説明

治療剤としてのカルボキサミド誘導体

【課題】特定の置換カルボキサミド誘導体、その調製方法、その化合物からなる薬学的組成物、およびヒトまたは動物の障害の処置におけるその使用を提供する。
【解決手段】終末糖化物質に対するレセプター(RAGE)とそのリガンド(例えば終末糖化物質(AGE)、S100/カルグラニュリン/EN−RAGE、βアミロイドおよびアンホテリン)との間の相互作用のモジュレーターとして有用であり、そしてRAGEによって引き起こされるヒトにおける疾患の処理、処置、制御または補助処置として有用である。このような疾患または疾患状態としては、急性炎症および慢性炎症、糖尿病末期の合併症の発生(例えば血管透過性の増大、腎障害、アテローム性動脈硬化症および網膜症)、アルツハイマー病の発生、勃起機能不全ならびに腫瘍浸潤および腫瘍転移が挙げられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の陳述)
本出願は、米国特許法第119条に基づいて、以下の米国仮出願に基づいて優先権を主張する。「Alpha−Substituted Amide Derivatives of Alpha−Amino Acids as Therapeutic Agents」という名称の2001年3月5日に出願された出願番号第60/273,454号、「Substituted Heterocyclyl Carboxamide Derivatives as Therapeutic Agents」という名称の2001年3月5日に出願された出願番号第60/273,445号、「Amino Alkanoic Acid Amides as Therapeutic Agents」という名称の2001年3月5日に出願された出願番号第60/273,429号、「Substituted Azacycloalkyl Carboxamide Derivatives as Therapeutic Agents」という名称の2001年3月5日に出願された出願番号第60/273,455号、「Fused Aryl Heterocyclyl Carboxamide Derivatives as Therapeutic Agents」という名称の2001年3月5日に出願された出願番号第60/273,446号、「Arylalkanoic Acid Derivatives as Therapeutic Agents」という名称の2001年3月5日に出願された出願番号第60/273,404号および「Alkyl Imidazole Carboxamide Derivatives as Therapeutic Agents」という名称の2001年3月5日に出願された出願番号第60/273,403号(これらの開示は、本明細書によって本明細書中で援用される)。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、終末糖化物質(advanced glycated end products)と結合するレセプター(RAGE)によって引き起こされる疾患の処理、処置、制御または補助処置について、RAGEならびにそのリガンド(例えば終末糖化物質(AGE)、S100/カルグラニュリン(calgranulin)/EN−RAGE、βアミロイドおよびアンホテリン(amphoterin))との相互作用のモジュレーターである化合物に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
タンパク質または脂質のアルドース糖とのインキュベーションは、タンパク質上のアミノ基の非酵素的グリケーションおよび酸化をもたらしてアマドリ付加物を形成する。時間とともにこの付加物は、さらなる転移、脱水および他のタンパク質との架橋を受けて、終末糖化物質(AGE)として公知の複合体を形成する。AGEの形成を促進する因子としては、(例えばアミロイドーシスにおける)タンパク質代謝回転の遅延、高いリジン含量を有する高分子の蓄積、および(例えば糖尿病における)高い血液グルコースレベルが挙げられた(Horiら、J.Biol.Chem.270:25752〜761、(1995))。AGEは、糖尿病および正常な老化に関連した合併症を含む種々の障害に関係している。
【0004】
AGEは、微小血管構造の内皮細胞、単球およびマクロファージ、平滑筋細胞、血管間膜細胞(mesengial cell)およびニューロン上の細胞表面レセプターとの特異的結合および可飽和結合を示す。終末糖化物質に対するレセプター(RAGE)は、細胞表面分子の免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバーである。RAGEの細胞外(N末端)ドメインは、3つの免疫グロブリン型領域を含み、1つのV(可変)型ドメインの後に2つのC型(定常)ドメインが続く(Neeperら、J.Biol.Chem.267:14998〜15004(1992))。1つの膜貫通スパニングドメインおよび短い極めて荷電したサイトゾルテイルが、この細胞外ドメインに続く。このN末端の細胞外ドメインは、RAGEのタンパク質分解によって単離されて、VドメインおよびCドメインから構成される可溶性RAGE(sRAGE)を産生し得る。
【0005】
RAGEは、大半の組織において発現され、そして特に、胚発生の間の皮質ニューロンにおいて見出される(Horiら、J.Biol.Chem.270:25752〜761(1995))。RAGEのレベルの増大はまた、老化組織(Schleicherら、J.Clin.Invest.99(3):457〜468(1997))、ならびに糖尿病性網膜、糖尿病性血管構造および糖尿病性腎臓(Schmidtら、Nature Med.1:1002〜1004(1995))において見出される。異なる組織および器官におけるRAGEの活性化は、多くの病態生理学的結果を導く。RAGEは、以下を含む種々の状態に関係している。急性炎症および慢性炎症(Hofmannら、Cell 97:889〜901(1999))、糖尿病末期の合併症の発生(例えば血管透過性の増大(Wautierら、J.Clin.Invest.97:238〜243(1995))、腎障害(Teilletら、J.Am.Soc.Nephrol.11:1488〜1497(2000))、アテローム性動脈硬化症(Vlassaraら、The Finnish Medical Society DUODECIM、Ann.Med.28:419〜426(1996))および網膜症(Hammesら、Diabetologia 42:603〜607(1999)))。RAGEはまた、アルツハイマー病(Yanら、Nature 382:685〜691(1996))、勃起機能不全ならびに腫瘍浸潤および腫瘍転移(Taguchiら、Nature 405:354〜357(2000))に関係している。
【0006】
AGEに加えて他の化合物がRAGEに結合し得、そしてRAGEを調節し得る。正常な発生において、RAGEはアンホテリン(培養胚ニューロンにおける神経突起成長を媒介するポリペプチド)と相互作用する(Horiら、1995)。RAGEはまた、EN−RAGE(カルグラニュリンとの実質的類似性を有するタンパク質)と相互作用することが示されている(Hofmannら、Cell 97:889〜901(1999))。RRAGEはまた、βアミロイドと相互作用することが示されている(Yanら、Nature 389:589〜595(1997)、Yanら、Nature 382:685〜691(1996)、Yanら、Proc.Natl.Acad.Sci.、94:5296〜5301(1997))。
【0007】
リガンド(例えばAGE、S100/カルグラニュリン/EN−RAGE、βアミロイド、CML(Nε−カルボキシメチルリジン)およびアンホテリン)のRAGEへの結合は、種々の遺伝子の発現を変更することが示されている。例えば多くの細胞型において、RAGEとそのリガンドとの間の相互作用は、酸化ストレスを生成し、これはそれによって遊離基感受性の転写因子であるNF−κBの活性化、およびNF−κB調節遺伝子(例えばサイトカインであるIL−1β、TNF−αなど)の活性化をもたらす。さらに、いくつかの他の調節経路(例えばp21ras、MAPキナーゼ、ERK1およびERK2を伴う経路)が、AGEおよび他のリガンドのRAGEへの結合によって活性化されることが示されている。実際に、RAGE自身の転写は、少なくとも部分的にNF−κBによって調節される。従って、上昇的かつしばしば有害な悪循環が、リガンド結合によって開始される正のフィードバックループによって勢いづく。従って、生理学的リガンドのRAGEへの結合の拮抗が、AGE、およびRAGEに対する他のリガンドの過剰な濃度によって引き起こされる病態生理学的変化のダウンレギュレーションについての本発明者らの目的である。
【0008】
従って、生理学的リガンドのRAGEレセプターへの結合を拮抗する化合物の開発についての必要性が存在する。
【発明の概要】
【0009】
(発明の要旨)
本発明は、アミド部分が少なくとも1つの親油性基から構成されることを特徴とする特定の置換カルボキサミド化合物を提供する。本発明の実施態様は、以下に表されるような式(I)の化合物、その調製方法、その化合物からなる薬学的組成物およびヒトまたは動物の障害の処置におけるその使用のための方法を提供する。本発明の化合物は、終末糖化物質に対するレセプター(RAGE)とそのリガンド(例えば終末糖化物質(AGE)、S100/カルグラニュリン/EN−RAGE、βアミロイドおよびアンホテリン)との相互作用のモジュレーターとして有用である。この化合物は、種々の適用(RAGEによって引き起こされるヒトにおける疾患の処理、処置、制御および/または補助としての適用を含む)において有用である。このような疾患または疾患状態としては、急性炎症および慢性炎症、糖尿病末期の合併症の発生(例えば血管透過性の増大、腎障害、アテローム性動脈硬化症および網膜症)、アルツハイマー病の発生、勃起機能不全ならびに腫瘍浸潤および腫瘍転移が挙げられる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(発明の詳細な説明)
第一の態様において、本発明は特定の置換カルボキサミド誘導体を提供する。このような化合物は、以下により詳細に議論されるように、RAGEのその生理学的リガンドとの相互作用の調節、好ましくは阻害に有用である。
【0011】
第二の態様において、本発明は以下の式(I)で表された化合物を提供する。
【化1】

【0012】
(式中、GはC〜Cアルキレンまたは(CHからなり、ここでkは0〜3であり、
は以下のいずれかからなり、
a)水素
b)−C1〜6アルキル;
c)−アリール;
d)−C1〜6アルキルアリール;
e)
【化2】

【0013】
(ここでRおよびRは独立して以下のいずれかからなり、
i)−H;
ii)−C1〜6アルキル;
iii)−アリール;
iv)−C1〜6アルキルアリール;
v)−C(O)−O−C1〜6アルキル;
vi)−C(O)−O−C1〜6アルキルアリール;
vii)−C(O)−O−C1〜6アルキルシクロアルキルアリール;
viii)−C(O)−NH−C1〜6アルキル;
ix)−C(O)−NH−C1〜6アルキルアリール;
x)−SO−C1〜6アルキル;
xi)−SO−C1〜6アルキルアリール;
xii)−SO−アリール;
xiii)−SO−NH−C1〜6アルキル;
xiv)−SO−NH−C1〜6アルキルアリール;
xv)
【化3】

【0014】
xvi)−C(O)−C1〜6アルキル;または
xvii)−C(O)−C1〜6アルキルアリール);あるいは
f)以下の式で表された化合基
【化4】

【0015】
(ここでR、R10およびR11は水素からなり得、または、R、R10およびR11は独立して以下のいずれかからなり、
i)−C1〜6アルキル;
ii)−アリール;
iii)−C1〜6アルキルアリール;
iv)−C(O)−O−C1〜6アルキル;
v)−C(O)−O−C1〜6アルキルアリール;
vi)−C(O)−NH−C1〜6アルキル;
vii)−C(O)−NH−C1〜6アルキルアリール;
viii)−SO−C1〜6アルキル;
ix)−SO−C1〜6アルキルアリール;
x)−SO−アリール;
xi)−SO−NH−C1〜6アルキル;
xii)−SO−NH−C1〜6アルキルアリール;
xiii)−C(O)−C1〜6アルキル;または
xiv)−C(O)−C1〜6アルキルアリール;
10およびR11は統合されて、R10およびR11が結合される原子を含む縮合シクロアルキル環、縮合ヘテロシクリル環または縮合アリール環を構成し得る。)、
は以下のいずれかからなり、
a)水素;
b)−C1〜6アルキル;
c)−アリール;または
d)−C1〜6アルキルアリール;
は以下のいずれかからなり、
a)−C1〜6アルキル;
b)−アリール;
c)−C1〜6アルキルアリール;または
d)以下の式で表された化合基;
【化5】

【0016】
(ここでmおよびnは独立して1、2、3または4から選択され、Xは直接結合、CH−、−O−、−S−、−S(O)−、−C(O)−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−NHSONH−、
【化6】

【0017】
のいずれかからなり、
−Q−はC1〜6アルキレン、C2〜6アルケニレンまたはC2〜6アルキニレンのいずれかからなる。)
は以下のいずれかからなり、
a)水素;
b)−C1〜6アルキル;
c)−C1〜6アルキルアリール;または
d)−C1〜6アルコキシアリール;
は以下のいずれかからなり、
a)−C1〜6アルキルアリール;
b)−C1〜6アルコキシアリール;または
c)−アリール;
、R、R12およびR13は独立して水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリールまたはアリールのいずれかからなり、
そしてここでR、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12およびR13における該アリール基および/またはアルキル基は必要に応じて1〜4回置換基で置換され得、ここで該置換基または置換される用語は、以下のいずれかからなる化合基をいい、
a)−H;
b)−Y−C1〜6アルキル;
−Y−アリール;
−Y−C1〜6アルキルアリール;
−Y−C1〜6−アルキル−NR1415
−Y−C1〜6−アルキル−W−R16;あるいは
(ここでYおよびWは独立して−CH−、−O−、−N(H)、−S−、SO−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−NHSONH−、−O−CO−、
【化7】

【0018】
のいずれかからなり、
16、R17およびR18は水素、アリール、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリール、C〜CアルコキシまたはC〜Cアルコキシアリールのいずれかからなる。)、
c)ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、カルバモイルまたはカルボキシル、そして、
14およびR15は独立して水素、アリール、C〜CアルキルまたはC〜Cアルキルアリールのいずれかからなり、そしてここで、
14およびR15は統合されてR14およびR15が結合される窒素原子に結合した式−(CH−Z−(CH−を有する環を形成し得、そして/またはRおよびRは独立して統合されてRおよびRが結合される原子に結合した式−(CH−Z−(CH−を有する環を形成し得、ここでoおよびpは独立して1、2、3または4であり、Zは直接結合、−CH−、−O−、−S−、−S(O)−、−C(O)−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−NHSONH−、
【化8】

【0019】
のいずれかからなり、
19およびR20は独立して水素、アリール、C〜CアルキルまたはC〜Cアルキルアリールのいずれかからなる。)
第三の態様において、本発明は以下の式(Ia)で表された化合物あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物またはプロドラッグを提供する。
【化9】

【0020】
(式中、xおよびwの両方が0ではない条件でxおよびwは独立して0、1または2に等しく、ここで0、1および2の値は、必要に応じて1〜4回置換基で置換される直接結合、−CH−および−CH−CH−からなり、ここでこの置換基または置換される用語は、以下のいずれかからなる化合基をいい、
a)−H;
b)−Y−C1〜6アルキル;
−Y−アリール;
−Y−C1〜6アルキルアリール;
−Y−C1〜6−アルキル−W−R16;あるいは
(ここでYおよびWは独立して−CH−、−O−、−N(H)、−S−、SO−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−NHSONH−、−O−CO−、
【化10】

【0021】
のいずれかからなり、
16、R17およびR18は水素、アリール、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリール、C〜CアルコキシまたはC〜Cアルコキシアリールのいずれかからなる。)、
c)ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、カルバモイルまたはカルボキシル、
は直接結合からなり、

【化11】

【0022】
からなり、
はHからなり、
は以下のいずれかからなり、
a)水素;
b)−C1〜6アルキル;
c)−C1〜6アルキルアリール;または
d)−C1〜6アルコキシアリール;
は以下のいずれかからなり、
a)−C1〜6アルキルアリール;
b)−C1〜6アルコキシアリール;または
c)−アリール;
およびRは統合されて以下で表された構造の環を形成し、
【化12】

【0023】
は以下のいずれかからなり、
a)−H;
b)−C1〜6アルキル;
c)−アリール;
d)−C1〜6アルキルアリール;または
e)−C(O)R25、−C(O)OR25、−C(O)NR2625、−S(O)25および−S(O)NR2625から選択される化合基、ここでR25およびR26は独立して−C1〜6アルキル、アリールまたは−C1〜6アルキルアリールのいずれかからなり、
ここでR21、R22、R23およびR24は独立して以下のいずれかからなり、
i)−H;
ii)−C1〜6アルキル;
iii)−アリール;
iv)−C1〜6アルキルアリール;または
v)式−U−R27の化合基(ここでUは−C(O)−、−C(O)O−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−NR28−から選択され、
ここでR27およびR28は独立して−H、−アリール、−C1〜6アルキルまたは−C1〜6アルキルアリールのいずれかからなる。)
、RおよびRにおける該アリール基および/またはアルキル基は必要に応じて1〜4回置換基で置換され得、ここで該置換基または置換される用語は、以下のいずれかからなる化合基をいい、
a)−H;
b)−Y−C1〜6アルキル;
−Y−アリール;
−Y−C1〜6アルキルアリール;
−Y−C1〜6−アルキル−NR1415
−Y−C1〜6−アルキル−W−R16;あるいは
(ここでYおよびWは独立して−CH−、−O−、−N(H)、−S−、SO−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−NHSONH−、−O−CO−、
【化13】

【0024】
のいずれかからなり、
16、R17およびR18は独立して水素、アリール、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリール、C〜CアルコキシまたはC〜Cアルコキシアリールのいずれかからなる。)、
c)ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、カルバモイルまたはカルボキシル、そして、
14およびR15は独立して水素、アリール、C〜CアルキルおよびC〜Cアルキルアリールのいずれかからなり、そしてここで、
14およびR15は統合されてR14およびR15が結合される窒素原子に結合した式−(CH−Z−(CH−を有する環を形成し得、ここでoおよびpは独立して1、2、3または4であり、Zは直接結合、−CH−、−O−、−S−、−S(O)−、−C(O)−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−NHSONH−、
【化14】

【0025】
のいずれかからなり、
19およびR20は独立して水素、アリール、C〜CアルキルまたはC〜Cアルキルアリールのいずれかからなる。)、
第四の態様において、本発明は以下の式(Ib)で表された化合物あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物またはプロドラッグを提供する。
【化15】

【0026】
(式中、yおよびzは独立して0〜3の整数であり、ここで0、1および2の値は、それぞれ必要に応じて1〜4回置換基で置換される直接結合、−CH−、−CH−CH−および−CH−CH−CH−のいずれかからなり、ここでこの置換基または置換される用語は、以下のいずれかからなる化合基をいい、
a)−H;
b)−Y−C1〜6アルキル;
−Y−アリール;
−Y−C1〜6アルキルアリール;
−Y−C1〜6−アルキル−W−R16;あるいは
(ここでYおよびWは独立して−CH−、−O−、−N(H)、−S−、SO−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−NHSONH−、−O−CO−、
【化16】

【0027】
のいずれかからなり、
16、R17およびR18は水素、アリール、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリール、C〜CアルコキシまたはC〜Cアルコキシアリールのいずれかからなる。)、
c)ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、カルバモイルまたはカルボキシル、
は直接結合からなり、

【化17】

【0028】
からなり、
はHからなり、
は以下のいずれかからなり、
a)水素;
b)−C1〜6アルキル;
c)−C1〜6アルキルアリール;または
d)−C1〜6アルコキシアリール;
は以下のいずれかからなり、
a)−C1〜6アルキルアリール;
b)−C1〜6アルコキシアリール;または
c)−アリール;
は以下のいずれかからなり:
a)−H;
b)−C1〜6アルキル;
c)−アリール;
d)−C1〜6アルキルアリール;または
e)−C(O)R25、−C(O)OR25、−C(O)NR2625、−S(O)25および−S(O)NR2625から選択される化合基、ここでR25およびR26は独立して−C1〜6アルキル、アリールまたは−C1〜6アルキルアリールのいずれかからなり、
、RおよびRにおける該アリール基および/またはアルキル基は必要に応じて1〜4回置換基で置換され得、ここで該置換基または置換される用語は、以下のいずれかからなる化合基をいい、
a)−H;
b)−Y−C1〜6アルキル;
−Y−アリール;
−Y−C1〜6アルキルアリール;
−Y−C1〜6−アルキル−NR1415
−Y−C1〜6−アルキル−W−R16;あるいは
(ここでYおよびWは独立して−CH−、−O−、−N(H)、−S−、SO−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−NHSONH−、−O−CO−、
【化18】

