説明

画像形成装置及び画像形成装置の制御方法

【課題】バリアブル印刷における不良印刷を適切に処理することができ、個人情報が含まれる印刷文書を確認する手間や労力、コストを削減することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】全ての印刷で共通するデータを蓄積する記憶部と、刷部毎に異なるデータを蓄積する記憶部と、前記データを画像データに展開する展開部と、前記画像データによる像を担持する複数の像担持体と、前記像担持体から転写される中間転写体と、像担持体上の撮像データを作成する像撮像部と、前記中間転写体上の撮像データを作成する中間転写体像撮像部と、前記展開された画像データと撮像データとを比較することによって検査を行う像担持体像検査部と、前記展開された画像データと撮像データとを比較することによって検査を行う中間転写体像検査部とを有し、前記像担持体像検査部によって対応する像の検査を行い、前記第1種データに対応する像の検査を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刷部毎に異なるデータであるバリアブルデータ(可変データ)を全ての印刷で共通するフォームデータなどの固定データ(共通データ)に埋め込むようにして印刷する、所謂バリアブル印刷を行う画像形成装置及びそのような画像形成装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大量のダイレクトメール、クレジットカードの請求書等の印刷を高速化するため、固定データ(共通データ)であるフォームデータを画像形成装置に予め登録し、印刷時に個人情報等のバリアブルデータ(可変データ)と登録した前記フォームデータとを合成して印刷するバリアブル印刷が利用されている。
【0003】
上記のようなバリアブル印刷を行うものとしては、例えば、特許文献1(特開2002−342039号公報)に、登録用の使用回数の多いデータ(以下、マスター・データと称す)と、前記マスター・データに関連付けられたデータを含む可変のデータ(以下、バリアブル・データと称す)を処理し、前記マスター・データと前記バリアブル・データに基づいて出力することが可能な出力装置、該出力装置と双方向通信回線を介して接続されるホストコンピュータと出力サーバーを備える出力システムであって、前記出力サーバーは、前記ホストコンピュータから前記マスター・データを受信して解析し、そして展開して保存するマスター・データ解析手段、前記解析手段で展開した展開後のマスター・データと該マスター・データそれぞれについての前記出力装置へ送信を含む管理情報を管理し、及び前記双方向通信回線を介して接続されている全出力装置の仕様・性能に関する情報を入手して管理する管理手段、前記管理手段からの情報に応じて、前記展開後のマスター・データを保持すべき出力装置を決定する第1の決定手段、前記第1の決定手段で決定した出力装置に対して、前記展開後のマスター・データを含む情報を出力する第1の出力手段を備え、前記出力装置は、前記出力サーバーから受けたマスター・データを含む情報に基づいて、受けたマスター・データを内部記憶装置に登録する登録手段を備えることを特徴とする出力システが開示されている。
【特許文献1】特開2002−342039号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載されているバリアブル印刷を行い得る画像形成装置では、例えば、案内状などを印刷する際、客の氏名などあて先ごとに異なる部分(第二の画像部)と会場などすべてのあて先で同じ部分(第一の画像部)とが存在することとなるわけであるが、第二の画像部には人名漢字など文字コードの中で完全に共通化されていない情報が含まれていることがあり、画像形成装置に搭載されている文字コードデータの種類によって、印刷できなかったり、誤った文字が印刷されてしまったりする場合があった。また、例えば住所などの情報は文字数が極端に多く、予定されている範囲からはみ出てしまうこともある。これらの不良は従来、印刷してから一部一部全ての刷部を目視で確認していたが、手間がかかる上に住所など個人情報が含まれた不良文書は、別途まとめて裁断処理などをする必要があり、コストと労力を要していた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するためのもので、本発明に係る画像形成装置は、刷部で共通する第1種データを蓄積する第1種データ記憶部と、印刷時前記第1種データに埋め込まれると共に前記刷部で異なる第2種データを蓄積する第2種データ記憶部と、前記第1種
データ及び前記第2種データを第1画像データに展開する第1展開部と、前記第1種データ及び前記第2種データを第2画像データに展開する、前記第1展開部とは異なる第2展開部と、前記第1展開部によって展開された前記第1画像データによって形成された第1の像を担持する第1像担持体と、前記第1展開部によって展開された前記第1画像データによって形成された第2の像を担持する第2像担持体と、前記第1像担持体及び前記第2像担持体に当接すると共に、前記第1像担持体に形成された前記第1の像及び前記第2像担持体に形成された前記第2の像が転写される転写媒体と、前記第1像担持体の前記第1の像を撮像し第1撮像データを作成する像担持体像撮像部と、前記転写媒体に転写された像を撮像し第2撮像データを作成する転写媒体像撮像部と、前記第2展開部によって展開された前記第2画像データと前記像担持体像撮像部によって作成された前記第1撮像データとを比較することで、前記第2種データに対応する像の検査を行う像担持体像検査部と、前記第2展開部によって展開された第2画像データと前記転写媒体像撮像部によって作成された第2撮像データとを比較することで、前記第1種データに対応する像の検査を行う転写媒体像検査部と、を有することを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記第1展開部に設けられる第1色変換部と、前記第2展開部に設けられ、前記第1色変換部と異なる第2色変換部と、前記第2展開部に設けられ、前記第1色変換部及び前記第2色変換部と異なる第3色変換部と、を有する。
【0007】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記第1色変換部によって生成される前記第1画像データと前記第2色変換部によって生成される前記第2画像データとは解像度が異なる。
【0008】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記第1色変換部によって生成される前記第1画像データと前記第3色変換部によって生成される第3画像データとは解像度が異なる。
【0009】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記第2色変換部によって生成される前記第2画像データと前記第3色変換部によって生成される前記第3画像データとでは解像度が異なる。
【0010】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記像担持体像検査部で前記第2種データに対応する像が不良であると判定されると、像を廃棄する第2不良印刷処理部を有する。
【0011】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記第2不良印刷処理部は、前記第1像担持体を前記転写媒体から当離接する第1像担持体当離接機構である。
【0012】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記転写媒体像検査部で前記第1種データに対応する像が不良であると判定されると、像を廃棄する第1不良印刷処理部を有する。
【0013】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記第1不良印刷処理部は、前記転写媒体に形成される像を掻き取るクリーニングブレードである。
【0014】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記第1の像は、キャリア液とトナー粒子とを有する液体現像剤で形成される。
【0015】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記第1像担持体及び前記第2像担持体から前記キャリア液を除去するスクイーズ部を有する。
【0016】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記転写媒体から前記キャリア液を除去するスクイーズ装置を有する。
【0017】
