説明

測定装置、測定方法及びステージ装置

【課題】置の大型化を招くことなく移動ステージの位置検出を可能とする測定装置を提供する。
【解決手段】第1軸方向に沿って可動体に第1ビームを出射し、可動体で反射した第1ビームが第1光路で進む前記第1光学部材と、第1軸方向に沿って可動体に第2ビームを出射し、可動体で反射した第2ビームが第2光路で進む第2光学部材と、第1軸方向に沿って可動体に第3ビームを出射し、可動体で反射した第3ビームが第3光路で進む第3光学部材と、第1光路を進んだ第1ビーム、及び第2光路を進んだ第2ビームが互いに干渉する干渉計と、干渉計での干渉に基づいて、第3軸方向における可動体の位置情報を得る算出装置とを備え、第1軸方向に沿って可動体に向かう第3ビームの進路は、第3軸方向について、第1光路の進路と第2光路の進路との間に位置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置、測定方法及びステージ装置に関するものである。
本願は、2005年6月28日に出願された、特願2005−188228号及び特願2005−188269号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子、液晶表示素子等の電子デバイスの製造工程では、パターンが形成されたマスクあるいはレチクル(以下、レチクルと称する)のパターン像を投影光学系を介して感光材(レジスト)が塗布された基板(ウエハ、ガラスプレート等)上の各投影領域(ショット領域)に投影する投影露光装置が使用されている。
【0003】
このような露光装置では、一般に、基板が載置されるステージの位置情報が干渉計システムによって計測される。干渉計システムは、ステージに設けられた反射鏡(移動鏡)にビームを照射し、その反射ビームを用いてステージの位置情報を計測するものである(例えば、特許文献1参照)。また、ステージにおける投影光学系の光軸方向の位置(高さ位置)について干渉計システムを用いて計測する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この技術によれば、応答速度の向上が図られるとともに、基板が載置されていない場合又は基板が存在しない範囲にステージが移動した場合であってもそのステージの高さ方向の位置を正確に計測することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2001−510577号公報(対応米国特許第6,020,964号)
【特許文献2】特開2001−345254号公報(対応米国特許第6,867,849号)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
反射板を移動ステージの上方に設ける構成では、ダウンフロー用機器を設置するための場所の確保が困難である。また、移動ステージの上方において、反射板を避けて、投影光学系及びウエハの位置計測に用いられる計測機器を配置すると、結果として装置の大型化を招く虞がある。
【0006】
また、従来の高さ位置計測用の干渉計システムでは、ステージに設けられた反射鏡(移動鏡)によってビームが所定角度折り曲げられた後、そのビームが静止物体に固定された反射鏡(固定鏡)で反射して元の方向に戻る。このような干渉計システムでは、ビームの光路長が比較的長いこと等から、ステージの姿勢の変化が計測結果に影響を与えやすい。例えば、ステージの傾き変化に対して、ステージから戻ったビームの位置ずれ及び/又はその戻り方向の角度ずれが比較的大きく、これは検出不良及び/又は計測誤差を招く可能性がある。
【0007】
本発明は、装置の大型化を招くことなく移動ステージの位置検出を可能とする測定装置、測定方法及びステージ装置を提供することを目的とする。また、本発明は、高さ位置計測用の測定システムにおいて、可動体の姿勢の変化に対する検出不良及び計測誤差を低減し、高精度な位置計測を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様に従えば、第1軸と該第1軸と直交する第2軸とによって定義される平面に沿って移動する可動体の位置情報を測定する測定装置であり、第1軸に沿う第1軸方向の成分、及び平面と直交する第3軸に沿う第3軸方向の成分を含む方向の第1光路を形成する第1光学部材であり、第1軸方向に沿って可動体に第1ビームを出射し、可動体で反射した第1ビームが第1光路で進む前記第1光学部材と、第1軸方向の成分及び第3軸方向の成分を含む方向で、第1光路とは異なる第2光路を形成する第2光学部材であり、第1軸方向に沿って可動体に第2ビームを出射し、可動体で反射した第2ビームが第2光路で進む第2光学部材と、第1軸方向の成分を含む方向で、第1光路及び第2光路とは異なる第3光路を形成する第3光学部材であり、第1軸方向に沿って可動体に第3ビームを出射し、可動体で反射した第3ビームが第3光路で進む第3光学部材と、第1光路を進んだ第1ビーム、及び第2光路を進んだ第2ビームが互いに干渉する干渉計と、干渉計での干渉に基づいて、第3軸方向における可動体の位置情報を得る算出装置とを備え、第1軸方向に沿って可動体に向かう第3ビームの進路は、第3軸方向について、第1光路の進路と第2光路の進路との間に位置する測定装置が提供される。
【0009】
本発明の第2の態様に従えば、物体を保持して移動可能な保持部材と、第1の態様の測定装置であり、可動体として保持部材の位置情報を測定する測定装置とを備えるステージ装置が提供される。
【0010】
本発明の第3の態様に従えば、第1軸と該第1軸と直交する第2軸とによって定義される平面に沿って移動する可動体の位置情報を測定する測定方法であり、第1軸に沿う第1軸方向に沿って可動体に照射されるとともに、可動体で反射されて、第1軸方向の第1成分と、平面と直交する第3軸に沿う第3軸方向の第3成分とを含む方向の第1光路を進む第1ビームを照射することと、第1軸方向に沿って可動体に照射されるとともに、可動体で反射されて、第1成分及び第3成分を含む方向であり第1光路とは異なる第2光路を進む第2ビームを照射することと、第1軸方向に沿って可動体に照射されるとともに、可動体で反射されて、第1成分を含む方向であり第1光路及び第2光路とは異なる第3光路を進む第3ビームを照射することと、第1光路を進んだ第1ビームと、第2光路を進んだ第2ビームとに基づいて、第3軸方向における可動体の位置情報を算出することと、を含み、可動体に向かう第3ビームの進路は、第3軸方向について、第1光路の進路と第2光路の進路との間に位置する測定方法が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、各種機器を支障なく配置することが可能となり、装置の大型化を回避しつつ移動ステージの位置を検出することができる。本発明の干渉計システムによれば、可動体の姿勢の変化に対する計測感度が下がるから、検出不良及び計測誤差を低減し、高精度な位置計測を実現することができる。本発明の光学部材によれば、可動体の姿勢変化に対する検出不良及び計測誤差を低減する機能を有する干渉計に好ましく用いることができる。本発明のステージ装置によれば、ステージの位置決め精度の向上を図ることができる。それゆえ、本発明は、例えば半導体素子、液晶表示素子又はディスプレイ、薄膜磁気ヘッド、CCD、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、レチクル(マスク)のような広範囲な製品を製造するための露光装置及び方法に極めて有用となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一実施形態に係る露光装置を示す概略構成図である。
【図2】ステージ装置の斜視図である。
【図3】同ステージ装置の平面図である。
【図4】ウエハステージに設けられた移動鏡と固定鏡とを示す図である。
【図5】移動鏡が設けられたウエハステージの外観斜視図である。
【図6】移動鏡がダンパ部材を介して支持された構成を示す図である。
【図7】計測ステージに設けられた移動鏡と固定鏡とを示す図である。
【図8】露光装置の制御系の主要な構成を示すブロック図である。
【図9】ウエハステージを挟んだ両側に移動鏡が設けられた構成を示す図である。
【図10】他の実施形態に係る露光装置を示す概略構成図である。
【図11】干渉計システムの配置図である。
【図12】干渉光学系の構成を示す模式的な斜視図である。
【図13】干渉光学系の構成を示す模式的な側面図である。
【図14A】ルーフミラーの形態例を示す模式図である。
【図14B】ルーフミラーの変形例を示す模式図である。
【図14C】ルーフミラーの変形例としてルーフプリズムの形態例を示す模式図である。
【図15】ウエハテーブルの姿勢が変化したときの干渉計システムにおける測定ビームの光路の変化を模式的に示す図である。
【図16】ルーフミラーの使用による光路長の短縮化を説明するための図であり、図13を変形した比較構成例を示している。
【図17】干渉計システムにおける複数の干渉光学系の切り替えの様子を説明する図である。
【図18】図4の変形例を示す図である。
【図19】図4の変形例を示す図である。
【図20】図4の変形例を示す図である。
【図21】図4の変形例を示す図である。
【図22A】移動鏡の形態例を示す図である。
【図22B】移動鏡の形態例を示す図である。
【図22C】移動鏡の形態例を示す図である。
【図23】半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を、図1から図23を参照して説明する。
【0014】
まず、本発明に係るステージ装置を露光装置におけるウエハステージに適用し、また本発明に係る反射部材をウエハステージに設けた実施形態について説明する。
【0015】
図1には、本実施形態の露光装置100の概略構成が示されている。この露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、即ちいわゆるスキャニング・ステッパである。この露光装置100は、照明系10、マスクとしてのレチクルRを保持するレチクルステージRST、投影ユニットPU、ウエハステージWST及び計測ステージMSTを有するステージ装置50、及びこれらの制御系を備えている。ウエハステージWST上には、ウエハWが載置されている。
【0016】
まず、ステージ装置50について説明する。前記ステージ装置50は、フレームキャスタFCと、該フレームキャスタFC上に設けられたベース盤12と、該ベース盤12の上方に配置されベース盤12の上面12aに沿って移動するウエハステージWST及び計測ステージMSTと、これらのステージWST、MSTの位置を検出する干渉計16、18等を含む干渉計システム118(図8参照)と、ステージWST、MSTを駆動するステージ駆動部124(図8参照)とを備えている。
【0017】
前記フレームキャスタFCは、図2に示すように、そのX軸方向一側と他側の端部近傍にY軸方向を長手方向とし上方に突出した突部FCa、FCbが一体的に形成された概略平板状からなっている。フレームキャスタFCの突部FCa、FCbの上方には、図2に示されるように、Y軸方向に延びるY軸駆動用の固定子86、87が配設されている。これらのY軸用の固定子86、87は、それぞれの下面に設けられた不図示の気体静圧軸受、例えばエアベアリングによって突部FCa、FCbの上面に対して所定のクリアランスを解して浮上支持されている。これはウエハステージWST及び/又は計測ステージMSTのY方向の移動により発生した反力により、固定子86、87がカウンタマスとして逆方向に移動して、この反力を運動量保存の法則により相殺するためである。Y軸用の固定子86、87は、本実施形態では複数の永久磁石群からなる磁石ユニットとして構成されている。
【0018】
前記ベース盤(定盤)12は、フレームキャスタFCの前記突部FCa、FCbに挟まれた領域上に配置されている。ベース盤12の上面12aは平坦度が非常に高く仕上げられ、ウエハステージWST及び計測ステージMSTのXY平面に沿った移動の際のガイド面とされている。
【0019】
前記ウエハステージWSTは、図2に示されるように、ベース盤12上に配置されたウエハステージ本体28と、該ウエハステージ本体28上に不図示のZ・チルト駆動機構を介して搭載されたウエハテーブルWTBとを備えている。Z・チルト駆動機構は、実際にはウエハステージ本体28上でウエハテーブルWTBを3点で支持する3つのアクチュエータ(例えば、ボイスコイルモータ及びEIコア)等を含む。各アクチュエータの駆動を調整することで、ウエハテーブルWTBをZ軸方向、θX方向(X軸周りの回転方向)、θY方向(Y軸周りの回転方向)の3自由度方向に微小駆動する。
【0020】
ウエハステージ本体28は、断面矩形枠状でX軸方向に延びる中空部材によって構成されている。このウエハステージ本体28の下面には、(本願出願人が先に出願した特願2004−215434号(対応国際公開2006/009254)に記載されているような)自重キャンセラ機構が設けられている。この自重キャンセラ機構は、ベローズに内圧をかけてウエハステージWSTを支える支持部と、ガイド面12aと対向し、ウエハステージWSTをガイド面12aに対して浮上させるエアベアリング部とを有している。
【0021】
前記ウエハステージ本体28の内部には、X軸方向の可動子としての永久磁石群を有する磁石ユニット90が設けられている。磁石ユニット90の内部空間には、X軸方向に延びるX軸用の固定子80が挿入されている。このX軸用の固定子80は、X軸方向に沿って所定間隔で配置された複数の電機子コイルを内蔵する電機子ユニットによって構成されている。この場合、磁石ユニット90と電機子ユニットからなるX軸用の固定子80とによって、ウエハステージWSTをX軸方向に駆動するムービングマグネット型のX軸リニアモータが構成されている。以下においては、適宜、上記X軸リニアモータを、その固定子(X軸用の固定子)80と同一の符号を用いてX軸リニアモータ80と称するものとする。なお、X軸リニアモータ80として、ムービングマグネット型のリニアモータに代えて、ムービングコイル型のリニアモータを用いてもよい。
【0022】
X軸用の固定子80の長手方向両側端部には、例えばY軸方向に沿って所定間隔で配置された複数の電機子コイルを内蔵する電機子ユニットからなる可動子82、83がそれぞれ固定されている。これらの可動子82、83のそれぞれは、上述したY軸用の固定子86、87にそれぞれ内側から挿入されている。すなわち、本実施形態では、電気ユニットからなる可動子82、83と磁石ユニットからなるY軸用の固定子86、87とによって、ウエハステージWSTをY軸方向に駆動するムービングコイル型のY軸リニアモータが構成されている。以下においては、上記2つのY軸リニアモータのそれぞれを、それぞれの可動子82、83と同一の符号を用いて、適宜、Y軸リニアモータ82、83と称するものとする。なお、Y軸リニアモータ82、83として、ムービングコイル型のリニアモータに代えて、ムービングマグネット型のリニアモータを用いてもよい。
