キャリアと、前記槽キャリアを所望の処理部に搬送し、前記筐体内に流体を供給して前記槽キャリアごと処理を行うことを特徴とするものである。
【0020】
[作用・効果]請求項6に記載の発明によれば、筐体内の支持部材に複数枚の基板を支持させた槽キャリアを所望の処理部に移動させる。そして、筐体に流体を供給することにより、複数枚の基板に対する処理を行うので、流体の供給量を低減できる。したがって、処理に要する流体の使用量を低減することができる。また、槽キャリアごと搬送及び処理を行うので、複数枚の基板の端縁を直接的に把持する受け渡しの機会を少なくすることができる。したがって、受け渡しに起因する基板の破損を防止することができる。
【0021】
また、本発明において、複数枚の基板を収納可能なFOUPが載置されるロードポートと、前記ロードポートのFOUPを取り込むとともに、複数個のFOUPを載置可能なストッカー部と、前記ストッカー部のFOUPと前記槽キャリアとの間で複数枚の基板を受け渡し、複数枚の基板の姿勢を、前記槽キャリアごと水平姿勢と垂直姿勢とで変換する姿勢変換部と、前記複数個の処理部に沿って移動可能に構成され、前記槽キャリアを前記処理部に搬送する搬送部と、を備えていることが好ましい(請求項7)。
【0022】
ロードポート経由で複数個のFOUPをストッカー部に載置でき、姿勢変換部で槽キャリアごと複数枚の基板の姿勢を変換した後、搬送部で槽キャリアを処理部に搬送する。したがって、効率的に槽キャリアを搬送することができ、処理効率を向上することができる。
【0023】
また、本発明において、前記筐体は、複数枚の基板を起立姿勢で整列して収納し、整列方向に形成された側面開口部と、整列方向と直交する方向に形成された上面開口部とを備え、前記各処理部は、流体を供給する流体供給ノズルを備えた側面蓋部材を備え、前記槽キャリアの側面開口部に前記側面蓋部材を密着させることが好ましい(請求項8)。
【0024】
側面開口部に側面蓋部材を密着させて流体供給ノズルから流体を供給するので、側面開口部から供給された流体は、複数枚の基板に対して作用した後、上面開口部から排出される。したがって、通常の処理槽と同様に、上面開口部の上縁における四方に流体の流れを生じさせることができる。また、処理部において側面蓋部材を移動させ、槽キャリアを移動させる必要がないので、搬送部の構成を簡易化することができる。
【0025】
また、本発明において、前記各処理部は、前記側面蓋部材を前記槽キャリアの側面開口部から離反させることにより、前記槽キャリアに供給された流体を排出させることが好ましい(請求項9)。
【0026】
筐体に供給された流体は、側面蓋部材が側面開口部から離反されると、側面開口部から排出される。したがって、流体の急速排水を行うことができるので、処理時間を短縮できる。
【0027】
また、本発明において、前記筐体は、複数枚の基板を起立姿勢で整列して収納し、整列方向に形成された側面開口部と、整列方向と直交する方向に形成された上面開口部とを備え、前記各処理部は、流体を供給する流体供給ノズルを備えた処理部側壁を備え、前記槽キャリアの側面開口部に前記処理部側壁を密着させることが好ましい(請求項10)。
【0028】
側面開口部を処理部側壁に密着させて流体供給ノズルから流体を供給するので、側面開口部から供給された流体は、複数枚の基板に対して作用した後、上面開口部から排出される。したがって、上面開口部の上縁における三方に流体を排出させることができる。また、流体供給ノズルへの供給ラインを処理部側壁に内蔵することができるので、供給ラインの構成を簡単化できる。
【0029】
また、本発明において、前記各処理部は、前記処理部側壁から前記側面開口部を離反させることにより、前記槽キャリアに供給された流体を排出させることが好ましい(請求項11)。
【0030】
筐体に供給された流体は、筐体が処理部側壁から離反されると、側面開口部から排出される。したがって、流体の急速排水を行うことができるので、処理時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係る槽キャリアによれば、筐体内の支持部材に複数枚の基板を支持させた槽キャリアを所望の処理部に移動させる。そして、筐体に流体を供給されることにより、複数枚の基板に対する処理を行うので、流体の供給量を低減できる。したがって、処理に要する流体の使用量を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】実施例1に係る槽キャリアを示す縦断面図である。
【図2】槽キャリアの横断面図である。
【図3】槽キャリアの姿勢変換を示す図である。
【図4】槽キャリアに流体供給ノズルを挿入する状態を示す図である。
【図5】槽キャリアに処理液を供給する状態を示す図である。
【図6】槽キャリアから処理液を排出する状態を示す図である。
【図7】槽キャリアに処理液を供給する別の形態を示す図である。
【図8】実施例2に係る槽キャリアを示す縦断面図である。
【図9】槽キャリアの姿勢変換後、流体供給ノズルを挿入する状態を示す図である。
【図10】槽キャリアに処理液を供給する状態を示す図である。
【図11】実施例3に係る基板処理装置を示す平面図である。
【図12】実施例4に係る基板処理装置を示す平面図である。
【図13】実施例5に係る層キャリアを示す図である。
【図14】変形例を示す面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の実施形態について、基板を収納する槽キャリアと、この槽キャリアを用いて処理を行う基板処理装置について説明する。
【0034】
<槽キャリア>
基板Wを収納して処理に用いる槽キャリアの実施形態について説明する。
【実施例1】
【0035】
以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。
図1は、実施例1に係る槽キャリアを示す縦断面図であり、図2は、槽キャリアの横断面図である。
【0036】
本実施例に係る槽キャリア1は、複数枚の基板W(例えば、25枚)を積層して収納するものである。槽キャリア1は、筐体3を備えている。この筐体3は、基板Wを収納可能な内部空間を形成するように、縦断面が逆L次状に構成されている。具体的には、筐体3は、奥側板5と、面側板7と、一対の側面板9とを備えている。奥側板5は、基板Wの面に垂直な方向に長手方向が一致するように構成されている。面側板7は、奥側板5の上部に取り付けられ、基板Wの面に平行に配置されている。なお、面側板7は、槽キャリア1の姿勢変換の説明の都合上、筐体3の上部に設けてあるが、筐体3の下部に設けるようにしてもよい。一対の側面板9は、奥側板5と面側板7の両側面に設けられている。したがって、筐体3は、図1における左側面と下面とが開放されている。
【0037】
筐体3の内部には、複数枚の基板Wを支持するための支持部材11が設けられている。具体的には、支持部材11は、両側面板9の内壁に沿って設けられた一対の側面支持部材13と、奥側板5の内壁に沿って設けられた奥側支持部材15とを備えている。側面支持部材13及び奥側支持部材15は、横向きV字状の凹部を複数個形成されており、基板Wの一方面を当接支持し、複数枚の基板Wを一定の間隔をおいて積層収納する。
【0038】
また、側面板9の外壁には、槽キャリア1を搬送したり、姿勢変換したりする際に把持される把持部17を備えている。
【0039】
本実施例では、槽キャリア1の処理時における位置関係を考慮して、図1の奥側板5の反対面に形成された開口を上部開口部19と称し、面側板7の反対側に形成された開口を側面開口部21と称する。
【0040】
次に、図3〜図6を参照して、上記のように構成された槽キャリア1による基板Wの処理について説明する。なお、図3は、槽キャリアの姿勢変換を示す図であり、図4は、槽キャリアに流体供給ノズルを挿入する状態を示す図であり、図5は、槽キャリアに処理液を供給する状態を示す図であり、図6は、槽キャリアから処理液を排出する状態を示す図である。
【0041】
複数枚の基板Wが収納されている槽キャリア1を姿勢変換する。具体的には、図示しない姿勢変換部に把持部17を把持させ、水平姿勢の基板Wが垂直姿勢となるように、槽キャリア1の面側板7が上側から右側に位置するように回転移動させる(図3)。これにより、槽キャリア1の奥側板5が底部に位置し、面側板7が右側面に位置して、上部開口部19が上側に、側面開口部21が左側に位置する。
【0042】
処理液を供給する側面蓋部材23を槽キャリア1に移動して、側面蓋部材23に取り付けられた流体供給ノズル25を側面開口部21から筐体3の内部に挿入する。側面蓋部材23は、面側板7と同等の板状部材である。側面蓋部材23の下部には、一対の流体供給ノズル25が取り付けられている。一対の流体供給ノズル25は、基板Wの端縁と筐体3の内壁との隙間に挿通可能な位置及び間隔で設けられている。各流体供給ノズル25は、上面に複数個の噴射口27が形成されている。流体供給ノズル25の延出長さは、側面蓋部材23の内壁から筐体3の奥側板5の内壁長さに相当する長さである。流体供給ノズル25は、図示しない処理液供給源に連通接続されている。また、流体供給ノズル25の下部であって、側面蓋部材23の内壁のうち、奥側板5と側面板9の端面に相当する位置にはシール部材29が埋設されている。
【0043】
側面蓋部材23を筐体3に密着させると、筐体3は、シール部材29でシールされ、液体を貯留可能な容器状となる(図5)。そして、流体供給ノズル25から処理液を供給する。すると、筐体3の下部から供給された処理液が上方に向かい、上面開口部19から溢れ、複数枚の基板Wに対して処理液が作用する。これをレシピに応じた所定時間だけ維持することにより、複数枚の基板Wに対して処理液による処理が行われる。
