説明

燃料供給システム

【課題】内燃機関の始動性を確保すると共に、高い環境性及び耐久性を実現する燃料供給システムを提供すること。
【解決手段】アルコール及びガソリンの混合燃料としてメイン燃料及びそれよりもアルコール濃度が低いサブ燃料を内燃機関1の複数の気筒2に供給する燃料供給システム10において、各気筒2に対応して個別に設けられ、導入される燃料を当該対応気筒2に噴射する複数の第一燃料噴射弁40と、各気筒2に対応して個別に設けられ、導入される燃料を当該対応気筒2に噴射する複数の第二燃料噴射弁50と、各第一燃料噴射弁40及び各第二燃料噴射弁50に少なくともサブ燃料を導入するための燃料導入部60と、各第一燃料噴射弁40を制御対象弁として、燃料導入部60を通じて当該制御対象弁に導入する燃料をメイン燃料及びサブ燃料の間で切り換える切換弁70とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコール及びガソリンの混合燃料を内燃機関の複数の気筒に供給する燃料供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、バイオエタノール等のアルコールをガソリンに混合してなる混合燃料が、環境性に優れた内燃機関用燃料として注目を浴びてきている。このような混合燃料を内燃機関の各気筒に供給する燃料供給システムの一種に、アルコール濃度が高い混合燃料をメイン燃料として、またアルコール濃度が低い混合燃料をサブ燃料として、それらメイン燃料及びサブ燃料を使い分けるようにしたものが、特許文献1に開示されている。
【0003】
具体的に、特許文献1に開示の燃料供給システムでは、各気筒の吸気ポート近傍に設けられた燃料噴射弁によってメイン燃料が噴射供給される一方、各気筒の吸気ポートの上流側に設けられた噴射ノズルによってサブ燃料が噴射供給される。ここでサブ燃料については、デューティ制御弁によって噴射ノズルへの導入が制御されることで、低温下での内燃機関の始動時等に噴射ノズルから噴射供給されるようになっている。
【特許文献1】特開2007−278121号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示の燃料供給システムでは、アルコール濃度が低いサブ燃料の供給に噴射ノズルを使用しているため、当該サブ燃料の霧化性が悪く、内燃機関の始動性を確保し得なくなるおそれがある。また、特許文献1に開示の燃料供給システムでは、環境性を高めるべく、アルコール濃度が高いメイン燃料を燃料噴射弁に常に導入しているため、当該燃料噴射弁の先端にメイン燃料の劣化成分がデポジットとして堆積し易い。こうしたデポジットの堆積は燃料噴射弁からの燃料の噴射量を低下させる、即ち燃料噴射弁の耐久性を低下させることになるため、例えば燃料噴射弁にサブ燃料を導入してデポジットを除去する等といった定期的なメンテナンス作業が、ユーザにとって必要となっている。
【0005】
本発明は、以上の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、内燃機関の始動性を確保すると共に、高い環境性及び耐久性を実現する燃料供給システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、アルコール及びガソリンの混合燃料としてメイン燃料並びにメイン燃料よりもアルコール濃度が低いサブ燃料を内燃機関の複数の気筒に供給する燃料供給システムにおいて、各気筒に対応して個別に設けられ、導入される燃料を当該対応気筒に噴射する複数の第一燃料噴射弁と、各気筒に対応して個別に設けられ、導入される燃料を当該対応気筒に噴射する複数の第二燃料噴射弁と、各第一燃料噴射弁及び各第二燃料噴射弁に少なくともサブ燃料を導入するための燃料導入部と、各第一燃料噴射弁を制御対象弁として、燃料導入部を通じて当該制御対象弁に導入する燃料をメイン燃料及びサブ燃料の間で切り換える切換制御手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
このような請求項1に記載の発明によると、アルコール濃度が低い側の混合燃料であるサブ燃料を、少なくとも各第二燃料噴射弁に燃料導入部を通じて導入して、各気筒に噴射供給することができる。これによれば、サブ燃料の霧化性を良好なものとして、内燃機関の始動性を確保することが可能になるのである。
【0008】
また、請求項1に記載の発明によると、アルコール濃度が高い側の混合燃料であるメイン燃料を、切換制御手段により燃料導入部を通じて各第一燃料噴射弁に導入して各気筒に噴射供給することができる。この場合、環境性は高められ得るものの、各第一燃料噴射弁の先端にメイン燃料の劣化成分がデポジットとして堆積することが懸念されるが、請求項1に記載の発明では、燃料導入部を通じた各第一燃料噴射弁への導入によって各気筒に噴射供給する燃料を、切換制御手段によりメイン燃料からサブ燃料に切り換えることもできる。これによれば、アルコール濃度が低い側の混合燃料であるサブ燃料の噴射により各第一燃料噴射弁からデポジットが除去されて、高い耐久性が実現されることになるのである。
【0009】
請求項2,12,14に記載の発明によると、切換制御手段は、各第一燃料噴射弁及び各第二燃料噴射弁を制御対象弁とする。これによれば、アルコール濃度が高い側のメイン燃料を各第一燃料噴射弁のみならず、各第二燃料噴射弁にも燃料導入部を通じて導入して各気筒に噴射供給することができるので、環境性がさらに高められ得る。また、各第一燃料噴射弁及び各第二燃料噴射弁に燃料導入部を通じた導入によって各気筒に噴射供給する燃料をメイン燃料から、アルコール濃度が低い側のサブ燃料に切換制御手段によって切り換えることで、内燃機関の始動性の確保や高い耐久性の実現も可能となるのである。
【0010】
請求項3に記載の発明によると、切換制御手段は、制御対象弁への導入燃料を内燃機関の運転状況に応じてメイン燃料及びサブ燃料の間で切り換える。これによれば、制御対象弁への導入燃料についてメイン燃料及びサブ燃料間での切り換えを、内燃機関の運転状況に応じた適時に行って、内燃機関の始動性の確保と高い環境性及び耐久性の実現とを適正に果たすことが可能となる。
【0011】
請求項4に記載の発明によると、切換制御手段は、内燃機関の始動時に制御対象弁への導入燃料をサブ燃料に切り換え、内燃機関の始動後に制御対象弁への導入燃料をメイン燃料に切り換える。これによれば、内燃機関の始動時には、アルコール濃度が低い側のサブ燃料を、切換制御手段により制御対象弁に導入して各気筒に確実に噴射供給することができるので、内燃機関の始動性の確保が確固たるものとなる。また、内燃機関の始動後には、アルコール濃度が高い側のメイン燃料を、切換制御手段により制御対象弁に導入して各気筒に確実に噴射供給することができるので、高い環境性の実現が確固たるものとなるのである。
【0012】
請求項5に記載の発明によると、内燃機関の運転温度を検出する温度検出手段を備え、設定温度以下の運転温度が温度検出手段により検出された場合に切換制御手段は、内燃機関の始動時に制御対象弁への導入燃料をサブ燃料に切り換える。これによれば、設定温度以下の運転温度が温度検出手段により検出された内燃機関の始動時には、アルコール濃度が低い側のサブ燃料を、切換制御手段により制御対象弁に導入して各気筒に確実に噴射供給することができる。したがって、内燃機関の低い運転温度下にあっても、その始動性の確保が確固たるものとなるのである。
