説明

省燃費運転システム

【課題】制御開始から下り坂開始点を過ぎるまでの目標速度を線形で徐々に減速させ、燃料カットと噴射を繰り返すことなく、省燃費で且つ円滑な運転フィーリングが得られる省燃費運転システムの提供。
【解決手段】車両の位置を特定する車両位置特定装置(2)と、車両進行方向に存在する下り坂のデータを記憶する記憶装置(11)と、車両(1)の速度(車速V)を計測する車速計測装置(3)と、制御装置(10)とを有し、該制御装置(10)は、車両の速度(V)と、下り坂のデータとから車両(1)の目標速度(要求車速Vd)を決定(演算)する機能を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の省燃費運転の自動制御システムに関し、より詳細には、降坂に移る際に燃料消費量をより少なくにすることが出来る自動制御に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、道路勾配情報を用いて、省燃費運転を効果的に促す省燃費システムとその制御方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
係る従来技術(特許文献1)では、下り坂での加速エネルギを利用して、詳細には、下り坂手前で減速制御を行うことにより燃費向上を図っている。
【0003】
そして当該従来技術(特許文献1)においては、下り坂手前での燃料カットのアドバイス位置(ドライバに対してアドバイスを与える位置)又は自動省燃費運転システムにおける燃料カットの制御位置(自動制御により燃料カットを行う位置)は、車両速度と、下り坂手前の勾配と、下り坂の勾配によって決定されていた。そして、下り坂手前の勾配及び下り坂の勾配は、三次元マップで決定されていた。
そのため、下り坂の開始時点で目標とする車速に減速するためには、下り坂手前の勾配および下り坂の勾配を精密にマップ化する必要があり、燃料カットのアドバイス位置又は自動省燃費運転システムでの燃料カットの制御位置も精密にマップ化する必要があった。
【0004】
しかし、マップを精密に改良しようとしても、実際の走行位置での勾配は必ずしも一定ではない。
また、貨物自動車では空車・積車でその質量は大きく異なるため、空車時と積車時とでは燃料カット時の減速度も大きく変わり、空車時と積車時の双方において、下り坂開始時点で要求どおりの車速(目標車速)にまで減速することは困難であった。
ここで、自動省燃費運転モードの場合には、要求車速以下になると、自動的に燃料を噴射して、車速が低下し過ぎないように制御している。係る制御によって、下り坂に入る直前で燃料を噴射してしまう場合があり、その様な場合には車両挙動がギクシャクしたものとなり、ドライバが違和感を持ってしまうという問題がある。それと共に、燃費に対しても悪影響を与えてしまうという問題が存在する。
【0005】
図5は、従来技術に係る自動省燃費運転時で、降坂に移る時点での制御において、走行距離と、車速と、燃料噴射量とを示している。
図5において、符号P1は制御開始位置を示し、符号P2は登坂から降坂に移るピーク地点(下り坂開始点)を示し、符号Vdは要求車速を示し、符号Vaは実車速を示し、符号Vtは下り坂侵入時の目標車速を示し、符号qは燃料噴射量を示している。ここで、制御開始地点から下り開始点までの距離は、例えば300m(定数)である。
図5において、符号δvは、実車速Vaと目標速度Vdとの差を示している。
【0006】
図5は、データベースに記憶されたデータよりも登坂側の勾配が急であるか、或いは、車両質量が小さい場合を示している。
図5で示す場合には、下り坂開始点P2に至る手前で失速して、下り坂侵入時の目標車速Vtよりも車速Vaが低下している。そのため燃料噴射量qを一時的に噴射している。この一時的な燃料噴射qにより車速Vaは急激に増加し、下り坂侵入時の目標車速Vtよりも高速となるが、燃料噴射量qを一時的に噴射した直後に、燃料をカットしているので、再び車速Vaは減少してしまう。
その結果、下り坂開始点P2前後における運転フィーリングがギクシャクとしたものとなってしまい、そして、一時的な燃料噴射によって燃費の悪化を招いてしまう。
【0007】
図6は、図5と同様に、従来技術の自動省燃費運転時において、登坂から降坂に移る時点での制御において、走行距離と車速と燃料噴射量とを示している。ただし、図6では、データベースに記憶されたデータよりも、実際の登坂側の勾配が緩やかであるか、或いは、車両質量が大きい場合を示している。