【0044】
処理液の供給を所定時間行った後は、処理液ノズル25からの処理液の供給を停止し、側面蓋部材23を側面開口部21から離反させる。すると、筐体3に貯留していた処理液は、側面開口部21から急速に排液される。
【0045】
本実施例によると、筐体3内の支持部材11に複数枚の基板Wを支持させた槽キャリア1を所望の処理部に移動させる。そして、筐体3に処理液を供給されることにより、複数枚の基板Wに対する処理を行うので、処理液の供給量を低減できる。したがって、処理に要する処理液の使用量を低減することができる。
【0046】
また、側面開口部21に側面蓋部材23が密着されて流体供給ノズル25から処理液が供給されるので、側面開口部21から挿入された液体供給ノズル25より供給された処理液は、複数枚の基板Wに対して作用した後、上面開口部19から排出される。したがって、通常の処理槽と同様に、上面開口部19の上縁における四方に流体の流れを生じさせることができる。
【0047】
さらに、筐体3に供給された処理液は、側面蓋部材23が側面開口部21から離反されると、側面開口部21から排出される。したがって、筐体3の側面全体を開放するので、短時間で残留液がほとんどない処理液の急速排水を行うことができ、処理時間を短縮できるとともに、次に使う処理液との置換効率も良くなるので、使用液量の削減にもなる。また、装置にトラブル等が発生した場合で、筐体3内の処理液を直ちに排出したいような場合も、側面蓋部材23を開放するだけで急速排液ができる。
【0048】
なお、上記の説明では、側面蓋部材23を槽キャリア1の側面開口部21に密着させて処理液を供給した。しかし、これに代えて図7に示すようにしてもよい。なお、図7は、槽キャリアに処理液を供給する別の形態を示す図である。
【0049】
流体供給ノズル25は、基板Wに対して各種の処理を行う処理部に設けられた処理部側壁31から延出されている。この場合には、槽キャリア1を処理部側壁31側に移動させる(図7)。そして、槽キャリア1の側面開口部21を処理部側壁31に密着させた後、上述したようにして流体供給ノズル25から処理液を供給して、複数枚の基板Wに対して処理液による処理を行う。
【0050】
このような構成によると、側面開口部21を処理部側壁31に密着されて流体供給ノズル25から処理液が供給される。側面開口部21から挿入された流体供給ノズル25より供給された処理液は、複数枚の基板Wに対して作用した後、上面開口部19から排出される。したがって、上面開口部19の上縁における三方に流体を排出させることができる。さらに、筐体3に供給された処理液は、筐体3が処理部側壁31から離反されると、側面開口部21から排出される。したがって、処理液の急速排水を行うことができるので、処理時間を短縮することができる。
【実施例2】
【0051】
次に、図面を参照して本発明の実施例2を説明する。
図8は、実施例2に係る槽キャリアを示す縦断面図である。なお、上述した実施例1と同じ構成については同符号を付すことにより詳細な説明については省略する。
【0052】
本実施例に係る槽キャリア1Aは、筐体3Aの開口が一面だけである点において上記実施例1と構成が相違する。筐体3Aは、奥側板5と、面側板7と、供給側板33とを備えている。供給側板33は、面側板7に対向する位置に設けられている。供給側板33の奥側板5側には、ノズル開口35が形成されている。ノズル開口35は、供給側板33側から見て、基板Wの端縁と筐体3Aの内壁との間に位置するように形成されている。また、このノズル開口35は、流体供給ノズル25が挿入可能な内径を有する。
【0053】
次に、図9及び図10を参照して、上記のように構成された槽キャリア1Aによる基板Wの処理について説明する。なお、図9は、槽キャリアの姿勢変換後、流体供給ノズルを挿入する状態を示す図であり、図10は、槽キャリアに処理液を供給する状態を示す図である。
【0054】
図9に示すように、複数枚の基板Wが収納されている槽キャリア1Aを姿勢変換する。次に、槽キャリア1Aの供給側板33にノズル保持部材37を移動する。ノズル保持部材37は、流体供給ノズル25を保持している。ノズル保持部材37のうち、流体供給ノズル25を保持している側には、流体供給ノズル25の周囲にOリング39が埋設されている。ノズル保持部材37の移動は、流体供給ノズル25がノズル開口35に挿通されるように行われる。Oリング39がノズル開口35を液密にした後、図10に示すように、流体供給ノズル25から処理液を供給する。すると、筐体3Aの下部から供給された処理液が上方に向かい、上面開口部19から溢れ、複数枚の基板Wに対して処理液が作用する。これをレシピに応じた時間だけ維持することにより、複数枚の基板Wに対して処理液による処理が行われる。
【0055】
処理液の供給を所定時間行った後、流体供給ノズル25からの処理液の供給を停止し、ノズル保持部材37を筐体3Aから離反させる。すると、筐体3Aに貯留していた処理液は、供給側板33のノズル開口35から排出される(図示省略)。
【0056】
なお、槽キャリア1Aの場合であっても、上述した処理部側壁31に槽キャリア1Aを移動させて処理液を供給するようにしてもよい。
【0057】
また、槽キャリア1Aの供給側板33にノズル開口35を設けず、流体供給ノズル25を上面開口部19から挿入し、奥側板5側に位置するように構成してもよい。
【0058】
本実施例によると、上述した実施例1のように急速排水を行うことはできないものの、その他の点については実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【0059】
この発明は、上記実施例1,2に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0060】
(1)上述した実施例1,2では、処理液を供給して処理を行う場合を例にとったが、例えば、窒素ガスのなどの気体を供給して基板Wへの処理を行うこともできる。その際には、例えば、側面蓋部材23を逆Lの字状に構成し、上面開口部19側も緩く覆って、気体による乾燥を行うようにするのが好ましい。これによると効率的に槽キャリア1内を気体で満たすことができる。
【0061】
(2)上述した実施例1,2では、支持部材11を側面支持部材13と奥側支持部材15の3箇所に設けている。しかしながら、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば、側面支持部材13のみで基板Wを支持するように構成してもよい。
【0062】
<基板処理装置>
上述した槽キャリアを用いて処理を行う基板処理装置の実施形態について説明する。
【実施例3】
【0063】
次に、図面を参照して本発明の実施例3を説明する。図11は、実施例3に係る基板処理装置を示す平面図である。なお、この実施例3では、実施例1で説明した槽キャリア1を用いて処理するものとして説明する。
【0064】
基板処理装置51は、ロードポート53と、ストッカー部55と、水平移載部57と、姿勢変換部59と、槽キャリア洗浄部61と、処理ユニット63と、搬送部65とを備えている。
【0065】
ロードポート53は、複数枚の基板Wを水平姿勢で積層して収納可能なFOUP67を載置される。この例では、ロードポート53が二個のFOUP67を載置可能に構成されている。ストッカー部55は、ロードポート53からFOUP67を取り込んで、複数個のFOUP67を収納して載置することができる。このストッカー部55は、FOUP67の搬入と搬出とのバランスをとるためのバッファ的な機能を備えている。水平移載部57は、ストッカー部55から任意のFOUP67を選択し、その中の複数枚の基板Wだけを搬入したり、処理済の複数枚の基板WをFOUP67に搬出したりする。
【0066】
水平移載部57は、ストッカー部55と姿勢変換部59との間で複数枚の基板Wを水平姿勢のままで受け渡しする。具体的には、ストッカー部55から受け取った水平姿勢の複数枚の基板Wを姿勢変換部59に対して搬送する。また、姿勢変換部59から受け取った水平姿勢の複数枚の基板をストッカー部55のFOUP67に対して搬出する。この例では、水平移載部57が90°の角度で旋回することにより、ストッカー部55と姿勢変換部59との間で複数枚の基板Wを受け渡しする。
【0067】
姿勢変換部59は、水平移載部57と搬送部65との間で複数枚の基板Wの受け渡しを行う。具体的には、槽キャリア1を図1に示す状態で姿勢変換部59が保持しており、その槽キャリア1に水平移載部57から水平姿勢の複数枚の基板Wが搬入される。姿勢変換部59は、槽キャリア1の姿勢を図3に示すように、複数枚の基板Wが水平姿勢から垂直姿勢となるように姿勢を変換する。そして、その槽キャリア1を処理ユニット63に搬送する。また、逆に、処理ユニット63で処理を終えた槽キャリア1が姿勢変換部59に搬送されると、姿勢変換部59は、複数枚の基板Wが垂直姿勢から水平姿勢となるように槽キャリア1の姿勢を変換する。
【0068】
槽キャリア洗浄部61は、処理ユニット63で処理を終えた槽キャリア1から複数枚の基板Wが搬出された後、基板Wを収納していない空の槽キャリア1を受け取って洗浄処理を行う。
【0069】
処理ユニット63は、本実施例では4個の処理部69〜72を備えている。例えば、処理部69は窒素ガスを供給することによる乾燥処理を行い、処理部70はSC2による薬液処理と、純水による洗浄処理とを行い、処理部71はHF(フッ化水素)による薬液処理と、純水による洗浄処理とを行い、処理部72は、SC1による薬液処理と、純水による洗浄処理とを行う。なお、SC2とは、スタンダードクリーン2を意味し、純水と、塩酸と、過酸化水素水とを混合した酸性混合液による洗浄処理のことである。また、SC1とは、スタンダードクリーン1を意味し、純水と、過酸化水素水と、水酸化アンモニウムとのアルカリ性混合液による洗浄処理のことである。
