説明

熱可塑性樹脂製プリフォーム及びその製造方法

【課題】成形過程での成形不良を抑制し、材料歩留まりに優れた熱可塑性樹脂容器のためのプリフォームおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂シートを圧縮成形して底部23および開口部22を有する形状に形成された圧縮成形層24と、前記圧縮成形層24の外面もしくは内面に射出成形にて形成された射出成形層15とを有し、加熱して軟化させた状態でブロー成形することにより所定の形状に膨張させて成形される熱可塑性樹脂製プリフォームにおいて、前記射出成形層15が、前記底部23において最も厚く、開口部22側に向かって徐々に薄くなるように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性樹脂を素材として、ブロー成形により得られる容器のためのプリフォームおよびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、熱可塑性樹脂容器の成形方法として、溶融押出成形により作製した樹脂シートを打抜き圧縮成形して一次プリフォームを成形し、この一次プリフォームを用いて延伸ブロー成形を行う方法が知られており、その一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された方法によれば、溶融押出成形したシートを多層状にするので、開口部端面付近まで中間層を有する多層構造の容器を容易に成形することが可能となる。しかし、前述のようなプリフォームを用いて延伸ブロー成形を行う場合、延伸ブロー成形工程の前工程である予備加熱工程でプリフォームが変形してしまうことがあった。このような変形が生じるのは、樹脂製シートを打抜き圧縮成形した際に歪みとしてプリフォームに残留する応力が、予備加熱工程の際にプリフォームが軟化することによって解放され、その応力によって元のシート形状に戻ろうとして変形するためである。予備加熱工程で変形が発生すると、二次プリフォームが均一に加熱されなくなるので、ブロー成形工程において壁厚が不均一となり、強度等の性能に劣る不良品が生じ、生産性が低下してしまう。
【0003】
一方、射出成形にてプリフォームを成形した場合、前述のような予備加熱工程でのプリフォームの変形は極めて小さいことから、前記一次プリフォームの外面または内面に樹脂材料を射出して被覆層を射出成形により成形した二次プリフォームを前駆体とし、これを延伸ブロー成形により容器に成形する方法が行われている。その例が特許文献2や特許文献3に記載されている。このような方法によれば、予備加熱工程で一次プリフォームが変形することを防止でき、また、二次プリフォームの成形工程では、特定部位の側壁厚を所望通りに制御することができる。また、樹脂シートとして中間層を有する多層の樹脂シートを使用した場合には、射出成形による樹脂層をフランジ部端面に形成することにより、フランジ部端面での中間層材料の露出を防止することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−005871号公報
【特許文献2】特開昭47−6544号公報
【特許文献3】特表昭59−501947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような一次プリフォームの外面または内面に射出成形にて樹脂材料による射出被覆層を形成する場合、予備加熱工程での二次プリフォームの変形を防止するため、応力緩和によるプリフォームの変形が防止できる程度に射出成形層の厚さを厚く形成する必要がある。射出成形層をそのように厚くすれば、プリフォームの目付量が増加することになり、材料コストが高くなるなど経済性に劣る問題があった。また、一次プリフォームに残留する応力歪みは、樹脂製シートの厚さが厚くなる程大きくなる。したがって、樹脂製シートを厚くすることに伴う残留する応力による変形を抑制するためには、樹脂製シートの厚さの増大に合わせて射出成形層を更に厚く形成することになってしまい、その結果、経済性に劣ることとなるため、これを回避するためには一次プリフォームの成形に用いる樹脂製シートとしては、比較的厚さの薄いものしか使用することができなかった。
【0006】
