説明

薄膜及び磁気抵抗デバイス用ナノ粒子生成方法

【課題】 ナノ狭窄スペーサを有する磁気抵抗(MR)センサのスピンバルブ内に使用する薄膜の生成方法を提供する。
【解決手段】 スピンバルブのボトムをピン層まで蒸着し、蒸着室を用意し、スペーサ層をその上にスパッタリングする。主イオンビームが磁性チップと絶縁材を含む合成面上にイオンを生成する。同時に、支援イオンビームが基板に直接イオンを供給し、かくしてスペーサ層の柔軟度と平滑度を改善する。中和器もまた配設し、イオン反発を防止し、イオンビーム合焦を改善する。その結果、薄膜スペーサを形成することができ、低保磁力とフリー層とピン層の間の低層間結合とを有するナノ狭窄MRスピンバルブが形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリソグラフィーを用いることなくナノ寸法磁気粒子を作成する方法及び磁気抵抗(MR)ヘッドの読み取り素子向けに該方法により製造するグラニュラー薄膜に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスク装置等の磁気記録技術では、ヘッドは相互に独立して動作する読み取り素子と書き込み器を備えている。図1(a),(b)は、磁気記録方式を例示する図である。複数のビット103とトラック幅105を有する記録媒体101は、記録媒体面に平行な磁化107を有する。その結果、ビット103間の境界に磁束が発生する。これは、一般に「水平方向磁気記録」と呼ばれる。
【0003】
記録媒体101には、誘導書き込み素子109により情報が書き込まれ、データは読み取り素子111により記録媒体101から読み取られる。巻線116を用いて誘導書き込み素子109へ書き込み電流117を供給し、読み取り素子111へは読み取り電流115が供給される。個々の読み取り信号と書き込み信号の間の干渉を排除すべく、酸化アルミニウム(Al23)で出来た絶縁層(明瞭さに配慮し図示せず)が読み取り素子111と書き込み素子109との間に配置させてある。
【0004】
読み取り素子111は、センサの磁化方向が変化した際に抵抗変化を検出することにより動作するセンサである。シールド113が媒体から到来する不要磁界を低減し、隣接ビットの不要磁束が読み取り素子111が現在読み取ろうとしているビット103のうちの一つに干渉しないようにしてある。
【0005】
図1(b)の磁気記録方式は、ビット及びトラック密度を増大させて、より高効率かつより高速で読み取り可能とするために開発されたものである。この方式にあっては、記録媒体101の磁化方向119は記録媒体101の面に垂直である。これは「垂直磁気記録」としても周知である。この設計は、より高密度で安定した記録データをもたらす。また、書き込み磁界効率を増大させるために軟質磁性下層(図示せず)が必要である。さらに、中間層(明瞭さに配慮し図示せず)を用いて記録層101と軟質磁性下層との間の交換結合を制御することができる。
【0006】
図2(a)〜(c)は、「スピンバルブ」として公知の上記磁気記録方式用の各種背景技術読み取り素子を示す。図2(a)に示すボトム型スピンバルブでは、フリー層21がセンサとして機能し、記録データを記録媒体1から読み取る。フリー層21とピン層25の間には、スペーサ23が配置してある。ピン層25の他側には反強磁性(AFM;anti−ferromagnetic)層27が存在する。図2(b)に示すトップ型スピンバルブでは、層配置を逆転させてある。
【0007】
図2(c)は、背景技術複式スピンバルブ21〜25を示す。層21は、図2(a)〜(b)に関連して前記したのとほぼ同じである。しかしながら、フリー層21の他側には追加のスペーサ29が配設してあり、その上に第2のピン層31と第2のAFM層33が配置してある。第2のピン層31が供給する上乗せ分の信号は、抵抗変化△Rを増大させる。
【0008】
ピン層25内の磁化方向はほぼ固定されているが、フリー層21内の磁化方向は例えば(ただし、限定ではなく)記録媒体1等の外部磁界の影響に応じて変化することがある。
【0009】
外部磁界(磁束)を読み取り素子に印加すると、フリー層21の磁化が変化し、すなわち一定角度だけ回転する。磁束が正のときはフリー層21の磁化は上向きに回転させられ、磁束が負のときはフリー層21の磁化は下向きに回転させられる。印加外部磁界がフリー層21の磁化方向を切り替えて合成ピン層25と同様式で整列配置させた場合、層間抵抗は低く、電子はこれらの層21,25間をより簡単に移動することができる。
【0010】
しかしながら、フリー層21が合成ピン層25とは逆の磁化方向を有すると、層間抵抗は高くなる。この高抵抗は、層21,25間を電子が移動するのがより困難になることに起因している。外部磁界と同様、AFM層27が交換結合をもたらし、合成ピン層25の磁化をほぼ一定に保つ。
