認証装置、管理システム、管理方法及びプログラム
【課題】 各利用者が各々1枚の認証カードを使って各利用者に必要とされる機能のみを利用可能な認証処理を実現する。
【解決手段】 管理装置20では、認証情報設定制御部271が、利用者が用いるICカード30のカード識別情報と、複合機10が持つ複数の動作モードのうちの使用権限のある動作モードの情報とを対応付けて認証情報テーブル261に登録する。ICカード通信部22はカード載置部221に載置されたICカード30からカード識別情報を読取り、認証制御部272は該カード識別情報に対応する動作モード情報を認証情報テーブル261から特定して該動作モードを対象とする使用許可指令を複合機10に送出する。複合機10は、管理装置20から受信した使用許可指令の対象である動作モードの使用を許可すべく制御する。
【解決手段】 管理装置20では、認証情報設定制御部271が、利用者が用いるICカード30のカード識別情報と、複合機10が持つ複数の動作モードのうちの使用権限のある動作モードの情報とを対応付けて認証情報テーブル261に登録する。ICカード通信部22はカード載置部221に載置されたICカード30からカード識別情報を読取り、認証制御部272は該カード識別情報に対応する動作モード情報を認証情報テーブル261から特定して該動作モードを対象とする使用許可指令を複合機10に送出する。複合機10は、管理装置20から受信した使用許可指令の対象である動作モードの使用を許可すべく制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体から読取った情報に基づいて、複数の動作モードを有する装置の利用者及び利用動作モードを認証する認証装置、及びこれを用いて上記装置の動作を管理する管理システム、管理方法及びプログラムに係わり、詳しくは、各利用者が各々1枚の認証カードを用いて上記装置の利用可能な利用者及び動作モードを認証可能な認証装置、管理システム、管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが使用する各種の装置を選択するシステム、あるいは、装置の使用を許可されたユーザだけに制限するシステムとして、種々の方式が知られている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、ネットワークを使ったデジタルコンテンツの配信サービスが対価を払わずに不正利用されることを防止すべく、利用権コントロールサーバでユーザを特定するLC−IDを用いて認証データを生成し、暗号鍵で暗号化してユーザ端末に送ると共に、ユーザ端末で暗号鍵を用いて復号化した認証データを利用権コントロールサーバに送り返し、暗号化する前の認証データと比較することでユーザを認証する技術が開示されている。
【0004】
また、下記特許文献2には、課金装置の付いたネットワークプリンタにおいて、利用者が課金装置にコインを投入した(あるいは、カードを挿入した)際に割当てるIDと共にアプリケーションの種類を記憶することにより、アプリケーションの種類に応じたプリンタ使用を可能にする技術が開示されている。
【0005】
これら特許文献1、2に記載の技術は、それぞれ、デジタルコンテンツ配信サービス、インターネットプリンタの利用者を認証する技術であるが、画像形成装置、中でも、コピー機能、プリンタ機能等の複数の機能を有する複合機の利用に適用する認証処理技術も提案されている。
【0006】
例えば、下記特許文献3、4には、予め設定された情報を参照し、その情報に応じた手段を用いて画像形成装置(複合機)のアプリケーションの利用者の認証を行う技術、とりわけ、予め設定された情報として、利用者識別情報を登録したサーバのアドレスを含み、そのアドレスに基づき該サーバ宛に画像形成装置に入力された利用者識別情報を送信し、該サーバから認証結果を受信する技術が開示されている。
【0007】
この特許文献3,4に開示されるような複合機を対象に、該複合機の使用を許可されたユーザだけに、しかも許可された機能のみを使用可能にする認証システムにおいては、複合機を利用するユーザ(利用者)として、一般利用者だけでなく、機器管理者、機器保守者も存在する。
【0008】
ここで、機器管理者は、一般利用者が利用するコピー機能、プリント機能等の各種機能に加えて、コピーあるいはプリント枚数等の設定機能を利用する必要があり、更に、機器保守者は複合機の機能全般の保守機能も利用する必要がある。
【0009】
こうした複合機の利用環境において、従来、ICカードや磁気カード等の認証カードを用いることを前提とし、認証カード毎に使用可能な機能を変えられるような認証システムが提案されていた。
【特許文献1】特開2003−316913号公報
【特許文献2】特開平9−259351号公報
【特許文献3】特開2004−5408号公報
【特許文献4】特開2004−5409号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来の認証システムでは、認証カードに記憶された情報毎に使用可能な機能が異なり、一人で複数の機能を使用する場合、複数の認証カードを使用する必要があった。
【0011】
特に、一般利用者と同じ各種機能の利用に加えて各種設定機能を利用する必要のある機器管理者、該各種設定機能に加えて更に各機能全般の保守機能を利用する必要のある機器保守者にとっては、より多くの認証カードを持つ必要が生じ、認証カードの管理が煩雑になるという問題点があった。
【0012】
本発明は、上記問題点を解消し、一般利用者、機器管理者及び機器保守者のいずれの利用者も1枚の認証カードを使って各利用者に必要とされる機能のみを利用でき、カード管理の煩雑化を防止できる認証装置、管理システム、管理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、記録媒体から読取った情報に基づいて、複数の動作モードを有する装置の利用者及び利用動作モードを認証する認証装置において、固有の識別情報が記録された記録媒体と、前記記録媒体に記録された情報を読取る読取手段と、前記記録媒体に記録された前記識別情報と、前記装置の複数の動作モードのうちの使用権限のある動作モードの情報を対応付けて登録した認証情報テーブルと、前記記録媒体から読取った前記識別情報に基づき、該識別情報に対応する使用権限動作モードを前記認証情報テーブルから特定し、該特定した使用権限動作モードを対象とする使用許可指令を前記装置に送出する認証制御手段とを具備することを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、前記認証情報テーブルは、前記使用権限のある動作モード情報として、前記装置が有する複数の機器管理モードのうちの任意の機器管理モードの情報を登録し、前記認証制御手段は、読取った前記識別情報に対応する前記機器管理モードを前記認証情報テーブルから特定して該機器管理モードを対象とする前記使用許可指令を送出することを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明は、上記請求項1または2記載の発明において、前記認証情報テーブルは、前記使用権限のある動作モード情報として、前記装置が有する複数の機能モードのうちの任意の機能モードの情報を登録し、前記認証制御手段は、読取った前記識別情報に対応する前記機能モードを前記認証情報テーブルから特定して該機能モードを対象とする前記使用許可指令を送出することを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明は、複数の動作モードを有する装置と、利用者の識別情報に基づいて前記装置の動作を管理する管理装置とを有する管理システムにおいて、前記管理装置は、固有