説明

結合デバイス

【課題】汎用性が向上した部品間の結合構造を提供することを課題とする。
【解決手段】部品間の結合構造は、コネクタを接続可能な接続対象物を有した接続装置に対して前記接続対象物を覆うように固定可能なアダプタと、前記コネクタを軸方向に移動可能に保持し前記接続対象物に前記コネクタが接続されるように前記アダプタに嵌合可能な筒部、前記コネクタを前記軸方向の先端側に付勢するバネ、を有したハウジングと、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の部品間の接続とる結合デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
コネクタと接続対象物との接続部分への被水を防止する結合構造が知られている。例えば接続対象物を有した接続装置に対して接続対象物を覆うように固定されたアダプタに、コネクタを保持したハウジングを嵌合させる。これにより、コネクタを接続対象物に接続しつつ防水性を確保できる。特許文献1、2には、このような防水に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−109578号公報
【特許文献2】特開2009−294343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コネクタの軸方向での接続対象物の長さは、接続対象物の種類によって異なる場合がある。従って、接続対象物の種類毎に、コネクタと接続対象物との接続部分の位置が異なる場合がある。この場合、コネクタと接続対象物とを適切に接続することができない恐れがある。このような場合には、接続対象物の種類に応じて個別に結合部品を用意しなければならず、汎用性に欠ける恐れがある。
【0005】
そこで本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、汎用性が向上した結合デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示の結合デバイスは、コネクタと接続可能な接続対象物を有した接続装置に対して前記接続対象物を覆うように固定可能なアダプタと、前記コネクタを軸方向に移動可能に保持し前記接続対象物に前記コネクタが接続されるように前記アダプタに嵌合可能な筒部、前記コネクタを前記軸方向の先端側に付勢するバネ、を有したハウジングと、を備えている。
【発明の効果】
【0007】
汎用性が向上した結合デバイスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本実施例の防水を考慮した接合構造を有する防水装置の説明図である。
【図2】図2は、防水装置の拡大図である。
【図3】図3Aは、アダプタ120の正面図、図3Bは、ハウジング20の正面図である。
【図4】図4は、ハウジング、アダプタの内部構造の説明図である。
【図5】図5Aは、光コネクタの斜視図であり、図5Bは、取付部材の斜視図である。
【図6】図6は、アダプタとハウジングとの嵌合の説明図である。
【図7】図7は、アダプタとハウジングとの嵌合の説明図である。
【図8】図8は、アダプタとハウジングとの嵌合の説明図である。
【図9】図9A、9Bは、ハウジングとアダプタとをロックする溝部、突部の説明図である。
【図10】図10は、溝部の拡大図である。
【図11】図11A〜11Cは、光モジュールの交換作業の説明図である。
【図12】図12A、12Bは、防水装置の第1変形例の説明図である。
【図13】図13A、13Bは、防水装置の第1変形例の説明図である。
【図14】図14は、防水装置の第2変形例の説明図である。
【図15】図15A、15Bは、防水装置の第3変形例の説明図である。
【図16】図16は、電気コネクタを採用した場合の防水装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本実施例の防水を考慮した結合構造を持つ防水装置の説明図である。
防水構造は、光モジュール110を保持した接続装置100、光モジュール110に接続可能な光コネクタ10、光モジュール110と光コネクタ10との接続部分の被水を防止する防水装置、を含む。接続装置100は、例えば携帯電話基地局に用いられる光送受信装置であるが、これに限定されない。接続装置100は、屋外で使用される装置であるが、屋内で使用される装置であってもよい。接続装置100は、筐体102を有している。筐体102内には、プリント基板104が保持されている。光モジュール110は、プリント基板104に実装されている。光モジュール110は、例えばマルチソースアグリーメントインタフェースモジュールであり、GBIC(Gigabit Interface Converter)、又はSFP(Small Form Factor Pluggable)であるがこれに限定されない。この光モジュール110は、交換可能である。例えば、光モジュール110は、送信される光の波長や送信距離に応じて複数の種類が存在している。光モジュール110は、種類によって軸方向長さが異なっている。ここで、軸方向とは、光モジュール110に光コネクタ10が挿入される方向であり、光コネクタの軸方向と同じ方向である。
