説明

移動体端末装置、移動体端末装置の制御方法、移動体端末装置の制御プログラム、および移動体端末装置の制御プログラムを記録した記録媒体

【課題】本願の課題の一例は、複数の移動手段を利用する場合にも、移動手段に応じたアプリケーションプログラムを切替ることにより、移動手段に応じたサポートを行なう移動体端末装置、移動体端末装置の制御方法、移動体端末装置の制御プログラム、および移動体端末装置の制御プログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【解決手段】本実施形態に記載の移動体端末装置は、移動手段によって移動する移動体端末装置の状態情報を検知するセンサ類と、センサによって検知された状態情報に基づいて、移動体端末装置の移動手段を複数の候補とし、それぞれの移動手段候補に対して重みづけをし、点数化し、積算演算することによって移動手段を判断する移動状態判断手段と、移動状態判断手段によって判断される移動体端末装置の移動手段に基づいて、移動体端末装置において必要とされるアプリケーションプログラムを選択して、アプリケーションプログラムを実行する構成を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、移動体端末装置の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ある目的地まで車で移動する場合、GPS(Global Positioning System)機能を備えたカーナビ装置に目的地を指示すれば、地図帳などを閲覧しなくても、目的地までの最適な経路を知ることができるものが知られている。また、電車で移動する場合、携帯電話などの携帯情報端末を用いてインターネット上の路線案内サイトに接続し、乗車・下車時刻や運賃などの路線情報をダウンロードすることにより、時刻表で乗車時刻等を確認しなくても、路線情報を知ることができることも知られている。また、徒歩で移動する場合も、携帯情報端末を用いて地図サイトに接続し、目的地までの地図データをダウンロードすることにより、目的地までの道筋を知ることができることも知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記の装置の場合には、以下のような問題が生じている。例えば、複数の移動手段を利用する場合(自転車、歩行、バイク、電車、飛行機、船等)には、一貫してナビゲーションを受けることができないために、移動手段に応じたサポートを行なう場合、ユーザが手動でモード切替を行なう必要があった。また、ナビゲーションを受けながら、現在の時刻や現在位置に基づくリアルタイムな情報(例えば、電車の発車時刻、渋滞情報、抜け道情報、公衆トイレ等の位置情報等)を迅速に知ることができなかった。
【0004】
そこで、本願は、上記の不都合に鑑みてなされたもので、その課題の一例は、複数の移動手段を利用する場合にも、移動手段に応じたアプリケーションプログラムを切替ることにより、移動手段に応じたサポートを行なう移動体端末装置、移動体端末装置の制御方法、移動体端末装置の制御プログラム、および移動体端末装置の制御プログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に記載の移動体端末装置は、移動体端末装置において、前記移動体端末装置の状態情報を検知する状態情報検知手段と、前記状態情報検知手段によって検知された状態情報に基づいて、前記移動体端末装置の移動状態を判断する移動状態判断手段と、前記移動状態判断手段によって判断される前記移動体端末装置の移動状態に基づいて、前記移動体端末装置において必要とされる案内情報を判断する案内情報判断手段と、前記案内情報判断手段によって判断される前記移動体端末装置に必要とされる前記案内情報を通知する通知手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項6に記載の移動体端末装置の制御方法は、前記移動体端末装置の状態情報を検知する状態情報検知工程と、前記状態情報検知工程において検知される検知情報に基づいて、前記移動体端末装置の移動状態を判断する移動状態判断工程と、前記移動状態判断工程において判断される前記移動体端末装置の移動状態に基づいて、前記移動体端末装置において必要とされる案内情報を判断する案内情報判断工程と、案内情報判断手段によって判断される前記移動体端末装置に必要とされる前記案内情報を通知する通知手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項7に記載の移動体端末装置の制御プログラムは、移動体端末装置に含まれるコンピュータを、前記移動体端末装置の状態情報を検知する状態情報検知手段、前記状態情報検知手段において検知される状態情報に基づいて、前記移動体端末装置の移動状態を判断する移動状態判断手段、前記移動状態判断手段によって判断される前記移動体端末装置の移動状態に基づいて、前記移動体端末装置において必要とされる案内情報を判断する案内情報判断手段、案内情報判断手段によって判断される前記移動体端末装置に必要とされる前記案内情報を通知する通知手段として機能させることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に、本願に最適な実施の形態について、図1乃至図7に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係わる移動体端末装置Sの概要をブロックで示した図である。図2は本実施形態の移動体端末装置Sと移動方向との関係を示す図で、(a)は2次元軸方向図、(b)は3次元軸方向図、(c)は回転軸方向図である。図3は、本実施形態の移動手段と検知状態との判断基準を示した表である。(a)は判定1における判断基準を示す図、(b)は判定2における判断基準を示す図である。図4は、本実施形態の判定1における移動手段と検知状態との関係を数値化する点数表を示した表である。図5は、本実施形態の判定2における移動手段と検知状態との関係を数値化する点数表を示した表である。図6の(a)は、本実施形態の移動手段としての自動車の移動状態を説明する図である。(b)は、本実施形態の移動手段について判定1に基づいて数値化した表である。(c)は、本実施形態の移動手段について判定2に基づいて数値化した表である。(d)は、本実施形態の移動手段について判定1および判定2に基づいて数値化した表である。図7は、本実施形態の移動体端末装置Sの動作をあらわしたフローチャートである。
【0009】
最初に、図1に基づいて、本実施形態に係わる移動体端末装置Sの概要を説明する。
【0010】
本実施形態に係わる移動体端末装置Sは、移動状態判断手段、案内情報判断手段、としてのシステム制御部1、状態情報検知手段および状態情報検知部としての方位センサ部2、温度センサ部3、気圧センサ部4、傾斜センサ部5、並びにジャイロセンサ部6、状態情報検知手段および位置情報検知部としてのGPS部7、案内情報としての地図DB(DATA BASE)を設けている。
【0011】
システム制御部1には、演算部(図示せず)、電源が切れても記憶内容が消えない記憶部(図示せず)、制御部(図示せず)、プログラム等が記憶されているROM部(図示せず)等が設けられている。
【0012】
システム制御部1は、前述した演算部等において、方位センサ部2、温度センサ部3、気圧センサ部4、傾斜センサ部5、及びジャイロセンサ部6から出力された出力情報に基づき、移動体端末装置Sの移動速度、回転速度、3次元軸の各方向の振幅、振幅周期、温度、気圧を演算する。また、システム制御部1は、GPS部7から出力される情報に基づいて、地図DBにおける移動体端末装置Sの位置を演算する。
【0013】
方位センサ部2の一例としては、励磁巻線(図示略)が捲回された磁性体であるトロイダルコア(環状磁性体)と、前記トロイダルコアの一対向部間に直径方向に捲回された内側コイル(第1巻線)と、前記トロイダルコアの前記一対向部と90度ずれた対向部間に前記内側コイルと直交して前記内側コイル上から捲回された外側コイル(第2巻線)とを備える地磁気検出型の方位センサがある。
【0014】
この方位センサでは、地球磁界Heが加わっていない状態で、励磁巻線を交流励磁すると、トロイダルコアの対向部を通る磁束Φ1,Φ2は大きさが等しく方向が反対であるため、出力巻線である内側コイルの鎖交磁束はゼロとなって出力電圧V2は発生しない。また、外側コイルについても同様に出力電圧V1は発生しない。しかし、内側コイルに直角方向から地球磁界Heが加わると、磁束Φ1,Φ2は非対称になり、内側コイルに出力電圧V2が発生する。この際、外側コイルには地球磁界Heが鎖交しないので出力電圧V1は発生しない。しかし、この状態から方位センサAを鉛直軸回りに回動させると、出力電圧V1が発生すると共に、方位センサが地球磁界He以外の磁気の影響を受けていなければ、出力電圧V1,V2がサインカーブで変化することになる。この様な方位センサAを移動体端末装置Sに装備した場合において、移動体端末装置Sの進行方向θは、θ=tan-1(V1/V2)で表すことができる。この様にして、自動車等の車両の進行方向が計測されることになる。