の識別情報が記録された記録媒体と、前記記録媒体に記録された情報を読取る読取手段と、前記記録媒体に記録された前記識別情報と、前記装置の複数の動作モードのうちの使用権限のある動作モードの情報を対応付けて登録した認証情報テーブルと、前記記録媒体から読取った前記識別情報に基づき、該識別情報に対応する使用権動作モードを前記認証情報テーブル中から特定し、該特定した使用権限動作モードを対象とする使用許可指令を前記装置に送出する認証制御手段とを具備し、前記装置は、前記管理装置から受信した前記使用許可指令の対象である動作モードの使用を許可すべく制御する制御手段を具備することを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の発明は、上記請求項4記載の発明において、前記認証情報テーブルは、前記使用権限のある動作モード情報として、前記装置が有する複数の機器管理モードのうちの任意の機器管理モードの情報を登録し、前記認証制御手段は、読取った前記識別情報に対応する前記機器管理モードを前記認証情報テーブルから特定して該機器管理モードを対象とする前記使用許可指令を送出することを特徴とする。
【0018】
請求項6記載の発明は、上記請求項4または5記載の発明において、前記認証情報テーブルは、前記使用権限のある動作モード情報として、前記装置が有する複数の機能モードのうちの任意の機能モードの情報を登録し、前記認証制御手段は、読取った前記識別情報に対応する前記機能モードを前記認証情報テーブルから特定して該機能モードを対象とする前記使用許可指令を送出することを特徴とする。
【0019】
請求項7記載の発明は、上記請求項6記載の発明において、前記認証情報テーブルは、前記機器管理モードと前記機能モード毎にそれぞれ1つのモードを登録し、前記認証制御手段は、読取った前記識別情報に対応するそれぞれ1つの機器管理モードと機能モードを前記認証情報テーブルから特定して該特定したモードを対象とする前記使用許可指令を送出すると共に、前記装置は、前記管理装置から受信した前記使用許可指令の対象であるモードに対応する操作画面を表示する表示手段を具備することを特徴とする。
【0020】
請求項8記載の発明は、上記請求項6記載の発明において、前記認証情報テーブルは、前記機器管理モードと前記機能モード毎にそれぞれ1つのモードと複数のモードを登録し、前記認証制御手段は、読取った前記識別情報に対応するそれぞれ1つの機器管理モードと複数の機能モードを前記認証情報テーブルから特定して該特定したモードを対象とする前記使用許可指令を送出すると共に、前記装置は、前記管理装置から受信した前記使用許可指令の対象である複数のモードの間で所望のモードを選択可能なモード選択画面を表示する表示手段を具備することを特徴とする。
【0021】
請求項9記載の発明は、上記請求項8記載の発明において、前記装置は、前記複数の機器管理モード間の使用権限に関する包含関係を規定した包含関係情報を保持する保持手段と、前記管理装置から受信した前記使用許可指令の対象である機器管理モードと他の機器管理モードの包含関係を前記包含関係情報をもとに判定する判定手段とを具備し、前記表示手段は、前記判定手段により判定された包含関係に応じて、前記使用許可指令の対象の機器管理モードと該機器管理モードが包含する他の機器管理モードとの間で所望のモードを選択可能な前記モード選択画面を表示することを特徴とする。
【0022】
請求項10記載の発明は、管理装置が、記録媒体から読取った利用者の識別情報に基づいて、複数の動作モードを有する装置の動作を管理する管理方法において、前記記録媒体に記録された固有の識別情報と、前記装置の複数の動作モードのうちの使用権限のある動作モードの情報を対応付けて前記管理装置の認証情報テーブルに登録し、 前記管理装置の読取手段により前記記録媒体から読取った前記識別情報に基づき、該管理装置の認証制御手段が、前記読取った識別情報に対応する使用権限動作モードを前記認証情報テーブルから特定し、該特定した使用権限動作モードを対象とする使用許可指令を前記装置に送出し、前記装置が、前記管理装置から受信した前記使用許可指令の対象である動作モードの使用を許可すべく制御手段により制御することを特徴とする。
【0023】
請求項11記載の発明は、管理装置に実装され、記録媒体から読取った利用者の識別情報に基づいて、複数の動作モードを有する装置の動作を管理する処理を該管理装置に行なわせる管理プログラムにおいて、前記記録媒体に記録された固有の識別情報と、前記装置の複数の動作モードのうちの使用権限のある動作モードの情報を対応付けて認証情報テーブルに登録する認証情報登録処理と、読取手段により前記記録媒体から読取った前記識別情報に基づき、認証制御手段が、前記読取った識別情報に対応する使用権限動作モードを前記認証情報テーブルから特定し、該特定した使用権限動作モードを対象とする使用許可指令を前記装置に送出する使用許可指令送出処理とを前記管理装置に行なわせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、管理装置は、利用者が用いる記録媒体に記憶された固有の識別情報と、管理対象の装置の複数の動作モードのうちの使用権限のある動作モードの情報を対応付けて認証情報テーブルに登録し、記録媒体から読取った識別情報に基づき、該識別情報に対応する使用権限動作モードを認証情報テーブルから特定し、該特定した使用権限動作モードを対象とする使用許可指令を装置に送出する一方、被管理側の装置は、管理装置から受信した使用許可指令の対象である動作モードの使用を許可すべく制御する構成としたため、各利用者は、各々1枚の記録媒体を使って該記録媒体の識別情報に対応付けられた使用権限のある動作モードに関する使用許可指令を管理装置から被管理側の装置に送信することができ、該装置の複数の機能を選択的に駆動するために複数枚の記録媒体(カード)を保持する必要がなくなり、カード管理が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明に係わる管理システムの全体構成を示す概念図である。
【0027】
このシステムは、管理対象の画像形成装置である複合機〔コピー機能、スキャン機能、プリンタ機能、FAX(ファクシミリ)機能等の複数の機能を有する〕10と、利用者により所定の読取位置に載置あるいは近接される非接触型ICカード(以下、ICカードと呼称)30から情報を読取り、該読取った情報(カード情報)に基づき当該利用者が複合機10の使用が許可された利用者かどうかを認証し、該認証結果に応じて複合機10を利用許可状態または利用禁止(利用不許可)状態に制御する管理装置20と、ノート・パソコン等から成り、管理装置20に接続された状態で、上記認証処理を実施するために必要な情報の設定等、各種の設定を行う設定装置40とを備えて構成される。
【0028】
このシステムでは、複合機10と管理装置20とはケーブル等により常に接続され、設定装置40は、設定が必要な場合にのみ管理装置20に接続される。
【0029】
管理装置20は、外観構成上、その上面に、後述する非接触型ICカード通信部22の読取可能範囲内に読取対象であるICカード30を載置するカード載置部221が設けられる。
【0030】
また、カード載置部221の上部には、ICカード30の読み取りが可能な状態を示す読取可能状態表示LED(Light Emitting Diode)211と、ICカード30から読み取った情報に基づき複合機10が利用許可状態若しくは利用禁止状態に制御されるのに対応して点灯と消灯状態に制御される利用許可状態表示LED212とが備わる。
【0031】
また、カード載置部221の隣接位置には、複合機10の利用可能状態を解除する解除ボタン等を備えた操作部23が備わる。
【0032】
