燃料別経済性算出プログラム、燃料別経済性算出装置、及び燃料別経済性算出方法
【課題】複数種類の燃料の経済性を適切に比較させることのできる燃料別経済性算出プログラム、燃料別経済性算出装置、及び燃料別経済性算出方法の提供を目的とする。
【解決手段】コンピュータに、複数種類の燃料を利用可能な機器の燃料タンクに給油が行われるたびに前回の給油時から今回の給油時の期間における前記燃料タンク内の燃料に係る燃費を記録装置に記録する燃費記録手順と、前記給油が行われるたびに給油後の前記燃料タンク内における前記複数の燃料の混合比率を算出し、記憶装置に記録する混合比率記録手順と、前記記憶装置に記録されている前記燃費と前記混合比率との履歴に基づいて、前記燃費と前記混合比率との関係式を導出する関係式導出手順と、前記関係式に基づいて、前記複数の燃料ごとの燃費を算出する燃料別燃費算出手順と、前記燃料ごとの燃費と前記燃料ごとの単価とに基づいて、前記燃料ごとに経済性を示す指標を算出する経済性指標算出手順とを実行させることを特徴とする。
【解決手段】コンピュータに、複数種類の燃料を利用可能な機器の燃料タンクに給油が行われるたびに前回の給油時から今回の給油時の期間における前記燃料タンク内の燃料に係る燃費を記録装置に記録する燃費記録手順と、前記給油が行われるたびに給油後の前記燃料タンク内における前記複数の燃料の混合比率を算出し、記憶装置に記録する混合比率記録手順と、前記記憶装置に記録されている前記燃費と前記混合比率との履歴に基づいて、前記燃費と前記混合比率との関係式を導出する関係式導出手順と、前記関係式に基づいて、前記複数の燃料ごとの燃費を算出する燃料別燃費算出手順と、前記燃料ごとの燃費と前記燃料ごとの単価とに基づいて、前記燃料ごとに経済性を示す指標を算出する経済性指標算出手順とを実行させることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料別経済性算出プログラム、燃料別経済性算出装置、及び燃料別経済性算出方法に関し、特に複数種類の燃料を利用可能な機器に給油される燃料の燃料別経済性算出プログラム、燃料別経済性算出装置、及び燃料別経済性算出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ブラジル等ではエタノールとガソリンのどちらの燃料でも、また、双方が混合された燃料でも走行できるフレキシブル燃料自動車(FFV)が普及しつつあり、今後、他の地域での普及も見込まれる。FFVの利用者は、給油の際にエタノール又はガソリンのいずれかを選択することができる。
【特許文献1】特開2005−310127号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来、利用者は、いずれの燃料を給油した方が経済的であるかを給油時に直感的に判断することはできなかった。すなわち、それぞれの燃料の単価が提示されていたとしても、いずれを給油するのが経済的であるかを判断するためには、燃費を考慮する必要があるからである。
【0004】
なお、特許文献1には、単一燃料による燃費の算出を行う技術が記載されている。しかし、FFVでは、どちらの燃料を給油するかにより混合比率が動的に変更されるため、当該技術によって精度よく燃費を算出することは困難である。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、複数種類の燃料の経済性を適切に比較させることのできる燃料別経済性算出プログラム、燃料別経済性算出装置、及び燃料別経済性算出方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで上記課題を解決するため、本発明は、コンピュータに、複数種類の燃料を利用可能な機器の燃料タンクに給油が行われるたびに前回の給油時から今回の給油時の期間における前記燃料タンク内の燃料に係る燃費を記録装置に記録する燃費記録手順と、前記給油が行われるたびに給油後の前記燃料タンク内における前記複数の燃料の混合比率を算出し、記憶装置に記録する混合比率記録手順と、前記記憶装置に記録されている前記燃費と前記混合比率との履歴に基づいて、前記燃費と前記混合比率との関係式を導出する関係式導出手順と、前記関係式に基づいて、前記複数の燃料ごとの燃費を算出する燃料別燃費算出手順と、前記燃料ごとの燃費と前記燃料ごとの単価とに基づいて、前記燃料ごとに経済性を示す指標を算出する経済性指標算出手順とを実行させることを特徴とする。
【0007】
このような燃料別経済性算出プログラムでは、複数種類の燃料の経済性を適切に比較させることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数種類の燃料の経済性を適切に比較させることのできる燃料別経済性算出プログラム、燃料別経済性算出装置、及び燃料別経済性算出方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第一の実施の形態に係る燃料管理システムのネットワーク構成例を示す図である。図1において、ホストコンピュータ100は、ネットワークを介して、サービスステーション(SS)等の給油所に設置されたPOS(Point Of Sales)端末2と、電子メールの送受信を制御するメールサーバ3と、各ドライバの燃費に関するWeb燃費情報を管理するWWWサーバ4と接続される。
【0010】
ドライバが利用する自動車、オートバイ等の車両5は、必要に応じてサービスステーションで給油する。また、ドライバは、必要に応じて、ホストコンピュータで管理されるWeb燃費情報を、PC(Personal Computer)や携帯電話などの情報端末6を用いて、インターネット7を介して、WWWサーバへ接続して参照する。また、ドライバは、ホストコンピュータ100から燃費に関する情報の通知をメールサーバ3から受信する。
【0011】
ホストコンピュータ100は、給油及び燃費に関する情報を収集して管理するサーバコンピュータであってCPU(中央処理装置)によって装置全体が制御され、出力制御部101、入力制御部102、表示制御部103、通信制御部104、インストーラ105、顧客情報管理部106、メールサーバ管理部107、WWWサーバ管理部108、燃費情報管理部109、給油情報テーブル111、燃費情報テーブル112、及び顧客情報テーブル113等を有する。ホストコンピュータ100は、収集した情報を契約機関へ提供するようなASP(Application Service Provider)として構成することもできる。
【0012】
出力制御部101は、CPUからの指示に応じて、出力データを制御してプリンタ等に出力する。入力制御部102は、キーボード、マウス等によって入力された入力データを制御する。表示制御部103は、表示データを制御してモニタ等への表示を制御する。
【0013】
通信制御部104は、ホストコンピュータ100が例えばインターネット、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して行う、サービスステーションのPOS端末2、メールサーバ3、及び、WWWサーバ4との通信を制御する。
【0014】
インストーラ105は、ホストコンピュータ100での処理を実現するプログラムが格納された記憶媒体20がドライバにセットされると、記憶媒体20からそのプログラムを読み出して、補助記憶装置にインストールする。ホストコンピュータ100での処理の実行は、CPUが補助記憶装置にインストールされたプログラムに従って行うことにより実現される。プログラムをコンピュータが読み取り可能な媒体であればよい。例えば、CD−ROM(Compact Disc Read−Only Memory)等である。また、ネットワークを介してダウンロードし、補助記憶装置にインストールするようにしても良い。以下に説明されるホストコンピュータ100での処理は、CPUの制御によって実行される。
【0015】
顧客情報管理部106は、ホストコンピュータ100を利用して燃費管理を行っているドライバに関する顧客情報を顧客情報テーブル113で管理する。メールサーバ管理部107は、電子メールによって燃費に関する情報の通知等を行う。WWWサーバ管理部108は、サービスステーションのPOS端末2から受信した情報に基づいて、WWWサーバで公開する情報の更新を行ったり、また、WWWサーバ4がインターネット7を介してドライバのPC6から受信した情報による更新情報を受信したりする。
【0016】
燃費情報管理部109は、会員ID毎にPOS端末2から受信する給油情報を給油情報テーブル111で管理する。燃費情報管理部109は、また、給油情報等に基づいて燃費情報を算出し、当該燃費情報を燃費情報テーブル112で管理する。なお、給油情報テーブル111、燃費情報テーブル112、及び顧客情報テーブル113等は、例えば、ホストコンピュータ10の補助記憶装置に記録されている。
【0017】
以下、ドライバがサービスステーション2に来店した際のサービスステーション2とホストコンピュータとの処理について説明する。
【0018】
図2は、第一の実施の形態においてドライバがサービスステーションに来店した際の処理を説明するためのフローチャートである。なお、第一の実施の形態では、満タン法を例として説明する。満タン法とは、給油の際に、常に満タンに給油されることを前提とすることをいう。したがって、満タン法の場合、燃料の給油量を前回給油時から現在(今回給油時)までの消費量としてみなすことができる。
【0019】
ドライバ(顧客)が、サービスステーション2に顧客として来店すると(S11)、サービスマンは、既に会員IDを登録している顧客か否かを判断する(S12)。会員IDを持っていない場合、会員登録を行う(S13)。会員登録においては、顧客情報が、例えばPOS端末2を介して入力され、ホストコンピュータ100に送信される。ホストコンピュータ100の顧客情報管理部106は、当該顧客情報を顧客情報テーブル113に登録する。なお、POS端末2は、例えば、給油機に設置されている。
【0020】
図3は、第一の実施の形態における顧客情報テーブルの構成例を示す図である。図3において、顧客情報テーブル113は、会員ID、氏名、住所、生年月日、性別、車両名、メーカー、型番、燃料種別、タンク容量、電子メールアドレス、備考1から4等の情報を管理するテーブルであり、会員ごと(車両ごと)に構成される。会員IDは、会員登録に際し、顧客情報管理部106が自動的に採番し、登録する。会員ID以外の情報は、顧客情報としてPOS端末2より転送された値が登録される。氏名、住所、生年月日、性別、電子メールアドレスは、会員登録の対象とされているドライバの氏名、住所、生年月日、性別、電子メールアドレスである。車両名、メーカー、型番、タンク容量は、当該ドライバの車両の名前(商品名)、当該車両のメーカー、当該車両の型番、当該車両の燃料タンクの容量である。燃料種別は、当該車両が利用可能な燃料の種別である。「FFV」は、当該車両がフレキシブル燃料自動車であること、すなわち、ガソリン及びエタノールの双方の利用が可能であることを示す。備考には付加情報が登録される。
【0021】
図2において、会員登録が完了するとステップS18に進む。
【0022】
一方、ドライバが会員登録を行っていて会員IDを持っている場合、サービスマンによって会員IDがPOS端末2に入力される。これによってPOS端末2は、ドライバの会員IDを取得する(S14)。続いて、POS端末2は、ドライバの車両がFFV車(フレキシブル燃料自動車)か否かを判定する(S15)。当該判定は、POS端末2が、会員IDをホストコンピュータ100に送信して、当該会員IDに対応する燃料種別を顧客情報テーブル113より取得し、当該燃料種別が「FFV」であるか否かによって行う。
【0023】
