説明

経路案内装置およびプログラム

【課題】環状交差路の規模の大小に応じた適切な案内を行う経路案内装置等を提供する。
【解決手段】案内対象の環状交差路が大規模であれば(S20:NO)、S30へ移行して「出口番号方式の環状交差路案内」を実行する。この「出口番号方式の環状交差路案内」は、環状交差路が有する複数の退出路の中で進入路を基準とした何番目の退出路から退出すべきかを案内する案内であり、例えば「2つ先の退出路を出て下さい」といった案内である。一方、小規模な環状交差路であり(S20:YES)、且つ環状交差路が単純形状であった場合には(S40:YES)、S50へ移行して、「方向案内方式の環状交差路案内」を実行する。この「方向案内方式の環状交差路案内」は、環状交差路への進入路を基準とした案内対象の退出路の方向を案内する案内であり、例えば「右折です」といった案内である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環状交差路の退出路を案内する経路案内装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
車載用のナビゲーションシステムにおける経路案内において、環状交差路は一般的な交差路に比べて構造が複雑であり、ドライバーに対して、より判り易い案内方法の提供が求められる。ここで、環状交差路とは、主に北米・欧州・豪州地域でよく見かけられるものであり、北米ではトラフィックサークル(Traffic Circle)、欧州・豪州ではランダバウト(roundabout)、日本ではロータリー(rotary)が一般呼称である。
【0003】
このような環状交差路に対する案内に関しては、例えば「2つ先の退出路を出て下さい」というように、環状交差路に進入してから何番目の出口から退出するのかを案内する方法が存在する(特許文献1参照)。このような案内を「出口番号方式の環状交差路案内」と称することとする。
【0004】
一方、環状交差路へ進入する道路(進入路)と環状交差路から退出する道路(退出路)との角度に基づいて、例えば「右折です」「左折です」というように、進入路を基準とした案内対象の退出路の方向を案内する方法が存在する(特許文献2参照)。このような案内を「方向案内方式の環状交差路案内」と称することとする。
【特許文献1】特開平11−72343号公報
【特許文献2】特開平11−51684号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した環状交差路には様々なサイズ、退出路(出口)本数のものが存在する。環状部分の半径が10mにも満たないような相対的に小さなサイズのものもあれば、半径が20m以上の相対的に大きなサイズのものもある。また、退出路も2〜3本のものもあれば、5〜6本のものもある。
【0006】
このように環状交差路の規模にも様々な違いがあるが、上述した「出口番号方式の環状交差路案内」であっても「方向案内方式の環状交差路案内」であっても、全ての環状交差路に対していずれかの方式の案内の方が優れているというものではない。
【0007】
つまり、大規模な環状交差路に対する案内を考えた場合、「方向案内方式の環状交差路案内」は次の点で好ましくない。つまり、大規模な環状交差路に進入した後、例えば一定の曲率で連続してカーブする経路を走行することになるため、進入路を基準とした方向感覚が徐々にずれたり曖昧になってしまう。それにより、退出路として案内された方向を勘違いし、案内された退出路を間違えて判断してしまう可能性がある。つまり、例えば環状交差路へ進入した後270°分カーブ走行をして退出しなくてはならない場合、現在何度分カーブ走行しているかが分からなくなってしまうためである。
【0008】
これに対して「出口番号方式の環状交差路案内」は上述の問題は生じない。つまり、例えば「2つ先の退出路を出て下さい」という案内に従えば、上述のように環状交差路に進入した後で何度分カーブ走行しているかを気にする必要がなく、退出路の数のみを意識していればよいからである。
【0009】
一方、小規模な環状交差路に対する案内を考えた場合、今度は「方向案内方式の環状交差路案内」の方が好ましい。つまり、この場合には利用者にとって進入路と退出路の位置関係の把握が容易であるため、例えば「右折です」という案内をされた方が直感的に理解し易い。そして、小規模な環状交差路であれば、「現在何度分カーブ走行しているかが分からない」といった方向感覚のずれも生じない。
【0010】
これに対して「出口番号方式の環状交差路案内」の場合は、利用者の感覚にやや合わない結果となる。つまり、上述のように「右折です」という案内をされれば直感的に理解できるのに、あえて「3つ先の退出路を出て下さい」といった案内がなされることで、逆に分かりにくい案内となってしまう。
