説明

現在位置特定装置とその現在位置特定方法

【課題】 従来、狭角Y字分岐路等の分岐において自車位置を特定する精度が低下してしまう問題を解決するために、カメラを用いて車線を検知するナビゲーション装置がある。しかし、車線変更可能な区間が検知範囲より長い道路を走行している場合、検知範囲に含まれない区間において車線変更がなされると、その車線変更を検知できず、走行している車線が正常に判定されないことがある。特に、地物の状態は一定でないため、車線変更可能な範囲は、個別の分岐点により大きく異なる。本発明の目的は、現在位置特定装置において、分岐点付近における自車位置の特定精度をより向上させる技術を提供することにある。
【解決手段】
本発明の現在位置特定装置は、走行している道路の状態に応じて検知範囲を特定して車線変更を検知し、検知した車線変更の情報を利用して現在地を特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現在位置特定技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、現在位置を特定するナビゲーション装置では、過去の走行地点からの移動方向と移動速度とを用いて、自車位置を予測し、特定している。しかし、狭角Y字分岐路等の分岐においては、自車位置を特定する精度が低下してしまう問題があった。この問題を解決するために、カメラを用いて、走行している車線を検知する技術がある。特許文献1には、このようなナビゲーション装置についての技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−322166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなナビゲーション装置では、車線検知のための処理負荷が高くなるため、実際には検知範囲を限定して適用するのが望ましい。例えば、分岐前後の予め定めた一律の範囲において適用することが考えられる。しかし、車線変更可能な区間が、予め定めた一律の検知範囲よりも長い道路を走行している場合には、検知範囲に含まれない区間において車線変更をした場合でも、その車線の変更をカメラで検知できず、走行している車線が正常に判定されないことがある。したがって、間違った道路上に現在位置を求めてしまう場合がある。特に、地物(車線変更可能区間を示す標識や路面ペイント等)の状態は一定でないため、車線変更可能な範囲は個別の分岐点により大きく異なる。
【0005】
本発明の目的は、現在位置特定装置において、分岐付近における自車位置の特定精度をより向上させる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明に係る現在位置特定装置は、自車両の現在地を検出する現在地検出手段と、道路の形状を特定する道路形状情報と、道路の種別を特定する道路種別情報と、を含む地図情報と、前記地図情報に含まれる道路の分岐地点を特定する分岐地点情報と、を記憶する記憶手段と、前記現在地検出手段によって検出された前記自車両の現在地に対応する推定現在地を前記地図情報を用いて推定する現在地推定手段と、前記分岐地点の道路に関する情報に基づいて、前記分岐地点ごとに、自車両の進行方向を検知する範囲を、検知範囲として特定する検知範囲特定手段と、前記現在地推定手段により検出した前記自車両の推定現在地が、前記検知範囲特定手段によって特定した前記検知範囲に含まれる場合に、前記自車両が車線変更したことを検知する車線変更検知手段と、前記現在地推定手段により推定した前記推定現在地を、前記車線変更検知手段により検知した車線変更の情報を用いて補正する推定現在地補正手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の現在位置特定方法は、現在位置特定装置は、自車両の現在地を検出する現在地検出手段と、道路の形状を特定する道路形状情報と、道路の種別を特定する道路種別情報と、を含む地図情報と、前記地図情報に含まれる道路の分岐地点を特定する分岐地点情報と、を記憶する記憶手段と、を備え、前記現在地検出手段によって検出された前記自車両の現在地に対応する推定現在地を前記地図情報を用いて推定する現在地推定ステップと、前記分岐地点の道路に関する情報に基づいて、前記分岐地点ごとに、自車両の進行方向を検知する範囲を、検知範囲として特定する検知範囲特定ステップと、前記現在地推定ステップにより検出した前記自車両の推定現在地が、前記検知範囲特定ステップによって特定した前記検知範囲に含まれる場合に、前記自車両が車線変更したことを検知する車線変更検知ステップと、前記現在地推定ステップにより推定した前記推定現在地を、前記車線変更検知ステップにより検知した車線変更の情報を用いて補正する推定現在地補正ステップと、を実施する、ことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図2】図2は、リンクテーブルの構成を示す図である。
【図3】図3は、検知情報テーブルの構成を示す図である。
【図4】図4は、検知区間設定テーブルの構成を示す図である。
【図5】図5は、カメラの搭載位置を示す図である。
【図6】図6は、撮像画像を地上面に投影する様子を示す図である。
【図7】図7は、演算処理部の機能構成図である。
【図8】図8は、車線変更検知処理のフロー図である。
【図9】図9は、従来の検知結果を示す図である。
【図10】図10は、本発明による検知結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の一実施形態を適用した車載用の現在位置特定装置であるナビゲーション装置100について、図面を参照して説明する。
【0010】
図1に、ナビゲーション装置100の構成図を示す。
【0011】
ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4(音声入力装置としてマイクロフォン41、音声出力装置としてスピーカ42を備える)と、入力装置5と、ROM装置6と、車速センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、FM多重放送受信装置10と、ビーコン受信装置11と、カメラ12と、を備えている。
