説明

縦型熱処理装置及びその制御方法

【課題】低温域での昇温リカバリーにおける収束時間を短縮し、TATの短縮及びスループットの向上を図る。
【解決手段】制御装置は、処理容器内を初期温度から該初期温度よりも高く且つ100〜500℃の範囲内の目標温度にする温度制御を行うため、1つの制御量によりヒータ及び送風機への給電を制御し、正方向の絶対値の増加によりヒータへの給電を増加させ、負方向への絶対値の増加により送風機への給電を増加させるように制御量を準備する工程と、制御量に従って送風機への給電を停止すると共に、ヒータに所定供給量で給電することにより目標温度下の所定温度まで処理容器内を加熱する工程と、所定温度になった時点から、制御量に従って、送風機に所定供給量で給電して冷却空気を送風すると共に、ヒータへの給電を停止することにより処理容器内を目標温度に収束させる工程と、次に制御量に従って、送風機への給電を停止すると共に、ヒータに所定供給量よりも小さい値で給電することにより処理容器内を目標温度に維持する工程とを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦型熱処理装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ディバイスの製造においては、被処理体例えば半導体ウエハに、酸化、拡散、CVD、アニール等の熱処理を施すために各種の熱処理装置が用いられている。その一つとして、一度に多数枚の熱処理が可能な縦型熱処理装置が知られている。この縦型熱処理装置は、下部に開口部とガス導入部を有し、上部に排気部を有する石英製の処理容器と、該処理容器の開口部を開閉する蓋体と、該蓋体上に設けられ、複数枚の被処理体を上下方向に所定の間隔で保持する保持具と、前記処理容器の周囲に設けられ、処理容器内に搬入された前記被処理体を加熱するヒータとを備えている。
【0003】
また、縦型熱処理装置としては、ヒータ内に空気を送風して処理容器を強制的に空冷するための送風機を備えたものも提案されている(例えば、特開2002−305189号公報参照)。前記送風機は、熱処理終了後にウエハ及び処理容器を迅速に冷却するために用いられていた。
【0004】
ところで、熱処理としては、例えばウエハに低誘電率の膜を形成する場合のように低温域例えば100〜500℃での熱処理がある。この低温域での熱処理の場合、如何に迅速に所定の熱処理温度に昇温・収束させるかが課題となる。低温用熱処理装置としては、熱応答性を良くするために石英製の処理容器を使わずに金属製の処理室を有する熱処理装置が提案されている。一方、熱処理時にヤニのような付着物が発生する場合は、クリーニングや交換が容易な石英製の処理容器が装置構成上必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−305189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、石英製の熱処理容器を有する縦型熱処理装置においては、熱処理容器の熱容量が大きいため、低温域での昇温リカバリーにおける収束時間が長くかかるという問題があった。低温域での昇温リカバリーにおける収束時間が長くかかると、TATの短縮やスループットの向上に影響が出る。
【0007】
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、低温域での昇温リカバリーにおける収束時間を短縮することができ、TATの短縮及びスループットの向上が図れる縦型熱処理装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のうち、請求項1に係る発明は、上下方向に間隔をおいて保持された複数枚の被処理基板を収容する処理容器と、該処理容器の周囲に設けられ前記被処理体を加熱する抵抗発熱体を有するヒータと、該ヒータ内に冷却空気を送風する送風機と、前記処理容器内の温度を検知する温度センサと、該温度センサの検出値に基いて前記抵抗発熱体及び送風機を制御する制御装置とを備えた縦型熱処理装置であって、
前記制御装置は、前記処理容器内を初期温度から該初期温度よりも高く且つ100〜500℃の範囲内の目標温度にする温度制御を行うため、1つの制御量により前記ヒータ及び前記送風機への給電を制御し、正方向の絶対値の増加により前記ヒータへの給電を増加させ、負方向への絶対値の増加により前記送風機への給電を増加させるように前記制御量を準備する工程と、