【0029】
のいずれかからなり、
16、R17およびR18は独立して水素、アリール、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリール、C〜CアルコキシまたはC〜Cアルコキシアリールのいずれかからなる。)、
c)ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、カルバモイルまたはカルボキシル、そして、
14およびR15は独立して水素、アリール、C〜CアルキルまたはC〜Cアルキルアリールからなり、そしてここで、
14およびR15は統合されてR14およびR15が結合される窒素原子に結合した式−(CH−Z−(CH−を有する環を形成し得、ここでoおよびpは独立して1、2、3または4であり、Zは直接結合、−CH−、−O−、−S−、−S(O)−、−C(O)−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−NHSONH−、
【化19】

【0030】
のいずれかからなり、
19およびR20は独立して水素、アリール、C〜CアルキルまたはC〜Cアルキルアリールのいずれかからなり、
およびRは統合されて以下で表された構造の環を形成し、
【化20】

【0031】
ここでR29およびR30は独立して以下のいずれかからなり、
a)−H;
b)−C1〜6アルキル;
c)−アリール;
d)−C1〜6アルキルアリール;
e)−C(O)−O−C1〜6アルキル;
f)−C(O)−O−C1〜6アルキルアリール;
g)−C(O)−NH−C1〜6アルキル;
h)−C(O)−NH−C1〜6アルキルアリール;
i)−SO−C1〜6アルキル;
j)−SO−C1〜6アルキルアリール;
k)−SO−アリール;
l)−SO−NH−C1〜6アルキル;
m)−SO−NH−C1〜6アルキルアリール;
n)−C(O)−C1〜6アルキル;
o)−C(O)−C1〜6アルキルアリール;または
p)式−V−R31の化合基、
(ここでVは式−C(O)、−OC(O)−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−NH−および−N(R32)−の化合基のいずれかからなり、
ここでR31およびR32は独立して以下のいずれかからなり、
a)−H;
b)−C1〜6アルキル;
c)−アリール;
d)−C1〜6アルキルアリール;
e)−C(O)−O−C1〜6アルキル;
f)−C(O)−O−C1〜6アルキルアリール;
g)−C(O)−NH−C1〜6アルキル;−C(O)−NH−C1〜6アルキルアリール;
h)−SO−C1〜6アルキル;
i)−SO−C1〜6アルキルアリール;
j)−SO−アリール;
k)−SO−NH−C1〜6アルキル;
l)−SO−NH−C1〜6アルキルアリール;
m)−C(O)−C1〜6アルキル;または
n)−C(O)−C1〜6アルキルアリール);
ここでR29、R30、R31およびR32には必要に応じて1〜4回置換基で置換され得、ここで該置換基または置換される用語は、以下のいずれかからなる化合基から選択される化合基をいい、
a)−H;
b)−L−C1〜6アルキル;
−L−アリール;
−L−C1〜6アルキルアリール;
−L−C1〜6−アルキル−NR3334
−L−C1〜6−アルキル−Q−R35;ならびに
(ここでLおよびQは独立して−CH−、−O−、−N(H)、−S−、SO−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−NHSONH−、−O−CO−、
【化21】

【0032】
のいずれかからなり、
35、R36およびR37は独立して水素、アリール、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリール、C〜CアルコキシまたはC〜Cアルコキシアリールのいずれかからなる。)、
c)ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、カルバモイルまたはカルボキシル、そして、
33およびR34は独立して水素、アリール、C〜CアルキルまたはC〜Cアルキルアリールのいずれかからなり、そしてここで、
33およびR34は統合されてR33およびR34が結合される窒素原子に結合した式−(CH−J−(CH−を有する環を形成し得、ここでeおよびkは独立して1、2、3または4であり、Jは直接結合、−CH−、−O−、−S−、−S(O)−、−C(O)−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−NHSONH−、
【化22】

【0033】
のいずれかからなり、
38およびR39は独立して水素、アリール、C〜CアルキルまたはC〜Cアルキルアリールのいずれかからなる。)
第五の態様において、本発明は以下の式(Ic)で表された化合物を提供する。
【化23】

【0034】
(式中、Rは水素またはC1〜3アルキルアリールからなり、ここで該アリールは−Y−C−1〜6アルキルアリールで置換され、
はC1〜3アルキルアリールからなり、ここで該アリールは−Y−C−1〜6アルキルアリールで置換され、
(ここでYは−CH−、−O−、−N(H)、−S−、SO−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−NHSONH−、−O−CO−、
【化24】

【0035】
のいずれかからなり、
17およびR18は独立して水素、アリール、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリール、C〜CアルコキシまたはC〜Cアルコキシアリールのいずれかからなる。)、
は式(I)におけるように規定され、
は式(I)におけるように規定され、
は式(I)におけるように規定され、そして、
は式(I)におけるように規定される。)
第六の態様において、本発明は以下の式(Id)で表された化合物を提供する。
【化25】

【0036】
(式中、Rは水素またはC1〜3アルキルアリールからなり、ここで該アリールは−Y−C−1〜6アルキルアリールで置換され、
はC1〜3アルキルアリールからなり、ここで該アリールは−Y−C−1〜6アルキルアリールで置換され、
(ここでYは−CH−、−O−、−N(H)、−S−、SO−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−NHSONH−、−O−CO−、
【化26】

【0037】
のいずれかからなり、
17およびR18は独立して水素、アリール、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリール、C〜CアルコキシまたはC〜Cアルコキシアリールのいずれかからなる。)、そして、
は水素または−L−C1〜6−アルキル−N(アルキル)からなり、
は−L−C1〜6−アルキル−N(アルキル)からなり、
(ここでLは−CH−、−O−、−N(H)−、−S−、SO−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−NHSONH−、−O−CO−、
【化27】

【0038】
のいずれかからなり、
35、R36およびR37は独立して水素、アリール、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリール、C〜CアルコキシまたはC〜Cアルコキシアリールのいずれかからなる。)、そして、
は式(I)におけるように規定され、そして、
は式(I)におけるように規定される。)
第七の態様において、本発明は以下の式(Ie)で表された化合物を提供する。
【化28】

【0039】
(式中、Gは直接結合からなり、
は以下で表された式の化合基からなり、
【化29】

【0040】
(ここでR、R10およびR11は水素であり得、あるいは
、R10およびR11は独立して以下のいずれかからなり、
i)−C1〜6アルキル;
ii)−アリール;
iii)−C1〜6アルキルアリール;
iv)−C(O)−O−C1〜6アルキル;
v)−C(O)−O−C1〜6アルキルアリール;
vi)−C(O)−NH−C1〜6アルキル;
vii)−C(O)−NH−C1〜6アルキルアリール;
viii)−SO−C1〜6アルキル;
ix)−SO−C1〜6アルキルアリール;
x)−SO−アリール;
xi)−SO−NH−C1〜6アルキル;
xii)−SO−NH−C1〜6アルキルアリール;
xiii)−C(O)−C1〜6アルキル;または
xiv)−C(O)−C1〜6アルキルアリール;あるいは
10およびR11は統合されて、R10およびR11が結合される原子を含む縮合シクロアルキル環、縮合ヘテロシクリル環または縮合アリール環を構成し得る。)、
はHからなり、
は以下のいずれかからなり、
a)−C1〜6アルキル;
b)−アリール;または
c)−C1〜6アルキルアリール;
は以下のいずれかからなり、
a)水素;
b)−C1〜6アルキル;
c)−C1〜6アルキルアリール;または
d)−C1〜6アルコキシアリール;
は以下のいずれかからなり、
a)−C1〜6アルキルアリール;
b)−C1〜6アルコキシアリール;または
c)−アリール;
、R、R、R、R10、R11における該アリール基および/またはアルキル基は必要に応じて1〜4回置換基で置換され得、ここで該置換基または置換される用語は、以下のいずれかからなる化合基をいい、
a)−H;
b)−Y−C1〜6アルキル;
−Y−アリール;
−Y−C1〜6アルキルアリール;
−Y−C1〜6−アルキル−NR1415
−Y−C1〜6−アルキル−W−R16;あるいは
(ここでYおよびWは独立して−CH−、−O−、−N(H)、−S−、SO−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−NHSONH−、−O−CO−、
【化30】

【0041】
のいずれかからなり、
16、R17およびR18は独立して水素、アリール、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリール、C〜CアルコキシまたはC〜Cアルコキシアリールのいずれかからなる。)、
c)ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、カルバモイルまたはカルボキシル、そして、
14およびR15は独立して水素、アリール、C〜CアルキルまたはC〜Cアルキルアリールのいずれかからなり、そしてここで、
14およびR15は統合されてR14およびR15が結合される窒素原子に結合した式−(CH−Z−(CH−を有する環を形成し得、ここでoおよびpは独立して1、2、3または4であり、Zは直接結合、−CH−、−O−、−S−、−S(O)−、−C(O)−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−NHSONH−、
【化31】

【0042】
のいずれかからなり、
19およびR20は独立して水素、アリール、C〜CアルキルまたはC〜Cアルキルアリールのいずれかからなる。)
第八の態様において、本発明は以下の式(If)で表された化合物を提供する。
【化32】

【0043】
(式中、Gは直接結合からなり、

【化33】

【0044】
からなり、
はHからなり、
は以下の式で表された化合基からなり、
【化34】

【0045】
(ここでmおよびnは独立して1、2、3または4から選択され、Xは直接結合、CH−、−O−、−S−、−S(O)−、−C(O)−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−NHSONH−、
【化35】

【0046】
のいずれかからなり、
−Q−はC1〜6アルキレン、C2〜6アルケニレンまたはC2〜6アルキニレンのいずれかからなり、
12およびR13は独立して水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリールまたはアリールのいずれかからなる。)、
は以下のいずれかからなり、
a)水素;
b)−C1〜6アルキル;
c)−C1〜6アルキルアリール;または
d)−C1〜6アルコキシアリール;
は以下のいずれかからなり、
a)−C1〜6アルキルアリール;
b)−C1〜6アルコキシアリール;または
c)−アリール;
およびRは独立して以下のいずれかからなり、
a)−H;
b)−C1〜6アルキル;
c)−アリール;
d)−C1〜6アルキルアリール;または
e)−C(O)R25、−C(O)OR25、−C(O)NR2625、−S(O)25および−S(O)NR2625から選択される化合基、(ここでR25およびR26は独立して−C1〜6アルキル、アリールまたは−C1〜6アルキルアリールのいずれかからなる。)、
、R、R、R、R12およびR13における該アリール基および/またはアルキル基は必要に応じて1〜4回置換基で置換され得、ここで該置換基または置換される用語は、以下のいずれかからなる化合基をいい、
a)−H;
b)−Y−C1〜6アルキル;
−Y−アリール;
−Y−C1〜6アルキルアリール;
−Y−C1〜6−アルキル−NR1415
−Y−C1〜6−アルキル−W−R16;あるいは
(ここでYおよびWは独立して−CH−、−O−、−N(H)、−S−、SO−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−NHSONH−、−O−CO−、
【化36】

【0047】
のいずれかからなり、
16、R17およびR18は独立して水素、アリール、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリール、C〜CアルコキシまたはC〜Cアルコキシアリールのいずれかからなる。)、
c)ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、カルバモイルまたはカルボキシル、そして、
14およびR15は独立して水素、アリール、C〜CアルキルまたはC〜Cアルキルアリールのいずれかからなり、そしてここで、
14およびR15は統合されてR14およびR15が結合される窒素原子に結合した式−(CH−Z−(CH−を有する環を形成し得、ここでoおよびpは独立して1、2、3または4であり、Zは直接結合、−CH−、−O−、−S−、−S(O)−、−C(O)−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−NHSONH−、
【化37】

【0048】
のいずれかからなり、
19およびR20は独立して水素、アリール、C〜CアルキルまたはC〜Cアルキルアリールのいずれかからなる。)
上記の化合物において、示される種々の官能基は、ハイフンを有する官能基において結合点を有することが理解されるべきである。換言すれば、−C1〜6アルキルアリールの場合において、結合点は、アルキル基であることが理解されるべきであり、例えばベンジルである。−C(O)−NH−C1〜6アルキルアリールのような化合基の場合において、この結合点はカルボニル炭素である。
【0049】
上記の化合物において、下付き文字のm、n、w、x、y、zを有する化合基「()」は、2または3つまでのメチレン結合の存在を示す。換言すれば、mが3である場合、これは、−CH−CH−CH−結合を表す。mが0である場合、これは、両側の化合基間の直接結合を表す(すなわち共有結合を介して)。
【0050】
また、上記の式(I)によって示される化合物の個々の鏡像異性体、ならびにその任意の完全なラセミ混合物または部分的なラセミ混合物が本発明の範囲内に含まれる。本発明はまた、1つ以上の立体中心が逆転されるそのジアステレオ異性体との混合物として、上記の式によって表される化合物の個々の鏡像異性体を含む。
【0051】
その生物学的活性について現在好ましい本発明の化合物を、以下の表1において名称によって列挙する。
【表1】