【0012】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ7,8やGPS受信装置9、FM多重放送受信装置10等から出力される情報を基にして現在地(検出現在地)を検出する。また、得られた検出現在地に基づいてマップマッチング処理を行い、推定現在地を特定し、推定現在地の表示に必要な地図データを記憶装置3あるいはROM装置6から読み出す。
【0013】
また、演算処理部1は、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに推定現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示する。また、記憶装置3あるいはROM装置6に記憶されている地図データ等を用いて、出発地(推定現在地)とユーザから指示された目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、スピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。
【0014】
また、演算処理部1は、カメラ12を用いて、車両の周囲を撮像し、車線変更区間を示す分岐線等を認識して車線変更の方向等を検知し、推定現在地の特定に用いる。
【0015】
ナビゲーション装置100の演算処理部1は、各デバイス間をバス25で接続した構成である。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、各種ハードウェアを演算処理部1と接続するためのI/F(インターフェイス)24と、を有する。
【0016】
ディスプレイ2は、演算処理部1等で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成される。
【0017】
記憶装置3は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体で構成される。
【0018】
この記憶媒体には、通常の経路探索装置に必要な地図データ(地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを含む)であるリンクテーブル200と、検知情報テーブル250と、検知区間設定テーブル260と、が記憶されている。
【0019】
図2は、リンクテーブル200の構成を示す図である。リンクテーブル200は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)201ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ202を含んでいる。
【0020】
リンクデータ202は、リンクの識別子であるリンクID211ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報222、リンクを含む道路の種別を示す道路種別223、リンクの長さを示すリンク長224、予め記憶されたリンク旅行時間225、当該リンクの開始ノードに接続するリンクである開始接続リンクと、当該リンクの終了ノードに接続するリンクである終了接続リンクと、を特定する開始接続リンク、終了接続リンク226、リンクを含む道路の制限速度を示す制限速度227、などを含んでいる。
【0021】
開始接続リンク、終了接続リンク226は、当該リンクの終了ノードにおいて複数のリンクに分岐する場合には、本線を特定するリンクと、方向別に分岐車線を特定するリンクと、を区別できるように分けられている。
【0022】
また、複数の分岐車線がある場合には、リンクごとに、本線を基準に右側、左側の別と、当該方向に何番目のリンクであるのかを特定する情報が付加されている。例えば、終了リンク接続として、リンクA、B、Cの3本がある場合、本線としてリンクA、右に一番目(本線の右隣)の分岐線としてリンクB、右に二番目(リンクBの右隣)の分岐線としてリンクC、を特定する情報が格納される。
【0023】
なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。
【0024】
図3は、検知情報テーブル250の構成を示す図である。検知情報テーブル250は、車線変更検知を行うべき分岐点に対応するノードごとに、当該ノードを通過する手前の検知区間を特定する情報と、当該ノードを通過した直後の検知区間を特定する情報と、当該ノードの通過前後の検知区間において車線変更を検知した結果とを格納するテーブルである。
【0025】
なお、車線変更検知を行うべき分岐点とは、車線変更を検知することで現在地の特定精度を一定以上向上させることが見込める分岐点をいう。主に、いわゆる狭角Y字分岐路などを構成する分岐点である。ここで、狭角Y字分岐路とは、分岐路リンクと本線路リンクとが、分岐後に所定の間隔で並走するように分岐する道路形状をいう。
【0026】
検知情報テーブル250は、車線変更検知を行うべき分岐点を特定するノードID251と、当該分岐点を通過する手前の検知区間を特定する通過前検知区間252と、当該分岐点を通過した直後の検知区間を特定する通過後検知区間253と、検知した結果である検知結果254と、を含んでいる。
【0027】
ノードID251には、分岐点を特定する情報であるノードの識別子が格納される。
【0028】
通過前検知区間252には、ノードID251に格納された情報により特定される分岐点の通過前において車線変更を検知する範囲を特定する情報が格納される。
【0029】
通過後検知区間253には、ノードID251に格納された情報により特定される分岐点の通過後において車線変更を検知する範囲を特定する情報が格納される。
【0030】
検知結果254には、通過前検知区間252および通過後検知区間253に格納された情報により特定される範囲内において車線変更を検知した結果を特定する情報が格納される。
【0031】
