説明

自動二輪車のナビゲーション装置

【課題】衛星ラジオが搭載されたナビゲーション装置において、衛星ラジオで警報を受信した場合に、受信情報を有効に使用することができる自動二輪車のナビゲーション装置を得る。
【解決手段】自動二輪車に搭載される衛星ラジオの受信機能(衛星ラジオ受信機2)を備えたナビゲーション装置において、自動二輪車のハンドルバー102にナビゲーション装置の操作子78を設け、衛星ラジオ受信機2が警報を受信した時に、ナビゲーション表示部6(ナビ画面)の一部に警報を受信した旨を告知するモニタ部300を設け、告知を受けて運転者が操作子78に対して所定の操作をすることでナビゲーション表示部6に表示された画面が警報時の受信情報に対応する警報画面に切り替わる画面切替手段9を設けることで、衛星ラジオ受信機2が警報を受信した際に、運転者の操作により警報情報をナビゲーション表示部6に表示して有効に使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地や現在の車両位置などを表示することができる自動二輪車のナビゲーション装置に関し、特に、自動二輪車に搭載された衛星ラジオからの受信情報を有効に使用するためのナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車のナビゲーション装置としては、例えば特許文献1に示すように、ナビゲーション表示部(ナビ画面)及び操作スイッチ(操作部)を一体的に納めたものをインストルメントパネルに取付けたものが知られている。
【特許文献1】特開平9−95276号公報
【0003】
ナビゲーション装置は、車体に操舵自在に取り付けたハンドルの中央位置にナビゲーション表示部(ナビ画面)が設置され、このナビ画面に地図画面を表示し、利用者が設定した目的地までの道路の誘導を行う装置である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ナビゲーション装置による道路の誘導は、GPSを使用した衛星測位システムにより自車の位置を検出し演算処理することで行われるが、気象状況や道路状況に変化が生じた場合、変動する諸条件を考慮して道路の誘導を行うものではなかった。
そのため、自動二輪車の運転者が走行中に目的地周辺の気象状況を知ろうとする場合には、ラジオでスポット的に流される天候に関する情報を聴取する必要があった。特に自動二輪車の場合、屋根がないため運転者は天候による影響を受けやすく、目的地までの気象状況を知りたい場合があった。
そこで、衛星ラジオに流される気象状況や道路状況の情報を取り込むことで、ナビ機能を邪魔することなく各種情報を有効に使用することができるナビゲーション装置が望まれていた。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みて提案されたもので、広範囲な地域で聴取可能な衛星ラジオが搭載されたナビゲーション装置において、衛星ラジオで警報を受信した場合に、ナビ機能を邪魔することなく受信情報を有効に使用することができる自動二輪車のナビゲーション装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため請求項1に係る自動二輪車のナビゲーション装置は、自動二輪車に搭載される衛星ラジオの受信機能を備えたナビゲーション装置において、次の各構成を含むことを第1の特徴としている。
前記自動二輪車のハンドルバーに前記ナビゲーションの操作子を設ける。
前記衛星ラジオが警報を受信した時に、前記ナビゲーション装置のナビ画面の一部に警報を受信した旨を告知するモニタ部を設ける。
前記告知を受けて運転者が前記操作子に対して所定の操作をすることで前記ナビ画面が警報時の受信情報に対応する画面に切り替わる画面切替手段を設ける。
【0007】
請求項2の自動二輪車のナビゲーション装置は、請求項1において、前記画面切替手段により切り替えられた画面に表示される受信情報は、少なくとも、道路情報、気象(天気)情報、自動二輪車の進路を誘導するための誘導情報であることを第2の特徴としている。
【0008】
