説明

給油案内システム

【課題】 同一経路を繰り返し走行する場合において燃料残量と燃料消費量から自車に給油を行う給油タイミングを決定し、その案内を行うことにより、利用者の利便性を向上させた給油案内システムを提供する。
【解決手段】 通勤等の用途で頻繁に走行する経路を登録走行経路として登録し(S4、S9)、その登録走行経路を繰り返し走行すると仮定した場合において、予め利用する給油地点として登録した(S24)一又は複数の給油地点の内、給油回数が最小限となるように給油を行う為の給油地点と、その給油タイミングを特定し(S31〜S38)、利用者に対して案内する(S39)ように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車の給油を行う給油タイミングを利用者に案内する給油案内システムに関し、特に、同一経路を繰り返し走行する場合において燃料残量と燃料消費量から自車に給油を行う給油タイミングを決定し、案内を行うことにより、利用者の利便性を向上させた給油案内システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、運転者は走行中に時々燃料計を見て燃料残量が少なくなってくると、自らの記憶にある給油地点(ガソリンスタンド)まで走行して給油を行っていた。また、ナビゲーションシステムを利用すれば、運転者の知らない土地であっても、自車位置を検出し、その付近の給油地点をナビゲーション画面(表示手段)上に表示することにより、最寄りの給油所を探して給油を行うことも可能であった。更には、従来のナビゲーションシステムでは、単に給油地点を表示するのみではなく、給油地点の情報(例えば、営業時間やガソリンの価格)をセンタから取得することにより、営業時間外の給油地点を案内することを防止するとともに、燃料コストが相対的に低い給油地点を優先的に案内することも行われていた(例えば、特開2004−125430号公報参照)。
【特許文献1】特開2004−125430号公報(第6頁〜第7頁、図4〜図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、前記特許文献1に記載のナビゲーションシステムでは、予めセンタに記録された全国各地の給油地点から燃料コスト的に最適と思われる給油地点への案内が行われる。しかしながら、『自宅から近い』、『給油が行いやすい』、『通勤経路上にある』等の様々な理由によって、給油を行う際に使用する給油地点は利用者ごとに通常、1,2箇所に特定されている。従って、単に燃料コストが低いという理由によって案内を行う給油地点を選択することは、給油を行う際の利用者の実情にそぐわない結果となっていた。
また、特に通勤や仕事に車を利用する利用者にとっては、毎日同じ経路を繰り返し走行することとなる。従って、経路に沿った給油地点の場所に関しては予め利用者は良く理解しており、残りの燃料が少なくなった場合に給油地点を案内することは利用者にとってそれほど有益な情報とはいえなかった。それに対し、残りの燃料が少なくなってから給油地点を案内するのではなく、将来的にどのタイミング(日付や往路・復路の特定)で給油を行えば、効率的な給油を行うことができるのかを案内することは利用者にとって非常に有益な情報であると考えられる。
【0004】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、通勤などの際に同一経路を繰り返し走行する場合における効率的な給油を行うタイミングを事前に案内することが可能となり、利用者の利便性を向上させた給油案内システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため本願の請求項1に係る給油案内システムは、自車が走行する経路を登録する経路登録手段と、自車の燃料残量を検出する残燃料検出手段と、前記経路登録手段に登録された経路を走行するのに必要な燃料消費量を算出する消費量算出手段と、前記残燃料検出手段により検出された燃料残量と消費量算出手段により算出された燃料消費量とに基づいて、前記経路を繰り返し走行する際に自車に給油を行う給油タイミングを決定する給油タイミング決定手段と、前記給油タイミング決定手段により決定された給油タイミングを利用者に案内する給油案内手段と、を有することを特徴とする。
尚、「給油タイミング」とは、自車の給油を行うタイミングを特定する為の要素であれば良く、給油を行う時期(日付や時刻)の他に、給油を行うまでの走行回数や走行距離等を含む。
【0006】
また、請求項2に係る給油案内システムは、請求項1に記載の給油案内システムであって、給油地点を記憶する給油地点記憶手段を有し、前記給油案内手段は、前記給油地点記憶手段に記憶された給油地点の内、前記給油タイミング決定手段によって決定された給油タイミングで給油を行う為の給油地点を案内することを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に係る給油案内システムは、請求項1又は請求項2に記載の給油案内システムであって、前記給油タイミング決定手段は、前記経路を繰り返し走行する際において給油回数が最小限となるように給油タイミングを決定することを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に係る給油案内システムは、請求項3に記載の給油案内システムにおいて、前記給油地点記憶手段に記憶された給油地点は前記経路に沿って位置する給油地点であって、前記給油タイミング決定手段は、前記給油地点記憶手段に記憶された給油地点の内、現在の自車の燃料残量から走行可能な範囲で最も燃料残量が少ない状態で到達可能な所定の給油地点に到達するタイミングを給油タイミングとすることを特徴とする。
【0009】
また、請求項5に係る給油案内システムは、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の給油案内システムであって、前記経路登録手段によって登録される経路は出発地から目的地への往路と目的地から出発地への復路とから構成されることを特徴とする。