【0052】
別の態様において、本発明は、本発明の化合物、および1つ以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤からなる薬学的組成物からなる。
【0053】
一実施態様において、この薬学的組成物は、経口投薬単位または非経口投薬単位の形態にある。好ましくは、本発明の化合物は、1日につき体重1kg当たり約0.01mg〜500mgの範囲の用量として投与される。より好ましくは、この化合物は、1日につき体重1kg当たり約0.1mg〜200mgの範囲の用量として投与される。なおより好ましくは、この化合物は、1日につき体重1kg当たり約0.1mg〜100mgの範囲の用量として投与される。
【0054】
一実施態様において、この薬学的組成物は、アルキル化剤、代謝拮抗物質、植物アルカロイド、抗生物質、ホルモン、生物的反応修飾物質、鎮痛薬、NSAID、DMARD、グルココルチコイド、スルホニル尿素、ビグアニド、インスリン、コリンエステラーゼ阻害薬、抗精神病薬、抗うつ薬および抗鎮痙薬からなる群より選択される1つ以上の治療剤をさらに含んでなる。
【0055】
別の態様において、本発明は、RAGEのその生理学的リガンドとの相互作用の阻害のための方法からなり、この方法は、その阻害を必要とする被験体に少なくとも1つの本発明の化合物を投与するステップからなる。
【0056】
一実施態様において、このリガンドは、終末糖化物質(AGE)、S100/カルグラニュリン/EN−RAGE、βアミロイドおよびアンホテリンから選択される。
【0057】
なお別の態様において、本発明は、急性炎症および慢性炎症、糖尿病の症状、血管透過性、腎障害、アテローム性動脈硬化症、網膜症、アルツハイマー病、勃起機能不全ならびに腫瘍浸潤および/または腫瘍転移からなる群より選択される疾患状態を処置するための方法からなり、この方法は、この処置を必要とする被験体に治療有効量の少なくとも1つの本発明の化合物を投与するステップからなる。
【0058】
なお別の態様において、本発明は、RAGE媒介性ヒト疾患の予防および/または処置を必要とするヒトに治療有効量の請求項1に記載の式(I)の化合物を投与するステップからなるRAGE媒介性ヒト疾患の予防および/または処置のための方法からなり、ここで治療有効量がRAGEレセプターに対するリガンドの結合を少なくとも部分的に阻害するに十分な化合物からなる。
【0059】
一実施態様において、この方法は、この疾患の予防および/または処置を必要とする被験体に少なくとも1つのアジュバントおよび/またはさらなる治療剤を投与するステップを含む。好ましくは、この治療剤は、アルキル化剤、代謝拮抗物質、植物アルカロイド、抗生物質、ホルモン、生物的反応修飾物質、鎮痛薬、NSAID、DMARD、グルココルチコイド、スルホニル尿素、ビグアニド、インスリン、コリンエステラーゼ阻害薬、抗精神病薬、抗うつ薬および抗鎮痙薬からなる群より選択される。
【0060】
また好ましくは、このRAGE媒介性ヒト疾患は、急性炎症および/または慢性炎症、異常な血管透過性、腎障害、アテローム性動脈硬化症、網膜症、アルツハイマー病、勃起機能不全、腫瘍浸潤および/または腫瘍転移からなる。
【0061】
本発明の化合物において、示される種々の官能基は、ハイフンを有する官能基において結合点を有することが理解されるべきである。換言すれば、−C1〜6アルキルアリールの場合において、結合点は、アルキル基であることが理解されるべきであり、例えばベンジルである。−C(O)−NH−C1〜6アルキルアリールのような化合基の場合において、この結合点はカルボニル炭素である。
【0062】
本明細書中において使用される場合、用語「アルキル」は、指定の炭素原子数を有する直鎖または分枝鎖の炭化水素をいう。本明細書中において使用される場合の「アルキル」の例としては、メチル、n−ブチル、n−ペンチル、イソブチルおよびイソプロピルなどが挙げられるがこれらに限定されない。
【0063】
本明細書中において使用される場合、用語「アルキレン」は、指定の炭素原子数を有する直鎖または分枝鎖の二価の炭化水素遊離基をいう。本明細書中において使用される場合の「アルキレン」の例としては、メチレン、エチレンなどが挙げられるがこれらに限定されない。
【0064】
本明細書中において使用される場合、用語「アルケニレン」は、指定の炭素原子数および1つ以上の炭素−炭素二重結合を有する直鎖または分枝鎖の二価の炭化水素遊離基をいう。本明細書中において使用される場合の「アルケニレン」の例としては、エテン−1,2−ジイル、プロペン−1,3−ジイル、メチレン−1,1−ジイルなどが挙げられるがこれらに限定されない。
【0065】
本明細書中において使用される場合、用語「アルキニレン」は、指定の炭素原子数および1つ以上の炭素−炭素三重結合を有する直鎖または分枝鎖の二価の炭化水素遊離基をいう。本明細書中において使用される場合の「アルキニレン」の例としては、エチン−1,2−ジイル、プロピン−1,3−ジイルなどが挙げられるがこれらに限定されない。
【0066】
本明細書中において使用される場合、用語「アリール」は、5員〜7員の芳香族環、または必要に応じて置換されるベンゼン環系(必要に応じて1つ以上の窒素、酸素または硫黄のヘテロ原子を含む)をいい、ここでN−酸化物ならびに一酸化硫黄および二酸化硫黄が許容される置換である。このような環は、1つ以上の5員〜7員の芳香族環(必要に応じて1つ以上の窒素、酸素または硫黄のヘテロ原子を含む)に縮合され得る。好ましいアリール基としては、フェニル、ビフェニル、2−ナフチル、1−ナフチル、フェナントリル、1−アントラセニル、ピリジル、フリル、フラニル、チオフェニル、インドリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、ピリミジル、キノリル、イソキノリル、ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾインドリル、ピラゾリル、イソインドリル、プリニル、カルバゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリルなどが挙げられる。これに関して、特に好ましいアリール基としては、フェニル、2−ナフチル、1−ナフチル、ビフェニル、ならびにtert−ブチルオキシ、ベンジルオキシ、n−ブチルオキシ、イソプロピルオキシおよびフェノキシによって必要に応じて置換される類似の環系が挙げられる。
【0067】
本明細書中において使用される場合、用語「必要に応じて」は、引き続いて記載される事象が生じるかもしれないしまた生じないかもしれないことを意味し、そして生じる事象および生じない事象の両方を含む。
【0068】
本明細書中において使用される場合、用語「置換される」は、指定の置換基(単数または複数)での置換をいい、別段の通知がない限り複数の程度の置換が容認される。
【0069】
本明細書中において使用される場合、化学構造用語「含む」または「含んでいる」は、1つ以上のO、S、SO、SO、NまたはN−アルキル(例えば−CH−O−CH−、−CH−SO−CH−、−CH−NH−CHなどを含む)のいずれかにおいて上記で規定される置換基に沿った任意の位置でのインライン置換をいう。
【0070】
本明細書中において使用される場合、用語「溶媒和物」は、溶質(本発明においては式(I)の化合物)および溶媒によって形成される可変化学量論の複合体である。本発明の目的についてのこのような溶媒は、この溶質の生物学的活性を妨げないかもしれない。溶媒は、例えば水、エタノールまたは酢酸であり得る。
【0071】
本明細書中において使用される場合、用語「生物的に加水分解可能なエステル」は、a)親物質の生物学的活性を妨げないが、インビボでこの物質に有利な性質(例えば作用の持続、作用の開始など)を得るか、またはb)生物学的に不活性であるが、被験体によってインビボで生物学的に活性な素に容易に転換されるかのいずれかの薬物物質(本発明においては上記の化合物)のエステルである。この利点は、例えば生物的に加水分解可能なエステルが、消化管から経口によって吸収され、そして血漿において(I)に変換されることである。このようなものの多くの例が当該分野で公知であり、そして例えば低級アルキルエステル(例えばC〜C)、低級アシルオキシアルキルエステル、低級アルコキシアシルオキシアルキルエステル、アルコキシアシルオキシエステル、アルキルアシルアミノアルキルエステルおよびコリンエステルが挙げられる。
【0072】
本明細書中において使用される場合、用語「生物的に加水分解可能なアミド」は、a)親物質の生物学的活性を妨げないが、インビボでこの物質に有利な性質(例えば作用の持続、作用の開始など)を得るか、またはb)生物学的に不活性であるが、被験体によってインビボで生物学的に活性な素に容易に転換されるかのいずれかの薬物物質(本発明においては一般式(I)の化合物)のアミドである。この利点は、例えば生物的に加水分解可能なアミドが、消化管から経口によって吸収され、そして血漿において(I)に変換されることである。このようなものの多くの例が当該分野で公知であり、そして例えば低級アルキルアミド、α−アミノ酸アミド、アルコキシアシルアミドおよびアルキルアミノアルキルカルボニルアミドが挙げられる。
【0073】
本明細書中において使用される場合、用語「プロドラッグ」は、生物的に加水分解可能なアミドおよび生物的に加水分解可能なエステルを含み、そしてまたa)このようなプロドラッグにおいて生物的に加水分解可能な官能基が式(I)の化合物に包含される化合物、例えばRにおけるカルボキシル基およびRにおけるアミンによって形成されるラクタム、ならびにb)所定の官能基において生物学的に酸化または還元されて、式(I)の薬物物質を生じ得る化合物を包含する。これらの官能基の例としては、1,4−ジヒドロピリジン、N−アルキルカルボニル−1,4−ジヒドロピリジン、1,4−シクロヘキサジエン、tert−ブチルなどが挙げられるがこれらに限定されない。
【0074】
用語「薬理学的に有効な量」は、研究者または臨床家によって追求されている組織、動物またはヒトの生物学的応答または医学的応答を惹起する薬物または薬学的因子の量を意味するべきである。この量は、治療有効量であり得る。
【0075】
用語「アルキル」または「アリール」あるいはこれらの接頭語根のいずれかが置換基の名称に現れるときはいつも(例えばアリールアルコキシアリールオキシ)、これらは「アルキル」および「アリール」について上記で得られるこれらの限定を含むように解釈されるべきである。アルキル置換基は、1以上の程度の不飽和を有する置換基と機能的に等価であるように認識されるべきである。指定の炭素原子数(例えばC1〜6)は、独立して、アルキル部分における炭素原子数をいうか、または用語「アルキル」がその接頭語根として現れるより大きな置換基のアルキル部分をいうべきである。同様に、用語「C〜Cアルケニル」および「C〜Cアルキニル」は、それぞれ2〜8の炭素原子および少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する化合基、または2〜8の炭素原子および少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する化合基をいう。
【0076】
本明細書中において使用される場合、用語「オキソ」は、置換基=Oをいうべきである。
【0077】
本明細書中において使用される場合、用語「ハロゲン」または「ハロ」は、ヨウ素、臭素、塩素およびフッ素を含むべきである。
【0078】
本明細書中において使用される場合、用語「メルカプト」は、置換基−SHをいうべきである。
【0079】
本明細書中において使用される場合、用語「カルボキシ」は、置換基−COOHをいうべきである。
【0080】
本明細書中において使用される場合、用語「シアノ」は、置換基−CNをいうべきである。
【0081】
本明細書中において使用される場合、用語「アミノスルホニル」は、置換基−SONHをいうべきである。
【0082】
本明細書中において使用される場合、用語「カルバモイル」は、置換基−C(O)NHをいうべきである。
【0083】
本発明はまた、式(I)の化合物の調製のための方法に加えて、式(I)の化合物の調製における中間体として有用な化合物の合成のための方法を提供する。
【0084】
適切に保護されるα−アミノ酸(1)(ここでPGはtert−ブトキシカルボニルのようなアミン保護基である)は、カップリング試薬(例えばジイソプロピルカルボジイミド(DIC)が挙げられるがこれに限定されない)の存在下でアミンと処理されて、アミド(2)を形成する。
【0085】
次いで(2)におけるα−アミノ基が脱保護されて(これはPGがtert−ブトキシカルボニルの場合について強酸(例えば塩化水素)を利用する)、遊離塩基または塩のいずれかとして、遊離のNH化合物(3)を得る(スキーム1)。アミノ保護基が存在しない場合、酸(4)の処理がアミド(5)を得る。
【0086】
(スキーム1)
【化38】

【0087】
化合物(6)のアミノ基をさらに誘導体化するために、遊離のアミノ化合物またはその適切な塩が、還元剤(例えばシアノ水素化ホウ素ナトリウムまたはトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム)の存在下でアルデヒドまたはケトンR40C(O)R41と処理されて化合物(7)を得、ここでR40およびR41は、(7)におけるRが式(I)についての明記に従うように規定される。あるいは、アミン化合物(6)が、第三級アミン塩基(例えばDIEA)、およびモル当量(またはやや過剰)の一般構造R−Q(ここでQは脱離基(例えば臭素)である)のアルキル化剤と処理されて、第二級アミン化合物(7)を形成し得る(スキーム2)。アミン(6)が、第三級アミン塩基(例えばトリエチルアミン)、および2モル当量(またはやや過剰)の一般構造R−Q(ここでQは脱離基(例えば臭素)である)のアルキル化剤と処理されて、アミン化合物(8)を形成し得る。
【0088】
(スキーム2)
【化39】

【0089】
化合物(3)のアミノ基をさらに誘導体化するために、遊離のアミノ化合物またはその適切な塩が、塩化スルホニル(例えば塩化ベンゼンスルホニル)と処理されて、スルホンアミド(10)を形成し得(スキーム3)、ここでR43は、C1〜6アルキル、C1〜6アルキルアリールまたはアリールである。あるいは、アミンR44−NHが塩化スルホニルと処理され、次いでこの中間体が(3)と処理されてスルホニル尿素(8)を得、ここでR45は、−NH−C1〜6アルキルまたは−NH−C1〜6アルキルアリールである。
【0090】
(スキーム3)
【化40】

【0091】
化合物(3)のアミノ基をさらに誘導体化するために、遊離のアミノ化合物またはその適切な塩が、第三級アミン塩基(例えばTEA)の存在下または非存在下においてイソシアナートR46NCOと処理されて、尿素(11)を形成し得(スキーム4)、ここでR46は、−C1〜6アルキルまたは−C1〜6アルキルアリールであり、そしてAはNHである。あるいは化合物(3)が、R46O−C(O)Clおよび第三級アミン塩基(例えばTEA)と処理されて尿素(11)を得、ここでR46は、−C1〜6アルキルまたは−C1〜6アルキルアリールであり、そしてAはOである。
【0092】
(スキーム4)
【化41】

【0093】
化合物(12)が、トリフェニルホスフィン、ジイソプロピルアゾジカルボキシラート(DIAD)またはジエチルアゾジカルボキシラート(DEAD)のいずれか、およびアルコールR47−OHと処理されて、保護基PGの除去後に化合物(13)を形成し得る(スキーム5)。R47は、−C1〜6アルキル、−C1〜6アルキルアリール、−C1〜6アルキル−OSi(C1〜6アルキル)、−C1〜6アルキル−OSi(C1〜6アルキルアリール)または−C1〜6アルキル−NR1415である(ただしR14もR15も水素ではない)。例えばPGは、tert−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどであり得る。
【0094】
(スキーム5)
【化42】

【0095】
化合物(3)またはその適切な塩は、ピリジンまたはDMAPの存在下または非存在下で酸無水物(R48−CO)Oおよび塩基(例えばTEA)と処理されて、化合物(14)を得うる(スキーム6)。置換基R48は、化合基R48−C(O)−が式(I)におけるRについて明記されるように選択され得る。あるいは化合物(3)は、ピリジンまたはDMAPの存在下または非存在下で酸塩化物R48−COClおよび第三級アミン塩基(例えばTEA)と処理されて化合物(14)を得うる。あるいは化合物(3)は、HOBtの存在下または非存在下でカルボン酸R48−COHおよびカルボジイミド試薬(例えばEDC、DICまたはDCC)と処理されて化合物(14)を提供し得る。
【0096】
(スキーム6)
【化43】

【0097】
化合物(3)またはその適切な塩は、第三級有機塩基(例えばTEA)の存在下で活性アミジン試薬(例えばN,N’−ビス−BOC−1−グアニルピラゾールまたは3,5−ジメチルピラゾール−1−カルボキサミジンニトラート)と処理されて、グアニジン化合物(15)を生成し得る(スキーム7)。グアニジン置換基の保護基が除去され得る。例えばN,N’−ビス−BOC−1−グアニルピラゾールが利用される場合、この付加物のBOC基が強酸(例えば塩化水素)を用いて除去されて、遊離グアニジン化合物(15)を得、ここでRおよびRは式(I)に規定される通りである。
【0098】
(スキーム7)
【化44】

【0099】
上記のスキームにおいて、「PG」はアミノ保護基を表す。本明細書中で使用される場合、用語「アミノ保護基」は、この化合物上の他の官能基を反応させながら、アミノ官能基をブロックまたは保護するために通常利用されるアミノ基の置換基をいう。このようなアミノ保護基の例としては以下が挙げられ、ホルミル基、トリチル基、フタルイミド基、トリクロロアセチル基、クロロアセチル基、ブロモアセチル基およびヨードアセチル基、ウレタン型保護基(本明細書中において使用されるようなPG)(例えばベンジルオキシカルボニル、4−フェニルベンジルオキシカルボニル、2−メチルベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、4−フルオロベンジルオキシカルボニル、4−クロロベンジルオキシカルボニル、3−クロロベンジルオキシカルボニル、2−クロロベンジルオキシカルボニル、2,4−ジクロロベンジルオキシカルボニル、4−ブロモベンジルオキシカルボニル、3−ブロモベンジルオキシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニル、4−シアノベンジルオキシ−カルボニル、2−(4−キセニル)イソ−プロポキシカルボニル、1,1−ジフェニルエタ−1−イルオキシカルボニル、1,1−ジフェニルプロパ−1−イルオキシカルボニル、2−フェニルプロパ−2−イルオキシカルボニル、2−(p−トルイル)プロパ−2−イルオキシカルボニル、シクロペンタニルオキシカルボニル、1−メチルシクロペンタニルオキシカルボニル、シクロヘキサニルオキシカルボニル、1−メチルシクロヘキサニルオキシカルボニル、2−メチルシクロヘキサニルオキシカルボニル、2−(4−トルイルスルホニル)エトキシカルボニル、2(メチルスルホニル)エトキシカルボニル、2−(トリフェニルホスフィノ)エトキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニル(「FMOC」)、t−ブトキシカルボニル(「BOC」)、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、1−(トリメチルシリルメチル)プロパ−1−エニルオキシカルボニル、5−ベンズイソオキサリルメトキシカルボニル、4−アセトキシベンジルオキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2−エチニル−2−プロポキシカルボニル、シクロプロピルメトキシカルボニル、4−(デシルオキシ)ベンジルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、1−ピペリジルオキシカルボニルなど)、ベンゾイルメチルスルホニル基、2−(ニトロ)フェニルスルフェニル基、ジフェニルホスフィンオキシド基、ならびに類似のアミノ保護基。利用されるアミノ保護基の種類は、誘導体化されるアミノ基が式(I)の化合物の他の位置上での引き続く反応の状態に安定であり、そしてこの分子の残りを崩壊せずに所望の点で除去され得る限りは重大ではない。好ましいアミノ保護基は、アリルオキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニルおよびトリチル基である。セファロスポリン、ペニシリンおよびペプチド分野において使用される類似のアミノ保護基がまた、上記の用語によって含まれる。上記の用語によって指示されるさらなる化合基の例は、J.W.Barton、「Protective Groups in Organic Chemistry」、J.G.W.McOmie、編、Plenum Press、New York、N.Y.、1973、第2章、およびT.W.Greene、「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley and Sons、New York、N.Y.、1981、第7章によって記載される。関連用語「保護アミノ」は、上記で議論されるアミノ保護基で置換されるアミノ基を規定する。
【0100】
(一般的実験)
LC−MSデータを、YMC Combiscreen ODS−A 50×4.6mmカラムを用いて、2487二重波長検出器を装備したWaters 600コントローラー上での勾配溶出およびLeap Technologies HTS PAL Autosamplerを用いて獲得した。25% B(97.5% アセトニトリル、2.5% 水、0.05% TFA)および75% A(97.5% 水、2.5% アセトニトリル、0.05% TFA)から100% Bの3分間勾配を流した。MSは、Micromass ZMD器械であった。すべてのデータを、別段の通知がない限りポジティブモードで獲得した。H NMRデータを、Varian 300 MHz分光計上で獲得した。
【0101】
本実施例において使用される略語は以下の通りである:
APCI=気圧化学イオン化
BOC=tert−ブトキシカルボニル
BOP=(1−ベンゾトリアゾリルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
d=日
DIAD=ジイソプロピルアゾジカルボキシラート
DCC=ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCM=ジクロロメタン
DIEA=ジイソプロピルエチルアミン
DMF=N,N−ジメチルホルムアミド
DMPU=1,3−ジメチルプロピレン尿素(dimethypropylene urea)
DMSO=ジメチルスルホキシド
EDC=1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩
EDTA=エチレンジアミン四酢酸
ELISA=固相酵素免疫検定法
ESI=エレクトロスプレーイオン化
ether=ジエチルエーテル
EtOAc=酢酸エチル
FBS=ウシ胎仔血清
g=グラム
h=時間
HBTU=O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HMPA=ヘキサメチルリン酸トリアミド
HOBt=1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
Hz=ヘルツ
i.v.=静脈内
kD=キロダルトン
L=リットル
LAH=水素化アルミニウムリチウム
LDA=リチウムジイソプロピルアミド
LPS=リポ多糖類
M=モル
m/z=質量対電荷の比
mbar=ミリバール
MeOH=メタノール
mg=ミリグラム
min=分
mL=ミリリットル
mM=ミリモル
mmol=ミリモル
mol=モル
mp=融点
MS=質量分析法
N=正常
NMM=N−メチルモルホリン、4−メチルモルホリン
NMR=核磁気共鳴分光法
p.o.=経口で
PBS=リン酸緩衝化生理食塩水溶液
PMA=酢酸ミリスチン酸ホルボール
ppm=百万分率
psi=1平方インチ当たりのポンド数
=相対TLC移動度
rt=室温
s.c.=皮下の
SPA=シンチレーション近接アッセイ
TEA=トリエチルアミン
TFA=トリフルオロ酢酸
THF=テトラヒドロフラン
THP=テトラヒドロピラニル
TLC=薄層クロマトグラフィー
=保持時間
以下の化合物をスキームに従って合成した。
【0102】
(一般的手順A:2,4−ジアルコキシアニリンの合成)
ステップ1:THF(0.1〜0.5M)における2,4−芳香族ジフルオロニトロ化合物(1当量)の溶液に、アルコール(2.2当量)を添加し、そしてこの反応混合物を0℃に冷却する。塩基(NaH、カリウムtert−ブトキシド)(2.2当量を超える)を部分状に0℃で添加する。この反応混合物を温め、そして24時間還流する。次いでこの反応混合物を室温まで冷却し、固体塩化アンモニウムで処理し、そして10分間撹拌する。この溶液を濾過し、真空中で濃縮し、そしてシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して2,4−芳香族ジアルコキシニトロ化合物を得る。あるいはこの反応混合物を室温まで冷却し得、冷水で急冷し得、そしてEtOAcで抽出し得る。乾燥および濃縮は、粗製芳香族ニトロ化合物を提供し、これをさらに精製せずに使用し得るか、またはシリカゲルクロマトグラフィーに供し得、次いで次のステップにおいて利用し得る。
【0103】
ステップ2:2,4−芳香族ジアルコキシニトロ化合物をエタノール(0.05〜0.5M)に溶解し、そして4M HCl/ジオキサン(1〜1.5当量)で処理し、その後SnCl2HO(5〜10当量)で処理する。次いでこの得られる反応混合物を、窒素下で一晩還流する。反応の完了後、固体重炭酸ナトリウムを、この反応混合物のpHが塩基性になるまで添加する。この混合物を濾過し、濃縮し、そして真空中で乾燥させて2,4−ジアルコキシアニリンを得る。
【0104】
(一般的手順B:2,4−ジアルコキシアニリンの合成)
ステップ1:DMF(60.1〜0.5M mL)における3−フルオロ−4−ニトロフェノール(1当量、4ミリモル)の撹拌溶液に、室温で固体KCO(2当量、8ミリモル)を添加する。ハロゲン化アルキルまたはメシラート(対応するアルコールおよび塩化メシルから調製される)(1.1当量、4.4ミリモル)をこの反応混合物に添加し、そしてTLCまたはHPLCによって示されるように反応が完了するまで80℃に加熱する。室温までの冷却後、この反応混合物を酢酸エチル(40ml)に注ぎ、そして水(2×20ml)およびブライン(30ml)で洗浄する。この有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、そしてこの乾燥剤の除去後、この溶媒を真空下で除去して所望の生成物を得る。この粗生成物を任意の精製を伴わずにさらなる変換について使用し得るか、またはシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いた精製後に使用し得る。
【0105】
ステップ2:上記のように得られる2−フルオロ−4−アルコキシニトロベンゼン(1当量、2ミリモル)の撹拌溶液に、アルコール(1.2当量)を添加し、そしてこの反応混合物を0℃まで冷却する。塩基(NaH、カリウムtert−ブトキシド)(1.2当量を超える)を部分状に0℃で添加する。この反応混合物を温め、そして一晩、または反応がTLCもしくはHPLCによって完結したと判断されるまで還流する。次いでこの反応混合物を室温まで冷却し、固体塩化アンモニウムで処理し、そして10分間撹拌する。この溶液を濾過し、真空中で濃縮し、そしてシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して2,4−芳香族ジアルコキシニトロ化合物を得る。あるいはこの反応混合物を室温まで冷却し得、冷水で急冷し得、そしてEtOAcで抽出し得る。乾燥および濃縮は、粗製芳香族ニトロ化合物を提供し、これをさらに精製せずに使用し得るか、またはシリカゲルクロマトグラフィーに供し得、次いで次のステップにおいて利用し得る。
【0106】
ステップ3:2,4−芳香族ジアルコキシニトロ化合物をエタノール(0.05〜0.5M)に溶解し、そして4M HCl/ジオキサン(1〜1.5当量)で処理し、その後SnCl2HO(5〜10当量)で処理する。次いでこの得られる反応混合物を、窒素下で一晩還流する。反応の完了後、固体重炭酸ナトリウムを、この反応混合物のpHが塩基性になるまで添加する。この混合物を濾過し、濃縮し、そして真空中で乾燥させて2,4−ジアルコキシアニリンを得る。
【0107】
(一般的手順C:アミンまたはアニリンの還元的アミノ化)
アミンおよびアルデヒドまたはケトン(1.5当量)を15mlの1,2−ジクロロエタン(アミンにおいて0.2〜0.5M)において混合し、そしてトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.5当量)で処理する。この混合物を一晩窒素下で撹拌する。この反応混合物を飽和重炭酸ナトリウムで失活させ、そしてエーテルまたはEtOAcで抽出する。この有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして真空中で濃縮して粗生成物を得、これは所望であれば、EtOAc/ヘキサンを用いて溶出するフラッシュクロマトグラフィーによって精製されて生成物を得る。
【0108】
(一般的手順D:カルボン酸およびアミンのカップリング)
ジクロロメタン(0.1〜0.5M)におけるカルボン酸(1.25当量)の溶液に、DCC(1.25当量)を添加し、その後適切な保護アニリン(1当量)を添加する。次いでこの反応混合物を室温で一晩撹拌する。この反応混合物を濾過し、そして濾液をDCMで希釈し、そして飽和NaCOおよびブラインで洗浄する。次いでこの有機層をNaSO上で乾燥させ、濾過し、そして濾液を濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィーによって精製してアミド誘導体を得る。
【0109】
(一般的手順E:シリル保護)
アルコールまたはフェノールをDMF(0.1〜0.5M)に溶解し、そしてイミダゾール(1.3当量)、その後TBDMS−Cl(1.3当量)を添加する。この反応物を一晩撹拌し、水で希釈し、そしてEtOAcで抽出した。この有機層を合わせ、そしてブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして真空中で溶媒を除去してシリルエーテルを得る。
【0110】
(一般的手順F:シリル脱保護)
このシリルエーテルをTHF(0.05〜0.5M)において撹拌し、そしてTHF(3当量)における1N テトラブチルアンモニウムフルオリドをこの溶液に添加する。この混合物を一晩撹拌し、そしてこの溶媒を真空中で除去して粗生成物を得る。あるいはこの粗生成物を水で処理し得、そしてEtOAcで抽出し得る。この有機層を乾燥させ、そして真空中で濃縮して遊離のアルコールまたはフェノールを得る。
【0111】
(一般的手順G:トリフェニルホスフィン/アゾジカルボキシラートカップリング)
基質のフェノールまたはカルボン酸をTHF(0.05〜0.5M)に溶解し、そして0℃まで冷却する。トリフェニルホスフィン(1〜4当量)、アルコール(1〜4当量)およびジイソプロピルアゾジカルボキシラート(DIAD)またはジエチルアゾジカルボキシラート(DEAD)(1〜4当量)を順に添加する。この反応物を室温まで徐々に温めながら一晩撹拌する。この反応混合物をEtOAc/水で希釈し、そして層を分離する。この水層をEtOAcでさらに抽出する。この有機層を合わせ、そして水およびブラインで洗浄し、そしてNaSO上で乾燥させる。この混合物を真空中で濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製してカップリング生成物を得る。
【0112】
(一般的手順H:フルオレニルメチルカルバマート基の除去)
この保護化合物をDCM中の20% ジエチルアミンの溶液において撹拌する。この反応物を5時間撹拌し、溶媒を除去し、そして生成物をヘキサンとともに数回粉砕して所望の化合物を得る。
【0113】
(一般的手順I:t−ブチルカルバマート基の除去)
この保護化合物を4N HCl/ジオキサンにおいて1時間撹拌する。溶媒を除去し、そして生成物をエーテルとともに数回粉砕して所望の化合物を得る。
【0114】
(実施例1)
3−(4−ベンジルオキシフェニル)プロピオン酸2,4−ジ−(3−ジエチルアミノ−1−プロポキシ)アニリンアミドを以下の手順に従って調製した。
【化45】

