説明

複合リングの製造方法および装置

閉鎖形状を有し、連続リングの形にあり、補強用繊維と架橋性樹脂をベースとする複合体ブロックの、上記架橋性樹脂を含有する組成物をベースとするマトリックス中に組込んだ上記補強用繊維のテープの所定数Ncの層を重ね合わせて連続して巻付けることによる製造方法;該方法は、開始時から終了時までに、下記の工程を含む:
・補強用繊維(11)の直線配列体(12)を形成し、この配列体を供給方向(F)に搬送する工程;
・上記繊維配列体(12)を真空の作用下(13)に脱ガスする工程;
・脱ガス後、上記繊維配列体(12)に液状の上記樹脂組成物(17)を含浸させる工程;
・そのようにして得られた予備含浸体をダイ(20)に通して、該予備含浸体上に、液体樹脂マトリックス(17)中の上記補強用繊維(11)からなるテープ(21)の形状を組付け、該テープの厚さ(Er)が0.1mm〜0.5mmであるようにする工程;
・ダイ(20)から離脱させるとき、表面処理(22)を上記テープ(21)の上面に施して、その厚さ(Ep)が上記テープの厚さErの10%未満を示す固形皮膜を形成させ、該皮膜が、その後のテープ(21)の皮膜自体上への巻き付けのための安定な基体として作用するようにする工程;
・そのようにして表面処理したテープ(21)を、上記複合体ブロックの最終形状を決定する支持体(23)上に付着させ、上記テープ(21)を、15層未満である数Ncの層を重ね合わせて上記連続リング(30)を上記支持体(23)上に直接形成させることによって、上記支持体(23)上に一方向に巻き付ける工程。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維と硬化性樹脂をベースとする複合材料、そのような材料から製造した複合品、並びにそのような材料または複合品を製造するのに使用する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
EP-A-1 074 369号は、所定の厚さを有し、凸形状を有し、少なくとも1つの好ましい補強方向に平行な補強用繊維を含み、上記繊維がイオン化放射線によって硬化させることのできる樹脂を含有する組成物をベースとするマトリックス中に埋込まれている複合体部分の製造方法を記載しており、該方法は、下記の工程を含む:
‐上記補強用繊維を実質的に平面に平行に配列し、これらの繊維に液状の上記組成物を含浸させる工程;
‐上記所定厚よりも薄い厚さを有する層内に上記繊維を含有する組成物をイオン化放射線に暴露して上記樹脂を部分的に重合させて、上記組成物が固相内にあるプレコンポジットを得る工程;
‐そのようにして得られた固形プレコンポジットから基本部分を取出し、これらの基本部分を上記所定厚によって決まる数でもって互いに重ね合せることにより、これらの基本部分を表面が形状的に平坦でない支持体に適用して、これら基本部分に上記支持体の形状を厳密に合致せしめ、それによって応力化基本部分のスタック(積み重ね)を作製する工程;
‐最後に、そのようにして得られた積重ね体を高温および高圧下に最終成形に供して樹脂の重合を続行させ、それによってプレコンポジットの各部分を互いに締め付ける工程。
【0003】
上記の方法により、とりわけ自動車用の非空気式タイヤの製造において使用することのできる複合品を得ることは可能である。
しかしながら、この方法による1つの欠点は、樹脂系マトリックスが固化した後に、最初に固形プレコンポジットを基本部分に切断し、次いで、応力化基本部分を所望の最終形状で重ね合せることを必要とすることであり、このことは、工業的見地からは不利益である多くの連続取扱い操作および高製造速度の探求に対するアンチテーゼを示している。
【0004】
EP-A-1 174 250号は、その一部において、下記のことを提案している:
‐繊維の配列体を、含浸させる前に脱ガスすること;
‐真空含浸後に、液体含浸物を予め決定した断面および予め決定した形状を有するサイジングダイに通して、上記含浸物に所定の形状、例えば、丸型断面のスレッドの形状(例えば、図1〜3参照)または、より具体的には、テープ形状(図4〜7)を与えること;
‐その後、ダイの下流において、上記のスレッドまたはテープを、UV・可視スペクトルを発出する一連の照射管(例えば、図1および4においてそれぞれ131および231と参照付けしている)を含む安定化用チャンバーとして知られるチャンバー内で樹脂を実質的に固化させることによって安定化させること;
‐そして、最後に、上記固形(安定化) スレッドまたはテープを、中間保存のために、大直径受入れスプール(例えば、図1において141と参照付けしている)に巻付けること。
【0005】
その後、複合品は、固形層中のスレッドまたはテープを任意の適切な形状の支持体上にほどき、次いで再巻付けすることによって製造し得る。
しかしながら、予備応力化部分を切断し組立てるという以前の欠点はそのようにして除外されるものの、上記の第2方法は、第1方法と同様に、樹脂の固化(重合)操作を実質的厚さの材料上で実施して、製品が十分に“安定化”されるようにすること、即ち、その後の最終複合品の製造操作において、製品を破壊することなく操作し得るようにすることを必要としている。この要件は、とりわけ高生産量で操作することが望まれる場合に十分な処理強度を得るためには、直列の数本の照射管を含む実質的長さの安定化用チャンバーの使用を必要とする。
【発明の概要】
【0006】