前記制御量に従って、前記送風機への給電を停止すると共に、前記ヒータに所定供給量で給電することにより前記目標温度下の所定温度まで前記処理容器内を加熱する工程と、 前記所定温度になった時点から、前記制御量に従って、前記送風機に所定供給量で給電して前記冷却空気を送風すると共に、前記ヒータへの給電を停止することにより前記処理容器内を前記目標温度に収束させる工程と、
次に前記制御量に従って、前記送風機への給電を停止すると共に、前記ヒータに前記所定供給量よりも小さい値で給電することにより前記処理容器内を前記目標温度に維持する工程とを実行することを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、上下方向に間隔をおいて保持された複数枚の被処理基板を収容する処理容器と、該処理容器の周囲に設けられ前記被処理体を加熱する抵抗発熱体を有するヒータと、該ヒータ内に冷却空気を送風する送風機と、前記処理容器内の温度を検知する温度センサと、該温度センサの検出値に基いて前記抵抗発熱体及び送風機を制御する制御装置とを備えた縦型熱処理装置の制御方法であって、
前記制御方法は、前記処理容器内を初期温度から該初期温度よりも高く且つ100〜500℃の範囲内の目標温度にする温度制御を行うため、1つの制御量により前記ヒータ及び前記送風機への給電を制御し、正方向の絶対値の増加により前記ヒータへの給電を増加させ、負方向への絶対値の増加により前記送風機への給電を増加させるように前記制御量を準備する工程と、
前記制御量に従って、前記送風機への給電を停止すると共に、前記ヒータに所定供給量で給電することにより前記目標温度下の所定温度まで前記処理容器内を加熱する工程と、 前記所定温度になった時点から、前記制御量に従って、前記送風機に所定供給量で給電して前記冷却空気を送風すると共に、前記ヒータへの給電を停止することにより前記処理容器内を前記目標温度に収束させる工程と、
次に前記制御量に従って、前記送風機への給電を停止すると共に、前記ヒータに前記所定供給量よりも小さい値で給電することにより前記処理容器内を前記目標温度に維持する工程とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、低温域での昇温リカバリーにおける収束時間を短縮することができ、TATの短縮及びスループットの向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態である縦型熱処理装置を概略的に示す縦断面図である。
【図2】低温域昇温リカバリーを実施するための構成を概略的に示す図である。
【図3】ヒータの制御の一例を説明するための図である。
【図4】ヒータ及び送風機を共通の制御装置により制御する場合の一例を説明するための図である。
【図5】低温域昇温リカバリーを実施するための制御方法の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を基に詳述する。図1は本発明の実施の形態である縦型熱処理装置を概略的に示す縦断面図、図2は低温域昇温リカバリーを実施するための構成を概略的に示す図である。
【0013】
これらの図において、1は縦型熱処理装置で、この縦型熱処理装置1は、下部に開口部(炉口)2とガス導入部3を有し、上部に排気部4を有する石英製の処理容器(プロセスチューブ)5と、この処理容器5の開口部2を開閉する蓋体6と、この蓋体6上に設けられ、大口径例えば直径300mmで複数枚例えば25程度の被処理体例えば半導体ウエハwを上下方向に所定の間隔で保持する保持具(例えば石英製ボート)7と、前記処理容器5の周囲に設けられ、処理容器5内に搬入された前記ウエハwを加熱するヒータ8とを備えている。
【0014】
前記処理容器5は下部が開口した円筒状に形成され、漸次縮径された上部にはL字状の排気部(排気管部)4が形成されている。処理容器5の下部(下端部)にはフランジ部9が形成され、このフランジ部9がベースプレート10に支持部材(図示省略)を介して支持されている。処理容器5は、上部5a、胴部5b及び下部5cからなり、大きさを変えずに熱容量を小さくするために胴部5bの肉厚tが上部5a及び下部5cのそれぞれの肉厚(6mm程度)よりも薄く(例えば4mm程度の薄肉に)形成されている。胴部5bの肉厚tが4mmの本実施例の処理容器(薄肉チューブ)5は、胴部の肉厚tが6mmである従来の処理容器(従来チューブ)に比して熱容量が小さく、冷却時の放熱量も大きいので、熱応答性に優れている。