【0013】
請求項6に記載の発明によると、温度検出手段により検出される運転温度は、内燃機関の冷却水温度と、内燃機関の潤滑油温度と、内燃機関の吸気温度とのうち少なくとも一つである。これによれば、制御対象弁への導入燃料をサブ燃料に切り換えるための条件となる内燃機関の運転温度の検出を、内燃機関の冷却水温度と、内燃機関の潤滑油温度と、内燃機関の吸気温度とのうち少なくとも一つの検出により正確に行うことができる。したがって、内燃機関の始動性の確保が適正に果たされ得るのである。
【0014】
請求項7に記載の発明によると、内燃機関の運転履歴を監視する履歴監視手段を備え、切換制御手段は、履歴監視手段により監視された運転履歴から制御対象弁へのデポジットの堆積が予測される場合に制御対象弁への導入燃料をサブ燃料に切り換え、履歴監視手段により監視された運転履歴から当該堆積の解消が予測される場合に制御対象弁への導入燃料をメイン燃料に切り換える。これによれば、履歴監視手段により監視された内燃機関の運転履歴から制御対象弁へのデポジットの堆積が予測される場合には、アルコール濃度が低い側のサブ燃料を切換制御手段により制御対象弁に導入して各気筒に確実に噴射供給することができるので、高い耐久性の実現が確固たるものとなる。また、履歴監視手段により監視された内燃機関の運転履歴から制御対象弁へのデポジットの堆積の解消が予測される場合には、アルコール濃度が高い側のメイン燃料を切換制御手段により制御対象弁に導入して各気筒に確実に噴射供給することができるので、高い環境性の実現が確固たるものとなる。
【0015】
請求項8に記載の発明によると、履歴監視手段により監視される運転履歴は、内燃機関により駆動される車両の走行距離であり、切換制御手段は、制御対象弁へのデポジットの堆積が予測される距離に当該走行距離が達した場合に制御対象弁への導入燃料をサブ燃料に切り換える。これによれば、制御対象弁への導入燃料をサブ燃料に切り換えるための条件となる運転履歴を、内燃機関により駆動される車両の走行距離とすることで、制御対象弁へのデポジットの堆積が予測される距離に当該走行距離が達したか否かを正確に判断することができる。したがって、高い環境性の実現が適正に果たされ得るのである。
【0016】
請求項9に記載の発明によると、制御対象弁に導入する燃料を切り換えるための切換指令が入力される入力手段を備え、切換制御手段は、制御対象弁への導入燃料を入力手段への切換指令の入力に応じてメイン燃料及びサブ燃料の間で切り換える。これによれば、制御対象弁への導入燃料についてメイン燃料及びサブ燃料間での切り換えを、入力手段への切換指令の入力に応じて行うことができるので、内燃機関の始動性の確保と高い環境性及び耐久性の実現とをユーザ意思に従って果たすことが可能となるのである。
【0017】
請求項10に記載の発明によると、切換制御手段は、制御対象弁としての各第一燃料噴射弁に共通に設けられ、それら第一燃料噴射弁に導入する燃料をメイン燃料及びサブ燃料の間で切り換える共通切換弁を有する。これによれば、各第一燃料噴射弁への導入燃料についての切り換えを共通切換弁によって一挙に行うことができるので、当該切り換えのための構成が簡素化され得るのである。
【0018】
請求項11に記載の発明によると、切換制御手段は、制御対象弁としての各第一燃料噴射弁に対応して個別に設けられ、当該対応第一燃料噴射弁に導入する燃料をメイン燃料及びサブ燃料の間で切り換える複数の個別切換弁を有する。このように、各第一燃料噴射弁への導入燃料についての切り換えを各個別切換弁によって行う構成では、対応する第一燃料噴射弁及び個別切換弁同士を互いに近付けて設けることが可能となる。故に、その場合には、メイン燃料及びサブ燃料うち必要な一方を、各個別切換弁の切り換えから短時間にて各第一燃料噴射弁へと導入することができるのである。
【0019】
請求項12に記載の発明によると、各第一燃料噴射弁及び各第二燃料噴射弁を制御対象弁とする切換制御手段は、各第一燃料噴射弁に共通に設けられ、それら第一燃料噴射弁に導入する燃料をメイン燃料及びサブ燃料の間で切り換える第一共通切換弁と、各第二燃料噴射弁に共通に設けられ、それら第二燃料噴射弁に導入する燃料をメイン燃料及びサブ燃料の間で切り換える第二共通切換弁とを有する。このような構成では、各第一燃料噴射弁への導入燃料についての切り換えを第一共通切換弁によって一挙に行うと共に、各第二燃料噴射弁への導入燃料についての切り換えを第二共通切換弁によって一挙に行うことができる。これによれば、各第一燃料噴射弁への導入燃料と共に各第二燃料噴射弁への導入燃料を切り換えるための構成が、簡素化され得るのである。
【0020】
請求項13に記載の発明によると、第一共通切換弁は、第二共通切換弁を兼ねる。これによれば、各第一燃料噴射弁及び各第二燃料噴射弁への導入燃料についての切り換えを、第二共通切換弁を兼ねる第一共通切換弁によって一挙に行うことができる。これによれば、各第一燃料噴射弁への導入燃料と共に各第二燃料噴射弁への導入燃料を切り換えるための構成が、さらに簡素化され得るのである。
【0021】
請求項14に記載の発明によると、各第一燃料噴射弁及び各第二燃料噴射弁を制御対象弁とする切換制御手段は、各第一燃料噴射弁に対応して個別に設けられ、当該対応第一燃料噴射弁に導入する燃料をメイン燃料及びサブ燃料の間で切り換える複数の第一個別切換弁と、各第二燃料噴射弁に対応して個別に設けられ、当該対応第二燃料噴射弁に導入する燃料をメイン燃料及びサブ燃料の間で切り換える複数の第二個別切換弁とを有する。このように、制御対象弁としての各第一燃料噴射弁並びに各第二燃料噴射弁への導入燃料についての切り換えをそれぞれ各第一個別切換弁及び各第二個別切換弁によって行う構成では、対応する燃料噴射弁及び個別切換弁同士を互いに近付けて設けることが可能となる。故に、その場合には、メイン燃料及びサブ燃料うち必要な一方を、各第一個別切換弁及び各第二個別切換弁の切り換えから短時間にて各第一燃料噴射弁及び各第二燃料噴射弁へと導入することができるのである。
【0022】
請求項15に記載の発明によると、各第一個別切換弁は、各第二個別切換弁を兼ねる。これによれば、同一気筒に対応する第一燃料噴射弁及び第二燃料噴射弁への導入燃料の切り換えについては、第二個別切換弁を兼ねることによりそれら双方の燃料噴射弁と対応する第一個別切換弁によって、一挙に行うことができる。これによれば、各第一燃料噴射弁への導入燃料と共に各第二燃料噴射弁への導入燃料をも切り換えるための構成が、簡素化され得るのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
【0024】
(第一実施形態)
