説明

湾曲表面を有する被覆基材、および、このような被覆基材を作成する方法

【課題】 本発明は、湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法であって、
上記湾曲表面のサブエリアを覆うマスキングが上記湾曲表面に塗布され、
真空堆積法を用いて、光学コーティングが塗布され、
上記マスキングが除去される
湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法に関する。
【解決手段】 特に本方法によって作成されることができる被覆基材は、少なくとも1つのパターン化された光学コーティングが設けられた湾曲表面を有し、それによって、光学コーティングは、この表面の少なくとも1つのサブエリア上に設けられ、少なくとも1つの隣接サブエリア上にはない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学層を有する基材の被覆に関し、特に、湾曲した表面をこのような層で被覆することに関する。
【背景技術】
【0002】
光学層を用いた湾曲表面の被覆は、たとえば、レンズ製造から知られており、レンズにはブルーミング層が設けられる。しかしながら、こうした層は一般に、レンズの反射表面全体を覆う。
【0003】
しかしながら、一方、たとえば、特定の視覚効果を達成するために、湾曲表面の適切なところに、そのエリアの範囲にわたって構造化された形態で光学層を設ける要求も存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのため、本発明は、被覆される基材表面に沿って、層が、横方向に構造化され、区分化され、または、パターン化されるように、光学層を用いた基材の被覆を改善するという目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、独立請求項で請求される方法および被覆基材によって、驚くほどに簡単な方法で達成される。有利な工夫および開発は、それぞれの従属請求項で規定される。
【0006】
したがって、本発明は、湾曲表面上にパターン化された、または、横方向に構造化された光学コーティングを有する基材を作成する方法を提供し、本方法において、湾曲表面のサブエリアを覆うマスキングが湾曲表面に塗布され、真空堆積法を用いて、光学コーティングが塗布され、マスキングが除去される。
【0007】
特に本発明による方法によって作成されることができる、本発明による被覆基材は、したがって、パターン化光学コーティングが設けられた湾曲表面を有し、それによって、光学コーティング、特に、真空コーティングが、この表面の少なくとも1つのサブエリアに設けられ、少なくとも1つの隣接または近傍サブエリアにはない。光学コーティングは、この場合、本発明による基材の作成中に、基材においてマスキングから切り出された1つまたは複数のサブエリア上に塗布され、マスキングによって覆われる隣接エリア上にはない。
【0008】
したがって、本発明の目的のためのパターン化コーティングは、そのエリア範囲にわたって区分されたコーティングであり、区分されたコーティングは少なくとも1つの区分を有する。
【0009】
光学コーティングのマスキングおよび真空堆積によって、本発明は、パターン化光学コーティングを有する湾曲した基材をもたらし、パターンの輪郭の縁部は、非常に明確で、かつ、はっきりわかる。
【0010】
基材を真空で被覆できる限り、本発明に対する基材の適性に関しては何の制約もない。例として、ガラス、ガラス−セラミック、金属、または、プラスチック基材が適当である。特に、本発明は、基材としての光学部品の使用、および、本発明による光学部品の改良を包含することを意図する。
【0011】
種々の真空堆積法が堆積プロセスに適する。この場合、堆積法の選択は、コーティング材料または被覆される表面の幾何形状の選択を含む種々の選択基準に依存する場合がある。本発明による方法の一実施形態によれば、光学コーティングの塗布は、物理的気相堆積(PVD)による層の堆積を含む。これは、たとえば、層の気相堆積またはスパッタリングを含む。気相堆積は、高い堆積レートを達成することを可能にするが、スパッタリングもまた、気化するのが難しい材料に適する。層はまた、化学気相堆積(CVD)によって塗布されることができる。たとえば、層は、プラズマパルス誘導化学気相堆積(PICVD)によって堆積されてもよい。
【0012】
本発明の別の実施形態によれば、基材のマスキングはワニス層の塗布を含む。そのエリア範囲にわたって構造化されるワニス層を作成するために、たとえば、少なくとも1つのコンピュータ制御されたノズルによってワニス層を塗布することが、1つの有利な開発によって可能である。たとえば、インクジェットプリンタで用いられるように、適切に適合した印刷用ヘッドは特にこの目的に適する。ピエゾジェットプリントヘッドとバブルジェット(登録商標)プリントヘッドの両方を用いてもよい。これによって、そのエリア範囲にわたって構造化されるワニス層が、印刷することによって、被覆される表面のマスキングとして、または、マスキングの一部として、直接作成されることが可能になる。
【0013】
たとえば、湾曲度の大きな表面の場合に、プリントヘッドまたはノズルと湾曲表面の間の距離を、許容可能な限界内に保つために、ワニス層の塗布中に、プリントヘッドまたはノズルと湾曲表面の間の距離を適合させる、または、再調整することが、本発明のこの実施形態の一開発によって可能である。
【0014】
したがって、本発明はまた、湾曲した、かつ/または、多角形の基材を被覆する方法および装置を包含し、ワニスは、コンピュータ制御式プリントヘッドによって被覆される表面に塗布され、プリントヘッドの少なくとも1つのノズルと、湾曲した、かつ/または、多角形の基材の表面の間の距離は、コンピュータ制御下で適当なデバイスによって再調整される。これによって、ワニス塗布プロセスが、3次元で制御されることが可能になる。
【0015】