図6で示す場合には、実車速Vaが下がりきらず、下り坂開始点P2における実車速Vaが下り坂侵入時目標車速Vtを上回り、下り坂の途中で補助ブレーキが作動する頻度が多くなるので、燃費は悪化する。
【0008】
図7は、図5における問題点を解決しようとして、制御開始の位置P1を、下り坂開始点P2に近づけ、制御開始地点から下り開始点までの距離を短く設定した場合を示している。
図7では、図5で示す場合のように、下り坂開始点P2に至る手前で燃料噴射量qを一時的に噴射する必要はない。しかし、図6で示す場合と同様に、下り坂開始点P2における実車速Vaが下り坂侵入時目標車速Vtを上回ってしまい、下り坂の途中で補助ブレーキが作動する頻度が多くなるので、燃費が悪化してしまうという問題が依然として残っている。
【特許文献1】特開2007−156704号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、制御開始から下り坂開始点を過ぎるまでの目標速度を線形で徐々に減速させ、燃料カットと噴射を繰り返すことなく、燃料消費量を節約しつつ、円滑な運転フィーリングが得られる省燃費運転システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の省燃費運転システム(100)は、車両の位置を特定する車両位置特定装置(2:例えば、GPS)と、車両進行方向に存在する下り坂のデータを記憶する記憶装置(例えば、データベース11)と、車両(1)の速度(車速Va)を計測する車速計測装置(車速センサ3)と、制御装置(省燃費運転システム側制御装置:コントロールユニット10)とを有し、該制御装置(10)は、車両の速度(Va)と、下り坂のデータ(例えば、現在位置から下り坂開始点までの距離L、下り坂開始点における目標速度等Vt)とから車両(1)の目標速度(要求車速Vd)を決定(演算)する機能を有することを特徴としている(請求項1)。
【0011】
本発明において、制御装置(省燃費運転システム側制御装置:コントロールユニット10)は、車両(1)が走行している個所における車両の速度(Va)と、下り坂開始点までの距離(L)とから、車両(1)が下り坂開始点(P2)に到達した時点における車両(1)の速度(Va)が下り坂開始点における目標速度(Vt)となる様に、車両(1)が走行している個所における目標速度(Vd)を演算する機能を有しているのが好ましい(請求項2)。
【0012】
ここで、制御装置(省燃費運転システム側制御装置:コントロールユニット10)は、車両(1)が下り坂開始点(P2)に到達した時点における車両の速度(Va)が下り坂開始点P2における目標速度(Vt)となる様に、車両(1)が走行している個所における目標速度(Vd)を徐々に(減速特性が線形になる様に)減速させる制御を行なう機能を有しているのが好ましい(請求項3)。
【0013】
前記制御装置(省燃費運転システム側制御装置:コントロールユニット10)は、車両の情報ネットワーク(5)を介してエンジンを制御する車両側制御装置(エンジンコントローラ4)に制御信号を送信し、車両側制御装置(4)が当該制御信号に対応する噴射量の燃料を噴霧するための制御信号を燃料噴射装置に対して送信する様にせしめる機能を有するのが好ましい(請求項4)。
【発明の効果】
【0014】
上述する構成を具備する本発明によれば、車両の速度(Va)と、下り坂のデータ(例えば、現在位置から下り坂開始点までの距離L、下り坂開始点における目標速度Vt等)とから車両の目標速度(要求車速Vd)を決定(演算)する様に構成されているので、車両(1)が走行している個所における目標速度(Vd)を線形に減速させる(請求項2)様にすることが出来て、車両(1)が走行している個所における目標速度(Vd)を線形に(徐々に)減速させる(請求項3)様にすることが出来るので、下り坂開始点P2の手前において、燃料カットと燃料噴射とを繰り返してしまうことが抑制される。
すなわち、燃料カット或いは燃料噴射を行なうと、車両挙動が不安定となり(ギクシャクして)、車両乗員に不安定感或いは不快感を与えてしまうが、本発明では料カットと燃料噴射とを繰り返してしまうことが抑制されるので、車両乗員に対して係る不安定感或いは不快感を与えてしまうことが防止される。
【0015】
さらに本発明によれば、車両(1)が走行している個所における目標速度(Vd)を線形に(徐々に)減速させることが出来るので(請求項3)、車両の走行速度(Va)を減速する開始点(P1)を従来技術に比較して、下り坂開始点(P2)から離隔した位置に設定することが出来る。