研究を追い求めて、本出願法人は、連続リングの形の極めて高品質の複合品の製造を可能にする新規な方法を、上記EP-A-1 174 250号に記載されているような安定化用チャンバーおよびその一連のUV照射管を全く単純に省くことによって見出した。これによって、製造方法と装置はかなり単純化され、同時に、意図する複合体ブロックの最終工業コストもかなり節減される。
【0007】
従って、本発明の1つの主題は、閉鎖形状を有し、連続リングの形にあり、補強用繊維と架橋性樹脂をベースとする複合体ブロックの、上記架橋性樹脂を含有する組成物をベースとするマトリックス中に組込んだ上記補強用繊維のテープの所定数Ncの層を重ね合わせて連続して巻付けることによる製造方法であり、該方法は、開始時から終了時までに、下記の工程を含むことを特徴とする:
・補強用繊維の直線配列体を形成し、この配列体を供給方向に搬送する工程;
・上記繊維配列体を真空の作用下に脱ガスする工程;
・脱ガス後、上記繊維配列体に液状の上記樹脂組成物を含浸させる工程;
・そのようにして得られた予備含浸体をダイに通して、該予備含浸体に、液体樹脂マトリックス中の上記補強用繊維からなるテープの形状を与え、該テープの厚さ(“Er”と記す)が0.1mm〜0.5mmであるようにする工程;
・ダイから離脱させるとき、表面処理を上記テープの上面に施して、その厚さ(Epと記す)が上記テープの厚さErの10%未満を示す固形皮膜を形成させ、該皮膜が、その後のテープの皮膜自体上への巻き付けのための安定な基体として作用するようにする工程;
・そのようにして表面処理したテープを、上記複合体ブロックの最終形状を決定する支持体上に付着させ、上記テープを、15層未満である数Ncの層を重ね合わせて上記連続リングを上記支持体上に直接形成させることによって、上記支持体上に一方向に巻き付ける工程。
【0008】
予期に反して、浅くはあるが深さEpに亘るそのような表面処理が、そうであるにもかかわらず、上記テープをそれ自体上にNc重ね合せ層として巻付けるときに、順位Nの層(Nは1〜Nc-1で変化する)がこの層に直接続く順位N+1層のための十分に安定な支持体として作用するのに十分であり、従って、補強用繊維が1つの層Nから下位順位の層(N-1、N-2等)に移行するのを阻止することを見出した。
【0009】
また、本発明は、閉鎖形状を有し、連続リングの形にあり、補強用繊維と架橋性樹脂をベースとする複合体ブロックの、上記架橋性樹脂を含有する組成物をベースとするマトリックス中に組込んだ上記補強用繊維のテープを複数の層内に重ね合わせて連続して巻付けることによる製造用装置であり、該装置は、開始時から終了時までに、下記の手段を含むことを特徴とする(図1および2に関連して):
・補強用繊維(11)の直線配列体を形成させる手段(10)、および前記配列体(12)を供給方向(F)に搬送する手段(23);
・真空チャンバー(13、13a、13b);
・前記真空チャンバーからの出口における、上記繊維(11、12)に液状の上記樹脂組成物(17)を含浸させることを意図する含浸チャンバー(14、15、16、17、18);
・少なくとも1個のサイジングダイ(20)を含んで繊維(11)および液状の樹脂(17)を含むテープ(21)を形成させるサイジング手段(19、20);
・上記テープ(21)の上面を固化させることのできる表面処理手段(22);
・上記テープ(21)を受入れて複合リング(30)を上記テープの複数層の一方向重ね合せ巻き付けによって形成させることを意図する、閉鎖形状、好ましくは凸状の支持体またはマンドレル(23)。
【0010】
本発明および本発明の他の利点は、以下の詳細な説明および実施態様に照らして、さらに、これらの実施態様に関連し、本発明の方法を実施するのに使用することができる装置(図1)、本発明の方法に従って得られた複合体ブロック(連続基本リング) (図2)、非空気式弾性タイヤ(図4)用の補強用構造体を構成することのできる複数の複合体ブロックのアッセンブリの1つの実施態様(図3)を略図的に示している図面に照らして容易に理解し得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の方法を実施するのに使用することができる装置を略図的に示す。
【図2】本発明の方法に従って得られた複合体ブロック(連続基本リング)を略図的に示す。
【図3】非空気式弾性タイヤ用の補強用構造体を構成することのできる複数の複合体ブロックのアッセンブリの1つの実施態様を略図的に示す。
【図4】可撓性非空気式タイヤの部分透視図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本説明においては、特に明確に断らない限り、使用するパーセントは、全て質量%である。
本発明の方法の最初の3工程(配列、脱ガスおよび含浸)は、使用する材料(繊維および樹脂組成物)と同様に、当業者にとって既知の工程である;これらの工程は、例えば、2つの前述のEP-A-1 074 369号およびEP-A-1 174 250号の一方および/または他方に記載されている。
