説明

置換ベンジルアミノアルキレン複素環

本発明はナトリウムおよび/またはカルシウムチャンネルモジュレーターとしておよび/または選択的MAO-B阻害剤として有効であり、それゆえに上述のメカニズムが病理学的な役割を果たすと記述されてきた神経学的な、精神医学的な、心血管の、炎症性の、眼の、泌尿器科の、代謝性のおよび消化器の疾患を含むがそれに限定されるわけではない広範囲の症状を防ぎ、緩和し、および治療するのに有用である、一般式I
【化1】


(式中、
Xは酸素または硫黄またはNR7基であり;
R1はC3〜C8アルキル、またはフェノキシまたはフェニル(フェノキシもフェニルも両方とも任意に一以上のフルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、C1〜C6アルキル、ヒドロキシル、C1〜C6アルコキシで置換されてもよい)で置換されているC1〜C8アルキルであり;
R2、R3は互いに関係なく水素、C1〜C6アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ヒドロキシまたはC1〜C6アルコキシであり;
R4は水素、C1〜C8アルキルであり;
R5、R6は互いに関係なく水素、任意にヒドロキシまたはフェニルで置換されてもよいC1〜C3アルキルであり;
R7は水素または直鎖または分枝C1〜C3アルキルであり;
Hetは5〜7員の、飽和または不飽和複素単環または8〜10員の、互いに関係なく窒素、酸素および硫黄から選択される一以上のヘテロ原子を含む飽和または不飽和複素二環基であり、上述の単環または二環基は任意にC1〜C6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたはC1〜C6アルコキシで置換されてもよい。)
の化合物およびその薬剤的に容認できる塩またはプロドラッグに関する。


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明はナトリウムおよび/またはカルシウムチャンネルモジュレーターとしておよび/または選択的MAO-B阻害剤として有効であり、それゆえに上述のメカニズムが病理学的な役割を果たすと記述されてきた神経学的な、精神医学的な、心血管の、炎症性の、眼の、泌尿器科の、代謝性のおよび消化器の疾患を含むがそれに限定されるわけではない広範囲の症状を防ぎ、緩和し、および治療するのに有用である、一般式I
【化1】

(式中、
Xは酸素または硫黄またはNR7基であり;
R1はC3〜C8アルキル、またはフェノキシまたはフェニル(フェノキシもフェニルも両方とも任意に一以上のフルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、C1〜C6アルキル、ヒドロキシル、C1〜C6アルコキシで置換されてもよい)で置換されているC1〜C8アルキルであり;
R2、R3は互いに関係なく水素、C1〜C6アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ヒドロキシまたはC1〜C6アルコキシであり;
R4は水素、C1〜C8アルキルであり;
R5、R6は互いに関係なく水素、任意にヒドロキシまたはフェニルで置換されてもよいC1〜C3アルキルであり;
R7は水素または直鎖または分枝C1〜C3アルキルであり;
Hetは5〜7員の、飽和または不飽和複素単環または8〜10員の、互いに関係なく窒素、酸素および硫黄から選択される一以上のヘテロ原子を含む飽和または不飽和複素二環基であり、上述の単環または二環基は任意にC1〜C6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたはC1〜C6アルコキシで置換されてもよい。)
の化合物およびその薬剤的に容認できる塩またはプロドラッグに関する。
【0002】
背景技術
化学的背景
WO 02/49993は、アリール置換複素環誘導体および種々の炎症および免疫系疾患の治療でのそのような化合物の使用を開示している。米国特許第4145439号はベンジルフェニルエーテルおよびその節足動物、線形動物、菌類および細菌の駆除への使用を記述している。WO 03/37865はピリジニルエチルアミンおよびアミドの調製およびそれらの抗癌剤としての使用を記述している。WO 01/14331は抗マラリア薬としての4-アミノ-1-ベンジルピペリジン(ピペラジン)の製法を記述している。米国特許第5318988号には2-アミノメチル-クロマンが中枢神経疾患の治療での使用と共に記述されている。J. Indian Chem. Soc. 1987, 64, 169-171にはベンゾジオキソラノ-エチルアミンの合成が報告されている。Armyanskii Khimicheskii Zhurnal 1968, 21, 509-514には、ベンゾジオキサン誘導体の合成が抗アドレナリン性のありうる物質として記述されている。WO 96/20191には、3-(N-アリールおよびN-複素環アミノメチル)-インドール誘導体の製法およびその中枢神経疾患に対する使用が記述されている。仏国特許第2.181.559号には、インドール誘導体および抗痙攣薬および鎮痛剤としてのその使用が記述されている。WO 94/26738には、ベンゾフラニル尿素誘導体および類似体がACAT阻害剤として記述されている。EP 534246には、ベンジルアミノ誘導体およびその抗不整脈剤としての使用が記述されている。WO 01/12604には、2-ピリジル誘導体が殺菌剤として記述されている。
【0003】
生物学的背景
ナトリウムチャンネルが電気的インパルスを迅速に細胞および細胞ネットワークのすみからすみまで伝達することによりニューロンネットワークで重要な役割を果たしており、それによって歩行運動(locomotion)から認知(cognition)にまで及ぶ高度な過程を調和させていることが知られている。このチャンネルは異なる状態間を切り換え、ナトリウムイオンの選択的透過を可能にすることができる巨大な膜貫通タンパク質である。この過程のために活動電位は膜の脱分極を必要とし、それゆえにこのチャンネルは電位開口型である。過去数年間でナトリウムチャンネルおよびそれと相互作用する薬物に関するはるかにすぐれた理解が発展してきた。
【0004】
局所麻酔薬、クラスI抗不整脈薬および抗痙攣薬を含む多くの作用機構未知の薬物がナトリウムチャンネル透過性の調節により実際に作用することが明らかになった。ニューロンのナトリウムチャンネル遮断剤は癲癇(フェニトインおよびカルバマゼピン)、双極性障害(ラモトリジン)の治療、神経変性の防止、および神経因性疼痛の低減での使用で効果が見いだされた。ニューロンの興奮性を安定化する種々の抗癲癇薬が神経因性疼痛に有効である(ギャバペンチン)。
【0005】
さらに加えて、ナトリウムチャンネル発現または活性の増加は炎症性疼痛のいくつかのモデルでも認められており、炎症性疼痛でのナトリウムチャンネルの役割を示唆している。
【0006】
カルシウムチャンネルは細胞外液から細胞へのカルシウムイオンの流入が制御された状態にする膜貫通の、多サブユニットタンパク質である。一般に、カルシウムチャンネルは電位依存性であり、電位感受性カルシウムチャンネル(VSCC)と呼ばれている。VSCCは哺乳類の神経系の至るところで見つけられ、そこでは様々な活動例えば細胞の興奮性、伝達物質の放出、細胞内代謝、神経分泌活動および遺伝子発現を制御する。動物の全ての「興奮性の」細胞、例えば中枢神経系(CNS)のニューロン、末梢神経細胞、および筋細胞(骨格筋、心筋および静脈および動脈平滑筋を含む)、は電位依存性カルシウムチャンネルを有する。カルシウムチャンネルは細胞生存率および細胞機能に重要な細胞内カルシウムイオンレベルを調節する中心的役割を有する。細胞内カルシウムイオン濃度は動物の多くの重要な過程、例えば神経伝達物質の放出、筋収縮、ペースメーカー活動(pacemaker activity)およびホルモンの分泌等、に結びつけられる。カルシウムチャンネルは特定の疾患の状態に関連があると信じられている。ヒトを含む動物の種々の循環器疾患の治療に有用な多くの化合物が心筋および/または血管平滑筋に存在する電位依存性カルシウムチャンネルの調節機能に対して有益な影響を及ぼすと考えられている。カルシウムチャンネルに対して活性がある化合物もまた疼痛の治療に関係している。特に神経伝達物質の制御の原因であるN型カルシウムチャンネル(Cav2.2)はその組織分布のために、並びにいくつかの薬理学的研究の結果から侵害受容伝達で重要な役割を果たすと考えられている。この仮説はZinocotideのクリニックでウミカタツムリ(marine snail)、ヤキイモ(Conus Magus)の毒から誘導されたペプチドによって確証された。このペプチドの治療上の使用での限界は人間のくも膜下腔内に投与しなければならないことである(Bowersox S. S. and Luther R. Toxicon, 1998, 36, 11, 1651-1658)。
【0007】
モノアミン酸化酵素(MAO)はミトコンドリア外膜の複合タンパク質であり、CNSおよび末梢神経および組織両方で生体アミンおよび食餌誘導アミンの生体内不活性化で重大な役割を果たす。二つのMAO酵素はその基質の選択およびMAO阻害剤(クロルジン)による阻害の感応性に基づいて区別される:
-ヒトのCNSのMAOタイプA (MAO-A)はセロトニンおよびノルアドレナリンの脱アミノ化の原因である。最も高いMAO-A濃度は青斑核のカテコールアミン作動性神経の中である;
-MAO-Bは主にドーパミンの異化反応の原因である。ラットの脳と対照的に、MAO-BはヒトおよびモルモットのCNSの中の主な型である。最も高いMAO-B濃度は縫線核および視床下部後部のセロトニン作動性神経の中にある。黒質のMAO-Bは主にグリア細胞に存在する。
【0008】
ヒトおよび動物両方でCNSの中のMAO-B (MAO-Aではない)活性は年齢と共に、あるいはニューロンの減少と関連のあるグリア細胞の増殖の結果として増加する。アルツハイマーのプラークでも増加したMAO-Bレベルが報告されている。増加した血小板MAO-B活性がアルツハイマー病(AD)およびパーキンソン病(PD)の両方で報告されている。喫煙者の脳でMAO-B活性は40%減少した。喫煙習慣は精神病およびPDのリスクの減少の両方と関係がある。
【0009】
最も最近調査されたMAO-B阻害剤は不可逆性である。その効果は酵素の新規合成によってのみ克服されるので、該阻害は非常に持続性がある(数週間)。MAO-B阻害に対する関心は最初、PDに特徴的な減少した線条体のDA濃度を高めたいという要望により刺激された。シナプス間隙の中のDA濃度が増加したので選択性MAO-B阻害剤での治療の最も重要な効果だと思われるだろう。PDでは、PD治療のすばらしい標準物質であるDA前駆物質L-Dopaを供給する必要性がそれゆえに減少するだろう。L-Dopaは優れた初期改善を達成したにも拘わらず、より長期間ではだんだん運動機能不安定(motors fluctuations)、運動障害および筋緊張異常を含む耐え難い副作用が出てくるのでこのことは望ましい。
【0010】
AD患者の脳では、コリン作動性神経の減少に加えて、DA、ノルアドレナリンおよびセロトニンのレベルの減少がある。MAO-B活性はAD患者の血小板および選択した脳の部位で大きく増加する。MAO-B阻害剤は酸素ラジカルの形成の減少およびモノアミンの分解の防止両方により作用し、それゆえにAD患者の脳でのそれらのレベルを高めることができる。
【0011】
MAO-B阻害剤使用の有望な結果はナルコプシー、トゥレット症候群/注意欠陥障害、統合失調症の陰性症状、薬物嗜癖および肥満の治療に関しても報告されている。
【0012】
全てあわせたこれらの発見はナトリウムおよび/またはカルシウムチャンネル遮断および/またはMAO-B阻害に関する化合物は上述のメカニズムが病理学的な役割を果たすと記述された神経学的な、精神医学的な、心血管の、泌尿器科の、代謝性のおよび消化器の疾患を含む広範囲の症状の予防、緩和および治療での高い治療可能性を有することを示唆する。
【0013】
多血症の障害(plethora of disorders)の治療または調節に関するナトリウムチャンネルおよび/またはカルシウムチャンネル修飾因子または拮抗薬および/またはMAO-B阻害剤(例えば局所麻酔薬、抗不整脈薬、制吐薬、抗躁抑制薬、単極性鬱病、循環器疾患、尿失禁、下痢、炎症、癲癇、神経変性状態(neurodegenerative conditions)、神経細胞死、抗痙攣薬、神経因性疼痛、偏頭痛、急性痛覚過敏および炎症、腎疾患、アレルギー、喘息、気管支痙攣、月経困難症、食道痙攣、緑内障、泌尿器疾患、消化管運動疾患、早産(premature labour)、肥満の治療薬としての使用)を記述している多くの論文および特許が存在する。主として不完全なリストを下に示す。
【0014】
詳細かつ全般的な、先行技術の検討はWO 03/057219(およびその中の参考文献)に報告されている。従来技術のさらなる選択は引例: Alzheimer, C. Adv. Exp. Med. Biol. 2002, 513, 161-181; Vanegas, H.; Schaible, H. Pain 2000, 85, 9-18;米国特許第5051403号;米国特許第5587454号;米国特許第5863952号;米国特許第6011035号;米国特許第6117841号;米国特許第6362174号;米国特許第6380198号;米国特許第6420383号;米国特許第6458781号;米国特許第6472530号;米国特許第6518288号;米国特許第6521647号; WO 97/10210; WO 03/018561; WO 01/12176; WO 96/37199;米国特許第6210706号;に示される。
【0015】
発明の開示
本発明は以下の一般式(I)
【化2】