本発明は、射出に使用する樹脂量を抑制しつつ予備加熱工程でのプリフォームの変形を防止し、経済性に優れたプリフォーム及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前述の課題を解決するために鋭意検討した結果、射出成形によりプリフォームの内面もしくは外面に形成した射出成形層の厚さを、プリフォームの底部において最も厚くし、開口部で薄くなるように形成することにより、射出樹脂材料の目付量を増加させることなく予備加熱工程でのプリフォーム変形を防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明に係る熱可塑性樹脂製プリフォームは、熱可塑性樹脂シートを圧縮成形して底部および開口部を有する形状に形成された圧縮成形層と、前記圧縮成形層の外面もしくは内面に射出成形にて形成された射出成形層とを有し、加熱して軟化させた状態でブロー成形することにより所定の形状に膨張させて成形される熱可塑性樹脂製プリフォームであって、前記射出成形層が、前記底部において最も厚く、開口部側で前記底部における厚さより薄くなるように形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
前記射出成形層の厚さの変化は、連続的であることが好ましく、この発明では、底部から開口部に向けて徐々に薄くなっている。
【0010】
本発明の合成樹脂製プリフォームの製造方法においては、圧縮成形層の厚さt1と、射出成形層の厚さt2との比t2/t1が1.0〜6.0の間にあることが特に好適である。
【0011】
その比t2/t1は、特に開口部側で1.0〜2.3、底部側で3.2〜6.0の範囲であることが好ましい。
【0012】
また、その射出成形層の厚さの増加率は、開口部側で小さく、底部側で大きいことが好ましい。
【0013】
また、本発明の合成樹脂製プリフォームの製造方法は、溶融押出成形により熱可塑性樹脂製シートを作製する工程と、前記熱可塑性樹脂製シートを加熱するシート加熱工程と、加熱された前記熱可塑性樹脂製シートを、打抜き刃を有する雄型および雌型で打抜き圧縮成形して、底部および開口部を有する形状の一次プリフォームを成形する一次プリフォーム成形工程と、前記一次プリフォームの外面もしくは内面に射出成形にて樹脂材料を被覆することにより、圧縮成形層と射出成形層を有する二次プリフォームを成形する二次プリフォーム成形工程とを有し、前記二次プリフォーム成形工程において、前記射出成形層が、前記二次プリフォームの底部において最も厚く、開口部側で薄くなるように形成することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、樹脂製シートの打抜き圧縮成形によって得られたプリフォームに残留する応力歪みを考慮し、射出成形層の厚さに勾配を付けることで、射出する樹脂量を抑制しつつ、予備加熱工程でのプリフォームの変形を防止することができ、経済性に優れたプリフォーム及び延伸ブロー成形による樹脂容器を提供することが可能となる。また、射出成形層の厚さを底部側から開口部側にかけて一様とした場合に比べて樹脂量を抑制できる。さらに、比較的厚い樹脂製シートを用いた成形が可能となり、樹脂製シートの層構成についても多様なものを採用することが可能で、本発明のプリフォームを使用してブロー成形を行うことにより、種々の機能が付加された樹脂容器を容易かつ安価に成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】二次プリフォームの側壁において、樹脂製シートから形成された圧縮成形層の厚さt1と、射出成形層の厚さt2及びフランジ面からの高さhを表す模式図である。
【図2】(a)本発明において、溶融押出成形により熱可塑性樹脂シートを作製する工程を表す模式図及び(b)熱可塑性樹脂シートの層構成を示す断面図である。
【図3】(a)本発明において、一次プリフォーム成形工程を表す模式図及び(b)一次プリフォームの形状及び層構成を示す断面図である。
【図4】(a)本発明における二次プリフォーム成形工程を表す模式図及び(b)内面側に樹脂を射出した場合の二次プリフォームの形状及び層構成を示す断面図である。
【図5】本発明におけるブロー成形前の予備加熱工程を表す模式図で、(a)搬送ラインの搬送方向より見た模式図、(b)搬送方向側方より見た模式図及び(c)予備加熱工程での応力歪み緩和によりプリフォームが変形する様子を現す模式図である。
【図6】本発明における二次プリフォームを用いた二軸延伸ブロー成形での容器成形工程を表す模式図で、(a)ロッドにより二次プリフォームが縦方向に延伸される様子を示す模式図、(b)ロッドから圧縮空気を吹き出してプリフォームを横方向に延伸させて外型に押し付け附形している様子を示す模式図、(c)二軸延伸ブロー成形によって成形されたカップ状の熱可塑性樹脂容器の断面を示す模式図である。