【0023】
ウエハステージWSTは、X軸リニアモータ80により、X軸方向に駆動されるとともに、一対のY軸リニアモータ82、83によってX軸リニアモータ80と一体でY軸方向に駆動される。また、ウエハステージWSTは、Y軸リニアモータ82、83が発生するY軸方向の駆動力を僅かに異ならせることにより、θZ方向(Z軸周りの回転方向)にも回転駆動される。従って、ウエハテーブルWTBを支持する3つのアクチュエータ、X軸リニアモータ80及びY軸リニアモータ82、83の駆動により、ウエハテーブルWTBは6自由度方向(X、Y、Z、θX、θY、θZ)に非接触で微小駆動可能とされている。ウエハステージWTBに接続されるアクチュエータの数を増やして、ウエハステージWTBを直接6自由度方向に駆動するようにしてもよい。
【0024】
ウエハテーブルWTB上には、ウエハWを保持するウエハホルダ(不図示)が設けられている。ウエハホルダは、板状の本体部と、該本体部の上面に固定されその中央にウエハWの直径よりも大きな円形開口が形成された撥液性(撥水性)を有する補助プレートとを備えている。この補助プレートの円形開口内部の本体部の領域には、多数(複数)のピンが配置されている。その多数のピンによってウエハWが支持された状態で真空吸着されている。この場合、ウエハWが真空吸着された状態では、そのウエハW表面と補助プレートの表面との高さがほぼ同一の高さとなる。なお、補助プレートを設けずに、ウエハテーブルWTBの表面に撥液性を付与してもよい。
【0025】
また、図2に示されるように、ウエハテーブルWTBのX軸方向の一端(+X側端)には、X軸方向に直交する(Y軸方向に延在する)反射面17Xが鏡面加工により形成されている。ウエハテーブルWTBのY軸方向の一端(+Y側端)には、Y軸方向に直交する(X軸方向に延在する)反射面17Yが同様に鏡面加工により形成されている。反射面17Xには、後述する干渉計システム118(図8参照)を構成するX軸干渉計46、47からの干渉計ビームがそれぞれ投射される。反射面17Yには、後述する干渉計システム118(図8参照)を構成するY軸干渉計18、19からの干渉計ビームがそれぞれ投射される。各干渉計46、47、18、19ではそれぞれの反射光を受光することで、各反射面17X、17Yの基準位置(一般的には投影ユニットPU側面及び/又はオフアクシス・アライメント系ALG(図1、図8参照)の側面に固定ミラーを配置し、そこを基準面とする)からの計測方向の変位を検出する。
【0026】
同様に、計測ステージMSTの変位は、干渉計システム118を構成する上記のX軸干渉計46、Y軸干渉計16からの干渉計ビームがそれぞれ投射されることで検出されるが、計測ステージMSTがX軸干渉計46の検出範囲から外れた位置にある場合には、X軸干渉計21により検出される。すなわち、図2及び図3に示すように、計測ステージMSTの側部には、干渉計21からY軸方向に沿って照射された干渉計ビームをX軸方向に折り曲げるミラー42が搭載されている。ミラー42で折り曲げられた干渉計ビームは、固定子87の上方に固定子87とは別体として設けられ、YZ平面と平行な反射面27aを備えた反射部材27で反射される。干渉計21は、反射部材27で反射された干渉計ビームを受光し、計測ステージMSTのX軸方向の変位を検出する。
【0027】
干渉計システム118は、上述したY軸干渉計16、18、19、X軸干渉計21、46、47の他に、Z軸干渉計22、23、ウエハステージWSTに設けられた移動鏡30、図1及び図4に示すように、移動鏡30と対向する位置に配設された固定鏡31A、31B(図2では不図示)、計測ステージMSTに設けられた移動鏡60、移動鏡60と対向する位置に配設された固定鏡61A、61B(図2では不図示)を備えている。なお、上述した干渉計16は、計測ステージMSTに対するZ軸干渉計の機能も有している。また、Y軸干渉計18、Z軸干渉計22、23、固定鏡31A、31Bは、不図示のウエハローダとウエハテーブルWTBとの間で行われるウエハWの交換と干渉しないように、X位置とZ位置との少なくとも一方の位置が決められている(図4は、Y軸干渉計18、Z干渉計22、23、固定鏡31A、31BがウエハテーブルWTBよりもZ方向の位置が低いことが図示されている)。
【0028】
図2及び図5に示すように、移動鏡30は、ウエハステージ本体28の+Y側の側部に、ウエハステージ本体28の変形を吸収可能なヒンジブロック32〜34を介してX軸方向に延在するように設けられている。ヒンジブロック32、33は、移動鏡30の長さ方向両端側にそれぞれ配置されており、ウエハステージ本体28の側部に固定される固定体32a、33aと、移動鏡30の上部に固定される固定体32b、33bとを有している。また、ヒンジブロック34は、移動鏡30の長さ方向略中央部に配置されており、ウエハステージ本体28の側部に固定される固定体34aと、移動鏡30の下部に固定される固定体34bとを有している。
【0029】
ヒンジブロック32〜34において、固定体32a〜34aと固定体32b〜34bとを結ぶ部分の所定方向の剛性が低く設定されている。例えば、固定体32a〜34aと固定体32b〜34bとの間に、ワイヤー放電加工等によりスリットが形成されている。ヒンジブロック32〜34において、低剛性の部分がヒンジあるいは板バネとして機能し、温度変動等によるウエハステージ本体28の変形を吸収する。ヒンジブロック32〜34は、例えばヒンジブロック32が円錐凹部(cone)に相当し、ヒンジブロック33が平坦溝に相当し、ヒンジブロック34がV溝に相当するキネマチックマウント機構として、振動、温度変化等に起因する応力を最も効果的に軽減した状態で移動鏡30をウエハステージ本体28に支持させる。
【0030】
また、移動鏡30とウエハステージ本体28との間には、ダンパ部材35が介装されている。ダンパ部材35は、ウエハステージ本体28に固定されており、図6に示すように、移動鏡30の上面(+Z側の面)と対向する壁部35aと、移動鏡30の背面の背面(−Y側の面、ウエハステージ本体28側の面)と対向する壁部35bとを有している。移動鏡30は、上面及び背面が壁部35a、35bとの間に、例えば10μm程度の隙間を形成した状態で配置される。ダンパ部材35は、移動鏡30との間の隙間に存在する空気の粘性により、ダンパ(制振器)として機能することになる。
【0031】
移動鏡30は、X軸方向の長さがウエハテーブルWTBの反射面17Yの長さよりもそれぞれ長く形成された反射面30a、30b、30cを有する。これにより、Z軸干渉計22、23は、ウエハステージWSTのX方向の移動に対応して幅広い範囲においてウエハステージWSTのZ方向に関する位置を計測することができる。反射面30aは、XZ平面をX軸周りに所定角度傾けた面と平行に、すなわちZ方向成分を含む方向に延びて形成されている。反射面30bは、XY平面と平行な面に関して反射面30aとほぼ対称に、Z方向成分を含む方向に延びて形成されている。反射面30cは、反射面30aと反射面30bとの間に、XZ平面と平行に、且つX軸方向に延びるように設けられている。
【0032】
図2及び図3に示すように、Z軸干渉計22、23は、X軸方向に間隔をあけて配置されている。図4に示すように、Z軸干渉計22、23のそれぞれがY軸方向に沿う干渉計ビームB1を反射面30aに向けて投射するとともに、Y軸方向に沿う干渉計ビームB2を反射面30bに向けて投射し、反射面30a、30bで反射した干渉計ビームB1、B2を受光することにより、ウエハステージWSTのZ軸方向の位置及び/又はY軸方向の位置等を検出している。なお、ウエハステージWSTの位置算出については、後述する。
【0033】
固定鏡31Aは、移動鏡30の反射面30aと光学的に接続され、反射面30aで反射した干渉計ビームB1と直交して、当該干渉計ビームB1を反射面30aに向けて再反射するように、XZ平面に対して傾けられた反射面31aを有している。同様に、固定鏡31Bは、移動鏡30の反射面30bと光学的に接続され、反射面30bで反射した干渉計ビームB2と直交して、当該干渉計ビームB2を反射面30bに向けて再反射するように、XZ平面に対して傾けられた反射面31bを有している。これら固定鏡31A、31Bは、例えば投影ユニットPUを支持するフレーム(不図示)に設けられた同一の支持体36(図4参照)に支持される。支持体36には、干渉計ビームB1、B2、B3が通過する穴や切り欠きが設けられている。
【0034】
また、支持体36は、低熱膨張材(例えば、ゼロデュア(登録商標)、インバー等)で形成されていることが望ましい。また、干渉計22、23のそれぞれは、偏光ビームスプリッタ、折り曲げミラー、波長板、リレー光学系等の干渉光学部材を有している。これらの干渉光学部材を含んだ干渉計22、23は、図4に示すように、固定鏡31A、31BよりもウエハステージWSTから離れて配置されている。これは、干渉光学部材を含んだ干渉計22、23が、固定鏡31A、31BよりウエハステージWSTに近い側にあると、固定鏡31A、31Bの間隔(開き角)を大きくすることが必要となり、障害物(天井や定盤)を避けることが難しくなる不都合がある。又、干渉光学部材を含んだ干渉計22、23を、固定鏡31A、31BよりウエハステージWSTに近い側に配置したまま、固定鏡31A、31Bを含めて干渉計22、23をステージWSTから大きく離すことも考えられるが、装置幅の拡大と光路長の増加(揺らぎの増加)という不都合がある。
【0035】
この為、図4に示すように、これらの干渉光学部材を含んだ干渉計22、23を、図4に示すように、固定鏡31A、31BよりもウエハステージWSTから離して配置することにより、固定鏡31A、31Bの間隔(開き角)を適切にすることで、装置のサイズを大きくすることなく、ビームの占有空間を狭くすることができる。
【0036】
Y軸干渉計18は、投影光学系PLの投影中心(光軸AX、図1参照)及びアライメント系ALGの検出中心を結ぶY軸に平行な測長軸を有し、図4に示すように、ウエハテーブルWTBの反射面17Yに干渉計ビームB4を投射し、その反射光を受光することにより、ウエハテーブルWTBのY軸方向の位置を検出している。また、Y軸干渉計18は、干渉計ビームB4との間にZ軸方向に所定間隔をあけてY軸方向に沿う干渉計ビームB3を反射面30cに向けて投射し、反射面30cで反射した干渉計ビームB3を受光することにより、移動鏡30(すなわちウエハステージWST)のY軸方向の位置を検出している。また、Y軸干渉計18は、これら反射面17Y及び反射面30cにおけるY軸方向の位置に基づいて、ウエハステージWSTのX軸周り方向(θX方向)の変位(ピッチング量)を検出する。
【0037】
Y軸干渉計19は、ウエハ交換位置(ローディング・ポジション)LPにおいてウエハテーブルWTBのY軸方向の位置を検出している。
【0038】
X軸干渉計46は、計測テーブルMTBのX位置とウエハテーブルWTBのX位置とを選択して計測する干渉系であり、Y軸干渉計18の測長軸と投影光学系PLの投影中心で垂直に交差するX軸に平行な測長軸(Y軸方向の投影中心位置における測長軸)を有している。また、X軸干渉計46は、アライメント系ALGの検出中心を通るX軸に平行な測長軸(Y軸方向のアライメント中心位置における測長軸)を有している。
【0039】
また、X軸干渉計46は、露光動作の際には、投影中心位置における測長軸でウエハテーブルWTBのX方向の位置を測定し、エンハンスト・グローバル・アライメント(EGA)の際にはアライメント中心位置における測長軸でウエハテーブルWTBのX方向の位置を測定する。また、X軸干渉計46は、ベースライン計測等の計測内容に応じて2つの測長軸を適宜用いて計測テーブルMTBのX方向の位置を測定する。つまり、X軸干渉計46は、ウエハテーブルWTBまたは計測テーブルMTBのX軸方向の位置を、Y軸方向の投影中心位置及びアライメント中心位置のそれぞれで計測可能となっている。
【0040】
X軸干渉計47は、ウエハ交換位置(ローディング・ポジション)LPにおいてウエハテーブルWTBのX軸方向の位置を検出している。また、X軸干渉計47は、Z軸方向に離間する二つの干渉計ビームを反射面17Xに投射し、各干渉計ビームの反射光を受光することにより、ウエハステージWSTのθY方向の変位(ローリング量)も計測可能な構成となっている。
【0041】
図2に戻り、前記計測ステージMSTは、ウエハステージWSTと同様に、ベース盤12上に配置された計測ステージ本体52と、該計測ステージ本体52上に不図示のZ・チルト駆動機構を介して搭載された計測テーブルMTBとを備えている。Z・チルト駆動機構は、計測ステージ本体52上で計測テーブルMTBを3点で支持する3つのアクチュエータ(例えば、ボイスコイルモータ及びEIコア)等を含み、各アクチュエータの駆動を調整することで、計測テーブルMTBをZ軸方向、θx方向、θy方向の3自由度方向に微小駆動する。
【0042】
計測ステージ本体52は、断面矩形枠状でX軸方向に延びる中空部材によって構成されている。この計測ステージ本体52の下面には、複数、例えば4つの気体静圧軸受(不図示)、例えばエアベアリングが設けられている。これらのエアベアリングを介して計測ステージMSTがガイド面12aの上方に数μm程度のクリアランスを介して非接触で浮上支持されている。
【0043】
前記計測ステージ本体52の内部には、X軸方向の可動子としての永久磁石群を有する磁石ユニット54が設けられている。磁石ユニット54の内部空間には、X軸方向に延びるX軸用の固定子81が挿入されている。このX軸用の固定子81は、X軸方向に沿って所定間隔で配置された複数の電機子コイルを内蔵する電機子ユニットによって構成されている。この場合、磁石ユニット54と電機子ユニットからなるX軸用の固定子81とによって、計測ステージMSTをX軸方向に駆動するムービングマグネット型のX軸リニアモータが構成されている。以下においては、適宜、上記X軸リニアモータを、その固定子(X軸用の固定子)81と同一の符号を用いてX軸リニアモータ81と称するものとする。
【0044】
X軸用の固定子81の長手方向両側端部には、例えばY軸方向に沿って所定間隔で配置された複数の電機子コイルを内蔵する電機子ユニットからなる可動子84、85がそれぞれ固定されている。これらの可動子84、85のそれぞれは、上述したY軸用の固定子86、87にそれぞれ内側から挿入されている。すなわち、本実施形態では、電気ユニットからなる可動子84、85と磁石ユニットからなるY軸用の固定子86、87とによって、ムービングコイル型のY軸リニアモータが構成されている。以下においては、上記2つのY軸リニアモータのそれぞれを、それぞれの可動子84、85と同一の符号を用いて、適宜、Y軸リニアモータ84、85と称するものとする。
【0045】