【0010】
更に、請求項6に係る給油案内システムは、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の給油案内システムであって、前記給油案内手段は給油を行う予定の時期を案内することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
前記構成を有する請求項1に係る給油案内システムでは、燃料残量と登録された経路を走行する際に必要な燃料消費量とに基づいて、経路を繰り返し走行する際に自車に給油を行う給油タイミングを決定し、その結果を利用者に案内するので、通勤などに用いる同一経路を繰り返し走行する場合において、効率的な給油を行うタイミングを事前に利用者に対して案内することが可能となり、利用者の利便性が向上する。
【0012】
また、請求項2に係る給油案内システムでは、給油地点を記憶させるとともに、記憶された給油地点の内、経路を繰り返し走行する際に給油を行う給油タイミングとともに給油を行う為の給油地点を案内するので、利用者が希望する給油地点を対象とした効率的な給油を行うタイミングとその給油地点を事前に利用者に対して案内することが可能となる。従って、利用者が普段利用する給油地点を考慮したより適切な案内を行うことが可能である。
【0013】
また、請求項3に係る給油案内システムでは、燃料残量と登録された経路を走行する際に必要な燃料消費量とに基づいて、経路を繰り返し走行する際に給油回数が最小限となる給油タイミングを予測し、その予測結果を利用者に案内するので、通勤などに用いる同一経路を繰り返し走行する場合において、最も効率的な給油を行うタイミングを事前に利用者に対して案内することが可能となり、利用者の利便性が向上する。
【0014】
また、請求項4に係る給油案内システムでは、記憶された給油地点の内、現在の自車の燃料残量から走行可能な範囲で最も燃料残量が少ない状態で到達可能な所定の給油地点に到達するタイミング利用者に対して案内するので、通勤などに用いる同一経路を繰り返し走行する場合において、その経路に沿って位置する給油地点を利用した最も効率的な給油を行うタイミングを事前に利用者に対して案内することが可能となり、利用者の利便性が向上する。
【0015】
また、請求項5に係る給油案内システムでは、出発地から目的地への往路と目的地から出発地への復路とから構成される経路を登録し、当該往復路を繰り返し走行する際における自車への給油タイミングを決定し、その結果を利用者に案内するので、通勤などに用いる同一往復路を繰り返し走行する場合において、効率的な給油を行うタイミングを事前に利用者に対して案内することが可能となり、利用者の利便性が向上する。
【0016】
更に、請求項6に係る給油案内システムでは、給油タイミングとして給油を行う予定の時期を案内するので、利用者は給油を行う具体的なタイミングを容易に把握することが可能であり、案内されたタイミングで給油を行うことを忘れてしまう虞がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る給油案内システムについて具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係る給油案内システム1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は本実施形態に係る給油案内システム1を示したブロック図である。
【0018】
図1に示すように本実施形態に係る給油案内システム1は車両内に配設されたナビゲーション装置2と、ナビゲーション装置2に対して接続された各種周辺装置とから基本的に構成されている。
【0019】
また、ナビゲーション装置2は、自車の現在位置を検出する現在地検出処理部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部(給油地点記憶手段)12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部(経路登録手段、消費量算出手段、給油タイミング決定手段)13と、操作者からの操作を受け付ける操作部14と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ(給油案内手段)15と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ(給油案内手段)16と、交通情報送信センタ等の情報センタとの間で通信を行う通信装置17と、から構成されている。また、ナビゲーション制御部13には自車の走行速度を検出する車速センサ20、車両の燃料タンク内の燃料残量を検出する残燃料検出センサ(残燃料検出手段)21、車両の給油を行う際に開口する給油口の開閉を検出する給油口開閉センサ22、及びイグニションスイッチ23が接続される。
【0020】
以下に、ナビゲーション装置2を構成する各構成要素について説明すると、現在地検出処理部11は、GPS31、地磁気センサ32、距離センサ33、ステアリングセンサ34、方位検出部としてのジャイロセンサ35、高度計(図示せず)等からなり、現在の自車の位置、方位、目標物(例えば、交差点)までの距離等を検出することが可能となっている。
【0021】
具体的には、GPS31は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することにより、地球上における自車の現在地及び現在時刻を検出し、地磁気センサ32は、地磁気を測定することによって自車方位を検出し、距離センサ33は、道路上の所定の位置間の距離等を検出する。ここで、距離センサ33としては、例えば、自車の車輪(図示せず)の回転速度を測定し、測定した回転速度に基づいて距離を検出するセンサ、加速度を測定し、測定した加速度を2回積分して距離を検出するセンサ等を使用することができる。
【0022】