【0011】
高感度読み取り素子を得るには、層21,25が平行であるときと反平行であるときとの抵抗変化ΔRが高くなければならない。媒体ビットは大きさを減らしつつあり、相応して媒体ビットからの磁界はより微弱になっている。その結果、フリー層は大きさの低下したこの媒体磁束を読み取る必要がある。それ故、背景技術フリー層の膜厚を低減し、フリー層に十分な感度を維持させることが重要である。非常に微弱な磁界を読み取ることのできる高感度センサを提供する上で、150〜200ギガビット/平方インチの面積記録密度の場合、これはフリー層膜厚を約3nmまで低減することで達成される。
【0012】
しかしながら、フリー層の薄肉化の結果、より強いスピントランスファー効果の問題がある。スピントランスファー効果は、薄膜の膜厚にほぼ反比例する。かくして、フリー層の安定性は低下する。さらに、読み取りヘッドの層21,25間の高抵抗変化△Rに対する要望も存在する。以下により詳しく説明する如く、フリー層を厚肉化すると△Rが高い値となる。
【0013】
ここで、スピンバルブの動作をより詳しく説明する。記録媒体1内では、水平方向磁気記録の場合、隣接ビットの極性に基づいて磁束が生成される。隣接する二つのビットがそれらの境界において負極性を有する場合、磁東は負となる。他方、両ビットがそれらの境界において正極性を有する場合、磁束は正となる。磁束の大きさが、フリー層とピン層の間の磁化角度を決定する。
【0014】
図3は、合成スピンバルブを示す。フリー層21とスペーサ23とAFM層27は、上記とほぼ同じである。しかしながら、ピン層25はさらにピン層スペーサ37により第2の副ピン層39から仕切られた第1の副ピン層35を含む。第1の副ピン層35は、合成ピン層25についての上記原理に従って動作する。第2の副ピン層39は、第1の副ピン層35に対し逆のスピン状態を有する。その結果、ピン層モーメント総体は第1の副ピン層35と第2の副ピン層39の間の反強磁性結合に起因して低下する。合成読み取りヘッドは磁束総計が零に近い合成ピン層を有し、かくして単一ピン層構造を備えるものよりも大きな安定性と高ピンニング磁界を達成することができる。良好なスピンバルブ成長に向けバッファ層28がAFM層27の下側に付着させてあり、フリー層21の上面にキャップ40が配設してある。
【0015】
図4は、背景技術のシールド付き読み取りヘッドを示す。前記の如く、所与のビットの読み取り期間中は隣接ビットからの意図しない磁束の検出を回避することが重要である。フリー層21の上面にはキャップ(保護)層40が配設してあり、別個のシステム内での電気メッキによりトップシールド43の付着前にスピンバルブを酸化から保護する。同様に、バッファ層28の下面にはボトムシールド45が配設してある。
【0016】
磁気記録方式は膜面垂直電流(CPP;current perpendicular to plane)ヘッドを用いており、そこではスピンバルブ面に垂直に検出電流が流れる。その結果、読み取りヘッドの寸法は出力読み取り信号の損失なしで低減することができる。CPP方式内で動作する各種背景技術スピンバルブが図5(a)〜(c)に示してあり、以下により詳しく説明する。これらのスピンバルブは、主にそれらのスペーサ23の組成において構造的に異なる。それらの組成とこれらの効果の作用に生ずる差異を、以下により詳しく説明する。
【0017】
図5(a)は、CPP方式用の背景技術トンネル磁気抵抗(TMR;tunneling magnetoresistive)ヘッドを示す。TMRヘッドでは、スペーサ23は絶縁体、すなわちトンネル障壁層として機能する。かくして、スペーサ23である非常に薄肉の障壁の場合、電子はスピン方向を変えることなくフリー層21からピン層25へ、或いはその逆へ移動することができる。本背景技術TMRヘッドは、約30〜50%台の増大した磁気抵抗(MR)を有する。
【0018】
図5(b)は、背景技術CPP−GMRヘッドを示す。この場合、スペーサ23は導体として機能する。背景技術CPP−GMRヘッドでは、高周波応答を有するには大抵抗変化△Rと適度な素子抵抗が必要である。小媒体磁界が検出できるよう、低フリー層保磁力もまた必要である。ピンニング磁界は、大強度もまた持たねばならない、CPP−GMRヘッドの追加の詳細を、以下により詳しく説明する。
【0019】
図5(c)は、背景技術バリステック磁気抵抗(BMR;ballistic magnetoresistance)ヘッドを示す。絶縁体として作用するスペーサ23内において、強磁性領域47がピン層25とフリー層21を接続している。コンタクト領域は、数ナノメートル台である。これは、ナノ−パス或いはナノ−コンタクトと呼ばれる。この結果、このナノ−コンタクト内に作られる区壁における電子散乱に起因して相当に高いMRが存在する。他の因子には、強磁性体のスピン分極やBMRヘッドにナノ−コンタクトする区域の構造が含まれる。