この管理システムにおいて、待機状態では、管理装置20から複合機10に使用禁止指令が送出されていて該複合機10は動作が行えない状態にある。この時、利用許可状態表示LED212は消灯状態にある。
【0033】
この状態において、複合機10を利用する場合、利用者は、読取可能状態表示LED211が点灯していることを確認して、自分が携帯するICカード30を管理装置20のカード載置部221に載置するか、若しくはかざす(近接させる)ことによりICカード30に記録された情報を管理装置20に読み取らせる。
【0034】
管理装置10では、ICカード30から読み取った情報を基に複合機10の使用を許可された利用者であると認証した場合(認証OKの場合)に複合機10に駆動を許可する指令(使用許可指令)を送り、該使用許可指令を送っている間、利用者が当該複合機10を利用してコピー、プリント、FAX等の作業を行なうことができる。
【0035】
上記複合機10が利用許可状態にある間、読取可能状態表示LED211及び利用許可状態表示LED212は消灯状態に制御される。
【0036】
図2は、図1における管理システムの複合機10と管理装置20の機能構成を示すブロック図である。
【0037】
図2に示すように、複合機10は、表示部11、操作部12、画像形成部13、管理装置接続部14、複合機制御部15を備えて構成される。
【0038】
表示部11は、複合機10が利用許可状態である時に、複合機10の動作状態や、利用者へ操作を促すメッセージ等、各種の情報を表示する。
【0039】
操作部12は、複合機10が利用許可状態である時に、コピー、プリント、FAX等に係わる起動指令操作等、各種指令や情報の入力を行う。
【0040】
画像形成部13は、操作部10での各種機能に関する起動指令に応じて、複合機制御部15の制御下で、印刷対象の画像情報を電子写真プロセスにより画像として用紙に印刷出力する。
【0041】
管理装置接続部14は、管理装置20の複合機制御部25と接続され、管理装置20との間でデータや制御信号の授受の制御を行う。
【0042】
複合機制御部15は、上述した各部の制御を通じて該複合機10全体を統括制御する。この制御には、管理装置20から使用禁止指令が与えられている状態では操作部11からのコピー開始等の指令操作受付を禁止する一方、管理装置20から使用許可指令が与えられている状態では操作部11から上記指令操作を受付け可能な状態(利用許可状態)に切換える制御、該利用許可状態において、操作部11からのコピー開始等の指令に応じて画像形成部13を駆動して画像を印刷出力させる印刷動作制御等が含まれる。
【0043】
一方、管理装置20は、読取可能状態表示LED211及び利用許可状態表示LED212を有する表示部21、カード載置部221に載置または近接されたICカード30との間で情報の読出しに係わる通信を行う非接触型ICカード通信部(以下、ICカード通信部と呼称)22、複合機10の利用許可状態を解除するための解除ボタン(図示せず)等を含む操作部23、設定装置40との接続インタフェースを司る設定装置接続部24、複合機10の管理装置接続部14と接続されて該複合機10の制御を行なう複合機制御部25、管理装置20の動作制御プログラム等の各種情報を記憶する記憶部26、記憶部26に記憶された動作制御プログラムに基づいて管理装置20全体を統括制御する管理装置制御部27を具備して構成される。
【0044】
表示部21は、管理装置制御部27からの所定の制御信号に基づき読取可能状態表示LED211や利用許可状態表示LED212を点灯制御し、管理装置20がICカード30の読み取りが可能な状態若しくは読み取りが禁止された状態であることや、複合機10が利用許可状態あるいは利用禁止状態であることを利用者に向けて通知する。
【0045】
ICカード通信部22は、カード載置部221の表面を含む所定の空間内にICカード30が載置されるか、もしくはかざされることでICカード30に記録された情報を読み取り、該読み取った情報を管理装置制御部27に転送する。
【0046】
設定装置接続部24は、管理装置20とケーブル〔例えば、Ethernet(登録商標)用ケーブル〕を介して接続される設定装置40との間でデータや制御信号の授受の制御を行う。
【0047】
複合機制御部25は、ICカード30から読取った情報に基づいて管理装置制御部27で行なわれる利用者認証結果に応じて該管理装置制御部27から出力される制御信号を受けて、複合機20に使用許可あるいは利用禁止等の指令信号を送信して該複合機20の動作制御を行う。
【0048】
記憶部26は、ICカード通信部22を通じてICカード30から読取った情報に基づき、管理装置制御部27が、複合機10を利用可能に登録された利用者か否かを認証する処理を行うために必要な情報、該認証処理実行に関連して設定装置40から設定される各種設定情報を上述した動作制御プログラムと共に保持する。
【0049】
管理装置制御部27は、上述した統括制御の中で、ICカード通信部22にICカード30の情報を読取らせる制御、ICカード30から読取った情報と記憶部26に保持されている認証用の情報を比較照合して複合機10の利用が許可された利用者か否かを認証する制御、利用が許可された利用者である(認証OK)か否(認証NG)かに応じ、複合機制御部25を通じて複合機10を動作(利用)許可状態あるいは動作(利用)禁止状態にすると共に、ICカード30を取り去ったりあるいは操作部23の解除ボタンを押下する操作に基づき複合機20を動作許可状態から動作禁止状態に切換える制御等を実行する。
【0050】
かかる本発明のシステムの運用において、複合機10の利用者としては、一般使用者、機器管理者、機器保守者が存在する。
【0051】
一般使用者は、複合機10の複数機能のうち、予め使用許可が設定された機能のみ利用可能な利用者である。
【0052】
機器管理者は、一般使用者が利用する各機能の利用制限等の管理を担当する者であり、一般使用者が利用できる各種機能を利用する権限に加えて、上記使用制限条件(例えば、コピー枚数やプリント枚数の制限値等)等を該当設定画面を用いて当該複合機10に設定する権限が与えられる。
【0053】
また、機器保守者は、複合機10の各種機能に関する保守作業を担当する者であり、機器管理者が利用できる機能を利用する権限に加えて、更に、保守用の画面を表示、操作する権限が与えられる。
【0054】
利用権限が異なるこれらの利用者が複合機10の利用機会を持つ本発明のシステムにおいて、管理装置20は、利用権限が異なる各利用者が、各々、1枚のICカード30を使ってその権限に対応する機能を利用できるような認証処理を実現している。
【0055】
この認証処理を実現すべく、図2に示す管理装置20の構成において、記憶部26には、複合機10の利用者が各自所持するICカード30に記憶された該ICカード固有の識別情報(例えば、カード識別情報)と、複合機10が持つ複数の動作モードのうちの使用権限のある(使用を許可する)動作モードの情報を対応付けて認証情報として登録した認証情報テーブル261が設けられる。
【0056】
また、管理装置20の管理装置制御部27には、設定装置接続部24に接続された設定装置40と通信し、該設定装置40から設定操作により入力された情報を取り込んで認証情報テーブル261に認証情報の設定を行う認証情報設定制御部271、利用者がカード載置部221に載置若しくは近接させたICカード30からICカード通信部22により読取ったカード情報と、認証情報テーブル261に登録された当該カード情報に対応する認証情報とを比較照合して当該ICカード30に対応して使用許可された利用者及び動作モードを認証し、該使用許可された利用者に該使用許可された動作モードのみを起動可能に複合機10の動作を制御する認証制御部272が備わる。