図4は、検知区間設定テーブル260の構成を示す図である。検知区間設定テーブル260は、車線変更検知を行うべき分岐点において当該分岐点を通過する手前の検知区間と、当該分岐点を通過した直後の検知区間とを、道路種別、制限速度、分岐路の並走距離に応じて特定するためのテーブルである。
【0032】
検知区間設定テーブル260は、道路種別261と、制限速度262と、並走距離263と、通過前検知区間264と、通過後検知区間265と、を含んでいる。
【0033】
道路種別261には、車線変更検知を行う分岐点が含まれる道路の種別を特定する情報が格納される。
【0034】
制限速度262には、車線変更検知を行う分岐点が含まれる道路の制限速度について、所定の重複しない速度域の区分を特定する情報が格納される。
【0035】
並走距離263には、車線変更検知を行う分岐点において分岐した複数の道路が並走している区間の距離について、所定の重複しない距離の区分を特定する情報が格納される。
【0036】
通過前検知区間264には、車線変更検知を行う分岐点を通過する手前において、車線変更を検知するべき範囲を特定する情報が格納される。
【0037】
通過後検知区間265には、車線変更検知を行う分岐点を通過した直後において、車線変更を検知するべき範囲を特定する情報が格納される。
【0038】
なお、例えば、検知区間設定テーブル260においては、道路種別261により特定される種別が下位の道路になるにつれて、すなわち都市間高速、有料道路、都市内高速、国道(上下線分離)、国道(上下線分離なし)、その他、の順に、検知区間(通過前、通過後とも)が短くなるように設定される。
【0039】
また例えば、検知区間設定テーブル260においては、制限速度262が低くなるにつれて、すなわち時速100km〜80km、時速80km〜60km、時速60km〜40km、その他、の順に、検知区間(通過前、通過後とも)が短くなるように設定される。
【0040】
また例えば、検知区間設定テーブル260においては、並走距離263が短くなるにつれて、すなわち200m以上、200m〜150m、150m〜100m、100m〜50m、その他、の順に、検知区間(通過前、通過後とも)が短くなるように設定される。
【0041】
図1に戻って説明する。音声入出力装置4は、音声入力装置としてマイクロフォン41と、音声出力装置としてスピーカ42と、を備える。マイクロフォン41は、使用者やその他の搭乗者が発した声などのナビゲーション装置100の外部の音声を取得する。
【0042】
スピーカ42は、演算処理部1で生成された使用者へのメッセージを音声信号として出力する。マイクロフォン41とスピーカ42は、車両の所定の部位に、別個に配されている。ただし、一体の筐体に収納されていても良い。ナビゲーション装置100は、マイクロフォン41及びスピーカ42を、それぞれ複数備えることができる。
【0043】
入力装置5は、使用者からの指示を使用者による操作を介して受け付ける装置である。入力装置5は、タッチパネル51と、ダイヤルスイッチ52と、その他のハードスイッチ(図示しない)であるスクロールキー、縮尺変更キーなどで構成される。
【0044】
タッチパネル51は、ディスプレイ2の表示面側に搭載され、表示画面を透視可能である。タッチパネル51は、ディスプレイ2に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチパネル51は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。
【0045】
ダイヤルスイッチ52は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部1に出力する。演算処理部1では、パルス信号の数から、回転角度を求める。
【0046】
ROM装置6は、CD-ROMやDVD-ROM等のROM(Read Only Memory)や、IC(Integrated Circuit)カードといった、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、例えば、動画データや、音声データなどが記憶されている。
【0047】
車速センサ7,ジャイロセンサ8およびGPS受信装置9は、ナビゲーション装置100で現在地(自車位置)を検出するために使用されるものである。
【0048】
車速センサ7は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。
【0049】
ジャイロセンサ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。
【0050】
GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在地、進行速度および進行方位を測定するものである。
【0051】
FM多重放送受信装置10は、FM多重放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などやFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0052】
ビーコン受信装置11は、VICS情報などの概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報や緊急警報などを受信する。例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコン等の受信装置である。
【0053】
カメラ12は、図5に示すように、車両300の前方にやや下を向いて、路面を撮像できるように取り付けられる。カメラ12は、車両の前方の地上面をCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子を用いて撮像する。また、カメラ12は、撮像した映像を、演算処理部1に受け渡す。
【0054】
