説明

炎症性障害の処置のためのヒダントイン誘導体

本発明は、式(I)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは立体異性体に関し、これは、MMP、ADAM、TACE、TNF−またはそれらの組み合わせによって媒介される疾患または状態の処置に有用であり得る。その多くの実施形態において、本発明は、TACE、TNF−α、MMP、ADAMまたはそれらの任意の組み合わせの産生のインヒビターとして新規なクラスの化合物、そのような化合物を調製する方法、そのような化合物を1つ以上含む薬学的組成物、そのような化合物を1つ以上含む薬学的処方物を調製する方法、ならびにそのような化合物または訴を用いてTACE、TNF−α、MMPADAMまたはそれらの任意の組み合わせに関連する1以上の疾患を処置、予防、阻害または改善する方法を提供する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
(発明の分野)
本発明は、概して、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)、メタロプロテアーゼ・ディスインテグリン(ADAM)ならびに/または腫瘍壊死因子α−変換酵素(TACE)を阻害し得、そしてその際に腫瘍壊死因子α(TNF−α)の放出を防ぐ新規なヒダントイン誘導体、そのような化合物を含む薬学的組成物、およびそのような化合物を使用する処置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(説明)
変形性関節症(OA)および関節リウマチ(RA)は、軟骨表面の限局性侵食によって特徴付けられる関節軟骨の破壊性疾患である。OAを有する患者の大腿骨頭に由来する関節軟骨は、例えば、コントロールよりも放射標識された硫酸塩の取り込みが少ないという知見が示されており、これは、OAにおいて軟骨の分解速度が促進されているはずであることを示唆している(非特許文献1)。哺乳動物細胞では4つのクラスのタンパク質分解酵素が存在する:セリンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼおよびメタロプロテアーゼ。入手可能な証拠は、OAおよびRAにおける関節軟骨細胞外マトリックスの分解に関与するものがメタロプロテイナーゼであるという考えを支持する。コラゲナーゼおよびストロメライシンの活性の増加はOAの軟骨で見出されており、この活性は、病変の重篤度と関連する(非特許文献2、非特許文献3および非特許文献4)。さらに、アグリカナーゼ(新たに同定されたメタロプロテアーゼ)は、RA患者およびOA患者に見出されるプロテオグリカンの特定の切断産物を提供すると同定されている(非特許文献5)。
【0003】
メタロプロテアーゼ(MP)は、重要な酵素として哺乳動物の軟骨および骨の破壊に関与している。そのような疾患の病原がMPインヒビターの投与によって有利な様式で改変され得ることが予期され得る(非特許文献6を参照のこと)。
【0004】
MMPは、20を超える様々な酵素のファミリーであり、これらの酵素は、結合組織(プロテオグリカンおよびコラーゲンを含む)の制御されない崩壊において重要な種々の生物学的プロセスに関与し、細胞外マトリックスの再吸収をもたらす。これは、多くの病理状態(例えば、RAおよびOA、角膜潰瘍形成、表皮潰瘍もしくは胃潰瘍;腫瘍転移もしくは腫瘍浸潤;歯周病および骨疾患)の特徴である。通常、これらの分解酵素は、MMPと不活性な複合体を形成する特定のインヒビター(例えば、α−2−マクログロブリンおよびTIMP(MPの組織インヒビター))の作用を通してその酵素の合成レベルならびに細胞外活性のレベルで厳重に調節されている。
【0005】
腫瘍壊死因子α(TNF−α)は、26kDaの前駆形態から17kdの活性形態にプロセスされる細胞関連サイトカインである。非特許文献7および非特許文献8(その各々は、参考として本明細書に援用される)を参照のこと。
【0006】
TNF−αは、免疫応答および炎症応答において極めて重要な役割を果たすことが示されている。不適切なTNF−αまたはTNF−αの過剰発現は、多くの疾患(RA、クローン病、多発性硬化症、乾癬および敗血症が挙げられる)の特徴である。TNF−α産生の阻害は、炎症性疾患の多くの前臨床モデルで有益であり、TNF−α産生の阻害をなすか新規な抗炎症性薬物の開発の魅力的な標的の兆しとなると示されている。
【0007】
TNF−αは、ヒトおよび動物の炎症、熱および急性期応答の一次メディエーターであり、急性感染およびショックの間に観察されるものと類似する。過剰なTNF−αは致死性であることが示されている。TNF−αの効果を特定の抗体でブロックすることは、種々の状態(自己免疫疾患(例えば、RA(非特許文献9)、インスリン非依存性真性糖尿病(非特許文献5)およびクローン病(非特許文献10)))で有利であり得る。
【0008】
TNF−αの産生を阻害する化合物は、それゆえ炎症性障害の処置にとって治療的に重要である。最近、メタロプロテアーゼ(例えば、TACE)がTNF−αをその天然の形態から活性形態に変換し得ることが示されている(非特許文献11)。過剰なTNF−α産生がMMP媒介性の組織分解によっても特徴付けられる数種の疾患で確認されているので、MMPおよびTNF−α産生の両方を阻害する化合物もまた、両方の機構が関与する疾患において特定の利点を有し得る。
【0009】
TNF−αの有害な効果を阻害するための1つのアプローチは、酵素TACEがTNF−αをその可溶性形態にプロセスし得る前に、その酵素を阻害することである。TACEは、I型膜タンパク質のADAMファミリーのメンバーであり、種々の膜にアンカーされたシグナル伝達タンパク質および接着タンパク質の外部ドメイン切断(ectodomain shedding)を媒介する。TACEは、数種の疾患(炎症性疾患が挙げられる)の研究において徐々に重要になってきている。なぜなら、TACEは、TNF−αをその「ストーク(stalk)」配列から切断し、そうしてTNF−αタンパク質の可溶性形態を放出する能力を有するからである(非特許文献7)。
【0010】
ヒドロキサメート、スルホンアミド、ヒダントイン、カルボキシレートおよび/またはラクタムベースのMMPインヒビターを開示する多くの特許および公報が存在する。
【0011】
特許文献1および特許文献2は、ヒドロキサム酸誘導体およびMMPインヒビターである化合物を記載する。
【0012】
特許文献3は、MMPおよび/またはTNF−αの潜在的なインヒビターであるラクタム誘導体を開示する。
【0013】
特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8および特許文献9は、MMPの潜在的なインヒビターであるヒダントイン誘導体を開示する。
【0014】
特許文献10および特許文献11は、MMPの潜在的なインヒビターであるスルホンアミド誘導体を開示する。
【0015】
特許文献12、特許文献13および特許文献14はまた、TACEおよびMMPの潜在的なインヒビターを記載する。
【特許文献1】米国特許第6,677,355号明細書
【特許文献2】米国特許第6,534,491号明細書
【特許文献3】米国特許第6,495,565号明細書
【特許文献4】国際公開第2002/074750号パンフレット
【特許文献5】国際公開第2002/096426号パンフレット
【特許文献6】国際公開第20040067996号パンフレット
【特許文献7】国際公開第2004012663号パンフレット
【特許文献8】国際公開第200274750号パンフレット
【特許文献9】国際公開第2004024721号パンフレット
【特許文献10】国際公開第2004024698号パンフレット
【特許文献11】国際公開第2004024715号パンフレット
【特許文献12】国際公開第2004056766号パンフレット
【特許文献13】国際公開第2003053940号パンフレット
【特許文献14】国際公開第2003053941号パンフレット
【非特許文献1】Mankinら、J.Bone Joint Surg.,(1970),52A,424−434
【非特許文献2】Mankinら、Arthritis Rheum.,1978,21,761−766
【非特許文献3】Woessnerら、Arthritis Rheum.1983,26,63−68
【非特許文献4】Ibid.,1984,27,305−312
【非特許文献5】Lohmander L.S.ら、Arthritis Rheum.,1993,36,1214−22
【非特許文献6】Wahlら、Ann.Rep.Med.Chem.,AP,San Diego,1990,25,175−184
【非特許文献7】Black R.A.「Tumor necrosis factor−alpha converting enzyme」,Int J Biochem Cell Biol.,2002 Jan;34(1):1−5
【非特許文献8】Moss ML,White JM,Lann米国特許第rtMH,Andrews RC.「TACE and other ADAM proteases as targets for drug discovery」Drug Discov Today.,2001 Apr 1;6(8):417−426
【非特許文献9】Feldmanら、Lancet,(1994)344,1105
【非特許文献10】Macdonald T.ら、Clin.Exp.Immunol.,(1990)81,301
【非特許文献11】Gearingら、Nature,1994,370,555
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
当該分野において、抗炎症化合物および軟骨を保護する治療剤として有用であり得るMMP、ADAM、TACEおよびTNF−αのインヒビターに対する必要性が存在する。TNF−α、TACEおよび/または他のMMPの阻害は、これらの酵素からの軟骨の分解を防ぎ得、それによって、OAおよびRAの病理状態、ならびに多くの他の自己免疫疾患を緩和する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
(発明の要旨)
その多くの実施形態において、本発明は、TACE、TNF−α、MMP、ADAMまたはそれらの任意の組み合わせの産生のインヒビターとして新規なクラスの化合物、そのような化合物を調製する方法、そのような化合物を1つ以上含む薬学的組成物、そのような化合物を1つ以上含む薬学的処方物を調製する方法、ならびにそのような化合物または訴を用いてTACE、TNF−α、MMPADAMまたはそれらの任意の組み合わせに関連する1以上の疾患を処置、予防、阻害または改善する方法を提供する。
【0018】
一実施形態において、本出願は、化合物、またはその化合物の薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を開示し、この化合物は、式(I):
【0019】
【化26】

に示される一般構造を有する化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは立体異性体であって、ここで、
Xは、−S−、−C(R−または−N(R)−からなる群より選択され;
Tは、H(UおよびVは存在しない)、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アルキルアリールおよびアリールアルキルからなる群より選択され、該アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アルキルアリールおよびアリールアルキルは、必要に応じて、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アルキルアルールおよびアリールアルキルから選択される1以上の部分と縮合され、ここで、Tの該アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アルキルアリールおよびアリールアルキル基のいずれかの各々は、非置換であるか、または必要に応じて、1〜4個のR10部分で独立して置換され、該R10部分は、同じであるかまたは異なり得、各R10部分は独立して、以下のR10部分の群から選択され;
Uは、存在しないか、または存在し、存在する場合、Uは、共有結合、−N(R)−、−N(R)C(R−、−N(R)C(O)−−O−、−N(R)S(O)−、−N(R)C(O)N(R)−、および−N(R)C(S)N(R)−から選択され;
Vは、存在しないか、または存在し、存在する場合、Vは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよびシクロアルキルからなる群より選択され、該アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アルキルアリールおよびアリールアルキルは、必要に応じて、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アルキルアリールおよびアリールアルキルからなる群より選択される1以上の部分と縮合され、ここで、該アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよびシクロアルキルのいずれかの各々は、非置換であるか、または必要に応じて、1〜4個のR10部分で独立して置換され、該R10部分は、同じであるかまたは異なり得、各R10部分は独立して、以下のR10部分の群から選択され;
Yは、存在しないか、または存在し、存在する場合、Yは、共有結合、−N(R)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)−、−N(R)C(O)N(R)−、−S(O)N(R)−、−N(R)−S(O)−、−O−、−S−、−C(O)−、−S(O)−、および−S(O)−からなる群より選択され;
Zは、存在しないか、または存在し、存在する場合、Zは、共有結合、−(C(R−、−N(R)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)−、−N(R)C(O)N(R)−、−S(O)N(R)−、−N(R)−S(O)−、−O−、−S−、−C(O)−、−S(O)−、および−S(O)−からなる群より選択され;
nは、1〜3であり;
は、H、−OR、ハロゲン、アルキル、フルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アルキルヘテロアリールおよびアリールアルキルからなる群より選択され、Rの該アルキル、フルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アルキルヘテロアリールおよびアリールアルキル基の各々は、非置換であるか、または必要に応じて、1〜4個のR20部分で独立して置換され、該R20部分は、同じであるかまたは異なり得、各R20部分は独立して、以下のR20部分の群から選択され、但し、Yが存在しかつYがN、SまたはOである場合、Rはハロゲンではなく;
は、H、−OR、ハロゲン、アルキル、フルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アルキルヘテロアリールおよびアリールアルキルからなる群より選択され、ここで、Rの該アルキル、フルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アルキルヘテロアリールおよびアリールアルキル基は、非置換であるか、または必要に応じて、1〜4個のR20部分で独立して置換され、該R20部分は、同じであるかまたは異なり得、各R20部分は独立して、以下のR20部分の群から選択され、但し、Zが存在しかつZがN、SまたはOである場合、Rはハロゲンではなく;
各Rは、同じであるかまたは異なり、独立してHおよびアルキルからなる群より選択され;
10は、−OR、−N(R、−S(O)−、−S(O)−、−N(R)S(O)−、−S(O)N(R)−、−O(フルオロアルキル)、ハロゲン、アルキル、フルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アルキルアリールおよびアリールアルキルからなる群より選択され、ここで、R10の該アルキル、フルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アルキルアリールおよびアリールアルキル基の各々は、非置換であるか、または必要に応じて、1〜4個のR30部分で独立して置換され、該R30部分は、同じであるかまたは異なり得、各R30部分は独立して、以下のR30部分の群から選択され;
20は、ハロゲン、アルキル、フルオロアルキルからなる群より選択され;
30は、ハロゲン、アルキルおよびフルオロアルキルからなる群より選択される。
【0020】
式Iの化合物は、TACEのインヒビターとして有用であり、TACE、TNF−α、MMP、ADAMまたはそれらの任意の組み合わせに関連する疾患の処置および予防に有用であり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(発明の詳細な説明)
その数個の実施形態において、本発明は、TACE、TNF−α、MMP、ADAMまたはそれらの任意の組み合わせの産生の新規なクラスのインヒビター、その化合物を1つ以上含む薬学的組成物、そのような化合物を1つ以上含む薬学的処方物を調製する方法、および炎症の1つ以上の症状を処置、予防または改善する方法を提供する。
【0022】
一実施形態において、本発明は、上記の構造式(I)によって表される化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体を提供し、種々の部分は、上記のとおりである。
【0023】
別の実施形態において、先の段落で言及される異性体は、立体異性体である。
【0024】
一実施形態において、Tは、アルキルまたはアリールであり;Xは−C(R−であり;Yは存在せず;Zは存在しないかまたは存在し;Rは、H、ハロゲンおよびアルキルからなる群より選択され;そしてZが存在する場合、Zは−O−である。
【0025】
別の実施形態において、Tはアルキルまたはアリールであり;Xは−C(R−であり;Yは存在せず;Zは存在しないかまたは存在し、存在する場合、Zは−O−であり;そしてRは、アルキルアリールおよびアルキルヘテロアリールからなる群より選択される。
【0026】
別の実施形態において、Tはアルキルまたはアリールであり;Xは−N(R)−であり;Yは存在せず;Zは存在しないかまた存在し;Rは、H、ハロゲンおよびアルキルからなる群より選択され;そしてZが存在する場合、Zは−O−である。
【0027】
別の実施形態において、Xは−CH−または−N(R)−である。
【0028】
なお別の実施形態において、Xは−CH−である。
【0029】
さらに別の実施形態において、Xは−N(R)−である。
【0030】
別の実施形態において、RはHである。
【0031】
別の実施形態において、Tはアルキルである。
【0032】
なお別の実施形態において、Tは−CHである。
【0033】
さらに別の実施形態において、Tはアリールであり、このアリールは非置換であるか、または必要に応じて、1〜5個のR10部分で独立して置換され、このR10部分は同じであるかまたは異なり得、各R10部分は独立して、R10部分の群から選択される。
【0034】
別の実施形態において、R10はハロゲンである。
【0035】
なお別の実施形態において、R10はヘテロアリールである。
【0036】
さらに別の実施形態において、R10はアリールである。
【0037】
一実施形態において、Uは、共有結合、−N(R)−、−N(R)C(O)−、および−N(R)S(O)−からなる群より選択される。
【0038】
なお別の実施形態において、Uは共有結合である。
【0039】
さらに別の実施形態において、Uは−N(R)−である。
【0040】
なおさらに別の実施形態において、Uは−N(R)C(O)−である。
【0041】
別の実施形態において、Vは、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよびシクロアルキルからなる群より選択され、このアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよびシクロアルキルは必要に応じて、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたはシクロアルキルから選択される1以上の部分と縮合され、ここで、このアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよびシクロアルキルのいずれかの各々は、非置換であるか、または必要に応じて、1〜4個のR10部分で独立して置換され、このR10部分は、同じであるかまたは異なり得、各R10部分は独立して、R10部分の群から選択される。
【0042】
別の実施形態において、Yは、共有結合、−(C(R−、−C(O)−および−O−からなる群より選択される。
【0043】
なお別の実施形態において、Yは−O−である。
【0044】
さらに別の実施形態において、Yは−(C(R−である。
【0045】
なおさらに別の実施形態において、Yは−C(O)−である。
【0046】
別の実施形態において、Yは共有結合である。
【0047】
一実施形態において、Rは、−OR、H、アルキル、フルオロアルキル、アルキルアリール、ハロゲンおよびヘテロアリールからなる群より選択される。
【0048】
別の実施形態において、RはHである。
【0049】
なお別の実施形態において、Rはアルキルアリールである。
【0050】
さらに別の実施形態において、Rはアルキルである。
【0051】
なおさらに別の実施形態において、Rはフルオロアルキルである。
【0052】
さらなる実施形態において、Rはハロゲンである。
【0053】
別の実施形態において、Rは−ORである。
【0054】
別の実施形態において、Rは−ORであり、Rは−CHC≡CCHである。
【0055】
別の実施形態において、Rは−ORであり、Rは−CHC≡CCHOHである。
【0056】
別の実施形態において、Rは−ORであり、R
【0057】
【化27】

である。
【0058】
別の実施形態において、上記アルキルは−CHである。
【0059】
さらに別の実施形態において、上記アルキルが−CHCHである。
【0060】
別の実施形態において、式(I)において、T、UおよびVは一緒に
【0061】
【化28】

を形成し、Rは、F、Cl、OH、−OCHC≡CCH、−OCHC≡CCHOH、−OCH、および
【0062】
【化29】

からなる群より選択される。
【0063】
別の実施形態において、式(I)において、T、UおよびVは一緒に
【0064】
【化30】

を形成し、Rは、F、Cl、OH、−OCHC≡CCH、−OCHC≡CCHOH、−OCH、および
【0065】
【化31】

からなる群より選択される。
【0066】
別の実施形態において、式(I)において、T、UおよびVは一緒に
【0067】
【化32】

を形成し、Rは、F、Cl、OH、−OCHC≡CCH、−OCHC≡CCHOH、−OCH、および
【0068】
【化33】

からなる群より選択される。
【0069】
別の実施形態において、式(I)において、T、UおよびVは一緒に
【0070】
【化34】

を形成し、Rは、F、Cl、OH、−OCHC≡CCH、−OCHC≡CCHOH、−OCH、および
【0071】
【化35】

からなる群より選択される。
【0072】
別の実施形態において、式(I)において、T、UおよびVは一緒に
【0073】
【化36】

を形成し、Rは、F、Cl、OH、−OCHC≡CCH、−OCHC≡CCHOH、−OCH、および
【0074】
【化37】

からなる群より選択される。
【0075】
別の実施形態において、式(I)において、T、UおよびVは一緒に
【0076】
【化38】

を形成し、Rは、F、Cl、OH、−OCHC≡CCH、−OCHC≡CCHOH、−OCH、および
【0077】
【化39】

からなる群より選択される。
【0078】
別の実施形態において、式(I)において、T、UおよびVは一緒に
【0079】
【化40】

を形成し、Rは、F、Cl、OH、−OCHC≡CCH、−OCHC≡CCHOH、−OCH、および
【0080】
【化41】

からなる群より選択される。
【0081】
別の実施形態において、式(I)において、T、UおよびVは一緒に
【0082】
【化42】

を形成し、Rは、F、Cl、OH、−OCHC≡CCH、−OCHC≡CCHOH、−OCH、および
【0083】
【化43】

からなる群より選択される。
【0084】
別の実施形態において、式(I)において、T、UおよびVは一緒に
【0085】
【化44】

を形成し、Rは、F、Cl、OH、−OCHC≡CCH、−OCHC≡CCHOH、−OCH、および
【0086】
【化45】

からなる群より選択される。
【0087】
別の実施形態において、式(I)において、T、UおよびVは一緒に
【0088】
【化46】

を形成し、Rは、F、Cl、OH、−OCHC≡CCH、−OCHC≡CCHOH、−OCH、および
【0089】
【化47】

からなる群より選択される。
【0090】
別の実施形態において、上記フルオロアルキルは−CHCFである。
【0091】
一実施形態において、ハロゲンは、−Br、−Clおよび−Fからなる群より選択される。
【0092】
別の実施形態において、Rは−CHである。
【0093】
なお別の実施形態において、Rのアルキルは、1〜4個のR20部分で置換され、該R20部分は、同じであるかまたは異なり得、各R20部分は独立して、R20部分の群から選択される。
【0094】
別の実施形態において、R20はアリールである。
【0095】
別の実施形態において、Zは、共有結合、−N(R)−、−(C(R−、−C(O)−および−O−からなる群より選択される。
【0096】
なお別の実施形態において、Zは−O−である。
【0097】
さらに別の実施形態において、Zは共有結合である。
【0098】
なおさらに別の実施形態において、Zは−N(R)−である。
【0099】
さらなる実施形態において、Zは−C(O)−である。
【0100】
別の実施形態において、Rはアルキルである。
【0101】
別の実施形態において、Rは、−OR、H、アルキル、フルオロアルキル、アルキルアリール、ハロゲンおよびヘテロアリールからなる群より選択される。
【0102】
別の実施形態において、Rは−ORであり、Rは−CHC≡CCHである。
【0103】
別の実施形態において、Rは−ORであり、Rは−CHC≡CCHOHである。
【0104】
別の実施形態において、Rは−ORであり、R
【0105】
【化48】