【図7】本発明における二次プリフォームの壁厚分布の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施形態を説明する。図2から図4は本発明の熱可塑性樹脂製プリフォームの成形方法を示す図である。まず、図2(a)に示すように溶融押出成形により熱可塑性樹脂製シートを作製する。そのための方法は、従来公知の溶融押出成形法であってよく、熱可塑性樹脂を押出機1に供給し、樹脂を溶融温度まで加熱してダイ2から押し出し、ロール3にて冷却固化することで樹脂シート4を得る。図2(b)に示した樹脂シート4は、表層5の間にバリア性樹脂等の中間層6を設けた多層の樹脂シート4であるが、二層以上の中間層を有する多層の樹脂シートを用いることもでき、また単層の樹脂シートでも用いることができる。前記樹脂シート4の厚さは0.3mm〜1.3mm、特に0.6mm〜1.0mmの範囲であることが好ましい。薄過ぎれば、一次プリフォームの強度が不足して容易に変形してしまい、形状を付与すること、もしくは形状を維持することが困難となる場合があり、また厚過ぎれば、一次プリフォームとしての形状に成形した後(賦形後)に残留する応力歪みが大きくなってしまい、前記ブロー成形前の予備加熱工程時に、応力が解放されて二次プリフォームが変形し、これが原因で均一にムラ無く加熱することが困難となって成形不良となる場合がある。
【0017】
熱可塑性樹脂シートに使用される熱可塑性樹脂としては、主にポリエチレンテレフタレート(PET;テレフタル酸−エチレングリコール脱水縮合体)が価格、透明性、安全性の面から好適に用いられるが、PETの特長を損なわない範囲において、他のモノマー成分を含む共重合ポリエステル樹脂も使用できる。また、前記多層状に共押出成形した樹脂シートを使用する場合、中間層としては各種ガスバリア性樹脂、機能性材料、各種添加剤等を使用することができ、また、一次プリフォーム成形工程で一次プリフォームを打ち抜いた際に発生するシート残余分を再度粉砕し、中間層として利用することも可能である。
【0018】
前述の他のモノマー成分として、酸成分としては例えばイソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸成分が使用できる。
【0019】
またジオール成分としては、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2-メチル1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル1,3-プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、1,4-シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール等が使用できるが、モノマー成分としては、特にこれらに限定されるものではない。
【0020】
樹脂シート4を上述のようにして作製した後、一次プリフォーム成形工程において、その樹脂シート4を打抜き圧縮成形により一次プリフォーム7に成形する。図3(a)に示すように、前記熱可塑性樹脂シート4をヒーター8でガラス転移点以上となるまで加熱する。そして、加熱された該樹脂シート4を金型9内に搬送する。本実施形態で用いる金型9は、上方に配置された雄型10と下方に配置された雌型11とにより構成されていて、雄型10は雌型11に向かって進退(上下動)できるように構成されている。金型9内へ前記樹脂シート4が搬送されたら、雄型10を雌型11側に向かって移動させると、前記樹脂シート4は雄型10に接触して雄型10と共に雌型11側へ突出するように変形させられ、雄型10がその下死点で雌型11に接触し、これら雌型11と雄型10との間に樹脂シート4が挟み込まれ、プリフォームの形状が付与される。
【0021】
なお、雄型10および雌型11の内部には常に冷却水が循環しており、成形を行いながら、同時に樹脂シート4の冷却も行っている。この状態で所定の温度まで樹脂シート4が冷却され、雄型10と雌型11とがプリフォームを挟んだ状態で上昇し、樹脂シート4からプリフォームが切断される。プリフォームが樹脂シート4から切り離された後、雄型10が雌型11側と反対の方向へ移動して、雌型11内に残ったプリフォームが排出され、図3(b)に示すような一次プリフォーム7が成形される。雌型11から排出された一次プリフォーム7は、次工程の二次プリフォーム成形工程に搬送される。
【0022】
二次プリフォーム成形工程では、上記の一次プリフォーム7に射出成形層が形成される。本実施形態では、図4(a)に示すように、下方に配置された雌型12と上方に配置された雄型13とにより構成された射出成形装置14により射出成形層15を形成する。まず、雌型12内に搬送された一次プリフォーム7に対し、雄型13が移動して、前記一次プリフォーム7との間に密閉された所定の間隙(キャビティー)を形成した状態で停止する。そして、一次プリフォーム7の内面と雄型13との間に形成された間隙に対し、雄型13に形成された射出孔16から樹脂17が射出されて充填される。これにより一次プリフォーム7の内面に射出成形層15が形成され、図4(b)に示すような二次プリフォーム18が成形される。成形された二次プリフォーム18の断面形状を図1に示す。前記二次プリフォーム18は、熱可塑性樹脂により、図4の(b)および図1の下方からフランジ部19、首部20、ブロー成形予定部21が一体的に連続している状態に構成され、図の下向きに開口部22が形成されている。