また、本発明に係る画像形成装置の制御方法は、第1種データ記憶部にて、刷部で共通する第1種データを蓄積し、第2種データ記憶部にて、印刷時前記第1種データに埋め込まれると共に前記刷部で異なる第2種データを蓄積し、第1展開部にて、前記第1種データ及び前記第2種データを第1画像データに展開し、前記第1展開部とは異なる第2展開部にて、前記第1種データ及び前記第2種データを第2画像データに展開し、第1像担持体にて、前記第1展開部によって展開された前記第1画像データによる前記第1像を担持し第2像担持体にて、前記第1展開部によって展開された前記第1画像データによる前記第2像を担持し、前記第1像担持体及び前記第2像担持体に当接する転写媒体にて、前記第1像担持体に担持された前記第1像及び前記第2像担持体に担持された前記第2像を転写し、像担持体像撮像部にて、前記第1像担持体の像担持体に担持された前記第1像を撮像し第1撮像データを作成し、転写媒体像撮像部にて、前記転写媒体に転写された転写像を撮像し第2撮像データを作成し、像担持体像検査部にて、前記第2展開部によって展開された前記第2画像データと前記像担持体像撮像部によって作成された前記第1撮像データとを比較することで、前記第2種データに対応する像の検査を行い、転写媒体像検査部にて、前記第2展開部によって展開された前記第2画像データと前記転写媒体像撮像部によって作成された前記第2撮像データとを比較することで、前記第1種データに対応する像の検査を行うことを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る画像形成装置の制御方法は、前記像担持体像検査部で前記第2種データに対応する像が不良であると判定されると、第2不良印刷処理部にて像を廃棄する。
【0019】
また、本発明に係る画像形成装置の制御方法は、前記像担持体像検査部で前記第1種データに対応する像が不良であると判定されると、第1不良印刷処理部にて像を廃棄する。
【0020】
本発明の画像形成装置及び画像形成装置の制御方法によれば、バリアブル印刷における不良印刷を適切に処理することができ、個人情報が含まれる印刷文書を確認する手間や労力、コストを削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1はバリアブル印刷を行う画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。
【0022】
本実施形態においては、液体溶媒中に固体成分からなるトナーを分散させた高粘度の液体現像剤を用いて潜像を現像し、静電潜像を可視化する湿式画像形成装置を例にとり、説明するが、本発明の画像形成装置は、乾式の画像形成装置であっても構わない。
【0023】
画像形成装置の中央部に配置された各色の画像形成部に対し、現像ユニット30K、30Y、30M、30Cは、画像形成装置の下部に配置され、中間転写体40、二次転写部60は、画像形成装置の上部に配置されている。
【0024】
画像形成部は、像担持体10K、10Y、10M、10C、帯電ローラ11K、11Y、11M、11C、不図示の露光ユニット12K、12Y、12M、12C等を備えている。露光ユニット12K、12Y、12M、12Cは、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等の光学系を有し、帯電ローラ11K、11Y、11M、11Cにより、像担持体10K、10Y、10M、10Cを一様に帯電させ、露光ユニット12K、12Y、12M、12Cにより、入力された画像信号に基づいて、変調されたレーザ光を照射して、帯電された像担持体10K、10Y、10M、10C上に静電潜像を形成する。
【0025】
現像ユニット30K、30Y、30M、30Cは、概略、現像ローラ20K、20Y、
20M、20C、黒(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)からなる各色の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器(リザーバ)31K、31Y、31M、31C、これら各色の液体現像剤を現像剤容器31K、31Y、31M、31Cから現像ローラ20K、20Y、20M、20Cに供給するアニロックスローラ32K、32Y、32M、32C等を備え、各色の液体現像剤により像担持体10K、10Y、10M、10C上に形成された静電潜像を現像する。
【0026】
中間転写体40は、エンドレスのベルトであり、駆動ローラ41とテンションローラ42との間に張架され、一次転写部50K、50Y、50M、50Cで像担持体10K、10Y、10M、10Cと当接しながら駆動ローラ41により回転駆動される。一次転写部50K、50Y、50M、50Cは、像担持体10K、10Y、10M、10Cと中間転写体40を挟んで一次転写ローラ51K、51Y、51M、51Cが対向配置され、像担持体10K、10Y、10M、10Cとの当接位置を転写位置として、現像された像担持体10K、10Y、10M、10C上の各色のトナー像を中間転写体40上に順次重ねて転写し、フルカラーのトナー像を形成する。
【0027】
二次転写ユニット60は、二次転写ローラ61が中間転写体40を挟んでベルト駆動ローラ41と対向配置され、さらに二次転写ローラクリーニングブレード62、現像剤回収部63からなるクリーニング装置が配置される。そして、二次転写ローラ61を配置した転写位置において、中間転写体40上に形成された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を記録媒体搬送経路Lにて搬送される用紙、フィルム、布等の記録媒体に転写する。
【0028】
なお、画像形成プロセスの始めから終わりまでで、より前段に配置されるローラなどの構成は、後段に配置されるローラなどの構成より上流にあるものと定義する。また、中間転写体40と二次転写ローラ61との間に形成されるニップ部のことを「転写ニップ」などと称することとする。
【0029】
テンションローラ42は、ベルト駆動ローラ41と共に中間転写体40を張架しており、中間転写体40のテンションローラ42に張架されている箇所で、中間転写体クリーニングブレード46、現像剤回収部47からなるクリーニング装置が当接・配置されている。
【0030】
次に、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の画像形成部及び現像ユニットについて説明する。図2は画像形成部及び現像ユニットの主要構成要素を示した断面図である。各色の画像形成部及び現像ユニットの構成は同様であるので、以下、黒(K)の画像形成部及び現像ユニットに基づいて説明する。
【0031】
画像形成部は、像担持体10Kの外周の回転方向に沿って、潜像イレーサ16K、像担持体クリーニングブレード17K及び現像剤回収部18Kからなるクリーニング装置、帯電ローラ11K、露光ユニット12K、現像ユニット30Kの現像ローラ20K、像担持体スクイーズローラ13Kとその付属構成である像担持体スクイーズローラクリーニングブレード14K、現像剤回収部15Kからなるクリーニング装置、像担持体像撮像部80Kが配置されている。
【0032】
そして、現像ユニット30Kは、現像ローラ20Kの外周に、クリーニングブレード21K、アニロックスローラ32K、トナー圧縮ローラ22Kが配置されている。また、このトナー圧縮ローラ22Kの外周には、キャリア量調整ブレード23Kが設けられている。さらに、液体現像剤容器31Kの中に液体現像剤供給ローラ34K、アニロックスローラ32Kが収容されている。
【0033】
また、中間転写体40に沿って、像担持体10Kと対向する位置に一次転写部の一次転写ローラ51Kが配置され、その移動方向下流側に中間転写体スクイーズローラ53K、バックアップローラ54K、中間転写体スクイーズローラクリーニングブレード55K、現像剤回収部56Kからなる中間転写体スクイーズ装置52Kが配置されている。
【0034】
像担持体10Kは、外周面に感光層が形成された円筒状の部材からなる感光体ドラムであり、例えば図2に示すように時計回りの方向に回転する。該像担持体10Kの感光層は、有機像担持体又はアモルファスシリコン像担持体等で構成される。帯電ローラ11Kは、像担持体10Kと現像ローラ20Kとのニップ部より像担持体10Kの回転方向の上流側に配置され、図示しない電源装置からトナー帯電極性と同極性のバイアスが印加され、像担持体10Kを帯電させる。露光ユニット12Kは、帯電ローラ11Kより像担持体10Kの回転方向の下流側において、帯電ローラ11Kによって帯電された像担持体10K上にレーザ光を照射し、像担持体10K上に潜像を形成する。
【0035】
現像ユニット30Kは、トナー圧縮ローラ22K、キャリア内にトナーを概略重量比20%程度に分散した状態の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器31K、該液体現像剤を担持する現像ローラ20K、液体現像剤を攪拌して一様の分散状態に維持し現像ローラ20Kに供給するためのアニロックスローラ32Kと規制ブレード33Kと供給ローラ34K、現像ローラ20Kに担持された液体現像剤をトナー圧縮状態にするトナー圧縮ローラ22K、現像ローラ20Kのクリーニングを行う現像ローラクリーニングブレード21Kを有する。
【0036】