【0015】
温度センサ部3に用いられる温度センサとしては、一般に接触式と非接触式がある。接触式は、直接物体に接触して測定する方式で、センサの構成が簡単で広く用いられている。主な代表例としては、白金測温抵抗体・サーミスタ・熱電対・トランジスタの温度特性を利用したIC化温度、クリスタルのYカットを利用した水晶温度計等がある。非接触式は、物体から放射される赤外線を測定し、その赤外線の量から物体の温度を測定する方式である。主な代表例として、サーモパイルなどがある。
【0016】
気圧センサ部4に用いられる気圧センサとしては、一例として半導体タイプの気圧センサがある。このセンサは、集積回路の技術を応用して、密閉した構造のシリコン製のコンデンサを形成し、気圧による電極間の距離の変化を静電容量の変化として記録するセンサである。
【0017】
傾斜センサ部5は一例として、ピエゾ抵抗素子を用いた傾斜センサがある。この傾斜センサは、例えば基台を加工して中央側に重りを形成し、この基台1の上側に、例えばシリコン基台を載置固定し、このシリコン基台の上面に複数のピエゾ抵抗素子を形成したもので、センサが傾くと重りの重力の方向が変わり、シリコン基台に曲げ応力を生ずる。この応力変化がピエゾ抵抗素子に伝わって抵抗素子の抵抗が変化する。この抵抗変化を利用してセンサの傾きを検出するものである。
【0018】
ジャイロセンサ部6は、一例として、回転によって生じるコリオリの力を圧電セラミックの振動子で電気信号に変換し、角速度に比例した電圧を検出するタイプのセンサがある。出力としては、基準電圧出力とセンサ出力よりなり、基準電圧は、入力電圧の約半分程度の電圧が出力され、センサ出力は前出の角速度に比例した電圧が出力される。センサ出力は、基準電圧を基に出力される。
【0019】
GPS部7は地球の回りを回る衛星からの電波を受信することによって、移動体端末装置Sの位置を測位することができる。測位するために必要な衛星の数は、最低で3個であるが、3個で測位させると、平面でしか測位できない。平面で、測位させるのに必要な情報として、衛星の方位、衛星の高度、衛星までの距離が、必要になる。3次元で測位させるためには、さらに、もうひとつの衛星と、時間が必要になってくる。つまり、立体的に測位をするためには、4つの衛星からの情報が必要となる。
【0020】
次に、前述したセンサの出力と移動体端末装置Sとの移動方向の関係を図2に示す。
【0021】
図2(a)は2次元軸方向図である。移動体端末装置Sが例えば自動車の車内において、y1方向が進行方向になると、x1方向は、進行方向と直交した道路の幅方向を指し示すことになる。例えば、移動体端末装置Sとしての携帯電話装置の場合には、液晶表示画面と直交する方向をx1方向とすると、液晶表示画面は、自動車のフロントガラスと対向していることになる。またy1方向は、液晶表示画面と略平行な方向であって、自動車の側面方向を指し示すことになる。
【0022】
図2(b)は、図2(a)にz軸方向を加えた3次元軸方向をあらわした図である。z軸方向は、例えば、移動体端末装置Sとしての携帯電話装置の場合には、液晶表示画面と略平行な方向であって、自動車の天井部分方向を指し示すことになる。すなわち、自動車の上下の振動方向を指し示すことになる。
【0023】
図2(c)は、移動体端末装置Sの回転方向を示す図である。θ方向は、移動体端末装置SのZ軸を中心としたX−Y平面での回転方向である。例えば、自動車の場合には道路を曲がる(カーブする方向)の回転速度等を検知することを示している。Φ方向は、移動体端末装置Sがz軸からy軸方向へ転倒する回転方向である。例えば、自転車およびバイクにおいては、道路を曲がる場合に車体が傾くことがあるが、この傾きをΦ方向の大きさから検知することができる。
【0024】
図3は、移動体端末装置Sを移動させる手段である、自動車、人間(例えば歩行)、自転車、バイク等において、図2における各方向に対してどの程度の速度、変化等があった場合に、移動手段としての推定点数をつけるかをあらわした表である。
【0025】
図3(a)は、移動体端末装置Sを移動させる移動手段を横軸で示し、縦軸は状態情報検知手段から出力された信号に基づいて、システム制御部1が演算する図2における軸、回転角等の状態の種類をあらわす。表中の基準値は、それぞれの移動手段として判断するおおよその基準値をあらわしている。
【0026】
図3(b)は移動体端末装置Sを移動させる移動手段を横軸で示し、縦軸は移動手段が検知される場所を表示している。表における各欄は、縦軸は移動手段が検知される場所にその移動手段が居る可能性を表示している。この表示されている判断基準に基づいて、図5において点数化を行なっている。詳細は図5において説明する。
【0027】
図4および図5に示される点数表は、システム制御部1内にある記憶部等に記憶されている。また、システム制御部1は、状態情報検知手段から出力された信号に対して、図3に示される基準値に基づいて、移動状態候補(自動車、歩行、自転車およびバイク)毎に図4および図5に示される点数表に基づいて点数を記録する。点数はおおよそ1秒間積算される。例えば、点数化されるサンプリング時間は、1秒間隔で、20秒間に各項目について20回積算演算された数値が記録される。
【0028】
まず、図3(a)および図4における“r方向移動速度”について説明する。図3(a)および図4におけるr方向は、図2におけるr方向(y1方向)に対応し、移動体端末装置Sを移動させる手段としての移動体の進行方向をあらわす。移動体の進行方向については、状態情報検知手段から出力された信号(一つの状態検知手段からの出力に限らず、複数の状態検知手段からの信号をあらわす場合がある。)に基づいて、システム制御部1が移動体の速度として判定のための値を演算する。
【0029】
図3(a)において、移動体の移動速度がおおよそ5kmを超える場合には、自動車、自転車、バイクの可能性が高いと判断する。また、5km以下の場合には、歩行時である可能性が高いと判断する。さらに、10km前後の速度で移動体が移動している場合には、自転車である可能性が高いと判断する。
【0030】
図4における移動状態候補(自動車、歩行、自転車およびバイク)毎に表示されているS1およびS2には以下の意味がある。
【0031】
S1は、各移動モードにおいてその状態を取り得る度合いをパーセント表示したものである。またS2は、その状態がある移動モードであると特定できる確率である。各種状態情報検知手段から出力された信号に基づいて、移動状態候補(自動車、歩行、自転車およびバイク)であるとする点数付けはS1×S2で求められる。
【0032】
次に、図4における“r方向移動速度”に関する各移動体の点数付けのうち、移動体が自動車であると仮定された場合について説明する。最初に、S1の値について説明する。時速が0km〜5kmであると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車である度合いは30%であると制御部1が判断する。また、時速が5km〜20kmであると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車である度合いは10%であると制御部1が判断する。また、時速が20km〜50kmであると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車である度合いは40%であると制御部1が判断する。また、時速が50km〜120kmであると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車である度合いは10%であると制御部1が判断する。
【0033】
さらに、S2の値について説明する。時速が0km〜5kmであると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車であると特定できる確率は25%であると制御部1が判断する。時速が5km〜20kmであると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車であると特定できる確率は30%であると制御部1が判断する。時速が20km〜50kmであると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車であると特定できる確率は33%であると制御部1が判断する。時速が50km〜120kmであると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車であると特定できる確率は50%であると制御部1が判断する。
【0034】
そして、“r方向移動速度”に基づいて、移動体が自動車であると推定するための推定点数は時速毎に図4のS1*S2欄で示されるように制御部1によって演算され、S1とS2の掛算演算の結果値として制御部1内の記憶部に記憶される。時速が20km〜50kmであると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車である推定するための推定点数はS1(40%)×S2(33%)の演算結果である1320点が制御部1において演算され制御部1にある記憶部に記憶される。これらの点数は一例であるので、ここに記載された点数に限定されるわけではない。