図1は、車両としてのFFV(Flexible Fuel Vehicle)を駆動する内燃機関1に、本発明の第一実施形態による燃料供給システム10を適用した例を示している。ここで、内燃機関1は複数の気筒2を備え、それら各気筒2に吸気マニホールド3の分岐管3aが一対の吸気ポート4,5を介して接続されてなる。これにより内燃機関1は、車外から吸気マニホールド3を通じて吸入される空気と、後述の如く吸気ポート4,5を通じて供給される燃料噴霧とを各気筒2内で混合して、点火プラグ(図示しない)の火花放電に応じて当該混合気を燃焼させることにより、車両の駆動輪に与える駆動力を発生する。
【0025】
このような内燃機関1に適用される燃料供給システム10は、燃料タンク20,30、燃料ポンプ22,32、燃料噴射弁40,50、燃料導入部60、共通切換弁70及び制御回路80を備えている。
【0026】
メイン燃料タンク20には、所定濃度となるようにアルコールをガソリンに混合してなる混合燃料が、車外からの補給によりメイン燃料として貯留される。ここで、本実施形態のメイン燃料は、アルコールとしてのバイオエタノールを85%以上の濃度で含有する混合燃料(例えばE85燃料)とされるが、後述するサブ燃料よりも高濃度にてアルコールを含有する混合燃料であれば、メイン燃料として適宜採用することができる。
【0027】
メイン燃料ポンプ22は、通電に応じて作動する電動ポンプであり、メイン燃料タンク20内に配置されて燃料導入部60と接続されている。メイン燃料ポンプ22は、その作動によって、メイン燃料をメイン燃料タンク20内から汲み上げて燃料導入部60へと吐出する。
【0028】
サブ燃料タンク30には、メイン燃料よりも低濃度となるようにアルコールをガソリンに混合してなる混合燃料が、車外からの補給によりサブ燃料として貯留される。ここで、本実施形態のサブ燃料は、アルコールとしてのバイオエタノールを25%以上の濃度で含有する混合燃料(例えばE25燃料)とされるが、メイン燃料よりも低濃度でアルコールを含有する混合燃料であれば、サブ燃料として適宜採用することができる。
【0029】
サブ燃料ポンプ32は、通電に応じて作動する電動ポンプであり、サブ燃料タンク30内に配置されて燃料導入部60と接続されている。サブ燃料ポンプ32は、その作動によって、サブ燃料をサブ燃料タンク30内から汲み上げて燃料導入部60へと吐出する。
【0030】
第一燃料噴射弁40は、通電に応じて開閉弁作動する電磁弁であり、各気筒2に対応して個別に一つずつ設けられて燃料導入部60に接続されている。各第一燃料噴射弁40は、燃料導入部60を通じて導入される混合燃料を、開弁した先端側から、対応する気筒2へと噴射供給する。ここで、本実施形態の各第一燃料噴射弁40は、対応する気筒2の吸気ポート4,5の上流側に配置されるが、主に一方の吸気ポート4を通じて当該対応気筒2への燃料噴射を行うように配置してもよいし(図1)、双方の吸気ポート4,5を通じて当該対応気筒2への燃料噴射を行うように配置してもよい(図2)。
【0031】
第二燃料噴射弁50は、通電に応じて開閉弁作動する電磁弁であり、各気筒2に対応して個別に一つずつ設けられて燃料導入部60に接続されている。各第二燃料噴射弁50は、燃料導入部60を通じて導入される混合燃料を、開弁した先端側から、対応する気筒2へと噴射供給する。ここで、本実施形態の各第二燃料噴射弁50は、対応する気筒2の吸気ポート4,5の上流側に配置されるが、主に第一燃料噴射弁40とは別の吸気ポート5を通じて当該対応気筒2への燃料噴射を行うように配置してもよいし(図1)、双方の吸気ポート4,5を通じて当該対応気筒2への燃料噴射を行うように配置してもよい(図2)。
【0032】
燃料導入部60は、複数の燃料レール61〜64等から構成されている。メイン燃料レール61は、メイン燃料タンク20内のメイン燃料ポンプ22及び共通切換弁70と接続されており、当該ポンプ22から吐出のメイン燃料を共通切換弁70側に搬送する。サブ燃料レール62は、サブ燃料タンク30内のサブ燃料ポンプ32及び共通切換弁70と接続されており、当該ポンプ32から吐出されるサブ燃料を共通切換弁70側に搬送する。
【0033】
第一燃料レール63は、共通切換弁70に接続されていると共に、個別の第一分岐レール63aによって各第一燃料噴射弁40に接続されている。これにより第一燃料レール63は、メイン燃料ポンプ22から吐出のメイン燃料及びサブ燃料ポンプ32から吐出のサブ燃料のうち、共通切換弁70の作動状態に応じたものを各第一燃料噴射弁40に導入する。第二燃料レール64は、サブ燃料タンク30内のサブ燃料ポンプ32に接続されていると共に、個別の第二分岐レール64aによって各第二燃料噴射弁50に接続されている。これにより第二燃料レール64は、サブ燃料ポンプ32から吐出のサブ燃料を各第二燃料噴射弁50に常時導入する。
【0034】
共通切換弁70は、通電により切換作動する電磁三方弁であり、第一燃料レール63に連通させるレールをメイン燃料レール61及びサブ燃料レール62の間で切り換える。したがって、共通切換弁70がメイン燃料レール61を第一燃料レール63に連通させるときには、メイン燃料レール61により搬送されるメイン燃料が第一燃料レール63に流入して、各第一燃料噴射弁40へと導入される。また一方、共通切換弁70がサブ燃料レール62を第一燃料レール63に連通させるときには、サブ燃料レール62により搬送されるサブ燃料が第一燃料レール63に流入して、各第一燃料噴射弁40へと導入される。以上、共通切換弁70は各第一燃料噴射弁40に共通に設けられて、それら第一燃料噴射弁40への導入燃料をメイン燃料とサブ燃料との間で切り換えるものとなっている。
【0035】
制御回路80は、メマイクロコンピュータを主体に構成されており、各燃料ポンプ22,32、各燃料噴射弁40,50及び共通切換弁70と電気接続されている。また、制御回路80は、温度センサ6、速度センサ7、回転数センサ8及びイグニッションスイッチ9と電気接続されている。ここで温度センサ6は、内燃機関1の冷却水温度、内燃機関1の潤滑油温度及び内燃機関1の吸気温度のうちいずれかの温度を検出するものであり、当該センサ6からの出力信号に基づいて制御回路80は内燃機関1の運転温度を判定する。速度センサ7は、車両の速度又は駆動輪の回転速度を検出するものであり、当該センサ7からの出力信号に基づいて制御回路80は、内燃機関1の運転履歴として車両の走行距離を監視する。回転数センサ8は、内燃機関1の回転数を検出するものであり、当該センサ8からの出力信号に基づいて制御回路80は内燃機関1の運転状態を判定する。イグニッションスイッチ9は、内燃機関1のオンオフ指令を車両のユーザによって入力するためのスイッチであり、当該スイッチ9からの出力信号に基づいて制御回路80は内燃機関1のオンオフ指令を検出する。
【0036】
このような電気接続状態の制御回路80は、イグニッションスイッチ9からの出力信号に基づいて内燃機関1のオン指令を検出すると、各燃料ポンプ22,32及び各燃料噴射弁40,50の通電駆動並びに各センサ6〜8からの出力信号に基づく共通切換弁70の通電制御を実施する。また一方、制御回路80は、イグニッションスイッチ9からの出力信号に基づいて内燃機関1のオフ指令を検出すると、各燃料ポンプ22,32及び各燃料噴射弁40,50の通電駆動並びに各センサ6〜8の出力信号に基づく共通切換弁70の通電制御を停止することになる。
【0037】
