説明

磁気抵抗効果装置およびその製造方法

【課題】磁界を効率よく記憶素子に集束させることができ、配線間のショートが防止された磁気抵抗効果装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】互いに平行に配置される複数の第1配線11と、第1配線11の上方に離間して配置されるとともに、互いに平行に配置される複数の第2配線12と、第1配線11と第2配線12との間の一領域に、磁気抵抗型のTMR素子13とを備えた磁気抵抗効果装置であって、各第2配線12上を覆うとともに、隣接する第2配線12間に連続して設けられた絶縁性の高透磁率材料からなる第2磁性体層22bを備えたことを特徴とする磁気抵抗効果装置およびその製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気抵抗効果装置およびその製造方法に関するものであって、特に、強磁性体のスピン方向が平行または反平行となることによって抵抗値が変化することを利用して情報を記憶する不揮発性の磁気記憶装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の不揮発性メモリには、半導体を用いたフラッシュメモリや、強誘電体を用いたFRAM(Ferro electric Random Access Memory)等が挙げられる。しかしながら、フラッシュメモリが情報の書き込み速度がμ秒のオーダーであり、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等の揮発性メモリに比べて遅いという欠点がある。また、FRAMにおいては、書き換え可能回数が少ないという問題が指摘されている。
【0003】
これらの欠点が改善された不揮発性メモリとして注目されているのが、MRAM(Magnetic Random Access Memory)と呼ばれる磁気記憶装置である。MRAMは、図12(a)に示すように、第1配線(書き込みワード線)11とこの第1配線11と立体的に交差する第2配線(ビット線)12とを備え、第1配線11と第2配線12との交差領域には、第1配線11とは絶縁され、第2配線12とは電気的に接続されたトンネル磁気抵抗効果素子(Tunnel Magnetic Resistance(TMR)素子)13を備えている。そして、メモリセルアレイ構造においては、互いに平行に配置される複数の第1配線11と互いに平行に配置される複数の第2配線12の交差領域に、マトリクス状にTMR素子13が設けられた構成となっている。
【0004】
このTMR素子13は、選択素子(例えばトランジスタ素子)(図示省略)の一つの拡散層に接続するワード線14にコンタクト部15および電流駆動層16を介して接続されている。また、ここでの図示は省略するが、上記選択素子の他方の拡散層には電極を介してセンス線が接続されている。
【0005】
MRAMは、上記TMR素子13により「1」および「0」情報を記憶する記憶装置であり、上記TMR素子13は、図12(a)のA領域の要部拡大図に示すように、強磁性体層を含む層からなる磁化固定層13a、トンネル絶縁層13b、強磁性体層を含む層からなる記憶層13cを順に積層した構造からなる。そして、一般的に、一方の磁化固定層13aの磁化方向を固定し、他方の記憶層13cの磁化方向を変化させることにより記憶情報を変化させている。2つの磁性層の磁化方向が同一の方向になる場合(平行方向)は論理値「0」を表し、2つの磁性層の磁化方向が反対の方向になる場合(反平行方向)は論理値「1」を表す。
【0006】
選択されたメモリセルの磁化方向は、選択されたメモリセルで交差する第1配線11および第2配線12に電流を供給することにより変更することができる。上記第1配線11および第2配線12に電流が流れると磁界が発生し、その発生した磁界によって選択されたメモリセルの磁化方向が平行から反平行へ、または反平行から平行へと切り替えられる。通常、第1配線11と第2配線12が共同して、選択されたメモリセルの磁化方向を切り替えるため、磁気メモリの消費電力を下げるために、第1配線11および第2配線12で生成された磁界をできるだけ有効に活用する必要がある。
【0007】
その一つの方法として、第1配線11および第2配線12を高透磁率材料からなる磁性体層(磁気ヨーク)で覆ったいわゆるクラッド構造が提案されている(例えば特許文献1参照)。このようなクラッド構造の一例としては、図12(b)に示すように、第1配線11のTMR素子13側となる面を除く面が磁性体層21で覆われるとともに、第2配線12のTMR素子13側となる面を除く面が磁性体層22で覆われた構造がある。
【0008】
【特許文献1】特開2000−353791号公報
【0009】
ここで、上述した第2配線12のクラッド構造の製造方法の一例について、図12(b)のB−B’方向の断面図である図13を用いて簡単に説明する。
【0010】
この図に示すように、磁性体層21で覆われた第1配線11上には、絶縁膜31を介して、ワード線14(前記図1(a)参照)に接続される電流駆動層16が形成され、電流駆動層16上にはTMR素子13が形成されている。TMR素子13は絶縁膜32に被覆され、上記TMR素子13の表面が露出するように絶縁膜32の表面が平坦化されている。
