説明

物品処理設備

【課題】物品の搬送を停滞なく適切に行えるようにしながらも、装備する無人搬送車の台数を減少させて設備の設置コストの低下を図ることができる物品処理設備を提供する。
【解決手段】外部搬出入部Bに位置する物品Pを自動倉庫Aの物品入出庫部2に搬送する物品搬入処理、及び、自動倉庫Aの物品入出庫部2に位置する物品Pを外部搬出入部Bに搬送する物品搬出処理を行うべく、無人搬送車担当経路における自動倉庫側に位置する倉庫側物品移載部F及び外部搬出入部側に位置する外部側物品移載部Gとの間での搬送作業を無人搬送車10に割り付ける搬送管理手段が、割込み要求が指令されたときには、倉庫側物品移載部Fと外部側物品移載部Gとの間での搬送作業の一部の搬送作業を、作業者によって運転される有人搬送車Mに割り付けるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を収納する複数の収納部が並設された保管棚、その保管棚に対応して設置される物品入出庫部、及び、前記収納部と前記物品入出庫部との間で物品を搬送する棚側物品搬送手段を備える自動倉庫が設けられ、外部から物品が搬入され且つ外部へ物品を搬出する外部搬出入部と前記物品入出庫部との間の物品搬送経路中の少なくとも一部に、無人搬送車担当経路が設定され、前記無人搬送車担当経路には、設定走行経路に沿って床面を自動走行する無軌道型の無人搬送車が備えられ、前記外部搬出入部に位置する物品を前記物品入出庫部に搬送する物品搬入処理、及び、前記物品入出庫部に位置する物品を前記外部搬出入部に搬送する物品搬出処理を行うべく、前記無人搬送車担当経路における前記自動倉庫側に位置する倉庫側物品移載部及び前記外部搬出入部側に位置する外部側物品移載部との間での搬送作業を前記無人搬送車に割り付ける搬送管理手段が設けられている物品処理設備に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる物品処理設備は、外部から外部搬出入部に搬入される物品を、自動倉庫の保管棚に保管し、保管棚に保管した物品を、必要な時期に外部搬出入部から外部に搬出するようにするものであって、例えば物流センター等に設置されて使用されることになる。
【0003】
そして、外部搬出入部と物品入出庫部との間の物品搬送経路中の少なくとも一部に、無人搬送車担当経路が設定されて、その無人搬送車担当経路には、設定走行経路に沿って床面を自動走行する無軌道型の無人搬送車が備えられて、搬送管理手段にて無人搬送車の作動を制御することにより、外部搬出入部に位置する物品を物品入出庫部に搬送する物品搬入処理や、物品前記部に位置する物品を前記外部搬出入部に搬送する物品搬出処理を、無人搬送車を利用して行うことができるものである(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
上記特許文献1には詳述はされていないが、搬送管理手段は、無人搬送車の作動を制御する際には、無人搬送車担当経路における自動倉庫側に位置する走行側物品移載部及び外部搬出入部側に位置する外部側物品移載部との間での搬送作業を無人搬送車に割り付けることになり、搬送管理手段にて割り付けられた搬送作業を無人搬送車が実行することになる。
そして、従来では、無人搬送車担当経路における自動倉庫側の物品移載部及び外部搬出入部側の物品移載部との間での搬送作業の全てが、無人搬送車に割り付けられるようになっていた。
【0005】
ちなみに、上記特許文献1においては、自動倉庫の物品入出庫部としての入出庫装置が、無人搬送担当経路における倉庫側物品移載部となり、外部搬出入部としてのステーションコンベヤが、無人搬送担当経路における外部側物品移載部となる場合、つまり、外部搬出入部と物品入出庫部との間の物品搬送経路の全てが、無人搬送車担当経路となる場合が記載されているが、外部搬出入部と物品入出庫部との間の物品搬送経路中の一部が、無人搬送車担当経路として設定される場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−65754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来では、無人搬送車担当経路における倉庫側物品移載部と外部側物品移載部との間での搬送作業の全てが無人搬送車に割り付けられることになるため、装備する無人搬送車の台数が増加して、設備の設置コストが高価になる不利があり、改善が望まれるものであった。
【0008】
すなわち、装備する無人搬送車の台数は、自動倉庫への物品の保管や保管した物品の取出しを行う際の物品の搬送を停滞なく適切に行える台数とする必要があるが、物品の搬送作業は常時多量に存在するものではなく、例えば1日のうちの特定の時間帯に搬送作業が集中して発生する等、一般には、物品の搬送作業が多量に存在する時間帯と少量存在する時間帯とが存在することになり、しかも、物品の搬送作業が多量に存在する時間帯は、物品の搬送作業が少量存在する時間帯に較べて少ない傾向となる。
【0009】
そして、物品の搬送作業の全てを無人搬送車に割り付ける場合には、物品の搬送作業が多量に存在する時間帯においても、物品の搬送を停滞なく適切に行える台数の無人搬送車を装備する必要があるが、物品の搬送作業が少量である時間帯においては、必要以上の台数の無人搬送車が装備された状態となる。
【0010】
つまり、物品の搬送作業の全てを無人搬送車に割り付ける場合には、装備する無人搬送車の台数が、物品の搬送作業が少量である時間帯において必要となる台数以上となる結果、装備する無人搬送車の台数が増加して、設備の設置コストが高くなる不都合があり、改善が望まれるものであった。
【0011】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、物品の搬送を停滞なく適切に行えるようにしながらも、装備する無人搬送車の台数を減少させて設備の設置コストの低下を図ることができる物品処理設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の物品処理設備は、物品を収納する複数の収納部が並設された保管棚、その保管棚に対応して設置される物品入出庫部、及び、前記収納部と前記物品入出庫部との間で物品を搬送する棚側物品搬送手段を備える自動倉庫が設けられ、
外部から物品が搬入され且つ外部へ物品を搬出する外部搬出入部と前記物品入出庫部との間の物品搬送経路中の少なくとも一部に、無人搬送車担当経路が設定され、
前記無人搬送車担当経路には、設定走行経路に沿って床面を自動走行する無軌道型の無人搬送車が備えられ、
前記外部搬出入部に位置する物品を前記物品入出庫部に搬送する物品搬入処理、及び、前記物品入出庫部に位置する物品を前記外部搬出入部に搬送する物品搬出処理を行うべく、前記無人搬送車担当経路における前記自動倉庫側に位置する倉庫側物品移載部及び前記外部搬出入部側に位置する外部側物品移載部との間での搬送作業を前記無人搬送車に割り付ける搬送管理手段が設けられているものであって、その第1特徴構成は、
前記搬送管理手段が、割込み要求が指令されたときには、前記倉庫側物品移載部と前記外部側物品移載部との間での搬送作業の一部の搬送作業を、作業者によって運転される有人搬送車に割り付けるように構成されている点を特徴とする。
【0013】
すなわち、作業者によって運転される有人搬送車が、倉庫側物品移載部と外部側物品移載部との間での搬送作業を行うために装備されている。
そして、搬送管理手段が、割込み要求が指令されたときには、倉庫側物品移載部と外部側物品移載部との間での搬送作業の一部の搬送作業を、有人搬送車に割り付けることになる。
【0014】
つまり、倉庫側物品移載部と外部側物品移載部との間での搬送作業の一部の搬送作業を、有人搬送車に割り付けることができるから、無人搬送車担当経路における倉庫側物品移載部及び外部側物品移載部との間での搬送作業が多量に存在する時間帯においては、その搬送作業の一部を有人搬送車に割り付けるようにすることができる。
ちなみに、無人搬送車担当経路における倉庫側物品移載部及び外部側物品移載部との間での搬送作業が少量である時間帯においては、その搬送作業の全てを無人搬送車に割り付けるようにする。
【0015】
このように、無人搬送車担当経路における倉庫側物品移載部と外部側物品移載部との間での搬送作業が多量に存在する時間帯においては、その搬送作業の一部を有人搬送車にて行うことができるため、その搬送作業が多量に存在するときにも、物品の搬送を停滞なく適切に行えるようにしながらも、装備する無人搬送車の台数を減少させることができる。
【0016】
そして、作業者によって運転される有人搬送車は、自動走行させるための種々の機器を装備することになる無人搬送車よりも、安価に構成できるため、設備の設置コストの低下を図ることが可能となるのである。
【0017】