【0011】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、環状交差路の規模の大小に応じた適切な案内を行う経路案内装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するためになされた請求項1に係る経路案内装置(実施形態ではナビゲーション装置1に経路案内機能が組み込まれている。以下同様に、実施形態における対応構成要素の符号を括弧内に示す。)は、ユーザへの案内を行う案内手段と、設定された案内経路が環状交差路を通る経路である場合に、所定のタイミングで前記環状交差路の退出路を前記案内手段に案内させる案内制御手段と、を備えた、車両の走行中に用いられる経路案内装置である。そして、案内制御手段は、環状交差路が、所定以下の規模であって且つ所定の単純形状であるという判定条件を満たすか否かを判定し、その判定条件を満たす場合には、環状交差路への進入路を基準とした案内対象の退出路の方向を前記案内手段に案内させる「方向案内方式の環状交差路案内」を実行する。一方、判定条件を満たさない場合には、環状交差路が有する複数の退出路の中で進入路を基準とした何番目の退出路から退出すべきかを案内手段に案内させる「出口番号方式の環状交差路案内」を実行する。
【0013】
従来、「方向案内方式の環状交差路案内」あるいは「出口番号方式の環状交差路案内」を使い分けるという思想は存在しなかった。それに対して本発明の経路案内装置は、「所定以下の規模であって且つ所定の単純形状である」という判定条件を満たす場合には、「方向案内方式の環状交差路案内」を実行し、その満たさない場合には「出口番号方式の環状交差路案内」を実行する、というように案内方式を使い分けるようにした。
【0014】
小規模で単純な形状の環状交差路に対する案内を考えた場合、利用者にとって進入路と退出路の位置関係の把握が容易であるため、例えば「右折です」という案内をされた方が直感的に理解し易い。逆に、進入路を基準とした何番目の退出路から退出すべきかを案内する「出口番号方式の環状交差路案内」は、この場合は利用者の感覚にやや合わないと考えられる。そこで、この場合は「方向案内方式の環状交差路案内」を実行するのである。
【0015】
これに対して、大規模な環状交差路に対する案内においては、上述したように、「方向案内方式の環状交差路案内」では好ましくない点が種々存在するため、「出口番号方式の環状交差路案内」を実行する。例えば「2つ先の退出路を出て下さい」という案内に従えば、環状交差路に進入した後で何度分カーブ走行しているかを気にする必要がなく、退出路の数のみを意識してするだけで適切に環状交差路を通過できる。また、小規模であっても複雑な形状の場合にも「出口番号方式の環状交差路案内」を実行する。例えば退出路が5本以上存在する場合や、あるいは退出路が4本以下であっても退出路の方向同士が近い場合には、例えば「右折です」という案内だけでは退出路が即座に特定できないことが考えられる。したがって、その場合は、例えば「4つ先の退出路を出て下さい」という「出口番号方式の環状交差路案内」の方が、利用者にとって分かりやすい案内となる。
【0016】
このように、本発明の経路案内装置によれば、環状交差路の規模の大小に応じた適切な案内を行うことができる。
ところで、前記判定条件中の「所定の単純形状」に関しては、次のような観点で定めるとよい。つまり、「方向案内方式の環状交差路案内」を実行した場合に、その案内をされた利用者が直感的に理解し易いような単純な形状であるということである。その一例としては、例えば請求項2に示すような形状が考えられる。つまり、環状交差路が、十字交差路、T字交差路または直進路に対応する形状である場合に「「所定の単純形状」であると考えるのである。これは、十字交差路、T字交差路または直進路の場合、「方向案内方式の環状交差路案内」として、例えば「右折です」「左折です」「直進です」といった内容の案内がされることとなるが、この案内は非常に直感的に理解し易いからである。
【0017】
なお、「方向案内方式の環状交差路案内」での退出路の方向案内に関しては、請求項3に示すように、右折、左折または直進の何れかを利用者が直感的に理解できる表現態様での案内であると好ましい。その意味では、上述した「右折です」「左折です」「直進です」といった内容の案内も適切である。案内を音声にて行う場合にはこのような表現態様が好ましい。もちろん、表示にて案内を行ってもよく、その場合は、例えば「→」「←」「↑」といった矢印によって表現してもよい。
【0018】
単純形状としての十字交差路、T字交差路または直進路に対応する形状を考える場合、例えば厳密に直交していなくてもよい。つまり、単純形状といっても、許容範囲は当然ある。その一例として請求項4に示すように、進入路と退出路のなす角度θが90°×n(nは0以外の整数)±α°(αは0または正数)であり、且つαが30未満であると規定することが考えられる。この程度の範囲であれば、「右折です」「左折です」「直進です」といった内容の案内がされた場合、特に戸惑うことなく退出路を直感的に理解できると考えられるからである。
【0019】
ただし、個人差もあることを考慮すれば、上述の許容範囲を決めるαを値を利用者がマニュアル調整可能に構成することも、好ましい対処である。その場合は、請求項5に示すように、利用者の操作による情報入力を受け付ける受付手段を備え、案内制御手段が、次のような制御を実行するようにすればよい。つまり、受付手段を介して受け付けた情報入力に応じて、単純形状を規定するためのαの値を変更設定する。そして、その変更設定したαを用いたなす角度θに基づいて、判定条件を満たすか否かを判定するのである。
【0020】
一方、判定条件における「所定以下の規模」という点に関しては、例えば請求項6に示すような規定方法が考えられる。つまり、環状交差路のリンク長の合計値または環状交差路の半径が所定値以下の場合に、「所定以下の規模」と規定するのである。
【0021】