【0057】
以下、本発明に係わるシステムの運用動作について、各実施例を挙げて順を追って説明する。
【実施例1】
【0058】
本発明のシステムでは、その運用に先立って、認証カードとして用いるICカード30を発行する一方、管理装置20の記憶部26には、ICカード30から読取ったカード情報と比較照合して該ICカード30を所持する利用者を認証するために用いる認証情報を認証情報テーブル261に予め登録しておく必要がある。
【0059】
ICカード30の発行は、図示しないカード発行装置を用いて以下のように実施される。
【0060】
まず、カード発行装置にICカード30を装着し、認証装置として機能する管理装置20で認証するために必要な情報を含めた情報を当該ICカード30に記憶する。なお、ICカード30の発行は、例えば、複合機10を設置し運用している会社の社員から選出された機器管理者によって実施される。
【0061】
図3は、本実施例に係わるシステムで認証カードとして用いるICカード30の情報格納構造を示す概念図である。
【0062】
このICカード30は、例えば、本システムを設置、運用する会社の社員証として用いられているものであり、システムコード「12345、サービスコード「1008h」、「1028h」、「1068h」、「1088h」等が記憶される。
【0063】
このうち、サービスコード「1008h」に関しては、“0(零)”Byte(バイト)から7バイトまでには属性コード別番号が、8バイトから15バイトまでには有効期限が、16バイトから31バイトまでには名前がそれぞれ記憶される。
【0064】
同様に、サービスコード「1028h」、「1068h」、「1088h」についても、各サービスコード毎に各バイト領域内に図3に示すデータ項目の各情報がそれぞれ記憶されている。
【0065】
このうち、サービスコード「1008h」の0〜7バイトの領域に記憶される属性コード別番号は、当該ICカード30を識別するカード識別番号である。
【0066】
また、サービスコード「1068h」の0〜15バイトの領域に記憶されるカード発行回数は、カードの紛失やその他の理由によるカードの使用禁止制御に利用される。
【0067】
例えば、ある利用者がICカード30を紛失した後に再発行されたICカード30には発行回数=2が記憶され、再々発行した場合には発行回数=3が記憶されたICカード30が発行される。この場合、ICカード30には、最初に発行されたものから最後に発行されたものまで、同じカード識別情報が記憶される。
【0068】
一方、管理装置20にも、ICカード30が発行される毎に該ICカード30のカード識別情報に対応して当該ICカード30のカード発行回数が記憶され、ICカード30が再発行される度に最新のカード発行回数に更新される。
【0069】
管理装置20は、ICカード30から読取ったカード発行回数が記憶している最新のカード発行回数と一致しない場合は当該ICカード30による認証結果を認証NGとして処理することによって、該最新のカード発行回数未満のカード発行回数が記憶されたICカード30(紛失したカード等)の不正使用を防止する。
【0070】
管理装置20の認証情報テーブル261に対する認証情報の登録は、例えば、上述の機器管理者により、設定装置接続部24に接続した設定装置40を用いて行われる。
【0071】
この設定処理に際し、管理装置20に設定装置40を接続した状態で、該設定装置40にて予め決められた所定のキーの押下等により認証情報設定開始操作が行われた場合、自装置にインストールされているウェブ・ブラウザ(Web Browser)を起動して設定画面を表示部に表示させ、この設定画面上で必要な情報を入力する。
【0072】
一方、管理装置20では、上記情報入力操作によって設定装置40から入力される情報を設定装置接続部24を通じて受信し、認証情報設定部271が、これら受信した入力情報を所定の形でまとめて認証情報として認証情報テーブル261に登録する。
【0073】
ここで、認証情報テーブル261に設定する認証情報は、利用者が所持するICカード30から読取ったカード情報に基づいて、該ICカード30を所持する利用者が適正な利用者であることと、該利用者に対する複合機10の使用許可された動作モード(利用権限)を特定できる情報内容を持つ必要がある。
【0074】
特に、本実施例では、複合機10の利用者を、一般使用者、機器管理者、機器保守者の種別に区分し、各種別の利用者毎に複合機10の利用可能な動作モードを制限する認証処理を行うために、これら各利用者が持つICカード30から読取ったカード情報を基に該利用者が一般使用者、機器管理者、機器保守者のいずれであって、かつ、複合機10の利用可能な動作モードがどれであるかを特定可能な情報内容を持つ認証情報を設定する必要がある。
【0075】
図4は、本実施例に係わる認証情報テーブル261aにおける認証情報の登録例を示す表図である。
【0076】
この認証情報テーブル261aにおいて、カード識別情報は、複合機10の利用者が例えば社員証として各自所持するICカード30を識別するための各ICカード30固有の情報(例えば、サービスコード1008hの0〜7バイトの領域に記憶される属性コード別番号:図3参照)である。
【0077】
図4に例示する認証情報テーブル261aにおいては、一般使用者、機器管理者、機器保守者が所持する各ICカード30のそれぞれに対応するカード識別情報(「00011000」,「00011005」,…,「00008015」,「00013001」,)と、機器管理制限モード、機能制限モード、カード発行回数、認証用ID、読み込み範囲、設定用パスワードの各情報を対応付けて登録した内容となっている。
【0078】
機器管理制限モードとしては、各利用者(カード識別番号)に対して「一般使用者」、「機器管理者」、「機器保守者」の各モードのいずれか一項目〔各利用者に対して利用権限を与える(利用を許可する)機器管理モード〕を選択的に指定可能である。
【0079】
機能制限モードとしては、各利用者(カード識別番号)に対して「コピー」、「プリント」、「FAX」、「スキャン」、「全機能」の各機能モードのいずれか一項目〔各利用者に対して利用権限を与える(利用を許可する)機能モード〕を選択的に指定可能である。
【0080】
また、図4に例示する認証情報テーブル261aにおいて、カード識別情報に対応して登録される制限モード(機器管理制限モード、機能制限モード)以外の情報のうち、カード発行回数は、ICカード30から読取ったカード発行回数と照合して、不一致の場合に認証を不許可(NG)として処理するために用いる情報である。
【0081】
認証用IDは、ICカード30から読取ったカード情報を基に認証処理を行う際に、パスワードを要求してユーザに入力させる手順を採用する場合に、該入力されたパスワードと比較照合して一致すれば認証処理に進むための処理に用いる情報(パスワード)である。
【0082】
読み込み範囲は、図3に示す情報格納構造を有するICカード30から被認証用情報として読み込む情報領域を指定するものである。この例では、ICカード30からカード識別情報、カード発行回数を読取るべくこれら各情報の記憶領域(1008hの0〜7バイト,1068hの0〜15バイト)が読み込み領域として指定されている。
【0083】
設定用パスワードは、例えば、機器管理者が設定装置40を用いて認証情報を認証情報テーブル261に登録する際に、設定用パスワードを要求して機器管理者に入力させる手順を採用する場合に、該入力された認証用パスワードと比較照合して一致すれば認証情報設定処理を受付ける処理に用いる設定権限者認証専用の情報である。
【0084】