図6は、図5のカメラ12にて撮像した映像を用いた地上投影画像の生成方法を説明するための図である。主制御部101は、カメラ12の視点Pの位置(車両内の所定位置を原点とする三次元空間における座標位置)と撮像方向(視線方向)Kを求める。そして、主制御部101は、撮像画像510を、カメラ12の視点Pの位置から撮像方向Kに向けて、地上面520に投影し、地上投影画像530を生成する。なお、撮像方向Kは、撮像画像510の中心と垂直に交わる。また、カメラ12の視点Pから撮像画像510までの距離は、予め定められている。こうして生成される地上投影画像530は、車両の上空から車両周辺を鳥瞰したような画像となる。
【0055】
図7は、演算処理部1の機能ブロック図である。図示するように、演算処理部1は、主制御部101と、入力受付部102と、出力処理部103と、マップマッチング部104と、カメラ制御部105と、車線変更検知部106と、車線判定部107と、を有する。
【0056】
主制御部101は、様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて、他の処理部を制御する。また、各種センサ、GPS受信装置9等の情報を取得し、マップマッチング部104等に依頼して推定現在地を特定する。また、随時、走行した日付および時刻と、位置と、を対応付けて、リンクごとに走行履歴を記憶装置3に記憶する。さらに、各処理部からの要求に応じて、現在時刻を出力する。また、出発地(推定現在地)とユーザから指示された目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索し、推奨経路から逸脱しないよう、スピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。
【0057】
また、主制御部101は、カメラ12で撮像した映像を、カメラ制御部105を介して画像データとして取得する。そして、取得した画像を、車線を跨いだか否かを判定する処理のための画像(地上投影画像)に変換する。
【0058】
入力受付部102は、入力装置5またはマイクロフォン41を介して入力された使用者からの指示を受け付け、その要求内容に対応する処理を実行するように演算処理部1の各部を制御する。例えば、使用者が推奨経路の探索を要求したときは、目的地を設定するため、地図をディスプレイ2に表示する処理を出力処理部103に要求する。
【0059】
出力処理部103は、表示させる画面情報を受け取り、ディスプレイ2に描画するための信号に変換してディスプレイ2に対して描画する指示を行う。
【0060】
マップマッチング部104は、GPS受信装置9等からの情報を、主制御部101を介して取得する。またさらに、車速センサ7から取得した車速と、ジャイロセンサ8から取得した車両の進行方向についての変化から求めた進行方向と、記憶装置3あるいはROM装置6に記憶されている地図データ等を用いて、リンク上に、現在地である可能性のある地点(推定現在地)を求める(マップマッチング処理)。
【0061】
このとき、狭角Y字分岐路においては、マップマッチング部104は、後述する車線判定部107の車線判定結果を用いて、マップマッチング処理を行って特定した推定現在地を補正する。具体的には、マップマッチング部104は、例えば、本線から右に二本目にある分岐路を走行していると判定された場合には、分岐ノードの通過後においては、リンクテーブル200の終了接続リンク226により本線の右側二本目として対応付けられたリンク上に現在地をマッチングさせる。このように、マップマッチング部104は、推定現在地を求めるとともに、狭角Y字分岐路においては、車線判定部107が判定した車線に対応するよう、求めた推定現在地を補正する。
【0062】
カメラ制御部105は、カメラ12の動作を制御する。例えば、カメラ12の撮像の開始・終了のタイミングを設定する。また、撮像した画像の主制御部101への送信を制御する。
【0063】
車線変更検知部106は、主制御部101により変換処理された地上投影画像を受け付けて、車線、とくに分岐路と本線との間に存在する分岐線(車線区分線)を跨いで車線が変更されたか否かを判定し、車線が変更されると、その変更方向(左右いずれか)を特定する。具体的には、例えば、車線変更検知部106は、地上投影画像の2値化画像からエッジ検出によって分岐線を検出し、検出した分岐線の自車両に対する車線幅方向の位置に基づいて車線が変更された事及び車線変更方向を検出する。すなわち、車線変更検知部106は、エッジ検出により検出した分岐線が自車両の運転席から見て左側から右側に移動した場合には、車線変更を行ったと判定すると共に、左方向に車線変更を行ったと判定する。同様に、車線変更検知部106は、検出した分岐線が自車両の運転席から見て右側から左側に移動した場合には車線変更を行ったと判定すると共に、右方向に車線変更を行ったと判定する。
【0064】
なお、分岐線は、通常の車線とは異なる線であり、例えば白太破線等の路面ペイントがなされている。分岐線は、例えば、高速道路のインターチェンジやジャンクション、あるいはサービスエリア・パーキングエリアへの引き込み線と本線との境界の線である。
【0065】
このような境界線を跨ぐことは、分岐路へ車線を変更したことを意味するので、車線変更検知部106は分岐路に進入したか否かを判定している。そのため、分岐線ではなく別の表示・標識等により分岐を示す国や地域等においては、車線変更検知部106は、上記とは別の方法で分岐線に進入したことを検知するようにしてもよい。
【0066】
車線判定部107は、車線変更検知部106により車線変更が検知されると、その変更方向から、現在走行している車線を特定する。
【0067】
上記した演算処理部1の各機能部、すなわち主制御部101、入力受付部102、出力処理部103、マップマッチング部104、カメラ制御部105、車線変更検知部106、車線判定部107は、CPU21が所定のプログラムを読み込み実行することにより構築される。そのため、RAM21には、各機能部の処理を実現するためのプログラムが記憶されている。
【0068】