【0011】
まず、TMR素子13上を含む絶縁膜32上に、別の絶縁膜33を形成する。次いで、通常のリソグラフィ技術とエッチング技術とを用いて、上記絶縁膜33に配線溝34を形成する。この配線溝34の底部の一部にはTMR素子13が露出されている。次に、この配線溝34の内壁を覆う状態で、絶縁膜33上に、ニッケル鉄合金(NiFe)等の導電性の高透磁率材料のからなる第1磁性体層22aを形成する。
【0012】
次いで、異方性エッチングにより、第1磁性体層22aのエッチバックを行い、配線溝34の底部および絶縁膜33上の第1磁性体層22aを除去し、配線溝34の側壁にのみ第1磁性体層22aが残るように加工する。続いて、側壁に第1磁性体層22aが設けられた配線溝34を埋めこむ状態で、絶縁膜33上に配線材料層(図示省略)を形成した後、化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing(CMP))法により、絶縁膜33の表面が露出するまで、配線材料層を研磨することで、配線溝34の内部に第2配線12を形成する。
【0013】
次に、この第2配線12上を含む絶縁膜33上に、導電性の高透磁率材料のからなる第2磁性体層22bを形成する。続いて、通常のリソグラフィ技術によるレジストパターンを用いたエッチングにより、配線溝34上のみを被覆するように第2磁性体層22bをパターンニングする。
【0014】
上記工程を経ることによって、TMR素子13側となる第2配線12の下面を除く第2配線12の側面および上面を、導電性の高透磁率材料のからなる第1磁性体層22aおよび第2磁性体層22bで覆うクラッド構造が形成される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかし、上述したような構成の磁気記憶装置では、第2配線12の側面および上面を覆う磁性体層が導電性の高透磁率材料からなるため、第2配線12の上面を覆う第2磁性体層22bをパターンニングする際に、レジストパターンの合わせずれが生じると、隣接する第2配線12間のショートを引き起こすという問題がある。このため、高密度の配線構造とするには、非常に高精度なレジストパターンの合わせ技術が必要となる。
【0016】
また、上述したようなレジストパターンの合わせずれが生じた場合には、第2磁性体層22bで第2配線12の上面を確実に覆うことができず、第2配線12に生じた電流磁界を第2配線12の下方に配置されるTMR素子13に効率よく集束させることが難しい。このため書き込みの際の消費電力を低減することが難しいだけでなく、磁界が漏洩し、隣接するTMR素子13にディスターブを引き起こすという問題がある。
【0017】
さらに、配線溝34を形成する工程と、第2磁性体層22bをエッチング加工する工程とで、2回の煩雑なリソグラフィ工程が必要であることから、TAT(Turn Around Time)が長くなり、歩留まりの低下を引き起こし易い。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述したような課題を解決するために、本発明における磁気抵抗効果装置は、互いに平行に配置される複数の第1配線と、第1配線の上方に離間して配置されるとともに、互いに平行に配置される複数の第2配線と、第1配線と第2配線との間の一領域に、磁気抵抗型の記憶素子とを備えた磁気記憶装置であって、第2配線上を覆うとともに、隣接する第2配線間に連続して設けられた絶縁性の高透磁率材料からなる磁性体層とを備えたことを特徴としている。
【0019】
このような磁気記憶装置によれば、第2配線の上面を覆う磁性体層が、絶縁性の高透磁率材料で形成されていることから、第2配線が高密度に配置されたとしても、第2配線の上面を覆う磁性体による第2配線間のショートが防止される。また、磁性体層が第2配線上および隣接する第2配線間に連続して設けられることから、第2配線の上面が磁性体層により確実に覆われた状態となる。これにより、磁界が漏洩することなく、第2配線に生じた電流磁界を第2配線の下方に配置される記憶素子に効率よく集束させることが可能となる。また、記憶素子の上方全体が高透磁率材料からなる磁性体層で覆われた状態となることから、外部からの磁界の影響を消失させる磁気シールド効果も得られる。
【0020】
また、本発明の磁気抵抗効果装置の第1の製造方法は、互いに平行に配置される複数の第1配線と、第1配線の上方に離間して配置されるとともに、互いに平行に配置される複数の第2配線と、第1配線と第2配線との間の一領域に、磁気抵抗型の記憶素子とを備えた磁気抵抗効果装置の製造方法であって、次のような工程を順次行うことを特徴としている。まず、第2配線が形成される絶縁膜に、記憶素子に達する配線溝を形成し、配線溝の側壁に高透磁率材料からなる第1磁性体層を形成する工程を行う。次に、配線溝の内部に第2配線を形成する工程を行う。続いて、第2配線上を含む絶縁膜上に、絶縁性の高透磁率材料からなる第2磁性体層を形成する工程を行うことを特徴としている。