【0015】
前記ガス導入部3はフランジ部9に設けられ、ガス導入部3には処理ガスや不活性ガス(例えばNガス)のガス源が接続されている。前記排気部4には処理容器5内を所望の圧力に減圧制御可能な排気系が接続されている。処理容器5の下方には作業空間であるローディングエリアが設けられ、このローディングエリア内には保持具を処理容器内にロード(搬入)、アンロード(搬出)すべく蓋体6を上昇、下降させるための昇降機構(図示省略)が設けられている。
【0016】
保持具7は例えば下部に1本の脚部11を有し、蓋体6の中央部には脚部11の下端部を固定して保持具7に回転を与えるための回転導入機構部12が設けられている。また、蓋体6の上部には、開口部2からの放熱を抑制するための面状の下部ヒータ13が設けられている。前記ヒータ8は、処理容器5の周囲を覆う円筒状の水冷ジャケット14を有し、この水冷ジャケット14内に抵抗発熱体15を配設して構成されている。水冷ジャケット14の上端開口部及び下端開口部は閉塞されていることが好ましい。抵抗発熱体15としては、例えば石英管にカーボンワイヤを通してなるものであっても良い。ヒータ8としては、円筒状の断熱材の内周に抵抗発熱体を配設してなるものであっても良いが、熱応答性の点では水冷ジャケット型の方が好ましい。
【0017】
前記ヒータ8には該ヒータ8内に空気を送風して処理容器5を冷却するための送風機(ブロワ)16が接続されている。ヒータ8の下部には送風機16から導かれた送風管17が接続され、ヒータ8の上部にはヒータ8内の空気を排出する排気管18が接続されている。なお、ヒータ8内の空気は排気管18から熱交換器19を介して工場排気系に排出されるようになっても良いが、図2に示すように工場排気系に排出せずに、熱交換器19での熱交換後に送風機16の吸引側に戻し、循環使用するようにしても良い。また、その場合、エアフィルタ20を介して循環させるとなお良い。エアフィルタ20は送風機16の吸い込み側に設けられていても良いが、送風機16の吹き出し側に設けられている方がより好ましい。前記熱交換器19はヒータ8からの廃熱を利用のために設けられている。
【0018】
前記縦型熱処理装置1を用いてウエハwを低温域例えば100〜500℃の所定温度で熱処理する際の昇温過程で所定温度に収束させる低温域昇温リカバリーにおける収束時間の短縮化ないし制御性の改善を図るために、ヒータ8内好ましくは処理容器5内には熱処理温度を検出するための温度センサ21が設けられ、この検出温度をフィードバックさせながらヒータ8及び送風機16を制御するための制御装置例えば温度コントローラ22が設けられている。温度コントローラ22には温度センサ21からの信号が入力されている。また、温度コントローラ22には設定温度(目標)に対して効率よく低温域昇温リカバリーを実行すべくヒータ8及び送風機16を制御するためのプログラム(シーケンス)が組み込まれている。ヒータ8は温度コントローラ22からの信号により電力コントローラ例えばサイリスタ23を介して制御され、送風機16は温度コントローラ22からの信号により電力コントローラ例えばインバータ24を介して制御されるようになっている。
【0019】
図3はヒータの制御の一例を説明するための図である。制御方法としては、図3に示すように送風機16の風量を一定(例えば低温域昇温リカバリー時:1m3/分、急速降温時:7m3/分)にして、ヒータ8(の出力)を制御する第1の制御方法がある。第1の制御方法は、低温域昇温リカバリーにおいて、送風機16の風量を一定(例えば1m3/分)にした状態で、ヒータ8に目標温度の直前まで電力を加えた後、ヒータ8への電力を落としてウエハwの温度を目標温度に収束させる方法である。
【0020】