計測ステージMSTは、X軸リニアモータ81により、X軸方向に駆動されるとともに、一対のY軸リニアモータ84、85によってX軸リニアモータ81と一体でY軸方向に駆動される。また、計測ステージMSTは、Y軸リニアモータ84、85が発生するY軸方向の駆動力を僅かに異ならせることにより、θz方向にも回転駆動される。従って、計測テーブルMTBを支持する3つのアクチュエータ、X軸リニアモータ81及びY軸リニアモータ84、85の駆動により、計測テーブルMTBは6自由度方向(X、Y、Z、θx、θy、θz)に非接触で微小駆動可能とされている。計測テーブルMTBに接続されるアクチュエータの数を増やして、計測テーブルMTBを直接6自由度方向に駆動するようにしてもよい。
【0046】
これまでの説明で明らかなように、本実施形態では、Y軸リニアモータ82〜85、X軸リニアモータ80、81、ウエハテーブルWTBを駆動する不図示の微動機構、計測テーブルMTBを駆動する不図示の駆動機構により、図8に示されるステージ駆動部124が構成されている。このステージ駆動部124を構成する各種駆動機構が図8に示される主制御装置20によって制御される。
【0047】
計測テーブルMTBは、露光に関する各種計測を行うための計測器類をさらに備えている。詳述すると、計測テーブルMTBの上面には、石英ガラス等のガラス材料からなるプレート101が設けられている。このプレート101の表面には、その全面に亘ってクロムが塗布され、所定位置に計測器用の領域、及び/又は、特開平5−21314号公報(対応する米国特許5,243,195号)などに開示される複数の基準マークが形成された基準マーク領域FMが設けられている。
【0048】
計測テーブルMTB(プレート101)のY軸方向の一端(−Y側端)には、Y軸方向に直交する(X軸方向に延在する)反射面117Yが鏡面加工により形成されている。また、計測テーブルMTBのX軸方向の一端(+X側端)には、X軸方向に直交する(Y軸方向に延在する)反射面117Xが鏡面加工により形成されている。
【0049】
また計測ステージMST(計測ステージ本体52)の−Y側の側部には、上述した移動鏡60が設けられている。移動鏡60は、ヒンジブロックを介して計測ステージMSTに支持される点、及び計測ステージMSTとの間にダンパ部材が介装される点は、移動鏡30と同様なので、それらの説明を省略する。
【0050】
図7に示すように、移動鏡60は、反射面60a、60b、60cを有する構成となっている。反射面60aは、法線がZ方向成分を含む方向に延び、XZ平面をX軸周りに傾けた面と平行に形成されている。反射面60bは、法線がZ方向成分を含む方向に延び、XY平面と平行な面に関して反射面60aとほぼ対称に形成されている。反射面60cは、反射面60aと反射面60bとの間に、法線がY軸方向に延びるように設けられている。
【0051】
干渉計16は、それぞれがY軸方向に沿う干渉計ビームB11を反射面60aに向けて投射するとともに、Y軸方向に沿う干渉計ビームB12を反射面60bに向けて投射し、反射面60a、60bで反射した干渉計ビームB11、B12を受光することにより、Z干渉計として計測ステージMSTのZ軸方向の位置、Y軸方向の位置等を検出する。干渉計16においては、この干渉計ビームB11、B12は、X軸方向に間隔をあけてそれぞれ2箇所で投射・受光される。
【0052】
また、干渉計16は、反射面117Yに干渉計ビームB14を投射し、その反射光を受光することにより、計測テーブルMTBのY軸方向の位置を検出している。さらに、干渉計16は、干渉計ビームB14との間にZ軸方向に所定間隔をあけてY軸方向に沿う干渉計ビームB13を反射面60cに向けて投射し、反射面60cで反射した干渉計ビームB13を受光することにより、反射鏡60(すなわち計測ステージMST)のY軸方向の位置を検出している。また、Y軸干渉計16は、これら反射面117Y及び反射面60cにおけるY軸方向の位置に基づいて、計測ステージMSTのX軸周り方向(θX方向)の変位(ピッチング量)を検出する。
【0053】
固定鏡61Aは、移動鏡60の反射面60aと光学的に接続され、反射面60aで反射した干渉計ビームB11と直交して、当該干渉計ビームB11を反射面60aに向けて再反射するように、XZ平面に対して傾けられた反射面61aを有している。同様に、固定鏡61Bは、移動鏡60の反射面60bと光学的に接続され、反射面60bで反射した干渉計ビームB12と直交して、当該干渉計ビームB12を反射面60bに向けて再反射するように、XZ平面に対して傾けられた反射面61bを有している。これら固定鏡61A、61Bは、例えば投影ユニットPUを支持するフレーム(不図示)に設けられた同一の支持体66(図7参照)に支持される。
【0054】
図1に戻り、前記照明系10は、不図示のレチクルブラインドで規定されたレチクルR上のスリット状の照明領域をエネルギビームとしての照明光(露光光)ILによりほぼ均一な照度で照明する。ここで、照明光ILとしては、一例としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられている。
【0055】
前記レチクルステージRST上には、回路パターン等がそのパターン面(図1における下面)に形成されたレチクルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチクルステージRSTは、例えばリニアモータを含むレチクルステージ駆動部11(図1では図示せず、図8参照)によって、照明系10の光軸(後述する投影光学系PLの光軸AXに一致)に垂直なXY平面内で微小駆動可能であるとともに、所定の走査方向(ここでは図1における紙面内、左右方向であるY軸方向とする)に指定された走査速度で駆動可能となっている。
【0056】
レチクルステージRSTのステージ移動面内の位置(Z軸周りの回転を含む)は、レチクルレーザ干渉計(以下、レチクル干渉計と称する)116によって、移動鏡15(実際にはY軸方向に直交する反射面を有するY移動鏡とX軸方向に直交する反射面を有するX移動鏡とが設けられている)を介して、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。このレチクル干渉計116の計測値は、主制御装置20(図1では不図示、図8参照)に送られる。主制御装置20では、このレチクル干渉計116の計測値に基づいてレチクルステージRSTのX軸方向、Y軸方向及びθZ方向(Z軸周りの回転方向)の位置を算出するとともに、この算出結果に基づいてレチクルステージ駆動部11を制御することで、レチクルステージRSTの位置(及び速度)を制御する。
【0057】
レチクルRの上方には、投影光学系PLを介してレチクルR上の一対のレチクルアライメントマークとこれらに対応する計測ステージMST上の一対の基準マークとを同時に観察するための露光波長の光を用いたTTR(Through The Reticle)アライメント系からなる一対のレチクルアライメント検出系RAa、RAbがX軸方向に所定距離隔てて設けられている。これらのレチクルアライメント検出系RAa、RAbとしては、例えば特開平7−176468号公報(対応する米国特許第5,646,413号)などに開示されるものと同様の構成のものが用いられている。
【0058】
前記投影ユニットPUは、鏡筒40と、該鏡筒40内に所定の位置関係で保持された複数の光学素子からなる投影光学系PLとを含む。投影光学系PLとしては、例えばZ軸方向の共通の光軸AXを有する複数のレンズ(レンズエレメント)からなる屈折光学系が用いられている。
【0059】
また、本実施形態の露光装置100では、液体を介してウエハWを露光する液浸法を適用した露光を行うため、投影光学系PLを構成する最も像面側(ウエハW側)の光学素子としてのレンズ(以下、先玉ともいう)91の近傍には、液浸装置132を構成する液体供給ノズル51Aと、液体回収ノズル51Bとが設けられている。液体供給ノズル51Aには、その一端が液体供給装置288(図1では不図示、図8参照)に接続された不図示の供給管の他端が接続されている。液体回収ノズル51Bには、その一端が液体回収装置292(図1では不図示、図8参照)に接続された不図示の回収管の他端が接続されている。
【0060】
上記の液体としては、ここではArFエキシマレーザ光(波長193nmの光)が透過する超純水(以下、特に必要な場合を除いて、単に「水」と記述する)を用いるものとする。液体供給ノズル51AからウエハWに水を供給しつつ、液体回収ノズル51Bから水を回収することにより、ウエハW上に部分的な(ローカルな)液浸領域Lqを形成することができる。なお、計測ステージMSTを用いた計測動作を行う場合には、ウエハステージWSTと計測ステージMSTとをY方向に移動させることにより、液浸領域LqをウエハステージWSTから計測ステージMSTに移動させることができる。計測ステージMSTは、液浸領域Lqを介して各種の計測を行うことができる。このため、ウエハWの交換の際に液浸領域Lqをいちいち回収することがないので、スループットを落とすことがなく、さらにウォーターマークが発生することもない。
【0061】
また、本実施の形態の露光装置100では、投影ユニットPUを保持する保持部材には、オフアクシス・アライメント系(以下、アライメント系と称する)ALGが設けられている。このアライメント系ALGとしては、例えばウエハ上のレジストを感光させないブロードバンドな検出光束を対象マークに照射し、その対象マークからの反射光により受光面に結像された対象マークの像と不図示の指標(アライメント系ALG内に設けられた指標板上の指標パターン)の像とを撮像素子(CCD等)を用いて撮像し、それらの撮像信号を出力する画像処理方式のFIA(Field Image Alignment)系のセンサが用いられている。アライメント系ALGからの撮像信号は、図8に示す主制御装置20に供給される。
【0062】
また、本実施の形態の露光装置100では、図1では図示が省略されているが、照射系90a、受光系90b(図8参照)からなる、斜入射方式の多点焦点位置検出系が設けられている。
【0063】
図8には、露光装置100の制御系の主要な構成が示されている。この制御系は、装置全体を統括的に制御するマイクロコンピュータ(またはワークステーション)からなる主制御装置20を中心として構成されている。また、主制御装置20には、メモリMEM、CRTディスプレイ(または液晶ディスプレイ)等のディスプレイDISが接続されている。
【0064】
次に、上記のように構成された露光装置100の中、干渉計システム118の動作について図2乃至図4及び図7を参照しながら説明する。本実施の形態では、Y軸干渉計18からの干渉計ビームB4はウエハステージWSTの移動範囲の全域で常に反射面17Yに投射され、Y軸干渉計16からの干渉計ビームB14は計測ステージMSTの移動範囲の全域で常に反射面117Yに投射されるようになっている。従って、Y軸方向については、常にステージWST、MSTの位置は、主制御装置20によってY軸干渉計16、18の計測値に基づいて管理される。
【0065】
その一方で、主制御装置20は、X軸干渉計46からの干渉計ビームが、反射面17Xに照射される範囲でのみ、X軸干渉計46の出力値に基づいてウエハテーブルWTB(ウエハステージWST)のX位置を管理するとともに、X軸干渉計46からの干渉計ビームが反射面117Xに照射される範囲でのみ、X軸干渉計46の出力値に基づいて計測テーブルMTB(計測ステージMST)のX位置を管理する。従って、X軸干渉計46の出力値に基づいてX位置を管理できない間、例えばウエハ交換位置(ローディング・ポジション)LP近傍でのウエハテーブルWTBのX位置はX軸干渉計47の出力値に基づいて管理される。一方、X軸干渉計46の出力値に基づいてX位置を管理できない間の計測テーブルMTBのX位置は、X軸干渉計21の出力値に基づいて管理される。
【0066】
続いて、Z軸干渉計22、23及びY軸干渉計18によるZ位置計測を含む位置計測について説明する。なお、干渉計16による計測ステージMSTに対するZ位置計測を含む位置計測は、ウエハステージWSTに対する位置計測と同様であるため、ここではウエハステージWSTについてのみ説明する。
【0067】
ウエハステージWSTの移動時等においては、移動鏡30に対してZ軸干渉計22、23から干渉計ビームB1、B2が投射され、干渉計ビームB1、B2は、各反射面30a、30bで入射光に対して角度θで反射する。固定鏡31A、31Bの反射面31a、31b及び移動鏡30の反射面30a、30bで反射した干渉計ビームB1、B2はZ軸干渉計22、23で受光される。
【0068】
ここで、ウエハステージWST(すなわち移動鏡30)のY軸方向への変位をΔYo、Z軸方向への変位をΔZoとすると、Z軸干渉計22、23で受光される干渉計ビームB1の光路長変化ΔL1及び干渉計ビームB2の光路長変化ΔL2は、それぞれ以下の式で表される。
ΔL1≒ΔYo×cosθ−ΔZo×sinθ …(1)
ΔL2≒ΔYo×cosθ+ΔZo×sinθ …(2)
従って、式(1)、(2)からΔZo及びΔYoは下式で求められる。
ΔZo=(ΔL2−ΔL1)/2sinθ …(3)
ΔYo=(ΔL1+ΔL2)/2cosθ …(4)
このとき、求められる変位ΔZo、ΔYoは、図6に示すように、干渉計ビームB1、B2が反射面30a、30と交差する箇所の法線が交差する計測点VPにおける変位となる。
【0069】
上記の変位ΔZo、ΔYoは、Z軸干渉計22、23のそれぞれで求められるため、Z軸干渉計22で求められる変位をΔZoL、ΔYoLとし、Z軸干渉計23で求められる変位をΔZoR、ΔYoRとし、各Z軸干渉計22、23が投射する干渉計ビームB1、B2がX軸方向に離間する距離をDとすると(図3参照)、移動鏡30(すなわちウエハステージWST)のθZ方向への変位(ヨーイング量)ΔθZ、及び移動鏡30(すなわちウエハステージWST)のθY方向への変位(ローリング量)ΔθYは下式で求められる。
ΔθZ=(ΔYoR−ΔYoL)/D …(5)
ΔθY=(ΔZoL−ΔZoR)/D …(6)
このようにして、Z軸干渉計22、23の計測結果に基づいて、ウエハステージWSTの変位がΔZo、ΔYo、ΔθZ、ΔθYの4自由度について求められる。
【0070】
また、上述したように、干渉計ビームB3、B4を用いたY軸干渉計18の計測結果により、ウエハテーブルWTBの反射面17YでのY軸方向の変位、及び移動鏡30の反射面30cでのY軸方向の変位から、ウエハステージWSTのθX方向の変位(ピッチング量)ΔθXが求められる。また、X軸干渉計46の計測結果により、ウエハステージWSTのX軸方向の変位ΔXが求められる。従って、干渉計システム118の計測結果から、Z、X、Y、θZ、θX、θY方向に関するウエハステージWSTの変位が6自由度について求められることになる。
【0071】