【0115】
4−ヒドロキシフェニルプロピオン酸(1.66g)をDMF(10mL)に溶解する。臭化ベンジル(3.76g)をこの反応混合物に添加し、そして0℃まで冷却した。固体NaH(油中60%分散;1g)を部分状に0℃で添加した。この反応混合物を徐々に60℃まで温め、そしてこの温度で一晩撹拌した。次いでこの反応混合物を室温まで冷却し、そしてこの反応混合物のpHが中性になるまで1N HClを添加した。次いでこの反応混合物を酢酸エチル(2×50mL)で抽出し、次いで合わせた抽出物を水(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄した。この有機抽出物をNaSO上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して白色固体(2.6g)として生成物エーテル中間体1aを得た。
【0116】
上記のように得られた1gの生成物、中間体1aを1:1のメタノール/水(10mL)に溶解し、そして固体NaOH(200mg)を添加し、そして一晩室温で撹拌した。次いでこの反応物を10% HClで酸性化してpHを2〜3までにした。次いでこの反応混合物を酢酸エチル(2×50mL)で抽出し、次いで合わせた抽出物を水(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄した。この有機抽出物をNaSO上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して白色固体(350mg)として4−ベンジルオキシフェニルプロピオン酸中間体1bを得た。
【0117】
上記のように得られる300mgのカルボン酸中間体1bをCHCl(5mL)に溶解し、そして塩化チオニル(250μL)を添加した。次いで得られる混合物を1時間還流し、そして室温まで冷却した。この溶媒を真空中で除去して静置の状態で淡く茶色がかった固体中間体1c(290mg)を提供した。
【0118】
THF(20mL)における2,4−ジフルオロニトロベンゼン(800mg)の溶液にN,N−ジエチルプロパノール(2.2mL)を添加し、そしてこの反応混合物を0℃まで冷却した。固体NaH(油中60%分散:ヘキサンでの洗浄:600mg)を部分状に0℃で添加した。この反応混合物を徐々に温め、24時間還流した。次いでこの反応混合物を室温まで冷却し、固体塩化アンモニウムを添加し、そして10分間撹拌した。この溶液を濾過し、真空中で濃縮し、そして溶離剤として2:10:90のトリエチルアミン/メタノール/クロロホルムを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、1.4gのニトロ生成物中間体1dを得た。
【0119】
上記のように得られるニトロ生成物中間体1dをエタノール(0.05〜0.5M)に溶解し、そして4M HCl/ジオキサン(1〜1.5当量)で処理し、その後SnClO(5g)で処理した。得られる反応混合物を窒素下で一晩還流した。反応の完了後、固体重炭酸ナトリウムをこの反応混合物のpHが塩基性になるまで添加した。この溶液を濾過し、濃縮し、そして真空中で乾燥させて茶色がかった樹脂(950mg)として2,4−(N,N−ジエチルアミノ)プロピルアニリン中間体1eを得た。
【0120】
CHCl(5mL)において上記のように調製される中間体1cの酸塩化物(70mg)の冷却(0℃)溶液に、中間体1eの2,4−(N,N−ジエチルアミノ)プロピルアニリン(80mg)を添加した。次いでこの反応混合物を徐々に室温まで温め、そして1時間撹拌した。この反応混合物にメタノール(0.5mL)を添加して、過剰な酸塩化物を消した。得られる溶液をCHCl(10mL)で希釈し、飽和(satd)重炭酸ナトリウム(5mL)を添加し、そして5分間撹拌した。この反応混合物を分液漏斗に取り、そして層を分離した。この有機層を水(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄した。この有機抽出物をNaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして5% メタノール/クロロホルムを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、淡黄色固体(120mg)として3−(4−ベンジルオキシフェニル)プロピオン酸2,4−ジ−(3−ジエチルアミノ−1−プロポキシ)アニリンアミドを得た。MS:m/z 590.4(M+H)。
【0121】
(実施例2)
3−(3−tert−ブトキシフェニル)−3−(9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ)プロピオン酸2,4−ジ−(3−ジエチルアミノプロポキシ)アニリンアミドを以下の手順に従って調製した。
【化46】

【0122】
アセトニトリル(5mL)における3−(3−tert−ブトキシフェニル)−3−(9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ)プロピオン酸(192mg)の溶液に、HBTU(200mg)およびDIEA(106mg)を室温で添加し、その後2,4−ジ−(3−ジエチルアミノプロポキシ)アニリン(137mg)を添加した。次いでこの反応混合物を室温で一晩撹拌した。この濾液を濃縮し、そしてシリカゲルカラム上で精製して210mgの3−(3−tert−ブトキシフェニル)−3−(9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ)プロピオン酸2,4−ジ−(3−ジエチルアミノプロポキシ)アニリンアミドを得た。LC:Tγ2.17分;MS:m/z 793(M+H)
【0123】
(実施例3)
3−(3−tert−ブトキシフェニル)−3−アミノプロピオン酸2,4−ジ−(3−ジエチルアミノプロポキシ)アニリンアミドを以下の手順に従って調製した。
【化47】

【0124】
実施例2の化合物(20mg)を一般的手順Hに記載されるように処理した。この固体生成物を収集し、そして真空下で乾燥させて淡茶色固体(10.5mg)のアミンを得た。
【0125】
(実施例4)
3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−アミノプロピオン酸4−ジエチルアミノエトキシカルボニル−2−ブトキシアニリンアミドジヒドロクロリドを以下の手順に従って調製した。
【化48】

【0126】
室温でアセトニトリル(2mL)におけるBOC−(4−テトラヒドロピラニル)アラニン(97mg)および4−ジエチルアミノエトキシカルボニル−2−ブトキシアニリン塩酸塩(120mg)の溶液に、HBTU(160mg)およびDIEA(175μL)を連続して添加した。得られる混合物を一晩撹拌した。深い赤みを帯びた反応混合物をEtOAc/水(5mL/3mL)で希釈し、そして層を分離した。この水層をEtOAc(5mL)でさらに抽出した。有機層を合わせ、そして水およびブラインで洗浄し、そしてNaSO上で乾燥させた。この溶液を濾過し、そして溶媒を真空中で除去した。得られる粗生成物を、溶離剤としてメタノール/CHCl/ヘキサン(1:20:20)を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、55mgのアミド生成物中間体4Aを得た。LC:Tγ1.90分;MS:m/z 564(M+H)
【0127】
このアミド中間体4Aを一般的手順Iに記載されるように処理する。この固体生成物を収集し、そして乾燥させて淡黄色固体(30mg)のアミン塩を得た。
【0128】
(実施例5)
(2S,4R)−4−tert−ブトキシピロリジン−2−カルボン酸2,4−ジ(3−ジエチルアミノ−1−プロポキシ)アニリンアミドを以下の手順に従って調製した。
【化49】

【0129】
5mLのアセトニトリルにおける(2S,4R)−4−tert−ブトキシ−1−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸(111mg、0.27mmol)の溶液を、HBTU(116mg:0.30mmol)およびDIEA(0.10mL、0.6mmol)を用いて室温で処理した。5分後、2,4−ジ(3−ジエチルアミノ−1−プロポキシ)アニリン(90mg、0.26mmol)を添加し、そして得られる溶液を一晩撹拌した。この反応混合物を10mLのブラインで希釈し、そして酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。この有機層を水(2×10mL)、飽和NaCO(1×10mL)、ブライン(1×10mL)で洗浄した。この有機層をNaSO上で乾燥させ、そして溶媒を真空中で除去した。この油性残渣をヘキサンとともに粉砕し、そしてシリカゲルカラム上で精製して固体として118mgのアミド中間体5aを得た。Tγ1.88分:m/z 743(M+H)
【0130】
20mgの中間体5aを一般的手順Hに記載されるように処理し、固体として9mgのアミンを得た。
【0131】
(実施例6)
(3S)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸4−ジエチルアミノエトキシカルボニル−2−ブトキシアニリンアミドジヒドロクロリドを以下の手順に従って調製した。
【化50】

【0132】
室温でDMFにおけるBOC−L−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸(1.1g)の溶液をDCC(412mg)で処理し、そして1時間撹拌した。次いでこの反応混合物を濾過し、そしてこの濾液を2−ブトキシ−4−ジエチルアミノエトキシカルボニルアニリン塩酸塩(345mg)およびトリエチルアミン(139μL)で処理した。得られる溶液を一晩室温で撹拌した。次いでこの反応物を酢酸エチルおよび5% 炭酸ナトリウム溶液で希釈した。この中身を分液漏斗中で振盪させ、そして層を分離した。この有機層を水およびブラインで洗浄した。次いでこの抽出物をMgSO上で乾燥させ、濾過し、そして溶媒を真空中で除去した。得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して所望の生成物中間体6aを得た。LC:Tγ4.72分;MS:m/z 568.6(M+H)。
【0133】
上記のように得られる生成物を一般的手順Iに記載されるように処理した。次いでこの固体生成物を収集し、そして真空下で乾燥させて淡黄色固体(30mg)を得た。LC:Tγ3.83分;MS:m/z 468.6(M+H)。
【0134】
(実施例7)
(R)−3−(4−ベンジルオキシフェニル)−2−(1−イミダゾリル)プロピオン酸4−ジエチルアミノエトキシカルボニル−2−ブトキシアニリンアミドを以下の手順に従って調製した。
【化51】

【0135】
CHCl(15mL)におけるBoc−D−Tyr(Bzl)−OH(1.11g)の溶液に、HOBT(406mg)およびDCC(681mg)を室温で窒素雰囲気下で添加した。2時間後、トリエチルアミン(840μL)および4−ジエチルアミノエトキシカルボニル−2−ブトキシアニリン塩酸塩(1.04g)を添加し、その後DMAP(36mg)を添加した。次いでこの反応混合物を室温で3日間撹拌し、そして濾過してジシクロヘキシル尿素を除去した。この濾液を濃縮し、そしてシリカゲルカラムクロマトグラフィー上で精製して1.2gの生成物アミド中間体7aを得た。LC:Tγ2.18分;MS:m/z 662(M+H)。
【0136】
上記のように得られる165mgの中間体7aを一般的手順Iに記載されるように処理した。次いでこの生成物を真空下で乾燥させて淡黄色固体の中間体7b(105mg)を得た。LC:Tγ1.75分;MS:m/z 562(M+H)。
【0137】
上記のように得られる32mgの塩酸塩中間体7bを100μLの水性グリオキサール、100μLの水性ホルムアルデヒドおよび38mgの酢酸アンモニウムで処理し、そしてこの反応混合物を一晩100℃まで加熱した。次いでこの反応混合物を室温まで冷却し、そしてこの反応混合物のpHが7〜8の間になるまで飽和重炭酸ナトリウム溶液を添加した。次いでこの反応混合物を酢酸エチル(2×5mL)で抽出し、次いで合わせた抽出物を水(5mL)およびブライン(5mL)で洗浄した。この有機抽出物をNaSO上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮し、そしてクロロホルムにおける5% メタノールを用いて溶出するシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、黄色固体として15mgの所望の生成物を得た。LC:Tγ1.80分;MS m/z 613(M+H)。
【0138】
(実施例8)
3−(4−tert−ブトキシフェニル)−3−(9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ)プロピオン酸2,4−ジ−(3−ジエチルアミノプロポキシ)アニリンアミドを以下の手順に従って調製した。
【化52】

【0139】
アセトニトリル(10mL)における3−(9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ)−3−(4−tert−ブトキシ)フェニルプロピオン酸(384mg)の溶液に、HBTU(400mg)およびDIEA(212mg)を室温で添加し、その後2,4−ジ−(3−ジエチルアミノプロポキシ)アニリン(274mg)を添加した。次いでこの反応混合物を室温で一晩撹拌した。この濾液を濃縮し、そしてシリカゲルカラム上で精製して325mgの生成物アミドを得た。LC:Tγ2.19分;MS:m/z 793(M+H)
【0140】
(実施例9)
3−アミノ−3−(4−tert−ブトキシフェニル)プロピオン酸2,4−ジ−(3−ジエチルアミノプロポキシ)アニリンアミドを以下の手順に従って調製した。
【化53】

【0141】
実施例8の化合物(200mg)を一般的手順Hに記載されるように処理した。この固体生成物を収集し、そして真空下で乾燥させて淡茶色固体(105mg)としてアミンを得た。MS:m/z 571(M+H)
【0142】
(実施例10)
3−(9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ)−3−(2−tert−ブトキシフェニル)プロピオン酸2,4−ジ−(3−ジエチルアミノプロポキシ)アニリンアミドを以下の手順に従って調製した。
【化54】

【0143】
アセトニトリル(10mL)における3−(9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ)−3−(2−tert−ブトキシ)フェニルプロピオン酸(370mg)の溶液に、HBTU(390mg)およびDIEA(212mg)を室温で添加し、その後2,4−ジ−(3−ジエチルアミノプロポキシ)アニリン(265mg)を添加した。次いでこの反応混合物を室温で一晩撹拌した。この濾液を濃縮し、そしてシリカゲルカラム上で精製して305mgの生成物アミドを得た。LC:Tγ2.23分;MS:m/z 793(M+H)
【0144】
(実施例11)
3−アミノ−3−(2−tert−ブトキシフェニル)プロピオン酸2,4−ジ−(3−ジエチルアミノプロポキシ)アニリンアミドを以下の手順に従って調製した。
【化55】

【0145】
実施例10の化合物(75mg)を一般的手順Hに記載されるように処理した。この固体生成物を収集し、そして真空下で乾燥させて茶色固体(30mg)のアミンを得た。MS:m/z 571(M+H)
【0146】
(実施例12)
3−イソプロピルアミノ−3−(3−tert−ブトキシフェニル)プロピオン酸2,4−ジ−(3−ジエチルアミノプロポキシ)アニリンアミドを以下の手順に従って調製した。
【化56】

【0147】
メタノール(5mL)における実施例3の化合物(650mg)の溶液に、アセトン(0.06mL)を添加した。40分後、THFにおける1.2mLの1M シアノ水素化ホウ素ナトリウムを添加した。この反応物を一晩撹拌し、溶媒を真空中で除去し、そして粗製化合物をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(4:1ヘキサン:EtOAC、10% TEA)によって精製して637mgを得た。
【0148】
LC:Tγ1.84分;MS:m/z 613(M+H)
【0149】
(実施例13)
(2R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]プロピオン酸4−(3−ジエチルアミノプロポキシ)−N−ベンジルアニリンアミドを以下の手順に従って調製した。
【化57】