【0023】
前記フランジ部19は、前記開口部22の周囲に位置し、半径方向外方に向けて水平に突き出した環状に形成されている。前記首部20は、前記フランジ部19の内周端に連続していて、実質的に垂直な円筒状に形成されている。そして、前記首部20の上方には、プリフォームの側壁部および底部を形成するブロー成形予定部21が、所定の曲率半径で屈曲した接続部を介して連続している。そのブロー成形予定部21は前記二次プリフォーム18の断面において、垂直方向に対し傾斜して形成され、上端が閉じた椀状の底部23を形成している。本実施形態においては、一次プリフォーム7を成形する樹脂シート4として中間層6を有する樹脂シート4を使用したため、二次プリフォーム18の外層を形成する圧縮成形層24には中間層6が形成されている。そして、二次プリフォーム18の内面側に射出成形層15が形成されている。
【0024】
射出成形層15は、底部23において最も厚く形成され、開口部22側に向かうに連れて徐々に薄くなり、開口部22において最も薄くなるよう構成されている。本実施形態においては、開口部22からフランジ部19の開口部22側の表面とフランジ部19外周の端面にも射出成形層15が形成され、一次プリフォーム成形工程で切断されたフランジ部19の切断端面を射出成形層15で覆うことにより、フランジ部19の端面の形状を安定させ、中間層6が露出しないように構成されている。なお、本実施形態において形成されている首部20、フランジ部19及びフランジ部19の外周端面に形成された射出成形層15については、一次プリフォーム7におけるこれらの部位が予備加熱工程で加熱されても変形しないことから、これらの部位に形成された射出成形層15はプリフォームの変形防止には関係しないため、本発明で厚さを規定する射出成形層15の範囲には含まれず、適宜厚さを設定して良い。すなわち、本発明においては、ガラス転移点以上の温度に加熱することによって変形するブロー成形予定部に形成された射出成形層が、底部23において最も厚く形成され、開口部22側において薄くなるように構成されていればよい。
【0025】
また、一次プリフォーム7の外面に射出成形層15を形成する場合には、雌型12と一次プリフォーム7との間に所定の間隙(キャビティー)が形成されるように金型を構成し、一次プリフォーム7の外面と雌型11との間に形成された間隙(キャビティー)に対し、雌型12に形成された射出孔から樹脂を射出することにより一次プリフォーム7の外面に射出成形層を形成することができる。
【0026】
本実施例においては、射出成形層15の厚さに勾配をつけることで、射出樹脂量を抑制しつつ、予備加熱による二次プリフォーム18の変形を防止することができる。すなわち、変形量が最も大きい二次プリフォーム18の底部において射出被覆樹脂層の厚さを最も厚くし、開口部22側へ向かって側壁部に形成された射出被覆樹脂層の厚さが徐々に薄くなり、開口部22近傍で最も薄くなるように形成されている。これにより、前記ブロー成形前の予備加熱工程時に変形せず、経済性に優れたプリフォーム及び延伸ブロー成形による樹脂製容器を提供することが可能となる。
【0027】
また、本発明においては、前記二次プリフォーム18の壁厚として、図1に示すように、前記一次プリフォーム成形工程で、樹脂シート4から形成された圧縮成形層24の各部位の厚さt1と、対応する射出成形層15の厚さt2の比(t2/t1)が、1.0〜6.0の範囲内にあることが好ましい。すなわち、射出成形層15が最も厚い底部23においてはt2/t1の値を6.0以下とし、射出成形層15の厚さが最も薄い開口部22側の近傍においてはt2/t1の値を1.0以上として、底部から開口部22へ向かって射出成形層15の厚さを徐々に薄くなるように構成するのが好適である。この範囲においては、予備加熱工程での前記二次プリフォーム18の変形を防止し、かつブロー成形後の樹脂容器の性能も良好である。
【0028】
また、射出成形層15が最も厚い底部23においてはt2/t1の値を3.2以上6.0以下とするのが好ましく、射出成形層15の厚さが最も薄い開口部22側の近傍においてはt2/t1の値を1.0以上2.3以下とするのが好ましい。t2/t1が6.0を超える場合には、壁厚が厚くなり過ぎてブロー成形による形状の付与が困難になる場合や、射出成形層15に対して圧縮成形層24が薄すぎるため、ブロー成形による延伸に追随できず、ブロー成形後の圧縮成形層24の厚さにバラツキが生じたり、部分的に破断することにより、不良品が発生し、歩留まりが悪化して生産性が低下するので好ましくない。また、多層の樹脂シート4を使用した場合には、壁厚が厚い部分において、ブロー成形の際に多層の樹脂シート4における中間層6が変形に追随できずに破断してしまう場合があり、不良品が発生して生産性を低下させるので好ましくない。
【0029】