【0020】
上記の背景技術ヘッドでは、スピンバルブのスペーサ23はTMRについて絶縁体、GMRについては導体、BMRについては磁気ナノ−コンタクトを有する絶縁体となる。背景技術TMRスペーサは一般にアルミナ等の絶縁材を含んで構成されているが、背景技術GMRスペーサは一般に銅等の導電金属を含んで構成されている。
【0021】
背景技術GMRヘッドでは、フリー層21とピン層25の磁化方向(またはスピン状態)が平行になると抵抗が最小となり、磁化方向が逆になると最大となる。前述の如く、フリー層21は方向を変えることのできる磁化を有する。かくして、GMRヘッドはピン層磁化の不要な切り替えを最小化することでヘッド出力信号の摂動を回避する。
【0022】
GMRは、ピン層とフリー層のスピン分極度とそれらの個別磁化間角度に依存する。スピン分極は、フリー層とピン層のそれぞれの中におけるスピン状態(上向き又は下向き)に依存する。フリー層21が磁気記録媒体から磁束を受けると、磁束の方向に応じてフリー層磁化が小さな角度だけ一方向もしくは他方向へ回転する。ピン層25とフリー層21の間の抵抗変化は、前記した如く、フリー層21とピン層25のモーメント間角度に比例する。抵抗変化△Rと読み取り効率との間には、一つの関係が存在する。
【0023】
上記の如く、ディスク装置のさらに増え続ける容量は小型で高感度のMRヘッドを必要とする。非特許文献1にて論じられている如く、前述の背景技術BMRコンセプト(すなわち、少なくとも二つの強磁性層のナノ−コンタクトを介する相互接続)を用いて高抵抗を得ることができる。上記BMRの基本は、二つの強磁性層間の薄肉磁壁に基づき、非特許文献2に開示されている。
【0024】
背景技術では、ナノ寸法磁気粒子はリソグラフィーを用いて作成することができる。粒子を作成する別の背景技術の方法については、特許文献1が積層非磁性金属層間にグラニュラー層13を形成したGMR磁気ヘッドを開示している。グラニュラー薄膜13は、蒸着室内で生成される単一のイオンビームを用いたスパッタリングにより形成される。しかしながら、ビームが合焦状態に止まらず、反発力にさらされるという背景技術の課題が存在する。その結果、ビームは分散する。
【0025】
従って、背景技術方法により製造される薄膜は様々な問題と欠点を有する。例えば、限定するものではないが、4nmの粒子寸法をもったグラニュラー薄膜に関する特許文献2及び特許文献3(特許文献3は、特許文献2に基づく外国優先権を主張するもの)の表に示される如く、保磁力は約200KA/m、すなわち2,500エールステッド(Oe)である。それ故、背景技術の薄膜はその高保磁力故に磁気読み取りヘッドには使用できない。
【0026】
背景技術BMRセンサは、約10〜50Oeの範囲内の保磁力を持たねばならない。上記した如く、背景技術は約2,500Oeの保磁力を有する層を生成している。かくして、背景技術のグラニュラー薄膜とこの薄膜の作成方法は、背景技術BMRセンサと共に使用するグラニュラー薄膜を製造することは出来ない。
【0027】
【特許文献1】特開平9−239345号明細書
【特許文献2】特開2000−132996号明細書
【特許文献3】米国特許第6,621,857号明細書
【非特許文献1】エス・ズィー・ファー(S.Z.Hua)等著、「Phys.Review B67,060401(R)」(2003年)
【非特許文献2】ジー・タタラ(G.Tatara)等著、「Phys.Review Letters」、第83巻、2030(1999年)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
従って、低保磁力を有するグラニュラー薄膜と、分散問題に遭遇しない高品質薄膜の生成方法に対する未対処の要求が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明の一つの目的は、背景技術の課題と欠点を克服することにある。しかしながら、かかる目的やどんな目的も本発明において達成する必要はない。
【0030】
従って、ターゲットを第1のイオンビームにさらしてスパッターされた粒子を生成するステップで、ターゲットが非磁性材料と磁性材料を含む前記ステップを含むグラニュラー薄膜の製造方法を提供する。加えて、本方法は、磁性材料と非磁性材料とを含むスパッターされた粒子を基板に堆積するステップと、第2のイオンビームを用いて基板を処理してグラニュラー薄膜を形成するステップで、グラニュラー薄膜が約30Oe未満の保持力を有する前記ステップとを含む。
【0031】
