説明

液晶表示装置の製造方法

【課題】スペーサーと液晶を同時に形成することで、工程を単純化すると共にコストを減らすことのできる液晶表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 第1基板と第2基板の何れかの基板上にスペーサーと液晶を同時に形成する段階、第1基板と第2基板の何れかの基板上の周縁にシール材を形成する段階、および前記第1基板及び第2基板を貼り合わせる段階を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示装置の製造方法に関し、特に工程単純化と共にコストが低減するようにした液晶表示装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、液晶表示装置は、低電圧駆動、低消費電力、フルカラーの実現、軽薄短小などの特徴を有しており、時計、計算機、PC用モニター、ノートパソコンなどから、TV、航空用モニター、個人携帯端末機、携帯電話などにその用途が多様化されている。
【0003】
このような液晶表示素子は、画像を表示する液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルを駆動するための回路部とに大きく区分される。
前記液晶表示パネルは、薄膜トランジスターアレイが形成された第1基板と、カラーフィルターアレイが形成された第2基板、及び前記両基板の間に形成された液晶層とで構成されている。
【0004】
前記薄膜トランジスターアレイが形成された第1基板には、一定の間隔を有して一方向に配列される複数のゲートラインと、画素領域を定義するために前記各ゲートラインに垂直な方向に配列される複数のデータラインと、前記各画素領域に形成され、画像を表示する複数の画素電極と、前記各ゲートラインとデータラインとが交差する部分の画素領域に形成され、前記ゲートラインの駆動信号によってオン/オフになり、前記データラインの画像信号を各画素電極へ伝達する複数の薄膜トランジスターが備えられている。
【0005】
また、前記カラーフィルターアレイが形成された第2基板には、前記画素領域を除いた部分では光を遮断するブラックマトリックス層と、前記各画素領域に相応する部分に形成され、色相を実現する赤、緑、青カラーフィルター層と、前記カラーフィルター層を含む全面に形成される共通電極とが備えられている。勿論、インプレーンスイッチング(IPS)モードの液晶表示素子では共通電極が第1基板に形成される。
【0006】
上記で述べた第1、第2基板が一定の空間を有するように貼り合わせられ、前記第1、第2基板の間に液晶層が形成される。
この際、前記液晶層の形成方法によって液晶注入方式と液晶滴下方式とに区分され、上記の方式によって液晶表示パネルの工程でも多少の違いがある。
【0007】
図1は一般的な液晶表示装置を示す分解斜視図である。
図1に示したように、一定の空間を有して貼り合わせられた下部基板1及び上部基板2と、前記下部基板1と上部基板2の間に注入された液晶層3とで構成されている。より具体的には、前記下部基板1は、画素領域Pを定義するために一定の間隔を有して一方向に複数のゲートライン4が配列され、前記ゲートライン4に垂直な方向に一定の間隔を有して複数のデータライン5が配列され、前記ゲートライン4とデータライン5とが交差する各画素領域Pには画素電極6が形成され、前記各ゲートライン4とデータライン5とが交差する部分に薄膜トランジスターTが形成されている。
【0008】
そして、前記上部基板2は、前記画素領域Pを除いた部分の光を遮断するためのブラックマトリックス層7と、カラーを表現するための赤、緑、青のカラーフィルター層8と、画層を実現するための共通電極9とが形成されている。
【0009】
ここで、前記薄膜トランジスターTは、前記ゲートライン4から突出したゲート電極と、全面に形成されたゲート絶縁膜(図示せず)と、前記ゲート電極の上側のゲート絶縁膜上に形成されたアクティブ層と、前記データライン5から突出したソース電極と、前記ソース電極に向き合うようにドレイン電極とを備えて構成されている。
【0010】
前記画素電極6は、インジウム−チン−オキサイド(ITO)のように光透過率に比較的優れた透明導電性の金属を用いる。
【0011】