請求項3の自動二輪車のナビゲーション装置は、請求項2において、前記道路情報は、ナビゲーション装置による目的地への経路誘導中で、目的地までの周辺道路状況であることを特徴としている。
【0009】
請求項4の自動二輪車のナビゲーション装置は、請求項2において、前記気象情報は、降水量、風の状態、の情報であることを特徴としている。
【0010】
請求項5の自動二輪車のナビゲーション装置は、請求項2において、前記誘導情報は、ナビゲーション装置による経路誘導時のターンポイント情報であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1の特徴を有する自動二輪車のナビゲーション装置によれば、自動二輪車の運転中において、衛星ラジオが警報を受信した時に、ナビゲーション装置のナビ画面の一部であるモニタ部に警報を受信した旨が告知されるので、ナビ画面が急に警報に切り替わることがないので、ナビ機能がユーザの意志に関係なく邪魔されることがないばかりか、それを確認した運転者が操作子に対して所定の操作をすることで画面が警報時の受信情報に対応する画面に切り替えられる為、ユーザの意志さえ入力すれば即座に警報の内容を確認することができる。
【0012】
本発明の第2の特徴を有する自動二輪車のナビゲーション装置によれば、画面切替手段により切り替えられた画面に表示される受信情報は、少なくとも、道路情報、気象(天気)情報、自動二輪車の進路を誘導するための誘導情報とすることで、運転者が目的地までの経路について、これらの情報を参考にして再設定を促すことができる。
【0013】
本発明の第3の特徴を有する自動二輪車のナビゲーション装置によれば、道路情報が目的地までの周辺道路状況であるので、運転者が目的地までの渋滞情報を取得することができる。
【0014】
本発明の第4の特徴を有する自動二輪車のナビゲーション装置によれば、気象情報が降水量、風の状態、の情報であるので、運転者がこれらの情報を考慮して運転をすることができる。
【0015】
本発明の第5の特徴を有する自動二輪車のナビゲーション装置によれば、誘導情報が経路誘導時のターンポイント情報であるので、運転者はこの情報にしたがって運転をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の自動二輪車のナビゲーション装置(以下、「ナビゲーション装置」という)を実施するための最良の形態の一例について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明のナビゲーション装置の機能ブロック図であり、図2はナビゲーション装置が搭載された自動二輪車100の外観説明図である。
【0017】
ナビゲーション装置は、衛星測位システムの構成要素としてのGPS受信機1と、衛星ラジオを受信するための衛星ラジオ受信機2と、慣性測位システムの構成要素としてのジャイロセンサ3と、自動二輪車100の車速を検知する車速センサ4と、マップマッチング及び案内地図表示のための地図データベース5と、案内地図などを表示する液晶ディスプレイなどで構成されるナビゲーション表示部(ナビ画面)6と、ナビゲーション装置に対する各種操作を行うための操作スイッチ等から構成される操作部7と、衛星測位システム及び慣性測位システムの演算処理やナビゲーション装置全体の制御を行うマイクロコンピュータを主体とする制御部8と、から構成されている。
【0018】
GPS受信機1では、GPSからの信号を受信することで衛星測位システムにより自動二輪車の現在位置をリアルタイムに推定することが行われる。
衛星ラジオ受信機2では、衛星ラジオが音楽番組等の通常の放送中において、天候等の気象情報、渋滞情報等の道路情報に関する警報信号が送信された場合に、その信号を受信できるように構成されている。
衛星ラジオは、例えば、アメリカ国内においてXMサテライト・ラジオ社により放送され、地上波のラジオが地域ごとに分断されているのに比較して、全米をカバーする領域で聴取可能となっている。そのため、アメリカ大陸を東西に横断するような場合に、継続して番組を聴取し続けることができるので、移動体(自動二輪車や自動車等)向けの放送に適している。そして、衛星ラジオ放送では、衛星データ通信による気象情報や渋滞情報の提供が行われるとともに、各種の警報情報を発信している。