また、この規定方法を実際に採用する場合には、例えば請求項7に示すように、実験によって「所定値」の上限を定めることが考えられる。つまり、「方向案内方式の環状交差路案内」が実行された場合に、環状交差路内を車両が環状走行している間に被験者がその案内された退出路の方向を間違って判断してしまう可能性が非常に少ないと考えられる上限規模の環状交差路を特定する。そして、その特定された環状交差路のリンク長合計値または半径に基づいて、判定条件中のリンク長合計値または半径の所定値を決定するのである。このようにすれば、実際の利用者の感覚に即した判定条件を決定することができる。
【0022】
ただし、やはりこの場合も個人差もあることを考慮すれば、上述の判定条件を決めるリンク長合計値または半径の所定値を利用者がマニュアル調整可能に構成することも、好ましい対処である。その場合は、請求項8に示すように、利用者の操作による情報入力を受け付ける受付手段を備え、案内制御手段が、次のような制御を実行するようにすればよい。つまり、受付手段を介して受け付けた情報入力に応じて、判定条件中のリンク長合計値または半径の所定値を変更設定する。そして、その変更設定したリンク長合計値または半径の所定値に基づいて、判定条件を満たすか否かを判定するのである。
【0023】
また、案内手段の具体的な構成としては、画像を表示する表示手段を備えていてもよいし、音声を出力する音声出力手段を備えていてもよいし、これら表示手段と音声出力手段の両方を備えていてもよい。
【0024】
請求項9に示すように、案内手段が音声出力手段を備えている場合、案内制御手段は、音声出力手段に案内音声を出力させることによって、「方向案内方式の環状交差路案内」における退出路の方向案内や、「出口番号方式の環状交差路案内」における何番目の退出路から退出すべきかの案内を実行させる。このような音声による案内の場合には、利用者は外界の景色を見続けた状態で案内内容を把握することができる。したがって、利用者が運転者の場合には好ましい。
【0025】
また、請求項10に記載のような、請求項1〜9の何れかに記載の経路案内装置における案内制御手段として機能させるプログラムを、経路案内装置が内蔵するコンピュータに実行させるようになっていてもよい。このようになっていれば、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、ハードディスク、ROM、RAM等のコンピュータが読みとり可能な記録媒体にプログラムを記録し、そのプログラムを必要に応じてコンピュータにロードして起動することによりコンピュータを経路案内装置の案内制御手段として機能させることができる。また、プログラムはネットワーク等を用いて流通させることも可能であるため、経路案内装置の機能向上も容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0027】
[ナビゲーション装置1の構成説明]
図1は、本発明の経路案内装置が有する機能が組み込まれたナビゲーション装置20の概略構成を示すブロック図である。
【0028】
ナビゲーション装置20は車両に搭載され、車両の現在位置を検出する位置検出器21と、利用者からの各種指示を入力するための操作スイッチ群22と、操作スイッチ群22と同様に各種指示を入力可能であってナビゲーション装置20とは別体となったリモートコントロール端末(以下、リモコンと称す)23aと、リモコン23aからの信号を入力するリモコンセンサ23bと、パケット通信網等に接続して外部と通信を行う外部通信機24と、地図データや音声データ等が記録された地図記憶媒体からデータを入力する地図データ入力器25と、地図や各種情報の表示を行うための表示部26と、各種のガイド音声等を出力するための音声出力部27と、利用者が発話した音声に基づく電気信号を出力するマイクロフォン28と、上述した位置検出器21,操作スイッチ群22,リモコンセンサ23b,外部通信機24,地図データ入力器25,マイクロフォン28からの入力に応じて各種処理を実行し、外部通信機24,表示部26,音声出力部27を制御する制御部29とを備えている。
【0029】
位置検出器21は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの電波を図示しないGPSアンテナを介して受信してその受信信号を出力するGPS受信機21aと、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープ21bと、車両の前後方向の加速度等から走行した距離を検出するための距離センサ21cとを備えている。そして、これら各センサ等21a〜21cからの出力信号に基づいて制御部29が、車両の位置,方位,速度等を算出する。なお、GPS受信機21aからの出力信号に基づいて現在位置を求める方式は様々な方式があるが、単独測位方式、相対測位方式の何れであってもよい。
【0030】
操作スイッチ群22は、表示部26の表示面と一体に構成されたタッチパネル及び表示部26の周囲に設けられたメカニカルなキースイッチ等から構成される。尚、タッチパネルと表示部26とは積層一体化されており、タッチパネルには、感圧方式,電磁誘導方式,静電容量方式,あるいはこれらを組み合わせた方式など各種の方式があるが、その何れを用いてもよい。
【0031】
外部通信機24は、路側に設置された光ビーコンや電波ビーコン等を介してVICSの情報センタから事故情報や渋滞情報等を取得する。