また、t2/t1が1.0より小さい場合には、射出成形層15の厚さが薄すぎるため、前記圧縮成形層24の変形を抑制しきれずに前記ブロー成形前の予備加熱工程で変形が発生する場合がある。
【0030】
また、射出成形層15が最も厚い底部23においてt2/t1の値が3.2未満の場合には予備加熱工程で圧縮成形層24の変形を防止できない場合が生じるので好ましくない。予備加熱工程で変形が発生すると、二次プリフォーム18が均一に加熱されないので、ブロー成形工程において壁厚が不均一となり、強度等の性能に劣る不良品を生じさせて、生産性を低下させてしまうためである。
【0031】
また、射出成形層15の厚さが最も薄い開口部22側の近傍においてt2/t1の値を2.3以上に大きくすると、射出成形層15が厚くなりすぎて経済性に劣る場合があり、好ましくない。
【0032】
さらに、射出成形層15が最も厚くなる底部23でのt2/t1の値と射出成形層15の厚さが最も薄い開口部22側の近傍におけるt2/t1の値の差が2以上であることが好ましい。このように構成することにより、射出成形層15の壁厚分布を圧縮成形層24の残留応力に応じた適切な分布とすることができ、射出樹脂量を抑制して経済性に優れたプリフォームとすることができる。
【0033】
一方、前記二次プリフォーム成形工程で二次プリフォーム18を成形する際の射出被覆材料としては、主にPETが好適に用いられるが、これに限定されるものではなく、また各種機能性材料、添加剤、着色剤等を適用することも可能である。
【0034】
なお、前記二次プリフォーム成形工程で、適応する金型形状を種々変更することにより、特定部位の側壁厚を所望通りに制御することができ、容器のブロー成形予定部21およびフランジ部19の端面の形状・寸法を安定させることができる。さらに、多層状に共押出成形した樹脂シート4を使用する場合は、一次プリフォーム成形工程で中間層6が圧縮成形層24におけるフランジ部19の端面(切断面)にまで形成され、端面において中間層6が露出するが、そのような場合であっても、フランジ部19の外周に射出成形層15を設けることにより、中間層6の露出部分を射出成形層15で被覆し保護することができる。また、一次プリフォーム成形工程において、一次プリフォーム7を熱可塑性樹脂シート4から切断する際に、フランジ部19の端面に凹凸やバリが形成される場合があるが、フランジ部19の外周に射出成形層15を設けることにより、凹凸やバリが射出成形された樹脂で覆われて、フランジ部19の端面の形状を精度良く形成することができる。
【0035】
図7に本発明の二次プリフォーム18の壁厚分布の一例を示す。図7では、樹脂シート4の厚さを0.8mmとして成形した場合の分布を示しており、横軸には図1に示すフランジ面からの高さhを採り、縦軸に総厚、圧縮成形層の厚さ及び射出成形層15の厚さとt2/t1の値を示している。図1に示したプリフォームの場合、射出成形層15は内面に形成し、フランジ部19の下面から底部23の外面までの高さは約35mm、フランジ部19下面から首部20の上端までの高さを7.5mm、首部20外径を約63.5mm、フランジ部19の外径は約65mmとした。t2/t1はプリフォームの底部23の近傍で約4.1、開口部22の近傍(首部20の上端の7.5mmの位置)で約1.5であり、その差は2.6となっていて、射出成形層15の壁厚は底部23から開口部22に向けて徐々に薄くなっている。圧縮成形層24の厚さは一次プリフォーム成形工程で成形される際に元の板厚の0.8mmよりも薄くなっており、フランジ面からの高さhにかかわらず、ほぼ一定の厚さになっている。これに対して、射出成形層15はフランジ面からの高さhが高くなる程、厚くなるように形成されている。これにより、射出成形層15を形成する樹脂量を低減しつつ、圧縮成形層24が変形することによる予備加熱工程での二次プリフォーム18の変形を防止することができる。
【0036】
また、本実施形態では、射出成形層15の壁厚分布において、プリフォームのフランジ部19の下面から底部23までの高さが35mmであり、フランジ部19の下面から底部23までの高さhの半分の高さである17.5mmの位置における射出成形層15の厚さが0.8mmであり、高さ7.5mmである開口部22の近傍(首部20の上端部)における射出成形層15の厚さが0.7mmとなっていて、その差が0.1mmと僅かな増加率となっている。これに対し、底部における射出成形層15の厚さは2.7mmとなっていて、高さ17.5mmの位置における射出成形層15の厚さとの差が1.9mmとなり、高さ7.5mmの位置から高さ17.5mmの位置における増加率と比較して非常に大きな増加率となっている。本発明においては、プリフォームのフランジ部19の下面から底部23までの高さhの半分の高さの位置までの射出成形層15の厚さの増加率を小さくし、プリフォームのフランジ部19の下面から底部23までの高さhの半分の高さの位置から底部23までの射出成形層15の厚さの増加率を大きくすることで、より経済性に優れたプリフォームを製造することができる。より好適には、プリフォームのフランジ部19の下面から底部23までの高さhの半分の高さの位置における射出成形層15の厚さが底部23の最も厚い部位における射出成形層15の厚さの50%以下、より好ましくは30%以下とするのが良い。