【0150】
パラ−アミノフェノールを、一般的手順Cに従ってベンズアルデヒドを用いて還元的にアミノ化した。このフェノールを、一般的手順Eに従ってtert−ブチルジメチルシリル基で保護した。この生成物、4−O−tert−ブチルジメチルシリル−N−ベンジルアニリン(274mg)を、一般的手順Dに従ってN−Boc−O−ベンジルチロシンとのカップリングについて使用した。この生成物を一般的手順Fに従って脱シリル化して109mgを得た。LC:Tγ2.32分;MS:m/z 667(M+H)
【0151】
(実施例14)
(2R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]プロピオン酸4−(3−ジエチルアミノプロポキシ)−N−シクロペンチルメチルアニリンアミドを以下の手順に従って調製した。
【化58】

【0152】
パラ−アミノフェノールを、一般的手順Cに従ってシクロペンチルカルボキサルデヒドを用いて還元的にアミノ化した。このフェノールを、一般的手順Eに従ってtert−ブチルジメチルシリル基で保護した。この生成物、4−O−tert−ブチルジメチルシリル−N−ベンジルアニリン(274mg)を、一般的手順Dに従ってN−Boc−O−ベンジル−D−チロシンとのカップリングについて使用した。この生成物を一般的手順Fに従って脱シリル化して96mgを得た。LC:Tγ2.21分;MS:m/z 659(M+H)
【0153】
(実施例15)
(2R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]プロピオン酸4−(3−ジエチルアミノプロポキシ)−N−イソプロピルアニリンアミドを以下の手順に従って調製した。
【化59】

【0154】
パラ−アミノフェノールを、一般的手順Cに従ってイソブチルアルデヒドを用いて還元的にアミノ化した。このフェノールを、一般的手順Eに従ってtert−ブチルジメチルシリル基で保護した。この生成物、4−O−tert−ブチルジメチルシリル−N−ベンジルアニリン(274mg)を、一般的手順Dに従ってN−Boc−O−ベンジル−D−チロシンとのカップリングについて使用した。この生成物を一般的手順Fに従って脱シリル化して114mgを得た。LC:Tγ2.19分;MS:m/z 619(M+H)
【0155】
(実施例16)
(2R)−2−アミノ−3−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]プロピオン酸4−(3−ジエチルアミノプロポキシ)−N−シクロヘキシルメチルアニリンアミドを以下の手順に従って調製した。
【化60】

【0156】
パラ−アミノフェノールを、一般的手順Cに従ってシクロヘキサンカルボキサルデヒドを用いて還元的にアミノ化した。このフェノールを、一般的手順Eに従ってtert−ブチルジメチルシリル基で保護した。この生成物、4−O−tert−ブチルジメチルシリル−N−ベンジルアニリン(274mg)を、一般的手順Dに従ってN−Boc−O−ベンジル−D−チロシンとのカップリングについて使用した。この生成物を一般的手順Fに従って脱シリル化し、次いで得られる生成物を一般的手順Iに記載されるように処理して78mgを得た。LC:Tγ2.02分;MS:m/z 573(M+H)
【0157】
(実施例17)
(2R)−2−アミノ−3−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]プロピオン酸4−(3−ジエチルアミノプロポキシ)−N−シクロペンチルメチルアニリンアミドを以下の手順に従って調製した。
【化61】

【0158】
パラ−アミノフェノールを、一般的手順Cに従ってシクロペンタンカルボキサルデヒドを用いて還元的にアミノ化した。このフェノールを、一般的手順Eに従ってtert−ブチルジメチルシリル基で保護した。この生成物、4−O−tert−ブチルジメチルシリル−N−ベンジルアニリン(274mg)を、一般的手順Dに従ってN−Boc−O−ベンジル−D−チロシンとのカップリングについて使用した。この生成物を一般的手順Fに従って脱シリル化し、次いで得られる生成物を一般的手順Iに記載されるように処理して56mgを得た。LC:Tγ2.26分;MS:m/z 559(M+H)
【0159】
(実施例18)
(2R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]プロピオン酸4−(3−ジエチルアミノプロポキシ)−N−ブチルアニリンアミドを以下の手順に従って調製した。
【化62】

【0160】
4−アミノフェノール(550mg;5mmol)を室温でDCM(20mL)における酪酸(1.4mL;15mmol)の溶液に添加し、そして激しく撹拌した。この溶液にDCC(2.48g;12mmol)、その後DMAP(24mg)を添加し、そしてこの中身を室温で一晩撹拌した。次いでこの反応混合物を濾過し、そしてDCMで洗浄した。濾液を濃縮し、そしてメタノールに再溶解し、10% 重炭酸ナトリウム水溶液を添加し、そしてジアシル化(diacylated)副産物が消滅するまで(LC−MSによって検出されるように)激しく撹拌して、唯一の生成物として4−ブチルアミドフェノールを得た。この生成物をさらに精製せずにさらなる変換について使用した。
【0161】
塩化メシル(6.0mmol)を0℃で無水DCM(6mL)におけるN,N−ジエチルアミノプロパノール(6.0mmol)、TEA(6.0mmol)の撹拌溶液に滴下で添加し、そしてこの混合物を同じ温度で10分間撹拌し、そして室温でさらに1時間撹拌した。真空中での溶媒の除去後、固体残渣を、一般的手順Bに従って4−ブチルアミドフェノール(5.0mmol)および無水DMF(10mL)におけるKCO(10mmol)と混合した。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤として5% MeOH/DCM)を用いて精製して、4−(N,N−ジエチルアミノプロポキシ)ブチルアニリド(1.4g)を得た。
【0162】
上記のように得られるアニリド(2.5mmol)をTHF(5mL)に溶解し、そして0℃まで冷却した。THF(1M;4mL)におけるLAHの溶液をこの反応混合物に添加し、そして室温まで温めた。この中身を6時間還流し、室温まで冷却し、そして水素の発生が終了するまでメタノールを添加した。次いでこの反応混合物を濃縮し、CHClで抽出し、10% NHOHで洗浄し、その後水およびブラインで洗浄し、そしてNaSO上で乾燥させた。乾燥剤の除去後、粗生成物、4−(3−ジエチルアミノプロポキシ)アニリン(400mg)を任意の精製を伴わずにさらなる変換について使用した。
【0163】
アセトニトリル(2mL)における上記のように得られるアニリン(0.65mmol)をBoc−Tyr(Bzl)−OH(0.65mmol)およびHBTU(0.72mmol)とともに添加した。次いでこの反応混合物を室温で一晩撹拌した。濾液を濃縮し、そしてシリカゲルカラム上で精製して、100mgの所望の生成物を得た。LC:Tγ2.21分;MS m/z 632.8(M+H)
【0164】
(実施例19)
(2R)−2−アミノ−3−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]プロピオン酸4−(3−ジエチルアミノプロポキシ)−N−ブチルアニリンアミドを以下の手順に従って調製した。
【化63】

【0165】
実施例18の化合物(100mg)を一般的手順Iにおいて記載されるように処理した。最終収量60mg。LC:Tγ1.90分;MS m/z 532.7(M+H)
【0166】
(実施例20)
(2R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]プロピオン酸3−(3−ジエチルアミノプロポキシ)−N−ブチルアニリンアミドを以下の手順に従って調製した。
【化64】

【0167】
3−アミノフェノール(550mg;5mmol)を室温でDCM(20mL)における酪酸(1.4mL;15mmol)の溶液に添加し、そして激しく撹拌した。この溶液にDCC(2.48g;12mmol)、その後DMAP(24mg)を添加し、そしてこの中身を室温で一晩撹拌する。次いでこの反応混合物を濾過し、そしてDCMで洗浄した。濾液を濃縮し、そしてメタノールに再溶解し、10% 重炭酸ナトリウム水溶液を添加し、そしてジアシル化副産物が消滅するまで(LC−MSによって検出されるように)激しく撹拌して、唯一の生成物として3−ブチルアミドフェノールを得た。この生成物をさらに精製せずにさらなる変換について使用した。
【0168】
上記の実施例18に記載されるように調製されたN,N−ジエチルアミノプロパノール(6mmol)のメシラートを3−ブチルアミドフェノール(5.0mmol)および無水DMF(10mL)におけるKCO(10mmol)と混合し、そして反応を、一般的手順Bに従って行った。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤として5% MeOH/DCM)を用いて精製して、3−(N,N−ジエチルアミノプロポキシ)ブチルアニリド(1.3g)を得た。
【0169】
上記のように得られるアニリド(2.5mmol)をTHF(5mL)に溶解し、そして0℃まで冷却した。THF(1M;4mL)におけるLAHの溶液をこの反応混合物に添加し、そして室温まで温めた。この中身を6時間還流し、室温まで冷却し、そして水素の発生が終了するまでメタノールを添加した。次いでこの反応混合物を濃縮し、CHClで抽出し、10% NHOHで洗浄し、その後水およびブラインで洗浄し、そしてNaSO上で乾燥させた。乾燥剤の除去後、粗生成物、3−(3−ジエチルアミノプロポキシ)アニリン(500mg)を任意の精製を伴わずにさらなる変換について使用した。
【0170】
アセトニトリル(2mL)における上記のように得られるアニリン(0.65mmol)をBoc−D−Tyr(Bzl)−OH(0.65mmol)およびHBTU(0.72mmol)とともに添加した。次いでこの反応混合物を室温で一晩撹拌する。濾液を濃縮し、そしてシリカゲルカラム上で精製して、100mgの所望の生成物を得た。LC:Tγ2.14分 MS m/z 632.7(M+H)
【0171】
(実施例21)
(2R)−2−アミノ−3−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]プロピオン酸3−(3−ジエチルアミノプロポキシ)−N−ブチルアニリンアミドを以下の手順に従って調製した。
【化65】

【0172】
実施例20の化合物(100mg)を一般的手順Iにおいて記載されるように処理した。最終収量60mg。LC:Tγ1.78分 MS m/z 532.7(M+H)
【0173】
(実施例22)
3−(1−tert−ブトキシカルボニルピペリジン−4−イル)−2−(9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ)プロピオン酸4−ジエチルアミノプロポキシ−2−ブトキシアニリンアミドを以下の手順に従って調製した。
【化66】

【0174】
DMFにおける3−フルオロ−4−ニトロフェノール(5mmol)の撹拌溶液に、N,N−ジエチルアミノプロパノール(6mmol)のメシラートおよびKCO(10mmol)を添加し、そしてこの反応をフェノールのアルキル化についての一般的手順に従って行った。この粗生成物、2−フルオロ−4−(N,N−ジエチルアミノプロポキシ)ニトロベンゼンを任意の精製を伴わずにさらなる変換について使用した。
【0175】
上記の生成物を乾燥THF(10mL)に溶解し、そして一般的手順に従ってn−ブタノール(6mmol)およびKOtBu(5.5mmol)とともに0℃で添加した。この粗生成物、2−ブトキシ−4−(N,N−ジエチルアミノプロポキシ)ニトロベンゼンを任意の精製を伴わずにさらなる変換について使用した。
【0176】
上記のニトロ生成物(5mmol)を上記の一般的手順Bのステップ3に記載されるように水素化した。このように得られる生成物、2−ブトキシ−4−(N,N−ジエチルアミノプロポキシ)アニリンを任意の精製を伴わずにさらなる変換について使用した。
【0177】
DCM(2mL)における上記のように得られるアニリン(0.5mmol)をFmoc−Ala(4−N−Boc−ピペリジニル)−OH(0.65mmol)およびHBTU(0.72mmol)とともに添加した。次いでこの反応混合物を室温で一晩撹拌した。濾液を濃縮し、そしてシリカゲルカラム上で精製して300mgの所望の生成物を得た。LC:Tγ2.45分 MS m/z 772.0(M+H)
【0178】
(実施例23)
3−(ピペリジン−4−イル)−2−(9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ)プロピオン酸4−ジエチルアミノプロポキシ−2−ブトキシアニリンアミドを以下の手順に従って調製した。
【化67】

【0179】
実施例22の化合物(100mg)を一般的手順Iにおいて記載されるように処理した。最終収量52mg。LC:Tγ2.02分 MS m/z 672.0(M+H)
【0180】
(実施例24)
3−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)−2−(9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ)プロピオン酸4−ジエチルアミノプロポキシ−2−ブトキシアニリンアミドを以下の手順に従って調製した。
【化68】

【0181】
実施例23の化合物(100mg)を一般的手順Cにおいて記載されるようにベンズアルデヒドと処理した。最終収量110mg。LC:Tγ2.20分 MS m/z 762.0(M+H)
【0182】
(実施例25)
3−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)−2−アミノプロピオン酸4−ジエチルアミノプロポキシ−2−ブトキシアニリンアミドを以下の手順に従って調製した。
【化69】

【0183】
実施例24の化合物(75mg)を一般的手順Hにおいて記載されるように処理した。最終収量48mg。LC:Tγ2.20分 MS m/z 762.0(M+H)
【0184】
(実施例26)
3−(1−ベンジルオキシカルボニルピペリジン−4−イル)−2−(9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ)プロピオン酸4−ジエチルアミノプロポキシ−2−ブトキシアニリンアミドを以下の手順に従って調製した。
【化70】

【0185】
実施例23の化合物(60mg)をジオキサン(1.5mL)、および水(0.5mL)における1M 炭酸ナトリウムの溶液において、N−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミド(60mg)と処理した。この反応物を4時間撹拌し、EtOAcで抽出し、そして有機層をNaSO上で乾燥させた。溶媒を除去し、そしてこの生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。最終収量55mg。LC:Tγ2.60分 MS m/z 806.0(M+H)
【0186】
(実施例27)
3−(1−ベンゾイルピペリジン−4−イル)−2−(9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ)プロピオン酸4−ジエチルアミノプロポキシ−2−ブトキシアニリンアミドを以下の手順に従って調製した。
【化71】

【0187】
実施例23の化合物(45mg)をDCM(1mL)における塩化ベンジル(55mg)と0℃で処理した。この反応物を室温まで温め、そして2時間撹拌した。この反応物をDCMで希釈し、飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、そして有機層をNaSO上で乾燥させた。この溶媒を除去し、そして生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。最終収量27mg。LC:Tγ2.34分 MS m/z 776.0(M+H)
【0188】
(実施例28)
3−(1−ベンゾイルピペリジン−4−イル)−2−ベンゾイルアミノプロピオン酸4−ジエチルアミノプロポキシ−2−ブトキシアニリンアミドを以下の手順に従って調製した。
【化72】

【0189】
実施例27の化合物(45mg)を一般的手順Hに従って脱保護した。次いでこの生成物をDCM(1mL)における塩化ベンジル(55mg)と0℃で処理した。この反応物を室温まで温め、そして2時間撹拌した。この反応物をDCMで希釈し、飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、そして有機層をNaSO上で乾燥させた。この溶媒を除去し、そして生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。最終収量27mg。LC:Tγ2.34分 MS m/z 776.0(M+H)
【0190】
(実施例29)
3−(tert−ブトキシカルボニルピペリジン−3−イル)−2−(9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ)プロピオン酸4−ジエチルアミノプロポキシ−2−ブトキシアニリンアミドを以下の手順に従って調製した。
【化73】

【0191】
DMFにおける3−フルオロ−4−ニトロフェノール(5mmol)の撹拌溶液に、N,N−ジエチルアミノプロパノール(6mmol)のメシラートおよびKCO(10mmol)を添加し、そしてこの反応をフェノールのアルキル化についての一般的手順に従って行った。この粗生成物、2−フルオロ−4−(N,N−ジエチルアミノプロポキシ)ニトロベンゼンを任意の精製を伴わずにさらなる変換について使用した。
【0192】
上記の生成物を乾燥THF(10mL)に溶解し、そして一般的手順Aに従ってn−ブタノール(6mmol)およびKOBu(5.5mmol)とともに0℃で添加する。この粗生成物、2−ブトキシ−4−(N,N−ジエチルアミノプロポキシ)ニトロベンゼンを任意の精製を伴わずにさらなる変換について使用した。
【0193】
上記のニトロ生成物(5mmol)を上記の一般的手順Bのステップ3に記載されるように水素化した。このように得られる生成物、2−ブトキシ−4−(N,N−ジエチルアミノプロポキシ)アニリンを任意の精製を伴わずにさらなる変換について使用した。
【0194】
DCM(2mL)における上記のように得られるアニリン(0.5mmol)をFmoc−Ala(3−N−Boc−ピペリジニル)−OH(0.65mmol)およびHBTU(0.72mmol)とともに添加した。次いでこの反応混合物を室温で一晩撹拌した。濾液を濃縮し、そしてシリカゲルカラム上で精製して300mgの所望の生成物を得た。LC:Tγ2.56分 MS m/z 772.0(M+H)
【0195】
(実施例30)
3−(ピペリジン−3−イル)−2−(9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ)プロピオン酸4−ジエチルアミノプロポキシ−2−ブトキシアニリンアミドを以下の手順に従って調製した。
【化74】

【0196】
実施例29の化合物(100mg)を一般的手順Iにおいて記載されるように処理した。最終収量52mg。LC:Tγ1.96分 MS m/z 672.0(M+H)
【0197】
(生物学的アッセイ)
以下のアッセイ方法は、式(I)の化合物を同定するために利用され、この化合物は、RAGEとの結合に有効であり、従ってRAGEのモジュレーター、好ましくはアンタゴニストとして有用である。この方法はまた、2001年3月5日に出願された同時係属中の米国出願番号第09/799,152号に記載され、そして主張されている。
【0198】
(一般的アッセイ手順)
100mM 重炭酸ナトリウム/炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.8)におけるS100b、βアミロイドおよびCML(1ウェル当たり500ng/100μL)を、NUNC Maxisorp平底96ウェルマイクロタイタープレートのウェル上にロードする。このプレートを4℃で一晩インキュベートする。このウェルを吸引し、そして37℃で2時間、1% ウシ血清アルブミン(BSA)を含む50mM イミダゾール緩衝化生理食塩水(pH7.2)(1mM CaCl/MgClを含む)(1ウェル当たり300μL)で処理する。このウェルを吸引し、そして155mM NaCl pH7.2緩衝化生理食塩水で3回(1ウェル当たり400μL)洗浄し、そして各々の洗浄の間に10秒間浸す。
【0199】
試験化合物を、ナノピュア(nanopure)水(濃度:10〜100μM)に溶解する。DMSOを共溶媒として使用し得る。2% DMSOにおける25μLの試験化合物溶液を、75μL sRAGE(4.0×10−4mg/mL FAC)とともに各々のウェルに添加し、そしてサンプルを37℃で1時間インキュベートする。このウェルを155mM NaCl pH7.2緩衝化生理食塩水で3回洗浄し、そして各々の洗浄の間に10秒間浸す。
【0200】
非放射性結合を、0.2% ウシ血清アルブミンおよび1mM CaClを含む5mLの50mM イミダゾール緩衝化生理食塩水(pH7.2)に以下を添加することによって行う。
【0201】
10μLのビオチン化ヤギF(ab’)2抗マウスIgG(8.0×10−4mg/mL、FAC)
10μLのアルカリホスファターゼ(Alk−phos−)ストレプトアビジン(3×10−3mg/mL FAC)
10μLのsRAGEに対するポリクローナル抗体(FAC 6.0×10−3mg/mL)。
【0202】
この混合物を37℃で30分間インキュベートする。100μLの複合体を各々のウェルに添加し、そしてインキュベーションを室温で1時間行う。ウェルを洗浄緩衝液で3回洗浄し、そして各々の洗浄の間に10秒間浸す。1M ジエタノールアミン(HClでpHを9.8に調整する)における100μLの1mg/mL(pNPP)を添加する。色を室温で1〜2時間、暗所で顕色する。この反応を、10μLの停止溶液(50% エタノールにおける0.5N NaOH)で停止し、そして吸光度を405nmにおいてマイクロプレートリーダーで分光光度計によって測定する。
【0203】
ELISAアッセイのIC50(μM)は、50%のシグナルが阻害されている化合物の濃度を表す。
【表2】