地図データ入力器25は、図示しない地図データ記憶媒体(例えばハードディスクやDVD−ROM等)に記憶された各種データを入力するための装置である。地図データ記憶媒体には、地図データ(ノードデータ、リンクデータ、コストデータ、背景データ、道路データ、名称データ、マークデータ、交差路データ、施設のデータ等)、案内用の音声データ、音声認識データ等が記憶されている。なお、通行不可能な分離帯によって分離された同一進行方向の複数の車道から構成された道路については、それぞれの車道毎にリンクデータや、案内用の音声データが割り当てられている。
【0032】
表示部26は、カラー表示装置であり、液晶ディスプレイ,有機ELディスプレイ,CRTなどがあるが、その何れを用いてもよい。表示部26の表示画面には、位置検出器21にて検出した車両の現在位置と地図データ入力器25より入力された地図データとから特定した現在地を示すマーク、目的地までの誘導経路、名称、目印、各種施設のマーク等の付加データとを重ねて表示することができる。また、施設のガイド等も表示できる。
【0033】
音声出力部27は、地図データ入力器25より入力した施設のガイドや各種案内の音声を出力することができる。
マイクロフォン28は、利用者が音声を入力(発話)するとその入力した音声に基づく電気信号(音声信号)を制御部29に出力するものである。利用者はこのマイクロフォン28に様々な音声を入力することにより、ナビゲーション装置20を操作することができる。
【0034】
制御部29は、CPU,ROM,RAM,SRAM,I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM及びRAMに記憶されたプログラムに基づいて各種処理を実行する。例えば、位置検出器21からの各検出信号に基づき座標及び進行方向の組として車両の現在位置を算出し、地図データ入力器25を介して読み込んだ現在位置付近の地図等を表示部26に表示する処理や、地図データ入力器25に格納された地図データと、操作スイッチ群22やリモコン23a等の操作に従って設定された目的地とに基づいて現在位置から目的地までの最適な経路を算出する経路算出処理や、その算出した経路を表示部26に表示させたり音声出力部27に音声として出力させることにより経路を案内する経路案内処理等を実行する。
【0035】
また、制御部29は、音声認識処理も実行可能な構成となっている。もちろん、音声認識に係る処理部とナビゲーションに係る処理部とを分離して構成することも可能であるが、ここでは制御部29内に音声認識処理を実行可能な構成を構築している。
【0036】
[環状交差路の退出路案内の説明]
次に、制御部29が実行する処理のうち、本実施形態のナビゲーション装置1に特徴的な処理である環状交差路の退出路案内処理について、図2のフローチャートを用いて説明する。
【0037】
この環状交差路の退出路案内処理は、上述した経路案内処理の実行中、車両が環状交差路まで所定距離(例えば環状交差路まで500mというような、少なくとも環状交差路の進入口に到達するまでに10秒以上必要な距離)になった際に、制御部29において実行が開始される処理である。なお、ナビゲーション装置1が実行する、上述した経路算出処理や経路案内処理等については、従来からよく知られている処理であるため、ここでは説明を省略する。
【0038】
(環状交差路の退出路案内処理の概要)
制御部29が環状交差路退出路案内処理の実行を開始すると、まず、案内対象の環状交差路の形状データを取得する(S10)。図示しない地図データ記憶媒体に記憶されている地図データを地図データ入力器25を介して読み込み、その地図データに含まれるデータからこの環状交差路の形状データを取得する。
【0039】
そして、その案内対象の環状交差路が小規模(これが特許請求の範囲における「所定以下の規模」に相当する。)であるか否か判定する(S20)。この環状交差路の規模の判定手法については後述する。
【0040】
小規模でなく大規模な環状交差路であった場合には(S20:NO)、S30へ移行して、「出口番号方式の環状交差路案内」を実行する。この「出口番号方式の環状交差路案内」は、環状交差路が有する複数の退出路の中で進入路を基準とした何番目の退出路から退出すべきかを案内する案内であり、例えば「2つ先の退出路を出て下さい」といった案内である。
【0041】
一方、小規模な環状交差路であった場合には(S20:YES)、その案内対象の環状交差路が単純形状であるか否か判定する(S40)。この単純形状であるか否かの判定手法については後述する。
【0042】
そして、環状交差路が単純形状でない場合には(S40:NO)、S30へ移行して、上述の「出口番号方式の環状交差路案内」を実行するが、環状交差路が単純形状であった場合には(S40:YES)、S50へ移行して、「方向案内方式の環状交差路案内」を実行する。この「方向案内方式の環状交差路案内」は、環状交差路への進入路を基準とした案内対象の退出路の方向を案内する案内であり、例えば「右折です」といった案内である。
【0043】
つまり、本実施形態においては、環状交差路が小規模(S20:YES)且つ単純形状である(S40:YES)という判定条件を満たした場合にのみ「方向案内方式の環状交差路案内」を実行する(S50)。一方、その判定条件を満たさない場合、すなわち環状交差路が大規模であるか(S20:NO)、小規模であっても単純形状でない場合(S40:NO)には、「出口番号方式の環状交差路案内」を実行する(S30)。
【0044】