【0037】
次に、前記二次プリフォーム18を使用してブロー成形により熱可塑性樹脂製容器を成形する方法について説明する。まず、前記二次プリフォーム18に対して予備加熱を行う。図5(a)および(b)に示すように、プリフォーム搬送用治具25に保持された前記二次プリフォーム18は、搬送経路の上方に設置された近赤外線ヒーター26の下方を通過することにより加熱される。その際、前記二次プリフォーム18を回転させながら通過させることにより、前記二次プリフォーム18を均一に加熱する。このとき、射出成形層15が薄すぎると、図5(c)に矢印で示すように二次プリフォーム18が変形し、近赤外線ヒーター26と二次プリフォーム18の各部位との距離が変動して各部位に対する照射熱量が不均一となり、均一な加熱ができなくなる。二次プリフォーム18が均一に加熱されないと、次工程のブロー成形工程において延伸される際、各部でプリフォームの延伸の度合いが異なり、各部位の壁厚がばらついたり、破断したりすることにより所望の容器を成形することができなくなる。この予備加熱工程で、前記二次プリフォーム18はガラス転移点以上の温度に加熱され、次工程のブロー成形工程へ搬送される。
【0038】
前記予備加熱工程でガラス転移点以上の温度に加熱された前記二次プリフォーム18は、ブロー成形工程において、二軸延伸ブロー成形により所定の形状に成形され、熱可塑性樹脂容器とされる。そのブロー成形について説明すると、図6(a)に示すように、前記二次プリフォーム18は上方に配置された外型27と下方に配置されたロッド28の間に搬送され、外型27によりフランジ部19を固定された状態でロッド28が外型27へ向かって移動し、前記二次プリフォーム18の底部23を押し上げて縦方向に延伸する。続いて、図6(b)に示すように、ロッド28から圧縮空気が吹き出され、前記二次プリフォーム18は横方向に延伸しながら外型27の内面に押し付けられることにより図6(c)に示すような所望の形状が付与された熱可塑性樹脂容器29が成形される。
【0039】
次にこの発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0040】
(i)(樹脂製シート成形)
樹脂シート4として、ガスバリア材料であるポリグリコール酸(PGA)の層を、厚さ0.1mmの中間層6として設け、成形後に容器内面となる層として厚さ0.5mmのPET樹脂層、成形後に容器外面側となる層として厚さ0.2mmのPET樹脂層をそれぞれ形成した総厚0.8mmのPET/PGA/PET共押出多層シートを溶融押出しし、樹脂シート4を得た。
(ii)(一次プリフォーム成形工程)
前記樹脂シート4を90〜100℃に加熱後、圧縮成形機にて一次プリフォーム7を圧縮成形し、打ち抜いた。
(iii)(二次プリフォーム成形工程)
一次プリフォーム7に対し、容器に賦形した際の外面に相当する側壁部からフランジ端面に相当する部位にかけて、PET樹脂を射出被覆し、二次プリフォーム18を得た。射出成形層15の厚さは、図7に示すような分布とし、成形された二次プリフォーム18および二次プリフォーム18をブロー成形して得られる成形品の重量が15gとなるよう調整した。この際、二次プリフォーム18のブロー成形により延伸される底部23及び側壁部の各部位の壁厚において、射出成形層15が最も厚い底部23においてはt2/t1の値が4.2となり、射出成形層15の最も薄い開口部22でのt2/t1の値は1.5となり、底部23から開口部22へかけて射出成形層15が徐々に薄くなるように形成し、t2/t1の範囲は1.5〜4.2であった。
(iv)(二軸延伸ブロー成形)
二次プリフォーム18を80〜90℃に予備加熱後、二軸延伸ブロー成形機にて、φ30(直径30mm)のロッド28で縦方向に延伸し、続いてブローエアで横方向に延伸し、ブローエア圧力で外型27に押し付けることで、カップ状容器を成形した。
【実施例2】
【0041】
上記実施例1の工程(i)において、樹脂シート4として、PGA層を厚さ0.1mmの中間層6として設け、成形後に容器内面となる層として厚さ0.3mmのPET樹脂層、成形後に容器外面側となる層として厚さ0.2mmのPET樹脂層をそれぞれ形成し、総厚0.6mmの共押出多層シートを溶融押出しした以外は、実施例1と同じ内容で一次プリフォーム7、二次プリフォーム18およびカップ状容器を成形した。この際、二次プリフォームのブロー成形により延伸される各部位の壁厚において、前記t2/t1の範囲は2.3〜6.0であった。