ドライバの車両がFFV車である場合(S15でY)、POS端末2は、ホストコンピュータ100に対して、燃料別燃費情報の取得を要求することにより燃料別燃費情報を取得する(S16)。燃料別燃費情報とは、ガソリン及びエタノールのそれぞれの燃費、及び経済性を示す指標を含む情報であり、POS端末2からの燃料別燃費情報の取得要求に応じ、ホストコンピュータ100の燃費情報管理部109によって取得及び算出(生成)される。なお、燃費情報管理部109による燃料別燃費情報の算出処理の詳細については後述する。続いて、POS端末2は、POS端末2の表示パネル又は給油機に設置された表示パネルに、取得された燃料別燃費情報等、エタノール及びガソリンの経済性を比較させるための参考情報(給油参考情報)を表示させる(S17)。
【0024】
図4は、給油参考情報の表示例を示す図である。図4では、現在(給油前)の燃料タンクにおけるエタノールの含有率(8%)と、エタノール及びガソリンのそれぞれについて、価格、履歴燃費、及び予測コスト効率が示されている。このうち、価格は、当該サービスステーションにおける単価(円/l)であり、POS端末2に予め登録されている。履歴燃費及び予測コスト効率は、燃費情報管理部109によって算出される燃料別燃費情報である。履歴燃費は、燃費情報管理部109が、燃費情報テーブル112に登録されている、情報に基づいて算出した燃費である。予測コスト効率は、燃料の単価と履歴燃費に基づいて算出されるコスト効率の予測値である。コスト効率とは、所定の走行距離(例えば、100km)あたりのコスト(費用)である。したがって、この値が小さい程経済的であることを示す。
【0025】
すなわち、図4の表示例において、ドライバは、予測コスト効率を参照することにより、エタノールとガソリンのいずれを給油した方が経済的であるか否かを判断することができる。図4の例では、エタノールの予測コスト効率は「1461」であり、ガソリンの予測コスト効率は「1097」である。したがって、ガソリンを給油した方が経済的であることが分かる。FFV車のドライバが、給油参考情報を参考にして給油する燃料を選択すると、ステップS18に進む。なお、ドライバの車両がFFV車でない場合は、給油参考情報の表示等(S16、S17)は実行されない。
【0026】
ステップS18において、サービスマンは、ドライバの車両に給油して燃料を販売すると共に、その給油量、給油した燃料の種類(例えば、ガソリン又はエタノールの別)等の給油情報をPOS端末2に入力する(S18)。第一の実施の形態では、満タン法を前提としているため、ここでは満タンになるまで給油される。なお、ドライバの車両がFFV車の場合は、エタノール又はガソリンのうち、ドライバによって選択された燃料が給油される。
【0027】
続いて、サービスマンによって車両の総走行距離がPOS端末2に入力される(S19)。POS端末2は、入力された総走行距離と、前回に登録された総走行距離との比較によって、入力された総走行距離が妥当な値であるか否かを判断する(S20)。妥当でない場合とは、今回入力された総走行距離と前回の総走行距離の差分(差分走行距離)が0より小さい場合や、差分走行距離に基づいて算出した燃費が予め設定された範囲外である場合等が相当する。なお、前回の総走行距離は、給油情報テーブル111に登録されている。したがって、前回の総走行距離は、会員IDが入力された後に、POS端末2が、会員IDをホストコンピュータ100に送信して、当該会員IDに対応する値を給油情報テーブル111より取得しておけばよい。
【0028】
総走行距離が妥当である場合、ステップS21へ進む。妥当でない場合、例えば、念のため、ドライバに確認をお願いするなどして、再度総走行距離を取得してPOS端末2へ入力する。この場合、POS端末2にて判断処理を有する構成としても良いし、或いは、ホストコンピュータ100へ問い合わせるようにしても良い。
【0029】
続いて、POS端末2は、今回の来店で収集した会員ID、給油情報、及び総走行距離と、各燃料の単価とをホストコンピュータ100へ送信する(S21)。ホストコンピュータ100は、POS端末2より給油情報等を受信すると、燃費情報管理部109によって当該会員IDに関する給油情報等を、給油情報テーブル111に登録する。
【0030】
図5は、第一の実施の形態における給油情報テーブルの構成例を示す図である。図5において、給油情報テーブル111は、給油ごとに、日付、総走行距離、給油量、燃料種、単価A、及び単価B等の情報を管理するテーブルであり、会員ごと(車両ごと)に構成される。日付は、給油が行われた日付である。総走行距離、給油量、燃料種、単価A、及び単価Bには、POS端末2より送信された値が登録される。なお、単価Aは、ガソリンの単価を示す。単価Bはエタノールの単価を示す。また、燃料種の値において、「G」はガソリンを示し、「E」はエタノールを示す。
【0031】
本実施の形態における給油が行われた日(給油日)が1月25日であるとすると、ステップS21では、日付が「2007/1/25」のレコード、すなわち、総走行距離が「4103」、給油量が「25.4」、燃料種が「G」、単価Aが「120」、単価Bが「95」のレコードが給油情報テーブル111に登録される。なお、以下の説明においても、本実施の形態における今回の給油日は1月25日であるとして説明する。
【0032】
続いて、燃費情報管理部19は、受信した給油情報等に基づいて各数値(燃費情報)を算出し、当該燃費情報を燃費情報テーブル112に登録する(S22)。
【0033】
図6は、第一の実施の形態における燃費情報テーブルの構成例を示す図である。図6において、燃費情報テーブル112は、走行期間(前回の給油時から今回の給油時までの期間)ごとに、タンク容量、燃料B含有率、走行距離、燃費、単価Mix、コスト効率、傾き、y切片、比較用燃費、燃費差、比較用コスト効率、コスト効率差、燃料A燃費、及び燃料B燃費等の情報を管理するテーブルであり、会員ごと(車両ごと)に構成される。図6では、今回の走行期間に対する燃費情報が登録された後の状態が示されている。今回の走行期間とは、前回の給油時(1/23)から今回の給油時(1/25)までの期間をいう。このように、燃費情報テーブル112には、給油時を区切りとした走行期間ごとに、燃費情報の履歴が蓄積されている。なお、燃費情報を構成する各項目の意味及び算出処理の詳細については後述する。
【0034】
続いて、ホストコンピュータ100の顧客情報管理部106は、会員IDに基づいてドライバの顧客情報を顧客情報テーブル113より検索し、電子メールアドレスの登録の有無を確認する(S23)。電子メールアドレスが登録されている場合、メールサーバ管理部107は、今回の給油による燃費情報が記述された電子メールを作成し、当該電子メールをメールサーバ3を介してドライバに提供する(S24)。続いて、WWWサーバ管理部108は、WWWサーバ4で管理される会員IDに対応する燃費情報を更新し(S25)、図2の処理を終了する。
【0035】
一方、電子メールアドレスが登録されていない場合、電子メールによる燃費情報の提供を行うことなく、WWWサーバ管理部108によって、WWWサーバ4で管理される会員IDに対応する燃費情報を更新し(S25)、図2の処理を終了する。
【0036】
次に、図2のステップS22において燃費情報管理部109によって実行される、燃費情報の算出及び登録処理について説明する。図7は、第一の実施の形態における燃費情報管理部による燃費情報の算出及び登録処理を説明するためのフローチャートである。ところで、図6の燃費情報テーブル112は、今回の走行期間(1/23〜1/25)における燃費情報が登録された後(すなわち、図7の処理が実行された後)の状態が示されている。そこで、説明の便宜上、今回の走行期間の燃費情報の登録処理(図7の処理)が実行される前の燃費情報テーブル112の例を図8に示す。なお、図8から明らかなように、図7の処理が実行される前に、今回の走行期間における燃料B含有率及び比較用燃費は既に登録されている。これは、前回の走行期間の燃費情報の登録の際に登録されているからであるが、その詳細ついては後述する。以下、図3、図5、及び図8等を参照しつつ、図7の処理手順について説明する。
【0037】
ステップS101において、POS端末2から給油情報等と共に受信された会員IDを取得する。続いて、当該会員IDに係る会員の給油情報テーブル111より前回(1/23)の走行距離(d0=3817)を、当該会員の顧客情報テーブル113よりタンク容量(TL=40)を、当該会員の燃費情報テーブル113より前回の走行期間(1/21〜1/23)の燃料A燃費(NA0=10.94)、前回の走行期間の燃料B燃費(NB0=6.50)、今回の走行期間に対する比較用燃費(XN1=10.60)、及び今回の走行期間の燃料B含有率(M1=8)をそれぞれ取得する(S102)。今回燃料B含有率とは、今回の走行期間における燃料タンク内のエタノールの含有率(すなわち、ガソリンとエタノールとの混合比率)をいう。今回の走行期間の燃料タンク内のエタノールの含有率は、前回の給油時に決まる。したがって、今回の走行期間の燃料B含有率は、既に登録されているのである。なお、燃費情報テーブル112において、燃料Aは、ガソリンを示し、燃料Bはエタノールを示す。
【0038】
続いて、今回(1/25)の給油情報を給油情報テーブル111より取得する(S103)。すなわち、今回の総走行距離(d1=4103)、給油量(L1=25.4)、燃料種(T1=G)、単価A(PA1=120)、及び単価B(PB1=95)を取得する。
【0039】
続いて、今回の総走行距離(d1=4103)−前回の総走行距離(d2=3817)を計算することにより、今回の走行期間の走行距離(D1=286)を算出する(S104)。続いて、今回の走行期間の走行距離(D1=286)/今回の給油量(L1=25.4)を計算することにより、今回の走行期間の燃費(N1=11.26)を算出する(S105)。なお、満タン法では、給油量を消費量としてみなすことができるため、今回の給油量を用いて燃費が算出される。
【0040】
続いて、今回の走行期間の単価Mix(P1)を算出する(S106)。単価Mixとは、今回の給油前の燃料タンク内における、燃料(ガソリンとエタノールとの混合物)の1リットル当たりの価格(時価)をいう。したがって、単価Mixは、PA1×(1−M1)+PB1×M1を計算することによって算出することができる。よって、今回の走行期間の単価Mix(P1)=120×(1−0.08)+95×0.08=118.1と算出される。
【0041】
続いて、(P1=118.1)/(N1=11.26)×100を計算することにより、今回の走行期間のコスト効率(E1=1049)(混合燃料による100km当たりのコスト)を算出する(S107)。
【0042】
続いて、今回の走行期間における燃料A燃費及び燃料B燃費を算出するための、燃料Bの含有率と燃費との関係を示す関係式として近似曲線(近似式)を導出する(S108)。当該近似曲線は、燃費情報テーブル112に登録されている、これまでの燃料Bの含有率及び燃費の履歴と、今回の走行期間の燃料B含有率(M1)及び燃費(N1)に基づいて導出される。
【0043】
図9は、エタノールの含有率と燃費との関係を示す近似曲線を説明するための図である。図9において、横軸(x)はエタノールの含有率を、縦軸(y)は燃費を示す。各プロットは、これまでの各走行期間における、エタノールの含有率と燃費を示す。これらのプロットに基づいて公知の手法を用いることにより、近似曲線が導出される。なお、本実施の形態では、一次式(y=F(x)=ax+b)に近似している。したがって、ステップS108では、当該近似曲線の傾き(a=−4.56)と、y切片(b=11.04)とが算出される。
【0044】