【0016】
すなわち、車両(1)が減速して走行する距離(減速を開始する地点P1から下り坂の開始点P2までの距離L)を従来技術よりも長くすることが出来るので、図6の様な場合でも、下り坂開始点における車両速度(Va)と目標速度(Vt)との偏差が小さくなり、下り坂の途中で制動を行なう頻度が少なくなる。そのため、制動により無駄なエネルギを浪費することがなくなり、車両の燃費が向上する。また、エンジンブレーキを掛けて走行する距離を短く出来るので、省燃費効果をさらに発揮することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1において、本発明の実施形態に係る省燃費運転システムは、全体を符号100で示している。
省燃費運転システム100は、車両1、車両位置特定装置であるGPS2、車速センサ3、エンジンコントローラ4、車両内通信ネットワーク5、自動省燃費運転システムの制御手段であるコントロールユニット10を有している。
車両内通信ネットワーク5は、コントロールユニット10と車速センサ3及びエンジンコントローラ4とを接続している。
【0018】
図2は、コントロールユニット10の構成を示している。
図2において、コントロールユニット10は、データベース11、現在位置特定部12、現在位置から下り坂開始点までの距離の演算部(距離演算部)13、目標速度決定部14、指令信号発信タイミング決定部15、インターフェース16を有している。
【0019】
GPS2からの車両の現在位置に関する情報は、ラインL1を経由して、現在位置特定部12に入力される。
データベース11には、下り坂開始点における要求速度(目標速度)及びそれまでにGPSからの情報によって得られた地図データが記憶されている。データベース11に記憶されている地図データを更新する場合は、新規の地図データは、例えば、GPS2からラインL2を経由して、データベース11に送られる。
【0020】
距離演算部13は、ラインL3を介して得た現在位置特定部12からの車両1の現在位置情報と、ラインL4を介してデータベース11から得た地図情報とによって、車両1(の現在位置)から下り坂開始点までの距離「L」(図3参照)を演算する機能を有するように構成されている。
【0021】
目標速度決定部14には、距離演算部13で算出した現在位置から下り坂開始点までの距離Lが、ラインL5を介して入力される。また目標速度決定部14には、車速センサ3で計測された現在の車両速度Vaが、車両内通信ネットワーク5を介して入力される。さらに目標速度決定部14には、データベース11に記憶された下り坂開始点における要求速度(下り坂侵入時目標速度) Vtが、ラインL6経由で入力される。
そして目標速度決定部14は、現在位置から下り坂開始点までの距離Lと、現在の車両速度Vaと、下り坂侵入時目標速度Vtとに基づいて、要求速度(目標速度)Vdを演算する機能を有している。
【0022】
指令信号発信タイミング決定部15は、目標速度Vdを達成するための制御信号を発信するタイミングを決定する機能を有している。
目標速度決定部14で決定した目標速度VdがラインL7経由で入力されると、指令信号発信タイミング決定部15では、制御信号(標速度Vdを達成するための制御信号)を、指令信号発信タイミング決定部15で決定されたタイミングに従って、ラインL8、インターフェース16、車両内通信ネットワーク5を介してエンジンコントローラ4に発信する。
そしてエンジンコントローラ4は、図示しない燃料噴射装置に対して制御信号を発信し、車両速度が目標速度Vdになるように、燃料噴射量及び噴射タイミングを調整或いは制御する。
【0023】
なお図2において、タイマ17は制御インターバルを計測している。そしてコントロールユニット10では、タイマ17で計測される所定の制御インターバル毎に、車両の現在位置から下り坂開始点までの距離「L」と、目標速度(要求速度:Vd)を演算している。
【0024】
上述したように、従来技術においては、登坂から降坂に移行する場合に、下り坂開始点から定数距離(例えば300m)手前から、(データベースに記憶された地図情報による)当該地点の登坂側の勾配及び降坂側の勾配と、制御開始時(下り坂開始点よりも300m手前)の車速に基づいて、且つ、下り坂開始点まで上り坂を走行出来る様に、車両1の速度(要求車速)を決定し、燃料噴射量を調整していた。