要するに、本願発明の第1特徴構成によれば、物品の搬送を停滞なく適切に行えるようにしながらも、装備する無人搬送車の台数を減少させて設備の設置コストの低下を図ることができる物品処理設備を提供できる。
【0018】
本発明の物品処理設備の第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記有人搬送車に、前記倉庫側物品移載部又は前記外部側物品移載部を搬送元として搬送する物品のうちの、搬送作業が前記無人搬送車に割り付けられていない物品のリストを表示するリスト表示手段、及び、そのリスト表示手段に表示されるリストのうちから搬送作業対象とする物品を選択する物品選択手段が装備され、
前記搬送管理手段が、前記倉庫側物品移載部及び前記外部側物品移載部に物品が搬入されると、その物品に対する搬送作業を前記無人搬送車に割り付けるように構成され、かつ、前記物品選択手段にて物品が選択されると、前記割込み要求が指令された状態であるとして、その選択された物品についての搬送作業を前記有人搬送車に優先的に割り付けるように構成されている点を特徴とする。
【0019】
すなわち、搬送管理手段が、倉庫側物品移載部及び外部側物品移載部に物品が搬入されると、その物品に対する搬送作業を無人搬送車に割り付けることになり、割り付けられた物品が、無人搬送車にて搬送されることになる。
【0020】
そして、有人搬送車に搭乗した作業者は、リスト表示手段にて表示される倉庫側物品移載部又は外部側物品移載部を搬送元として搬送する物品のうちの、搬送作業が無人搬送車に割り付けられていない物品のリストを確認しながら、倉庫側物品移載部及又は外部側物品移載部において物品が停滞気味である場合等においては、物品選択手段によってリスト表示手段に表示されるリストのうちから搬送作業対象とする物品を選択して、その選択した物品を搬送する搬送作業を行うことになる。
【0021】
搬送管理手段は、物品選択手段にて物品が選択されると、割込み要求が指令された状態であるとして、その選択された物品についての搬送作業を有人搬送車に優先的に割り付けることになり、物品選択手段にて選択された物品が倉庫側物品移載部又は外部側物品移載部に搬入されても、その物品に対する搬送作業を無人搬送車に割り付けることがない。
【0022】
このように、有人搬送車に対する搬送作業の割り付けが、有人搬送車を運転する作業者の意思によって行われるため、有人搬送車を運転する作業者は、例えば休憩が必要なときには休憩をとる等、無理な運転を行わずに、安全性を最優先した形態で搬送作業を行うことができるものとなる。
【0023】
しかも、有人搬送車に対する搬送作業の割り付けを、物品選択手段によってリスト表示手段に表示されるリストのうちから搬送作業対象とする物品を選択することにより行うことができるものであるから、緊急的に搬送する必要がある物品を有人搬送車に割り付けて、緊急的に搬送することも可能となるものである。
【0024】
つまり、有人搬送車は、無人であるが故に安全性を考慮して低速で走行する無軌道型の無人搬送車に較べて高速で走行することが可能なものであり、リスト表示手段にて表示される物品のリストのうちから、緊急で搬送する物品を選択することにより、有人搬送車にて無人搬送車よりも高速にて搬送することができるのである。
【0025】
要するに、本発明の第2特徴構成によれば、上記第1特徴構成による作用効果に加えて、安全性を最優先した形態で搬送作業を行うことができ、しかも、緊急的に搬送する必要がある物品を緊急的に搬送することも可能な物品処理設備を提供できる。
【0026】
本発明の物品処理設備の第3特徴構成は、上記第2特徴構成に加えて、
前記搬送管理手段が、前記有人搬送車に搬送作業を割り付けた物品が前記倉庫側物品移載部又は前記外部側物品移載部に位置する状態が設定待ち時間を経過しても継続する場合には、その物品についての搬送作業の割り付けを前記有人搬送車から前記無人搬送車に変更するように構成されている点を特徴とする。
【0027】
すなわち、有人搬送車に搬送作業を割り付けた物品が倉庫側物品移載部又は外部側物品移載部に位置する状態が設定待ち時間を経過しても継続する場合には、搬送管理手段が、その物品についての搬送作業の割り付けを有人搬送車から無人搬送車に変更することになる。
【0028】
つまり、有人搬送車に搬送作業を割り付けられた状態で倉庫側物品移載部又は外部側物品移載部に位置する物品は、倉庫側物品移載部又は外部側物品移載部から有人搬送車によって移載されることになるが、その物品の搬送作業を割り付けた有人搬送車を運転する作業者が、特別な事情により、その搬送作業を速やかに実行できない場合がある。
【0029】
そのような場合には、有人搬送車に搬送作業を割り付けた物品が倉庫側物品移載部又は外部側物品移載部に位置したままの状態が継続することになるが、このような状態が設定待ち時間を経過すると、その物品についての搬送作業の割り付けが、有人搬送車から無人搬送車に自動的に変更されることになるので、有人搬送車に搬送作業を割り付けた物品が倉庫側物品移載部又は外部側物品移載部に位置する状態が長時間に亘って継続されることを回避して、搬送作業効率が低下することを抑制できる。
【0030】
説明を加えると、有人搬送車に搬送作業を割り付けた物品が倉庫側物品移載部又は外部側物品移載部に位置する状態は、その物品が位置する倉庫側物品移載部又は外部側物品移載部による無人搬送車の搬送作業を停止することになるので、有人搬送車に搬送作業を割り付けた物品が倉庫側物品移載部又は外部側物品移載部に位置する状態が長時間に亘って継続すると、無人搬送車による搬送作業が停止されて、搬送作業効率が低下することになるが、有人搬送車に搬送作業を割り付けた物品が倉庫側物品移載部又は外部側物品移載部に位置する状態が長時間に亘って継続されることを回避して、搬送作業効率が低下することを抑制できるのである。
【0031】
要するに、本発明の第3特徴構成によれば、上記第2特徴構成による作用効果に加えて、有人搬送車に搬送作業を割り付けた物品が倉庫側物品移載部又は外部側物品移載部に位置する状態が長時間に亘って継続されることを回避して、搬送作業効率が低下することを抑制できる物品処理設備を提供できる。
【0032】
本発明の物品処理設備の第4特徴構成は、上記第2又は第3特徴構成に加えて、
前記搬送管理手段が、前記無人搬送車に搬送作業を割り付けた物品が前記倉庫側物品移載部又は前記外部側物品移載部に位置するときに、その物品が前記有人搬送車にて移載された場合には、その物品についての搬送作業の割り付けを前記無人搬送車から前記有人搬送車に変更するように構成されている点を特徴とする。
【0033】
すなわち、無人搬送車に搬送作業を割り付けた物品が倉庫側物品移載部又は外部側物品移載部に位置するときに、その物品が有人搬送車にて移載された場合には、搬送管理手段が、その物品についての搬送作業の割り付けを無人搬送車から有人搬送車に変更することになる。
【0034】
つまり、有人搬送車を運転する作業者が、例えば、倉庫側物品移載部又は外部側物品移載部に位置する物品が搬送されずに停滞気味であると判断したときには、その物品を移載して搬送するようにすれば、搬送管理手段が、その物品についての搬送作業の割り付けを無人搬送車から有人搬送車に変更することになる。
【0035】
したがって、無人搬送車に搬送作業が割り付けられてはいるものの、倉庫側物品移載部又は外部側物品移載部に位置する物品を、有人搬送車にて搬送することが可能となり、搬送作業効率の一層の向上を図ることができる。
【0036】
要するに、本発明の第4特徴構成によれば、上記第2又は第3特徴構成による作用効果に加えて、搬送作業効率の一層の向上を図ることができる物品処理設備を提供できる。
【0037】
本発明の物品処理設備の第5特徴構成は、上記第2〜第4特徴構成のいずれかに加えて、
前記有人搬送車に、前記倉庫側物品移載部又は前記外部側物品移載部に物品が停滞していることを報知する報知手段が装備されている点を特徴とする。
【0038】
すなわち、倉庫側物品移載部又は外部側物品移載部に物品が停滞していると、そのことが、有人搬送車に装備した報知手段によって報知されることになる。
したがって、有人搬送車を運転する作業者は、報知手段の報知作動によって、倉庫側物品移載部又は外部側物品移載部に物品が停滞していることを認識して、倉庫側物品移載部又は外部側物品移載部に物品が停滞することを解消するための搬送作業を適切に行うことができる。
【0039】
つまり、有人搬送車を運転する作業者にとっては、倉庫側物品移載部又は外部側物品移載部が離れている等のため、倉庫側物品移載部又は外部側物品移載部に物品が停滞していることが分かり難いものとなる虞があるが、報知手段の報知作動によって、倉庫側物品移載部又は外部側物品移載部に物品が停滞していることを適切に認識することができるため、倉庫側物品移載部又は外部側物品移載部に物品が停滞することを解消するための搬送作業を適切に行うことができるのである。