【0070】
各処理部69〜72は、側面蓋部材23を搬送部65とは反対側の側面に備えている。側面蓋部材23は、流体供給ノズル25を備えている。側面蓋部材23は、搬送部65側へ進退可能に構成されている。各処理部69〜72の流体供給ノズル25は、各処理部69〜72において処理に必要な流体(窒素ガス、処理液など)を供給可能に構成されている。また、各処理部69〜72は、底部に受け部73を備えており、槽キャリア1から溢れた流体を回収する。
【0071】
搬送部65は、姿勢変換部59と各処理部69〜72との間で槽キャリア1を受け渡すとともに、槽キャリア1を各処理部69〜72間で搬送する。搬送部65は、槽キャリア1を保持したまま、各処理部69〜72において昇降可能に構成されており、各処理部69〜72にて処理を行う場合には、槽キャリア1を保持したまま各処理部69〜72において槽キャリア1を処理位置に下降させ、処理を終了すると槽キャリア1を搬送位置にまで上昇させる。
【0072】
次に、上述した基板処理装置51による基板Wの処理について説明する。なお、この例では、SC1洗浄により有機物除去を行った後、SC2により金属イオン除去を行い、乾燥処理を行う場合について説明する。
【0073】
まず、未処理の複数枚の基板WをFOUP67に収納し、そのFOUP67をロードポート53に載置する。ストッカー部55は、そのFOUP67を取り込み、水平移載部57側に搬送する。水平移載部57は、ストッカー部55のFOUP67から複数枚の基板Wを取り出すとともに、姿勢変換部59側へ複数枚の基板Wを搬送し、姿勢変換部59にある槽キャリア1に複数枚の基板Wを搬入する。姿勢変換部59は、槽キャリア1ごと複数枚の基板Wを垂直姿勢に姿勢変換する。搬送部65は、姿勢変換された槽キャリア1を処理ユニット63の処理部72に搬送する。
【0074】
処理部72に槽キャリア1が搬送された後、搬送部65が槽キャリア1を処理部72内の処理位置に移動する。処理部72は、図5に示すように、側面蓋部材23を槽キャリア1に密着させる。そして、流体供給ノズル25からアルカリ性混合液を処理液として供給する。供給された処理液は、上面開口部19から溢れ、受け部73で回収される。この状態を処理時間だけ維持したのち、流体供給ノズル25から純水を処理時間だけ供給して複数枚の基板Wに対するSC1による薬液処理及び純水洗浄を終える。純水の供給を停止した後、側面蓋部材23を槽キャリア1から離反させ、純水を槽キャリア1から急速排水する。そして、搬送部65が槽キャリア1を搬送位置に上昇移動させる。
【0075】
次に、搬送部65は、処理部72から処理部70へ槽キャリア1を移動させる。搬送部65が槽キャリア1を処理部70の処理位置に下降させると、側面蓋部材23を槽キャリア1に密着させる。その後、流体供給ノズル25から酸性混合液を処理液として供給する。供給された処理液は、槽キャリア1から溢れ受け部73で回収される。この状態を処理時間だけ維持したのち、流体供給ノズル25から純水を処理時間だけ供給して複数枚の基板Wに対するSC2による薬液処理及び純水洗浄を終える。純水の供給を停止した後、側面蓋部材23を槽キャリア1から離反させ、純水を槽キャリア1から急速排水する。そして、搬送部65が槽キャリア1を搬送位置に上昇させて移動させる。
【0076】
次に、搬送部65は処理部70から処理部69へ槽キャリア1を移動させる。搬送部65が槽キャリア1を処理部69の処理位置に下降して移動させると、側面蓋部材23を槽キャリア1に密着させる。その後、流体供給ノズル25から窒素ガスを供給する。供給された窒素ガスは、槽キャリア1内の複数枚の基板Wを乾燥させる。なお、処理部69では、側面蓋部材23を逆L字状に構成しておき、槽キャリア1の密閉度を高めて乾燥効率を高くするようにしてもよい。乾燥処理を終えたのち、側面蓋部材23を槽キャリア1から離反させ、槽キャリア1内の窒素ガスを槽キャリア1から急速排出する。
【0077】
このようにして洗浄・乾燥処理を終えた槽キャリア1は、処理部69の処理位置から搬送位置に上昇移動される。そして、搬送部65は、槽キャリア1を姿勢変換部59に搬送し、姿勢変換部59は、複数枚の基板Wが垂直姿勢から水平姿勢となるように姿勢変換を行う。水平移動部57は、槽キャリア1から複数枚の基板Wを取り出して、ストッカー部55のFOUP67に搬入する。ストッカー部55は、処理済の基板Wを収納したFOUP67をロードポート53に払い出す。
【0078】
上述した一連の処理により、FOUP67に収納された複数枚の基板Wに対する処理が完了する。
【0079】
本実施例によると、槽キャリア1を所望の処理部69〜72に移動させ、槽キャリア1に処理液や気体などの流体を供給することにより、複数枚の基板Wに対する処理を行うので、流体の供給量を低減できる。したがって、処理に要する処理液や気体などの流体の使用量を低減することができる。また、槽キャリア1ごと搬送及び処理を行うので、複数枚の基板Wの端縁を直接的に把持する受け渡しの機会を少なくすることができる。したがって、受け渡しに起因する基板Wの破損を防止することができる。
【0080】
また、槽キャリア1に側面蓋部材23を密着させて流体供給ノズル25から処理液や気体などの流体を供給するので、槽キャリア1に供給された流体は、複数枚の基板Wに対して作用した後、上面開口部19から排出される。したがって、通常の処理槽と同様に、上面開口部の上縁における四方に処理液や気体などの流体の流れを生じさせることができる。また、処理部69〜72において側面蓋部材23を移動させ、槽キャリア1を移動させる必要がないので、搬送部65の構成を簡易化することができる。
【0081】
また、槽キャリア1内に供給された処理液や気体などの流体は、側面蓋部材23が槽キャリア1から離反されると排出される。したがって、処理液や気体などの流体の急速排出を行うことができるので、処理時間を短縮できる。
【実施例4】
【0082】
次に、図面を参照して本発明の実施例4を説明する。図12は、実施例4に係る基板処理装置を示す平面図である。なお、上述した実施例3と同じ構成は、同符号を付すことにより詳細な説明については省略する。
【0083】
基板処理装置51Aは、上述した基板処理装置51と処理ユニット63の構成が相違する。
【0084】
つまり、処理ユニット63Aは、処理部69A〜72Aが処理部側壁31に流体供給ノズル25を備えている。処理部側壁31は、位置固定であり、槽キャリア1に流体を供給する際には、搬送部65Aが槽キャリア1を処理部側壁31に対して移動させることにより、槽キャリア1を処理部側壁31に密着させる。
【0085】
本実施例によると、槽キャリア1を処理部側壁31に密着させて流体供給ノズル25から処理液や気体などの流体を供給するので、槽キャリア1内に供給された処理液や気体などの流体は、複数枚の基板Wに対して作用した後、上面開口部19から排出される。したがって、上面開口部19の上縁における三方に流体を排出させることができる。また、流体供給ノズル25への供給ラインを処理部側壁31に内蔵することができるので、供給ラインの構成を簡単化できる。
【0086】
また、槽キャリア1に供給された流体は、槽キャリア1が処理部側壁31から離反されると排出される。したがって、処理液や気体などの流体の急速排出を行うことができるので、処理時間を短縮することができる。
【実施例5】
【0087】
次に、図面を参照して、本発明の実施例5について説明する。なお、図13は、本発明の実施例5に係る槽キャリアを示す図である。
【0088】
この実施例5は、実施例1の変形例であり、図6に示した実施例1の側面蓋部材23の上部外面にホルダ23aを介して純水供給ノズル25aが取り付けてある。純水供給ノズル25aは、流体供給ノズル25よりも長さが長く、側面蓋部材23が側面開口部21から離れた図13に示す状態で、筐体3の全長にわたって位置し、かつ、その内部の基板Wが存在する箇所に向けてスプレーノズル27aを備えている。そして、その内部の全ての基板Wに対して純水をスプレー状で供給可能となっている。
【0089】
係る実施例5では、実施例1と同様に側面蓋部材23を側面開口部21に密着させて基板Wを処理液で処理した後、図13に示すように側面蓋部材23を側面開口部21から離間させて処理液を排出させると同時に、基板Wに対して純水供給ノズル25aから純水をスプレー状に供給して純水で処理液を洗い流すリンス処理を行うことができる。
【0090】
なお、筐体3から処理液を排出する際、図13や図6では側面蓋部材23と側面開口部21の距離を大きく描いているが、実際には側面蓋部材23が側面開口部21から少しでも離れると、側面開口部21から処理液が流れ出すので、その距離は図示したほど大きくする必要はない。
【0091】
この発明は、上記実施例3,4に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0092】
(1)上述した実施例3,4では、槽キャリア1を用いて処理を行う基板処理装置51,51Aについて説明したが、本発明は槽キャリア1に代えて槽キャリア1Aを用いて処理を行ってもよい。
【0093】
(2)上述した実施例3,4では、SC1、SC2、乾燥処理を例にとって説明したが、本発明はこのような処理に限定されるものではない。
【0094】
(3)上述した実施例3,4では、4個の処理部を備えているが、2個の処理部や、5個以上の処理部を備えている装置であってもよい。
【0095】