【0010】
防水装置は、ハウジング20、アダプタ120を含む。ハウジング20は、光コネクタ10を保持している。アダプタ120は、筐体102から部分的に外部に突出した光モジュール110の部分を覆うように、筐体102に固定されている。ハウジング20、アダプタ120は、例えば、金属や合成樹脂製であるが、それ以外の材料であってもよい。
【0011】
図2は、防水装置の拡大図である。図3Aは、アダプタ120の正面図、図3Bは、ハウジング20の正面図である。
ハウジング20は、筒部30、外筒部40、外筒部40の基端側に設けられた連結体70、連結体70の基端側に接続されたケーブル80、を有している。外筒部40は、筒部30を覆うように筒部30の外側に位置している。筒部30、外筒部40は、何れも円筒状である。筒部30の先端部は、外筒部40の先端部よりも軸方向先端側に突出している。外筒部40には、溝部45が形成されている。溝部45については詳しくは後述する。
【0012】
アダプタ120は、筐体102の壁面に固定された平板状のベース部128、筐体102に対して垂直方向に延びた嵌合部122、を有している。嵌合部122は円筒状である。嵌合部122の外周面には突部125が設けられている。突部125は、溝部45と係合可能である。尚、図3A、3Bに示すように、突部125は、嵌合部122の外周面に2つ設けられ、同様に、溝部45は、外筒部40に2つ設けられている。2つの突部125は、嵌合部122の中心軸周りに180度ずれた位置にそれぞれ設けられている。同様に、2つの溝部45は、外筒部40の中心軸周りに180度ずれた位置にそれぞれ設けられている。2つの溝部45の形状は、互いに反転している。
【0013】
図4は、ハウジング20、アダプタ120の内部構造の説明図である。
筒部30は、先端部に嵌合部32を有している。嵌合部32は、円筒状である。嵌合部32内には、光コネクタ10を軸方向に移動可能に支持するための支持部35が設けられている。支持部35には光コネクタ10に取り付けられた取付部材60が挿入された貫通孔36が形成されている。貫通孔36は、軸方向からみて略矩形状である。光コネクタ10は、本体部12を有しており、本体部12の基端部に取付部材60が取り付けられている。取付部材60は、詳しくは後述するが、光コネクタ10の光ファイバケーブル19を逃がすための孔を有している。取付部材60は、胴体部62、基端部64、胴体部62と基端部64との間にあるフランジ部66、を有している。基端部64は、胴体部62よりも細く形成されているがこれに限定されない。胴体部62が貫通孔36に貫通している。貫通孔36は、軸方向に直交する平面方向での取付部材60の移動を規制している。これにより、光コネクタ10の軸方向に直交する平面方向での移動が規制される。
【0014】
筒部30の、支持部35よりも基端側には、仕切り壁50が固定されている。仕切り壁50には、光ファイバケーブル19を逃がすための貫通孔54が設けられている。尚、詳しくは後述するが、貫通孔54は、基端部64の挿入を許容する大きさである。仕切り壁50とフランジ部66との間にはコイル状のバネS1が配置されている。コイル状のバネS1内に、基端部64が挿入されている。バネS1の付勢力により、取付部材60は、軸方向先端側に付勢されている。これにより、光コネクタ10は、軸方向先端側に付勢されている。
【0015】
筒部30には、リング部材R1が設けられている。筒部30には、最も外周の径が大きい摺接部39が形成されている。摺接部39と外筒部40の内面とが摺動することにより、外筒部40は、筒部30に対して軸方向周りに回転可能となっている。また、リング部材R1が筒部30に対する外筒部40の回転を妨げないように、リング部材R1は筒部30の窪み部分に配置されている。リング部材R1は、リング状でありゴム製である。また、外筒部40は、筒部30に対して軸方向に所定範囲を移動可能である。外筒部40の当接部43は、リング部材R1に当接して、外筒部40の軸方向の移動を規定している。
【0016】
