画像形成装置
【課題】2つのプロセス部が1つの転写部を共通利用し、転写機構のコンパクト化、搬送路簡略化による部品点数削減を図る。
【解決手段】画像形成装置100は、媒体供給部700と、第1および第2プロセス部300、400と、転写部500とを備える。媒体供給部700は記録媒体を供給する。第1および第2プロセス部300、400は、顕像化された画像情報を形成する装置であり、各々が対向して配置される。転写部500は、前記第1および第2プロセス部300、400の間に位置し、前記媒体供給部700から供給された記録媒体に前記第1および第2プロセス部300、400のいずれかのプロセス部で形成された前記画像情報を転写する。
【解決手段】画像形成装置100は、媒体供給部700と、第1および第2プロセス部300、400と、転写部500とを備える。媒体供給部700は記録媒体を供給する。第1および第2プロセス部300、400は、顕像化された画像情報を形成する装置であり、各々が対向して配置される。転写部500は、前記第1および第2プロセス部300、400の間に位置し、前記媒体供給部700から供給された記録媒体に前記第1および第2プロセス部300、400のいずれかのプロセス部で形成された前記画像情報を転写する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体上に画像情報を形成する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、カラー画像を形成する画像形成方法として、電子写真方式を用いた画像形成方法と、インクジェット方式を用いた画像形成方法とがある。このうち、電子写真方式では、現像剤を加熱及び加圧して用紙上に強制的に定着させるために高速化に適し、比較的安価な現像剤を使用するためにランニングコストが安価になるという利点がある反面、熱可塑性を有する樹脂粉末に顔料又は染料を混入させた現像剤を用紙に転写した後に加熱して定着させるために樹脂粉末の透明度の影響や定着時の高温化による色相の変化によって色の再現性が低いという欠点がある。一方、インクジェット方式では、透明性の高い液体インクを高温に加熱することなく画像を形成するものであるために色の再現性に優れているという利点がある反面、インクの乾燥に長時間を必要とするために高速化に適さず、比較的高価なインクを使用するためにランニングコストが高騰する欠点がある。
【0003】
また、一般に用紙上に形成されるカラー画像情報としては、フルカラー画像情報よりも、書類等の文字画像の一部に挿入される印章、イラスト及びグラフ等の単色又は複数色の部分カラー画像情報が多い。
【0004】
これらの画像形成方式毎の特性やカラー画像の使用状況を考慮して、従来の画像形成装置では、電子写真方式等の現像剤方式の画像形成を行なう画像形成部とインクジェット方式等のインク方式の画像形成を行なう画像形成部とを併設し、現像剤方式の画像形成部において白黒の画像形成を行なうとともにインク方式の画像形成部においてカラーの画像形成を行なうようにした「複合化画像形成装置」が提案されている。
【特許文献1】特開平08−183174号公報
【特許文献2】特開2002−192708号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、業務効率の改善のために、画像形成装置の画像形成速度の高速化の要求が高まっている。ここでインクジェット方式のプリンタは、印字速度が遅く、印字直後のインクが乾燥してなくニジミの発生が生じるという画像形成原理に起因する問題があるため高速化には適していない。
【0006】
ユーザの高速化処理の期待は、主として“モノクロ印字”での要求が多く、軽印刷分野の領域である100枚/分(A4横搬送)以上の要求がある。
【0007】
このような高速化はインクジェット手法では困難であり、電子写真方式を採用する必要がある。
【0008】
また上述の先行資料のようにインクジェット方式のカラープリンタと電子写真方式のモノクロプリンタの組み合わせとすると、カラー印字画像とモノクロ印字画像を記録紙上で見比べた際に印字画像の視感性に相違があり、そのような印刷物は市場に受入れられ難いものであった。そこで電子写真方式によるカラープリンタと、前記カラープリンタより高速な電子写真方式によるモノクロ専用プリンタを一体化し、モノクロ印字の高速化、及びカラー印字を行うことも考えられ、そのような複合化画像形成装置を製造することも可能と考えられる。しかし、単に電子写真方式のカラープリンタと、電子写真方式のモノクロプリンタを一体化するだけでは、装置が大型化し、部品点数が増大して高価な装置となる。更に用紙搬送路が複雑化し、ジャム紙の取り除き操作などの操作性を低下させることとなる。
【0009】
この発明の目的は、搬送経路中の転写部を共通化して転写機構のコンパクト化を実現し、搬送路を簡略化して部品点数削減、操作性向上を実現した複合化画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の画像形成装置は、媒体供給部と、第1および第2プロセス部と、転写部とを備える。
【0011】
媒体供給部は記録媒体を供給する。第1および第2プロセス部は、顕像化された画像情報、たとえばトナー像(トナー像)を形成する装置であり、各々が対向して配置される。転写部は、前記第1および第2プロセス部の間に位置し、前記媒体供給部から供給された記録媒体に前記第1および第2プロセス部のいずれかのプロセス部で形成された前記画像情報を転写する。記録媒体とは例えば普通紙、再生紙、OHPシート、はがき等の厚紙、封筒などである。このように構成したことで、2つのプロセス部で搬送経路中の転写部を共通化することができ、その結果、転写機構のコンパクト化、搬送路を簡略化して部品点数削減、操作性向上が図れる。
【0012】
本発明の画像形成装置は、転写部に第1及び第2対向部と、搬送手段と、転写手段とを備える。第1及び第2対向部は、画像情報を受取るために第1及び第2プロセス部に対向する対向面を有する。搬送手段は、媒体供給部から供給された記録媒体を第1もしくは第2対向部に搬送する。転写手段は、前記対向面の背面側に配置され、第1もしくは第2対向部に搬送された記録媒体に画像情報を転写する。転写手段は、例えば高圧電源に接続され、高圧電圧により転写電界を発生する転写器であり、転写器は例えば金属製、あるいは導電性樹脂であり、板状であっても、ローラであってもよい。前記搬送手段としては、無端ベルトと複数のローラとを含むように構成できる。複数のローラは、無端ベルトを架橋および駆動する。そして転写手段は、無端ベルトの背面に配置される。
【0013】
本発明の画像形成装置は制御部を備える。第1および第2プロセス部が、印字処理速度が異なるよう構成されており、制御部は、搬送手段の搬送速度を、第1および第2プロセス部のそれぞれ異なる印字処理速度に合致するように制御する。
【0014】
本発明の画像形成装置では、前記複数ローラは第1ローラと、第2ローラとで構成される。第1ローラは、媒体供給部から供給される記録媒体の搬送方向の下流側に配置され、接地される。このようにすることで、転写の終了した後の無端ベルトの表面電位を接地電位付近まで低下させることができ、無端ベルトに静電吸着して搬送されている記録媒体が容易に無端ベルトから剥離できるようになる。また第2ローラは搬送方向の上流側に配置され、電気的にフロート状態に設定されている。フロート状態とは特定の電位を有する電気回路に接続されておらず、接地もされていないことを指す。上流側のローラをフロート状態とすることで、高圧電源から転写器を介して無端ベルト上流方向に移動した電荷の発生する電界により、媒体供給部から供給された記録媒体を無端ベルトに静電吸着して、記録媒体の安定した搬送が可能になる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は2つのプロセス部が1つの転写部を共通利用することで、(1)転写機構のコンパクト化、(2)搬送路の簡略化、(3)部品点数削減といった効果を奏し、小型で安価な複合型画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、この発明の最良の実施形態に係る画像形成装置を図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、この発明の実施形態に係る画像形成装置100の概略の構成を示す図である。画像形成装置100は、スキャナ部200、カラープロセス部(第1プロセス部)300、モノクロプロセス部(第2プロセス部)400、転写部500、定着部600、給紙部700(媒体供給部)、第1排紙部800、第2排紙部900を含む。
【0017】
一例として、スキャナ部200は、画像形成装置100の最上部に配置されている。カラープロセス部300及びモノクロプロセス部400は、画像形成装置100の中間部に横方向に並べて対向して配置されている。転写部500と定着部600とは、カラープロセス部300とモノクロプロセス部400との間に配置されている。定着部600は、転写部500の上方に配置されている。給紙部700は、画像形成装置100の最下部に配置されており、種々の記録媒体を貯留し画像形成時に前記プロセス部に向けて記録媒体を供給する。記録媒体とは例えば普通紙、再生紙、OHPシート、はがき等の厚紙、封筒などである。記録媒体は実施例では「用紙」とも記載する。第1排紙部800は、スキャナ部200とカラープロセス部300との間に配置されている。第2排紙部900は、モノクロプロセス部400の右側に配置されている。
【0018】
給紙部700から転写部500及び定着部600を経由して第1分岐部1300に至る間に第1主搬送路1100及び第2主搬送路1200が形成されている。第1主搬送路1100は、転写部500のカラープロセス部300側を通過する。第2主搬送路1200は、転写部500のモノクロプロセス部400側を通過する。
【0019】
第1分岐部1300から第1排紙部800に至る間に第1排紙搬送路1400が形成されている。第1分岐部1300から第2分岐部1500を経由して第2排紙部900に至る間に第2排紙搬送路1600が形成されている。第2分岐部1500から給紙部700と転写部500との間には、副搬送路1700が形成されている。
【0020】
第1主搬送路1100と第2主搬送路1200とは、転写部500とその前後を除いて共通の経路を通過する。
【0021】
スキャナ部200は、第1原稿台201、第2原稿台202、第1ミラーベース203、第2ミラーベース204、レンズ205及びCCDセンサ206を備えている。第1原稿台201及び第2原稿台202は、硬質ガラス体によって構成されている。第1原稿台201の上面には、画像を読み取るべき原稿が、手動操作により、又は、図示しない原稿自動送り装置により載置される。第2原稿台202の上面には、図示しない原稿自動送り装置により、画像読み取るべき原稿が通過する。
【0022】
第1ミラーベース203は、ランプ207及び第1ミラー208を搭載している。第2ミラーベース204は、第2ミラー209及び第3ミラー210を搭載している。第1原稿台201の上面に載置された原稿の画像を読み取る時には、第1ミラーベース203及び第2ミラーベース204が第1原稿台201の下面に沿って水平方向に移動する。このとき、第2ミラーベース204は、第1ミラーベース203の速度の1/2の速度で移動する。第2原稿台201の上面を通過する原稿の画像を読み取る時には、第21ミラーベース203は、第2原稿台202の下方の位置に停止している。