【0035】
次に、図4における“r方向移動速度”に関する各移動体の点数付けのうち、移動体が歩行者であると仮定された場合について説明する。最初に、S1の値について説明する。時速が0km〜5kmであると制御部1において演算された場合には、移動体が歩行者である度合いは90%であると制御部1が判断する。また、時速が5km〜20kmであると制御部1において演算された場合には、移動体が歩行者である度合いは10%であると制御部1が判断する。また、時速が20km以上であると制御部1において演算された場合には、移動体が歩行者である度合いは0%であると制御部1が判断する。
【0036】
さらに、S2の値について説明する。時速が0km〜5kmであると制御部1において演算された場合には、移動体が歩行者であると特定できる確率は25%であると制御部1が判断する。時速が5km〜20kmであると制御部1において演算された場合には、移動体が歩行者であると特定できる確率は25%であると制御部1が判断する。時速が20km以上であると制御部1において演算された場合には、移動体が歩行者であると特定できる確率は0%であると制御部1が判断する。
【0037】
そして、“r方向移動速度”に基づいて、移動体が歩行者であると推定するための推定点数は時速毎に図4のS1*S2欄で示されるように制御部1によって演算され、S1とS2の掛算演算の結果値として制御部1内の記憶部に記憶される。これらの点数は一例であるので、ここに記載された点数に限定されるわけではない。
【0038】
同様に、移動体が自転車またはバイクであると推定するための推定点数は時速毎に図4のS1*S2欄で示されるように制御部1によって演算され、S1とS2の掛算演算の結果値として制御部1内の記憶部に記憶される。
【0039】
次に、図3(a)および図4における“θ方向回転速度”について説明する。図3(a)におけるθ方向は、図2におけるθ方向に対応し、移動体端末装置Sを移動させる手段としての移動体が地平面に対して水平方向へ移動する場合の回転速度をあらわす。移動体の回転速度については、状態情報検知手段から出力された信号(一つの状態検知手段からの出力に限らず、複数の状態検知手段からの信号をあらわす場合がある。)に基づいて、システム制御部1が判定のための値を演算する。
【0040】
図3(a)において、移動体の移動速度がおおよそa(aの値は任意の値に設定されることが可能である)度/秒を以上の場合には、歩行の可能性が高いと判断する。これは、歩行の場合には、回転半径が小さい(直角等に急に移動方向を変化させることができる)が、自動車等の場合には、前輪と後輪との間の距離に制限されて急には回転できないので、このような特徴によって移動体の区別が可能になるためである。本実施形態においては、この“θ方向回転速度”については演算を行なっていない場合を示す。
【0041】
次に、図3(a)および図4における“回転半径r”について説明する。図3(a)および図4におけるθ方向は、図2におけるθ方向に対応し、移動体端末装置Sを移動させる手段としての移動体のある地点でのθ方向への回転半径をあらわす。システム制御部1が、状態情報検知手段から出力された信号に基づいて、移動体の回転半径rを演算する。
【0042】
図3(a)において、自動車の場合には、最低でも回転半径rがおおよそ4m以上であると判断される。また、バイクの場合には、最低でも回転半径rがおおよそ2m超であると判断される。さらに歩行の場合には、回転半径rが1m未満の場合もあり、その場合に点数を高くすることが有効である。
【0043】
次に、図4における“回転半径r”に関する各移動体の点数付けのうち、移動体が自動車であると仮定された場合について説明する。
【0044】
最初に、S1の値について説明する。回転半径が0m〜4mであると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車である度合いは0%であると制御部1が判断する。また、回転半径が4m以上であると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車である度合いは100%であると制御部1が判断する。
【0045】
さらに、S2の値について説明する。回転半径が0m〜4mであると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車であると特定できる確率は0%であると制御部1が判断する。回転半径が4m以上であると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車であると特定できる確率は25%であると制御部1が判断する。
【0046】
そして、“回転半径r”に基づいて、移動体が自動車であると推定するための推定点数は回転半径rに図4のS1*S2欄で示されるように制御部1によって演算され、S1とS2の掛算演算の結果値として制御部1内の記憶部に記憶される。例えば、回転半径が4m以上であると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車である推定するための推定点数はS1(100%)×S2(25%)の演算結果である2500点が制御部1において演算され制御部1にある記憶部に記憶される。
【0047】
次に、図4における“回転半径r”に関する各移動体の点数付けのうち、移動体が歩行者であると仮定された場合について説明する。最初に、S1の値について説明する。回転半径が0m〜1mであると制御部1において演算された場合には、移動体が歩行者である度合いは30%であると制御部1が判断する。また、回転半径が1m〜4mであると制御部1において演算された場合には、移動体が歩行者である度合いは55%であると制御部1が判断する。また、回転半径が4m以上であると制御部1において演算された場合には、移動体が歩行者である度合いは20%であると制御部1が判断する。
【0048】
さらに、S2の値について説明する。回転半径が0m〜1mであると制御部1において演算された場合には、移動体が歩行者であると特定できる確率は100%であると制御部1が判断する。回転半径が1m〜4mであると制御部1において演算された場合には、移動体が歩行者であると特定できる確率は33%であると制御部1が判断する。回転半径が4m以上であると制御部1において演算された場合には、移動体が歩行者であると特定できる確率は25%であると制御部1が判断する。
【0049】
そして、“回転半径r”に基づいて、移動体が歩行者であると推定するための推定点数は時速毎に図4のS1*S2欄で示されるように制御部1によって演算され、S1とS2の掛算演算の結果値として制御部1内の記憶部に記憶される。これらの点数は一例であるので、ここに記載された点数に限定されるわけではない。
【0050】
同様に、移動体が自転車またはバイクであると推定するための推定点数は“回転半径r”毎に図4のS1*S2欄で示されるように制御部1によって演算され、S1とS2の掛算演算の結果値として制御部1内の記憶部に記憶される。
【0051】
次に、図3(a)および図4における“左右(θ、y1)振幅Ay”について説明する。図3および図4における左右(θ、y1)は、図2におけるθ方向およびy1方向に対応し、移動体端末装置Sを移動させる手段としての移動体の進行方向に対する左右へのゆれの大きさをあらわす。システム制御部1が、状態情報検知手段から出力された信号に基づいて、移動体の左右(θ、y1)振幅Ay(移動体の進行方向に対する左右へのゆれの大きさ)を演算する。
【0052】
図3(a)において、自動車の場合には、進行方向に対する左右へのゆれが小さいことが考えられるので、およそ2cm未満であると考えられる。一方、歩行、自転車、バイクの場合には、進行方向に対する左右へのゆれは、自動車よりも大きいことが考えられる。
【0053】
また、歩行の場合には2cm以上の値となる可能性が、自転車およびバイクの場合に比べて大きいと推定される。
【0054】
次に、図4における“左右(θ、y1)振幅Ay”に関する各移動体の点数付けのうち、移動体が自動車であると仮定された場合について説明する。
【0055】
最初に、S1の値について説明する。左右振幅Ayが0cm〜2cmであると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車である度合いは70%であると制御部1が判断する。また、左右振幅Ayが2cm以上であると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車である度合いは30%であると制御部1が判断する。
【0056】
さらに、S2の値について説明する。左右振幅Ayが0cm〜2cmであると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車であると特定できる確率は50%であると制御部1が判断する。左右振幅Ayが2cm以上であると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車であると特定できる確率は25%であると制御部1が判断する。