また、ステアリングセンサ34は自車の舵(だ)角を検出する。ここで、ステアリングセンサ34としては、例えば、ステアリングホイール(図示せず)の回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り付けられた角度センサ等が使用される。
【0023】
そして、ジャイロセンサ35は自車の旋回角を検出する。ここで、ジャイロセンサ35としては、例えば、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。また、ジャイロセンサ35によって検出された旋回角を積分することにより、自車方位を検出することができる。
【0024】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された地図DB24、給油地点記憶DB25、後述の走行経路登録処理(図3参照)において登録された登録走行経路、所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、本実施形態においては、データ記録部12の外部記憶装置及び記憶媒体としてハードディスクが使用されるが、ハードディスクのほかに、フレキシブルディスク等の磁気ディスクを外部記憶装置として使用することができる。また、メモリーカード、磁気テープ、磁気ドラム、CD、MD、DVD、光ディスク、MO、ICカード、光カード等を外部記憶装置として使用することもできる。
【0025】
また、地図DB24には、経路案内及び地図表示に必要な各種情報が記録されており、例えば、地図を表示するための地図データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、道路に関する道路データ、経路を探索するための探索データ、施設に関する施設データ、地点を検索するための検索データ等が記録されている。
【0026】
一方、給油地点記憶DB25は、利用者が自車の給油を行う給油地点(具体的にはガソリンスタンド)を予め一又は複数箇所記憶させる記憶領域である。そして、給油地点記憶DB25に記憶された給油地点に基づいて後述のように自車の給油を行うタイミングと、給油地点の案内が行われる(図6のS39)。尚、給油地点記憶DB25については図2を用いて後に詳細に説明する。
【0027】
また、ナビゲーション制御部13は、ナビゲーション装置2の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、目的地までの経路の探索、探索した誘導経路の案内を行う経路案内処理プログラム、通勤経路等の自車が繰り返し走行する走行経路を登録走行経路として登録する走行経路登録処理プログラム(図3参照)、登録走行経路において消費する燃料消費量を算出する消費燃料算出処理プログラム(図4参照)、利用者が給油を行う際に利用する給油地点を登録する給油地点登録処理プログラム(図5参照)、登録走行経路を繰り返し走行する際の給油回数が最小限となる給油タイミング及び給油地点を案内する給油案内処理プログラム(図6参照)が記録されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記録するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置を備えている。尚、前記RAM42、ROM43、フラッシュメモリ44等としては半導体メモリ、磁気コア等が使用される。また、演算装置及び制御装置としては、CPU41に代えてMPU等を使用することも可能である。
【0028】
また、本実施形態においては、前記ROM43に各種のプログラムが記録され、前記データ記録部12に各種のデータが記録されるようになっているが、プログラム、データ等を同じ外部記憶装置、メモリーカード等からプログラム、データ等を読み出して前記フラッシュメモリ44に書き込むこともできる。更に、メモリーカード等を交換することによって前記プログラム、データ等を更新することができる。
【0029】
更に、前記ナビゲーション制御部13には、操作部14、液晶ディスプレイ15、スピーカ16、通信装置17の各周辺装置(アクチュエータ)が電気的に接続されている。
【0030】
操作部14は、走行開始時の現在地を修正し、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)から構成される。そして、ナビゲーション制御部13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、操作部14としては、キーボード、マウス、バーコードリーダ、遠隔操作用のリモートコントロール装置、ジョイスティック、ライトペン、スタイラスペン等を使用することもできる。更に、液晶ディスプレイ15の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。
【0031】
また、液晶ディスプレイ15には、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの誘導経路、誘導経路に沿った案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。特に本実施形態に係るナビゲーション装置2では、登録走行経路を繰り返し走行する際の給油回数が最小限となる給油タイミングをカレンダー上に表示するとともに、給油を行う給油地点(ガソリンスタンド)を地図上に表示する(図10、図11参照)。尚、液晶ディスプレイ15の代わりに、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ等を使用したり、車両のフロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を使用することも可能である。
【0032】