上述したように構成される液晶表示装置は、前記画素電極6上に位置した液晶層3が前記薄膜トランジスターTから印加された信号によって配向され、前記液晶層3の配向程度によって液晶層3を透過する光の量を調節して、画層を表現することができる。
【0012】
図2は、従来技術に係る液晶注入方式の液晶表示装置の製造方法を示す工程順序図である。
図2に示したように、第1基板に薄膜トランジスターアレイ(TFTアレイ)(図示せず)を形成し(1S)、第2基板にカラーフィルターアレイ(C/Fアレイ)(図示せず)を形成する(5S)。
【0013】
次いで、前記各第1、第2基板に液晶を配向するための配向膜を形成し、前記配向膜をラビングした後(2S、6S)、前記第1、第2基板をそれぞれ洗浄する(3S、7S)。
【0014】
そして、前記第1基板には貼り合わせ後に液晶表示パネルのセルギャップを維持するためのスペーサーを散布し(4S)、前記第2基板の周縁に共通ラインと共通電極とを連結するためのAgを塗布し、第1、第2基板を貼り合わせるためのシール材を塗布する(8S)。この際、前記シール材は液晶注入口を有するようにシール材パターンを形成する。
【0015】
上記のように形成された第1、第2基板を貼り合わせ装置(図示せず)内に位置させた後、前記第1、第2基板を貼り合わせる(9S)。
【0016】
次いで、前記貼り合わせられた第1、第2基板を硬化炉(図示せず)にローディングして、前記シール材を硬化させる(10S)。
【0017】
そして、前記硬化工程が完了すると、前記貼り合わせられた第1、第2基板を単位液晶表示パネル別にスクライビング及びブレーキング工程で切断し(11S)、単位液晶表示パネル別に真空チャンバーで前記第1、第2基板間の空間に液晶を注入し、前記液晶注入口を密封する(12S)。
【0018】
即ち、前記シール材によって貼り合わせられた両基板の間を真空状態に維持して、液晶液に前記液晶注入口が浸るようにすると、浸透圧現象によって液晶が両基板の間に注入される。このように液晶が注入されると、前記液晶注入口を密封材で密封する。
【0019】
次いで、検査工程を経て出荷する(13S)。
【0020】
しかし、かかる従来の液晶注入方式においては、両基板の間を真空状態に維持しながら液晶注入口を液晶液に浸して液晶を注入するので、液晶注入において多くの時間が必要とされ、生産性が低下する。そればかりでなく、大面積の液晶表示パネルを製造する場合、液晶注入方式で液晶を注入すると、液晶表示パネル内に液晶が完全に注入されず、不良の原因となる。
【0021】
したがって、携帯電話機又はPDA用液晶表示パネルの製作は液晶注入方式で大部分生産されており、大型サイズの液晶表示パネルは、液晶を滴下方式で製造している。
【0022】
以下、このような液晶滴下方式を用いた従来の液晶表示装置の製造方法を説明する。
【0023】
図3は従来技術に係る液晶滴下方式の液晶表示装置の製造方法を示す工程順序図である。
図3に示したように、第1基板に薄膜トランジスターアレイを形成し(21S)、第2基板にカラーフィルターアレイ(C/Fアレイ)を形成する(25S)。この際、前記カラーフィルターアレイの形成時、前記第2基板にはセルギャップを維持するための複数のカラムスペーサーが形成される。前記複数のカラムスペーサーは、前記カラーフィルターアレイ基板の所定の位置に固定される。
【0024】
そして、前記各第1、第2基板に液晶を配向するための配向膜を形成し、前記配向膜をラビングした後(22S、26S)、前記第1、第2基板をそれぞれ洗浄する(23S、27S)。
【0025】
次いで、前記第1基板に適当量の液晶を滴下する(24S)。この際、前記液晶は、各液晶パネル領域の中央部分に滴下され、シール材が完全に硬化してセルギャップを維持するまでは前記液晶がシール材に接触しないようにする。
【0026】
次いで、前記第2基板の各液晶パネル領域の周縁にシール材、及びAgドットをディスペンシングする(28S)。この際、前記シール材は、各液晶パネルの領域に独立的にパターニングされる。
【0027】
上記のように形成された第1、第2基板を真空貼り合わせ機チャンバー(図示せず)内に位置させた後、前記両基板を貼り合わせる(29S)。
即ち、シール材が下方向に向かうように前記第2基板を反転させ、真空貼り合わせ機チャンバーの上部ステージに位置させ、前記液晶が滴下した第1基板を、真空貼り合わせ機のチャンバーの下部ステージに位置させる。そして、真空貼り合わせ機チャンバーの内部を真空状態に維持しながら第1、第2基板を貼り合わせる。