(4)上述した実施例3,4では、ストッカー部55を備えているが、必ずしもストッカー部55を備える必要はない。
【0096】
(5)上記実施例3では、純水を供給した後、側面蓋部材23を側面開口部21から離して純水を急速排水しているが、このタイミングに限らず、例えば、SC1による処理が終了した後であって、純水を供給する前に側面蓋部材23を側面開口部21から離してSC1を急速排水し、しかる後に再び側面蓋部材23を側面開口部21に密着させて純水を供給してもよい。また、その他の液置換を行う段階で急速排水するようにしてもよい。この場合も、急速にかつ残存液が少ない排液が可能なので、液置換が短時間で効率よく良好に行え、液使用量を少なくてすむ。
【0097】
(6)図14に示すように、基板Wをその表面側(F)同士が向かい合い、裏面側(B)同士が向かい合うように筐体3内に収納する場合には、流体供給ノズル25や純水供給ノズル25aは、例えば、その表面側(F)だけに噴射口27,スプレーノズル27aを設けて流体や純水を供給して処理するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0098】
W … 基板
1,1A … 槽キャリア
3 … 筐体
5 … 奥側板
7 … 面側板
9 … 側面板
11 … 支持部材
19 … 上面開口部
21 … 側面開口部
23 … 側面蓋部材
25 … 流体供給ノズル
27 … 噴射口
51,51A … 基板処理装置
53 … ロードポート
55 … ストッカー部
57 … 水平移載部
59 … 姿勢変換部
61 … 槽キャリア洗浄部
63 … 処理ユニット
65 … 搬送部
67 … FOUP
69〜72 … 処理部
73 … 受け部
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ、液晶ディスプレイ用基板、プラズマディスプレイ用基板、有機EL用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスプレイ用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、太陽電池用基板(以下、単に基板と称する)を処理液で処理するための槽キャリア及び基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装置として、FOUP(Front Opening Unified Pod)に収納された複数枚の基板を一括して取り込み、それらの基板を搬送して処理するものが挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
具体的には、FOUPを載置されるロードポートと、ロードポートに隣接して配置され、複数個のFOUPを収納するストッカーと、ストッカーに隣接して配置され、FOUPから取り出された複数枚の基板の姿勢を変換する姿勢変換部と、基板に対して各種の処理を行い、並設された複数個の処理部と、複数個の処理部に沿って配置された搬送部と、各処理部に配置され、搬送部との間で複数枚の基板を受け渡すとともに、処理部の処理位置との間で複数枚の基板を昇降するリフタとを備えている。
【0004】
このような構成の基板処理装置は、ロードポートに載置されたFOUPがストッカーに搬入される。その後、水平姿勢でFOUPに収納されている複数枚の基板が取り出されるとともに、姿勢変換部において複数枚の基板が垂直姿勢に変換される。そして、搬送部によって複数枚の基板が所望の処理部に搬送され、リフタが複数枚の基板を受け取る。リフタが処理部の処理位置に移動して、例えば、複数枚の基板に対して処理液による処理を一括して行う。処理部による処理を終えると、リフタが処理位置から上昇し、搬送部が複数枚の基板を受け取って、姿勢変換部に複数枚の基板を戻す。そして、複数枚の基板がFOUPに収納されて、ロードポートにFOUPが搬出される。このようにしてFOUPに収納された複数枚の基板に対する処理が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−205359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の装置は、搬送部により処理部に搬送した後に、複数枚の基板をリフタで処理部の処理位置に移動させるので、処理部にはリフタが下降できるだけの空間的な余裕が必要にある。したがって、流体を貯留する処理部の容積が大きくなり、処理液の使用量も多くなるという問題がある。
【0007】
また、FOUPから複数枚の基板を取り出して姿勢変換を行った後、姿勢変換部と搬送部との間と、搬送部とリフタとの間とでは複数枚の基板を受け渡す必要がある。これらの受け渡しは、複数枚の基板の端縁を直接的に把持することによって行われるので、受け渡しミスが生じると基板の破損が生じる恐れがある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、複数枚の基板とともに処理部を移動することにより、流体の使用量を低減することができるとともに、複数枚の基板の端縁を直接的に把持する受け渡しの機会を少なくすることにより、受け渡しに起因する基板の破損を防止することができる槽キャリア及び基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、複数枚の基板を収納可能な槽キャリアにおいて、流体に対する耐性を備え、少なくとも一面が開放された筐体と、前記筐体の内壁に設けられ、複数枚の基板を支持するための支持部材と、を備え、所望の処理部に移動されて前記筐体に流体を供給されることにより、複数枚の基板に対する処理を行うことを特徴とするものである。
【0010】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、筐体内の支持部材に複数枚の基板を支持させた槽キャリアを所望の処理部に移動させる。そして、筐体に流体を供給されることにより、複数枚の基板に対する処理を行うので、流体の供給量を低減できる。したがって、処理に要する流体の使用量を低減することができる。また、基板の受け渡しの機会を少なくできる。
【0011】
また、本発明において、前記筐体は、複数枚の基板を起立姿勢で整列して収納し、整列方向に形成された側面開口部と、整列方向と直交する方向に形成された上面開口部とを備え、所望の処理部にて、流体を供給する流体供給ノズルを備えた側面蓋部材を前記側面開口部に密着されることが好ましい(請求項2)。
【0012】
側面開口部に側面蓋部材が密着されて流体供給ノズルから流体が供給されるので、側面開口部から供給された流体は、複数枚の基板に対して作用した後、上面開口部から排出される。したがって、通常の処理槽と同様に、上面開口部の上縁における四方に流体の流れを生じさせることができる。
【0013】
また、本発明において、前記筐体は、前記側面蓋部材を前記側面開口部から離反されることにより、供給された流体を排出されることが好ましい(請求項3)。
【0014】
筐体に供給された流体は、側面蓋部材が側面開口部から離反されると、側面開口部から排出される。したがって、流体の急速排水を残液が少なく良好に行うことができるので、処理時間を短縮できる。また、液を置換する場合も効率良く置換でき、処理液の使用量も低減できる。
【0015】
また、本発明において、前記筐体は、複数枚の基板を起立姿勢で整列して収納し、整列方向に形成された側面開口部と、整列方向と直交する方向に形成された上面開口部とを備え、所望の処理部にて、流体を供給する流体供給ノズルを備えた処理部側壁に前記側面開口部を密着されることが好ましい(請求項4)。
【0016】
側面開口部を処理部側壁に密着されて流体供給ノズルから流体が供給される。側面開口部から供給された流体は、複数枚の基板に対して作用した後、上面開口部から排出される。したがって、上面開口部の上縁における三方に流体を排出させることができる。
【0017】
また、本発明において、前記筐体は、前記処理部側壁から前記側面開口部を離反されることにより、供給された流体を排出されることが好ましい(請求項5)。
【0018】
筐体に供給された流体は、筐体が処理部側壁から離反されると、側面開口部から排出される。したがって、流体の急速排水を行うことができるので、処理時間を短縮することができる。
【0019】
また、請求項6に記載の発明は、基板に対して所定の処理を行う基板処理装置において、基板に対して流体による処理を行う複数個の処理部と、流体に対する耐性を備え、少なくとも一面が開放された筐体と、前記筐体の内壁に設けられ、FOUPから取り出された複数枚の基板を支持するための支持部材とを備えた槽キャリアと、前記槽キャリアを所望の処理部に搬送し、前記筐体内に流体を供給して前記槽キャリアごと処理を行うことを特徴とするものである。
【0020】
[作用・効果]請求項6に記載の発明によれば、筐体内の支持部材に複数枚の基板を支持させた槽キャリアを所望の処理部に移動させる。そして、筐体に流体を供給することにより、複数枚の基板に対する処理を行うので、流体の供給量を低減できる。したがって、処理に要する流体の使用量を低減することができる。また、槽キャリアごと搬送及び処理を行うので、複数枚の基板の端縁を直接的に把持する受け渡しの機会を少なくすることができる。したがって、受け渡しに起因する基板の破損を防止することができる。
【0021】
また、本発明において、複数枚の基板を収納可能なFOUPが載置されるロードポートと、前記ロードポートのFOUPを取り込むとともに、複数個のFOUPを載置可能なストッカー部と、前記ストッカー部のFOUPと前記槽キャリアとの間で複数枚の基板を受け渡し、複数枚の基板の姿勢を、前記槽キャリアごと水平姿勢と垂直姿勢とで変換する姿勢変換部と、前記複数個の処理部に沿って移動可能に構成され、前記槽キャリアを前記処理部に搬送する搬送部と、を備えていることが好ましい(請求項7)。