特に、パターン化ワニス層内に、はっきりわかる輪郭を作成し、かつ、均一な印刷画像を確保するために、ワニス塗布に対する種々の処置が有利である。たとえば、ワニスが冷却されてもよい。ノズルが、たとえば、プリントヘッドの部品としてワニス塗布に用いられる場合、塗布前にワニス内の溶剤が気化するのを減らし、したがって、印刷用デバイスの閉塞(clogging:詰まり)を防止するために、ノズルに接続される供給容器内で、供給ライン内で、または、ノズルによって、ワニスを冷却することもまた有利である場合がある。ノズルの、または、プリントヘッドの閉塞を防止するさらなる可能な方法は、基材が適当な雰囲気内で印刷されることである。雰囲気は、たとえば、このために圧縮されてよい、かつ/または、乾燥を防止するために、溶剤を含む雰囲気であってよい。
【0016】
ワニスが塗布されるとすぐに、ワニスが湾曲表面上で流れることを防止し、したがって、輪郭を十分に明瞭にするために、できる限り迅速にワニスを凝固させることが、同様に望ましい。真空チャンバ内でのワニス層のガス放出を減らすために、含有される任意の溶剤を除去することもまた望ましい。この目的に適した1つの処置は、溶剤の気化を促進させるために、ワニスを加熱した基材に塗布することである。
【0017】
本発明の別のさらなる実施形態によれば、基材のマスキングもまた、フォトレジストを用いた被覆ならびにフォトレジストの露光および現像を含んでもよい。
【0018】
本方法のさらに別の実施形態によれば、マスキングにプルオフワニスが用いられる。被覆プロセスが実行されてしまうと、プルオフワニスを、基材から容易に剥がすことができる。
【0019】
本発明の好ましい一実施形態は、基材のマスキングが、例として、プリント回路基板技術において、はんだストップワニスとして用いられるように、ストップワニスの塗布を含むことを可能にする。このワニスは、真空に特に適合し、被覆中に起こる温度負荷にさらされる時に、熱的に安定であることがわかっている。
【0020】
本発明の別の実施形態は、この基材のマスキングが、機械的マスクの配置を含むことを可能にする。機械的マスクは、再使用可能であり、真空中でガス放出することなく、大きなエリアを覆うのに適する。堆積される光学コーティングのパターンに一致するように切断された、予め形成された金属箔またはプラスチックシートを、たとえば、マスクとして用いてもよい。その低いガス放出レートおよび耐温度性のために、Kapton(登録商標)などのポリイミドが、たとえば、こうしたマスク用のプラスチックとして適当である。
【0021】
特に、種々のマスキング法が、互いに組み合わされるのが有利である場合もある。したがって、本発明の有利な一開発は、基材のマスキングが、第1マスキング、および、第1マスキングに重なる第2マスキングの塗布を含むことを可能にする。これによって、たとえば、より広いエリアを覆うために、はっきりとした非常に明確な縁部を有する精密に構造化されたワニス層マスキングを、他の粗いマスキングと組み合わせることが可能になる。たとえば、金属箔またはポリイミドシート(たとえば、Kapton(登録商標)シート)などのプルオフワニスまたは機械的マスクを用いる初期マスキングは、覆われるエリアの縁部の精密な輪郭を得るために、ワニスマスキングと共に用いられることができる。
【0022】
本発明のさらなる実施形態によれば、光学コーティングの堆積後のマスキングの除去は、ワニスマスキングの溶解またはエッチングを含んでもよい。そのため、ワニスマスキングの溶解またはエッチングはまた、ワニス層の上にある堆積された光学コーティングをリフトオフし、それによって、マスキングに従ってパターン化された光学コーティングは、マスキングによって覆われなかった基材の湾曲表面のサブエリア上に残る。
【0023】
マスキングおよびマスキングの上にある光学コーティングを除去するさらなる可能な方法は、ワニスマスキングの膨張である。たとえば、ワニス層は、この目的のために、適当な灰汁で処理されることができる。膨張プロセスによって、ワニス層が基材から引き剥がされ、ワニス層の上の光学コーティングと共に剥がれることになる。
【0024】
本発明に従って作成されることができる光学コーティングはまた、2層以上を有してもよい。たとえば、こうした多層コーティングは、光学干渉層として用いられてもよい。
【0025】
湾曲表面上の光学コ−ティング用のさらなるオプションは、部分的か、または、完全に反射性の反射層を備えるコーティングである。こうした層はまた、色付き反射層の形態であってもよい。色の効果を達成するために、本発明に従って、基材には、色または吸収層を備えるパターン化光学層が設けられてもよい。
【0026】
多数の基材が本発明の使用に適している。本発明の1つの特定の実施形態は、電球が、基材として用いられ、被覆されることを可能にする。電球上での、本発明によるパターン化光学コーティングによって、たとえば、著しく明確な方法で電球の光視野に有利に影響を与えることが可能になる。
【0027】
さらなる特定の実施形態は、レンズが基材として被覆されることを可能にする。パターン化光学コーティングを有するこうしたレンズによって、たとえば、ランプの光視野に意図的に影響を与えることも可能になる。
【0028】
本発明による方法の一開発はまた、湾曲表面の異なるサブエリアが、マスキングおよび真空コーティングによって、連続して光学層を設けられることも可能にする。特に、これによって、異なる光学特性を有するサブエリアを有するパターン化光学コーティングを作成することも可能である。サブエリアには、この目的のために、異なる光学コーティングが設けられるのが有利である。たとえば、その湾曲表面が、異なるコーティングを有する2つ以上のサブエリアを有する、本発明による被覆基材は、異なる方向、あるいは、空間角度セグメント、または、エリアを通る光、または、そこの反射光に意図的に影響を与えるのに用いられることができる。
【0029】
例として、本発明による被覆基材を用いる所望の方法で、光学デバイスの光視野に影響を与えるために、基材の湾曲表面の環状サブエリアに光学層を設けることができる。
【0030】