筒部30の基端側には連結体70が連結されている。筒部30は、連結体70に対して軸方向周りに回転不能に連結さている。連結体70と筒部30との間にリング部材R2が設けられている。リング部材R2は、リング状でありゴム製である。筒部30と連結体70との隙間から水が浸入するのを防止するためである。連結体70の基端側にケーブル80が接続されており、光ファイバケーブル19はケーブル80内に挿入されている。
【0017】
光コネクタ10は、フェルール11、フェルール11を軸方向先端側に付勢するバネS2、フェルール11及びバネS2を保持しラッチアーム17が設けられた本体部12を有している。ラッチアーム17は、本体部12に対し傾斜した姿勢を維持している。本体部12の基端側には光ファイバケーブル19が接続されている。フェルール11は、本体部12内で光ファイバに接続されている。光ファイバケーブル19内には、光ファイバが配線されている。
【0018】
アダプタ120は、筐体102に設けられた孔部分に嵌合している。アダプタ120は、筒部30と嵌合する嵌合部122を有している。嵌合部122の基端側には、嵌合部122の内面と連続した円形状の嵌合溝部123が形成されている。また、アダプタ120は、光モジュール110が挿入された貫通孔126が形成されている。光モジュール110の先端部は、貫通孔126から突出している。ベース部128と筐体102との間にはリング部材R3が介在している。ベース部128と筐体102との間から筐体102内に水が浸入することを防止するためである。リング部材R3は、リング状でありゴム製である。
【0019】
光モジュール110は、光コネクタ10が挿入される挿入穴112を有しており、挿入穴112内には、光コネクタ10のフェルール11と接続されるフェルール111が設けられている。フェルール111は、バネS3により軸方向先端側に付勢されている。
【0020】
図5Aは、光コネクタ10の斜視図である。図5Bは、取付部材60の斜視図である。光コネクタ10は、2芯型のLC型の光コネクタである。光コネクタ10には、2つのフェルール11、2つの本体部12、2つのラッチアーム17、本体部12の基端側に固定された2つのブーツ18、2つの光ファイバケーブル19が設けられている。ブーツ18は、内部に光ファイバケーブル19が挿通され光ファイバを保護するものであり弾性を有している。光ファイバケーブル19内には、光ファイバが配置されている。尚、本体部12のそれぞれには、フェルール11を軸方向先端側に付勢するバネが設けられている。図5Aは、取付部材60を取り付ける前の光コネクタ10を示している。
【0021】
図5Bに示す取付部材60は、2つの本体部12の基端側に取り付けられる。取付部材60は、ブーツ18を覆うように取り付けられる。本体部62は、略角筒状である。本体部62は、略矩形状の貫通孔36に挿通される。本体部62内には、2つのブーツ18が挿通される。基端部64は、並列に2つ設けられている。2つの基端部64内には、それぞれブーツ18が挿入される。基端部64は、それぞれ略円筒状である。バネS1は、2つの基端部64の周囲にそれぞれ巻かれるようにして、2つ設けられる。フランジ部66は、略枠状である。
【0022】
図6〜図8は、アダプタ120とハウジング20との嵌合の説明図である。
アダプタ120にハウジング20を挿入する際には、外筒部40と筒部30との間に嵌合部122が挿入される。嵌合部32は、嵌合溝部123に挿入される。図6は、フェルール11、111が当接した状態を示している。更に、ハウジング20をアダプタ120に向けて押すと、図7に示すように、フェルール11は、バネS2の付勢力に抗して軸方向基端側に移動する。同様に、フェルール111は、バネS3の付勢力に抗して軸方向基端側に移動する。この状態で、フェルール11は軸方向基端側に移動できる最大位置に移動しており、フェルール111も同様である。更に、ハウジング20をアダプタ120に向けて押すと、図8に示すように、バネS1の付勢力に抗して光コネクタ10全体が軸方向基端側に移動する。光コネクタ10が軸方向基端側に移動することにより、取付部材60の基端部64は、仕切り壁50の貫通孔54内に挿入される。図8では、嵌合部32は嵌合溝部123の奥まで挿入されている。これにより、光コネクタ10と光モジュール110との接続部分が被水することを防止できる。
【0023】