なお、上記した各構成要素は、ナビゲーション装置100の構成を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。そのため、構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。ナビゲーション装置100の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0069】
また、各機能部は、ハードウェア(ASIC、GPUなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0070】
[動作の説明]
次に、ナビゲーション装置100の動作について説明する。
【0071】
図8は、ナビゲーション装置100が搭載された車両300の走行中に、車線変更を検知すべき分岐路に差し掛かったときに、走行している車線を精度良く特定するための車線変更検知処理のフロー図である。このフローは、ナビゲーション装置100が起動されることで開始される。
【0072】
まず、主制御部101は、車線を特定する必要がある分岐点のノードに接近しているか否かを検知する(ステップS001)。具体的には、主制御部101は、推定現在地を特定し、特定した推定現在地から進行方向に向かって最も近いノードと、当該ノードまでの距離を特定し、検知情報テーブル250のノードID251(分岐点を特定するノード)と一致し、かつ自車両の推定現在地から当該ノードまでの距離が所定の閾値内(例えば200m内)にあるか否かを判定する。
【0073】
車線を特定する必要がある分岐点のノードに接近していない場合(ステップS001にて「No」)、主制御部101は、ステップS001に処理を戻す。
【0074】
車線を特定する必要がある分岐点のノードに接近している場合(ステップS001にて「Yes」)、車線変更検知部106は、当該分岐点のノードに車線変更検知区間の設定があるか否かを判定する(ステップS002)。具体的には、車線変更検知部106は、検知情報テーブル250を読み出して、ステップS001にて特定したノードについて、通過前検知区間252と、通過後検知区間253と、に所定の範囲を特定する情報が格納されているか否かを判定する。
【0075】
当該分岐点のノードに車線変更検知区間の設定がある場合(ステップS002にて「Yes」)、車線変更検知部106は、後述するステップS006に処理を進める。
【0076】
当該分岐点のノードに車線変更検知区間の設定がない場合(ステップS002にて「No」)、主制御部101は、走行中の道路について、道路種別と、制限速度を特定する(ステップS003)。具体的には、主制御部101は、現在地が属するリンクについて、リンクテーブル200を参照し、道路種別223と、制限速度227と、を取得し、車線変更検知部106に受け渡す。
【0077】
次に、車線変更検知部106は、分岐点から分岐する道路の並走距離を特定する(ステップS004)。具体的には、車線変更検知部106は、所定の方法により、分岐点から分岐する道路の並走区間を特定する。ここで、並走区間を特定する方法として、以下の4つの例を挙げるが、これに限られるものではなく、並走区間を特定することができる方法であれば、他の方法であっても良い。
【0078】
並走区間を特定する一つ目の方法は、分岐点以降のリンク(サブリンクであってもよい)の向きの差が所定値以上となるリンクまでを並走区間と特定する方法である。具体的には、分岐点より先の2番目以降のリンク同士の方向の差を当該分岐点から順に特定し、当該分岐点から数えて初めて当該方向の差が所定の値(例えば15度)に収まらなくなるリンクまでを、並走区間であると特定する方法である。
【0079】
なお、サブリンクとは、道路を構成するリンクを所定のリンクをさらに分割したリンク内のリンクをいう。例えば、大きくカーブする形状の道路がある場合、当該道路に対応するリンクを通常の直線のリンクとすると、リンクの形状は道路の形状と大きく相違してしまう。そこで、当該リンクを複数の直線のサブリンクに分割して、各サブリンクの方向を調整して、実際の道路形状に近づける(形状を補間する)。
【0080】
また、並走区間を特定する二つ目の方法は、分岐点以降の所定の距離内のリンクについて、サブリンクを構成する形状補間点の数が本線に比べて所定以上多くなるリンクまでを並走区間と特定する方法である。
【0081】
具体的には、分岐点より先に、分岐点を含む所定の範囲を設定し、当該範囲内にある片方の道路の形状補間点の数と、もう片方の道路の形状補間点の数と、を比較して、いずれか一方の道路の形状補間点の数が他方の道路の形状補間点の数よりも所定値以上多くなるまで当該範囲を拡大する。所定値以上形状補間点の数が多くなるか、当該範囲が所定の最大範囲に達した場合に、当該範囲に含まれる区間を並走区間であると特定する。
【0082】
また、並走区間を特定する三つ目の方法は、分岐点以降の所定の距離内のリンクについて、サブリンクの平均距離が本線に比べて所定以上短くなるリンクまでを並走区間と特定する方法である。
【0083】
具体的には、分岐点より先に、分岐点を含む所定の範囲を設定し、当該範囲内にある片方の道路に含まれるサブリンクの平均距離と、もう片方の道路に含まれるサブリンクの平均距離と、を比較して、いずれか一方の道路の平均距離が他方の道路の平均距離よりも所定値以上短くなるまで当該範囲を拡大する。所定値以上平均距離が短くなるか、当該範囲が所定の最大範囲に達した場合に、当該範囲に含まれる区間を並走区間であると特定する。
【0084】
また、並走区間を特定する四つ目の方法は、分岐点以降の所定の距離内のリンクについて、サブリンクの終点から本線を示すリンクに到る距離が所定値以上大きくなるリンクまでを並走区間と特定する方法である。
【0085】
具体的には、分岐点より先に、分岐点を含む所定の範囲を設定し、当該範囲内にある片方の道路に含まれるサブリンクの終点から、もう片方の道路に含まれるリンクまでの距離を算出して、当該距離が所定の距離よりも大きくなるまで当該範囲を拡大する。当該距離が所定値以上になるか、当該範囲が所定の最大範囲に達した場合に、当該範囲に含まれる区間を並走区間であると特定する。
【0086】