さらなる用途のオプションは、可視情報を含むパターン化コーティングである。この情報は、観察者によって認識されてもよく、たとえば、ソース情報として用いられてもよい。たとえば、コーティングは、可視のシンボルまたはロゴ、あるいは、銘を表してもよい。このように、光視野にわずかに影響を与えるか、または、全く影響を与えないために、情報を含むコーティングはまた、照明についてほとんど関連のないエリアが、透明か、または、部分的に透明なコーティングの形態であってもよい。
【0031】
本発明の意図される1つの実用的な用途は、本発明による被覆基材を有する自動車のスポットライトまたはヘッドライトである。スポットライトまたはヘッドライトの部品として、基材は、たとえば、電球および/または投影レンズを備えてもよい。そのため、スポットライトまたはヘッドライトの光視野は、とりわけ、対向車両の運転者に対する幻惑作用を減らすために、本発明によるこうした電球か、または、本発明による被覆した投影レンズによって、影響を受けることができる。
【0032】
本発明は、例示的な実施形態を用い、図面を参照して、以下の文においてより詳細に説明されるであろう。図面では、同じでかつ同様な要素は、同じ参照記号が与えられ、異なる例示的な実施形態の特徴を互いに組み合わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明の第1の実施形態に基づく、本発明に従って被覆された基材1の作成のための方法ステップを、湾曲表面を有する基材1の概略断面図を示す図1A〜図1Dを参照して説明する。
【0034】
図1A〜図1Dに示すように、湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法は、
−湾曲表面3のサブエリアを覆うマスキングが、基材1の湾曲表面3に塗布され、
−真空堆積法を用いて、光学コーティングが塗布され、
−マスキングが除去される、という考えに基づく。
【0035】
図1A〜図1Dに示される、本発明のこの第1の実施形態によれば、基材1は、ワニス13の塗布によってマスクされ、ワニス13はコンピュータ制御式ノズル9によって塗布される。本方法のこの実施形態によれば、ノズル9を有し、図1Aには示されないコンピュータに接続されたプリントヘッド7によって、この目的のためにワニス3が印刷される。プリントヘッドならびにプリントヘッド7を移動させるデバイスは、コンピュータによって制御される。
【0036】
真空堆積法によって被覆されることができる任意所望の材料が基材に用いられてもよい。これの意図される例は、たとえば、ガラス、ガラス−セラミック、セラミック、プラスチック、および/または、金属を含む。たとえば、図1A〜図1Dに示すように、電球100が基材1として用いられてもよい。レンズを基材とする、本発明によるコーティングについては、いろいろな適用オプションも存在する。
【0037】
たとえば、ワニス13は、フォトレジスト、プルオフワニス、さもなければ、特に、プリント回路板製造からのはんだストップワニスなどのストップワニスであってよい。インクジェットヘッドは、プリントヘッド7として使用するのに特に適する。こうしたプリントヘッドによって、パターン化ワニス層5が、特に、はっきりとわかる、非常に明確な縁部を有して作成されることが可能になる。
【0038】
ワニス13の塗布中に、プリントヘッド7、たとえば、そのノズル9と、湾曲表面3の間の距離を、ワニス層5の上にはっきりとわかる縁部を有するパターンを作成するための、許容可能な限度内に保つために、この実施形態の一変形に従って、この距離は、適当なコンピュータ制御式デバイスによって、さらに適合させられるか、または、再調整されてもよい。
【0039】
ワニスの塗布を改善するために、種々のさらなる処置を採用してもよい。たとえば、塗布前にワニス内の溶剤が気化するのを減らし、したがって、プリントヘッド7のノズルの閉塞を防止するために、ワニス13は、供給容器11内で、かつ/または、ノズル9への供給ライン内で、かつ/または、ノズル内で、特に冷却式ノズルによって冷却されてもよい。印刷プロセスもまた、適当な環境で、たとえば、圧縮された雰囲気内で、かつ/または、溶剤を含有する雰囲気内で実行されることができる。
【0040】
輪郭の明瞭さを高めるため、ワニス層5のワニス内に含有される溶剤を除去し、印刷プロセス後に、できる限り迅速にワニス層を凝固させ、流れを防止するために、基材は、たとえば、印刷中に予備加熱されてもよい。
【0041】
図1Bは、作成プロセスのさらなる段階を示す。ワニス層5を有する基材1のマスキングが完了している。基材1の湾曲表面3のサブエリア15は、ワニス層5のワニスによってマスクされるが、対照的に、ワニス層5のパターン化の結果として、他のサブエリア17は覆いのないままである。
【0042】
パターン化ワニス層5を設けた基材1は、表象的に(symbolically)示すコーティングソース21に対向するか、または、コーティングソース21内の真空チャンバ19内に配置される。コーティングソース21は、その後、パターン化ワニス層5を設けた基材1の湾曲表面3上に光学層を真空堆積させるために、真空のコーティングチャンバ19内で用いられる。
【0043】
光学コーティングの真空堆積は、たとえば、物理気相堆積による層の堆積を含んでもよい。一開発によれば、コーティングソース21は、この目的のために、気化デバイスを備えていてもよく、そのため、光学コーティングの塗布は、気相堆積による層の塗布を含む。別の開発によれば、光学コーティングの塗布は、層のスパッタリングを含む。したがって、コーティングソース21は、この場合、スパッタソースである。
【0044】
