説明

産業機械

【課題】使用する環境の温度変化や、経時変化などの影響があっても適切に空間精度補正をすることができる産業機械の提供。
【解決手段】産業機械としての三次元測定機1は、ガイド部212と、コラム221とで構成され、Y軸方向に沿って移動する移動機構と、コラム221の角度を検出する2軸角度計32と、移動機構を制御する制御装置4とを備える。制御装置4は、角度誤差取得部42と、パラメータ生成部43と、補正部44とを備える。角度誤差取得部42は、コラム221を移動させたときに2軸角度計32にて検出される角度に基づいて、コラム221の位置に対するコラム221の角度誤差を取得する。パラメータ生成部43は、角度誤差取得部42にて取得されるコラム221の角度誤差をコラム221の位置で積分することで真直度補正パラメータを生成する。補正部44は、パラメータ生成部43にて生成される真直度補正パラメータに基づいて、移動機構の運動誤差を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業機械に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の軸方向に沿って移動する移動機構と、移動機構を制御する制御装置とを備える測定機、工作機械、及びロボットなどの産業機械が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の位置測定装置(産業機械)は、基準面を有する基礎と、基準面と平行な所定の軸方向に沿って移動する移動手段(移動機構)と、位置座標算出手段(制御装置)とを備えている。
【0003】
また、特許文献1に記載の位置測定装置では、位置測定装置のキネマティックモデルを用いることによって、位置測定装置の運動誤差を幾何学的な要因に基づく誤差(以下、幾何学誤差とする)ごとに分類し、位置測定装置の製造時に各幾何学誤差を予め測定して各幾何学誤差の補正パラメータを算出している。そして、位置測定装置は、各幾何学誤差の補正パラメータと、位置測定装置のキネマティックモデルとに基づいて、運動誤差を補正(以下、空間精度補正とする)することで測定精度を向上させている。
しかしながら、位置測定装置を使用する環境の温度変化や、位置測定装置の経時変化などの影響で各幾何学誤差は変化してしまうので、位置測定装置の製造時に各幾何学誤差を予め測定して各幾何学誤差の補正パラメータを算出しても適切に空間精度補正をすることができない場合がある。これは、各幾何学誤差の変化を考慮していないためである。
【0004】
そこで、特許文献1に記載の位置測定装置では、基準面、及び移動手段に2軸角度水準器をそれぞれ取り付けることによって、各幾何学誤差のうち、ローリング誤差、及びピッチング誤差を再測定している。そして、再度、空間精度補正をすることによって、ローリング誤差、及びピッチング誤差の変化を考慮した適切な空間精度補正をすることができる。なお、ローリング誤差は、移動手段の運動方向に沿う軸回りにおける移動手段の角度誤差である。また、ピッチング誤差は、移動手段の運動方向に沿う軸と直交するとともに、基準面と平行な軸回りにおける移動手段の角度誤差である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−257535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の位置測定装置では、各幾何学誤差のうち、真直度誤差を再測定していないので、真直度誤差に起因する運動誤差を適切に補正することができないという問題がある。すなわち、真直度誤差の変化を考慮した適切な空間精度補正をすることができないという問題がある。
これに対して、例えば、位置測定装置を使用する環境に高価な空調設備を導入したり、移動手段の剛性を高くしたりすることによって、位置測定装置を使用する環境の温度変化や、位置測定装置の経時変化などの影響による真直度誤差の変化を抑制することが考えられるが、製造コストや、ランニングコストが増加するという問題がある。
【0007】
また、例えば、石材などからなるベースに移動機構を取り付ける場合には、ベースを厚くすることによって、真直度誤差の変化を抑制することが考えられる。しかしながら、コンクリートからなる床面などの基礎に移動機構を取り付ける場合には、真直度誤差の変化を抑制することができないという問題がある。