このように、本実施例において、機器管理者は、管理装置20に接続した設定装置40を用いて、「一般使用者」、「機器管理者」、「機器保守者」の各モードから成る機器管理制限モード、及び「コピー」、「プリント」、「FAX」、「スキャン」、「全機能」の各機能モードから成る機能制限モードの2種類の制限モードそれぞれについて、その中の1項目の情報が、ICカード30から読取ったカード情報(カード識別情報)から特定できる情報内容を有する認証情報テーブル261aを予め管理装置20に登録する。
【0085】
また、機器管理者は、上記した手順でカード発行装置から発行した各ICカード30を、以下の方法で該当する各利用者に配布する。
【0086】
例えば、認証情報テーブル261aの機器管理制限モードに関して「一般使用者」モードを記憶したカード識別番号=00011000のICカード30は、該一般使用者としての権限を与えられる例えば社員A(当該ICカード30に記憶された“名前”と一致する社員)に配布する。
【0087】
同じく、認証情報テーブル261aの機器管理制限モードに関し、「一般使用者モードを記憶したカード識別番号=00011005のICカード30,…,「機器管理者」モードを記憶したカード識別番号=00008015のICカード30,「機器保守者」モードを記憶したカード識別番号=00013001のICカード30を、それぞれ、一般使用者,…,機器管理者、機器保守者としての権限を与えられる例えば社員B,C,D(当該各ICカード30に記憶された“名前”とそれぞれ一致する各社員)に各1枚ずつ配布する。
【0088】
このように、各々のカード固有の識別情報を記憶した各ICカード30が各利用者に配布される結果、該各ICカード30に記憶された識別情報は当該各利用者を識別する情報として利用可能になる。
【0089】
その後、各利用者は、各自配布された1枚のICカード30を管理装置20のカード載置部221に載置し、該管理装置20による認証処理を経て、複合機10における当該各利用者に対して予め登録された権限に対応する各機能を利用することができる。
【0090】
図5は、上記認証情報テーブル261a登録後の本実施例に係わる管理装置20における認証処理動作を示すフローチャートである。
【0091】
図5において、管理装置20は、システム起動後、ステップS101〜S103におけるカード情報読取処理を開始する。
【0092】
このカード情報読取処理では、まず、ICカード通信部22からポーリングコマンドを無線送信(ステップS101)させ、該ポーリングコマンドに対する応答コマンドを受信(ステップS102)させる動作を繰り返し実施するように当該ICカード通信部22を駆動する。
【0093】
この状態で、ICカード30がカード載置部221に載置されると、該ICカード30はICカード通信部22からのポーリングコマンドに応答して自カードに記憶された各情報を含む応答コマンドを無線送信する。
【0094】
かかるICカード30の動作に対して、管理装置20では、載置されたICカード30から応答コマンドを受信すると(ステップS102YES)、認証制御部272が、該応答コマンドから、認証情報中に予め設定されている読み込み範囲の情報(カード識別情報、カード発行回数)を抽出し(ステップS103)、まず、読み込んだカード識別情報に一致するカード識別情報が認証情報テーブル261aに登録されているか否かをチェックする(ステップS104)。
【0095】
ここで、読み込んだカード識別情報に一致するカード識別情報が登録されていない場合(ステップS104NO)、認証制御部272は認証エラー処理(ステップS121)を行い、その後、処理を終了する。
【0096】
これに対して、読み込んだカード識別情報に一致するカード識別情報が登録されている場合(ステップS104YES)、認証制御部272は、読み込んだカード発行回数が、当該カード識別情報に対応して認証情報テーブル261aに記憶されているカード発行回数と一致するから否かをチェックする(ステップS105)。
【0097】
ここで、カード発行回数が一致しない場合(ステップS105NO)、認証エラー処理(ステップS121)を行い、その後、処理を終了する。
【0098】
これに対して、カード発行回数が一致する場合(ステップS105YES)、認証制御部272は、上記ステップS103で読み込んだカード識別情報に対応して認証情報テーブル261aに登録されている機器管理制限モードの登録項目を参照し(ステップS106)、「一般使用者」、「機器管理者」、「機器保守者」のいずれの項目(モード)が登録されているかを特定する(ステップS107)。
【0099】
次いで、認証制御部272は、上記ステップS103で読み込んだカード識別情報に対応して認証情報テーブル261aに登録されている機能制限モードの登録項目を参照し(ステップS108)、「コピー」、「プリント」、「FAX」、「スキャン」、「全機能」のいずれの項目が登録されているかを特定する(ステップS109)。
【0100】
更に、認証制御部272は、上記ステップS107で特定した機器管理制限モード(「一般使用者」、「機器管理者」、「機器保守者」の各モードのうちのいずれか1つ)、及び上記ステップS109で認識した機能制限モード(「コピー」、「プリント」、「FAX」、「スキャン」のうちのいずれか1つ)を対象とした使用許可指令を複合機制御部25を通じて複合機10に送出する(ステップS110)。
【0101】
一方、複合機10は、管理装置20から送出された使用許可指令を受信し、該受信した使用許可指令の指令対象である動作モードのみを使用許可すべく動作する。なお、この動作については、後で、図6を参照して詳しく説明する。
【0102】
これに対して、管理装置20は、上記ステップS110で複合機10に使用許可指令を送出した後、該複合機10の動作を管理する処理(ステップS111)に移行する。
【0103】
この動作管理において、管理装置20(管理装置制御部27)は、上記ステップS110で送出した使用許可指令によって複合機10で使用許可された機能の動作を監視して利用制限等を超えないようにする制御(例えば、コピー機能よるコピー枚数が予め当該利用者に対して許可設定されている枚数を超えた場合にコピーできないようにする)、複合機10の操作部12で、使用許可されている機能に関する終了操作が行われた場合、あるいは該機能に関する何等の操作も行われない期間が所定期間継続した場合、更には、管理装置20の操作部23で解除ボタンが押下された場合に、複合機10に使用禁止指令を送信して待機状態に戻す等の制御を行う。
【0104】
図6は、図5における認証処理のステップS110で管理装置20が送出する使用許可指令の受信に基づく複合機10の処理動作を示すフローチャートである。
【0105】
図6において、複合機10は、管理装置接続部14を通じて管理装置20から使用許可指令を受信したかどうかを監視している(ステップS201)。
【0106】
ここで、管理装置20から使用許可指令を受信すると(ステップS201YES)、複合機制御部15は、該受信した使用許可指令の指令対象である機器管理制限モード、及び機能制限モードの各モードを抽出し、該抽出した各モード(使用許可モード)を格納する(ステップS202)。
【0107】
次いで、複合機制御部15は、上記ステップS202で格納した機器管理制限モード、及び機能制限モードの各モードがサポートする機能の指示操作を行うことが可能な操作画面を表示部12に表示する(ステップS203)。
【0108】
その後、この操作画面上で、何等かの機能に関する指示操作が行われたか否かを監視する(ステップS204)。
【0109】
ここで、指示操作が行われた場合(ステップS204YES)、複合機制御部15は、ステップS202で格納した、管理装置20からの使用許可指令対象のモード(使用許可モード)をチェックし、ステップS204で行われた指示操作が、該使用許可モード、若しくは、該使用許可モードに包含されるモードのいずれかのモードの機能に関する指示操作かをチェックする(ステップS205)。