光学コーティング、または、このコーティングの成分は、適切に設計されたコーティングソース21による化学的気相堆積によって、表面3上に同様に堆積されてもよい。この実施形態の好ましい一開発は、層が、プラズマパルス誘導化学的気相堆積(PICVD)によって作成されることを可能にする。この目的のために、コーティングソース21は、たとえば、適当な前駆体ガス、たとえば、ガス抽出物用のガス入り口、および、パルス電磁波の生成デバイスを備え、そのデバイスによって、パルスプラズマが前駆体ガス雰囲気内で生成される。反応生成物は、プラズマ内で生成され、表面3上に堆積し、層が表面3上に堆積するように互いに反応することができる。真空堆積によって被覆された基材1は図1Cに示される。先の方法ステップに対応する方法で、基材は、ここで、湾曲表面3上のパターン化ワニス層5の形態でマスクされ、それによって、表面3のサブエリア15がマスクされ、他のサブエリア17が覆いのないままになる。光学コーティング23は、マスキングを含む表面3にわたって真空堆積によって塗布される。このコーティングは、パターン化ワニス層5によって覆いのないままにされたサブエリア17において、基材1と、または、その表面3と接触する。ここで、次のステップは、マスキングを除去することである。この目的のために、ワニス層は、たとえば、適当な溶剤によって溶解されるか、または、エッチングされてもよい。さらなるオプションは、ワニス層を膨張させることである。カリウムまたはソーダ灰などの灰汁がこの目的のために用いられてもよい。ワニス層を除去するために膨張を用いることは、真空において、良好な耐温度性および低いガス放出レートをさらに有するストップワニスを用いる時には特に適する。
【0045】
両方の場合に、パターン化ワニス層5は、湾曲表面3から除去され、それによって、ワニス層5上のエリア15にある光学コーティング23もまた除去され、表面3上に残るのは、パターン化ワニス層5によって覆われなかったサブエリア17の光学コーティング23だけである。
【0046】
図1Dは、本方法のこの実施形態の生成物としての、本発明による被覆基材の1つの例示的な実施形態を示す。したがって、この被覆基材1は、光学コーティング25が、この表面3の少なくとも1つのサブエリア27に設けられ、少なくとも1つの隣接サブエリア29にはないようにパターン化光学コーティング25が設けられた湾曲表面3を有する。
【0047】
パターン化光学コーティング25は、この場合、上記したように、マスクされたエリア15上で、光学コーティング23と共にワニス層5を除去することによって作成された。パターン化光学コーティング25によって覆われるサブエリア27は、したがって、パターン化ワニス層5によって覆われない湾曲表面3のエリアに対応するが、光学コーティング25がその上に存在しない隣接サブエリア29は、パターン化ワニス層5によって先に覆われたエリア15に対応する。
【0048】
図2は、本発明による被覆基材1のさらなる例示的な実施形態を示し、図1A〜図1Dを参照して述べた方法ステップの変形によって得られることができる。
【0049】
図1Dに示す例示的な実施形態と対照的に、図2に示す被覆基材1は、層31、32、33を有する多層のパターン化光学コーティング25を有する。こうした多層光学コーティング25は、図1Bに示す真空またはコーティングチャンバ19内の適当なコーティングソース21によって、複数の層31、32、33を順次堆積することによって塗布されることができる。例として、PICVDデバイスの形態のコーティングソース21を用いて、各層についてガス雰囲気の組成を変えることによって、多層のパターン化光学コーティング25を塗布することができる。
【0050】
もちろん、図3に示すコーティング25の層の数は例示に過ぎない。例として、干渉フィルタ層が堆積される場合、3層31、31、33を超える層もまた存在する。一例のみ引用するため、図2に示す3層コーティングは、パターン化ブルーミングに用いられることができる。
【0051】
一般に、目的に応じて、図1Dまたは図2に示されるようなパターン化光学コーティング25は、部分的に、または、完全に反射性の反射層、色付き反射光学層、干渉層、および/または、色または吸収層を備えてもよい。
【0052】
図3A〜図3Dは、本発明のさらなる実施形態の種々の変形に基づいて、湾曲表面を有する本発明による被覆基材を作成する方法ステップを示す。本方法のこの実施形態によれば、図3A〜図3Dを参照して述べるように、この場合の基材1のマスキングは、第1マスキング35、および、第1マスキングに重なる第2マスキング37の塗布を含む。
【0053】
まず、図3Aは、図1Aにおいて同様の形態で示したように、プリントヘッド7のコンピュータ制御式ノズル9によって、ワニス層5を印刷することによる基材1のマスキングを示す。図3Aに示す例示的な実施形態において、光学レンズ101が、基材1として用いられる。
【0054】
図1A〜図1Dを参照して述べた実施形態と対照的に、第1マスキング35を作成するために、マスクされるサブエリア15のうち、輪郭の近くにあるエリアのみが印刷され、第1マスキング35を用いて、後で塗布される光学コーティングのパターンのはっきりとした輪郭が作成される。1つまたは複数のサブエリア15の表面の残りには、ワニス層5、たとえば、第1マスキング35に重なる第2マスキング37が設けられる。図3B〜3Dは、こうした重なる第1および第2マスキング35、37の例を示す。
【0055】
図3Bに示す例において、基材のマスキングは、予め形成された機械的マスク39の配置を含み、予め形成された機械的マスク39は、この例では、湾曲表面3のサブエリア15について、第2マスキングとして用いられる。たとえば、マスク39は、プラスチックフィルムか金属箔、または、他の何らかのテンプレートで構成された輪郭マスクであってもよい。こうしたマスクの使用は、たとえば、真空内でのワニス層5の過度のガス放出を回避することが目的である時に有利である。塗布されるワニスの量は、この例と同様に機械式マスキングなどのさらなるマスクの使用によってかなり減らすことができる。
【0056】
図3C〜3Dはさらなるオプションを示す。これらの例においても、第1マスキング35としてワニス層5が用いられる。第2ワニス層6は、第1マスキング35に重なる第2マスキングとして用いられる。図3Cに示す例において、サブエリア15のマスキングの内側部分を形成する第2ワニス層6は、ワニス層5の塗布後に塗布される。この場合、ワニス層5は、1つまたは複数のサブエリア5の輪郭を形成する。
【0057】
しかしながら、図3Dを参照して述べるように、ワニス層6によって形成されるマスキング37を有するエリア15の内側部分をまず設け、次に、マスキング37に重なるさらなるマスキング35を有する輪郭形成縁部エリアを設けることも同様に可能である。マスキング35、37またはワニス層5、6について、同じワニスと異なるワニスのいずれを用いてもよい。たとえば、特に十分に、かつ、正確に塗布されることができ、かなり耐温度性があるストップワニスが、外側マスキング35に用いられてもよい。そのため、湾曲表面3から容易に引き剥がすことができるプルオフワニスは、内側マスキング37として用いられることができる。