さらに、例えば、直定規や、レーザ測長機などを用いることで真直度誤差を再測定して真直度誤差の補正パラメータ(以下、真直度補正パラメータとする)を新たに算出することも考えられる。しかしながら、直定規や、レーザ測長機などを用いなければならないので、空間精度補正にかかるコストや作業時間が増加するという問題がある。
【0008】
本発明の目的は、使用する環境の温度変化や、経時変化などの影響があっても適切に空間精度補正をすることができる産業機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の産業機械は、所定の軸方向に沿って移動する移動機構と、前記移動機構を制御する制御装置とを備える産業機械であって、前記所定の軸方向と直交する軸回りにおける前記移動機構の角度を検出する角度検出手段を備え、前記制御装置は、前記移動機構を移動させたときに前記角度検出手段にて検出される角度に基づいて、前記移動機構の位置に対する前記移動機構の角度誤差を取得する角度誤差取得部と、前記角度誤差取得部にて取得される前記移動機構の角度誤差を前記移動機構の位置で積分することで前記所定の軸方向における前記移動機構の真直度誤差を補正するための真直度補正パラメータを生成するパラメータ生成部と、前記真直度補正パラメータに基づいて、前記移動機構の運動誤差を補正する補正部を備えることを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、産業機械は、所定の軸方向と直交する軸回りにおける移動機構の角度、例えば、移動機構のピッチング誤差を検出する角度検出手段を備えている。そして、パラメータ生成部は、角度誤差取得部にて取得されるピッチング誤差を移動機構の位置で積分することで真直度補正パラメータを生成し、補正部は、パラメータ生成部にて生成される真直度補正パラメータに基づいて、移動機構の運動誤差を補正する。したがって、産業機械は、使用する環境の温度変化や、経時変化などの影響があっても真直度誤差の変化を考慮した適切な空間精度補正をすることができる。
【0011】
本発明では、前記制御装置は、前記移動機構の角度誤差と、前記移動機構の真直度誤差とを記憶する記憶部を備え、前記パラメータ生成部は、前記記憶部に予め記憶された前記移動機構の角度誤差と、前記角度誤差取得部にて取得される前記移動機構の角度誤差との差を前記移動機構の位置で積分することで前記真直度誤差の変化量を算出し、前記真直度誤差の変化量と、前記記憶部に予め記憶された前記移動機構の真直度誤差とを加算することで前記真直度補正パラメータを生成することが好ましい。
【0012】
所定の軸方向に沿って移動する移動機構としては、直線状のガイド部を備えるものが代表的であり、ガイド部は、例えば、ベース等に複数の箇所を固定されることによって取り付けられている。
したがって、このような移動機構では、例えば、産業機械を使用する環境の温度が変化すると、ベース等と、ガイド部との熱膨張率の違いによって、ガイド部にたわみ(うねり)が生じ、移動機構の真直度誤差は変化することになる。また、熱膨張率の違いによるガイド部のうねりは、加工などで生じるガイド部のうねりと比較して大きくなる。
【0013】
ここで、産業機械の製造時には、各幾何学誤差を予め測定して各幾何学誤差の補正パラメータを算出しているので、産業機械の製造時における移動機構の真直度誤差から生成される真直度補正パラメータに基づいて、移動機構の運動誤差を補正することによって、加工などで生じるガイド部の小さなうねりに起因する運動誤差を適切に補正することができる。
また、真直度誤差の変化量から生成される真直度補正パラメータに基づいて、移動機構の運動誤差を補正することによって、熱膨張率の違いによるガイド部の大きなうねりに起因する運動誤差を適切に補正することができる。
【0014】
本発明によれば、産業機械の製造時における移動機構の角度誤差と、移動機構の真直度誤差とを記憶部に予め記憶しておくことによって、パラメータ生成部は、産業機械の製造時における移動機構の真直度誤差と、真直度誤差の変化量とを加算して真直度補正パラメータを生成することができる。したがって、産業機械は、加工などで生じるガイド部の小さなうねりに起因する運動誤差と、熱膨張率の違いによるガイド部の大きなうねりに起因する運動誤差とを適切に補正することができる。
【0015】
本発明では、前記産業機械は、前記移動機構と、前記制御装置とを備える測定機であることが好ましい。
【0016】
このような測定機では、一般的に、ベース等に被測定物を載置することで被測定物を測定するので、移動機構の真直度誤差は、測定機を使用する環境の温度変化や、測定機の経時変化の他、ベース等に載置される被測定物の重量などによっても変化する。