さらに、記録媒体を読み取る磁気センサで、外部磁界に応答して磁化方向が変化するフリー層と実質的に磁化方向が固定されたピン層との間に挟持したグラニュラースペーサで、絶縁性マトリクスと導電性粒子とを含み、(a)フリー層とピン層との層間結合が約50Oe以下であるか、(b)フリー層の保磁力が約30Oe以下であるかのうち少なくとも一方である前記グラニュラースペーサを備える前記磁気センサを提供する。上記は、デバイス内に実装することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
スピンバルブ構造を有する記録媒体を読み取る磁気センサ(読み取りヘッド)は、グラニュラースペーサとフリー層とピン層で構成される。グラニュラースペーサは、フリー層とピン層の間に挟持されている。フリー層はハードディスク等の媒体から生成される外部磁界に応答して調整可能な磁化方向を有し、ピン層は実質的に磁化方向が固定された。グラニュラースペーサは、絶縁性マトリクスと磁性粒子を含む。磁性粒子のうちの少なくとも一つが、ナノ−コンタクトとして役立つ。
【0033】
前述の薄膜は、磁気抵抗デバイスにて用いることができる。例えば、限定するものではないが、グラニュラー薄膜はマトリクスが絶縁性であるときにBMRセンサ内のスペーサとして用いることができる。BMRセンサの構造は、スペーサの組成を除き前述したものである。
【0034】
本発明では、用語「読み取りヘッド」は用語「磁気センサ」と相互交換可能に用いられ、記録媒体からデータを検出する装置全体を指す。この点で、「磁気センサ」は「磁気抵抗効果素子」の一特定種であり、明細書中で磁気センサを用いる場合、そこでは当業者には知られる如く他の磁気抵抗効果素子(例えば、随時読み書き可能メモリ等)で置換することができる。
【0035】
加えて、用語「磁気抵抗効果素子」は本技術分野において当業者には理解される如く、「磁気抵抗効果素子」及び/又は「磁気抵抗素子」を含むよう定義してある。しかしながら、本発明はこれに限定するものではなく、当業者には理解される如く本発明範囲を狭めることなく他の定義をそれ用に置換することができる。さらに、用語「スピンバルブ」は読み取りヘッド層で出来上がった特別な構造を指すのに用いるものである。
【0036】
本発明では、スペーサの膜厚は約2nm〜10nmである。BMRセンサは、約50Oe以下で、好ましくは約20Oe以下のフリー層とピン層の間の層間結合を有する。さらに、このフリー層は約30Oe以下で、好ましくは20Oe以下の保磁力を有する。
【0037】
一般に、BMRセンサは第2の強磁性層から第1の強磁性層を仕切るグラニュラースペーサを含む。このスペーサは、基板(本願明細書ではターゲットとも呼ぶ)上に作用する主イオンビームと基板上に蒸着したスパッター材料に作用するよう生成される支援イオンビームとを含むスパッタリングにより作成される。
【0038】
ターゲットには少なくとも二つの材料を持たせ、その一つを磁性とし、他を磁性材料よりも高い酸化を有する隔離体すなわち金属からなる非磁性材料とする。例えば、限定するものではないが、ターゲットは、その上に導電磁性材料チップを有する非磁性マトリクスを有するターゲットか、或いは多数の非磁性及び磁性材料料塊を有するターゲットとすることができる。
【0039】
グラニュラースペーサは、積層方向から見たときの磁性粒子の直径が約10nm以下で、好ましくは約5nm以下の直径を有する上記に開示した導電性ナノ粒子を含み、ここではスペーサの膜厚は約5nm未満としてある。磁性粒子(ナノ粒子)はニッケルとコバルトと鉄のうちの一つを含み、絶縁性マトリクス(絶縁体)は三酸化アルミニウムや窒化アルミニウムや二酸化ケイ素や四窒化ケイ素等の酸化物或いは窒化物を用いることができる。
【0040】
より具体的には、本発明では、BMRセンサはそれぞれがニッケルと鉄とコバルトのうちの一つで構成した1以上の強磁性層を含むピン層とフリー層を含む。例えば、限定するものではないが、合成ピン層及び/又は合成フリー層をBMRセンサの一部とすることができる。本発明はBMRセンサ向けであるため、MR素子の多層膜厚とボトムシールド及びトップシールド上の電極を検出電流が流れる。
【0041】
合成層は、銅と銀と金とイリジウムと白金と鉛とルテニウムとロジウムのうちの少なくとも一つで出来た薄肉層を介して反強磁性的に結合された少なくとも二つの強磁性層で構成してある。
【0042】
ピン層に加え、反強磁性(AFM)層をピン層とフリー層の間にスペーサとは反対側のピン層側面に配設することができる。AFM層はX−マンガン又はXY−マンガン等のマンガン合金のような材料を含み、ここでXとYは白金とイリジウムと鉛とルテニウムとロジウムとオスミウムと鉄とニッケルで出来ており、XはYと異なり、好ましくは白金・マンガンかイリジウム・マンガンである。背景技術に関して前記した如く、AFM層は交換結合によりピン層磁化をほぼ(すなわち、本発明を適用するデバイスからの「雑音」等の外部磁化効果を除き)固定する。AFM層の膜厚は、約5〜20nmである。
【0043】