【0040】
要するに、本発明の第5特徴構成によれば、上記第2〜第4特徴構成のいずれかの作用効果に加えて、倉庫側物品移載部又は外部側物品移載部に物品が停滞することを解消ための搬送作業を適切に行うことができる物品処理設備を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】物品処理設備の概略平面図
【図2】スタッカークレーンの側面図
【図3】STVの概略平面図
【図4】AGVの概略平面図
【図5】AGVの概略斜視図
【図6】有人フォークの平面図
【図7】操作端末の概略正面図
【図8】点灯器の概略斜視図
【図9】制御構成を示すブロック図
【図10】制御作動を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0042】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、パレットに載置した物品P(以下、単に物品と記載する)を保管する自動倉庫A、外部から物品Pが搬入され且つ外部へ物品Pを搬出する外部搬出入部B、及び、自動倉庫Aと外部搬出入部Bとの間で物品Pを搬送する物品搬送手段Dが設けられて、外部搬出入部Bに搬入された物品Pを物品搬送手段Dにて自動倉庫Aに搬送して保管し、自動倉庫Aに保管されている物品Pを物品搬送手段Dにて外部搬出入部Bに搬送して外部に搬出する物品処理設備が構成されている。
【0043】
自動倉庫Aは、物品Pを収納する複数の収納部Sが縦横に並設された保管棚1、その保管棚1に対応して設置される物品入出庫部として、その保管棚1の横側脇に設置される入出庫コンベヤ2、及び、収納部Sと入出庫コンベヤ2との間で物品Pを搬送する棚側物品搬送手段としてのスタッカークレーンKとを備えて構成されている。
【0044】
そして、本実施形態においては、左右一対の保管棚1からなる棚組の3個が、棚横幅方向に沿って並設され、各棚組の左右一対の保管棚1が、物品出し入れ方向を互いに対向させた状態で間隔を隔てて設置され、各棚組における左右一対の保管棚1の間の夫々に、スタッカークレーンKが装備されている。
【0045】
保管棚1は、図2に示すように、棚横幅方向に支柱1Aを並設し、物品Pを載置支持する腕木Uを、各支柱1Aに、上下方向に並べて設けて、棚横幅方向に隣接する支柱1Aの間に、上下方向に並ぶ状態で収納部Sを形成するように構成されている。
【0046】
また、図1に示すように、各棚組における左右一対の保管棚1の横側脇の夫々に、入出庫コンベヤ2が設置されている。
これらの入出庫コンベヤ2は、保管棚1から離れる側の端部に供給された物品Pを保管棚1に近接する端部に搬送する入庫搬送状態と、保管棚1に近接する端部に供給された物品Pを保管棚1から離れる側の端部に搬送する出庫搬送状態とに搬送方向を切換え自在に構成されている。
ちなみに、スタッカークレーンKが、入出庫コンベヤ2における保管棚1に近接する端部との間で物品Pの移載を行うように構成され、物品搬送手段Dが、保管棚1から離れる側の端部との間で物品Pの移載を行うように構成されている。
【0047】
図2に示すように、スタッカークレーンKは、走行台車3から立設した昇降マスト4に沿って昇降駆動される昇降台5に、収納部Sの外方に引退する引退状態と収納部S内に突出する突出状態とに出退駆動自在なフォーク6を、物品移載装置として装備して、そのフォーク6の昇降作動及び出退作動により、物品Pを収納部Sに収納する降ろし処理及び収納部Sに収納した物品Pを取出す掬い処理を行うように構成されている。
【0048】
つまり、スタッカークレーンKに搭載された、又は、地上側に設置されたクレーン制御部KC(図9参照)が、入出庫コンベヤ2に入庫された物品Pを収納部Sに収納する入庫作業や、収納部Sに収納されている物品Pを入出庫コンベヤ2に出庫する出庫作業を行うべく、スタッカークレーンKの作動を制御することになり、そして、入庫作業を行うときに、上記降ろし処理を行い、また、出庫作業を行うときに、上記掬い処理を行うことになる。
【0049】
尚、クレーン制御部KCは、入庫作業において入出庫コンベヤ2から物品Pを取出すときにも、上記掬い処理と同様にフォーク6を作動させ、出庫作業において入出庫コンベヤ2に物品Pを降ろすときにも、上記降ろし処理と同様にフォーク6を作動させることになる。
【0050】
外部搬出入部Bには、本実施形態においては、6個の外部搬出入コンベヤ7が装備されている。
これらの外部搬出入コンベヤ7の夫々は、外部から搬入される物品Pを搬送する搬入状態と、外部に搬出する物品Pを搬送する搬出状態とに搬送方向を切換え自在に構成されている。
また、外部搬出入コンベヤ7の夫々は、複数個(例えば、7個)の物品Pを載置できる長さに構成され、かつ、搬入状態及び搬出状態のいずれにおいても、物品Pを搬送方向の先端側に詰めた状態に搬送できるように構成されている。
【0051】
物品搬送手段Dは、自動倉庫Aの入出庫コンベヤ2と中継搬送コンベヤ8との間の搬送を行う有軌道型の無人搬送車9(以下、STVと呼称)、及び、中継搬送コンベヤ8と外部搬出入コンベヤ7との間の搬送を行う無軌道型の無人搬送車10(以下、AGVと呼称)とを備えている。
つまり、自動倉庫Aの入出庫コンベヤ2と外部搬出入コンベヤ7との間の物品搬送経路が、入出庫コンベヤ2と中継搬送コンベヤ8との間の搬送経路部分と、中継搬送コンベヤ8と外部搬出入コンベヤ7との間の搬送経路部分とからなり、そして、中継搬送コンベヤ8と外部搬出入コンベヤ7との間の搬送経路部分が、無軌道型のAGV10が装備される無人搬送車担当経路に構成されている。
【0052】
ちなみに、本実施形態においては、無軌道型のAGV10が装備される無人搬送車担当経路における、自動倉庫側に位置する倉庫側物品移載部Fが、中継搬送コンベヤ8にて構成され、外部搬出入部側に位置する外部側物品移載部Gが、外部搬出入コンベヤ7にて構成されることになる。
【0053】
尚、本実施形態においては、図1に示すように、AGV10よりも高速で走行するSTV9が2台装備され、AGV10が3台装備されている。
【0054】
中継搬送コンベヤ8として、本実施形態においては、4個の中継搬送コンベヤ8が装備されている。
これら中継搬送コンベヤ8は、STV9の存在側の端部からAGV10の存在側の端部に向けて物品Pを搬送するAGV側搬送状態と、AGV10の存在側の端部からSTV9の存在側の端部に向けて物品Pを搬送するSTV側搬送状態とに搬送方向を切換え自在に構成されている。
【0055】
また、中継搬送コンベヤ8の夫々は、複数個(例えば、5個)の物品Pを載置できる長さに構成され、かつ、AGV側搬送状態及びSTV側搬送状態のいずれにおいても、物品Pを搬送方向の先端側に詰めた状態に搬送できるように構成されている。
【0056】
STV9は、図1及び図3に示すように、環状に設置された左右一対の走行レール11にて案内されて走行するものであって、走行用電動モータ12にて駆動される前後一対の駆動輪13と、前後一対の遊転輪14とを備え、また、図1に示すように、上部には物品移載用の物品搬送コンベヤ15を備えている。
さらに、STV9には、STV制御部9A(図9参照)が搭載されて、このSTV制御部9Aが、走行用電動モータ12の作動や物品搬送コンベヤ15の作動を制御するように構成されている。
【0057】
つまり、STV制御部9Aは、走行レール11に沿ってSTV9を走行させるべく、走行用電動モータ12の作動を制御し、かつ、入出庫コンベヤ2及び中継搬送コンベヤ8との間で物品Pを移載すべく、物品搬送コンベヤ15の作動を制御するように構成されている。
ちなみに、STV9が入出庫コンベヤ2や中継搬送コンベヤ8との間で物品Pを移載する際には、STV制御部9Aと、入出庫コンベヤ2の作動を制御する入出庫コンベヤ制御部2A(図9参照)や、中継搬送コンベヤ8の作動を制御する中継コンベヤ制御部8A(図9参照)との間で、搬送開始指令や搬送停止指令を相互通信することになるが、その詳細は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0058】
尚、STV9は、図1に示すように、環状の左右一対の走行レール11に沿って、一定方向に走行するものであり、かつ、他のSTV9を追い越すことができないため、先のSTV9が物品Pの移載のために停止しているときには、後続のSTV9は停止することになる。
【0059】
ちなみに、詳述はしないが、入出庫コンベヤ2や中継搬送コンベヤ8に対する移載用の停止位置を示す停止位置指示体が、走行レール11に対応して設置され、その走行位置指示体を検出する停止位置検出センサが、STV9に装備されている。そして、STV制御部9Aが、停止位置検出センサの検出情報に基づいて、入出庫コンベヤ2及び中継搬送コンベヤ8に対する移載用の停止位置に停止するように構成されている。