一方、例えばX軸リニアモータ80の駆動により生じた熱により、ウエハステージWST(ウエハステージ本体28)が膨張して変形した場合、ウエハステージ本体28と移動鏡30との間に介在するヒンジブロック32〜34がウエハステージ本体28の変形を吸収するため、移動鏡30に伝わる応力が軽減され、移動鏡30の変形に起因して上記ウエハステージWSTの変位の計測結果が低下することを防止できる。
【0072】
ここで、製造誤差等により移動鏡30に元々曲がりが生じているような場合は、Z軸干渉計22、23の計測結果に基づいて、曲がり補正を行う。具体的には、まずX軸干渉計47による位置計測が可能な位置(例えばローディングポジションLP)にウエハステージWSTを移動させる。X軸干渉計47の計測結果によりウエハステージWSTのローリング量を計測し、且つローリング量を一定値に保持しながら当該ウエハステージWSTをX軸方向に駆動する。また、ウエハステージWSTのX軸方向への移動時には、Z軸干渉計22、23を用いてウエハステージWSTのローリング量を計測する。
【0073】
このとき、ウエハステージWSTのローリング量が一定値に保持されているにも拘わらず、Z軸干渉計22、23により、上記一定値とは異なるローリング量が計測された場合、ローリング量の変化分は移動鏡30の曲がりに起因して生じたと想定されるため、当該ローリング量が計測されたX軸方向の位置に対応させて、ローリング量の変化分に応じた移動鏡30の曲がり量を補正値として記憶しておく。露光処理中等においては、Z軸干渉計22、23の計測結果に対して、記憶してある補正値によりZ位置及びローリング量を補正することで、移動鏡30の曲がりに起因する誤差を排除することが可能になる。同様に、計測ステージMSTにおいても、干渉計16の計測結果によりZ変位、ローリング量及びピッチング量が求められる。
【0074】
主制御装置20は、Z軸干渉計22、23の計測結果及び上記の補正値を用いて求められたZ変位、ローリング量と、Y軸干渉計の計測結果を用いて求められたピッチング量に基づいて、ウエハテーブルWTBを支持する3つのアクチュエータを駆動して、ウエハWの表面を投影光学系PLの焦点位置に位置させるとともに、照明光ILの光軸AXと直交させるようにレベリング調整する。これにより、ウエハWは所定のZ位置及び姿勢に位置決めされることになる。
【0075】
また、主制御装置20は、計測ステージMSTに対しても、求められたZ変位、ローリング量、ピッチング量に基づいて、計測テーブルMTBを支持する3つのアクチュエータを駆動して、基準マーク領域FMの表面を投影光学系PLの焦点位置に位置させるとともに、照明光ILの光軸AXと直交させるようにレベリング調整する。これにより、基準マーク領域FMは所定のZ位置及び姿勢に位置決めされることになる。
【0076】
ウエハステージWSTを介してウエハWが位置決めされると、主制御装置20によって、液浸装置132の液体供給装置288及び液体回収装置292の各バルブの開閉制御が行われ、投影光学系PLの先玉91の直下には常時水が満たされ、部分的な(ローカルな)液浸領域Lqが形成される。主制御装置20により、事前に行われた例えばエンハンスト・グローバル・アライメント(EGA)などのウエハアライメントの結果及び最新のアライメント系ALGのベースライン計測結果等に基づいて、ウエハW上の各ショット領域の露光のための走査開始位置(加速開始位置)へウエハステージWSTが移動されるショット間移動動作と、各ショット領域に対するレチクルRに形成されたパターンを走査露光方式で転写する走査露光動作とを繰り返すことにより露光処理が行われる。
【0077】
なお、本出願人が先に出願した特願2005−120187号(対応国際公開2006/013856)に記載されているように、ウエハステージWSTに形成された液浸領域Lqが計測ステージMSTに移動し、計測ステージMSTはこの液浸領域Lqを介して各種の計測動作を行う。このため、走査露光動作の終了後に計測ステージMSTは、+Y方向に移動してウエハステージWSTに近接する。前述のように、この近接した状態を保ちながらウエハステージWSTと計測ステージMSTとが+Y方向に移動することにより液浸領域LqをウエハステージWSTから計測ステージMSTに移動させることができる。
【0078】
本実施の形態においては、移動鏡30がウエハステージWSTの+Y側に設けられ、移動鏡60が計測ステージ52の−Y側に設けられている。このため、ウエハステージWSTと計測ステージMSTとが上述のように近接した場合でも、移動鏡30と移動鏡60とが干渉することはない。また、ウエハステージWSTから計測ステージMSTに液浸領域Lqを受け渡す際にも、移動鏡30と移動鏡60とに水がかかることがない。
【0079】
以上説明したように、本実施の形態では、各ステージWST、MSTに搭載した移動鏡30、60の反射面30a、30b、及び60a、60bに対して、Y軸方向に沿った干渉計ビームB1、B2及びB11、12を投射することにより、ウエハステージWST及び/又は計測ステージMSTの上方に反射板を設けることなく、各ステージWST、MSTのZ変位を検出できるので、投影光学系PL及びウエハWの位置計測に用いられる各種計測機器を支障なく配置することが可能となり、装置の大型化を回避することができる。
【0080】
また、本実施形態では、Z軸方向の位置検出に用いられる干渉計ビームB1、B2、B11、B12が移動しないので、固定鏡31A、31B、61A、61Bも小型化でき、また、他の機器の配置の際に制限される干渉計ビームの光路空間も小さくなることから、設計の自由度が大きくなり、より装置の小型化に寄与できる。さらに、干渉計ビームの光路空間が小さくなることから、空調すべき領域も小さくなり、空調に要する機器も小型化できる。
【0081】
また、本実施の形態では、ほぼ対称に配置された反射面30a、30b及び60a、60bによりZ軸方向の位置を計測するため、様々な誤差が相殺され、また各反射面に影響を及ぼす空気揺らぎの相殺性も高いことから、高精度なZ軸方向(及びY軸方向、ローリング量、ヨーイング量)に関する位置計測が可能になる。また、上述したように、固定鏡31A、31B、61A、61Bも小型化されることから、干渉計ビームが反射する角度θも大きくすることが可能になり、より高精度の位置計測に寄与することができる。
【0082】
しかも、本実施形態では、上記の固定鏡がそれぞれ同一の支持体36、66で支持されているため、相対位置関係に誤差が生じづらくなり、計測結果に含まれる誤差を小さくすることができる。さらに、本実施形態では、移動鏡30、60の反射面30a、30b、60a、60bに曲がりが存在する場合でも、容易に曲がりに起因する誤差を補正することが可能であり、計測精度の向上に一層寄与できる。
【0083】
また、本実施形態では、移動鏡30、60が反射面30c、60cを有することで、各ステージWST、MSTのピッチング量を、Z軸方向に大きく離間した反射面17Y、117Yで計測した計測値を用いて算出することが可能になり、高精度なピッチング量計測も実現可能となっている。
【0084】
一方、本実施形態では、移動鏡30、60がキネマチックマウント機構を有するヒンジブロックで支持されているので、熱変形等、各ステージWST、MSTで生じた変形による悪影響が及ぶことを防止でき、また、ダンパ部材により、各ステージWST、MSTの振動が移動鏡30、60に伝わることを抑制できる。従って、本実施形態では、移動鏡30、60に作用する外乱要因を排除することができ、計測精度の維持を容易に行える。
【0085】
また、本実施形態では、移動鏡30のX軸方向の長さが、反射面17YのX軸方向の長さよりも大きく形成されているため、ウエハステージWSTがY軸干渉計18による位置計測可能範囲外であっても、ウエハステージWSTのZ軸方向に関する位置計測が可能である。
【0086】
上記実施形態で説明した移動鏡30、36は、XZ平面と平行な30c、60cを有する構成としたが、これに限定されるものではなく、反射面30a、30b及び60a、60bを有する断面V字状に形成される構成であってもよい。この場合、反射面17Y、117Yで反射した結果で求めたY軸方向の位置と、反射面30a、30b及び60a、60bで反射した結果で求めたY軸方向の位置とを用いてピッチング量を算出すればよい。
【0087】
また、上記実施形態では、例えばウエハステージWSTの一方(+Y側)にのみ移動鏡30を配置する構成としたが、例えば図9に示すように、ウエハステージWSTの−Y側にも、当該ウエハステージWSTを挟むように移動鏡30を設ける構成としてもよい。この構成では、+Y側の移動鏡30を用いた2ヶ所でZ位置を計測し、−Y側の移動鏡30を用いた1ヶ所でZ位置を計測することにより、露光領域を囲む3ヶ所で、内挿状態でZ位置を計測することが可能になり、ローリング量、ピッチング量も含めて、より高精度な計測を実現することができる。
【0088】
また、上記実施形態では、ステージ装置50がウエハステージWST及び計測ステージMSTの両方を備える構成であったが、ウエハステージWSTのみが設けられる構成であっても適用可能である。さらに、上記実施形態では、ウエハW側のステージ装置50に本発明を適用する構成としたが、レチクルR側のレチクルステージRSTにも適用可能である。
【0089】
露光装置100としては、液浸法を用いない走査型露光装置、あるいはレチクルRとウエハWとを静止した状態でレチクルRのパターンを一括露光し、ウエハWを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。また、露光装置100として、ウエハW上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写するステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。また、露光装置100として、投影光学系を用いることなくマスクと基板とを密接させてマスクのパターンを露光するプロキシミティ露光装置にも適用できる。
【0090】
次に、本発明の別の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図10は、本実施形態に係る露光装置を示す概略構成図である。図10において、露光装置EXは、レチクル301(マスク)とウエハ305(基板)とを静止した状態でレチクル301に形成された回路パターンをウエハ305に転写するとともに、ウエハ305を順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート型の露光装置である。
【0091】
なお、以下の説明においては、図10中に示したXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。XYZ直交座標系は、X軸及びY軸がウエハ305の表面に対して平行となるように設定され、Z軸がウエハ305の表面に対して直交する方向(投影光学系の光軸AXと平行な方向)に設定されている。図中のXYZ座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直方向に設定される。
【0092】
照明装置302の光源302aは、露光用の照明光をパルス光で作るもので、例えば、超高圧水銀ランプからの紫外線の輝線(波長436nmのg線、365nmのi線等)、波長248nmのKrFエキシマレーザ光源からの紫外パルス光、波長193nmのArFエキシマレーザ光源からの紫外パルス光、YAGレーザ光源からのパルスレーザを高調波に変換した紫外線等が使用できる。
【0093】
光源302aから射出された光は、照明光学系302bを介してレチクル301を均一に照明する。詳細な図示は省略するが、照明光学系302bでは、光源302aからの光はロータリーシャッターを介してビーム整形光学系に照射され、ビーム整形光学系を射出した照明光は、オプチカルインテグレータとして機能するフライアイレンズ系に入射し、その射出側には多数の2次光源像が全体としてほぼ正方形または円形の領域内に均一に分布する。フライアイレンズ系の射出側には、2次光源像の実効的な形状を、輪帯、小円形、通常円形、4開口等に変更する複数の照明σ(シグマ)絞りを搭載した絞り切り換え部材が配置され、この切り換え部材はモータによって所望の照明σ絞りに切り換えられるように駆動される。
【0094】
照明σ絞りを透過した照明光は、例えば、反射率がほぼ10%以下のビームスプリッタを透過してミラーで反射されてリレーレンズ系に入射し、レチクル301上での照明領域の形状及び/又は位置を決定する可動レチクルブラインドを均一な照度分布となって照射する。レチクルブラインドの開口を透過した照明光は、リレーレンズ系、ミラーおよびメインコンデンサーレンズ系等を介して、レチクル301の回路パターン領域を均一な強度分布で照射する。
【0095】
レチクル301は、不図示のレチクルホルダを介してレチクルステージ301a上においてXY平面に平行に保持されている。レチクル301には、転写すべき回路パターンが形成されており、ステップ・アンド・リピート方式の露光装置の場合は、パターン領域の全体が照明される。なお、レチクル301は図示しない交換装置により適宜交換されて使用される。
【0096】
レチクル301に形成されたパターンからの光は、投影光学系303を介して感光性のウエハ305上にパターン像を形成する。ウエハ305はウエハテーブル308を介してウエハステージ304上においてXY平面に平行に吸着保持されている。レチクル301上での照明領域に光学的に対応するウエハ305上の露光領域にパターン像が形成される。
【0097】
なお、本例の投影光学系303は、ジオプトリック系(屈折系)であるが、カタジオプトリック系(反射屈折系)あるいは反射系も使用できることはいうまでもない。また、投影光学系303は、所定の気温(例えば、25℃)、所定の大気圧(例えば、1気圧)の下で露光用照明光の波長に関して最良に収差補正されており、かかる条件下においてレチクル301とウエハ305とは互いに共役になっている。また、露光用照明光は、ケラー照明であり、投影光学系303の瞳面の中心に光源像として結像されている。なお、投影光学系303は複数のレンズ等の光学素子を有し、その光学素子の硝材としては露光用照明光の波長に応じて石英、蛍石等の光学材料から選択されている。
【0098】
ウエハステージ304は定盤306上に設けられ、駆動制御ユニット318の制御により投影光学系303の像面と平行なXY平面に沿って2次元移動する。すなわち、ウエハステージ304は、ウエハ305を保持する試料台としてのウエハテーブル308と、定盤306上でXY平面に沿って2次元移動される可動部としてのXYステージ307とを備える。XYステージ307は、X方向、Y方向にステップ移動する。
【0099】
ウエハステージ304(ウエハテーブル308)の一端には、X方向及びY方向に延在する移動鏡320,321が取り付けられている。移動鏡320,321の鏡面に対向してX軸用レーザ干渉計システム325及びY軸用レーザ干渉計システム326が設けられている。この干渉計システム325,326によってウエハステージ304のX方向、Y方向の位置、及びX軸、Y軸、Z軸の周りの回転角がリアルタイムに計測される。干渉計システム325,326の計測結果及び主制御系317からの制御情報に基づいて、駆動制御ユニット318がウエハステージ304の速度、及び位置の制御を行う。