【0057】
そして、“左右振幅Ay”に基づいて、移動体が自動車であると推定するための推定点数は左右振幅Ayの図4のS1*S2欄で表示されているように制御部1によって演算され、S1とS2の掛算演算の結果値として制御部1内の記憶部に記憶される。例えば、左右振幅Ayが2cm以上であると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車である推定するための推定点数はS1(70%)×S2(50%)の演算結果である3500点が制御部1において演算され制御部1にある記憶部に記憶される。
【0058】
次に、図4における“左右振幅Ay”に関する各移動体の点数付けのうち、移動体が歩行者であると仮定された場合について説明する。最初に、S1の値について説明する。左右振幅Ayが0cm〜2cmであると制御部1において演算された場合には、移動体が歩行者である度合いは0%であると制御部1が判断する。左右振幅Ayが2cm以上であると制御部1において演算された場合には、移動体が歩行者である度合いは100%であると制御部1が判断する。
【0059】
さらに、S2の値について説明する。左右振幅Ayが0cm〜2cmであると制御部1において演算された場合には、移動体が歩行者であると特定できる確率は0%であると制御部1が判断する。また、左右振幅Ayが2cm以上であると制御部1において演算された場合には、移動体が歩行者であると特定できる確率は25%であると制御部1が判断する。
【0060】
そして、移動体の移動方向に対する“左右振幅Ay”に基づいて、移動体が歩行者であると推定するための推定点数は時速毎に図4のS1*S2欄で示されるように制御部1によって演算され、S1とS2の掛算演算の結果値として制御部1内の記憶部に記憶される。例えば、左右振幅Ayが2cm以上であると制御部1において演算された場合には、移動体が歩行者である推定するための推定点数はS1(100%)×S2(25%)の演算結果である2500点が制御部1において演算され制御部1にある記憶部に記憶される。これらの点数は一例であるので、ここに記載された点数に限定されるわけではない。
【0061】
同様に、移動体が自転車またはバイクであると推定するための推定点数は“左右振幅Ay”毎に図4のS1*S2欄で示されるように制御部1によって演算され、S1とS2の掛算演算の結果値として制御部1内の記憶部に記憶される。
【0062】
次に、図3(a)および図4における“z軸振幅Az”について説明する。図3および図4におけるz軸振幅Azは、図2におけるz軸方向の振幅に対応し、移動体端末装置Sを移動させる手段としての移動体の地上面に対する上下へのゆれの大きさをあらわす。システム制御部1が、状態情報検知手段から出力された信号に基づいて、移動体のz軸振幅(移動体の地上面に対する上下へのゆれの大きさ)を演算する。
【0063】
図3(a)において、歩行の場合には、地上面に対する上下へのゆれの大きさは比較的大きいことが考えられるので、およそ2cm以上であるとする。一方、自動車、自転車、バイクの場合には、地上面に対する上下へのゆれの大きさは比較的小さい(およそ2cm未満)ことが考えられる。
【0064】
次に、図4における“z軸振幅Az”に関する各移動体の点数付けのうち、移動体が自動車であると仮定された場合について説明する。
【0065】
最初に、S1の値について説明する。z軸振幅Azが0cm〜2cmであると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車である度合いは60%であると制御部1が判断する。また、z軸振幅Azが2cm以上であると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車である度合いは40%であると制御部1が判断する。
【0066】
さらに、S2の値について説明する。z軸振幅Azが0cm〜2cmであると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車であると特定できる確率は25%であると制御部1が判断する。z軸振幅Azが2cm以上であると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車であると特定できる確率は25%であると制御部1が判断する。
【0067】
そして、“z軸振幅Az”に基づいて、移動体が自動車であると推定するための推定点数はz軸振幅Azの図4のS1*S2欄で表示されているように制御部1によって演算され、S1とS2の掛算演算の結果値として制御部1内の記憶部に記憶される。例えば、z軸振幅Azが0〜2cmであると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車である推定するための推定点数はS1(60%)×S2(25%)の演算結果である1500点が制御部1において演算され制御部1にある記憶部に記憶される。
【0068】
同様に、移動体が歩行者、自転車またはバイクであると推定するための推定点数は“z軸振幅Az”毎に図4のS1*S2欄で示されるように制御部1によって演算され、S1とS2の掛算演算の結果値として制御部1内の記憶部に記憶される。
【0069】
次に、図3(a)および図4における“左右振動周期Ty”について説明する。図3(a)および図4における“左右振動周期Ty”は、図2におけるy1方向の振幅周期に対応し、移動体端末装置Sを移動させる手段としての移動体の進行方向に対する左右へのゆれの周期をあらわす。システム制御部1が、状態情報検知手段から出力された信号に基づいて、移動体の左右振動周期(移動体の進行方向に対する左右へのゆれの周期)を演算する。
【0070】
図3(a)において、自動車の場合には、進行方向に対する左右へのゆれの周期が小さいことが考えられるので、およそ0.5秒未満であると考えられる。一方、歩行、自転車、バイクの場合には、進行方向に対する左右へのゆれの周期は、自動車よりも大きいことが考えられる。
【0071】
次に、図4における“左右振動周期Ty”に関する各移動体の点数付けのうち、移動体が自動車であると仮定された場合について説明する。
【0072】
最初に、S1の値について説明する。左右振動周期Tyが0〜0.5秒であると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車である度合いは80%であると制御部1が判断する。また、左右振動周期Tyが0.5秒以上であると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車である度合いは20%であると制御部1が判断する。
【0073】
さらに、S2の値について説明する。左右振動周期Tyが0〜0.5秒であると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車であると特定できる確率は33%であると制御部1が判断する。左右振動周期Tyが0.5秒以上であると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車であると特定できる確率は25%であると制御部1が判断する。
【0074】
そして、“左右振動周期Ty”に基づいて、移動体が自動車であると推定するための推定点数は左右振動周期Tyの図4のS1*S2欄で表示されているように制御部1によって演算され、S1とS2の掛算演算の結果値として制御部1内の記憶部に記憶される。例えば、左右振動周期Tyが0〜0.5秒であると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車である推定するための推定点数はS1(80%)×S2(33%)の演算結果である2640点が制御部1において演算され制御部1にある記憶部に記憶される。
【0075】
同様に、移動体が歩行者、自転車またはバイクであると推定するための推定点数は“左右振動周期Ty”毎に図4のS1*S2欄で示されるように制御部1によって演算され、S1とS2の掛算演算の結果値として制御部1内の記憶部に記憶される。
【0076】
次に、図3(a)および図4における“上下振動周期Tz”について説明する。図3(a)および図4における上下振動は、図2におけるz軸方向の振動に対応し、移動体端末装置Sを移動させる手段としての移動体の地上面に対して上下方向への振動周期の大きさをあらわす。システム制御部1が、状態情報検知手段から出力された信号に基づいて、移動体の上下振動周期(移動体の地上面に対する振動周期)を演算する。
【0077】
図3(a)において、歩行の場合には、地上面に対する上下への振動の周期は比較的大きいことが考えられるので、およそ0.5秒以上であるとする。一方、自動車、またはバイクの場合には、地上面に対する上下への振動周期は比較的小さい(およそ0.5秒未満)ことが考えられる。歩行の場合には、足の上下動によって、地上面に対する上下への振動が大きくなり、かつ歩行速度は遅いので、上下への振動周期は大きくなる傾向がある。また、自動車、自転車、バイクの場合には、地上と接している部分が円形であるタイヤのために、上下への振動が小さくなり、かつ自動車、自転車、またはバイクの速度は速いので、上下への振動周期も短くなるからである。