【0060】
また、例示はしないが、STV9には、入出庫コンベヤ2や中継搬送コンベヤ8に装備したステーション通信装置と通信するSTV側通信装置を装備しており、ステーション通信装置とSTV側通信装置との間での通信により、後述の如く、STV管理コントローラSC(図9参照)からの搬送作業指令が、STV制御部9Aに対して指令されるように構成されている。
つまり、STV9は、物品Pを積んで入出庫コンベヤ2や中継搬送コンベヤ8に走行して、物品Pを入出庫コンベヤ2や中継搬送コンベヤ8に移載すると、その後、次の搬送作業指令が指令されるまで、そこに停止することになる。
【0061】
AGV10は、図1に示すように、環状の設定走行経路Lに沿って床面を自動走行するように構成されている。
AGV10には、図4に示すように、走行用電動モータ16にて駆動される左右一対の前輪17と、遊転する左右一対の後輪18とが備えられ、そして、操舵用電動モータ19によって、左右一対の前輪17の向きが上下方向に沿う軸芯周りで変更調整することにより、直進状態、左旋回状態、及び、右旋回状態とに切換えられるように構成されている。
また、AGVの上部には、図1及び図5に示すように、物品移載用の物品搬送コンベヤ20が装備されている。
【0062】
AGV10には、AGV制御部10A(図9参照)が搭載されて、AGV制御部10Aが、走行用電動モータ16、操舵用電動モータ19、及び、物品搬送コンベヤ20の作動を制御するように構成されている。
つまり、AGV制御部10Aは、設定走行経路Lに沿ってAGV10を自動走行させるべく、走行用電動モータ16や操舵用電動モータ19の作動を制御し、かつ、中継搬送コンベヤ8及び外部搬出入コンベヤ7との間で物品Pを移載すべく、物品搬送コンベヤ20の作動を制御するように構成されている。
【0063】
ちなみに、AGV10が中継搬送コンベヤ8や外部搬出入コンベヤ7との間で物品Pを移載する際には、AGV制御部10Aと、中継コンベヤ制御部8Aや外部搬出入コンベヤ7の作動を制御する外部搬出入コンベヤ制御部7A(図9参照)との間で、搬送開始指令や搬送停止指令を相互通信することになるが、その詳細は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0064】
尚、AGV9は、図1に示すように、環状の設定走行経路Lに沿って、一定方向に走行するものであり、かつ、他のAGV10が物品Pを移載するために停止いるときには、そのAGV10が停止する箇所を迂回する迂回経路部分Laを通って、停止しているAGVを追い越して走行することができるようになっている。
【0065】
AGV10を自動走行させるための構成について説明を加えると、図5に示すように、位置設定用の光反射体21が、設定走行経路Lに対応つけて設置されている。
AGV10には、図5に示すように、位置検出用のレーザー光を水平面内に沿って走査して、光反射体21からの反射光を受光する投受光センサ22が装備され、また、図9に示すように、前輪17の回転量をAGV10の走行距離として検出する走行距離検出用エンコーダ23、及び、ジャイロ等にて構成されてAGV10の方位を検出する方位検出センサ24等が、自動走行用の計測機器として装備されている。
【0066】
そして、AGV制御部10Aは、水平面(床面)に沿う2次元座標上における設定走行経路Lに対応するマップ情報、及び、水平面(床面)に沿う2次元座標上における光反射体21の位置情報を予め記憶しており、その記憶している情報と投受光センサ22の検出情報(光反射体21を検出したときの走査角情報)とに基づいて、水平面(床面)に沿う2次元座標上における現在位置を検出しながら、設定走行経路Lに沿ってAGV10を走行させるべく、走行距離検出用エンコーダ23及び方位検出センサ24の情報に基づいて、操舵用電動モータ19を作動させるように構成されている。
【0067】
ちなみに、詳述はしないが、外部搬出入コンベヤ7や中継搬送コンベヤ8に対する移載用の停止位置を示す停止位置指示体が、設定走行経路Lに対応して設置され、その走行位置指示体を検出する停止位置検出センサが、AGV10に装備されている。そして、AGV制御部10Aが、停止位置検出センサの検出情報に基づいて、外部搬出入コンベヤ7及び中継搬送コンベヤ8に対する移載用の停止位置に位置することを確認できるように構成されている。
【0068】
また、例示はしないが、AGV10には、外部搬出入コンベヤ7や中継搬送コンベヤ8に装備したステーション通信装置と通信するAGV側通信装置を装備しており、ステーション通信装置とAGV側通信装置との間での通信により、後述の如く、AGV管理コントローラGC(図9参照)からの搬送作業指令が、AGV制御部10Aに対して指令されるように構成されている。
つまり、AGV10は、物品Pを積んで外部搬出入コンベヤ7や中継搬送コンベヤ8に走行して、物品Pを外部搬出入コンベヤ7や中継搬送コンベヤ8に移載すると、その後、次の搬送作業指令が指令されるまで、そこに停止することになる。
【0069】
次に、外部搬出入部Bに搬入された物品Pを自動倉庫Aに保管し、かつ、保管した物品Pを外部搬出入部Bから外部に搬出するための制御構成について説明する。
【0070】
図9に示すように、自動倉庫Aの運転を管理する倉庫管理コントローラAC、STV9の運転を管理するSTV管理コントローラSC、AGV10の運転を管理するAGV管理コントローラGC、及び、外部搬出入コンベヤ7及び中継搬送コンベヤ8の運転を管理するコンベヤ管理コントローラCCが設けられている。
また、外部搬出入部Bに搬入される物品Pの情報及び外部搬出入部Bから搬出する物品Pの情報が予め入力される上位コントローラJC、及び、その上位コントローラJCから指令される搬入物品情報及び搬出物品情報に基づいて、物品処理設備全体の搬送を管理する搬送管理コントローラDCが設けられている。
【0071】
ちなみに、図9においては、クレーン制御部KC、STV制御部9A、及び、AGV制御部10Aは、本実施形態においては複数存在するものであるが、一つを代表として記載するようにしており、同様に、他の機器類についても、複数存在するものであっても、一つを代表として記載するようにする。
【0072】
外部搬出入部Bに装備した6個の外部搬出入コンベヤ7の外部側の端部には、第1物品情報読取センサ25が装備されている。つまり、搬入される物品Pには、ICタグ等を用いて構成されて、その物品の種類等を示す物品情報を記憶する物品情報記憶体が装備されており、第1物品情報読取センサ25は、搬入される物品Pに装備された物品情報記憶体が記憶している物品情報を読取るように構成されている。
そして、第1物品情報読取センサ25の検出情報は、図9に示すように、コンベヤ管理コントローラCCに入力されるように構成されている。
【0073】
また、6個の外部搬出入コンベヤ7におけるAGV10の存在側の端部には、物品Pの存在を検出する第1物品センサ26が装備されている。
そして、この第1物品センサ26の検出情報は、図9に示すように、AGV管理コントローラGCに入力されるように構成されている。
【0074】
4個の中継搬送コンベヤ8におけるAGV10の存在側の端部には、物品Pの存在を検出する第2物品センサ27、及び、搬入される物品Pに装備された物品情報記憶体が記憶している物品情報を読取る第2物品情報読取センサ28が装備され、また、4個の中継搬送コンベヤ8におけるSTV9の存在側の端部には、物品Pの存在を検出する第3物品センサ29、及び、搬入される物品Pに装備された物品情報記憶体が記憶している物品情報を読取る第3物品情報読取センサ30が装備されている。
【0075】
そして、図9に示すように、第2物品センサ27及び第2物品情報読取センサ28の検出情報がAGV管理コントローラGCに入力され、かつ、第3物品センサ29及び第3物品情報読取センサ30の検出情報がSTV管理コントローラSCに入力されるように構成されている。
【0076】
複数の入出庫コンベヤ2における保管棚1から離れる側の端部には、物品Pの存在を検出する第4物品センサ31、及び、搬入される物品Pに装備された物品情報記憶体が記憶している物品情報を読取る第4物品情報読取センサ32が装備されている。
【0077】
そして、図9に示すように、第4物品センサ31の検出情報が、STV管理コントローラSC及び倉庫管理コントローラACに入力され、かつ、第4物品情報読取センサ32の検出情報が、倉庫管理コントローラACに入力されるように構成されている。
【0078】
上位コントローラJCには、外部から搬入される物品Pについての、搬入時期や物品Pの種類についての情報、及び、外部に搬出する物品Pについての、搬出時期や物品Pの種類についての情報が予め入力され、上位コントローラJCは、入力された情報に基づいて、現時点から設定時間が経過するまでにおいて搬入が予測される物品Pの情報である搬入物品情報、及び、現時点から設定時間が経過するまでに搬出する物品Pの情報である搬出物品情報を作成して、作成した搬入物品情報及び搬出物品情報を搬送管理コントローラDCに指令することになる。