任意のタイプの補強用繊維を、その繊維がその架橋性樹脂マトリックスと適合性であることを条件として使用し得る。このような繊維は、例えば、ポリアクリル繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリビニルアルコール繊維、芳香族ポリアミド(または“アラミド”)繊維、ポリアミド-イミド繊維、ポリイミド繊維、クロロ繊維、ポリエステル繊維、芳香族ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、セルロース、レーヨン、ビスコース、ポリフェニレンベンゾビスオキサゾール(または“PBO”)繊維、ポリエチレンナフタレート(“PEN”)繊維、ガラス繊維、炭素線維、シリカ繊維、セラミック繊維、およびそのような繊維の混合物からなる群から選ばれる。高強靱性繊維、とりわけ、ガラス繊維、炭素線維およびそのような繊維の混合物からなる群から選ばれる繊維の使用が好ましい。
【0013】
繊維の含浸を開始する前は、いずれも、繊維の配列体を真空の作用により脱ガスして、とりわけ含浸効率を高め且つ、何にもまして、最終複合リング内に気泡が確実に存在しないようにしなければならない。このような脱ガス工程は、上記のEP-A-1 174 250号に記載されている。
使用する樹脂組成物は、好ましくは、例えば、UVまたはUV・可視タイプの、好ましくは少なくとも300nm〜450nm範囲のスペクトルにおいて加速電子またはX線ビームを発出する放射線のようなイオン化放射線によって架橋(または硬化)させることのできるタイプの組成物である。
架橋性樹脂としては、好ましくは、ポリエステル樹脂またはビニルエステル樹脂を使用する。“ポリエステル”樹脂は、知られている通り、不飽和ポリエステルタイプの樹脂を意味する。ビニルエステル樹脂は、その1部については、複合材料に分野においては周知である。
限定するものではないが、ビニルエステル樹脂は、好ましくは、エポキシビニルエステルタイプである。さらに好ましくは、とりわけ、ノボラックを少なくとも部分的にベースとする(即ち、上記タイプの構造体上にグラフトさせた) (フェノプラストとしても知られている)および/またはビスフェノール樹脂であるか、または好ましくはエポキシノボラックビニルエステル樹脂、ビスフェノールエポキシ樹脂であるか、またはノボラックおよびビスフェノール樹脂であるエポキシタイプのビニルエステル樹脂を使用する。
【0014】
エポキシノボラックビニルエステル樹脂(下記の式I中の角カッコ内の部分)は、例えば、知られているように、下記の式(I)に相応する:
【0015】
【化1】

【0016】
ビスフェノールAエポキシビニルエステル樹脂(下記の式II中の角カッコ内の部分)は、例えば、下記の式に相応する(“A”は、生成物を、アセトンを使用して製造していることを示す):
【0017】
【化2】

【0018】
ノボラックまたはビスフェノールタイプのエポキシビニルエステル樹脂は、優れた結果を示している。そのような樹脂の例としては、とりわけ、上記のEP-A-1 074 369号およびEP-A-1 174 250号に記載されているDSM社の“ATLAC 590”ビニルエステル樹脂(約40%のスチレンで希釈した)を挙げることができる。そのようなエポキシビニルエステル樹脂は、Reichhold社、Cray Valley社、UCB社のような他の製造業者からも入手可能である。
【0019】
“サイジング”ダイとして知られているダイは、一般的にまた好ましくは矩形の所定寸法の断面を有することにより、樹脂の補強用繊維に対する割合を調整すると同時に含浸体にテープの必要とする形状と厚さを与えることを可能にする。
その後、本発明の方法は、サイジングダイからの出口において、またテープをその最終支持体上に一方向に巻付ける前に、究極(extreme)の表面処理と称し得る特定の表面処理を上記テープの上面上に組入れて固形皮膜、即ち、その厚さEpがテープの厚さErの10%未満、好ましくは5%未満を示す極めて薄いフィルムを形成させるという本質的な特徴を有する。
【0020】
この表面処理の存在なしでは、まだ“液体”である(即ち、当然のこととして、補強用繊維がまだ液体樹脂マトリックス中にある)複合体自体上への巻付けは、生産量を増大すべき場合は、極めて難しいことが判明している。寄生“切断”効果(“キャプスタン(capstan)効果”としても知られている)が生じ、それによって固形繊維が液体樹脂を掘削するリスクが存在する:繊維は、その場合、受入れマンドレルの瞬間曲率中心に向って移動する傾向を有し、樹脂はそれ自体瞬間中心から離れる傾向を有する;この傾向は、その後、複合品の容積を通じて全く均一でない繊維と樹脂の分布を生じ、製造した複合体の機械的性質および耐久性を損ない得る圧縮不均等性をもたらす。
【0021】
上記の本質的な事項は、上記の上面が、そのようにして形成された固形皮膜により、テープをその後それ自体上に巻付けるときに、結果として上記テープをより深く、従って、より強く処理することなく、十分に安定である基体または支持体として作用することである。処理強度は、樹脂の架橋が、Nc層のテープの巻付けおよび積重ねを、上述した寄生“キャプスタン”効果をもたらすことなく可能にするのに辛うじて十分であるような方法で調節する。しかしながら、そのような浅い深さEp上にそのようにして表面処理したテープは、上記のEP-A-1 174 250号の用語内では、如何なる形でも“安定”であると言うことはできない;換言すれば、そのような処理では、テープは、破壊することなしには取扱うことはできない。
上記した全ての理由により、そのようにして形成された皮膜またはフィルムの厚さは、好ましくは2〜10μm、より好ましくは3〜10μmである。
【0022】