(式中、
Xは酸素または硫黄またはNR7基であり;
R1はC3〜C8アルキル、またはフェノキシまたはフェニル(フェノキシもフェニルも両方とも任意に一以上のフルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、C1〜C6アルキル、ヒドロキシル、C1〜C6アルコキシで置換されてもよい)で置換されているC1〜C8アルキルであり;
R2、R3は互いに関係なく水素、C1〜C6アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ヒドロキシまたはC1〜C6アルコキシであり;
R4は水素、C1〜C8アルキルであり;
R5、R6は互いに関係なく水素、任意にヒドロキシまたはフェニルで置換されてもよいC1〜C3アルキルであり;
R7は水素または直鎖または分枝C1〜C3アルキルであり;
Hetは5〜7員の、飽和または不飽和複素単環または8〜10員の、互いに関係なく窒素、酸素および硫黄から選択される一以上のヘテロ原子を含む飽和または不飽和複素二環基であり、上述の単環または二環基は任意にC1〜C6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたはC1〜C6アルコキシで置換されてもよい。)
のベンジルアミノメチレン複素環および以下の条件:
・R5もR6も両方とも水素または2-ピリジル(WO 01/12604)のとき、Hetはインドール(FR 2,181,559)、ベンゾ[b]フラン(WO 94/26738)、ベンゾ[b]チオフェン(WO 94/26738)、クロマン(US 5,318,988)ではあり得ない;
・R1が非置換型または置換型ベンジルであり、およびR2およびR3が水素、ハロゲンまたはアルコキシのとき、R4は水素以外(US 4,145,439)であり;
・R1がプロピルまたはブチルであり、R2、R3、R5、およびR6が水素であり、およびR4が水素、メチルまたはエチルであるとき、Hetは1,4-ベンゾジオキサン(Mndzhoyan et al. Armyanskii Khimicheskii Zhurnal 1968, 21, 509-514)であり得ない;
・X-R1がパラブチルオキシ基であり、およびR2、R3、R4、R5およびR6が水素のとき、Hetは2-チオフェニル、(US 4,623,662)または4-(2,2'-ジメチル)-ピラニル(Arutyunian, N. S. et al. Armyanskii Khimicheskii Zhurnal 1984, 37, 749-753)であり得ない;
・X-R1がオルトヘプチルオキシまたはオクチルオキシ基であり、およびR2、R3、R4、R5およびR6が水素のとき、Hetは2-フリル(コマーシャルライブラリ(commercial library))であり得ない;
・X-R1がオルトO-(CH2)m-p-CF3-フェニル基(式中、mは1〜3の整数)であり、およびR2、R3、R5およびR6が水素のとき、Hetはピリジル(EP 534246)であり得ない;
の該ベンジルアミノメチレン複素環の薬剤的に容認できる塩に関する。
【0016】
フェニル環の任意の置換基はどの位置にも存在することができる。式Iの化合物の薬剤的に容認できる塩は無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸または有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、サリチル酸、グリコール酸、乳酸、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸等の酸を添加した塩を含む。
【0017】
本発明はまた以下の一般式(I)
【化3】

(式中、
Xは酸素または硫黄またはNR7基であり;
R1はC3〜C8アルキル、またはフェノキシまたはフェニル(フェノキシもフェニルも両方とも任意に一以上のフルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、C1〜C6アルキル、ヒドロキシル、C1〜C6アルコキシで置換されてもよい)で置換されているC1〜C8アルキルであり;
R2、R3は互いに関係なく水素、C1〜C6アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ヒドロキシまたはC1〜C6アルコキシであり;
R4は水素、C1〜C8アルキルであり;
R5、R6は互いに関係なく水素、任意にヒドロキシまたはフェニルで置換されてもよいC1〜C3アルキルであり;
R7は水素または直鎖または分枝C1〜C3アルキルであり;
Hetは5〜7員の、飽和または不飽和複素単環または8〜10員の、互いに関係なく窒素、酸素および硫黄から選択される一以上のヘテロ原子を含む飽和または不飽和複素二環基であり、上述の単環または二環基は任意にC1〜C6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたはC1〜C6アルコキシで置換されてもよい。)
の化合物および以下の条件:
・R5もR6も両方とも水素のとき、Hetはインドール(FR 2,181,559)、、クロマン(US 5,318,988)ではあり得ない;
・X-R1がオルトO-(CH2)m-p-CF3-フェニル基(式中、mは1〜3の整数)であり、およびR2、R3、R5およびR6が水素のとき、Hetはピリジル(EP 534246)であり得ない;
の該化合物の薬剤的に容認できる塩の使用に関する。
【0018】
ナトリウムおよび/またはカルシウムチャンネル調節活性および/または選択的MAO-B阻害活性を有する薬物の調製に関する。
【0019】
本発明の好ましい使用化合物はR1がベンジルまたはC5〜C8アルキルであり、R4、R5およびR6が水素またはC1〜C3アルキルであり、Xが酸素であり、およびHetが非置換型またはC1〜C3アルキルによる置換型であるフラン、テトラヒドロフラン、イソオキサゾール、オキサゾール、チオフェン、ピラン、ジオキサンである式Iの化合物である。
【0020】
本発明の具体的な化合物の例は:
(4-ペンチルオキシ-ベンジル)-(フラン-2-イルメチル)-アミン;
(4-ヘプチルオキシ-ベンジル)-(フラン-2-イルメチル)-アミン;
(R) (4-ペンチルオキシ-ベンジル)-(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(S) (4-ペンチルオキシ-ベンジル)-(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(R) (4-ヘプチルオキシ-ベンジル)-(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(S) (4-ヘプチルオキシ-ベンジル)-(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(R) (4-ペンチルオキシ-ベンジル)-(テトラヒドロ-ピラン-2-イルメチル)-アミン;
(S) (4-ペンチルオキシ-ベンジル)-(テトラヒドロ-ピラン-2-イルメチル)-アミン;
(R) (4-ヘプチルオキシ-ベンジル)-(テトラヒドロ-ピラン-2-イルメチル)-アミン;
(S) (4-ヘプチルオキシ-ベンジル)-(テトラヒドロ-ピラン-2-イルメチル)-アミン;
(4-ベンジルオキシ-ベンジル)-(フラン-2-イルメチル)-アミン;
(4-ベンジルオキシ-ベンジル)-(5-メチル-フラン-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(フラン-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(フラン-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(5-メチル-フラン-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(5-メチル-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(R) (4-ベンジルオキシ-ベンジル)-[1-(フラン-2-イル)-1-エチル]-アミン;
(S) (4-ベンジルオキシ-ベンジル)-[1-(フラン-2-イル)-1-エチル]-アミン;
[4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-[1-(フラン-2-イル)-1-エチル]-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-[1-(フラン-2-イル)-1-エチル]-アミン;
(R) (4-ベンジルオキシ-ベンジル)-(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(S) (4-ベンジルオキシ-ベンジル)-(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(R) [4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(S) [4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(R) [4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(S) [4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(R) [4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(テトラヒドロ-ピラン-2-イルメチル)-アミン;
(S) [4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(テトラヒドロ-ピラン-2-イルメチル)-アミン;
(R) [4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(テトラヒドロ-ピラン-2-イルメチル)-アミン;
(S) [4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(テトラヒドロ-ピラン-2-イルメチル)-アミン;
(4-ベンジルオキシ-ベンジル)-(1,4-ジオキサン-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(ピリド-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(ピリド-3-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(ピリド-4-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(イミダゾール-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(1-メチル-イミダゾール-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(5-メチル-1H-トリアゾール-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(4-メチル-チアゾール-2-イルメチル)-アミン;
(4-ベンジルオキシ-ベンジル)-(イソオキサゾール-5-イルメチル)-アミン;
[4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(イソオキサゾール-5-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(イソオキサゾール-5-イルメチル)-アミン;
(4-ベンジルオキシ-ベンジル)-(3-メチル-イソオキサゾール-5-イルメチル)-アミン;
[4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(3-メチル-イソオキサゾール-5-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(3-メチル-イソオキサゾール-5-イルメチル)-アミン;
(4-ベンジルオキシ-ベンジル)-(オキサゾール-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(オキサゾール-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(オキサゾール-2-イルメチル)-アミン;
(4-ベンジルオキシ-ベンジル)-(オキサゾール-5-イルメチル)-アミン;
[4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(オキサゾール-5-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(オキサゾール-5-イルメチル)-アミン;
(4-ベンジルオキシ-ベンジル)-(チオフェン-2-イルメチル)-アミン;
[2-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(チオフェン-2-イルメチル)-アミン;
[2-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(チオフェン-2-イルメチル)-アミン;
[3-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(チオフェン-2-イルメチル)-アミン;
[3-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(チオフェン-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(チオフェン-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(チオフェン-2-イルメチル)-アミン;
[2-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(ベンゾ[b]フラン-2-イルメチル)-アミン;
[3-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(ベンゾ[b]フラン-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(ベンゾ[b]フラン-2-イルメチル)-アミン;
(R) [4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(ジヒドロ-ベンゾ[b]フラン-2-イルメチル)-アミン;
(S) [4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(ジヒドロ-ベンゾ[b]フラン-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(ベンゾイミダゾール-2-イルメチル)-アミン;
の単一異性体としてか異性体混合物としてかどちらかであり、およびそれらの薬剤的に容認できる塩である。
【0021】
本発明の化合物およびその塩は:
a) 式II
【化4】