【0028】
上記のように貼り合わせられた第1、第2基板を前記真空貼り合わせ機チャンバーからUV硬化炉(図示せず)にローディングして、UV硬化炉でUVを照射して、前記シール材を硬化する(30S)。
【0029】
即ち、前記シール材が形成された部分にのみ選択的にUVが照射されるように、残りの部分には遮光膜が形成されたマスク(図示せず)を用いて前記シール材にUVを照射して、前記シール材をUV硬化させる。
そして、前記UV硬化した基板を熱硬化炉へローディングして、前記シール材を熱硬化する(31S)。この際、前記各液晶パネルに滴下した液晶が広がり始める。
【0030】
上記のようにUV及び熱硬化工程が完了すると、前記第1、第2基板を単位液晶パネル別にカッティングし(32S)、単位液晶パネル別に研磨加工した後(33S)、検査工程を経て出荷する(34S、35S)。
【0031】
このような液晶滴下方式によって液晶表示装置を形成すると、液晶注入時にかかる時間を大幅に減らすことができるので生産性が向上し、大型サイズの場合、液晶が完全に注入されなくて生じる不良を防止できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0032】
しかしながら、上記のような従来の液晶表示装置の製造方法においては次のような問題があった。
【0033】
第一に、第1基板上に液晶を滴下する工程と別途に、前記第2基板にカラムスペーサーを形成する工程を行うため工程が複雑である。
【0034】
第二に、前記カラムスペーサーの形成方法は、感光性物質などを基板の全面に蒸着し、露光及び現像工程で前記感光性物質を選択的に除去して、カラムスペーサーを形成する。
このため、コストが上昇し、工程が複雑となる。
【0035】
本発明は上記の問題点を解決するためのもので、スペーサーと液晶を同時に形成することで、工程を単純化すると共にコストを減らすことのできる液晶表示装置の製造方法を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0036】
上記目的を達成するための本発明に係る液晶表示装置の製造方法は、第1基板と第2基板の何れかの基板上にスペーサーと液晶を同時に形成する段階、第1基板と第2基板の何れかの基板上の周縁にシール材を形成する段階、および前記第1基板及び第2基板を貼り合わせる段階を含むことを特徴とする。
【0037】
ここで、前記第1基板にスペーサー及び液晶を同時に形成する段階は、前記液晶とスペーサーを一定の比率で混合した後、ディスペンシング装備を用いて前記第1基板に液晶とスペーサーを滴下することを特徴とする。
【0038】
前記第1基板上には液晶及びスペーサーを形成し、前記第2基板にはシール材を形成することを特徴とする。
【0039】
前記第1基板及び第2基板の何れかの基板上に液晶、スペーサー及びシール材を全て形成することを特徴とする。
【0040】
また、上記目的を達成するための本発明に係る液晶表示装置の製造方法は、第1基板に第1配向膜を形成し、ラビングする段階、第2基板に第2配向膜を形成し、ラビングする段階、前記第1基板及び第2基板を洗浄する段階、前記第1基板上に液晶及びスペーサーを同時に形成する段階、前記第2基板にAgドット及びシール材を形成する段階、前記第1基板と第2基板を貼り合わせる段階、前記第1基板と第2基板の間のシール材を硬化する段階、前記貼り合わせられた第1、第2基板を各パネル単位でカッティングする段階、および前記カッティングされた各パネルを研磨加工及び検査する段階を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0041】
液晶及びスペーサーを混合した後、液晶とスペーサーを同時に形成することで工程が単純化できるばかりでなく、空間制約による問題点及びコストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、本発明に係る液晶表示装置の製造方法を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0043】
図4は本発明に係る液晶表示装置の製造方法を示す製造工程図である。