テープ上面の固化は、任意の高度に局在化させた適切な処理手段、好ましくは含浸組成物を架橋または重合させる十分な誘発手段によって得ることができる。例えば、とりわけUVタイプの、好ましくは含浸組成物中の光開始剤の存在下に実施するイオン化処理を挙げることができる。
“固形”皮膜が本出願において意味するのは、定義すれば、その特徴がアセトンのような有機溶媒中で周囲温度(23℃)において可溶性ではない皮膜である。アセトン中での溶解性の簡単な試験は、そのように処理したテープの試験片を、テープが後述する処理手段22を出ると直ぐに採取し、試験片を多量のアセトン中で少なくとも2分間周囲温度(23℃)にて洗浄し、すすぐことからなる:その後、いくらかの固形補強用繊維を別にして、テープの厚さErの10%未満を示す厚さEpを有し、好ましくは3〜10μm厚で計測し、固化または架橋処理を受けたテープの上部部分に相当する架橋樹脂の極めて薄いフィルムのみを回収する。
【0023】
進行しているときのテープ上で連続して実施するこの表面処理の時間は、できる限り短く、好ましくは10秒未満持続し、典型的にはせいぜい数1/10秒程度持続するのが望ましい。何故ならば、処理が“フラッシュ”タイプであると言い得るからである。
例えば、UVフラッシュの場合、その処理時間は、とりわけ樹脂の性質;光開始剤の量;UV像および源の出力、波長および分離のような多くの変化に直接依存することは、容易に理解し得るであろう。当業者であれば、必要に応じて多くの連続準備試験を実施することにより、本発明の方法を実施するための特定の処理条件を採用し調整することは容易になし得ることであろう。好ましくは、処理時間(とりわけ、UV源への暴露時間)は、5秒未満、より好ましくは2秒未満である。
“究極表面”においてそのように処理した繊維のテープは、その後、適切な形状の支持体またはマンドレル上に連続して到達し、次いで、支持体上に、一方向に、所定数Ncの層を重ね合せて直接巻付ける。そのとき、この巻付けにより、断面が本質的に矩形である連続且つ閉鎖型のリングが形成される。
【0024】
好ましい実施態様によれば、進行するときのテープ内の補強用繊維(即ち、含浸繊維)が示す引張り応力は、0.2〜5cN/tex (tex当りのセンチニュートン)の範囲である;この応力は、その場合、最終複合ブロックの形状を決定するサイジングダイと支持体またはマンドレルへの入口間で測定した張力である。この好ましい張力範囲外では、最終複合体ブロックの品質および耐久性に対して有害であることが判明し得ている変形または少なくともテープ形状の均等性の損失のリスクが存在することを見出している。この理由により、上記引張り応力は、好ましくは、0.5〜2.5cN/texである。
テープの上記マンドレルへの巻付け操作は、好ましくは、マンドレルを、それ自体上で、テープが回転マンドレル上に到達する平面に対して固定され、正接している平面内で回転させることによって行う。巻付け操作は、Nc層のテープをそれらの層自体上に巻付けた時点で中止する。
【0025】
本発明の方法およびその表面処理の1つの明白な利点は、テープが、如何なる追加の機械的および/または熱的作用も加えることを何ら必要としないで、順位Nの層を前の層(N-1)へ粘着させるのを可能にするのにまだ十分に粘着性であることである。
しかしながら、1つの可能性ある別の態様によれば、各順位N層は、支持体またはマンドレルに入るときに、例えば、テープの幅と同じ幅を有するロールを使用してロール掛けすることによって機械的に押圧して、アッセンブリを軽く圧縮し、連続層間で優れた接着を担保し且つ繊維を横方向に均一に分布させることができる。
この段階は、連続する平坦リング形状の複合体ブロックが得られ、その補強用繊維は、実質的に一方向性であり、マトリックス(樹脂組成物)の容積全体に亘って均一に分布している。
そのようにして形成されたリングの特定の形状は、好ましくは凸状(例えば、円形、長円形、楕円形)であり、勿論、テープを巻付ける支持体またはマンドレルの形状によって決まる。1つの好ましい別の形の実施態様によれば、例えば金属製の支持体またはマンドレルは、テープの形状と合致し、テープのNc重ね合せ層を受入れて形状的に安定化させる適切な深さを有する受入れ溝を備えている。
【0026】
複合リングをそのようにして形成させた時点で、複合リングをその支持体から分離する前に、樹脂を、好ましくは、上記リングをその厚さ全体に亘ってこの時点で十分に安定化させる十分な重合に供する(例えば、UVを使用して)。上記の分離を容易にするためには、上記支持体またはマンドレルを、有利には、2個の取外し可能な、対称形のまたは別の形の容易に機械的に分離し得る部品で構築する。
そのようにして安定化され、その場合樹脂組成物が本質的に固相内に存在する複合体ブロックは、その後、破壊するリスクなしに容易に取扱い可能であり、そのまま保存し得、或いは、必要に応じて、直ちに処理して樹脂の重合を完了させることができる(最終硬化または架橋)。
最終硬化操作は、例えば、UVチャンバーまたは簡単なオーブン内での単純な大気圧下、即ち、“開放成形(ex-mould)”(または、承認された用語によれば“オープン成形(open mould)”)での、或いは適切な温度における高圧(典型的には数バール〜数10バール)下での、当業者にとって既知の任意の手段によって実施し得る。1つの可能性ある別の形の実施態様は、複合体ブロックをその受入れ支持体またはマンドレル上で完全に焼成し、焼成を終えた後まで支持体またはマンドレルを取外さないことである。