このように、光コネクタ10は、軸方向に移動可能に支持されており、バネS1により軸方向先端側に付勢されている。これにより、光コネクタ10を光モジュール110に接続する際に、種類によって異なる光モジュール110の軸方向長さを吸収して、両者を接続できる。これにより、例えば、光モジュール110を異なる種類の光モジュールに交換した場合であっても、同様の光コネクタ10、ハウジング20、アダプタ120を用いて、交換後の光モジュールと光コネクタ10とを接続すると共に両者の接続部分の被水を抑制できる。このように本防水装置は、汎用性が向上している。
【0024】
図7、図8に示したように、フェルール11、111が当接して軸方向に移動した後に、光コネクタ10はバネS1の付勢力に抗して軸方向基端側に移動する。これにより、フェルール11、111との接続状態を確保できる。このように、バネS1が圧縮される前に、フェルール11を付勢しているバネS2、フェルール111を付勢しているバネS3が圧縮される。これにより、例えバネS1が圧縮される前であっても、バネS2、S3の付勢力によりフェルール11、111が互いに押圧された状態で維持することができる。これにより、フェルール11、111同士の接続性を確保できる。
【0025】
詳細には、2つのバネS1の合計のバネ定数K1は、2つのバネS2の合計のバネ定数のK2よりも大きい。即ち、K1>K2である。換言すれば、光コネクタを付勢するバネのバネ定数は、フェルールを付勢するバネのバネ定数よりも大きい。尚、ハウジング20は、光コネクタ10を付勢するバネS1が2つ設けられているため、各バネS1のバネ定数をK1´とすると、2つのバネS1の合計のバネ定数は、K1=2×K1´で表される。また、光コネクタ10には、図5に示すように、2つのバネS2が設けられているため、各バネS2のバネ定数をK2´とすると、2つのバネ定数の合計は、K2=2×K2´で表される。バネ定数は、K2=(0.99〜0.1)×K1にしてもよい。
【0026】
図9A、9Bは、ハウジング20とアダプタ120とをロックする溝部45、突部125の説明図である。
図9Aに示すように、溝部45は階段状である。溝部45は、複数のロック位置45a、45b、45cを有している。突部125は、ロック位置45a、45b、45cの何れかで係合可能である。図9Aは、突部125がロック位置45cで係合している状態を示しており、図9Bは、突部125がロック位置45aで係合している状態を示している。図9Aにおいては、アダプタ120に対してハウジング20が最も深い位置でロックされている。図9Bにおいては、アダプタ120に対してハウジング20が最も浅い位置でロックされている。このように、軸方向における溝部45と突部125とのロック位置は、アダプタ120に対する外筒部40の軸方向での位置及び軸方向周りの位置に応じて変化する。従って作業者は、外筒部40を操作することにより、アダプタ120に対する外筒部40の軸方向でのロック位置を調整できる。これにより、種類に応じて異なる光モジュール110の軸方向長さを考慮して、ロック位置を調整できる。
【0027】
図10は、溝部45の拡大図である。
図10に示すように、ロック位置45a、45b、45cをそれぞれ画定する溝部45の側壁部45a1、45b1、45c1は、軸方向に対して斜めに設けられている。このため、例えば突部125がロック位置45cで係合している場合にハウジング20を抜く場合、外筒部40を軸方向先端側に押しならが回転させて、突部125が側壁部45c1に沿うように移動させる。そして、突部125が溝部45に沿って移動するように外筒部40を操作して、突部125を溝部45から離脱させる必要がある。このように、ロックを解除するためには、外筒部40を軸方向と軸方向周りに操作しなければならない。従って、ロックが容易に外れることが防止されている。
【0028】
また、外筒部40を軸方向先端側に押す場合には、バネS1の付勢力に抗して押さなければならない場合があり得る。このような場合には。溝部45から突部125が自然に離脱することは起こりにくい。このようにして、ロックが外れることが防止されている。
【0029】
図11A〜11Cは、光モジュール110の交換作業の説明図である。
図11Aに示すように、光モジュール110は、プリント基板104に設けられたGに嵌合している。作業者は、アダプタ120内に手を挿入して光モジュール110の先端部をつかみ、手前に引っぱることにより、図11Bに示すように光モジュール110がGから抜け、図11Cに示すように光モジュール110を取外すことができる。また、同様に、光モジュール110の代わりに他の種類の光モジュールを、アダプタ120内に挿入して容易にGに装着させることができる。
【0030】