上記開示したAFM層の代替例として、ピン層と硬質磁石の組み合わせを用いることもできる。例えば、限定するものではないが、コバルト・サマリウムとX・白金とX・白金・クロムとX・白金・クロム・ホウ素のうちの少なくとも一つを含む硬質磁性層に反強磁性結合させたコバルトと鉄とニッケルの少なくとも一つで作成でき、ここでXは鉄やコバルトや鉄・コバルト、好ましくはコバルト・白金や鉄・白金やコバルト・クロム・白金である。
【0044】
かくして、本発明は一実施形態においてBMRセンサ内で使用可能な薄膜層と、薄膜及びBMRセンサを製造する方法に関するものである。
【0045】
図6は、本発明方法に従い本発明実施形態を製造する真空蒸着室1を示す。主イオンビーム源2が、イオン8を有する主イオンビーム(第1のイオンビーム)を生成する。例えば、限定するものではないが、主イオンビーム内にアルゴンガスを用いることができる。合成ターゲット(すなわちプレート)3には、絶縁体(例えば、三酸化アルミニウムや窒化アルミニウムや二酸化ケイ素)と合成ターゲット3の面に積層した等間隔に離間する金属チップ(例えば、ニッケル又はコバルト・鉄)とを含む少なくとも二つの材料が含まれる。
【0046】
ターゲット3は正方形状にて図示したが、他の形状を用いることもできる。さらに、磁性材料チップの量を可変し、所定百分率の絶縁体(例えば、アルミナ絶縁体)を被覆することができる。例えば、限定するものではないが、絶縁性マトリクスの表面の約10〜40%を磁性材料チップで被覆することができる。合成ターゲット3にイオンビームとして照射されるイオン8により、磁性材料と絶縁材料からなるスパッターされた粒子10が生成される。
【0047】
磁性材料と絶縁材料からなるスパッターされた粒子10は、ホルダ4上に配置された基板9上に堆積される。基板9上の金属性のスパッターされた磁性粒子が粒子(ナノ粒子)を形成し、基板9上の絶縁材料を基とするスパッターされた絶縁粒子が粒子を囲繞する絶縁性マトリクスを形成し、かくしてグラニュラースペーサが形成される。粒子のうちの少なくとも一つがグラニュラースペーサの両面に達し、かくしてピン層とフリー層の両方に当接する。
【0048】
さらに、支援ビーム5が基板9への粒子10のスパッタリングとほぼ同時又はその後にイオンを生成する。支援ビーム5からのこれらのイオンは基板9とホルダ4の方向へ照射される。支援ビーム5はさらに、基板9の表面形態を改善することで蒸着工程を最適化する。
【0049】
加えて、支援ビーム5は良好な化学量論としかるべき良好な結晶成長とをもたらす。例えば、限定するものではないが、支援ビーム5は不要な一酸化アルミニウム生成物とは対照的に三酸化アルミニウムの形で良好なアルミナを生成するのに役立つ。
【0050】
加えて、主イオンビーム源2が生成するイオンビームと支援ビーム5を、それぞれ中和器6,7により作用させる。各中和器6,7は、イオンビームが生成するものとは反対の極性に帯電した粒子10(電子)を生成し、第1のビーム及び/又は第2のビームのイオンを照射する。図1には両中和器6,7を示したが、中和器の一方又は他方を用いることができ、両方は不要である。
【0051】
中和器6,7は、ビームを同質の合焦状態に保つことで背景技術の分散問題を回避し、分散問題を排除する。かくして、適正ビーム密度を得ることができる。さらに、中和器6,7はターゲット3表面近くでの正イオンの蓄積が原因でターゲット3が放電しないようにしている。
【0052】
図6に示した幾何構造は単に例示的なものであり、異なる位置及び/又は大きさの構成要素を有する他の幾何構造もまた本発明に使用することができる。図7に示す如く、ターゲット3と基板9とホルダ4の間の角度は約0〜180度間で可変することができる。
【0053】
BMRセンサのスペーサ層では、その表面は支援ビーム5の使用により相当により平滑化して作成することができる。その結果、本発明は上記に説明した構造を有する背景技術のBMRセンサのスペーサ層を提供するのに用いられ、MRAMや磁界センサ等(ただし、これらに限定はしない)等のMR効果を用いる他デバイスにも適用することができる。前述の作成方法に基づく改善された薄膜のお陰で、BMRセンサのスペーサは以下にさらに説明する如く改善される。
【0054】
本発明は、異なる大きさと調整可能な固有特性を有する分離されたナノ粒子を製造する従来の課題を解決するものである。例えば、限定するものではないが、図8に示す如く、全表面域に30%のニッケルを有する三酸化アルミニウム絶縁体マトリクスを備えるターゲット3を、全表面域に20%のニッケルを有する三酸化アルミニウム絶縁体マトリクスを備えるターゲット3と比較する。
【0055】
図8中、ニッケル20%の試料は磁化状態が印加磁界に対してほぼ線形である常磁性状態を有する。他方、ニッケル30%の試料は強磁性状態(すなわち、ヒステリシスループ)を有する。図8に示した両事例にて得られる結果に対する蒸着室の条件を、表1に以下示す。