【0058】
そのため、図3A〜図3Dに示すようにマスクされた基材1は、図1B〜1Dを参照して述べるように被覆されることができ、マスキングは、図1Dまたは図2に示すように被覆基材1を作成するために、マスキング上に堆積した光学コーティングと共に除去されることができる。この場合、図3Bに示す例のマスク39は、別法として、基材が真空チャンバ19内に位置するまで、表面3の前面に配置されなくてもよい。
【0059】
図4Aおよび図4Bは、表面3のマスキングのさらに別の例示的な実施形態を示す。この場合も同様に、パターン化光学層で被覆される基材1として、光学レンズ101が設けられる。この例において、マスキングは、フォトレジストを用いた被覆、および、その後のフォトレジストの露光および現像によって実行される。図示する例示的な実施形態における被覆は、表面上へのフォトレジスト40の塗布によって実行される。塗布プロセスは、たとえば、ロールコートよって、標準的な方法で実行されてもよい。フォトレジスト40は、その後、マスキングの所望のパターン化に応じて、露光され、現像され、それによって、図4Bに概略的に示すパターン化ワニス層5が、基材1の湾曲表面3上のマスキングとして作成される。
【0060】
パターン化光学コーティングを有する、本発明による被覆基材を作成するために、この方法でマスクされた基材は、その後、図1B〜図1Dを参照して説明したようにさらに処理されることができる。
【0061】
上述した例示的な実施形態は、単一の光学コーティングを有する。しかしながら、もちろん、本発明による方法は、特に、全てがパターンニングされてもよい、2つ以上の異なるか、または、同じ光学コーティングを塗布するのに用いられてもよい。こうした例示的な実施形態は図5〜図7に示される。
【0062】
図5は、電球100を基材1とする例示的な一実施形態を示し、その湾曲した外表面上に、たとえば、図1A〜図1Dを参照して述べたように、本発明による方法を用いて、2つの光学コーティング251、252が連続して塗布されている。層251、252はそれぞれ、湾曲表面3のサブエリア271および272を覆い、各コーティング251、252は、それぞれ、サブエリア271および272に隣接するエリアにはない。パターン化光学層251、252はまた、図5に示す例示的な実施形態では重なる。さらに、図5に示す例における2つの層251および252の層の材料は同じであってもよい。しかしながら、例として、層251、252の厚みは、層が異なる光学効果を生成するように異なってもよい。
【0063】
この例示的な実施形態において、電球100、すなわち、基材の対称軸43のまわりの円形エリアを覆い、それに応じて、丸いスポットとしてパターン化される、パターン化光学層251がまず塗布された。光学コーティングを用い、たとえば、光学コーティングで覆われる湾曲表面3の環状サブエリア272を設けるようにパターン化される、第2コーティング252がその後塗布された。図5に示す例示的な実施形態において、光学コーティング252のこの環状パターンは、円形形状のパターンである層251の縁部に重なる。
【0064】
図6は、複数の光学コーティングを有する、さらなる例示的な実施形態の基材1の断面図を示す。この例示的な実施形態において、第1光学コ−ティング26は、基材1に塗布され、パターン化されず、湾曲表面3全体を覆う。本発明に従って塗布された、パターン化光学コーティング25は、第1光学コ−ティング26上にあり、図5に示す光学コーティング252と同様な形態でパターン化され、それによって、パターン化光学コーティング25は、基材の対称軸のまわりの環状エリア27を覆い、対称軸43のまわりの丸いエリアを自由にする、すなわち、層25によって覆いのないままにする。
【0065】
図7に示す例示的な実施形態において、異なる光学特性を有する2つのパターン化光学コ−ティング251、252が表面3上に堆積される。これらのコーティングは、それぞれ、層251、252の間に間隙が存在しない状態で、異なる、重ならないサブエリア271、272を覆う。たとえば、層251、252は、異なる反射または吸収特性を有してもよい。
【0066】
本発明による方法によって、層251、252は、はっきりわかる輪郭を有して、非常に明確な形態で堆積されることが可能になる。そのため、層のパターン化は、例として、2つの層251、252が、層間に空間がないか、または、著しい間隙がない状態で、この例のように、互いに隣接するように正確に設置されることができる。そのため、2つのパターン化光学コ−ティング251または252によって、それぞれ覆われる1つまたは複数のサブエリア271、272は、それぞれの場合に、他のパターン化光学コ−ティング251、252がないままにされる各サブエリア292および291に対応する。
【0067】
図8および図9は、基材1として、光学コ−ティングを設けたレンズ101の、本発明によるさらなる例の図を示す。これらの例示的な実施形態において、それぞれの場合におけるパターン化光学コ−ティングは可視情報を含む。図8および図9は、可視情報として銘を示すが、情報は、ロゴまたは記号の形態であってもよい。
【0068】
図8に示す例示的な実施形態において、銘は、湾曲面3の非被覆サブエリア29によってレンズ101の湾曲面3上に形成され、銘の形態でパターン化された光学コ−ティング25はない。しかしながら、図9に示されるパターン化コーティング25も同様に可能である。この例示的な実施形態において、銘は、銘に対応するようにパターン化される光学コ−ティングの被覆サブエリア27によって形成される。
【0069】
図8および図9のレンズ101上で、ロゴまたは銘でパターン化された、本発明による光学コ−ティング25は、特に、部分的に、または、完全に反射性の反射層、色付き反射光学コーティング、干渉層、および/または、色または吸収層を備えてもよい。