続いて、今回の走行期間の燃費(N1=11.26)−今回の走行期間に対する比較用燃費(NX1=10.60)を計算することにより、燃費差(GN1=0.66)を算出する(S109)。ここで、比較用燃費とは、近似曲線に対して今回の走行期間の燃料B含有率(M1)を当てはめることによって算出される燃費である。すなわち、比較用燃費は、過去の実績から理論的に算出される燃費であるということができる。よって、燃費差とは、今回の走行期間の実績値と、過去の実績から算出される理論値との差に相当する。なお、今回の走行期間の比較用燃費(XN1)は、前回の燃費情報の算出時に算出される。すなわち、今回の走行期間の比較用燃費(XN1)は、前回の算出時において算出された今回の走行期間の燃料B含有率(8)と、前回の算出時に導出された近似曲線(y=―4.44x+10.94)とに基づいて算出される。
【0045】
続いて、単価Mix(P1=118.1)/XN1(10.60)×100を計算することにより、今回の走行期間に対する比較用燃費差に基づくコスト効率(比較用コスト効率:XE1=1114)を算出する(S110)。続いて、今回の走行期間のコスト効率(E1=1049)−比較用コスト効率(XE1=1114)を計算することにより、実績としてのコスト効率と近似式に基づく理論的なコスト効率との差であるコスト効率差(GE1=−65)を算出する(S111)。
【0046】
続いて、今回の走行期間をガソリンだけで走行したと仮定した場合の燃費(燃料A燃費(NA1))を算出する(S112)。燃料A燃費は、近似曲線(F(x))に対してエタノールが0%の状態(F(0))を当てはめる(代入する)ことにより算出される。したがって、本実施の形態のように一次式(y=ax+b)に近似した場合、y切片(b=11.04)の値が、燃料A燃費(NA1)の値とされる。
【0047】
続いて、今回の走行期間をエタノールだけで走行したと仮定した場合の燃費(燃料B燃費(NB1))を算出する(S112)。燃料B燃費は、近似曲線(F(x))に対してエタノールが100%の状態(F(1))を当てはめることにより算出される。したがって、本実施の形態のように一次式(y=ax+b)に近似した場合、a+b=6.48が、燃料B燃費(NB1)の値とされる。
【0048】
続いて、次回の走行期間の燃料B含有率(M2)を算出する(S114)。今回給油された燃料種(T1)が「G」(ガソリン)の場合、M2=(TL−L1)×M1/TLによって算出される。今回給油された燃料種(T1)が「E」(エタノール)の場合、M2=(L1+(TL−L1)×M1)/TLによって算出される。
【0049】
続いて、次回の走行期間の燃料Bの含有率(M2)を、今回導出された近似曲線に当てはめることにより、次回の走行期間に対する比較用燃費(XN2)を算出する(S115)。したがって、XN2は、a×M2+bを計算することによって算出される。
【0050】
最後に、算出された値を燃費情報テーブル112に登録する(S116)。走行距離(D1)、燃費(N1)、単価Mix(P1)、コスト効率(E1)、近似曲線の傾き(a)、近似曲線のy切片(b)、燃費差(GN1)、比較用コスト効率(XE1)、コスト効率差(GE1)、燃料A燃費(NA1)、燃料B燃費(NB1)は、今回の走行期間に対するレコードに登録される。また、次回燃料B含有率(M2)及び次回比較用燃費(XN2)は、次回の走行期間に対するレコードに登録される。これによって、燃費情報テーブル112は、図8の状態から図6の状態になる。
【0051】
続いて、図2のステップS16においてPOS端末2の燃料別燃費情報の取得要求に応じてホストコンピュータ100の燃料情報管理部109によって実行される処理について説明する。図10は、第一の実施の形態における燃費情報管理部による燃料別燃費情報の提供処理を説明するためのフローチャートである。なお、図10の処理は、給油及び図7の処理が行われる前に実行される処理である。したがって、図10の処理が実行されるタイミングにおいて燃費情報テーブル112は、図8の状態である。
【0052】
ステップS201において、会員IDと共に燃料別燃費情報の取得要求を受信する(S201)続いて、前回の走行期間(1/21〜1/23)の燃料A燃費(NA0=10.94)、及び燃料B燃費(NB0=6.50)と、今回の走行期間(1/23〜1/25)の燃料B含有率(M1=8)を燃費情報管理テーブル112より取得する(S202)。続いて、今回の燃料Aの単価(PA1=120)/前回の走行期間の燃料A燃費(NA0=10.94)×100を計算することにより、次回の走行期間(1/25〜次回の給油時)における燃料Aのコスト効率の予測値(予測コスト効率(EAx=1097))を算出する。同様に、今回の燃料Bの単価(PB1=95)/前回の走行期間の燃料B燃費(NB0=6.50)×100を計算することにより、次回の走行期間(1/25〜次回の給油時)における燃料Bのコスト効率の予測値(予測コスト効率(EBx=1461))を算出する(S203)。なお、今回の燃料A(ガソリン)及び燃料B(エタノール)の単価は、POS端末2より受信すればよい。
【0053】
続いて、取得した情報(前回燃料A燃費NA0、前回燃料B燃費NA1、今回の走行期間の燃料B含有率M1)及び算出した情報(燃料A予測コスト効率EAx、燃料B予測コスト効率EBx)をPOS端末2に送信する(S204)。POS端末2は、当該情報を受信して、図4に示される画面を表示させる。
【0054】
続いて、図2のステップS24によってメールサーバ管理部107によって作成される電子メールについて説明する。図11は、燃費情報を提供する電子メールの例を示す図である。
【0055】
図11において、「燃費情報更新のお知らせ」を件名とする電子メール51では、例えば、「毎度ご利用いただきありがとうございます。(お客)様の燃費情報が更新されましたのでご照会します。」といった挨拶文で始まり、以下のような燃費に関する情報が提供される。ここで、(お客)の部分には、顧客情報テーブル113に示される氏名(例えば、「田中 太郎」)が代入される。
【0056】
燃費に関する情報としては、今回の走行期間(1/23〜1/25)における燃費、コスト効率、燃費の比較(燃費差)、コスト効率の比較(コスト効率差)、ガソリン燃費、エタノール燃費の値が示されている。これらの値は、メールサーバ管理部107が、燃費情報テーブル112より取得し、電子メール51に転記する。
【0057】
ドライバは、電子メール51における燃費の比較やコスト効率の比較等を参照することにより、燃費の向上や、コスト効率の低減等を確認することができる。
【0058】
次に、第二の実施の形態について説明する。第二の実施の形態では、ドライバの車両より燃料タンクにおける残燃料量を取得可能な場合について説明する。残燃料量は、例えば、車両に備えられた残燃料計等によって人間に視認されることにより取得されてもよいし、給油ノズルに設置された可視光通信装置と給油口の付近に設置された可視光通信装置との通信により取得されてもよい。なお、第二の実施の形態では、第一の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に説明されない点については、第一の実施の形態と同様でよい。
【0059】
第二の実施の形態において、ドライバがサービスステーションに来店した際の処理は、図2とほぼ同様である。但し、第二の実施の形態では、ステップS18において、給油は、必ずしも満タンになるまで行われなくても良い。また、第二の実施の形態では、給油情報として、給油量、給油した燃料の種類の他に、給油前の残燃料量(給油前残燃料量)、給油後の残燃料量(給油後残燃料量)が取得されPOS端末2に入力される。それに応じ、ステップS21において送信される給油情報には、給油前残燃料量及び給油後残燃料量が含まれる。したがって、給油前残燃料量及び給油後残燃料量も給油情報テーブル111aに登録される。
【0060】
図12は、第二の実施の形態における給油情報テーブルの構成例を示す図である。図12に示されるように、第二の実施の形態における給油情報テーブル111aには、給油前残燃料量と給油後残燃料量とを登録するための項目が追加されている。
【0061】
ところで、給油前残燃料量と給油後残燃料量とが取得できるということは、常に満タンに給油しなくても、各走行期間の燃料の消費量を算出することができるということである。したがって、第二の実施の形態では、図2のステップS22の処理(すなわち、図7の処理)が多少異なる。
【0062】
図13は、第二の実施の形態における燃費情報管理部による燃費情報の算出及び登録処理を説明するためのフローチャートである。図13中、図7と同一ステップには同一符号を付し、その説明は適宜省略する。
【0063】
第二の実施の形態では、ステップS102aにおいて、タンク容量(TL)の代わりに、前回の給油時の給油後残燃料量(La0)が給油情報テーブル111aより取得される。また、ステップS103aでは、今回の給油時の給油前残燃料量(Lb1)及び給油後残燃料量(La1)が給油情報テーブル111aより取得される。続いて、ステップS103bにおいて、前回給油後残燃料量(La0)−今回給油前残燃料量(Lb1)が計算されることにより、今回の走行期間の消費燃料量(XL1)が算出される。
【0064】
したがって、ステップS105aにおいて、燃費(N1)は、走行距離(D1)/消費燃料量(XL1)によって算出される。また、ステップS114aにおいて次回燃料B含有率(M2)を算出する際は、第一の実施の形態における(TL−L1)が、Lb1に置き換えられて計算が行われる。また、ステップS116aでは、消費燃料量(XL1)が更に燃費情報テーブル112aに登録される。
【0065】
図14は、第二の実施の形態における燃費情報テーブルの構成例を示す図である。図14に示されるように、第二の実施の形態における燃費情報テーブル112aには、消費燃料量を登録するための項目が追加されている。
【0066】
上述したように、本実施の形態における燃料管理システムによれば、複数種類のそれぞれの燃料について単価及び燃費をした経済性を示す指標(コスト効率)を算出することができるため、いずれの燃料を給油するのが経済的であるかを直感的に判断するための情報を提供することができる。
【0067】
なお、上記においては、車両がFFV車であり、利用される燃料がガソリン又はエタノールである場合について説明したが、本発明が適用可能な燃料は特定のものに限られない。例えば、通常の車両(FFVでない車両)におけるハイオクとレギュラーとの経済性の比較等、各種の燃料の組み合わせに用いることができる。
【0068】
また、エタノールは、冬季には気化しづらくなり燃費が悪化する傾向にあると言われている。したがって、燃費情報テーブル112は、季節に応じて構成してもよい。そうすることにより、季節に応じたコスト効率を算出し、提示することができる。
【0069】
また、本発明の適用範囲は、車両に限られない。2種類以上の燃料を利用して動作し、燃費(燃料の所定消費量(例えば1リットル)あたりの動作量又は作業量)を測定できるものであれば、各種の機器に適用することができる。
【0070】
更に、上記においては、説明の便宜上、燃料が2種類の場合について説明したが、燃料が3種類以上であってもよい。例えば、燃料が3種類に増えた場合は、二つの燃料含有率が分かれば残りの燃料の含有率が分かるため、近似式を関数F(x)の代わりに二つの変数によって燃費が算出される関数F(x1、x2)とし、重回帰分析によって予測値を算出すればいい。
【0071】
すなわち、燃料A含有率をx1、燃料B含有率をx2、燃料C含有率を1−x1−x2、燃費をyとし、近似平面(回帰平面)
y=a+bx1+cx2
を算出する。
【0072】
後は、F(x1、x2)=a+bx1+cx2を用いれば、各燃料別燃費は以下のように算出できる。
燃料A燃費:F(1、0)=a+b
燃料B燃費:F(0、1)=a+c
燃料C燃費:F(0、0)=a
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0073】