【0079】
搬送管理コントローラDCは、上位コントローラJCから指令される搬入物品情報及び搬出物品情報等の情報に基づいて、外部搬出入部Bに装備した6個の外部搬出入コンベヤ7、4個の中継搬送コンベヤ8、及び、入出庫コンベヤ2の搬送方向を定めるコンベヤ搬送形態情報を作成し、また、上位コントローラJCから指令される搬入物品情報、並びに、コンベヤ管理コントローラCCを経由して入力される第1物品情報読取センサ25の検出情報等の情報に基づいて、外部搬出入部Bに搬入される物品Pの夫々について、複数の保管棚1のうちのいずれの保管棚1に保管するかを定める物品保管先情報を作成し、さらに、上位コントローラJCから指令される搬出物品情報等の情報に基づいて、複数の保管棚1から物品Pを出庫する順序を定める出庫情報、及び、保管棚1から出庫した物品Pを外部搬出入コンベヤ7のいずれに搬送するかを定める搬送先情報作成して、それらの作成した情報を、倉庫管理コントローラAC、STV管理コントローラSC、AGV管理コントローラGC、及び、コンベヤ管理コントローラCCに指令することになる。
【0080】
倉庫管理コントローラACは、コンベヤ搬送形態情報に基づいて、左右一対の保管棚1からなる棚組の夫々に装備される左右一対の入出庫コンベヤ2の夫々をその搬送方向を設定して作動させ、また、出庫情報に基づいて、保管している物品Pを出庫すべく、クレーン制御部KCに作業指令を指令し、かつ、入出庫コンベヤ2に搬入される物品Pを入庫すべく、第4物品センサ31及び第4物品情報読取センサ32の検出情報等の情報に基づいて、物品Pを収納する収納部Sを設定して、クレーン制御部KCに作業指令を指令するように構成されている。
【0081】
コンベヤ管理コントローラCCは、コンベヤ搬送形態情報に基づいて、6個の外部搬出入コンベヤ7及び4個の中継搬送コンベヤ8の夫々を、その搬送方向を設定して作動させるように構成されている。
【0082】
STV管理コントローラSCは、コンベヤ搬送形態情報に基づいて、複数の入出庫コンベヤ2や4個の中継搬送コンベヤ8の搬送方向を確認しながら、入出庫コンベヤ2と中継搬送コンベヤ8との間で物品Pを搬送すべく、STV9の作動を制御することになり、その詳細は、後述する。
【0083】
AGV管理コントローラGCは、コンベヤ搬送形態情報に基づいて、6個の外部搬出入コンベヤ7や4個の中継搬送コンベヤ8の搬送方向を確認しながら、外部搬出入コンベヤ7と中継搬送コンベヤ8との間で物品Pを搬送すべく、AGV10の作動を制御することになり、その詳細は、後述する。
【0084】
ちなみに、搬送管理コントローラDCは、外部から物品Pが集中して搬入される時間帯においては、コンベヤ搬送形態情報として、6個の外部搬出入コンベヤ7、4個の中継搬送コンベヤ8、及び、複数の入出庫コンベヤ2の搬送方向を、集中して搬入される物品Pを搬送するのに適する状態とするように設定し、物品Pを外部に集中して搬出する時間帯においては、コンベヤ搬送形態情報として、6個の外部搬出入コンベヤ7、4個の中継搬送コンベヤ8、及び、複数の入出庫コンベヤ2の搬送方向を、集中して搬出する物品Pを搬送するのに適する状態とするように設定することになる。
【0085】
さらに、搬送管理コントローラDCは、外部からの物品Pの搬入と外部への物品Pの搬出を並行して行う時間帯においては、コンベヤ搬送形態情報として、6個の外部搬出入コンベヤ7、4個の中継搬送コンベヤ8、及び、複数の入出庫コンベヤ2の搬送方向を、外部からの物品Pの搬入と外部への物品Pの搬出を並行して行うのに適する状態とするように設定することになるが、以下の説明においては、外部からの物品Pの搬入と外部への物品Pの搬出を並行して行う時間帯であるとして説明する。
【0086】
したがって、以下の説明においては、外部搬出入部Bに装備した6個の外部搬出入コンベヤ7、4個の中継搬送コンベヤ8、及び、左右一対の保管棚1からなる棚組の夫々に装備される左右一対の入出庫コンベヤ2が、外部からの物品Pの搬入と外部への物品Pの搬出を並行して行うのに好適な搬送形態に設定されているものとする。
【0087】
すなわち、外部搬出入部Bに装備した6個の外部搬出入コンベヤ7のうちの、AGV10の走行方向において上手側に位置する3個の外部搬出入コンベヤ7が、搬出状態に設定され、残りの3個の外部搬出入コンベヤ7が搬入状態に設定されている。
【0088】
また、4個の中継搬送コンベヤ8のうちの、STV9の走行方向において上手側でかつAGV10の走行方向で下手側に相当する箇所に位置する2個の中継搬送コンベヤ8が、AGV側搬送状態に設定され、STV9の走行方向において下手側でかつAGV10の走行方向で上手側に相当する箇所に位置する2個の中継搬送コンベヤ8が、STV側搬送状態に設定されている。
【0089】
さらに、左右一対の保管棚1からなる棚組の夫々に装備される左右一対の入出庫コンベヤ2のうちの、STV9の走行方向上手側に位置する入出庫コンベヤ2が、入庫搬送状態に設定され、STV9の走行方向下手側に位置する入出庫コンベヤ2が、出庫搬送状態に設定されている。
【0090】
STV管理コントローラSCによるSTV9に対する管理制御について説明する。
STV管理コントローラSCは、出庫搬送状態に設定されている入出庫コンベヤ2に装備した第4物品センサ31が物品Pを検出すると、入出庫コンベヤ2から中継搬送コンベヤ8に搬送する物品Pが存在することを認識し、また、STV側搬送状態に設定されている中継搬送コンベヤ8に装備した第3物品センサ29が物品Pを検出すると、中継搬送コンベヤ8から入出庫コンベヤ2に搬送する物品Pが存在することを認識することになる。
【0091】
また、STV管理コントローラSCは、STV側搬送状態に設定されている中継搬送コンベヤ8に装備した第3物品情報読取センサ30の読取情報、及び、 搬送管理コントローラDCから指令される物品保管先情報に基づいて、STV側搬送状態に設定されている中継搬送コンベヤ8に載置されている物品Pついての搬送先として、入庫搬送状態の入出庫コンベヤ2うちの、保管すべき保管棚1に対応する入出庫コンベヤ2を定めることになる。
【0092】
そして、STV管理コントローラSCは、入出庫コンベヤ2から中継搬送コンベヤ8に搬送する物品Pが存在することや、中継搬送コンベヤ8から入出庫コンベヤ2に搬送する物品Pが存在することを認識すると、存在の認識が早い物品Pほど先に搬送する状態で物品Pを搬送すべく、その搬送作業をSTV9に割り付けることになり、その割り付けは、2台のSTV9のうちの、その搬送作業を早く実行することが可能なSTV9に割り付けることになる。
ちなみに、搬送作業を早く実行することが可能なSTV9とは、2台のSTV9のうちで、物品Pの非載置状態で早く搬送元に走行できるSTV9を意味するものである。
【0093】
また、入出庫コンベヤ2から中継搬送コンベヤ8に物品Pを搬送する場合においては、2つの中継搬送コンベヤ8のいずれかを搬送先に定めることになるが、本実施形態においては、2つ中継搬送コンベヤ8が載置する物品Pの数が同数となるように、載置する物品Pの数が少ない方を優先的に搬送先として定め、かつ、2つ中継搬送コンベヤ8が載置する物品Pの数が同数の場合には、STV9の走行方向において下手側となる中継搬送コンベヤ8を優先的に搬送先と定めるように構成されている。
【0094】
AGV管理コントローラGCによるAGV10に対する管理制御について説明する。
AGV管理コントローラGCは、搬入状態に設定されている外部搬出入コンベヤ7に装備した第1物品センサ26が物品Pを検出すると、外部搬出入コンベヤ7から中継搬送コンベヤ8に搬送する物品Pが存在することを認識し、また、AGV側搬送状態に設定されている中継搬送コンベヤ8に装備した第2物品センサ27が物品Pを検出すると、中継搬送コンベヤ8から外部搬出入コンベヤ7に搬送する物品Pが存在することを認識することになる。
【0095】
そして、AGV管理コントローラGCは、外部搬出入コンベヤ7から中継搬送コンベヤ8に搬送する物品Pが存在することや、中継搬送コンベヤ8から外部搬出入コンベヤ7に搬送する物品Pが存在することを認識すると、存在の認識が早い物品Pほど先に搬送する状態で物品Pを搬送すべく、その搬送作業をAGV10に割り付けることになり、その割り付けは、3台のAGV10のうちの、その搬送作業を早く実行することが可能なAGV10に割り付けることになる。
ちなみに、搬送作業を早く実行することが可能なAGV9とは、3台のAGV9のうちで、物品Pの非載置状態で早く搬送元に走行できるAGV10を意味するものである。
【0096】