また、スピーカ16は、ナビゲーション制御部13からの指示に基づいて誘導経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスを出力する。また、特に本実施形態に係るナビゲーション装置2では、登録走行経路を繰り返し走行する際の給油回数が最小限となる給油を行う給油地点、及び給油タイミングを音声で利用者に報知する。ここで、案内される音声ガイダンスとしては、例えば、「200m先の交差点を右折してください。」や「この先の国道○○号線が渋滞しています。」等がある。なお、スピーカ16より出力される音声としては、合成された音声のほかに、各種効果音、予めテープやメモリ等に録音された各種の案内情報を出力することもできる。
【0033】
そして、通信装置17は、情報センタ、例えば、VICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等から送信された渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況等の各情報から成る交通情報を、道路に沿って配設された電波ビーコン装置、光ビーコン装置等を介して電波ビーコン、光ビーコン等として受信するビーコンレシーバである。また、通信装置17としては、LAN、WAN、イントラネット、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等の通信系において通信を可能とするネットワーク機器であっても良い。更に、通信装置17は前記情報センタからの情報の他に、ニュース、天気予報等の情報から成るFM多重情報を、FM放送局を介してFM多重放送として受信するFM受信機を備える。尚、前記ビーコンレシーバ及びFM受信機は、ユニット化されてVICSレシーバとして配設されるようになっているが、別々に配設することもできる。
【0034】
次に、図2を用いてデータ記録部12に記録される給油地点記憶DB25について具体例をあげて説明する。ここで、給油地点記憶DB25は、利用者が給油を行う際に利用する給油地点(ガソリンスタンド)を記録する記憶領域であり、車両の給油口が開口した場合において、GPS31によって検出された現在の自車位置が給油地点として記録されるDBである。
【0035】
尚、本実施形態に係る給油案内システム1では、給油地点記憶DB25に記憶される給油地点は後述の走行経路登録処理によって登録される登録走行経路に沿った給油地点のみとなっている。また、登録される登録走行経路は、出発地(例えば自宅)から目的地(例えば会社)までの往路と、目的地から出発地までの復路によって基本的に構成されており、給油地点記憶DB25には位置座標とともに、登録走行経路における往路又は復路のどちらの経路に沿って位置する給油地点かについても記憶される。
例えば、図2では第1の給油地点として往路に沿う座標(x1,y1)に位置する給油地点が記憶されており、第2の給油地点として復路に沿う座標(x2,y2)に位置する給油地点が記憶されている。
【0036】
そして、図2に示すように給油地点が記録された給油地点記憶DB25は、その後、自車の給油を行う給油タイミングを算出する際に、給油を行う対象となる給油地点として使用される。具体的には、自車の燃料残量と登録走行経路を走行する際に消費する消費燃料とから、現在の燃料残量で走行可能な範囲で且つ最も燃料残量が少ない状態で到達可能な給油地点に到達するタイミング(本実施形態では日付と往路・復路の特定)を給油タイミングとして給油地点と併せて利用者に案内する。それによって、利用者は登録走行経路を繰り返し走行する際において、最も効率の良い給油のタイミングとその給油地点を知ることが可能となる。
【0037】
続いて、前記構成を有する給油案内システム1においてナビゲーション装置2のCPU41が実行する走行経路登録処理プログラムについて図3に基づき説明する。図3は本実施形態に係る走行経路登録処理プログラムのフローチャートである。ここで、走行経路登録処理プログラムは、利用者が繰り返し走行する走行経路(通勤経路等)を、出発地(例えば、自宅)から目的地(例えば、会社)までの往路と目的地から出発地までの復路によって特定し、登録走行経路として登録を行うプログラムである。尚、以下の図3乃至図6にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置2が備えているRAM42やROM43に記憶されており、CPU41により実行される。
【0038】
先ず、走行経路登録処理プログラムではステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU41は、走行経路の登録を開始したか否か判定される。具体的には、利用者によって操作部14を用いて走行経路の登録を開始する為の所定の操作が行われたと判定した場合に、走行経路の登録を開始したと判定される。
【0039】
そして、走行経路の登録を開始したと判定された場合(S1:YES)には、S2において、現在地検出処理部11の検出結果に基づいて自車の現在位置が検出される。
一方、走行経路の登録を開始していないと判定された場合(S1:NO)には、走行経路の登録が開始されるまで待機する。
【0040】
次に、S3では前記S2で検出された自車の現在位置を走行経路の「出発地(往路の走行開始地点で復路の走行終了地点)」としてデータ記録部12に登録する。
【0041】
その後、S4では現在地検出処理部11により自車の現在地と方位を所定間隔で検出し、地図DB24に記録された道路データから自車の走行する経路(具体的にはリンク番号)を特定する。そして、特定された走行経路を往路の登録走行経路として登録する。
【0042】
そして、S5ではCPU41は自車が目的地に到着したか否かを判定する。ここで、具体的に自車が目的地に到着したか否かは、イグニションスイッチ23がONからOFFにされたか否か、即ち自車のエンジンが停止されたか否かに基づいて判定される。尚、利用者によって操作部14を用いて自車が目的地に着いたことを認識させる所定の操作が行われた場合に、自車が目的地に到着したと判定することとしても良い。
【0043】
そして、自車が目的地に到着したと判定された場合(S5:YES)には、S6において、現在地検出処理部11の検出結果に基づいて自車の現在位置が検出され、検出された自車の現在位置を走行経路の「目的地(往路の走行終了地点で復路の走行開始地点)」としてデータ記録部12に登録する(S7)。