【0078】
次に、図4における“上下振動周期Tz”に関する各移動体の点数付けのうち、移動体が自動車であると仮定された場合について説明する。
【0079】
最初に、S1の値について説明する。上下振動周期Tzが0〜0.5秒であると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車である度合いは80%であると制御部1が判断する。また、上下振動周期Tzが0.5秒以上であると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車である度合いは20%であると制御部1が判断する。
【0080】
さらに、S2の値について説明する。上下振動周期Tzが0〜0.5秒であると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車であると特定できる確率は33%であると制御部1が判断する。上下振動周期Tzが0.5秒以上であると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車であると特定できる確率は25%であると制御部1が判断する。
【0081】
そして、“上下振動周期Tz”に基づいて、移動体が自動車であると推定するための推定点数は上下振動周期Tzの図4のS1*S2欄で表示されているように制御部1によって演算され、S1とS2の掛算演算の結果値として制御部1内の記憶部に記憶される。例えば、上下振動周期Tzが0〜0.5秒であると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車である推定するための推定点数はS1(80%)×S2(33%)の演算結果である2640点が制御部1において演算され制御部1にある記憶部に記憶される。
【0082】
同様に、移動体が歩行者、自転車またはバイクであると推定するための推定点数は“上下振動周期Tz”毎に図4のS1*S2欄で示されるように制御部1によって演算され、S1とS2の掛算演算の結果値として制御部1内の記憶部に記憶される。
【0083】
次に、図3(a)および図4における“姿勢(Φ方向)ΔΦ”について説明する。図3(a)および図4における“姿勢(Φ方向)ΔΦ”は、図2におけるΦ方向の傾きに対応し、移動体端末装置Sを移動させる手段としての移動体が進行方向に対して前後にどの程度(何度)傾いているかをあらわす。システム制御部1が、状態情報検知手段から出力された信号に基づいて、移動体のΦ方向の傾き(移動体の進行方向に対する前後への傾き角度)を演算する。
【0084】
図3(a)において、自動車の場合には、移動体端末装置Sは固定される場合が多い(ユーザが胸ポケット等に移動体端末装置Sを装着している、あるいは、自動車のダッシュボードのあらかじめ定められた位置に置かれる)ので、Φ方向の傾きはあまり発生しないことが考えられる。一方、歩行、自転車またはバイクの場合には、ユーザが胸ポケット等に移動体端末装置Sを装着している場合が多いと考えられるので、移動体のΦ方向の傾きが自動車の場合に比べて大きいことが考えられる。
【0085】
次に、図4における“姿勢(Φ方向)ΔΦ”に関する各移動体の点数付けのうち、移動体が自動車であると仮定された場合について説明する。
【0086】
最初に、S1の値について説明する。姿勢(Φ方向)ΔΦが0〜10度であると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車である度合いは90%であると制御部1が判断する。また、姿勢(Φ方向)ΔΦが10度〜20度であると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車である度合いは10%であると制御部1が判断する。また、姿勢(Φ方向)ΔΦが20度以上であると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車である度合いは0%であると制御部1が判断する。
【0087】
さらに、S2の値について説明する。姿勢(Φ方向)ΔΦが0〜10度であると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車であると特定できる確率は25%であると制御部1が判断する。姿勢(Φ方向)ΔΦが10度〜20度であると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車であると特定できる確率は25%であると制御部1が判断する。また、姿勢(Φ方向)ΔΦが20度以上であると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車である度合いは0%であると制御部1が判断する。
【0088】
そして、“姿勢(Φ方向)ΔΦ”に基づいて、移動体が自動車であると推定するための推定点数は姿勢(Φ方向)ΔΦの図4のS1*S2欄で表示されているように制御部1によって演算され、S1とS2の掛算演算の結果値として制御部1内の記憶部に記憶される。例えば、姿勢(Φ方向)ΔΦが0〜10度であると制御部1において演算された場合には、移動体が自動車である推定するための推定点数はS1(90%)×S2(25%)の演算結果である2250点が制御部1において演算され制御部1にある記憶部に記憶される。
【0089】
同様に、移動体が歩行者、自転車またはバイクであると推定するための推定点数は“姿勢(Φ方向)ΔΦ”毎に図4のS1*S2欄で示されるように制御部1によって演算され、S1とS2の掛算演算の結果値として制御部1内の記憶部に記憶される。
【0090】
これらの点数は一例であってここに示した点数に限定されるわけではない。また、他の移動手段である電車、飛行機、船にも同様にこの点数付けを適用することができる。
【0091】
次に、図5を用いて、GPS部7と地図DBを用いた、移動手段に対する点数付けについて説明する。なお、地図DBは、移動体端末装置S内の記憶部にあらかじめ記憶されている。しかし、無線通信または有線通信を利用して、外部からダウンロードする構成とすることも可能である。
【0092】
図5では、図4と同様に、移動手段として自動車、歩行、自転車、バイクの場合について説明する。
【0093】
GPS部7から出力される位置情報および地図DBの情報に基づいて、システム制御部1は移動体端末装置Sが現在どのような位置にいるのかを判定する。
【0094】
システム制御部1による判定の結果、移動体端末装置Sが車道(一般道)にいると判断される場合についての点数付けについて説明する。
【0095】
図4のセンサ等の状態情報検知手段から得られた値に基づいて推定した場合と同様に、S1は、各移動モードにおいてその状態を取り得る度合いを%表示したものである。またS2は、その状態がある移動モードであると特定できる確率である。各種状態情報検知手段から出力された信号に基づいて、移動状態候補(自動車、歩行、自転車およびバイク)であるとする点数付けはS1×S2で求められる。
【0096】
自転車およびバイクは、車道を移動する可能性は高いと考えられるので自転車およびバイクともにS1は70%、S2は25%である。この場合において、S1×S2であらわされる移動体が自動車またはバイクであるとする点数は70×25=1750点となる。また、歩行者は、車道を移動することは通常考えられないので、S1は5%、S2は25%である。この場合において、S1×S2であらわされる移動体が歩行者であるとする点数は5×25=125点となる。また、自転車が、車道を移動することも考えられるがその頻度は通常少ないと考えられないので、S1は20%、S2は25%である。この場合において、S1×S2であらわされる移動体が自転車であるとする点数は20×25=500点となる。また、電車が、車道を移動することは通常あり得ないので、S1は0%、S2は0%である。この場合にいて、S1×S2であらわされる移動体が電車であるとする点数は0×0=0点となる。
【0097】
次に、システム制御部1による判定の結果、移動体端末装置Sが車道(有料道)にいると判断される場合についての点数付けについて説明する。
【0098】
自転車およびバイクは、有料道路を移動する可能性はあると考えられるので自転車およびバイクともにS1は20%、S2は50%である。この場合において、S1×S2であらわされる移動体が自動車またはバイクであるとする点数は20×50=1000点となる。また、歩行者、自転車および電車は、有料道路を移動することは通常考えられないので、S1は0%、S2は0%である。この場合において、S1×S2であらわされる移動体が歩行者、自転車または電車であるとする点数は0×0=0点となる。
【0099】
次に、システム制御部1による判定の結果、移動体端末装置Sが歩道にいると判断される場合についての点数付けについて説明する。
【0100】