また、外部搬出入コンベヤ7から中継搬送コンベヤ8に物品Pを搬送する場合においては、2つの中継搬送コンベヤ8のいずれかを搬送先に定めることになるが、本実施形態においては、2つ中継搬送コンベヤ8が載置する物品Pの数が同数となるように、載置する物品Pの数が少ない方を優先的に搬送先として定め、かつ、2つ中継搬送コンベヤ8が載置する物品Pの数が同数の場合には、AGV10の走行方向において下手側となる中継搬送コンベヤ8を優先的に搬送先と定めるように構成されている。
【0097】
さらに、中継搬送コンベヤ8から外部搬出入コンベヤ7に物品Pを搬送する場合においては、3つの外部搬出入コンベヤ7のいずれかを搬送先に定めることになるが、本実施形態においては、搬送管理コントローラDCから指令される搬送先指令情報、及び、第2物品情報読取センサ28の検出情報に基づいて、物品Pの搬送先となる外部搬出入コンベヤ7を定めるように構成されている。
【0098】
本実施形態の基本的な構成は、上述の通りであり、以下、本実施形態の特徴的な構成について説明する。
すなわち、外部搬出入部Bに位置する物品Pを自動倉庫Aの入出庫コンベヤ2に搬送する物品搬入処理、及び、入出庫コンベヤ2に位置する物品Pを外部搬出入部Bに搬送する物品搬出処理を行うべく、本実施形態においては、搬送管理手段としてのAGV管理コントローラGCが、無人搬送車担当経路における自動倉庫側に位置する倉庫側物品移載部Fとしての中継搬送コンベヤ8と、外部搬出入部側に位置する外部側物品移載部Gとしての外部搬出入コンベヤ7との間での搬送作業を、上述の如く、AGV10に割り付けることになるが、AGV管理コントローラGCは、割込み要求が指令されたときには、中継搬送コンベヤ8と外部搬出入コンベヤ7との間での搬送作業の一部の搬送作業を、作業者によって運転される有人搬送車Mに割り付けるように構成されている。
【0099】
ちなみに、中継搬送コンベヤ8と外部搬出入コンベヤ7との間での搬送作業としては、中継搬送コンベヤ8から外部搬出入コンベヤ7に物品Pを搬送する搬出用搬送作業と、外部搬出入コンベヤ7から中継搬送コンベヤ8に物品Pを搬送する搬入用搬送作業とがあるが、本実施形態においては、搬入用搬送作業よりも搬出用搬送作業の方が遅滞なく行うことが必要であることに鑑みて、搬出用搬送作業の一部の搬送作業を、有人搬送車Mに割り付ける場合を例示する。
尚、本発明を実施するに、搬入用搬送作業の一部の搬送作業をも、有人搬送車Mに割り付ける形態で実施してもよく、あるいは、搬入用搬送作業の一部の搬送作業だけを、有人搬送車Mに割り付ける形態で実施してもよい。
【0100】
有人搬送車Mは、図6に示すように、作業者が搭乗して運転する車体本体35の前部に、物品移載用のフォーク36を備えた、いわゆるフォークリフトを用いて構成されるものであって、AGV10が走行する床面を走行して、物品Pの搬送作業を行う構成されており、本実施形態では、図1に示すように、2台の有人搬送車Mが装備されている。
【0101】
そして、有人搬送車Mには、図6及び図9に示すように、中継搬送コンベヤ8を搬送元として搬送する物品Pのリストを表示するリスト表示手段Eaとして機能し、かつ、表示されるリストのうちから搬送作業対象とする物品Pを選択する物品選択手段Ebとして機能する無線通信機能付のタッチパネル式の表示器37が装備されている。
また、有人搬送車Mには、有人搬送車Mを運転する作業者に各種の情報を音声によって通知するヘッドホン38が、タッチパネル式の表示器37に接続された状態で装備されている。
【0102】
AGV管理コントローラGCは、搬送管理コントローラDCから指令される出庫情報、及び、AGV10による物品搬送の進捗情報に基づいて、中継搬送コンベヤ8を搬送元として搬送する物品Pのうちで、その搬送作業が未だAGV10に割り付けられていない物品Pを示す未割り付け物品情報を管理し、その管理した未割り付け物品情報を、無線式の通信器Wを介して、タッチパネル式の表示器37に通信するように構成されている。
【0103】
図7に示すように、表示器37は、搬送管理コントローラDCからの未割り付け物品情報に基づいて、中継搬送コンベヤ8を搬送元として搬送する物品Pのうちで、その搬送作業が未だAGV10に割り付けられていない物品Pについての作業No(識別番号)を、表示部分37Aに上下方向に並べて表示するように構成され、そして、表示されている作業No(識別番号)に対応する部分が作業者の手指にて押圧されると、その作業Noに対応する物品Pの搬送作業が選択された状態であることを検出して、その作業No(識別番号)をAGV管理コントローラGCに通信するように構成されている。
【0104】
尚、表示器37の表示部分37Aには、複数の作業Noが出庫順に並べて表示されるようになっており、表示器37には、その表示されている作業Noをスクロールするスクロールボタン39が装備されている。
【0105】
また、表示器37の表示部分37Aには、物品Pの作業No(識別番号)の横側に並べて、その作業Noの物品Pについての搬送元となる中継搬送コンベヤ8の識別情報を示す搬送元情報、及び、作業Noの物品Pについての搬送先となる外部搬出入コンベヤ7の識別情報を示す搬送先情報が表示されるようになっており、有人搬送車Mに搭乗した作業者は、搬送作業を選択した物品Pの搬送元となる中継搬送コンベヤ8がどのコンベヤであるか、及び、搬送作業を選択した物品の搬送先となる外部搬出入コンベヤ7がどのコンベヤであるかを認識できるようになっている。
【0106】
ちなみに、物品Pの搬送元となる中継搬送コンベヤ8は、STV9にて物品Pを中継搬送コンベヤ8にて搬送した結果として定まるものとなるため、未だ、中継搬送コンベヤ8に搬送されていない物品Pについての搬送元情報は、搬送元となる中継搬送コンベヤ8が定まってから表示されることになる。
【0107】
尚、本実施形態においては、中継搬送コンベヤ8の識別情報としては、4つの中継搬送コンベヤ8に対して連続番号として付した、第1〜第4コンベヤの情報が表示され、外部搬出入コンベヤ7の識別情報としては、6つの外部搬出入コンベヤ7に対して連続番号として付した、第1〜第6コンベヤの情報が表示される。
【0108】
搬送管理コントローラDCは、倉庫管理コントローラACとの通信により、上述した出庫情報における複数の物品Pのうちの、保管棚1から取り出されたものと、未だ取り出されていないものとを区別する情報、保管棚1から取り出された物品Pのうちの、STV9にて搬送されたものと、未だ搬送されていないものとを区別する情報、STV9にて搬送された物品Pのうちの、中継搬送コンベヤ8に受け渡されたものと、未だ、受け渡されていないものとを区別する情報からなる物品搬送状況情報、並びに、複数の中継搬送コンベヤ8の夫々に載置されている物品Pの数を示す情報やその搬送方向での位置を示す情報からなるコンベヤ物品載置情報を管理して、その物品搬送状況情報並びにコンベヤ物品載置情報を、AGV管理コントローラGCに通信するように構成されている。
【0109】
AGV管理コントローラGCは、物品Pの作業Noが表示器37にて選択されると、搬送管理コントローラDCからの物品搬送状況情報、及び、コンベヤ物品載置情報に基づいて、その作業Noの物品Pが、AGV側搬送状態の中継搬送コンベヤ8におけるAGV側の端部に到着する時刻を予想して、その到着予測時刻を、表示器37に通信するように構成されている。
尚、到着時刻予測時刻は、物品Pの現在位置や出庫情報における順位と、過去に搬送を行った際に要した時間を参照して、大まかな時間として求められるものである。
【0110】
表示器37は、AGV管理コントローラGCからの到着予測時刻を、予測時刻表示部40に表示するように構成され、かつ、現在時刻を、予測時刻表示部40に並ぶ現在時刻表示部41に表示するように構成されている。
【0111】
AGV管理コントローラGCは、搬送管理コントローラDCからのコンベヤ物品載置情報に基づいて、AGV側搬送状態の中継搬送コンベヤ8の夫々に載置されている物品Pの数が、4個以上になると、物品停滞状態であると判別して、物品停滞情報を表示器37に通信するように構成されている。
【0112】
表示器37は、物品停滞情報を受信すると、停滞表示ランプ42を点灯させ、かつ、ヘッドホン38にて、例えば、「物品が停滞しています」等の警報情報を、音声情報として出力するように構成されている。
したがって、有人搬送車Mに搭乗している作業者は、停滞表示ランプ42の点灯や、ヘッドホン38から出力される警報情報に基づいて、AGV側搬送状態の中継搬送コンベヤ8にて物品Pが停滞していることを認識して、有人搬送車Mにて物品Pを搬送すべく、表示器37に表示されている作業No(識別情報)を選択する操作を行うことになる。
【0113】
ちなみに、本実施形態においては、中継搬送コンベヤ8に物品Pが停滞していることを報知する報知手段が、停滞表示ランプ42やヘッドホン38にて構成されることになる。