現像剤容器31Kに収容されている液体現像剤は、従来一般的に使用されている、Isopar(商標:エクソン)をキャリアとした低濃度(1〜2wt%程度)かつ低粘度の、常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性を有する不揮発性液体現像剤である。すなわち、本発明における液体現像剤は、熱可塑性樹脂中へ顔料等の着色剤を分散させた平均粒径1μmの固形子を、有機溶媒、シリコンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約20%とした高粘度(30〜10000mPa・s程度)の液体現像剤である。
【0037】
アニロックスローラ32Kは、円筒状の部材であり、表面に現像剤を担持し易いように表面に微細且つ一様に螺旋状の溝による凹凸面を形成したローラである。規制ブレード33Kは、表面に弾性体を被覆して構成した弾性ブレードであり、アニロックスローラ32Kに担持搬送されてきた液体現像剤の膜厚、量を規制、調整し、現像ローラ20Kに供給する液体現像剤の量を調整する。
【0038】
現像ローラ20Kは、回転軸を中心に図2に示すように反時計回りに回転する。該現像ローラ20Kは鉄等金属製の内芯の外周部にポリウレタンゴム等の弾性層を設けたものである。現像ローラクリーニングブレード21Kは、現像ローラ20Kの表面に当接するゴム等で構成され、現像ローラ20Kが像担持体10Kと当接する現像ニップ部より現像ローラ20Kの回転方向の下流側に配置されて、現像ローラ20Kに残存する液体現像剤を掻き落として除去するものである。
【0039】
トナー圧縮ローラ22Kは、現像ローラ20K表面の帯電バイアスを増加させる手段を有し、現像ローラ20Kによって搬送された現像剤は、図2に示すようにトナー圧縮ローラ22Kが摺接してニップを形成するトナー圧縮部位でトナー圧縮ローラ22K側から現像ローラ20Kに向かって電界を印加する。
【0040】
一方、現像ローラ20Kに担持されてトナー圧縮された現像剤は、現像ローラ20Kが像担持体10Kに当接する現像ニップ部において、所望の電界印加によって、像担持体1
0Kの潜像に対応して現像される。そして、現像残りの現像剤は、現像ローラクリーニングブレード21Kによって掻き落として除去されリザーバ31K内の現像剤に合流して再利用される。尚、これら合流するキャリア及びトナーは混色状態ではない。
【0041】
像担持体スクイーズ装置は、像担持体10Kに対向して現像器20Kの下流側に配置して像担持体10Kに現像されたトナー像の余剰現像剤を回収するものであり、図2に示すように表面に弾性体を被覆して像担持体10Kに摺接して回転する弾性ローラ部材から成る像担持体スクイーズローラ13Kと、該像担持体スクイーズローラ13Kに押圧摺接して表面をクリーニングするクリーニングブレード14Kとから構成され、像担持体10Kに現像された現像剤から余剰なキャリア及び本来不要なカブリトナーを回収し、顕像内のトナー粒子比率を上げる機能を有する。
【0042】
像担持体像撮像部80Kは、黒の像担持体10Kの現像部と1次転写部の間の画像を観察するための、スキャンカメラである。スキャンカメラとしては、CCDやCMOSを使ったラインスキャンカメラや、エリアスキャンカメラを用いることができる。
【0043】
バリアブル印刷において、あて先ごとに異なる画像は住所や氏名など黒で印刷されることが多いため、像担持体像撮像部80Kによって黒の像を撮像し、検査することで印刷不良を検出するように構成する。
【0044】
また、このような像担持体像撮像部80Kと同類のものとして、本発明においては中間転写体40上の像を観察するための中間転写体像撮像部90が配されている。また、すべての刷部で共通の第1種の画像データはフルカラーで印刷されることが多いので、この中間転写体像撮像部90によって中間転写体40上の画像を検査することで誤りを検出する。特に、中間転写体40上の画像を撮像するスキャンカメラとしては、カラーのスキャンカメラを使用する。
【0045】
本実施形態においては、現像ユニット30K全体を上下に稼働する機構である黒像担持体当離接機構85によって、像担持体10Kを前記中間転写体40に対して離当接することができるように構成されている。例えば、像担持体像撮像部80Kの撮像データによって、印刷不良が検出された際には、黒像担持体当離接機構85によって、像担持体10Kを中間転写体40から離間させることで不良画像を印刷することを防止できると共に、像担持体10K上のトナーを回収し再使用することなどが可能となる。
【0046】
一次転写部50Kでは、像担持体10Kに現像された現像剤像を一次転写ローラ51Kにより中間転写体40へ転写する。ここで、像担持体10Kと中間転写体40は等速度で移動する構成であり、回転及び移動の駆動負荷を軽減するとともに、像担持体10Kの顕像トナー像への外乱作用を抑制している。
【0047】
中間転写体スクイーズ装置52Kは、一次転写部50Kの下流側に配置され、中間転写体40上から余剰なキャリア液を除去し、顕像内のトナー粒子比率を上げる処理を行うものである。
【0048】
中間転写体スクイーズ装置52Kは、像担持体スクイーズ装置と同様、表面に弾性体を被覆して中間転写体40に摺接して回転する弾性ローラ部材から成る中間転写体スクイーズローラ53K、中間転写体40を挟んで中間転写体スクイーズローラ53Kと対向配置されるバックアップローラ54K、中間転写体スクイーズローラ53Kに押圧摺接して表面をクリーニングするクリーニングブレード55K及び現像剤回収部56Kから構成され、中間転写体40に一次転写された現像剤から余剰なキャリア及び本来不要なカブリトナーを回収する機能を有する。
【0049】
次に、本発明の画像形成装置におけるバリアブル印刷を実行する際のデータの流れについて説明する。図3は本発明の実施の形態に係る画像形成装置におけるバリアブル印刷を実行するためのブロック構成を示す図である。図3において、101は第1種データ記憶部、102は第2種データ記憶部、110は第1展開部、115はページメモリ、12は露光ユニット、120は第2展開部、125、126は位置情報・比較情報記憶部、130は像担持体像撮像データ、135は像担持体像検査部、140は中間転写体像撮像データ、145は中間転写体像検査部、150、151は不良印刷処理部をそれぞれ示している。
【0050】
図3は画像形成装置における本発明に関連する制御系の構成を示すものである。第1種データ記憶部101に記憶される第1種データはフォームデータなどの固定データ(共通データ)であり、第2種データ記憶部102に記憶される第2種データは個人情報などのバリアブルデータ(可変データ)である。
第1展開部110及び第2展開部120は共に、第1種データ記憶部101、第2種データ記憶部102に記憶されるデータが入力されると、第1種データ及び第2種データをそれぞれ第1種画像データ及び第2種画像データに展開する。第1展開部110及び第2展開部120は互いに独立した構成となっている。
【0051】
第1展開部110で展開された第1種画像データ及び第2種画像データは、ページメモリ115において、第1種画像データの中に第2種画像データを埋め込むようにして画像データを合成する。
【0052】
ページメモリ115に展開された第1種画像データ及び第2種画像データとからなる合成画像データは露光ユニット12によって像担持体10への書き込みが行われる。
【0053】
第2展開部120によって展開された第1種画像データ及び第2種画像データは、位置情報・比較情報記憶部125、126に送信される。位置情報・比較情報記憶部125においては、第1種画像データの中における第2種画像データの位置情報や、第2種画像データそのものの情報を比較情報として、像担持体像検査部135に送出する。
【0054】
位置情報・比較情報記憶部126においては、第1種画像データの位置情報や、第1種画像データそのものの情報を比較情報として、中間転写体像検査部145に送出する。すなわち、像担持体像検査部135には、第2種画像データの印刷画像中の位置データと第2種画像データの内容のデータが、また、中間転写体像検査部145は、第1種画像データの印刷画像中の位置データと第1種画像データの内容のデータが、送られるわけである。
【0055】
像担持体像撮像データ130は像担持体像撮像部80Kによって撮像・作成された撮像データであり、像担持体像検査部135ではこの像担持体像撮像部80からの撮像データと、第2種画像データとのその位置データを用いて、第2種画像データに基づく像の良、不良を判定する。
【0056】
また、中間転写体像撮像データ140は中間転写体像撮像部90によって撮像・作成された撮像データであり、中間転写体像検査部145ではこの中間転写体像撮像部90からの撮像データと、第1種画像データとのその位置データを用いて、第1種画像データに基づく像の良、不良を判定する。
【0057】
第2種画像データは個人情報などの文字情報が多く高い解像度での処理が必要だが、フルカラーでの処理は不要である。一方第1種画像データは解像度はそれほど必要でないが
、フルカラーでの処理が必要である。本例の構成では、第1種画像データと第2種画像データを分けて印刷不良の検査を行うので、それぞれに適した構成の処理を行うことが出来る。例えば、像担持体像検査部では高い解像度の単色のデータを用い、中間転写体像検査部では低い解像度のカラーのデータを用いるようにして、メモリ容量を減らすとともに処理の負荷を軽減することが出来る。
【0058】