以上、燃料供給システム10の構成を説明した、以下、燃料供給システム10の特徴的作動、具体的には制御回路80がコンピュータプログラムを実行することにより実施される切換制御作動について、図3,4を参照しつつ詳細に説明する。
【0038】
制御回路80は、イグニッションスイッチ9からの出力信号に基づいて内燃機関1のオン指令を検出すると、切換制御作動を開始する。この開始時点(図3のt0)において制御回路80は、共通切換弁70の制御によって、各第一燃料噴射弁40への導入燃料をサブ燃料に切り換えた状態となっている。
【0039】
続いて制御回路80は、温度センサ6からの出力信号に基づく内燃機関1の運転温度が設定温度Ts以下となる場合に、回転数センサ8の出力信号に基づく内燃機関1の運転状態が設定回転数Rsの回転状態に達する(図3のt1)と、制御モードを低温始動モードとする。尚、ここで温度Tsは、アルコール濃度が高い低揮発性のメイン燃料によっても内燃機関1の始動性を確保可能な運転温度の下限値となるように、例えば15℃等に設定される。また、回転数Rsは、内燃機関1が完爆して始動完了となるまでのクランキング回転数となるように、例えば400rpm等に設定される。
【0040】
低温始動モードにおいて制御回路80は、共通切換弁70を制御して、各第一燃料噴射弁40への導入燃料をサブ燃料に切り換えた状態に維持する。これにより低温度始動モードでは、各第二燃料噴射弁50からのみならず、各第一燃料噴射弁40からも、アルコール濃度の低い高揮発性のサブ燃料が各気筒2へと噴射供給される。このとき、各第二燃料噴射弁50及び各第一燃料噴射弁40から噴射されるサブ燃料の霧化性は良好なものとなるので、設定温度Ts以下という低温下にあっても、内燃機関1の始動性を確実に確保できるのである。
【0041】
以上の低温始動モードは、その開始時点(図3のt1)から設定時間Δtが経過するまで、継続される。ここで時間Δtは、低温始動モードの開始時点から内燃機関1が完爆するまでの時間以上となるように、設定される。したがって、内燃機関1の始動が完了して低温始動モードが終了する(図3のt2)と、制御回路80は制御モードを通常モードとすることになる。また、本実施形態では、切換制御作動を開始後に内燃機関1の運転状態が設定回転数Rsの回転状態に達しても、内燃機関1の運転温度が設定温度Tsを超える場合には、内燃機関1の始動完了前から制御モードが通常モードとされることになる。
【0042】
このようにして開始される通常モードにおいて制御回路80は、共通切換弁70を制御して、各第一燃料噴射弁40への導入燃料をメイン燃料に切り換える。これにより通常モードでは、各第二燃料噴射弁50からサブ燃料が各気筒2に噴射供給される一方で、各第一燃料噴射弁40からは高アルコール濃度のメイン燃料が各気筒2に噴射供給されることになるので、燃焼後における二酸化炭素の排出量を抑えて環境性を確実に高めることができるのである。
【0043】
以上の通常モード中に、速度センサ7からの出力信号に基づき監視される車両の走行距離が、各第一燃料噴射弁40先端へのデポジットの堆積が予測される距離De1に達した場合(図4のt3)、それら第一燃料噴射弁40からの燃料噴射量の低下が懸念される。そこで、この場合には、制御回路80が制御モードを堆積解消モードに設定して、対処することになる。尚、ここで、堆積解消モードの要否を決めるための走行距離は、先の堆積解消モードが実施されてからの通常モードにおける積算距離とされ、当該積算距離の間に繰り返される噴射によりメイン燃料の劣化成分が堆積してデポジットとして燃料噴射量を低下させる当該堆積の量を考慮し、距離De1は例えば500km等に設定される。
【0044】
堆積解消モードにおいて制御回路80は、共通切換弁70を制御して、各第一燃料噴射弁40への導入燃料をサブ燃料に切り換える。これにより堆積解消モードでは、低温始動モードと同様、各第二燃料噴射弁50からのみならず、各第一燃料噴射弁40からも、低アルコール濃度のサブ燃料が各気筒2に噴射供給される。このようなサブ燃料の噴射によれば、各第一燃料噴射弁40に堆積のデポジットが噴射圧等によって除去されることになるので、それら第一燃料噴射弁40の耐久性を確実に高めることができるのである。
【0045】
こうした堆積解消モードは、その開始時点(図4のt3)を起点として、速度センサ7からの出力信号に基づき監視される車両の走行距離が、各第一燃料噴射弁40へのデポジットの堆積解消の予測される距離De2となるまで継続される。ここで距離De2は、堆積解消モードの開始時点から繰り返されるサブ燃料の噴射によりデポジットが除去され得るように、例えば20km等に設定される。したがって、各第一燃料噴射弁40からデポジットが除去されて堆積解消モードが終了する(図4のt4)と、制御回路80は、高い環境性を実現する通常モードへと制御モードを戻すことになる。
【0046】
ここまでの第一実施形態によると、各第一燃料噴射弁40への導入燃料は、メイン燃料及びサブ燃料のうち内燃機関1の運転状況に応じたアルコール濃度のものに、共通切換弁70によって適時に且つ一挙に切り換えられることとなる。したがって、内燃機関の始動性の確保と高い環境性及び耐久性の実現とを、簡素な構成によって適正に果たすことができるのである。
【0047】
尚、以上説明した第一実施形態では、共通切換弁70及び制御回路80が共同して特許請求の範囲に記載の「切換制御手段」を構成し、複数の第一燃料噴射弁40が特許請求の範囲に記載の「制御対象弁」に相当し、温度センサ6が特許請求の範囲に記載の「温度検出手段」に相当し、速度センサ7及び制御回路80が共同して特許請求の範囲に記載の「履歴監視手段」を構成している。
【0048】
(第二実施形態)
図5に示すように、本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例である。第二実施形態の燃料供給システム200では、内燃機関1の各気筒2に対応して個別に一対ずつ、第一燃料噴射弁40が設けられている。ここで、各気筒2に対応する一対の第一燃料噴射弁40のうち、一方の弁40は当該対応気筒2の一方の吸気ポート4を通じて燃料噴射するように配置され、また他方の弁40は当該対応気筒2の他方の吸気ポート5を通じて燃料噴射するように配置されている。尚、各気筒2に対応して個別に一つずつ設けられる第二燃料噴射弁50については、本実施形態では、当該対応気筒2の双方の吸気ポート4,5を通じて燃料噴射するように配置されている。
【0049】
このような第二実施形態によると、メイン燃料及びサブ燃料のうち内燃機関1の運転状況に応じたアルコール濃度のものを、一対の第一燃料噴射弁40から各気筒2に多量に噴射可能となる。したがって、メイン燃料の噴射供給による環境性の向上効果とサブ燃料の噴射供給による耐久性の向上効果とを、さらに高めることができるのである。
【0050】
尚、以上説明した第二実施形態では、各気筒2に対応して一対ずつ設けられた第一燃料噴射弁40が特許請求の範囲に記載の「制御対象弁」に相当している。
【0051】
(第三実施形態)