しかし、図5〜図7を参照して上述したように、データベースの勾配情報と現実の勾配との差や、車両質量に起因して、下り坂開始点P2よりも手前で失速して、燃料噴射量を一時的に噴射する場合(図5)や、下り坂開始点P2の実車速が下り坂侵入時目標車速よりも上回ってしまい、補助ブレーキを作動する場合(図6、図7)が存在した。
そのため、燃費を改善するという目的が達成できない場合がある。
【0025】
それに対して、図示の実施形態に係る省燃費運転システム100では、車速センサ3からの実際の車速Vaと、下り坂侵入時目標車速Vtと、現在位置から下り坂開始点までの距離Lとに基づいて、車両1の速度(要求車速)を決定し、燃料噴射量を調整している。
また、図示の実施形態に係る省燃費運転システム100では、下り坂開始点P2Aにおいて目標速度Vtになる様に線形に(徐々に)減速させるので、下り坂開始点P2Aに到達する以前の段階で車速Vaが下り坂侵入時目標車速Vtを下回ってしまう、という事態(図5参照)を防止することが出来る。
同様に、図示の実施形態に係る省燃費運転システム100では、車両1が減速して走行する距離(減速を開始する地点P1から下り坂開始点P2Aまでの距離L)を従来技術よりも長くすることが出来るので、下り坂開始点P2Aに到達する以前に十分に減速されず、下り坂開始点P2Aにおいて車速Vaが下り坂侵入時目標車速Vtを大幅に上回ってしまう、という事態(図6、図7参照)を防止することができる。
【0026】
すなわち図示の実施形態によれば、下り坂開始点P2Aまでの距離Lを考慮しているので、現在位置の車速Vaが下り坂侵入時目標車速Vtを到達するのに適当であるか否かをも考慮して、車両1の要求車速Vdを決定することが出来る。
そのため、下り坂開始点P2Aにおける車速Vaと、下り坂侵入時目標車速Vtとの誤差を小さくすることが可能なのである。
【0027】
換言すれば、図示の実施形態によれば、各々の制御サイクルにおいて、車両1が現在位置から下り坂開始点P2Aまでの移動した際にどの程度の速度になるのかを、下り坂開始点P2Aまでの距離Lを考慮することにより予測することが出来るので、係る予測値をも参照して、車両1の要求車速或いは目標速度Vdを決定することが出来る。このことは、制御サイクル毎に、車両1の要求車速或いは目標速度Vdを補正出来ることを意味している。
従って、図示の実施形態では、制御を開始する地点P1Aから下り坂開始点P2Aまでの距離が長くても、制御サイクル毎に要求車速或いは目標速度Vdを補正して、燃料噴射量を調整するので、目標速度Vdと実速度Vaとの誤差を少なくして、下り坂開始点P2Aにおける車速Vaと下り坂侵入時目標車速Vtとの誤差を小さくすることが出来る。
なお、図示の実施形態では、制御を開始する地点P1Aから下り坂開始点P2Aまでの距離Lの数値として、例えば400m〜500mに設定することが可能である。
【0028】
以下、図4のフローチャートに基づき、図2、図3をも参照して、省燃費運転システム100の制御について説明する。
【0029】
図4において、コントロールユニット10は、車速センサ3からの情報により車速データを読み込み(ステップS1)、データベース11から走行中の坂の下り坂開始点P2A(図3参照)の位置情報を読み込み(ステップS2)、GPS2から車両1の現在位置を読み込む(ステップS3)。
なお、各データを読み込む順序、すなわちステップS1〜S3の順序は、上記に限定されるものではない。また、ステップS1〜S3を同時に実行することも出来る。
【0030】
ステップS4では、走行中の坂の下り坂開始点P2Aの位置情報(ステップS2)と車両1の現在位置(ステップS3)に基づき、距離演算部13によって、下り坂開始点P2Aと現在位置との距離Lを演算する。
【0031】
ステップS5では、コントロールユニット10は、下り坂開始点P2Aと現在位置との距離Lが定数(例えば400〜500m)以下か否かを判断する。
現在位置から下り坂開始点P2Aまでの距離Lが定数以下であれば(ステップS5がYES)、ステップS6に進む。
一方、現在位置から下り坂開始点P2Aまでの距離Lが定数よりも大きければ(ステップS5がNO)、ステップS1以降を繰り返す。
【0032】
ステップS6では、車速Va、下り坂侵入時目標車速Vt、現在位置P1から下り坂開始点P2までの距離Lというパラメータにより、要求車速(目標車速)Vdを演算する。そしてステップS7に進む。
ステップS7では、要求車速Vdとなる様に燃料噴射量を制御するための制御信号を、車内通信ネットワーク5を介してエンジンコントローラ4に出力する。そしてエンジンコントローラ4は、図示しない燃料噴射装置に対して、要求車速Vdを達成させるべく燃料噴射量に関する制御信号を発信する。