図4はヒータ及び送風機を共通の制御装置により制御する場合の一例を説明するための図である。制御方法としては、図4に示すように送風機16の風量及びヒータを共に制御する第2の制御方法がある。この制御方法は、図4に示すように1つの制御量によりヒータ及び送風機への給電を制御し、正方向の絶対値の増加によりヒータへの給電を増加させ、負方向への絶対値の増加により送風機への給電を増加させるように制御量が準備されている。この制御方法は、図5にも示すように低温域温度収束方法において、送風機への給電を停止すると共に、ヒータに所定供給量で給電することにより目標温度の直前(目標温度下の所定温度)まで処理容器内を加熱した後、所定温度になった時点からヒータ8への電力を落とす(給電を停止する)と共に、前記送風機16に電力を加えて処理容器5を強制的に冷却し、処理容器内の温度すなわちウエハwの温度を目標温度に収束させる方法である。ウエハwの温度を目標温度に収束させる場合、設定温度(目標温度)の手前(直前)でヒータ8への電力を0に落とすと同時に送風機16に電力を供給してヒータ8内及び処理容器5を強制空冷することにより昇温にブレーキをかけ、目標温度の前後になったら送風機16への電力を0に落とすと同時にヒータ8に目標温度を維持するために必要な電力を供給(所定供給量よりも小さい値で給電)する。
【0021】
以上の構成からなる縦型熱処理装置1によれば、下部に開口部2とガス導入部3を有し、上部に排気部4を有する石英製の処理容器5と、該処理容器5の開口部2を開閉する蓋体6と、該蓋体6上に設けられ、複数枚のウエハwを上下方向に所定の間隔で保持する保持具7と、前記処理容器5の周囲に設けられ、処理容器5内に搬入された前記ウエハwを加熱するヒータ8と、該ヒータ8内に空気を送風して処理容器5を冷却する送風機16と、前記処理容器5内の温度を検知する温度センサ21と、ウエハwを低温域の目標温度で熱処理する際の昇温過程で目標温度に収束させるために前記ヒータ8及び送風機16を制御する前記温度コントローラ(制御装置)22とを備えているため、低温域での昇温リカバリーにおける収束時間を短縮することができ、TATの短縮及びスループットの向上が図れる。また、前記処理容器5は上部5a、胴部5b及び下部5cからなり、その胴部5bの肉厚tが上部5a及び下部5cのそれぞれの肉厚よりも薄く形成されているため、処理容器5の大きさを変えずに熱容量を減少させることができ、前記収束時間の更なる短縮が図れる。
【0022】
また、縦型熱処理装置1を用いてウエハwを低温域の目標温度で熱処理する際の昇温過程で目標温度に収束させる低温域温度収束方法(第1の制御方法)によれば、送風機16の風量を一定にした状態で(風量を一定に制御し)、ヒータ8に目標温度の直前まで電力を加えた後、ヒータ8への電力を落としてウエハwの温度を目標の温度に収束させるため、昇温リカバリーにおける制御性が改善され、低温域での昇温リカバリーにおける収束時間を短縮することができ、TATの短縮及びスループットの向上が図れる。昇温レート30℃/分で室温(25℃程度)から150℃への低温域昇温リカバリーの試験を行った結果、本実施例(薄肉チューブt=4mm、強制空冷ON:1m3/分)では、従来例(従来チューブt=6mm、強制空冷OFF)に比して収束時間を5.5分すなわち20%短縮することができた。また、昇温レート30℃/分で200℃から400℃への低温域昇温リカバリーの試験を行った結果、本実施例(薄肉チューブt=4mm、強制空冷ON:7.73Hz)では、従来例(従来チューブt=6mm、強制空冷OFF)に比して収束時間を1.5分すなわち23.6%短縮することができた。
【0023】
もう一方の低温域温度収束方法(第2の制御方法)によれば、ヒータ8に目標温度の直前(目標温度下の所定温度)まで処理容器内を加熱した後、所定温度になった時点からヒータ8への電力を落とすと共に、前記送風機16に電力を加えて処理容器5を強制的に冷却し、処理容器内の温度すなわちウエハwの温度を目標温度に収束させるため、昇温リカバリーにおける制御性が改善され、例えば図5に示すように本実施例では従来例に比して低温域での昇温リカバリーにおける収束時間を更に短縮(A分)することが可能となり、TATの短縮及びスループットの向上が図れる。
【0024】
なお、前記縦型熱処理装置1によれば、低温域昇温リカバリーにおける制御性の向上が図れるだけでなく、処理容器5の胴部5bを薄肉にしたことにより自然降温による降温性能の向上及び強制空冷による降温性能の更なる向上が図れ、この点もTAT、スループットの向上に効果がある。