図6に示すように、本発明の第三実施形態は第一実施形態の変形例である。第三実施形態の燃料供給システム300の燃料導入部360では、燃料レール61,62が設けられず、第一燃料レール63がメイン燃料タンク20内のメイン燃料ポンプ22に接続されて当該メイン燃料を搬送する。また、燃料導入部360では、共通切換弁70が設けられず、第一燃料レール63及び第二燃料レール64の各分岐レール63a,64a並びに各第一燃料噴射弁40が、それぞれ個別に対応する個別切換弁370と接続されている。ここで各個別切換弁370は、制御回路80と電気接続されて通電により切換作動する電磁三方弁であり、対応第一燃料噴射弁40に連通させるレールを対応第一分岐レール63a及び対応第二分岐レール64aの間で切り換える。
【0052】
したがって、各個別切換弁370が各第一燃料噴射弁40を各第一分岐レール63aに連通させるときには、第一燃料レール63により搬送されるメイン燃料が第一燃料レール63に流入して、各第一燃料噴射弁40へと導入される。また一方、各個別切換弁370が各第一燃料噴射弁40を各第二分岐レール64aに連通させるときには、第二燃料レール64により搬送されるサブ燃料が第二燃料レール64に流入して、各第一燃料噴射弁40へと導入される。以上、各個別切換弁370は、各第一燃料噴射弁40のうち個別に対応する弁への導入燃料を、メイン燃料とサブ燃料との間で切り換えるものとなっている。
【0053】
尚、燃料噴射弁40,50の配置形態については、例えば第一実施形態と同様、図6の形態のものに限らず図7の形態を採用してもよいし、第二実施形態に準じて各気筒2に第一燃料噴射弁40を一対配置する図8の形態を採用してもよい。
【0054】
こうした構成を有する第三実施形態の切換制御作動では、その開始時点並びに低温始動モードにおいて制御回路80が各個別切換弁370を制御することにより、各第一燃料噴射弁40への導入燃料をサブ燃料に切り換えた状態とする。また、通常モードにおいて制御回路80は、各個別切換弁370を制御して、各第一燃料噴射弁40への導入燃料をメイン燃料に切り換える。さらに、堆積解消モードにおいて制御回路80は、各個別切換弁370を制御して、各第一燃料噴射弁40への導入燃料をサブ燃料に切り換える。
【0055】
このような第三実施形態によると、各第一燃料噴射弁40への導入燃料は、各個別切換弁370によって適時に切り換えられることとなる。ここで特に、各第一燃料噴射弁40への導入燃料を切り換える切換弁370がそれらの燃料噴射弁40に個別に設けられる構成では、切換弁370及び弁40間の距離を可及的に短縮可能となる。故に、その場合には、メイン燃料及びサブ燃料うち必要な一方を、各個別切換弁370の切り換えから短時間にて各第一燃料噴射弁40に導入し得るので、内燃機関の始動性の確保と高い環境性及び耐久性の実現とを、より適正に果たすことができるのである。
【0056】
尚、以上説明した第三実施形態では、複数の個別切換弁370及び制御回路80が共同して特許請求の範囲に記載の「切換制御手段」を構成している。
【0057】
(第四実施形態)
図9に示すように、本発明の第四実施形態は第一実施形態の変形例である。第四実施形態の燃料供給システム400の燃料導入部460では、メイン燃料レール61及びサブ燃料レール62と実質的に同一構成の第一メイン燃料レール461及び第一サブ燃料レール462に加えて、第二メイン燃料レール465及び第二サブ燃料レール466が設けられている。ここで第二メイン燃料レール465は、メイン燃料タンク20内のメイン燃料ポンプ22と接続されて当該メイン燃料を搬送する。第二サブ燃料レール466は、サブ燃料タンク30内のサブ燃料ポンプ32と接続されて当該サブ燃料を搬送する。
【0058】
さらに、第四実施形態の燃料導入部460では、共通切換弁70と実質的に同一構成の第一共通切換弁470に加えて、サブ燃料ポンプ32の代わりに第二燃料レール64と接続される第二共通切換弁472が設けられている。ここで第二共通切換弁472は、制御回路80に電気接続されて通電により切換作動する電磁三方弁であり、第二メイン燃料レール465及び第二サブ燃料レール466と接続されている。これにより第二共通切換弁472は、第二燃料レール64に連通させるレールを第二メイン燃料レール465及び第二サブ燃料レール466の間で切り換えることになる。
【0059】
したがって、第二共通切換弁472が第二メイン燃料レール465を第二燃料レール64に連通させるときには、第二メイン燃料レール465により搬送されるメイン燃料が第二燃料レール64に流入して、各第二燃料噴射弁50へと導入される。また一方、第二共通切換弁472が第二サブ燃料レール466を第二燃料レール64に連通させるときには、第二サブ燃料レール466により搬送されるサブ燃料が第二燃料レール64に流入して、各第二燃料噴射弁50へと導入される。以上、第二共通切換弁472は各第二燃料噴射弁50に共通に設けられて、それら第二燃料噴射弁50への導入燃料をメイン燃料とサブ燃料との間で切り換えるものとなっている。
【0060】
尚、燃料噴射弁40,50の配置形態については、例えば第一実施形態と同様、図9の形態のものに限らず図2に準ずる形態を採用してもよいし、第二実施形態に準じて各気筒2に第一燃料噴射弁40を一対配置する形態を採用してもよい。
【0061】
こうした構成を有する第四実施形態の切換制御作動では、その開始時点並びに低温始動モードにおいて制御回路80が第一共通切換弁470及び第二共通切換弁472を制御することにより、図10に示すように、各第一燃料噴射弁40及び各第二燃料噴射弁50への導入燃料をサブ燃料に切り換えた状態とする。また、通常モードにおいて制御回路80は、図10,11に示すように第一共通切換弁470及び第二共通切換弁472を制御して、各第一燃料噴射弁40及び各第二燃料噴射弁50への導入燃料をメイン燃料に切り換える。さらに、堆積解消モードにおいて制御回路80は、図11に示すように第一共通切換弁470及び第二共通切換弁472を制御して、各第一燃料噴射弁40及び各第二燃料噴射弁50への導入燃料をサブ燃料に切り換える。
【0062】
このような第四実施形態によると、各第一燃料噴射弁40への導入燃料は第一共通切換弁470によって、また各第二燃料噴射弁50への導入燃料は第二共通切換弁472によって、適時に且つ一挙に切り換えられることとなる。したがって、内燃機関の始動性の確保と高い環境性及び耐久性の実現とを、比較的簡素な構成によって適正に果たすことができる。また特に、第四実施形態によると、切換制御作動の通常モードにおいて、各第一燃料噴射弁40からも各第二燃料噴射弁50からも、メイン燃料が各気筒2に噴射供給されることになるので、環境性の向上効果をさらに高めることもできるのである。
【0063】
尚、以上説明した第四実施形態では、複数の第一燃料噴射弁40と共に複数の第二燃料噴射弁50が特許請求の範囲に記載の「制御対象弁」に相当し、第一共通切換弁470、第二共通切換弁472及び制御回路80が共同して特許請求の範囲に記載の「切換制御手段」を構成している。
【0064】
(第五実施形態)