図4に示したように、第1基板に薄膜トランジスターアレイ(TFTアレイ)を形成し(101S)、第2基板にカラーフィルターアレイ(C/Fアレイ)を形成する(105S)。この際、前記第2基板にカラムスペーサーを形成しない。
【0044】
ここで、前記第1基板にはアレイ工程によって一定の間隔を有して一方向に配列された複数のゲートライン、前記各ゲートラインに垂直な方向に一定の間隔を有して配列される複数のデータライン、前記ゲートライン及びデータラインによって定義されたマトリックス画素領域にそれぞれ形成される複数の薄膜トランジスター及び画素電極が形成されている。
【0045】
また、前記第2基板には前記画素領域を除いた部分の光を遮断するためのブラックマトリックス層とカラーフィルター層、及び共通電極などが形成されている。
勿論、液晶表示パネルがIPSモードの場合は、前記第1基板の画素領域に画素電極と共通電極が形成され、前記第2基板には共通電極の代わりにオーバーコート層が形成される。
【0046】
次いで、前記第1基板及び第2基板をそれぞれ一つずつ選択するようにプログラミングされたロボットアームを用いて、第1基板及び第2基板を選択する。
【0047】
そして、前記各第1、第2基板に液晶を配向するための配向膜を形成し、前記配向膜をラビングした後(102S、106S)、前記第1、第2基板をそれぞれ洗浄する(103S、107S)。
ここで、前記配向膜の形成及びラビング工程は、配向膜塗布前の洗浄、配向膜印刷、 配向膜塑性、配向膜検査、ラビング工程の順で行う。
【0048】
次いで、前記第1基板に液晶及びスペーサーを同時に形成する(104S)。ここで、前記液晶及びスペーサーの滴下工程(104S)は、液晶にスペーサーを一定の比率で混合させた後、ディスペンシング装備を用いて液晶とスペーサーを同時に形成する。
【0049】
次いで、前記第2基板の各液晶パネル領域の周縁にシール材及びAgドットをディスペンシングする(108S)。この際、前記シール材は、各液晶パネル領域に独立的にパターニングされる。
【0050】
上記のように形成された第1、第2基板を、真空貼り合わせ機チャンバー内に位置させた後、前記両基板に圧力を加えて貼り合わせる(109S)。
以下、上記貼り合わせ工程をより具体的に説明する。
【0051】
本発明に係る貼り合わせ工程は、大別して真空貼り合わせ機チャンバーに両基板をローディングする段階、前記両基板を整列する段階、前記両基板を貼り合わせる段階、および前記貼り合わせられた両基板を真空貼り合わせ機チャンバーからアンローディングする段階で区分できる。
【0052】
まず、ローディングする前に、前記シール材が塗布された第2基板は超音波洗浄機(USC)で洗浄され、工程中に発生した粒子を除去することもできる。
即ち、第2基板は液晶が滴下されず、シール材及びAgドットが塗布されているので、洗浄が可能である。
【0053】
そして、ローディングする段階は、シール材が塗布された第2基板を、シール材が塗布された部分が下方向に向かうようにして、真空貼り合わせ機チャンバーの上部ステージに真空吸着法で固定させ、液晶及びスペーサーが形成された第1基板を、真空貼り合わせ機チャンバーの下部ステージに真空吸着法で固定させる。この際、前記真空貼り合わせ機チャンバーは大気状態を維持する。
【0054】
これを具体的に説明すると、シール材が塗布された第2基板の部分が下方向に向かうようにロボットのローダが第2基板を取り付け、真空貼り合わせ機チャンバーの内部に位置させる。この状態で前記真空貼り合わせ機チャンバーの上部ステージが下降して、前記第2基板を真空吸着法で固定した後上昇する。この際、前記真空吸着法の代わりに静電吸着法で固定することもできる。
【0055】
そして、前記ロボットのローダは真空貼り合わせ機のチャンバーを出て、再びロボットのローダによって液晶及びスペーサーが形成された第1基板を、前記真空貼り合わせ機チャンバー内の下部ステージの上側に位置させる。
【0056】
上記で薄膜トランジスターアレイが形成された第1基板に液晶及びスペーサーを形成し、カラーフィルターアレイが形成された第2基板にシール材を塗布すると述べたが、前記第1基板にシール材を塗布し、前記第2基板に液晶及びスペーサーを形成したり、前記両基板のうち何れかの基板に液晶およびスペーサー、シール材を塗布することもできる。但し、液晶が滴下した基板を下部ステージに位置させ、残りの基板は上部ステージに位置させる。