像担持体像検査部135で、第2種画像データに基づく像の不良が判定されると、不良印刷処理部150に報知される。不良印刷処理部150は、適当な方法によって不良な像が記録媒体に印刷される前に廃棄処理するものである。例えば、黒像担持体当離接機構85によって、像担持体10Kを中間転写体40から離間させることで不良画像を印刷することを防止する処理が、不良印刷処理部150による処理内容に含まれている。この不良印刷処理部150による不良画像の処理については種々の実施形態があり得る。
【0059】
このような実施形態の一例について説明する。図12は上記の構成での不良画像の検査の流れを示したものである。印刷が開始されると、第2展開部で作成され位置情報・比較
情報記憶部に蓄えられていたデータが、像担持体上への画像形成と同期して像担持体像検査部へ送られる。同時に像担持体上に形成された画像は、像担持体像撮像部により撮像され、像担持体像撮像データとして像担持体像検査部へ取り込まれる。像担持体像検査部では、これら二つのデータを用いて、異常があるかを判断する。異常が無ければ、引き続きこれらのデータの監視を続ける。異常が検出されると、露光ユニットによる画像データの書き込みを中止させる。この時点で、異常を起こしたページのトナー画像の紙への二次転写が開始されているかどうかで、この後の処理が分かれる。二次転写が始まっていなければ、異常を起こしたページのトナー画像の紙への転写を阻止すべく、そのページ画像の転写を受ける予定であった紙の給紙を停止する。異常を起こしたページのトナー画像は、紙へ転写されること無くクリーナ部などで掻き取られる。一方、異常を起こしたページは再度最初から印刷されなおす。異常検出時に二次転写が始まっている場合は、感光体を離間し、既に感光体上に形成されてしまった必要の無いトナーが中間転写体に転写されて消費されることを阻止し、続いて二次転写中の紙が二次転写を通過するのを待つ。二次転写部を紙が通過したら二次転写部を開放し、引き続きその紙が装置外へ排出されるのを待つ。紙が装置外へ排出されたら、紙搬送他の駆動を停止し、先ほど離間した感光体を圧接する。異常を起こしたページは印刷され排出されているので、ユーザに異常印刷があったことを通知し、印刷を停止する。
【0060】
不良印刷処理部150による処理の別の実施形態としては、中間転写体スクイーズ装置52Kにトナーと逆極性の電圧を印加して中間転写体上のトナー画像をスクイーズローラ53K表面に移動させて、中間転写体上のトナー画像を消去してしまうことができる。この場合には現像ユニット全体を移動させるような大掛かりな構成が不要となり、装置を小型化することが出来る。中間転写体スクイーズ装置52Kを使った不良印刷の処理の別の実施形態としては、スクイーズローラ53Kの回転を停止したり、通常と逆回転にすることにより、ローラと中間転写体の間のニップ部で中間転写体上の画像を乱すことより、個人情報が読み取れないようにしても良い。
【0061】
また、本実施形態においては、クリーニングブレード92を上下に稼働する機構である中間転写体像掻き取り部91が設けられており、前記クリーニングブレード92を前記中間転写体40に対して離当接することができるように構成されている。例えば、中間転写体像撮像部90の撮像データによって、印刷不良が検出された際には、中間転写体像掻き取り部91によって前記クリーニングブレード92を前記中間転写体40に対して当接させて、中間転写体40に形成されている像を掻き取り、記録媒体に当該像が印刷されてしまうことを未然に防止することができる。なお、クリーニングブレード92に代えて、ブラシ、ブラシローラなどを用いることもできる。
【0062】
また、中間転写体像検査部145で、第1種画像データに基づく像の不良が判定されると、不良印刷処理部151に報知される。不良印刷処理部151は、適当な方法によって不良な像が記録媒体に印刷される前に廃棄処理するものである。例えば、先の中間転写体像掻き取り部91は、不良印刷処理部151を構成するものの一例として挙げることができる。
【0063】
次に挙げるのは不良印刷処理部151による処理の別の例である。図13において画像形成装置は自動両面印刷用の記録媒体搬送経路を有しなるものである。両面印刷時には、給紙トレイからピックアップされた記録媒体はその表面に画像を転写され、定着部を通過した後、第1搬送路切替部164(ポジションd状態)を通過し、記録媒体Pの先端がaに達したときに逆向きに搬送され始める。
【0064】
記録媒体の後端が到達するまでに第2搬送路切替部165がポジションuをとり、破線の位置に移動し、記録媒体を破線q2で示される下向きの記録媒体搬送経路に導く。記録媒体はそのまま搬送され、再び画像形成部の二次転写部に導かれるが、今度はその裏面に画像の転写を受ける。記録媒体はそのまま搬送されて定着部を再び通過し、そのまま排紙トレイへと搬送される。
【0065】
像担持体像検査部あるいは中間転写体像検査部での検査結果が不良である場合には、第1搬送路切替部に記録媒体先端が到達するまでに、第1搬送路切替部をuポジションとする。記録媒体は破線p2で示される下方への記録媒体搬送経路に導かれる。
【0066】
記録媒体はそのまま搬送され、再び画像形成部の二次転写部に到達するが、記録媒体の表裏は反転されていないので、不良品画像の印刷されている面に再び画像の転写を受ける。特に不良品画像中の個人情報部分に、その情報を印刷したのと同じ色のトナーの塗りつぶし画像を印刷し、判読不能とする。
【0067】
図13での不良印刷処理の別の例としてさらに裁断部170を持ち、検査結果が不良であったときに第3搬送路切替部166により不良品画像の記録媒体を裁断部に送るようにしても良い。
【0068】
このような構成により、個人情報が含まれる不良印刷文書を処理するのに、手間や労力コストを削減することができる。
【0069】
なお、第1種データ記憶部101、第2種データ記憶部102、第2展開部120としては本発明の画像形成装置の上位に接続されるホストコンピュータ(不図示)の構成を援用することもできる。
【0070】
以上のような構成によれば、バリアブル印刷における不良印刷を適切に処理することができ、個人情報が含まれる印刷文書を確認する手間や労力、コストを削減することができる。
【0071】
次に本発明の他の実施形態について説明する。図4は本発明の他の実施の形態に係る画像形成装置におけるバリアブル印刷を実行するためのブロック構成を示す図である。図4に示す実施形態と図3に示す実施形態と異なる点は、第1展開部110に第1色変換部111が、第2展開部120に第2色変換部122、第3色変換部123が設けられている点である。
【0072】
次に、これら第1色変換部111、第2色変換部122、第3色変換部123における
データ変換について説明する。図5は色変換部におけるデータ変換をイメージ化した図である。
【0073】
第1種画像データ及び第2種画像データのどちらの画像データも、一般にディスプレィで見て自然に見えるようなRGB系や、オフセット印刷機で印刷して自然に見えるようなCMYK系といった色座標系で記述されている。これらは、画像形成装置で記録媒体上に出力する際に用いられるCMYK系の色座標とは異なる。
【0074】
このため、第1展開部110で画像データに展開され、RGBやCMYKの形式のデータとなったものを、記録媒体の上で正しい色が再現されるように色変換する必要がある。これを担うのが、第1色変換部111である。
【0075】
一方、像担持体像検査部135や中間転写体像検査部145のための像担持体像撮像部80や中間転写体像撮像部90から出力される像担持体像撮像データ130、中間転写体像撮像データ140は、そのデバイスに特有のRGBデータであり、さらに記録媒体の上ではなく像担持体上の単色の濃淡値として、或いは中間転写体上の色として撮像される。
【0076】
本発明では第2展開部120で展開されたRGBやCMYKの形式のデータを、像担持体像撮像部80から出力される像担持体像撮像データ130の座標系に第3色変換部123で変換し、そのデータを像担持体像撮像部80からのデータと比較するようにしている。
【0077】
また、第2展開部120で展開されたRGBやCMYKの形式のデータを、中間転写体像撮像部90から出力される中間転写体像撮像データ140の座標系に第2色変換部122で変換し、そのデータを中間転写体像撮像部90からのデータと比較するようにしている。中間転写体上の第1種の画像データの検査に用いるのが第2の色変換、像担持体上の第2種の画像データの検査に用いるのが第三の色変換である。
【0078】
図5は、トナーを使う画像形成装置を例にとって、第1、第2、第3の色変換を説明する図である。写真などの画像データは、被写体の色をある特定の色座標系で表現したものである。図では、一例としてディスプレィで見て自然に見えるsRGBとなっている。画像形成システムでは、このsRGBのような色座標系で表現された写真データを画像形成装置のトナー(例えばCMYK)を適切に組み合わせて紙上に転写することにより、記録媒体上に、被写体になるべく近い色を再現する。第1の色変換は、与えられた画像データの色座標値を、画像形成装置のトナーの量に変換するものである。
【0079】