図12に示すように、本発明の第五実施形態は第四実施形態の変形例である。第五実施形態の燃料供給システム500の燃料導入部560では、燃料レール465,466及び第二共通切換弁472が設けられず、第一共通切換弁470と実質的に同一構成(ここでは、第一実施形態の共通切換弁70とも実質的に同一構成)の共通切換弁570に第二燃料レール64が接続されている。これにより共通切換弁570が、第四実施形態の第二共通切換弁472の機能を兼ねるようになっている。
【0065】
こうした構成を有する第五実施形態の切換制御作動では、その開始時点並びに低温始動モードにおいて制御回路80が共通切換弁570を制御することにより、各第一燃料噴射弁40及び各第二燃料噴射弁50への導入燃料をサブ燃料に切り換えた状態とする。また、通常モードにおいて制御回路80は、共通切換弁570を制御して、各第一燃料噴射弁40及び各第二燃料噴射弁50への導入燃料をメイン燃料に切り換える。さらに、堆積解消モードにおいて制御回路80は、共通切換弁570を制御して、各第一燃料噴射弁40及び各第二燃料噴射弁50への導入燃料をサブ燃料に切り換える。
【0066】
このような第五実施形態によると、各第一燃料噴射弁40及び各第二燃料噴射弁50への導入燃料は、唯一つの共通切換弁570によって適時に且つ一挙に切り換えられることとなる。これによれば、構成のさらなる簡素化を図りつつ、内燃機関の始動性の確保と高い環境性及び耐久性の実現とを適正に果たすことができるのである。
【0067】
尚、以上説明した第五実施形態では、共通切換弁570及び制御回路80が共同して特許請求の範囲に記載の「切換制御手段」を構成している。
【0068】
(第六実施形態)
図13に示すように、本発明の第六実施形態は第三実施形態の変形例である。第六実施形態の燃料供給システム600の燃料導入部660では、個別切換弁370と実質的に同一構成の複数の第一個別切換弁670に加えて、複数の第二個別切換弁672が設けられている。ここで各第二個別切換弁672は、制御回路80と電気接続されて通電により切換作動する電磁三方弁であり、第一燃料レール63及び第二燃料レール64の各分岐レール63a,64a並びに各第二燃料噴射弁50のうちそれぞれ個別に対応するものと接続されている。これにより各第二個別切換弁672は、対応第二燃料噴射弁50に連通させるレールを対応第一分岐レール63a及び対応第二分岐レール64aの間で切り換える。
【0069】
したがって、各第二個別切換弁672が各第二燃料噴射弁50を各第一分岐レール63aに連通させるときには、第一燃料レール63により搬送されるメイン燃料が第一燃料レール63に流入して各第二燃料噴射弁50へと導入される。また一方、各第二個別切換弁672が各第二燃料噴射弁50を各第二分岐レール64aに連通させるときには、第二燃料レール64により搬送されるサブ燃料が第二燃料レール64に流入して各第二燃料噴射弁50へと導入される。以上、各第二個別切換弁672は、各第二燃料噴射弁50のうち個別に対応する弁への導入燃料を、メイン燃料とサブ燃料との間で切り換えるものとなっている。
【0070】
こうした構成を有する第六実施形態の切換制御作動では、その開始時点並びに低温始動モードにおいて制御回路80が各第一個別切換弁670及び各第二個別切換弁672を制御することにより、各第一燃料噴射弁40及び各第二燃料噴射弁50への導入燃料を第四実施形態に準じてサブ燃料に切り換えた状態とする。また、通常モードにおいて制御回路80は、各第一個別切換弁670及び各第二個別切換弁672を制御することにより、各第一燃料噴射弁40及び各第二燃料噴射弁50への導入燃料を第四実施形態に準じてメイン燃料へと切り換える。さらに、堆積解消モードにおいて制御回路80は、各第一個別切換弁670及び各第二個別切換弁672を制御することにより、各第一燃料噴射弁40及び各第二燃料噴射弁50への導入燃料を第四実施形態に準じてサブ燃料へと切り換える。
【0071】
このような第六実施形態によると、各第一燃料噴射弁40への導入燃料は各第一個別切換弁670よって、また各第二燃料噴射弁50への導入燃料は各第二個別切換弁672によって、適時に切り換えられることとなる。ここで特に、各第一燃料噴射弁40への導入燃料を切り換える切換弁670がそれら燃料噴射弁40に個別に、また各第二燃料噴射弁50への導入燃料を切り換える切換弁672がそれら燃料噴射弁50に個別に設けられる構成では、切換弁670,672及び弁40,50間の距離を可及的に短縮可能となる。故に、その場合には、メイン燃料及びサブ燃料うち必要な一方を、各個別切換弁670,672の切り換えから短時間にて各燃料噴射弁40,50へと導入し得るので、内燃機関の始動性の確保と高い環境性及び耐久性の実現とを、より適正に果たすことができるのである。しかも、第六実施形態によると、切換制御作動の通常モードにおいて、各第一燃料噴射弁40からも各第二燃料噴射弁50からも、メイン燃料が各気筒2に噴射供給されることになるので、環境性の向上効果をさらに高めることもできるのである。
【0072】
尚、以上説明した第六実施形態では、複数の第一燃料噴射弁40と共に複数の第二燃料噴射弁50が特許請求の範囲に記載の「制御対象弁」に相当し、複数の第一個別切換弁670、複数の第二個別切換弁672及び制御回路80が共同して特許請求の範囲に記載の「切換制御手段」を構成している。
【0073】
(第七実施形態)
図14に示すように、本発明の第七実施形態は第六実施形態の変形例である。第七実施形態の燃料供給システム700の燃料導入部760では、複数の第二個別切換弁672が設けられず、第一個別切換弁670と実質的に同一構成(ここでは、第三実施形態の個別切換弁370とも実質的に同一構成)となる個別切換弁770の複数が、それぞれ個別に対応する第二燃料噴射弁50にも接続されている。これにより各個別切換弁770が、第六実施形態の各第二個別切換弁672の機能を兼ねるようになっている。
【0074】
こうした構成を有する第六実施形態の切換制御作動では、その開始時点並びに低温始動モードにおいて制御回路80が各個別切換弁770を制御することにより、各第一燃料噴射弁40及び各第二燃料噴射弁50への導入燃料をサブ燃料に切り換えた状態とする。また、通常モードにおいて制御回路80は、各個別切換弁770を制御して、各第一燃料噴射弁40及び各第二燃料噴射弁50への導入燃料をメイン燃料に切り換える。さらに、堆積解消モードにおいて制御回路80は、各個別切換弁770を制御して、各第一燃料噴射弁40及び各第二燃料噴射弁50への導入燃料をサブ燃料に切り換える。
【0075】
このような第七実施形態によると、同一気筒2に対応した第一燃料噴射弁40及び第二燃料噴射弁50への導入燃料については、同一の個別切換弁770により切り換えられる。これによれば、構成の簡素化を図りつつ、内燃機関の始動性の確保と高い環境性及び耐久性の実現とを適正に果たすことができるのである。
【0076】
尚、以上説明した第七実施形態では、複数の個別切換弁770及び制御回路80が共同して特許請求の範囲に記載の「切換制御手段」を構成している。
【0077】
(第八実施形態)