【0057】
そして、基板レシーバーを前記上部ステージに固定された第2基板の直ぐ下側に位置させる。この際、前記基板レシーバーを第2基板に位置させる方法は次の通りである。
【0058】
第一に、前記上部ステージを下降させたり、前記基板レシーバーを上昇させて前記第2基板と前記基板レシーバーを近接させた後、前記第2基板を前記基板レシーバー上に置く。
【0059】
第二に、前記上部ステージを1次的に一定の距離下降させ、前記基板レシーバーを2次的に上昇させて、第2基板と基板レシーバーを近接させた後、前記第2基板を前記基板レシーバー上に置く。
【0060】
第三に、前記上部ステージを下降、前記基板レシーバーを上昇させたり、又は前記上部ステージを1次下降、基板レシーバーを2次上昇させて、前記第2基板と、前記基板レシーバーが一定の間隔を有するように近接させた後、上部ステージが第2基板を吸着するようにする。
【0061】
この際、前記基板レシーバーを前記第2基板の下側に位置させる理由は、前記各ステージが真空吸着法で第1、第2基板を吸着している状態で前記貼り合わせ機チャンバーを真空状態にする間、前記各ステージの真空より貼り合わせ機チャンバー内の真空度がさらに高くなるため、前記ステージに吸着されていた第1、第2基板の吸着力を失い、特に上部ステージに吸着された第2基板が離脱して、前記第1基板上に落ちることを防止するためである。
【0062】
したがって、前記貼り合わせ機チャンバーを真空状態にする前に上部ステージに吸着された第2基板を前記基板レシーバーに置いたり、第2基板を吸着した上部ステージと前記基板レシーバーを、一定の間隔を置いて位置させた後、チャンバー内を真空状態にする間前記第2基板を前記上部ステージから前記基板レシーバーに位置するようにする。
【0063】
また、前記貼り合わせ機チャンバーを真空状態にし始めると、初期段階でチャンバー内の流動によって基板の動ぎが生じるので、これを固定する手段をさらに構成することもできる。ここで、前記上下部ステージが第1、第2基板を静電吸着法で吸着する場合、前記基板レシーバーが上部ステージの下側に位置する必要がなく、直ぐに真空することができる。
【0064】
前記真空貼り合わせ機チャンバーを真空状態にする時、真空貼り合わせ機チャンバーの真空度は、貼り合わせる液晶モードによって差があるが、IPSモードは約1.0×10−3Pa乃至1Paに、TNモードは約1.1×10−3Pa乃至10Paにする。
【0065】
上記で真空貼り合わせ機チャンバーを2段階に真空することができる。即ち、前記上部ステージにそれぞれ基板を吸着させ、チャンバーのドアを閉めた後、1次真空を始める。
そして、前記基板レシーバーを上部ステージの下側に位置させ、上部ステージに吸着された基板を前記基板レシーバーに置いたり、基板を吸着した状態で上部ステージと前記基板レシーバーが一定の間隔を維持するようにした後、前記真空貼り合わせ機チャンバーを2次真空する。この際、1次真空時より2次真空がより迅速に行われ、1次真空は前記真空貼り合わせ機チャンバーの真空度が上部ステージの真空吸着力より高くないようにする。
【0066】
また、1次、2次に真空を区分せず、前記各ステージに基板を吸着させ、チャンバーのドアを閉めた後、一定に真空を始めて真空中に前記基板レシーバーを上部ステージの下側に位置させることができる。この際、前記基板レシーバーが上部ステージの下側に位置する時点は、真空貼り合わせ機チャンバーの真空度が上部ステージの真空吸着力より高くなる前に位置される。
【0067】
このように真空貼り合わせ機チャンバーの真空を2次にわたって行う理由は、前記真空張り合わせ器チャンバーの真空化が急速に行われると、チャンバー内の基板が捩れたり、流動する可能性があり、これを防止するためである。
【0068】
前記真空貼り合わせ機ャンバーが一定の状態の真空状態に至ると、前記上下部の各ステージは静電吸着法で前記第1、第2基板を固定させ、前記基板レシーバーを元の位置に位置させる。ここで、静電吸着法は、ステージに形成された少なくとも2つ以上の平板電極を備えて、前記平板電極に陰/陽の直流電源を供給して吸着する。即ち、各平板電極に陽又は陰の電圧が印加されると、前記ステージに陽又は陰の電荷が誘起され、それらの電荷によって基板に導電層(共通電極又は画素電極など透明電極が形成される)が形成されているので、前記導電層とステージの間に発生するクーロン力で基板が吸着される。