である。
【0106】
なお別の実施形態において、Rは水素である。
【0107】
さらに別の実施形態において、Rがアルキルである。
【0108】
なおさらに別の実施形態において、Rがアルキルアリールである。
【0109】
なおさらなる実施形態において、Rはフルオロアルキルである。
【0110】
別の実施形態において、Rは−CHCFである。
【0111】
なお別の実施形態において、Rはハロゲンである。
【0112】
別の実施形態において、Rはヘテロアリールである。
【0113】
別の実施形態において、Rは−CHである。
【0114】
本発明の別の実施形態は、
以下の表Aに示される化合物を開示する:
【0115】
【化49−1】

【0116】
【化49−2】

【0117】
【化49−3】

【0118】
【化49−4】

【0119】
【化49−5】

【0120】
【化49−6】

【0121】
【化49−7】

【0122】
【化49−8】

【0123】
【化49−9】

【0124】
【化49−10】

【0125】
【化49−11】

【0126】
【化49−12】

【0127】
【化49−13】

【0128】
【化49−14】

【0129】
【化49−15】

【0130】
【化49−16】

【0131】
【化49−17】

【0132】
【化49−18】

【0133】
【化49−19】

【0134】
【化49−20】

【0135】
【化49−21】

【0136】
【化49−22】

【0137】
【化49−23】

【0138】
【化49−24】

【0139】
【化49−25】


【0140】
本発明の別の実施形態は、
以下の表Bに示される好ましい化合物を開示する:
【0141】
【化50−1】

【0142】
【化50−2】

【0143】
【化50−3】

【0144】
【化50−4】

【0145】
【化50−5】

【0146】
【化50−6】

【0147】
【化50−7】

【0148】
【化50−8】

【0149】
【化50−9】

【0150】
【化50−10】

【0151】
【化50−11】

【0152】
【化50−12】

【0153】
【化50−13】

【0154】
【化50−14】

【0155】
【化50−15】

【0156】
【化50−16】


【0157】
本発明の別の実施形態は、
以下の表Cに示されるより好ましい化合物を開示する:
【0158】
【化51−1】

【0159】
【化51−2】

【0160】
【化51−3】


【0161】
上で、および本開示の全体にわたって使用される場合、以下の用語は、他に示されない限り、以下の意味を有すると理解される:
「患者」は、ヒトおよび動物の両方を包含する。
【0162】
「哺乳動物」は、ヒトおよび薬学的組成物の哺乳類の動物を意味する。
【0163】
「アルキル」は、脂肪族炭化水素基を意味し、この基は、直鎖状であっても分枝であってもよく、その鎖中に約1〜約20個の炭素原子を含み得る。好ましいアルキル基は、その鎖中に約1〜約12個の炭素原子を含む。より好ましいアルキル基は、その鎖中に約1〜約6個の炭素原子を含む。分枝とは、1以上の低級アルキル基(例えば、メチル、エチルまたはプロピル)が直鎖のアルキル鎖に結合していることを意味する。「低級アルキル」は、その鎖中に約1〜約6個の炭素原子を有する基を意味し、その鎖は直鎖状であっても分枝であってもよい。アルキル基は、1以上の置換基で置換され得、その置換基は、同じであっても異なっていてもよく、各置換基は独立して、ハロ、アルキル、アリール、シクロアルキル、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルチオ、アミノ、−NH(アルキル)、−NH(シクロアルキル)、−N(アルキル)、カルボキシおよび−C(O)−アルキルからなる群より選択される。適切なアルキル基の非限定的な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルおよびt−ブチルが挙げられる。
【0164】
「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む脂肪族炭化水素基を意味し、この基は、直鎖状であっても分枝であってもよく、その鎖中に約2〜約15個の炭素原子を含み得る。好ましいアルケニル基は、その鎖中に約2〜約12個の炭素原子を有し;より好ましくは、その鎖中に約2〜約6個の炭素原子を有する。分枝とは、1以上の低級アルキル基(例えば、メチル、エチルまたはプロピル)が直鎖のアルケニル鎖に結合していることを意味する。「低級アルケニル」は、その鎖中の約2〜約6個の炭素原子
を意味し、その鎖は直鎖状であっても分枝であってもよい。適切なアルケニル基の非限定的な例としては、エテニル、プロペニル、n−ブテニル、3−メチルブト−2−エニル、n−ペンテニル、オクテニルおよびデセニルが挙げられる。
【0165】
「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む脂肪族炭化水素基を意味し、この基は、直鎖状であっても分枝であってもよく、その鎖中に約2〜約15個の炭素原子を含み得る。好ましいアルキニル基は、その鎖中に約2〜約12個の炭素原子を有し;より好ましくは、その鎖中に約2〜約4個の炭素原子を有する。分枝とは、1以上の低級アルキル基(例えば、メチル、エチルまたはプロピル)が直鎖のアルキニル鎖に結合していることを意味する。「低級アルキニル」は、その鎖中の約2〜約6個の炭素原子を意味し、その鎖は直鎖状であっても分枝であってもよい。適切なアルキニル基の非限定的な例としては、エチニル、プロピニル、2−ブチニルおよび3−メチルブチニルが挙げられる。用語「置換されたアルキニル」は、そのアルキニル基が1以上の置換基によって置換され得ることを意味し、その置換基は同じであっても異なっていてもよく、各置換基は独立して、アルキル、アリールおよびシクロアルキルからなる群より選択される。
【0166】
「アリール」は、約6〜約14個の炭素原子、好ましくは約6〜約10個の炭素原子を含む芳香族単環式または多環式の環系を意味する。アリール基は必要に応じて、1以上の「環系置換基」で置換され得、この置換基は同じであっても異なっていてもよく、本明細書で定義されるとおりである。適切なアリール基の非限定的な例としては、フェニルおよびナフチルが挙げられる。
【0167】
「ヘテロアリール」は、約5〜約14個の環原子、好ましくは約5〜約10個の環原子を含む芳香族単環式または多環式の環系を意味し、この環系において、その環原子のうちの1つ以上は、炭素以外の元素(例えば、窒素、酸素または硫黄(単独または組み合わせて))である。好ましいヘテロアリールは、約5〜約6個の環原子を含む。「ヘテロアリール」は、必要に応じて、1以上の「環系置換基」によって置換され得、この置換基は同じであっても異なっていてもよく、本明細書で定義されるとおりである。ヘテロアリールの語幹名(root name)の前の接頭語アザ、オキサまたはチアは、それぞれ、少なくとも1つの窒素、酸素または硫黄原子が環原子として存在することを意味する。ヘテロアリールの窒素原子は、必要に応じて、対応するN−オキシドに酸化され得る。適切なヘテロアリールの非限定的な例としては、ピリジル、ピラジニル、フラニル、チエニル、ピリミジニル、ピリドン(N−置換ピリドンを含む)、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラザニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、キノキサリニル、フタラジニル、オキシインドリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、ベンゾフラザニル、インドリル、アザインドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、イミダゾリル、チエノピリジル、キナゾリニル、チエノピリミジル、ピロロピリジル、イミダゾピリジル、イソキノリニル、ベンゾアザインドリル、1,2,4−トリアジニル、ベンゾチアゾリルなどが挙げられる。用語「ヘテロアリール」はまた、例えば、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロキノリルなどのような部分的に飽和したヘテロアリール部分を指す。
【0168】
「アラルキル」または「アリールアルキル」は、アリール−アルキル−基を意味し、そのアリールおよびアルキルは前述のとおりである。好ましいアラルキルは、低級アルキル基を含む。適切なアラルキル基の非限定的な例としては、ベンジル、2−フェネチルおよびナフタレニルメチルが挙げられる。親部分に対する結合は、アルキルを介する。
【0169】
「アルキルアリール」は、アルキル−アリール−基を意味し、そのアルキルおよびアリールは前述のとおりである。好ましいアルキルアリールは、低級アルキル基を含む。適切なアルキルアリール基の非限定的な例は、トリルである。親部分に対する結合は、アリールを介する。
【0170】
「シクロアルキル」は、約3〜約10個の炭素原子、好ましくは約5〜約10個の炭素原子を含む非芳香族単環式または多環式の環系を意味する。好ましいシクロアルキル環は、約5〜約7個の環原子を含む。シクロアルキルは必要に応じて、1以上の「環系置換基」で置換され得、この置換基は同じであっても異なっていてもよく、本明細書で定義されるとおりである。適切な単環式シクロアルキルの非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられる。適切な多環式シクロアルキルの非限定的な例としては、1−デカリニル、ノルボルニル、アダマンチルなど、ならびに例えば、インダニル、テトラヒドロナフチルなどのような部分的に飽和した種が挙げられる。
【0171】
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、ホウ素、またはヨウ素を意味する。好ましいものは、フッ素、塩素およびホウ素である。
【0172】
「環系置換基」は、芳香族または非芳香族の環系に結合した置換基を意味し、例えば、その環系の利用可能な水素を置換する。環系置換基は同じであっても異なっていてもよく、各々独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アルキルアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、アルキルヘテロアリール、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アシル、アロイル、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、−C(=N−CN)−NH、−C(=NH)−NH、−C(=NH)−NH(アルキル)、GN−、GN−アルキル−、GNC(O)−、GNSO−および−SONGからなる群より選択され、ここで、GおよびGは、同じであるかまたは異なり得、独立して、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、およびアラルキルからなる群より選択される。「環系置換基」はまた、ある環系の2つの隣接する炭素原子上の2つの利用可能な水素(各炭素上の1つのH)を同時に置換する単一の部分を意味し得る。そのような部分の例は、例えば、以下:
【0173】
【化52−1】

のような部分を形成するメチレンジオキシ、エチレンジオキシ、−C(CH−などである。
【0174】
「ヘテロシクリル」は、約3〜約10個の環原子、好ましくは約5〜約10個の環原子を含む非芳香族の飽和単環式または多環式の環系を意味し、その環系の原子のうちの1つ以上は、炭素以外の元素(例えば、窒素、酸素または硫黄(単独または組み合わせて))である。その環系には隣接する酸素および/または硫黄原子は存在しない。好ましいヘテロシクリルは、約5〜約6個の環原子を含む。ヘテロシクリルの語幹名の前の接頭語アザ、オキサまたはチアは、それぞれ、少なくとも1つの窒素、酸素または硫黄原子が環原子として存在することを意味する。ヘテロシクリル環において任意の−NHは、例えば、−N(Boc)、−N(CBz)、−N(Tos)基などのような保護された状態で存在し得;このような保護はまた、本発明の一部と考えられる。ヘテロシクリルは必要に応じて、1以上の「環系置換基」によって置換され得、この置換基は同じであっても異なっていてもよく、本明細書で定義されるとおりである。ヘテロシクリルの窒素または硫黄原子は、必要に応じて、対応するN−オキシド、S−オキシドまたはS,S−ジオキシドに酸化され得る。適切な単環式ヘテロシクリル環の非限定的な例としては、ピペリジル、ピロリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、1,4−ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ラクタム、ラクトンなどが挙げられる。
【0175】
例えば、以下の部分:
【0176】
【化52−2】