以上の説明に関し、更に以下の項を開示する。
(付記1)
コンピュータに、
複数種類の燃料を利用可能な機器の燃料タンクに給油が行われるたびに前回の給油時から今回の給油時の期間における前記燃料タンク内の燃料に係る燃費を記録装置に記録する燃費記録手順と、
前記給油が行われるたびに給油後の前記燃料タンク内における前記複数の燃料の混合比率を算出し、記憶装置に記録する混合比率記録手順と、
前記記憶装置に記録されている前記燃費と前記混合比率との履歴に基づいて、前記燃費と前記混合比率との関係式を導出する関係式導出手順と、
前記関係式に基づいて、前記複数の燃料ごとの燃費を算出する燃料別燃費算出手順と、
前記燃料ごとの燃費と前記燃料ごとの単価とに基づいて、前記燃料ごとに経済性を示す指標を算出する経済性指標算出手順とを実行させるための燃料別経済性算出プログラム。
(付記2)
前記経済性を示す指標は、前記機器の所定の動作量あたりに要する費用であることを特徴とする付記1記載の燃料別経済性算出プログラム。
(付記3)
前記燃費記録手順は、前回の給油時から今回の給油時の期間における前記機器の動作量と前記燃料タンク内の燃料の消費量とに基づいて前記燃料タンク内の燃料に係る燃費を算出することを特徴とする付記1又は2記載の燃料別経済性算出プログラム。
(付記4)
前記関係式導出手順は、前記燃費と前記混合比率との関係を一次式に近似したものを前記関係式とすることを特徴とする付記1乃至3いずれか一項記載の燃料別経済性算出プログラム。
(付記5)
前記燃料別燃費算出手順は、前記複数の燃料ごとに他の燃料の混合比率が0の状態を前記関係式に当てはめることにより当該燃料の燃費を算出することを特徴とする付記1乃至4いずれか一項記載の燃料別経済性算出プログラム。
(付記6)
前記燃費記録手順は、前記機器ごと前記燃料タンク内の燃料に係る燃費を記録し、
前記混合比率記録手順は、前記機器ごとに前記混合比率を記録し、
前記関係式導出手順は、対象とされている機器に対して記録されている前記燃費と前記混合比率との履歴に基づいて、当該機器に関する前記関係式を導出することを特徴とする付記1乃至5いずれか一項記載の燃料別経済算出プログラム。
(付記7)
前記機器は、車両であることを特徴とする付記1乃至6いずれか一項記載の燃料別経済性算出プログラム。
(付記8)
前記複数の燃料は、エタノール及びガソリンを含むことを特徴とする付記1乃至7いずれか一項記載の燃料別経済性導出プログラム。
(付記9)
複数種類の燃料を利用可能な機器の燃料タンクに給油が行われるたびに前回の給油時から今回の給油時の期間における前記燃料タンク内の燃料に係る燃費を記録装置に記録する燃費記録手段と、
前記給油が行われるたびに給油後の前記燃料タンク内における前記複数の燃料の混合比率を算出し、記憶装置に記録する混合比率記録手段と、
前記記憶装置に記録されている前記燃費と前記混合比率との履歴に基づいて、前記燃費と前記混合比率との関係式を導出する関係式導出手段と、
前記関係式に基づいて、前記複数の燃料ごとの燃費を算出する燃料別燃費算出手段と、
前記燃料ごとの燃費と前記燃料ごとの単価とに基づいて、前記燃料ごとに経済性を示す指標を算出する経済性指標算出手段とを有することを特徴とする燃料別経済性算出装置。
(付記10)
前記経済性を示す指標は、前記機器の所定の動作量あたりに要する費用であることを特徴とする付記9記載の燃料別経済性算出装置。
(付記11)
前記燃費記録手段は、前回の給油時から今回の給油時の期間における前記機器の動作量と前記燃料タンク内の燃料の消費量とに基づいて前記燃料タンク内の燃料に係る燃費を算出することを特徴とする付記9又は10記載の燃料別経済性算出装置。
(付記12)
前記関係式導出手段は、前記燃費と前記混合比率との関係を一次式に近似したものを前記関係式とすることを特徴とする付記9乃至11いずれか一項記載の燃料別経済性算出装置。
(付記13)
前記燃料別燃費算出手段は、前記複数の燃料ごとに他の燃料の混合比率が0の状態を前記関係式に当てはめることにより当該燃料の燃費を算出することを特徴とする付記9乃至12いずれか一項記載の燃料別経済性算出装置。
(付記14)
前記燃費記録手段は、前記機器ごと前記燃料タンク内の燃料に係る燃費を記録し、
前記混合比率記録手段は、前記機器ごとに前記混合比率を記録し、
前記関係式導出手段は、対象とされている機器に対して記録されている前記燃費と前記混合比率との履歴に基づいて、当該機器に関する前記関係式を導出することを特徴とする付記9乃至13いずれか一項記載の燃料別経済算出装置。
(付記15)
コンピュータが実行する燃料別経済性算出方法であって、
複数種類の燃料を利用可能な機器の燃料タンクに給油が行われるたびに前回の給油時から今回の給油時の期間における前記燃料タンク内の燃料に係る燃費を記録装置に記録する燃費記録手順と、
前記給油が行われるたびに給油後の前記燃料タンク内における前記複数の燃料の混合比率を算出し、記憶装置に記録する混合比率記録手順と、
前記記憶装置に記録されている前記燃費と前記混合比率との履歴に基づいて、前記燃費と前記混合比率との関係式を導出する関係式導出手順と、
前記関係式に基づいて、前記複数の燃料ごとの燃費を算出する燃料別燃費算出手順と、
前記燃料ごとの燃費と前記燃料ごとの単価とに基づいて、前記燃料ごとに経済性を示す指標を算出する経済性指標算出手順とを有することを特徴とする燃料別経済性算出方法。
(付記16)
前記経済性を示す指標は、前記機器の所定の動作量あたりに要する費用であることを特徴とする付記15記載の燃料別経済性算出方法。
(付記17)
前記燃費記録手順は、前回の給油時から今回の給油時の期間における前記機器の動作量と前記燃料タンク内の燃料の消費量とに基づいて前記燃料タンク内の燃料に係る燃費を算出することを特徴とする付記15又は16記載の燃料別経済性算出方法。
(付記18)
前記関係式導出手順は、前記燃費と前記混合比率との関係を一次式に近似したものを前記関係式とすることを特徴とする付記15乃至17いずれか一項記載の燃料別経済性算出方法。
(付記19)
前記燃料別燃費算出手順は、前記複数の燃料ごとに他の燃料の混合比率が0の状態を前記関係式に当てはめることにより当該燃料の燃費を算出することを特徴とする付記15乃至18いずれか一項記載の燃料別経済性算出方法。
(付記20)
前記燃費記録手順は、前記機器ごと前記燃料タンク内の燃料に係る燃費を記録し、
前記混合比率記録手順は、前記機器ごとに前記混合比率を記録し、
前記関係式導出手順は、対象とされている機器に対して記録されている前記燃費と前記混合比率との履歴に基づいて、当該機器に関する前記関係式を導出することを特徴とする付記15乃至19いずれか一項記載の燃料別経済算出方法。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る燃料管理システムのネットワーク構成例を示す図である。
【図2】第一の実施の形態においてドライバがサービスステーションに来店した際の処理を説明するためのフローチャートである。
【図3】第一の実施の形態における顧客情報テーブルの構成例を示す図である。
【図4】給油参考情報の表示例を示す図である。
【図5】第一の実施の形態における給油情報テーブルの構成例を示す図である。
【図6】第一の実施の形態における燃費情報テーブルの構成例を示す図である。
【図7】第一の実施の形態における燃費情報管理部による燃費情報の算出及び登録処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】今回の走行期間の燃費情報の登録処理が実行される前の燃費情報テーブルの例を示す図である。
【図9】エタノールの含有率と燃費との関係を示す近似曲線を説明するための図である。
【図10】第一の実施の形態における燃費情報管理部による燃料別燃費情報の提供処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】燃費情報を提供する電子メールの例を示す図である。
【図12】第二の実施の形態における給油情報テーブルの構成例を示す図である。
【図13】第二の実施の形態における燃費情報管理部による燃費情報の算出及び登録処理を説明するためのフローチャートである。
【図14】第二の実施の形態における燃費情報テーブルの構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0075】
1 インターネット
2 POS端末
3 メールサーバ
4 WWWサーバ
5 車両
101 出力制御部
102 入力制御部
103 表示制御部
104 通信制御部
105 インストーラ
106 顧客情報管理部
107 メールサーバ管理部
108 WWWサーバ管理部
109 燃費情報管理部
111、111a 給油情報テーブル
112、112a 燃費情報テーブル
113 顧客情報テーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料別経済性算出プログラム、燃料別経済性算出装置、及び燃料別経済性算出方法に関し、特に複数種類の燃料を利用可能な機器に給油される燃料の燃料別経済性算出プログラム、燃料別経済性算出装置、及び燃料別経済性算出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ブラジル等ではエタノールとガソリンのどちらの燃料でも、また、双方が混合された燃料でも走行できるフレキシブル燃料自動車(FFV)が普及しつつあり、今後、他の地域での普及も見込まれる。FFVの利用者は、給油の際にエタノール又はガソリンのいずれかを選択することができる。
【特許文献1】特開2005−310127号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来、利用者は、いずれの燃料を給油した方が経済的であるかを給油時に直感的に判断することはできなかった。すなわち、それぞれの燃料の単価が提示されていたとしても、いずれを給油するのが経済的であるかを判断するためには、燃費を考慮する必要があるからである。
【0004】
なお、特許文献1には、単一燃料による燃費の算出を行う技術が記載されている。しかし、FFVでは、どちらの燃料を給油するかにより混合比率が動的に変更されるため、当該技術によって精度よく燃費を算出することは困難である。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、複数種類の燃料の経済性を適切に比較させることのできる燃料別経済性算出プログラム、燃料別経済性算出装置、及び燃料別経済性算出方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで上記課題を解決するため、本発明は、コンピュータに、複数種類の燃料を利用可能な機器の燃料タンクに給油が行われるたびに前回の給油時から今回の給油時の期間における前記燃料タンク内の燃料に係る燃費を記録装置に記録する燃費記録手順と、前記給油が行われるたびに給油後の前記燃料タンク内における前記複数の燃料の混合比率を算出し、記憶装置に記録する混合比率記録手順と、前記記憶装置に記録されている前記燃費と前記混合比率との履歴に基づいて、前記燃費と前記混合比率との関係式を導出する関係式導出手順と、前記関係式に基づいて、前記複数の燃料ごとの燃費を算出する燃料別燃費算出手順と、前記燃料ごとの燃費と前記燃料ごとの単価とに基づいて、前記燃料ごとに経済性を示す指標を算出する経済性指標算出手順とを実行させることを特徴とする。
【0007】