一方、自車が目的地に到着していないと判定された場合(S5:NO)には、S4へと戻り、継続して走行経路の登録が行われる。
【0044】
次に、S8では、イグニションスイッチ23や車速センサ20からの情報に基づいて自車が目的地から再び走行を開始したか否かが判定され、走行を開始したと判定された場合(S8:YES)には、現在地検出処理部11により自車の現在地と方位を所定間隔で検出し、地図DB24に記録された道路データから自車の走行する経路(具体的にはリンク番号)を特定する。そして、特定された走行経路を復路の登録走行経路として登録する(S9)。
一方、走行を開始していないと判定された場合(S8:NO)には、走行が開始されるまで待機する。
【0045】
その後、S10ではCPU41は自車が前記S3で登録された「出発地」に到着したか否かを判定する。そして、自車が出発地に到着したと判定された場合(S10:YES)には、当該走行経路登録処理を終了する。ここで、図7は前記S1〜S10の走行経路登録処理によって登録された登録走行経路の一例を示した図である。図7では出発地Sから目的地GへのノードA、ノードB、ノードC、ノードD、ノードEを順に経由する走行経路51が往路の登録走行経路として登録され、目的地Gから出発地SへのノードF、ノードC、ノードB、ノードAを順に経由する走行経路52が復路の登録走行経路として登録される。そして、走行経路51、52を合わせた全体の経路を自車が繰り返し走行する登録走行経路とする。
一方、自車が出発地に到着していないと判定された場合(S10:NO)には、S9へと戻り、継続して走行経路の登録が行われる。尚、以上のS1〜S10の処理が経路登録手段の処理に相当する。
【0046】
次に、給油案内システム1においてナビゲーション装置2のCPU41が実行する消費量算出処理プログラムについて図4に基づき説明する。図4は本実施形態に係る消費量算出処理プログラムのフローチャートである。ここで、消費量算出処理プログラムは、前記走行経路登録処理(図3参照)によって登録された登録走行経路を自車が走行する際の燃料消費量を算出するプログラムである。
【0047】
先ず、消費量算出処理プログラムではS11において、CPU41は、前記S3及びS7で登録された「出発地」又は「目的地」のいずれかから自車が走行を開始したか否かを判定する。具体的には、現在地検出処理部11によって自車位置を特定し、更に車速センサ20及びイグニションスイッチ23からの情報に基づいて走行の開始を検出する。
【0048】
そして、「出発地」又は「目的地」のいずれかから自車が走行を開始したと判定された場合(S11:YES)には、残燃料検出センサ21を用いて自車の燃料タンク内にある燃料残量の検出を開始する(S12)。尚、本実施形態では走行経路登録処理(図3参照)によって登録された登録走行経路上に位置する出発地又は目的地を出発、或いは到着した際、並びに登録走行経路上に位置するノード点を通過した際にそれぞれ自車の燃料タンク内の燃料残量が検出される。
【0049】
その後、S13では現在地検出処理部11により自車の現在地と方位を所定間隔で検出し、地図DB24に記録された道路データから自車の走行する経路(具体的にはリンク番号)を特定する。そして、特定された走行経路が前記S4及びS9で登録された登録走行経路と一致するか否かの照合が行われる。
【0050】
そして、S14では前記S13の照合結果に基づいて自車が登録走行経路を走行しているか否かが判定され、登録走行経路を走行していると判定された場合(S14:YES)には、登録走行経路を走行する際の燃料消費量がデータ記録部12に記録される(S15)。ここで、本実施形態に係る給油案内システム1では、登録走行経路を構成するリンク毎にそのリンク区間を走行する際に消費する燃料消費量が算出される。
【0051】
以下に、登録走行経路を走行する際の燃料消費量の算出及び記録方法について具体例を挙げて説明する。例えば、図8は図7に示した登録走行経路の燃料消費量を記録した燃料消費量記録テーブルの一例を示した図である。
図7に示す登録走行経路は、前記したように出発地Sから目的地GへのノードA、ノードB、ノードC、ノードD、ノードEを順に経由する往路の登録走行経路と、目的地Gから出発地SへのノードF、ノードC、ノードB、ノードAを順に経由する復路の登録走行経路からなっており、例えば出発地Sを出発した時点の燃料残量とノードAを通過した時点の燃料残量から出発地からノードAまでの区間(リンクの一部)を走行するのに消費する燃料消費量(図8では0.10L)が算出され、記録される。また、ノードAを通過した時点の燃料残量とノードBを通過した時点の燃料残量からノードAからノードBまでのリンク区間を走行するのに消費する燃料消費量(図8では0.20L)が算出され、記録される。以下同様に、ノードBからノードCまでのリンク区間、ノードCからノードDまでのリンク区間、ノードDからノードEまでのリンク区間、ノードEから目的地までの区間(リンクの一部)、目的地からノードFでの区間(リンクの一部)、ノードFからノードCまでのリンク区間、ノードCからノードBまでのリンク区間、ノードBからノードAまでのリンク区間、ノードAから出発地までの区間(リンクの一部)についても算出され、図8に示すように記録される。
尚、本実施形態では一度燃料消費量を算出した同一区間について、その後再び算出を行うことはないが、所定期間(例えば1ヶ月)毎に再度算出し直すようにしても良い。また、複数回走行した場合において燃料消費量の平均値を算出し、記録するようにしても良い。更に、燃料消費量の平均値は各曜日の平均値を算出するようにしても良い。それによって、各曜日の交通量の違いを考慮したより正確な燃料消費量を算出することが可能となる。
【0052】
一方、前記S14において登録走行経路を走行していないと判定された場合(S14:NO)には、登録走行経路外の経路へと進入した場合であるので、再度登録走行経路に戻るまでの間に走行した経路の燃料消費量は記録しないように制御する(S16)。