図15に示すように、本発明の第八実施形態は第四実施形態の変形例である。第八実施形態の燃料供給システム800には、切換スイッチ801が追加されている。この切換スイッチ801は、各第一燃料噴射弁40及び各第二燃料噴射弁50への導入燃料を切り換えるための切換指令を、車両のユーザが入力するために操作されるスイッチである。ここで切換スイッチ801には、メイン燃料に切り換える切換指令を入力するための操作位置と、サブ燃料に切り換える切換指令を入力するための操作位置とが用意されている。
【0078】
切換スイッチ801は制御回路80と電気接続されており、当該スイッチ801の操作によって入力された切換指令を表す信号を、制御回路80に出力する。この出力信号に基づいて制御回路80が第一共通切換弁470及び第二共通切換弁472を切換制御することによれば、本実施形態の特徴的な切換制御作動が実現されることになる。以下、かかる切換制御作動の詳細を、図16を参照しつつ説明する。
【0079】
制御回路80は、イグニッションスイッチ9からの出力信号に基づいて内燃機関1のオン指令を検出すると、切換制御作動を開始する。この開始時点(図16のt0)において切換スイッチ801の出力信号がサブ燃料への切換指令を表している場合には、制御回路80が制御モードを特別モードとする。
【0080】
特別モードにおいて制御回路80は、第一共通切換弁470及び第二共通切換弁472を制御することにより、各第一燃料噴射弁40及び各第二燃料噴射弁50への導入燃料をサブ燃料に切り換えた状態とする。これにより、切換制御作動の開始直後となる機関始動中の特別モードでは、各第一燃料噴射弁40及び各第二燃料噴射弁50の双方から、アルコール濃度の低い高揮発性のサブ燃料が各気筒2に噴射供給されることになる。したがって、内燃機関1の始動性を確保することができるのである。
【0081】
こうした特別モードは、切換スイッチ801の操作によってメイン燃料への切換指令が入力されるまで継続される。したがって、メイン燃料への切換指令が入力されてサブ燃料モードが終了する(図16のt1)と、制御回路80は制御モードを、第四実施形態と実質的に同一内容の通常モードとする。また、本実施形態では、切換制御作動の開始時点において切換スイッチ801の出力信号がメイン燃料への切換指令を表している場合には、当該開始時点から制御モードが通常モードとされる。したがって、こうした通常モードによれば、燃焼後における二酸化炭素の排出量を十分に抑えて、環境性の向上効果を高めることができるのである。
【0082】
以上の通常モード中に、切換スイッチ801の操作によってサブ燃料への切換指令が入力された場合(例えば図16のt2)には、制御回路80が制御モードを、上述と同じ特別モードとする。これによれば、各第一燃料噴射弁40及び各第二燃料噴射弁50から、アルコール濃度の低いサブ燃料を各気筒2に噴射供給できるので、それら燃料噴射弁40,50に堆積のデポジットを除去して耐久性を高めることが可能になる。尚、通常モード中に切り換えられた特別モードの場合にあっても、切換スイッチ801の操作によってメイン燃料への切換指令が入力される(例えば図16のt3)と、制御モードが通常モードへと戻るようになっている。
【0083】
このように第八実施形態では、各第一燃料噴射弁40及び各第二燃料噴射弁50への導入燃料について、メイン燃料及びサブ燃料間での切り換えを切換スイッチ801への切換指令に応じて行うことができる。したがって、内燃機関の始動性の確保と高い環境性及び耐久性の実現とを、ユーザ意思に従って果たすことができるのである。
【0084】
尚、以上説明した第八実施形態では、切換スイッチ801が特許請求の範囲に記載の「入力手段」に相当している。
(他の実施形態)
ここまで、本発明の複数の実施形態について説明してきたが、本発明はそれらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
【0085】
例えば、第一〜第八実施形態において第一燃料噴射弁40は、各気筒2に対して一つ又は一対設けることに限定されるものではなく、各気筒2に対して少なくとも一つ設けられていればよい。また同様に、第一〜第八実施形態において第二燃料噴射弁50は、各気筒2に対して一つ設けることに限定されるものではなく、各気筒2に対して少なくとも一つ設けられていればよい。
【0086】
第一〜第七実施形態の切換制御作動においては、低温始動モード及び堆積モードのうち一方を実施しないようにしてもよい。また、第一〜第七実施形態においては、内燃機関1の運転温度に拘らずに切換制御作動の開始時点から始動完了後まで「制御対象弁」にサブ燃料を導入する始動モードを、制御モードとして実施するようにしてもよい。さらに、第一〜第七実施形態の切換制御作動の低温始動モードにおいては、内燃機関1の冷却水温度、内燃機関1の潤滑油温度及び内燃機関1の吸気温度のうち少なくとも二つを、それぞれについての設定温度Tsと比較することによって、低温始動モードの要否を判定してもよい。またさらに、第一〜第七実施形態においては、説明した切換制御作動に加えて又は代えて、第八実施形態に準ずる切換制御作動を実施するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の第一実施形態による燃料供給システムをその適用対象の内燃機関と共に模式的に示す構成図である。
【図2】図1の変形例を示す構成図である。
【図3】本発明の第一実施形態による燃料供給システムの切換制御作動について説明するための模式図である。
【図4】本発明の第一実施形態による燃料供給システムの切換制御作動について説明するための模式図である。
【図5】本発明の第二実施形態による燃料供給システムをその適用対象の内燃機関と共に模式的に示す構成図である。
【図6】本発明の第三実施形態による燃料供給システムをその適用対象の内燃機関と共に模式的に示す構成図である。
【図7】図6の変形例を示す構成図である。
【図8】図6の変形例を示す構成図である。
【図9】本発明の第四実施形態による燃料供給システムをその適用対象の内燃機関と共に模式的に示す構成図である。
【図10】本発明の第四実施形態による燃料供給システムの切換制御作動について説明するための模式図である。
【図11】本発明の第四実施形態による燃料供給システムの切換制御作動について説明するための模式図である。
【図12】本発明の第五実施形態による燃料供給システムをその適用対象の内燃機関と共に模式的に示す構成図である。
【図13】本発明の第六実施形態による燃料供給システムをその適用対象の内燃機関と共に模式的に示す構成図である。
【図14】本発明の第七実施形態による燃料供給システムをその適用対象の内燃機関と共に模式的に示す構成図である。
【図15】本発明の第八実施形態による燃料供給システムをその適用対象の内燃機関と共に模式的に示す構成図である。
【図16】本発明の第八実施形態による燃料供給システムの切換制御作動について説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0088】