そして、車線変更検知部106は、上記の方法等により特定した並走区間の距離を並走距離として算出する。
【0087】
次に、ナビゲーション装置100は、道路種別、制限速度、並走距離の組み合わせに応じて、検知区間を設定する(ステップS005)。具体的には、車線変更検知部106は、検知区間設定テーブル260を読み込み、ステップS003にて特定した道路種別と、制限速度と、ステップS004にて特定した並走距離と、の組み合わせに合致する通過前検知区間264と、通過後検知区間265と、を特定する。そして、車線変更検知部106は、特定した通過前検知区間264と、通過後検知区間265とをそれぞれ、ステップS001にて接近を検知したノードの通過前検知区間252と、通過後検知区間253として格納する。
【0088】
次に、主制御部101は、推定現在地を取得する(ステップS006)。次に、車線変更検知部106は、現在地が検知区間内に含まれるか否かを判定する(ステップS007)。具体的には、車線変更検知部106は、ステップS006にて取得した推定現在地が、ステップS001にて接近を検知した分岐点の通過前検知区間252あるいは通過後検知区間253に含まれるか否かを判定する。
【0089】
推定現在地が検知区間内にない場合(ステップS007にて「No」)、ナビゲーション装置100は、ステップS006に処理を戻す。
【0090】
推定現在地が検知区間内にある場合(ステップS007にて「Yes」)、車線変更検知部106は、カメラ12を用いて撮像する(ステップS008)。具体的には、車線変更検知部106は、カメラ制御部105に対して、カメラ12を用いて路面の地物(白線等の路面ペイント情報)を撮像するよう指示し、カメラ制御部105から撮像した映像を主制御部101を介して受け付ける。
【0091】
次に、車線変更検知部106は、カメラ12を用いて撮像した映像から、車線変更の有無と、その方向と、を特定する(ステップS009)。具体的には、車線変更検知部106は、主制御部101により変換処理された地上投影画像を受け付けると、分岐線を跨いだか否かを判定し、分岐線を跨いだと判定すると、その車線変更の方向(左右いずれか)を特定する。
【0092】
次に、車線変更検知部106は、ステップS009にて特定した車線変更の情報に基づいて、車線変更情報を記憶する(ステップS010)。具体的には、車線変更検知部106は、ステップS009にて特定した車線変更の方向ごとに、その車線変更回数をカウントアップするように、検知情報テーブル250の検知結果254に記憶させる。
【0093】
例えば、右に一回、左に一回車線変更した旨の情報が検知結果254に既に記憶されている場合に、右に一回車線変更した旨の情報を得ると、車線変更検知部106は、検知結果254に、右に二回、左に一回車線変更した旨の情報を記憶させる。
【0094】
次に、車線判定部107は、車両が走行していると考えられる可能性が高い車線を判定する(ステップS011)。具体的には、車線判定部107は、当該分岐点についての検知情報テーブル250の検知結果254を参照して、左右の車線変更回数の差から、いずれの車線を走行しているのかを判定する。そして、車線判定部107は、判定した車線の情報をマップマッチング部104に受け渡す。マップマッチング部104は、GPS受信装置9等からの情報を、主制御部101を介して取得する。そして、マップマッチング部104は、GPS情報に含まれる現在地情報から、車両の進行方向と車速とに基づいて、分岐ノード通過後においては、走行している車線に対応するリンクをリンクテーブル200の終了接続リンク226から特定し、推定現在地を補正して、当該終了接続リンク上に補正した推定現在地を求める。
【0095】
次に、車線変更検知部106は、現在地が検知区間外にあるか否かを判定する(ステップS012)。具体的には、車線変更検知部106は、ステップS011にて求めた現在地が、ステップS001にて接近を検知した分岐点の通過前検知区間252あるいは通過後検知区間253に含まれるか否かを判定する。
【0096】
現在地が検知区間外にある場合(ステップS012にて「Yes」)、主制御部101は、ステップS001に処理を戻す。
【0097】
現在地が検知区間外にない場合(ステップS012にて「No」)、車線変更検知部106は、ステップS008に処理を戻す。
【0098】
以上が、車線変更検知処理の処理内容である。
【0099】
上記の車線変更検知処理を行う事によって、ナビゲーション装置100は、走行している車線を特定するための検知区間をなるべく過不足無いよう設定することができる。そして、検知区間における車線の変更情報を用いて、現在地をより正確に求めることが可能となる。
【0100】
以上、本発明の一実施形態について説明した。
【0101】
本発明の一実施形態によると、ナビゲーション装置100は、走行している車線を特定するための車線検知区間をなるべく過不足無く設定することができる。そして、検知区間における車線の変更情報を用いて、推定現在地をより正確に求めることが可能となる。
【0102】
また、車線の変更を検知する処理を必要に応じて実行することができるため、当該処理のためのナビゲーション装置100の演算処理負荷および車内ネットワークのトラフィック負荷を抑えることが可能となる。
【0103】
図9は、本発明の比較例であり、上記車線変更検知処理によらずに、固定された所定の検知範囲を用いて車線変更の検知を行うナビゲーション装置による現在位置の特定時の状況を表す図である。
【0104】
図9では、分岐路601と、本線路602と、それぞれの間を移動可能な区間を示す分岐線603と、を備える道路が、ノード612に終点で接続するリンク611と、ノード612を始点とする本線リンク613と、分岐線リンク614と、で表されている。
【0105】
なお、分岐線603は、所定の距離620を有するものとする。
【0106】
車両604は、当該道路を走行する車両である。軌跡604Sは、当該車両604が走行した軌跡を表す。車両604は、軌跡604Sのとおりに移動して、現在時点において分岐路601を走行する位置604Eにあるとする。