【0053】
その後、S17でCPU41は、前記S3及びS7で登録された「出発地」又は「目的地」のいずれかに自車が到達したか否かを検出された自車位置に基づいて判定する。その結果、自車が「出発地」又は「目的地」のいずれかに到達したと判定された場合(S17:YES)には、当該消費量算出処理を終了する。一方、自車が「出発地」又は「目的地」のいずれにも到達していないと判定された場合(S17:NO)には、S13へと戻り、登録走行経路に係る燃料消費量の算出を継続して行う。尚、以上のS11〜S17の処理が消費量算出手段の処理に相当する。
【0054】
次に、給油案内システム1においてナビゲーション装置2のCPU41が実行する給油地点登録処理プログラムについて図5に基づき説明する。図5は本実施形態に係る給油地点登録処理プログラムのフローチャートである。ここで、給油地点登録処理プログラムは、利用者が給油を行う際に利用する一又は複数の給油地点を予め登録するプログラムである。
【0055】
先ず、給油地点登録処理プログラムではS21において、CPU41は、給油口開閉センサ22の検出結果に基づいて給油を行う際に開閉する車両の給油口が開口されたか否かを判定する。
【0056】
そして、給油口が開口されたと判定された場合(S21:YES)には、現在地検出処理部11の検出結果に基づいて自車の現在位置が検出される(S22)。
一方、給油口が開口されていないと判定された場合(S21:NO)には、給油口が開口されるまで待機する。
【0057】
次に、S23では前記S22で検出された自車位置と、前記S4及びS9で登録された登録走行経路から、登録走行経路に沿った位置に自車が位置するか否か、即ち、これから自車の給油を行う給油地点が登録走行経路沿いに位置する給油地点であるか否かが判定される。
【0058】
そして、登録走行経路に沿った位置に自車が位置すると判定された場合(S23:YES)には、S24では前記S22で検出された自車位置を給油地点として給油地点記憶DB25(図2参照)に登録する。また、前記S24の処理では、給油地点を特定する位置座標とともに、登録走行経路における往路又は復路のどちらの経路に沿って位置する給油地点であるかについても給油地点までの自車の走行履歴等から判定され、記憶される。その後、当該給油地点登録処理を終了する。
【0059】
一方、登録走行経路に沿った位置に自車が位置しないと判定された場合(S23:NO)には、これから給油を行う給油地点は登録走行経路沿いに位置しない給油地点であり、登録走行経路を繰り返し走行する際に給油回数を最小限とする為に利用する給油地点としては不適格であると判定される。従って、給油地点の登録は行わずに、S25では前記S22で検出された自車位置の地点データは破棄される。
【0060】
続いて、給油案内システム1においてナビゲーション装置2のCPU41が実行する給油案内処理プログラムについて図6に基づき説明する。図6は本実施形態に係る給油案内処理プログラムのフローチャートである。ここで、給油案内処理プログラムは、前記走行経路登録処理(図3参照)において登録された登録走行経路を繰り返し走行すると仮定した場合に、給油回数が最小限となる給油タイミング(日付や往路・復路の特定)とその給油地点(ガソリンスタンドの位置や名称)を案内するプログラムであり、イグニションスイッチ23がOFFからONとなった場合(即ち、エンジンが始動した場合)や利用者が操作部14を用いて所定の操作を行った場合に開始される。
【0061】
先ず、給油案内処理プログラムではS31において、CPU41は、残燃料検出センサ21を用いて自車の燃料タンク内にある燃料残量を取得する。次に、S32では、前記S15でデータ記録部12に記録された登録走行経路を走行する際の燃料消費量(図8参照)を取得する。
【0062】
そして、S33では前記S31で取得された燃料残量と、S32で取得された燃料消費量とから、自車が出発地から走行を開始して登録走行経路を繰り返し走行したと仮定した場合において、何回目の往路又は復路の走行中に燃料残量が「0L」となるかを算出する。例えば、図7に示す登録走行経路が登録されている場合であって、燃料残量が20Lである場合には、図8の燃料消費量を参照すると12回目の往路で燃料残量が「0L」となると算出される。また、燃料残量が10Lである場合には、6回目の往路で燃料残量が「0L」となると算出される。
【0063】
次に、S34では前記S24で登録された給油地点に関する情報を給油地点記憶DB25から取得する。そして、S35では、前記S33で算出された燃料残量が「0L」となる回の往路又は復路を、給油を行う経路である給油候補経路として登録する。
【0064】
更に、S36では前記S35で登録された給油候補経路である往路又は復路で、特に燃料残量が「0L」となるまでに到達可能な給油地点があるか否か判定される。以下に、S36の判定処理に関して具体例を用いて説明する。
【0065】
ここで、図9は図7に示した登録走行経路に沿って2箇所の給油地点であるガソリンスタンド61、62が登録されている場合を示した図である。例えば、図9では往路の走行経路51のノードCからノードDの間にガソリンスタンド61が位置しており、また、復路の走行経路52のノードCからノードBの間にガソリンスタンド62が位置する。
そして、自車の燃料残量が15.6Lであった場合には、図8の燃料消費量を参照すると9回目の往路走行時のノードDからノードEまでの間で燃料が「0L」となるので、CPU41はガソリンスタンド61を燃料残量が「0L」となるまでに到達可能な給油地点であると判定する。
一方、自車の燃料残量が20.0Lであった場合には、12回目の往路走行時のノードAからノードBまでの間で燃料が「0L」となるので、CPU41は給油候補経路に燃料残量が「0L」となるまでに到達可能な給油地点がないと判定する。
【0066】