1 内燃機関、2 気筒、3 吸気マニホールド、3a 分岐管、4,5 吸気ポート、6 温度センサ(温度検出手段)、7 速度センサ(履歴監視手段)、8 回転数センサ、9 イグニッションスイッチ、10,200,300,400,500,600,700,800 燃料供給システム、20 メイン燃料タンク、22 メイン燃料ポンプ、30 サブ燃料タンク、32 サブ燃料ポンプ、40 第一燃料噴射弁(制御対象弁)、50 第二燃料噴射弁(制御対象弁)、60,360,460,560,660,760 燃料導入部、61 メイン燃料レール、62 サブ燃料レール、63 第一燃料レール、63a 第一分岐レール、64 第二燃料レール、64a 第二分岐レール、70 共通切換弁(切換制御手段)、80 制御回路(切換制御手段)、370 個別切換弁(切換制御手段)、461 第一メイン燃料レール、462 第一サブ燃料レール、465 第二メイン燃料レール、466 第二サブ燃料レール、470 第一共通切換弁(切換制御手段)、472 第二共通切換弁(切換制御手段)、570 共通切換弁(切換制御手段)、670 第一個別切換弁(切換制御手段)、672 第二個別切換弁(切換制御手段)、770 個別切換弁(切換制御手段)、801 切換スイッチ(入力手段)、Ts 設定温度、Rs 設定回転数、Δt 設定時間、De1 堆積が予測される距離、De2 堆積の解消が予測される距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルコール及びガソリンの混合燃料としてメイン燃料並びに前記メイン燃料よりもアルコール濃度が低いサブ燃料を内燃機関の複数の気筒に供給する燃料供給システムにおいて、
各前記気筒に対応して個別に設けられ、導入される燃料を当該対応気筒に噴射する複数の第一燃料噴射弁と、
各前記気筒に対応して個別に設けられ、導入される燃料を当該対応気筒に噴射する複数の第二燃料噴射弁と、
各前記第一燃料噴射弁及び各前記第二燃料噴射弁に少なくとも前記サブ燃料を導入するための燃料導入部と、
各前記第一燃料噴射弁を制御対象弁として、前記燃料導入部を通じて当該制御対象弁に導入する燃料を前記メイン燃料及び前記サブ燃料の間で切り換える切換制御手段とを備えることを特徴とする燃料供給システム。
【請求項2】
前記切換制御手段は、各前記第一燃料噴射弁及び各前記第二燃料噴射弁を前記制御対象弁とすることを特徴とする請求項1に記載の燃料供給システム。
【請求項3】
前記切換制御手段は、前記制御対象弁への導入燃料を前記内燃機関の運転状況に応じて前記メイン燃料及び前記サブ燃料の間で切り換えることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料供給システム。
【請求項4】
前記切換制御手段は、前記内燃機関の始動時に前記制御対象弁への導入燃料を前記サブ燃料に切り換え、前記内燃機関の始動後に前記制御対象弁への導入燃料を前記メイン燃料に切り換えることを特徴とする請求項3に記載の燃料供給システム。
【請求項5】
前記内燃機関の運転温度を検出する温度検出手段を備え、
設定温度以下の前記運転温度が前記温度検出手段により検出された場合に前記切換制御手段は、前記内燃機関の始動時に前記制御対象弁への導入燃料を前記サブ燃料に切り換えることを特徴とする請求項4に記載の燃料供給システム。
【請求項6】
前記運転温度は、前記内燃機関の冷却水温度と、前記内燃機関の潤滑油温度と、前記内燃機関の吸気温度とのうち少なくとも一つであることを特徴とする請求項5に記載の燃料供給システム。
【請求項7】
前記内燃機関の運転履歴を監視する履歴監視手段を備え、
前記切換制御手段は、前記履歴監視手段により監視された前記運転履歴から前記制御対象弁へのデポジットの堆積が予測される場合に前記制御対象弁への導入燃料を前記サブ燃料に切り換え、前記履歴監視手段により監視された前記運転履歴から当該堆積の解消が予測される場合に前記制御対象弁への導入燃料を前記メイン燃料に切り換えることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載の燃料供給システム。
【請求項8】
前記運転履歴は、前記内燃機関により駆動される車両の走行距離であり、
前記切換制御手段は、前記制御対象弁へのデポジットの堆積が予測される距離に前記走行距離が達した場合に前記制御対象弁への導入燃料を前記サブ燃料に切り換えることを特徴とする請求項7に記載の燃料供給システム。
【請求項9】
前記制御対象弁に導入する燃料を切り換えるための切換指令が入力される入力手段を備え、
前記切換制御手段は、前記制御対象弁への導入燃料を前記入力手段への前記切換指令の入力に応じて前記メイン燃料及び前記サブ燃料の間で切り換えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の燃料供給システム。
【請求項10】
前記切換制御手段は、前記制御対象弁としての各前記第一燃料噴射弁に共通に設けられ、それら第一燃料噴射弁に導入する燃料を前記メイン燃料及び前記サブ燃料の間で切り換える共通切換弁を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の燃料供給システム。
【請求項11】
前記切換制御手段は、前記制御対象弁としての各前記第一燃料噴射弁に対応して個別に設けられ、当該対応第一燃料噴射弁に導入する燃料を前記メイン燃料及び前記サブ燃料の間で切り換える複数の個別切換弁を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の燃料供給システム。
【請求項12】
各前記第一燃料噴射弁及び各前記第二燃料噴射弁を前記制御対象弁とする前記切換制御手段は、各前記第一燃料噴射弁に共通に設けられ、それら第一燃料噴射弁に導入する燃料を前記メイン燃料及び前記サブ燃料の間で切り換える第一共通切換弁と、各前記第二燃料噴射弁に共通に設けられ、それら第二燃料噴射弁に導入する燃料を前記メイン燃料及び前記サブ燃料の間で切り換える第二共通切換弁とを有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の燃料供給システム。
【請求項13】
前記第一共通切換弁は、前記第二共通切換弁を兼ねることを特徴とする請求項12に記載の燃料供給システム。
【請求項14】
各前記第一燃料噴射弁及び各前記第二燃料噴射弁を前記制御対象弁とする前記切換制御手段は、各前記第一燃料噴射弁に対応して個別に設けられ、当該対応第一燃料噴射弁に導入する燃料を前記メイン燃料及び前記サブ燃料の間で切り換える複数の第一個別切換弁と、各前記第二燃料噴射弁に対応して個別に設けられ、当該対応第二燃料噴射弁に導入する燃料を前記メイン燃料及び前記サブ燃料の間で切り換える複数の第二個別切換弁とを有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の燃料供給システム。
【請求項15】
各前記第一個別切換弁は、各前記第二個別切換弁を兼ねることを特徴とする請求項14記載の燃料供給システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−236044(P2009−236044A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−84524(P2008−84524)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】