【実施例3】
【0042】
上記実施例1の工程(i)において、樹脂シート4として、PGA層を厚さ0.1mmの中間層6として設け、成形後に容器内面となる層として厚さ0.6mmのPET樹脂層、成形後に容器外面側となる層として厚さ0.3mmのPET樹脂層をそれぞれ形成し、総厚1.0mmの共押出多層シートを溶融押出しした以外は、実施例1と同じ内容で一次プリフォーム7、二次プリフォーム18およびカップ状容器を得た。この際、二次プリフォーム18のブロー成形により延伸される底部23及び側壁部の各部位の壁厚において、前記t2/t1の範囲は1.0〜3.2であった。
【実施例4】
【0043】
上記実施例1の工程(iii)において、一次プリフォーム7に対し、容器に賦形した際の内面に相当するブロー成形予定部21からフランジ端面に相当する部位にかけて、PET樹脂を射出被覆し、二次プリフォーム18を得た以外は、実施例1と同じ内容で樹脂シート4、一次プリフォーム7、二次プリフォーム18およびカップ状容器を得た。この際、二次プリフォーム18のブロー成形により延伸される底部23及び側壁部の各部位の壁厚において、前記t2/t1の範囲は1.5〜4.2であった。
なお、上記実施例1から実施例4において二次プリフォーム18は、二軸延伸ブロー成形工程での予備加熱において変形することがなく、成形されたカップ状容器は、側壁厚さが均一となり、容器としての機能を十分に満足するものであった。
【実施例5】
【0044】
樹脂シート4として、PGA層を厚さ0.1mmの中間層6として設け、成形後に容器内面となる層として厚さ0.8mmのPET樹脂層、成形後に容器外面となる層として厚さ0.4mmのPET樹脂層をそれぞれ形成し、総厚1.3mmの共押出多層シートを用い、成形された二次プリフォーム18および二次プリフォーム18をブロー成形して得られる成形品の重量が17gとなるよう射出成形層15の厚さを調整した以外は、実施例1と同じ内容で一次プリフォーム7、二次プリフォーム18を得た。この際、二次プリフォーム18のブロー成形により延伸される底部23及び側壁部の各部位の壁厚において、前記t2/t1の範囲は0.5〜2.2であった。
実施例5においては、二軸延伸ブロー成形前に二次プリフォーム18を予備加熱する際、残留している応力の解放により変形してしまうプリフォームが発生したが、不良発生率は0.5%未満であり、実施例1から4と比較して歩留まりは劣るものの実用上問題はなく製造できた。
【実施例6】
【0045】
樹脂シート4として、PGA層を厚さ0.1mmの中間層6として設け、成形後に容器内面となる層として厚さ0.1mmのPET樹脂層、成形後に容器外面側となる層として厚さ0.1mmのPET樹脂層をそれぞれ形成し、総厚0.3mmの共押出多層シートを用いた以外は、実施例1と同じ内容で一次プリフォーム7、二次プリフォーム18を得た。この際、二次プリフォーム18のブロー成形により延伸される底部23及び側壁部の各部位の壁厚において、前記t2/t1の範囲は5.8〜12.7であった。
実施例6においては、一次プリフォーム成形工程において、工程中に一次プリフォーム7が破断して賦形が困難となる場合が生じ、実施例1から4と比較して歩留まりが低下したものの、不良発生率は0.5%未満であり、実用上問題なく製造できた。
【比較例1】
【0046】
樹脂シート4として、PGA層を厚さ0.1mmの中間層6として設け、成形後に容器内面となる層として厚さ0.8mmのPET樹脂層、成形後に容器外面側となる層として厚さ0.4mmのPET樹脂層をそれぞれ形成し、総厚1.3mmの共押出多層シートを用い、射出成形層15の厚さを、厚さ0.5mmで一定とし、成形された二次プリフォーム18および二次プリフォーム18をブロー成形して得られる成形品の重量が15gとなるようなるよう調整した以外は、実施例1と同じ内容で一次プリフォーム7、二次プリフォーム18を得た。この際、二次プリフォーム18のブロー成形により延伸される底部23及び側壁部の各部位の壁厚において、前記t2/t1の範囲は0.5〜1.1であった。
比較例1においては、二軸延伸ブロー成形前に二次プリフォーム18を予備加熱する際、全てのプリフォームが残留している応力の解放により変形した。そのため、得られたカップ状容器の中には、首部20の壁厚が厚過ぎたり、底部23の壁厚が薄過ぎたりして、側壁厚さが不均一でバランスが悪い不良品となった。
【比較例2】
【0047】
樹脂シート4として、PGA層を厚さ0.1mmの中間層6として設け、成形後に容器内面となる層として厚さ0.1mmのPET樹脂層、成形後に容器外面側となる層として厚さ0.1mmのPET樹脂層をそれぞれ形成し、総厚0.3mmの共押出多層シートを用い、射出成形層15の厚さを、厚さ2.8mmで一定とし、成形された二次プリフォーム18および二次プリフォーム18をブロー成形して得られる成形品の重量が17gとなるようなるよう調整した以外は、実施例1と同じ内容で一次プリフォーム7、二次プリフォーム18を得た。この際、二次プリフォーム18のブロー成形により延伸される底部23及び側壁部の各部位の壁厚において、前記t2/t1は約11.3〜26.4であった。