【0027】
最終複合リングの厚さは、好ましくは0.5〜5.0mm (ミリメートル)の範囲であり、より好ましくは1〜2mmの範囲である。その幅は、好ましくは25mm未満であり、さらにより好ましくは5〜20mmの範囲内にある。
リングそれ自体の寸法(即ち、実質的には、リングを製造するのに使用したマンドレルまたは支持体の寸法)に関しては、その最大寸法(例えば、リングが円形状を有する場合、その直径)は、典型的には、数cm(センチメートル)〜数10cm程度である。
本発明の方法の2つの他の本質的な特徴は、第1の、0.5mm未満でなければならないサイジングダイを出るテープの最大厚、および、第2の、15層未満でなければならない複合リングを形成させるのに巻付ける層の最大数である。これらの2つの特徴が満たされない場合、テープの形状と均等性並びに最終複合体の形状と均等性は、もはや管理下にはなく、最終複合リングの曲げ/圧縮耐久性の著しい低下をもたらすことが判明している。さらに、0.1mm (即ち、100μm)未満の厚さは、工業的生産制約と相容れない。
上記の全ての理由により、ダイを出るテープの厚さは、好ましくは0.10〜0.35mmから選択し、より好ましくは0.15〜0.30mmの範囲である;その1部における層数Ncは、好ましくは10層未満、より好ましくは5〜10層である。
【0028】
当業者であれば、テープの表面において、サイジングダイからの出口において、加えた圧力上昇(真空ゾーンの終点)故に気泡が必然的に発生することを予測するであろうし、さらに、これらの気泡が、その後、本発明において使用する巻付け方法、この場合は複数層の重ね合せとしての一方向巻付け(リール巻きなし、繊維は交差しない)故に、とりわけ、繊維上に認め得る張力がないので、テープの層間に容易に捕捉されるようになると予測するであろう。このような寄生効果は、最終複合体の品質、外観および耐久性を必然的に損なうであろう。
予期に反して、実際は、本発明の方法のこれら組合せた技術的特徴の全て、とりわけ、基本テープの厚さおよび重ね合せ層の数に関して上述した2つの本質的な条件が満たされている限り、そうでないことが判明している。
【0029】
本発明の方法は、それ自体が本発明の主題である装置を使用して実施し得る。
添付の図1は、1部(ダイ20を出た後)においてはサイジング手段19、20を通過した後のテープ21の由来を説明するために遠近法で示している、そのような装置1の1つの例の極めて簡単な略図を示している。
図1は、説明する例においては、ガラス繊維11を含むスプール10を示している。このスプールは、動力によって連続的に繰出されて、これらの繊維11の矩形配列体12を形成している。一般に、補強用繊維は、“ロービング”として、即ち、既にスプール上に平行に巻かれた繊維群(例えば、1200texの番手(1tex = 1g/1000mの繊維であることを思い出されたい)を有する品名“Advantex”繊維としてOwens Corning社から販売されている繊維を使用する)で出て来る。例えば、並行繊維とテープがプラント1を進行するのを可能にするのは回転受器23によって与えられる張力である。
【0030】
その後、この配列体12は、入口ノズル13aと含浸チャンバー14上に開口している出口ノズル13bとの間に位置させた真空チャンバー13(図示していない真空ポンプと連結した)に通る;上記2本の、好ましくは硬質壁のノズルは、例えば、繊維の合計断面よりも大きい(典型的には2倍の大きさ)最小断面および該最小断面よりも極めてはるかに大きい(典型的には50倍ほど大きい)長さを有している。
上記のEP-A-1 174 250号により既に教示されているように、真空チャンバーへの入口ノズルおよび真空チャンバーからの出口ノズルの双方における硬質壁ノズルの使用と真空チャンバーから含浸チャンバーへの移動とは、共に、繊維を破壊することなしでのオリフィスによる繊維の高処理能力でもって適合し得ていることが判明しており、さらに十分なシーリングを達成することも可能にしている。実験的に必要である場合の、要求されることの全ては、繊維の進行速度および各ノズルの長さを考慮して十分なシーリングを達成するのを依然として可能にする、処理すべき繊維の合計断面を考慮しての最大通路断面を見出すことである。典型的には、チャンバー13内部の真空は、例えば、0.1バール程度である。
【0031】
真空チャンバー13を出ると、繊維11の配列体12は、供給タンク(図示していない計量ポンプと連結した)およびビニルエステルタイプの硬化性樹脂(例えば、DSM社の“ATLAC 590”)をベースとする含浸組成物17で完全に満たした密閉含浸タンク16を含む含浸チャンバー14に通る。例えば、上記組成物は、組成物をその後処理するUVおよび/またはUV・可視放射線に対して適する光開始剤、例えば、(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(Ciba社の“Irgacure 819”)をさらに含む(1〜2%の質量割合で)。勿論、含浸組成物17は、液状にある。含浸チャンバー14から、密閉出口ノズル18(依然として真空下にある)内に、例えば、50〜75%(質量%)の固形繊維11を含有し、残りが液体含浸マトリックスからなる含浸体17が出て来る。
【0032】