(式中、R1、R2、R3およびXは上で定義した通りである)
の化合物と式III
【化5】

(式中、R4、R5、R6およびHetはあらかじめ定義した通りである)
の化合物の還元剤存在下で式Iの化合物を得る反応;または
b) 式IV、
【化6】

(式中、R1、R2、R3およびXは前記と同意義であり、かつYはハロゲン原子またはO-EWG基であり、ここでEWGは電子吸引基(例えばメシル、トシルまたはトリフルオロアセチル基等)を意味し、それらが結合している酸素を(式IIIの化合物と)よい脱離基に転位させることができ、および所望により、本発明のある化合物を本発明の他の化合物に転換し、および/または、所望により、本発明の化合物を薬剤的に容認できる塩に転換し、および/または、もし所望するならば、塩を遊離化合物に転換する。)
からなる方法によって得られる。
【0022】
化合物II〜IVは商業的に手に入れられる化合物であるか、または商業的に手に入れられる化合物からよく知られている手法で調製される。
【0023】
式Iの化合物を与える式IIの化合物と式IIIの化合物との反応はよく知られた手法によって行われる還元的アミノ化反応である。本発明の好ましい実施態様によると、その反応は窒素雰囲気下、好適な有機溶媒(例えばアルコール(例えば低級アルカノール、特にメタノール)またはアセトニトリル、またはテトラヒドロフラン等)中、約0℃〜約70℃の範囲の温度で、還元剤(最も適切な存在は水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化シアノホウ素ナトリウム)存在下で行ってもよい。
【0024】
式IVの化合物においてハロゲンは好ましくは臭素またはヨウ素である。式IVの化合物と式IIIの化合物とのアルキル化反応は好適な有機溶媒、例えばアルコール(例えばメタノール、エタノールまたはイソプロパノール)、特にエタノール中で、約0℃〜約50℃の範囲の温度で行われる。
【0025】
本発明の化合物の任意の塩化(salification)並びに塩の遊離化合物への変換は普通の方法で行われる。
【0026】
本発明の化合物の中におよびそれらの中間生成物の中に上述の反応を行う前に保護が必要な基が存在するとき、その基はよく知られた方法によって反応させられる前に保護され、そのあと脱保護されることができる。
【0027】
薬理学
本発明の化合物は選択性放射性リガンドを用いた生体外の結合性調査が実証するようにカルシウムおよび/またはナトリウムチャンネルの結合部位への結合性を示す。
【0028】
本発明の化合物は電位依存性ナトリウムチャンネルおよび/またはカルシウムチャンネルの遮断剤である。これらの化合物はそれゆえに3H-バトラコトキシン(BTX)をナトリウムチャンネルの結合部位から低μMまたはμMより低い範囲のIC50を有する高い結合性で置換する。同様に該化合物は3H-ナイトレンジピンをカルシウムチャンネルの結合部位から低μMまたは最も普通にはμMより低い範囲のIC50で置換し並びに細胞の脱分極を経由してカルシウムチャンネルを通して誘導されるカルシウム流入を阻害する。
【0029】
本発明の化合物によるカルシウムおよび/またはナトリウムチャンネルの電位依存遮断は蛍光発光性カルシウム流入測定法および電気生理学的な研究によっても示された。
【0030】
一般式Iの複素環化合物のN型カルシウムチャンネル調節活性は蛍光発光ベースのカルシウム流入測定法を通して測定した。
【0031】
一般式Iの化合物のナトリウムチャンネル調節活性はNaチャンネルNav 1.3を発現している分離されたツメガエル卵母細胞に二電極電位固定(TEVC)技術を用いた電気生理学的な測定法を通じて測定した。
【0032】
そのような物質は、ナトリウムチャンネルが遮断されるとき、「頻度依存性」を示す、即ちナトリウムチャンネルの最大遮断はナトリウムチャンネルの刺激が繰り返された後にのみ達成される。従って、該物質は複合的に活性化されているナトリウムチャンネルに好んで結合する。結果として「頻度依存性」様式で該物質は本発明による化合物が電気的に刺激を受けたナトリウムチャンネルを遮断することを示すパッチクランプ試験で説明されたように(W.A. Catteral, Trends Pharmacol. Sci,. 8, 57-65; 1987)、体の薬理学的に刺激の多すぎる(over-stimulated)部分で優先的に活性能がある。
【0033】
これらの機構の結果として本発明の化合物は広範囲の動物モデルに特に電気的に引き起こした痙攣のMES試験で、持続痛のホルマリンモデルでおよび炎症のカラゲナンモデルで0.1〜100 mg/kgの範囲で経口投与するとき、生体内で有効である。
【0034】
本発明の化合物は強力なカルシウムおよび/またはナトリウムチャンネル遮断剤よりも優れており、生体外および生体内両方で選択的および可逆的にMAO-Bを阻害することもできる。
【0035】
MAO-Bの強力な阻害剤(マイクロモル濃度より低い範囲のIC50)である本発明の化合物は通常MAO-Aと関連のある影響を有しない。ラットの脳膜および選択的な放射標識をした基質を用いる酵素の研究で、該化合物は通常MAO-A阻害剤よりMAO-B阻害剤として1000倍有効である。該化合物は典型的な可逆性阻害剤なので、該化合物によるMAO-B阻害剤は時間依存性ではなく、酵素活性は洗浄後完全に回復する。
【0036】
マウスへの経口投与の後、該化合物は強力かつ可逆的な処理後24hで活性を完全に回復する短時間作用性のMAO-B阻害剤のように振る舞う。
【0037】
上記の作用機構を考慮して、本発明の化合物は神経因性疼痛の治療または予防に有用である。神経因性疼痛症候群は以下のものを含むがそれに限定されるわけではない:糖尿病性神経障害;坐骨神経症;非特異的な腰痛;多発硬化痛(multiple sclerosis pain);線維筋痛症;HIV関連神経障害;神経痛(例えば疱疹後の神経痛(post-herpetic neuralgia)および三叉神経痛等);および肉体的外傷、切断術、癌、毒または慢性炎の状態から生じる疼痛。
【0038】
本発明の化合物は慢性疼痛の治療にも有効である。慢性疼痛は炎症または炎症の関連した状態、骨関節炎(ostheoarthritis)、関節リウマチ、または疾患、急性傷害(acute injury)の後遺症として、または外傷によって起こされる慢性炎および背中上部の疼痛(upper back pain)または背中下部の疼痛(lower back pain)(組織的な、局所に起因するまたは原発脊椎病(primary spine disease)(例えば多発神経根症等)、骨痛(骨関節炎、骨粗鬆症、骨転移または原因不明による)、骨盤痛、脊髄損傷関連疼痛(spinal cord injury-associated pain)、心臓病性胸痛(cardiac chest pain)、非心臓病性胸痛(non-cardiac chest pain)、中枢神経性脳卒中後疼痛(central post-stroke pain)、筋筋膜痛、癌疼痛、AIDS疼痛、鎌状赤血球疼痛、老人性疼痛または頭痛、顎関節症候群、痛風、線維症または胸郭出口症候群によって引き起こされる疼痛、を含むがそれに限定されるわけではない。
【0039】
本発明の化合物は急性痛(以下のものによって引き起こされる疼痛:急性傷害、疾病、スポーツ医学傷害、手根管症候群、火傷、筋骨格の捻挫および筋骨格の歪み、筋腱の歪み、頸腕疼痛症候群、消化不良(dyspepsis)、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、月経困難症、子宮内膜症または外科手術(例えば直視下心臓手術またはバイパス手術等)、術後痛、腎結石痛、胆嚢痛、胆石痛、産科の疼痛(obstetric pain)または歯痛にも有効である。
【0040】
本発明の化合物は偏頭痛(例えば緊張型頭痛、生体内変換された偏頭痛(transformed migraine)または進化性頭痛(evolutive headache)、群発性頭痛等)、並びに続発性頭痛疾患(secondary headache disorders)(例えば感染症、代謝疾患または他の全身の疾病に由来する)および他の急性頭痛、発作性片側頭痛等、上述の原発性および続発性頭痛の悪化に起因する頭痛の治療にも有効である。
【0041】
本発明の化合物は神経の状態および認知障害(cognitive disorders)の治療に有効である。神経の状態は癲癇(単純部分発作、複雑部分発作、続発性の全身性癲癇発作(secondary generalised seizures)を含み、さらに欠伸発作、ミオクロニー発作、間代性癲癇発作、強直性発作、強直間代発作およびアトーニー性無緊張症を含む)、退行性認知症(老年認知症、アルツハイマー病、ピック病、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病およびクロイツフェルト・ヤコブ病を含む)、および脳血管性認知症(vascular dementia)(脳血管性認知症(multi-infarct dementia)、脳卒中および脳虚血を含む)、並びに頭蓋内の空間を占める病変、外傷、感染症および関連した状態(HIV感染を含む)、代謝、毒、無酸素症およびビタミン欠乏症に関連した認知症;および加齢に関連したおよび軽い認知障害、特に年齢に関連した記憶障害、運動障害(脳炎後パーキンソニズム、進行性核上性麻痺、皮質基底変性(corticobasal degeneration)、下肢静止不能症候群(restless leg syndrome)、ナルコレプシー、注意欠陥多動性障害(deficit and hyperactivitiy disorders)(ADHD)、トゥーレット症候群(Tourette's Syndrome)、筋萎縮性側索硬化症、ダウン症候群等の状態を含むがそれに限定されるわけではない。
【0042】
本発明の化合物は精神医学的障害の治療にも有効である。精神医学的障害は双極性障害(例えば双極性障害I型、双極性障害II型等)としてしても知られている躁鬱病(manic depression)、循環性格障害(cyclothymic disorder)、急速交代型躁病(rapid cycling)、ウルトラジアンサイクリング(ultradian cycling)、双極性鬱病、急性躁病(acute mania)、躁病、混合性躁病(mixed mania)、軽躁病(hypomania)または単極性鬱病、統合失調症、統合失調症様障害、分裂感情障害、妄想性障害、短期の精神病性障害、二人組精神病(shared psychotic disorders)、一般的な医学的状態による精神病、物質誘発性精神病性障害(substance-induced psychotic disorders)または他には明細に記述しないが精神病性障害(不安障害)およびさらに喫煙習慣および薬物嗜癖を含むがそれに限定されるわけではない。
【0043】
本発明の化合物は末梢神経の疾患(peripheral disease)(例えば耳鳴り、筋痙攣、筋硬化症等)、および他の障害、循環器疾患(例えば心不整脈、心筋梗塞(cardiac infarction)または狭心症、高血圧症、低酸素症、心筋虚血(cardiac ischemia))内分泌障害(endocrine disorders)(例えば末端肥大症または尿崩症等)、内在性物質(例えばカテコールアミン、ホルモンまたは成長因子等)の過剰なまたは過剰分泌のまたはさもなければ不適当な細胞分泌に関連する障害の病態生理学の疾患を含むがそれに限定されない障害の治療にも有効である。
【0044】
本発明の化合物は肝疾患(例えば炎症性肝疾患(例えば慢性ウィルス性肝炎B、慢性ウィルス性肝炎C、アルコール性肝障害、原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性胆炎、非アルコール性脂肪性肝炎および肝移植拒絶反応)等)の治療に有効である。
【0045】
本発明の化合物は全ての体組織を襲う炎症の過程を抑制する。それゆえに本発明の化合物は筋骨組織の炎症過程の治療に有効であり、以下のものは例の一覧であるが全ての標的疾患を網羅しているわけではない:関節炎状態(例えば硬直性脊椎炎、頸部関節炎、線維筋痛症、腸、若年性関節リウマチ、腰仙関節炎、骨関節炎、骨粗鬆症、乾癬性関節炎、リウマチ性疾患等);皮膚および関連組織に発症する疾患:湿疹、乾癬、皮膚炎および炎症状態(例えば日焼け等);呼吸器系の疾患:喘息、アレルギー性鼻炎および呼吸窮迫症候群、肺疾患(そこで炎症は例えば喘息等に関係する)および気管支炎;慢性閉塞性肺疾患;免疫および内分泌系の障害:結節性動脈周囲炎、甲状腺炎、再生不良性貧血、スクレロドマ(sclerodoma)、重症筋無力症、多発性硬化症、サルコイドーシス、腎炎症候群(nephritic syndrome)、ベチェット症候群(Bechet's syndrome)、多発性筋炎、歯肉炎。
【0046】
本発明の化合物は消化管障害(gastrointestinal tract disorder)(例えば腫瘍性大腸炎、クローン病、回腸炎、直腸炎、セリアック病、腸疾患、微視的なまたは膠原性の大腸炎、好酸球性胃腸炎、または直腸結腸切除および出生後の回腸吻合(post ileonatal anastomosis)後に起こる嚢炎を含むがそれに限定されない炎症性腸障害および腹痛および/または腹部の不快感例えば幽門痙攣、神経性消化不良(nervous indigestion)、痙攣性大腸(spastic colon)、痙攣性大腸炎(spastic colitis)、痙攣性腸(spastic bowel)、腸神経症(intestinal neurosis)、機能性大腸炎(functional colitis)、刺激結腸(mucous colitis)、下痢性腸炎(laxative colitis)および機能性消化不良(functional dyspepsia)等と関連する全ての障害を含む過敏性腸症候群等);の治療だけでなく萎縮性胃炎、ガストリティスバリアロフォーム(gastrisis varialoforme)、潰瘍性大腸炎、消化性潰瘍形成(peptic ulceration)、全身麻酔(pyresis)、および消化管への他の損傷(例えば、ピロリ菌、胃食道逆流症、胃不全麻痺(例えば糖尿病性胃不全麻痺等)による);および他の機能性腸障害(例えば非潰瘍性消化不良(NUD)等);嘔吐、下痢、および内臓の炎症の治療にも有効である。
【0047】
本発明の化合物は尿生殖路の障害(例えば過敏性膀胱、前立腺炎(慢性細菌性および慢性非細菌性前立腺炎)、プロスタダイニア(prostadynia)、間質性膀胱炎、尿失禁および前立腺肥大症、アネグザイティクス(annexitics)、骨盤の炎症、バルトリン腺炎(bartolinities)および膣炎等)の治療にも有効である。
【0048】
本発明の化合物は眼病(例えば網膜炎、網膜症、ぶどう膜炎および眼組織への急性傷害、黄斑変性症または緑内障、結膜炎等)の治療にも有効である。
【0049】
本発明の化合物は肥満の治療にも有効である。
【0050】
本発明の化合物は電位開口型ナトリウムチャンネルおよび/または電位開口型カルシウムチャンネルおよび/またはMAO-Bの阻害によって仲介される他の全ての状態の治療にも有効である。
【0051】
本発明の化合物が一以上の治療薬と組み合わせて好都合に使用してもよいと認識される。補助的療法に関して好適な薬品の例はL-ドーパまたはドーパミン作用薬、5HT1B/1D作用薬(例えばトリプタン(例えばスマトリプタンまたはナラトリプタン)等);アデノシンA1作用薬;EP配位子;NMDA修飾因子(例えばグリシン拮抗薬等);物質P拮抗薬(例えばNK 1拮抗薬);カンナビノイド;アセトアミノフェンまたはフェナセチン;5-リポキシゲナーゼ阻害剤;ロイコトリエン受容体拮抗薬;DMARD(例えばメトトレキセート);ギャバペンチンおよび関連化合物;三環系抗うつ薬(例えばアミトリプチリン(amitryptiline));ニューロン安定化抗癲癇薬;モノアミン作動性取り込み阻害剤(例えばベンラフェキシン);基質メタロプロテイナーゼ阻害剤;一酸化窒素合成酵素(NOS)阻害剤(例えばiNOS阻害剤またはnNOS阻害剤等);腫瘍壊死因子αの放出阻害剤、または作用阻害剤;抗体療法(例えば単クローン抗体療法等);抗ウィルス薬(例えばヌクレオシド阻害剤等(例えば(ラミブジン)または免疫系修飾因子(例えばインターフェロン)等);抗鎮痛薬(例えばシクロオキシゲナーゼ-2阻害剤等);局所麻酔薬;カフェインを含む刺激薬;H2-拮抗薬(例えばラニチジン);プロトンポンプ阻害剤(例えばオメプラゾール);制酸剤(例えば水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウム;抗膨満剤(例えばセメシコン(semethicone));鬱血除去薬(例えばフェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドエフェドリン、オキシメタゾリン、エピネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリン、レボ-デソキシエフェドリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリン、またはレボ-デソキシエフェドリン);鎮咳薬(例えばコデイン、ヒドロコドン、カルミフェン(carmiphen)、カルベタペンタン、またはデキストロメトルファン(dextramethorphan));利尿薬;または鎮静または非鎮静抗ヒスタミン薬を含む。本発明が式(I)の化合物またはその薬剤的に容認できる塩の一以上の治療薬との組み合わせでの使用を包含すると理解されるべきである。
【0052】