比較例2においては、t2/t1の値が大きすぎることにより、ブロー成形工程において、圧縮成形層24がブロー成形による延伸に追随できず、ブロー成形後の圧縮成形層24の厚さにバラツキが生じるものや、部分的に破断するものが発生し、必要な座屈強度、耐圧強度等を満たすことができず、全数が不良品となった。上記実施例の評価結果を表1に示す。
【表1】

【0048】
実施例1から6において成形された熱可塑性樹脂製のカップ状容器は、側壁厚さがほぼ均一となり、容器としての機能を十分に満足するものであった。これに対し、比較例1で成形された二次プリフォームは、予備加熱工程において応力歪みの緩和によりプリフォームが変形し、また、得られたカップ状容器においては、必要な強度が不足して所望の製品が成形できなかった。また、比較例2においては、容器成形の際に圧縮成形層24の厚さのバラツキが生じるものや、中間層6が断裂するものが発生し、所望の製品が成形できなかった。
【0049】
以上の通り、本発明の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上述した各実施例に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、前述した実施形態では、フランジ部19とブロー成形予定部21との間に、ブロー成形を受けない首部20を形成したが、首部20を形成することなく、フランジ部19に直接接続するようにブロー成形予定部21を設けても良い。また、本実施形態では中間層6を有する多層の熱可塑性樹脂シートを用いたが、単層のシートを用いても良い。
【符号の説明】
【0050】
4…樹脂シート、 5…中間層、 7…一次プリフォーム、 15…射出成形層、 18…二次プリフォーム、 19…フランジ部、 20…首部、 21…ブロー成形予定部、 22…開口部、 23…底部、 24…圧縮成形層、 29…熱可塑性樹脂容器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂シートを圧縮成形して底部および開口部を有する形状に形成された圧縮成形層と、前記圧縮成形層の外面もしくは内面に射出成形にて形成された射出成形層とを有し、加熱して軟化させた状態でブロー成形することにより所定の形状に膨張させて成形される熱可塑性樹脂製プリフォームにおいて、
前記射出成形層は、前記底部において最も厚く、開口部側で前記底部における厚さより薄くなるように形成されていることを特徴とする熱可塑性樹脂製プリフォーム。
【請求項2】
前記射出成形層は、その厚さが前記底部側から前記開口部に向けて徐々に薄くなっていることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂製プリフォーム。
【請求項3】
前記圧縮成形層の厚さt1と、前記射出成形層の厚さt2との比t2/t1が1.0〜6.0の間にあることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂製プリフォーム。
【請求項4】
前記開口部における前記比t2/t1が1.0〜2.3の範囲にあり、かつ前記底部における前記比t2/t1が3.2〜6.0の範囲にあることを特徴とする請求項3に記載の熱可塑性樹脂製プリフォーム。
【請求項5】
溶融押出成形により熱可塑性樹脂製シートを作製する工程と、前記熱可塑性樹脂製シートを加熱するシート加熱工程と、加熱された前記熱可塑性樹脂製シートを、打抜き刃を有する雄型および雌型で打抜き圧縮成形して、底部および開口部を有する形状の一次プリフォームを成形する一次プリフォーム成形工程と、前記一次プリフォームの外面もしくは内面に射出成形にて樹脂材料を被覆することにより、圧縮成形層と射出成形層を有する二次プリフォームを成形する二次プリフォーム成形工程とを有する熱可塑性樹脂製プリフォームの製造方法において、
前記二次プリフォーム成形工程において、前記射出成形層を、前記二次プリフォームの底部において最も厚く、開口部で薄くなるように形成することを特徴とする熱可塑性樹脂製プリフォームの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−200881(P2012−200881A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64523(P2011−64523)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000208455)大和製罐株式会社 (309)
【Fターム(参考)】