【0023】
ランプ207は、原稿の画像面に光を照射する。ミラー208〜210は、原稿の画像面における反射光をレンズ205に向けて偏向する。ミラー205は、反射光をCCDセンサ206の受光面に結像させる。CCD206は、受光した光の光量に応じた受光信号を出力する。受光信号は、後述の制御部110においてディジタルデータに変換された後、所定の画像処理を施されて画像データとして格納される。
【0024】
カラープロセス部300は、スキャナ部200で読み取られたカラー原稿の画像データ又は外部から入力されたカラー画像データに基づいて、カラー画像を形成する。カラープロセス部300は、感光体ドラム311A〜311D、帯電器312A〜312D、露光ユニット313、現像器314A〜314D、転写器315A〜315D、クリーナ316A〜316D、中間転写ベルト317、トナーポッパ321A〜321Dを備えている。
【0025】
カラープロセス部300には、それぞれ異なる色相の画像を形成する4つのプロセスステーション330A〜330Dが形成されている。プロセスステーション330A〜330Dのそれぞれは、黒色、減法混色の三原色であるシアン、マゼンタ及びイエローの色相のそれぞれの画像を形成する。
【0026】
黒色の画像を形成するプロセスステーション330Aは、感光体ドラム311A、帯電器312A、現像器314A、転写器315A、クリーナ316A、トナーポッパ321Aを含む。感光体ドラム311Aは、周面に感光層を備え、図1中で時計方向に回転する。帯電器312Aは、感光体ドラム311Aの周面を均一に帯電する。
【0027】
露光ユニット313は、各色相の画像データに基づいて変調されたレーザ光により、感光体ドラム311A〜311Dのそれぞれを露光する。帯電器312Aによる帯電を受けた感光体ドラム311Aの周面は、黒色の画像データに応じたレーザ光によって感光体ドラム311の軸方向に平行な主走査方向に露光される。レーザ光の露光により、感光体ドラム311Aの周面には、黒色の画像データを応じた静電潜像が形成される。
【0028】
現像器314Aは、静電潜像が形成された感光体ドラム311Aの周面に黒色のトナーを供給する。感光体ドラム311Aの周面の静電潜像は、黒色のトナーによってトナー像に現像される。
【0029】
中間転写ベルト317は、駆動ローラ318、従動ローラ319及びテンションローラ320によって張架された無端ベルトである。中間転写ベルト317は、駆動ローラ319の回転により、プロセスステーション330D、プロセスステーション330C、プロセスステーション330B及びプロセスステーション330Aをこの順に経由して循環する。
【0030】
プロセスステーション330Aにおいて、中間転写ベルト317は、感光体ドラム311Aと転写器315Aとの間を通過する。転写器315Aは、感光体ドラム311Aの周面に担持された黒色のトナー像を中間転写ベルト317の表面に転写する。
【0031】
クリーナ316Aは、中間転写ベルト317に対向した後の感光体ドラム311Aの周面に残留しているトナーを感光体ドラム311Aの周面から除去する。
【0032】
トナーホッパ321Aは、現像器314に補給すべき黒色のトナーを収納している。現像器314A内の黒色のトナーの量が少なくなると、トナーポッパ321Aから図示しない補給経路を経由して黒色のトナーが現像器314A内に補給される。
【0033】
プロセスステーション330A〜330Dは、現像器314A〜314D及びトナーホッパ321A〜321Dに互いに異なる色相のトナーを収納している点を除いて、同一の構成にされている。プロセスステーション330B〜330Dにおいてもプロセスステーション330Aと同様にしてシアン、マゼンタ、イエローのトナー像が、中間転写ベルト317の表面に転写される。プロセスステーション330A〜330Dを通過する間に中間転写ベルト317の表面には、イエロー、マゼンタ、シアン及び黒色のトナー像が順に重ね合わせて転写され、フルカラーのトナー像が形成される。
【0034】
モノクロプロセス部400は、スキャナ部200で読み取られた原稿の画像データ又は外部から入力された画像データに基づいて、モノクロ画像を形成する。モノクロプロセス部400は、感光体ドラム411、帯電器412、露光ユニット413、現像器414、クリーナ416及びトナーホッパ417を備えている。
【0035】
感光体ドラム411は、周面に感光層を備え、図1中で時計方向に回転する。帯電器412は、感光体ドラム411の周面を均一に帯電する。露光ユニット413は、画像データに基づいて変調されたレーザ光により、感光体ドラム411の周面を露光する。帯電器412による帯電を受けた感光体ドラム411の周面は、画像データに応じたレーザ光によって感光体ドラム411の軸方向に平行な主走査方向に露光される。レーザ光の露光により、感光体ドラム411の周面には、画像データを応じた静電潜像が形成される。
【0036】
現像器414は、静電潜像が形成された感光体ドラム411の周面に黒色のトナーを供給する。感光体ドラム411の周面の静電潜像は、黒色のトナーによってトナー像に現像される。
【0037】
転写器415(第2転写器)は、感光体ドラム411の周面に担持された黒色のトナー像を、感光体ドラム411との間を通過する用紙の表面に転写する。クリーナ416は、用紙に対向した後の感光体ドラム411の周面に残留しているトナーを感光体ドラム411の周面から除去する。
【0038】
トナーホッパ417は、現像器414に補給すべき黒色のトナーを収納している。現像器414内の黒色のトナーの量が少なくなると、トナーポッパ417から図示しない補給経路を経由して黒色のトナーが現像器414内に補給される。
【0039】
転写部500は、カラープロセス部300とモノクロプロセス部400との間に配置されている。転写部500は、上述の転写器415(第2転写器)に加えて、転写器501(第1転写器)及び搬送ベルト502、駆動ローラ503(第1ローラ)、従動ローラ504(第2ローラ)を備えている。転写器415(第2転写器)及び転写器501(第1転写器)は、柱状体の転写ローラであり、図1中時計方向及び反時計方向に回転自在にされている。転写器415(第2転写器)及び転写器501(第1転写器)は例えば金属製、あるいは導電性樹脂、もしくその組み合わせから構成され、板状であっても、ローラであってもよい。搬送手段は、搬送ベルト502と、複数のローラとして駆動ローラ503および従動ローラ504を含む。搬送ベルト502は、転写器415、転写器501、駆動ローラ503、従動ローラ504に架橋された無端ベルトである。無端ベルトは所定の抵抗値を有し、例えば1.0×108〜1013Ω・cmに設定されている。
【0040】
駆動ローラ503は、後述する駆動源(図示せず)に接続されており、図1中時計方向及び反時計方向に駆動される。一例として駆動源にはDCブラシレスモータやステッピングモータが使われる。カラープロセス部300が用いられるカラー画像形成時には、駆動ローラ503は図1中時計方向に駆動される。モノクロプロセス部400が用いられるモノクロ画像形成時には、駆動ローラ503は図1中反時計方向に駆動される。転写器415は、搬送ベルト502を挟んで感光体ドラム411の周面に圧接している。転写器501は、搬送ベルト502を挟んで中間転写ベルト317に圧接している。
【0041】
転写器501と中間転写ベルト317に挟まれた搬送ベルト502の一部が第1対向部512であり、第1対向部512の中間転写ベルト317に対向するオモテ面側領域が第1対向部512の対向面である。転写器501は、第1対向部512の対向面のベルト背面側に位置する。転写器415と感光体ドラム411に挟まれた搬送ベルト502の一部が第2対向部513であり、第2対向部513の感光体ドラム411に対向するオモテ面側領域が第2対向部513の対向面である。転写器415は、第2対向部513の対向面のベルト背面側に位置する。
【0042】
このように構成したことで、2つのプロセス部で搬送経路中の転写部を共通化することができ、その結果、転写機構のコンパクト化、搬送路を簡略化して部品点数削減、操作性向上が図れる。
【0043】
給紙部700(媒体供給部)には、一例として、給紙カセット701A〜701Dが装着されている。給紙カセット701A〜701Dのそれぞれは、単一サイズの所定枚数の用紙を収納している。給紙カセット701A〜701Dのそれぞれには、ピックアップローラ711、給紙ローラ712及び分離ローラ713が備えられる。ピックアップローラ711、給紙ローラ712及び分離ローラ713により、給紙カセット701A〜701Dの何れかから1枚ずつ用紙が第1主搬送路1100又は第2主搬送路1200に給紙される。
【0044】
カラー画像形成時には、転写器501が、第1主搬送路1100途中に設けられた第1対向部512を通過する用紙に中間転写ベルト317上のフルカラーのトナー像を転写する。モノクロ画像形成時には、転写器415が、第2主搬送路1200途中に設けられた第2対向部513を通過する用紙に感光体ドラム411の周面のモノクロトナー像を転写する。
【0045】
定着部600は、一対の定着ローラ601,602を備えている。定着ローラ601,602は、互いに圧接している。定着ローラ601,602は、トナー像が転写された用紙を加熱及び加圧してトナー像を用紙の表面に定着させる。
【0046】
定着部600を通過した用紙は、分岐部1300で分岐され、第1排紙搬送路1400を通過して第1排紙部800に排出されるか、又は、第2排紙搬送路1600を通過して第2排紙部900に排出される。カラー画像形成時に、第1排紙部800には画像面を下向きにして用紙が排出(フェイスダウン排出)され、第2排紙部900には画像面を上向きにして用紙が排出(フェイスアップ排出)される。モノクロ画像形成時に、第1排紙部800には画像面を上向きにして用紙が排出(フェイスアップ排出)され、第2排紙部900には画像面を下向きにして用紙が排出(フェイスダウン排出)される。
【0047】
用紙の両面に画像を形成する両面画像形成時には、定着部600を通過した片面画像形成済の用紙が第1排紙搬送路1400でスイッチバックされた後、第2排紙搬送路1600を通過して第2分岐部1500で副搬送路1700内に導かれる。
【0048】
第2分岐部1500に回動可能な排紙ゲート1501が設けられる。排紙ゲート1501の姿勢を切り替えて、第2排紙部900または副搬送路1700に向けて搬送方向を切り換える。
【0049】
図2(A)(B)(C)(D)に分岐部1300付近の拡大図を示す。
【0050】
分岐部1300の中央部近傍に、回転可能な3方向ゲート1301を備える。図2(A)は3方向ゲート1301の初期の状態を示している。3方向ゲート1301には、右、左、下の3方向に延伸する樹脂シート等の可撓性部材が設けられている。
【0051】
図2(B)は、定着部600から搬送されてきた用紙を第2排紙搬送路1600の方向に搬送するときの3方向ゲート1301の状態を示している。3方向ゲート1301は図2(A)に示す初期状態時計方向に回動し、定着部600から搬送されてきた定着済みの用紙を第2排紙搬送路1600へ誘導する。
【0052】
図2(C)は、定着部600から搬送されてきた用紙を第1排紙搬送路1400の方向に搬送するときの3方向ゲート1301の状態を示している。3方向ゲート1301は初期状態から反時計方向に回動し、定着部600から搬送されてきた定着済みの用紙を第1排紙搬送路1400へ誘導する。