このような燃料別経済性算出プログラムでは、複数種類の燃料の経済性を適切に比較させることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数種類の燃料の経済性を適切に比較させることのできる燃料別経済性算出プログラム、燃料別経済性算出装置、及び燃料別経済性算出方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第一の実施の形態に係る燃料管理システムのネットワーク構成例を示す図である。図1において、ホストコンピュータ100は、ネットワークを介して、サービスステーション(SS)等の給油所に設置されたPOS(Point Of Sales)端末2と、電子メールの送受信を制御するメールサーバ3と、各ドライバの燃費に関するWeb燃費情報を管理するWWWサーバ4と接続される。
【0010】
ドライバが利用する自動車、オートバイ等の車両5は、必要に応じてサービスステーションで給油する。また、ドライバは、必要に応じて、ホストコンピュータで管理されるWeb燃費情報を、PC(Personal Computer)や携帯電話などの情報端末6を用いて、インターネット7を介して、WWWサーバへ接続して参照する。また、ドライバは、ホストコンピュータ100から燃費に関する情報の通知をメールサーバ3から受信する。
【0011】
ホストコンピュータ100は、給油及び燃費に関する情報を収集して管理するサーバコンピュータであってCPU(中央処理装置)によって装置全体が制御され、出力制御部101、入力制御部102、表示制御部103、通信制御部104、インストーラ105、顧客情報管理部106、メールサーバ管理部107、WWWサーバ管理部108、燃費情報管理部109、給油情報テーブル111、燃費情報テーブル112、及び顧客情報テーブル113等を有する。ホストコンピュータ100は、収集した情報を契約機関へ提供するようなASP(Application Service Provider)として構成することもできる。
【0012】
出力制御部101は、CPUからの指示に応じて、出力データを制御してプリンタ等に出力する。入力制御部102は、キーボード、マウス等によって入力された入力データを制御する。表示制御部103は、表示データを制御してモニタ等への表示を制御する。
【0013】
通信制御部104は、ホストコンピュータ100が例えばインターネット、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して行う、サービスステーションのPOS端末2、メールサーバ3、及び、WWWサーバ4との通信を制御する。
【0014】
インストーラ105は、ホストコンピュータ100での処理を実現するプログラムが格納された記憶媒体20がドライバにセットされると、記憶媒体20からそのプログラムを読み出して、補助記憶装置にインストールする。ホストコンピュータ100での処理の実行は、CPUが補助記憶装置にインストールされたプログラムに従って行うことにより実現される。プログラムをコンピュータが読み取り可能な媒体であればよい。例えば、CD−ROM(Compact Disc Read−Only Memory)等である。また、ネットワークを介してダウンロードし、補助記憶装置にインストールするようにしても良い。以下に説明されるホストコンピュータ100での処理は、CPUの制御によって実行される。
【0015】
顧客情報管理部106は、ホストコンピュータ100を利用して燃費管理を行っているドライバに関する顧客情報を顧客情報テーブル113で管理する。メールサーバ管理部107は、電子メールによって燃費に関する情報の通知等を行う。WWWサーバ管理部108は、サービスステーションのPOS端末2から受信した情報に基づいて、WWWサーバで公開する情報の更新を行ったり、また、WWWサーバ4がインターネット7を介してドライバのPC6から受信した情報による更新情報を受信したりする。
【0016】
燃費情報管理部109は、会員ID毎にPOS端末2から受信する給油情報を給油情報テーブル111で管理する。燃費情報管理部109は、また、給油情報等に基づいて燃費情報を算出し、当該燃費情報を燃費情報テーブル112で管理する。なお、給油情報テーブル111、燃費情報テーブル112、及び顧客情報テーブル113等は、例えば、ホストコンピュータ10の補助記憶装置に記録されている。
【0017】
以下、ドライバがサービスステーション2に来店した際のサービスステーション2とホストコンピュータとの処理について説明する。
【0018】
図2は、第一の実施の形態においてドライバがサービスステーションに来店した際の処理を説明するためのフローチャートである。なお、第一の実施の形態では、満タン法を例として説明する。満タン法とは、給油の際に、常に満タンに給油されることを前提とすることをいう。したがって、満タン法の場合、燃料の給油量を前回給油時から現在(今回給油時)までの消費量としてみなすことができる。
【0019】
ドライバ(顧客)が、サービスステーション2に顧客として来店すると(S11)、サービスマンは、既に会員IDを登録している顧客か否かを判断する(S12)。会員IDを持っていない場合、会員登録を行う(S13)。会員登録においては、顧客情報が、例えばPOS端末2を介して入力され、ホストコンピュータ100に送信される。ホストコンピュータ100の顧客情報管理部106は、当該顧客情報を顧客情報テーブル113に登録する。なお、POS端末2は、例えば、給油機に設置されている。
【0020】
図3は、第一の実施の形態における顧客情報テーブルの構成例を示す図である。図3において、顧客情報テーブル113は、会員ID、氏名、住所、生年月日、性別、車両名、メーカー、型番、燃料種別、タンク容量、電子メールアドレス、備考1から4等の情報を管理するテーブルであり、会員ごと(車両ごと)に構成される。会員IDは、会員登録に際し、顧客情報管理部106が自動的に採番し、登録する。会員ID以外の情報は、顧客情報としてPOS端末2より転送された値が登録される。氏名、住所、生年月日、性別、電子メールアドレスは、会員登録の対象とされているドライバの氏名、住所、生年月日、性別、電子メールアドレスである。車両名、メーカー、型番、タンク容量は、当該ドライバの車両の名前(商品名)、当該車両のメーカー、当該車両の型番、当該車両の燃料タンクの容量である。燃料種別は、当該車両が利用可能な燃料の種別である。「FFV」は、当該車両がフレキシブル燃料自動車であること、すなわち、ガソリン及びエタノールの双方の利用が可能であることを示す。備考には付加情報が登録される。
【0021】
図2において、会員登録が完了するとステップS18に進む。
【0022】
一方、ドライバが会員登録を行っていて会員IDを持っている場合、サービスマンによって会員IDがPOS端末2に入力される。これによってPOS端末2は、ドライバの会員IDを取得する(S14)。続いて、POS端末2は、ドライバの車両がFFV車(フレキシブル燃料自動車)か否かを判定する(S15)。当該判定は、POS端末2が、会員IDをホストコンピュータ100に送信して、当該会員IDに対応する燃料種別を顧客情報テーブル113より取得し、当該燃料種別が「FFV」であるか否かによって行う。
【0023】
ドライバの車両がFFV車である場合(S15でY)、POS端末2は、ホストコンピュータ100に対して、燃料別燃費情報の取得を要求することにより燃料別燃費情報を取得する(S16)。燃料別燃費情報とは、ガソリン及びエタノールのそれぞれの燃費、及び経済性を示す指標を含む情報であり、POS端末2からの燃料別燃費情報の取得要求に応じ、ホストコンピュータ100の燃費情報管理部109によって取得及び算出(生成)される。なお、燃費情報管理部109による燃料別燃費情報の算出処理の詳細については後述する。続いて、POS端末2は、POS端末2の表示パネル又は給油機に設置された表示パネルに、取得された燃料別燃費情報等、エタノール及びガソリンの経済性を比較させるための参考情報(給油参考情報)を表示させる(S17)。
【0024】
図4は、給油参考情報の表示例を示す図である。図4では、現在(給油前)の燃料タンクにおけるエタノールの含有率(8%)と、エタノール及びガソリンのそれぞれについて、価格、履歴燃費、及び予測コスト効率が示されている。このうち、価格は、当該サービスステーションにおける単価(円/l)であり、POS端末2に予め登録されている。履歴燃費及び予測コスト効率は、燃費情報管理部109によって算出される燃料別燃費情報である。履歴燃費は、燃費情報管理部109が、燃費情報テーブル112に登録されている、情報に基づいて算出した燃費である。予測コスト効率は、燃料の単価と履歴燃費に基づいて算出されるコスト効率の予測値である。コスト効率とは、所定の走行距離(例えば、100km)あたりのコスト(費用)である。したがって、この値が小さい程経済的であることを示す。
【0025】
すなわち、図4の表示例において、ドライバは、予測コスト効率を参照することにより、エタノールとガソリンのいずれを給油した方が経済的であるか否かを判断することができる。図4の例では、エタノールの予測コスト効率は「1461」であり、ガソリンの予測コスト効率は「1097」である。したがって、ガソリンを給油した方が経済的であることが分かる。FFV車のドライバが、給油参考情報を参考にして給油する燃料を選択すると、ステップS18に進む。なお、ドライバの車両がFFV車でない場合は、給油参考情報の表示等(S16、S17)は実行されない。
【0026】
ステップS18において、サービスマンは、ドライバの車両に給油して燃料を販売すると共に、その給油量、給油した燃料の種類(例えば、ガソリン又はエタノールの別)等の給油情報をPOS端末2に入力する(S18)。第一の実施の形態では、満タン法を前提としているため、ここでは満タンになるまで給油される。なお、ドライバの車両がFFV車の場合は、エタノール又はガソリンのうち、ドライバによって選択された燃料が給油される。
【0027】
続いて、サービスマンによって車両の総走行距離がPOS端末2に入力される(S19)。POS端末2は、入力された総走行距離と、前回に登録された総走行距離との比較によって、入力された総走行距離が妥当な値であるか否かを判断する(S20)。妥当でない場合とは、今回入力された総走行距離と前回の総走行距離の差分(差分走行距離)が0より小さい場合や、差分走行距離に基づいて算出した燃費が予め設定された範囲外である場合等が相当する。なお、前回の総走行距離は、給油情報テーブル111に登録されている。したがって、前回の総走行距離は、会員IDが入力された後に、POS端末2が、会員IDをホストコンピュータ100に送信して、当該会員IDに対応する値を給油情報テーブル111より取得しておけばよい。
【0028】
総走行距離が妥当である場合、ステップS21へ進む。妥当でない場合、例えば、念のため、ドライバに確認をお願いするなどして、再度総走行距離を取得してPOS端末2へ入力する。この場合、POS端末2にて判断処理を有する構成としても良いし、或いは、ホストコンピュータ100へ問い合わせるようにしても良い。
【0029】
続いて、POS端末2は、今回の来店で収集した会員ID、給油情報、及び総走行距離と、各燃料の単価とをホストコンピュータ100へ送信する(S21)。ホストコンピュータ100は、POS端末2より給油情報等を受信すると、燃費情報管理部109によって当該会員IDに関する給油情報等を、給油情報テーブル111に登録する。
【0030】
図5は、第一の実施の形態における給油情報テーブルの構成例を示す図である。図5において、給油情報テーブル111は、給油ごとに、日付、総走行距離、給油量、燃料種、単価A、及び単価B等の情報を管理するテーブルであり、会員ごと(車両ごと)に構成される。日付は、給油が行われた日付である。総走行距離、給油量、燃料種、単価A、及び単価Bには、POS端末2より送信された値が登録される。なお、単価Aは、ガソリンの単価を示す。単価Bはエタノールの単価を示す。また、燃料種の値において、「G」はガソリンを示し、「E」はエタノールを示す。
【0031】