【0069】
この際、基板の導電層が形成された面が前記ステージ側に位置する場合、約0.1乃至1KVの電圧を印加し、基板の導電層が形成された面が前記ステージに向き合う側に位置する場合は、3乃至4KVを印加する。ここで、前記上部ステージ上に弾性シートを形成することもできる。
【0070】
前記両基板の整列段階は、前記上部ステージを下方向に移動させ、第2基板を第1基板に近接させた後、前記第1基板と第2基板を整列させる。その整列方法をより具体的に説明する。
【0071】
即ち、前記第1基板と第2基板には、それぞれ指定された位置に複数のラフアラインマーク(Rough align Mark)(約3μmの大きさ)と、複数のファインアラインマーク(Fine align Mark)(約0.3μmの大きさ)が付けてある。ここで、第1基板にはラフアラインマークとファインアラインマークが、第2ガラス基板にはラフアラインマークとファインアラインマークがそれぞれ付けてある。
【0072】
このようなラフアラインマークを整列させるためのカメラと、ファインアラインマークを整列させるためのカメラとがそれぞれ別個に真空貼り合わせ機に設置されている。このようにカメラをそれぞれ別途に設置した理由は、上述したように、ラフアラインマークとファインアラインマークはその大きさの差があり、ラフアラインマークとファインアラインマークの形成する位置が異なるため、一つのカメラでラフアラインマークとファインアラインマークを整列させることは容易ではないからである。そして、各カメラのフォーカシング地点は、第1基板と第2基板間の中央部分をフォーカシングする。
【0073】
したがって、1次的に第1基板と第2基板の間隔が0.4mm〜0.9mm程度(好ましくは0.6mm程度)となるように前記上部ステージを下降して、前記第1基板に付けてあるラフアラインマーク内に第2基板に付けてあるラフアラインマークが正確に位置するように、第1基板と第2基板を整列させる。
【0074】
そして、2次的に前記第1基板と第2基板の間隔が0.1mm〜0.4mm程度(好ましくは0.2mm程度)となるように前記上部ステージを下降して、前記第1基板に付けてあるファインアラインマーク内に第2基板に付けてあるファインアラインマークが正確に位置するように、第1基板と第2基板を精密に整列させる。
【0075】
ここで、前記ファインアラインマークの整列時、必要に応じて第1基板に滴下した液晶が第2基板に接触するようにして整列することができる。この際、前記上部ステージは上下往復運動を行い、下部ステージがX軸、Y軸方向に移動可能なようになっているので、前記下部ステージを移動して両基板を整列させる。
【0076】
前記ラフアラインマークとファインアラインマークを整列する方法として、前記各カメラを基板の上部又は下部に形成することもでき、基板の上部又は下部に位置したカメラを用いて、第一に、第2基板に形成されたマークと第1基板に形成されたマークの間の中間に焦点を合わせて整列する方法と、第二に、カメラの焦点距離を移動して、第2基板のマークと第1基板のマークの焦点を交互に合わせて精密度を向上させる方法がある。
【0077】
また、前記第1基板と第2基板上に形成されたラフアラインマークとファインアラインマークの数は、少なくとも4つ以上に形成し、前記基板の大型化につれて、整列の精密度向上のために、マークの数は増加可能である。そして、前記ラフアラインマーク及びファインアラインマークの形成位置は、各パネル間のカッティング部分又は複数のパネルが形成された原板の周縁部分にそれぞれ形成される。
【0078】
そして、ラフアラインマークとファインアラインマークがそれぞれ整列された時を示したもので、ラフアラインマークとファインアラインマークの整列時にそれぞれ異なるカメラを用いて第1基板と第2基板を整列させるので、より迅速かつ正確に整列することができる。
【0079】
このように両基板が整列されると、両基板が静電吸着法で各ステージにローディングされた状態で前記上部ステージを下降し、前記第1基板と第2基板を貼り合わせるために加圧する。この際、加圧方法として、上部ステージ又は下部ステージを垂直方向に移動させ両基板を加圧し、この際、ステージの移動速度および圧力を可変して加圧する。