【0053】
図2(D)は、第1排紙搬送路1400からスイッチバック搬送されてきた用紙を第2排紙搬送路1600の方向に搬送するときの3方向ゲート1301の状態を示している。3方向ゲート1301は初期状態から反時計方向に回動し、第2排紙搬送路1600からスイッチバック搬送されてきた用紙を第2排紙搬送路1600へ誘導する。
【0054】
本実施形態の画像形成装置は、上記第1分岐部1300、第2分岐部1500、第1排紙搬送路1400、第2排紙搬送路1600、副搬送路1700を備えることにより、カラー画像形成時、モノクロ画像形成時において用紙のフェイスダウン排出とフェイスアップ排出を行うことができ、更に用紙の両面画像形成が可能である。
【0055】
図3(A)(B)(C)(D)に両面画像形成時の用紙搬送の状態を示す。
【0056】
図3(A)にカラープロセス部300またはモノクロプロセス部400で画像形成を完了し、定着部600から搬送されてきた定着済みの用紙Sを示す。3方向ゲート1301は初期状態から反時計方向に回動し、定着部600から搬送されてきた前述の用紙Sを第1排紙搬送路1400へ誘導する。第1排紙搬送路1400の途中には図示しない搬送ローラが備えられており、用紙Sを図中左方向に搬送する。排紙ゲート1501は、用紙Sを副搬送路1700に誘導する姿勢で待機している。用紙Sの後端が分岐部1300を通過したことを検知センサ(図示せず)で検出すると、前述の第1排紙搬送路1400の搬送ローラの搬送方向を切り換えて、用紙Sを第2排紙搬送路1600に向けて搬送する(スイッチバック)。そのときの用紙Sの状態を図3(B)に示す。次に、用紙Sが第2分岐部1500に到達すると、用紙Sは排紙ゲート1501により副搬送路1700に向けられる。そのときの用紙Sの状態を図3(C)に示す。そして、用紙Sは再度プロセス部に向かって搬送される。そのときの用紙Sの状態を図3(D)に示す。用紙Sの画像形成されていない側の面にカラープロセス部300もしくはモノクロプロセス部400にて画像形成が行われて、両面画像形成された用紙Sは最終的に第1排紙部800もしくは第2排紙部900に排紙される。
【0057】
図4は、この発明の実施形態に係る電気ブロック図を示す図である。
【0058】
制御部110は、スキャナ部200、カラープロセス部300、モノクロプロセス部400、転写部500、定着部600、給紙部700、第1排紙部800、第2排紙部900に接続されており、各部の動作を制御する。
【0059】
図5は、この発明の実施形態に係る転写部500の詳細な構成を示す図である。
【0060】
転写部500は転写手段514を備える。転写手段514は、第1対向部512または第2対向部513に搬送された用紙にトナー像を転写するものであり、転写器415(第2転写器)、転写器501(第1転写器)を含む。
【0061】
高圧電源508は、その出力端子が転写器501及び転写器415に接続され、これらの転写器に対して高圧電圧を共通して印加する。このようにすることで、第1及び第2転写器501,415に対して高圧出力が共有化できるので、高圧電源の出力トランスを共有化でき、高圧電源の回路規模が抑制できる。
【0062】
駆動ローラ503は駆動源であるモータ511に接続され、可逆回転可能となっている。
【0063】
駆動ローラ503は搬送ベルト502による用紙搬送方向の下流側に配置され、接地される。また従動ローラ504は、搬送ベルト502による用紙搬送方向の上流側に配置され、電気的にフロート状態に設定されている。このようにすることで、転写の終了した後の搬送ベルト502の表面電位を接地電位付近まで低下させることができ、搬送ベルト502に静電吸着して搬送されている用紙が容易に搬送ベルト502から剥離できるようになる。また第2ローラ504は搬送方向の上流側に配置され、電気的にフロート状態に設定されている。フロート状態とは特定の電位を有する電気回路に接続されておらず、接地もされていないことを指す。上流側のローラをフロート状態とすることで、高圧電源508から転写器501もしくは転写器415を介して搬送ベルト502上流方向に移動した電荷の発生する電界により、給紙部700から供給された用紙を搬送ベルト502に静電吸着して、用紙の安定した搬送が可能になる。
【0064】
支持部材505は転写器501及び転写器415を回転可能に支持するもので、転写器501及び転写器415の略中央位置に設けられる。支持部材505は第1移動軸505a、第2移動軸505b、支持軸505cを含む。詳説すると、転写器501及び転写器415の間に位置する第1移動軸505aにより転写器501及び転写器415を回転可能に支持し、第1移動軸505aの長手方向中央部に第2移動軸505bが設けられている。第2移動軸505bに移動部材であるソレノイドA506とソレノイドB507が接続され、図中の左右方向に移動可能となっている。
【0065】
移動部材は画像形成を行うプロセス部に対応して転写器501及び転写器415を移動させ、第1若しくは第2プロセス部のいずれか一方の画像形成を行うプロセス部に無端ベルト502を圧接し、画像形成を行わないプロセス部から無端ベルト502を離間する。
【0066】
第1移動軸505a中央から支持軸505cが図5手前方向および奥方向に延設されており、画像形成装置100のフレームの一部に設けた長穴505dによって支持軸505cを支持する。支持部材505は長穴505dの長手方向に沿って、ソレノイドA506、ソレノイドB507の駆動力により移動する。
【0067】
ソレノイドA506、ソレノイドB507による転写器501及び転写器415の圧接力は、画像情報を記録媒体に転写可能な転写領域(ニップ幅)(転写ニップ)が形成される圧接力としている。
【0068】
レジストローラ714は転写部500に搬入する用紙を整合する。
【0069】
切換手段(第1ゲート)509および変更手段(第2ゲート)510については後述する。
【0070】
図6、図7は移動部材により転写器501及び転写器415を移動させた状態を示す図である
カラープロセス部300でトナー像を形成し、用紙に転写を行う状態を図6に示す。制御部110はソレノイドA506をオン(通電)しソレノイドB507をオフ(遮断)することにより支持部材505を図6中左方向に移動させ、転写器501を搬送ベルト502を介して中間転写ベルト317に圧接させると同時に転写器415を感光体ドラム411から離間させる。このようにすることで、支持部材505と移動部材506,507は2つの転写器501,415で共有することができ、転写器501,415を移動させるための機構、および移動させるための制御が簡素化できる。また、転写器501,415の移動前後および移動期間中に搬送ベルト502の張力は常に一定に維持され、たるみが生じることが無い。
【0071】
そして、制御部110は駆動ローラ503を図6中、時計方向に回転するようモータ511を制御する。このとき、切換手段である第1ゲート509は反時計方向に回動して、給紙部700から給紙されレジストローラ714で整合された用紙を搬送ベルト502の左方向に搬送方向を切換え、第1対向部512に向けて用紙を搬送する。このようにすることで、1つの転写部を2つのプロセス部で共有する際の搬送機構の駆動機構および駆動制御が簡素化できる。
【0072】
また変更手段である第2ゲート510は反時計方向に回動して、第1対向部を通過し転写工程を終了した用紙の搬送方向を、定着ローラ601,602の圧接位置よりも定着ローラ601により近い方向に変更する。カラープロセス部での画像形成時に制御部110は、定着ローラ601の内部に備えられたヒータ603に通電し、所定温度まで昇温した定着ローラ601表面により用紙上のトナーを定着する。このように用紙の搬送方向を定着ローラ601,602の圧接位置よりも定着ローラ601により近い方向に変更することで、定着ローラ601,602の圧接位置に突入する前に定着ローラ601の発する熱を予め用紙に与えておくことができ、定着性が向上する。
【0073】
次に、モノクロプロセス部400でトナー像を形成し、用紙に転写を行う状態を図7に示す。ソレノイドA506をオフしソレノイドB507をオンすると、支持部材505を図7中右方向に移動させ、転写器501を中間転写ベルト317から離間させると同時に転写器415を搬送ベルト502を介して感光体ドラム411に圧接する。
【0074】
そして、制御部110は駆動ローラ503を図7中、反時計方向に回転するようモータ511を制御する。このとき、切換手段である第1ゲート509は時計方向に回動して、給紙部700から給紙されレジストローラ714で整合された用紙を搬送ベルト502の右方向に搬送方向を切換え、第2対向部513に向けて用紙を搬送する。
【0075】
また変更手段である第2ゲート510は時計方向に回動して、第2対向部513を通過し転写工程を終了した用紙の搬送方向を、定着ローラ601,602の圧接位置よりも定着ローラ602により近い方向に変更する。モノクロプロセス部400での画像形成時に制御部110は定着ローラ602の内部に備えられたヒータ604に通電し、所定温度まで昇温した定着ローラ602表面により用紙上のトナーを定着する。このように用紙の搬送方向を定着ローラ601,602の圧接位置よりも定着ローラ602により近い方向に変更することで、定着ローラ601,602の圧接位置に突入する前に定着ローラ602の発する熱を予め用紙に与えておくことができ、定着性が向上する。
【0076】
転写器415を感光体ドラム411から離間させたときの搬送ベルト502と感光体ドラム411の距離は、感光体ドラム411に残留するトナーを転写器415の発生する電界で搬送ベルト502に転写させず、電界に起因する電荷を感光体ドラム411に付与しない距離とする。同様に転写器501を中間転写ベルト317から離間させたときの、搬送ベルト502と中間転写ベルト317との距離は、中間転写ベルト317に残留するトナーを転写器501の発生する電界で搬送ベルト502に転写させず、電界に起因する電荷を中間転写ベルト317に付与しない距離とする。いずれの距離も具体的には3〜5mmが好適である。このようにすることで、転写器501および転写器415へ転写電圧を共通して印加したときに、2つの転写器501、415の両方から同時に電界が発生しても、転写工程を行わない方のプロセス部および、転写工程を行わない方の搬送ベルト502に対して、「無用な電荷をプロセス部に付与する」「転写を行わない側のプロセス部に残留していたトナーが搬送ベルト502に転写して、搬送ベルト502をトナーで汚染する」といった悪影響を与えることを防止できる。
【0077】
カラープロセス部300とモノクロプロセス部400は印字処理速度が異なり、モノクロプロセス部400の方がカラープロセス部300よりも印字処理速度が速く設定されている。プロセス部それぞれの各印字処理速度に合致するように、制御部110はモータ511を制御して、搬送ベルト502の搬送速度を制御する。
【0078】
図8に制御部110によって実行される画像形成装置100の制御フローを示す。
【0079】