その後、上記含浸体は、通路(図示していない)が、例えば、矩形または円錐形を有し、特定の実施態様条件に適する少なくとも1個のサイジングダイ20を含むサイジング手段19に通る。例えば、この通路は、矩形の最小断面を有し、その下流オリフィスは、意図するテープの寸法よりも僅かに小さい寸法(例えば、5.3mm×0.25mmまたは10.6mm×0.25mm)を有する。上記のダイは、上記最小断面の最小寸法の典型的には少なくとも100倍である長さを有する。その目的は、最終製品に良好な寸法精度を与えることであり、樹脂に対する繊維含有量を適量化するようにも機能し得る。1つの可能性ある別の形の実施態様によれば、ダイ20は、含浸チャンバー14に直接組込み、それによって、例えば、出口ノズル18を使用する必要性を回避し得る。
サイジング手段(19、20)は、この段階において、“液体”複合体テープ21(その含浸樹脂がその厚さErの90%よりも多くがまだ液体である意味においての液体)を得るのを可能にし、テープの断面形状は、本質的に矩形である(例えば、それぞれ、5mm×0.2mmまたは10mm×0.2mm)。厚さErのこのテープ21は、矢印Fの方向に駆動させる。
【0033】
液体テープ21をその最終受入れ支持体23上に巻付ける前に、フラッシュタイプの表面処理(即ち、極めて短時間、例えば、1秒程度持続する処理)を、上記テープの上面に、厚さEpが上記テープの厚さErの10%未満を示す(即ち、この例では20μmよりも薄い)固形皮膜を形成させることを意図する処理手段22を使用して実施する;上記手段22は、例えば、UVランプ装置(Dr. Honleによる“UVA print”ランプ;200〜600nmの波長を有する)からなる。
較正手段(19、20)と最終受入れ支持体(23)との間には、例えば、0.5〜2.5cN/texの適度のレベルで繊維に加えた張力を保つのが好ましい;これを制御するには、これらの張力を、当業者にとって周知の適切な張力計を使用して、ダイからの出口において直接測定することができる。
【0034】
その後、そのようにして処理したテープ21は、その最終の受入れ支持体23、例えば、凸形状(この場合、例えば、長円形)の回転マンドレルに到達し、その入口において、テープ21は、1つの有利な実施態様によれば、手段24を使用して(例えば、ロールを使用しての機械的ロール掛けにより)機械的に押圧して、軽い圧力Pをテープ21の上面に加えることができる。回転マンドレル23は、好ましくは、テープ21の形状と幅に合致し、従って、テープをそのNc各種重ね合せ層においてそれ自体上に巻付けるのを容易にし得る受入れ溝25を備えている。
【0035】
Nc層のテープを支持体またはマンドレル23上に巻付けた時点で、巻付けを、意図する最終複合体ブロック(図2において30と参照付けしている)を得るために休止する。
マンドレル23に面して、例えば、上記複合体リングの樹脂を上記支持体またはマンドレル(23)上で重合させることのできる安定化手段(26)を、必要に応じて位置させ得る。そのようにして安定化させたテープは、容易に取扱うことができる;テープは、例えば、最終硬化前に、UV炉内で、例えば低圧および低温炉内で(例えば、230℃にて10バールで5〜6分間)処理する。もう1つの別の形の実施態様によれば、完全硬化操作は、UV線下に、全体的にまたは他の形で受入れマンドレル上で実施し得る。
これによって、最終的に、閉鎖型の連続リングの形状の複合体ブロックが得られ、その補強用繊維は、容積全体に亘って均一に分布している。この複合体ブロックは、優れた機械的性質、とりわけ、曲げおよび剪断における極めて高い耐久性を有している。
【0036】
そのような複合体ブロック30の例を、添付の図2に略図的に示している;複合体ブロック30は、楕円形を有する凸状マンドレル上に巻付けることによって得られた。該複合体ブロックは、閉鎖型平坦連続リング30からなり、その矩形断面は、10mm×1.4mmの寸法を有する。図2において理解し得るように、該リングの形または形状は、15cm程度の縦方向内部寸法(図2ではAで示している)および6cm程度の横方向内部寸法(図2ではBで示している)を有する本質的に楕円形である。このような複合体リングまたはブロックは、上述した本発明の方法に従い、図1に略図的に示したような装置を使用して、7 (Nc = 7)連続層のテープを巻付けることによって製造した。
【0037】
従って、本発明は、個々に使用するかまたは他の複合体ブロックと組合せてより複雑な構造体を形成させるかのいずれであれ、多大な工業的用途を有し得る極めて細かい区分での複合体ブロックを製造する可能性を提供する。そのような構造体は、とりわけ、非空気式タイヤ、空気式タイヤ、タイヤ用の内部安全支持体、車輪、他の懸架および振動防止要素のようなあらゆる自動車接地系用の補強用構造体として機能し得る。
例えば、これらの基本リングの数“Na”(Naは、好ましくは10よりも小さく、例えば、3〜7の範囲内にある)および寸法を適応化することにより、これらの基本リングを、有利には一方を他方の内側にネスティングし、次いで、例えば、基本リング間に存在する全ての間隙を充填することを意図する充填用ポリマーを使用して、機械的にまたは“化学的”に一緒に締結させ得る。この充填用ポリマーは、勿論、複合リングの樹脂と相溶性であり且つ必要に応じて、例えば、WO 2004/058909号に記載されているもののような適切な接着剤組成物により複合リングに堅固に接着し得なければならない。このポリマーは、例えば、ジエンエラストマーまたはポリウレタンである。
【0038】