本発明の化合物は人間医学および獣医学に有用である。治療の参照は他で明確に述べない限り確立した症状の治療と予防的な治療と両方を含む。
【0053】
上で定義した式Iのベンジルアミノアルキレン複素環誘導体はありふれた方法(例えば有効成分を薬剤的に容認できる治療上不活性な有機および/または無機キャリア材料と混合することによって)で調製されることが可能な薬剤的に容認できる組成物の「有効成分」として投与されることが可能である。
【0054】
上で定義したベンジルアミノアルキレン複素環誘導体を含有する組成物は種々のフォーム、例えば錠剤、トローチ、カプセル、糖衣錠またはフィルムコート錠(film coated tablet)、溶液、乳濁液または懸濁液のフォームで経口的に;坐薬のフォームで直腸内に;非経口的に、例えば筋肉注射または経静脈内投与(intravenous injection)または輸液(infusion)によって;および経皮的に投与されることが可能である。
【0055】
好適な薬剤的に容認できる、そのような組成物の調製に有用な、治療上不活性な有機および/または無機キャリア材料は、例えば水、ゼラチン、アラビアゴム、乳糖、澱粉、セルロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、植物性油脂、ポリアルキレングリコール等を含む。上で定義した式Iのベンジルアミノアルキレン複素環誘導体を含有する組成物は滅菌されることが可能であり、さらによく知られている成分、例えば、防腐剤、安定剤、湿潤剤または乳化剤(例えばパラフィン油、モノオレイン酸マニイド(mannide monooleate))、浸透圧を調節するための塩、緩衝剤等を含む。
【0056】
例えば、固形の経口フォームは有効成分、希釈剤、例えば乳糖、ブドウ糖、ショ糖、セルロース、コーンスターチ、ジャガイモ澱粉;潤滑剤、例えばシリカ、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸カルシウム、および/またはポリエチレングリコール;結合剤、例えば澱粉、アラビアゴム、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはポリビニルピロリドン;分散剤、例えば澱粉、アルギニン酸、アルギニン酸塩または澱粉グリコール酸ナトリウム(sodium starch glycolate);発泡混合物;色素;甘味料;湿潤剤(例えばレシチン、ポリソルベート、ラウリル硫酸塩等);および、一般的に、医薬品の製剤に用いられる非毒性および薬理学的に不活性な物質を含むことができる。上述の医薬品の調製は周知の方法、例えば混合、粒状化、錠剤化、糖衣、フィルムコート過程の方法によって、で製造されることができる。
【0057】
経口処方はありふれた方法、例えば錠剤および顆粒に腸溶コーティングを適用することにより調製される除放処方を含む。
【0058】
経口与薬に関して液体分散は例えばシロップ、乳濁液、および懸濁液であることができる。
【0059】
シロップはキャリアとして、例えば、ショ糖またはショ糖とグリセリンおよび/またはマンニトールおよび/またはソルビトールを含む。
【0060】
懸濁液および乳化液はキャリアとして、例えば、天然ゴム、寒天、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、またはポリビニルアルコールを含むことができる。筋肉注射のための該懸濁液または溶液は有効な化合物と共に、薬剤的に容認できるキャリア、例えば滅菌水、オリーブオイル、オレイン酸エチル、グリコール(例えばプロピレングリコール)および、もし所望するならば、好適な量の塩酸リドカインを含むことができる。経静脈内投与または輸液に関する溶液はキャリアとして、例えば滅菌水を含むことができ、または好ましくは無菌の、水性の、生理食塩水のフォーム中にあることができる。
【0061】
坐薬は有効成分と共に、薬剤的に容認できるキャリア、例えばカカオバター、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル界面活性剤またはレシチンを含むことができる。
【0062】
上で定義した式Iのベンジルアミノアルキレン複素環誘導体を含有する組成物は一般的に用量単位のフォーム中、例えば、単位投与量あたり0.1 mg〜100 mgの有効成分を含んでいる。
【0063】
好適な治療はクリアランス速度に依存して毎日1、2または3回行われる。従って、適切な間隔で投与される所望の用量は一回の用量または分割された用量、例えば一日あたり2〜4またはより多くの副用量、で与えられることができる。
【0064】
上で定義した式Iのベンジルアミノアルキレン複素環誘導体を含有する医薬品の組成物は用量単位、例えば、カプセル、錠剤、粉末注入、スプーン一杯の、坐薬等あたり、約0.1〜約500 mgの有効成分、最も好ましくは1〜10 mgを含む。
【0065】
最適な治療的に効果的な投与される用量は当業者によって容易に測定されることができ、基本的に調製品の強度、投与方法および状態の進歩または治療される疾患で変わる。その上、治療されている個々の患者に関する要因(患者の年齢、体重、食餌および投与回数を含む)は適切な治療上効果的なレベルに用量を調節する必要に帰着する。
【0066】
該発明をさらに以下の例に説明する。
【0067】
実施例1
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(3-メチル-イソオキサゾール-5-イルメチル)-アミン
【0068】
(3-メチル-イソオキサゾール-5-イル)-メチルアミン(100.9 mg、0.9 mmol)の1 Mドライメタノール溶液を実施例3に開示するように調製した4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンズアルデヒド(197.4 mg、0.8 mmol)の0.1 Mドライメタノール溶液に添加した。4Åのモレキュラーシーブ(150 mg)を添加し、反応混合物を窒素下12時間室温で攪拌した。
【0069】
水素化ホウ素ナトリウム(36.6 mg、0.97 mmol)の0.5 Mドライメタノール溶液を添加し、生じる混合物を室温で一晩攪拌した。
【0070】
クエン酸の20%溶液を添加し(pH 5)、未精製の混合物をSCXカートリッジ(強力カチオン交換樹脂)の中を通した。所望の生成物および(3-メチル-イソオキサゾール-5-イル)-メチルアミンの混合物を3%アンモニアメタノール溶液での溶離により回収した。
【0071】
溶媒の蒸発後に、残渣をジクロロメタン(10 ml)に溶解し、PS-ベンズアルデヒドのビーズ(227 mg、0.25 mmol)で処理した。樹脂濾過の後に、溶媒を蒸発乾固し215 mgの[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(3-メチル-イソオキサゾール-5-イルメチル)-アミンを収率80%で得た。
【0072】
MS (ESI Pos Spray 4 kV; Skimmer 20 V; Probe 300℃): 343.01 (MH+);231.1[M-NHR]H+
1H-NMR (CDCl3 + D2O + Na2CO3) δ: 7.43 (s br, 1H); 7.30 (m, 2H); 7.24 (d, 2H); 6.92 (d, 2H); 5.98 (s, 1H); 5.03 (s, 2H); 3.85 (s, 2H); 3.74 (s, 2H); 2.29 (s, 3H)。
【0073】
実施例2
(R) [4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミン
【0074】
(テトラヒドロ-フラン-2-イル)-メチルアミン(91.0 mg、0.9 mmol)の1 Mドライメタノール溶液を実施例3に開示するように調製した4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンズアルデヒド(197.4 mg、0.8 mmol)の0.1 Mドライメタノール溶液に添加した。4Åのモレキュラーシーブ(150 mg)を添加し、反応混合物を窒素下12時間室温で攪拌した。
【0075】
水素化ホウ素ナトリウム(36.6 mg、0.97 mmol)の0.5 Mドライメタノール溶液を添加し、生じる混合物を室温で一晩攪拌した。
【0076】
クエン酸の20%溶液を添加し(pH 5)、未精製の混合物をSCXカートリッジ(強力カチオン交換樹脂)の中を通した。所望の生成物および(テトラヒドロ-フラン-2-イル)-メチルアミンの混合物を3%アンモニアメタノール溶液での溶離により回収した。
【0077】
溶媒の蒸発後に、残渣をジクロロメタン(10 ml)に溶解し、PS-ベンズアルデヒドのビーズ(227 mg、0.25 mmol)で処理した。樹脂濾過の後に、溶媒を蒸発乾固し180 mgの(R) [4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミンを収率70%で得た。
【0078】
MS (ESI Pos Spray 4 kV; Skimmer 20 V; Probe 300℃): 332.0 (MH+); 231.1 [M-NHR]H+
1H-NMR (CDCl3 + D2O + Na2CO3) δ: 7.43 (s br, 1H); 7.33-7.21 (m, 5H); 6.92 (d, 2H); 5.03 (s, 2H); 4.08-3.96 (m, 1H); 3.86-3.68 (m, 4H); 2.77-2.61 (m, 2H); 2.02-1.80 (m, 3H); 1.62-1.49 (m, 1H)。
【0079】
同様に以下の化合物を調製した:
(4-ペンチルオキシ-ベンジル)-(フラン-2-イルメチル)-アミン;
(4-ヘプチルオキシ-ベンジル)-(フラン-2-イルメチル)-アミン;
(R) (4-ペンチルオキシ-ベンジル)-(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(S) (4-ペンチルオキシ-ベンジル)-(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(R) (4-ヘプチルオキシ-ベンジル)-(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(S) (4-ヘプチルオキシ-ベンジル)-(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(R) (4-ペンチルオキシ-ベンジル)-(テトラヒドロ-ピラン-2-イルメチル)-アミン;
(S) (4-ペンチルオキシ-ベンジル)-(テトラヒドロ-ピラン-2-イルメチル)-アミン;
(R) (4-ヘプチルオキシ-ベンジル)-(テトラヒドロ-ピラン-2-イルメチル)-アミン;
(S) (4-ヘプチルオキシ-ベンジル)-(テトラヒドロ-ピラン-2-イルメチル)-アミン;
(4-ベンジルオキシ-ベンジル)-(フラン-2-イルメチル)-アミン;
(4-ベンジルオキシ-ベンジル)-(5-メチル-フラン-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(フラン-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(フラン-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(5-メチル-フラン-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(5-メチル-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(R) (4-ベンジルオキシ-ベンジル)-[1-(フラン-2-イル)-1-エチル]-アミン;
(S) (4-ベンジルオキシ-ベンジル)-[1-(フラン-2-イル)-1-エチル]-アミン;
[4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-[1-(フラン-2-イル)-1-エチル]-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-[1-(フラン-2-イル)-1-エチル]-アミン;
(R) (4-ベンジルオキシ-ベンジル)-(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(S) (4-ベンジルオキシ-ベンジル)-(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(R) [4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(S) [4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(S) [4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(R) [4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(テトラヒドロ-ピラン-2-イルメチル)-アミン;
(S) [4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(テトラヒドロ-ピラン-2-イルメチル)-アミン;
(R) [4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(テトラヒドロ-ピラン-2-イルメチル)-アミン;
(S) [4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(テトラヒドロ-ピラン-2-イルメチル)-アミン;
(4-ベンジルオキシ-ベンジル)-(1,4-ジオキサン-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(ピリド-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(ピリド-3-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(ピリド-4-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(イミダゾール-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(1-メチル-イミダゾール-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(5-メチル-1H-トリアゾール-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(4-メチル-チアゾール-2-イルメチル)-アミン;
(4-ベンジルオキシ-ベンジル)-(イソオキサゾール-5-イルメチル)-アミン;
[4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(イソオキサゾール-5-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(イソオキサゾール-5-イルメチル)-アミン;
(4-ベンジルオキシ-ベンジル)-(3-メチル-イソオキサゾール-5-イルメチル)-アミン;
[4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(3-メチル-イソオキサゾール-5-イルメチル)-アミン;
(4-ベンジルオキシ-ベンジル)-(オキサゾール-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(オキサゾール-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(オキサゾール-2-イルメチル)-アミン;
(4-ベンジルオキシ-ベンジル)-(オキサゾール-5-イルメチル)-アミン;
[4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(オキサゾール-5-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(オキサゾール-5-イルメチル)-アミン;
(4-ベンジルオキシ-ベンジル)-(チオフェン-2-イルメチル)-アミン;
[2-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(チオフェン-2-イルメチル)-アミン;
[2-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(チオフェン-2-イルメチル)-アミン;
[3-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(チオフェン-2-イルメチル)-アミン;
[3-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(チオフェン-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(チオフェン-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(チオフェン-2-イルメチル)-アミン;
[2-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(ベンゾ[b]フラン-2-イルメチル)-アミン;