【0056】
【表1】

【0057】
加えて、本発明により得られる結晶学的構造(ニッケルの場合は111方位)は、図9に示す如く改善されている。図8の上述の二つの試料では、X線回折を用いて回折強度を計測角度の関数として計測した。30%試料は、20%試料よりも相当に高い(111)ピーク強度を有した(約44度)。
【0058】
前述の本発明の例示的な非限定実施形態の結果の一例として、図10(a),(b)は透過型電子顕微鏡(TEM;transmission electron microscopy)を用いて得られる像を示す。図10(a)は、イオンビームスパッタリングにより得られるニッケルのナノ粒子(三酸化アルミニウムのマトリクス内の約20%ニッケル)のTEM画像を示し、図10(b)は前述のTEM画像の拡大された領域を示す。
【0059】
本発明の例示的な非限定実施形態を用い、約2nmの大きさを有する良好に分離された粒子を作成することができる。図10(b)に示す如く、秀逸な結晶構造が得られ、格子縞20が観察される。
【0060】
前述の問題に加え、本発明の例示的な非限定実施形態はナノ挟搾域(BMR等)を有する磁気抵抗デバイスに関するものであり、それ故にフリー層保磁力及びフリー層とピン層の間の層間結合を最小化しなければならない。本発明の支援ビーム5の使用がスペーサ層の面形態を改変し、それによって保磁力と層間結合が相当に低減される。
【0061】
前述の本発明の例示的な非限定実施形態の実装では、MR読み取りヘッド向けにスピンバルブを製造する。スピンバルブの製造工程を、以下に説明する。
【0062】
先ず、ピン層及びその全ての下部層を、
ニッケル・クロム(50)/白金・マンガン(130)/コバルト・鉄(30)/ルテニウム(8)/コバルト・鉄(40)を含むスピンバルブのボトムを直流又は高周波スパッタリングすることで蒸着する。括弧内の個別層の膜厚は、オングストローム単位である。一旦スピンバルブのこのボトムを背景技術方法により作成すると、得られた製品は本発明のイオンビームスパッタリングシステムヘ移送する。
【0063】
この時点で、粗エッチングにて10Åの余分なコバルト・鉄を取り除き、ピン層上面の清掃をもたらす。次に、真空を破壊することなく、ニッケル−三酸化アルミニウムのグラニュラースペーサを除き、直流又は高周波スパッタリングにより本発明の蒸着室内に以下の構造を蒸着する。すなわち、
ニッケル・三酸化アルミニウム(15)/ニッケル・鉄(30)/タンタル(20)である。ナノ構造スペーサを備えるスピンバルブ全体を、摂氏270度で3時間に亙り8kOeの磁界を印加して焼鈍する。
【0064】
前述の方法により、以下に開示し表2に示す如く、各試料内で変化させたスペーサのニッケル−三酸化アルミニウムに関する蒸着条件を用いて3個の試料を作成した。支援ビームを用いずにイオンビームスパッタリングを用いて蒸着した基準試料と、異なる支援ビーム電流(140と160mA)を用いて蒸着した他の3個の試料である。これらの値は、それぞれ117と132Wのビーム出力に対応する。
【0065】
表2から判るように、ピン層とフリー層の間の保磁力Hcと層間結合Hinterは支援ビーム条件に強く依存する。支援ビームを用いない場合、Hinterは非常に高く、そのことで基準試料は読み取りヘッドや他の磁気抵抗デバイスで使用不可能となる。20〜30Oeのフリー層保磁力に対する背景技術BMR要件に比べ、基準試料は75OeのHc値を有する。20Oe未満のフリー層保磁力がもっと優れることに、留意されたい。さらに、上記の従来技術は約2,500Oeという値を有しており、かくしてBMRセンサでの使用には相当に高いものとなる。
【0066】
140mAの支援ビームを用いることで、低電流についてHinterの僅かな減少が存在する。例えば、保磁力は30Oe(すなわち、約60パーセント)へ減少し、層間結合は360Oe(すなわち、約11パーセント)へ減少する。
【0067】
しかしながら、140mAを超える電流ではHcとHinterの劇的な減少が観察された。例えば、保磁力は30Oeから20Oeへ約33パーセント減少し、層間結合は約360から25へ、約93%減少した。この予期しない減少は、支援ビーム電流におけるたった20mAの増大から生ずるものである。
【0068】
【表2】

【0069】
支援ビームを一切使用しない基準試料により表わされる背景技術は、支援ビームの使用時に両パラメータにおける予期しない劇的な減少とは対照的に相当高いHcとHinterを有する結果を生み出す。この種のスペーサ層を用いるBMRデバイスでは、HcとHinterの低減された値はフリー層とスペーサの間の増大した平滑性に依る。
【0070】