【0080】
即ち、第1基板の液晶及びスペーサーと第2基板とが接触する時点、又は第1基板と第2基板のシール材が接触する時点までは一定の速度、又は一定の圧力でステージを移動させ、接触する時点から所望の最終圧力まではますます段階別に圧力を上昇させる。
【0081】
即ち、前記移動ステージの軸にロードセルが設置され、接触時点を認識し、接触する時点には0.1トン(ton)、中間段階では0.3トン、最後の段階では0.4トン、そして最終段階では0.5トンの圧力で前記両基板を貼り合わせる。
【0082】
この際、上部ステージは一つの軸によって基板を加圧するが、多数の軸を設置して、各軸ごとに別途のロードセル(圧力測定装置)が装着され、各軸ごとに独立的に加圧するように設置することもできる。したがって、前記下部ステージと上部ステージの水平が合わず、ソール材が均一に貼り合わせられない場合には、該当部分の軸を相対的にさらに高い圧力で加圧したり、さらに低い圧力で加圧して、シール材が均一に貼り合わせられるようにする。
【0083】
上記のように加圧して前記両基板の貼り合わせが完了すると、前記静電吸着法による吸着を停止した後(ESCoff)、前記上部ステージを上昇させて上部ステージを前記貼り合わせられた両基板から分離させる。
【0084】
そして、貼り合わせられた基板をアンローディングする。即ち、貼り合わせが完了すると、前記上部ステージが上昇し、ロボットのローダを用いて貼り合わせられた第1、第2基板をアンローディングしたり、貼り合わせられた第1、第2基板を上部ステージが吸着して上昇した後、ロボットのローダが前記上部ステージからアンローディングする。
【0085】
この際、工程時間を短縮するために、次の貼り合わせ工程が行われる第1基板又は第2基板の何れか一方をステージにローディングさせ、貼り合わせられた第1、第2基板をアンローディングすることができる。即ち、次に貼り合わせ工程が行われる第2基板をロボットのローダを用いて前記上部ステージに位置させ、真空吸着法で上部ステージが第2基板を固定させるようにした後、前記下部ステージ上の貼り合わせられた第1、第2基板をアンローディングしたり、前記上部ステージが貼り合わせられた第1、第2基板を吸着して上昇し、ロボットのローダが、次の貼り合わせ工程が行われる第1基板を前記下部ステージにローディングさせた後、前記貼り合わせられた第1、第2基板をアンローディングすることができる。
【0086】
上記のように貼り合わせられた第1、第2基板を前記真空貼り合わせ機チャンバーからUV硬化炉(図示せず)にローディングして、UV硬化炉でUVを照射して前記シール材を硬化する(110S)。
即ち、前記シール材が形成された部分にのみ選択的にUVが照射されるように、残りの部分には遮光膜が形成されたマスク(図示せず)を用いて、前記シール材にUVを照射して前記シール材をUV硬化させる。
【0087】
そして、前記UV硬化した基板を熱硬化炉にローディングして、前記シール材を熱硬化する(111S)。この際、前記各液晶パネルに滴下した液晶が広がり始める。
【0088】
上記のようにUV及び熱硬化工程が完了すると、前記第1、第2基板を単位液晶パネル別にカッティングし(112S)、単位液晶パネル別に研磨加工した後(113S)、検査工程を経て出荷する(114S、115S)。
【0089】
一方、本発明では液晶を滴下して形成する時、予め液晶にスペーサー物質を混合し、前記混合された液晶及びスペーサーをディスペンシング装備を用いて、直接大面積のガラス基板に滴下し、基板の貼り合わせ圧力によって滴下した液晶をパネルの全体にかけて均一に分布させると同時に、両基板間のギャップを一定に維持することができる。
【0090】
即ち、第1基板と第2基板とを貼り合わせる前に、第1基板上に液晶及びスペーサーを混合させた後、前記混合された液晶及びスペーサーを、ディスペンシング装備を用いて滴下する。この際、前記第2基板の外郭領域にシールを塗布した後、前記第2基板と第1基板に圧力を加えることにより、第1基板及び第2基板が貼り合わせられ、これと同時に前記圧力によって液晶が外部に広がって前記第2基板と第1基板の間に均一な厚さの液晶層が形成される。
【0091】