以上は、環状交差路の退出路案内処理の概要であったが、続いて、S20,S40での判定の詳細について、以下順番に説明する。
(S20での環状交差路の規模の判定手法について)
S20では、案内対象の環状交差路が小規模か否か判定しているが、具体的には、環状交差路のリンク長の合計値または環状交差路の半径が所定値以下の場合に小規模と判定する。
【0045】
なお、この「環状交差路のリンク長の合計値または環状交差路の半径」についての理解を容易にするため、図3(a)に示すような環状交差路を前提として説明を進めることとする。
【0046】
したがって、まず、環状交差路に関して設定されているデータについて説明する。この環状交差路は、環状の経路がリンクL1〜L8で構成されると共に、各リンクL1〜L8の終端ノードとなるノードN1〜N8に対して環状交差路内外への入退出路となるリンクL9〜L16が設定されている。なお、リンクL1〜L8で構成される環状経路は、その通行方向が決まっており、リンクの順番で言えば、例えばL1を起点とするとL1→L2→L3→L4→L5→L6→L7→L8という一方通行である。
【0047】
ここで、環状交差路内外への入退出路となるリンクL9〜L16がどのノードに接続されているかを詳しく説明する。
まず、ノードN1には環状交差路の外側からの進入リンクL9が接続されている。また、ノードN2には環状交差路の外側への退出リンクL10が接続されており、ノードN3には環状交差路の外側からの進入リンクL11が接続されている。ノードN4には環状交差路の外側への退出リンクL12が接続されており、ノードN5には環状交差路の外側からの進入リンクL13が接続されている。ノードN6には環状交差路の外側への退出リンクL14が接続されており、ノードN7には環状交差路の外側からの進入リンクL15が接続されている。そして、ノードN8には環状交差路の外側への退出リンクL16が接続されている。
【0048】
(1)環状交差路のリンク長の合計値を算出する方法
この場合には、環状交差路における環状の経路を構成するリンクL1〜L8の長さを合計すればよい。このリンク長は地図データ中のリンク情報として元々記憶されているものであるため、それを読み出し合計すればよい。
【0049】
(2)環状交差路の半径を算出する方法
例えば環状交差路の半径を予め実測しておき、それを地図データ中に記憶させておくことも考えられるが、実測する手間が必要となる。したがって、ここでは、地図データ中のリンク情報として元々記憶されてノード情報に基づいて、環状交差路の半径を算出する方法を説明する。
【0050】
まずは、案内すべき退出路を基準として環状交差路を構成するノード情報を取得するための処理について、図3(b)のフローチャートを用いて説明する。
最初のステップS210では、終点ノードと検索ノードiの初期値を設定する。ここでは、ノードN6からリンクL14を介して退出していく経路を想定して説明する。この場合の終点ノードはノードN6であり、検索ノードiは設定経路上で終点ノードの一つ手前のノードである。これら終点ノード(N6)と検索ノードiの初期値(N5)は制御部10内の記憶領域に格納される。
【0051】
そして、続くS220では、検索ノードiが終点ノードと一致しないかどうかを判定する。検索ノードiが初期値(N5)の場合には両ノードは一致しないので(S220:YES)、S230へ移行する。S230では検索ノードiに接続するリンクを取得する。なお、検索ノードi=N5の場合には、図3(a)に示すように接続するリンクはL5,L6,L13の3つである。しかし、S210において、設定経路上での終点ノードN6とリンクL6を介して接続されているノードN5を検索ノードiの初期値としている。上述したように、本処理ルーチンは、退出路を基準として環状交差路を構成するノード情報を取得するための処理であるので、リンクL6はここでは候補から除外してよい。したがって、S230にて取得するリンクは、検索ノードi=N5の場合にはL5,L13の2つである。
【0052】
そして、続くS240では、S230にて取得したリンクの内に環状交差路属性を持つものが存在するか否かを判定する。なお、地図データに、リンクIDに対応して環状交差路ルであることを示すIDが設定されているので、それを参照すれば判定できる。
【0053】
環状交差路属性を持つリンクが存在しなければ(S240:NO)、そのまま本処理を終了するが、環状交差路属性を持つリンクが存在すれば(S240:YES)、S250へ移行する。検索ノードi=N5の場合には環状交差路属性を持つリンクL5が存在するのでS250へ移行する。
【0054】
S250では、環状交差路属性を持つリンクの終端ノードを取得する。リンクL5の場合には終端ノードがN4となる。この終端ノードN4は制御部29内の記憶領域に格納される。
【0055】
そして、S220へ戻り、今度は検索ノードi=N4としてS220〜S350の処理を実行する。その結果、S250では、終端ノードとしてN3,N2,N1,N8,N7が順次取得される。そして、ノードN7に接続するサークル属性を持つリンクはL7であり、そのリンクL7の終端ノードN6は終点ノードと一致するので、S220にて否定判断となり、これで本処理ルーチンを終了する。
【0056】