[3-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(ベンゾ[b]フラン-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(ベンゾ[b]フラン-2-イルメチル)-アミン;
(R) [4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(ジヒドロ-ベンゾ[b]フラン-2-イルメチル)-アミン;
(S) [4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(ジヒドロ-ベンゾ[b]フラン-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(ベンゾイミダゾール-2-イルメチル)-アミン;
【0080】
実施例3
4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンズアルデヒド
【0081】
1-ブロモメチル-3-クロロ-ベンゼン(102.7 mg、0.5 mmol)の0.5 Mアセトン溶液を4-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド(67.2 mg、0.55 mmol)、K2CO3 (207.3 mg、1.5 mmol)およびKI (10.8 mg、0.065 mmol)のアセトン(7 ml)懸濁液に添加した。反応混合物を70℃で2時間攪拌した。
【0082】
冷却後、固体残渣を濾別し溶媒を減圧蒸留した。残渣をエチルアセトンに溶解し、有機層を1 M NaOHで二回洗い、Na2SO4の上で乾燥した。4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンズアルデヒドは溶媒を真空蒸発した後に収率96.6%(85 mg)で得られた。
【0083】
実施例4
生体外のMAO-AおよびMAO-B酵素活性効力試験
【0084】
膜調製(未精製のミトコンドリア部分):オスのウィスターラット(Harlan, Italy - 175-200 g)を軽い麻酔で屠殺し、脳を迅速に取り除き8倍量の氷冷した0.1 MのEDTAを含むpH 7.4の0.32 Mスクロース緩衝液の中でホモジナイズした。未精製のホモジネートを2220 rpmで10分間遠心分離し、上澄み液を回収した。ペレットをホモジナイズし、再度遠心分離し、該2つの上澄み液を貯蔵し、+4℃で9250 rpmで10分間遠心分離した。ペレットを新鮮な緩衝液で再懸濁し、+4℃で11250 rpmで10分間遠心分離した。生じたペレットを使用まで-80℃で貯蔵した。
【0085】
生体外の酵素活性効力検定:MAO-AおよびMAO-Bそれぞれに対して選択基質14C-セロトニン(5-HT)および14C-フェニルエチルアミン(PEA)を用いるラジオ酵素効力検定で酵素活性を評価した。
【0086】
ミトコンドリアペレット(500 μgタンパク質)をpH 7.4、500 μlの0.1 Mホスフェート緩衝液に再懸濁し、50 μlの試験化合物または緩衝液に37℃で30分間添加し(プレインキュベーション)次に基質(50 μl)を添加した。インキュベーションを37℃で30分間(14C-5-HT、5 μM)または37℃で10分間(14C-PEA、0.5 μM)行った。
【0087】
反応は0.2 mlのHClまたは過塩素酸の添加によって停止した。遠心分離後、脱アミノ化された代謝物質を3 mlのジエチルエーテル(5-HT)またはトルエン(PEA)で抽出し、放射性有機相は液体シンチレーション分光測定で90%効率で測定した。溶出液の放射能はMAO活性の結果として形成された中性および酸性の代謝物質の生成を示す。
【0088】
酵素活性をnモルの変換された基質/mg、タンパク質/min.と表現した。試料中のMAOの活性は適切なブランク値を引いた後の阻害剤がないとき対照活性のパーセンテージとして表現した。
【0089】
薬物阻害曲線を少なくとも8つの異なる濃度(10-10〜10-5 M)(各濃度2つ)から得て、信頼区間でIC50(酵素活性を50%阻害する薬物濃度)を(コンピュータプログラムで援助した最適)非直線回帰分析を用い決定した。
【0090】
実施例5
生体外のMAO-B阻害可逆性調査
【0091】
試験化合物が不可逆MAO-B阻害剤であるか可逆MAO-B阻害剤であるか調査するために、酵素活性の阻害を2つの実験手順を用い評価した:
-a)時間依存性試験:
時間依存性の関連速度論(association kinetics)をIC50値として酵素-阻害剤インキュベーション0または30分後に測定した。酵素触媒部位を遮断することにより作用するメカニズムベースの不可逆阻害剤に対して、阻害活性はインキュベーション時間とともに増大する。プレインキュベーションの有無でIC50の間に意味のある差がないことは可逆性阻害剤であるということを暗示する。
-b)洗浄試験:
ラットの脳ミトコンドリア(酵素)および試験化合物(阻害剤)を37℃で30分間プレインキュベートしたのち、繰返遠心分離および再懸濁を受けた。MAO-B活性を直ちにおよびそれぞれの遠心分離再懸濁サイクル(1〜5)の後に評価した。阻害パーセンテージを阻害剤がないことのほかは同じ方法で処理されたサンプルに関して算出した。
【0092】
酵素-試験化合物複合体の洗浄後のMAO-B活性の回復は可逆性阻害剤であるということを暗示する。
【0093】
実施例6
生体外のMAO-B阻害
【0094】
試験化合物をオスのC57BLマウス(Harlan, Italy, 25-27 g)に1回あたり20 mg/Kgの投与量で経口投与した。異なる時間間隔(1、2、4、8および24 h)でマウスを屠殺し、脳を除去し、皮質を剥がし、-80℃で貯蔵した。未精製のホモジネート(0.5%)をpH 7.4の0.1 Mホスフェート緩衝液で調製し、新鮮に用いた。MAO-AおよびMAO-B活性を上述のように評価した。
【0095】
実施例7
生体外でラットの脳膜における3H-バトラコトキシンの結合
【0096】
膜の調製品(P2 部分)オスのウィスターラット(Harlan, Italy - 175-200 g)を軽い麻酔で屠殺し、脳を迅速に除去し、皮質を剥がし、10倍量の氷冷した0.25 Mスクロース緩衝液(50 mM トリス・HCl、pH 7.4)の中でホモジナイズした。未精製のホモジネートを3250 rpmで10分間遠心分離し、上澄みを回収した。ペレットをホモジナイズし、再度遠心分離し、該2つの上澄みを貯蔵し、+4℃、14750 rpmで10分間遠心分離した。生じたペレットを使用するまで-20℃で貯蔵した。
【0097】
結合実験。ペレットを0.8 mM MgSO4、5.4 mM KCl、5.5 mMグルコースおよび130 mMコリンを含むpH 7.4の50 mM Hepes緩衝液の中にPolytron PT10を用い再懸濁した。結合実験を50 μlの膜の調製品(約200 μgのタンパク質)、50 μlの3H-バトラコトキシン配位子(10 nM)、50 μlのTTX (1 μM)、50 μlのサソリ毒(37.5 μg/ml)および50 μlの試験化合物または緩衝液を含む0.25 mlの最終容積の中で、または特に何も結合していないことを決定するために300 μMのベラトリジン0.25 mlの最終容積の中で行った。結合実験を37℃で30分間行い、Whatman GF/Bガラス繊維濾過器を通す素速い減圧濾過により止めた。フィルター(ポリエチレンイミンで予備浸漬した)を3×5 mlの氷冷した緩衝液で洗い、シンチレーション反応混液(Filter Count, Packard)が入っているピコバイアルに入れた。捕捉された放射能を液体シンチレーション分光測定で45%の効率で測定した。
【0098】
データ解析。IC50を変位曲線からコンピュータプログラムLIGAND (McPherson, J. Pharmacol. Methods, 14, 213. 1985)で計算した。変位曲線は100000倍の領域にわたる少なくとも9つの濃度(各濃度2つ)を使用して得た。
【0099】
実施例8
生体外でラットの脳膜における3H-ニトレンジピンの結合
【0100】
膜の調製品オスのウィスターラット(Harlan, Italy - 175-200 g)を軽い麻酔で屠殺し、脳を迅速に除去し、皮質を剥がし、10倍量の氷冷した50 mM トリス・HCl、pH 7.7の中でPolytron PT10を用いてホモジナイズした。未精製のホモジネートを50000×gで10分間遠心分離した。ペレットをホモジナイズし、新鮮な緩衝液で+4℃、50000×gで10分間2回遠心分離した。生じたペレットを使用するまで-20℃で貯蔵した。
【0101】
結合実験。ペレットをpH 7.7の50 mMトリス・HCl0.8の中でPolytron PT10を用い再懸濁した。結合実験を900 μlの膜の調製品(約700 μgのタンパク質)、50 μlの3H-ニトレンジピン(0.15 nM)、および50 μlの試験化合物または緩衝液を含む1 mlの最終容積の中で、または特に何も結合していないことを決定するために1 μMのニフェジピン1 mlの最終容積の中で行った。結合実験を25℃で45分間行い、Whatman GF/Bガラス繊維濾過器を通す素速い減圧濾過により止めた。フィルターを3×5 mlの氷冷した緩衝液で洗い、シンチレーション反応混液(Filter Count, Packard)が入っているピコバイアルに入れた。捕捉された放射能を液体シンチレーション分光測定で45%の効率で測定した。
【0102】
データ解析。IC50を変位曲線からコンピュータプログラムLIGAND (McPherson, J. Pharmacol. Methods, 14, 213. 1985)で計算した。変位曲線は100000倍の領域にわたる少なくとも9つの濃度(各濃度2つ)を使用して得た。
【0103】
実施例9
カルシウム流入試験
【0104】
IMR32ヒト神経芽腫細胞は本質的にLおよびN型チャンネル両方を有する。分化条件下では、IMR32は膜表面にN型カルシウムチャンネルを選択的に発現する。残っているL型のカルシウムチャンネルをL型の遮断剤、ニフェジピンを用い遮断した。これらの実験条件で、N型のチャンネルのみが検出された。
【0105】
IMR32細胞を使用前に225 cm2フラスコで8日間(4回)1 mMのジブチリル-cAMP (dibutyrril-cAMP)および2.5 μMのブロモデオキシウリジンを用い分化し、剥離し、96のポリリジン塗布プレート(polilisine-doated plates)に200,000細胞/穴を播種し、さらに18〜24 h分化緩衝液の存在下インキュベートした。
【0106】
485〜535 nmの波長の蛍光を放つカルシウム指示薬に基づくCa+ Kit Assay (Molecular Devices)を用いた。
【0107】
分化した細胞を色素を添加した状態で37℃、30分間、それからニフェジピン(1 μM)そのものまたはω-コノトキシン存在下または試験化合物を添加した状態で15分間インキュベートした。
【0108】
100 mMのKCl脱分極溶液自動注入の前および後(30〜40秒)にVictor plate reader (Perkin Elmer)を用い蛍光発光(485〜535 nm)を測定た。
【0109】
阻害曲線を5つの濃度(各濃度3つ)から算出し、IC50を直線回帰分析を用い決定した。
【0110】
一般式1の好ましい化合物はN型カルシウムチャンネルを10 μMより少ないIC50で阻害する。
【0111】
実施例10
電気生理学的実験
【0112】
持続性遮断の定量実験をNaチャンネルNav 1.3を発現している分離されたツメガエル卵母細胞に行った。電流は二電極電位固定(TEVC)技術を用い記録した。
【0113】
卵母細胞の調製
カエル(アフリカツメガエル)に3-アミノ安息香酸エチルエステル(1 g/l)溶液中で麻酔をかけ、25分後に背中を「氷のベッド(ice-bed)」の上に置いた。皮膚および他の組織を切り、卵巣ローブ(ovarian lobes)を取り出し、ND96OCa2+ (NaCl 96 mM、KCl 2 mM、MgCl2 1 mM、Hepes 10 mM、NaOHにてpH 7.85)の中に置いておいた。
【0114】
卵母細胞除去の後、筋肉および皮膚を別々に縫合した。
【0115】
卵巣ローブを10/20の卵母細胞のクラスターに減少させ、コラゲナーゼ溶液(1 mg/ml)と共に管に入れ、インキュベータの中に約1時間動いた状態にしておいた。
【0116】
この段階の最後に(卵母細胞が他から十分に離れたとき)、卵母細胞をND96OCa2+で3回およびNDE (ND96OCa2+ + CaCl 0.9 mM、MgCl2 0.9 mM、ピルビン酸(piruvate) 2.5 mM、ゲンタマイシン(gentamicine) 50 mg/l)で3回すすいだ。
【0117】
得られる卵母細胞は異なる形成段階にある。段階VまたはVIにある細胞のみが次の実験、RNA注入に選ばれた
【0118】
調製の翌日、卵母細胞に20 ngのNav1.3 cRNAを注入(Drummond Nanoject)し、NDEで保存した。
【0119】
mRNA注入48 h後から二つの微小電極電位固定自動化ワークステーションを用い全ての細胞電流を記録しはじめた。
【0120】
典型的な微小電極は0.5〜1 Mohmの抵抗を有し、KCl 3Mで満たされている。
【0121】
対照バス溶液は以下のものを含有する(mM):NaCl 98、MgCl2 1、CaCl2 1.8、HEPES 5 (pH 7.6)。
【0122】
化合物を保存液(20 mM)にし、外部バス溶液に最終濃度に溶解した。
【0123】
電流記録:
卵母細胞で表れたNav1.3の電流に対する電流/電位(I/V)関係は最初は最大活性化を誘起する膜電位を決定できるように研究された。Nav1.3は持続性遮断研究にわれわれが試験電位(Vtest)として用いた0 mMで最大活性化を示した。
【0124】
Nav1.3電流の定常様態不活性化特質はそれゆえにそれぞれチャンネル有効性が最大(Imax)のときの静止状態の膜電位(Vrest)および最大電流有効性の半分(I1/2)を生じる最大半量の不活性化膜電位(V1/2)を決定できるように研究した。この二つの電位状態はそれゆえに持続性遮断の電位依存性の評価のために用いられた。
【0125】
最後にNav1.3の遮断の電位依存性を決定するために二段階プロトコルを用いた:卵母細胞を-80 mVで固定し、電流を0 mV(Vtest)までの100 ms段階パルス、それぞれ-80 mV(静止状態、Imax状態)および-40 mV(脱分極化、I1/2状態)での3000 msのプレコンディショニング電位からにより活性化した。
【0126】
濃度-阻害曲線および脱分極(最大半量電流有効性)状態での持続性遮断のIC50値を決定するために二つの状態での電流振幅を異なる濃度の化合物のないときおよびあるとき(洗い流しは間で行われた)で記録した。
【0127】
好ましい一般式1の化合物はNav 1.3ナトリウムチャンネルを参照ナトリウムチャンネル阻害剤ラルフィンアミド(ralfinamide)より低いIC50値で阻害する。
【0128】
実施例11
ラットおよびマウスでの最大電気ショック試験
【0129】
ウィスターラットは耳内クリップ電極を通じて少なくとも97%の対照動物の後肢強直伸展応答を生じるのに十分な電気ショック(0.4 msのパルス持続時間を有する60 Hzのパルス訓練で160 mAを0.2 s;ECT unit model 7801, Ugo Basile, Comerio, Italy)を受けた。
【0130】
マウスは0.4 msのパルス持続時間を有する80 Hzのパルス訓練で0.7 sの28 mA電気ショックを受けた。いくつもの用量の試験化合物および標準AEDを1つの用量あたり20匹中10匹のマウスまたはラットの群に5 ml/kg単位で60 min p.o.または30 min i.p. ED50を算出するためにMESの誘発まで投与した。発作の後肢強直伸展要素の完全な抑制は抗痙攣薬活性の証明とみなされる。
【0131】
実施例12
マウスホルマリンテスト
【0132】
Rosland et al., (1990)からの修正されたプロトコルによると、マウスは左の後ろ足(hindpaw)の足底表面の皮下(s.c.)に20 μlのホルマリンの2.7%溶液を注射され、迅速に透明PVC観察容器(23 × 12 × 13 cm)に入れられた。痛みの振る舞いを注射された足の累積的ななめる時間(s)を数えることにより数量化した。測定はホルマリン注射後、早い段階(0〜5 min)および遅い段階(30〜40 min)の間行った(Tjolsen et al. 1992)。
【0133】
該試験化合物はホルマリン注射p.o. 15 min前に1つの用量あたり10匹のマウスの群に10 ml/kg体重単位で投与した。対照群は溶媒で処置した。
【0134】
実施例13
炎症のカラゲナン(carragenan)モデル
【0135】
175〜200グラムのオスのウィスターラットを用いた。
【0136】
左後ろ足に100 μlのカラゲナン(生理食塩水中2% w/v)を注射した。本発明の化合物(30 mg/kg)、インドメタシン(5 mg/kg)または対照溶媒(蒸留水など)をカラゲナン注入の1 h前に経口投与した。足の容積をplethysmometer (Ugo Basile)でカラゲナン注入前(基本)および1、2、3、4および5 h後に即座に測定した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I:
【化1】