【0022】
ロードポート経由で複数個のFOUPをストッカー部に載置でき、姿勢変換部で槽キャリアごと複数枚の基板の姿勢を変換した後、搬送部で槽キャリアを処理部に搬送する。したがって、効率的に槽キャリアを搬送することができ、処理効率を向上することができる。
【0023】
また、本発明において、前記筐体は、複数枚の基板を起立姿勢で整列して収納し、整列方向に形成された側面開口部と、整列方向と直交する方向に形成された上面開口部とを備え、前記各処理部は、流体を供給する流体供給ノズルを備えた側面蓋部材を備え、前記槽キャリアの側面開口部に前記側面蓋部材を密着させることが好ましい(請求項8)。
【0024】
側面開口部に側面蓋部材を密着させて流体供給ノズルから流体を供給するので、側面開口部から供給された流体は、複数枚の基板に対して作用した後、上面開口部から排出される。したがって、通常の処理槽と同様に、上面開口部の上縁における四方に流体の流れを生じさせることができる。また、処理部において側面蓋部材を移動させ、槽キャリアを移動させる必要がないので、搬送部の構成を簡易化することができる。
【0025】
また、本発明において、前記各処理部は、前記側面蓋部材を前記槽キャリアの側面開口部から離反させることにより、前記槽キャリアに供給された流体を排出させることが好ましい(請求項9)。
【0026】
筐体に供給された流体は、側面蓋部材が側面開口部から離反されると、側面開口部から排出される。したがって、流体の急速排水を行うことができるので、処理時間を短縮できる。
【0027】
また、本発明において、前記筐体は、複数枚の基板を起立姿勢で整列して収納し、整列方向に形成された側面開口部と、整列方向と直交する方向に形成された上面開口部とを備え、前記各処理部は、流体を供給する流体供給ノズルを備えた処理部側壁を備え、前記槽キャリアの側面開口部に前記処理部側壁を密着させることが好ましい(請求項10)。
【0028】
側面開口部を処理部側壁に密着させて流体供給ノズルから流体を供給するので、側面開口部から供給された流体は、複数枚の基板に対して作用した後、上面開口部から排出される。したがって、上面開口部の上縁における三方に流体を排出させることができる。また、流体供給ノズルへの供給ラインを処理部側壁に内蔵することができるので、供給ラインの構成を簡単化できる。
【0029】
また、本発明において、前記各処理部は、前記処理部側壁から前記側面開口部を離反させることにより、前記槽キャリアに供給された流体を排出させることが好ましい(請求項11)。
【0030】
筐体に供給された流体は、筐体が処理部側壁から離反されると、側面開口部から排出される。したがって、流体の急速排水を行うことができるので、処理時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係る槽キャリアによれば、筐体内の支持部材に複数枚の基板を支持させた槽キャリアを所望の処理部に移動させる。そして、筐体に流体を供給されることにより、複数枚の基板に対する処理を行うので、流体の供給量を低減できる。したがって、処理に要する流体の使用量を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】実施例1に係る槽キャリアを示す縦断面図である。
【図2】槽キャリアの横断面図である。
【図3】槽キャリアの姿勢変換を示す図である。
【図4】槽キャリアに流体供給ノズルを挿入する状態を示す図である。
【図5】槽キャリアに処理液を供給する状態を示す図である。
【図6】槽キャリアから処理液を排出する状態を示す図である。
【図7】槽キャリアに処理液を供給する別の形態を示す図である。
【図8】実施例2に係る槽キャリアを示す縦断面図である。
【図9】槽キャリアの姿勢変換後、流体供給ノズルを挿入する状態を示す図である。
【図10】槽キャリアに処理液を供給する状態を示す図である。
【図11】実施例3に係る基板処理装置を示す平面図である。
【図12】実施例4に係る基板処理装置を示す平面図である。
【図13】実施例5に係る層キャリアを示す図である。
【図14】変形例を示す面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の実施形態について、基板を収納する槽キャリアと、この槽キャリアを用いて処理を行う基板処理装置について説明する。
【0034】
<槽キャリア>
基板Wを収納して処理に用いる槽キャリアの実施形態について説明する。
【実施例1】
【0035】
以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。
図1は、実施例1に係る槽キャリアを示す縦断面図であり、図2は、槽キャリアの横断面図である。
【0036】
本実施例に係る槽キャリア1は、複数枚の基板W(例えば、25枚)を積層して収納するものである。槽キャリア1は、筐体3を備えている。この筐体3は、基板Wを収納可能な内部空間を形成するように、縦断面が逆L次状に構成されている。具体的には、筐体3は、奥側板5と、面側板7と、一対の側面板9とを備えている。奥側板5は、基板Wの面に垂直な方向に長手方向が一致するように構成されている。面側板7は、奥側板5の上部に取り付けられ、基板Wの面に平行に配置されている。なお、面側板7は、槽キャリア1の姿勢変換の説明の都合上、筐体3の上部に設けてあるが、筐体3の下部に設けるようにしてもよい。一対の側面板9は、奥側板5と面側板7の両側面に設けられている。したがって、筐体3は、図1における左側面と下面とが開放されている。
【0037】
筐体3の内部には、複数枚の基板Wを支持するための支持部材11が設けられている。具体的には、支持部材11は、両側面板9の内壁に沿って設けられた一対の側面支持部材13と、奥側板5の内壁に沿って設けられた奥側支持部材15とを備えている。側面支持部材13及び奥側支持部材15は、横向きV字状の凹部を複数個形成されており、基板Wの一方面を当接支持し、複数枚の基板Wを一定の間隔をおいて積層収納する。
【0038】
また、側面板9の外壁には、槽キャリア1を搬送したり、姿勢変換したりする際に把持される把持部17を備えている。
【0039】
本実施例では、槽キャリア1の処理時における位置関係を考慮して、図1の奥側板5の反対面に形成された開口を上部開口部19と称し、面側板7の反対側に形成された開口を側面開口部21と称する。
【0040】
次に、図3〜図6を参照して、上記のように構成された槽キャリア1による基板Wの処理について説明する。なお、図3は、槽キャリアの姿勢変換を示す図であり、図4は、槽キャリアに流体供給ノズルを挿入する状態を示す図であり、図5は、槽キャリアに処理液を供給する状態を示す図であり、図6は、槽キャリアから処理液を排出する状態を示す図である。
【0041】
複数枚の基板Wが収納されている槽キャリア1を姿勢変換する。具体的には、図示しない姿勢変換部に把持部17を把持させ、水平姿勢の基板Wが垂直姿勢となるように、槽キャリア1の面側板7が上側から右側に位置するように回転移動させる(図3)。これにより、槽キャリア1の奥側板5が底部に位置し、面側板7が右側面に位置して、上部開口部19が上側に、側面開口部21が左側に位置する。
【0042】
処理液を供給する側面蓋部材23を槽キャリア1に移動して、側面蓋部材23に取り付けられた流体供給ノズル25を側面開口部21から筐体3の内部に挿入する。側面蓋部材23は、面側板7と同等の板状部材である。側面蓋部材23の下部には、一対の流体供給ノズル25が取り付けられている。一対の流体供給ノズル25は、基板Wの端縁と筐体3の内壁との隙間に挿通可能な位置及び間隔で設けられている。各流体供給ノズル25は、上面に複数個の噴射口27が形成されている。流体供給ノズル25の延出長さは、側面蓋部材23の内壁から筐体3の奥側板5の内壁長さに相当する長さである。流体供給ノズル25は、図示しない処理液供給源に連通接続されている。また、流体供給ノズル25の下部であって、側面蓋部材23の内壁のうち、奥側板5と側面板9の端面に相当する位置にはシール部材29が埋設されている。
【0043】
側面蓋部材23を筐体3に密着させると、筐体3は、シール部材29でシールされ、液体を貯留可能な容器状となる(図5)。そして、流体供給ノズル25から処理液を供給する。すると、筐体3の下部から供給された処理液が上方に向かい、上面開口部19から溢れ、複数枚の基板Wに対して処理液が作用する。これをレシピに応じた所定時間だけ維持することにより、複数枚の基板Wに対して処理液による処理が行われる。
【0044】
処理液の供給を所定時間行った後は、処理液ノズル25からの処理液の供給を停止し、側面蓋部材23を側面開口部21から離反させる。すると、筐体3に貯留していた処理液は、側面開口部21から急速に排液される。
【0045】
本実施例によると、筐体3内の支持部材11に複数枚の基板Wを支持させた槽キャリア1を所望の処理部に移動させる。そして、筐体3に処理液を供給されることにより、複数枚の基板Wに対する処理を行うので、処理液の供給量を低減できる。したがって、処理に要する処理液の使用量を低減することができる。
【0046】
また、側面開口部21に側面蓋部材23が密着されて流体供給ノズル25から処理液が供給されるので、側面開口部21から挿入された液体供給ノズル25より供給された処理液は、複数枚の基板Wに対して作用した後、上面開口部19から排出される。したがって、通常の処理槽と同様に、上面開口部19の上縁における四方に流体の流れを生じさせることができる。