これに対して、例えば、ベース等の剛性を高くしたりすることによって、真直度誤差の変化を抑制することが考えられるが、製造コストが増加するという問題がある。
本発明によれば、測定機は、ベース等に載置される被測定物の重量などの影響があっても真直度誤差の変化を考慮した適切な空間精度補正をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る三次元測定機の概略構成を示す図。
【図2】本発明の一実施形態に係る移動機構のたわみ角と、たわみ量との関係を示す図。
【図3】本発明の一実施形態に係る補正部にて空間精度補正をする前後の真直度誤差を示すグラフ。
【図4】本発明の一実施形態に係る空間精度補正の方法を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
〔三次元測定機の概略構成〕
図1は、本発明の一実施形態に係る三次元測定機1の概略構成を示す図である。なお、図1では、上方向を+Z軸方向とし、このZ軸に直交する2軸をそれぞれX軸、及びY軸として説明する。
産業機械としての三次元測定機1は、図1に示すように、本体2と、本体2に取り付けられる2つの2軸角度計31,32と、本体2、及び2軸角度計31,32を制御する制御装置4とを備える。
【0019】
本体2は、ベース21と、ベース21に設けられるスライド機構22とを備える。
ベース21は、被測定物(図示略)を載置させる平面211を有する矩形板状に形成されている。また、ベース21の−X軸方向側には、+Z軸方向側に向かって突出するとともに、Y軸方向に沿って直線状に形成され、スライド機構22をY軸方向に沿ってガイドするガイド部212が形成されている。
【0020】
スライド機構22は、ガイド部212に取り付けられ、ガイド部212上をY軸方向に沿って移動可能に設けられるコラム221と、コラム221にて支持され、X軸方向に沿って延出するビーム222と、Z軸方向に沿って延出する筒状に形成され、ビーム222上をX軸方向に沿って移動可能に設けられるスライダ223と、スライダ223の内部に挿入され、スライダ223内をZ軸方向に沿って移動可能に設けられるラム224とを備える。
【0021】
なお、ビーム222における+X軸方向側の端部には、Z軸方向に沿って延出する支柱225が形成されている。また、ラム224における−Z軸方向側の端部には、被測定物を測定するための測定子(図示略)が取り付けられている。
そして、スライド機構22は、コラム221、スライダ223、及びラム224を駆動する駆動部(図示略)を備え、制御装置4による制御の下で測定子をX,Y,Z軸方向に沿って移動させる。
以下、本実施形態では、移動機構は、ガイド部212と、コラム221とで構成され、所定の軸方向(Y軸方向)に沿って移動するものとして説明する。
【0022】
2軸角度計31は、平面211に取り付けられ、初期角度を基準とする平面211のX,Y軸回りの角度を検出する。
また、2軸角度計32は、コラム221に取り付けられ、初期角度を基準とするコラム221のX,Y軸回りの角度を検出する。すなわち、2軸角度計32は、所定の軸方向(Y軸方向)と直交し、2軸角度計31が取り付けられた平面211と平行な軸回り(X軸回り)における移動機構の角度を検出する角度検出手段として機能し、2軸角度計32にて検出される角度と、2軸角度計31にて検出される角度との差を求めることでX,Y軸回りにおけるコラム221の角度誤差を算出することができる。
なお、本実施形態では、コラム221を−Y軸方向側の一端に移動させた状態で2軸角度計31,32にて検出される角度を初期角度とする。
【0023】
制御装置4は、CPU(Central Processing Unit)や、メモリなどを備えて構成され、記憶部41と、角度誤差取得部42と、Y軸方向における移動機構の真直度誤差(以下、単に真直度誤差とする)を補正するための真直度補正パラメータを生成するパラメータ生成部43と、パラメータ生成部43にて生成される真直度補正パラメータに基づいて、移動機構の運動誤差を補正する、すなわち空間精度補正をする補正部44とを備える。
【0024】
記憶部41は、制御装置4で用いられる情報を記憶するものであり、三次元測定機1の製造時に予め測定した三次元測定機1の各幾何学誤差(例えば、ピッチング誤差や、真直度誤差など)や、各幾何学誤差に基づいて算出される各幾何学誤差の補正パラメータを記憶している。なお、各幾何学誤差の測定方法や、各幾何学誤差の補正パラメータの算出方法は、特許文献1に記載の位置測定装置と同様である。