【0070】
図10は、図8または図9において例によって示したように、本発明に従って被覆されたレンズの例示的な一実施形態を示す。図10は、スポットライトまたはヘッドライト110を有する自動車105の正面図を示す。自動車105のスポットライトまたはヘッドライト110はそれぞれ、被覆投影レンズ101の形態で、本発明に従って被覆された基材1を有する。光学コ−ティング25は、この場合、レンズ101の一方または両方の屈折面上に設けられる。投影レンズ101上の光学コ−ティング25は、図8または図9に示した例示的な実施形態と同様な方法で、特に、可視情報の形態でパターン化される。特に、この例示的な実施形態の場合、コーティングはロゴの形態でパターン化されてもよく、図10のコ−ティング25によって形成されるロゴは、単に例として、イタリック体の「L」の形態で表される。例として、パターンコーティング25は、自動車の製造業者のロゴまたは銘の形態でパターン化されてもよい。そのため、このロゴは、スポットライトまたはヘッドライトが消されるか、または、わずかに点灯される、たとえば、駐車灯がオンにされると見え、好ましく、装飾的な効果を生ずる。
【0071】
付加的に、または、別法として、たとえば、図1D、図2、および図5〜図7において、概略的に示すように、本発明に従って被覆された電球を用いたライトを使用することも可能である。図11は、特に、自動車分野用の、有利な照明特性を有するライトの例示的な一実施形態を示す。
【0072】
ランプ112の形態のライトは電球100を備える。例として、電球100は、丸い端部を有する細長い円筒形状を有する。電球100の湾曲外面には、光学コ−ティング25が設けられ、光学コ−ティング25は、電球100の湾曲表面3のサブエリア27を覆い、一方、隣接サブエリア29は覆いのないままにされるような形態でパターン化される。光学コ−ティング25は、たとえば、放射光を着色する多層干渉フィルタコーティングを備えてもよい。そのため、このコーティングパターンは、たとえば、幻惑作用を減らすために、ライト(光)によって生成される光視野の領域または空間角度範囲における色付きおよびシェーディング作用を生ずる。
【0073】
図12は、たとえば、自動車のスポットライトまたはヘッドライト用に有利に用いられ得る、被覆電球を用いたライトのさらなる例を示す。ランプ112の形態のライトは、その湾曲外面に光学コーティング251、252が設けられた電球100を備え、光学コーティング251、252は、軸113のまわりの環状エリアを覆い、軸113のまわりの円形エリア29は、この例において自由のままである、すなわち、環状パターンを有する光学コーティングによって覆われない。
【0074】
光学コーティング251、252はそれぞれ、たとえば、図2の例によって概略的に示すように、複数の層を有する干渉層を備えてもよい。そのため、光学層を用いて、電球100から放射される光の色および/または明るさのフィルタリングを実現することができる。
【0075】
光学層251、252のパターン化によって、ライト(光)によって生成される光視野が影響を受ける。例として図11に示される配置は、光学層251、252が異なる色フィルタリングまたはシェーディングを有する場合、たとえば、軸113を中心とする異なった色付きの、かつ/または、明るさの空間角度範囲115、116、117をもたらす。たとえば、幻惑作用を避けるために、自動車のスポットライトまたはヘッドライトの光視野に影響を与える、この作用を、たとえば利用することができる。
【0076】
図11および図12に示す例示的な実施形態におけるパターン化の形態は、もちろん、例示的であるに過ぎない。光学層251、252は、たとえば、非対称的に環状であってもよく、または、電球の湾曲外表面のサブエリアの任意の他の所望の形状を覆ってもよい。光学層の形状および異なる層の数は、この場合、特に、光視野の所望の形状に一致してもよい。
【0077】
当業者には明らかであるように、本発明は、上述した例示的な実施形態に制限されるのではなく、実際には、多くの方法で変えることができる。特に、個々の例示的な実施形態の特徴もまた、互いに組み合わされてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1A】湾曲表面を有する、本発明による被覆基材を作成する方法ステップを示す図である。
【図1B】湾曲表面を有する、本発明による被覆基材を作成する方法ステップを示す図である。
【図1C】湾曲表面を有する、本発明による被覆基材を作成する方法ステップを示す図である。
【図1D】湾曲表面を有する、本発明による被覆基材を作成する方法ステップを示す図である。
【図2】図1Dに示す被覆基材の変形形態を示す図である。
【図3A】本発明のさらなる実施形態による、湾曲表面を有する、本発明による被覆基材を作成する方法ステップを示す図である。
【図3B】本発明のさらなる実施形態による、湾曲表面を有する、本発明による被覆基材を作成する方法ステップを示す図である。
【図3C】本発明のさらなる実施形態による、湾曲表面を有する、本発明による被覆基材を作成する方法ステップを示す図である。
【図3D】本発明のさらなる実施形態による、湾曲表面を有する、本発明による被覆基材を作成する方法ステップを示す図である。
【図4A】本発明のさらに別の実施形態による、基材をマスキングする方法ステップを示す図である。
【図4B】本発明のさらに別の実施形態による、基材をマスキングする方法ステップを示す図である。
【図5】2つ以上の光学コーティングを有する、本発明による被覆基材の例示的な実施形態を示す図である。
【図6】2つ以上の光学コーティングを有する、本発明による被覆基材の例示的な実施形態を示す図である。
【図7】2つ以上の光学コーティングを有する、本発明による被覆基材の例示的な実施形態を示す図である。
【図8】本発明による光学コーティングが設けられたレンズ101の例を示す図である。
【図9】本発明による光学コーティングが設けられたレンズ101の例を示す図である。
【図10】本発明に従って被覆されたレンズのための応用例を示す図である。