【0047】
さらに、筐体3に供給された処理液は、側面蓋部材23が側面開口部21から離反されると、側面開口部21から排出される。したがって、筐体3の側面全体を開放するので、短時間で残留液がほとんどない処理液の急速排水を行うことができ、処理時間を短縮できるとともに、次に使う処理液との置換効率も良くなるので、使用液量の削減にもなる。また、装置にトラブル等が発生した場合で、筐体3内の処理液を直ちに排出したいような場合も、側面蓋部材23を開放するだけで急速排液ができる。
【0048】
なお、上記の説明では、側面蓋部材23を槽キャリア1の側面開口部21に密着させて処理液を供給した。しかし、これに代えて図7に示すようにしてもよい。なお、図7は、槽キャリアに処理液を供給する別の形態を示す図である。
【0049】
流体供給ノズル25は、基板Wに対して各種の処理を行う処理部に設けられた処理部側壁31から延出されている。この場合には、槽キャリア1を処理部側壁31側に移動させる(図7)。そして、槽キャリア1の側面開口部21を処理部側壁31に密着させた後、上述したようにして流体供給ノズル25から処理液を供給して、複数枚の基板Wに対して処理液による処理を行う。
【0050】
このような構成によると、側面開口部21を処理部側壁31に密着されて流体供給ノズル25から処理液が供給される。側面開口部21から挿入された流体供給ノズル25より供給された処理液は、複数枚の基板Wに対して作用した後、上面開口部19から排出される。したがって、上面開口部19の上縁における三方に流体を排出させることができる。さらに、筐体3に供給された処理液は、筐体3が処理部側壁31から離反されると、側面開口部21から排出される。したがって、処理液の急速排水を行うことができるので、処理時間を短縮することができる。
【実施例2】
【0051】
次に、図面を参照して本発明の実施例2を説明する。
図8は、実施例2に係る槽キャリアを示す縦断面図である。なお、上述した実施例1と同じ構成については同符号を付すことにより詳細な説明については省略する。
【0052】
本実施例に係る槽キャリア1Aは、筐体3Aの開口が一面だけである点において上記実施例1と構成が相違する。筐体3Aは、奥側板5と、面側板7と、供給側板33とを備えている。供給側板33は、面側板7に対向する位置に設けられている。供給側板33の奥側板5側には、ノズル開口35が形成されている。ノズル開口35は、供給側板33側から見て、基板Wの端縁と筐体3Aの内壁との間に位置するように形成されている。また、このノズル開口35は、流体供給ノズル25が挿入可能な内径を有する。
【0053】
次に、図9及び図10を参照して、上記のように構成された槽キャリア1Aによる基板Wの処理について説明する。なお、図9は、槽キャリアの姿勢変換後、流体供給ノズルを挿入する状態を示す図であり、図10は、槽キャリアに処理液を供給する状態を示す図である。
【0054】
図9に示すように、複数枚の基板Wが収納されている槽キャリア1Aを姿勢変換する。次に、槽キャリア1Aの供給側板33にノズル保持部材37を移動する。ノズル保持部材37は、流体供給ノズル25を保持している。ノズル保持部材37のうち、流体供給ノズル25を保持している側には、流体供給ノズル25の周囲にOリング39が埋設されている。ノズル保持部材37の移動は、流体供給ノズル25がノズル開口35に挿通されるように行われる。Oリング39がノズル開口35を液密にした後、図10に示すように、流体供給ノズル25から処理液を供給する。すると、筐体3Aの下部から供給された処理液が上方に向かい、上面開口部19から溢れ、複数枚の基板Wに対して処理液が作用する。これをレシピに応じた時間だけ維持することにより、複数枚の基板Wに対して処理液による処理が行われる。
【0055】
処理液の供給を所定時間行った後、流体供給ノズル25からの処理液の供給を停止し、ノズル保持部材37を筐体3Aから離反させる。すると、筐体3Aに貯留していた処理液は、供給側板33のノズル開口35から排出される(図示省略)。
【0056】
なお、槽キャリア1Aの場合であっても、上述した処理部側壁31に槽キャリア1Aを移動させて処理液を供給するようにしてもよい。
【0057】
また、槽キャリア1Aの供給側板33にノズル開口35を設けず、流体供給ノズル25を上面開口部19から挿入し、奥側板5側に位置するように構成してもよい。
【0058】
本実施例によると、上述した実施例1のように急速排水を行うことはできないものの、その他の点については実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【0059】
この発明は、上記実施例1,2に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0060】
(1)上述した実施例1,2では、処理液を供給して処理を行う場合を例にとったが、例えば、窒素ガスのなどの気体を供給して基板Wへの処理を行うこともできる。その際には、例えば、側面蓋部材23を逆Lの字状に構成し、上面開口部19側も緩く覆って、気体による乾燥を行うようにするのが好ましい。これによると効率的に槽キャリア1内を気体で満たすことができる。
【0061】
(2)上述した実施例1,2では、支持部材11を側面支持部材13と奥側支持部材15の3箇所に設けている。しかしながら、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば、側面支持部材13のみで基板Wを支持するように構成してもよい。
【0062】
<基板処理装置>
上述した槽キャリアを用いて処理を行う基板処理装置の実施形態について説明する。
【実施例3】
【0063】
次に、図面を参照して本発明の実施例3を説明する。図11は、実施例3に係る基板処理装置を示す平面図である。なお、この実施例3では、実施例1で説明した槽キャリア1を用いて処理するものとして説明する。
【0064】
基板処理装置51は、ロードポート53と、ストッカー部55と、水平移載部57と、姿勢変換部59と、槽キャリア洗浄部61と、処理ユニット63と、搬送部65とを備えている。
【0065】
ロードポート53は、複数枚の基板Wを水平姿勢で積層して収納可能なFOUP67を載置される。この例では、ロードポート53が二個のFOUP67を載置可能に構成されている。ストッカー部55は、ロードポート53からFOUP67を取り込んで、複数個のFOUP67を収納して載置することができる。このストッカー部55は、FOUP67の搬入と搬出とのバランスをとるためのバッファ的な機能を備えている。水平移載部57は、ストッカー部55から任意のFOUP67を選択し、その中の複数枚の基板Wだけを搬入したり、処理済の複数枚の基板WをFOUP67に搬出したりする。
【0066】
水平移載部57は、ストッカー部55と姿勢変換部59との間で複数枚の基板Wを水平姿勢のままで受け渡しする。具体的には、ストッカー部55から受け取った水平姿勢の複数枚の基板Wを姿勢変換部59に対して搬送する。また、姿勢変換部59から受け取った水平姿勢の複数枚の基板をストッカー部55のFOUP67に対して搬出する。この例では、水平移載部57が90°の角度で旋回することにより、ストッカー部55と姿勢変換部59との間で複数枚の基板Wを受け渡しする。
【0067】
姿勢変換部59は、水平移載部57と搬送部65との間で複数枚の基板Wの受け渡しを行う。具体的には、槽キャリア1を図1に示す状態で姿勢変換部59が保持しており、その槽キャリア1に水平移載部57から水平姿勢の複数枚の基板Wが搬入される。姿勢変換部59は、槽キャリア1の姿勢を図3に示すように、複数枚の基板Wが水平姿勢から垂直姿勢となるように姿勢を変換する。そして、その槽キャリア1を処理ユニット63に搬送する。また、逆に、処理ユニット63で処理を終えた槽キャリア1が姿勢変換部59に搬送されると、姿勢変換部59は、複数枚の基板Wが垂直姿勢から水平姿勢となるように槽キャリア1の姿勢を変換する。
【0068】
槽キャリア洗浄部61は、処理ユニット63で処理を終えた槽キャリア1から複数枚の基板Wが搬出された後、基板Wを収納していない空の槽キャリア1を受け取って洗浄処理を行う。
【0069】
処理ユニット63は、本実施例では4個の処理部69〜72を備えている。例えば、処理部69は窒素ガスを供給することによる乾燥処理を行い、処理部70はSC2による薬液処理と、純水による洗浄処理とを行い、処理部71はHF(フッ化水素)による薬液処理と、純水による洗浄処理とを行い、処理部72は、SC1による薬液処理と、純水による洗浄処理とを行う。なお、SC2とは、スタンダードクリーン2を意味し、純水と、塩酸と、過酸化水素水とを混合した酸性混合液による洗浄処理のことである。また、SC1とは、スタンダードクリーン1を意味し、純水と、過酸化水素水と、水酸化アンモニウムとのアルカリ性混合液による洗浄処理のことである。
【0070】
各処理部69〜72は、側面蓋部材23を搬送部65とは反対側の側面に備えている。側面蓋部材23は、流体供給ノズル25を備えている。側面蓋部材23は、搬送部65側へ進退可能に構成されている。各処理部69〜72の流体供給ノズル25は、各処理部69〜72において処理に必要な流体(窒素ガス、処理液など)を供給可能に構成されている。また、各処理部69〜72は、底部に受け部73を備えており、槽キャリア1から溢れた流体を回収する。
【0071】
搬送部65は、姿勢変換部59と各処理部69〜72との間で槽キャリア1を受け渡すとともに、槽キャリア1を各処理部69〜72間で搬送する。搬送部65は、槽キャリア1を保持したまま、各処理部69〜72において昇降可能に構成されており、各処理部69〜72にて処理を行う場合には、槽キャリア1を保持したまま各処理部69〜72において槽キャリア1を処理位置に下降させ、処理を終了すると槽キャリア1を搬送位置にまで上昇させる。