一方第2の色変換とはこれとは異なるもので、展開された画像データを検査のための中間転写体像撮像部90のRGB値に変換するものである。画像形成装置内では、前述の第1の色変換により、所定量のトナーが各像担持体上に形成され、中間転写体上で色重ねされる。中間転写体像撮像部90はこの色重ね画像を観察している。中間転写体像撮像部90が観察する色は、記録媒体上の色とは次のような点で異なっている。(1)中間転写体40は記録媒体のような白色の背景上でなく、黒や茶色やグレーといった着色された背景上の色であることが多い。(2)乾式トナーや一部の湿式トナーでは、熱による定着前の、トナー粒子界面で光が散乱されている色である。また湿式トナーや印刷インキなどの液状インキでは、着色剤を分散している溶剤などの分散媒による散乱、反射の影響を含んだ色である。さらに、スキャンカメラは印刷装置のCMYKとは全く独立で、スキャンカメラ固有のRGB値を出力する。このように、第2の色変換は第1の色変換とは全く異なるものである。
【0080】
第3の色変換も、展開された画像データを像担持体像撮像部80の値に変換するものだ
が、第二の色変換と異なり、単色の濃淡値に変換する。各色の像担持体像撮像部80上にはCMYKの各単色の画像が形成され、像担持体像撮像部80は各単色を観察している。本実施形態では像担持体像撮像部80上のKのトナーの色を観察している。像担持体像撮像部80が観察する色は、記録媒体上の色とは次のような点で異なっている。(1)色重ねが行われておらず、各色単独である。(2)記録媒体のような白色の背景上でなく、緑や茶色といった着色された背景上の色である。(3)乾式トナーや一部の湿式トナーでは、熱による定着前の、トナー粒子界面で光が散乱されている色である。また湿式トナーや印刷インキなどの液状インキでは、着色剤を分散している溶剤などの分散媒による散乱、反射の影響を含んだ色である。さらに、像担持体像撮像部80は画像形成装置のCMYKとは全く独立で、スキャンカメラ固有の濃淡値を出力する。このように、第3の色変換は第1、第2の色変換とは全く異なるものである。
【0081】
以上のような実施形態によれば、記録媒体上で正しい色を再現するための色変換や像担持体像撮像部80、中間転写体90の撮像データを処理するための色変換など適切な色変換を適材適所で行うようにしているので、像担持体像検査部135、中間転写体像検査部145における判定処理の効率があがることになる。これにより、不良印刷を適切に処理することができ、個人情報が含まれる印刷文書を確認する手間や労力、コストを削減することができる。
【0082】
次に本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態においては、図1に示すようなタンデム方式の画像形成装置における像担持体10のスキュー量の補正を行い、像担持体像検査部135においてより適切な判定ができるようにしたものである。
【0083】
図6はタンデム方式の画像形成装置におけるKCMYの像担持体10のスキューを説明する図である。4色の色重ねを行うタンデム方式の画像形成装置では、全ての像担持体10が平行に設置されていることが望ましい。図の例においては、像担持体10Kは他の像担持体に対して斜めに配置されてしまっている。このため、像担持体10Kで描かれる水平な線Bが他の色に対して斜めに描かれてしまう。これを補正するため、像担持体10上にそれを補償した斜めに画像を形成することが行われる。
【0084】
図7はスキュー補正の処理を説明する図である。像担持体10がスキューしていると(A)のように水平に書かれたラインが(C)のように斜めの線になってしまう。そこで、(B)のように、像担持体10に書き込む際にこれを補償して書き込むことで、(D)のように水平なラインを再現する。これがスキュー補正である。スキュー量の補正は各像担持体10ごと、つまり各色ごとに独立で行われるため、第1展開部110で展開された第1種画像データ及び第2種画像データが画像合成処理された後に補正がなされる。
【0085】
図8は上記のようなスキュー分の補正を行うタンデム方式の画像形成装置で、第2画像データの画像の検査を行うシステムのブロック図である。また、本実施形態では後述する撮像装置などの解像度についても勘案されたものとなっている。
【0086】
本実施形態が先の実施形態と異なる点は、図に示すようにハーフトーン処理部116、スキュー量補正部119、を有している点である。本実施形態では、像担持体像撮像部80Kが像担持体10Kのみに設けられる構成であり、像担持体10K上の画像を検査する例である。位置情報・比較情報記憶部125は、黒の像担持体10Kのスキュー補正量の情報を参照して、検査用の画像情報(スキュー補正量を加味した第2種画像データとその位置データ)が生成される。なお、本実施形態では、像担持体像撮像部80Kが像担持体10Kのみに設けられる構成であるので、像担持体10Kのスキュー補正量の情報を位置情報・比較情報記憶部125に送出するように構成されているが、これと同様のことをCMYのその他の色についても同様に行うことができる。
【0087】
図8は画像形成装置内部の制御系の構成を示すもので、第1種データ、第2種データが入力され、それぞれ画像形成装置が印刷できるデータに展開され、同一のページメモリ115へ出力することにより二つの画像を合成する先の実施形態と同様のものである。このとき、ページメモリ115は所定の解像度、例えば600dpiのデータとして保存する。
【0088】
また、画像データは第1の色変換処理を受けており、ページメモリ115へはCMYKの各色に分解されたデータとして保存される。印刷時には、各色のデータはハーフトーン処理部116でそれぞれハーフトーン処理を受けて、プリントヘッドの解像度と一致した解像度の網点画像に変換された後プリントヘッドへ送られる。このときの解像度は例えば主走査方向600dpi、副走査方向1200dpiなどである。
【0089】
中間転写体40上の像の中間転写体像検査部145には、第1種の画像データの印刷画像中の位置と画像の内容のデータが送られる。中間転写体像検査部145では中間転写体像撮像部90からの撮像データとこの第1種の画像データを用いて、第1種画像データによる像の良、不良が判定される。
【0090】
中間転写体像検査部145に送られる第1種の画像のデータは、例えばホストコンピュータで第1種の画像情報源と第2種の画像情報源からのデータを展開して生成することができる。このとき、画像データは所定の解像度で展開されるが、本実施形態ではこの解像度が上記記録媒体上への印刷のための解像度より低い解像度、例えば72dpiとなっている。この解像度は中間転写体上の画像を検査する中間転写体像検査部145の解像度と一致している。また、この第1種の画像のデータは、第2の色変換を受けたカラーデータである。カラー印刷の内容や位置の誤りを検出するには、プリントヘッドの解像度より低い解像度で十分である。特にカラー画像はハーフトーン処理を受けているので、一つ一つの網点の色を見ても再現される色とは異なり、カラー印刷の内容の誤りを検出するには不向きである。
【0091】
像担持体像検査部135に送られる第2種の画像データもホストコンピュータで第1種の画像情報源と第2種の画像情報源からのデータを展開して生成することができる。このとき、画像データは所定の解像度で展開されるが、本実施形態ではこの解像度が上記記録媒体上への印刷のための解像度より高い解像度、例えば2400dpiとなっている。この解像度は像担持体像撮像部80の解像度と一致している。また、この第2種の画像のデータは第3の色変換を受けた単色の濃淡データである。このように高い解像度で検査することで、文字フォントなどの微妙な違いが検出できるとともに、像担持体10と像担持体像撮像部80が傾いて設置されたり、像担持体10と像担持体像撮像部80の距離が所定より外れて設置されていたりしても、デジタル的にデータを補正することで設置の誤差の補償が高い精度で行える。また、設置後の経時的変化や環境変動による変化があってもずれの補償をすることができる。
【0092】
以上のような実施形態によれば、スキュー量の補正を行い、解像度も考慮されるものであり、像担持体像検査部135、中間転写体像検査部145においてより適切な判定処理を行うことができる。これにより、不良印刷を適切に処理することができ、個人情報が含まれる印刷文書を確認する手間や労力、コストを削減することができる。
【0093】
次に本発明の他の実施形態について説明する。図9は他の実施形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。本実施形態が図1に示す実施形態と異なる点は、全ての像担持体10に像担持体像撮像部80K、80Y、80M、80Cが設けられている点、及び、黒像担持体当離接機構85に代えて2次転写ローラ当離接機構65が設
けられている点である。
【0094】
像担持体像撮像部80K、80Y、80M、80Cは、それぞれの像担持体を観察して検査するための構成である。各色における検査の方法については、像担持体像撮像部80Kで説明したものと同様の方法を用いることができる。
【0095】