画像形成装置に対する印字要求を検出する(S10)と,印字要求がモノクロ印字かカラー印字かを判断する(S20)。カラー印字と判断したら、定着ローラ601の表面温度の制御(ヒータ603の通電制御)を開始する(S25)。第1ゲート509および第2ゲート510を図6に示す位置に移動させ(S30)、ソレノイドA506をオン、ソレノイドB507をオフし転写器501を搬送ベルト502を介して中間転写ベルト317に圧接する(S40)。次に駆動ローラ503を時計方向に回転させ、搬送ベルト502の搬送速度をカラープロセス部300の印字処理速度と一致するよう、モータ511の回転方向および回転速度を設定する(S50)。操作者により予めフェイスダウン排出が指示されていた場合、定着済み用紙を第1排紙部800に誘導するため、3方向ゲート1301を図2(A)に示す初期状態から反時計方向に回転して図2(C)に示す状態に切り換える。操作者により予めフェイスアップ排出が指示されていた場合、定着済み用紙を第2排紙部900に誘導するため、3方向ゲート1301を図2(A)に示す初期状態から時計方向に回転して図2(B)に示す状態に切り換える(S55)。そして用紙1ページ分のカラー印字処理を実行する(S60)。次ページの印字要求の有無を確認し(S70)、印字要求があれば再度S20に戻り印字処理を続行する。印字要求が無ければS10に戻り次の印字要求が有るまで待機する。
【0080】
一方S20でモノクロ印字と判断したら、定着ローラ602の表面温度の制御(ヒータ604の通電制御)を開始する(S80)。第1ゲート509および第2ゲート510を図7に示す位置に移動させ(S90)、ソレノイドA506をオフ、ソレノイドB507をオフし転写器415を搬送ベルト502を介して感光体ドラム411の周面に圧接する(S100)。次に駆動ローラ503を反時計方向に回転させ、搬送ベルト502の搬送速度をモノクロプロセス部400の印字処理速度と一致するよう、モータ511の回転方向と回転速度を設定する(S110)。操作者により予めフェイスダウン排出が指示されていた場合、定着済み用紙を第2排紙部900に誘導するため、3方向ゲート1301を図2(A)に示す初期状態から時計方向に回転して図2(B)に示す状態に切り換える。操作者により予めフェイスアップ排出が指示されていた場合、定着済み用紙を第1排紙部800に誘導するため、3方向ゲート1301を図2(A)に示す初期状態から反時計方向に回転して図2(C)に示す状態に切り換える(S115)。そして用紙1ページ分のモノクロ印字処理を実行する(S120)。次ページの印字要求の有無を確認し(S130)、印字要求があれば再度S20に戻り印字処理を続行する。印字要求が無ければS10に戻り次の印字要求が有るまで待機する。
【0081】
図9、図10は、この発明の他の実施形態に係る画像形成装置の転写部500の詳細な構成を示す図である。
【0082】
転写部500は、転写器515、転写器515を回転可能に支持する支持部材であるアーム516、アーム516に連結され、転写器515を移動させる移動部材であるモータ517、搬送ベルト502、高圧電源508、駆動ローラ503、従動ローラ504を含む。転写器515は例として転写ローラである。なお転写器515は導電性の部材であり、ローラであっても板状であっても良い。搬送ベルト502、高圧電源508、駆動ローラ503、従動ローラ504については前述の説明と同様の機能を備えるので説明を省略する。
【0083】
カラープロセス部300でトナー像を形成し、用紙に転写を行う状態を図9に示す。モータ517を時計方向に回転させ、転写器515の支持されたアーム516端部を図9中左方向に移動させ、転写器515を搬送ベルト502を介して中間転写ベルト317に圧接させると同時に転写器515を感光体ドラム411から離間させる。そして、第1対向部512に搬送されてきた用紙に中間転写ベルト317のトナー像を転写する。
【0084】
モノクロプロセス部400でトナー像を形成し、用紙に転写を行う状態を図10に示す。モータ517を反時計方向に回転させ、転写器515の支持されたアーム516端部を図10中右方向に移動させ、転写器515を中間転写ベルト317から離間させると同時に転写器515を搬送ベルト502を介して感光体ドラム411に圧接する。そして、第2対向部513に搬送されてきた用紙に感光体ドラム411のトナー像を転写する。このように、転写器515を2つのプロセス部で共用することにより、転写機構のコンパクト化、簡素化を実現することができる。
【0085】
図11に上記他の実施形態の画像形成装置において制御部110によって実行される制御フローを示す。図8と同一の符号を付したステップについては前述の通りであり、説明を省略する。図8と異なる符号を付したステップであるS200、S210について以下に説明する。S200はカラー画像形成時に、モータ517を時計方向に回転させ、転写器515の支持されたアーム516端部を図9中左方向に移動させることを示す。S210はモノクロ画像形成時に、モータ517を反時計方向に回転させ、転写器515の支持されたアーム516端部を図10中右方向に移動させることを示す。
【0086】
本発明の構成は以上の通りであるが、上記構成以外に、カラープロセス部が1つの感光体ドラムに対して4つの現像器を備え、中間転写ベルト317上で4色の重ね合わせを行う方式(4回転プロセス方式)であっても良い。また、カラープロセス部が1つの感光体ドラムに対して4つの現像器を備え、感光体上で4色の画像情報の重ね合わせを行い、感光体上に重ね合わせられた画像情報を1回の転写工程で用紙に転写する方式であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】この発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図2】上記画像形成装置の3方向ゲート1301の動作を示す図である。
【図3】上記画像形成装置の両面画像形成時の用紙搬送状態を示す図である。
【図4】上記画像形成装置のブロック図である。
【図5】上記画像形成装置の転写部の詳細構成を示す図である。
【図6】上記画像形成装置のカラー画像形成時の実施形態の動作を示す図である。
【図7】上記画像形成装置のモノクロ画像形成時の実施形態の動作を示す図である。
【図8】上記画像形成装置のカラーおよびモノクロ画像形成時の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】この発明の他の実施形態に係る画像形成装置においてカラー画像形成時の実施形態の動作を示す図である。
【図10】この発明の他の実施形態に係る画像形成装置においてモノクロ画像形成時の実施形態の動作を示す図である。
【図11】この発明の他の実施形態に係る画像形成装置においてカラーおよびモノクロ画像形成時の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0088】
100−画像形成装置
200−スキャナ部
300−カラープロセス部(第1プロセス部)
400−モノクロプロセス部(第2プロセス部)
500−転写部
600−定着部
700−給紙部(媒体供給部)
800−第1排紙部
900−第2排紙部
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体上に画像情報を形成する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、カラー画像を形成する画像形成方法として、電子写真方式を用いた画像形成方法と、インクジェット方式を用いた画像形成方法とがある。このうち、電子写真方式では、現像剤を加熱及び加圧して用紙上に強制的に定着させるために高速化に適し、比較的安価な現像剤を使用するためにランニングコストが安価になるという利点がある反面、熱可塑性を有する樹脂粉末に顔料又は染料を混入させた現像剤を用紙に転写した後に加熱して定着させるために樹脂粉末の透明度の影響や定着時の高温化による色相の変化によって色の再現性が低いという欠点がある。一方、インクジェット方式では、透明性の高い液体インクを高温に加熱することなく画像を形成するものであるために色の再現性に優れているという利点がある反面、インクの乾燥に長時間を必要とするために高速化に適さず、比較的高価なインクを使用するためにランニングコストが高騰する欠点がある。
【0003】
また、一般に用紙上に形成されるカラー画像情報としては、フルカラー画像情報よりも、書類等の文字画像の一部に挿入される印章、イラスト及びグラフ等の単色又は複数色の部分カラー画像情報が多い。
【0004】
これらの画像形成方式毎の特性やカラー画像の使用状況を考慮して、従来の画像形成装置では、電子写真方式等の現像剤方式の画像形成を行なう画像形成部とインクジェット方式等のインク方式の画像形成を行なう画像形成部とを併設し、現像剤方式の画像形成部において白黒の画像形成を行なうとともにインク方式の画像形成部においてカラーの画像形成を行なうようにした「複合化画像形成装置」が提案されている。
【特許文献1】特開平08−183174号公報
【特許文献2】特開2002−192708号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、業務効率の改善のために、画像形成装置の画像形成速度の高速化の要求が高まっている。ここでインクジェット方式のプリンタは、印字速度が遅く、印字直後のインクが乾燥してなくニジミの発生が生じるという画像形成原理に起因する問題があるため高速化には適していない。
【0006】
ユーザの高速化処理の期待は、主として“モノクロ印字”での要求が多く、軽印刷分野の領域である100枚/分(A4横搬送)以上の要求がある。
【0007】
このような高速化はインクジェット手法では困難であり、電子写真方式を採用する必要がある。
【0008】
また上述の先行資料のようにインクジェット方式のカラープリンタと電子写真方式のモノクロプリンタの組み合わせとすると、カラー印字画像とモノクロ印字画像を記録紙上で見比べた際に印字画像の視感性に相違があり、そのような印刷物は市場に受入れられ難いものであった。そこで電子写真方式によるカラープリンタと、前記カラープリンタより高速な電子写真方式によるモノクロ専用プリンタを一体化し、モノクロ印字の高速化、及びカラー印字を行うことも考えられ、そのような複合化画像形成装置を製造することも可能と考えられる。しかし、単に電子写真方式のカラープリンタと、電子写真方式のモノクロプリンタを一体化するだけでは、装置が大型化し、部品点数が増大して高価な装置となる。更に用紙搬送路が複雑化し、ジャム紙の取り除き操作などの操作性を低下させることとなる。
【0009】
この発明の目的は、搬送経路中の転写部を共通化して転写機構のコンパクト化を実現し、搬送路を簡略化して部品点数削減、操作性向上を実現した複合化画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の画像形成装置は、媒体供給部と、第1および第2プロセス部と、転写部とを備える。
【0011】
媒体供給部は記録媒体を供給する。第1および第2プロセス部は、顕像化された画像情報、たとえばトナー像(トナー像)を形成する装置であり、各々が対向して配置される。転写部は、前記第1および第2プロセス部の間に位置し、前記媒体供給部から供給された記録媒体に前記第1および第2プロセス部のいずれかのプロセス部で形成された前記画像情報を転写する。記録媒体とは例えば普通紙、再生紙、OHPシート、はがき等の厚紙、封筒などである。このように構成したことで、2つのプロセス部で搬送経路中の転写部を共通化することができ、その結果、転写機構のコンパクト化、搬送路を簡略化して部品点数削減、操作性向上が図れる。
【0012】