ここで、図3に示すように、2つの挿入穴112が並んだ方向と直交する方向での光モジュール110の高さをHとする。光モジュール110の高さ方向での光モジュール110から嵌合部122の内面までの距離をL1、L2とする。距離L1、L2のそれぞれは、高さHの約0.2倍以上から約4倍以下である。尚、光モジュール110に隣接して設けられている他のコネクタとの干渉を防止することを考慮して、距離L1、L2を、それぞれ、高さHの約1.5倍以下にしてもよい。また、光モジュール110のつかみ易さを考慮して、距離L1、L2のそれぞれは、高さHの約0.5倍以上にしてもよい。尚、距離L1、L2は、同一の値でなくともよい。
【0031】
防水装置の変形例について説明する。
図12A、12B、13A、13Bは、防水装置の第1変形例の説明図である。尚、上述した防水装置と変形例に係る防水装置とにおいて同一部分においては、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0032】
図12Aに示すように、筒部30aの先端側には軸方向に延びたガイド部34が形成されている。ガイド部34は、溝状に切欠されている。図12Bに示すように、嵌合部122内には2つのガイド部124aが形成されている。ガイド部124aは、嵌合部122の内面側に突状に設けられており、軸方向に延びている。図13Bに示すように、2つのガイド部34aが筒部30aに設けられている。アダプタ120aにハウジング20aを嵌合させるためには、ガイド部124aがガイド部34a内に挿入させたうえで、嵌合部122a内に筒部30aを挿入する必要がある。このように、ガイド部34a、124aは、ハウジング20aとアダプタ120aとの軸方向周りでの嵌合可能となる位置を規定する機能を有している。
【0033】
また、図13Aに示すように、2つのガイド部124aは、光モジュール110の2つの貫通孔112に並ぶように設けられている。詳細には、2つの貫通孔112の中心軸を通過する直線上に、2つのガイド部124aが設けられている。また、光モジュール110は、この直線上であって2つのガイド部124間の略中心に設けられている。同様に、図13Bに示すように、2つのガイド部34aは、2つのフェルール11と並ぶように設けられている。詳細には、2つのフェルール11を通過する直線上に、2つのガイド部34aが設けられている。また、光コネクタ10は、この直線上であって2つのガイド部34a間の略中心に設けられている。これにより、ガイド部34a、124aを係合させて嵌合部122内に筒部30aを挿入した場合には、2つの挿入穴112内にそれぞれ2つの本体部12を挿入できる。このように、ガイド部124a、34aは、挿入穴112への本体部12の挿入を案内する機能をも有している。
【0034】
図14は、防水装置の第2変形例の説明図である。
嵌合部122bには軸方向に延びたガイド部124bが2つ設けられている。ガイド部124bは、溝状に切欠されている。筒部30bには、軸方向に延びた2つのガイド部34bが設けられている。ガイド部34bは、筒部30の外面上に突状に設けられている。このようにガイド部124b、34bとが係合することにより、ハウジング20bとアダプタ120bとの軸方向周りでの嵌合可能となる位置を規定している。このように、アダプタ120b側に切欠状のガイド部を設け、ハウジング側に突状のガイド部を設けてもよい。
【0035】
図15A、15Bは、防水装置の第3変形例の説明図である。
図15Aは、アダプタ120cの正面図、図15Bは、ハウジング20cの正面図を示している。図15A、15Bに示すように、アダプタ120c、ハウジング20cは、それぞれ光モジュール110a、光コネクタ10aを保持している。光コネクタ10aは、1芯型の光コネクタである。光モジュール110aは、1芯型の光コネクタを接続可能な光モジュール110aである。このように、1芯型の光コネクタ10aと光モジュール110aとの接続部分を防水することもできる。尚、この場合においては、光コネクタ10aに取り付けられる取付部材は、一つでよい。また、取付部材を付勢するバネS1も一つでよい。光コネクタ10aを付勢する単一のバネS1のバネ定数K1は、1芯型の光コネクタ10aのフェルール11を付勢するバネのバネ定数K2よりも大きい。これにより、光コネクタ10aと光モジュール110aとを接続する際に、光コネクタ10aのバネが圧縮された後にバネS1が圧縮される。
【0036】
図16は、電気コネクタを採用した場合の防水装置の説明図である。
図16に示すように、ハウジング20は、光コネクタではなく電気コネクタ10bを保持し、アダプタ120は、光モジュールではなく電気コネクタ110bを保持した例を示している。このように、本防水装置は、光接続のみならず、電気的接続を行なう電気コネクタにも採用できる。電気コネクタ10bは、例えばオス型の電気コネクタであり、電気コネクタ110bは、例えばメス型の電気コネクタであるが、逆の関係であってもよい。