一方、上記で、前記第1基板に液晶及びスペーサーを同時に形成し、前記第2基板の各液晶パネル領域の周縁にシール材及びAgドットをディスペンシングすることを説明したが、これに限定されず、両基板の何れか一方に液晶及びスペーサーと、シール材及びAgドットを全て形成することもできる。
【0092】
即ち、前記第1基板及び第2基板の何れか一方の基板の各液晶パネル領域に液晶とスペーサーを混合して同時に滴下し、前記同一の基板の液晶パネル領域の周縁にシール材及びAgドットを形成することができる。
【0093】
このような液晶滴下方式は、短時間の間に直接基板上に液晶を滴下するため、大面積の液晶表示装置の液晶層をかなり迅速に形成することができるばかりでなく、必要な量だけの液晶を直接基板上に滴下するため、液晶の消耗を最小化することができ、液晶表示装置の製造費用を大幅に節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】一般的な液晶表示装置を示す分解斜視図である。
【図2】従来技術に係る液晶注入方式の液晶表示装置の製造方法を示す工程順序図である。
【図3】従来技術に係る液晶滴下方式の液晶表示装置の製造方法を示す工程順序図である。
【図4】本発明に係る液晶表示装置の製造方法を示す工程順序図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と第2基板の何れかの基板上にスペーサーと液晶を同時に形成する段階、
第1基板と第2基板の何れかの基板上の周縁にシール材を形成する段階、および
前記第1基板及び第2基板を貼り合わせる段階を含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1基板は薄膜トランジスターアレイ基板であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項3】
前記第2基板はカラーフィルター基板であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項4】
前記第1基板にスペーサー及び液晶を同時に形成する段階は、
前記液晶とスペーサーを一定の比率で混合した後、ディスペンシング装備を用いて前記第1基板に液晶とスペーサーを滴下することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項5】
前記第1基板上には液晶及びスペーサーを形成し、前記第2基板にはシール材を形成することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項6】
前記第1基板及び第2基板の何れかの基板上に液晶、スペーサー及びシール材を全て形成することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項7】
前記液晶、スペーサー及びシール材を形成する前に、前記第1基板及び第2基板上にそれぞれ配向膜を形成し、ラビングする段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項8】
前記第1、第2基板を貼り合せた後、前記シール材を硬化する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項9】
第1基板に第1配向膜を形成し、ラビングする段階、
第2基板に第2配向膜を形成し、ラビングする段階、
前記第1基板及び第2基板を洗浄する段階、
前記第1基板上に液晶及びスペーサーを同時に形成する段階、
前記第2基板にAgドット及びシール材を形成する段階、
前記第1基板と第2基板を貼り合わせる段階、
前記第1基板と第2基板の間のシール材を硬化する段階、
前記貼り合わせられた第1、第2基板を各パネル単位でカッティングする段階、および
前記カッティングされた各パネルを研磨加工及び検査する段階を含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−3896(P2006−3896A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−173172(P2005−173172)
【出願日】平成17年6月14日(2005.6.14)
【出願人】(501426046)エルジー.フィリップス エルシーデー カンパニー,リミテッド (732)
【Fターム(参考)】