本発明の画像形成装置は、転写部に第1及び第2対向部と、搬送手段と、転写手段とを備える。第1及び第2対向部は、画像情報を受取るために第1及び第2プロセス部に対向する対向面を有する。搬送手段は、媒体供給部から供給された記録媒体を第1もしくは第2対向部に搬送する。転写手段は、前記対向面の背面側に配置され、第1もしくは第2対向部に搬送された記録媒体に画像情報を転写する。転写手段は、例えば高圧電源に接続され、高圧電圧により転写電界を発生する転写器であり、転写器は例えば金属製、あるいは導電性樹脂であり、板状であっても、ローラであってもよい。前記搬送手段としては、無端ベルトと複数のローラとを含むように構成できる。複数のローラは、無端ベルトを架橋および駆動する。そして転写手段は、無端ベルトの背面に配置される。
【0013】
本発明の画像形成装置は制御部を備える。第1および第2プロセス部が、印字処理速度が異なるよう構成されており、制御部は、搬送手段の搬送速度を、第1および第2プロセス部のそれぞれ異なる印字処理速度に合致するように制御する。
【0014】
本発明の画像形成装置では、前記複数ローラは第1ローラと、第2ローラとで構成される。第1ローラは、媒体供給部から供給される記録媒体の搬送方向の下流側に配置され、接地される。このようにすることで、転写の終了した後の無端ベルトの表面電位を接地電位付近まで低下させることができ、無端ベルトに静電吸着して搬送されている記録媒体が容易に無端ベルトから剥離できるようになる。また第2ローラは搬送方向の上流側に配置され、電気的にフロート状態に設定されている。フロート状態とは特定の電位を有する電気回路に接続されておらず、接地もされていないことを指す。上流側のローラをフロート状態とすることで、高圧電源から転写器を介して無端ベルト上流方向に移動した電荷の発生する電界により、媒体供給部から供給された記録媒体を無端ベルトに静電吸着して、記録媒体の安定した搬送が可能になる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は2つのプロセス部が1つの転写部を共通利用することで、(1)転写機構のコンパクト化、(2)搬送路の簡略化、(3)部品点数削減といった効果を奏し、小型で安価な複合型画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、この発明の最良の実施形態に係る画像形成装置を図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、この発明の実施形態に係る画像形成装置100の概略の構成を示す図である。画像形成装置100は、スキャナ部200、カラープロセス部(第1プロセス部)300、モノクロプロセス部(第2プロセス部)400、転写部500、定着部600、給紙部700(媒体供給部)、第1排紙部800、第2排紙部900を含む。
【0017】
一例として、スキャナ部200は、画像形成装置100の最上部に配置されている。カラープロセス部300及びモノクロプロセス部400は、画像形成装置100の中間部に横方向に並べて対向して配置されている。転写部500と定着部600とは、カラープロセス部300とモノクロプロセス部400との間に配置されている。定着部600は、転写部500の上方に配置されている。給紙部700は、画像形成装置100の最下部に配置されており、種々の記録媒体を貯留し画像形成時に前記プロセス部に向けて記録媒体を供給する。記録媒体とは例えば普通紙、再生紙、OHPシート、はがき等の厚紙、封筒などである。記録媒体は実施例では「用紙」とも記載する。第1排紙部800は、スキャナ部200とカラープロセス部300との間に配置されている。第2排紙部900は、モノクロプロセス部400の右側に配置されている。
【0018】
給紙部700から転写部500及び定着部600を経由して第1分岐部1300に至る間に第1主搬送路1100及び第2主搬送路1200が形成されている。第1主搬送路1100は、転写部500のカラープロセス部300側を通過する。第2主搬送路1200は、転写部500のモノクロプロセス部400側を通過する。
【0019】
第1分岐部1300から第1排紙部800に至る間に第1排紙搬送路1400が形成されている。第1分岐部1300から第2分岐部1500を経由して第2排紙部900に至る間に第2排紙搬送路1600が形成されている。第2分岐部1500から給紙部700と転写部500との間には、副搬送路1700が形成されている。
【0020】
第1主搬送路1100と第2主搬送路1200とは、転写部500とその前後を除いて共通の経路を通過する。
【0021】
スキャナ部200は、第1原稿台201、第2原稿台202、第1ミラーベース203、第2ミラーベース204、レンズ205及びCCDセンサ206を備えている。第1原稿台201及び第2原稿台202は、硬質ガラス体によって構成されている。第1原稿台201の上面には、画像を読み取るべき原稿が、手動操作により、又は、図示しない原稿自動送り装置により載置される。第2原稿台202の上面には、図示しない原稿自動送り装置により、画像読み取るべき原稿が通過する。
【0022】
第1ミラーベース203は、ランプ207及び第1ミラー208を搭載している。第2ミラーベース204は、第2ミラー209及び第3ミラー210を搭載している。第1原稿台201の上面に載置された原稿の画像を読み取る時には、第1ミラーベース203及び第2ミラーベース204が第1原稿台201の下面に沿って水平方向に移動する。このとき、第2ミラーベース204は、第1ミラーベース203の速度の1/2の速度で移動する。第2原稿台201の上面を通過する原稿の画像を読み取る時には、第21ミラーベース203は、第2原稿台202の下方の位置に停止している。
【0023】
ランプ207は、原稿の画像面に光を照射する。ミラー208〜210は、原稿の画像面における反射光をレンズ205に向けて偏向する。ミラー205は、反射光をCCDセンサ206の受光面に結像させる。CCD206は、受光した光の光量に応じた受光信号を出力する。受光信号は、後述の制御部110においてディジタルデータに変換された後、所定の画像処理を施されて画像データとして格納される。
【0024】
カラープロセス部300は、スキャナ部200で読み取られたカラー原稿の画像データ又は外部から入力されたカラー画像データに基づいて、カラー画像を形成する。カラープロセス部300は、感光体ドラム311A〜311D、帯電器312A〜312D、露光ユニット313、現像器314A〜314D、転写器315A〜315D、クリーナ316A〜316D、中間転写ベルト317、トナーポッパ321A〜321Dを備えている。
【0025】
カラープロセス部300には、それぞれ異なる色相の画像を形成する4つのプロセスステーション330A〜330Dが形成されている。プロセスステーション330A〜330Dのそれぞれは、黒色、減法混色の三原色であるシアン、マゼンタ及びイエローの色相のそれぞれの画像を形成する。
【0026】
黒色の画像を形成するプロセスステーション330Aは、感光体ドラム311A、帯電器312A、現像器314A、転写器315A、クリーナ316A、トナーポッパ321Aを含む。感光体ドラム311Aは、周面に感光層を備え、図1中で時計方向に回転する。帯電器312Aは、感光体ドラム311Aの周面を均一に帯電する。
【0027】
露光ユニット313は、各色相の画像データに基づいて変調されたレーザ光により、感光体ドラム311A〜311Dのそれぞれを露光する。帯電器312Aによる帯電を受けた感光体ドラム311Aの周面は、黒色の画像データに応じたレーザ光によって感光体ドラム311の軸方向に平行な主走査方向に露光される。レーザ光の露光により、感光体ドラム311Aの周面には、黒色の画像データを応じた静電潜像が形成される。
【0028】
現像器314Aは、静電潜像が形成された感光体ドラム311Aの周面に黒色のトナーを供給する。感光体ドラム311Aの周面の静電潜像は、黒色のトナーによってトナー像に現像される。
【0029】
中間転写ベルト317は、駆動ローラ318、従動ローラ319及びテンションローラ320によって張架された無端ベルトである。中間転写ベルト317は、駆動ローラ319の回転により、プロセスステーション330D、プロセスステーション330C、プロセスステーション330B及びプロセスステーション330Aをこの順に経由して循環する。
【0030】
プロセスステーション330Aにおいて、中間転写ベルト317は、感光体ドラム311Aと転写器315Aとの間を通過する。転写器315Aは、感光体ドラム311Aの周面に担持された黒色のトナー像を中間転写ベルト317の表面に転写する。
【0031】
クリーナ316Aは、中間転写ベルト317に対向した後の感光体ドラム311Aの周面に残留しているトナーを感光体ドラム311Aの周面から除去する。
【0032】
トナーホッパ321Aは、現像器314に補給すべき黒色のトナーを収納している。現像器314A内の黒色のトナーの量が少なくなると、トナーポッパ321Aから図示しない補給経路を経由して黒色のトナーが現像器314A内に補給される。
【0033】
プロセスステーション330A〜330Dは、現像器314A〜314D及びトナーホッパ321A〜321Dに互いに異なる色相のトナーを収納している点を除いて、同一の構成にされている。プロセスステーション330B〜330Dにおいてもプロセスステーション330Aと同様にしてシアン、マゼンタ、イエローのトナー像が、中間転写ベルト317の表面に転写される。プロセスステーション330A〜330Dを通過する間に中間転写ベルト317の表面には、イエロー、マゼンタ、シアン及び黒色のトナー像が順に重ね合わせて転写され、フルカラーのトナー像が形成される。
【0034】
モノクロプロセス部400は、スキャナ部200で読み取られた原稿の画像データ又は外部から入力された画像データに基づいて、モノクロ画像を形成する。モノクロプロセス部400は、感光体ドラム411、帯電器412、露光ユニット413、現像器414、クリーナ416及びトナーホッパ417を備えている。
【0035】
感光体ドラム411は、周面に感光層を備え、図1中で時計方向に回転する。帯電器412は、感光体ドラム411の周面を均一に帯電する。露光ユニット413は、画像データに基づいて変調されたレーザ光により、感光体ドラム411の周面を露光する。帯電器412による帯電を受けた感光体ドラム411の周面は、画像データに応じたレーザ光によって感光体ドラム411の軸方向に平行な主走査方向に露光される。レーザ光の露光により、感光体ドラム411の周面には、画像データを応じた静電潜像が形成される。
【0036】
現像器414は、静電潜像が形成された感光体ドラム411の周面に黒色のトナーを供給する。感光体ドラム411の周面の静電潜像は、黒色のトナーによってトナー像に現像される。
【0037】
転写器415(第2転写器)は、感光体ドラム411の周面に担持された黒色のトナー像を、感光体ドラム411との間を通過する用紙の表面に転写する。クリーナ416は、用紙に対向した後の感光体ドラム411の周面に残留しているトナーを感光体ドラム411の周面から除去する。
【0038】
トナーホッパ417は、現像器414に補給すべき黒色のトナーを収納している。現像器414内の黒色のトナーの量が少なくなると、トナーポッパ417から図示しない補給経路を経由して黒色のトナーが現像器414内に補給される。
【0039】