【0110】
そして、ステップS204で行われた指示操作が、使用許可モード、若しくは、該使用許可モードに包含されるモード以外の機能に関する指示操作である場合(ステップS205NO)、複合機制御部15は、該指示操作の受付を拒否し(ステップS206)、ステップS208に進む。
【0111】
これに対して、ステップS204で行われた指示操作が、使用許可モード、若しくは、該使用許可モードに包含されるモードのいずれかのモードの機能に関する指示操作である場合(ステップS205YES)、複合機制御部15は、各部を制御して該指示操作に対応する機能を起動させる(ステップS207)。
【0112】
その後、複合機制御部15は、操作部12で使用許可モード、若しくは、該使用許可モードに包含されるモードのいずれかのモードを終了する操作がなされたか否かを監視し(ステップS208)、該終了操作がなされない間(ステップS208NO)はステップS204以降の処理を続け、該終了操作がなされた場合(ステップS208YES)は、管理装置20からの上記ステップS111での動作管理処理(図5参照)に基づく利用禁止指令の受信(ステップS209)を待って待機状態(ステップS210)に戻る。
【0113】
図5、図6を参照して説明した本発明のシステムの処理動作によれば、管理装置20の認証情報テーブル261aに図4に示す内容の認証情報が登録されている時、例えば、カード識別情報=00011000が記憶されたICカード30を持った利用者が、該ICカード30をカード載置部221に載置した場合、管理装置20では、該ICカード30から読取ったカード識別情報=00011000に対応する機器管理制限モード、機能制限モードとして、それぞれ、「一般使用者」、「コピー」の各モードが認証情報テーブル261aから特定されて(図5のステップS107、S109)、該「一般使用者」、「コピー」のモードを対象とする使用許可指令が複合機10に送出される(同、ステップS110)。
【0114】
一方、複合機10では、管理装置20から上記使用許可指令を受信すると(図6のステップS201)、該使用許可指令の対象である「一般使用者」/「コピー」モードに関する機能の指示操作を可能にする操作画面として、例えば、図7に示すように、コピーに関する各種機能の指示操作が可能なコピーモード画面110を表示部11に表示する(同、ステップS203)。
【0115】
このコピーモード画面111上で、利用者(一般使用者)が「倍率」ボタンや、「コピー濃度」ボタン等を操作することで(同、ステップS204YES→S205YES)、倍率やコピー濃度の指定が行えるが(同、ステップS207)、例えば、コピー機能以外の機能の機能モード画面を開こうとして、あるいは、機器管理者がコピー制限枚数等の設定に用いる設定画面や、機器保守者が機器の保守作業のために用いる機器保守用画面を開こうとして「次候補選択」ボタンを押下しても、現在の使用許可モード(「一般使用者」/「コピー」モード)以外のモード上の指示操作であると判定され(同、ステップS205NO)、当該指示操作は拒否される(同、ステップS206)。
【0116】
同様に、カード識別情報=00011005が記憶されたICカード30がその利用者によってカード載置部221に載置されると、該カード識別情報=00011005に対応して認証情報テーブル261aに記憶された「一般使用者」、「FAX」の各モードを対象とする使用許可指令が管理装置20から複合機10に送出される一方、複合機10では、管理装置20からの使用許可指令により該指令の対象である「一般使用者」/「FAX」モードに関する機能の指示操作を可能にするFAXモード画面が表示部11に表示され、該利用者(一般使用者)は、当該FAXモード画面上での指示操作によりFAX機能のみを利用できる。
【0117】
これに対して、カード識別情報=00008015が記憶されたICカード30がその利用者(機器管理者)によってカード載置部221に載置されると、該カード識別情報=00008015に対応して認証情報テーブル261aに記憶された「機器管理者」、「プリント」を対象とする使用許可指令が管理装置20から複合機10に送出される一方、複合機10では、管理装置20からの使用許可指令により該指令の対象である「機器管理者」/「プリント」モードに関する各種機能設定操作を可能にするプリント機能設定画面が表示部11に表示され、該利用者(機器管理者)は、当該プリント機能設定画面上でプリント機能に関する各種の設定を行うことができる。
【0118】
ここでもし、機器管理者が、設定内容を確認すべく実際にプリントしようとしてプリントモード画面を開く操作を行った場合には、該指示操作は、現在の使用許可モード(「機器管理者」モード)に包含されるモードであると判定され(図6のステップ205YES)、当該指示操作に基づきプリントモード画面が表示され、該画面を用いてプリントを行うことができる(同、ステップS206)。
【0119】
また、カード識別情報=00013001が記憶されたICカード30がその利用者(機器保守者)によってカード載置部221に載置されると、該カード識別情報=00013001に対応して認証情報テーブル261aに記憶された「機器保守者」、「スキャン」の各モードを対象とする使用許可指令が管理装置20から複合機10に送出される一方、複合機10では、管理装置20からの使用許可指令により該指令の対象である「機器保守者」/「スキャン」モードに基づき、スキャン機能に関する保守操作が可能な保守用画面が表示部11に表示され、該利用者(機器保守者)は、当該保守用画面上でスキャン機能に関する保守作業を行うことができる。
【0120】
ここでもし、機器保守者が、保守の都合上、例えば、ある機能に対応した設定画面を開く操作を行った場合には、該指示操作は、現在の使用許可モード(「機器保守者」モード)に包含されるモード(機器管理者モード)であると判定され(図6のステップ205YES)、当該指示操作に基づき該当する設定画面が表示され、該画面を用いて当該機能に関する各種設定操作を行うことができる(同、ステップS206)。
【0121】
更に、機器保守者が、上記設定画面を用いて行った設定内容を確認すべく実際に該当する機能を起動させようとして当該機能モード画面を開く操作を行った場合には、該指示操作は、現在の使用許可モード(「機器保守者」モード)に包含されるモード(「一般使用者」モード)であると判定され(図6のステップ205YES)、当該指示操作に基づき該当する機能モード画面が表示され、該画面を用いて該当する機能を起動させることができる(同、ステップS206)。
【0122】
このように、実施例1によれば、管理装置20は、利用者に対して発行したICカード30に記憶されるカード識別情報と、被管理装置である複合機30に備わる複数の動作モードのうちの使用権限のある(使用を許可する)動作モードの情報との対応関係を認証情報テーブル261aに登録し、認証のために近接されたICカード30から読取ったカード識別情報に対応する動作モード情報を認証情報テーブル261aから特定して、該特定した動作モードを対象とする使用許可指令を複合機10に送出する一方、複合機10は、管理装置20から送出された使用許可指令の対象である動作モードの使用を許可すべく制御するようにしたため、各利用者は、1枚のICカード30を使って該ICカード30に記憶されたカード識別情報に対応付けられた使用を許可する複数の動作モードを対象とする使用許可指令を複合機10に送信することができ、複合機10の複数の機能を利用するために複数枚のICカード30を保持する必要がなくなり、カードの管理が容易になる。
【0123】