【0100】
さらに、ウエハステージ304には、ウエハ305のZ軸方向の位置(フォーカス位置)、並びにX軸及びY軸の周りの傾斜角を制御するZレベリング機構も組み込まれている。すなわち、ウエハテーブル308は、Z方向に変位する3つのアクチュエータ309a,309b,309cを介してXYステージ307上に保持されている。
【0101】
3つのアクチュエータ309a,309b,309cは、一直線上にならないように分散配置される。また、主制御系317からの制御情報に基づいて、駆動制御ユニット318によって各アクチュエータ309a,309b,309cの駆動量が制御される。3つのアクチュエータ309a,309b,309cを同一の量だけ駆動することによってウエハテーブル308をZ方向に平行移動させることが可能であり、各駆動量を相違させることによってウエハテーブル308をXY平面に対して傾けることが可能である。3つのアクチュエータ309a,309b,309cの駆動量を適切に制御することにより、ウエハ305の表面をレチクル301の投影像位置(パターン像の結像位置)に高精度に合焦させることができる。ウエハテーブル308を6自由度方向に移動可能としてもよい。
【0102】
ウエハ305と投影光学系303との合焦状態は、オートフォーカスセンサとしての焦点位置検出系センサ310a,310bによって検出される。焦点位置検出系センサ310a,310bは、投影光学系303の結像面に向けてピンホール又はスリット状の像を形成するための結像光束を、投影光学系303の光軸AXに対して斜め方向から供給する送光光学系310aと、その結像光束のウエハ305表面での反射光束を受光する受光光学系310bとを有する。例えば、これらの光学系310a,310bは、投影光学系303が設置された架台311(コラム)に固定されている。
【0103】
ウエハテーブル308のZ方向の位置及び/又は姿勢に関する情報は、上記焦点位置検出系センサ310a,310bに加え、Z軸用レーザ干渉計システム327によって計測される。干渉計を用いた計測は、応答性及び分解能に比較的優れるという利点がある。
【0104】
図11は、X軸用レーザ干渉計システム325、Y軸用レーザ干渉計システム326、及びZ軸用レーザ干渉計システム327の配置図である。
【0105】
図11に示すように、X軸用レーザ干渉計システム325は、Y方向に互いに離間して配置される2つの干渉光学系325A,325Bを含む。干渉光学系325Aと干渉光学系325Bとは、ウエハテーブル308(ウエハステージ304)のY方向の位置等に応じて選択的に使用される。干渉光学系325AのY方向に関する配置位置は、投影光学系303の光軸AX(図10参照)と概ね一致している。干渉光学系325BのY方向に関する配置位置は、後述するウエハアライメント系センサWA1の光軸AXa(図10参照)と概ね一致している。干渉光学系325Aが、投影光学系303(図10参照)を介したウエハ305への露光処理時に用いられ、干渉光学系325Bが、ウエハアライメント系センサWA1(図10参照)を介したウエハステージ304上のマーク計測時に用いられる。
【0106】
図11に示すX軸用レーザ干渉計システム325(干渉光学系325A及び325B)、Y軸用レーザ干渉計システム326(干渉光学系326A)、及びZ軸用レーザ干渉計システム327(干渉光学系327A及び327B)は、例えば、投影光学系303が設置された架台311に設けることができる。また、これらの干渉計システムが、振動から遮断された計測フレーム等に設置されるようにしてもよい。また、固定鏡354もこれら干渉計システムが設置された場所に設けることができる。
【0107】
各干渉光学系325A,325Bは、X方向に平行な光軸を有する複数のレーザビームを、ウエハテーブル308(ウエハステージ304)に配設された移動鏡320に照射する。移動鏡320からの反射ビームが各干渉光学系325A,325Bを介して不図示の光電変換装置に送られ、移動鏡320の各照射箇所におけるX方向の位置等が検出される。
【0108】
具体的には、干渉光学系325Aを介して移動鏡320に照射される複数のビーム330,331のうち、ウエハテーブル308のX方向の位置計測にビーム330が用いられる。また、ウエハテーブル308のY軸周りの回転角(ロール)の計測にビーム330とビーム331とが用いられる。同様に、干渉光学系325Bを介して移動鏡320に照射される複数のビーム332,333のうち、ウエハテーブル308のX方向の位置計測にビーム332が用いられる。また、ウエハテーブル308のY軸周りの回転角(ロール)の計測にビーム332とビーム333とが用いられる。
【0109】
Y軸用レーザ干渉計システム326は、干渉光学系326Aを含む。この干渉光学系326AのX方向に関する配置位置が、投影光学系303の光軸AX(図10参照)と概ね一致している。干渉光学系326Aは、Y方向に平行な光軸を有する複数のレーザビームを、ウエハテーブル308(ウエハステージ304)に配設された移動鏡321に照射する。移動鏡321からの反射ビームが各干渉光学系325A,325Bを介して不図示の光電変換装置に送られ、移動鏡321の各照射箇所におけるY方向の位置等が検出される。
【0110】
具体的には、干渉光学系326Aを介して移動鏡321に照射される複数のビーム335,336,337のうち、ウエハテーブル308のY方向の位置計測にビーム335とビーム336とが用いられ、また、ウエハテーブル308のZ軸周りの回転角(ヨー)の計測にビーム335とビーム336とが用いられる。さらに、ウエハテーブル308のX軸周りの回転角(ピッチ)の計測にビーム335とビーム336とビーム337とが用いられる。
【0111】
Z軸用レーザ干渉計システム327は、Y方向に互いに離間して配置される2つの干渉光学系327A,327Bを含む。干渉光学系327Aと干渉光学系327Bとは、ウエハテーブル308(ウエハステージ304)のY方向の位置等に応じて選択的に使用される。干渉光学系327Aが、投影光学系303(図10参照)を介したウエハ305への露光処理時に用いられる。干渉光学系325Bが、ウエハアライメント系センサWA1(図10参照)を介したウエハステージ304またはウエハ305上のマークの計測時に用いられる。
【0112】
各干渉光学系327A,327Bは、X方向に平行な光軸を有する複数のレーザビームを、ウエハテーブル308(ウエハステージ304)に配設された移動鏡320に照射する。移動鏡320並びに固定鏡354(後述するルーフミラー)からの反射ビームが各干渉光学系325A,325Bを介して光電変換装置328,329に送られ、ウエハテーブル308のZ方向の位置が検出される。
【0113】
具体的には、干渉光学系327Bを介して移動鏡320に照射される複数のビーム340,341のうち、ビーム340が移動鏡320で反射して折り曲げられ、固定鏡354に照射される。固定鏡354からの反射ビームは、移動鏡320で反射して折り曲げられて干渉光学系327Bに戻り、光電変換装置329に送られる。また、干渉光学系327Bからの他のビーム341は、移動鏡320で反射して干渉光学系327Bに戻り、光電変換装置329に送られる。ウエハテーブル308のZ方向への移動に伴って、ビーム340の光路長とビーム341の光路長とが相対的に変化する。この相対変化に基づき、ウエハテーブル308のZ方向の位置変動量を測定することができる。干渉光学系327Aもこれと同様である。以下、干渉光学系327Bの構成についてさらに詳しく説明する。
【0114】
図12は、Z軸用レーザ干渉計システム327における干渉光学系327Bの構成を示す模式的な斜視図であり、図13は、その干渉光学系327Bの構成を示す模式的な側面図である。
【0115】
図12及び図13に示すように、干渉光学系327Bは、偏光ビームスプリッタ351、1/4波長板352、折り曲げミラー353、ルーフミラー354,355、及びビームの光軸を調整するための調整機構356,357等を含む。
【0116】
干渉光学系327Bには、レーザ光源350からレーザビーム350Aが入力される。このレーザビーム350Aは、波長が安定化された互いに偏光方向が直交する一対の偏光成分を含む。なお、本例においては、説明の便宜上、レーザ光源350から射出されるレーザビーム350Aのうち、一方の偏光成分(S偏光成分、周波数成分F1)を参照ビーム341と称し、他方の偏光成分(P偏光成分、周波数成分F2)を測定ビーム340と称するが、これらは逆であってもよい。
【0117】
レーザ光源350からのレーザビーム350Aは、XY平面内を+X方向に進んで偏光ビームスプリッタ351の偏光面351aに入射し、その偏光面351aによって直交する偏光成分、すなわち2つの周波数成分(P偏光成分、S偏光成分)に分割される。
【0118】
このうち、P偏光成分である測定ビーム340は、偏光ビームスプリッタ351における偏光面351aを透過して+X方向に進むとともに、偏光ビームスプリッタ351の第1面351bの出射位置P1から出射する(測定ビーム340a)。一方、S偏光成分である参照ビーム341は、偏光ビームスプリッタ351における偏光面351aで反射して折り曲げられ、−Z方向に進むとともに、偏光ビームスプリッタ351の第2面351cの出射位置P2から出射する(参照ビーム341a)。
【0119】
偏光ビームスプリッタ351から出射した測定ビーム340aは、ウエハテーブル308の移動鏡320に照射される。偏光ビームスプリッタ351とウエハテーブル308との間における測定ビーム340aの光路上には調整機構356が配設されており、測定ビーム340aの光軸が調整される。一方、偏光ビームスプリッタ351から出射した参照ビーム341aは、1/4波長板352によって円偏光に変換された後、折り曲げミラー353で90°折り曲げられて+X方向に進み、ウエハテーブル308の移動鏡320に照射される。折り曲げミラー353とウエハテーブル308との間における参照ビーム341aの光路上には調整機構357が配設されており、参照ビーム341aの光軸が調整される。調整機構356,357は、対面配置される2つの偏角レンズと、各偏角レンズを保持・固定するための固定具(不図示)とを含む。調整機構356,357において、2つの偏角レンズの相対的な位置(光軸を中心とする回転位置)を変化させることにより、光軸をシフト移動させることができ、これにより、測定ビーム340aと参照ビーム341aとの平行度を調整することができる。なお、図12及び図13の例では、測定ビーム340a及び参照ビーム341aの各光路上に調整機構356,357が配置されているが、測定ビーム340a及び参照ビーム341aのいずれか一方の光路のみに調整機構を配置してもよい。
【0120】
ウエハステージ304(ウエハテーブル308)に設けられた移動鏡320は、YZ平面に平行に配される第1反射面320Aと、Y軸と平行かつYZ平面から傾けて配される第2反射面320Bとを含む。偏光ビームスプリッタ351からの測定ビーム340aは、移動鏡320における第2反射面320Bに照射され、その第2反射面320Bで所定角度折り曲げられ、−X方向に対して斜め上方に向けて進む。
【0121】
この移動鏡320(第2反射面320B)で反射した測定ビーム340aの行き先には、ルーフミラー354が配設されている。移動鏡320の第2反射面320Bで反射した測定ビーム340aは、偏光ビームスプリッタ351からのビームの照射方向であるX方向に対して所定角度傾いて進んだ後にルーフミラー354に入射する。ルーフミラー354は、偏光ビームスプリッタ351に対して上方位置(+Z方向)に離間して配置され、互いに90°の狭角をなす2つの反射面354a,354bを有する。この2つの反射面354a,354bの交線354cは、XZ平面内にあり、かつ移動鏡320(第2反射面320B)からの測定ビーム340aの進行方向に対して垂直である。なお、ウエハステージ304(ウエハテーブル308)のZ方向の移動に加え、ウエハステージ304(ウエハテーブル308)のX方向の移動に伴って、ルーフミラー354に対する測定ビーム340aの照射位置が上記交線方向に変化する。ウエハステージ304(ウエハテーブル308)のX方向の移動範囲に基づいてルーフミラー354における上記交線方向の延在長さが定められている。
【0122】
図14A〜14Cは、ルーフミラー354の形態例並びに変形例を示している。
図14Aは、2つのミラー360,361が組み合わされた構成を有するルーフミラー354を示している。ミラー360の反射面354aとミラー361の反射面354bとが90°の狭角をなしている。ミラー360とミラー361は離れていてもよい。この場合、上記交線は仮想線となる。各ミラーは接着剤や金属バネ等で不図示の支持体に固定されている。
【0123】
図14Bは、図14Aの変形例であり、一体構造からなるルーフミラー354Aを示している。このルーフミラー354Aには、互いに90°の狭角をなす2つの反射面354a,354bが形成されている。
【0124】
図14Cは、図14Aの変形例であり、一体構造からなるルーフプリズム354Bを示している。このルーフプリズム354Bには、互いに90°の狭角をなす2つの反射面354a,354bが形成されている。ルーフプリズム354Bの形成材料としては、ガラス、あるいは石英ガラスが用いられ、相対屈折率の温度変化率の低いものが好ましく用いられる。
【0125】
図12及び図13に戻り、ルーフミラー354に入射した測定ビーム340aは、光軸のシフトを伴う再帰反射を経てルーフミラー354から移動鏡320に戻る。具体的には、移動鏡320からの測定ビーム340aは、ルーフミラー354における反射面354aで90°折り曲げられて+Y方向に進み、反射面354bに入射する。その測定ビーム340aは、反射面354bで90°折り曲げられ、移動鏡320に向かって+X方向に対して斜め下方に向けて進む(測定ビーム340b、図14A参照)。ルーフミラー354に入射する測定ビーム340aとルーフミラー354から出射する測定ビーム340bとは互いに平行であり、入射ビームの光軸に対して出射ビームの光軸が平行に+Y方向にシフトしている。すなわち、ルーフミラー354は、移動鏡320からの測定ビーム340aを2回反射し、これにより、その測定ビーム340aの光軸(光路)を、2つの反射面354a,354bの交線354cと交差する方向である+Y方向にシフトさせて移動鏡320に戻す。
【0126】
なお、図13においては、発明の理解を容易にするために、Y方向に離間し互いに平行なビーム340aとビーム340bとをZ方向に明確に離して描いているが、実際には、ビーム340aとビーム340bとのZ位置は同じである。以後、Y方向に離間した平行ビームに関して同様である。