【0072】
次に、上述した基板処理装置51による基板Wの処理について説明する。なお、この例では、SC1洗浄により有機物除去を行った後、SC2により金属イオン除去を行い、乾燥処理を行う場合について説明する。
【0073】
まず、未処理の複数枚の基板WをFOUP67に収納し、そのFOUP67をロードポート53に載置する。ストッカー部55は、そのFOUP67を取り込み、水平移載部57側に搬送する。水平移載部57は、ストッカー部55のFOUP67から複数枚の基板Wを取り出すとともに、姿勢変換部59側へ複数枚の基板Wを搬送し、姿勢変換部59にある槽キャリア1に複数枚の基板Wを搬入する。姿勢変換部59は、槽キャリア1ごと複数枚の基板Wを垂直姿勢に姿勢変換する。搬送部65は、姿勢変換された槽キャリア1を処理ユニット63の処理部72に搬送する。
【0074】
処理部72に槽キャリア1が搬送された後、搬送部65が槽キャリア1を処理部72内の処理位置に移動する。処理部72は、図5に示すように、側面蓋部材23を槽キャリア1に密着させる。そして、流体供給ノズル25からアルカリ性混合液を処理液として供給する。供給された処理液は、上面開口部19から溢れ、受け部73で回収される。この状態を処理時間だけ維持したのち、流体供給ノズル25から純水を処理時間だけ供給して複数枚の基板Wに対するSC1による薬液処理及び純水洗浄を終える。純水の供給を停止した後、側面蓋部材23を槽キャリア1から離反させ、純水を槽キャリア1から急速排水する。そして、搬送部65が槽キャリア1を搬送位置に上昇移動させる。
【0075】
次に、搬送部65は、処理部72から処理部70へ槽キャリア1を移動させる。搬送部65が槽キャリア1を処理部70の処理位置に下降させると、側面蓋部材23を槽キャリア1に密着させる。その後、流体供給ノズル25から酸性混合液を処理液として供給する。供給された処理液は、槽キャリア1から溢れ受け部73で回収される。この状態を処理時間だけ維持したのち、流体供給ノズル25から純水を処理時間だけ供給して複数枚の基板Wに対するSC2による薬液処理及び純水洗浄を終える。純水の供給を停止した後、側面蓋部材23を槽キャリア1から離反させ、純水を槽キャリア1から急速排水する。そして、搬送部65が槽キャリア1を搬送位置に上昇させて移動させる。
【0076】
次に、搬送部65は処理部70から処理部69へ槽キャリア1を移動させる。搬送部65が槽キャリア1を処理部69の処理位置に下降して移動させると、側面蓋部材23を槽キャリア1に密着させる。その後、流体供給ノズル25から窒素ガスを供給する。供給された窒素ガスは、槽キャリア1内の複数枚の基板Wを乾燥させる。なお、処理部69では、側面蓋部材23を逆L字状に構成しておき、槽キャリア1の密閉度を高めて乾燥効率を高くするようにしてもよい。乾燥処理を終えたのち、側面蓋部材23を槽キャリア1から離反させ、槽キャリア1内の窒素ガスを槽キャリア1から急速排出する。
【0077】
このようにして洗浄・乾燥処理を終えた槽キャリア1は、処理部69の処理位置から搬送位置に上昇移動される。そして、搬送部65は、槽キャリア1を姿勢変換部59に搬送し、姿勢変換部59は、複数枚の基板Wが垂直姿勢から水平姿勢となるように姿勢変換を行う。水平移動部57は、槽キャリア1から複数枚の基板Wを取り出して、ストッカー部55のFOUP67に搬入する。ストッカー部55は、処理済の基板Wを収納したFOUP67をロードポート53に払い出す。
【0078】
上述した一連の処理により、FOUP67に収納された複数枚の基板Wに対する処理が完了する。
【0079】
本実施例によると、槽キャリア1を所望の処理部69〜72に移動させ、槽キャリア1に処理液や気体などの流体を供給することにより、複数枚の基板Wに対する処理を行うので、流体の供給量を低減できる。したがって、処理に要する処理液や気体などの流体の使用量を低減することができる。また、槽キャリア1ごと搬送及び処理を行うので、複数枚の基板Wの端縁を直接的に把持する受け渡しの機会を少なくすることができる。したがって、受け渡しに起因する基板Wの破損を防止することができる。
【0080】
また、槽キャリア1に側面蓋部材23を密着させて流体供給ノズル25から処理液や気体などの流体を供給するので、槽キャリア1に供給された流体は、複数枚の基板Wに対して作用した後、上面開口部19から排出される。したがって、通常の処理槽と同様に、上面開口部の上縁における四方に処理液や気体などの流体の流れを生じさせることができる。また、処理部69〜72において側面蓋部材23を移動させ、槽キャリア1を移動させる必要がないので、搬送部65の構成を簡易化することができる。
【0081】
また、槽キャリア1内に供給された処理液や気体などの流体は、側面蓋部材23が槽キャリア1から離反されると排出される。したがって、処理液や気体などの流体の急速排出を行うことができるので、処理時間を短縮できる。
【実施例4】
【0082】
次に、図面を参照して本発明の実施例4を説明する。図12は、実施例4に係る基板処理装置を示す平面図である。なお、上述した実施例3と同じ構成は、同符号を付すことにより詳細な説明については省略する。
【0083】
基板処理装置51Aは、上述した基板処理装置51と処理ユニット63の構成が相違する。
【0084】
つまり、処理ユニット63Aは、処理部69A〜72Aが処理部側壁31に流体供給ノズル25を備えている。処理部側壁31は、位置固定であり、槽キャリア1に流体を供給する際には、搬送部65Aが槽キャリア1を処理部側壁31に対して移動させることにより、槽キャリア1を処理部側壁31に密着させる。
【0085】
本実施例によると、槽キャリア1を処理部側壁31に密着させて流体供給ノズル25から処理液や気体などの流体を供給するので、槽キャリア1内に供給された処理液や気体などの流体は、複数枚の基板Wに対して作用した後、上面開口部19から排出される。したがって、上面開口部19の上縁における三方に流体を排出させることができる。また、流体供給ノズル25への供給ラインを処理部側壁31に内蔵することができるので、供給ラインの構成を簡単化できる。
【0086】
また、槽キャリア1に供給された流体は、槽キャリア1が処理部側壁31から離反されると排出される。したがって、処理液や気体などの流体の急速排出を行うことができるので、処理時間を短縮することができる。
【実施例5】
【0087】
次に、図面を参照して、本発明の実施例5について説明する。なお、図13は、本発明の実施例5に係る槽キャリアを示す図である。
【0088】
この実施例5は、実施例1の変形例であり、図6に示した実施例1の側面蓋部材23の上部外面にホルダ23aを介して純水供給ノズル25aが取り付けてある。純水供給ノズル25aは、流体供給ノズル25よりも長さが長く、側面蓋部材23が側面開口部21から離れた図13に示す状態で、筐体3の全長にわたって位置し、かつ、その内部の基板Wが存在する箇所に向けてスプレーノズル27aを備えている。そして、その内部の全ての基板Wに対して純水をスプレー状で供給可能となっている。
【0089】
係る実施例5では、実施例1と同様に側面蓋部材23を側面開口部21に密着させて基板Wを処理液で処理した後、図13に示すように側面蓋部材23を側面開口部21から離間させて処理液を排出させると同時に、基板Wに対して純水供給ノズル25aから純水をスプレー状に供給して純水で処理液を洗い流すリンス処理を行うことができる。
【0090】
なお、筐体3から処理液を排出する際、図13や図6では側面蓋部材23と側面開口部21の距離を大きく描いているが、実際には側面蓋部材23が側面開口部21から少しでも離れると、側面開口部21から処理液が流れ出すので、その距離は図示したほど大きくする必要はない。
【0091】
この発明は、上記実施例3,4に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0092】
(1)上述した実施例3,4では、槽キャリア1を用いて処理を行う基板処理装置51,51Aについて説明したが、本発明は槽キャリア1に代えて槽キャリア1Aを用いて処理を行ってもよい。
【0093】
(2)上述した実施例3,4では、SC1、SC2、乾燥処理を例にとって説明したが、本発明はこのような処理に限定されるものではない。
【0094】
(3)上述した実施例3,4では、4個の処理部を備えているが、2個の処理部や、5個以上の処理部を備えている装置であってもよい。
【0095】
(4)上述した実施例3,4では、ストッカー部55を備えているが、必ずしもストッカー部55を備える必要はない。
【0096】
(5)上記実施例3では、純水を供給した後、側面蓋部材23を側面開口部21から離して純水を急速排水しているが、このタイミングに限らず、例えば、SC1による処理が終了した後であって、純水を供給する前に側面蓋部材23を側面開口部21から離してSC1を急速排水し、しかる後に再び側面蓋部材23を側面開口部21に密着させて純水を供給してもよい。また、その他の液置換を行う段階で急速排水するようにしてもよい。この場合も、急速にかつ残存液が少ない排液が可能なので、液置換が短時間で効率よく良好に行え、液使用量を少なくてすむ。
【0097】
(6)図14に示すように、基板Wをその表面側(F)同士が向かい合い、裏面側(B)同士が向かい合うように筐体3内に収納する場合には、流体供給ノズル25や純水供給ノズル25aは、例えば、その表面側(F)だけに噴射口27,スプレーノズル27aを設けて流体や純水を供給して処理するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0098】