のような互変異性形態は、本発明の特定の実施形態では等価であるとみなされることに注意すべきである。
【0177】
「アルキニルアルキル」は、アルキニル−アルキル−基を意味し、そのアルキニルおよびアルキルは前述のとおりである。好ましいアルキニルアルキルは、低級アルキニルおよび低級アルキル基を含む。親部分に対する結合は、アルキルを介する。適切なアルキニルアルキル基の非限定的な例としては、プロパルギルメチルが挙げられる。
【0178】
「ヘテロアラルキル」は、ヘテロアリール−アルキル−基を意味し、そのヘテロアリールおよびアルキルは前述のとおりである。好ましいヘテロアラルキルは、低級アルキル基を含む。適切なアラルキル基の非限定的な例としては、ピリジルメチルおよびキノリン−3−イルメチルが挙げられる。親部分に対する結合は、アルキルを介する。
【0179】
「ヒドロキシアルキル」は、HO−アルキル−基を意味し、そのアルキルは前述のとおりである。好ましいヒドロキシアルキルは、低級アルキルを含む。適切なヒドロキシアルキルの非限定的な例としては、ヒドロキシメチルおよび2−ヒドロキシエチルが挙げられる。
【0180】
「アシル」は、H−C(O)−、アルキル−C(O)−またはシクロアルキル−C(O)−基を意味し、その種々の基は前述のとおりである。親部分に対する結合は、カルボニルを介する。好ましいアシルは、低級アルキルを含む。適切なアシルの非限定的な例としては、ホルミル、アセチルおよびプロパノイルが挙げられる。
【0181】
「アロイル」は、アリール−C(O)−基を意味し、そのアリール基は前述のとおりである。親部分に対する結合は、カルボニルを介する。適切な基の非限定的な例としては、ベンゾイルおよび1−ナフトイルが挙げられる。
【0182】
「アルコキシ」は、アルキル−O−基を意味し、そのアルキル基は前述のとおりである。適切なアルコキシ基の非限定的な例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロピル、イソプロポキシおよびn−ブトキシが挙げられる。親部分に対する結合は、エーテル酸素を介する。
【0183】
「アリールオキシ」は、アリール−O−基を意味し、そのアリール基は前述のとおりである。適切なアリールオキシ基の非限定的な例としては、フェノキシおよびナフトキシが挙げられる。親部分に対する結合は、エーテル酸素を介する。
【0184】
「アラルキルオキシ」は、アラルキル−O−基を意味し、そのアラルキル基は前述のとおりである。適切なアラルキルオキシ基の非限定的な例としては、ベンジルオキシおよび1−ナフタレンメトキシまたは2−ナフタレンメトキシが挙げられる。親部分に対する結合は、エーテル酸素を介する。
【0185】
「アルキルチオ」は、アルキル−S−基を意味し、そのアルキル基は前述のとおりである。適切なアルキルチオ基の非限定的な例としては、メチルチオおよびエチルチオが挙げられる。親部分に対する結合は、硫黄を介する。
【0186】
「アリールチオ」は、アリール−S−基を意味し、そのアリール基は前述のとおりである。適切なアリールチオの非限定的な例としては、フェニルチオおよびナフチルチオが挙げられる。親部分に対する結合は、硫黄を介する。
【0187】
「アラルキルチオ」は、アラルキル−S−基を意味し、そのアラルキル基は前述のとおりである。適切なアラルキルチオ基の非限定的な例は、ベンジルチオである。親部分に対する結合は、硫黄を介する。
【0188】
「アルコキシカルボニル」は、アルキル−O−CO−基を意味する。適切なアルコキシカルボニル基の非限定的な例としては、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが挙げられる。親部分に対する結合は、カルボニルを介する。
【0189】
「アリールオキシカルボニル」は、アリール−O−C(O)−基を意味する。適切なアリールオキシカルボニル基の非限定的な例としては、フェノキシカルボニルおよびナフトキシカルボニルが挙げられる。親部分への結合は、カルボニルを介する。
【0190】
「アラルコキシカルボニル」は、アラルキル−O−C(O)−基を意味する。適切なアラルコキシカルボニル基の非限定的な例としては、ベンジルオキシカルボニルが挙げられる。親部分への結合は、カルボニルを介する。
【0191】
「アルキルスルホニル」は、アルキル−S(O)−基を意味する。好ましい基は、アルキル基が低級アルキルの基である。親部分への結合は、スルホニルを介する。
【0192】
「アリールスルホニル」は、アリール−S(O)−基を意味する。親部分への結合は、スルホニルを介する。
【0193】
用語「置換(された)」は、指定された原子上の1つ以上の水素が、示された群からの選択により置換されることを意味する。但し、既存の状況下において、指定された原子の通常の原子価を上回ることなく、その置換により、安定化合物を生ずることが条件である。置換基および/または変数の組み合せは、そのような組合せが、安定化合物を生ずる場合にのみ許容される。「安定化合物」または「安定構造」は、有用な程度の純度まで、反応混合物から分離していられ、有効な治療薬へ調合し得る十分に強い化合物を意味する。
【0194】
用語「必要に応じて置換された」は、特異的な基、ラジカルまたは部分での必要に応じて成される置換を意味する。
【0195】
用語「単離された」または「単離形態の」は、化合物について用いられる場合、合成プロセスもしくは自然源またはそれらの組合せから単離された後のその化合物の物理的状態をいう。用語「精製された」または「精製した形態の」は、化合物について用いられる場合、精製プロセスまたは本明細書中に記載されるかもしくは当業者に周知であるプロセスから入手された後の、本明細書中に記載されるかもしくは当業者に周知の標準的な分析技術によって特徴付け得るほど十分に純粋な該化合物の物理的状態をいう。
【0196】
また、本明細書中の本文、スキーム、実施例および表中の原子価が満たされていない任意の炭素およびヘテロ原子は、原子価を満たすのに十分な数の水素原子を有することが想定される。
【0197】
化合物中の官能基が「保護(された)」と称される場合、これは、その基が、化合物がある反応に供される場合に、保護された部位における望ましくない副反応を防止するための、改良された形態であることを意味する。適切な保護基は、当業者および標準的な教本(例えば、T.W.Greene et al,Protective Groups in organic Synthesis(1991),Wiley,New Yorkなど)によって容認されている。
【0198】
任意の変数(例えば、アリール、複素環、Rなど)が任意の成分もしくは式Iにおいて1より多く存在する場合、各存在に関する規定は、他のすべての存在における規定から独立している。
【0199】
本明細書中で使用される場合、用語「組成物」は、特異的な量で特異的な成分を含む生成物、および特異的な量の特異的な成分の組合せから直接的もしくは間接的に生ずる任意の生成物を包含することが意図される。
【0200】
本発明の化合物のプロドラッグおよび溶媒和物もまた、本明細書中で企図される。用語「プロドラッグ」は、本明細書中で使用される場合、被験体への投与の際に、代謝プロセスもしくは化学プロセスにより化成して式Iの化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物を生ずる薬物の前駆体である化合物を表す。プロドラッグの検討は、T.Higuchi and V.Stella,Pro−drugs as Novel Delivery Systems(1987)14 of the A.C.S.Symposium Series、およびBioreversible Carriers in Drug Design,(1987)Edward B.Roche,ed.,American Pharmaceutical Association and Pergamon Pressに提供されており、これらは共に、本明細書中に参考として援用される。
【0201】
「溶媒和物」は、本発明の化合物と1つ以上の溶媒分子との物理的結合を意味する。この物理的結合は、水素結合を含む、様々な程度のイオン結合および共有結合を含む。特定の場合において(例えば、1つ以上の溶媒分子が結晶性の固体の結晶格子に組み込まれている場合)、この溶媒和物は分離され得る。「溶媒和物」は、溶液相の溶媒和物および分離可能な溶媒和物の両方を包含する。適切な溶媒和物の非限定的な例としては、エタノラート(ethanolate)、メタノラート(methanolate)などが挙げられる。「水和物」は、溶媒分子がHOである溶媒和物である。
【0202】
「有効量」または「治療有効量」は、TACEもしくはTNF−α、MMP、ADAMSの産生、またはそれらの任意の組合せを阻害するのに有効な、したがって所望の治療効果、改善効果、阻害効果もしくは予防効果を生ずるのに有効な本発明の化合物もしくは組成物の量を表すことが意図される。
【0203】
式Iの化合物は、同じく本発明の範囲にある塩を形成し得る。本明細書中の式Iの化合物への言及は、他に示さない限り、その塩への言及を含むことが理解される。用語「塩」は、本明細書中で使用される場合、無機酸および/または有機酸で形成される酸性塩、ならびに無機塩基および/または有機塩基で形成される塩基性塩を表す。さらに、式Iの化合物は塩基性部分(例えば、これらに限定されないが、ピリジンまたはイミダゾール)および酸性部分(例えば、これに限定されないが、カルボン酸)の両方を含む場合、両性イオン(「分子内塩」)が形成され得、これらは本明細書で使用される場合の用語「塩」に含まれる。他の塩も有用であるが、薬学的に受容可能な(例えば、非中毒性、生理学的に受容可能な)塩が好ましい。式Iの化合物の塩は、例えば、式Iの化合物を、一定量(例えば、当量)の酸もしくは塩基と、媒体(例えば、そこで塩が沈殿する媒体)中で反応させるか、または水性媒体中で反応させて、続いて凍結乾燥することにより、生成され得る。
【0204】
典型的な酸付加塩としては、酢酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、硫酸水素塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素塩、ヨウ化水素塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩(トシレートとしても知られる)などが挙げられる。さらに、塩基性薬学的化合物からの薬学的に有用な塩の形成に適切と一般的に考えられる酸は、例えば、P.Stahl et al,Camille G.(eds.)Handbook of Pharmaceutical Salts.Properties,Selection and Use.(2002)Zurich:Wiley−VCH;S.Berge et al,Journal of Pharmaceutical Sciences(1977)66(1)1−19;P.Gould,International J.of Pharmaceutics(1986)33 201−217;Anderson et al,The Practice of Medicinal Chemistry(1996),Academic Press,New York;およびThe Orange Book(Food & Drug Administration,Washington,D.C.同局のウェブサイトにて)により検討されている。これらの文献の開示内容は、本明細書中に参考として援用される。
【0205】
典型的な塩基性塩としては、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、リチウム塩およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩、およびマグネシウム塩)、有機塩基(例えば、有機アミン)との塩(例えば、ジシクロヘキシルアミン、t−ブチルアミン)、およびアミノ酸(例えば、アルギニン、リジン)との塩などが挙げられる。塩基性の窒素含有基は、例えば、低級アルキルハロゲン化物(例えば、塩化メチル、塩化エチルおよび塩化ブチル、臭化メチル、臭化エチルおよび臭化ブチル、ならびにヨウ化メチル、ヨウ化エチルおよびヨウ化ブチル)、硫酸ジアルキル(例えば、硫酸ジメチル、硫酸ジエチルおよび硫酸ジブチル)、長鎖ハロゲン化物(例えば、塩化デシル、塩化ラウリルおよび塩化ステアリル、臭化デシル、臭化ラウリルおよび臭化ステアリル、ならびにヨウ化デシル、ヨウ化ラウリルおよびヨウ化ステアリル)、アラルキルハロゲン化物(例えば、臭化ベンジルおよび臭化フェネチル)などの因子で四級化され得る。
【0206】
全てのそのような酸性塩および塩基性塩が、本発明の範囲内の薬学的に受容可能な塩であることが意図され、そしてすべての酸性塩および塩基性塩が、対応する本発明の目的のための化合物の遊離型に相当すると考えられる。
【0207】
式Iの化合物、ならびにその塩、溶媒和物およびプロドラッグは、それらの互変異性型(例えば、アミドまたはイミノエーテル)で存在し得る。全てのそのような互変異性型は、本発明の一部として本明細書中で企図される。
【0208】
本発明の化合物(化合物の塩、溶媒和物およびプロドラッグならびにプロドラッグの塩および溶媒和物を含む)の、鏡像異性形態(不斉炭素がない場合でも存在し得る)、回転異性体、アトロプ異性体およびジアステレオ異性体を含む全ての立体異性体(例えば、種々の置換基上の不斉炭素により存在し得る立体異性体)(幾何異性体、光学異性体など)が、位置異性体(例えば、4−ピリジルおよび3−ピリジルなど)の場合のように、本発明の範囲内であると考えられる。本発明の化合物の個々の立体異性体は、例えば他の異性体から実質的に独立しているか、あるいは、例えばラセミ体として混合されるか、または全ての他の立体異性体もしくは他の選択された立体異性体と混合され得る。本発明のキラル中心は、IUPAC 1974 Recommendationsにより規定されるように、S配置もしくはR配置を有し得る。用語「塩」、「溶媒和物」、「プロドラッグ」などの使用は、本発明の化合物の鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性体、位置異性体、ラセミ体またはプロドラッグの塩、溶媒和物およびプロドラッグに、同様に適用されることが意図される。
【0209】
式Iの化合物の多形態(polymorphic form)、ならびに式Iの化合物の塩、溶媒和物およびプロドラッグの多形態が、本発明に含まれることが意図される。
【0210】
本発明に従う化合物は、薬理学的性質を有する;とりわけ、式Iの化合物は、TACE、TNF−αおよび/またはMMP活性の阻害物質であり得る。
【0211】
一局面において、本発明は、少なくとも1つの式1の化合物を活性成分として含む、薬学的組成物を提供する。
【0212】
別の局面において、本発明は、少なくとも1つの薬学的に受容可能なキャリアをさらに含む式1の薬学的組成物を提供する。
【0213】
別の局面において、本発明は、TACE、TNF−α、MMP、ADAMまたはそれらの任意の組み合わせと関連する障害を処置する方法を提供し、この方法は、そのような処置を必要とする患者に対し、治療的有効量の少なくとも1つの式1の化合物含む薬学的組成物を投与する工程を包含する。
【0214】
別の局面において、本発明は、TACE、TNF−α、MMP、ADAMまたはそれらの任意の組み合わせと関連する障害を処置する薬の製造のための式1の化合物の使用を提供する。
【0215】
式Iの化合物は、抗炎症活性および/または免疫調節活性を有し得、これらに限定されないが、敗血性ショック、血行動態性ショック(haemodynamic shock)、敗血症症候群、虚血後再灌流障害、マラリア、ミコバクテリア感染症、髄膜炎、乾癬、うっ血性心不全、線維性の疾患(fibrotic disease)、悪液質、移植片拒絶、皮膚T細胞性リンパ腫のような癌、新脈管形成に関する疾患、自己免疫疾患、皮膚炎症性疾患、クローン病および大腸炎のような炎症性腸疾患、変形性関節症(OA)および関節リウマチ(RA)、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、成人スティル病、ブドウ膜炎(ureitis)、ウェゲナー肉芽腫症、Behcehe病、シェーグレン症候群、サルコイドーシス、多発性筋炎、皮膚筋炎、多発性硬化症、坐骨神経痛、複合性局所疼痛症候群、放射線障害、高酸素症肺胞傷害(hyperoxic alveolar injury)、歯周病、HIV、非インスリン依存性真性糖尿病、全身性エリテマトーデス、緑内障、サルコイドーシス、特発性肺線維症、気管支肺形成異常症、網膜疾患、強皮症、骨粗鬆症、腎虚血、心筋梗塞、脳卒中、脳虚血、腎炎、肝炎、糸球体腎炎、特発性線維化性肺胞炎、乾癬、移植片拒絶、アトピー性皮膚炎、脈管炎、アレルギー、季節性アレルギー性鼻炎、可逆性気道閉塞、成人呼吸促進症候群、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、および/または気管支炎を含む疾患の処置に有用であり得る。本発明の化合物は、列挙される1種以上の疾患を処置するのに有用であり得ると考えられる。
【0216】
別の局面において、本発明は、TACE、TNF−α、MMP、ADAMまたはそれらの任意の組み合わせと関連する障害を処置するための薬学的組成物を調製する方法を提供し、この方法は、少なくとも1つの式1の化合物と少なくとも1つの薬学的に受容可能なキャリアとを密接に接触させる工程を包含する。
【0217】
別の局面において、本発明は、TACE、TNF−α、MMP、ADAMまたはそれらの任意の組み合わせの阻害活性を示す式(I)の化合物(この化合物およびこの化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物の鏡像異性体、立体異性体および互変異性体を含む)を提供し、この化合物は、先に提示された表Aに列挙される構造の化合物から選択される。
【0218】
別の局面において、本発明は、被験体におけるTACE、TNF−α、MMP、ADAMまたはそれらの任意の組み合わせと関連する障害を処置するための薬学的組成物を提供し、そのような処置を必要とする被験体に対し、治療有効量の少なくとも1つの式1の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体を投与する工程を包含する。
【0219】
別の局面において、本発明は、精製した形態の、式Iの化合物を提供する。
【0220】
別の局面において、本発明は、被験体におけるTACE、MMP、TNF−α、アグレカナーゼ(aggrecanase)またはそれらの任意の組み合わせが媒介する状態または疾患を処置する方法を提供し:この方法は、そのような処置を必要とする被験体に対し、治療有効量の少なくとも1つの式1の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体を投与する工程を包含する。
【0221】
別の局面において、本発明は、被験体における関節リウマチ、変形性関節症、歯周炎、歯肉炎、角膜潰瘍形成、固形腫瘍増殖および二次転移による腫瘍浸潤、血管新生緑内障、炎症性腸疾患、多発性硬化症、ならびに乾癬からなる群から選択される状態または疾患を処置する方法を提供し:この方法は、そのような処置を必要とする被験体に、治療有効量の少なくとも1つの式1の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体を投与する工程を包含する。
【0222】
別の局面において、本発明は、被験体における発熱、心血管状態(cardiovascular condition)、出血、凝固、悪液質、食欲不振、アルコール症、急性期反応、急性感染症、ショック、対宿主性移植片反応、自己免疫疾患、およびHIV感染症からなる群から選択される状態または疾患を処置する方法を提供し、この方法は、そのような処置を必要とする被験体に、治療有効量の少なくとも1つの式1の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体を投与する工程を包含する。
【0223】
別の局面において、本発明は、被験体における敗血性ショック、血行動態性ショック、敗血症症候群、虚血後再灌流障害、マラリア、ミコバクテリア感染症、髄膜炎、乾癬、うっ血性心不全、線維性の疾患、悪液質、移植片拒絶、皮膚T細胞性リンパ腫のような癌、新脈管形成に関する疾患、自己免疫疾患、皮膚炎症性疾患、クローン病および大腸炎のような炎症性腸疾患、変形性関節症(OA)および関節リウマチ(RA)、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、成人スティル病、ブドウ膜炎(ureitis)、ウェゲナー肉芽腫症、Behcehe病、シェーグレン症候群、サルコイドーシス、多発性筋炎、皮膚筋炎、多発性硬化症、坐骨神経痛、複合性局所疼痛症候群、放射線障害、高酸素症肺胞傷害、歯周病、HIV、非インスリン依存性真性糖尿病、全身性エリテマトーデス、緑内障、サルコイドーシス、特発性肺線維症、気管支肺形成異常症、網膜疾患、強皮症、骨粗鬆症、腎虚血、心筋梗塞、脳卒中、脳虚血、腎炎、肝炎、糸球体腎炎、特発性線維化性肺胞炎、乾癬、移植片拒絶、アトピー性皮膚炎、脈管炎、アレルギー、季節性アレルギー性鼻炎、可逆性気道閉塞、成人呼吸促進症候群、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、および気管支炎からなる群から選択される状態または疾患を処置する方法を提供し、この方法は、そのような処置を必要とする被験体に、治療有効量の少なくとも1つの式1の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体を投与する工程を包含する。
【0224】
別の局面において、本発明は、COPDに関連する状態または疾患を処置する方法を提供し:この方法は、そのような処置を必要とする被験体に、治療有効量の少なくとも1つの請求項1の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体を投与する工程を包含する。
【0225】
別の局面において、本発明は、関節リウマチに関連する状態または疾患を処置する方法を提供し:この方法は、そのような処置を必要とする被験体に、治療有効量の少なくとも1つの式1の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体を投与する工程を包含する。
【0226】
別の局面において、本発明は、クローン病に関連する状態または疾患を処置する方法を提供し:この方法は、そのような処置を必要とする被験体に、治療有効量の少なくとも1つの式1の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体を投与する工程を包含する。
【0227】
別の局面において、本発明は、乾癬に関連する状態または疾患を処置する方法を提供し:この方法は、そのような処置を必要とする被験体に、治療有効量の少なくとも1つの式1の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体を投与する工程を包含する。
【0228】
別の局面において、本発明は、強直性脊椎炎に関連する状態または疾患を処置する方法を提供し:この方法は、そのような処置を必要とする被験体に、治療有効量の少なくとも1つの式1の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体を投与する工程を包含する。
【0229】
別の局面において、本発明は、坐骨神経痛に関連する状態または疾患を処置する方法を提供し:この方法は、そのような処置を必要とする被験体に、治療有効量の少なくとも1つの式1の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体を投与する工程を包含する。
【0230】
別の局面において、本発明は、複合性局所疼痛症候群に関連する状態または疾患を処置する方法を提供し:この方法は、そのような処置を必要とする被験体に、治療有効量の少なくとも1つの式1の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体を投与する工程を包含する。
【0231】
別の局面において、本発明は、乾癬性関節炎に関連する状態または疾患を処置する方法を提供し:この方法は、そのような処置を必要とする被験体に、治療有効量の少なくとも1つの式1の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体を投与する工程を包含する。
【0232】
別の局面において、本発明は、多発性硬化症に関連する状態または疾患を処置する方法を提供し:この方法は、そのような処置を必要とする被験体に、治療有効量の少なくとも1つの式1の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体を、Avonex(登録商標)、Betaseron、Copaxoneまたは多発性硬化症の処置に必要な他の化合物からなる群から選択される化合物と組み合せて投与する工程を包含する。
【0233】
さらに、本発明の化合物は、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDS)(例えば、メトトレキサート、アザチオプリン、レフルノミド、ペニシラミン(pencillinamine)、金塩、ミコフェノール酸モフェチル、シクロホスファミド、および他の類似した薬物)と同時投与されるか、または組み合せて使用され得る。これらはまた、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)(例えば、ピロキシカム、ナプロキセン、インドメタシン、イブプロフェンなど);シクロオキシゲナーゼ(cycloxygenase)−2(COX−2)選択的阻害物質(例えば、Vioxx(登録商標)およびCelebrex(登録商標));免疫抑制薬(例えば、ステロイド、シクロスポリン、Tacrolimus、ラパマイシンなど);生体応答調整物質(BRM)(例えば、Enbrel(登録商標)、Remicade(登録商標)、IL−1アンタゴニスト、抗−CD40、抗CD−28、IL−10、抗接着性分子(anti−adhesion molecule)など);および他の抗炎症因子(例えば、p38キナーゼ阻害物質、PDE4阻害物質、他の化学的に異なるTACE阻害物質、ケモカインレセプターアンタゴニスト、サリドマイド、および他の前炎症性サイトカイン産生の小分子阻害物質)と同時投与されるか、または組み合せて使用され得る。
【0234】
また、本発明の化合物は、季節性アレルギー性鼻炎および/または喘息の処置のためのH1アンタゴニストと同時投与されるか、または組み合せて使用され得る。適切なH1アンタゴニストは、例えば、Claritin(登録商標)、Clarinex(登録商標)、Allegra(登録商標)、またはZyrtec(登録商標)であり得る。
【0235】
別の局面において、本発明は、被験体におけるTACE、MMP、TNF−α、アグレカナーゼまたはそれらの任意の組み合わせが媒介する状態または疾患を処置する方法を提供し:この方法は、そのような処置を必要とする被験体に、治療有効量の少なくとも1つの式1の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体を、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDS)、NSAID、COX−2阻害物質、COX−1阻害物質、免疫抑制薬、生体応答調整物質(BRM)、抗炎症因子、およびH1アンタゴニストからなる群から選択される、治療有効量の少なくとも1つの薬と組み合せて投与する工程を包含する。
【0236】
別の局面において、本発明は、被験体における関節リウマチ、変形性関節症、歯周炎、歯肉炎、角膜潰瘍形成、固形腫瘍増殖および二次転移による腫瘍浸潤、血管新生緑内障、炎症性腸疾患、多発性硬化症、ならびに乾癬からなる群から選択される状態または疾患を処置する方法を提供し:この方法は、そのような処置を必要とする被験体に、治療有効量の少なくとも1つの請求項1の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体を、DMARDS、NSAID、COX−2阻害物質、COX−1阻害物質、免疫抑制薬、BRM、抗炎症因子、およびH1アンタゴニストからなる群から選択される、治療有効量の少なくとも1つの薬と組み合せて投与する工程を包含する。
【0237】
別の局面において、本発明は、被験体における敗血性ショック、血行動態性ショック、敗血症症候群、虚血後再灌流障害、マラリア、ミコバクテリア感染症、髄膜炎、乾癬、うっ血性心不全、線維性の疾患、悪液質、移植片拒絶、皮膚T細胞性リンパ腫のような癌、新脈管形成に関する疾患、自己免疫疾患、皮膚炎症性疾患、クローン病および大腸炎のような炎症性腸疾患、変形性関節症および関節リウマチ、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、成人スティル病、ブドウ膜炎(ureitis)、ウェゲナー肉芽腫症、Behcehe病、シェーグレン症候群、サルコイドーシス、多発性筋炎、皮膚筋炎、多発性硬化症、坐骨神経痛、複合性局所疼痛症候群、放射線障害、高酸素症肺胞傷害、歯周病、HIV、非インスリン依存性真性糖尿病、全身性エリテマトーデス、緑内障、サルコイドーシス、特発性肺線維症、気管支肺形成異常症、網膜疾患、強皮症、骨粗鬆症、腎虚血、心筋梗塞、脳卒中、脳虚血、腎炎、肝炎、糸球体腎炎、特発性線維化性肺胞炎、乾癬、移植片拒絶(transplant rejection)、アトピー性皮膚炎、脈管炎、アレルギー、季節性アレルギー性鼻炎、可逆性気道閉塞、成人呼吸促進症候群、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、および気管支炎からなる群から選択される状態または疾患を処置する方法を提供し、この方法は、そのような処置を必要とする被験体に、治療有効量の少なくとも1つの請求項1の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体を、DMARDS、NSAID、COX−2阻害物質、COX−1阻害物質、免疫抑制薬、BRM、抗炎症因子、およびH1アンタゴニストからなる群から選択される、治療有効量の少なくとも1つの薬と組み合せて投与する工程を包含する。
【0238】
別の局面において、本発明は、RAを処置する方法を提供し、この方法は、式Iの化合物を、COX−2阻害物質(例えば、Celebrex(登録商標)またはVioxx(登録商標));COX−1阻害物質(例えば、Feldene(登録商標));免疫抑制薬(例えば、メトトレキサートまたはシクロスポリン);ステロイド(例えば、β−メタゾン(methasone);および抗TNF−α化合物(例えば、Enbrel(登録商標)またはRemicade(登録商標));PDE IV阻害物質からなるクラス、あるいはRAの処置に必要な化合物の他のクラスから選択される化合物と組み合せて投与する工程を包含する。
【0239】
別の局面において、本発明は、多発性硬化症を処置するための方法を提供し、この方法は、式Iの化合物を、Avonex(登録商標)、Betaseron、Copaxone、または多発性硬化症の処置に必要な他の化合物からなる群から選択される化合物と組み合せて投与する工程を包含する。
【0240】
TACE活性は、内部クエンチされた(internally quenched)ペプチド基質(SPDL−3)のTACEが触媒となる開裂によって生ずる蛍光強度の上昇率を測定する速度アッセイ(kinetic assay)により決定される。組み換えヒトTACE(rhTACEc、2つの変異原生(S266AおよびN452Q)を有する215〜477残基、および6xHis tail)の精製された触媒ドメインが、このアッセイで使用される。この触媒ドメインは、親和力クロマトグラフィを使用し、バキュロウイルス/Hi5細胞発現系から精製される。基質SPDL−3は、内部クエンチされたペプチド(MCA−Pro−Leu−Ala−Gln−Ala−Val−Arg−Ser−Ser−Ser−Dpa−Arg−NH2であり、その配列はpro−TNFα開裂部位に由来する。MCAは、(7−メトキシクマリン−4−イル)アセチルである。Dpaは、N−3−(2,4−ジニトロフェニル)−L−2,3−ジアミノプロピオニルである。
【0241】
アッセイ混合物50μlは、20mM HEPES、pH7.3の5mM CaCl、100μM ZnCl、2%DMSO、0.04%メチルセルロース、30μM SPDL−3、70pM rhTACEcおよび試験化合物を含む。RhTACEは、試験化合物と共に、25℃にて90分間、プレインキュベートする。反応は、基質の添加により開始される。蛍光強度(320nmにて励起、405nmにて発光)を、蛍光分光光度計(GEMINI XS,Molecular Device)を使用して、45秒毎に30分間、測定した。酵素反応速度は、ユニット毎秒として示される。試験化合物の効果は、その化合物がない場合のTACE活性%として示される。
【0242】
TACE阻害活性にとって有用な化合物は、約1000nm未満、好ましくは約0.01nm〜約1000nm、より好ましくは約0.1nm〜約100nm、最も好ましくは約15nm未満のKi値を示し得る。本発明の一部の代表的な化合物のTACE阻害活性(Ki値)を、以下の「実施例」の節で列挙する。
【0243】
活性成分を含む薬学的組成物は、経口使用に適した形態、例えば、錠剤、トローチ剤、水性または油性懸濁剤、分散可能な粉剤もしくは粒剤、乳剤、硬カプセル剤もしくは軟カプセル剤、またはシロップ剤もしくはエリキシル剤の形態であり得る。経口使用に向けられる組成物は、薬学的組成物の製造についての技術分野に公知の任意の方法に従って調製され得、そのような組成物は、見栄えがよく口当たりの良い医薬品を提供するために、甘味剤、矯味矯臭剤、着色剤、および保存剤からなる群から選択される1種以上の物質を含み得る。錠剤は、錠剤の製造に適した非中毒性の薬学的に受容可能な賦形剤と混合した活性成分を含む。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム);造粒剤および崩壊剤(例えば、コーンスターチまたはアルギン酸);結合剤(例えば、デンプン、ゼラチンまたはアカシア)、ならびに潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルク)であり得る。錠剤は、被覆されないか、あるいは胃腸管内での分解および吸収を遅らせ、それにより、より長期に作用を持続させる公知の技術によって被覆され得る。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延物質が、使用され得る。錠剤はまた、米国特許第4,256,108号;第4,166,452号;および第4,265,874号に記載される技術によって被覆され、徐放のための浸透性治療錠剤を形成し得る。
【0244】
用語薬学的組成物はまた、1種より多く(例えば、2種)の薬学的に活性な因子(例えば、本発明の化合物および本明細書中に記載される付加剤のリストから選択される付加剤、ならびに任意の薬学的に不活性な賦形剤から成る、バルク組成物および個別の投薬単位の両方を包含することが意図される。バルク組成物および各々の個別の投薬単位は、定量の前記「1種より多くの薬学的に活性な因子」を含み得る。バルク組成物は、まだ個別の投薬単位を形成していない物質である。典型的な投薬単位は、錠剤、丸剤などの経口投薬単位である。同様に、本明細書中に記載される、本発明の薬学的組成物を投与することによって患者を処置する方法はまた、前記バルク組成物および個別の投薬単位の投与を包含することも意図される。
【0245】
経口使用のための調合物はまた、活性成分が不活性固体希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリン)と混合される硬ゼラチンカプセル剤、あるいは活性成分が、水または油媒体(例えば、ピーナツオイル、流動パラフィンまたはオリーブオイル)と混合される軟ゼラチンカプセル剤として提示され得る。
【0246】
水性懸濁剤は、水性懸濁剤の製造に適した賦形剤と混合した活性物質を含む。そのような賦形剤は、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル−ピロリドン、トラガカントゴム、およびアカシアゴムなどの懸濁剤であり;分散剤もしくは湿潤剤は、天然リン脂質(例えば、レクチン)、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、もしくはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレン−オキシセタノール)、もしくはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールに由来する部分エステルとの縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール)、もしくはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来する部分エステルとの縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリエチレンソルビタン)である。水性懸濁剤はまた、1種以上の保存剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル)、1種以上の着色剤、1種以上の矯味矯臭剤、および1種以上の甘味剤(例えば、スクロース、サッカリンまたはアスパラテーム)を含み得る。
【0247】
油性懸濁剤は、植物油(例えば、落花生油、オリーブ油、ゴマ油、またはヤシ油)、または鉱油(例えば、流動パラフィン)中に活性成分を懸濁させることにより調合され得る。油性懸濁液は、増粘剤(例えば、蜜蝋、固形パラフィンまたはセチルアルコール)を含み得る。甘味剤(例えば、上記に提示された甘味剤)、および矯味矯臭剤は、口当たりの良い経口調製物を提供するために添加され得る。これらの組成物は、酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸)の添加により保存され得る。
【0248】
水の添加による水性懸濁剤の調製に適した分散可能な粉剤および粒剤が、分散剤もしくは湿潤剤、懸濁剤および1種以上の保存剤と混合した活性成分を提供する。適した分散剤もしくは湿潤剤、および懸濁剤は、上記に既述した分散剤もしくは湿潤剤、および懸濁剤によって例示される。さらなる賦形剤(例えば、甘味剤、矯味矯臭剤および着色剤)もまた、存在し得る。
【0249】
本発明の薬学的組成物はまた、水中油乳剤の形態であり得る。この油性相は、植物油(例えば、オリーブ油または落花生油)、もしくは鉱油(例えば、流動パラフィン)、またはそれらの混合物であり得る。適切な乳化剤は、天然リン脂質(例えば、ダイズ油、レシチン)、ならびに脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来するエステルもしくは部分エステル(例えば、モノオレイン酸ソルビタン)、および上述の部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)であり得る。これらの乳剤はまた、甘味剤および矯味矯臭剤も含み得る。
【0250】
シロップ剤およびエリキシル剤は、甘味剤(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロース)と調合し得る。そのような調合物はまた、緩和剤、保存剤、ならびに矯味矯臭剤および着色剤も含み得る。
【0251】
薬学的組成物は、無菌注射可能水または油性懸濁液の形態であり得る。この懸濁液は、上記した適切な分散剤もしくは湿潤剤および懸濁剤を使用し、公知の技術に従って調合され得る。この無菌注射可能調製物はまた、無菌注射可能溶液であるか、または非中毒性の非経口用として受容可能な希釈剤もしくは溶媒中の懸濁液(例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液として)であり得る。使用され得る受容可能なビヒクルおよび溶媒は、水、リンガー溶液、および等張食塩水であり得る。さらに殺菌(sterile)不揮発性油が、溶媒または懸濁媒体として従来どおりに使用される。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む、任意の低刺激性の不揮発性油を使用し得る。さらに、脂肪酸(例えば、オレイン酸)は、注射可能物質の調製における使用が見出される。
【0252】
本発明の化合物はまた、薬物の直腸投与のための坐剤の形態で投与され得る。これらの組成物は、この薬物と、常温では固体であるが直腸温度では液体であり、したがって、直腸内で溶解して薬物を放出する適切な非刺激性の賦形剤とを混合することによって調製され得る。そのような物質には、カカオ脂およびポリエチレングリコールがある。
【0253】
局所使用には、本発明の化合物を含むクリーム剤、軟膏、ゼリー剤、液剤または懸濁剤などが使用される。(この適用の目的のために、局所適用物は、口腔洗浄剤および含嗽剤を含む。)
本発明に関する化合物は、適切な経鼻腔用ビヒクルの局所使用を通じ、経鼻腔形態で投与されるか、または当業者に周知である経皮用皮膚パッチの形態を使用し、経皮経路を通じて投与され得る。経皮送達系の形態で投与するために、調剤投与は、当然、投薬レジメンを通じて断続的というよりむしろ継続的である。本発明の化合物はまた、基剤(例えば、カカオ脂、グリセリンゼラチン、水素化植物油、多様な分子量のポリエチレングリコールの混合物、およびポリエチレングリコールの脂肪酸エステル)を使用した坐薬として送達され得る。
【0254】
本発明の化合物を利用した投薬レジメンは、種々の要因(患者のタイプ、種、体重、性別、および医学的状態;治療されるべく状態の重篤度;投与経路;患者の腎機能および肝機能;ならびに使用されるその特定の化合物)に従って選択される。当該技術分野の医師または獣医師は、状態の進行を予防、阻止、妨害、または逆転するために必要とされる有効量の薬物を容易に決定し、処方し得る。毒性なく効力を生む範囲内の薬物の濃度を達成することにおける最適精度は、標的部位への薬物の利用可能性の動態学に基づくレジメンを必要とする。これは、薬物の分散、平衡、および脱離の考慮を必要とする。本発明の方法に有用な式Iの化合物の好ましい用量は、0.01mg/日〜1000mg/日の範囲である。より好ましい投薬量は、0.1mg/日〜1000mg/日の範囲である。最も好ましい投薬量は、0.1mg/日〜500mg/日の範囲である。経口投与については、組成物が、0.01mg〜1000mg、特に、処置される患者への投薬量の対症的調節のために、0.01mg、0.05mg、0.1mg、0.5mg、1.0mg、2.5mg、5.0mg、10.0mg、15.0mg、25.0mg、50.0mg、100mgおよび500mgの活性成分を含む錠剤の形態で提供されることが好ましい。有効量の薬物は、通常、体重1kg当たり1日に、約0.0002mg/kg〜約50mg/kgの投薬量で供給される。この範囲は、より好ましくは、体重1kg当たり1日に、約0.001mg/kg〜1mg/kgである。
【0255】
好都合に、本発明の活性因子は、1日1回分の用量で投与されるか、または合計1日投与量が、1日2回分、3回分もしくは4回分に分割した用量で投与され得る。
【0256】
キャリア物質と組み合せて1回分の用量形態を生成し得る活性成分の量は、処置されるホスト(host)および個々の投与形式に応じて変化する。
【0257】
しかしながら、任意の特定の患者についての特異的な用量水準は、種々の要因(年齢、体重、身体全体の健康、性別、食事、投与時間、投与経路、排泄率、薬物の組み合わせ、および治療を受けている特定の疾患の重篤度を含む)に依存することが理解される。
【0258】
本発明の化合物は、当業者に公知であるプロセス、ならびに以下の反応スキームならびに下記の調製および実施例に示されるようなプロセスによって生成され得る。
【実施例】
【0259】
以下の略語は、手順およびスキームで使用される:
ACN アセトニトリル
AcOH 酢酸
Aq 水
BOC tert−ブトキシカルボニル
BOC−ON [2−(tert−ブトキシカルボニルオキシイミノ)−2−フェニルアセトニトリル]
BOCO BOC無水物
C 摂氏度
CBZCl クロロギ酸ベンジル
DBU 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン
DCM ジクロロメタン
DEAD アゾジカルボン酸ジエチル
(DHQ)2PHAL ヒドロキニン1,4−フタラジンジイルジエーテル
DIAD ジイソプロピルアゾジカルボキシレート
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMA N,N−ジメチルアセトアミド
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DME ジメトキシエタン
DMF ジメチルホルムアミド
DMFDMA N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール
DMPU 1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1h)−ピリミジノン
DMSO ジメチルスルホキシド
EDCl 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
EI 電子衝撃イオン化
Eq 当量
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
g グラム
h. 時間
H プロトン
HATU N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート
Hex ヘキサン
HOBT 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高圧液体クロマトグラフィ
LAH 水素化アルミニウムリチウム
LDA リチウムジイソプロピルアミド
M モル
mmol ミリモル
mCPBA メタ−クロロペルオキシ安息香酸
Me メチル
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
min 分
mg ミリグラム
MHZ メガヘルツ
mL ミリリットル
MPLC 中圧液体クロマトグラフィ
NMR 核磁気共鳴
MS 質量分析
NBS N−ブロモコハク酸イミド
NMM N−メチルモルホリン
NMP 1−メチル−2−ピロリドン
ON 一晩
PCC 塩化クロム酸ピリジウム
PTLC 分取薄層クロマトグラフィ
PyBrOP ブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウム−ヘキサフルオロホスフェート
Pyr ピリジン
RT 室温
sgc シリカゲル60クロマトグラフィ
tBOC tert−ブトキシカルボニル
TACE TNF−α変換酵素
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィ。
【0260】
NMRスペクトルを、以下の機器を用いて得た:400MHZ NMR(Bruker)、500MHZ NMR(Bruker)、400MHz NMR(Varian)、300MHZ NMR(Varian)(CDOD、CDClまたはDMSO−dを溶媒として使用)。LC−MSデータを、電子衝撃イオン化(electroscopy ionization)を使用し、PESciex API 150EX四重極(quadropole)質量分析計を使用して得た。
【0261】
逆相クロマトグラフィ(Gilson)による精製を、勾配 アセトニトリル:水 5:95〜90:10(0.1%のギ酸)、流速 14mL/分を用い、C18逆相カラムを使用して完成させた。UV検出を使用して、サンプルを回収した。代替的に、勾配 アセトニトリル:水 5:95〜95:5(0.1%のギ酸)、流速 10〜55mL/分を用い、ISCO Companionを使用し得る。
【0262】
順相シリカゲルクロマトグラフィを、60Å 12/M、25/Mもしくは40/Mフラッシュカートリッジを使用したBiotage機器か、またはIsoluteフラッシュSI 5g、10g、20g、50gもしくは70gカートリッジを使用したJones Flash Master Personal機器を用いて完成させた。
【0263】
式(I)の化合物は、当業者に公知であるプロセス、ならびに以下の反応スキームならびに下記の調製および実施例で示されるようなプロセスによって生成され得る。これらの調製および実施例を、開示の範囲を限定するものと解釈するべきではない。代わりとなる機構経路および類似の構造が、当業者に明らかであり得る。これらのプロセスによって作製される一部の化合物を、以下の表に列挙する。これらの化合物の全種類の異性体を、本発明の範囲内にあると考える。
【0264】
(合成経路および実施例)
(実施例1)
【0265】
【化53】