【0127】
ルーフミラー354からの測定ビーム340bは、移動鏡320における第2反射面320Bで所定角度折り曲げられ、偏光ビームスプリッタ351に向かって−X方向に進む。その測定ビーム340bは、偏光ビームスプリッタ351を透過して−X方向にさらに進み、光電変換装置329に入射する。なお、偏光ビームスプリッタ351の第1面351bにおいて、移動鏡320から戻った測定ビーム340bの入射位置P3は、測定ビーム340aの出射位置P1とは異なる。すなわち、P3はP1に対して+Y方向にシフトしている。
【0128】
一方、折り曲げミラー353からの参照ビーム341aは、移動鏡320における第1反射面320Aに照射され、その第1反射面320Aで反射される(参照ビーム341b)。その参照ビーム341bは、元の進行方向と逆向きである−X方向に進み、折り曲げミラー353で90°折り曲げられて+Z方向に進む。さらに、その参照ビーム341bは、1/4波長板352に再び入射し、1/4波長板352を通ることで、元の偏光方向とは直交する方向の直線偏光に変換される。その参照ビーム341bは、偏光ビームスプリッタ351の第2面351cに入射する。偏光ビームスプリッタ351の第2面351cにおいて、移動鏡320から戻った参照ビーム341bの入射位置は、最初の参照ビーム341aの出射位置P2と同じである。
【0129】
偏光ビームスプリッタ351に戻った参照ビーム341bは、偏光面351aを今回は透過する。その参照ビーム341bの行き先には、ルーフミラー355が配設されている。ルーフミラー355は、先のルーフミラー354と同様の形態からなる(図14A〜14C参照)。すなわち、ルーフミラー355は、偏光ビームスプリッタ351に対して上方位置(+Z方向)に隣接して配置され、互いに90°の狭角をなす2つの反射面355a,355bを有する。この2つの反射面355a,355bの交線355cは、X方向と平行であり、XY平面及びXZ平面内にある。
【0130】
なお、図12、13等では、偏光ビームスプリッタ351とルーフミラー355とが離れた状態にあるように図示されているが、両者を接合等により一体化してもよい。特に、図14Cのようなルーフプリズムを用いた場合は、このプリズムと偏光ビームスプリッタ351とを接着等で一体化することが可能である。
【0131】
ルーフミラー355に入射した参照ビーム341bは、光軸のシフトを伴う再帰反射を経てルーフミラー355から偏光ビームスプリッタ351に戻る。具体的には、参照ビーム341bは、ルーフミラー355における反射面355aで90°折り曲げられて+Y方向に進み、反射面355bに入射する。さらに、その参照ビーム341bは、反射面355bで90°折り曲げられ、偏光ビームスプリッタ351に向かって−Z方向に進む。ルーフミラー355に入射する参照ビーム341bとルーフミラー355から出射する参照ビーム341bとは互いに平行であり、入射ビームの光軸に対して出射ビームの光軸が平行に+Y方向にシフトしている。すなわち、ルーフミラー355は、偏光ビームスプリッタ351からの参照ビーム341bを2回反射し、これにより、その参照ビーム341bの光軸(光路)を、2つの反射面355a,355bの交線355cと交差する方向である+Y方向にシフトさせて偏光ビームスプリッタ351に戻す。ルーフミラー355による参照ビーム341bのシフト方向及びそのシフト量は、先のルーフミラー354による測定ビーム340aのそれと同じである。
【0132】
ルーフミラー355からの参照ビーム341bは、偏光ビームスプリッタ351における偏光面351aを再度透過して−Z方向に進み、第2面351cから出射する。偏光ビームスプリッタ351の第2面351cにおいて、参照ビーム341bの2回目の出射位置P4は、1回目の出射位置P2とは異なる。すなわち、P4はP2に対して+Y方向にシフトしている。
【0133】
偏光ビームスプリッタ351から出射した参照ビーム341bは、1/4波長板352によって再び円偏光に変換された後、折り曲げミラー353で90°折り曲げられて+X方向に進む。その後、その参照ビーム341bは、ウエハテーブル308の移動鏡320における第1反射面320Aに照射され、その第1反射面320Aで反射される(参照ビーム341c)。第1反射面320Aで反射した参照ビーム341cは、元の進行方向と逆向きである−X方向に進み、折り曲げミラー353で90°折り曲げられて+Z方向に進む。その後、その参照ビーム341bは、1/4波長板352に再び入射し、1/4波長板352を通ることで、元の偏光方向と同じ直線偏光(P偏光)に変換される。その参照ビーム341cは、偏光ビームスプリッタ351の第2面351cに入射する。偏光ビームスプリッタ351の第2面351cにおいて、移動鏡320から2回目に戻った参照ビーム341cの入射位置は、2回目の参照ビーム341cの出射位置P4と同じであり、1回目の出射位置P2(及び1回目の戻り光の入射位置)とは異なる。
【0134】
偏光ビームスプリッタ351に再び入射した参照ビーム341cは、偏光ビームスプリッタ351における偏光面351aで今回は反射して折り曲げられ、−X方向に進んで光電変換装置329に入射する。光電変換装置329によって、それぞれ戻り光である測定ビーム340bと参照ビーム341cとの干渉光からウエハテーブル308のZ方向の位置変動量が計測される。
【0135】
例えば、光電変換装置329の内部では、偏光子によって両偏光成分(測定ビーム340b、参照ビーム341c)を干渉させ、その干渉光が光電素子で検出され、周波数がF2−F1の電気信号に変換されて、不図示の位相検出手段に送られる。この位相検出手段は、レーザ光源350から送られてきた基準信号と測定信号との間の絶対位相差を検出する位相計である。すなわち、光電変換装置329にて光電変換された干渉光は、F2−F1のビート周波数に、固定鏡としてのルーフミラー355と移動鏡320との間隔(距離)の変動にともなって生じるドップラー効果分の周波数変化ΔF(t)を加えた周波数を有する測定信号として光電変換装置329から位相検出手段へ入力される。一方、レーザ光源350からは、周波数F1の光(参照ビーム41)と周波数F2の光(測定ビーム40)とを干渉して得られたF2−F1のビート周波数を有する信号が基準信号として位相検出手段に入力される。位相検出手段において、基準信号と測定信号との位相差が検出され、その位相差の変化分を積算することで、ルーフミラー355と移動鏡320との間隔の変化分に比例した信号が求められる。すなわち、固定鏡としてのルーフミラー355と移動鏡320とのZ方向の間隔が変動すると、絶対位相もこれに比例して変化し、絶対位相差からこれらのZ方向の間隔の変動分(ウエハテーブル308のZ方向の位置変動量)を測定することができる。
【0136】
図15は、ウエハテーブル308(ウエハステージ304)の姿勢が変化したときのZ軸用レーザ干渉計システム327における測定ビーム340の光路の変化を模式的に示す図である。なお、図15において、基準姿勢における測定ビーム340の光路を実線矢印で描いている。
【0137】
図15に示すように、ウエハテーブル308のZ軸を中心とする回転角θz(ヨー)が変化した場合、移動鏡320の第2反射面320Bで反射した測定ビーム340は、図15に破線で示すように、ウエハテーブル308の回転角θzに応じて、基準の光路に対して傾いてルーフミラー354に入射する。そのため、ルーフミラー354の各反射面354a,354bに対する測定ビーム340の入射角度は、基準の光路におけるそれとは異なる。しかしながら、ルーフミラー354で2回反射することで、ルーフミラー354から移動鏡320に戻る測定ビーム340の進行方向は、移動鏡320からルーフミラー354に向かう測定ビーム340の進行方向と逆向きの同じ方向となる。すなわち、ウエハテーブル308の回転角θzが変化しても、ルーフミラー354における光軸のシフトを伴う再帰反射により、ルーフミラー354に対する入射ビームと出射ビームとの平行状態が維持される。移動鏡320の第2反射面320Bで反射した戻りの測定ビーム340は、基準の光路と同じ角度で干渉光学系327Aに戻る。すなわち、このZ軸用レーザ干渉計システム327では、固定鏡としてのルーフミラー354及び移動鏡320のそれぞれで測定ビーム340が2回反射することにより、ウエハテーブル308の回転角θzが変化しても、測定ビーム340の戻り方向の角度ずれが防止される。
【0138】
なお、実際には、移動鏡320の第2反射面320Bは、前述したように、Y軸と平行かつYZ平面から傾けて配されている(図13参照)。したがって、上記した2回反射による角度ずれ防止の効果は、ウエハテーブル308のZ軸を中心とする回転角θz(ヨー)、及びX軸を中心とする回転角θx(ピッチ)の各変化に適用される。さらに、参照ビーム341(図12参照)についても同様に、ルーフミラー355で2回反射することから、ウエハテーブル308の回転角θz及びθxが変化しても、戻り方向の角度ずれが防止される。
【0139】
このように、本実施形態のZ軸用レーザ干渉計システム327では、測定ビーム340及び参照ビーム341のそれぞれについて、計測対象物であるウエハテーブル308の傾きが変化しても、そのウエハテーブル308からの各戻り光の角度ずれが防止される。そのため、ウエハテーブル308の傾き変化に対する計測感度が低く、ウエハテーブル308の姿勢変化に対する検出不良の可能性及び計測誤差が抑制される。さらに、このZ軸用レーザ干渉計システム327では、ルーフミラー354で光軸をシフトさせることにより、測定ビーム340の光路長の最短化が図られている。
【0140】
図16は、ルーフミラーの使用による光路長の短縮化を説明するための図であり、図13を変形した比較構成例を示している。なお、図16において、説明の簡単化のために、図13と同一の構成要素には同一の符号を付している。
【0141】
図16に示すように、1/4波長板、及びコーナキューブなどを用いることによって、図13のZ軸用レーザ干渉計システム327について、ルーフミラーを平面ミラーに替えた構成とすることができる。この場合、固定鏡としての平面ミラーと移動鏡320との間、並びに移動鏡320と偏光ビームスプリッタ351との間のそれぞれにおいて、測定ビームが合計2回往復することになる(光路長=約4×L1+4×L2)。これに対して、本実施形態に係る図13の構成では、ルーフミラーの使用によって移動鏡320での測定ビーム340の反射回数が2回に抑制されており、上記の往復回数がそれぞれ1回であるから、測定ビーム340の光路長が比較的短い(光路長=約2×L1+2×L2)。さらに、図16の例では、参照ビーム341の光路長(約4×L1)と、測定ビーム340の光路長(約4×L1+4×L2)との差が比較的大きく、これに対して、本実施形態に係る図13の構成では、参照ビーム341の光路長(約4×L1)と、測定ビーム340の光路長(約2×L1+2×L2)との差が比較的小さい。
【0142】
図15に戻り、計測対象物であるウエハテーブル308の傾きが変化した場合、ウエハテーブル308からの戻りの測定ビーム340について、基準の光路に対して位置ずれdyが生じる。この位置ずれdyは、測定ビーム340の光路長が長いほど大きくなる。前述したように、本実施形態では、測定ビーム340の光路長が比較的短いことから、戻りの測定ビーム340の位置ずれが抑制され、この点からも検出不良及び計測誤差の低減に有利である。
【0143】
また、上記の戻り光の位置ずれは、参照ビーム341(図13参照)についても同様である。すなわち、参照ビーム341の光路長が長いほど、戻りの参照ビーム341の位置ずれが大きくなる。本実施形態では、参照ビーム341の光路長と、測定ビーム340の光路長との差が比較的小さく、両ビームの位置ずれ量が互いに比較的近いものとなる。そのため、計測対象物であるウエハテーブル308の傾きが変化した場合、測定ビーム340及び参照ビーム341の各戻り光が同じように位置ずれするので、両ビームを確実に干渉させることができ、この点からも検出不良及び計測誤差の低減に有利である。
【0144】
以上、Z軸用レーザ干渉計システム327における干渉光学系327Bについて説明したが、干渉光学系327A(図11参照)についてもこれと同様である。
【0145】
図10に戻り、露光装置EXはさらに、レチクルアライメント系として、TTR(Through The Reticule)方式のレチクルアライメント系センサRAを備える。また露光装置EXは、オフアクシス方式のウエハアライメント系として、FIA(Field Image Alignment)方式のウエハアライメント系センサWA1を備える。さらに露光装置EXは、TTL(Through The Lens)方式のウエハアライメント系として、LSA(Laser Step Alignment)方式或いはLIA(Laser Interferometric Alignment)方式のウエハアライメント系センサWA2を備える。
【0146】
レチクルアライメント系センサRAは、所定のマークを備えたレチクル301に対してアライメント光を照射するとともに、投影光学系303を介してウエハステージ304上の基準平面板WFPに設けられた基準マーク群FMを照射する。さらに、レチクルアライメント系センサRAは、アライメント光の照射によりレチクル301から発生した光(反射光)、及び投影光学系303を介してウエハステージ304の基準平面板WFP(基準マーク群FM)から発生する光(反射光)を受光して、レチクル301の位置合わせを行う。
【0147】
FIA方式、オフアクシス方式のウエハアライメント系センサWA1は、投影光学系303の側部に設けられており、投影光学系303を介することなく露光光とは異なる波長のアライメント光を基準マーク群FMに照射するとともに、基準マーク群FMにおけるFIA用マークから発生した光を受光して、レチクル301とウエハアライメント系センサWA2との相対位置であるベースライン量を求める。このベースライン量は、ウエハ305上の各ショット領域を投影光学系303の視野内に配するときの基準量となるものである。
【0148】
LSA或いはLIA方式のウエハアライメント系センサWA2は、アライメント光の照射により基準マーク群FMに形成されたLSAマーク或いはLIAマークから発生した光を受光して、ウエハ305の位置計測の基準を求める。なお、LSA方式のアライメント系については、例えば、特開昭60−130742号公報(対応米国特許第4,677,301号)に詳細に開示されている。また、LIA方式のアライメント系については、例えば特開昭61−215905号公報(対応米国特許第4,710,026号)に詳細に開示されている。
【0149】
続いて、以上のような構成を備えた露光装置EXによる露光作業について、簡単に説明する。
【0150】