【0107】
ここで、車両604に搭載されたナビゲーション装置は、本発明にかかる車線変更検知処理を行わず、従来の方法で車線変更検知を行っているとする。
【0108】
図9で表される状況においては、ナビゲーション装置の通過前検知区間621、通過後検知区間622を合わせた検知区間の距離よりも、実際の分岐線603の距離620の方が長いものとする。
【0109】
このような場合、車両604が分岐線603を跨いで車線変更した位置が、通過前検知区間621よりも手前の区間623、あるいは通過後検知区間622よりも奥の区間624であった場合には、検知区間内に含まれない位置での車線変更であるため、車両604に搭載されたナビゲーション装置は車両604が車線変更したことを検知できない。その結果、自車位置を示すカーマーク605は、車線変更されていないものとして、本線リンク613上に配置されてしまうことがある。
【0110】
これに対して、図10は、本発明にかかる車線変更検知処理によって検知範囲を設定し、車線変更の検知を行うナビゲーション装置100による現在位置の特定時の状況を表す図である。
【0111】
図10では、図9と同様の状況を示すが、車両604は、本発明に係るナビゲーション装置100を搭載している点で、図9と相違する。
【0112】
本発明に係るナビゲーション装置100によれば、通過前検知区間621F、通過後検知区間622Fを合わせた検知区間の距離は、道路種別、制限速度、並走距離等の道路の状態によって設定されるため、分岐線603の距離620に対して過不足なく適切な距離に設定される。そのため、通過前検知区間621、あるいは通過後検知区間622に含まれない区間において車両604が分岐線603を跨いで車線変更してしまう可能性を減らすことができるため、車両604に搭載されたナビゲーション装置は車線変更を検知できる可能性が高くなる。その結果、自車位置を示すカーマーク605Fは、車線変更が適切に反映され、分岐線リンク614上に適切に配置される。
【0113】
本発明は、上記実施形態に制限されない。上記実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。
【0114】
例えば、上記実施形態の車線変更検知処理のステップS003〜S005において、道路種別、制限速度、並走距離の組み合わせにより検知区間を設定しているが、これに限られるものではない。すなわち、車線変更検知部106は、ステップS005において、道路種別、制限速度、並走距離のうちいずれか一つの情報に基づいて簡易的に検知区間を設定するようにしてもよい。
【0115】
このようにすることで、ナビゲーション装置100の処理負荷を低く抑えることが可能となり、応答性能を高めることが可能となる。
【0116】
また、車線変更検知部106は、ステップS005において、道路種別、制限速度、並走距離のそれぞれの情報に基づいて検知区間を特定し、特定した検知区間のうちから一つを選択して(例えば最も長い区間を選択して)、検知区間として設定するようにしてもよい。
【0117】
このようにすることで、ナビゲーション装置100の処理負荷を低く抑えることが可能となり、応答性能を高めることが可能となる。
【0118】
また、上記実施形態では、車線変更を検知するためにカメラ12を用いて分岐線を跨いだことを検知するようにしているが、これに限られない。すなわち、光学映像に限らず、レーザー波、電磁波、音波等によるレーダー(例えば、ミリ波レーダーやライダー)を用いて道路に照射し、反射される信号の強度の変化により分岐線を判定し、分岐路に進入したことを検知するようにしてもよい。
【0119】
また、上記実施形態では、車線変更を検知するためにカメラ12を用いて前方の様子を撮像して分岐路に進入したことを検知するようにしているが、これに限られない。すなわち、前方の様子に限らず、複数のカメラ12により側方、後方の様子を撮像して、分岐路に進入したことを検知するようにしてもよい。
【0120】
また、上記実施形態では、車線変更を検知するためにカメラ12を用いて分岐線を検知し、自車が分岐線を跨いだか否かを検知するようにしているが、これに限られるものではない。すなわち、車線幅が既知の道路に対して、分岐線以外の別の基準となる白線(例えば車両に最も近い距離にある白線または中央線等)から自車までの距離を測定し、その距離により分岐路に進入したか否かを検知するようにしてもよい。
【0121】
このようにすることで、車線変更をさらに精度良く検知することが可能となる。
【0122】
以上が、変形の例である。
【0123】
なお、上記の実施形態では、本発明をナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明はナビゲーション装置に限らず、車載器全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0124】
1・・・演算処理部、2・・・ディスプレイ、3・・・記憶装置、4・・・音声出入力装置、5・・・入力装置、6・・・ROM装置、7・・・車速センサ、8・・・ジャイロセンサ、9・・・GPS受信装置、10・・・FM多重放送受信装置、11・・・ビーコン受信装置、12・・・カメラ、21・・・CPU、22・・・RAM、23・・・ROM、24・・・I/F、25・・・バス、41・・・マイクロフォン、42・・・スピーカ、51・・・タッチパネル、52・・・ダイヤルスイッチ、100・・・ナビゲーション装置、101・・・主制御部、102・・・入力受付部、103・・・出力処理部、104・・・マップマッチング部、105・・・カメラ制御部、106・・・車線変更検知部、107・・・車線判定部、200・・・リンクテーブル、250・・・検知情報テーブル、260・・・検知区間設定テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の現在地を検出する現在地検出手段と、
道路の形状を特定する道路形状情報と、道路の種別を特定する道路種別情報と、を含む地図情報と、
前記地図情報に含まれる道路の分岐地点を特定する分岐地点情報と、を記憶する記憶手段と、