【0021】
このような磁気抵抗効果装置の第1の製造方法によれば、第2配線上を含む絶縁膜上に、絶縁性の高透磁率材料からなる第2磁性体層を形成することから、第2配線が高密度に配置される場合であっても、第2配線上を覆う第2磁性体層による第2配線間でのショートが防止される。また、従来のように、第2磁性体層をパターニングする場合と比較して、第2配線の上面が磁性体層により確実に覆われた状態となる。これにより、磁界が漏洩することなく、第2配線に生じた電流磁界を効率よく記憶素子に集束させるとともに外部からの磁界の影響を消失させる磁気シールド効果が得られる。さらに、第2磁性体層をパターンニングするためのリソグラフィ工程を行わなくてもよいため、製造工程が簡略化される。
【0022】
また本発明の磁気抵抗効果装置の第2の製造方法によれば、互いに平行に配置される複数の第1配線と、第1配線の上方に離間して配置されるとともに、互いに平行に配置される複数の第2配線と、第1配線と第2配線との間の一領域に、磁気抵抗型の記憶素子とを備えた磁気抵抗効果装置の製造方法であって、次のような工程を行うことを特徴としている。まず、記憶素子が設けられた絶縁膜上の記憶素子上を含む領域に、第2配線を形成する工程を行う。次に、第2配線を覆う状態で、絶縁膜上に絶縁性の高透磁率材料からなる磁性体層を形成する工程を行う。
【0023】
このような磁気抵抗効果装置の第2の製造方法によれば、第2配線を覆う状態で、絶縁膜上に絶縁性の高透磁率材料からなる磁性体層を形成することから、第2配線が高密度に配置される場合であっても、第2配線上を覆う磁性体層による第2配線間でのショートが防止される。また、従来のように、磁性体層をパターンニングする場合と比較して、第2配線の上面が磁性体層により確実に覆われた状態となる。これにより、磁界が漏洩することなく、第2配線に生じた電流磁界を効率よく記憶素子に集束させるとともに、外部からの磁界の影響を消失させる磁気シールド効果が得られる。さらに、磁性体層をパターンニングするためのリソグラフィ工程を行わなくてもよいため、製造工程が簡略化される。
【発明の効果】
【0024】
以上、説明したように、本発明における磁気抵抗効果装置およびその製造方法によれば、第2配線間のショートが防止されるため、磁気抵抗効果装置の歩留まりを向上させることができる。また、第2配線に生じた電流磁界を効率よく記憶素子に集束させることができるため、書き込みの際の低消費電力化を図ることができる。さらに、磁気シールド効果が得られるため、外部からの磁界によるディスターブが防止される。また、製造工程が簡略化されることから、生産性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の磁気抵抗効果装置およびその製造方法の実施の形態を、磁気記憶装置を例にとり、図面に基づいて詳細に説明する。
【0026】
(第1実施形態)
本実施形態の磁気記憶装置は、背景技術で図12(a)を用いて説明した構成と同様に、互いに平行に配置される複数の第1配線(書き込みワード線)11と、第1配線11の上方に離間して配置された状態で第1配線11と交差するとともに、互いに平行に配置される複数の第2配線(ビット線)12とを備えている。そして、複数の第1配線11と複数の第2配線12との間の各交差領域には、第1配線11とは絶縁され、第2配線12とは電気的に接続されたTMR素子13がマトリクス状に配置されたメモリセルアレイ構造となっている。また、図12(b)を用いて説明したように、第1配線11のTMR素子13側を除く面側、すなわち、第1配線11の両側面および下面側は、高透磁率性材料からなる磁性体層21で覆われていることとする。
【0027】
この状態の断面図を図1に示すと、両側面および下面側が磁性体層21で覆われた書き込みワード線(第1配線)11上には、絶縁膜31を介して、ワード線14(前記図12(a)参照)に接続される電流駆動層16が設けられ、電流駆動層16上にはTMR素子13が設けられている。TMR素子13は、背景技術で説明したように、磁化固定層13a、トンネル絶縁層13b、記憶層13cが順に積層されて構成されている。このTMR素子13は絶縁膜32に被覆され、上記TMR素子13の表面が露出するように絶縁膜32の表面が平坦化されている。なお、ここではTMR素子13の表面が露出する状態で絶縁膜32の表面が平坦化されることとしたが、TMR素子13上にTMR素子13を保護するための導電性の保護層が設けられていてもよく、この場合には、保護層が絶縁膜32から露出された状態となる。ここまでの構成は従来と同様とする。
【0028】
そして、絶縁膜32上には、例えば酸化シリコン(SiO2)、酸フッ化シリコン(SiOF)、酸炭化シリコン(SiOC)、有機化合物などの絶縁材料、もしくはこれらのうち2種以上を用いた積層構造として設けられた絶縁膜33が設けられている。この絶縁膜33には配線溝34が設けられており、配線溝34の底部の一部にはTMR素子13が露出されている。
【0029】