(式中、
Xは酸素または硫黄またはNR7基であり;
R1はC3〜C8アルキル、またはフェノキシまたはフェニル(フェノキシもフェニルも両方とも任意に一以上のフルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、C1〜C6アルキル、ヒドロキシル、C1〜C6アルコキシで置換されてもよい)で置換されているC1〜C8アルキルであり;
R2、R3は互いに関係なく水素、C1〜C6アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ヒドロキシまたはC1〜C6アルコキシであり;
R4は水素、C1〜C8アルキルであり;
R5、R6は互いに関係なく水素、任意にヒドロキシまたはフェニルで置換されてもよいC1〜C3アルキルであり;
R7は水素または直鎖または分枝C1〜C3アルキルであり;
Hetは5〜7員の、飽和または不飽和複素単環または8〜10員の、互いに関係なく窒素、酸素および硫黄から選択される一以上のヘテロ原子を含む飽和または不飽和複素二環基であり、上述の単環または二環基は任意にC1〜C6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたはC1〜C6アルコキシで置換されてもよい。)
の化合物および以下の条件:
・R5もR6も両方とも水素または2-ピリジルのとき、Hetはインドール、ベンゾ[b]フラン、ベンゾ[b]チオフェン、クロマンではあり得ない;
・R1が非置換型または置換型ベンジルであり、およびR2およびR3が水素、ハロゲンまたはアルコキシのとき、R4は水素以外であり;
・R1がプロピルまたはブチルであり、R2、R3、R5、およびR6が水素であり、およびR4が水素、メチルまたはエチルであるとき、Hetは1,4-ベンゾジオキサンであり得ない;
・X-R1がパラブチルオキシ基であり、およびR2、R3、R4、R5およびR6が水素のとき、Hetは2-チオフェニルまたは4-(2,2'-ジメチル)-ピラニルであり得ない;
・X-R1がオルトヘプチルオキシまたはオクチルオキシ基であり、およびR2、R3、R4、R5およびR6が水素のとき、Hetは2-フリルであり得ない;
・X-R1がオルトO-(CH2)m-p-CF3-フェニル基(式中、mは1〜3の整数)であり、およびR2、R3、R5およびR6が水素のとき、Hetはピリジルであり得ない;
の該化合物の薬剤的に容認できる塩。
【請求項2】
式I
【化2】