このようにノード情報が取得できたら、下記のようにして環状交差路の半径を算出する。つまり、環状交差路属性のノード情報を用いて環状交差路を構成する座標の、X軸の最大値Xmax と最小値Xmin 及びY軸の最大値Ymax と最小値Ymin を取得する。具体的には、図3(b)に示す環状交差路の場合には、環状交差路環状交差路を構成する8つのノードN1〜N8の地図データ中での座標(Xn,Yn)(n=1〜8)を比較し、X軸、Y軸それぞれの最大値、最小値を取得する。そして、最大・最小のX,Y座標(Xmax ,Xmin ,Ymax ,Ymin )を用いて最大直径Cを求める。具体的には、図3(a)においてX軸方向の直径をC1、Y軸方向の直径をC2とすると、C1=Xmax−Xminであり、C2=Ymax−Yminであるため、C1,C2の内の大きな方を最大直径Cとする。なお、図3(a)に示す場合にはX軸方向の直径C1の方が大きいので、C=C1となる。
【0057】
このようにして算出された環状交差路のリンク長の合計値が所定値以下の場合、あるいは環状交差路の半径Cが所定値以下の場合に、環状交差路が小規模であると判定する。
この所定値に関しては、例えば実験によって定めることが考えられる。つまり、「方向案内方式の環状交差路案内」が実行された場合に、環状交差路内を車両が環状走行している間に被験者がその案内された退出路の方向を間違って判断してしまう可能性が非常に少ないと考えられる上限規模の環状交差路を特定する。そして、その特定された環状交差路のリンク長合計値または半径に基づいて、判定条件中のリンク長合計値または半径の所定値を決定するのである。このようにすれば、実際の利用者の感覚に即した判定条件を決定することができる。
【0058】
(S40での単純形状の判定手法について)
S40では、案内対象の環状交差路が単純形状であるか否か判定するが、この環状交差路が単純形状であるか否かの判定手法について説明する。
【0059】
この「単純形状」に関しては、「方向案内方式の環状交差路案内」を実行した場合に、その案内をされた利用者が直感的に理解し易いような単純な形状である観点で決められている。本実施形態においては、環状交差路が、図4(a)に示すような十字交差路、図4(b)(c)に示すようなT字交差路、または図4(d)に示すような直進路に対応する形状である場合に単純形状」であると考えることとする。これは、十字交差路、T字交差路または直進路の場合、「方向案内方式の環状交差路案内」として、例えば「右折です」「左折です」「直進です」といった内容の案内しかなされないが、このような内容の案内は非常に直感的に理解し易いからである。
【0060】
なお、図4(a)〜(d)は模式的に環状交差路を表したものであるが、例えば図4(a)に示す十字交差路であれば、図4(e)に示すように進入路と退出路とが2本の道のように明確に分かれているものものあれば、図4(f)に示すように進入路と退出路とが単にレーンマークのみで分かれているものもある。なお、図4(e)に示す形状は主として大規模な環状交差路に多く見られ、図4(f)に示す形状は取得して小規模な環状交差路に多く見られる。図4(b)(c)に示すT字交差路の場合は、十字交差路と比較して接続する道路が1本少ないだけなので特に詳しい説明はしない。図4(d)に示す直進路の場合は、環状交差路とは称するが、実際には、図4(g)に示すように道路の中央に走行できない部分があり、そこを避けてカーブ走行しなくてはならないような形状を想定している。このような形状の場合も環状交差路の種別が設定されるので、それも含めることとした。
【0061】
ところで、単純形状としての十字交差路、T字交差路または直進路に対応する形状を考える場合、例えば厳密に直交していなくてもよい。つまり、単純形状といっても、許容範囲は当然ある。例えば図4(f)に示す十字交差路は、進入路とその一つ隣の退出路とのなす角度θは90°丁度ではなく、70°や110°程度になっている。この程度であっても十字交差路として考えてよい。
【0062】
そこで、単純形状と言えるための条件を次のように規定する。つまり環状交差路が十字交差路、T字交差路または直進路であることを前提とする。そして、図5(a)に示すように、それら環状交差路の進入リンクL1と退出リンクL2のなす角度θが、90°×n(nは0以外の整数)±α°(αは0または正数)と規定した場合、そのαが30未満であることを条件とする。この程度の範囲であれば、「右折です」「左折です」「直進です」といった内容の案内がされた場合、特に戸惑うことなく退出路を直感的に理解できると考えられるからである。
【0063】
したがって、S50での「方向案内方式の環状交差路案内」は、進入リンクL1と退出リンクL2のなす角度θ(°)に応じて下記のようになる。なお、ここでは、時計回りを正としている。
【0064】
60<θ≦120 … 右折です、環状交差路を右方向です、など
−30≦θ≦30 … 直進です、環状交差路をまっすぐです、など
−120<θ≦−60 … 左折です、環状交差路を左方向です、など
[実施形態の効果]
以上、本実施形態の構成および動作について説明したが、本実施形態のナビゲーション装置1によれば、環状交差路の規模の大小に応じた適切な案内を行うことができる。その具体的な案内例を説明する。
【0065】
図5(b)に示すように、小規模且つ単純形状(ここでは十字交差路)の環状交差路Aと、大規模な環状交差路Bを経由する案内経路が設定されており、図5(b)に示すリンクaを進入路として、リンクa→リンクb→リンクc→リンクd→リンクe→リンクf→リンクgを経由してリンクiから退出する場合を想定する。
【0066】