尚、有人搬送車Mによる搬送作業を、外部搬出入コンベヤ7から中継搬送コンベヤ8への搬送作業にも割り付けるように構成する場合においては、外部搬出入コンベヤ7に載置されている物品数が多くなると、物品Pが停滞している状態であるとして、停滞表示ランプ42やヘッドホン38にて、物品Pが停滞している状態であることを報知させるようにするとよい。
【0114】
AGV管理コントローラGCは、AGV側搬送状態の中継搬送コンベヤ8に物品Pが搬入されて、その中継搬送コンベヤ8に装備した第2物品センサ27が物品Pの存在を検出すると、基本的には、上述の如く、その物品Pに対する搬送作業をAGVに割り付けることになるが、第2物品情報読取センサ28にて読取られた物品情報が、表示器37にて選択された作業Noの物品Pである場合には、上述した割込み要求が指令された状態であるとして、その物品Pについての搬送作業を有人搬送車Mに優先的に割り付けて、その搬送作業をAGV10には割り付けないように構成されている。
【0115】
ちなみに、AGV管理コントローラGCは、上述の如く、物品Pについての搬送作業を有人搬送車Mに割り付けた場合には、表示器37にて選択された作業Noの物品Pが到着したことを示す到着情報を、表示器37に通信するように構成されている。
そして、表示器37は、到着情報を受信すると、その後設定時間の間、表示器37の表示部分37Aに表示されている作業Noのうちの、有人搬送車Mに割り付けた作業Noに対応する部分を点滅させ、かつ、例えば、「物品が到着しました」等の案内情報を、ヘッドホン38にて音声情報として出力するように構成されている。
【0116】
したがって、有人搬送車Mに搭乗する作業者は、表示器37の表示部分37Aにおける作業Noに対応する部分の点滅、及び、ヘッドホン38にて出力される案内情報にて、搬送すべき物品Pが、AGV側搬送状態の中継搬送コンベヤ8のAGV側端部に到着したことを認識して、搬送作業を開始できるようになっている。
【0117】
また、図1及び図8に示すように、複数の中継搬送コンベヤ8の夫々に対応して端末操作器43が装備され、この端末操作器43には、パトライト等の表示ランプ44、作業の完了を入力するための完了ボタン45、異常発生時において装置を非常停止させる非常停止ボタン46が装備されている。
尚、複数の外部搬出入コンベヤ7の夫々についても、中継搬送コンベヤ8に対応して設置した端末操作器43と同様な端末操作器43が設置されることになる。
【0118】
AGV管理コントローラGCは、上述の如く、物品Pについての搬送作業を有人搬送車Mに割り付けた場合には、その割付を行った物品Pが載置されている中継搬送コンベヤ8に対応して設置されている端末操作器43の表示ランプ44を点灯させるように構成されている。
したがって、有人搬送車Mに搭乗する作業者は、表示ランプ44の点灯により、搬送すべき物品Pの存在位置を、的確に認識できることになる。
【0119】
表示器37には、図7に示すように、掬い完了ボタン47、卸し完了ボタン48、割込みボタン49が装備されている。
【0120】
AGV管理コントローラGCは、上述の如く、物品Pについての搬送作業を有人搬送車Mに割り付けた場合において、第2物品センサ27が物品Pの不存在を検出し、かつ、その割付を行った物品Pが載置されている中継搬送コンベヤ8に対応して設置されている端末操作器43の完了ボタン45が操作されて、完了情報が入力される、あるいは、表示器37の掬い完了ボタン47が操作されて、完了情報が入力されると、有人搬送車Mに搬送作業を割り付けた物品Pが、中継搬送コンベヤ8から有人搬送車Mに移載されたと判別するように構成されている。
【0121】
したがって、有人搬送車Mに搭乗する作業者は、搬送すべき物品Pを中継搬送コンベヤ8から移載したときには、物品Pが載置されている中継搬送コンベヤ8に対応して設置されている端末操作器43の完了ボタン45を操作するか、あるいは、表示器37の掬い完了ボタン47を操作して、物品Pの移載(掬い)が完了したことを入力することになる。
【0122】
AGV管理コントローラGCは、外部搬出入コンベヤ7に対応して設置した第1物品センサ26が物品Pの存在を検出し、かつ、外部搬出入コンベヤ7に対応して設置されている端末操作器43の完了ボタン45が操作されて、完了情報が入力される、あるいは、表示器37の卸し完了ボタン48が操作されて、完了情報が入力されると、有人搬送車Mに搬送作業を割り付けた物品Pが、有人搬送車Mから外部搬出入コンベヤ7に移載(卸し)されたと判別するように構成されている。
【0123】
したがって、有人搬送車Mに搭乗する作業者は、搬送すべき物品Pを有人搬送車Mから外部搬出入コンベヤ7に移載したときには、物品Pを移載した外部搬出入コンベヤ7に対応して設置されている端末操作器43の完了ボタン45を操作するか、あるいは、表示器37の卸し完了ボタン48を操作して、物品Pの移載(卸し)が完了したことを入力することになる。
【0124】
AGV管理コントローラGCは、有人搬送車Mに搬送作業を割り付けた物品PがAGV側搬送状態の中継搬送コンベヤ8に位置する状態が設定待ち時間を経過しても継続する場合には、その物品Pについての搬送作業の割り付けを有人搬送車MからAGVに変更するように構成されている。
つまり、有人搬送車Mに搬送作業を割り付けた物品PがAGV側搬送状態の中継搬送コンベヤ8に位置する状態が設定待ち時間を経過しても継続する場合には、その物品Pについての搬送作業をAGV10に割り付けるように構成されている。
この場合、AGV管理コントローラGCは、その物品Pを最優先して搬送すべく、AGV10に対して搬送作業を割り付けることになる。
【0125】
AGV管理コントローラGCは、AGV10に搬送作業を割り付けた物品PがAGV側搬送状態の中継搬送コンベヤ8に位置するときに、表示器37の割込みボタン49が操作されて、割込み情報が入力された後、その物品Pが有人搬送車Mにて移載された場合には、その物品Pについての搬送作業の割り付けをAGVから有人搬送車Mに変更するように構成されている。
つまり、AGV管理コントローラGCは、有人搬送車Mにて移載された物品PについてのAGV10に割り付けを解消して、その物品Pの搬送作業を有人搬送車Mに割り付けるように構成されている。
【0126】
AGV管理コントローラGCは、AGV10に搬送作業を割り付けた物品PがAGV側搬送状態の中継搬送コンベヤ8に位置するときに、その物品Pが有人搬送車Mにて移載された場合には、その物品Pについての作業No、搬送元情報、及び、搬送先情報を、緊急表示情報として、表示器37に通信するように構成されている。
【0127】
表示器37は、AGV管理コントローラGCから緊急表示情報が通信されてきた場合には、その後設定時間の間、作業No、搬送元情報、及び、搬送先情報を点滅状態で表示させるように構成されている。
【0128】
したがって、有人搬送車Mに搭乗する作業者は、表示器37の割込みボタン49を操作して、中継搬送コンベヤ8から物品Pを移載(掬い)した場合には、その後、表示器37にて表示される緊急表示情報、つまり、作業No、搬送元情報、及び、搬送先情報に基づいて、その物品Pについての搬送先を認識して、搬送先となる外部搬出入コンベヤ7に物品Pを搬送することになる。
尚、物品Pを外部搬出入コンベヤ7に移載(卸し)する場合は、表示器37にて選択した物品Pを外部搬出入コンベヤ7に移載(卸し)する場合と同様であるので、その説明は省略する。
【0129】
ちなみに、詳述はしないが、AGV10には、障害物を検出する障害物検出センサが装備されて、有人搬送車Mを障害物として検出した場合には、非常停止するように構成されている。
また、有人搬送車Mには、固有情報を通信するIDタグが装備され、これに対応して、中継搬送コンベヤ8や外部搬出入コンベヤ7には、有人搬送車MのIDタグを読取ることによって、有人搬送車Mが中継搬送コンベヤ8や外部搬出入コンベヤ7に対応する箇所に位置することを検出する有人搬送車存在検出センサが装備されており、AGV管理コントローラGCは、有人搬送車存在検出センサにて有人搬送車Mが存在することが検出されている領域については、AGV10を直ちに停止できる低速で走行させるように、AGV制御部10Aに指令するように構成されている。
【0130】
次に、AGV管理コントローラGCが実行する割り付け処理について、図10のフローチャートについて説明する。
先ず、搬送要求が発生したか否かを判別する(#1)。つまり、搬入状態に設定されている外部搬出入コンベヤ7に装備した第1物品センサ26が物品Pを検出する状態になる、及び、AGV側搬送状態に設定されている中継搬送コンベヤ8に装備した第2物品センサ27が物品Pを検出する状態となると、搬送要求が発生した状態であると判別することになる。
【0131】