本発明では、好ましくはグラニュラー層の上面はグラニュラー薄膜上に強磁性層を蒸着させる前にエッチングする。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、この種エッチングを行なわない他の方法を適用することもできる。
【0071】
本発明の別の例示的な非限定実施形態では、ナノ粒子作成用に別の方法が用いられる。本方法によれば、ナノ非磁性導電材で出来たターゲットを用い、その上に磁性チップを均一に配置する。上記の主イオンビームと支援ビームを用いることで磁性材料と非磁性材料を同時蒸着させた後、酸化を実行し、磁性ナノ粒子に影響を及ぼすことなく非磁性導電部だけに酸化を施す。
【0072】
随意選択的ではあるが、ナノ−コンタクトの清浄な上面を作成するのに平滑エッチングを用いる。異なる酸化工程を用いることもできるが、自然酸化が好ましい。自然酸化工程は、蒸着後に酸素ガスを流すことで実行する。この場合、非磁性導電材は磁性材料よりも相当に高い酸化速度を有する範疇から選択すべきである。
【0073】
磁気抵抗デバイスの蒸着は、一又は多数の蒸着室内で行なわれる。例えば、プラズマ・スパッタリング室を用い、バッファ層とAFM層と単一或いは合成ピン層とを蒸着する。次に、イオンビーム蒸着室を用意し、イオンエッチングを用いてピン層上面を清掃した後にグラニュラースペーサを蒸着する。
【0074】
フリー層とキャップ層は、真空を破壊したり追加の異なる蒸着室を用いたりせずに、同じイオンビーム室を用いて蒸着することができる。グラニュラースペーサ付きスピンバルブ薄膜は、多ステップ蒸着工程にて作成することができる。
【0075】
加えて、前述の実施形態は概ね磁気抵抗読み取りヘッド用の磁気抵抗素子に関するものである。この磁気抵抗読み取りヘッドは、任意数のデバイスに随意選択的に用いることができる。例えば、限定するわけではないが、前記の如く、読み取りヘッドはハードディスク装置(HDD)磁気記録デバイス内に含めることができる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、バリステック磁気抵抗効果を用いる他のデバイスもまた本発明の磁気抵抗素子で構成することができる。例えば、限定するものではないが、磁気RAM(すなわち、ナノ−コンタクト構造を備える磁気メモリデバイス、すなわちデバイス)もまた本発明を採用することができる。本発明のこの種の応用例は、本発明範囲内にある。
【0076】
本発明は、上記の特定の実施形態に限定されるものではない。特許請求範囲に規定する本発明の趣旨ならびに範囲から逸脱することなく、本発明に対し多くの改変をなし得ることは熟慮されたい。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】図1(a),(b)は膜面内磁化と膜面垂直磁化をそれぞれ有する背景技術磁気記録方式を示す図である。
【図2】図2(a)〜(c)は背景技術のボトム型とトップ型と複式のスピンバルブを示す図である。
【図3】磁気抵抗読み取りヘッド用の背景技術合成スピンバルブを示す図である。
【図4】シールド構造を有する背景技術合成スピンバルブを示す図である。
【図5】図5(a)〜(c)は各種背景技術磁気センサシステムを示す図である。
【図6】本発明の例示的な非限定実施形態になる薄膜層用のナノ寸法磁性粒子の作成装置を示す図である。
【図7】本発明の例示的な非限定実施形態になる基板に対するターゲット位置間の角度関係の変更を示す図である。
【図8】本発明により二つの試料について計測した正規的磁化と保磁力の間の関係を示す図である。
【図9】本発明になる二つの試料に関する計測角度の関数としてのX線回折を示す図である。
【図10】図10(a),(b)は本発明の例示的な非限定的方法により生成した粒子を示す図である。
【符号の説明】
【0078】
1 真空蒸着室
2 主イオンビーム源
3 合成ターゲット
4 ホルダ
5 支援ビーム
6,7 中和器
9 書き込み素子
10 スパッターされた粒子
11 読み取り素子
13 シールド
15 読み取り電流
17 書き込み電流
20 格子縞
21 フリー層
23 スペーサ
25 ピン層
27 反強磁性(AFM)層
29 スペーサ
31 第2のピン層
33 第2のAFM層
35 第1の副ピン層
37 ピン層スペーサ
39 第2の副ピン層
40 キャップ
43 トップシールド
45 ボトムシールド
47 強磁性領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラニュラー薄膜の製造方法であって、
非磁性材料と磁性材料を含むターゲットに第1のイオンビームを照射して、前記磁性材料と前記非磁性材料を含むスパッターされた粒子を生成するステップと、
前記磁性材料と前記非磁性材料を含む前記スパッターされた粒子を基板に堆積するステップと、
第2のイオンビームを用いて前記基板を処理し、約30Oe未満の保持力を有する前記グラニュラー薄膜を形成するステップと、を備えた方法。