【表3】

【0204】
本発明は、本発明のRAGE調節化合物からなる薬学的組成物をさらに提供する。用語「薬学的組成物」は、本明細書中で使用されて、哺乳動物宿主に、例えば経口、局所、非経口、吸入スプレーまたは直腸によって、従来の無毒性の担体、希釈剤、アジュバント、ベヒクルなどを含む単位投薬製剤において投与され得る組成物を意味する。本明細書中で使用されるような用語「非経口」は、皮下注入、静脈内注入、筋肉内注入、槽内注入または注入技術によるものを含む。
【0205】
本発明の化合物を含む薬学的組成物は、例えば錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性懸濁液もしくは油性懸濁液、分散可能粉末もしくは分散可能顆粒、乳剤、ハードカプセルもしくはソフトカプセル、またはシロップもしくはエリキシルとしての経口使用に適切な形態にあり得る。経口使用について意図される組成物は、任意の公知の方法に従って調製され得、そしてこのような組成物は、薬学的に洗練されかつ口に合う製剤を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤および防腐剤からなる群より選択される1つ以上の因子を含み得る。錠剤は、無毒性の薬学的に許容可能な賦形剤と混合して活性成分を含み得、これは錠剤の製造に適切である。これらの賦形剤は、例えば不活性希釈剤(例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム)、顆粒化剤および崩壊剤(例えばコーンスターチまたはアルギン酸)、結合剤(例えばデンプン、ゼラチンまたはアカシア)および潤滑剤(例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルク)であり得る。この錠剤はコーティングされないかもしれないか、または胃腸管における崩壊および吸収を遅延し、それによってより長い期間にわたる持続作用を提供するために、公知の技術によってコーティングされ得る。例えば、時間遅延物質(例えばモノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリル)が利用され得る。これらはまた、本明細書中において参考として援用される米国特許第4,356,108号、同第4,166,452号および同第4,265,874号に記載される技術によってコーティングされて、制御放出のための浸透性治療錠剤を形成し得る。
【0206】
経口使用のための製剤はまた、ハードゼラチンカプセル(ここでこの活性成分は、不活性固形希釈剤(例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリン)と混合される)あるいはソフトゼラチンカプセル(ここでこの活性成分は、水または油媒体(例えばラッカセイ油、流動パラフィンもしくはオリーブ油)と混合される)として得られ得る。
【0207】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適切な賦形剤と混合して活性化合物を含み得る。このような賦形剤は、懸濁剤(例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアラビアゴム)であり、分散剤または湿潤剤は、天然に存在するホスファチド(例えばレシチン)、あるいはアルキレンオキシドの脂肪酸との縮合生成物(例えばポリオキシエチレンステアラート)、またはエチレンオキシドの長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール)、またはエチレンオキシドの脂肪酸およびヘキシトール由来の部分エステルとの縮合生成物(例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレアート)、またはエチレンオキシドの脂肪酸および無水ヘキシトール由来の部分エステルとの縮合生成物(例えばポリエチレンソルビタンモノオレアート)であり得る。この水性懸濁液はまた、1つ以上の着色剤、1つ以上の香味剤および1つ以上の甘味剤(例えばスクロースまたはサッカリン)を含み得る。
【0208】
油性懸濁液は、活性成分を植物油(例えばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油またはヤシ油)あるいは鉱油(例えば流動パラフィン)に懸濁することによって製剤化され得る。この油性懸濁液は、濃化剤(例えばみつろう、ハードパラフィンまたはセチルアルコール)を含み得る。上記で示されるような甘味剤および香味剤は、口に合う経口製剤を提供するために添加され得る。これらの組成物は、抗酸化剤(例えばアスコルビン酸)の添加によって保存され得る。
【0209】
水の添加による水性懸濁液の調製に適切な分散可能粉末および顆粒は、分散剤または湿潤剤、懸濁剤および1つ以上の防腐剤と混合して活性化合物を提供する。適切な分散剤または湿潤剤、および懸濁剤は、上記ですでに述べられるものによって例示される。さらなる賦形剤(例えば甘味剤、香味剤および着色剤)がまた存在し得る。
【0210】
本発明の薬学的組成物はまた、水中油形乳剤の形態にあり得る。この油相は、植物油(例えばオリーブ油もしくはラッカセイ油)または鉱油(例えば流動パラフィン)、あるいはその混合物であり得る。適切な乳化剤は、天然に存在するゴム(例えばアラビアゴムまたはトラガカントゴム)、天然に存在するホスファチド(例えばダイズ、レシチン)、およびエステルまたは脂肪酸および無水ヘキシトール由来の部分エステル(例えばソルビタンモノオレアート)、ならびに上記の部分エステルのエチレンオキシドとの縮合生成物(例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート)であり得る。この乳剤はまた、甘味剤および香味剤を含み得る。
【0211】
シロップおよびエリキシルは、甘味剤(例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロース)とともに製剤化され得る。このような製剤はまた、粘滑剤、防腐剤、ならびに香味剤および着色剤を含み得る。この薬学的組成物は、滅菌注入可能な水性または油性懸濁液の形態にあり得る。この懸濁液は、上記の適切な分散剤または湿潤剤、および懸濁剤を用いて、公知の方法に従って製剤化され得る。この滅菌注入可能製剤はまた、無毒の非経口許容の希釈剤または溶媒における滅菌注入可能溶液または懸濁液(例えば1,3−ブタンジオールにおける溶液として)であり得る。利用され得る許容可能なベヒクルおよび溶媒は、水、リンガー液および等張の塩化ナトリウム溶液である。さらに、滅菌不揮発性油が、溶媒または懸濁媒体として簡便に利用される。この目的について、任意の口当たりのよい不揮発性油が、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを用いて利用され得る。さらに、脂肪酸(例えばオレイン酸)は、注入可能物質の調製における使用を提供する。
【0212】
この組成物はまた、本発明の化合物の直腸投与についての坐剤の形態にあり得る。これらの組成物は、薬物を適切な非刺激性賦形剤と混合することによって調製され得、この賦形剤は、通常の温度では固体であるが、直腸温度では液体であり、従って直腸で溶解して薬物を放出する。このような物質としては、例えばカカオ脂およびポリエチレングリコールが挙げられる。
【0213】
局所使用について、本発明の化合物を含む懸濁液のクリーム、軟膏、ゼリー、溶液などが意図される。この適用の目的について、局所適用は、口内洗浄剤および含嗽剤を含むべきである。
【0214】
本発明の化合物はまた、リポソーム送達系(例えば小さな単層小胞、大きな単層小胞および多層小胞)の形態で投与され得る。リポソームは、種々のリン脂質(例えばコレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリン)から形成され得る。
【0215】
また、本発明によって本発明のプロドラッグが提供される。
【0216】
本発明の化合物の薬学的に許容可能な塩(ここで塩基性基または酸性基がこの構造中に存在する)がまた、本発明の範囲内に含められる。用語「薬学的に許容可能な塩」は、本発明の化合物の無毒性塩をいい、これは一般的に遊離塩基を適切な有機酸または無機酸と反応させることによって調製されるか、あるいは酸を適切な有機塩基または無機塩基と反応させることによって調製される。代表的な塩としては、以下の塩が挙げられる。例えば酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシラート、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩化水素化物、エデト酸塩、エジシラート、エストレート、エシレート、フマル酸塩、グルセプテート、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニラート、ヘキシルレゾルシナート、ヒドラバミン(Hydrabamine)、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトアート、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシラート、臭化メチル、硝酸メチル、硫酸メチル、マレイン酸一カリウム、ムチン酸塩(Mucate)、ナプシラート、硝酸塩、N−メチルグルカミン、シュウ酸塩、パモエート(エンボナート)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、カリウム、サリチル酸塩、ナトリウム、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクラート、トシラート、トリエチオジド、トリメチルアンモニウムおよび吉草酸塩。酸性置換基(例えば−COOH)が存在する場合、投薬形態としての使用について、アンモニウム塩、モルホリニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、バリウム塩、カルシウム塩などが形成され得る。塩基性基(例えばアミノまたは塩基性のヘテロアリール遊離基(例えばピリジル))が存在する場合、酸性塩(例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、トリフルオロ酢酸塩、トリクロロ酢酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩(oxlate)、マレイン酸塩、ピルビン酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、ケイ皮酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ピクリン酸塩など)が形成され得、そしてJournal of Pharmaceutical Science、66、2(1977)、1〜19頁に列挙される薬学的に許容可能な塩に関連した酸を含む。
【0217】
薬学的に許容可能ではない他の塩は、本発明の化合物の調製において有用であり得、そしてこれらは本発明のさらなる態様を形成する。
【0218】
さらに、本発明の化合物のいくつかが、水または一般的な有機溶媒と溶媒和物を形成し得る。このような溶媒和物はまた、本発明の範囲内に包含される。
【0219】
従ってさらなる実施態様において、本発明の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグ、および1つ以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤からなる薬学的組成物が提供される。
【0220】
本発明の化合物は、1つの内因性リガンドに結合するRAGEのモジュレーター、すなわちβアミロイド−RAGE相互作用の選択的モジュレーターとして選択的に作用し、従ってアルツハイマー病および関連する痴呆の処置において特に有利である。
【0221】
さらに、本発明の化合物は、他よりむしろ2つ以上の内因性リガンドとのRAGE相互作用のモジュレーターとして作用する。このような化合物は、RAGEによって媒介される関連病理または非関連病理(すなわちアルツハイマー病および癌)の処置において有利である。
【0222】
さらに、本発明の化合物は、そのリガンドのうちのどの1つにも結合するRAGEのモジュレーターとして作用し、それによって酸化ストレスの発生およびNF−κB調節遺伝子(例えばサイトカイン、IL−1およびTNF−α)の活性化が妨げられる。従って、RAGEへの生理学的リガンドの結合の拮抗は、標的される異常生理学的結果を妨げ、そして疾患の処理または処置に有用である(すなわち、AGE−RAGE相互作用は、糖尿病の合併症を導き、S100/EN−RAGE/カルグラニュリン−RAGE相互作用は、炎症疾患を導き、βアミロイド−RAGE相互作用は、アルツハイマー病を導き、そしてアンホテリン−RAGE相互作用は、癌を導く)。
【0223】
(I.RAGEおよび糖尿病の合併症)
上記のように、本発明の化合物は糖尿病の合併症の処置に有用である。最終的に終末糖化物質(AGE)の形成をもたらす高分子の非酵素的グリコシド化(glycoxidation)が、炎症部位、腎不全、高血糖の存在および全身性または局所性の酸化ストレスに関連した他の状態の存在において増強されることが示されている(Dyer,D.ら、J.Clin.Invest.、91:2463〜2469(1993);Reddy,S.ら、Biochem.、34:10872〜10878(1995);Dyer,D.ら、J.Biol.Chem.、266:11654〜11660(1991);Degenhardt,T.ら、Cell Mol.Biol.、44:1139〜1145(1998))。血管構造におけるAGEの蓄積は、限局性に発生し得るか(透析に関連したアミロイドーシスを伴う患者において見出されるAGE−βミクログロブリンから構成される関節のアミロイドにおけるように)(Miyata,T.ら、J.Clin.Invest.、92:1243〜1252(1993);Miyata,T.ら、J.Clin.Invest.、98:1088〜1094(1996))、または広く発生し得る(糖尿病を伴う患者の血管構造および組織によって例示されるように)(Schmidt,A−M.ら、Nature Med.、1:1002〜1004(1995))。糖尿病を伴う患者における経時でのAGEの進歩的な蓄積は、内因性のクリアランス機構が、AGE沈着の部位で有効に機能することができないことを示唆している。このような蓄積されるAGEは、多くの機構によって細胞性質を変更する能力を有する。RAGEが正常組織および正常な血管構造において低レベルで発現されるが、このレセプターのリガンドが蓄積する環境においては、RAGEがアップレギュレートされるようになることが示されている(Li,J.ら、J.Biol.Chem.、272:16498〜16506(1997);Li,J.ら、J.Biol.Chem.、273:30870〜30878(1998);Tanaka,N.ら、J.Biol.Chem.、275:25781〜25790(2000))。RAGE発現は、糖尿病の血管構造における内皮細胞、平滑筋細胞および浸潤性の単核食細胞において増大される。また細胞培養における研究は、AGE−RAGE相互作用が、血管のホメオスタシスにおいて重要な細胞性質の変化を引き起こしたことを実証した。
【0224】
(II.RAGEおよびアミロイドーシスにおける細胞機能不全)
また上記のように、本発明の化合物は、アミロイドーシスおよびアルツハイマー病の処置において有用である。RAGEは、サブユニットの構成に関係なくβシートの原線維物質(アミロイド−βペプチド、Aβ、アミリン、血清アミロイドA、プリオン由来ペプチド)を結合する細胞表面レセプターのようである(Yan,S−D.ら、Nature、382:685〜691(1996);Yan,S−D.ら、Nat.Med.、6:643〜651(2000))。アミロイドの沈着は、RAGEの発現の増強をもたらすことが示されている。例えば、アルツハイマー病(AD)を伴う患者の脳において、RAGE発現は、ニューロンおよびグリアにおいて増大する(Yan,S−D.ら、Nature 382:685〜691(1996))。RAGEとのAβ相互作用の結果は、ニューロン対小グリア細胞に対して全く異なるようである。小グリア細胞は、Aβ−RAGE相互作用の結果として活性化されるようになるが、一方運動性の増大およびサイトカインの発現によって反映されるように、早期のRAGE媒介性のニューロンの活性化は、より遅い時点で細胞傷害性に取って代わる。Aβの細胞相互作用におけるRAGEについての役割のさらなる証拠は、このレセプターがブロックされた場合のAβ誘導性の大脳血管収縮の阻害および脳実質への血液脳関門を横切るペプチドの移動に関係する(Kumar,S.ら、Neurosci.Program、p141〜#275.19(2000))。RAGE−アミロイド相互作用の阻害は、細胞性RAGEの発現および細胞ストレスマーカー(ならびにNF−κB活性化)を減少させ、そしてアミロイド沈着を減少させることが示されており(Yan,S−D.ら、Nat.Med.、6:643〜651(2000))、これはアミロイドが豊富な環境(早期の段階であっても)での細胞性質の混乱ならびにアミロイド蓄積での細胞性質の混乱の両方におけるRAGE−アミロイド相互作用についての役割を示唆する。
【0225】
(III.RAGEおよび免疫/炎症応答の伝播)
上記のように、本発明の化合物は炎症の処置に有用である。例えば、S100/カルグラニュリンは、結合ペプチドによって連結される2つのEFハンド領域によって特徴付けられる密に関連したカルシウム結合ポリペプチドのファミリーからなることが示されている(Schafer,B.ら、TIBS、21:134〜140(1996);Zimmer,D.ら、Brain Res.Bull.、37:417〜429(1995);Rammes,A.ら、J.Biol.Chem.、272:9496〜9502(1997);Lugering,N.ら、Eur.J.Clin.Invest.、25:659〜664(1995))。S100/カルグラニュリンはシグナルペプチドを欠失するが、嚢胞性線維症および慢性関節リウマチにおけるように、S100/カルグラニュリンは、特に慢性の免疫/炎症応答部位で細胞外空間へのアクセスを獲得することが広く知られていた。RAGEは、多くのメンバーのS100/カルグラニュリンファミリーに対するレセプターであり、このファミリーは、細胞(例えばリンパ球および単核食細胞)に対するその炎症性(proinflammatory)効果を媒介する。また、遅延型過敏症応答、IL−10ヌルマウスにおける大腸炎、コラーゲン誘導性関節炎および実験的自己免疫脳炎モデルに対する研究は、RAGE−リガンド相互作用(おそらくS100/カルグラニュリンとの相互作用)が、炎症カスケードにおいて隣接した役割を有することを示唆している。
【0226】
(IV.RAGEおよびアンホテリン)
上記のように、本発明の化合物は、腫瘍および腫瘍転移の処置に有用である。例えばアンホテリンは、高速移動群Iの非ヒストン染色体DNA結合タンパク質であり(Rauvala,H.ら、J.Biol.Chem.、262:16625〜16635(1987);Parkikinen,J.ら、J.Biol.Chem.268:19726〜19738(1993))、これはRAGEと相互作用することが示されている。アンホテリンが、神経突起成長を促進し、ならびに線維素溶解系におけるプロテアーゼ複合体の集合のための表面として役立つことが示されている(また細胞移動度に寄与することが公知である)。さらに、RAGEをブロックする局所的な腫瘍成長阻害効果が、原発性腫瘍モデル(C6グリオーマ)、ルイス肺転移モデル(Taguchi,A.ら、Nature 405:354〜360(2000))、およびv−Ha−ras導入遺伝子を発現するマウスにおいて自発的に生じる乳頭腫(Leder,A.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.、87:9178〜9182(1990))において観察されている。
【0227】
アンホテリンは、高速移動群Iの非ヒストン染色体DNA結合タンパク質である(Rauvala,H.およびR.Pihlaskari.1987.Isolation and some characteristics of an adhesive factor of brain that enhances neurite outgrowth in central neurons. J.Biol.Chem.262:16625〜16635. Parkikinen,J.、E.Raulo、J.Merenmies、R.Nolo、E.Kajander、M.BaumannおよびH.Rauvala.1993.Amphoterin,the 30 kDa protein in a family of HIMG1−type polypeptides. J.Biol.Chem.268:19726〜19738)。
【0228】
(V.RAGEおよび勃起機能不全)
海綿状の(cavernosal)小動脈および洞における平滑筋細胞の弛緩は、陰茎への血流の増大をもたらし、これは海綿体圧力を上昇させて、陰茎の勃起を最高潮に至らせる。一酸化窒素は、海綿状の平滑筋弛緩の原理的な刺激因子と考えられる(Wingard CJ、Clinton W、Branam H、Stopper VS、Lewis RW、Mills TM、Chitaley K. Antagonism of Rho−kinase stimulates rat penile erection via a nitric oxide−independent pathway. Nature Medicine 2001 Jan;7(1):119〜122を参照のこと)。RAGE活性化は、NADHオキシダーゼ様酵素を介してオキシダントを産生し(Yan,S−D.、Schmidt A−M.、Anderson,G.、Zhang,J.、Brett,J.、Zou,Y−S.、Pinsky,D.およびStern,D. Enhanced cellular oxidant stress by the interaction of advanced glycation endproducts with their receptors/binding proteins. J.Biol.Chem.269:9889〜9887、1994を参照のこと)、従って一酸化窒素の循環を抑制する。場合によってはAGEの細胞内産生を減少させることによるRAGEシグナリング経路の活性化の阻害によって、オキシダントの発生が弱められる。RAGE遮断薬は、RAGEへのリガンドのアクセスをブロックすることによって、陰茎の勃起を促進および容易にし得る。
【0229】
このカルシウム感作性のRhoキナーゼ経路は、陰茎の弛緩を維持するために、海綿状の血管収縮において相乗作用的役割を果たし得る。Rhoキナーゼの拮抗作用は、海綿体圧力の増大をもたらし、これは一酸化窒素とは無関係に勃起性応答を開始する(Wingardら)。RAGEによって活性化されるシグナリング機構のうちの1つは、Rhoキナーゼファミリー(例えばcdc42およびrac)を伴う(Huttunen HJ、Fages C、Rauvala H. Receptor for advanced glycation end products(RAGE)−mediated neurite outgrowth and activation of NF−kappaB require the cytoplasmic domain of the receptor but different downstream signaling pathway. J.Biol Chem 1999 Jul 9;274(28):19919〜24を参照のこと)。従って、RAGEシグナリング経路の抑制を介したRhoキナーゼの活性化の阻害は、一酸化窒素とは無関係に陰茎の勃起を増強および刺激する。
【0230】
従ってさらなる態様において、本発明は、RAGEの生理学的リガンドとの相互作用の阻害のための方法を提供する。この態様の好ましい実施態様において、本発明は、急性炎症および慢性炎症、糖尿病の症状、血管透過性、腎障害、アテローム性動脈硬化症、網膜症、アルツハイマー病、勃起機能不全ならびに腫瘍浸潤および/または腫瘍転移からなる群より選択される疾患状態の処置のための方法を提供し、これはこの処置を必要とする被験体に本発明の化合物を好ましくは薬理学的に有効な量で、より好ましくは治療有効量で投与するステップからなる。好ましい実施態様において、少なくとも1つの式(I)の化合物が、単独または1つ以上の公知の治療剤と組み合わせてのいずれかで利用される。さらに好ましい実施態様において、本発明は、RAGE媒介性ヒト疾患の予防および/または処置(処置は、この特定の障害についての完全な治癒またはこの障害の発生の予防のために、この障害から生じる1つ以上の症状の緩和からなる)の方法を提供し、この方法は、これを必要とするヒトに治療有効量の本発明の化合物、好ましくは式(I)の化合物を投与するステップからなる。
【0231】
この方法において、有効量を構成するものに影響を及ぼす因子は、被験体の寸法および体重、治療剤の生分解性、治療剤の活性、ならびにそのバイオアベイラビリティーに依存する。本明細書中で使用される場合、句「それを必要とする被験体」は、哺乳動物被験体、好ましくはヒトを含み、このヒトは、1つ以上の前述の疾患または疾患状態に罹患するか、あるいはこのような疾患または疾患状態の危険性にあるかのいずれかである。従って、本発明の治療方法の文脈において、この方法はまた、哺乳動物被験体を予防的に、すなわちこのような疾患または疾患状態の診断の開始前に処置するための方法から構成される。
【0232】
本発明のさらなる態様において、本発明のRAGEモジュレーターは、アジュバントの治療処置または他の公知の治療剤との組み合わせ治療処置において利用される。
【0233】
本明細書中で使用される場合、用語「処置」は、患者が患っている所定の障害についての処置の完全なスペクトルをいい、これはこの特定の障害についての完全な治癒またはこの障害の発生の予防のために、この障害から生じるあるすべての症状のうちの大多数の緩和を含む。
【0234】
以下は、本発明のRAGEモジュレーターと組み合わせて利用され得るアジュバントおよびさらなる治療剤の非包括的な一覧表である。
【0235】
(抗癌因子の薬理学的分類):
1.アルキル化剤:シクロホスファミド、ニトロソ尿素類、カルボプラチン、シスプラチン、プロカルバジン
2.抗生物質:ブレオマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン
3.代謝拮抗物質:メトトレキサート、シタラビン、フルオロウラシル
4.植物アルカロイド:ビンブラスチン、ビンクリスチン、エトポシド、パクリタキセル
5.ホルモン:タモキシフェン、酢酸オクトレオチド、フィナステリド、フルタミド
6.生物的反応修飾物質:インターフェロン、インターロイキン
(慢性関節リウマチ(炎症)についての処置の薬理学的分類)
1.鎮痛薬:アスピリン
2.NSAID(非ステロイド抗炎症薬):イブプロフェン、ナプロキセン、ジクロフェナク
3.DMARD(疾患修飾性抗リウマチ薬):メトトレキサート、金製剤、ヒドロキシクロロキン、スルファサラジン
4.生物的反応修飾物質、DMARD:エタネルセプト(Etanercept)、インフリキシマブ、グルココルチコイド
(真性糖尿病についての処置の薬理学的分類)
1.スルホニル尿素:トルブタミド、トラザミド、グリブリド、グリピジド
2.ビグアニド:メトホルミン
3.多種多様の経口因子:アカルボース、トログリタゾン
4.インスリン
(アルツハイマー病についての処置の薬理学的分類)
1.コリンエステラーゼ阻害薬:タクリン、ドネペジル
2.抗精神病薬:ハロペリドール、チオリダジン
3.抗うつ薬:デシプラミン、フルオキセチン、トラゾドン、パロキセチン
4.抗鎮痙薬:カルバマゼピン、バルプロ酸
さらなる好ましい実施態様において、本発明は、RAGE媒介性疾患を処置する方法を提供し、この方法は、その処置を必要とする被験体に、アルキル化剤、代謝拮抗物質、植物アルカロイド、抗生物質、ホルモン、生物的反応修飾物質、鎮痛薬、NSAID、DMARD、グルココルチコイド、スルホニル尿素、ビグアニド、インスリン、コリンエステラーゼ阻害薬、抗精神病薬、抗うつ薬および抗鎮痙薬からなる群より選択される治療剤と組み合わせて治療有効量の式(I)の化合物を投与するステップからなる。さらなる好ましい実施態様において、本発明は上記のような本発明の薬学的組成物を提供し、この方法は、アルキル化剤、代謝拮抗物質、植物アルカロイド、抗生物質、ホルモン、生物的反応修飾物質、鎮痛薬、NSAID、DMARD、グルココルチコイド、スルホニル尿素、ビグアニド、インスリン、コリンエステラーゼ阻害薬、抗精神病薬、抗うつ薬および抗鎮痙薬からなる群より選択される1つ以上の治療剤をさらに含んでなる。
【0236】
概して、本発明の化合物(好ましくは式(I))は、1日につき処置されている被験体の体重1kg当たり約0.01mg〜500mgの投薬レベルで投与され、好ましい投薬範囲は、1日につき体重1kg当たり0.01mgと200mgとの間であり、最も好ましくは、1日につき体重1kg当たり0.1mg〜100mgである。単回投薬を生じるために担体物質と組み合わせられ得る活性成分の量は、処置される宿主、および投与の特定の様式に依存して変化する。例えば、ヒトへの経口投与について意図される製剤は、適切かつ簡便な量の担体物質とともに1mg〜2グラムの式(I)の化合物を含み得、この担体物質は、組成物合計の約5パーセント〜95パーセントに変化し得る。投薬単位形態は、一般的に約5mg〜約500mgの間の活性成分を含む。この投薬は、処置されている被験体の特定の臨床状態に基づいて、臨床家によって個別化されなければならない。従って、任意の特定の患者についての特定の投薬レベルは、利用される特定の化合物の活性、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食餌、投与時間、投与経路、排出速度、薬物の組み合わせおよび治療を受けている特定の疾患の重篤度を含む種々の因子に依存することが理解される。
【0237】
本発明は、その特定の好ましい実施態様に関して記載および例示してきたが、当業者は、種々の変化、改変および置換が、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなくここにおいてなされ得ることを理解する。例えば、本明細書中に示されるように、好ましい投薬ではなく有効な投薬が、RAGE媒介性疾患について処置されている哺乳動物の反応性における変化の結果として適用可能であり得る。同様に、観察される特定の薬理学的応答が、選択される特定の活性な化合物、または一緒に薬学的担体が存在するか否か、ならびに利用される製剤の型および投与の様式に従って、そしてこれらに依存して変化し得、そしてこの結果におけるこのような期待される変化または差異が、本発明の目的および実施に従って意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(I)で表された化合物。
【化1】