この配線溝34の側面には、バリアメタル層(図示省略)を介して、第1磁性体層22aが形成されている。ここで、バリアメタル層は、配線材料となる銅と磁性体との反応を抑制するとともに、銅および磁性体の拡散を抑制する材料であればよい。このようなバリアメタル層としては、例えば、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、タングステン(W)、窒化タングステン(WN)などが挙げられる。
【0030】
また、第1磁性体層22aは、絶縁性または導電性の高透磁率材料で形成されている。ここで、本発明における高透磁率材料とは、最大透磁率が100以上の軟磁性体材料を指すこととする。
【0031】
この第1磁性体層22aが導電性の高透磁率材料からなる場合には、NiFe、NiFeに第3元素(例えば金属元素)を添加した合金、鉄アルミニウム(FeAl)系合金、コバルト(Co)系アモルファス合金、窒化鉄(FeN)系微結晶合金、もしくは窒化コバルト(CoN)系微結晶合金等の軟磁性金属材料を用いることができる。上記第3元素(例えば金属元素)としては、例えばニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、コバウト(Co)クロム(Cr)等のうち1種、または2種以上もしくはこれらの合金が挙げられる。その一例としては、NiFeMoCu、NiFeCoMo等がある。
【0032】
また、第1磁性体層22aが絶縁性の高透磁率材料からなる場合には、絶縁性のMnZnフェライト、NiZnフェライト、またはこれらに1種以上の元素を添加した酸化物磁性体、もしくは窒化物磁性体を用いることができる。
【0033】
上述したような側面に第1磁性体層22aが設けられた配線溝34の内部に、バリアメタル層を介して、第2配線12が設けられている。このバリアメタル層としては、配線材料に用いるCuとの反応およびCuの拡散を抑制する材料であることが求められ、例えば、Ta、TaN、W、WNなどが挙げられる。
【0034】
そして、本発明に特徴的な構成として、上記第2配線12上を覆うとともにおよび隣接する第2配線12間に連続して、絶縁性の高透磁率性材料からなる第2磁性体層22bが設けられている。この場合には、第2磁性体層22bは、第2配線12上を含む絶縁膜33上に配置された状態となる。第2磁性体層22bを構成する絶縁性の高透磁率材料としては、例えば、絶縁性のMnZnフェライト、NiZnフェライト、またはこれらに1種以上の元素を添加した酸化物磁性体、もしくは窒化物磁性体を用いることができる。
【0035】
次に、上述した磁気記憶装置の製造方法を図2〜図3の製造工程断面図によって説明する。なお、背景技術で説明した磁気記憶装置と同様の構成には、同一の番号を付して説明することとする。
【0036】
まず、図2(a)に示すように、両側面および下面側が磁性体層21で覆われた第1配線11上に、絶縁膜31を介して、ワード線14(前記図1(a)参照)に接続される電流駆動層16を形成し、電流駆動層16上には磁化固定層13a、トンネル絶縁層13b、記憶層13cが順に積層されたTMR素子13を形成する。次に、TMR素子13を覆う状態で絶縁膜31上に絶縁膜32を形成した後、CMP法により上記TMR素子13の表面が露出するまで絶縁膜32の表面を平坦化する。
【0037】
次いで、図2(b)に示すように、TMR素子13上を含む絶縁膜32上に絶縁膜33を形成する。次いで、通常のリソグラフィ技術によるレジストパターンを用いたエッチングにより、第2配線が形成される領域の上記絶縁膜33に、TMR素子13に達する状態の配線溝34を上記第1配線11と直交するように形成する。その後、不要となったレジストパターンを除去する。ここでは、配線溝34のみを記載しているが、配線溝34とその底部より下層の配線または電極に接続する接続孔(図示省略)を形成してもよい。
【0038】
その後、図2(c)に示すように、例えばスパッタリング法を用いて、上記配線溝34の内壁を覆う状態で、絶縁膜33上に、バリアメタル層(図示省略)、高透磁率材料からなる第1磁性体層22aを順に成膜する。
【0039】
次に、既知のエッチバック技術により、第1磁性体層22aおよびバリアメタル層(図示省略)を異方性エッチングする。このエッチングのガスには、例えば塩素を含んだハロゲンガスまたはそれに一酸化炭素(CO)もしくはアンモニア(NH3)を添加したエッチングガスを用いる。さらに酸素を添加してもよい。エッチング条件の一例としては、例えばエッチングガスに塩素(流量:50cm3/min)とアルゴン(流量:50cm3/min)との混合ガスを用い、ソースパワーを600W〜2kW、バイアスパワーを50W〜500W、エッチング雰囲気の圧力を0.67Pa〜1.3Pa、基板温度を20℃〜60℃に設定する。これにより、配線溝34の底部および絶縁膜33上のバリアメタル層と第1磁性体層22aとが除去され、配線溝34の側壁にバリアメタル層を介して第1磁性体層22aのサイドウォールが形成される。
【0040】
なお、ここでは、配線溝34の内壁を覆う状態で、第1磁性体層22aを形成した後、エッチバック工程を行うことで配線溝34の側壁に第1磁性体層22aを残存させたが、指向性の高い成膜技術を用いることにより、配線溝34の側壁のみに第1磁性体層22aを形成してもよい。