(式中、
R1はC3〜C8アルキル、またはフェノキシまたはフェニル(フェノキシもフェニルも両方とも任意に一以上のフルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、C1〜C6アルキル、ヒドロキシル、C1〜C6アルコキシで置換されてもよい)で置換されているC1〜C8アルキルであり;
R2、R3は互いに関係なく水素、C1〜C6アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ヒドロキシまたはC1〜C6アルコキシであり;
R4は水素、C1〜C8アルキルであり;
R5、R6は互いに関係なく水素、任意にヒドロキシまたはフェニルで置換されてもよいC1〜C3アルキルであり;
R7は水素または直鎖または分枝C1〜C3アルキルであり;
Xは酸素または硫黄またはNR7基であり;
Hetは5〜7員の、飽和または不飽和複素単環または8〜10員の、互いに関係なく窒素、酸素および硫黄から選択される一以上のヘテロ原子を含む飽和または不飽和複素二環基であり、上述の単環または二環基は任意にC1〜C6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたはC1〜C6アルコキシで置換されてもよい。)
の化合物および以下の条件:
・R5もR6も両方とも水素のとき、Hetはインドール、クロマンであり得ない;
・X-R1がオルトO-(CH2)m-p-CF3-フェニル基(mは1〜3の整数)であり、およびR2、R3、R5、およびR6が水素のとき、Hetはピリジルであり得ない:
の該化合物の薬剤的に容認できる塩およびナトリウムおよび/またはカルシウムチャンネル調節活性および/または選択的MAO-B阻害活性を有し、それゆえに神経学的な、精神医学的な、心血管の、炎症性の、眼の、泌尿器科の、代謝性のおよび消化器の疾患を含むがそれに限定されるわけではない広範囲の症状を防ぎ、緩和し、および治療するのに有用である薬物の調製のためのそれらの薬剤的に容認できる塩またはプロドラッグへの使用。
【請求項3】
R1がベンジルまたはC5〜C8アルキルであり、R4、R5、およびR6が水素またはC1〜C3アルキルであり、Xが酸素であり、およびHetが非置換のまたはC1〜C3アルキルで置換されたフラン、テトラヒドロフラン、イソオキサゾール、オキサゾール、チオフェン、ピラン、ジオキサンである請求項2記載の化合物の使用。
【請求項4】
(4-ペンチルオキシ-ベンジル)-(フラン-2-イルメチル)-アミン;
(4-ヘプチルオキシ-ベンジル)-(フラン-2-イルメチル)-アミン;
(R) (4-ペンチルオキシ-ベンジル)-(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(S) (4-ペンチルオキシ-ベンジル)-(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(R) (4-ヘプチルオキシ-ベンジル)-(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(S) (4-ヘプチルオキシ-ベンジル)-(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(R) (4-ペンチルオキシ-ベンジル)-(テトラヒドロ-ピラン-2-イルメチル)-アミン;
(S) (4-ペンチルオキシ-ベンジル)-(テトラヒドロ-ピラン-2-イルメチル)-アミン;
(R) (4-ヘプチルオキシ-ベンジル)-(テトラヒドロ-ピラン-2-イルメチル)-アミン;
(S) (4-ヘプチルオキシ-ベンジル)-(テトラヒドロ-ピラン-2-イルメチル)-アミン;
(4-ベンジルオキシ-ベンジル)-(フラン-2-イルメチル)-アミン;
(4-ベンジルオキシ-ベンジル)-(5-メチル-フラン-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(フラン-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(フラン-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(5-メチル-フラン-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(5-メチル-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(R) (4-ベンジルオキシ-ベンジル)-[1-(フラン-2-イル)-1-エチル]-アミン;
(S) (4-ベンジルオキシ-ベンジル)-[1-(フラン-2-イル)-1-エチル]-アミン;
[4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-[1-(フラン-2-イル)-1-エチル]-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-[1-(フラン-2-イル)-1-エチル]-アミン;
(R) (4-ベンジルオキシ-ベンジル)-(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(S) (4-ベンジルオキシ-ベンジル)-(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(R) [4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(S) [4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(R) [4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(S) [4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミン;
(R) [4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(テトラヒドロ-ピラン-2-イルメチル)-アミン;
(S) [4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(テトラヒドロ-ピラン-2-イルメチル)-アミン;
(R) [4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(テトラヒドロ-ピラン-2-イルメチル)-アミン;
(S) [4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(テトラヒドロ-ピラン-2-イルメチル)-アミン;
(4-ベンジルオキシ-ベンジル)-(1,4-ジオキサン-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(ピリド-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(ピリド-3-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(ピリド-4-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(イミダゾール-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(1-メチル-イミダゾール-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(5-メチル-1H-トリアゾール-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(4-メチル-チアゾール-2-イルメチル)-アミン;
(4-ベンジルオキシ-ベンジル)-(イソオキサゾール-5-イルメチル)-アミン;
[4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(イソオキサゾール-5-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(イソオキサゾール-5-イルメチル)-アミン;
(4-ベンジルオキシ-ベンジル)-(3-メチル-イソオキサゾール-5-イルメチル)-アミン;
[4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(3-メチル-イソオキサゾール-5-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(3-メチル-イソオキサゾール-5-イルメチル)-アミン;
(4-ベンジルオキシ-ベンジル)-(オキサゾール-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(オキサゾール-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(オキサゾール-2-イルメチル)-アミン;
(4-ベンジルオキシ-ベンジル)-(オキサゾール-5-イルメチル)-アミン;
[4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(オキサゾール-5-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(オキサゾール-5-イルメチル)-アミン;
(4-ベンジルオキシ-ベンジル)-(チオフェン-2-イルメチル)-アミン;
[2-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(チオフェン-2-イルメチル)-アミン;
[2-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(チオフェン-2-イルメチル)-アミン;
[3-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(チオフェン-2-イルメチル)-アミン;
[3-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(チオフェン-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(チオフェン-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(チオフェン-2-イルメチル)-アミン;
[2-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(ベンゾ[b]フラン-2-イルメチル)-アミン;
[3-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(ベンゾ[b]フラン-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(ベンゾ[b]フラン-2-イルメチル)-アミン;
(R) [4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(ジヒドロ-ベンゾ[b]フラン-2-イルメチル)-アミン;
(S) [4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(ジヒドロ-ベンゾ[b]フラン-2-イルメチル)-アミン;
[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-ベンジル]-(ベンゾイミダゾール-2-イルメチル)-アミン;
(それらの単一異性体または異性体の混合物としてでも)
およびそれらの薬剤的に容認できる塩からなる群から選ばれる請求項2記載の化合物の使用。
【請求項5】
a) 式II
【化3】