歩行者および自転車は、歩道を移動する可能性はあると考えられるので歩行者および自転車ともにS1は50%、S2は50%である。この場合において、S1×S2であらわされる移動体が歩行者または自転車であるとする点数は50×50=2500点となる。また、自動車、バイクおよび電車は、歩道を移動することは通常考えられないので、S1は0%、S2は0%である。この場合において、S1×S2であらわされる移動体が自動車、バイクおよび電車であるとする点数は0×0=0点となる。
【0101】
次に、システム制御部1による判定の結果、移動体端末装置Sが横断歩道に沿って移動していると判断される場合についての点数付けについて説明する。
【0102】
歩行者は、横断歩道に沿って移動する可能性はあると考えられるので、S1は5%、S2は50%である。この場合において、S1×S2であらわされる移動体が歩行者であるとする点数は5×50=250点となる。また、自転車も、横断歩道に沿って移動する可能性はあると考えられるので、S1は10%、S2は50%である。この場合において、S1×S2であらわされる移動体が自転車であるとする点数は10×50=500点となる。しかし、自動車、バイクおよび電車は、横断歩道に沿って移動することは通常考えられないので、S1は0%、S2は0%である。この場合において、S1×S2であらわされる移動体が自動車、バイクおよび電車であるとする点数は0×0=0点となる。
【0103】
次に、システム制御部1による判定の結果、移動体端末装置Sが横断橋を移動していると判断される場合についての点数付けについて説明する。
【0104】
歩行者は、歩道橋を渡って移動する可能性はあると考えられるので、S1は5%、S2は100%である。この場合において、S1×S2であらわされる移動体が歩行者であるとする点数は5×100=500点となる。しかし、自動車、自転車、バイクおよび電車は、歩道橋を渡って移動することは通常考えられないので、S1は0%、S2は0%である。この場合において、S1×S2であらわされる移動体が自動車、自転車、バイクおよび電車であるとする点数は0×0=0点となる。
【0105】
次に、システム制御部1による判定の結果、移動体端末装置Sが道路以外を移動していると判断される場合についての点数付けについて説明する。
【0106】
歩行者は、道路以外の広場および公園等を移動する可能性はあると考えられるので、S1は5%、S2は100%である。この場合において、S1×S2であらわされる移動体が歩行者であるとする点数は5×100=500点となる。しかし、自動車、自転車、バイクおよび電車は、広場および公園等を移動することは通常考えられないので、S1は0%、S2は0%である。この場合において、S1×S2であらわされる移動体が自動車、自転車、バイクおよび電車であるとする点数は0×0=0点となる。
【0107】
次に、システム制御部1による判定の結果、移動体端末装置Sが建物内(駐車場および駅を除く)を移動していると判断される場合についての点数付けについて説明する。
【0108】
歩行者は、建物内(駐車場および駅を除く)等を移動することはよくあると考えられるので、S1は10%、S2は100%である。この場合において、S1×S2であらわされる移動体が歩行者であるとする点数は10×100=1000点となる。しかし、自動車、自転車、バイクおよび電車は、建物内(駐車場および駅を除く)を移動することは通常考えられないので、S1は0%、S2は0%である。この場合において、S1×S2であらわされる移動体が自動車、自転車、バイクおよび電車であるとする点数は0×0=0点となる。
【0109】
次に、システム制御部1による判定の結果、移動体端末装置Sが通行規制を無視して移動していると判断される場合についての点数付けについて説明する。
【0110】
通行規制を無視して移動している場合とは、例えば、一方通行路を一方通行方向とは逆に移動体端末装置Sが移動している場合、道路において反対車線を逆走している場合などが考えられる。
【0111】
歩行者は、通行規制を無視して移動する可能性はあると考えられるので、S1は5%、S2は50%である。この場合において、S1×S2であらわされる移動体が歩行者であるとする点数は5×50=250点となる。また、自転車も、通行規制を無視して移動する可能性はあると考えられるので、S1は5%、S2は50%である。この場合において、S1×S2であらわされる移動体が自転車であるとする点数は5×50=250点となる。しかし、自動車、バイクおよび電車は、通行規制を無視して移動することは通常考えられないので、S1は0%、S2は0%である。この場合において、S1×S2であらわされる移動体が自動車、バイクおよび電車であるとする点数は0×0=0点となる。
【0112】
次に、システム制御部1による判定の結果、移動体端末装置Sが幅員3m未満の細い街路を移動していると判断される場合についての点数付けについて説明する。
【0113】
自動車の場合には、幅員3m未満の街路を移動している可能性は低い。またバイクの場合には、幅員3m未満の街路を移動している可能性は低いが全く可能性がないわけではない。一方、歩行者および自転車の場合には、幅員3m未満の街路を移動する可能性がある。
【0114】
自動車、歩行者およびバイクは、幅員3m未満の街路を移動する可能性はあると考えられるので、S1は10%、S2は25%である。この場合において、S1×S2であらわされる移動体が自動車、歩行者およびバイクであるとする点数は10×25=250点となる。また、自転車も、幅員3m未満の街路を移動する可能性はあると考えられるので、S1は15%、S2は25%である。この場合において、S1×S2であらわされる移動体が自転車であるとする点数は15×25=375点となる。しかし、電車は、幅員3m未満の街路を移動することは通常考えられないので、S1は0%、S2は0%である。この場合において、S1×S2であらわされる移動体が電車であるとする点数は0×0=0点となる。
【0115】
次に、システム制御部1による判定の結果、移動体端末装置Sが線路を移動していると判断される場合についての点数付けについて説明する。
【0116】
電車は、通常線路上を移動するので、S1は80%、S2は100%である。この場合において、S1×S2であらわされる移動体が電車であるとする点数は80×100=8000点となる。移動体がその他の自動車、歩行者、自転車またはバイクである可能性は0として計算を行い、S1×S2であらわされる移動体が自動車、歩行者、自転車またはバイクであるとする点数は0×0=0点となる。
【0117】
次に、システム制御部1による判定の結果、移動体端末装置Sが駅に停車しているまたは、駅を移動していると判断される場合についての点数付けについて説明する。
【0118】
電車は、通常線路上を移動して駅に停車し、通過するので、S1は20%、S2は50%とする。この場合において、S1×S2であらわされる移動体が電車であるとする点数は20×50=1000点となる。また歩行者も、駅にいる可能性があるので、S1は5%、S2は50%とする。この場合において、S1×S2であらわされる移動体が歩行者であるとする点数は5×50=250点となる。
【0119】
以上のように、GPS部7によって検知された移動体端末装置Sの地図DBにおける図5の左端の位置情報に基づいて、自動車、歩行、自転車およびバイクの欄に点数を、あらかじめ定められた時間間隔(例えば1秒間隔)で、20秒間に渡って、点数を積算する。
【0120】
例えば、ある時間において、移動体端末装置Sの位置する場所が有料道であると判断された場合には、自動車の欄には1000点が記録され、歩行の欄には0点、自転車の欄には0点、バイクの欄には100点が記録されることは前述した通りである。
【0121】
更に、例えば1秒後において、移動体端末装置Sの位置する場所が有料道であると判断された場合には、自動車の欄には前回の1000点に更に1000点が加えられ2000点が記録される。歩行の欄には前回の0点に更に0点が加えられ0点が記録される。自転車の欄にも前回の0点に更に0点が加えられ0点が記録される。バイクの欄には前回の1000点に更に1000点が加えられ2000点が記録される。
【0122】
このようにして、あらかじめ定められた時間にわたって、移動体端末装置Sの位置する場所に基づいて、自動車の欄、歩行の欄、自転車の欄およびバイクの欄に図5で示される点数を加算するのである。
【0123】
移動体が自動車である場合についての具体的な例について図6を用いて説明する。
【0124】
図6(a)では、移動体が自動車である場合を示している。自動車は一般道路を時速25kmでカーブ半径が10mの交差点を右折中である。移動方向に対して左右の振幅は0、Z軸振幅Azは1.5cm、左右振動周期Tyは0、上下振動周期Tzは0.3秒、姿勢(Φ方向)ΔΦは5度であるものとする。
【0125】
図6(b)の判定1の表に、上記条件において、図4の判定1に基づいて、移動体としての自動車、歩行者、自転車およびバイクごとに計算した値を示す。ΣP1は、移動体毎(自動車、歩行者、自転車およびバイクごと)にVr、R、Ay、Az、Ty、TzおよびΔΦの点数を一回測定した場合の値である。(1秒間隔で20秒間積算することを通常は行なう。)自動車におけるΣP1は10210点である。歩行者におけるΣP1は1250点である。自転車におけるΣP1は4235点である。バイクにおけるΣP1は6300点である。