【0041】
次に、図2(d)に示すように、スパッタリングによって、第1磁性体層22aが設けられた配線溝34の内壁を覆うように、バリアメタル層(図示省略)を成膜する。その後、上記バリアメタル層の表面に銅シード層(図示省略)を形成した後、例えば電解めっき法により、配線溝34を埋め込むように、絶縁膜33上に配線材料層(以下銅膜と記す)を形成する。この銅膜は例えば銅または銅合金からなる。その後、例えばCMP法により、絶縁膜33の表面が露出するまで銅膜、バリアメタル層を研磨して除去することで、配線溝34内に第2配線12を形成する。
【0042】
その後、図3に示すように、第2配線12上および第1磁性体層22a上を含む絶縁膜33上に、例えばスパッタリング法により、第2磁性体層22bを形成する。第2の磁性体層22bは、絶縁性の高透磁率材料からなり、これにより、第2配線12上を覆うとともに隣接する第2配線12上間に連続して第2磁性体層22bが設けられた状態となる。また、第2配線12の両側面は、第1磁性体層22aにより覆われている。なお、ここでの図示は省略したが、磁性体層で覆う必要のない周辺回路用の配線上については、第2磁性体層22b上にレジストパターンを形成し、エッチングにより除去しても構わない。この場合のレジストパターンは、大きなブロック単位でパターンニングすればよく、高精度の位置合わせは必要ない。
【0043】
このような磁気記憶装置およびその製造方法によれば、第2配線12の上面を覆う第2磁性体層22bが、絶縁性の高透磁率材料で形成されていることから、第2配線12が高密度に配置されたとしても、第2配線12の上面を覆う第2磁性体層22bによる第2配線12間のショートが防止されるため、磁気記憶装置の歩留まりを向上させることができる。
【0044】
また、第2磁性体層22bが、第2配線12上および隣接する第2配線12間に連続して設けられることから、第2配線12の上面が第2磁性体層22bにより確実に覆われた状態となる。これにより、磁界が漏洩することなく、第2配線12に生じた電流磁界を第2配線12の下方に配置されるTMR素子13に効率よく集束させることが可能となるため、書き込みの際の低消費電力化を図ることができる。
【0045】
さらに、TMR素子13の上方全体が高透磁率材料からなる第2磁性体層22bで覆われた状態となることから、外部からの磁界の影響を消失させる磁気シールド効果を得ることができるため、外部からの磁界によるディスターブが防止できる。
【0046】
また、本実施形態の磁気記憶装置の製造方法によれば、従来のように第2磁性体層22bをパターンニングするためのリソグラフィ工程を行わなくてよいことから、製造工程が簡略化され、生産性を向上させることができる。
【0047】
(変形例1)
なお、ここでは、絶縁膜33に設けられた配線溝34の側壁に第1磁性体層22aを形成する例について説明したが、図4に示すように、絶縁膜33を第1磁性体層22aで形成してもよい。ただし、この場合の第1磁性体層22aは、第2配線12間のショートを防止するため、絶縁性の高透磁率材料で形成される。この場合には、TMR素子13上を含む絶縁膜32上に第1磁性体層22aを形成した後、第1磁性体層22aに配線溝34を形成し、その内部に第2配線12を形成することで、第2配線12の両側面が第1磁性体層22aに覆われた状態となる。
【0048】
このような磁気記憶装置およびその製造方法によれば、第2配線12上を覆うとともに第2配線12上間に連続して、絶縁性の高透磁率材料からなる第2磁性体層22bが設けられ、第2配線12の側面を覆う状態で高透磁率材料からなる第1磁性体層22aが設けられた状態となることから、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0049】
また、第2配線12間の絶縁膜32上の全域が第1磁性体層22aにより設けられており、第1磁性体層22aに配線溝34を形成することで、配線溝34の側壁に第1磁性体層22aを形成しなくてもよいことから、第1実施形態の製造方法よりも製造工程をさらに簡略化することができる。また、配線溝34の内壁を覆う状態で絶縁膜33上に第1磁性体層22aを形成し、エッチバックにより配線溝34の底部および絶縁膜33上の第1磁性体層22aを除去することで、配線溝34の側壁に第1磁性体層22aを形成する場合と比較して、エッチバック工程を行わないため、配線溝34の側壁を覆う第1磁性体層22aのエッチングガスとの反応による磁気特性劣化を防止できる。
【0050】
(変形例2)
また、図4を用いて説明した変形例1の構成において、図5に示すように、第2配線12間の絶縁膜32上に、隣接する第2配線12間の間隔以下の幅に設けられた絶縁膜35が設けられていてもよい。ここでは、例えば第2配線12に沿う状態で、第2配線よりも薄い膜厚で設けられ、その側壁が下層となる絶縁膜32側に向けて徐々に幅広くなるようテーパー形状の絶縁膜35が設けられることとする。そして、この絶縁膜35上には、この絶縁膜35を覆う状態で、絶縁性の高透磁率材料からなる第1磁性体層22aが設けられることとする。これにより、第2配線12の下部の側面を覆う第1磁性体層22aの幅が、第2配線12の下面側に向けて狭くなる。