そして、S36において燃料残量が「0L」となるまでに到達可能な給油地点がないと判定された場合(S36:NO)には、現在給油候補経路に登録されている往路又は復路の一走前の往路又は復路を新たに給油候補経路として登録する。例えば、現在、走行12回目の往路が給油候補経路として登録されている場合には、走行11回目の復路が給油候補経路として登録される。また、現在、走行20回目の復路が給油候補経路として登録されている場合には、走行20回目の往路が給油候補経路として登録される。
【0067】
その後、再びS36において前記S37で新たに登録された給油候補経路である往路又は復路で、給油地点があるか否かが判定される。尚、S36において給油地点がないと再度判定された場合(S36:NO)には、更に一走前の往路又は復路を新たに給油候補経路として登録し、同様の判定を繰り返し行うこととなる。
【0068】
そして、S36において到達可能な給油地点(最初に判定処理が行われる場合には、特に燃料残量が「0L」となるまでに到達可能な給油地点)があると判定された場合(S36:YES)には、その到達可能な給油地点の内、最も燃料残量が少ない状態で到達可能な給油地点(即ち、往路では最も目的地に近い給油地点、復路では最も出発地に近い給油地点)を特定し、更に、その給油地点に到達するタイミングを特定する(S38)。ここで、本実施形態に係る給油案内システム1における給油タイミングの特定においては、『往路又は復路のいずれにおいて給油を行うか』と、『どの日付で給油を行うか』に関してそれぞれ特定される。
その際、特に『どの日付で給油を行うか』を特定するに際しては、利用者が登録走行経路をどの程度の頻度で走行するのかに関する情報が必要となる。そこで、本実施形態に係る給油案内システム1では、過去に利用者が登録走行経路を走行した日時を走行履歴として記録し、その走行履歴から登録走行経路を利用者がどの程度の頻度で走行するのかを判定する。
【0069】
例えば、走行履歴から利用者が平日に1日1回登録走行経路を往復すると判定された場合で、現在の日付が7月28日であって、且つ前記S36の判定処理で到達可能な給油地点があると判定された際に登録されていた給油候補経路が走行7回目の復路であった場合には、7月28日から土日祝日を除いた6日後にあたる8月5日に給油を行うと特定される。
【0070】
尚、登録走行経路を利用者がどの程度の頻度で走行するのかに関しては、上記のように走行履歴に基づいて判定する以外にも、利用者の操作部14を用いた入力操作に基づいて決定しても良い。その際には、「平日に1日1回往復する」、「休日を含めて1日1回往復する」、「平日に1日2回往復する」、「特定の曜日のみ1日1回往復する」等の複数の条件から利用者が選択できるのが望ましい。尚、以上のS31〜S38の処理が給油タイミング決定手段の処理に相当する。
【0071】
その後、S39では前記S38で特定された給油地点と給油タイミングが利用者に対して案内される。ここで、本実施形態に係る給油案内システム1では液晶ディスプレイ15による表示と、スピーカ16からの音声出力によって案内が行われる。
【0072】
以下に、図10及び図11を用いて給油地点及び給油タイミングの具体的な案内方法について説明する。
図10に示すようにS39で給油地点及び給油タイミングを案内する際には、先ず液晶ディスプレイ15に日付報知画面71を表示させる。日付報知画面71では該当する月のカレンダーが表示され、前記S38で特定された給油を行う日付の位置に、ガソリンスタンドを示すマーク72が表示される。更に、マーク72の内部には、往路又は復路のいずれにおいて給油を行うかを特定する「往」又は「複」の文字が表示される。例えば、図10に示す日付報知画面71では、2005年の8月5日の復路走行時に給油を行うことが適切であることを報知している。
一方で、日付報知画面71が表示された際にスピーカ16からは「8月5日の金曜日の復路にある○○スタンドでの給油が最も効率的です」と給油地点及び給油タイミングを報知する音声案内を出力する。
【0073】
そして、液晶ディスプレイ15に日付報知画面71が表示された状態で、操作部14を用いてマーク72を選択する操作を行うと、液晶ディスプレイ15には日付報知画面71に替わって給油を行うべき給油地点を地図上で示した図11の場所報知画面81が表示される。
場所報知画面81では、画面の左上に前記S38で特定された給油を行う日付82が表示され、更に、登録走行経路を示す出発地83、目的地84、往路85、復路86、前記S38で特定された最適な給油地点であるガソリンスタンド87が表示される。また、ガソリンスタンド87にはガソリンスタンドを特定する為のスタンド名88が表示される。それによって、利用者は最も効率的な給油を行う際の給油タイミングと給油地点の場所、名称をそれぞれ知ることが可能であり、利便性が向上する。
【0074】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係る給油案内システム1では、通勤等の用途で頻繁に走行する経路を登録走行経路として登録し(S4、S9)、その登録走行経路を繰り返し走行すると仮定した場合において、予め利用する給油地点として登録した(S24)一又は複数の給油地点の内、給油回数が最小限となるように給油を行う為の給油地点と、その給油タイミングを特定し(S31〜S38)、利用者に対して案内する(S39)ので、通勤などに用いる同一経路を繰り返し走行する場合において、効率的な給油を行うタイミングを事前に利用者に対して案内することが可能となり、利用者の利便性が向上する。
また、利用者が使用する一又は複数箇所の給油地点を予め給油地点記憶DB25に記憶させるとともに、記憶された給油地点の内から、登録走行経路を繰り返し走行する際に給油回数が最小限となる給油タイミングで給油を行う為の給油地点を案内するので、利用者が希望する給油地点を対象とした効率的な給油を行うタイミングを事前に利用者に対して案内することが可能となる。従って、利用者が普段利用する給油地点を考慮したより適切な給油タイミングとその給油地点を案内することが可能である。
また、給油タイミングを利用者に案内する際に日付報知画面71を用いて、給油を行う予定の日付を利用者に報知するので、利用者は給油を行う具体的なタイミングを容易に把握することが可能であり、案内されたタイミングで給油を行うことを忘れてしまう虞がない。