図3は、5個(Na = 5)の基本リング30から形成されたそのような複合補強用構造体40の1つの例を略図的に示しており、それらの基本リングは、5個の基本リング30間に存在する間隙を充填する充填用ポリマー41(例えば、ポリウレタンまたはジエンゴムから製造した)の使用により“化学的”に締結されている。補強体40は、以下で説明するようなホイールの剛性部分とのその後の連結を与えることを意図する機械的連結手段42(例えば、ファスナー)を含み得る。
この複合補強用構造体は、例えば、WO-A-00/37269号およびEP-A-1 359 028号に記載されているもののような非空気式タイヤのカーカスのラジアル補強用フープを形成し得る。
【0039】
添付の図4は、このような可撓性非空気式タイヤ50の部分透視図を示している。このようなタイヤは、可撓性タイヤとハブ間の連結を与えることを意図する任意の他の剛性機械要素と結合させたとき、殆どの現行の道路車両において見出されるような空気式タイヤとホイールからなるアッセンブリに置換わる。
上記タイヤのプロフィールは、卵型断面の円環状内部空洞を定めている。タイヤ50は、固定領域51(図3に示しているような連結手段42を含む)、2つの側壁52およびトレッド53を含む。固定領域は、ホイールディスクまたはホイール心のような機械要素(図示せず)により、ホイールハブに堅固に連結することを意図する。この図4においては、トレッド53は数個の円周リブを含むが、この局面は、勿論、全くの非限定的である。側壁52は、丸型であり、タイヤ50の半径高さの大部分を占めている。軸受構造は、上記図3において例示しているような複合補強用構造体40からなる複数の支持体要素を含む。
【0040】
支持要素40は、円周的に近接しており、各々は、固定領域51から外側に実質的に放射状に延びている。また、図4は、このタイプの非空気式タイヤの原理も示しており、それによれば、原理は、荷重を受ける支持要素の湾曲である。この特定の例においては、タイヤは、約100個の支持要素40を含む。この数は、勿論、例えば、車両のタイプ意図する用途に従い、さらに、支持要素の特徴に応じて、極めて異なり得る。従って、要素の数は、例えば、30〜300で変動し得る。好ましくは、トレッド53の下に放射状に位置させ、縦方向張力・圧縮において比較的剛性である相互連結構造体は、全ての支持要素40を環状に連結する。
これらの支持要素および相互連結構造体の構造に関するさらなる詳細については、読者は、前出のWO-A-00/37269号およびEP-A-1 359 028号の説明を見出すであろう。
【0041】
このような非空気式タイヤは、例えば、乗用車タイプ、二輪タイプ(とりわけ、オートバイおよびスクーター)の任意のタイプの自動車;航空機;および、バン類、“重量車両”(即ち、地下鉄列車、バス、道路運搬車両(トラック、トラクター、トレーラー)、農業用車両または建設プラントのような道路外車両);および他の輸送または作業用車両から選ばれた産業用車両に装着し得る。
結論として、本発明の方法により、今や、極めて高品質の複合リングを本質的に液状の樹脂の複数層の一方向巻付けによって簡単に得ること、並びに、低コストでそれをなすことを、とりわけ長い複数の安定化用チャンバーおよびその一連の照射管の使用を回避して可能にしている。
【符号の説明】
【0042】
1 製造装置
10 スプール
11 ガラス繊維
12 矩形配列体
13 真空チャンバー
13a 真空チャンバーへの入口ノズル
13b 真空チャンバーからの出口ノズル
14 含浸チャンバー
15 供給タンク
16 密閉含浸タンク
17 含浸組成物
18 含浸チャンバーからの密閉出口ノズル
19 サイジングダイ
20 サイジング手段、または較正手段
21 複合テープ
22 処理手段
23 回転受器、または最終受入れ支持体
24 押圧手段
25 受入れ溝
26 安定化手段
30 複合体ブロック、または基本リング
40 複合補強用構造体
41 充填用ポリマー
42 機械的連結手段
50 可撓性非空気式タイヤ
51 固定領域
52 側壁
53 トレッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉鎖形状を有し、連続リングの形にあり、補強用繊維と架橋性樹脂をベースとする複合体ブロックの、前記架橋性樹脂を含有する組成物をベースとするマトリックス中に組込んだ前記補強用繊維のテープの所定数Ncの層を重ね合わせて連続して巻付けることによる製造方法であって、開始時から終了時までに、下記の工程を含むことを特徴とする前記製造方法:
・補強用繊維の直線配列体を形成し、この配列体を供給方向に搬送する工程;
・前記繊維配列体を真空の作用下に脱ガスする工程;
・脱ガス後、前記繊維配列体に液状の前記樹脂組成物を含浸させる工程;
・そのようにして得られた予備含浸体をダイに通して、該予備含浸体に、液体樹脂マトリックス中の前記補強用繊維からなるテープの形状を与え、該テープの厚さ(“Er”と記す)が0.1mm〜0.5mmであるようにする工程;
・ダイから離脱させるとき、表面処理を前記テープの上面に施して、その厚さ(Epと記す)が前記テープの厚さErの10%未満を示す固形皮膜を形成させ、該皮膜が、その後のテープの皮膜自体上への巻き付けのための基体として作用するようにする工程;