(式中、GはC〜Cアルキレンまたは(CHからなり、ここでkは0〜3であり、
は以下のいずれかからなり、
a)水素
b)−C1〜6アルキル;
c)−アリール;
d)−C1〜6アルキルアリール;
e)
【化2】

(ここでRおよびRは独立して以下のいずれかからなる。
i)−H;
ii)−C1〜6アルキル;
iii)−アリール;
iv)−C1〜6アルキルアリール;
v)−C(O)−O−C1〜6アルキル;
vi)−C(O)−O−C1〜6アルキルアリール;
vii)−C(O)−O−C1〜6アルキルシクロアルキルアリール;
viii)−C(O)−NH−C1〜6アルキル;
ix)−C(O)−NH−C1〜6アルキルアリール;
x)−SO−C1〜6アルキル;
xi)−SO−C1〜6アルキルアリール;
xii)−SO−アリール;
xiii)−SO−NH−C1〜6アルキル;
xiv)−SO−NH−C1〜6アルキルアリール;
xv)
【化3】

xvi)−C(O)−C1〜6アルキル;または
xvii)−C(O)−C1〜6アルキルアリール);あるいは
f)以下の式で表された化合基
【化4】

(ここでR、R10およびR11は水素からなり得、または
、R10およびR11は独立して以下のいずれかからなり、
i)−C1〜6アルキル;
ii)−アリール;
iii)−C1〜6アルキルアリール;
iv)−C(O)−O−C1〜6アルキル;
v)−C(O)−O−C1〜6アルキルアリール;
vi)−C(O)−NH−C1〜6アルキル;
vii)−C(O)−NH−C1〜6アルキルアリール;
viii)−SO−C1〜6アルキル;
ix)−SO−C1〜6アルキルアリール;
x)−SO−アリール;
xi)−SO−NH−C1〜6アルキル;
xii)−SO−NH−C1〜6アルキルアリール;
xiii)−C(O)−C1〜6アルキル;または
xiv)−C(O)−C1〜6アルキルアリール;
10およびR11は統合されて、縮合シクロアルキルを、縮合ヘテロシクリルを、またはR10およびR11が結合される原子を含む縮合アリール環を構成し得る。)
は以下のいずれかからなり、
a)水素;
b)−C1〜6アルキル;
c)−アリール;または
d)−C1〜6アルキルアリール;
は以下のいずれかからなり、
a)−C1〜6アルキル;
b)−アリール;
c)−C1〜6アルキルアリール;または
d)以下の式で表された化合基;
【化5】

(ここでmおよびnは独立して1、2、3または4から選択され、Xは直接結合、CH−、−O−、−S−、−S(O)−、−C(O)−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−NHSONH−、
【化6】

のいずれかからなり、
−Q−はC1〜6アルキレン、C2〜6アルケニレンまたはC2〜6アルキニレンのいずれかからなる。)
は以下のいずれかからなり、
a)水素;
b)−C1〜6アルキル;
c)−C1〜6アルキルアリール;または
d)−C1〜6アルコキシアリール;
は以下のいずれかからなり、
a)−C1〜6アルキルアリール;
b)−C1〜6アルコキシアリール;または
c)−アリール;
、R、R12およびR13は独立して水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリールまたはアリールのいずれかからなり、
そしてここでR、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12およびR13における該アリール基および/またはアルキル基は必要に応じて1〜4回置換基で置換され得、ここで該置換基または置換される用語は、以下のいずれかからなる化合基をいい、
a)−H;
b)−Y−C1〜6アルキル;
−Y−アリール;
−Y−C1〜6アルキルアリール;
−Y−C1〜6−アルキル−NR1415
−Y−C1〜6−アルキル−W−R16
(ここでYおよびWは独立して−CH−、−O−、−N(H)、−S−、SO−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−NHSONH−、−O−CO−、
【化7】

のいずれかからなり、
16、R17およびR18は水素、アリール、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリール、C〜CアルコキシまたはC〜Cアルコキシアリールのいずれかからなる。);
c)ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、カルバモイルまたはカルボキシル、そして、
14およびR15は独立して水素、アリール、C〜CアルキルまたはC〜Cアルキルアリールのいずれかからなり、そしてここで、
14およびR15は統合されて、R14およびR15が結合される窒素原子に結合した式−(CH−Z−(CH−を有する環を形成し得、そして/またはRおよびRは独立して統合されて、RおよびRが結合される原子に結合した式−(CH−Z−(CH−を有する環を形成し得、ここでoおよびpは独立して1、2、3または4であり、Zは直接結合、−CH−、−O−、−S−、−S(O)−、−C(O)−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−NHSONH−、
【化8】

のいずれかからなり、
19およびR20は独立して水素、アリール、C〜CアルキルまたはC〜Cアルキルアリールのいずれかからなる。)
【請求項2】
以下の式(Ia)によって表されることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【化9】

(式中、Gは直接結合からなり、

【化10】

からなり、
はHからなり、
()は−CH−基または直接共有結合からなり、そしてxおよびwが両方0に等しいことができないという条件でxおよびwは独立して0〜2に等しくなり、
は以下のいずれかからなり、
a)水素;
b)−C1〜6アルキル;
c)−C1〜6アルキルアリール;または
d)−C1〜6アルコキシアリール;
は以下のいずれかからなり、
a)−C1〜6アルキルアリール;
b)−C1〜6アルコキシアリール;または
c)−アリール;
は以下のいずれかからなり、
a)−H;
b)−C1〜6アルキル;
c)−アリール;
d)−C1〜6アルキルアリール;または
e)−C(O)R25、−C(O)OR25、−C(O)NR2625、−S(O)25および−S(O)NR2625から選択される化合基、ここでR25およびR26は独立して−C1〜6アルキル、アリールまたは−C1〜6アルキルアリールのいずれかからなり、
およびRは統合されて、以下で表された構造の環を形成し、
【化11】

(ここでR21、R22、R23およびR24は独立して以下のいずれかからなり、
i)−H;
ii)−C1〜6アルキル;
iii)−アリール;
iv)−C1〜6アルキルアリール;または
v)式−U−R27の化合基(ここでUは−C(O)−、−C(O)O−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−または−NR28−のいずれかからなり、
ここでR27およびR28は独立して−H、−アリール、−C1〜6アルキルまたは−C1〜6アルキルアリールのいずれかからなる。)
、RおよびRにおける該アリール基および/またはアルキル基は必要に応じて1〜4回置換基で置換され得、ここで該置換基または置換される用語は、以下のいずれかからなる化合基をいい、
a)−H;
b)−Y−C1〜6アルキル;
−Y−アリール;
−Y−C1〜6アルキルアリール;
−Y−C1〜6−アルキル−NR1415
−Y−C1〜6−アルキル−W−R16;あるいは
(ここでYおよびWは独立して−CH−、−O−、−N(H)、−S−、SO−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−NHSONH−、−O−CO−、
【化12】

のいずれかからなり、
16、R17およびR18は独立して水素、アリール、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリール、C〜CアルコキシまたはC〜Cアルコキシアリールのいずれかからなる。);
c)ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、カルバモイルまたはカルボキシル、そして、
14およびR15は独立して水素、アリール、C〜CアルキルおよびC〜Cアルキルアリールのいずれかからなり、あるいはここで、
14およびR15は統合されて、R14およびR15が結合される窒素原子に結合した式−(CH−Z−(CH−を有する環を形成し得、ここでoおよびpは独立して1、2、3または4であり、Zは直接結合、−CH−、−O−、−S−、−S(O)−、−C(O)−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−NHSONH−、
【化13】

のいずれかからなり、
ここで、R19およびR20は水素、アリール、C〜CアルキルまたはC〜Cアルキルアリールのいずれかからなる。)
【請求項3】
以下の式(Ib)によって表されることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【化14】

(式中、Gは直接結合からなり、

【化15】

からなり、
はHからなり、
()は−CH−基または直接共有結合からなり、そしてyおよびzは独立して0〜3の整数であり、
は以下のいずれかからなり、
a)水素;
b)−C1〜6アルキル;
c)−C1〜6アルキルアリール;または
d)−C1〜6アルコキシアリール;
は以下のいずれかからなり、
a)−C1〜6アルキルアリール
b)−C1〜6アルコキシアリール;または
c)−アリール;
は以下のいずれかからなり、
a)−H;
b)−C1〜6アルキル;
c)−アリール;
d)−C1〜6アルキルアリール;または
e)−C(O)R25、−C(O)OR25、−C(O)NR2625、−S(O)25および−S(O)NR2625から選択される化合基、ここでR25およびR26は独立して−C1〜6アルキル、アリールまたは−C1〜6アルキルアリールのいずれかからなり、
、RおよびRにおける該アリール基および/またはアルキル基は必要に応じて1〜4回置換基で置換され得、ここで該置換基または置換される用語は、以下のいずれかからなる化合基をいい、
a)−H;
b)−Y−C1〜6アルキル;
−Y−アリール;
−Y−C1〜6アルキルアリール;
−Y−C1〜6−アルキル−NR1415
−Y−C1〜6−アルキル−W−R16;あるいは
(ここでYおよびWは独立して−CH−、−O−、−N(H)、−S−、SO−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−NHSONH−、−O−CO−、
【化16】

のいずれかからなり、
ここで、R16、R17およびR18は水素、アリール、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリール、C〜CアルコキシまたはC〜Cアルコキシアリールのいずれかからなる。);
c)ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、カルバモイルまたはカルボキシル、そして、
14およびR15は独立して水素、アリール、C〜CアルキルまたはC〜Cアルキルアリールのいずれかからなり、そしてここで、
14およびR15は統合されて、R14およびR15が結合される窒素原子に結合した式−(CH−Z−(CH−を有する環を形成し得、ここでoおよびpは独立して1、2、3または4であり、Zは直接結合、−CH−、−O−、−S−、−S(O)−、−C(O)−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−NHSONH−、
【化17】

のいずれかからなり、
19およびR20は水素、アリール、C〜CアルキルまたはC〜Cアルキルアリールのいずれかからなり、
およびRは統合されて以下で表された構造の環を形成し、
【化18】

ここでR29およびR30は独立して以下のいずれかからなり、
a)−H;
b)−C1〜6アルキル;
c)−アリール;
d)−C1〜6アルキルアリール;
e)−C(O)−O−C1〜6アルキル;
f)−C(O)−O−C1〜6アルキルアリール;
g)−C(O)−NH−C1〜6アルキル;
h)−C(O)−NH−C1〜6アルキルアリール;
i)−SO−C1〜6アルキル;
j)−SO−C1〜6アルキルアリール;
k)−SO−アリール;
l)−SO−NH−C1〜6アルキル;
m)−SO−NH−C1〜6アルキルアリール;
n)−C(O)−C1〜6アルキル;
o)−C(O)−C1〜6アルキルアリール;または
p)式−V−R31の化合基、
(ここでVは式−C(O)、−OC(O)−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−NH−または−N(R32)−の化合基のいずれかからなり、
ここでR31およびR32は以下のいずれかからなり、
i)−H;
ii)−C1〜6アルキル;
iii)−アリール;
iv)−C1〜6アルキルアリール;
v)−C(O)−O−C1〜6アルキル;
vi)−C(O)−O−C1〜6アルキルアリール;
vii)−C(O)−NH−C1〜6アルキル;−C(O)−NH−C1〜6アルキルアリール;
viii)−SO−C1〜6アルキル;
ix)−SO−C1〜6アルキルアリール;
x)−SO−アリール;
xi)−SO−NH−C1〜6アルキル;
xii)−SO−NH−C1〜6アルキルアリール;
xiii)−C(O)−C1〜6アルキル;または
xiv)−C(O)−C1〜6アルキルアリール;
ここでR29、R30、R31およびR32には必要に応じて1〜4回置換基で置換され得、ここで該置換基または置換される用語は、以下のいずれかからなる化合基をいい、
a)−H;
b)−L−C1〜6アルキル;
−L−アリール;
−L−C1〜6アルキルアリール;
−L−C1〜6−アルキル−NR3334
−L−C1〜6−アルキル−Q−R35;あるいは
(ここでLおよびQは独立して−CH−、−O−、−N(H)、−S−、SO−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−NHSONH−、−O−CO−、
【化19】