また、2次転写ローラ当離接機構65は、二次転写ローラ61を中間転写体40に対して離当接することができるようするものである。この二次転写ローラ61の離当接と共に、二次転写ローラクリーニングブレード62及び現像剤回収部63も移動するように構成する。像担持体像撮像部80K、80Y、80M、80Cの撮像データによって、印刷不良が検出された際には、2次転写ローラ当離接機構65によって、二次転写ローラ61を中間転写体40から離間させることで不良画像を記録媒体上に印刷することを防止できる。
【0096】
次に本発明の他の実施形態について説明する。図14は他の実施形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。本実施形態が図1に示す実施形態と異なる点は、全ての像担持体10に像担持体像撮像部80K、80Y、80M、80Cが設けられている点、及び、黒像担持体当離接機構85に代えて2次転写ローラ当離接機構65が設けられている点である。
【0097】
像担持体像撮像部80K、80Y、80M、80Cは、それぞれの像担持体を観察して検査するための構成である。各色における検査の方法については、像担持体像撮像部80Kで説明したものと同様の方法を用いることができる。
【0098】
また、2次転写ローラ当離接機構65は、二次転写ローラ61を中間転写体40に対して離当接することができるようするものである。この二次転写ローラ61の離当接と共に、二次転写ローラクリーニングブレード62及び現像剤回収部63も移動するように構成する。像担持体像撮像部80K、80Y、80M、80Cの撮像データによって、印刷不良が検出された際には、2次転写ローラ当離接機構65によって、二次転写ローラ61を中間転写体40から離間させることで不良画像を記録媒体上に印刷することを防止できる。
【0099】
また、図14において、5は給紙カセット、6はピックアップローラ、7はゲートローラをそれぞれ示している。
【0100】
図14において、aは像担持体像撮像部80C(画像形成プロセスにおける最後の像撮像部)が見ている観察ポイント、cは給紙カセット5における給紙開始ポイント、bは2次転写部のニップ入り口ポイントである。
【0101】
給紙開始ポイントcからの記録媒体の搬送が開始され、記録媒体がcからbに至るまでの間に、中間転写体40はc’からbまで進む。(そのような点をc’として定義する。)中間転写体40上の画像の先端がc’の地点に達したときに、給紙カセット5から記録媒体が搬送されることで、転写部bに中間転写体40上の画像の先端と記録媒体の先端が同時に達することが出来る。本発明では観察ポイントaからc’までの距離Dが、使用される記録媒体の長さ(記録媒体の進行方向)よりも長く設定されている。こうすることで、画像の後端部分がa地点にあっても、画像の先端部分はc’に達していない。こうして仮に画像の後端部分に不良が発見されても、給紙カセット5からの記録媒体の搬送が開始される前なので、給紙カセット5からの記録媒体の搬送を中止すれば、不良画像を記録媒体に印刷することが防止され、無駄な記録媒体の使用が防がれる。
【0102】
図15は他の実施形態に係る画像形成装置の主要構成要素のレイアウト例を示す図である。図15においては、像担持体10や現像装置などの作像ユニットがベルトの上側に配置されるレイアウトをとっている。このため、図14に示す画像形成装置に比べて中間転写体40を短く構成でき、装置の小型化が図れる。
【0103】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図10は他の実施形態に係る画像形成装置のブロック構成を示す図である。図10は、先の実施形態のものとは逆にページメモリ115の解像度より高い解像度で第1種の画像データを検出する制御の構成である。なお、図10において像担持体像検査部135に関連する構成については図示省略されている。
【0104】
ハーフトーン処理部116K、116Y、116M、116Cによって、ハーフトーン処理を受けた画像データはそれぞれのスキュー補正部119K、119Y、119M、119Cを経て露光ユニット12K、12Y、12M、12Cへ送られる。本実施形態では、スキュー補正に送られる直前のデータを入力し、色変換・解像度変換処理部117を色変換・解像度変換処理して検査に用いる比較データを作成する。この色変換は、CMYK各色の個々の網点の色(図11でA部の色)とそれらが重なった色(図11のB部の色)が中間転写体像撮像部90でどのように検出されるかという色変換である。また解像度変換は、個々の網点の形状や色を検出できるよう、ページメモリの解像度の2倍以上、望ましくは10倍程度の解像度に変換する。こうすることで、個々の網点が所望の大きさに再現されているか、網点を形成するトナーなどのインキの量や厚みが適正で正しい色になっているか、CMYK4色の網点の配置は所望の状態になっているかが検出できる。
【0105】
次に本発明の他の実施形態について説明する。図16は他の実施形態に係るバリアブル印刷を行う画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図であり、図17は他の実施形態に係るバリアブル印刷を実行するためのブロック構成を示す図である。図16及び図17において、先の実施形態と同様の参照番号が付された構成については同様のものを示している。
【0106】
本実施形態が第1の実施形態と異なる点について説明する。本実施形態においては、中間転写体撮像部90に関連する構成が省略され、中間転写体40上の像のチェックを行わない。
【0107】
図16において、現像ユニット30K全体を上下に稼働する機構である黒像担持体当離接機構85によって、像担持体10Kを前記中間転写体40に対して離当接することができるように構成されている。例えば、像担持体像撮像部80Kの撮像データによって、印刷不良が検出された際には、黒像担持体当離接機構85によって、像担持体10Kを中間転写体40から離間させることで不良画像を印刷することを防止できると共に、像担持体10K上のトナーを回収し再使用することなどが可能となる。
【0108】
上記のように構成される他の実施形態に係るバリアブル印刷を実行する際のデータの流れについて説明する。図17は本発明の実施の形態に係る画像形成装置におけるバリアブル印刷を実行するためのブロック構成を示す図である。図17において、101は第1種データ記憶部、102は第2種データ記憶部、110は第1展開部、115はページメモリ、12は露光ユニット、120は第2展開部、125は位置情報・比較情報記憶部、130は像担持体像撮像データ、135は像担持体像検査部、150は不良印刷処理部をそれぞれ示している。
【0109】
図17は画像形成装置における本発明に関連する制御系の構成を示すものである。第1種データ記憶部101に記憶される第1種データはフォームデータなどの固定データ(共
通データ)であり、第2種データ記憶部102に記憶される第2種データは個人情報などのバリアブルデータ(可変データ)である。
第1展開部110及び第2展開部120は共に、第1種データ記憶部101、第2種データ記憶部102に記憶されるデータが入力されると、第1種データ及び第2種データをそれぞれ第1種画像データ及び第2種画像データに展開する。第1展開部110及び第2展開部120は互いに独立した構成となっている。
【0110】
第1展開部110で展開された第1種画像データ及び第2種画像データは、ページメモリ115において、第1種画像データの中に第2種画像データを埋め込むようにして画像データを合成する。
【0111】
ページメモリ115に展開された第1種画像データ及び第2種画像データとからなる合成画像データは露光ユニット12によって像担持体10への書き込みが行われる。
【0112】
第2展開部120によって展開された第1種画像データ及び第2種画像データは、位置情報・比較情報記憶部125に送信される。この位置情報・比較情報記憶部125においては、第1種画像データの中における第2種画像データの位置情報や、第2種画像データそのものの情報を比較情報として、像担持体像検査部135に送出する。すなわち、像担持体像検査部135には、第2種画像データの印刷画像中の位置データと第2種画像データの内容のデータが送られるわけである。
【0113】
像担持体像撮像データ130は像担持体像撮像部80Kによって撮像・作成された撮像データであり、像担持体像検査部135ではこの像担持体像撮像部80からの撮像データと、第2種画像データとのその位置データを用いて、第2種画像データに基づく像の良、不良を判定する。
【0114】
像担持体像検査部135で、第2種画像データに基づく像の不良が判定されると、不良印刷処理部150に報知される。不良印刷処理部150は、適当な方法によって不良な像が記録媒体に印刷される前に廃棄処理するものである。例えば、黒像担持体当離接機構85によって、像担持体10Kを中間転写体40から離間させることで不良画像を印刷することを防止する処理が、不良印刷処理部150による処理内容に含まれている。この不良印刷処理部150による不良画像の処理については種々の実施形態があり得る。
【0115】
なお、第1種データ記憶部101、第2種データ記憶部102、第2展開部120としては本発明の画像形成装置の上位に接続されるホストコンピュータ(不図示)の構成を援用することもできる。