まず、主制御系317の管理の下、露光作業に先立って準備作業を行う。具体的には、焦点位置検出系センサ310a,310bから基準平面板WFPに複数のスリット光を投光して、複数のスリット光のオフセット調整(原点調整)が行われる。各種の露光条件が設定された後に、レチクルアライメント系センサRAを用いたレチクルアライメントが必要に応じて行われる。また、ウエハアライメント系センサWA1を用いたベースライン計測が行われる。さらに、ウエハアライメント系センサWA1,WA2を用いたウエハ305のファインアライメント(エンハンスト・グローバル・アライメント(EGA)等)が行われる。これによりウエハ305上の複数のショット領域の配列座標が求められる。
【0151】
上述したアライメント作業が終了すると、主制御系317はアライメント結果に基づいてウエハ305側のX軸用レーザ干渉計システム325及びY軸用レーザ干渉計システム326の計測値をモニタしつつ、駆動制御ユニット318に指令してウエハ305のファーストショット(第1番目のショット領域)の露光位置にウエハステージ304を移動させる。主制御系317の管理の下で、焦点位置検出系センサ310a,310bからウエハ305に複数のスリット光を投光するとともにウエハテーブル308用のアクチュエータ309a,309b,309cを駆動して、レチクル301の回路パターンの結像面にウエハ305の露光面を合わせる作業(焦点合わせ)が行われる。
【0152】
準備作業が完了すると、レチクル301のパターン領域が露光光で照明され、これにより、ウエハ305上のファーストショット領域に対する露光が終了する。レチクル301の回路パターンが投影光学系303を介してウエハ305上のファーストショット領域のレジスト層に縮小転写される。
【0153】
このファーストショット領域に対する露光が終了すると、主制御系317により、ウエハステージ304がX,Y軸方向にステップ移動し、セカンドショット領域の露光位置に移動する。すなわち、ショット間ステッピング動作が行われる。このステッピング動作に際しては、必要に応じて、Z軸用レーザ干渉計システム327が用いられる。セカンドショット領域に対しても同様に露光が行われる。このようにして、ウエハ305のショット領域の露光と次ショット領域の露光のためのステッピング動作とが繰り返し行われ、ウエハ305上の全ての露光対象ショット領域にレチクル301の回路パターンが順次転写される。
【0154】
図17は、X軸用レーザ干渉計システム325における干渉光学系325A,325Bの切り替えの様子、並びにZ軸用レーザ干渉計システム327における干渉光学系327A,327Bの切り替えの様子を説明する図である。
【0155】
図17に示すように、X軸用レーザ干渉計システム325では、ウエハステージ304(ウエハテーブル308)のX軸方向の位置情報を2つの場所で計測する。すなわち、投影光学系303を介した露光処理時には、干渉光学系325Aを用いてウエハテーブル308のX座標を計測し、ウエハアライメント系センサWA1を介したウエハステージ304またはウエハ上のマーク計測時には、干渉光学系325Bを用いてウエハテーブル308のX座標を計測する。同様に、Z軸用レーザ干渉計システム327では、ウエハステージ304(ウエハテーブル308)のZ軸方向の位置情報を2つの場所で計測する。すなわち、投影光学系303を介した露光処理時には、干渉光学系327Aを用いてウエハテーブル308のZ座標を計測し、ウエハアライメント系センサWA1を介したウエハステージ304またはウエハ上のマーク計測時には、干渉光学系325Bを用いてウエハテーブル308のZ座標を計測する。
【0156】
本実施形態では、前述したように、Z軸用レーザ干渉計システム327において、ウエハテーブル308の姿勢の変化に対する計測感度が下がるから、検出不良及び計測誤差を低減し、高精度な位置計測を実現することができる。そのため、ステッピング動作におけるウエハテーブル308(ウエハステージ304)の位置決めが正確なものとなり、高精度な露光処理が実施される。
【0157】
図18〜図21は、図13の変形例を示している。なお、各図において、説明の簡単化のために、図13と同一の構成要素には同一の符号を付している。
【0158】
先の図13の例では、参照ビーム341用の1/4波長板352が、偏光ビームスプリッタ351と折り曲げミラー353との間でありかつ偏光ビームスプリッタ351に隣接して(または第2面351cに接合されて)配置されている。一方、図18の例では、参照ビーム341用の1/4波長板352が、折り曲げミラー353と移動鏡320との間でありかつ偏光ビームスプリッタ351から離間して配置されている。また、図18の例では、光軸調整用の調整機構356が測定ビーム340の光路上に配置され、参照ビーム341の光路上には配置されていない。
【0159】
図19の例では、偏光ビームスプリッタ351と折り曲げミラー353と1/4波長板352とルーフミラー355とが一体化されている。すなわち、この一体化された部材370は、偏光面351aと、折り曲げ用の反射面353aと、互いに90°の狭角をなす2つの反射面355a,355bと、偏光切替え部材としての1/4波長板352とを有する。また、図19の例においても、ビームの光軸を調整するための調整機構356が測定ビーム340の光路上に配置され、参照ビーム341の光路上には配置されていない。
【0160】
なお、図19の構成では、部材370内部を通過する参照ビーム341の光路長が、測定ビーム340に比べて長くなる。そこで、例えば、偏光ビームスプリッタ351の第1面351b側に、部材370と同じ材質からなり測定ビーム340の光路の一部となるブロックを設け、このブロック内における測定ビーム340の光路長を適宜設定することで、測定ビーム340と参照ビーム341の部材370及び前記ブロック内における光路長が等しくなるようにしてもよい。
【0161】
図20の例では、2つの偏光ビームスプリッタを組み合わせた構成を有している。すなわち、第1の偏光ビームスプリッタ351における参照ビーム341の通過面である第2面351cに隣接して第2の偏光ビームスプリッタ371が配設されている。第2の偏光ビームスプリッタ371は、第1の偏光ビームスプリッタ351の偏光面351aに対して−Z方向に離間しかつ平行に配される偏光面371aを有している。この偏光面371aを透過した戻りの参照ビーム341の行き先に、ルーフミラー355(またはルーフプリズム)が配されている。
【0162】
図21の例では、XY平面を間に挟んで、測定ビーム340用のルーフミラー354の対称位置に、参照ビーム341用のルーフミラー374が配置されている。移動鏡320で反射した測定ビーム340はルーフミラー354に向かって斜め上方に進み、移動鏡320で反射した参照ビーム341はルーフミラー374に向かって斜め下方に進む。
【0163】
具体的には、図21に示すように、レーザ光源350からのレーザビーム350Aのうち、P偏光成分である測定ビーム340は、偏光ビームスプリッタ351における偏光面351aを透過して+X方向に進むとともに、第1面351bの出射位置P1から出射する(測定ビーム340a)。一方、S偏光成分である参照ビーム341は、偏光ビームスプリッタ351における偏光面351aで反射して折り曲げられ、−Z方向に進むとともに、第2面351cの出射位置P2から出射する(参照ビーム341a)。
【0164】
ウエハステージ304(ウエハテーブル308)に設けられた移動鏡320は、Y軸と平行かつYZ平面から傾けて配される第2反射面320Bと、Y軸と平行かつYZ平面から第2反射面320Bとは逆側に傾けて配される第3反射面320Cとを含む。偏光ビームスプリッタ351からの測定ビーム340aは、図13と同様に、移動鏡320における第2反射面320Bに照射され、その第2反射面320Bで所定角度折り曲げられ、−X方向に対して斜め上方に向けて進む。その測定ビーム340aは、図13と同じ経路を経て、光電変換装置329に入射する。
【0165】
一方、偏光ビームスプリッタ351からの参照ビーム341aは、移動鏡320における第3反射面320Cに照射され、その第3反射面320Cで所定角度折り曲げられ、−X方向に対して斜め下方に向けて進む。移動鏡320の第3反射面320Cで反射した参照ビーム341aの行き先には、ルーフミラー374が配設されている。ルーフミラー374は、偏光ビームスプリッタ351に対して下方位置(−Z方向)に離間して配置されている。さらに、ルーフミラー374は、測定ビーム用のルーフミラー354と同様の形態からなり(図14A〜14C参照)、互いに90°の狭角をなす2つの反射面374a,374bを有する。この2つの反射面374a,374bの交線374cは、XZ平面内にあり、かつ移動鏡320(第3反射面320C)からの参照ビーム341aの進行方向に対して垂直である。なお、ウエハステージ304(ウエハテーブル308)のZ方向への移動に加え、ウエハステージ304(ウエハテーブル308)のX方向の移動に伴って、ルーフミラー374に対する参照ビーム341aの照射位置が上記交線方向に変化する。ウエハステージ304(ウエハテーブル308)のX方向の移動範囲に基づいてルーフミラー374における上記交線方向の延在長さが定められている。
【0166】
ルーフミラー374に入射した参照ビーム341aは、光軸のシフトを伴う再帰反射を経てルーフミラー374から移動鏡320に戻る。具体的には、移動鏡320からの参照ビーム341aは、ルーフミラー374における反射面374aで90°折り曲げられて+Y方向に進み、反射面374bに入射する。その参照ビーム341aは、反射面374bで90°折り曲げられ、移動鏡320に向かって+X方向に対して斜め上方に向けて進む(参照ビーム341b)。ルーフミラー374に入射する参照ビーム341aとルーフミラー374から出射する参照ビーム341bとは互いに平行であり、入射ビームの光軸に対して出射ビームの光軸が平行に+Y方向にシフトしている。すなわち、ルーフミラー374は、移動鏡320からの参照ビーム341aを2回反射し、これにより、その参照ビーム341aの光軸(光路)を、2つの反射面374a,374bの交線374cと交差する方向である+Y方向にシフトさせて移動鏡320に戻す。
【0167】
ルーフミラー374からの参照ビーム341bは、移動鏡320における第3反射面320Cで所定角度折り曲げられて−X方向に進む。その参照ビーム341bは、折り曲げミラー353で90°折り曲げられて+Z方向に進み、偏光ビームスプリッタ351の第2面351cに入射する。なお、偏光ビームスプリッタ351の第2面351cにおいて、移動鏡320から戻った参照ビーム341bの入射位置P4は、参照ビーム341aの出射位置P2とは異なる。すなわち、P4はP2に対して+Y方向にシフトしている。偏光ビームスプリッタ351に入射した参照ビーム341bは、偏光面351aで反射して折り曲げられ、−X方向に進んで光電変換装置329に入射する。光電変換装置329によって、それぞれ戻り光である測定ビーム340bと参照ビーム341bとの干渉光からウエハテーブル308のZ方向の位置変動量が計測される。
【0168】
この図21の例では、XY平面を間に挟んで、測定ビーム340用の固定鏡であるルーフミラー354の対称位置に、参照ビーム341用の固定鏡であるルーフミラー374が配置されているから、ウエハテーブル308のZ方向の位置変動量を高い感度で計測することができる。すなわち、本例では、ウエハテーブル308のZ方向への移動に対して、測定ビーム340の光路長と参照ビーム341の光路長との相対変化量が比較的大きく、ウエハテーブル308の微小な位置変動を高精度に検出することができる。
【0169】
また、本例では、参照ビーム341の光路長と、測定ビーム340の光路長とがほぼ同じであり、ウエハテーブル308の傾きが変化した際における両ビームの位置ずれ量がほぼ等しい。そのため、計測対象物であるウエハテーブル308の傾きが変化した場合にも、測定ビーム340及び参照ビーム341の各戻り光が同じように位置ずれするので、両ビームを確実に干渉させることができ、検出不良及び計測誤差を低減することができる。さらに、図示の如く、偏光ビームスプリッタ351、ビーム光軸調整機構356、357、折り曲げミラー353等からなる干渉光学部材が、固定鏡であるルーフミラー354、374より、ウエハテーブル308から遠い位置にあるので、移動鏡320で反射したビーム340、341が上下に分かれた後でも、ビーム340、341に対する空調の環境が等しくでき、空気揺らぎによる計測誤差が小さくできる。
【0170】
図22A〜22Cは、ウエハテーブル308(ウエハステージ304)に設けられる移動鏡320の形態例を示している。
【0171】
図22Aの例では、ウエハテーブル308の側面を加工することにより、ウエハテーブル308の側面に反射面320A,320Bが形成されている。反射面320Aは、YZ平面に平行であり、反射面320Bは、Y軸と平行かつYZ平面から傾いている。反射面320A,320Bは、鏡面加工により形成することができ、あるいは、研磨面に反射膜を形成することにより形成することができる。
【0172】
図22Bの例では、ウエハテーブル308の側面に、Y軸と平行かつYZ平面から傾いた斜面393が形成され、この斜面393に反射面320Bを有する反射ミラー395が固設されている。また、ウエハテーブル308の側面に、YZ平面に平行な面394が形成され、この面394に反射面320Aを有する反射ミラー396が固設されている。
【0173】
図22Cの例では、ウエハテーブル308の側面に、YZ平面に平行な面397が形成され、この面397に反射面320A,320Bを有する反射部材398が配設されている。反射面320Aは、YZ平面に平行であり、反射面320Bは、Y軸と平行かつYZ平面から傾いている。
【0174】
なお、露光装置EXとしては、マスク(レチクル)と基板(ウエハ)とを一次元方向に同期移動してマスクのパターンを基板上の各ショット領域に転写するステップ・アンド・スキャン方式の露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)にも適用できる。また、露光装置EXとして、ウエハW上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写するステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。また、露光装置EXとして、投影光学系を用いることなくマスクと基板とを密接させてマスクのパターンを露光するプロキシミティ露光装置にも適用できる。
【0175】
また、露光装置EXとして、液浸露光装置にも適用可能である。そのような液浸露光装置としては、例えば、投影光学系と基板との間を局所的に液体で満たす方式として、国際公開第2004/053958号パンフレットに開示されているものが知られている。また、露光装置EXとして、露光対象の基板を保持したステージを液槽の中で移動させる液浸露光装置、ステージ上に所定厚の液体層を形成しその中に基板を保持する液浸露光装置にも適用可能である。