(式中、R1、R2、R3およびXは請求項1で定義した通りである)
の化合物と式III
【化4】

(式中、R4、R5、R6およびHetは請求項1で定義した通りである)
の化合物の還元剤存在下での反応または
b) 式IIIの化合物と式IV、
【化5】

(式中、R1、R2、R3およびXは前記と同意義であり、かつYはハロゲン原子またはO-EWG基であり、ここでEWGは電子吸引基を意味し、それらが結合している酸素をよい脱離基に転位させることができ、および所望により、本発明のある化合物を本発明の他の化合物に転換し、および/または、所望により、本発明の化合物を薬剤的に容認できる塩に転換し、および/または、もし所望するならば、塩を遊離化合物に転換する。)
の化合物との反応
を包含する請求項1で定義した式Iの化合物またはその薬剤的に容認できる塩の製造方法。
【請求項6】
好適なキャリアおよび/または希釈剤および任意に他の治療薬に加えて、有効成分として請求項1で定義した式Iの化合物、またはその薬剤的に容認できる塩を含む医薬品組成物。
【請求項7】
有効な治療物質としての使用のための請求項1で定義した式Iの化合物、またはその薬剤的に容認できる塩。

【公表番号】特表2007−508337(P2007−508337A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534644(P2006−534644)
【出願日】平成16年10月5日(2004.10.5)
【国際出願番号】PCT/EP2004/011104
【国際公開番号】WO2005/040138
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(506126060)ニューロン・ファーマシューティカルズ・ソシエタ・ペル・アチオニ (1)
【氏名又は名称原語表記】NEWRON PHARMACEUTICALS S.p.A.
【Fターム(参考)】