【0051】
このような構成の磁気記憶装置の製造方法について、図6の製造工程断面図を用いて説明する。まず、図6(a)に示すように、TMR素子13上を含む絶縁膜32上に、例えば後工程で形成する第2配線よりも薄い膜厚で絶縁膜35を形成する。次に、絶縁膜35上にレジストパターン36を形成し、レジストパターン36を用いたエッチングを行うことで、第2配線を形成するTMR素子13上を含む領域の絶縁膜32を露出するとともに、絶縁膜35の側壁を絶縁膜32側に向けて徐々に幅広くなるようなテーパー形状に加工する。その後、レジストパターン36を除去する。
【0052】
次に、図6(b)に示すように、絶縁膜35を覆う状態で、TMR素子13上を含む絶縁膜32上に絶縁性の高透磁率材料からなる第1磁性体層22aを形成する。その後、図6(c)に示すように、第1磁性体層22aにTMR素子13に達する状態で配線溝34を形成する。この後の工程は、第1実施形態と同様に行い、配線溝34の内部に第2配線12を形成した後、第2配線12上を含む第1磁性体層22a上に第2磁性体層22bを形成する。
【0053】
このような磁気記憶装置およびその製造方法であっても、第2配線12上を覆うとともに第2配線12上間に連続して、絶縁性の高透磁率材料からなる第2磁性体層22bが設けられ、第2配線12の側面を覆う状態で高透磁率材料からなる第1磁性体層22aが設けられた状態となる。また、第2配線12間の絶縁膜32上が絶縁膜35と絶縁膜35を覆う第1磁性体層22aにより構成されており、第1磁性体層22aに配線溝34を形成することで、配線溝34内に設けられた第2配線12の側面が第1磁性体層22aで覆われた状態となることから、配線溝34の側壁に第1磁性体層22aを形成しなくてもよい。これにより変形例1と同様の効果を奏することができる。
【0054】
さらに、この変形例2の構成では、図4を用いて説明した変形例1の構成例と比較して、テーパー形状の絶縁膜35が設けられることで、第2配線12の下部の側壁を覆う第1磁性体層22aの端部が細くなることから、第2配線12に生じた磁界をTMR素子13に向けてより集束させることができる。
【0055】
なお、ここでは、側壁がテーパー形状となるように形成された絶縁膜35が設けられることとしたが、本発明はこれに限定されず、絶縁膜35が第2配線12間の間隔以下の幅に設けられており、第2配線12の下部の側面を覆う第1磁性体層22aの幅が狭くなるように設けられていれば良い。ただし、テーパー形状とすることで、第2配線12の下部の側面を覆う第1磁性体層22aの幅が、第2配線12の下面側に向けて狭くなるため、第2配線12に生じる電流磁界をTMR素子13に向けてより集束させることができ、好ましい。
【0056】
(第2実施形態)
本実施形態の磁気記憶装置の構成を図7の断面図を用いて説明する。なお、第1実施形態で説明した磁気記憶装置と同様の構成には、同一の番号を付して説明することとする。
【0057】
本実施形態の磁気記憶装置は、第2配線12上および側面を覆うとともに、第2配線12間に連続して設けられた絶縁性の高透磁率材料からなる磁性体層22を備えている。この磁性体層22は、TMR素子13が設けられた絶縁膜32上に、第2配線12を覆う状態で、一体で設けられている。磁性体層22としては、第1実施形態で図1を用いて説明した第2磁性体層22bと同様のものを用いることができ、例えば、絶縁性のMnZnフェライト、NiZnフェライト、またはこれらに1種以上の元素を添加した酸化物磁性体、もしくは窒化物磁性体を用いることができる。
【0058】
上述した構成の磁気記憶装置の製造方法について、図8の製造工程断面図を用いて説明する。まず、図8(a)に示すように、TMR素子13の表面が露出された状態の絶縁膜32上の、TMR素子13上を含む領域に、例えばCuからなる第2配線12を形成する。この場合には、第1実施形態で図2(b)を用いて説明したように、絶縁膜33のTMR素子13上を含む領域に、配線溝34を形成した後、この配線溝34内を埋め込むように、絶縁膜33上にCuからなる配線材料層を形成し、CMP法により、絶縁膜33の表面が露出するまで研磨する。その後、エッチングより絶縁膜33を除去することで、第2配線12を露出した状態とする。
【0059】
次いで、図8(b)に示すように、第2配線12を覆う状態で、絶縁膜32上に、絶縁性の高透磁率材料からなる磁性体層22を成膜する。これにより、第2配線12の側面および上面が磁性体層22で覆われるとともに、隣接する第2配線12間に連続して磁性体層22が設けられた状態となる。
【0060】
このような磁気記憶装置およびその製造方法であっても、絶縁性の高透磁率材料からなる磁性体層22が、第2配線12の上面および両側面を覆う状態で設けられるとともに、第2配線12間に連続して設けられることから、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0061】