【0126】
判定1においては、それぞれの移動状態に対し確からしさのポイントを1秒間各で20秒間の積算値を演算し、最もポイントの高いものを移動状態とする。同点の場合には、前回算出した時の移動状態と変化がないものとする。
【0127】
図6(b)において、システム制御部1は自動車のポイントが最も高いと判断して、移動状態は自動車であると判断する。
【0128】
図6(c)の判定2の表に、上記条件において、図5の判定2に基づいて、移動体としての自動車、歩行者、自転車およびバイクごとに計算した値を示す。ΣP2は、移動体毎(自動車、歩行者、自転車およびバイクごと)に車道(一般道)、車道(有料道)、車道(一般道)、歩道、横断歩道(に沿って移動)、歩道橋、道路以外、建物内(駐車場、駅を除く)、通行規制無視、幅員3m未満細街路通行、線路、駅に項目に基づいて演算されたポイントを加算したものである。自動車におけるΣP2は1750点である。歩行者におけるΣP2は125点である。自転車におけるΣP2は500点である。バイクにおけるΣP2は1750点である。バイクにおけるΣP2は0点である。
【0129】
判定2においては、それぞれの移動状態に対し確からしさのポイントを1秒間各で20秒間の積算値を演算し、最もポイントの高いものを移動状態とする。ただし、図6(c)は、一回の演算値を示す。同点の場合には、前回算出した時の移動状態と変化がないものとする。
【0130】
図6(c)において、システム制御部1は自動車のポイントが最も高いと判断して、移動状態は自動車であると判断する。
【0131】
判定1および判定2の両方を用いて、移動状態を判断する場合には、確からしさポイントが正しく演算されるように、判定2の結果であるΣP2に対して適性値を乗算して重み付けを行なう。図6(d)における判定1および判定2の両方を用いた判定には、ΣP2には重み付け係数として10が積算されている。その結果、判定1および判定2の両方を用いたポイント(ΣPx)は、自動車が27710点、歩行者が2500点、自転車が9235点、バイクが23800点、電車が0点と演算される。
【0132】
この結果、システム制御部1は最もポイントの高い自動車を移動状態であると判断する。
【0133】
以上のように、図4の移動状態毎に演算された、自動車の欄、歩行の欄、自転車の欄およびバイクの欄の合計点に重み付けをした値と、図5の移動体端末装置Sの位置する場所に基づいて演算された、自動車の欄、歩行の欄、自転車の欄、バイクの欄および電車の欄の合計点に重み付けをした値とを、システム制御部1において演算する。
【0134】
その結果、移動状態候補としての自動車、歩行、自転車、バイクおよび電車の合計点を、システム制御部1が比較する。比較の結果、最も合計点の大きい移動状態候補を、移動体端末装置Sを移動させている移動手段として決定する。
【0135】
その後、システム制御部1は、移動体端末装置Sを移動させている移動手段に対応したアプリケーションプログラムを起動させて、ユーザに移動手段に適した地図情報を提供する。
【0136】
例えば、移動手段が自動車であるとシステム制御部1で判定される場合には、移動体端末装置Sで実行されるアプリケーションは自動車用ナビゲーションになる。また、移動手段が歩行者であるとシステム制御部1で判定される場合には、移動体端末装置Sで実行されるアプリケーションは歩行者用ナビゲーションになる。さらに、移動手段が自転車であるとシステム制御部1で判定される場合には、移動体端末装置Sで実行されるアプリケーションは自転車用ナビゲーションになる。さらに、移動手段がバイクであるとシステム制御部1で判定される場合には、移動体端末装置Sで実行されるアプリケーションはバイク用ナビゲーションになる。
【0137】
これらのアプリケーションプログラムは、あらかじめ移動体端末装置Sの記憶部に記憶させておくことが可能である。また、移動体端末装置Sから無線または有線で、外部のデータベース等を有する情報処理装置(例えばサーバーなど)にアクセスして、ダウンロードすることにより、移動体端末装置Sにおいて実行することも可能である。
【0138】
歩行者用ナビゲーションでは、住宅街の細道を移動体端末装置Sに設けられた表示装置(図示せず)に表示することで、ユーザに通知することが可能となる。また、百貨店並びにショッピングセンター等の大規模店舗の入り口、エレベータホール、およびエスカレータ等の位置情報を提供することができる。
【0139】
また、通知手段は表示装置による通知に限られず、小型スピーカ等を通じて音声でユーザを案内することも可能である。
【0140】
また、自転車用ナビゲーションおよびバイク用ナビゲーションにおいては、移動体端末装置Sに設けられた表示装置を見ることが困難な状況が多いので、小型スピーカ等を通じて音声でユーザを案内する機能を充実させたものとなっている。
【0141】
また、自動車用ナビゲーションが実行されている場合には、移動体端末装置Sに設けられた表示装置では、テレビ等の受信ができないようにすることが可能である。運転中にテレビ等を視聴することをできなくすることで、安全な運転ができるようにサポートすることが可能となる。
【0142】
次に図7のフローチャートを用いて、本実施形態における移動体端末装置Sの動作を説明する。
【0143】
ステップS1において移動体端末装置Sが外部の機器と接続されているか否かが判断される。例えば、移動体端末装置Sの充電端子が、移動手段としての自動車またはバイクに接続されているか否かが判断される。移動体端末装置Sの充電端子が、移動手段としての自動車またはバイクに接続されている場合(ステップS1:YES)の場合には、ステップS8に進む。移動体端末装置Sの充電端子が、移動手段としての自動車またはバイクに接続されていない場合(ステップS1:NO)の場合には、ステップS2に進む。次に、ステップS2に進む。
【0144】
ステップS2において、状態検知手段としての方位センサ部2、温度センサ部3、気圧センサ部4、傾斜センサ部5、ジャイロセンサ部6およびGPSセンサ部7から出力された状態情報が、システム制御部1に入力される。
【0145】
ステップS3において、システム制御部1に入力される状態情報に基づいて、システム制御部1が、図4の左端欄に基づいて、移動体端末装置Sの各パラメータを演算する。システム制御部1は、図4の重み付け情報に基づいて、自動車、歩行、自転車、バイクおよび電車に点数をつけ、または点数を加算演算する。次にステップS4に進む。
【0146】
ステップS4において、システム制御部1は、GPSセンサ部7から出力された状態情報および地図DB8を基に、移動体端末装置Sの位置を決定する(マップマッチング)。次に、ステップS5に進む。
【0147】
ステップS5において、ステップS4において決定した移動体端末装置Sの地図上の位置および図5の左端欄の移動体端末装置Sの位置に関する項目に基づいて、自動車、歩行、自転車、バイクおよび電車に点数をつけ、または点数を加算演算する。次に、ステップS6に進む。
【0148】
ステップS6において、ステップS3およびステップS5を繰り返し、何回演算したかがシステム制御部1において判断される。システム制御部1がN回(例えば、1秒ごとに10回)演算されていると、判断する場合(ステップS6:YES)には、ステップS7に進む。システム制御部1がN回(例えば、1秒ごとに20回)演算されていないと判断する場合(ステップS6:NO)には、ステップS2に進む。次に、ステップS7に進む。
【0149】
ステップS7において、システム制御部1は、ステップS3において点数が記録された、自動車、歩行、自転車、バイクおよび電車毎の点数の総和に重み付けをした値と、ステップS5において点数が記録された、自動車、歩行、自転車およびバイク毎の点数の総和に重み付けをした値とを、自動車、歩行、自転車およびバイクの移動状態候補毎に点数を集計する。
【0150】
そして、システム制御部1は、自動車、歩行、自転車、バイクおよび電車の中で最も点数の高い移動状態候補を移動体端末装置Sの移動状態であると判断する。そしてステップS8に進む。
【0151】
ステップS8において、システム制御部1は、ステップS7またはステップS1において、判断された移動体端末装置Sの移動状態に対応するアプリケーションを選択して、アプリケーションを実行する。
【0152】
なお、上記実施形態において、移動状態として自動車、歩行、自転車、バイクおよび電車について点数付けを行い、移動状態を決定しているが、これらに限られるわけではなく、移動状態としては、飛行機、船等の移動状態についても本願を適用することが可能である。
【0153】
なお、図7のフローチャートに対応する動作を行なうプログラムを、フレキシブルディスクに予め記録しておき、或いはインターネット等のネットワークを介して予め記録しておき、これを汎用のマイクロコンピュータ等により読み出して実行することにより、当該汎用のマイクロコンピュータ等を実施形態に係わるシステム制御装置1として機能させることも可能である。
【0154】