【0116】
以上のような構成によれば、バリアブル印刷における不良印刷を適切に処理することができ、個人情報が含まれる印刷文書を確認する手間や労力、コストを削減することができる。また、本実施形態によれば、従来紙の上に印刷してから目視で検出していた印刷不良を像担持体上で検出することができるので、早い時期に印刷を中止することができ、時間の節約になるとともに、不良印刷のためのトナーや紙の無駄な使用を減らすことが出来る。
【0117】
次に本発明の他の実施形態について説明する。図18は他の実施形態に係るバリアブル印刷を行う画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図であり、図19は他の実施形態に係るバリアブル印刷を実行するためのブロック構成を示す図であり、図20は他の実施形態に係る画像形成装置内部の展開部周辺の構成例である。図18乃至図20において、先の実施形態と同様の参照番号が付された構成については同様のものを示している。
【0118】
本実施形態が第1の実施形態と異なる点について説明する。本実施形態においては、像担持体像撮像部80Kに関連する構成が省略され、像担持体10上の像のチェックを行わない。
【0119】
図18において、中間転写体40上の像を観察するための中間転写体像撮像部90が配されている。特に、中間転写体40上の画像を撮像するスキャンカメラとしては、カラーのスキャンカメラを使用する。また、スキャンカメラとして、CCDやCMOSを使ったラインスキャンカメラや、エリアスキャンカメラを用いることができる。
【0120】
本実施形態においては、クリーニングブレード92を上下に稼働する機構である中間転写体像掻き取り部91が設けられており、前記クリーニングブレード92を前記中間転写体40に対して離当接することができるように構成されている。例えば、中間転写体像撮像部90の撮像データによって、印刷不良が検出された際には、中間転写体像掻き取り部91によって前記クリーニングブレード92を前記中間転写体40に対して当接させて、中間転写体40に形成されている像を掻き取り、記録媒体に当該像が印刷されてしまうことを未然に防止することができる。なお、クリーニングブレード92に代えて、ブラシ、ブラシローラなどを用いることもできる。
【0121】
次に、他の実施形態に係る画像形成装置におけるバリアブル印刷を実行する際のデータの流れについて説明する。図19は他の実施形態に係る画像形成装置におけるバリアブル印刷を実行するためのブロック構成を示す図である。図19において、101は第1種データ記憶部、102は第2種データ記憶部、110は第1展開部、115はページメモリ、12は露光ユニット、120は第2展開部、126は位置情報・比較情報記憶部、140は中間転写体像撮像データ、145は中間転写体像検査部、151は不良印刷処理部をそれぞれ示している。
【0122】
図19は画像形成装置における本発明に関連する制御系の構成を示すものである。第1種データ記憶部101に記憶される第1種データはフォームデータなどの固定データ(共通データ)であり、第2種データ記憶部102に記憶される第2種データは個人情報などのバリアブルデータ(可変データ)である。
【0123】
第1展開部110及び第2展開部120は共に、第1種データ記憶部101、第2種データ記憶部102に記憶されるデータが入力されると、第1種データ及び第2種データをそれぞれ第1種画像データ及び第2種画像データに展開する。第1展開部110及び第2展開部120は互いに独立した構成となっている。
【0124】
第1展開部110で展開された第1種画像データ及び第2種画像データは、ページメモリ115において、第1種画像データの中に第2種画像データを埋め込むようにして画像データを合成する。
【0125】
ページメモリ115に展開された第1種画像データ及び第2種画像データとからなる合成画像データは露光ユニット12によって像担持体10への書き込みが行われる。
【0126】
第2展開部120によって展開された第1種画像データ及び第2種画像データは、位置情報・比較情報記憶部126に送信される。この位置情報・比較情報記憶部126においては、第1種画像データの中における第2種画像データの位置情報や、第2種画像データそのものの情報を比較情報として、中間転写体像検査部145に送出する。すなわち、中間転写体像検査部145には、第2種画像データの印刷画像中の位置データと第2種画像データの内容のデータが送られるわけである。
【0127】
中間転写体像撮像データ140は中間転写体像撮像部90によって撮像・作成された撮像データであり、中間転写体像検査部145ではこの中間転写体像撮像部90からの撮像データと、第2種画像データとのその位置データを用いて、第2種画像データに基づく像の良、不良を判定する。
【0128】
中間転写体像検査部145で、第2種画像データに基づく像の不良が判定されると、不良印刷処理部151に報知される。不良印刷処理部151は、適当な方法によって不良な像が記録媒体に印刷される前に廃棄処理するものである。中間転写体像掻き取り部91を稼働させることによって、中間転写体40上のトナー像を掻き取ることで不良画像を印刷することを防止する処理が、不良印刷処理部151による処理内容に含まれている。
【0129】
なお、第1種データ記憶部101、第2種データ記憶部102、第2展開部120としては本発明の画像形成装置の上位に接続されるホストコンピュータ(不図示)の構成を援用することもできる。
【0130】
次に、第1、第2の展開部の動作イメージについて説明する。図20は画像形成装置内部の展開部周辺の構成例である。ページ記述言語(PDL)で記載された印刷データには、全ての刷部で共通の画像(第1種の画像)の情報源と、それぞれの刷部で異なる画像(第2種の画像)データについて、どこに何を配置するのかという情報が含まれている。PDLは解析され第1種の画像データについての情報はそのまま展開されてページメモリへ描画される。解析の結果第2種の画像データについての情報だったときには、その情報に基づいて可変データ源(第2種の画像の情報源)が参照されたうえで、展開されページメモリへ描画される。
【0131】
以上のような構成によれば、バリアブル印刷における不良印刷を適切に処理することができ、個人情報が含まれる印刷文書を確認する手間や労力、コストを削減することができる。また、本実施形態によれば、色重ねの済んだ画像で印刷不良を検出するので、文字の中で色の変化するグラデーション文字や、写真の上に重ねられた白抜きの文字などを使った個人情報の検出をすることが出来る。
【0132】
以上、種々の実施形態について説明したが、それぞれの実施形態の構成を組み合わせて構成した発明も本発明の範疇に入るものである。
【0133】
以上、本発明の画像形成装置及び画像形成装置の制御方法によれば、バリアブル印刷における不良印刷を適切に処理することができ、個人情報が含まれる印刷文書を確認する手間や労力、コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】バリアブル印刷を行う画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。
【図2】画像形成部及び現像ユニットの主要構成要素を示した断面図である。
【図3】バリアブル印刷を実行するためのブロック構成を示す図である。
【図4】他の実施形態におけるバリアブル印刷を実行するためのブロック構成を示す図である。
【図5】色変換部におけるデータ変換をイメージ化した図である。
【図6】タンデム方式の画像形成装置におけるKCMYの像担持体10のスキューを説明する図である。
【図7】スキュー補正の処理を説明する図である。
【図8】他の実施形態におけるバリアブル印刷を実行するためのブロック構成を示す図である。
【図9】他の実施形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。
【図10】他の実施形態に係る画像形成装置のブロック構成を示す図である。
【図11】網点の重なりの様子を示す図である。
【図12】不良画像の検査処理のフローの一例を示素図である。
【図13】本発明の他の実施形態に係る画像形成装置の構成例を示す図である。
【図14】他の実施形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。
【図15】他の実施形態に係る画像形成装置の主要構成要素のレイアウト例を示す図である。
【図16】他の実施形態に係るバリアブル印刷を行う画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。
【図17】他の実施形態に係るバリアブル印刷を実行するためのブロック構成を示す図である。
【図18】他の実施形態に係るバリアブル印刷を行う画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。
【図19】他の実施形態に係るバリアブル印刷を実行するためのブロック構成を示す図である。
【図20】他の実施形態に係る画像形成装置内部の展開部周辺の構成例である。
【符号の説明】
【0135】