【0025】
以上、本発明の実施の形態ないし実施例を図面により詳述してきたが、本発明は前記実施の形態ないし実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の設計変更等が可能である。
【符号の説明】
【0026】
1 縦型熱処理装置
w 半導体ウエハ(被処理体)
2 開口部
3 ガス導入部
4 排気部
5 処理容器
5b 胴部
6 蓋体
7 保持具
8 ヒータ
16 送風機
21 温度センサ
22 温度コントローラ(制御装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に間隔をおいて保持された複数枚の被処理基板を収容する処理容器と、該処理容器の周囲に設けられ前記被処理体を加熱する抵抗発熱体を有するヒータと、該ヒータ内に冷却空気を送風する送風機と、前記処理容器内の温度を検知する温度センサと、該温度センサの検出値に基いて前記抵抗発熱体及び送風機を制御する制御装置とを備えた縦型熱処理装置であって、
前記制御装置は、前記処理容器内を初期温度から該初期温度よりも高く且つ100〜500℃の範囲内の目標温度にする温度制御を行うため、1つの制御量により前記ヒータ及び前記送風機への給電を制御し、正方向の絶対値の増加により前記ヒータへの給電を増加させ、負方向への絶対値の増加により前記送風機への給電を増加させるように前記制御量を準備する工程と、
前記制御量に従って、前記送風機への給電を停止すると共に、前記ヒータに所定供給量で給電することにより前記目標温度下の所定温度まで前記処理容器内を加熱する工程と、
前記所定温度になった時点から、前記制御量に従って、前記送風機に所定供給量で給電して前記冷却空気を送風すると共に、前記ヒータへの給電を停止することにより前記処理容器内を前記目標温度に収束させる工程と、
次に前記制御量に従って、前記送風機への給電を停止すると共に、前記ヒータに前記所定供給量よりも小さい値で給電することにより前記処理容器内を前記目標温度に維持する工程とを実行することを特徴とする縦型熱処理装置。
【請求項2】
上下方向に間隔をおいて保持された複数枚の被処理基板を収容する処理容器と、該処理容器の周囲に設けられ前記被処理体を加熱する抵抗発熱体を有するヒータと、該ヒータ内に冷却空気を送風する送風機と、前記処理容器内の温度を検知する温度センサと、該温度センサの検出値に基いて前記抵抗発熱体及び送風機を制御する制御装置とを備えた縦型熱処理装置の制御方法であって、
前記制御方法は、前記処理容器内を初期温度から該初期温度よりも高く且つ100〜500℃の範囲内の目標温度にする温度制御を行うため、1つの制御量により前記ヒータ及び前記送風機への給電を制御し、正方向の絶対値の増加により前記ヒータへの給電を増加させ、負方向への絶対値の増加により前記送風機への給電を増加させるように前記制御量を準備する工程と、
前記制御量に従って、前記送風機への給電を停止すると共に、前記ヒータに所定供給量で給電することにより前記目標温度下の所定温度まで前記処理容器内を加熱する工程と、
前記所定温度になった時点から、前記制御量に従って、前記送風機に所定供給量で給電して前記冷却空気を送風すると共に、前記ヒータへの給電を停止することにより前記処理容器内を前記目標温度に収束させる工程と、
次に前記制御量に従って、前記送風機への給電を停止すると共に、前記ヒータに前記所定供給量よりも小さい値で給電することにより前記処理容器内を前記目標温度に維持する工程とを備えたことを特徴とする縦型熱処理装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−249507(P2010−249507A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−136939(P2010−136939)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【分割の表示】特願2003−432596(P2003−432596)の分割
【原出願日】平成15年12月26日(2003.12.26)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】