環状交差路Aは小規模(図2のS20:YES)且つ単純形状であるため(S40:YES)、S50へ移行する。したがって「方向案内方式の環状交差路案内」がなされ、具体的には「右折です」とか「環状交差路を右方向です」といった案内がなされる。そして、環状交差路Bは大規模であるため(S20:NO)、S30へ移行する。したがって、「出口番号方式の環状交差路案内」がなされ、具体的には「環状交差路の3番目の出口を出てください」といった案内がなされる。
【0067】
図5(b)の環状交差路Aのように小規模で単純な形状の環状交差路に対する案内を考えた場合、利用者にとって進入路と退出路の位置関係の把握が容易であるため、例えば「右折です」という案内をされた方が直感的に理解し易い。逆に、進入路を基準とした何番目の退出路から退出すべきかを案内する「出口番号方式の環状交差路案内」は、この場合は利用者の感覚にやや合わないと考えられる。そこで、この場合は「方向案内方式の環状交差路案内」(図2のS50)を実行するのである。
【0068】
これに対して、図5(b)の環状交差路Bのように大規模な環状交差路に対する案内においては、「発明が解決しようとする課題」の欄で説明したように、「方向案内方式の環状交差路案内」では好ましくない点が種々存在するため、「出口番号方式の環状交差路案内」(図2のS30)を実行する。例えば「2つ先の退出路を出て下さい」という案内に従えば、環状交差路に進入した後で何度分カーブ走行しているかを気にする必要がなく、退出路の数のみを意識してするだけで適切に環状交差路を通過できる。
【0069】
また、小規模であっても(図2のS20:YES)、複雑な形状の場合にも(S40:NO)、S30へ移行して「出口番号方式の環状交差路案内」を実行する。例えば退出路が5本以上存在する場合や、あるいは退出路が4本以下であっても退出路の方向同士が近い場合には、例えば「右折です」という案内だけでは退出路が即座に特定できないことが考えられる。したがって、その場合は、例えば「4つ先の退出路を出て下さい」という「出口番号方式の環状交差路案内」の方が、利用者にとって分かりやすい案内となる。
【0070】
[他の実施形態]
以下、他の実施形態について説明する。
(イ)上述した実施形態では、図2のS40における「単純形状」であることの条件として、環状交差路が十字交差路、T字交差路または直進路であることを前提とし、さらに環状交差路の進入リンクL1と退出リンクL2のなす角度θが、90°×n(nは0以外の整数)±α°(αは0または正数)と規定した場合、そのαが30未満であるという条件を採用した。これは、この程度の角度範囲であれば、「右折です」「左折です」「直進です」といった内容の案内がされた場合、特に戸惑うことなく退出路を直感的に理解できると考えたからである。
【0071】
ただし、個人差もあることを考慮すれば、上述の許容範囲を決めるαを値を利用者がマニュアル調整可能に構成してもよい。その場合には、例えば操作スイッチ群22等を介して利用者からの情報入力を受け付け、その受け付けた情報入力に応じて、単純形状を規定するためのαの値を変更設定する。例えば、±30°ではやや違和感が大きいと感じる利用者は、α=15としてもよい。このようにすれば、90°×n±15°の範囲に入っていないと単純形状の条件を満たさなくなる。
【0072】
(ロ)上述した実施形態では、図2のS20における「環状交差路が小規模」を規定するための条件として、「環状交差路のリンク長の合計値」または「環状交差路の半径」が所定値以下であるという条件を採用した。
【0073】
この条件に関しても、どの程度の規模の環状交差路を「小規模」と感じるか(つまり、小規模で且つ単純形状ならば「方向案内方式の環状交差路案内」がなされるため、そのような案内がなされた方が好ましいと感じるか)については個人差があるため、それを考慮して、上述の判定条件を決めるリンク長合計値または半径の所定値を利用者がマニュアル調整可能に構成してもよい。上記(イ)の場合と同様、例えば操作スイッチ群22等を介して利用者からの情報入力を受け付け、その受け付けた情報入力に応じて、判定条件を決めるリンク長合計値または半径の所定値を変更設定する。そして、その変更設定したリンク長合計値または半径の所定値に基づいて、S20の判定を実行する。
【0074】
例えば環状交差路の半径が10m程度であれば「方向案内方式の環状交差路案内」がされた場合に利用者の多くが好ましいと感じると思われる。しかし、例えば半径20m程度の環状交差路となれば「方向案内方式の環状交差路案内」がされた場合に「案内が分かりにくい」と感じる利用者が多いことが想定される。但し、逆に半径20m程度の環状交差路であっても「方向案内方式の環状交差路案内」の方が「出口番号方式の環状交差路案内」よりも分かりやすいと感じる利用者もいるかもしれない。したがって、そのような個人差を解消するためにマニュアル調整が可能になっていると好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図2】環状交差路の退出路案内処理を説明するためのフローチャートである。
【図3】(a)は環状交差路のリンクとノードの構成の説明図、(b)はノード取得処理のフローチャートである。
【図4】単純形状の環状交差路の説明図である。
【図5】(a)はリンク間のなす角度の説明図、(b)は環状交差路の規模の大小に応じた適切な案内を行う場合の案内例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0076】