本実施の形態における給油が行われた日(給油日)が1月25日であるとすると、ステップS21では、日付が「2007/1/25」のレコード、すなわち、総走行距離が「4103」、給油量が「25.4」、燃料種が「G」、単価Aが「120」、単価Bが「95」のレコードが給油情報テーブル111に登録される。なお、以下の説明においても、本実施の形態における今回の給油日は1月25日であるとして説明する。
【0032】
続いて、燃費情報管理部19は、受信した給油情報等に基づいて各数値(燃費情報)を算出し、当該燃費情報を燃費情報テーブル112に登録する(S22)。
【0033】
図6は、第一の実施の形態における燃費情報テーブルの構成例を示す図である。図6において、燃費情報テーブル112は、走行期間(前回の給油時から今回の給油時までの期間)ごとに、タンク容量、燃料B含有率、走行距離、燃費、単価Mix、コスト効率、傾き、y切片、比較用燃費、燃費差、比較用コスト効率、コスト効率差、燃料A燃費、及び燃料B燃費等の情報を管理するテーブルであり、会員ごと(車両ごと)に構成される。図6では、今回の走行期間に対する燃費情報が登録された後の状態が示されている。今回の走行期間とは、前回の給油時(1/23)から今回の給油時(1/25)までの期間をいう。このように、燃費情報テーブル112には、給油時を区切りとした走行期間ごとに、燃費情報の履歴が蓄積されている。なお、燃費情報を構成する各項目の意味及び算出処理の詳細については後述する。
【0034】
続いて、ホストコンピュータ100の顧客情報管理部106は、会員IDに基づいてドライバの顧客情報を顧客情報テーブル113より検索し、電子メールアドレスの登録の有無を確認する(S23)。電子メールアドレスが登録されている場合、メールサーバ管理部107は、今回の給油による燃費情報が記述された電子メールを作成し、当該電子メールをメールサーバ3を介してドライバに提供する(S24)。続いて、WWWサーバ管理部108は、WWWサーバ4で管理される会員IDに対応する燃費情報を更新し(S25)、図2の処理を終了する。
【0035】
一方、電子メールアドレスが登録されていない場合、電子メールによる燃費情報の提供を行うことなく、WWWサーバ管理部108によって、WWWサーバ4で管理される会員IDに対応する燃費情報を更新し(S25)、図2の処理を終了する。
【0036】
次に、図2のステップS22において燃費情報管理部109によって実行される、燃費情報の算出及び登録処理について説明する。図7は、第一の実施の形態における燃費情報管理部による燃費情報の算出及び登録処理を説明するためのフローチャートである。ところで、図6の燃費情報テーブル112は、今回の走行期間(1/23〜1/25)における燃費情報が登録された後(すなわち、図7の処理が実行された後)の状態が示されている。そこで、説明の便宜上、今回の走行期間の燃費情報の登録処理(図7の処理)が実行される前の燃費情報テーブル112の例を図8に示す。なお、図8から明らかなように、図7の処理が実行される前に、今回の走行期間における燃料B含有率及び比較用燃費は既に登録されている。これは、前回の走行期間の燃費情報の登録の際に登録されているからであるが、その詳細ついては後述する。以下、図3、図5、及び図8等を参照しつつ、図7の処理手順について説明する。
【0037】
ステップS101において、POS端末2から給油情報等と共に受信された会員IDを取得する。続いて、当該会員IDに係る会員の給油情報テーブル111より前回(1/23)の走行距離(d0=3817)を、当該会員の顧客情報テーブル113よりタンク容量(TL=40)を、当該会員の燃費情報テーブル113より前回の走行期間(1/21〜1/23)の燃料A燃費(NA0=10.94)、前回の走行期間の燃料B燃費(NB0=6.50)、今回の走行期間に対する比較用燃費(XN1=10.60)、及び今回の走行期間の燃料B含有率(M1=8)をそれぞれ取得する(S102)。今回燃料B含有率とは、今回の走行期間における燃料タンク内のエタノールの含有率(すなわち、ガソリンとエタノールとの混合比率)をいう。今回の走行期間の燃料タンク内のエタノールの含有率は、前回の給油時に決まる。したがって、今回の走行期間の燃料B含有率は、既に登録されているのである。なお、燃費情報テーブル112において、燃料Aは、ガソリンを示し、燃料Bはエタノールを示す。
【0038】
続いて、今回(1/25)の給油情報を給油情報テーブル111より取得する(S103)。すなわち、今回の総走行距離(d1=4103)、給油量(L1=25.4)、燃料種(T1=G)、単価A(PA1=120)、及び単価B(PB1=95)を取得する。
【0039】
続いて、今回の総走行距離(d1=4103)−前回の総走行距離(d2=3817)を計算することにより、今回の走行期間の走行距離(D1=286)を算出する(S104)。続いて、今回の走行期間の走行距離(D1=286)/今回の給油量(L1=25.4)を計算することにより、今回の走行期間の燃費(N1=11.26)を算出する(S105)。なお、満タン法では、給油量を消費量としてみなすことができるため、今回の給油量を用いて燃費が算出される。
【0040】
続いて、今回の走行期間の単価Mix(P1)を算出する(S106)。単価Mixとは、今回の給油前の燃料タンク内における、燃料(ガソリンとエタノールとの混合物)の1リットル当たりの価格(時価)をいう。したがって、単価Mixは、PA1×(1−M1)+PB1×M1を計算することによって算出することができる。よって、今回の走行期間の単価Mix(P1)=120×(1−0.08)+95×0.08=118.1と算出される。
【0041】
続いて、(P1=118.1)/(N1=11.26)×100を計算することにより、今回の走行期間のコスト効率(E1=1049)(混合燃料による100km当たりのコスト)を算出する(S107)。
【0042】
続いて、今回の走行期間における燃料A燃費及び燃料B燃費を算出するための、燃料Bの含有率と燃費との関係を示す関係式として近似曲線(近似式)を導出する(S108)。当該近似曲線は、燃費情報テーブル112に登録されている、これまでの燃料Bの含有率及び燃費の履歴と、今回の走行期間の燃料B含有率(M1)及び燃費(N1)に基づいて導出される。
【0043】
図9は、エタノールの含有率と燃費との関係を示す近似曲線を説明するための図である。図9において、横軸(x)はエタノールの含有率を、縦軸(y)は燃費を示す。各プロットは、これまでの各走行期間における、エタノールの含有率と燃費を示す。これらのプロットに基づいて公知の手法を用いることにより、近似曲線が導出される。なお、本実施の形態では、一次式(y=F(x)=ax+b)に近似している。したがって、ステップS108では、当該近似曲線の傾き(a=−4.56)と、y切片(b=11.04)とが算出される。
【0044】
続いて、今回の走行期間の燃費(N1=11.26)−今回の走行期間に対する比較用燃費(NX1=10.60)を計算することにより、燃費差(GN1=0.66)を算出する(S109)。ここで、比較用燃費とは、近似曲線に対して今回の走行期間の燃料B含有率(M1)を当てはめることによって算出される燃費である。すなわち、比較用燃費は、過去の実績から理論的に算出される燃費であるということができる。よって、燃費差とは、今回の走行期間の実績値と、過去の実績から算出される理論値との差に相当する。なお、今回の走行期間の比較用燃費(XN1)は、前回の燃費情報の算出時に算出される。すなわち、今回の走行期間の比較用燃費(XN1)は、前回の算出時において算出された今回の走行期間の燃料B含有率(8)と、前回の算出時に導出された近似曲線(y=―4.44x+10.94)とに基づいて算出される。
【0045】
続いて、単価Mix(P1=118.1)/XN1(10.60)×100を計算することにより、今回の走行期間に対する比較用燃費差に基づくコスト効率(比較用コスト効率:XE1=1114)を算出する(S110)。続いて、今回の走行期間のコスト効率(E1=1049)−比較用コスト効率(XE1=1114)を計算することにより、実績としてのコスト効率と近似式に基づく理論的なコスト効率との差であるコスト効率差(GE1=−65)を算出する(S111)。
【0046】
続いて、今回の走行期間をガソリンだけで走行したと仮定した場合の燃費(燃料A燃費(NA1))を算出する(S112)。燃料A燃費は、近似曲線(F(x))に対してエタノールが0%の状態(F(0))を当てはめる(代入する)ことにより算出される。したがって、本実施の形態のように一次式(y=ax+b)に近似した場合、y切片(b=11.04)の値が、燃料A燃費(NA1)の値とされる。
【0047】
続いて、今回の走行期間をエタノールだけで走行したと仮定した場合の燃費(燃料B燃費(NB1))を算出する(S112)。燃料B燃費は、近似曲線(F(x))に対してエタノールが100%の状態(F(1))を当てはめることにより算出される。したがって、本実施の形態のように一次式(y=ax+b)に近似した場合、a+b=6.48が、燃料B燃費(NB1)の値とされる。
【0048】
続いて、次回の走行期間の燃料B含有率(M2)を算出する(S114)。今回給油された燃料種(T1)が「G」(ガソリン)の場合、M2=(TL−L1)×M1/TLによって算出される。今回給油された燃料種(T1)が「E」(エタノール)の場合、M2=(L1+(TL−L1)×M1)/TLによって算出される。
【0049】
続いて、次回の走行期間の燃料Bの含有率(M2)を、今回導出された近似曲線に当てはめることにより、次回の走行期間に対する比較用燃費(XN2)を算出する(S115)。したがって、XN2は、a×M2+bを計算することによって算出される。
【0050】
最後に、算出された値を燃費情報テーブル112に登録する(S116)。走行距離(D1)、燃費(N1)、単価Mix(P1)、コスト効率(E1)、近似曲線の傾き(a)、近似曲線のy切片(b)、燃費差(GN1)、比較用コスト効率(XE1)、コスト効率差(GE1)、燃料A燃費(NA1)、燃料B燃費(NB1)は、今回の走行期間に対するレコードに登録される。また、次回燃料B含有率(M2)及び次回比較用燃費(XN2)は、次回の走行期間に対するレコードに登録される。これによって、燃費情報テーブル112は、図8の状態から図6の状態になる。
【0051】
続いて、図2のステップS16においてPOS端末2の燃料別燃費情報の取得要求に応じてホストコンピュータ100の燃料情報管理部109によって実行される処理について説明する。図10は、第一の実施の形態における燃費情報管理部による燃料別燃費情報の提供処理を説明するためのフローチャートである。なお、図10の処理は、給油及び図7の処理が行われる前に実行される処理である。したがって、図10の処理が実行されるタイミングにおいて燃費情報テーブル112は、図8の状態である。
【0052】
ステップS201において、会員IDと共に燃料別燃費情報の取得要求を受信する(S201)続いて、前回の走行期間(1/21〜1/23)の燃料A燃費(NA0=10.94)、及び燃料B燃費(NB0=6.50)と、今回の走行期間(1/23〜1/25)の燃料B含有率(M1=8)を燃費情報管理テーブル112より取得する(S202)。続いて、今回の燃料Aの単価(PA1=120)/前回の走行期間の燃料A燃費(NA0=10.94)×100を計算することにより、次回の走行期間(1/25〜次回の給油時)における燃料Aのコスト効率の予測値(予測コスト効率(EAx=1097))を算出する。同様に、今回の燃料Bの単価(PB1=95)/前回の走行期間の燃料B燃費(NB0=6.50)×100を計算することにより、次回の走行期間(1/25〜次回の給油時)における燃料Bのコスト効率の予測値(予測コスト効率(EBx=1461))を算出する(S203)。なお、今回の燃料A(ガソリン)及び燃料B(エタノール)の単価は、POS端末2より受信すればよい。