(実施例1についての一般手順)
工程1において、化合物1A(市販のものか、Abdalla,G.M.and Sowell,J.W.Journal of Heterocyclic Chemistry,1987,24(2),297−301によって記載される手順と類似の手順により調製される)を、極性溶媒(例えば、DMF)中の1当量の二炭酸ジ−tert−ブチルで、30分間〜12時間処置した。溶媒を除去し、化合物1Bをさらなる精製なしに使用するか、またはシリカゲルクロマトグラフィにより生成し得た。
【0266】
工程2において、化合物1Bを、適切なアルコールおよび水の溶液中で、50℃〜90℃にて5時間〜48時間、青酸カリウムおよび炭酸アンモニウムと反応させた。完全に冷却させた後、水を加え、化合物1Cを濾過により回収し得た。
【0267】
工程3において、化合物1Cを、メタノール中の2当量〜20当量の塩酸と共に、5時間〜48時間攪拌した。エチルエーテルを加えた後、化合物1Dを濾過により回収し得た。
【0268】
(実施例2)
【0269】
【化54】

(工程1)
化合物2A(Abdalla,G.M.and Sowell,J.W.Journal of Heterocyclic Chemistry,1987,24(2),297−301)(塩酸塩、8.60g、45.4mmol)、トリエチルアミン(19.0mL、136mmol)、および二炭酸ジ−tert−ブチル(11.9g、54.4mmol)を、塩化メチレン(100mL)中で、25℃にて16時間攪拌した。飽和NaHCO水(150mL)を加えた。水相を、CHCl(100mL)で2回、抽出した。有機相をブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒をロータリーエバポレータにより除去し、化合物2Bを得、この得られた化合物2Bを、さらなる精製なしに使用した。
【0270】
(工程2)
化合物2B(9.06g、35.8mmol)、KCN(3.49g、53.7mmol)、および(NHCO(12.0g、125.2mmol)を、EtOH(35mL)と水(35mL)との混合物中に懸濁させた。この溶液を、70℃にて3日間攪拌した。完全に冷却した後、水(35mL)を加えた。固体を濾過し、水で3回洗浄した。この固体を、真空下で40℃にて16時間乾燥させ、化合物2C(7.9g、68%)を得た。
【0271】
(工程3)
化合物2C(4.0g)を、メタノール(50mL)中に懸濁させ、HCl(ジオキサン中4M、20mL)を加えた。この溶液を、25℃にて3時間攪拌した。エチルエーテル(50ml)を加えた。固体を濾過し、エチルエーテルで2回洗浄し、真空下で12時間乾燥させ、化合物2D(2.7g、84%)を得た。
【0272】
以下の中間体を、実施例1および実施例2に記載のように調製した。
【0273】
【化55】


【0274】
(実施例3)
【0275】
【化56】

(実施例3についての一般手順)
工程1において、5−ヒドロキシ−2−ニトロ−安息香酸(化合物3A)を、適切な溶媒(例えば、DMF)に溶解させ、炭酸セシウムの存在下、室温にて2時間〜16時間、アルキルクロリドまたはアルキルブロミドと反応させた。水およびEtOAcを加えた。有機相を、水で1回〜5回洗浄し、DMFを除去した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮させて、粗生成物(化合物3B)を得、この得られた粗生成物を、さらなる精製なしに使用した。
【0276】
工程2において、化合物3Bをジオキサン/水(3:1)に溶解させ、室温にて3時間〜6時間、水酸化リチウムで処理した。この溶液を、1N HCl溶液の添加により酸性にし、EtOAcで抽出した。この生成物(化合物3C)を、アルコール副生成物の沸点に応じて、さらなる精製なしに使用するか、またはクロマトグラフィにより精製した。
【0277】
工程3において、化合物3Cを適切な溶媒(例えば、DMF)に溶解させ、EDClおよびHOBTを使用して、室温にて一晩、化合物3Dと結合させた。水/EtOAcの後処理後、生成物(化合物3E)をクロマトグラフィにより単離した。
【0278】
工程4において、化合物3Eを、N雰囲気下、MeOH/水(1:1)中に懸濁させた。NaOHおよび亜鉛粉末を加え、この反応混合物を、70℃〜80℃にて8時間〜24時間攪拌した。室温に冷却後、この溶液を、1N HCl溶液を用いてpH=6〜7に調節した。生成物(化合物3F)をEtOAcで抽出し、逆相HPLCにより精製した。
【0279】
(実施例4)
【0280】
【化57】

(工程3)
25mLフラスコを、化合物4C(331mg、1.68mmol)、化合物4D(Stratford,E.S.and Curley,R.W.Jr,J.Med.Chem.1983,26,1463−1469)(200mg、1.4mmol)、EDCl(403mg、2.1mmol)、HOBT(227mg、1.68mmol)、NMM(0.46mL、4.2mmol)、およびDMF(7mL)で満たした。この溶液を、室温にて一晩攪拌した。飽和NaHCO水(30mL)およびEtOAc(50mL)を加えた。有機相を分離し、水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、次いで、NaSOで乾燥させた。溶媒をエバポレートし、粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィ(CHCl/MeOH/NHOH 20:1:0.1〜10:1:0.1)により単離して、化合物4E(201mg、45%)を得た。
【0281】
(工程4)
10mLフラスコに、化合物4E(50mg、0.155mmol)、NaOH(25mg、0.62mmol)、亜鉛粉末(62mg、0.47mmol)、MeOH(0.5mL)および水(0.5mL)を加えた。この溶液を、75℃にて16時間攪拌した。室温に冷却後、固体を濾過により除去した。濾液を、2N HClを加えることにより、pH=5に調節した。水相を、EtOAc(10mL)により抽出した。有機溶液をNaSOで乾燥させ、濃縮した。生成物を、シリカゲルクロマトグラフィ(CHCl/MeOH/NHOH 40:1:0.1〜20:1:0.1〜10:1:0.1)により単離して、化合物4F6.5mg(14%)を得た。
【0282】
(実施例5)
【0283】
【化58】