また、複合機10では、管理装置20から送出された使用許可指令の対象である動作モードの使用を許可すべく制御するのに合わせて、該使用許可指令を受けた動作モードに対応する指示操作用画面を表示する制御を行うため、利用者は、該画面上で所望の機能の指示操作を行うことで、自分に許可権限の与えられた動作モードを直ちに利用可能になる。
【0124】
また、認証情報テーブル261aでのカード識別情報と複合機10が持つ複数の動作モード個別の使用権限との対応付けによって、使用権限の管理と、権限保持者の管理が容易になる。
【実施例2】
【0125】
図8は、実施例2に係わる認証情報テーブル261bにおける認証情報の登録例を示す表図である。
【0126】
この認証情報テーブル261bは、利用者に対して発行したICカード30に記憶されるカード識別情報に対して、機器管理制限モードについては1項目の情報(モード)を対応付けて登録し、機能制限モードについては複数項目の情報(モード)を対応付けて登録したものである。
【0127】
具体的に、図8の例では、機器管理制限モードについて、実施例1と同様、カード識別番号=00011000,カード識別番号=00011005,…,カード識別番号=00008015,カード識別番号=00013001に対して、それぞれ、「一般使用者」,「一般使用者」,「機器管理者」,「機器保守者」が関連付け登録されている。
【0128】
但し、本実施例では、機器管理制限モードについて、下式(1)に示すように、「機器管理者」モードが「一般使用者」モードを包含し、更に、「機器保守者」モードが「機器管理者」モードを包含するという取り決めを定めている。
【0129】
「一般使用者」<「機器管理者」<「機器保守者」 …… (1)
この(1)式の取り決め(包含関係規定情報)は、複合機10に実装され、複合機10は、後述する管理装置20からの機器管理制限モードの受信に基づく動作制御(図9参照)の中で該包含関係規定情報を参照したモード選択画面の表示制御を行う。
【0130】
また、図8の例において、機能制限モードについては、カード識別番号=00011000に対しては、「コピー」と「FAX」とが、カード識別番号=00011005に対しては、「プリント」と「スキャン」と「FAX」とが、それぞれ対応付けて登録されている。
【0131】
かかる構成を有する本実施例の管理装置20においても、基本的には、実施例1と同様、図5に示すフローチャートに沿った認証処理を行う。
【0132】
但し、実施例1に係わる管理装置20は、図4に示す認証情報テーブル261a〔機器管理制限モードと機能制限モードのそれぞれについて1項目の情報(モード)が登録される〕を備えることから、図5のステップS101〜S103でICカード30から読取ったカード識別情報に対応する機器管理制限モード,機能制限モードについてそれぞれ1項目のモードを特定(ステップS107,S109)して該モードの使用許可指令を複合機10に送出(ステップS110)していたが、本実施例では、図8に示すように、機器管理制限モードについては1項目の情報(モード)を、また、機能制限モードについては複数項目の情報(モード)をそれぞれ登録した認証情報テーブル261bを用いる構成の故、図5の認証処理中、ステップS107,S109では、ICカード30から読取ったカード識別情報に対応する、機器管理制限モード,機能制限モード別にそれぞれ1項目、複数項目のモードを特定し、同、ステップS110では、該特定した機器管理制限モード,機能制限モード別にそれぞれ1項目、複数項目のモードを対象とする使用許可指令を複合機10に対して送出する。
【0133】
本実施例の管理装置20が、上記ステップS110で送出する使用許可指令に対して、同実施例の複合機10は、該使用許可指令を受信して図9に示すフローチャートに沿った制御動作を実行する。
【0134】
図9において、複合機10は、管理装置接続部14を通じて管理装置20から使用許可指令を受信したかどうかを監視している(ステップS301)。
【0135】
ここで、管理装置20から使用許可指令を受信すると(ステップS301YES)、複合機制御部15は、該受信した使用許可指令の指令対象である機器管理制限モード(いずれか一項目)、及び機能制限モード(複数項目)を使用許可モードとして格納する(ステップS302)。
【0136】
次いで、複合機制御部15は、上記ステップS302で格納した機器管理制限モード、及び機能制限モードを順次チェックする。
【0137】
最初にまず、機器管理制限モードの登録項目が「一般使用者」、「機器管理者」、「機器保守者」のいずれであるかをチェックし(ステップS303)、ここで、機器管理制限モードが「一般使用者」であれば(ステップS303で一般使用者)、該「一般使用者」モードには、「コピー」、「プリント」、「FAX」、「スキャン」、「全機能」の中の複数の機能制限モードが使用許可指令されていることが前提であるため、ステップS302で格納した情報の中から、当該使用許可指令された複数の機能モードを特定し、これら複数の機能モードの間で所望のモードを選択するための選択画面を表示部12に表示する(ステップS304)。
【0138】
一方、機器管理制限モードが「機器管理者」であれば(ステップS303で機器管理者)、上記(1)式のモード包含関係を参照し、現在の使用許可指令対象のモード(「機器管理者」モード)が「一般使用者」モードを包含するとの認識結果をもとに、「機器管理者」モードと「一般使用者」モードの間で所望のモードを選択するための選択画面を表示部12に表示する(ステップS305)。
【0139】
また、機器管理制限モードが「機器保守者」であれば(ステップS303で機器保守者)、上記(1)式のモード包含関係を参照し、現在の使用許可指令対象のモード(「機器保守者」モード)が「機器管理者」モードを包含し、更に、「機器管理者」モードが「一般使用者」モードを包含するとの認識結果をもとに、「機器保守者」モード、「機器管理者」モード及び「一般使用者」モードの間で所望のモードを選択するための選択画面を表示部12に表示する(ステップS306)。
【0140】
上記ステップS304,S305,S306のいずれかで表示部12に選択画面が表示されている時、複合機制御部15は、該表示中の選択画面上で選択操作が行われたか否かを監視する(ステップS307)。
【0141】
ここで、被選択モードの選択操作が行われた場合(ステップS307YES)、該選択されたモードの機能を指示することが可能な操作画面を表示部12に表示する(ステップS308)。
【0142】
これ以後、複合機制御部15は、図6に示したステップS204〜S210の各処理と同等の流れで、上記操作画面上で操作指示を受け付け、該指示に従った動作を駆動する操作受付/動作起動制御(ステップS310)を実施する。
【0143】
以上に述べた本実施例の処理動作によれば、管理装置20の認証情報テーブル216bに図8に示す認証情報が登録されている時、カード識別情報=00011000が記憶されたICカード30がその利用者によってカード載置部221に載置されると、該カード識別情報=00011000に対応して認証情報テーブル216bに記憶された「一般使用者」、「コピー」、「FAX」のモードを対象にする使用許可指令が管理装置20から複合機10に送出される。
【0144】
一方、複合機10では、管理装置20から受信した使用許可指令に基づき使用許可モードとして「一般使用者」/「コピー」/「FAX」モードが認識され、該認識結果をもとに、例えば、図10(a)に示すように、コピー機能とFAX機能の各機能モードを選択対象とする選択画面115aが表示部11に表示される。
【0145】