W … 基板
1,1A … 槽キャリア
3 … 筐体
5 … 奥側板
7 … 面側板
9 … 側面板
11 … 支持部材
19 … 上面開口部
21 … 側面開口部
23 … 側面蓋部材
25 … 流体供給ノズル
27 … 噴射口
51,51A … 基板処理装置
53 … ロードポート
55 … ストッカー部
57 … 水平移載部
59 … 姿勢変換部
61 … 槽キャリア洗浄部
63 … 処理ユニット
65 … 搬送部
67 … FOUP
69〜72 … 処理部
73 … 受け部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の基板を収納可能な槽キャリアにおいて、
流体に対する耐性を備え、少なくとも一面が開放された筐体と、
前記筐体の内壁に設けられ、複数枚の基板を支持するための支持部材と、
を備え、
所望の処理部に移動されて前記筐体に流体を供給されることにより、複数枚の基板に対する処理を行うことを特徴とする槽キャリア。
【請求項2】
請求項1に記載の槽キャリアにおいて、
前記筐体は、複数枚の基板を起立姿勢で整列して収納し、整列方向に形成された側面開口部と、整列方向と直交する方向に形成された上面開口部とを備え、
所望の処理部にて、流体を供給する流体供給ノズルを備えた側面蓋部材を前記側面開口部に密着されることを特徴とする槽キャリア。
【請求項3】
請求項2に記載の槽キャリアにおいて、
前記筐体は、前記側面蓋部材を前記側面開口部から離反されることにより、供給された流体を排出されることを特徴とする槽キャリア。
【請求項4】
請求項1に記載の槽キャリアにおいて、
前記筐体は、複数枚の基板を起立姿勢で整列して収納し、整列方向に形成された側面開口部と、整列方向と直交する方向に形成された上面開口部とを備え、
所望の処理部にて、流体を供給する流体供給ノズルを備えた処理部側壁に前記側面開口部を密着されることを特徴とする槽キャリア。
【請求項5】
請求項4に記載の槽キャリアにおいて、
前記筐体は、前記処理部側壁から前記側面開口部を離反されることにより、供給された流体を排出されることを特徴とする槽キャリア。
【請求項6】
基板に対して所定の処理を行う基板処理装置において、
基板に対して流体による処理を行う複数個の処理部と、
流体に対する耐性を備え、少なくとも一面が開放された筐体と、前記筐体の内壁に設けられ、FOUPから取り出された複数枚の基板を支持するための支持部材とを備えた槽キャリアと、
前記槽キャリアを所望の処理部に搬送し、前記筐体内に流体を供給して前記槽キャリアごと処理を行うことを特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の基板処理装置において、
複数枚の基板を収納可能なFOUPが載置されるロードポートと、
前記ロードポートのFOUPを取り込むとともに、複数個のFOUPを載置可能なストッカー部と、
前記ストッカー部のFOUPと前記槽キャリアとの間で複数枚の基板を受け渡し、複数枚の基板の姿勢を、前記槽キャリアごと水平姿勢と垂直姿勢とで変換する姿勢変換部と、
前記複数個の処理部に沿って移動可能に構成され、前記槽キャリアを前記処理部に搬送する搬送部と、
を備えていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の基板処理装置において、
前記筐体は、複数枚の基板を起立姿勢で整列して収納し、整列方向に形成された側面開口部と、整列方向と直交する方向に形成された上面開口部とを備え、
前記各処理部は、流体を供給する流体供給ノズルを備えた側面蓋部材を備え、前記槽キャリアの側面開口部に前記側面蓋部材を密着させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項9】
請求項8に記載の基板処理装置において、
前記各処理部は、前記側面蓋部材を前記槽キャリアの側面開口部から離反させることにより、前記槽キャリアに供給された流体を排出させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項10】
請求項7に記載の基板処理装置において、
前記筐体は、複数枚の基板を起立姿勢で整列して収納し、整列方向に形成された側面開口部と、整列方向と直交する方向に形成された上面開口部とを備え、
前記各処理部は、流体を供給する流体供給ノズルを備えた処理部側壁を備え、前記槽キャリアの側面開口部に前記処理部側壁を密着させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項11】
請求項10に記載の基板処理装置において、
前記各処理部は、前記処理部側壁から前記側面開口部を離反させることにより、前記槽キャリアに供給された流体を排出させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項1】
複数枚の基板を収納可能な槽キャリアにおいて、
流体に対する耐性を備え、少なくとも一面が開放された筐体と、
前記筐体の内壁に設けられ、複数枚の基板を支持するための支持部材と、
を備え、
所望の処理部に移動されて前記筐体に流体を供給されることにより、複数枚の基板に対する処理を行うことを特徴とする槽キャリア。
【請求項2】
請求項1に記載の槽キャリアにおいて、
前記筐体は、複数枚の基板を起立姿勢で整列して収納し、整列方向に形成された側面開口部と、整列方向と直交する方向に形成された上面開口部とを備え、
所望の処理部にて、流体を供給する流体供給ノズルを備えた側面蓋部材を前記側面開口部に密着されることを特徴とする槽キャリア。
【請求項3】
請求項2に記載の槽キャリアにおいて、
前記筐体は、前記側面蓋部材を前記側面開口部から離反されることにより、供給された流体を排出されることを特徴とする槽キャリア。
【請求項4】
請求項1に記載の槽キャリアにおいて、
前記筐体は、複数枚の基板を起立姿勢で整列して収納し、整列方向に形成された側面開口部と、整列方向と直交する方向に形成された上面開口部とを備え、
所望の処理部にて、流体を供給する流体供給ノズルを備えた処理部側壁に前記側面開口部を密着されることを特徴とする槽キャリア。
【請求項5】
請求項4に記載の槽キャリアにおいて、
前記筐体は、前記処理部側壁から前記側面開口部を離反されることにより、供給された流体を排出されることを特徴とする槽キャリア。
【請求項6】
基板に対して所定の処理を行う基板処理装置において、
基板に対して流体による処理を行う複数個の処理部と、
流体に対する耐性を備え、少なくとも一面が開放された筐体と、前記筐体の内壁に設けられ、FOUPから取り出された複数枚の基板を支持するための支持部材とを備えた槽キャリアと、
前記槽キャリアを所望の処理部に搬送し、前記筐体内に流体を供給して前記槽キャリアごと処理を行うことを特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の基板処理装置において、
複数枚の基板を収納可能なFOUPが載置されるロードポートと、
前記ロードポートのFOUPを取り込むとともに、複数個のFOUPを載置可能なストッカー部と、
前記ストッカー部のFOUPと前記槽キャリアとの間で複数枚の基板を受け渡し、複数枚の基板の姿勢を、前記槽キャリアごと水平姿勢と垂直姿勢とで変換する姿勢変換部と、
前記複数個の処理部に沿って移動可能に構成され、前記槽キャリアを前記処理部に搬送する搬送部と、
を備えていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の基板処理装置において、
前記筐体は、複数枚の基板を起立姿勢で整列して収納し、整列方向に形成された側面開口部と、整列方向と直交する方向に形成された上面開口部とを備え、
前記各処理部は、流体を供給する流体供給ノズルを備えた側面蓋部材を備え、前記槽キャリアの側面開口部に前記側面蓋部材を密着させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項9】
請求項8に記載の基板処理装置において、
前記各処理部は、前記側面蓋部材を前記槽キャリアの側面開口部から離反させることにより、前記槽キャリアに供給された流体を排出させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項10】
請求項7に記載の基板処理装置において、
前記筐体は、複数枚の基板を起立姿勢で整列して収納し、整列方向に形成された側面開口部と、整列方向と直交する方向に形成された上面開口部とを備え、
前記各処理部は、流体を供給する流体供給ノズルを備えた処理部側壁を備え、前記槽キャリアの側面開口部に前記処理部側壁を密着させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項11】
請求項10に記載の基板処理装置において、
前記各処理部は、前記処理部側壁から前記側面開口部を離反させることにより、前記槽キャリアに供給された流体を排出させることを特徴とする基板処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−51267(P2013−51267A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187469(P2011−187469)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】
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