1…ナビゲーション装置、21…位置検出器、21a…GPS受信機、21b…ジャイロスコープ、21c…距離センサ、22…操作スイッチ群、23a…リモコン、23b…リモコンセンサ、24…外部通信機、25…地図データ入力器、26…表示部、27…音声出力部、28…マイクロフォン、29…制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザへの案内を行う案内手段と、
設定された案内経路が環状交差路を通る経路である場合に、所定のタイミングで前記環状交差路の退出路を前記案内手段に案内させる案内制御手段と、
を備えた、車両の走行中に用いられる経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
前記環状交差路が、所定以下の規模であって且つ所定の単純形状であるという判定条件を満たすか否かを判定し、
前記判定条件を満たす場合には、前記環状交差路への進入路を基準とした案内対象の退出路の方向を前記案内手段に案内させる「方向案内方式の環状交差路案内」を実行し、
一方、前記判定条件を満たさない場合には、前記環状交差路が有する複数の退出路の中で進入路を基準とした何番目の退出路から退出すべきかを前記案内手段に案内させる「出口番号方式の環状交差路案内」を実行すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項2】
請求項1に記載の経路案内装置において、
前記判定条件中の所定の単純形状とは、前記環状交差路が、十字交差路、T字交差路または直進路に対応する形状であること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項3】
請求項2に記載の経路案内装置において、
前記「方向案内方式の環状交差路案内」での退出路の方向案内は、右折、左折または直進の何れかを利用者が直感的に理解できる表現態様での案内であること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の経路案内装置において、
前記単純形状としての十字交差路、T字交差路または直進路に対応する形状とは、進入路と退出路のなす角度θが90°×n(nは0以外の整数)±α°(αは0または正数)であり、且つαが30未満であること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項5】
請求項4に記載の経路案内装置において、
利用者の操作による情報入力を受け付ける受付手段を備え、
前記案内制御手段は、
前記受付手段を介して受け付けた情報入力に応じて、前記単純形状を規定するためのαの値を変更設定し、
その変更設定したαを用いた前記なす角度θに基づいて、前記判定条件を満たすか否かを判定すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載の経路案内装置において、
前記判定条件中の所定以下の規模とは、前記環状交差路のリンク長の合計値または環状交差路の半径が所定値以下であること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項7】
請求項6に記載の経路案内装置において、
実験によって、前記「方向案内方式の環状交差路案内」が実行された場合に、前記環状交差路内を車両が環状走行している間に被験者がその案内された退出路の方向を間違って判断してしまう可能性が非常に少ないと考えられる上限規模の環状交差路を特定し、
その特定された環状交差路のリンク長合計値または半径に基づいて、前記判定条件中のリンク長合計値または半径の所定値が決定されていること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載の経路案内装置において、
利用者の操作による情報入力を受け付ける受付手段を備え、
前記案内制御手段は、
前記受付手段を介して受け付けた情報入力に応じて、前記判定条件中のリンク長合計値または半径の所定値を変更設定し、
その変更設定したリンク長合計値または半径の所定値に基づいて、前記判定条件を満たすか否かを判定すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項9】
請求項1〜8の何れかに記載の経路案内装置において、
前記案内手段は、音声を出力する音声出力手段を少なくとも有し、
前記案内制御手段は、前記音声出力手段に案内音声を出力させることによって、前記「方向案内方式の環状交差路案内」における退出路の方向案内や、前記「出口番号方式の環状交差路案内」における何番目の退出路から退出すべきかの案内を実行させること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1〜9の何れかに記載の経路案内装置における前記案内制御手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−71601(P2007−71601A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−256851(P2005−256851)
【出願日】平成17年9月5日(2005.9.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】