転写部500は、カラープロセス部300とモノクロプロセス部400との間に配置されている。転写部500は、上述の転写器415(第2転写器)に加えて、転写器501(第1転写器)及び搬送ベルト502、駆動ローラ503(第1ローラ)、従動ローラ504(第2ローラ)を備えている。転写器415(第2転写器)及び転写器501(第1転写器)は、柱状体の転写ローラであり、図1中時計方向及び反時計方向に回転自在にされている。転写器415(第2転写器)及び転写器501(第1転写器)は例えば金属製、あるいは導電性樹脂、もしくその組み合わせから構成され、板状であっても、ローラであってもよい。搬送手段は、搬送ベルト502と、複数のローラとして駆動ローラ503および従動ローラ504を含む。搬送ベルト502は、転写器415、転写器501、駆動ローラ503、従動ローラ504に架橋された無端ベルトである。無端ベルトは所定の抵抗値を有し、例えば1.0×108〜1013Ω・cmに設定されている。
【0040】
駆動ローラ503は、後述する駆動源(図示せず)に接続されており、図1中時計方向及び反時計方向に駆動される。一例として駆動源にはDCブラシレスモータやステッピングモータが使われる。カラープロセス部300が用いられるカラー画像形成時には、駆動ローラ503は図1中時計方向に駆動される。モノクロプロセス部400が用いられるモノクロ画像形成時には、駆動ローラ503は図1中反時計方向に駆動される。転写器415は、搬送ベルト502を挟んで感光体ドラム411の周面に圧接している。転写器501は、搬送ベルト502を挟んで中間転写ベルト317に圧接している。
【0041】
転写器501と中間転写ベルト317に挟まれた搬送ベルト502の一部が第1対向部512であり、第1対向部512の中間転写ベルト317に対向するオモテ面側領域が第1対向部512の対向面である。転写器501は、第1対向部512の対向面のベルト背面側に位置する。転写器415と感光体ドラム411に挟まれた搬送ベルト502の一部が第2対向部513であり、第2対向部513の感光体ドラム411に対向するオモテ面側領域が第2対向部513の対向面である。転写器415は、第2対向部513の対向面のベルト背面側に位置する。
【0042】
このように構成したことで、2つのプロセス部で搬送経路中の転写部を共通化することができ、その結果、転写機構のコンパクト化、搬送路を簡略化して部品点数削減、操作性向上が図れる。
【0043】
給紙部700(媒体供給部)には、一例として、給紙カセット701A〜701Dが装着されている。給紙カセット701A〜701Dのそれぞれは、単一サイズの所定枚数の用紙を収納している。給紙カセット701A〜701Dのそれぞれには、ピックアップローラ711、給紙ローラ712及び分離ローラ713が備えられる。ピックアップローラ711、給紙ローラ712及び分離ローラ713により、給紙カセット701A〜701Dの何れかから1枚ずつ用紙が第1主搬送路1100又は第2主搬送路1200に給紙される。
【0044】
カラー画像形成時には、転写器501が、第1主搬送路1100途中に設けられた第1対向部512を通過する用紙に中間転写ベルト317上のフルカラーのトナー像を転写する。モノクロ画像形成時には、転写器415が、第2主搬送路1200途中に設けられた第2対向部513を通過する用紙に感光体ドラム411の周面のモノクロトナー像を転写する。
【0045】
定着部600は、一対の定着ローラ601,602を備えている。定着ローラ601,602は、互いに圧接している。定着ローラ601,602は、トナー像が転写された用紙を加熱及び加圧してトナー像を用紙の表面に定着させる。
【0046】
定着部600を通過した用紙は、分岐部1300で分岐され、第1排紙搬送路1400を通過して第1排紙部800に排出されるか、又は、第2排紙搬送路1600を通過して第2排紙部900に排出される。カラー画像形成時に、第1排紙部800には画像面を下向きにして用紙が排出(フェイスダウン排出)され、第2排紙部900には画像面を上向きにして用紙が排出(フェイスアップ排出)される。モノクロ画像形成時に、第1排紙部800には画像面を上向きにして用紙が排出(フェイスアップ排出)され、第2排紙部900には画像面を下向きにして用紙が排出(フェイスダウン排出)される。
【0047】
用紙の両面に画像を形成する両面画像形成時には、定着部600を通過した片面画像形成済の用紙が第1排紙搬送路1400でスイッチバックされた後、第2排紙搬送路1600を通過して第2分岐部1500で副搬送路1700内に導かれる。
【0048】
第2分岐部1500に回動可能な排紙ゲート1501が設けられる。排紙ゲート1501の姿勢を切り替えて、第2排紙部900または副搬送路1700に向けて搬送方向を切り換える。
【0049】
図2(A)(B)(C)(D)に分岐部1300付近の拡大図を示す。
【0050】
分岐部1300の中央部近傍に、回転可能な3方向ゲート1301を備える。図2(A)は3方向ゲート1301の初期の状態を示している。3方向ゲート1301には、右、左、下の3方向に延伸する樹脂シート等の可撓性部材が設けられている。
【0051】
図2(B)は、定着部600から搬送されてきた用紙を第2排紙搬送路1600の方向に搬送するときの3方向ゲート1301の状態を示している。3方向ゲート1301は図2(A)に示す初期状態時計方向に回動し、定着部600から搬送されてきた定着済みの用紙を第2排紙搬送路1600へ誘導する。
【0052】
図2(C)は、定着部600から搬送されてきた用紙を第1排紙搬送路1400の方向に搬送するときの3方向ゲート1301の状態を示している。3方向ゲート1301は初期状態から反時計方向に回動し、定着部600から搬送されてきた定着済みの用紙を第1排紙搬送路1400へ誘導する。
【0053】
図2(D)は、第1排紙搬送路1400からスイッチバック搬送されてきた用紙を第2排紙搬送路1600の方向に搬送するときの3方向ゲート1301の状態を示している。3方向ゲート1301は初期状態から反時計方向に回動し、第2排紙搬送路1600からスイッチバック搬送されてきた用紙を第2排紙搬送路1600へ誘導する。
【0054】
本実施形態の画像形成装置は、上記第1分岐部1300、第2分岐部1500、第1排紙搬送路1400、第2排紙搬送路1600、副搬送路1700を備えることにより、カラー画像形成時、モノクロ画像形成時において用紙のフェイスダウン排出とフェイスアップ排出を行うことができ、更に用紙の両面画像形成が可能である。
【0055】
図3(A)(B)(C)(D)に両面画像形成時の用紙搬送の状態を示す。
【0056】
図3(A)にカラープロセス部300またはモノクロプロセス部400で画像形成を完了し、定着部600から搬送されてきた定着済みの用紙Sを示す。3方向ゲート1301は初期状態から反時計方向に回動し、定着部600から搬送されてきた前述の用紙Sを第1排紙搬送路1400へ誘導する。第1排紙搬送路1400の途中には図示しない搬送ローラが備えられており、用紙Sを図中左方向に搬送する。排紙ゲート1501は、用紙Sを副搬送路1700に誘導する姿勢で待機している。用紙Sの後端が分岐部1300を通過したことを検知センサ(図示せず)で検出すると、前述の第1排紙搬送路1400の搬送ローラの搬送方向を切り換えて、用紙Sを第2排紙搬送路1600に向けて搬送する(スイッチバック)。そのときの用紙Sの状態を図3(B)に示す。次に、用紙Sが第2分岐部1500に到達すると、用紙Sは排紙ゲート1501により副搬送路1700に向けられる。そのときの用紙Sの状態を図3(C)に示す。そして、用紙Sは再度プロセス部に向かって搬送される。そのときの用紙Sの状態を図3(D)に示す。用紙Sの画像形成されていない側の面にカラープロセス部300もしくはモノクロプロセス部400にて画像形成が行われて、両面画像形成された用紙Sは最終的に第1排紙部800もしくは第2排紙部900に排紙される。
【0057】
図4は、この発明の実施形態に係る電気ブロック図を示す図である。
【0058】
制御部110は、スキャナ部200、カラープロセス部300、モノクロプロセス部400、転写部500、定着部600、給紙部700、第1排紙部800、第2排紙部900に接続されており、各部の動作を制御する。
【0059】
図5は、この発明の実施形態に係る転写部500の詳細な構成を示す図である。
【0060】
転写部500は転写手段514を備える。転写手段514は、第1対向部512または第2対向部513に搬送された用紙にトナー像を転写するものであり、転写器415(第2転写器)、転写器501(第1転写器)を含む。
【0061】
高圧電源508は、その出力端子が転写器501及び転写器415に接続され、これらの転写器に対して高圧電圧を共通して印加する。このようにすることで、第1及び第2転写器501,415に対して高圧出力が共有化できるので、高圧電源の出力トランスを共有化でき、高圧電源の回路規模が抑制できる。
【0062】
駆動ローラ503は駆動源であるモータ511に接続され、可逆回転可能となっている。
【0063】
駆動ローラ503は搬送ベルト502による用紙搬送方向の下流側に配置され、接地される。また従動ローラ504は、搬送ベルト502による用紙搬送方向の上流側に配置され、電気的にフロート状態に設定されている。このようにすることで、転写の終了した後の搬送ベルト502の表面電位を接地電位付近まで低下させることができ、搬送ベルト502に静電吸着して搬送されている用紙が容易に搬送ベルト502から剥離できるようになる。また第2ローラ504は搬送方向の上流側に配置され、電気的にフロート状態に設定されている。フロート状態とは特定の電位を有する電気回路に接続されておらず、接地もされていないことを指す。上流側のローラをフロート状態とすることで、高圧電源508から転写器501もしくは転写器415を介して搬送ベルト502上流方向に移動した電荷の発生する電界により、給紙部700から供給された用紙を搬送ベルト502に静電吸着して、用紙の安定した搬送が可能になる。
【0064】
支持部材505は転写器501及び転写器415を回転可能に支持するもので、転写器501及び転写器415の略中央位置に設けられる。支持部材505は第1移動軸505a、第2移動軸505b、支持軸505cを含む。詳説すると、転写器501及び転写器415の間に位置する第1移動軸505aにより転写器501及び転写器415を回転可能に支持し、第1移動軸505aの長手方向中央部に第2移動軸505bが設けられている。第2移動軸505bに移動部材であるソレノイドA506とソレノイドB507が接続され、図中の左右方向に移動可能となっている。
【0065】
移動部材は画像形成を行うプロセス部に対応して転写器501及び転写器415を移動させ、第1若しくは第2プロセス部のいずれか一方の画像形成を行うプロセス部に無端ベルト502を圧接し、画像形成を行わないプロセス部から無端ベルト502を離間する。
【0066】
第1移動軸505a中央から支持軸505cが図5手前方向および奥方向に延設されており、画像形成装置100のフレームの一部に設けた長穴505dによって支持軸505cを支持する。支持部材505は長穴505dの長手方向に沿って、ソレノイドA506、ソレノイドB507の駆動力により移動する。
【0067】
ソレノイドA506、ソレノイドB507による転写器501及び転写器415の圧接力は、画像情報を記録媒体に転写可能な転写領域(ニップ幅)(転写ニップ)が形成される圧接力としている。
【0068】
レジストローラ714は転写部500に搬入する用紙を整合する。
【0069】
切換手段(第1ゲート)509および変更手段(第2ゲート)510については後述する。
【0070】