【0176】
また、露光装置EXとして、特開平11−135400号(対応国際公開1999/23692)に開示されているように、ウエハ等の被処理基板を保持して移動可能な露光ステージと、各種の計測部材及び/又はセンサを備えた計測ステージとを備えた露光装置にも適用することができる。
【0177】
なお、上記各実施形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状、組合せ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲においてプロセス条件、設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0178】
なお、上記各実施形態で移動ステージに保持される基板としては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
【0179】
露光装置の種類としては、ウエハに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
【0180】
また、本発明は、ウエハステージが複数設けられるツインステージ型の露光装置にも適用できる。ツインステージ型の露光装置の構造及び露光動作は、例えば特開平10−163099号公報及び特開平10−214783号公報(対応米国特許6,341,007号、6,400,441号、6,549,269号及び6,590,634号)、特表2000−505958号(対応米国特許5,969,441号)あるいは米国特許6,208,407号に開示されている。さらに、本発明を本願出願人が先に出願した特願2004−168481号(対応国際公開2005/122242)のウエハステージに適用してもよい。
【0181】
なお、上述の各実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(または位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスク、あるいは光反射性の基板上に所定の反射パターンを形成した光反射型マスクを用いたが、それらに限定されるものではない。例えば、そのようなマスクに代えて、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターンまたは反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスク(光学系の一種とする)を用いるようにしても良い。このような電子マスクは、例えば、米国特許第6,778,257号公報に開示されている。
【0182】
また、例えば、2光束干渉露光と呼ばれているような、複数の光束の干渉によって生じる干渉縞を基板に露光するような露光装置にも本発明を適用することができる。そのような露光方法及び露光装置は、例えば、国際公開第01/35168号パンフレットに開示されている。
【0183】
また、本発明が適用される露光装置の光源には、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、F2レーザ(157nm)等のみならず、g線(436nm)、i線(365nm)等を用いることができる。さらに、投影光学系の倍率は縮小系のみならず等倍および拡大系のいずれでもよい。
【0184】
ウエハステージ及び/又はレチクルステージにリニアモータ(USP5,623,853またはUSP5,528,118参照)を用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもよい。また、各ステージWST、RSTは、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよい。
【0185】
各ステージの駆動機構としては、二次元に磁石を配置した磁石ユニットと、二次元にコイルを配置した電機子ユニットとを対向させ電磁力により各ステージを駆動する平面モータを用いてもよい。この場合、磁石ユニットと電機子ユニットとのいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットとの他方をステージの移動面側に設ければよい。
【0186】
ウエハステージの移動により発生する反力は、投影光学系に伝わらないように、特開平8−166475号公報(対応米国特許第5,528,118号)に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。
【0187】
レチクルステージの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報(対応米国特許第5,874,820号)に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。
【0188】
なお、移動鏡30、60と同様に、固定鏡31Aと31B、61Aと61B、354と374を支持体にキネマチックマウント機構を有するヒンジブロックで支持するようにしてもよい。
【0189】
また、本発明が適用される露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組立の前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組立工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組立工程の前に、各サブシステム個々の組立工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組立工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0190】
また、半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図23に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置EXによりマスクのパターンを基板に露光する工程、露光した基板を現像する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などの基板処理プロセスを含むステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0191】
なお、本国際出願で指定又は選択された国の法令で許容される限りにおいて、上記各実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
【符号の説明】
【0192】
EX…露光装置、MST…計測ステージ、MTB…計測テーブル、RA…レチクルアライメント系センサ、W…ウエハ、WA1…ウエハアライメント系センサ、WA2…ウエハアライメント系センサ、WST…ウエハステージ、WTB…ウエハテーブル、X方向…照射方向(第1方向)、Z方向…計測方向(第2方向)、Y方向…光軸シフト方向(第3方向)、12a…上面(ガイド面)、30、60…移動鏡、30a、60a…反射面、30b、60b…反射面、30c、60c…反射面、31A、31B、61A、61B…固定鏡、32〜34…ヒンジブロック、36、66…支持体、50…ステージ装置、100…露光装置、118…干渉計システム、301…レチクル(マスク)、301a…レチクルステージ、303…投影光学系、304…ウエハステージ(ステージ装置)、305…ウエハ(基板)、307…XYステージ、308…ウエハテーブル(可動体)、317…主制御系、320…移動鏡(第1反射部)、320A…反射面、320B…反射面(第1反射部)、320C…反射面(第4反射部)、321…移動鏡、325,326…レーザ干渉計システム、327…レーザ干渉計システム(干渉計システム、位置計測装置)、325A,325B,326A…干渉光学系、327A,327B…干渉光学系(光学部材、干渉計)、328,329…光電変換装置(干渉計)、340…測定ビーム(340a:第1ビーム、340b:第5ビーム)、341…参照ビーム(341a:第2ビーム、341b:第3ビーム、341c:第4ビーム)、350…レーザ光源、350A…レーザビーム、351…偏光ビームスプリッタ、351a…偏光面、351b…第1面、351c…第2面、352…1/4波長板(第1偏光切替え部材、第2偏光切替え部材)、353…折り曲げミラー、354…ルーフミラー(固定鏡、第2反射部、反射部材)、354a,354b…反射面、354c…交線、355…ルーフミラー(第3反射部)、355a,355b…反射面、355c…交線、356,357…調整機構、374…ルーフミラー(第3反射部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1軸と該第1軸と直交する第2軸とによって定義される平面に沿って移動する可動体の位置情報を測定する測定装置であり、
前記第1軸に沿う第1軸方向の成分、及び前記平面と直交する第3軸に沿う第3軸方向の成分を含む方向の第1光路を形成する第1光学部材であり、前記第1軸方向に沿って前記可動体に第1ビームを出射し、前記可動体で反射した前記第1ビームが前記第1光路で進む前記第1光学部材と、
前記第1軸方向の成分及び前記第3軸方向の成分を含む方向で、前記第1光路とは異なる第2光路を形成する第2光学部材であり、前記第1軸方向に沿って前記可動体に第2ビームを出射し、前記可動体で反射した前記第2ビームが前記第2光路で進む前記第2光学部材と、
前記第1軸方向の成分を含む方向で、前記第1光路及び前記第2光路とは異なる第3光路を形成する第3光学部材であり、前記第1軸方向に沿って前記可動体に第3ビームを出射し、前記可動体で反射した前記第3ビームが前記第3光路で進む前記第3光学部材と、
前記第1光路を進んだ第1ビーム、及び前記第2光路を進んだ第2ビームが互いに干渉する干渉計と、
前記干渉計での干渉に基づいて、前記第3軸方向における前記可動体の位置情報を得る算出装置とを備え、
前記第1軸方向に沿って前記可動体に向かう前記第3ビームの進路は、前記第3軸方向について、前記第1光路の進路と前記第2光路の進路との間に位置する測定装置。
【請求項2】
前記算出装置は、前記第3光路を進んだ前記第3ビームに基づき、前記可動体の前記第1軸方向における位置情報を得る請求項1記載の測定装置。
【請求項3】
前記算出装置は、前記第3光路を進んだ前記第3ビームに基づき、前記可動体の前記第2軸周り方向の位置情報を得る請求項1記載の測定装置。
【請求項4】
前記第1軸方向の成分を含む方向で、前記第1光路、前記第2光路及び前記第3光路とは異なる第4光路を形成する第4光学部材であり、前記第1軸方向に沿って前記可動体に第4ビームを出射し、前記可動体で反射した前記第4ビームが前記第4光路で進む前記第4光学部材を備え、
前記算出装置は、前記第3光路または前記第4光路を進んだ前記第3ビーム及び前記第4ビームに基づき、前記可動体の前記第2軸周り方向の位置情報を得る請求項1記載の測定装置。
【請求項5】
前記第1光学部材または前記第2光学部材は、前記第1ビームまたは前記第2ビームが生じる光源を有する請求項1記載の測定装置。
【請求項6】
前記光源は、前記第3ビームを生じさせる請求項5記載の測定装置。
【請求項7】
前記第1光学部材は、前記可動体に設けられ前記第1光路を進む前記第1ビームを反射する第1反射面を有し、
前記第2光学部材は、前記可動体に設けられ前記第2光路を進む前記第2ビームを反射する第2反射面を有し、
前記第3光学部材は、前記可動体に設けられ前記第3光路を進む前記第3ビームを反射し、前記第1反射面と前記第2反射面との間に位置する第3反射面を有する請求項1記載の測定装置。
【請求項8】
物体を保持して移動可能な保持部材と、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の測定装置であり、前記可動体として前記保持部材の位置情報を測定する前記測定装置とを備えるステージ装置。
【請求項9】
第1軸と該第1軸と直交する第2軸とによって定義される平面に沿って移動する可動体の位置情報を測定する測定方法であり、
前記第1軸に沿う第1軸方向に沿って可動体に照射されるとともに、前記可動体で反射されて、前記第1軸方向の第1成分と、前記平面と直交する第3軸に沿う第3軸方向の第3成分とを含む方向の第1光路を進む第1ビームを照射することと、
前記第1軸方向に沿って可動体に照射されるとともに、前記可動体で反射されて、前記第1成分及び前記第3成分を含む方向であり前記第1光路とは異なる第2光路を進む第2ビームを照射することと、
前記第1軸方向に沿って可動体に照射されるとともに、前記可動体で反射されて、前記第1成分を含む方向であり前記第1光路及び前記第2光路とは異なる第3光路を進む第3ビームを照射することと、
前記第1光路を進んだ前記第1ビームと、前記第2光路を進んだ前記第2ビームとに基づいて、前記第3軸方向における前記可動体の位置情報を算出することと、
を含み、
前記可動体に向かう前記第3ビームの進路は、前記第3軸方向について、前記第1光路の進路と前記第2光路の進路との間に位置する測定方法。
【請求項10】
前記第1軸方向に沿って可動体に照射されるとともに、前記可動体で反射されて、前記第1成分を含む方向であり前記第1光路、前記第2光路及び第3光路に対して独立する第4光路を進む第4ビームを照射することと、
前記第3ビームを用いた前記第1軸方向における前記可動体の位置情報と、前記第4光路を進んだ前記第4ビームとに基づいて、前記第2軸周り方向における前記可動体の位置情報を算出することと、
を含む請求項9記載の測定方法。
【請求項11】
前記第1光路を進んだ第1ビームと、前記第2光路を進んだ第2ビームとが互いに干渉する請求項9記載の測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22A】
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【図22B】
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【図22C】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−147028(P2012−147028A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−98027(P2012−98027)
【出願日】平成24年4月23日(2012.4.23)
【分割の表示】特願2007−523973(P2007−523973)の分割
【原出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】