(工程1)
化合物5A(1.33g、7.26mmol)、臭化ベンジル(2.73g、16.0mmol)、およびCsCO(7.1g、22.0mmol)を、DMF(30mL)中で混合し、室温にて一晩攪拌した。飽和NaHCO水(100mL)を加え、水相をEtOAc(100mL)で2回、抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレータにより濃縮した。生成物を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc: 10;1〜5:1)により単離して、化合物5B(2.25g、89%)を得た。
【0284】
(工程2)
化合物5B(2.25g、6.44mmol)を、ジオキサン/水(3:1、35mL)に溶解させ、LiOH(810mg、19.3mmol)を加えた。この溶液を、室温にて3時間、攪拌した。水(30mL)を加え、続いて2N HCl(30mL)を加えた。水相を、EtOAc(50mL)で3回、抽出した。有機相を、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレータにより濃縮した。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィ(CHCl/MeOH/HCOH 40:1:0.1〜20:1:0.1)により精製して、化合物5C(1.6g、91%)を得た。
【0285】
以下の化合物を、実施例3〜5に記載のように調製した。
【0286】
以下の各々の表において、10nM(<10nM)未満のKi値を有する化合物を、英字「A」で示し;10nM〜100nM未満(10−<100nM)のKi値を有する化合物を、英字「B」で示し;100nM〜1000nMのKi値を有する化合物を、英字「C」で示し;そして1000nMより大きな(>1000nM)Ki値を有する化合物を、英字「D」で示す。
【0287】
【化59−1】


【0288】
(実施例6)
【0289】
【化59−2】

(実施例6についての一般手順)
工程1において、4−ブロモ−2−ニトロ−安息香酸(化合物6A)を、適切な溶媒(例えば、DMF)に溶解させ、炭酸セシウムの存在下、室温にて2時間〜16時間、ヨウ化メチルと反応させた。水およびEtOAcを加え、有機相を水により1回〜5回洗浄して、DMFを除去した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮し、そして乾燥させて、粗生成物(化合物6B)を得、この得られた粗生成物を、さらなる精製なしに使用した。
【0290】
工程2において、メチルエステル(化合物6B)を、Pd(OAc)、CsCOおよび適切なリガンド(例えば、ラセミ体−2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル)と混合した。この混合物を、1分間〜10分間、真空下に置いて酸素を除去し、Nで再び満たした。アルコールおよびトルエンを加え、この溶液を50℃〜還流温度にて12時間〜72時間、攪拌した。室温に冷却後、固体を濾過により取り出し、溶媒を除去した。生成物をクロマトグラフィにより精製し得た。この反応の間、メチルエステルの一部を、使用されるアルコールのエステルに転換し得る。この副生成物もまた回収され、次の工程で加水分解される。
【0291】
工程3において、化合物6Cをジオキサン/水(3:1)に溶解させ、水酸化リチウムで、室温にて3時間〜6時間、処理した。この溶液を、1N HCl溶液の添加によって酸性にし、水/EtOAcの後処理を施した。生成物(化合物6D)を、アルコール副生成物の沸点によって、さらなる精製なしに使用するか、またはクロマトグラフィにより精製した。
【0292】
工程4において、化合物6Dを適切な溶媒(例えば、DMF)に溶解させ、EDClおよびHOBTの条件下、室温にて一晩、化合物6Eと結合させた。水/EtOAcの後処理後、生成物(化合物6F)を、クロマトグラフィにより単離し得た。
【0293】
工程5において、化合物6Fを、N雰囲気下、MeOH/水(1:1)中に懸濁させた。NaOHおよび亜鉛粉末を加え、この反応混合物を、70℃〜80℃にて8時間〜24時間、攪拌した。室温に冷却後、この溶液を、1N HCl溶液を用いてpH=6〜7に調節した。化合物6GをEtOAcで抽出して、逆相HPLCにより単離した。
【0294】
(実施例7)
【0295】
【化60】

(工程1)
化合物7A(10.0g、40.7mmol)を、DMF(100mL)に溶解させた。CsCO(27.0g、81.3mmol)およびヨウ化メチル(7.60mL、122.0mmol)を加えた。この溶液を室温にて一晩攪拌した。EtOAc(250mL)および水(100mL)を加えた。有機相を分離し、水(100mL)で3回およびブライン(50mL)で洗浄し、次いで、NaSOで乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレータを使用して濃縮した。生成物を真空下で乾燥させて、化合物7B(10.3g、97%)を得た。
【0296】
(工程2)
Pd(OAc)(43mg、0.19mmol)、ラセミ−2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(92mg、0.23mmol)、およびCsCO(1.88g、5.76mmol)を、50mLフラスコに入れた。このフラスコを、2分間、真空下に置き、Nで再び満たした。化合物7B(1.00g、3.84mmol)およびMeOH(0.311mL、7.69mmol)を、トルエン(10mL)に溶解させた。得られた溶液を、ピペットにより上記のフラスコに加えた。この反応混合物を、70℃の油浴にて48時間攪拌した。室温に冷却後、固体を濾過し、ロータリーエバポレータを使用して溶媒を除去した。生成物を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc 20:1〜10:1)により単離して、化合物7C(380mg、47%)を得た。
【0297】
(工程3)
化合物7C(380mg、1.80mmol)を、ジオキサン/水(3:1、8mL)に溶解させ,LiOH(378mg、9.0mmol)を加えた。この溶液を、室温にて3時間攪拌した。水(5mL)を加え、続いて2N HClを加えて、pH=2〜4に調節した。水相を、EtOAc(10mL)で3回、抽出した。有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を真空下で乾燥させて、化合物7Dを得、この得られた化合物7Dを、さらなる精製なしに使用した。
【0298】
以下の化合物を、実施例6〜7に記載のように調製した。
【0299】
【化61−1】


【0300】
(実施例8)
【0301】
【化61−2】

(実施例8についての一般手順)
工程1において、化合物8Aを、適切な溶媒(例えば、DMF)に溶解させ、炭酸セシウムの存在下で、室温にて2時間〜16時間、ヨウ化メチルと反応させた。水およびEtOAcを加え、有機相を水により1回〜5回洗浄して、DMFを除去した。この有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮し、そして乾燥させて、粗生成物(化合物8B)を得、この得られた粗生成物を、さらなる精製なしに使用した。
【0302】
工程2において、アルコールを使用する場合、実施例6の工程2と類似の様式で、反応をもたらした。芳香族スタナンまたは複素環スタナンを使用する場合、以下の様式で、反応をもたらした。芳香族スタナンまたは複素環スタナンを乾燥フラスコに加え、続いて、4−ブロモ−2−メチル−安息香酸メチルエステル(化合物8B)、塩基(例えば、CsCO、KPO)およびパラジウム触媒(例えば、Pd(PPhCl)を加えた。このフラスコを、1分間〜10分間、真空下に置いて酸素を除去し、Nで再び満たした。適切な溶媒(例えば、乾燥CHCN)を加え、この溶液を、60℃〜還流温度にて、一晩〜3日間、攪拌した。固体を濾過により取り出し、溶媒を除去した。化合物8Cを、クロマトグラフィにより単離した。
【0303】
工程3において、化合物8Cを、適切な不活性な溶媒(例えば、ベンゼン、CCl、またはα,α,α−トリフルオロトルエン)に溶解させた。NBSおよび過酸化ベンゾイルを加え、この溶液を、50℃〜90℃にて、1時間〜24時間攪拌した。固体を濾過し、溶媒を除去した。残渣をエーテルに溶解させ、水により洗浄した。このエーテルを除去して、化合物8Dを得、この得られた化合物8Dを、さらなる精製なしに使用した。
【0304】
工程4において、臭化ベンジル(化合物8D)を、ヒダントインメチルアミン8E、KCOおよびDMFと混合した。この溶液を、室温にて12時間〜24時間攪拌した。次いで、固体を濾過により取り出した。この生成物を、逆相HPLCにより精製し得た。化合物8Fおよび8Gが、可変的な比率で得られた。
【0305】
化合物8Fを工程4で単離した場合、工程5を使用する。化合物8Fを、適切な溶媒(例えば、MeOH)に溶解させ、50℃〜還流温度にて、1時間〜12時間攪拌した。ロータリーエバポレータにより溶媒を除去するか、または逆相クロマトグラフィにより精製することにより、生成物が得られた。
【0306】
(実施例9)
【0307】
【化62】

(工程3)
化合物9C(Wyrick,S.D.et al.Journal of Medicinal Chemistry,1987,30(10),1798−806によって記載される手順に従って調製される)(3.33g、18.5mmol)を、乾燥ベンゼン(40mL)に溶解させた。NBS(3.45g、19.4mmol)および過酸化ベンゾイル(134mg、0.55mmol)を加えた。この溶液を、75℃の油浴中で約2時間攪拌した。完全に冷却した後、固体を濾過し、EtO(150mL)で洗浄した。次いで、有機溶液を水(50mL)で2回洗浄し、NaSOまたはMgSOで乾燥させて、濾過し、ロータリーエバポレータにより濃縮した。粗生成物を真空下で乾燥させて、化合物9Dを得、この得られた粗生成物を、さらなる精製なしに使用した。この物質の約75%が化合物9Dであることを示す、H−NMRが得られた。
【0308】
(工程4)
化合物9D(4.62mmol)、化合物9E(824mg、4.62mmol)およびKCO(1.28g、9.24mmol)を、DMF(30mL)中で混合した。この溶液を、室温にて20時間攪拌した。DMF(15mL)を加え、固体を濾過し、DMFで洗浄した。全てのDMF溶液を合わせ、25mLに濃縮した。得られた溶液を、逆相MPLC(CHCN/水、5%〜90%、0.1%HCOHを含む)に適用し、化合物9F(198mg、15%)を得た。
【0309】
(実施例10)
【0310】
【化63】

(工程4)
化合物10D(実施例9で調製される)(902mg、2.07mmol、ファクター=0.75)、化合物10E(実施例1に記載のように調製される、500mg、2.07mmol)およびKCO(629mg、4.56mmol)を、DMF(15mL)中で混合した。この溶液を、室温にて20時間攪拌した。DMF(15mL)を加え、固体を濾過し、DMFで洗浄した。全てのDMF溶液を合わせ、20mLに濃縮した。これを逆相MPLC(CHCN/水、5%〜90%、0.1%HCOHを含む)に適用し、化合物10Fを得た。
【0311】
(工程5)
化合物10F(工程4で調製される)を、MeOH(5mL)に溶解させ、65℃にて5時間攪拌し、次いで、濃縮乾固した。この化合物を水中に懸濁させ、凍結乾燥器で乾燥させて、化合物10G(68.3mg、9.4%)を得た。
【0312】
(実施例11)
【0313】
【化64】

(工程2)
化合物11B(500mg、2.18mmol)、2−トリブチルスタンニルチアゾール(0.97mL、2.84mmol)、Pd(PPhCl、および乾燥CHCNを、窒素下で、還流温度にて一晩攪拌した。室温に冷却後、固体を濾過した。生成物を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc 20:1〜10:1〜5:1)により単離して、化合物11C(480mg、94%)を得た。
【0314】
以下の化合物を、実施例8〜11に記載のように調製した。
【0315】
【化65−1】

【0316】
【化65−2】

以下のさらなる化合物を、実施例8〜11に記載のように調製した。
【0317】
【化66】


【0318】
(実施例12)
【0319】
【化67】

(実施例12についての一般手順)
工程1において、ラセミ化合物12Aを、極性溶媒(例えば、DMF)中の1当量の二炭酸ジ−tert−ブチル、および4−N,N−ジメチルアミノピリジンで、30分間〜12時間、処理した。溶媒を除去し、生成物(化合物12B)を、シリカゲル(ヘキサン中の1%トリエチルアミンで予め処理)クロマトグラフィにより単離した。
【0320】
工程2において、化合物12Bを、HPLCカラムが許容する適切な溶媒に溶解させ、分取Chiralpak ADカラムまたはChiralcel ODカラムを使用したHPLCにより分離して、化合物12Cおよび12Dを得た。
【0321】
工程3において、化合物12Cおよび12Dを、25℃〜60℃にて、1時間〜12時間、メタノール中の過剰なHClで処理した。溶媒を濃縮して、化合物12Eおよび12Fを得た。
【0322】
(実施例13)
【0323】
【化68】

(工程1)
化合物13A(810mg、2,07mmol)、二炭酸ジ−tert−ブチル(429mg、1.97mmol)、および4−ジメチルアミノピリジン(20mg)を、DMF(10mL)とTHF(20mL)との混合物に溶解させた。この溶液を、25℃にて一晩攪拌した。溶媒を、ロータリーエバポレータにより除去した。生成物を、C18クロマトグラフィ(CHCN/水:5%〜90%)により単離して、生成物13B(650mg、70%)を得た。
【0324】
(工程2)
化合物13B(600mg)を、イソ−プロパノール(6mL)とCHCl(4mL)との混合物に溶解させた。2.5mLを、分取chiralcel ODカラム(移動相:イソプロパノール/ヘキサン: 1:4)を用いたHPLCにより分離した。各ピークの画分を回収し、ロータリーエバポレータにより濃縮して、化合物13C(第一ピーク、197mg)および化合物13D(第二ピーク、178mg)を得た。
【0325】
(工程3)
化合物13C(197mg)を、メタノール(3mL)に溶解させた。HCl(ジオキサン中4M、0.5mL)を加えた。この溶液を、60℃の油浴中で3時間攪拌した。メタノールをロータリーエバポレータにより除去して、化合物13Eを得た。
【0326】
化合物13Fを、化合物13D(178mg)と同じ方法で調製した。
【0327】
以下の化合物を、実施例12〜13に記載のように調製した。
【0328】
【化69】


【0329】
(実施例14)
【0330】
【化70】

(実施例14についての一般手順)
工程1において、化合物14A(実施例1に記載のように調製される)を、25℃〜60℃にて、12時間〜24時間、DMF中の臭化ベンジル(化合物14B)およびDIPEA塩基で処理した。この反応溶液を、C18逆相クロマトグラフィにより精製して、化合物14Cを得た。
【0331】
工程2において、化合物14Cを、30分間〜12時間、極性溶媒(例えば、DMF)中の1当量の二炭酸ジ−tert−ブチルで処理した。溶媒を除去し、生成物(化合物14D)を、シリカゲル(ヘキサン中の1%トリエチルアミンで予め処理)クロマトグラフィにより単離した。
【0332】
工程3において、化合物14Dを、複素環ボロン酸もしくは複素環スタナンとのPd触媒反応か、または複素環アミンとの銅触媒反応に供した。この反応を、60℃〜150℃にて5分間〜12時間、適切な溶媒(例えば、DMFおよびアセトニトリル)中で加熱した。場合により、マイクロ波反応器を使用した。生成物をシリカゲルクロマトグラフィにより精製して、化合物14Eまたは化合物14Fを得た。
【0333】
工程4において、化合物14Eを、メタノールに溶解させ、25℃〜60℃にて1時間〜12時間、HClと共に攪拌した。溶媒を除去して、化合物14Fを得た。
【0334】
以下の化合物を、上記実施例14の工程1において記載のように調製した。
【0335】
【化71】


【0336】
(実施例15)
【0337】
【化72】

(工程1)
化合物15A(実施例1に記載のように調製される、1.0g、3.12mmol)、化合物15B(実施例9で調製される、1.06g、3.12mmol、ファクター=0.76)およびDIPEA塩基(1.14mL、6.55mmol)を、DMF(22mL)中で混合した。この溶液を、55℃にて20時間攪拌した。この反応溶液を、C18逆相MPLC(130gカラム、CHCN/水/0.1%HCOH、5%〜90%、2回分離)により精製して、化合物15C(900mg、67%)を得た。
【0338】
(工程2)
化合物15C(2.7g、6.28mmol)を、DMF(20mL)およびTHF(40mL)の混合物中に懸濁させた。二炭酸ジ−tert−ブチル(1.51g、6.91mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(dimethyaminopyridine)(38mg、0.31mmol)を加えた。この溶液を、25℃にて16時間攪拌した。溶媒を、ロータリーエバポレータにより除去した。この残留物をシリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc: 2:1〜1:1)に供して、化合物15D(2.36g、71%)を得た。
【0339】
(工程3)
化合物15D(100mg、0.19mmol)、3,4,5−トリフルオロフェニルボロン酸(40mg、0.23mmol)、1,1’−ビス(トリフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド(15mg、0.02mmol)、炭酸カリウム(水中1M、1mL)およびアセトニトリル(1mL)を、マイクロ波反応器用チューブに加えた。このチューブを密閉し、150℃にて10分間、マイクロ波反応器中で反応させた。完全に冷却した後、水層を除去し、有機層を濃縮した。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィ(CHCl/MeOH/NH: 40:1:0.1)により精製して、化合物15Eを得た。
【0340】
(工程4)
工程3から得た化合物15Eを、MeOH中に懸濁させた。HCl(エチルエーテル中2M、0.5mL)を加えた。反応混合物を、50℃にて5時間攪拌した。溶媒を除去した。生成物を、C18逆相クロマトグラフィ(CHCN/水/0.1%HCOH、5%〜90%)により精製して、化合物15F(8mg、化合物15Dから8.8%)を得た。
【0341】
(実施例16)
【0342】
【化73】

(工程3)
化合物16D(50mg、0.094mmol、実施例13で調製される)、2−トリブチルスタンニルチアゾール(53mg、0.14mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(7mg、0.01mmol)およびアセトニトリル(1mL)を、マイクロ波反応器用チューブに加えた。このチューブを密閉し、150℃にて10分間、マイクロ波反応器中で反応させた。溶媒をエバポレートし、生成物を、シリカゲルクロマトグラフィ(CHCl/MeOH/NH: 40:1:0.1〜20:1:0.1)により精製して、化合物16F(15mg、37%)を得た。
【0343】
(実施例17)
【0344】
【化74】

(工程3)
化合物17D(100mg、0.19mmol、実施例13で調製される)、ピラゾール(15.4mg、0.23mmol)、炭酸セシウム(124mg、0.38mmol)、ヨウ化銅(7.2mg、0.038mmol)、1,10−フェナントロリン(14mg、0.076mmol)およびN,N−ジメチルアセトアミド(0.5mL)を、乾燥反応チューブに加え、窒素で満たした。この反応チューブを密閉し、120℃の油浴中で2日間、加熱した。完全に冷却した後、反応溶液を、C18クロマトグラフィ(CHCN/水/0.1%HCOH、5%〜90%)により精製して、化合物17F(5mg、6.4%)を得た。
【0345】
以下の化合物を、実施例14〜17に記載のように調製した。
【0346】
【化75】


【0347】
(実施例18)
【0348】
【化76】

(工程1)
化合物18A(1.0g、6.4mmol)および化合物18B(1.324g、7.68mmol)を、トルエン(4mL)に溶解させ、80℃にて24時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒をロータリーエバポレータにより除去した。粗生成物の半分を、THF/1N HCl(1:1、14mL)に溶解させ、室温にて2時間攪拌した。EtOAc(15mL)および水(5mL)を加えた。有機相を分離し、水相を、EtOAc(15mL)で2回、抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、ロータリーエバポレータにより濃縮して化合物18Cを得、この得られた化合物18Cを、さらなる精製なしに使用した。
【0349】
(工程2)
化合物18C(工程1で調製される)を、DMF(15mL)に溶解させ、氷水浴中で0℃に冷却した。化合物18D(571mg、3.2mmol)を、一度に加えた。この溶液を、2時間かけて室温まで温め、室温にて3日間攪拌した。2N HCl溶液(20mL)を加え、水相を、EtOAc(50mL)で3回抽出した。有機相を合わせ、NaSOで乾燥させ、濃縮乾固した。生成物を、逆相LC(CHCN/水/0.1%HCOH:5%〜90%)により単離して、化合物18E(65mg、工程1から7.4%)および化合物18F(16mg、工程1から1.8%)を得た。
【0350】
以下の化合物を、実施例18に記載のように調製した。
【0351】
【化77−1】