【0053】
続いて、取得した情報(前回燃料A燃費NA0、前回燃料B燃費NA1、今回の走行期間の燃料B含有率M1)及び算出した情報(燃料A予測コスト効率EAx、燃料B予測コスト効率EBx)をPOS端末2に送信する(S204)。POS端末2は、当該情報を受信して、図4に示される画面を表示させる。
【0054】
続いて、図2のステップS24によってメールサーバ管理部107によって作成される電子メールについて説明する。図11は、燃費情報を提供する電子メールの例を示す図である。
【0055】
図11において、「燃費情報更新のお知らせ」を件名とする電子メール51では、例えば、「毎度ご利用いただきありがとうございます。(お客)様の燃費情報が更新されましたのでご照会します。」といった挨拶文で始まり、以下のような燃費に関する情報が提供される。ここで、(お客)の部分には、顧客情報テーブル113に示される氏名(例えば、「田中 太郎」)が代入される。
【0056】
燃費に関する情報としては、今回の走行期間(1/23〜1/25)における燃費、コスト効率、燃費の比較(燃費差)、コスト効率の比較(コスト効率差)、ガソリン燃費、エタノール燃費の値が示されている。これらの値は、メールサーバ管理部107が、燃費情報テーブル112より取得し、電子メール51に転記する。
【0057】
ドライバは、電子メール51における燃費の比較やコスト効率の比較等を参照することにより、燃費の向上や、コスト効率の低減等を確認することができる。
【0058】
次に、第二の実施の形態について説明する。第二の実施の形態では、ドライバの車両より燃料タンクにおける残燃料量を取得可能な場合について説明する。残燃料量は、例えば、車両に備えられた残燃料計等によって人間に視認されることにより取得されてもよいし、給油ノズルに設置された可視光通信装置と給油口の付近に設置された可視光通信装置との通信により取得されてもよい。なお、第二の実施の形態では、第一の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に説明されない点については、第一の実施の形態と同様でよい。
【0059】
第二の実施の形態において、ドライバがサービスステーションに来店した際の処理は、図2とほぼ同様である。但し、第二の実施の形態では、ステップS18において、給油は、必ずしも満タンになるまで行われなくても良い。また、第二の実施の形態では、給油情報として、給油量、給油した燃料の種類の他に、給油前の残燃料量(給油前残燃料量)、給油後の残燃料量(給油後残燃料量)が取得されPOS端末2に入力される。それに応じ、ステップS21において送信される給油情報には、給油前残燃料量及び給油後残燃料量が含まれる。したがって、給油前残燃料量及び給油後残燃料量も給油情報テーブル111aに登録される。
【0060】
図12は、第二の実施の形態における給油情報テーブルの構成例を示す図である。図12に示されるように、第二の実施の形態における給油情報テーブル111aには、給油前残燃料量と給油後残燃料量とを登録するための項目が追加されている。
【0061】
ところで、給油前残燃料量と給油後残燃料量とが取得できるということは、常に満タンに給油しなくても、各走行期間の燃料の消費量を算出することができるということである。したがって、第二の実施の形態では、図2のステップS22の処理(すなわち、図7の処理)が多少異なる。
【0062】
図13は、第二の実施の形態における燃費情報管理部による燃費情報の算出及び登録処理を説明するためのフローチャートである。図13中、図7と同一ステップには同一符号を付し、その説明は適宜省略する。
【0063】
第二の実施の形態では、ステップS102aにおいて、タンク容量(TL)の代わりに、前回の給油時の給油後残燃料量(La0)が給油情報テーブル111aより取得される。また、ステップS103aでは、今回の給油時の給油前残燃料量(Lb1)及び給油後残燃料量(La1)が給油情報テーブル111aより取得される。続いて、ステップS103bにおいて、前回給油後残燃料量(La0)−今回給油前残燃料量(Lb1)が計算されることにより、今回の走行期間の消費燃料量(XL1)が算出される。
【0064】
したがって、ステップS105aにおいて、燃費(N1)は、走行距離(D1)/消費燃料量(XL1)によって算出される。また、ステップS114aにおいて次回燃料B含有率(M2)を算出する際は、第一の実施の形態における(TL−L1)が、Lb1に置き換えられて計算が行われる。また、ステップS116aでは、消費燃料量(XL1)が更に燃費情報テーブル112aに登録される。
【0065】
図14は、第二の実施の形態における燃費情報テーブルの構成例を示す図である。図14に示されるように、第二の実施の形態における燃費情報テーブル112aには、消費燃料量を登録するための項目が追加されている。
【0066】
上述したように、本実施の形態における燃料管理システムによれば、複数種類のそれぞれの燃料について単価及び燃費をした経済性を示す指標(コスト効率)を算出することができるため、いずれの燃料を給油するのが経済的であるかを直感的に判断するための情報を提供することができる。
【0067】
なお、上記においては、車両がFFV車であり、利用される燃料がガソリン又はエタノールである場合について説明したが、本発明が適用可能な燃料は特定のものに限られない。例えば、通常の車両(FFVでない車両)におけるハイオクとレギュラーとの経済性の比較等、各種の燃料の組み合わせに用いることができる。
【0068】
また、エタノールは、冬季には気化しづらくなり燃費が悪化する傾向にあると言われている。したがって、燃費情報テーブル112は、季節に応じて構成してもよい。そうすることにより、季節に応じたコスト効率を算出し、提示することができる。
【0069】
また、本発明の適用範囲は、車両に限られない。2種類以上の燃料を利用して動作し、燃費(燃料の所定消費量(例えば1リットル)あたりの動作量又は作業量)を測定できるものであれば、各種の機器に適用することができる。
【0070】
更に、上記においては、説明の便宜上、燃料が2種類の場合について説明したが、燃料が3種類以上であってもよい。例えば、燃料が3種類に増えた場合は、二つの燃料含有率が分かれば残りの燃料の含有率が分かるため、近似式を関数F(x)の代わりに二つの変数によって燃費が算出される関数F(x1、x2)とし、重回帰分析によって予測値を算出すればいい。
【0071】
すなわち、燃料A含有率をx1、燃料B含有率をx2、燃料C含有率を1−x1−x2、燃費をyとし、近似平面(回帰平面)
y=a+bx1+cx2
を算出する。
【0072】
後は、F(x1、x2)=a+bx1+cx2を用いれば、各燃料別燃費は以下のように算出できる。
燃料A燃費:F(1、0)=a+b
燃料B燃費:F(0、1)=a+c
燃料C燃費:F(0、0)=a
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0073】
以上の説明に関し、更に以下の項を開示する。
(付記1)
コンピュータに、
複数種類の燃料を利用可能な機器の燃料タンクに給油が行われるたびに前回の給油時から今回の給油時の期間における前記燃料タンク内の燃料に係る燃費を記録装置に記録する燃費記録手順と、
前記給油が行われるたびに給油後の前記燃料タンク内における前記複数の燃料の混合比率を算出し、記憶装置に記録する混合比率記録手順と、
前記記憶装置に記録されている前記燃費と前記混合比率との履歴に基づいて、前記燃費と前記混合比率との関係式を導出する関係式導出手順と、
前記関係式に基づいて、前記複数の燃料ごとの燃費を算出する燃料別燃費算出手順と、
前記燃料ごとの燃費と前記燃料ごとの単価とに基づいて、前記燃料ごとに経済性を示す指標を算出する経済性指標算出手順とを実行させるための燃料別経済性算出プログラム。
(付記2)
前記経済性を示す指標は、前記機器の所定の動作量あたりに要する費用であることを特徴とする付記1記載の燃料別経済性算出プログラム。
(付記3)
前記燃費記録手順は、前回の給油時から今回の給油時の期間における前記機器の動作量と前記燃料タンク内の燃料の消費量とに基づいて前記燃料タンク内の燃料に係る燃費を算出することを特徴とする付記1又は2記載の燃料別経済性算出プログラム。
(付記4)
前記関係式導出手順は、前記燃費と前記混合比率との関係を一次式に近似したものを前記関係式とすることを特徴とする付記1乃至3いずれか一項記載の燃料別経済性算出プログラム。
(付記5)
前記燃料別燃費算出手順は、前記複数の燃料ごとに他の燃料の混合比率が0の状態を前記関係式に当てはめることにより当該燃料の燃費を算出することを特徴とする付記1乃至4いずれか一項記載の燃料別経済性算出プログラム。
(付記6)
前記燃費記録手順は、前記機器ごと前記燃料タンク内の燃料に係る燃費を記録し、
前記混合比率記録手順は、前記機器ごとに前記混合比率を記録し、
前記関係式導出手順は、対象とされている機器に対して記録されている前記燃費と前記混合比率との履歴に基づいて、当該機器に関する前記関係式を導出することを特徴とする付記1乃至5いずれか一項記載の燃料別経済算出プログラム。
(付記7)
前記機器は、車両であることを特徴とする付記1乃至6いずれか一項記載の燃料別経済性算出プログラム。
(付記8)
前記複数の燃料は、エタノール及びガソリンを含むことを特徴とする付記1乃至7いずれか一項記載の燃料別経済性導出プログラム。
(付記9)
複数種類の燃料を利用可能な機器の燃料タンクに給油が行われるたびに前回の給油時から今回の給油時の期間における前記燃料タンク内の燃料に係る燃費を記録装置に記録する燃費記録手段と、
前記給油が行われるたびに給油後の前記燃料タンク内における前記複数の燃料の混合比率を算出し、記憶装置に記録する混合比率記録手段と、
前記記憶装置に記録されている前記燃費と前記混合比率との履歴に基づいて、前記燃費と前記混合比率との関係式を導出する関係式導出手段と、
前記関係式に基づいて、前記複数の燃料ごとの燃費を算出する燃料別燃費算出手段と、
前記燃料ごとの燃費と前記燃料ごとの単価とに基づいて、前記燃料ごとに経済性を示す指標を算出する経済性指標算出手段とを有することを特徴とする燃料別経済性算出装置。
(付記10)
前記経済性を示す指標は、前記機器の所定の動作量あたりに要する費用であることを特徴とする付記9記載の燃料別経済性算出装置。
(付記11)
前記燃費記録手段は、前回の給油時から今回の給油時の期間における前記機器の動作量と前記燃料タンク内の燃料の消費量とに基づいて前記燃料タンク内の燃料に係る燃費を算出することを特徴とする付記9又は10記載の燃料別経済性算出装置。
(付記12)
前記関係式導出手段は、前記燃費と前記混合比率との関係を一次式に近似したものを前記関係式とすることを特徴とする付記9乃至11いずれか一項記載の燃料別経済性算出装置。
(付記13)
前記燃料別燃費算出手段は、前記複数の燃料ごとに他の燃料の混合比率が0の状態を前記関係式に当てはめることにより当該燃料の燃費を算出することを特徴とする付記9乃至12いずれか一項記載の燃料別経済性算出装置。
(付記14)
前記燃費記録手段は、前記機器ごと前記燃料タンク内の燃料に係る燃費を記録し、
前記混合比率記録手段は、前記機器ごとに前記混合比率を記録し、
前記関係式導出手段は、対象とされている機器に対して記録されている前記燃費と前記混合比率との履歴に基づいて、当該機器に関する前記関係式を導出することを特徴とする付記9乃至13いずれか一項記載の燃料別経済算出装置。
(付記15)
コンピュータが実行する燃料別経済性算出方法であって、
複数種類の燃料を利用可能な機器の燃料タンクに給油が行われるたびに前回の給油時から今回の給油時の期間における前記燃料タンク内の燃料に係る燃費を記録装置に記録する燃費記録手順と、