図6、図7は移動部材により転写器501及び転写器415を移動させた状態を示す図である
カラープロセス部300でトナー像を形成し、用紙に転写を行う状態を図6に示す。制御部110はソレノイドA506をオン(通電)しソレノイドB507をオフ(遮断)することにより支持部材505を図6中左方向に移動させ、転写器501を搬送ベルト502を介して中間転写ベルト317に圧接させると同時に転写器415を感光体ドラム411から離間させる。このようにすることで、支持部材505と移動部材506,507は2つの転写器501,415で共有することができ、転写器501,415を移動させるための機構、および移動させるための制御が簡素化できる。また、転写器501,415の移動前後および移動期間中に搬送ベルト502の張力は常に一定に維持され、たるみが生じることが無い。
【0071】
そして、制御部110は駆動ローラ503を図6中、時計方向に回転するようモータ511を制御する。このとき、切換手段である第1ゲート509は反時計方向に回動して、給紙部700から給紙されレジストローラ714で整合された用紙を搬送ベルト502の左方向に搬送方向を切換え、第1対向部512に向けて用紙を搬送する。このようにすることで、1つの転写部を2つのプロセス部で共有する際の搬送機構の駆動機構および駆動制御が簡素化できる。
【0072】
また変更手段である第2ゲート510は反時計方向に回動して、第1対向部を通過し転写工程を終了した用紙の搬送方向を、定着ローラ601,602の圧接位置よりも定着ローラ601により近い方向に変更する。カラープロセス部での画像形成時に制御部110は、定着ローラ601の内部に備えられたヒータ603に通電し、所定温度まで昇温した定着ローラ601表面により用紙上のトナーを定着する。このように用紙の搬送方向を定着ローラ601,602の圧接位置よりも定着ローラ601により近い方向に変更することで、定着ローラ601,602の圧接位置に突入する前に定着ローラ601の発する熱を予め用紙に与えておくことができ、定着性が向上する。
【0073】
次に、モノクロプロセス部400でトナー像を形成し、用紙に転写を行う状態を図7に示す。ソレノイドA506をオフしソレノイドB507をオンすると、支持部材505を図7中右方向に移動させ、転写器501を中間転写ベルト317から離間させると同時に転写器415を搬送ベルト502を介して感光体ドラム411に圧接する。
【0074】
そして、制御部110は駆動ローラ503を図7中、反時計方向に回転するようモータ511を制御する。このとき、切換手段である第1ゲート509は時計方向に回動して、給紙部700から給紙されレジストローラ714で整合された用紙を搬送ベルト502の右方向に搬送方向を切換え、第2対向部513に向けて用紙を搬送する。
【0075】
また変更手段である第2ゲート510は時計方向に回動して、第2対向部513を通過し転写工程を終了した用紙の搬送方向を、定着ローラ601,602の圧接位置よりも定着ローラ602により近い方向に変更する。モノクロプロセス部400での画像形成時に制御部110は定着ローラ602の内部に備えられたヒータ604に通電し、所定温度まで昇温した定着ローラ602表面により用紙上のトナーを定着する。このように用紙の搬送方向を定着ローラ601,602の圧接位置よりも定着ローラ602により近い方向に変更することで、定着ローラ601,602の圧接位置に突入する前に定着ローラ602の発する熱を予め用紙に与えておくことができ、定着性が向上する。
【0076】
転写器415を感光体ドラム411から離間させたときの搬送ベルト502と感光体ドラム411の距離は、感光体ドラム411に残留するトナーを転写器415の発生する電界で搬送ベルト502に転写させず、電界に起因する電荷を感光体ドラム411に付与しない距離とする。同様に転写器501を中間転写ベルト317から離間させたときの、搬送ベルト502と中間転写ベルト317との距離は、中間転写ベルト317に残留するトナーを転写器501の発生する電界で搬送ベルト502に転写させず、電界に起因する電荷を中間転写ベルト317に付与しない距離とする。いずれの距離も具体的には3〜5mmが好適である。このようにすることで、転写器501および転写器415へ転写電圧を共通して印加したときに、2つの転写器501、415の両方から同時に電界が発生しても、転写工程を行わない方のプロセス部および、転写工程を行わない方の搬送ベルト502に対して、「無用な電荷をプロセス部に付与する」「転写を行わない側のプロセス部に残留していたトナーが搬送ベルト502に転写して、搬送ベルト502をトナーで汚染する」といった悪影響を与えることを防止できる。
【0077】
カラープロセス部300とモノクロプロセス部400は印字処理速度が異なり、モノクロプロセス部400の方がカラープロセス部300よりも印字処理速度が速く設定されている。プロセス部それぞれの各印字処理速度に合致するように、制御部110はモータ511を制御して、搬送ベルト502の搬送速度を制御する。
【0078】
図8に制御部110によって実行される画像形成装置100の制御フローを示す。
【0079】
画像形成装置に対する印字要求を検出する(S10)と,印字要求がモノクロ印字かカラー印字かを判断する(S20)。カラー印字と判断したら、定着ローラ601の表面温度の制御(ヒータ603の通電制御)を開始する(S25)。第1ゲート509および第2ゲート510を図6に示す位置に移動させ(S30)、ソレノイドA506をオン、ソレノイドB507をオフし転写器501を搬送ベルト502を介して中間転写ベルト317に圧接する(S40)。次に駆動ローラ503を時計方向に回転させ、搬送ベルト502の搬送速度をカラープロセス部300の印字処理速度と一致するよう、モータ511の回転方向および回転速度を設定する(S50)。操作者により予めフェイスダウン排出が指示されていた場合、定着済み用紙を第1排紙部800に誘導するため、3方向ゲート1301を図2(A)に示す初期状態から反時計方向に回転して図2(C)に示す状態に切り換える。操作者により予めフェイスアップ排出が指示されていた場合、定着済み用紙を第2排紙部900に誘導するため、3方向ゲート1301を図2(A)に示す初期状態から時計方向に回転して図2(B)に示す状態に切り換える(S55)。そして用紙1ページ分のカラー印字処理を実行する(S60)。次ページの印字要求の有無を確認し(S70)、印字要求があれば再度S20に戻り印字処理を続行する。印字要求が無ければS10に戻り次の印字要求が有るまで待機する。
【0080】
一方S20でモノクロ印字と判断したら、定着ローラ602の表面温度の制御(ヒータ604の通電制御)を開始する(S80)。第1ゲート509および第2ゲート510を図7に示す位置に移動させ(S90)、ソレノイドA506をオフ、ソレノイドB507をオフし転写器415を搬送ベルト502を介して感光体ドラム411の周面に圧接する(S100)。次に駆動ローラ503を反時計方向に回転させ、搬送ベルト502の搬送速度をモノクロプロセス部400の印字処理速度と一致するよう、モータ511の回転方向と回転速度を設定する(S110)。操作者により予めフェイスダウン排出が指示されていた場合、定着済み用紙を第2排紙部900に誘導するため、3方向ゲート1301を図2(A)に示す初期状態から時計方向に回転して図2(B)に示す状態に切り換える。操作者により予めフェイスアップ排出が指示されていた場合、定着済み用紙を第1排紙部800に誘導するため、3方向ゲート1301を図2(A)に示す初期状態から反時計方向に回転して図2(C)に示す状態に切り換える(S115)。そして用紙1ページ分のモノクロ印字処理を実行する(S120)。次ページの印字要求の有無を確認し(S130)、印字要求があれば再度S20に戻り印字処理を続行する。印字要求が無ければS10に戻り次の印字要求が有るまで待機する。
【0081】
図9、図10は、この発明の他の実施形態に係る画像形成装置の転写部500の詳細な構成を示す図である。
【0082】
転写部500は、転写器515、転写器515を回転可能に支持する支持部材であるアーム516、アーム516に連結され、転写器515を移動させる移動部材であるモータ517、搬送ベルト502、高圧電源508、駆動ローラ503、従動ローラ504を含む。転写器515は例として転写ローラである。なお転写器515は導電性の部材であり、ローラであっても板状であっても良い。搬送ベルト502、高圧電源508、駆動ローラ503、従動ローラ504については前述の説明と同様の機能を備えるので説明を省略する。
【0083】
カラープロセス部300でトナー像を形成し、用紙に転写を行う状態を図9に示す。モータ517を時計方向に回転させ、転写器515の支持されたアーム516端部を図9中左方向に移動させ、転写器515を搬送ベルト502を介して中間転写ベルト317に圧接させると同時に転写器515を感光体ドラム411から離間させる。そして、第1対向部512に搬送されてきた用紙に中間転写ベルト317のトナー像を転写する。
【0084】
モノクロプロセス部400でトナー像を形成し、用紙に転写を行う状態を図10に示す。モータ517を反時計方向に回転させ、転写器515の支持されたアーム516端部を図10中右方向に移動させ、転写器515を中間転写ベルト317から離間させると同時に転写器515を搬送ベルト502を介して感光体ドラム411に圧接する。そして、第2対向部513に搬送されてきた用紙に感光体ドラム411のトナー像を転写する。このように、転写器515を2つのプロセス部で共用することにより、転写機構のコンパクト化、簡素化を実現することができる。
【0085】
図11に上記他の実施形態の画像形成装置において制御部110によって実行される制御フローを示す。図8と同一の符号を付したステップについては前述の通りであり、説明を省略する。図8と異なる符号を付したステップであるS200、S210について以下に説明する。S200はカラー画像形成時に、モータ517を時計方向に回転させ、転写器515の支持されたアーム516端部を図9中左方向に移動させることを示す。S210はモノクロ画像形成時に、モータ517を反時計方向に回転させ、転写器515の支持されたアーム516端部を図10中右方向に移動させることを示す。
【0086】
本発明の構成は以上の通りであるが、上記構成以外に、カラープロセス部が1つの感光体ドラムに対して4つの現像器を備え、中間転写ベルト317上で4色の重ね合わせを行う方式(4回転プロセス方式)であっても良い。また、カラープロセス部が1つの感光体ドラムに対して4つの現像器を備え、感光体上で4色の画像情報の重ね合わせを行い、感光体上に重ね合わせられた画像情報を1回の転写工程で用紙に転写する方式であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】この発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図2】上記画像形成装置の3方向ゲート1301の動作を示す図である。
【図3】上記画像形成装置の両面画像形成時の用紙搬送状態を示す図である。
【図4】上記画像形成装置のブロック図である。
【図5】上記画像形成装置の転写部の詳細構成を示す図である。
【図6】上記画像形成装置のカラー画像形成時の実施形態の動作を示す図である。
【図7】上記画像形成装置のモノクロ画像形成時の実施形態の動作を示す図である。