GPS受信機1及び衛星ラジオ受信機2は、自動二輪車100において車速若しくは走行距離等の運転情報を表示するメータ表示部101の前方位置Aにそれぞれ装着されている。
【0019】
ジャイロセンサ3は、方位センサを備えて慣性測位システムが構成され、自動二輪車100の方向及び走行距離を検出して前記GPS信号による位置情報と併用することで自動二輪車100の現在位置をより正確に把握するようになっている。
車速センサ4は、車輪の回転数により自動二輪車100の走行距離に応じた距離信号を得て自動二輪車の速度を検出する。
地図データベース5は、HDD、DVD−ROM、又はCD−ROMなどの記録媒体に記録された情報を読み取ることで、案内地図表示のための地図をナビゲーション表示部6に表示するものであり、ナビゲーション装置全体の制御を行う制御部8とともにナビ本体10を構成するものとして自動二輪車100の後部位置Bに収納配置されている。
【0020】
制御部8は、GPS受信機1、ジャイロセンサ3、車速センサ4からの信号を入力し演算処理を行うことで、地図データベース5から取得した地図上に自車の位置をマッチングさせてナビゲーション表示部6への表示を行うとともに、衛星ラジオ受信機2で警報情報を受信した時に、警報を受信した旨をナビゲーション表示部6の一部分に表示するとともに、運転者により操作部7において所定の操作がなされた場合に、ナビゲーション表示部6の画面が警報時の受信情報に対応する画面に切り替える画面切替手段9を有して構成されている。
【0021】
液晶ディスプレイなどで構成されたナビゲーション表示部6は、運転者にとって最も見易い位置であるメータ表示部101の下方位置Cに装着されている。そして、ナビゲーション表示部6には、衛星ラジオが警報を受信した時に、警報を受信した旨を告知するモニタ部が設けられている。
【0022】
ナビゲーション装置に対する各種操作を行うための操作部7は、画面切替操作や音量調節等の操作を行う第1操作部7aと、初期設定入力等を行う第2操作部7bとに分かれて装着されている。すなわち、第1操作部7aは運転者がハンドルバー102を握りながら操作することが可能なようにハンドルバー102の左グリップ内側位置Eに装着され、第2操作部7bは、右側カウル103の内側位置Dに装着されている。
第1操作部7aには、ハンドルバー102を握りながら操作することが可能な位置に、警報受信時におけるナビゲーション表示部6の画面切替操作を行うための操作子が設けられている。
【0023】
また、自動二輪車100に装着された燃料タンク104の前方位置Fには、ラジオ・MD・CD等を再生するためのオーディオユニット(コンポーネント)105が装着され、このオーディオユニット105に対しては、左側カウル106の内側位置Gに設置されたオーディオパネルスイッチにより音源・音量の調節等の各種操作が行われるようになっている。
また、オーディオユニット105での各種音源の再生及び操作状況等については、音楽再生用画面を地図画面に代えて、若しくは同時にナビゲーション表示部6に表示できるようになっている。
【0024】
本発明に係る自動二輪車のナビゲーション装置のナビゲーション表示部(ナビ画面)6に表示される画面の一例を図3(a)乃至(c)に示す。
図3(a)は、ナビゲーション装置により道路誘導が行われている場合の地図誘導画面200を示している。地図誘導画面200は、左側に自動二輪車が位置する現在地周辺の道路地図201が、右側に目的地までの距離、到着時間、直進・右折・左折等の誘導情報202がそれぞれ表示されている。誘導情報202は、目的地までの誘導において、直近の三カ所についての右折若しくは左折の地点を案内するターン表示が表示されている。道路地図201には、自動二輪車の走行する方向及び位置を示すポインタ(指針)203が表示されている。
【0025】
図3(b)は、自動二輪車に搭載されたオーディオユニットについて、各種音源の再生及び操作状況を確認するための音楽再生用画面210を示している。この画面では、FMラジオを聴取している状態を示している。