前記給油が行われるたびに給油後の前記燃料タンク内における前記複数の燃料の混合比率を算出し、記憶装置に記録する混合比率記録手順と、
前記記憶装置に記録されている前記燃費と前記混合比率との履歴に基づいて、前記燃費と前記混合比率との関係式を導出する関係式導出手順と、
前記関係式に基づいて、前記複数の燃料ごとの燃費を算出する燃料別燃費算出手順と、
前記燃料ごとの燃費と前記燃料ごとの単価とに基づいて、前記燃料ごとに経済性を示す指標を算出する経済性指標算出手順とを有することを特徴とする燃料別経済性算出方法。
(付記16)
前記経済性を示す指標は、前記機器の所定の動作量あたりに要する費用であることを特徴とする付記15記載の燃料別経済性算出方法。
(付記17)
前記燃費記録手順は、前回の給油時から今回の給油時の期間における前記機器の動作量と前記燃料タンク内の燃料の消費量とに基づいて前記燃料タンク内の燃料に係る燃費を算出することを特徴とする付記15又は16記載の燃料別経済性算出方法。
(付記18)
前記関係式導出手順は、前記燃費と前記混合比率との関係を一次式に近似したものを前記関係式とすることを特徴とする付記15乃至17いずれか一項記載の燃料別経済性算出方法。
(付記19)
前記燃料別燃費算出手順は、前記複数の燃料ごとに他の燃料の混合比率が0の状態を前記関係式に当てはめることにより当該燃料の燃費を算出することを特徴とする付記15乃至18いずれか一項記載の燃料別経済性算出方法。
(付記20)
前記燃費記録手順は、前記機器ごと前記燃料タンク内の燃料に係る燃費を記録し、
前記混合比率記録手順は、前記機器ごとに前記混合比率を記録し、
前記関係式導出手順は、対象とされている機器に対して記録されている前記燃費と前記混合比率との履歴に基づいて、当該機器に関する前記関係式を導出することを特徴とする付記15乃至19いずれか一項記載の燃料別経済算出方法。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る燃料管理システムのネットワーク構成例を示す図である。
【図2】第一の実施の形態においてドライバがサービスステーションに来店した際の処理を説明するためのフローチャートである。
【図3】第一の実施の形態における顧客情報テーブルの構成例を示す図である。
【図4】給油参考情報の表示例を示す図である。
【図5】第一の実施の形態における給油情報テーブルの構成例を示す図である。
【図6】第一の実施の形態における燃費情報テーブルの構成例を示す図である。
【図7】第一の実施の形態における燃費情報管理部による燃費情報の算出及び登録処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】今回の走行期間の燃費情報の登録処理が実行される前の燃費情報テーブルの例を示す図である。
【図9】エタノールの含有率と燃費との関係を示す近似曲線を説明するための図である。
【図10】第一の実施の形態における燃費情報管理部による燃料別燃費情報の提供処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】燃費情報を提供する電子メールの例を示す図である。
【図12】第二の実施の形態における給油情報テーブルの構成例を示す図である。
【図13】第二の実施の形態における燃費情報管理部による燃費情報の算出及び登録処理を説明するためのフローチャートである。
【図14】第二の実施の形態における燃費情報テーブルの構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0075】
1 インターネット
2 POS端末
3 メールサーバ
4 WWWサーバ
5 車両
101 出力制御部
102 入力制御部
103 表示制御部
104 通信制御部
105 インストーラ
106 顧客情報管理部
107 メールサーバ管理部
108 WWWサーバ管理部
109 燃費情報管理部
111、111a 給油情報テーブル
112、112a 燃費情報テーブル
113 顧客情報テーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
複数種類の燃料を利用可能な機器の燃料タンクに給油が行われるたびに前回の給油時から今回の給油時の期間における前記燃料タンク内の燃料に係る燃費を記録装置に記録する燃費記録手順と、
前記給油が行われるたびに給油後の前記燃料タンク内における前記複数の燃料の混合比率を算出し、記憶装置に記録する混合比率記録手順と、
前記記憶装置に記録されている前記燃費と前記混合比率との履歴に基づいて、前記燃費と前記混合比率との関係式を導出する関係式導出手順と、
前記関係式に基づいて、前記複数の燃料ごとの燃費を算出する燃料別燃費算出手順と、
前記燃料ごとの燃費と前記燃料ごとの単価とに基づいて、前記燃料ごとに経済性を示す指標を算出する経済性指標算出手順とを実行させるための燃料別経済性算出プログラム。
【請求項2】
前記経済性を示す指標は、前記機器の所定の動作量あたりに要する費用であることを特徴とする請求項1記載の燃料別経済性算出プログラム。
【請求項3】
前記関係式導出手順は、前記燃費と前記混合比率との関係を一次式に近似したものを前記関係式とすることを特徴とする請求項1又は2記載の燃料別経済性算出プログラム。
【請求項4】
前記燃料別燃費算出手順は、前記複数の燃料ごとに他の燃料の混合比率が0の状態を前記関係式に当てはめることにより当該燃料の燃費を算出することを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項記載の燃料別経済性算出プログラム。
【請求項5】
前記燃費記録手順は、前記機器ごと前記燃料タンク内の燃料に係る燃費を記録し、
前記混合比率記録手順は、前記機器ごとに前記混合比率を記録し、
前記関係式導出手順は、対象とされている機器に対して記録されている前記燃費と前記混合比率との履歴に基づいて、当該機器に関する前記関係式を導出することを特徴とする請求項1乃至4いずれか一項記載の燃料別経済算出プログラム。
【請求項6】
複数種類の燃料を利用可能な機器の燃料タンクに給油が行われるたびに前回の給油時から今回の給油時の期間における前記燃料タンク内の燃料に係る燃費を記録装置に記録する燃費記録手段と、
前記給油が行われるたびに給油後の前記燃料タンク内における前記複数の燃料の混合比率を算出し、記憶装置に記録する混合比率記録手段と、
前記記憶装置に記録されている前記燃費と前記混合比率との履歴に基づいて、前記燃費と前記混合比率との関係式を導出する関係式導出手段と、
前記関係式に基づいて、前記複数の燃料ごとの燃費を算出する燃料別燃費算出手段と、
前記燃料ごとの燃費と前記燃料ごとの単価とに基づいて、前記燃料ごとに経済性を示す指標を算出する経済性指標算出手段とを有することを特徴とする燃料別経済性算出装置。
【請求項7】
コンピュータが実行する燃料別経済性算出方法であって、
複数種類の燃料を利用可能な機器の燃料タンクに給油が行われるたびに前回の給油時から今回の給油時の期間における前記燃料タンク内の燃料に係る燃費を記録装置に記録する燃費記録手順と、
前記給油が行われるたびに給油後の前記燃料タンク内における前記複数の燃料の混合比率を算出し、記憶装置に記録する混合比率記録手順と、
前記記憶装置に記録されている前記燃費と前記混合比率との履歴に基づいて、前記燃費と前記混合比率との関係式を導出する関係式導出手順と、
前記関係式に基づいて、前記複数の燃料ごとの燃費を算出する燃料別燃費算出手順と、
前記燃料ごとの燃費と前記燃料ごとの単価とに基づいて、前記燃料ごとに経済性を示す指標を算出する経済性指標算出手順とを有することを特徴とする燃料別経済性算出方法。
【請求項1】
コンピュータに、
複数種類の燃料を利用可能な機器の燃料タンクに給油が行われるたびに前回の給油時から今回の給油時の期間における前記燃料タンク内の燃料に係る燃費を記録装置に記録する燃費記録手順と、
前記給油が行われるたびに給油後の前記燃料タンク内における前記複数の燃料の混合比率を算出し、記憶装置に記録する混合比率記録手順と、
前記記憶装置に記録されている前記燃費と前記混合比率との履歴に基づいて、前記燃費と前記混合比率との関係式を導出する関係式導出手順と、
前記関係式に基づいて、前記複数の燃料ごとの燃費を算出する燃料別燃費算出手順と、
前記燃料ごとの燃費と前記燃料ごとの単価とに基づいて、前記燃料ごとに経済性を示す指標を算出する経済性指標算出手順とを実行させるための燃料別経済性算出プログラム。
【請求項2】
前記経済性を示す指標は、前記機器の所定の動作量あたりに要する費用であることを特徴とする請求項1記載の燃料別経済性算出プログラム。
【請求項3】
前記関係式導出手順は、前記燃費と前記混合比率との関係を一次式に近似したものを前記関係式とすることを特徴とする請求項1又は2記載の燃料別経済性算出プログラム。
【請求項4】
前記燃料別燃費算出手順は、前記複数の燃料ごとに他の燃料の混合比率が0の状態を前記関係式に当てはめることにより当該燃料の燃費を算出することを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項記載の燃料別経済性算出プログラム。
【請求項5】
前記燃費記録手順は、前記機器ごと前記燃料タンク内の燃料に係る燃費を記録し、
前記混合比率記録手順は、前記機器ごとに前記混合比率を記録し、
前記関係式導出手順は、対象とされている機器に対して記録されている前記燃費と前記混合比率との履歴に基づいて、当該機器に関する前記関係式を導出することを特徴とする請求項1乃至4いずれか一項記載の燃料別経済算出プログラム。
【請求項6】
複数種類の燃料を利用可能な機器の燃料タンクに給油が行われるたびに前回の給油時から今回の給油時の期間における前記燃料タンク内の燃料に係る燃費を記録装置に記録する燃費記録手段と、
前記給油が行われるたびに給油後の前記燃料タンク内における前記複数の燃料の混合比率を算出し、記憶装置に記録する混合比率記録手段と、
前記記憶装置に記録されている前記燃費と前記混合比率との履歴に基づいて、前記燃費と前記混合比率との関係式を導出する関係式導出手段と、
前記関係式に基づいて、前記複数の燃料ごとの燃費を算出する燃料別燃費算出手段と、
前記燃料ごとの燃費と前記燃料ごとの単価とに基づいて、前記燃料ごとに経済性を示す指標を算出する経済性指標算出手段とを有することを特徴とする燃料別経済性算出装置。
【請求項7】
コンピュータが実行する燃料別経済性算出方法であって、
複数種類の燃料を利用可能な機器の燃料タンクに給油が行われるたびに前回の給油時から今回の給油時の期間における前記燃料タンク内の燃料に係る燃費を記録装置に記録する燃費記録手順と、
前記給油が行われるたびに給油後の前記燃料タンク内における前記複数の燃料の混合比率を算出し、記憶装置に記録する混合比率記録手順と、
前記記憶装置に記録されている前記燃費と前記混合比率との履歴に基づいて、前記燃費と前記混合比率との関係式を導出する関係式導出手順と、
前記関係式に基づいて、前記複数の燃料ごとの燃費を算出する燃料別燃費算出手順と、
前記燃料ごとの燃費と前記燃料ごとの単価とに基づいて、前記燃料ごとに経済性を示す指標を算出する経済性指標算出手順とを有することを特徴とする燃料別経済性算出方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−223602(P2008−223602A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−63141(P2007−63141)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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