【図8】上記画像形成装置のカラーおよびモノクロ画像形成時の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】この発明の他の実施形態に係る画像形成装置においてカラー画像形成時の実施形態の動作を示す図である。
【図10】この発明の他の実施形態に係る画像形成装置においてモノクロ画像形成時の実施形態の動作を示す図である。
【図11】この発明の他の実施形態に係る画像形成装置においてカラーおよびモノクロ画像形成時の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0088】
100−画像形成装置
200−スキャナ部
300−カラープロセス部(第1プロセス部)
400−モノクロプロセス部(第2プロセス部)
500−転写部
600−定着部
700−給紙部(媒体供給部)
800−第1排紙部
900−第2排紙部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を供給する媒体供給部と、
顕像化された画像情報(トナー像)を形成する、対向して配置された第1および第2プロセス部と、
前記第1および第2プロセス部の間に位置し、前記媒体供給部から供給された記録媒体に前記第1および第2プロセス部のいずれかのプロセス部で形成された前記画像情報を転写する転写部とを有する事を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1項記載の画像形成装置において、
前記転写部は、
前記画像情報を受取るために前記第1及び第2プロセス部に対向する対向面を有する第1及び第2対向部と、
前記媒体供給部から供給された記録媒体を前記第1もしくは第2対向部に搬送する搬送手段と、
前記対向面の背面側に配置され、第1もしくは第2対向部に搬送された記録媒体に前記画像情報を転写する転写手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2項記載の画像形成装置において、
前記第1および第2プロセス部は、印字処理速度が異なり、
前記搬送手段の搬送速度を各印字処理速度に合致するように制御する制御部を有する事を特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2項記載の画像形成装置において、
前記媒体供給部から供給される記録媒体の搬送方向を、前記第1もしくは第2対向部のいずれかに向けて切換える切換手段を有する事を特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項2項記載の画像形成装置において、
前記第1または第2対向部で転写を終了して、記録媒体を次工程に搬送する記録媒体の搬送方向を変更する変更手段を有する事を特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項2項記載の画像形成装置において、
前記搬送手段は、所定の抵抗値を有する無端ベルトと、前記無端ベルトを架橋および駆動する複数のローラとを含み、
前記転写手段は、前記無端ベルトの背面に配置されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6項記載の画像形成装置において、
前記転写手段は、前記第1および第2対向部に対応して設けられた第1及び第2転写器を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項7項記載の画像形成装置において、
前記第1及び第2転写器へ転写電圧を共通して印加する高圧電源を有する事を特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項6項記載の画像形成装置において、
前記複数ローラは、前記媒体供給部から供給される記録媒体の搬送方向の下流側に配置され、接地される第1ローラと、前記搬送方向の上流側に配置され、電気的にフロート状態に設定されている第2ローラとを含む事を特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項6項記載の画像形成装置において、
前記複数のローラの回転方向が可逆となるよう、前記複数のローラを駆動する駆動源を有する事を特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項6項記載の画像形成装置において、
前記転写手段は、転写ローラである事を特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項7項記載の画像形成装置において、
前記第1および第2転写器の略中央位置に設けられ、前記第1および第2転写器を支持する支持部材と、
前記画像情報を記録媒体に転写可能な転写領域(転写ニップ)が形成される圧接力で、前記第1もしくは第2プロセス部のいずれか一方の画像情報を形成するプロセス部に、前記無端ベルトを介して前記第1もしくは第2転写器を圧接し、前記第1若しくは第2プロセス部の画像情報を形成しないプロセス部と、前記無端ベルトとが所定の距離を保持するよう、前記第1および第2転写器を移動させる移動部材を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項12項記載の画像形成装置において、
前記所定の距離は、前記画像情報を形成しないプロセス部に残留する現像剤を、前記第1もしくは第2転写器の発する電界で前記無端ベルトに転写しない距離であり、かつ前記電界に起因する電荷を前記画像情報を形成しないプロセス部に付与しない距離である事を特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項1項記載の画像形成装置において、
前記第1プロセス部は、電子写真方式を用いて複数色トナーで前記画像情報を形成し、
前記第2プロセス部は、電子写真方式を用いて単色トナーで前記画像情報を形成する事を特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
記録媒体を供給する媒体供給部と、
顕像化された画像情報(トナー像)を形成する、対向して配置された第1および第2プロセス部と、
前記第1および第2プロセス部の間に位置し、前記媒体供給部から供給された記録媒体に前記第1および第2プロセス部のいずれかのプロセス部で形成された前記画像情報を転写する転写部とを有する事を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1項記載の画像形成装置において、
前記転写部は、
前記画像情報を受取るために前記第1及び第2プロセス部に対向する対向面を有する第1及び第2対向部と、
前記媒体供給部から供給された記録媒体を前記第1もしくは第2対向部に搬送する搬送手段と、
前記対向面の背面側に配置され、第1もしくは第2対向部に搬送された記録媒体に前記画像情報を転写する転写手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2項記載の画像形成装置において、
前記第1および第2プロセス部は、印字処理速度が異なり、
前記搬送手段の搬送速度を各印字処理速度に合致するように制御する制御部を有する事を特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2項記載の画像形成装置において、
前記媒体供給部から供給される記録媒体の搬送方向を、前記第1もしくは第2対向部のいずれかに向けて切換える切換手段を有する事を特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項2項記載の画像形成装置において、
前記第1または第2対向部で転写を終了して、記録媒体を次工程に搬送する記録媒体の搬送方向を変更する変更手段を有する事を特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項2項記載の画像形成装置において、
前記搬送手段は、所定の抵抗値を有する無端ベルトと、前記無端ベルトを架橋および駆動する複数のローラとを含み、
前記転写手段は、前記無端ベルトの背面に配置されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6項記載の画像形成装置において、
前記転写手段は、前記第1および第2対向部に対応して設けられた第1及び第2転写器を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項7項記載の画像形成装置において、
前記第1及び第2転写器へ転写電圧を共通して印加する高圧電源を有する事を特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項6項記載の画像形成装置において、
前記複数ローラは、前記媒体供給部から供給される記録媒体の搬送方向の下流側に配置され、接地される第1ローラと、前記搬送方向の上流側に配置され、電気的にフロート状態に設定されている第2ローラとを含む事を特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項6項記載の画像形成装置において、
前記複数のローラの回転方向が可逆となるよう、前記複数のローラを駆動する駆動源を有する事を特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項6項記載の画像形成装置において、
前記転写手段は、転写ローラである事を特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項7項記載の画像形成装置において、
前記第1および第2転写器の略中央位置に設けられ、前記第1および第2転写器を支持する支持部材と、
前記画像情報を記録媒体に転写可能な転写領域(転写ニップ)が形成される圧接力で、前記第1もしくは第2プロセス部のいずれか一方の画像情報を形成するプロセス部に、前記無端ベルトを介して前記第1もしくは第2転写器を圧接し、前記第1若しくは第2プロセス部の画像情報を形成しないプロセス部と、前記無端ベルトとが所定の距離を保持するよう、前記第1および第2転写器を移動させる移動部材を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項12項記載の画像形成装置において、
前記所定の距離は、前記画像情報を形成しないプロセス部に残留する現像剤を、前記第1もしくは第2転写器の発する電界で前記無端ベルトに転写しない距離であり、かつ前記電界に起因する電荷を前記画像情報を形成しないプロセス部に付与しない距離である事を特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項1項記載の画像形成装置において、
前記第1プロセス部は、電子写真方式を用いて複数色トナーで前記画像情報を形成し、
前記第2プロセス部は、電子写真方式を用いて単色トナーで前記画像情報を形成する事を特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−248758(P2007−248758A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−71253(P2006−71253)
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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