【0037】
以上本発明の好ましい一実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0038】
上記実施例においては、光コネクタが接続可能な接続対象物として、光モジュールを一例に説明した。しかしながら、光コネクタ同士を接続する場合に本防水装置を採用してもよい。この場合、ハウジング20、アダプタ120は、それぞれ光コネクタを保持する。
【0039】
上記実施例において、光コネクタ10に、フランジ部66を設けた取付部材60を取り付けた例を示したが、取付部材60はこのような形状に限定されない。例えば、フランジ部として機能する枠状のフランジ部材を光コネクタ10のブーツ18部分に嵌合させてもよい。この場合、フランジ部材は、貫通孔36を挿通不能な程度の大きさを有し、仕切り壁50との間でバネS1を圧縮可能に保持可能な大きさを有していればよい。
【0040】
上記実施例では主に、2芯型の光コネクタを例に説明したが、2芯型の光コネクタを付勢するバネは単一のものを用いてもよい。この場合、2芯型の光コネクタを付勢する単一のバネのバネ定数K1は、2芯型の光コネクタに設けられている2つのバネの合計のバネ定数K2よりも大きい。この場合において、2芯型の光コネクタに設けられている各バネのバネ定数をK2´とすると、バネ定数の大小関係はK1>K2=2×K2´で示される。
【0041】
上記実施例では、防水を考慮した結合構造を持つ防水装置を一例として説明した。しかしながら、本結合構造は、防水を考慮したものでなくてもよい。例えば、本結合構造は、防塵などを考慮したものであってもよい。また、本結合構造は、このような防水や防塵を考慮したものでなくてもよい。
【符号の説明】
【0042】
10、10a 光コネクタ
10b、110b 電気コネクタ
11、111 フェルール
20〜20c ハウジング
30〜30b 筒部
34〜34b、124〜124b ガイド部
35 支持部
36 貫通孔
40 外筒部
45 溝部
45a〜45c ロック位置
45a1〜45c1 側壁部
50 仕切り壁
60 取付部材
66 フランジ部
110 光モジュール
S1〜S3 バネ
R1〜R3 リング状部材
100 接続装置
102 筐体
104 プリント基板
120〜120c アダプタ
122 嵌合部
123嵌合溝部
125 突部
126 貫通孔
128 ベース部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタと接続可能な接続対象物を有した接続装置に対して前記接続対象物を覆うように固定可能なアダプタと、
前記コネクタを軸方向に移動可能に保持し前記接続対象物に前記コネクタが接続されるように前記アダプタに嵌合可能な筒部、前記コネクタを前記軸方向の先端側に付勢する第1のバネ、を有したハウジングと、を備えた結合デバイス。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記筒部に対して前記軸方向周りに回転可能な外筒部を有し、
前記外筒部及びアダプタは、互いにロック可能であり、前記アダプタに対する前記外筒部の前記軸方向での位置及び前記軸方向周りの位置に応じて前記アダプタに対する前記外筒部の前記軸方向でのロック位置が変化する係合部を有している、請求項1の結合デバイス。
【請求項3】
前記外筒部及び前記アダプタの係合部の一方は、突部であり、
前記外筒部及び前記アダプタの係合部の他方は、前記突部が係合可能であり階段状に延びた溝部である、請求項2の結合デバイス。
【請求項4】
前記アダプタ及び前記筒部は、互いに嵌合可能な嵌合位置を規定するガイド部を有している、請求項1乃至3の何れかの結合デバイス。
【請求項5】
前記コネクタは、フェルール、前記フェルールを軸方向先端側に付勢する第2のバネ、を有する、請求項1乃至4の何れかの結合デバイス。
【請求項6】
前記コネクタを前記接続対象物に接続する際には、前記第2のバネの付勢力に抗して前記フェルールが移動した後に前記1のバネに抗して前記コネクタが移動する、請求項5の結合デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−68323(P2012−68323A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−211330(P2010−211330)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】