なお、本実施形態では、第2配線12を溝配線法によりCuで形成する例について説明したが、第2配線12が例えばアルミニウム(Al)で形成される場合には、絶縁膜32上にAlからなる配線材料層を形成した後、レジストパターンを用いたエッチングによりAlをパターニングすることで、絶縁膜32上にAlからなる第2配線12を形成する。
【0062】
また、上述したような第1実施形態および第2実施形態では、第2配線12の上面および側面を覆う磁性体層について説明したが、この構成を第1配線11に適用してもよい。ただし、この場合には、第1配線11のTMR素子13側の面を除く面側、すなわち、第1配線11の両側面と下面側を覆うとともに、隣接する第1配線間に連続して絶縁性の高透磁率材料からなる磁性体層が設けられた構成となる。
(変形例3)
上述したような第1実施形態および第2実施形態では、第1配線11と第2配線12とが直交する状態で設けられ、第1配線11と第2配線12の交差領域にTMR素子13が設けられた状態のメモリセルアレイ構造の磁気記憶装置を例にとり説明したが、図9に示すような構成の磁気抵抗効果装置であっても、本発明は適用可能である。
【0063】
この図に示す磁気抵抗効果装置は、ワード線のみで書き込む構造となっており、第1配線(書き込みワード線)11とこの第1配線11の上方に離間して配置される第2配線(書き込みワード線)12とは平行に配置されている。そして、第1配線11と第2配線12との間の一領域には、第2配線12とは電気的に接続されたTMR素子13を備えている。
【0064】
このTMR素子13は、選択素子(例えばトランジスタ素子)(図示省略)の一つの拡散層に接続するワード線14にコンタクト部15および電流駆動線16を介して接続されている。また、第1配線11と第2配線12とはコンタクト部17で接続されており、矢印Cに示す方向に電流が流れることで、書き込みが行われるような構造となっている。このような構成の磁気抵抗効果装置は、不揮発性ロジック回路等に使用することが可能である。
【実施例】
【0065】
(実施例1)
さらに、本発明の具体的な実施例について説明する。図10(a)に示すように、第1配線11上に絶縁膜31および電流駆動層16を介して、ピッチt1が0.78μm、0.98μmとなるように、複数のTMR素子13を形成した。一方、第1実施形態の第1磁性体層22aおよび第2磁性体層22bと同じ形状および膜厚の磁極Mを形成した(実施例1)。具体的には、磁極Mは、第1磁性体層22aに対応する磁極M1と第2磁性体層22bに対応する磁極M2とで構成されており、TMR素子13の両側面上に設けられる磁極M1の間隔W1を520nm、M1の幅W2を20nm、M1の長さL2を400nmで形成した。また、磁極M1上に連続して設けられる磁極M2の膜厚L1を50nmで形成した。
【0066】
またこの実施例1に対する比較例として、背景技術で説明した、図12(a)と同様の構成(no clad)、すなわち、磁極のないものを比較例1とし、図12(b)と同様の構成、すなわち、磁極M2がTMR素子13毎に区切られた構成(separate)のもの比較例2とした。
【0067】
そして、実施例1および比較例1、2の構成について、20mAの電流を流したときの磁界の漏洩をシミュレーションするとともに、TMR素子13に印加する磁界が同じ大きさになる電流値(Ic)について比較した。その結果、隣接するTMR素子13にかかる磁界(漏洩磁界)は比較例1に比べて顕著に小さく、また、比較例2の構造と同等であることが確認された。また、電流値については、図10(b)のグラフに示すように、比較例1と比較すると半分以下となり、比較例2と比較すると若干小さくなることが確認された。
【0068】
(実施例2)
また、実施例2として、図4の構成の第1磁性体層22aおよび第2磁性体層22bと同じ形状および同じ膜厚の磁極を形成し、20mAの電流を流したときの隣接するTMR素子13にかかる磁界(漏洩磁界)をシミュレーションするとともに、ピッチ0.78μmおよび0.98μmの場合の磁界の大きさを測定した。その結果、実施例1の場合と比較して、漏洩磁界は大きい傾向があるが、図11のグラフに示すように、磁性体層の端部とTMR素子13上部との距離t2が150nm以上あれば、ディスターブ等の問題にならないことが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の磁気抵抗効果装置に係る第1実施形態を説明するための断面図である。
【図2】本発明の磁気抵抗効果装置の製造方法に係る第1実施形態を説明するための製造工程断面図(その1)である。
【図3】本発明の磁気抵抗効果装置の製造方法に係る第1実施形態を説明するための製造工程断面図(その2)である。
【図4】本発明の磁気抵抗効果装置に係る第1実施形態の変形例1を説明するための断面図である。
【図5】本発明の磁気抵抗効果装置に係る第1実施形態の変形例2を説明するための断面図である。
【図6】本発明の磁気抵抗効果装置の製造方法に係る第1実施形態の変形例2を説明するための製造工程断面図である。
【図7】本発明の磁気抵抗効果装置に係る第2実施形態を説明するための断面図である。