図3(c)は、地図画面と音楽画面を混在させて表示された地図・音楽情報混在画面220であり、下段に音楽再生情報221が表示されている。画面の中央に大きく表示される道路地図201には、自動二輪車の走行する方向及び位置を示すポインタ(指針)203が表示されている。
図3(a)乃至(c)の地図誘導画面200、音楽再生用画面210、地図・音楽情報混在画面220、若しくはナビゲーション表示部6の全体に道路地図201が表示されるようにする各画面の切替は、ナビゲーション表示部6の下方位置に設けられたディスプレイスイッチ(図示せず)を押下することで順次切替可能に構成されている。
【0026】
そして、衛星ラジオ受信機2が衛星ラジオの警報(警報情報)を受信した時に、ナビゲーション表示部(ナビ画面)6の画面の左下隅に設けたモニタ部300により、どの種類の警報を受信したかが告知されるようになっている。すなわち、衛星ラジオ受信機2では受信した警報情報の種類を識別して制御部8へ出力し、制御部8では情報の種類に応じて、図3(a)乃至(c)の各画面において、受信した警報情報に対応するアイコンがモニタ部300に表示される。
【0027】
衛星ラジオ放送による警報は、道路情報、気象(天気)情報、自動二輪車の進路を誘導するための誘導情報であり、警報の種類に応じてモニタ部300には異なる種類のアイコンが表示される。
すなわち、図3(a)のモニタ部300に表示された警報表示301は、道路状況に関するものであり、その道路状況の結果として推定される遅延時間が数字で表示される。
図3(b)のモニタ部300に表示された警報表示302は誘導情報に関するものであり、右折・左折を示す矢印とその地点までの距離が表示される。
図3(c)のモニタ部300に表示された警報表示303は気象情報に関するものであり、周辺地域の天気地図が縮小されて表示される。
【0028】
道路情報は、ナビゲーション装置による目的地への経路誘導中で、目的地までの渋滞発生や事故発生等の周辺道路状況である。気象情報は、走行周辺地域における降水量、風の状態、竜巻の発生等の情報である。誘導情報は、ナビゲーション装置による経路誘導時の右折・左折等のターンポイントに関する情報である。また、地震情報や山火事情報を気象情報等に含めるようにしてもよい。
【0029】
モニタ部300による警報の告知を受けて運転者が第1操作部7aの操作子に対して所定の操作(具体的な操作については後述する)をすることで、制御部8が前記操作による信号を受け、画面切替手段9がナビゲーション表示部6に表示された画面を警報時の受信情報に対応する画面に切り替わることが実行される。警報時の受信情報に対応する画面は、衛星ラジオ放送により供給され、衛星ラジオ受信機2により受信された警報画面の情報である。
具体的には、操作子に対して所定の操作を行うことで、モニタ部300に道路状況の警報表示301が表示された道路地図201(図4(a))が、周辺位置の道路状況が表示された警報画面310(図4(b))に切り替わる。警報画面310においては、地図画面にどの場所が渋滞しているかの情報が表示されるとともに、それに起因する遅れ時間が上段部311に表示される。
また、モニタ部300に気象状況の警報表示303が表示された地図・音楽情報混在画面220(図5(a))が、周辺位置の気象状態が表示された警報画面330(図5(b))に切り替わる。警報画面330においては、地図画面とともに例えば降雨地域の情報が表示されるとともに、雲、雨、雪、霧、嵐の程度の各情報が左側部331に表示される。
自動二輪車の運転者は、警報画面からの道路状況や気象状況を判断して、目的地までのルート変更等を行うことができる。
【0030】
本発明に係るナビゲーション装置を採用した自動二輪車の側面図及び平面図を図6及び図7に示す。