・そのようにして表面処理したテープを、前記複合体ブロックの最終形状を決定する支持体上に付着させ、前記テープを、15層未満である数Ncの層を重ね合わせて前記連続リングを前記支持体上に直接形成させることによって、前記支持体上に一方向に巻き付ける工程。
【請求項2】
前記補強用繊維を、ガラス繊維、炭素繊維、およびそのような繊維の混合物からなる群から選択する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記組成物の樹脂が、イオン化放射線によって架橋させ得る樹脂である、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記樹脂が、ポリエステル樹脂またはビニルエステル樹脂、好ましくはビニルエステル樹脂である、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記ビニルエステル樹脂が、エポキシノボラックビニルエステル樹脂および/またはビスフェノールエポキシ樹脂である、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記皮膜厚Epが、前記テープ厚Erの5%未満を示す、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記テープ厚Erが、0.10〜0.35mmである、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記皮膜厚Epが、2〜10μmである、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記表面処理が、前記樹脂を架橋させる処理からなる、請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記架橋処理が、イオン化処理からなる、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記イオン化処理が、UV処理からなる、請求項10記載の方法。
【請求項12】
Ncが、10層未満である、請求項1〜11のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
Ncが、5〜10層である、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記リングの厚さが、0.5〜5.0mmである、請求項1〜13のいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
前記リングの厚さが、1〜2mmの範囲内にある、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記リングの幅が、25mm未満である、請求項1〜15のいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
前記リングの幅が、5〜20mmの範囲内にある、請求項16記載の方法。
【請求項18】
閉鎖形状を有し、連続リングの形にあり、補強用繊維と架橋性樹脂をベースとする複合体ブロックの、前記架橋性樹脂を含有する組成物をベースとするマトリックス中に組込んだ前記補強用繊維のテープを複数の層内に重ね合せて連続して巻付けることによる製造装置であって、開始時から終了時までに、下記の手段を含むことを特徴とする前記製造装置:
・補強用繊維(11)の直線配列体を形成させる手段(10)、および前記配列体(12)を供給方向(F)に搬送する手段(23);
・真空チャンバー(13、13a、13b);
・前記真空チャンバーからの出口における、前記繊維(11、12)に液状の前記樹脂組成物(17)を含浸させることを意図する含浸チャンバー(14、15、16、17、18);
・少なくとも1個のサイジングダイ(20)を含んで繊維(11)および液状の樹脂(17)を含むテープ(21)を形成させるサイジング手段(19、20);
・前記テープ(21)の上面を固化させることのできる表面処理手段(22);
・前記テープ(21)を受入れて複合リング(30)を前記テープの複数層の一方向重ね合せ巻き付けによって形成させることを意図する、閉鎖形状、好ましくは凸状の支持体またはマンドレル(23)。
【請求項19】
前記表面処理手段(22)が、前記樹脂の架橋手段からなる、請求項18記載の装置。
【請求項20】
前記架橋手段が、イオン化放射線からなる、請求項19記載の装置。
【請求項21】
前記イオン化放射線が、UV線からなる、請求項20記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−514592(P2010−514592A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−543358(P2009−543358)
【出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際出願番号】PCT/EP2007/010942
【国際公開番号】WO2008/080535
【国際公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(599093568)ソシエテ ド テクノロジー ミシュラン (552)
【出願人】(508032479)ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム (499)
【Fターム(参考)】