前記現在地検出手段によって検出された前記自車両の現在地に対応する推定現在地を前記地図情報を用いて推定する現在地推定手段と、
前記分岐地点の道路に関する情報に基づいて、前記分岐地点ごとに、自車両の進行方向を検知する範囲を、検知範囲として特定する検知範囲特定手段と、
前記現在地推定手段により検出した前記自車両の推定現在地が、前記検知範囲特定手段によって特定した前記検知範囲に含まれる場合に、前記自車両が車線変更したことを検知する車線変更検知手段と、
前記現在地推定手段により推定した前記推定現在地を、前記車線変更検知手段により検知した車線変更の情報を用いて補正する推定現在地補正手段と、
を備えることを特徴とする現在位置特定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の現在位置特定装置であって、
前記自車の周囲を撮像する撮像手段を備え、
前記車線変更検知手段は、前記撮像手段を用いて撮像した映像から車線区分線を検出し、検出した前記車線区分線の、前記自車両に対する車線幅方向の位置に基づいて車線変更を検知する、
ことを特徴とする現在位置特定装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の現在位置特定装置であって、さらに、
レーダー信号を送信するレーダー信号送信手段と、
路面に対して送信した前記レーダー信号の反射信号を受信するレーダー信号受信手段と、
前記レーダーの反射信号の強弱に基づいて車線区分線を検出する車線区分線検出手段と、を備え、
前記車線変更検知手段は、前記車線区分線検出手段が検出した前記車線区分線の前記自車両に対する車線幅方向の位置に基づいて車線変更を検知する、
ことを特徴とする現在位置特定装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の現在位置特定装置であって、さらに、
前記現在地推定手段によって推定した前記推定現在地と、前記記憶手段に記憶された前記道路種別情報とに基づいて、前記推定現在地が属する道路の道路種別を判定する道路種別判定手段を備え、
前記検知範囲特定手段は、前記道路種別判定手段により判定された道路種別に応じて検知範囲を特定する、
ことを特徴とする現在位置特定装置。
【請求項5】
請求項4に記載の現在位置特定装置であって、
前記検知範囲特定手段は、前記道路種別判定手段により判定された道路種別が下位の道路種別であればあるほど、前記検知範囲を狭く特定する、
ことを特徴とする現在位置特定装置。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の現在位置特定装置であって、
前記地図情報には、道路の制限速度を特定する道路制限速度情報が含まれ、
前記現在位置特定装置は、さらに、
前記道路制限速度情報に基づいて、前記推定現在地が属する道路の制限速度を取得する制限速度取得手段を備え、
前記検知範囲特定手段は、前記制限速度に応じて検知範囲を特定する、
ことを特徴とする現在位置特定装置。
【請求項7】
請求項6に記載の現在位置特定装置であって、
前記検知範囲特定手段は、前記制限速度取得手段により取得された制限速度が遅いほど、前記検知範囲を狭く特定する、
ことを特徴とする現在位置特定装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の現在位置特定装置であって、
前記検知範囲特定手段は、前記記憶手段から、前記推定現在地が属する道路に関する前記道路形状情報を取得し、
前記推定現在地が属する道路が狭角に分岐する場合に前記検知範囲を特定し、
前記車線変更検知手段は、前記推定現在地が属する道路が狭角に分岐する場合に車線変更を検知する、
ことを特徴とする現在位置特定装置。
【請求項9】
請求項8に記載の現在位置特定装置であって、
前記検知範囲特定手段は、前記道路形状の情報に基づき、分岐する道路が並走する並走距離に応じて検知範囲を特定する、
ことを特徴とする現在位置特定装置。
【請求項10】
請求項9に記載の現在位置特定装置であって、
前記検知範囲特定手段は、前記分岐する道路が並走する並走距離が短いほど、前記検知範囲を狭く特定する、
ことを特徴とする現在位置特定装置。
【請求項11】
請求項8に記載の現在位置特定装置であって、
前記検知範囲特定手段は、前記推定現在位置が属する道路の道路種別と、制限速度と、分岐した道路が並走する並走距離と、に応じて検知範囲を特定する、
ことを特徴とする現在位置特定装置。
【請求項12】
現在位置特定装置の現在位置特定方法であって、
前記現在位置特定装置は、
自車両の現在地を検出する現在地検出手段と、
道路の形状を特定する道路形状情報と、道路の種別を特定する道路種別情報と、を含む地図情報と、
前記地図情報に含まれる道路の分岐地点を特定する分岐地点情報と、を記憶する記憶手段と、を備え、
前記現在地検出手段によって検出された前記自車両の現在地に対応する推定現在地を前記地図情報を用いて推定する現在地推定ステップと、
前記分岐地点の道路に関する情報に基づいて、前記分岐地点ごとに、自車両の進行方向を検知する範囲を、検知範囲として特定する検知範囲特定ステップと、
前記現在地推定ステップにより検出した前記自車両の推定現在地が、前記検知範囲特定ステップによって特定した前記検知範囲に含まれる場合に、前記自車両が車線変更したことを検知する車線変更検知ステップと、
前記現在地推定ステップにより推定した前記推定現在地を、前記車線変更検知ステップにより検知した車線変更の情報を用いて補正する推定現在地補正ステップと、
を実施する、ことを特徴とする現在位置特定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−271155(P2010−271155A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−122695(P2009−122695)
【出願日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】