【0352】
(実施例19)
【0353】
【化77−2】

(実施例19についての一般手順)
工程1において、化合物19Aを、30分間〜12時間、適切な溶媒(例えば、ジクロロメタン)中の2当量のBocOで処理した。溶媒を除去し、化合物19Bをさらなる精製なしに使用するか、またはシリカゲルクロマトグラフィにより精製し得た。
【0354】
工程2において、化合物19Bを、2時間〜12時間、適切な溶媒(例えば、ジクロロメタン)中のPCCおよびセライトで処理した。化合物19Cを、シリカゲルクロマトグラフィにより精製した。
【0355】
工程3により、化合物19Cを、50℃〜90℃にて、5時間〜48時間、適切なアルコールおよび水の溶液中の青酸カリウムおよび炭酸アンモニウムで処理した。完全に冷却した後、水を加え、化合物19Dを濾過により回収し得た。
【0356】
工程4において、化合物19Dを、5時間〜48時間、メタノール中の2当量〜20当量の塩酸と共に攪拌した。溶媒を除去し、化合物19Eをさらなる精製なしに使用し得た。
【0357】
工程5において、臭化ベンジル(化合物19G)を、ヒダントインメチルアミン19E、DIPEAおよびDMFと混合した。この溶液を、室温にて12時間〜24時間攪拌した。生成物(19F)を濾過により除去するか、またはシリカゲルクロマトグラフィにより精製した。
【0358】
(実施例20)
【0359】
【化78】

(実施例20についての一般調製)
工程1において、化合物20Aを、2時間〜12時間、適切な溶媒(例えば、ジクロロメタン)中のBOC−ONで処理した。化合物20Bを、シリカゲルクロマトグラフィにより精製した。
【0360】
工程2において、化合物20Bを、2時間〜12時間、適切な溶媒(例えば、ジクロロメタン)中のCbzClおよび塩基(例えば、DIPEA)で処理した。化合物20Cを、シリカゲルクロマトグラフィにより精製した。
【0361】
工程3において、化合物20Cを、2時間〜12時間、適切な溶媒(例えば、ジクロロメタン)中のPCCおよびセライトで処理した。化合物20Dを,シリカゲルクロマトグラフィにより精製した。
【0362】
工程4において、化合物20Dを、50℃〜90℃にて、1時間〜48時間、適切なアルコールおよび水の溶液中の青酸カリウムおよび炭酸アンモニウムで処理した。完全に冷却した後、水を加え、化合物20Eを濾過により回収し得た。
【0363】
工程5において、化合物20Eを、par振盪機中、H雰囲気下において、適切な溶媒(例えば、メタノール)中のPd/Cで処理した。触媒を濾過して除去し、溶媒を濃縮した後、生成物を、さらなる精製なしに使用した。
【0364】
工程6において、臭化ベンジル(化合物20M)を、ヒダントインメチルアミン20F、DIPEAおよびDMFと混合した。この溶液を、室温〜80℃にて、12時間〜24時間攪拌した。生成物を、濾過により除去するか、またはシリカゲルクロマトグラフィにより精製した。
【0365】
工程7において、化合物20Gを、1時間〜12時間、ジオキサン中の2当量〜20当量の塩酸と共に攪拌した。溶媒を除去し、化合物20Hを、さらなる精製なしに使用した。
【0366】
工程8において、化合物20Hを、カルボン酸と結合させて、化合物20Jを得、この得られた化合物20Jを、シリカゲルクロマトグラフィにより精製した。
【0367】
工程9において、化合物20Hを、塩化スルホニル(sulphonyl)化合物と結合させ、化合物20Lを得、この得られた化合物20Lを、シリカゲルクロマトグラフィにより精製した。
【0368】
工程10において、化合物20Hを、還元アミン化条件下で、カルボニル化合物と反応させ、化合物20Iを得た。あるいは、化合物20Hを、適切な求電子試薬および塩基で処理して、生成物20Iを得、この得られた生成物Iを、シリカゲルクロマトグラフィにより精製した。
【0369】
工程11において、化合物20Iを、還元アミン化条件下で、カルボニル化合物と反応させ、生成物20Kを得た。あるいは、化合物20Iを、適切な求電子試薬および塩基で処理して、生成物20Kを得、この得られた生成物20Kを、シリカゲルクロマトグラフィにより精製した。
【0370】
(実施例21)
【0371】
【化79】

化合物21B:化合物21A(7g、77.7mmol)および二炭酸ジ−tert−ブチル(35.6g、163mmol)を、25℃にて2時間、塩化メチレン(100mL)中で攪拌した。飽和NaCl水(150mL)を加えた。水層を、CHCl(100mL)で2回、抽出した。有機相をブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を回転エバポレーターにより除去して、化合物21B(17g、76%)を得、この得られた化合物21Bを、さらなる精製なしに使用した。
【0372】
化合物21C:化合物21B(17g、58.6mmol)を、塩化メチレン(100mL)中に溶解させた。PCC(25.2g、117mmol)およびセライト(15g)を加え、この反応混合物を、25℃にて一晩攪拌した。固体を濾過して除去し、得られた溶液を濃縮し、sgc(40%EtOAc/ヘキサン)により精製して、3.62g(22%)の化合物21Cを得た。
【0373】
化合物21D:化合物21C(3.62、12.6mmol)、KCN(1.23g、18.9mmol)および(NHCO(3.62g、37.7mmol)を、EtOH(30mL)と水(30mL)との混合物中に懸濁させた。この溶液を、80℃にて一晩攪拌した。完全に冷却した後、水(35mL)を加えた。固体を濾過し、水で3回洗浄した。この固体を真空下で乾燥させて、化合物21D(3g、67%)を得た。
【0374】
化合物21E:化合物21D(3.0g)を、メタノール(50mL)中に懸濁させ、HCl(ジオキサン中4M、20mL)を加えた。この溶液を、25℃にて3時間攪拌した。エチルエーテル(50mL)を加えた。固体を濾過し、エチルエーテルで2回洗浄し、真空下で化合物21E(1.34g、70%)を乾燥させた。
【0375】
化合物21F:化合物21E(130mg、0.82mmol)、化合物21H(0.27g、1mmol)およびDIPEA(0.55mL、2mmol)を、DMF(5mL)中で混合した。この溶液を、室温にて一晩攪拌した。溶媒を除去し、粗物質をsgc(5%NH・MeOH/CHCl)により精製して、129mg(35%)の化合物21Fを得た。
【0376】
(実施例22)
【0377】
【化80】

化合物22B:化合物22A(7.3g、81mmol)を、3時間、ジクロロメタン中のBOC−ON(21.9g、89mmol)で処理した。溶媒を除去し、粗物質をsgc(10%NH・MeOH/CHCl)により精製して、6.5(42%)の化合物22Bを得た。
【0378】
化合物22C:化合物22B(1.5g、7.9mmol)を、0℃にて、ジクロロメタン(50mL)に溶解させた。CbzCl(1.24ml、8.7mmol)およびDIPEA(1.52ml、8.7mmol)を加え、この反応物を、0℃にて30分間攪拌した。この反応混合物を、HCl(1N、50mL)およびブライン(50mL)により洗浄した。有機層を乾燥させ、濃縮して、粗化合物22C(2.6g、99%)を得、この得られた粗化合物22Cを、さらなる精製なしに使用した。
【0379】
化合物22D:化合物22C(2.78g、8.57mmol)を、塩化メチレン(100mL)に溶解させた。PCC(4.62g、21.4mmol)およびセライト(4.6g)を加え、この反応混合物を、25℃にて一晩攪拌した。さらに0.5当量のPCC(923mg、4.3mmol)を加え、室温にて3時間攪拌した。固体を濾過して除去し、得られた溶液を濃縮し、sgc(50%EtOAc/ヘキサン)により精製して、1.86g(73%)の化合物22Dを得た。
【0380】
化合物22E:化合物22D(1.86g、5.8mmol)、KCN(0.56g、8.65mmol)および(NHCO(1.66g、17.3mmol)を、EtOH(20mL)と水(20mL)との混合物中に懸濁させた。この溶液を、80℃にて一晩攪拌した。完全に冷却した後、EtOHを除去した。固体を濾過し、水で3回洗浄した。この固体を真空下で乾燥させて、化合物22E(1.45g、64%)を得た。
【0381】
化合物22F:化合物22E(1.45g、3.68mmol)を、par振盪機中、50psiのH雰囲気下において60時間、メタノール中のPd/Cで処理した。触媒を濾過して除去し、溶媒を濃縮した後、化合物22E(0.95g、99%)を、さらなる精製なしに使用した。
【0382】
化合物22G:化合物22F(150mg、0.58mmol)、化合物22M(170mg、0.64mmol)およびDIPEA(0.22mL、1.28mmol)を、DMF(5mL)中で混合した。この溶液を、70℃にて一晩攪拌した。溶媒を除去し、粗物質をsgc(5%NH・MeOH/CHCl)により精製して、166mg(71%)の化合物22Gを得た。
【0383】
化合物22H:化合物22G(166mg)を、メタノール(10mL)中に懸濁させ、HCl(ジオキサン中4M、4mL)を加えた。この溶液を、25℃にて2時間攪拌した。エチルエーテル(50ml)を加えた。溶媒を除去し、化合物22H(0.14g、99%)を得た。
【0384】
化合物22I:化合物22H(42mg、0.12mmol)および化合物22J(26mg、0.16mmol)を、DMF(20mL)に溶解させた。EDCl(30mg、0.16mmol)、HOBT(21mg、0.16mmol)およびDIPEA(0.05mL、0.28mmol)を加え、この反応混合物を、室温にて2時間攪拌した。溶媒を除去し、粗物質をsgc(10%NH・MeOH/CHCl)により精製して、7mg(13%)の化合物22Iを得た。
【0385】
化合物22L:化合物22H(25mg、0.073mmol)およびシクロペンタノン(7.5mg、0.088mmol)を、塩化メチレン(5mL)中で攪拌した。チタニウムテトライソプロポキシド(0.043mL、0.15mmol)を加え、続いてDIPEA(0.015mL、0.088mmol)を加えた。この反応混合物を、室温にて2時間攪拌した。次いで、Na(OAc)BH(31mg、0.15mmol)を加え、この混合物を、室温にて一晩攪拌した。飽和KCO水(20mL)を加え、この混合物を、室温にて少しの間、攪拌した。固体をセライトパッドに通して濾過し、除去した。濾液を塩化メチレン(30mL)で希釈し、ブラインで抽出した。有機層を乾燥させ、濃縮乾固した。粗物質をPTLC(10%NH・MeOH/CHCl)により精製して、7mg(26%)の化合物22Lを得た。
【0386】
化合物22K:化合物22H(20mg、0.06mmol)およびイソプロピルスルホニル(27mg、0.18mmol)を、塩化メチレン(10mL)に溶解させた。DIPEA(0.04mL、0.26mmol)を加え、反応混合物を、室温にて48時間攪拌した。溶媒を除去し、粗物質をsgc(10%NH・MeOH/CHCl)により精製して、2mg(8%)の化合物22Kを得た。
【0387】
以下の化合物を、実施例19〜22に記載のように調製した。
【0388】
【化81】

【0389】
【化82−1】


【0390】
(実施例1001)
【0391】
【化82−2】

(工程1)
無水DMF(35mL)中の化合物1001A(1.65g、3.95mmol)の溶液に、塩化2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMCl、0.93mL、4.73mmol)およびDIPEA(0.9mL、5.14mmol)を加えた。この溶液を、25℃にて一晩攪拌した。DMFを、真空下で除去した。生成物1001Bを、SGC(ヘキサン/EtOAc、2:1、収率:1.6g、74%)により精製した。
【0392】
(工程2)
化合物1001Bを、Chiralcel ODカラム(移動相:ヘキサン/2−プロパノール 3:1)により分離した。第一ピークを回収し、濃縮して、化合物1001Cを得た。
【0393】
(工程3)
乾燥フラスコに、化合物1001C(1.5g、2.73mmol)および4−ピリジルボロン酸(670mg、5.50mmol)を加えた。このフラスコを、真空にし(vacuum)、窒素で再び満たした(3回)。Pd(dppf)Cl(220mg、0.30mmol)を加え、続いてCHCN(20mL)およびKCO水(1M、15mL)を加えた。この溶液を、80℃(油浴)にて16時間攪拌した。完全に冷却した後、CHCN(100mL)を加え、固体を濾過により除去した。水層を分離し、EtOAc(20mL)で1回、抽出した。有機溶液を合わせ、濃縮した。生成物をSGC(CHCl/MeOH/NHOH: 20:1:0.1)により精製して、化合物1001Dを得た。
【0394】
(工程4)
化合物1001Dを、メタノールとHCl(ジオキサン中4M)との混合(2:1,30mL)に溶解させ、90℃(油浴)にて一晩、密閉した耐圧フラスコ(pressure flask)中で攪拌した。この溶液を冷却後、溶液を250mL丸底フラスコに入れ変えた。この溶液を濃縮し、真空下で乾燥させた。粗混合物を、メタノール(50mL)に溶解させ、EtN(0.5mL)を加え、25℃にて一晩攪拌した。次いで、溶媒を除去し、生成物を、C18逆相クロマトグラフィ(CHCN/水 5%〜90%、0.1%HCOHを添加)により精製して、化合物1001E(815g、化合物1001Cから71%)を得た。
【0395】
(実施例1002)
【0396】
【化83】

火炎乾燥したフラスコに、化合物1003A(100mg、0.182mmol)、[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]パラジウム(II)ジクロリド[Pd(dppb)Cl、12mg、0.02mmol]および酸化銅(II)(15mg、0.18mmol)を加えた。このフラスコを真空にし、窒素で再び満たした。2−トリ−n−ブチルスタンニルピリジン(0.076mL、0.237mmol)およびDMF(1mL)を加えた。この溶液を、100℃の油浴にて5時間攪拌した。冷却後、ロータリーエバポレータによりDMFを除去した。生成物をSGC(ヘキサン/EtOAc 2:1)により精製して、1003B(84mg、84%)を得た。
【0397】
(実施例1003)
【0398】
【化84】

乾燥耐圧チューブに、化合物1003A(50mg、0.091mmol)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム[Pd(dba)、1.6mg、0.0018mmol]、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(Xantphos、3.0mg、0.0055mmol)およびCsCO(60mg、0.182mmol)を加えた。耐圧チューブを真空にし、窒素で再び満たした。ピロリジノン(14mg、0.16mmol)およびジオキサン(0.5mL)を加えた。このチューブを密閉し、100℃(油浴)にて一晩攪拌した。冷却後、ジオキサン(2mL)を加え、固体を濾過により除去した。この溶液を濃縮し、SGC(CHCl/MeOH: 40:1)により精製して、化合物1003B(27mg)を得た。
【0399】
(実施例1004)
【0400】
【化85】

(工程1)
化合物1001Cを、実施例1001に記載のように調製した。
【0401】
1,4−ジオキサン(10mL)中の化合物1001C(0.3g、0.55mmol)と、ビス(ピナコラート)ジボロン(1004A;170mg、0.65mmol)と、酢酸カリウム(170mg、1.70mmol)と、[PdCl(dppf)]CHCl(50mg、0.05mmol)との混合物を真空にし、アルゴンで再び満たした(3回)。この反応混合物を、100℃(油浴)にて1.5時間、攪拌した。完全に冷却した後、この混合物をEtOAc(50mL)中で希釈し、セライトパッドに通して濾過した。濾液を真空中で濃縮し、残留物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(CHCl中の2%MeOH)により精製して、化合物1004B(300mg、収率91%)を得た。
【0402】
(工程2)
CHCN(3mL)中の化合物1004B(60mg、0.10mmol)、3−ブロモイミダゾ[1,2−a]ピリジン(30mg、0.15mmol)および[PdCl(dppf)]CHCl(8.2mg、0.01mmol)の溶液を、炭酸カリウム(0.6mL、0.6mmol、HO中1M)で処理した。この混合物を真空にし、アルゴンで再度満たした(3回)。この反応混合物を、90℃(油浴)にて17時間、攪拌した。冷却後、この混合物を、EtOAc(20mL)中に希釈し、セライトパッドに通して濾過した。濾液を真空中で濃縮し、残留物質を分取TLC(CHCl中の10%MeOH)により精製して、化合物1004C(42mg、収率71%)を得た。
【0403】
以下の化合物を、実施例1001、1002、1003または1004に記載のように調製した。
【0404】
【化86】

【0405】
【化87】

【0406】
【化88】

【0407】
【化89】

【0408】
【化90】

【0409】
【化91】

【0410】
【化92】

【0411】
【化93−1】


【0412】
(実施例1005)
【0413】
【化93−2】

(実施例1005についての一般手順)
化合物1005Aを、約5時間、クロロホルムまたは他の適切な溶媒中の1当量のヘキサメチレンテトラアミンで処理した。生成物を濾過により回収し、次いで、1日〜3日の間、エタノール中のHClで処理した。次いで、濾過により固体を回収して、化合物1005Bを得た。
【0414】
(実施例1006)
【0415】
【化94】

1−ベンゾフラン−2−イル−2−ブロモ−エタノン(1006A、3.0g、12.55mmol)、ヘキサメチレンテトラアミン(1.94g、13.80mmol)およびNaI(350mg)を、CHCl(40mL)中で5時間、攪拌した。固体を濾過により回収し、真空下で乾燥させた。次いで、この固体をエタノール(30mL)中に懸濁させ、HCl(濃縮、水中36%、10mL)を加えた。この溶液を、25℃にて4日間攪拌した。固体を濾過により回収し、エタノールにより洗浄し、真空下で乾燥させて、化合物1006B(3.05g、NHClを含む)を得た。
【0416】
(実施例1007)
【0417】
【化95】

(工程1)
火炎乾燥したフラスコに、2−ブロモ−1H−ベンズイミダゾール(1007A、2.94g、14.92mmol)、無水THF(75mL)およびNaH(95%、490mg、19.4mmol)を加えた。この溶液を、25℃にて45分間攪拌した;SEMCI(3.17mL、17.9mmol)を加えた。この溶液を、25℃にて2.5時間、攪拌した。水(50mL)およびEtOAc(100mL)で1回、抽出した。水層を分離し、EtOAc(100mL)を加えた。有機層を合わせ、真空下で濃縮した。生成物を、SGC(ヘキサン/EtOAc: 3:1)により精製して、化合物1007B(3.6g、74%)を得た。
【0418】
(工程2)
火炎乾燥したフラスコに、化合物1007B(1.427g、4.35mmol)および無水エチルエーテル/THF(2:1,15mL)を加えた。この溶液を、−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム(1.6M、0.46mL、0.73mmol)を加え、−78℃にて30分間、攪拌した。火炎乾燥した別の梨形フラスコに、N−(tert−ブトキシカルボニル)グリシン−N’−メトキシ−N’−メチルアミド(949mg、4.35mmol)および無水THF(2mL)を加えた。塩化イソプロピルマグネシウム(2M、2.5mL、5.0mmol)を、0℃にて加えた。この溶液を、0℃にて5分間攪拌し、−78℃にて、化合物1003C溶液にカニューレを通じて加えた。次いでこの溶液を、−20℃まで徐々に温めて、−20℃と10℃の間で4時間攪拌した。飽和NHCl溶液を加え、この水溶液をEtOAc(50mL)で3回、抽出した。有機相を合わせ、濃縮した。生成物をSGC(ヘキサン/EtOAc: 3:1)により精製して、化合物1007C(1.0g、57%)を得た。
【0419】
以下の化合物を、実施例1、14、1005、1006および/または1007に記載のように調製した。
【0420】
【化96】

【0421】
【化97】


【0422】
(実施例1008)
【0423】
【化98】

化合物1008A(20g、81.61mmol)、1008B(13.36mL、97.93mmol)、Pd(dppf)Cl(1.0g、1.36mmol)、ジオキサン(350mL)、水(50mL)およびCsCO(22.5g、163mmol)を、窒素下において、110℃(油浴)にて16時間攪拌した。冷却後、固体を濾過により除去した。溶液を濃縮し、SGC(ヘキサン/EtOAc、10:1)により精製して、1008C(12.1g、80%)を得た。
【0424】
以下の化合物を、実施例14および実施例1008に記載のように調製した。
【0425】
【化99】