【請求項2】
第一のイオンビーム又は第2のイオンビームのイオンとは反対に帯電したイオンを生成し、前記第1のイオンビームと前記第2のイオンビームのうちの少なくとも一方のイオンを照射する中和器を備えた請求項1記載の方法。
【請求項3】
高周波又は直流スパッタリングによりピン層とフリー層の一方を生成するステップを備えた請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記グラニュラー薄膜の表面に前記粒子のうちの少なくとも一つがくるまで前記グラニュラー薄膜の表面をエッチングするステップをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
磁気抵抗効果素子であって、
外部磁界に応答して磁化方向が変化するフリー層と実質的に磁化方向が固定されたピン層との間に挟持したグラニュラースペーサで、絶縁性マトリクスに磁性粒子を含み、(a)前記フリー層と前記ピン層との層間結合が約50Oe以下であるか、(b)前記フリー層の前記保磁力が約30Oe以下であるかのうち少なくとも一方である前記グラニュラースペーサを備える磁気抵抗効果素子。
【請求項6】
前記グラニュラースペーサは、
磁性材料からなる複数チップと非磁性絶縁材料で構成されたターゲットに第1のイオンビームを照射してスパッターされた磁性粒子と絶縁粒子を生成するステップと、
前記磁性材料と前記絶縁材量を含む前記スパッターされた粒子を前記ピン層を含む基板に堆積するステップと、
第2のイオンビームを用いて前記基板を処理し前記グラニュラースペーサを形成するステップで、前記スパッターされた磁性粒子が前記磁性粒子を形成し、前記スパッターされた絶縁粒子が前記絶縁性マトリクスを形成する前記ステップとにより作成する、請求項5記載の磁気抵抗効果素子。
【請求項7】
前記磁性粒子のうちの一つは、約10nm未満の直径を有するナノ粒子である、請求項5記載の磁気抵抗効果素子。
【請求項8】
前記磁性粒子は、約5nm未満の直径を有する結晶性ナノ粒子である、請求項7記載の磁気抵抗効果素子。
【請求項9】
前記グラニュラースペーサは、約5nm未満の膜厚を有する、請求項5記載の磁気抵抗効果素子。
【請求項10】
前記フリー層と前記ピン層の層間結合磁界は、約50Oe未満である、請求項5記載の磁気抵抗効果素子。
【請求項11】
前記フリー層の保磁力は、約30Oe未満である、請求項5記載の磁気抵抗効果素子。
【請求項12】
前記ピン層と前記フリー層はそれぞれ、少なくとも一つの強磁性層を備える、請求項5記載の磁気抵抗効果素子。
【請求項13】
前記ピン層と前記フリー層のうちの少なくとも一方が、銅と銀と金とルテニウムとロジウムのうちの少なくとも一つで出来た非磁性金属層を介して積層した複数の強磁性層を含む、請求項12記載の磁気抵抗効果素子。
【請求項14】
前記ピン層上に前記グラニュラースペーサとは反対側に配置した反強磁性(AFM)層をさらに備え、該AFM層が少なくとも一つのマンガン合金を含む、請求項5記載の磁気抵抗効果素子。
【請求項15】
前記少なくとも一つのマンガン合金は、白金・マンガンとイリジウム・マンガンを含む、請求項14記載の磁気抵抗効果素子。
【請求項16】
前記ピン層は、鉄とコバルトと鉄・コバルトのうちの少なくとも一つをXで表わしたときに、コバルト・サマリウムとX・白金とX・白金・クロムとX・白金・クロム・ホウ素を含む硬質磁性層に反強磁性的に結合したコバルトと鉄とニッケルのうちの少なくとも一つを有する強磁性層で構成した、請求項5記載の磁気抵抗効果素子。
【請求項17】
磁気抵抗効果素子の上部と下部に電極を設け、これら電極を介して前記ピン層及び前記フリー層の積層方向に略垂直にセンス電流を流す、請求項5記載の磁気抵抗効果素子。
【請求項18】
前記磁気抵抗効果素子は、前記ピン層の配置をボトム型とトップ型と複式のうちの一つとした、請求項3記載の磁気抵抗効果素子。
【請求項19】
デバイスであって、
外部磁界に応答して磁化方向が変化するフリー層と実質的に磁化方向が固定されたピン層との間に挟持したグラニュラースペーサで、絶縁性マトリクスと磁性粒子とを備え、(a)前記フリー層と前記ピン層との層間結合が約50Oe以下であるか、(b)前記フリー層の前記保磁力が約30Oe以下であるかのうち少なくとも一方である前記グラニュラースペーサを備える、デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−186345(P2006−186345A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−346978(P2005−346978)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】