また、実際に自車を登録走行経路上で走行させることにより、登録走行経路を走行する燃料消費量を算出するので、データのみでは不明確な道路状態(制限速度、路面勾配、道路の混雑具合等)を考慮した正確な燃料消費量を算出することが可能となる。
【0075】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態では消費量算出処理(図4)において、登録走行経路を構成するリンク毎の燃料消費量をそれぞれ算出することとしているが、往路及び復路の2区分の燃料消費量のみを算出することとしても良い。その場合には、給油案内処理プログラム(図6)のS36の判定処理において、往路又は復路の全長に対する給油地点までの距離の割合と、往路又は復路の全長を走行するのに必要な消費燃料に対する燃料残量の割合とを比較することによって、燃料残量が「0L」となるまでに到達可能な給油地点があるか否か判定される。
【0076】
また、本実施形態では登録される登録走行経路は、出発地から目的地までの往路と目的地から出発地までの復路とから構成される経路としているが、登録走行経路は往路及び復路によって構成される経路である必要はなく、また、複数の目的地を経由して走行する経路であっても良い。
【0077】
また、本実施形態では登録走行経路の登録(S1〜S10)は、実際に自車を走行させた経路に基づいて登録することとしているが、ナビゲーション装置2を用いて地図データ上で選択又は検索した経路を登録走行経路として登録することとしても良い。
更に、給油地点の登録(S21〜S25)に関しても、同様にして地図データ上で選択した給油地点に基づいて登録することとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本実施形態に係る給油案内システムを示したブロック図である。
【図2】給油地点が記録される給油地点記憶DBについて示した図である。
【図3】本実施形態に係るナビゲーション装置が実行する走行経路登録処理プログラムのフローチャートである。
【図4】本実施形態に係るナビゲーション装置が実行する消費量算出処理プログラムのフローチャートである。
【図5】本実施形態に係るナビゲーション装置が実行する給油地点登録処理プログラムのフローチャートである。
【図6】本実施形態に係るナビゲーション装置が実行する給油案内処理プログラムのフローチャートである。
【図7】走行経路登録処理によって登録された登録走行経路の一例を示した図である。
【図8】図7に示した登録走行経路の燃料消費量を記録した燃料消費量記録テーブルの一例を示した図である。
【図9】図7に示した登録走行経路に沿って2箇所の給油地点が登録されている場合を示した図である。
【図10】給油地点及び給油タイミングの案内を行う際に液晶ディスプレイに表示される案内画面について示した図である。
【図11】給油地点及び給油タイミングの案内を行う際に液晶ディスプレイに表示される案内画面について示した図である。
【符号の説明】
【0079】
1 給油案内システム
2 ナビゲーション装置
11 現在地検出処理部
12 データ記録部
13 ナビゲーション制御部
14 操作部
15 液晶ディスプレイ
16 スピーカ
21 残燃料検出センサ
25 給油地点記憶DB
41 CPU
42 RAM
43 ROM
51 往路の走行経路
52 復路の走行経路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車が走行する経路を登録する経路登録手段と、
自車の燃料残量を検出する残燃料検出手段と、
前記経路登録手段に登録された経路を走行するのに必要な燃料消費量を算出する消費量算出手段と、
前記残燃料検出手段により検出された燃料残量と消費量算出手段により算出された燃料消費量とに基づいて、前記経路を繰り返し走行する際に自車に給油を行う給油タイミングを決定する給油タイミング決定手段と、
前記給油タイミング決定手段により決定された給油タイミングを利用者に案内する給油案内手段と、を有することを特徴とする給油案内システム。
【請求項2】
給油地点を記憶する給油地点記憶手段を有し、
前記給油案内手段は、前記給油地点記憶手段に記憶された給油地点の内、前記給油タイミング決定手段によって決定された給油タイミングで給油を行う為の給油地点を案内することを特徴とする請求項1に記載の給油案内システム。
【請求項3】
前記給油タイミング決定手段は、前記経路を繰り返し走行する際において給油回数が最小限となるように給油タイミングを決定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の給油案内システム。
【請求項4】
前記給油地点記憶手段に記憶された給油地点は前記経路に沿って位置する給油地点であって、
前記給油タイミング決定手段は、前記給油地点記憶手段に記憶された給油地点の内、現在の自車の燃料残量から走行可能な範囲で最も燃料残量が少ない状態で到達可能な所定の給油地点に到達するタイミングを給油タイミングとすることを特徴とする請求項3に記載の給油案内システム。
【請求項5】
前記経路登録手段によって登録される経路は出発地から目的地への往路と目的地から出発地への復路とから構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の給油案内システム。
【請求項6】
前記給油案内手段は給油を行う予定の時期を案内することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の給油案内システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−78368(P2007−78368A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−263013(P2005−263013)
【出願日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】