【0426】
(実施例1009)
【0427】
【化100】

(工程1)
化合物1009A(1.18g、3.36mmol)および塩酸ピリジン(2.33g、20.17mmol)を、20mLマイクロ波反応器用チューブに加え、200℃にて1時間、反応させた。完全に冷却した後、固体をDMFに溶解させ、C18クロマトグラフィ(CHCN/水 5%〜90%、0.1%HCOH)により精製して、化合物1009B(0.87g、77%)を得た。
【0428】
(工程2)
化合物1009B(0.75g、2.22mmol)を、DMF(12mL)中に溶解させた。SEMCl(0.48mL、2.44mmol)およびDIPEA(0.775mL、4.44mmol)を加え、この溶液を、25℃にて4時間攪拌した。DMFを真空下で除去し、生成物をSGC(ヘキサン/EtOAc: 3:1〜1:1)により精製して、化合物1009C(0.81g、78%)を得た。
【0429】
(工程3)
化合物1009Cを、ヘキサンおよび2−プロパノールを移動相として使用することにより、Chiralcel ODカラムを用いて分離した。第一ピークを回収し、濃縮して、化合物1009Dを得た。
【0430】
(工程4)
化合物1009D(100mg、0.214mmol)、1−ブロモ−2−ブチン(34mg、0.257mmol)およびCsCO(140mg、0.428mmol)を、DMF(2mL)中で、0℃にて2時間攪拌し、次いで、25℃にて一晩攪拌した。水(5mL)を加え、この水溶液を、EtOAc(10mL)で3回、抽出した。有機相を合わせ、濃縮した。生成物をSGC(ヘキサン/EtOAc: 3:1)により精製して、化合物1009E(81mg)を得た。
【0431】
(実施例1010)
【0432】
【化101】

(工程1)
化合物1010A(1.03g、1.88mmol)、(BOC)O(493mg、2.26mmol)およびCsCO(741mg、2.26mmol)を、CHCl(20mL)中で一晩攪拌した。水を加えた。水層を、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を濃縮し、SGC(ヘキサン/EtOAc 5%〜90%)により精製して、化合物1010B(1.01g、83%)を得た。
【0433】
(工程2)
乾燥フラスコに、化合物1010B(500mg、0.77mmol)および4−ピリジルボロン酸(190mg、1.55mmol)を加えた。このフラスコを真空にし、窒素で再び満たした(3回)。Pd(dppf)Cl(28mg、0.04mmol)を加え、続いてCHCN(5mL)およびKCO(1M、4mL)を加えた。この溶液を、80℃(油浴)にて16時間攪拌した。完全に冷却した後、CHCN(100mL)を加え、固体を濾過により除去した。水層を分離し、EtOAc(20mL)で1回、抽出した。有機溶液を合わせ、濃縮した。生成物をSGC(CHCl/MeOH/NHOH: 20:1:0.1)により精製して、化合物1010Cを得た。
【0434】
(工程3)
工程2で得られた化合物1010Cを、MeOH(10mL)に溶解させ、HCl(ジオキサン中4M、3mL)を加え、25℃にて一晩攪拌した。次いで、MeOHを除去し、生成物を真空下で乾燥させて、化合物1010D(315mg、化合物1010Bから75%)を得た。
【0435】
以下の化合物を、実施例14および1009または1010に記載のように調製した。
【0436】
【化102】

【0437】
【化103】

【0438】
【化104】

【0439】
【化105】

【0440】
【化106】

【0441】
【化107】

【0442】
【化108】

【0443】
【化109】

【0444】
【化110】

【0445】
【化111−1】


【0446】
(実施例1011)
【0447】
【化111−2】

DMF(5mL)中の化合物1011A(100mg)の溶液に、m−クロロベンゾイルペルオキシド(MCPBA、100mg)を加えた。この溶液を、25℃にて一晩攪拌した。生成物をC18逆相クロマトグラフィ(CHCN/水 5%〜90%、0.1%HCOH)により精製して、化合物1011B(73mg)を得た。
【0448】
以下の化合物を、実施例1010および1011に記載のように調製した。
【0449】
【化112−1】


【0450】
(実施例1012)
【0451】
【化112−2】

工程1において、化合物1012Aを、2時間〜12時間、THFとt−BuOHとの混合物中のニトロメタンおよびKOtBuで処理した。あるいは、化合物1012Aを、2時間〜12時間、適切な溶媒(例えば、THF)中のニトロメタンおよびTBAFで処理した。化合物1012Bを、シリカゲルクロマトグラフィにより精製した。
【0452】
工程2において、化合物1012Bを、Parr振盪機中、H雰囲気下において、適切な溶媒(例えば、メタノール)中のPd/Cで処理した。触媒を濾過して除去し、溶媒を濃縮後、生成物を、さらなる精製なしに使用した。
【0453】
工程3において、臭化ベンジル(化合物1012D)を、化合物1012C、DIPEAおよびDMFと混合した。この溶液を、0℃〜室温にて、12時間〜24時間、攪拌した。生成物を、濾過により除去するか、またはシリカゲルクロマトグラフィにより精製した。
【0454】
工程4において、化合物1012Eを、2時間〜12時間、適切な溶媒(例えば、ジクロロメタン)中のPCCおよびセライトで処理した。化合物1012Fを、シリカゲルクロマトグラフィにより精製した。
【0455】
工程5において、化合物1012Fを、50℃〜90℃にて、5時間〜48時間、適切なアルコールおよび水の溶液中の青酸カリウムおよび炭酸アンモニウムと反応させた。冷却後、水を加え、化合物1012Gを濾過により回収した。
【0456】
(実施例1013)
【0457】
【化113】

化合物1013B:THF(15mL)およびt−BuOH(15mL)の溶液に、化合物1013A(1.2g、5.6mmol)およびニトロメタン(0.61mL、11.2mmol)を加え、続いてKOtBu(0.63g、5.6mmol)を加えた。この反応混合物を、室温にて2時間攪拌した。この反応混合物を、HOAcを使用して、pH6に調節した。この反応混合物を、EtOAc(30mL)で希釈し、ブラインで抽出した。水層を、EtOAc(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮乾固した。粗物質をPTLC(25%EtOAc/ヘキサン)により精製して、1.24g(81%)の化合物1013Bを得た。
【0458】
化合物1013C:化合物1013B(1.24g、4.5mmol)を、Parr振盪機中、H雰囲気下(50psi)において、一晩、メタノール中のPd/Cで処理した。触媒を濾過して除去し、溶媒を濃縮後、化合物1013C(1.1g、99%)を、さらなる精製なしに使用した。
【0459】
化合物1013E:化合物1013C(1.02g、4.2mmol)を、0℃にて、ジクロロメタン(30mL)に溶解させた。化合物1013D(1.13g、4.2mmol)およびDIPEA(0.73mL、4.2mmol)を加え、この反応物を、0℃にて攪拌し、室温までゆっくりと、一晩かけて温めた。この反応混合物を、HCl(1N、50mL)およびブライン(50mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ、濃縮乾固した。粗物質をPTLC(50%EtOAc/ヘキサン)により精製して、0.88g(54%)の化合物1013Eを得た。
【0460】
化合物1013F:化合物1013E(0.88g、2.25mmol)を、塩化メチレン(30mL)に溶解させた。PCC(1.22g、5.63mmol)およびセライト(1.22g)を加え、この反応混合物を、25℃にて一晩攪拌した。固体を濾過して除去し、得られた溶液を濃縮し、sgc(90%EtOAc/ヘキサン)により精製して、0.62g(71%)の化合物1013Fを得た。
【0461】
化合物1013G:化合物1013F(1.01g、2.6mmol)、KCN(0.25g、3.9mmol)、および(NHCO(0.75g、7.8mmol)を、メタノール(7N、10mL)中のNHと水(10mL)との混合物中に懸濁させた。この溶液を、90℃にて一晩攪拌した。冷却後、水(20mL)を加えた。固体を濾過し、水で3回、洗浄した。この固体を真空下で乾燥させ、化合物1013G(0.86g、72%)を得た。
【0462】
(実施例1014)
【0463】
【化114】

(工程1)
化合物1014Aを、5時間〜48時間、メタノール中の2当量〜20当量の塩酸と共に攪拌した。溶媒を除去し、化合物1014Bを、さらなる精製なしに使用し得た。
【0464】
(工程2)
化合物1014Bを、カルボン酸無水物およびDIPEAで処理して化合物1014Cを得、この得られた化合物1014Cを、シリカゲルクロマトグラフィにより精製した。
【0465】
(工程3)
化合物1014Bを、塩化スルホニル化合物と結合させて化合物1014Dを得、この得られた化合物1014Dを、シリカゲルクロマトグラフィにより精製した。
【0466】
(工程4)
化合物1014Bを、還元アミン化条件下でカルボニル化合物と反応させて、化合物1014Eを得た。あるいは、化合物1014Bを、適切な求電子試薬および塩基で処理して化合物1014Eを得、この得られた化合物1014Eを、シリカゲルクロマトグラフィにより精製した。
【0467】
(工程5)
化合物1014Bを、イソシアネート化合物およびDIPEAと反応させて化合物1014Fを得、この得られた化合物1014Fを、シリカゲルクロマトグラフィにより精製した。
【0468】
(実施例1015)
【0469】
【化115】

化合物1015B:化合物1015A(0.86g)を、メタノール(10mL)中に懸濁させ、HCl(ジオキサン中4M、10mL)を加えた。この溶液を、25℃にて3時間攪拌した。溶媒を除去し、物質を真空下で乾燥させて化合物1015B(0.74g、99%)を得た。
【0470】
化合物1015C:化合物1015B(40mg、0.11mmol)および安息香酸無水物(25mg、0.11mmol)を、DMF(1mL)中に溶解させた。DIPEA(0.06mL、0.33mmol)を加え、この反応混合物を、室温にて一晩攪拌した。溶媒を除去し、粗物質をsgc(5%NH・MeOH/CHCl)により精製して、3.7mg(7%)の化合物1015Cを得た。
【0471】
化合物1015D:化合物1015B(40mg、0.11mmol)および化合物1015H(30mg、0.11mmol)を、DMF(1mL)に溶解させた。DIPEA(0.25mL、1.4mmol)を加え、この反応混合物を、室温にて一晩攪拌した。溶媒を除去し、粗物質をsgc(5%NH・MeOH/CHCl)により精製して、2.2mg(3%)の化合物1015Dを得た。
【0472】
化合物1015E:化合物1015B(40mg、0.11mmol)および化合物1015I(0.024mL、0.22mmol)を、DMF(1mL)に溶解させた。KCO(46mg、0.33mmol)を加え、この反応混合物を、90℃にて一晩攪拌した。溶媒を除去し、粗物質をsgc(5%NH・MeOH/CHCl)により精製して、2.6mg(5%)の化合物1015Eを得た。
【0473】
化合物1015F:化合物1015B(46mg,0.13mmol)およびシクロブタノン(0.2mL)を、塩化メチレン(1mL)中で攪拌した。チタンテトライソプロポキシド(0.045mL、0.15mmol)を加え、続いてDIPEA(0.027mL、0.16mmol)を加えた。この反応混合物を、室温にて2時間攪拌した。次いで、NaCNBH(41mg、0.65mmol)を加え、この混合物を、室温にて一晩攪拌した。溶媒を除去した。粗物質を、PTLC(10%NH・MeOH/CHCl)により精製して、3.1mg(6%)の化合物1015Fを得た。
【0474】
化合物1015G:化合物1015B(80mg、0.24mmol)およびイソシアン酸エチル(0.018mL、0.24mmol)を、DMF(1mL)に溶解させた。DIPEA(0.17mL、0.97mmol)を加え、この反応混合物を、室温にて一晩攪拌した。溶媒を除去し、粗物質をsgc(9%NH・MeOH/CHCl)により精製して、11mg(11%)の化合物1015Gを得た。
【0475】
以下の化合物を、実施例1012〜1015に記載のように調製した。
【0476】
【化116】

【0477】
【化117】

【0478】
【化118】

【0479】
【化119−1】


【0480】
(実施例1016)
【0481】
【化119−2】

化合物1016B:化合物1016A(500mg、1.77mmol)を、CHCN(5mL)中に懸濁させ、続いてNaN(CHO)(202mg、2.12mmol)を加えた。この反応混合物を、室温にて30分間攪拌した後、70℃まで温め、2時間攪拌した。固体を吸引濾過により回収し、アセトニトリルで洗浄して、褐色固体として1016B(380mg、78%)を得た。
【0482】
化合物1016C:化合物1016B(380mg、1.38mmol)を、室温にて2日間、HCl(36%水、1mL)およびEtOH(10mL)と共に攪拌した。次いで、60℃に2時間加熱した。溶媒を除去し、真空下で乾燥させて、1016C(345mg、98%)を得た。この物質を、さらなる精製なしに使用した。
【0483】
以下の化合物を、実施例1016、実施例2および実施例8に記載のように調製した。
【0484】
【化120】


【0485】
(実施例1017)
【0486】
【化121】

化合物1017C:化合物1017A(1.5g、8.26mmol)を、0℃にて、ジクロロメタン(20mL)およびメタノール(10mL)に溶解させた。化合物1017B(2.64g、10mmol)およびDIPEA(2.9mL、16.5mmol)を加え、この反応物を0℃にて攪拌し、室温までゆっくりと一晩かけて温めた。次いで、この反応混合物を50℃に加熱し、2時間攪拌した。反応混合物をブライン(50mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ、濃縮乾固した。粗物質をPTLC(50%EtOAc/ヘキサン)により精製し、0.7g(29%)の化合物1017Cを得た。
【0487】
化合物1017D:化合物1017C(200mg、0.68mmol)を、0℃にて、CHCl(15mL)中で攪拌し、続いて化合物1017I(0.5mL、2.04mmol)およびTMS−OTf(13μL、0.07mmol)を加えた。この反応混合物を、0℃〜5℃にて、6時間攪拌した後、室温まで温め、一晩攪拌した。溶媒を除去し、粗物質をPTLC(EtOAc)により精製して、0.21g(91%)の化合物1017Dを得た。
【0488】
化合物1017E:化合物1017D(210mg、0.62mmol)を、60℃にて一晩、NHNH(0.2mL、6.2mmol)およびEtOH(2mL)と共に、密閉したチューブ中で加熱した。溶媒を除去し、粗物質1017E(210mg、99%)を得、この得られた粗物質1017Eを、さらなる精製なしに使用した。
【0489】
化合物1017F:化合物1017E(210mg、0.62mmol)およびイソシアン酸エチル(59μL、0.74mmol)を、CHCl(10mL)に溶解させた。この反応混合物を、室温にて一晩攪拌した。この混合物に、EtN(0.43mL、3.1mmol)、DMAP(15mg、触媒)およびp−TsCl(141mg、0.74mmol)を加えた。この反応物を、室温にて一晩攪拌した。溶媒を除去し、粗物質をsgc(10%NH・MeOH/CHCl)により精製して、60mg(25%)の化合物1017Fを得た。
【0490】
化合物1017G:化合物1017F(60mg、0.15mmol)を、65℃にて48時間、HCl(3mL、ジオキサン中の4N)と共に、密閉したチューブ中で加熱した。溶媒を除去し、粗物質をsgc(5%NH・MeOH/CHCl)により精製して、35mg(66%)の化合物1017Gを得た。
【0491】
化合物1017H:化合物1017G(34mg、0.1mmol)、KCN(10mg、0.15mmol)および(NHCO(30mg、0.3mmol)を、NH・HO(1mL)とエタノール(1mL)の混合物中に懸濁させた。この溶液を、90℃にて一晩攪拌した。溶媒を除去し、粗物質をsgc(10%NH・MeOH/CHCl)により精製して、6mg(15%)の化合物1017Hを得た。
【0492】
以下の化合物を、実施例1017に記載のように調製した。
【0493】
【化122−1】


【0494】
(実施例1018)
【0495】
【化122−2】

化合物1018A:化合物1018Aを、実施例1012における手順に従い合成した。
【0496】
化合物1018B:化合物1018A(180mg、0.47mmol)を、室温にて、MeOH(1mL)中で攪拌した。HCl(3mL、ジオキサン中4N)を加え、この反応混合物を、70℃に一晩加熱した。溶媒をエバポレートした。粗物質を水に溶解させ、固体を吸引濾過により回収して、1018B(115mg、71%)を得た。
【0497】
(実施例1019)
【0498】
【化123】

化合物1019A:化合物1019Aを、実施例1012に記載される手順に従い合成した。
【0499】
化合物1019B:化合物1019A(74mg、0.18mmol)を、EtOH(2mL)に溶解させ、HCl(0.4mL、36%水)を加え、反応混合物を70℃に一晩加熱した。溶媒を除去し、薄黄色の固体として1019B(74mg、99%)を得た。
【0500】
化合物1019C:化合物1019B(20mg、0.05mmol)を、120℃にて一晩、DMF(1mL)およびHCl(触媒、ジオキサン中4N)中で攪拌した。溶媒を除去し、粗物質をPTLC(9%NH・MeOH/CHCl)により精製して、8mg(37%)の化合物1019Cを得た。
【0501】
以下の化合物を、実施例1012、1018および1019に記載のように調製した。
【0502】
【化124】


【0503】
(実施例1020)
【0504】
【化125】

化合物1020A:化合物1020Aを、実施例22に記載される手順に従い合成した。
【0505】
化合物1020B:化合物1020A(855mg、1.86mmol)を、室温にて2時間、MeOH(10mL)およびHCl(10mL、ジオキサン中4N)中で攪拌した。溶媒を除去し、物質を乾燥させて、1020B(735mg、99%)を得た。
【0506】
以下の化合物を、実施例22および実施例1020に記載のように調製した。
【0507】
【化126】

【0508】
【化127−1】


【0509】
(実施例1021)
【0510】
【化127−2】

(工程1)
DMF(100mL)、炭酸セシウム(41.13g、126mmol)および2−クロロ−5−メチルフェノール(1021A)(15.0g、105mmol)を、フラスコに加えた。ヨウ化メチル(17.92g、126mmol)を、付加漏斗(addition funnel)により滴下した。この反応混合物を、室温にて一晩攪拌した。この反応混合物を、EtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させた。得られた物質を濾過し、濃縮乾固した。粗生成物を、1:4 EtOAc:ヘキサンを移動相として使用したフラッシュsgcにより精製し、15.93gの1021Bを得た。
【0511】
(工程2)
AlCl(2.55g、19.1mmol)およびLiCl(0.41g、9.6mmol)を含むフラスコを、−30℃の冷浴中に置いた。20mLのCHCl中の1021B(1.0g、6.38mmol)および塩化アセチル(0.75g、9.5mmol)の溶液を滴下した。この反応混合物を、−30℃にて1時間攪拌し、次いで、室温に温めさせ、室温にて一晩攪拌した。この反応混合物を、氷とEtOAcとの混合物に注いだ。有機層を水、飽和NaHCO水、そして水で洗浄し、次いで、NaSOで乾燥させ、濃縮乾固して、1.18gの化合物1021Cを得た。
【0512】
(工程3)
水酸化ナトリウム(58g、1.45mol)を、水(260mL)に溶解させ、このフラスコを、氷水浴中で冷却した。臭素(19mL)を、攪拌しながらフラスコに滴下した。添加の完了後、この反応混合物を、0.5時間攪拌した。得られた溶液を、化合物1021C(18.5g、93.1mmol)含む氷水で冷却したフラスコに滴下した。添加の完了後、この反応混合物を室温に温めさせ、一晩攪拌しておいた。この反応混合物を、40℃にて2時間加熱した。NaHSO(55g)を加えた。この反応混合物を、1時間攪拌した。得られた物質を、10%NaOH水で希釈し、EtOAcで抽出して出発物質を除去した。水層をpH1に調節し、さらなるEtOAcで抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮乾固して、12.31gの1021Dを得た。
【0513】
(工程4)
DMF(10mL)、化合物1021D(0.50g、2.49mmol)およびKCO(0.41g、2.96mmol)を、フラスコに加えた。ヨウ化メチル(0.42g、2.96mmol)を滴下した。この反応混合物を、室温にて一晩攪拌した。この反応混合物を濃縮乾固して、0.52gの1021Eを得た。
【0514】
以下の化合物を、実施例14および実施例1021の工程1に記載のように調製した。
【0515】
【化128】