5・・・給紙カセット、6・・・ピックアップローラ、7・・・ゲートローラ、10K、10Y、10M、10C・・・像担持体、11K、11Y、11M、11C・・・帯電ローラ、12K、12Y、12M、12C・・・露光ユニット、13K・・・像担持体スクイーズローラ、14K・・・像担持体スクイーズローラクリーニングブレード、15K・・・現像剤回収部、16K・・・潜像イレーサ、17K・・・像担持体クリーニングブレード、18K・・・現像剤回収部、20K、20Y、20M、20C・・・現像ローラ、21K・・・現像ローラクリーニングブレード、22K・・・トナー圧縮ローラ、23K・・・キャリア量調整ブレード、30K、30Y、30M、30C・・・現像ユニット、31K、31Y、31M、31C・・・現像剤容器、32K、32Y、32M、32C・・・アニロックスローラ、33K・・・規制ブレード、34K・・・供給ローラ、40・・・中間転写体、41、・・・ベルト駆動ローラ、42・・・テンションローラ、45・・・現像剤回収部、46・・・中間転写体クリーニングブレード、47・・・現像剤回収部、50K、50Y、50M、50C・・・一次転写部、51K、51Y、51M、51C・・・一次転写バックアップローラ、52K、52Y、52M、52C・・・中間転写体スクイーズユニット、53K・・・中間転写体スクイーズローラ、54K・・・中間転写体スクイーズバックアップローラ、55K・・・中間転写体スクイーズローラクリーニングブレード、56K・・・現像剤回収部、60・・・二次転写ユニット、61・・・二次転写ローラ、62・・・二次転写ローラクリーニングブレード、63・・・現像剤回収部、65・・・2次転写ローラ当離接機構、80K、80Y、80M、80C・・・像担持体像撮像部、85・・・黒像担持体当離接機構、90・・・中間転写体像撮像部、101・・・第1種データ記憶部、102・・・第2種データ記憶部、110・・・第1展開部、111・・・第1色変換部、115・・・ページメモリ、120・・・第2展開部、122・・・第2色変換部、123・・・第3色変換部、125、126・・・位置情報・比較情報記憶部、130・・・像担持体像撮像データ、135・・・像担持体像検査部、140・・・中間転写体像撮像データ、145・・・中間転写体像検査部、150、151・・・不良印刷処理部、164〜166・・・搬送路切替部、170・・・裁断部、181・・・排紙トレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
刷部で共通する第1種データを蓄積する第1種データ記憶部と、
印刷時前記第1種データに埋め込まれると共に前記刷部で異なる第2種データを蓄積する第2種データ記憶部と、
前記第1種データ及び前記第2種データを第1画像データに展開する第1展開部と、
前記第1種データ及び前記第2種データを第2画像データに展開する、前記第1展開部とは異なる第2展開部と、
前記第1展開部によって展開された前記第1画像データによって形成された第1の像を担持する第1像担持体と、
前記第1展開部によって展開された前記第1画像データによって形成された第2の像を担持する第2像担持体と、
前記第1像担持体及び前記第2像担持体に当接すると共に、前記第1像担持体に形成された前記第1の像及び前記第2像担持体に形成された前記第2の像が転写される転写媒体と、
前記第1像担持体の前記第1の像を撮像し第1撮像データを作成する像担持体像撮像部と、
前記転写媒体に転写された像を撮像し第2撮像データを作成する転写媒体像撮像部と、
前記第2展開部によって展開された前記第2画像データと前記像担持体像撮像部によって作成された前記第1撮像データとを比較することで、前記第2種データに対応する像の検査を行う像担持体像検査部と、
前記第2展開部によって展開された第2画像データと前記転写媒体像撮像部によって作成された第2撮像データとを比較することで、前記第1種データに対応する像の検査を行う転写媒体像検査部と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1展開部に設けられる第1色変換部と、
前記第2展開部に設けられ、前記第1色変換部と異なる第2色変換部と、
前記第2展開部に設けられ、前記第1色変換部及び前記第2色変換部と異なる第3色変換部と、を有する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1色変換部によって生成される前記第1画像データと前記第2色変換部によって生成される前記第2画像データとは解像度が異なる請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1色変換部によって生成される前記第1画像データと前記第3色変換部によって生成される第3画像データとは解像度が異なる請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2色変換部によって生成される前記第2画像データと前記第3色変換部によって生成される前記第3画像データとでは解像度が異なる請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記像担持体像検査部で前記第2種データに対応する像が不良であると判定されると、像を廃棄する第2不良印刷処理部を有する請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2不良印刷処理部は、前記第1像担持体を前記転写媒体から当離接する第1像担持体当離接機構である請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記転写媒体像検査部で前記第1種データに対応する像が不良であると判定されると、像を廃棄する第1不良印刷処理部を有する請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第1不良印刷処理部は、前記転写媒体に形成される像を掻き取るクリーニングブレードである請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第1の像は、キャリア液とトナー粒子とを有する液体現像剤で形成される請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第1像担持体及び前記第2像担持体から前記キャリア液を除去するスクイーズ部を有する請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記転写媒体から前記キャリア液を除去するスクイーズ装置を有する請求項10または請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
第1種データ記憶部にて、刷部で共通する第1種データを蓄積し、
第2種データ記憶部にて、印刷時前記第1種データに埋め込まれると共に前記刷部で異なる第2種データを蓄積し、
第1展開部にて、前記第1種データ及び前記第2種データを第1画像データに展開し、
前記第1展開部とは異なる第2展開部にて、前記第1種データ及び前記第2種データを第2画像データに展開し、
第1像担持体にて、前記第1展開部によって展開された前記第1画像データによる前記第1像を担持し
第2像担持体にて、前記第1展開部によって展開された前記第1画像データによる前記第2像を担持し、
前記第1像担持体及び前記第2像担持体に当接する転写媒体にて、前記第1像担持体に担持された前記第1像及び前記第2像担持体に担持された前記第2像を転写し、
像担持体像撮像部にて、前記第1像担持体の像担持体に担持された前記第1像を撮像し第1撮像データを作成し、
転写媒体像撮像部にて、前記転写媒体に転写された転写像を撮像し第2撮像データを作成し、
像担持体像検査部にて、
前記第2展開部によって展開された前記第2画像データと前記像担持体像撮像部によって作成された前記第1撮像データとを比較することで、前記第2種データに対応する像の検査を行い、
転写媒体像検査部にて、前記第2展開部によって展開された前記第2画像データと前記転写媒体像撮像部によって作成された前記第2撮像データとを比較することで、前記第1種データに対応する像の検査を行うことを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項14】
前記像担持体像検査部で前記第2種データに対応する像が不良であると判定されると、第2不良印刷処理部にて像を廃棄する請求項13に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項15】
前記像担持体像検査部で前記第1種データに対応する像が不良であると判定されると、第1不良印刷処理部にて像を廃棄する請求項13又は請求項14に記載の画像形成装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−258637(P2009−258637A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−323071(P2008−323071)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】