自動二輪車10は、車体フレーム(車体)11にヘッドパイプ12を取付け、ヘッドパイプ12に操舵可能にフロントフォーク13を取付け、このフロントフォーク13のトップブリッジ14にハンドルバー102を取付け、トップブリッジ14及びボトムブリッジ16の前方にフェアリング17を設け、このフェアリング17の前面にヘッドライト18,18を配置するとともに左右のミラー19,19を配置し、フロントフォーク13の下部に前輪21を取付け、この前輪21をフロントフェンダ22で覆い、ヘッドパイプ12から車体フレーム11のメインフレーム23を後方へ延ばし、このメインフレーム23の下部にエンジン24を配置し、メインフレーム23の上部に燃料タンク25を配置し、メインフレーム23からシートレール26を後方へ延ばし、このシートレール26に車両用シート27を取付け、メインフレーム23の後下部からピボット28を介してリヤスイングアーム29を延ばし、このリヤスイングアーム29の後端に後輪31を回転自在に取付け、リヤスイングアーム29の後部と車体フレーム11との間にリヤクッション(図示せず)を渡し、車体の下部にマフラ53を配置して構成されている。
【0031】
自動二輪車100のメータパネル(インストルメントパネル)57の上方位置には、GPS受信機1及び衛星ラジオ受信機2が設置されている。また、GPS受信機1は、メータパネル(インストルメントパネル)57やフェアリング17に組み込み可能なチップアンテナ、パッチアンテナ若しくはヘリカルアンテナで構成することが好ましい。
【0032】
また、自動二輪車は、車両の下部を保護するためのアンダカバー33、霧時等に点灯させるためのフォグランプ35、右・左折を指示するためのフロントウインカ36、風防としてのウインドスクリーン37、エンジン24にエアを供給するためにフェアリング17に開けたエア開口38、荷物収納用のトランクボックス39、荷物収納用のサドルバッグ41、右・左折を指示するためのリヤウインカ42、FMラジオ放送を受信するためのロッドアンテナ43、夜間点灯用のテールランプ44、メインスタンド45、サブスタンド46、運転者用ステップ47、乗員用ステップ48を備えている。
【0033】
自動二輪車100に搭載された音響装置60は、図8に示すように、メータ表示部(車両用メータ)101の左に中・低音を再生する左の中・低音用ユニット63,64を配置し、これらのメータ表示部101及び左の中・低音用ユニット63の間に高音を再生する左の高音用ユニット65を配置し、メータ表示部101及び右の中・低音用ユニット64の間に高音を再生する右の高音用ユニット66を配置し、トランクボックス39内に左右の中・低音用ユニット63,64よりも低い周波数域を再生できる左右の重低音用ユニット(重低音用スピーカ)67,68を付設し、これらのユニット63〜68に再生音を発生させるオーディオユニット105を付設したものである。
オーディオユニット105は、FM及びAMチューナ、CDデッキ、MDデッキ、カセットデッキ及びアンプ等の機能を備えるオーディオ機器で構成されている。
【0034】
本発明に係る自動二輪車のナビゲーション装置は、図8に示されるように、メータ表示部101の後方にナビゲーション表示部6を配置し、ハンドルバー102及びカウル(上部パネル)103廻りに分割構成した操作部7(第1操作部7a及び第2操作部7b)を配置し、トランクボックス39に制御部8及び地図データベース5が含まれるナビ本体(コントロールユニット)10を収納して構成されている。
また、ハンドルバー102の両端側には左ハンドルグリップ55及び右ハンドルグリップ56がそれぞれ装着され、ハンドルバー102左には、運転中に操作するスイッチ類を配置した第1操作部7aとしてのハンドルスイッチボックス70が装着されている。
【0035】
操作部7は、第1操作部7aと第2操作部7bとに分割して構成され、第1操作部7aをハンドルスイッチボックス70として設けることで、運転中に操作可能な部分としている。また、第2操作部7bは、カウル103に取付けることで、停止中に操作可能な部分としている。
すなわち、本発明のナビゲーション装置100では、第1操作部7aを、左ハンドルグリップ55近傍に設けたので、走行中にハンドルバー102から手を離すことなく、ナビゲーション装置100を操作することができる。この結果、ナビゲーション装置100の操作性の向上を図ることができる。
【0036】
次に、第1操作部7aとしてのハンドルスイッチボックス70の構成について、図9を参照しながら説明する。