その後、ステップS1以降を繰り返す。
【0033】
上述した様に、図示の省燃費運転システム100は、車両の速度Vaと、下り坂のデータ(例えば、下り坂開始点P2Aの位置、下り坂侵入時目標車速Vt)と、現在位置から下り坂開始点P2Aまでの距離Lから、車両の目標速度(要求車速Vd)を決定する様に構成されている。
係る省燃費運転システム100によれば、車両1が走行している個所における目標速度Vd及び車両1の速度Vaを、図3で示す様に制御することが出来るので、下り坂開始点P2Aの手前において燃料カットと燃料噴射の繰り返し、或いは、下り坂において補助ブレーキを作動させる頻度が少なくなる。
【0034】
燃料カットと燃料噴射を繰り返さないため、図示の省燃費運転システム100によれば、車両挙動が不安定となりギクシャクして、ドライバに不安定感或いは不快感を与えてしまうことがない。
また、図示の省燃費運転システム100によれば、下り坂の途中で補助ブレーキを作動させる頻度が少なくなる。このことは、下り坂開始点P2Aまでに置いて、十分減速されていることを意味しており、図示の省燃費運転システム100では、燃料消費量が節約されていることを意味している。
すなわち、図示の実施形態によれば、省燃費運転が達成される。
【0035】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態を示すブロック図。
【図2】実施形態で用いられる制御装置のブロック図。
【図3】実施形態に係る省燃費運転システムにおいて、登坂から降坂に移行する場合に、走行距離と、車速と、燃料噴射の特性を示す図。
【図4】実施形態に係る運転制御を示すフローチャート。
【図5】従来技術において、登坂から降坂に移行する場合に、走行距離と、車速と、燃料噴射の特性を示す図。
【図6】図5とは異なる従来技術において、降坂に移行する場合に、走行距離と、車速と、燃料噴射の特性を示す図。
【図7】図5、図6とは異なる従来技術において、登坂から降坂に移行する場合に、走行距離と、車速と、燃料噴射の特性を示す図。
【符号の説明】
【0037】
1・・・車両
2・・・車両位置特定装置/GPS
3・・・車速計測装置/車速センサ
4・・・車両側制御装置/エンジンコントローラ
5・・・車両の情報ネットワーク
10・・・制御装置/コントロールユニット
11・・・記憶装置/データベース
12・・・現在位置特定部
13・・・現在位置から下り坂開始点までの距離演算部/距離演算部
14・・・目標速度決定部
15・・・指令信号発信タイミング決定部
16・・・インターフェース
17・・・タイマ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の位置を特定する車両位置特定装置と、車両進行方向に存在する下り坂のデータを記憶する記憶装置と、車両の速度を計測する車速計測装置と、制御装置とを有し、該制御装置は、車両の速度と、下り坂のデータとから車両の目標速度を決定する機能を有することを特徴とする省燃費運転システム。
【請求項2】
制御装置は、車両が走行している個所における車両の速度と、下り坂開始点までの距離とから、車両が下り坂開始点に到達した時点における車両の速度が下り坂開始点における目標速度となる様に、車両が走行している個所における目標速度を演算する機能を有している請求項1の省燃費運転システム。
【請求項3】
制御装置は、車両が下り坂開始点に到達した時点における車両の速度が下り坂開始点における目標速度となる様に、車両が走行している個所における目標速度を徐々に減速させる制御を行なう機能を有している請求項2の省燃費運転システム。
【請求項4】
前記制御装置は、車両の情報ネットワークを介してエンジンを制御する車両側制御装置に制御信号を送信し、車両側制御装置が当該制御信号に対応する噴射量の燃料を噴霧するための制御信号を燃料噴射装置に対して送信する様にせしめる機能を有する請求項1〜3の何れか1項の省燃費運転システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−133314(P2010−133314A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−309240(P2008−309240)
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(000003908)UDトラックス株式会社 (1,028)
【Fターム(参考)】