【図11】本発明による電球によって、光の光視野がどのように影響されることができるかについての例を示す図である。
【図12】本発明による電球によって、光の光視野がどのように影響されることができるかについてのさらなる例を示す図である。
【符号の説明】
【0079】
1 湾曲表面を有する基材
3 1の湾曲表面
5、6 ワニス層
7 プリントヘッド
9 7のノズル
11 7のタンク
13 ワニス
15 3のマスクされるサブエリア
17 3の覆いのない、マスクされないサブエリア
19 真空またはコーティングチャンバ
21 コーティングソース
23 光学コーティング
25、251、252 パターン化光学コーティング
26 光学コーティング
27、271、272 25によって覆われる3のサブエリア
29、291、292 27に隣接する3の非被覆サブエリア
31、32、33 25の層
35、37 互いに重なるマスキング
39 機械的マスク
40 フォトレジスト
43 対称軸
100 電球
101 レンズ
105 自動車
110 スポットライトまたはヘッドライト
112 ランプ
113 軸
115、116、117 空間角度範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法であって、
前記湾曲表面のサブエリアを覆うマスキングが前記湾曲表面に塗布され、
真空堆積法を用いて、光学コーティングが塗布され、
前記マスキングが除去される
湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法。
【請求項2】
前記光学コーティングの塗布は、物理的気相堆積(PVD)による層の堆積を含む請求項1に記載の湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法。
【請求項3】
前記光学コーティングの塗布は、気相堆積による層の塗布を含む請求項1または2に記載の湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法。
【請求項4】
前記光学コーティングの塗布は、層のスパッタリングを含む請求項1から3のいずれか1項に記載の湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法。
【請求項5】
前記光学コーティングの塗布は、化学気相堆積(CVD)による層の塗布を含む請求項1から4のいずれか1項に記載の湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法。
【請求項6】
前記層は、プラズマパルス誘導化学気相堆積(PICVD)によって作成される請求項5に記載の湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法。
【請求項7】
前記基材のマスキングはワニス層の塗布を含む請求項1から6のいずれか1項に記載の湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法。
【請求項8】
前記ワニス層は、少なくとも1つのコンピュータ制御ノズルによって塗布される請求項7に記載の湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法。
【請求項9】
前記ワニス層は、プリントヘッドによって印刷される請求項7または8に記載の湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法。
【請求項10】
前記プリントヘッドまたは前記ノズルと前記湾曲表面の間の距離は、前記ワニス層の塗布中に、適合させられる、または、再調整される請求項8または9に記載の湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法。
【請求項11】
前記ワニスは冷却される請求項8から10のいずれか1項に記載の湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法。
【請求項12】
前記ワニスは、前記ノズルに接続される供給容器内で、または、供給ラインによって、または、前記ノズルによって冷却される請求項11に記載の湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法。
【請求項13】
前記ワニスは、圧縮された雰囲気内、または、溶剤を含有する雰囲気内で塗布される請求項7から12のいずれか1項に記載の湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法。
【請求項14】
前記ワニスは、加熱された基材に塗布される請求項7から13のいずれか1項に記載の湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法。
【請求項15】
前記基材のマスキングは、フォトレジストを用いた被覆ならびに前記フォトレジストの露光および現像を含む請求項1から14のいずれか1項に記載の湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法。
【請求項16】
前記基材のマスキングは、プルオフワニス(pull-off varnish)の塗布を含む請求項1から15のいずれか1項に記載の湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法。
【請求項17】
前記基材のマスキングは、ストップワニス(stop varnish)の塗布を含む請求項1から16のいずれか1項に記載の湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法。
【請求項18】
前記基材のマスキングは、機械的マスク(mechanical masking)の配置を含む請求項1から17のいずれか1項に記載の湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法。
【請求項19】