ハンドルスイッチボックス70は、ハンドルバー102に装着された左ハンドルグリップ55の根元近傍位置に装着されている。ハンドルスイッチボックス70(第1の操作部7a)は、運転中に操作する操作ボタンや操作レバーをボックス体に配列して構成されている。すなわち、ヘッドライト18,18及びテールランプ44,44等の点灯をするライト操作ボタン71と、左右のフロントウインカ36,36及び左右のリヤウインカ42,42を操作するウインカ用スライド摘み72と、ホーン(図示せず)を鳴らすホーンスイッチボタン73と、オーディオユニット105若しくはナビゲーション装置100の音量調節をできるボリューム用レバー74と、オーディオユニット105若しくはナビゲーション装置100の音量を一時的に小さくするミュート用ボタン75と、オーディオユニット105における放送局選択若しくはCD等のディスクのトラックナンバー選択をするチューニング/ディスクボタン76と、アマチュア無線(図示せず)を操作するときのアマチュア無線用レバー類77と、ナビゲーション表示部6の画面の表示切替等を行う操作子78と、を配列して構成されている。
【0037】
操作子78は、運転中にナビゲーション装置を操作する画面切替スイッチ、画面の拡大/縮小スイッチ、音声再案内スイッチとしての機能を備えている。
すなわち、操作子78は、複合操作可能なスイッチであり、左側へ倒す(短押し)ことでナビゲーション表示部6に表示された地図表示を拡大(詳細画面)表示し、右側へ倒す(短押し)ことで地図表示を縮小(広域画面)表示する一方、衛星ラジオ受信機2の警報受信時においては、左側へ長く倒す(長押し)ことでナビゲーション表示部6に表示された地図等の画面(図4(a)及び図5(a))を警報画面(図4(b)及び図5(b))に切替表示し、右側へ長く倒す(長押し)ことでナビゲーション表示部6に表示された警報画面を元の画面に戻すスイッチとして作用する。
また、操作子78は、前方へ押す(プッシュ操作を行う)ことで音声ガイドのレピート(再案内若しくは再アナウンス)を行う。音声ガイド(機能)とは、例えば、踏切に近づいたことを音声でアナウンスしたり、目的地に近づいたことなどを音声でアナウンスする機能である。
【0038】
上記した第1操作部7a(ハンドルスイッチボックス70)の構成によれば、第1操作部7aにナビゲーション表示部6に表示される画面を警報画面に切り替えるための操作子78を設けることで、走行中にモニタ部300に警報表示が表示された場合に、運転者は操作子78の左方向への長押しにより、警報画面への切替操作を即座に実行することができるため、警報画面に表示された情報を素早く有効に使用することができ、ナビゲーション装置の利便性の向上を図ることができる。
【0039】
図10は本発明に係る自動二輪車のナビゲーション装置の第2操作部7bの平面説明図である。
第2操作部7bは、停止中に操作するボタンを配列した操作部分であり、各種設定内容を表示するメニューボタン161と、一度選択した内容を取り消すキャンセルボタン162と、高速道路地図や市外図などを表示するマップボタン163と、マップボタン163で表示した地図の拡大・縮小操作を行うボタン164と、メニューボタン162やマップボタン163で表示したメニュー若しくは地図を選択決定する選択決定ボタン165と、これらのボタン161〜165を配列する操作パネル166から構成されている。
また、選択決定ボタン165は、メニュー若しくは地図を選択する選択ボタン171〜174と、これらの選択したメニュー若しくは地図を決定する決定ボタン175から構成されている。
【0040】
上記第2操作部7bの構成によれば、ナビゲーション表示部6に表示された地図表示の拡大(詳細画面)と縮小(広域画面)の操作については、第1操作部7aの操作子78を左又は右側へ倒す(短押し)ことで行う他、第2操作部7bのボタン164の上部及び下部の押下によっても行うことができるので、運転者が状況に応じて操作をし易い方を選択することができる。
【0041】
上述のナビゲーション装置によれば、衛星ラジオ受信機2で警報を受信した場合に、ナビゲーション表示部(ナビ画面)6の一部であるモニタ部300に警報情報を表示するので、ナビ画面が急に警報に切り替わることがないので、ナビ機能がユーザ(運転者)の意志に関係なく邪魔されることがない。