【図8】本発明の磁気抵抗効果装置の製造方法に係る第2実施形態を説明するための製造工程断面図である。
【図9】本発明の磁気抵抗効果装置の製造方法に係る第1実施形態および第2実施形態の変形例3を説明するための斜視図である。
【図10】本発明の磁気抵抗効果装置に係る実施例1を説明するための構成図およびグラフである。
【図11】本発明の磁気抵抗効果装置に係る実施例2を説明するためのグラフである。
【図12】従来の磁気抵抗効果装置を説明するための斜視図である。
【図13】従来の磁気抵抗効果装置の製造方法を説明するための断面図である。
【符号の説明】
【0070】
11…第1配線(書き込み配線)、12…第2配線(ビット線,書き込み配線)、13…TMR素子、21…磁性体層、21a…第1磁性体層、21b…第2磁性体層、32,33…絶縁膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行に配置される複数の第1配線と、前記第1配線の上方に離間して配置されるとともに、互いに平行に配置される複数の第2配線と、前記第1配線と前記第2配線との間の一領域に、磁気抵抗型の記憶素子とを備えた磁気抵抗効果装置であって、
前記第2配線上を覆うとともに、隣接する前記第2配線間に連続して設けられた絶縁性の高透磁率材料からなる磁性体層を備えた
ことを特徴とする磁気抵抗効果装置。
【請求項2】
前記請求項1記載の磁気抵抗効果装置において、
前記第2配線の両側面を覆う状態で、高透磁率材料からなる磁性体層が設けられている
ことを特徴とする磁気抵抗効果装置。
【請求項3】
請求項1記載の磁気抵抗効果装置において、
隣接する前記第2配線間の全域に前記磁性体層が設けられている
ことを特徴とする磁気抵抗効果装置。
【請求項4】
請求項3記載の磁気抵抗効果装置において、
隣接する前記第2配線間には、当該第2配線間の間隔以下の幅に設けられた絶縁膜と、
当該絶縁膜を覆う状態で設けられる前記磁性体層とが設けられている
ことを特徴とする磁気抵抗効果装置。
【請求項5】
請求項1記載の磁気抵抗効果装置において、
前記第1配線と前記第2配線とが交差しており、前記第1配線と前記第2配線との間の交差領域に、前記記憶素子が設けられている
ことを特徴とする磁気抵抗効果装置。
【請求項6】
請求項1記載の磁気抵抗効果装置において、
前記第1配線と前記第2配線とが平行に配置されている
ことを特徴とする磁気抵抗効果装置。
【請求項7】
互いに平行に配置される複数の第1配線と、前記第1配線の上方に離間して配置されるとともに、互いに平行に配置される複数の第2配線と、前記第1配線と前記第2配線との間の一領域に、磁気抵抗型の記憶素子とを備えた磁気抵抗効果装置の製造方法であって、
前記第2配線が形成される絶縁膜に、前記記憶素子に達する配線溝を形成し、当該配線溝の側壁に高透磁率材料からなる第1磁性体層を形成する工程と、
前記配線溝の内部に前記第2配線を形成する工程と、
前記第2配線上を含む前記絶縁膜上に、絶縁性の高透磁率材料からなる第2磁性体層を形成する工程とを有する
ことを特徴とする磁気抵抗効果装置の製造方法。
【請求項8】
請求項7記載の磁気抵抗効果装置の製造方法において、
前記第1磁性体層を形成する工程では、前記絶縁膜を絶縁性の高透磁率材料からなる第1磁性体層で形成し、当該第1磁性体層に前記記憶素子に達する前記配線溝を形成することで、前記配線溝の側壁に第1磁性体層を形成する
ことを特徴とする磁気抵抗効果装置の製造方法。
【請求項9】
請求項8記載の磁気抵抗効果装置の製造方法において、
前記第1磁性体層を形成する工程の前に、
記憶素子が形成された絶縁膜上の隣接する前記第2配線間となる領域に、当該第2配線間の間隔以下の幅の絶縁膜を形成する工程を有し、
前記第1磁性体層を形成する工程では、前記第2配線の間隔以下の幅の絶縁膜を覆う状態で前記第1磁性体層を形成し、当該第1磁性体層に前記記憶素子に達する前記配線溝を形成する
ことを特徴とする磁気抵抗効果装置の製造方法。
【請求項10】
互いに平行に配置される複数の第1配線と、前記第1配線の上方に離間して配置されるとともに、互いに平行に配置される複数の第2配線と、前記第1配線と前記第2配線との間の一領域に、磁気抵抗型の記憶素子とを備えた磁気抵抗効果装置の製造方法であって、
前記記憶素子が設けられた絶縁膜上の前記記憶素子上を含む領域に、前記第2配線を形成する工程と、
前記第2配線を覆う状態で、前記絶縁膜上に絶縁性の高透磁率材料からなる磁性体層を形成する工程とを有する
ことを特徴とする磁気抵抗効果装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−54229(P2006−54229A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−232917(P2004−232917)
【出願日】平成16年8月10日(2004.8.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FRAM
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】