また、記憶部41には、制御装置4にて真直度補正パラメータを生成して空間精度補正をするための補正プログラムが記憶されている。
【0025】
角度誤差取得部42は、コラム221を−Y軸方向側の一端から+Y軸方向側の他端に移動させたときに2軸角度計32にて検出されるX軸回りの角度と、2軸角度計31にて検出されるX軸回りの角度との差に基づいて、コラム221の位置に対するコラム221の角度誤差(ピッチング誤差)を取得する。
パラメータ生成部43は、角度誤差取得部42にて取得されるピッチング誤差をコラム221の位置で積分することで真直度補正パラメータを生成する。
【0026】
図2は、移動機構のたわみ角θと、たわみ量yとの関係を示す図である。
ここで、説明を簡略化するために、移動機構は単純梁であると考えると、コラム221の位置をXとしたときの移動機構のたわみ角θと、たわみ量yとの関係は、図2に示すような関係となり、以下の式(1)で表される。なお、Cは、積分定数である。
【0027】
【数1】

【0028】
したがって、位置Xに対するたわみ角θを位置Xで積分することで、たわみ量yを算出することができる。すなわち、コラム221の位置(位置X)に対するコラム221のピッチング誤差(たわみ角θ)をコラム221の位置で積分することで、コラム221の位置に対する真直度誤差(たわみ量y)を算出することができる。
【0029】
具体的に、パラメータ生成部43は、記憶部41に予め記憶されたピッチング誤差と、角度誤差取得部42にて取得されるピッチング誤差との差をコラム221の位置で積分することで真直度誤差の変化量を算出する。なお、2軸角度計31,32は、初期角度を基準としているので、コラム221の位置が0のときに、真直度誤差は0となる。したがって、前述の式(1)における積分定数Cは0となる。
さらに、パラメータ生成部43は、記憶部41に記憶されている真直度誤差と、真直度誤差の変化量とを加算することで真直度補正パラメータを生成する。
【0030】
補正部44は、パラメータ生成部43にて生成される真直度補正パラメータに基づいて、空間精度補正をする。
【0031】
図3は、補正部44にて空間精度補正をする前後の真直度誤差を示すグラフである。なお、図3では、縦軸を真直度誤差とし、横軸をコラム221の位置としている。
補正部44にて空間精度補正をした後の真直度誤差(図3の三角のマーカー)は、補正部44にて空間精度補正をする前の真直度誤差(図3の四角のマーカー)と比較して低減されている。
【0032】
〔空間精度補正の方法〕
次に、空間精度補正の方法について説明する。
図4は、空間精度補正の方法を示すフローチャートである。
制御装置4は、記憶部41に記憶された補正プログラムが実行されると、図4に示すように、以下のステップS1〜S3を実行する。
【0033】
補正プログラムが実行されると、角度誤差取得部42は、移動機構を制御してコラム221を移動させてピッチング誤差を取得する(S1:角度誤差取得ステップ)。
角度誤差取得ステップS1にてピッチング誤差が取得されると、パラメータ生成部43は、真直度補正パラメータを生成する(S2:パラメータ生成ステップ)。
パラメータ生成ステップS2にて真直度補正パラメータが生成されると、補正部44は、空間精度補正をする(S3:補正ステップ)。
以上のステップS1〜S3を実行することによって、制御装置4は、真直度補正パラメータを生成して空間精度補正をする。
【0034】
このような本実施形態によれば以下の効果がある。
(1)三次元測定機1は、2軸角度計31,32を備えている。そして、パラメータ生成部43は、角度誤差取得部42にて取得されるピッチング誤差を移動機構の位置で積分することで真直度補正パラメータを生成し、補正部44は、パラメータ生成部43にて生成される真直度補正パラメータに基づいて、空間精度補正をする。したがって、三次元測定機1は、使用する環境の温度変化や、経時変化などの影響があっても真直度誤差の変化を考慮した適切な空間精度補正をすることができる。
【0035】
(2)パラメータ生成部43は、三次元測定機1の製造時における移動機構の真直度誤差と、真直度誤差の変化量とを加算して真直度補正パラメータを生成することができる。したがって、三次元測定機1は、加工などで生じるガイド部212の小さなうねりに起因する運動誤差と、熱膨張率の違いによるガイド部212の大きなうねりに起因する運動誤差とを適切に補正することができる。