また、それを確認したユーザがハンドルバー102に装着された第1操作部7aの操作子78を長押しすることで、ユーザの意志さえ入力すればナビゲーション表示部6に表示された地図等の表示を警報画面に素早く変更されるので、警報画面から警報種類に応じた各種の警報情報を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る自動二輪車のナビゲーション装置のブロック図である。
【図2】本発明に係る自動二輪車のナビゲーション装置の配置場所を説明するための自動二輪車の斜視説明図である。
【図3】(a)〜(c)は本発明に係る自動二輪車のナビゲーション装置のナビゲーション表示部の一例を示す表示画面である。
【図4】(a)及び(b)は地図画面から警報画面(道路状況)への切替例を示す表示画面である。
【図5】(a)及び(b)は地図・音楽情報混在画面から警報画面(気象情報)への切替例を示す表示画面である。
【図6】本発明に係るナビゲーション装置を採用した自動二輪車の側面説明図である。
【図7】本発明に係るナビゲーション装置を採用した自動二輪車の平面説明図である。
【図8】本発明に係る自動二輪車のナビゲーション装置の斜視説明図である。
【図9】本発明に係るナビゲーション装置を採用した自動二輪車の第1操作部(ハンドルスイッチボックス)の正面説明図である。
【図10】本発明に係る自動二輪車のナビゲーション装置の第2操作部の平面説明図である。
【符号の説明】
【0043】
1…GPS受信機、 2…衛星ラジオ受信機、 3…ジャイロセンサ、 4…車速センサ、 5…地図データベース、 6…ナビゲーション表示部(ナビ画面)、 7…操作部、 7a…第1操作部、 7b…第2操作部、 8…制御部、 9…画面切替手段、 10…ナビ本体、 11…車体フレーム(車体)、 55…左ハンドルグリップ、 56…右ハンドルグリップ、70…ハンドルスイッチボックス、 78…操作子、 100…自動二輪車、 101…メータ表示部、 102…ハンドルバー、 103…カウル、 104…燃料タンク、 105…オーディオユニット、 106…カウル、 200…地図誘導画面、 201…道路地図、 210…音楽再生用画面、 220…地図・音楽情報混在画面、 300…モニタ部、 301,302,303…警報表示、 310,330…警報画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動二輪車に搭載される衛星ラジオの受信機能を備えたナビゲーション装置において、
前記自動二輪車のハンドルバーに前記ナビゲーションの操作子を設け、
前記衛星ラジオが警報を受信した時に、前記ナビゲーション装置のナビ画面の一部に警報を受信した旨を告知するモニタ部を設け、
前記告知を受けて運転者が前記操作子に対して所定の操作をすることで前記ナビ画面が警報時の受信情報に対応する画面に切り替わる画面切替手段を設けた
ことを特徴とする自動二輪車のナビゲーション装置。
【請求項2】
前記画面切替手段により切り替えられた画面に表示される受信情報は、少なくとも、道路情報、気象(天気)情報、自動二輪車の進路を誘導するための誘導情報である請求項1に記載の自動二輪車のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記道路情報は、ナビゲーション装置による目的地への経路誘導中で、目的地までの周辺道路状況である請求項2に記載の自動二輪車のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記気象情報は、降水量、風の状態、の情報である請求項2に記載の自動二輪車のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記誘導情報は、ナビゲーション装置による経路誘導時のターンポイント情報である請求項2に記載の自動二輪車のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−85262(P2010−85262A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−254921(P2008−254921)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】