本発明の一部の代表的な化合物の得意的なTACE阻害活性(Ki値)を、以下に提示する。
【0516】
【化129】

【0517】
【化130】

【0518】
【化131】

上記の実施形態に対し、それらの広範な発明概念から逸脱することなく、変更がなされ得ることが、当業者に理解される。したがって、本発明は、開示される特定の実施形態に限定するのではなく、別添の特許請求の範囲により規定されるような本発明の精神および範囲を超えない改変を包含することを意図することが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

によって表される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体であって、ここで、
Xは、−S−、−C(R−または−N(R)−からなる群より選択され;
Tは、H(UおよびVは存在しない)、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アルキルアリールおよびアリールアルキルからなる群より選択され、該アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アルキルアリールおよびアリールアルキルは、必要に応じて、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アルキルアルールおよびアリールアルキルから選択される1以上の部分と縮合され、ここで、Tの該アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アルキルアリールおよびアリールアルキル基のいずれかの各々は、非置換であるか、または必要に応じて、1〜4個のR10部分で独立して置換され、該R10部分は、同じであるかまたは異なり得、各R10部分は独立して、以下のR10部分の群から選択され;
Uは、存在しないか、または存在し、存在する場合、Uは、共有結合、−N(R)−、−N(R)C(R−、−N(R)C(O)−−O−、−N(R)S(O)−、−N(R)C(O)N(R)−、および−N(R)C(S)N(R)−から選択され;
Vは、存在しないか、または存在し、存在する場合、Vは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよびシクロアルキルからなる群より選択され、該アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アルキルアリールおよびアリールアルキルは、必要に応じて、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アルキルアリールおよびアリールアルキルからなる群より選択される1以上の部分と縮合され、ここで、該アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよびシクロアルキルのいずれかの各々は、非置換であるか、または必要に応じて、1〜4個のR10部分で独立して置換され、該R10部分は、同じであるかまたは異なり得、各R10部分は独立して、以下のR10部分の群から選択され;
Yは、存在しないか、または存在し、存在する場合、Yは、共有結合、−N(R)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)−、−N(R)C(O)N(R)−、−S(O)N(R)−、−N(R)−S(O)−、−O−、−S−、−C(O)−、−S(O)−、および−S(O)−からなる群より選択され;
Zは、存在しないか、または存在し、存在する場合、Zは、共有結合、−(C(R−、−N(R)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)−、−N(R)C(O)N(R)−、−S(O)N(R)−、−N(R)−S(O)−、−O−、−S−、−C(O)−、−S(O)−、および−S(O)−からなる群より選択され;
nは、1〜3であり;
は、H、−OR、ハロゲン、アルキル、フルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アルキルヘテロアリールおよびアリールアルキルからなる群より選択され、Rの該アルキル、フルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アルキルヘテロアリールおよびアリールアルキル基の各々は、非置換であるか、または必要に応じて、1〜4個のR20部分で独立して置換され、該R20部分は、同じであるかまたは異なり得、各R20部分は独立して、以下のR20部分の群から選択され、但し、Yが存在しかつYがN、SまたはOである場合、Rはハロゲンではなく;
は、H、−OR、ハロゲン、アルキル、フルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アルキルヘテロアリールおよびアリールアルキルからなる群より選択され、ここで、Rの該アルキル、フルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アルキルヘテロアリールおよびアリールアルキル基は、非置換であるか、または必要に応じて、1〜4個のR20部分で独立して置換され、該R20部分は、同じであるかまたは異なり得、各R20部分は独立して、以下のR20部分の群から選択され、但し、Zが存在しかつZがN、SまたはOである場合、Rはハロゲンではなく;
各Rは、同じであるかまたは異なり、独立してHおよびアルキルからなる群より選択され;
10は、−OR、−N(R、−S(O)−、−S(O)−、−N(R)S(O)−、−S(O)N(R)−、−O(フルオロアルキル)、ハロゲン、アルキル、フルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アルキルアリールおよびアリールアルキルからなる群より選択され、ここで、R10の該アルキル、フルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アルキルアリールおよびアリールアルキル基の各々は、非置換であるか、または必要に応じて、1〜4個のR30部分で独立して置換され、該R30部分は、同じであるかまたは異なり得、各R30部分は独立して、以下のR30部分の群から選択され;
20は、ハロゲン、アルキル、フルオロアルキルからなる群より選択され;
30は、ハロゲン、アルキルおよびフルオロアルキルからなる群より選択される、
化合物。
【請求項2】
前記異性体が立体異性体である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Tがアルキルまたはアリールであり;Xが−C(R−であり;Yが存在せず;Zが存在しないかまたは存在し;Rが、H、ハロゲンおよびアルキルからなる群より選択され;そしてZが存在する場合、Zが−O−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Tがアルキルまたはアリールであり;Xが−C(R−であり;Yが存在せず;Zが存在しないかまたは存在し、存在する場合、Zが−O−であり;そしてRが、アルキルアリールおよびアルキルヘテロアリールからなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
Tがアルキルまたはアリールであり;Xが−N(R)−であり;Yが存在せず;Zが存在しないかまた存在し;Rが、H、ハロゲンおよびアルキルからなる群より選択され;そしてZが存在する場合、Zが−O−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
Xが−CH−または−N(R)−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
Xが−CH−である、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
Xが−N(R)−である、請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
がHである、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
Tがアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
Tが−CHである、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
Tがアリールであり、該アリールは非置換であるか、または必要に応じて、1〜5個のR10部分で独立して置換され、該R10部分は同じであるかまたは異なり得、各R10部分は独立して、前記R10部分の群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
10がハロゲンである、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
10がヘテロアリールである、請求項12に記載の化合物。
【請求項15】
10がアリールである、請求項12に記載の化合物。
【請求項16】
Uが、共有結合、−N(R)−、−N(R)C(O)−、および−N(R)S(O)−からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
Uが共有結合である、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
Uが−N(R)−である、請求項16に記載の化合物。
【請求項19】
Uが−N(R)C(O)−である、請求項16に記載の化合物。
【請求項20】
Vが、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよびシクロアルキルからなる群より選択され、該アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよびシクロアルキルは必要に応じて、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたはシクロアルキルから選択される1以上の部分と縮合され、ここで、該アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよびシクロアルキルのいずれかの各々は、非置換であるか、または必要に応じて、1〜4個のR10部分で独立して置換され、該R10部分は、同じであるかまたは異なり得、各R10部分は独立して、前記R10部分の群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
Yが、共有結合、−(C(R−、−C(O)−および−O−からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項22】
Yが−O−である、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
Yが−(C(R−である、請求項21に記載の化合物。
【請求項24】
Yが−C(O)−である、請求項21に記載の化合物。
【請求項25】
Yが共有結合である、請求項21に記載の化合物。
【請求項26】
が、−OR、H、アルキル、フルオロアルキル、アルキルアリール、ハロゲンおよびヘテロアリールからなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項27】
がHである、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
がアルキルアリールである、請求項26に記載の化合物。
【請求項29】
がアルキルである、請求項26に記載の化合物。
【請求項30】
がフルオロアルキルである、請求項26に記載の化合物。
【請求項31】
がハロゲンである、請求項26に記載の化合物。
【請求項32】
が−ORである、請求項26に記載の化合物。
【請求項33】
が−CHC≡CCHである、請求項32に記載の化合物。
【請求項34】
が−CHC≡CCHOHである、請求項32に記載の化合物。
【請求項35】
が、
【化2】

である、請求項32に記載の化合物。
【請求項36】
前記アルキルが−CHである、請求項29に記載の化合物。
【請求項37】
前記アルキルが−CHCHである、請求項29に記載の化合物。
【請求項38】
T、UおよびVが一緒に
【化3】

を形成する場合、Rは、F、Cl、OH、−OCHC≡CCH、−OCHC≡CCHOH、−OCH、および
【化4】

からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項39】
T、UおよびVが一緒に
【化5】

を形成する場合、Rは、F、Cl、OH、−OCHC≡CCH、−OCHC≡CCHOH、−OCH、および
【化6】

からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項40】
T、UおよびVが一緒に
【化7】

を形成する場合、Rは、F、Cl、OH、−OCHC≡CCH、−OCHC≡CCHOH、−OCH、および
【化8】

からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項41】
T、UおよびVが一緒に
【化9】

を形成する場合、Rは、F、Cl、OH、−OCHC≡CCH、−OCHC≡CCHOH、−OCH、および
【化10】

からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項42】
T、UおよびVが一緒に
【化11】

を形成する場合、Rは、F、Cl、OH、−OCHC≡CCH、−OCHC≡CCHOH、−OCH、および
【化12】

からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項43】
T、UおよびVが一緒に
【化13】

を形成する場合、Rは、F、Cl、OH、−OCHC≡CCH、−OCHC≡CCHOH、−OCH、および
【化14】

からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項44】
T、UおよびVが一緒に
【化15】

を形成する場合、Rは、F、Cl、OH、−OCHC≡CCH、−OCHC≡CCHOH、−OCH、および
【化16】

からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項45】
T、UおよびVが一緒に
【化17】

を形成する場合、Rは、F、Cl、OH、−OCHC≡CCH、−OCHC≡CCHOH、−OCH、および
【化18】

からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項46】
T、UおよびVが一緒に
【化19】

を形成する場合、Rは、F、Cl、OH、−OCHC≡CCH、−OCHC≡CCHOH、−OCH、および
【化20】

からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項47】
T、UおよびVが一緒に
【化21】

を形成する場合、Rは、F、Cl、OH、−OCHC≡CCH、−OCHC≡CCHOH、−OCH、および
【化22】

からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項48】
前記フルオロアルキルが−CHCFである、請求項30に記載の化合物。
【請求項49】
前記ハロゲンが、−Br、−Clおよび−Fからなる群より選択される、請求項31に記載の化合物。
【請求項50】
が−CHである、請求項32に記載の化合物。
【請求項51】
前記アルキルが、1〜4個のR20部分で置換され、該R20部分は、同じであるかまたは異なり得、各R20部分は独立して、前記R20部分の群から選択される、請求項29に記載の化合物。
【請求項52】
20がアリールである、請求項51に記載の化合物。
【請求項53】
Zが、共有結合、−N(R)−、−(C(R−、−C(O)−および−O−からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項54】
Zが−O−である、請求項53に記載の化合物。
【請求項55】
Zが共有結合である、請求項53に記載の化合物。
【請求項56】
Zが−N(R)−である、請求項53に記載の化合物。
【請求項57】
Zが−C(O)−である、請求項53に記載の化合物。
【請求項58】
がアルキルである、請求項53に記載の化合物。
【請求項59】
前記アルキルが−CHである、請求項58に記載の化合物。
【請求項60】
が、−OR、水素、アルキル、フルオロアルキル、アルキルアリール、ハロゲンおよびヘテロアリールからなる群より選択される、請求項53に記載の化合物。
【請求項61】
が水素である、請求項60に記載の化合物。
【請求項62】
がアルキルである、請求項60に記載の化合物。
【請求項63】
がアルキルアリールである、請求項60に記載の化合物。
【請求項64】
がフルオロアルキルである、請求項60に記載の化合物。
【請求項65】
前記フルオロアルキルが−CHCFである、請求項60に記載の化合物。
【請求項66】
がハロゲンである、請求項60に記載の化合物。
【請求項67】
前記ハロゲンが、−Br、−Clおよび−Fからなる群より選択される、請求項66の記載の化合物。
【請求項68】
がヘテロアリールである、請求項60に記載の化合物。
【請求項69】
が−CHである、請求項60に記載の化合物。
【請求項70】
が−CHC≡CCHである、請求項60に記載の化合物。
【請求項71】
が−CHC≡CCHOHである、請求項60に記載の化合物。
【請求項72】
が−CHである、請求項60に記載の化合物。
【化23】

である、請求項60に記載の化合物。
【請求項73】
前記アルキルが−CHである、請求項60に記載の化合物。
【請求項74】
腫瘍壊死因子−α変換酵素(TACE)、腫瘍壊死因子−α(TNF−α)、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)、メタロプロテアーゼ・ディスインテグリン(ADAM)、またはそれらの任意の組み合わせの阻害活性を示す化合物、該化合物の鏡像異性体エナンチオマー、立体異性体および互変異性体、ならびに該化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物であって、該化合物は、以下に列挙される構造の化合物:
【化24−1】

【化24−2】

【化24−3】

【化24−4】

【化24−5】

【化24−6】

【化24−7】

【化24−8】

【化24−9】

【化24−10】

【化24−11】

【化24−12】

【化24−13】

【化24−14】

【化24−15】

【化24−16】

【化24−17】

【化24−18】

【化24−19】

【化24−20】

【化24−21】

【化24−22】

【化24−23】

【化24−24】

【化24−25】

【化24−26】

【化24−27】

から選択される、化合物。
【請求項75】
前記化合物が、以下に列挙される構造の化合物:
【化25−1】

【化25−2】

【化25−3】

【化25−4】

【化25−5】

【化25−6】

【化25−7】

【化25−8】

【化25−9】

【化25−10】

【化25−11】

【化25−12】

【化25−13】

【化25−14】

から選択される、請求項74に記載の化合物。
【請求項76】
前記化合物が、以下に列挙される構造の化合物:
【化25−15】

【化25−16】

【化25−17】

から選択される、請求項75に記載の化合物。
【請求項77】
少なくとも1つの薬学的に受容可能なキャリアをさらに含む、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項78】
TACE、TNF−α、MMP、ADAMまたはそれらの任意の組み合わせに関連する障害を処置する方法であって、該方法は、そのような処置を必要とする患者に、少なくとも1つの請求項1に記載の化合物の治療有効量を含む薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項79】
TACE、TNF−α、MMP、ADAMまたはそれらの任意の組み合わせに関連する障害を処置するための医薬の製造のための、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項80】
TACE、TNF−α、MMP、ADAMまたはそれらの任意の組み合わせに関連する障害を処置するための薬学的組成物を調製する方法であって、該方法は、少なくとも1つの請求項1に記載の化合物と少なくとも1つの薬学的に受容可能なキャリアとを密接に接触させる工程を包含する、方法。
【請求項81】
被験体において、TACE、TNF−α、MMP、ADAMまたはそれらの任意の組み合わせに関連する障害を処置する必要のある被験体に、少なくとも1つの請求項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体の治療有効量を投与することを含む、該被験体において、TACE、TNF−α、MMP、ADAMまたはそれらの任意の組み合わせに関連する障害を処置するための薬学的組成物。
【請求項82】
純粋形態の請求項1に記載の化合物。
【請求項83】
被験体において、TACE、TNF−α、MMP、ADAMまたはそれらの任意の組み合わせによって媒介される状態または疾患を処置する方法であって、そのような処置を必要とする該被験体に、少なくとも1つの請求項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体の治療有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項84】
被験体において、関節リウマチ、変形性関節症、歯周炎、歯肉炎、角膜潰瘍形成、固形腫瘍増殖および二次転移による腫瘍浸潤、血管新生緑内障、炎症性腸疾患、多発性硬化症ならびに乾癬からなる群より選択される状態または疾患を処置する方法であって、そのような処置を必要とする該被験体に、少なくとも1つの請求項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体の治療有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項85】
被験体において、発熱、心血管状態、出血、凝固、悪液質、食欲不振、アルコール症、急性期反応、急性感染、ショック、対宿主性移植片反応、自己免疫疾患およびHIV感染からなる群より選択される状態または疾患を処置する方法であって、そのような処置を必要とする該被験体に、少なくとも1つの請求項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体の治療有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項86】
被験体において、敗血性ショック、血行動態性ショック、敗血症症候群、虚血後再灌流障害、マラリア、ミコバクテリア感染、髄膜炎、乾癬、うっ血性心不全、線維性の疾患、悪液質、移植片拒絶、皮膚T細胞性リンパ腫のような癌、新脈管形成に関する疾患、自己免疫疾患、皮膚炎症性疾患、クローン病および大腸炎のような炎症性腸疾患、変形性関節症および関節リウマチ、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、成人スティル病、ブドウ膜炎、ウェゲナー肉芽腫症、Behcehe病、シェーグレン症候群、サルコイドーシス、多発性筋炎、皮膚筋炎、多発性硬化症、坐骨神経痛、複合性局所疼痛症候群、放射線障害、高酸素症肺胞傷害、歯周疾患、HIV、非インスリン依存性真性糖尿病、全身性エリテマトーデス、緑内障、サルコイドーシス、特発性肺線維症、気管支肺形成異常、網膜疾患、強皮症、骨粗鬆症、腎虚血、心筋梗塞、脳卒中、脳虚血、腎炎、肝炎、糸球体腎炎、特発性線維化肺胞炎、乾癬、移植片拒絶、アトピー性皮膚炎、脈管炎、アレルギー、季節性アレルギー性鼻炎、可逆性気道閉塞、成人呼吸促進症候群、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)ならびに気管支炎からなる群より選択される状態または疾患を処置する方法であって、そのような処置を必要とする該被験体に、少なくとも1つの請求項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体の治療有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項87】
COPDに関連する状態および疾患を処置する方法であって、そのような処置を必要とする該被験体に、少なくとも1つの請求項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体の治療有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項88】
関節リウマチに関連する状態および疾患を処置する方法であって、そのような処置を必要とする該被験体に、少なくとも1つの請求項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体の治療有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項89】
クローン病に関連する状態および疾患を処置する方法であって、そのような処置を必要とする該被験体に、少なくとも1つの請求項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体の治療有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項90】
乾癬に関連する状態および疾患を処置する方法であって、そのような処置を必要とする該被験体に、少なくとも1つの請求項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体の治療有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項91】
強直性脊椎炎に関連する状態および疾患を処置する方法であって、そのような処置を必要とする該被験体に、少なくとも1つの請求項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体の治療有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項92】
坐骨神経痛に関連する状態および疾患を処置する方法であって、そのような処置を必要とする該被験体に、少なくとも1つの請求項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体の治療有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項93】
複合性局所疼痛症候群に関連する状態および疾患を処置する方法であって、そのような処置を必要とする該被験体に、少なくとも1つの請求項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体の治療有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項94】
乾癬性関節炎に関連する状態および疾患を処置する方法であって、そのような処置を必要とする該被験体に、少なくとも1つの請求項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体の治療有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項95】
多発性硬化症に関連する状態および疾患を処置する方法であって、そのような処置を必要とする該被験体に、少なくとも1つの請求項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは異性体の治療有効量を、Avonex(登録商標)、Betaseron、Copaxoneまたは多発性硬化症の処置に用いられる他の化合物からなる群より選択される化合物と組み合わせて投与する工程を包含する、方法。
【請求項96】
前記被験体に、疾患修飾抗リウマチ薬(DMARD)、非ステロイド性抗炎症性薬(NSAID)、シクロオキシゲナーゼ−2選択的インヒビター、COX−1インヒビター、免疫抑制薬、生物反応修飾物質(BRM)、抗炎症剤およびH1アンタゴニストからなる群より選択される少なくとも1つの医薬の治療有効量を投与する工程をさらに包含する、請求項83に記載の方法。
【請求項97】
前記被験体に、DMARD、NSAID、COX−2インヒビター、COX−1インヒビター、免疫抑制薬、BRM、抗炎症剤およびH1アンタゴニストからなる群より選択される少なくとも1つの医薬の治療有効量を投与する工程をさらに包含する、請求項84に記載の方法。
【請求項98】
前記被験体に、DMARD、NSAID、COX−2インヒビター、COX−1インヒビター、免疫抑制薬、BRM、抗炎症剤およびH1アンタゴニストからなる群より選択される少なくとも1つの医薬の治療有効量を投与する工程をさらに包含する、請求項85に記載の方法。

【公表番号】特表2008−506692(P2008−506692A)
【公表日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−521589(P2007−521589)
【出願日】平成17年7月13日(2005.7.13)
【国際出願番号】PCT/US2005/024771
【国際公開番号】WO2006/019768
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】