【0036】
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、移動機構は、ガイド部212と、コラム221とで構成され、所定の軸方向(Y軸方向)に沿って移動するものとしていた。これに対して、例えば、移動機構は、ビーム222と、スライダ223とで構成され、X軸方向に沿って移動するものとしてもよい。なお、この場合には、ベース21の平面211と、スライダ223とに2軸角度計を取り付ければよい。要するに、移動機構は、所定の軸方向に沿って移動するものであればよい。
【0037】
前記実施形態では、三次元測定機1は、2つの2軸角度計31,32を備え、2軸角度計32にて検出される角度と、2軸角度計31にて検出される角度との差を求めることでX,Y軸回りにおけるコラム221の角度誤差を算出していた。これに対して、例えば、2軸角度計31にて検出される角度が既知の場合には、三次元測定機1は、2軸角度計32のみを備えていてもよい。要するに、角度検出手段は、所定の軸方向と直交する軸回りにおける移動機構の角度を検出するものであればよく、角度誤差取得部にて移動機構の角度誤差を取得することができるように構成されていればよい。
【0038】
前記実施形態では、パラメータ生成部43は、記憶部41に記憶されている真直度誤差と、真直度誤差の変化量とを加算することで真直度補正パラメータを生成していた。これに対して、パラメータ生成部は、角度誤差取得部にて取得される移動機構の角度誤差を移動機構の位置で積分することで真直度誤差を算出し、この真直度誤差に基づいて、真直度補正パラメータを生成してもよい。
前記実施形態では、産業機械として三次元測定機1を例示したが、形状測定機などの他の測定機であってもよく、工作機械や、ロボットなどの他の産業機械であってもよい。要するに、本発明は、ベースと、移動機構と、制御装置とを備える産業機械に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、産業機械に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0040】
1…三次元測定機(産業機械)
4…制御装置
32…2軸角度計(角度検出手段)
41…記憶部
42…角度誤差取得部
43…パラメータ生成部
44…補正部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の軸方向に沿って移動する移動機構と、前記移動機構を制御する制御装置とを備える産業機械であって、
前記所定の軸方向と直交する軸回りにおける前記移動機構の角度を検出する角度検出手段を備え、
前記制御装置は、
前記移動機構を移動させたときに前記角度検出手段にて検出される角度に基づいて、前記移動機構の位置に対する前記移動機構の角度誤差を取得する角度誤差取得部と、
前記角度誤差取得部にて取得される前記移動機構の角度誤差を前記移動機構の位置で積分することで前記所定の軸方向における前記移動機構の真直度誤差を補正するための真直度補正パラメータを生成するパラメータ生成部と、
前記真直度補正パラメータに基づいて、前記移動機構の運動誤差を補正する補正部を備えることを特徴とする産業機械。
【請求項2】
請求項1に記載の産業機械において、
前記制御装置は、
前記移動機構の角度誤差と、前記移動機構の真直度誤差とを記憶する記憶部を備え、
前記パラメータ生成部は、前記記憶部に予め記憶された前記移動機構の角度誤差と、前記角度誤差取得部にて取得される前記移動機構の角度誤差との差を前記移動機構の位置で積分することで前記真直度誤差の変化量を算出し、前記真直度誤差の変化量と、前記記憶部に予め記憶された前記移動機構の真直度誤差とを加算することで前記真直度補正パラメータを生成することを特徴とする産業機械。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の産業機械において、
前記産業機械は、前記移動機構と、前記制御装置とを備える測定機であることを特徴とする産業機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−2715(P2012−2715A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−138968(P2010−138968)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】