のいずれかからなり、
35、R36およびR37は水素、アリール、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリール、C〜CアルコキシまたはC〜Cアルコキシアリールのいずれかからなる。);
c)ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、カルバモイルまたはカルボキシル、そして
33およびR34は独立して水素、アリール、C〜CアルキルまたはC〜Cアルキルアリールのいずれかからなり、そしてここで、
ここで、R33およびR34は統合されて、R33およびR34が結合される窒素原子に結合した式−(CH−J−(CH−を有する環を形成し得、ここでeおよびkは独立して1、2、3または4であり;Jは直接結合、−CH−、−O−、−S−、−S(O)−、−C(O)−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−NHSONH−、
【化20】

のいずれかからなり、
ここで、R38およびR39は水素、アリール、C〜CアルキルまたはC〜Cアルキルアリールのいずれかからなる。)
【請求項4】
以下の式(Ic)によって表されることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【化21】

(式中、Rは水素またはC1〜3アルキルアリールのいずれかからなり、ここで該アリールは−Y−C−1〜6アルキルアリールで置換されることを特徴とし、
はC1〜3アルキルアリールからなり、ここで該アリールは−Y−C−1〜6アルキルアリールで置換されることを特徴とし、
(ここでYは−CH−、−O−、−N(H)、−S−、SO−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−NHSONH−、−O−CO−、
【化22】

のいずれかからなり、
ここで、R17およびR18は独立して水素、アリール、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリール、C〜CアルコキシまたはC〜Cアルコキシアリールのいずれかからなる。))
【請求項5】
以下の式(Id)によって表されることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【化23】

(式中、Rは水素またはC1〜3アルキルアリールのいずれかからなり、ここで該アリールは−Y−C−1〜6アルキルアリールで置換されることを特徴とし、
はC1〜3アルキルアリールからなり、ここで該アリールは−Y−C−1〜6アルキルアリールで置換されることを特徴とし、
(ここでYは−CH−、−O−、−N(H)、−S−、SO−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−NHSONH−、−O−CO−、
【化24】

のいずれかからなり、
ここで、R17およびR18は独立して水素、アリール、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリール、C〜CアルコキシまたはC〜Cアルコキシアリールのいずれかからなる。)、
は水素または−L−C1〜6−アルキル−N(アルキル)のいずれかからなり、
は−L−C1〜6−アルキル−N(アルキル)からなり、
(ここでLは−CH−、−O−、−N(H)−、−S−、SO−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−NHSONH−、−O−CO−、
【化25】

のいずれかからなり、
ここで、R35、R36およびR37は独立して水素、アリール、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリール、C〜CアルコキシまたはC〜Cアルコキシアリールのいずれかからなる。))
【請求項6】
以下の式(Ie)によって表されることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【化26】

(式中、Gは直接結合からなり、
は以下で表された式の化合基からなり、
【化27】

(ここでR、R10およびR11は水素であり得、または、
、R10およびR11は独立して以下のいずれかからなり、
i)−C1〜6アルキル;
ii)−アリール;
iii)−C1〜6アルキルアリール;
iv)−C(O)−O−C1〜6アルキル;
v)−C(O)−O−C1〜6アルキルアリール;
vi)−C(O)−NH−C1〜6アルキル;
vii)−C(O)−NH−C1〜6アルキルアリール;
viii)−SO−C1〜6アルキル;
ix)−SO−C1〜6アルキルアリール;
x)−SO−アリール;
xi)−SO−NH−C1〜6アルキル;
xii)−SO−NH−C1〜6アルキルアリール;
xiii)−C(O)−C1〜6アルキル;または
xiv)−C(O)−C1〜6アルキルアリール;あるいは、
ここで。R10およびR11は統合されて縮合シクロアルキル、縮合ヘテロシクリル、もしくはR10およびR11が結合される原子を含む縮合アリール環を構成し得る。)、
はHからなり、
は以下のいずれかからなり、
a)−C1〜6アルキル;
b)−アリール;または
c)−C1〜6アルキルアリール;
は以下のいずれかからなり、
a)水素;
b)−C1〜6アルキル;
c)−C1〜6アルキルアリール;または
d)−C1〜6アルコキシアリール;
は以下のいずれかからなり、
a)−C1〜6アルキルアリール;
b)−C1〜6アルコキシアリール;または
c)−アリール;
、R、R、R、R10、R11における該アリール基および/またはアルキル基は必要に応じて1〜4回置換基で置換され得、ここで該置換基または置換される用語は、以下のいずれかからなる化合基をいい、
a)−H;
b)−Y−C1〜6アルキル;
−Y−アリール;
−Y−C1〜6アルキルアリール;
−Y−C1〜6−アルキル−NR1415
−Y−C1〜6−アルキル−W−R16
(ここでYおよびWは独立して−CH−、−O−、−N(H)、−S−、SO−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−NHSONH−、−O−CO−、
【化28】

のいずれかからなり、
ここで、R16、R17およびR18は水素、アリール、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリール、C〜CアルコキシまたはC〜Cアルコキシアリールのいずれかからなる。);
c)ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、カルバモイルまたはカルボキシル、そして、
14およびR15は独立して水素、アリール、C〜CアルキルまたはC〜Cアルキルアリールのいずれかからなり、そしてここで、
14およびR15は統合されて、R14およびR15が結合される窒素原子に結合した式−(CH−Z−(CH−を有する環を形成し得、ここでoおよびpは独立して1、2、3または4であり、Zは直接結合、−CH−、−O−、−S−、−S(O)−、−C(O)−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−NHSONH−、
【化29】

のいずれかからなり、
ここで、R19およびR20は独立して水素、アリール、C〜CアルキルまたはC〜Cアルキルアリールのいずれかからなる。)
【請求項7】
以下の式(If)によって表されることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【化30】

(式中、Gは直接結合からなり、

【化31】

からなり、
はHからなり、
は以下の式で表された化合基からなり、
【化32】

(ここでmおよびnは独立して1、2、3または4から選択され、Xは直接結合、CH−、−O−、−S−、−S(O)−、−C(O)−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−NHSONH−、
【化33】

のいずれかからなり、
ここで、−Q−はC1〜6アルキレン、C2〜6アルケニレンまたはC2〜6アルキニレンのいずれかからなり、
12およびR13は独立して水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリールまたはアリールのいずれかからなる)、そしてここで、
は以下のいずれかからなり、
a)水素;
b)−C1〜6アルキル;
c)−C1〜6アルキルアリール;または
d)−C1〜6アルコキシアリール;
は以下のいずれかからなり、
a)−C1〜6アルキルアリール;
b)−C1〜6アルコキシアリール;または
c)−アリール;
およびRは独立して以下のいずれかからなり、
a)−H;
b)−C1〜6アルキル;
c)−アリール;
d)−C1〜6アルキルアリール;または
e)−C(O)R25、−C(O)OR25、−C(O)NR2625、−S(O)25および−S(O)NR2625から選択される化合基;(ここでR25およびR26は独立して−C1〜6アルキル、アリールおよび−C1〜6アルキルアリールのいずれかからなる。);
ここで、R、R、R、R、R12およびR13における該アリール基および/またはアルキル基は必要に応じて1〜4回置換基で置換され得、ここで該置換基または置換される用語は、以下のいずれかからなる化合基をいい、
a)−H;
b)−Y−C1〜6アルキル;
−Y−アリール;
−Y−C1〜6アルキルアリール;
−Y−C1〜6−アルキル−NR1415
−Y−C1〜6−アルキル−W−R16;あるいは
(ここでYおよびWは独立して−CH−、−O−、−N(H)、−S−、SO−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−NHSONH−、−O−CO−、
【化34】

のいずれかからなり、
16、R17およびR18は独立して水素、アリール、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリール、C〜CアルコキシまたはC〜Cアルコキシアリールのいずれかからなる。);
c)ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、カルバモイルまたはカルボキシル、そして、
14およびR15は独立して水素、アリール、C〜CアルキルまたはC〜Cアルキルアリールのいずれかからなり、そしてここで、
14およびR15は統合されて、R14およびR15が結合される窒素原子に結合した式−(CH−Z−(CH−を有する環を形成し得、ここでoおよびpは独立して1、2、3または4であり、Zは直接結合、−CH−、−O−、−S−、−S(O)−、−C(O)−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO−、−SON(H)−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−NHSONH−、
【化35】

のいずれかからなり、
19およびR20は独立して水素、アリール、C〜CアルキルまたはC〜Cアルキルアリールのいずれかからなる。)
【請求項8】
前記化合物が3−(4−ベンジルオキシフェニル)プロピオン酸2,4−ジ−(3−ジエチルアミノ−1−プロポキシ)アニリンアミドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
前記化合物が3−(3−tert−ブトキシフェニル)−3−(9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ)プロピオン酸2,4−ジ−(3−ジエチルアミノプロポキシ)アニリンアミドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
前記化合物が3−(3−tert−ブトキシフェニル)−3−アミノプロピオン酸2,4−ジ−(3−ジエチルアミノプロポキシ)アニリンアミドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
前記化合物が3−(4−ベンジルオキシフェニル)プロピオン酸2,4−ジ−(3−ジエチルアミノ−1−プロポキシ)アニリンアミドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
前記化合物が3−(3−tert−ブトキシフェニル)−3−(9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ)プロピオン酸2,4−ジ−(3−ジエチルアミノプロポキシ)アニリンアミドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
前記化合物が3−(3−tert−ブトキシフェニル)−3−アミノプロピオン酸2,4−ジ−(3−ジエチルアミノプロポキシ)アニリンアミドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
前記化合物が3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−アミノプロピオン酸4−ジエチルアミノエトキシカルボニル−2−ブトキシアニリンアミドジヒドロクロライドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
前記化合物が(2S,4R)−4−tert−ブトキシピロリジン−2−カルボン酸2,4−ジ(3−ジエチルアミノ−1−プロポキシ)アニリンアミドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
前記化合物が(3S)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸4−ジエチルアミノエトキシカルボニル−2−ブトキシアニリンアミドジヒドロクロライドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
前記化合物が(R)−3−(4−ベンジルオキシフェニル)−2−(1−イミダゾリル)プロピオン酸4−ジエチルアミノエトキシカルボニル−2−ブトキシアニリンアミドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
前記化合物が3−(4−tert−ブトキシフェニル)−3−(9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ)プロピオン酸2,4−ジ−(3−ジエチルアミノプロポキシ)アニリンアミドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
前記化合物が3−アミノ−3−(4−tert−ブトキシフェニル)プロピオン酸2,4−ジ−(3−ジエチルアミノプロポキシ)アニリンアミドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
前記化合物が3−(9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ)−3−(2−tert−ブトキシフェニル)プロピオン酸2,4−ジ−(3−ジエチルアミノプロポキシ)アニリンアミドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
前記化合物が3−アミノ−3−(2−tert−ブトキシフェニル)プロピオン酸2,4−ジ−(3−ジエチルアミノプロポキシ)アニリンアミドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項22】
前記化合物が3−イソプロピルアミノ−3−(3−tert−ブトキシフェニル)プロピオン酸2,4−ジ−(3−ジエチルアミノプロポキシ)アニリンアミドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項23】
前記化合物が(2R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]プロピオン酸4−(3−ジエチルアミノプロポキシ)−N−ベンジルアニリンアミドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項24】
前記化合物が(2R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]プロピオン酸4−(3−ジエチルアミノプロポキシ)−N−シクロペンチルメチルアニリンアミドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項25】
前記化合物が(2R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]プロピオン酸4−(3−ジエチルアミノプロポキシ)−N−イソプロピルアニリンアミドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項26】
前記化合物が(2R)−2−アミノ−3−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]プロピオン酸4−(3−ジエチルアミノプロポキシ)−N−シクロヘキシルメチルアニリンアミドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項27】
前記化合物が(2R)−2−アミノ−3−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]プロピオン酸4−(3−ジエチルアミノプロポキシ)−N−シクロペンチルメチルアニリンアミドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項28】
前記化合物が(2R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]プロピオン酸4−(3−ジエチルアミノプロポキシ)−N−ブチルアニリンアミドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項29】
前記化合物が(2R)−2−アミノ−3−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]プロピオン酸4−(3−ジエチルアミノプロポキシ)−N−ブチルアニリンアミドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項30】
前記化合物が(2R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]プロピオン酸3−(3−ジエチルアミノプロポキシ)−N−ブチルアニリンアミドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項31】
前記化合物が(2R)−2−アミノ−3−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]プロピオン酸3−(3−ジエチルアミノプロポキシ)−N−ブチルアニリンアミドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項32】
前記化合物が3−(1−tert−ブトキシカルボニルピペリジン−4−イル)−2−(9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ)プロピオン酸4−ジエチルアミノプロポキシ−2−ブトキシアニリンアミドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項33】
前記化合物が3−(ピペリジン−4−イル)−2−(9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ)プロピオン酸4−ジエチルアミノプロポキシ−2−ブトキシアニリンアミドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項34】
前記化合物が3−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)−2−(9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ)プロピオン酸4−ジエチルアミノプロポキシ−2−ブトキシアニリンアミドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項35】
前記化合物が3−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)−2−アミノプロピオン酸4−ジエチルアミノプロポキシ−2−ブトキシアニリンアミドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項36】
前記化合物が3−(1−ベンジルオキシカルボニルピペリジン−4−イル)−2−(9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ)プロピオン酸4−ジエチルアミノプロポキシ−2−ブトキシアニリンアミドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項37】
前記化合物が3−(1−ベンゾイルピペリジン−4−イル)−2−(9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ)プロピオン酸4−ジエチルアミノプロポキシ−2−ブトキシアニリンアミドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項38】
前記化合物が3−(1−ベンゾイルピペリジン−4−イル)−2−ベンゾイルアミノプロピオン酸4−ジエチルアミノプロポキシ−2−ブトキシアニリンアミドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項39】
前記化合物が3−(tert−ブトキシカルボニルピペリジン−3−イル)−2−(9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ)プロピオン酸4−ジエチルアミノプロポキシ−2−ブトキシアニリンアミドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項40】
前記化合物が3−(ピペリジン−3−イル)−2−(9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ)プロピオン酸4−ジエチルアミノプロポキシ−2−ブトキシアニリンアミドからなることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項41】
請求項1に記載の式(I)の化合物、および1つ以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤からなる薬学的組成物。
【請求項42】
経口投薬単体または非経口投薬単体の形態であることを特徴とする請求項41に記載の薬学的組成物。
【請求項43】
前記化合物が、1日につき体重1kg当たり約0.01mg〜500mgの範囲の用量として投与されることを特徴とする請求項41に記載の薬学的組成物。
【請求項44】
前記化合物が、1日につき体重1kg当たり約0.1mg〜200mgの範囲の用量として投与されることを特徴とする請求項41に記載の薬学的組成物。
【請求項45】
前記化合物が、1日につき体重1kg当たり約0.1mg〜100mgの範囲の用量として投与されることを特徴とする請求項41に記載の薬学的組成物。
【請求項46】
アルキル化剤、代謝拮抗物質、植物アルカロイド、抗生物質、ホルモン、生物的反応修飾物質、鎮痛薬、NSAID、DMARD、グルココルチコイド、スルホニル尿素、ビグアニド、インスリン、コリンエステラーゼ阻害薬、抗精神病薬、抗うつ薬および抗鎮痙薬からなる群より選択される1つ以上の治療剤をさらに含んでなることを特徴とする請求項41に記載の薬学的組成物。
【請求項47】
RAGEのその生理学的リガンドとの相互作用の阻害のための方法であって、この阻害を必要とする被験体に少なくとも1つの請求項1に記載の式(I)の化合物を投与するステップからなる方法。
【請求項48】
前記リガンドが、終末糖化物質(advanced glycated end products)(AGE)、S100/カルグラニュリン(calgranulin)/EN−RAGE、βアミロイドおよびアンホテリン(amphoterin)から選択されることを特徴とする請求項47に記載の方法。
【請求項49】
急性炎症および慢性炎症、糖尿病の症状、血管透過性、腎障害、アテローム性動脈硬化症、網膜症、アルツハイマー病、勃起機能不全ならびに腫瘍浸潤および/または腫瘍転移からなる群より選択される疾患状態を処置するための方法であって、この処置を必要とする被験体に治療有効量の少なくとも1つの請求項1に記載の式(I)の化合物を投与するステップからなる方法。
【請求項50】
RAGE媒介性ヒト疾患の予防および/または処置を必要とするヒトに治療有効量の請求項1に記載の式(I)の化合物を投与するステップからなるRAGE媒介性ヒト疾患の予防および/または処置の方法であって、治療有効量がRAGEレセプターに対するリガンドの結合を少なくとも部分的に阻害するに十分な化合物からなる方法。
【請求項51】
RAGE媒介性ヒト疾患の予防および/または処置を必要とする被験体に少なくとも1つのアジュバントおよび/またはさらなる治療剤を投与するステップをさらに含んでなることを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記治療剤が、アルキル化剤、代謝拮抗物質、植物アルカロイド、抗生物質、ホルモン、生物的反応修飾物質、鎮痛薬、NSAID、DMARD、グルココルチコイド、スルホニル尿素、ビグアニド、インスリン、コリンエステラーゼ阻害薬、抗精神病薬、抗うつ薬および抗鎮痙薬からなる群より選択されることを特徴とする請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記RAGE媒介性ヒト疾患が、急性炎症および/または慢性炎症からなることを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項54】
前記RAGE媒介性ヒト疾患が、血管透過性からなることを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項55】
前記RAGE媒介性ヒト疾患が、腎障害からなることを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項56】
前記RAGE媒介性ヒト疾患が、アテローム性動脈硬化症からなることを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項57】
前記RAGE媒介性ヒト疾患が、網膜症からなることを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項58】
前記RAGE媒介性ヒト疾患が、アルツハイマー病からなることを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項59】
前記RAGE媒介性ヒト疾患が、勃起機能不全からなることを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項60】
前記RAGE媒介性ヒト疾患が、腫瘍浸潤および/または腫瘍転移からなることを特徴とする請求項50に記載の方法。

【公開番号】特開2010−65043(P2010−65043A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−239070(P2009−239070)
【出願日】平成21年10月16日(2009.10.16)
【分割の表示】特願2002−569794(P2002−569794)の分割
【原出願日】平成14年3月5日(2002.3.5)
【出願人】(502031821)トランス テック ファーマ,インコーポレイテッド (17)
【氏名又は名称原語表記】TRANSTECH PHARMA,INC.
【住所又は居所原語表記】4170 Mendenhall Oaks Parkway,Suite 110 High Point,NC 27265 U.S.A.
【Fターム(参考)】