#1にて、搬送要求が発生していると判別した場合には、搬送要求が発生した物品Pの搬送作業について、有人搬送車Mによる割込み要求があるか否かを判別する(#2)。
そして、有人搬送車Mによる割込み要求がない場合には、搬送要求が発生した物品Pの搬送作業をAGV10に割り付ける処理を実行し(#3)、有人搬送車Mによる割込み要求がある場合には、搬送要求が発生した物品Pの搬送作業を有人搬送車Mに割り付ける処理を実行する(#4)。
【0132】
次に、AGV10に割り付けた物品Pが有人搬送車Mにて移載されたか否かを判断し(#5)、有人搬送車Mにて移載された場合には、その物品Pの搬送作業の割り付けを有人搬送車Mに変更する(#6)。
【0133】
続いて、#4にて、搬送作業を有人搬送車Mに割り付けた物品PがAGV側搬送状態の中継搬送コンベヤ8に位置する状態の経過時間が、設定待ち時間以上であるか否かを判別して(#7)、経過時間が設定待ち時間以上である場合には、その物品Pの搬送作業の割付をAGV10に変更して、その物品Pの搬送作業をAGV10に割り付ける処理を実行する(#8)。
【0134】
以上の通り、本実施形態においては、本来はAGV10にて実行する搬送作業の一部の搬送作業を、有人搬送車Mにて行うことができるため、中継搬送コンベヤ8と外部搬出入コンベヤ7との間で物品Pの搬送を行うために装備するAGV10の台数を減少させて、物品処理設備の設置コストの低廉化を図ることができる。
【0135】
上記実施形態では、中継搬送コンベヤ8と外部搬出入コンベヤ7との間での搬送作業のうちの、中継搬送コンベヤ8から外部搬出入コンベヤ7に物品Pを搬送する搬出用搬送作業の一部の搬送作業を、有人搬送車Mに割り付ける場合を例示したが、既述の通り、外部搬出入コンベヤ7から中継搬送コンベヤ8に物品Pを搬送する搬入用搬送作業の一部の搬送作業を、有人搬送車Mに割り付けるようにしてもよい。
この場合、表示器37には、搬入状態の外部搬出入コンベヤ7に載置されている物品Pについての情報を、選択対象の物品Pであるとして表示させることになる。
【0136】
〔別実施形態〕
次に、別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態では、無軌道型の無人搬送車が、レーザー光を走査する投受光センサを用いて走行制御される場合を例示したが、例えば、床面に、設定走行経路に沿って、帯状の磁性体や光反射テープ等の誘導ラインを設置し、その誘導ラインを検出するライン検出センサを無軌道型の無人搬送車に装備して、ライン検出センサの検出情報に基づいて、無軌道型の無人搬送車を設定走行経路に沿って走行させる形態で実施してもよい。
【0137】
(2)上記実施形態では、外部搬出入部と自動倉庫の物品入出庫部との間に、無軌道型の無人搬送車に加えて、有軌道側の無人搬送車としてのSTVを備えさせて、無軌道型の無人車搬送経路における倉庫側物品移載部が中継搬送コンベヤとなり、外部側物品移載部が外部搬出入部の外部搬出用コンベヤとなる場合を例示したが、有軌道側の無人搬送車としてのSTVを省略する形態で実施してもよい。
この場合、無軌道型の無人車搬送経路における倉庫側物品移載部が、物品入出庫部としての入出庫コンベヤとなり、外部側物品移載部が外部搬出入部の外部搬出用コンベヤとなる。
【0138】
(3)上記実施形態では、物品として、パレットに載置される物品を例示して、有人搬送車が、フォークリフトを用いて構成される場合を例示したが、有人搬送車としては、フォークリフトに代えて、搬送コンベヤを装備する形態のもの等、種々の形態のものを用いることができ、また、物品としては、コンテナに収納される物品や、ダンボール箱に収納される物品等、種々の物品に適用できることになる。
【0139】
(4)上記実施形態では、有人搬送車に装備したリスト表示手段、及び、物品選択手段を用いて、有人搬送車にて搬送する物品を選択する場合を例示したが、例えば、物品処理設備を管理する管理室に、リスト表示手段及び物品選択手段を装備して、管理室に存在する管理人にて、有人搬送車にて搬送する物品を選択させるようにしてもよい。
【0140】
(5)上記実施形態では、有人搬送車にて搬送する物品を人為的に選択する場合を例示したが、搬送する物品のうちの設定判別条件に対応する物品を、有人搬送車に自動的に割り付ける形態で実施してもよい。
ちなみに、設定判別条件としては、順次搬送される物品のうちの、設定数おきのものを割り付ける条件や、物品の搬送が渋滞したときに、その渋滞している物品を割り付ける条件を採用することができる。
【0141】
(6)上記実施形態では、有人搬送車が2台装備される場合を例示したが、有人搬送車を装備する台数は、1台や3台以上にする等、設備の大きさや物品の搬送作業数等に応じて、各種変更できるものである。
【0142】
(7)上記実施形態では、倉庫管理コントローラACやAGV管理コントローラGC等の多数のコントローラを備えさせて、AGV管理コントローラGCを主要部として、搬送管理手段が構成される場合を例示したが、設備の制御構成は種々変更できるものである。
【符号の説明】
【0143】
1 保管棚
2 入出庫部
10 無軌道型の無人搬送車
38、42 報知手段
A 自動倉庫
B 外部搬出入部
Ea リスト表示手段
Eb 物品選択手段
GC 搬送管理手段
K 棚側物品搬送手段
L 設定走行経路
M 有人搬送車
S 収納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収納する複数の収納部が並設された保管棚、その保管棚に対応して設置される物品入出庫部、及び、前記収納部と前記物品入出庫部との間で物品を搬送する棚側物品搬送手段を備える自動倉庫が設けられ、
外部から物品が搬入され且つ外部へ物品を搬出する外部搬出入部と前記物品入出庫部との間の物品搬送経路中の少なくとも一部に、無人搬送車担当経路が設定され、
前記無人搬送車担当経路には、設定走行経路に沿って床面を自動走行する無軌道型の無人搬送車が備えられ、
前記外部搬出入部に位置する物品を前記物品入出庫部に搬送する物品搬入処理、及び、前記物品入出庫部に位置する物品を前記外部搬出入部に搬送する物品搬出処理を行うべく、前記無人搬送車担当経路における前記自動倉庫側に位置する倉庫側物品移載部及び前記外部搬出入部側に位置する外部側物品移載部との間での搬送作業を前記無人搬送車に割り付ける搬送管理手段が設けられている物品処理設備であって、
前記搬送管理手段が、割込み要求が指令されたときには、前記倉庫側物品移載部と前記外部側物品移載部との間での搬送作業の一部の搬送作業を、作業者によって運転される有人搬送車に割り付けるように構成されている物品処理設備。
【請求項2】
前記有人搬送車に、前記倉庫側物品移載部を搬送元として搬送する物品のリスト又は前記外部側物品移載部を搬送元として搬送する物品のリストを表示するリスト表示手段、及び、そのリスト表示手段に表示されるリストのうちから搬送作業対象とする物品を選択する物品選択手段が装備され、
前記搬送管理手段が、前記倉庫側物品移載部及び前記外部側物品移載部に物品が搬入されると、その物品に対する搬送作業を前記無人搬送車に割り付けるように構成され、かつ、前記物品選択手段にて物品が選択されると、前記割込み要求が指令された状態であるとして、その選択された物品についての搬送作業を前記有人搬送車に優先的に割り付けるように構成されている請求項1記載の物品処理設備。
【請求項3】
前記搬送管理手段が、前記有人搬送車に搬送作業を割り付けた物品が前記倉庫側物品移載部又は前記外部側物品移載部に位置する状態が設定待ち時間を経過しても継続する場合には、その物品についての搬送作業の割り付けを前記有人搬送車から前記無人搬送車に変更するように構成されている請求項2に記載の物品処理設備。
【請求項4】
前記搬送管理手段が、前記無人搬送車に搬送作業を割り付けた物品が前記倉庫側物品移載部又は前記外部側物品移載部に位置するときに、その物品が前記有人搬送車にて移載された場合には、その物品についての搬送作業の割り付けを前記無人搬送車から前記有人搬送車に変更するように構成されている請求項2又は3に記載の物品処理設備。
【請求項5】
前記有人搬送車に、前記倉庫側物品移載部又は前記外部側物品移載部に物品が停滞していることを報知する報知手段が装備されている請求項2〜4のいずれか1項に記載の物品処理設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−61736(P2013−61736A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198678(P2011−198678)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パトライト
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】