前記基材のマスキングは、第1マスキングの塗布、および、該第1マスキングに重なる第2マスキングの塗布を含む請求項1から18のいずれか1項に記載の湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法。
【請求項20】
前記マスキングの除去は、ワニスマスキングの溶解またはエッチングを含む請求項1から19のいずれか1項に記載の湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法。
【請求項21】
前記マスキングの除去は、ワニスマスキングの膨張を含む請求項1から20のいずれか1項に記載の湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法。
【請求項22】
多層光学コーティングが塗布される請求項1から21のいずれか1項に記載の湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法。
【請求項23】
前記基材は、部分的に、または、完全に反射性の反射層を備える光学層で被覆される請求項1から22のいずれか1項に記載の湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法。
【請求項24】
色付き反射性光学コーティングが塗布される請求項1から23のいずれか1項に記載の湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法。
【請求項25】
前記基材は、干渉層を備える光学層で被覆される請求項1から24のいずれか1項に記載の湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法。
【請求項26】
前記基材は、色または吸収層を備える光学コーティングで被覆される請求項1から25のいずれか1項に記載の湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法。
【請求項27】
電球が被覆される請求項1から26のいずれか1項に記載の湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法。
【請求項28】
レンズが被覆される請求項1から27のいずれか1項に記載の湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法。
【請求項29】
前記湾曲表面の異なるサブエリアには、マスキングおよび真空コーティングによって、連続して光学層が設けられる請求項1から28のいずれか1項に記載の湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法。
【請求項30】
前記サブエリアには異なる層が設けられる請求項29に記載の湾曲表面上にパターン化光学コーティングを有する基材を作成する方法。
【請求項31】
被覆基材、特に、請求項1から30のいずれか1項に記載の方法によって作成される基材であって、少なくとも1つのパターン化光学コーティングが設けられた湾曲表面を有し、それによって、該光学コーティングが、前記表面の少なくとも1つのサブエリアに設けられ、少なくとも1つの隣接サブエリアにはない被覆基材。
【請求項32】
電球を備える請求項31に記載の被覆基材。
【請求項33】
レンズを備える請求項31または32に記載の被覆基材。
【請求項34】
前記光学コーティングは、以下の層、すなわち、
−部分的、または、完全に反射性の反射層、
−色付き反射性光学層、
−干渉層、
−色または吸収層
のうちの少なくとも1つを備える請求項31から33のいずれか1項に記載の被覆基材。
【請求項35】
前記光学コーティングは多層コーティングを備える請求項31から34のいずれか1項に記載の被覆基材。
【請求項36】
ガラス、ガラス−セラミック、金属またはプラスチック基材を備える請求項31から35のいずれか1項に記載の被覆基材。
【請求項37】
前記湾曲表面は、異なる光学コーティングを有する複数のサブエリアを有する請求項31から36のいずれか1項に記載の被覆基材。
【請求項38】
可視情報を有するパターン化光学コーティングを備える請求項31から37のいずれか1項に記載の被覆基材。
【請求項39】
前記パターン化光学コーティングは、可視シンボル、ロゴ、または銘(inscription)を表す請求項39に記載の被覆基材。
【請求項40】
特に自動車用のスポットライトまたはヘッドライトであって、請求項31から39のいずれか1項に記載の被覆基材、または、請求項1から30のいずれか1項に記載の方法によって被覆される基材を備えるスポットライトまたはヘッドライト。
【請求項41】
前記基材は電球または投影レンズを備える請求項40に記載のスポットライトまたはヘッドライト。
【請求項42】
湾曲した、かつ/または、多角形の基材を被覆する方法であって、
被覆される表面にワニスを塗布するのにコンピュータ制御式印刷用ヘッドが用いられ、前記プリントヘッドの少なくとも1つのノズルと前記湾曲した基材の表面の間の距離が、コンピュータ制御によって再調整される基材を被覆する方法。
【請求項43】
湾曲した、かつ/または、多角形の基材を被覆する装置であって、湾曲した、かつ/または、多角形の基材の表面をワニスで被覆するコンピュータ制御式プリントヘッドを有し、前記プリントヘッドの少なくとも1つのノズルと前記湾曲した、かつ/または、多角形の基材の表面の間の距離をコンピュータ制御で再調整するデバイスを有する基材を被覆する装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−28639(P2006−28639A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−68651(P2005−68651)
【出願日】平成17年3月11日(2005.3.11)
【出願人】(504299782)ショット アクチエンゲゼルシャフト (346)
【氏名又は名称原語表記】Schott AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr.10,D−55122 Mainz,Germany
【Fターム(参考)】