以上、述べてきたように本実施形態によって、移動体端末装置は、振動モード等を検知することのできるセンサを内蔵する機器構成としたので、移動体端末装置の上下振動(振幅、振動数、周期性等)、前後左右振動、移動体端末装置の傾き、方位変化、移動量を検知することができるようになった。また、これらの値から移動体端末装置の移動モード(自動車、歩行、自転車、バイク、電車、飛行機、船等)を自動的に判定することが可能となった。
【0155】
センサ出力に基づく移動手段の判定は、移動体端末装置の移動状態に応じて、移動手段候補毎に重みづけをし、あらかじめ定められた時間にわたって点数化し、その積算された点数に基づいて判断するようにしたので、より正確に移動手段を判定することが可能になった。
【0156】
また、移動体端末装置は、これらの移動モードを判定した後に、各移動モードに最適なアプリケーションを選択することができ、そのアプリケーションを実行できるようになった。
【0157】
その結果、移動体端末装置を移動している移動手段を変更するたびに、自動的に移動手段に対応した、ナビゲーションを行なうことが可能になった。
【0158】
また、移動体端末装置が内部に地図データを有している場合、または外部から地図データを受信することができる場合には、地図データと移動体端末装置の位置情報とから、移動体端末装置の移動手段を判定することができる構成とした。
【0159】
地図データと移動体端末装置の位置情報とに基づく移動手段の判定は、移動体端末装置の移動位置に応じて、移動手段候補毎に重みづけをし、あらかじめ定められた時間にわたって点数化し、その積算された点数に基づいて判断するようにしたので、より正確に移動手段を判定することが可能になった。
【0160】
したがって、地図データと移動体端末装置の位置情報とから、移動体端末装置を移動している移動手段を変更するたびに、自動的に移動手段に対応した、ナビゲーションをより正確に行なうことが可能になった。
【0161】
さらに、移動体端末装置は、振動モード等を検知することのできるセンサの出力に基づく移動手段の判定と、地図データと移動体端末装置の位置情報に基づく移動体端末装置の移動手段の判定とを組みあわせたので、より正確に移動手段を判定することができるようになった。
【0162】
その結果、移動体端末装置を移動している移動手段を変更するたびに、自動的に移動手段に対応したナビゲーションをより正確に行なうことが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0163】
【図1】本実施形態の移動体端末装置Sの概要構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の移動体端末装置Sと移動方向との関係を示す図で、(a)は2次元軸方向図、(b)は3次元軸方向図、(c)は回転軸方向図である。
【図3】本実施形態の移動手段と検知状態との判断基準を示した表である。(a)は判定1における判断基準を示す図、(b)は判定2における判断基準を示す図である。
【図4】本実施形態の判定1における移動手段と検知状態との関係を数値化する点数表を示した表である。
【図5】本実施形態の判定2における移動手段と検知状態との関係を数値化する点数表を示した表である。
【図6】(a)本実施形態の移動手段としての自動車の移動状態を説明する図である。(b)本実施形態の移動手段について判定1に基づいて数値化した表である。(c)本実施形態の移動手段について判定2に基づいて数値化した表である。(b)本実施形態の移動手段について判定1および判定2に基づいて数値化した表である。
【図7】本実施形態の移動体端末装置Sの動作をあらわしたフローチャートである。
【符号の説明】
【0164】
1…システム制御部
2…方位センサ部
3…温度センサ部
4…気圧センサ部
5…傾斜センサ部
6…ジャイロセンサ部
7…GPS部
8…地図DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体端末装置において、
前記移動体端末装置の状態情報を検知する状態情報検知手段と、
前記状態情報検知手段によって検知された状態情報に基づいて、前記移動体端末装置の移動状態を判断する移動状態判断手段と、
前記移動状態判断手段によって判断される前記移動体端末装置の移動状態に基づいて、前記移動体端末装置において必要とされる案内情報を判断する案内情報判断手段と、
前記案内情報判断手段によって判断される前記移動体端末装置に必要とされる前記案内情報を通知する通知手段と、
を備えることを特徴とする移動体端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の移動体端末装置において、
前記移動状態判断手段は、前記状態情報検知手段によって検知された前記状態情報を、あらかじめ定められた複数の移動状態候補のそれぞれに対して、あらかじめ定められた期間にわたり、前記状態情報の重み付け、および前記重み付けに基づいて前記状態情報の数値化を行った後に、最も数値の大きい前記移動状態候補を前記移動体端末装置の移動状態であると判断することを特徴とする移動体端末装置。
【請求項3】
請求項1に記載の移動体端末装置において、
前記状態情報検知手段は、状態情報を検知する複数の状態情報検知部を含み、
前記移動状態判断手段は、前記複数の状態情報検知部によって検知された状態情報毎に、あらかじめ定められた複数の移動状態候補のそれぞれに対して、あらかじめ定められた期間にわたり、前記状態情報の重み付け、および前記重み付けに基づいて前記状態情報の数値化を行った後に、最も数値の大きい移動状態候補を前記移動体端末装置の移動状態であると判断することを特徴とする移動体端末装置。
【請求項4】
請求項1に記載の移動体端末装置において、
前記状態情報検知手段は、前記移動体端末装置の位置情報を検知する位置情報検知部を含み、
前記移動状態判断手段は、前記位置情報検知部によって検知された位置情報に基づき、前記移動体端末装置が位置する地図上の場所を特定するとともに、特定された前記移動体端末装置が位置する地図上の場所に基づいて、あらかじめ定められた複数の移動状態候補毎に、あらかじめ定められた期間にわたり、前記位置情報の重み付け、および前記重み付けに基づいて前記位置情報の数値化を行った後に、最も数値の大きい移動状態候補を前記移動体端末装置の移動状態であると判断することを特徴とする移動体端末装置。
【請求項5】
請求項2または3に記載の移動体端末装置において、
前記状態情報検知手段は、前記移動体端末装置の位置情報を検知する位置情報検知部を更に含み、
前記移動状態判断手段は、前記位置情報検知部によって検知された位置情報に基づき、前記移動体端末装置が位置する地図上の場所を特定するとともに、特定された前記移動体端末装置が位置する地図上の場所に基づいて、あらかじめ定められた複数の移動状態候補毎に、あらかじめ定められた期間にわたり、前記位置情報の重み付け、および前記重み付けに基づいて前記位置情報の数値化を行い、前記状態情報が数値化された状態情報数値および前記位置情報が数値化された位置情報数値を演算し、最も演算結果の数値が大きい移動状態候補を前記移動体端末装置の移動状態であると判断することを特徴とする移動体端末装置。
【請求項6】
前記移動体端末装置の状態情報を検知する状態情報検知工程と、
前記状態情報検知工程において検知される検知情報に基づいて、前記移動体端末装置の移動状態を判断する移動状態判断工程と、
前記移動状態判断工程において判断される前記移動体端末装置の移動状態に基づいて、前記移動体端末装置において必要とされる案内情報を判断する案内情報判断工程と、
案内情報判断手段によって判断される前記移動体端末装置に必要とされる前記案内情報を通知する通知手段と、
を備えることを特徴とする移動体端末装置の制御方法。
【請求項7】
移動体端末装置に含まれるコンピュータを、
前記移動体端末装置の状態情報を検知する状態情報検知手段、
前記状態情報検知手段において検知される状態情報に基づいて、前記移動体端末装置の移動状態を判断する移動状態判断手段、
前記移動状態判断手段によって判断される前記移動体端末装置の移動状態に基づいて、前記移動体端末装置において必要とされる案内情報を判断する案内情報判断手段、
案内情報判断手段によって判断される前記移動体端末装置に必要とされる前記案内情報を通知する通知手段、
として機能させることを特徴とする移動体端末装置の制御プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載の移動体端末装置の制御プログラムがコンピュータに読み取り可能に記録されていることを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−303989(P2007−303989A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−133592(P2006−133592)
【出願日】平成18年5月12日(2006.5.12)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(595105515)インクリメント・ピー株式会社 (197)
【Fターム(参考)】