この場合、利用者(一般使用者)は、該選択画面115aを用いて、いずれかのモードを選択し(「コピー」ボタン、「FAX」ボタンのいずれかを押下)、該選択によって表示部11に表示されるコピー機能あるいはFAX機能に関する機能の指示操作を可能にするコピーモード画面あるいはFAXモード画面を用いてコピー機能とFAX機能を選択的に利用できる。
【0146】
同様に、カード識別情報=00011005が記憶されたICカード30がその利用者によってカード載置部221に載置されると、該カード識別情報=00011005に対応して認証情報テーブル216bに記憶された「一般使用者」、「プリント」、「スキャン」、「FAX」の各モードを対象とする使用許可指令が管理装置20から複合機10に送出され、複合機10では、管理装置20から受信した使用許可指令に基づき使用許可モードとして「一般使用者」/「プリント」/「スキャン」、「FAX」の各モードが認識されて、例えば、図10(b)に示すように、プリント機能、スキャン機能、FAX機能の各機能モードを選択対象とする選択画面115bが表示部11に表示される。
【0147】
これにより、当該利用者(一般使用者)は、該選択画面115b上でいずれかのモードを選択し(「プリント」ボタン、「スキャン」ボタン、「FAX」ボタンのいずれかを押下)、該選択によって表示部11に表示される該当する機能モードの画面(プリントモード画面、スキャンモード画面、FAXモード画面)を用いてプリント機能、スキャン機能あるいはFAX機能を選択的に利用できる。
【0148】
また、カード識別情報=00008015が記憶されたICカード30がその利用者によってカード載置部221に載置されると、該カード識別情報=00008015に対応して認証情報テーブル216bに記憶された「機器管理者」モードを対象にした使用許可指令が管理装置20から複合機10に送出され、複合機10では、管理装置20から受信した使用許可指令に基づき使用許可モードとして「機器管理者」モードが認識され、図9のステップS305の処理により、該「機器管理者」モードと、当該モードに包含される「一般使用者」モードの各機器管理モードを選択対象とする例えば図11に示すような選択画面115cが表示部11に表示される。
【0149】
これにより、当該利用者(機器管理者)は、該選択画面115c上で、例えば、「機器管理者」モードを選択する(「機器管理者」ボタンを押下する)ことにより表示される機器管理者用の設定画面を用いて各種機能設定を行うことができ、または、選択画面115c上で「一般使用者」モードを選択する(「一般使用者」ボタンを押下する)ことにより表示される、例えば、コピー、スキャン、プリンタ、FAXの各モードの選択画面を用いていずれかのモードを選択して所望の機能を利用することができる。
【0150】
また、カード識別情報=00013001が記憶されたICカード30がその利用者によってカード載置部221に載置されると、該カード識別情報=00013001に対応して認証情報テーブル216bに記憶された「機器保守者」モードを対象とする使用許可指令が管理装置20から複合機10に送出され、複合機10では、管理装置20から受信した使用許可指令に基づき使用許可モードとして「機器保守者」モードが認識され、図9のステップS306の処理により、該「機器保守者」モードと、当該モードに包含される「機器管理者」モード及び「一般使用者」モードの各機器管理モードを選択対象とする例えば図12に示すような選択画面115dが表示部11に表示される。
【0151】
これにより、当該利用者(機器保守者)は、該選択画面115d上で、例えば、「機器保守者」モードを選択する(「機器保守者」ボタンを押下する)ことにより表示される機器保守者用の保守用画面を用いて各種機能に関する保守作業を行なうことができ、または、「機器管理者」モードを選択する(「機器管理者」ボタンを押下する)ことにより表示される機器管理者用の設定画面を用いて各種機能設定を行うことができ、若しくは、選択画面115d上で「一般使用者」モードを選択する(「一般使用者」ボタンを押下する)ことにより表示される、例えば、コピー、スキャン、プリンタ、FAXの各モードの選択画面を用いていずれかのモードを選択して所望の機能を利用することができる。
【0152】
このように、実施例2によれば、管理装置20は、機器管理制限モードについては1項目の情報(モード)を、機能制限モードについては複数項目の情報(モード)を、利用者に対して発行するICカード30に記憶されるカード識別情報と対応付けて登録した認証情報テーブル261bを用い、認証のために近接されたICカード30から読取ったカード識別情報に対応付けられた、機器管理制限モードに関する1項目のモードと、機能制限モードに関する複数の項目のモードを認証情報テーブル261bから特定して、該特定した複数のモードを対象とする(使用許可モードとして指定する)使用許可指令を複合機10に送出する一方、複合機10は、管理装置20から送出された使用許可指令の指令対象の複数の動作モードを選択する選択画面115(115a〜115d)を表示させ、該選択画面上で選択されたモードに移行する制御を行うものである。
【0153】
かかる実施例2の構成によれば、上述した実施例1の作用効果に加えて、更に、以下の効果を有する。すなわち、本実施例では、ICカード30に記憶されるカード識別情報に対応付けて複数の動作モードを対応付け登録しておくことにより、該ICカード30を用いて認証操作を行った利用者は、複合機10側に表示される、該ICカード30のカード識別情報に対応して登録されるこれら複数の動作モードを対象とする選択画面を見ることで、自分に使用許可されたモードを明確に把握でき、その中の所望のモードを選択して該モードの機能選択へと迅速に移行することができる。
【0154】
上記実施例では、認証カードとして非接触型ICカード30を用いたが、磁気カード等の他の記録媒体を用いても良い。
【0155】
この他、本発明は、上記し、且つ図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
【0156】
例えば、上記実施例では、管理装置20と複合機10を1対1で接続した例を挙げたが、複合機10等の複数の被管理装置を管理装置20に接続する一方、管理装置20では、カード識別情報に対応して、これら複数の装置のうちの使用許可する装置の情報、及び使用許可するモードの情報を登録した認証情報テーブルを用いて認証情報を集中管理し、ICカード30から読取った情報に基づき、上記集中管理用の認証情報テーブルを参照して、使用する被管理装置と動作モードを認証するようにしても良い。
【0157】
また、上記複数の被管理装置をネットワークにより管理装置20に接続し、PC等からネットワークを介して利用者の識別情報を入力し、該利用者識別情報を基に上記集中管理用の認証情報テーブルを参照して利用可能な装置及び利用可能なモードを認証する構成としても良い。
【0158】
また、複数の管理装置とネットワークを介して接続された集中管理装置を設け、カード識別情報に対応して、複数の管理装置が管理する装置のうちの使用許可する装置の情報、及び使用許可するモードの情報を登録した認証情報テーブルをこの中中管理装置に記憶して認証情報を集中管理し、各管理装置でICカード30から読取った情報をこの集中管理装置に送信し、上記集中管理装置において認証情報テーブルを参照し使用する非管理装置と動作モードに関する情報を管理装置に返信するように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0159】
本発明は、記録媒体から読取った情報に基づいて、複数の動作モードを有する装置の利用者及び利用動作モードを認証する認証装置、及びこれを用いて上記装置の動作を管理する管理システムに適用でき、管理装置側に、利用者が用いる記録媒体に記憶された識別情報と、使用権限のある動作モードの情報を対応付けて登録した認証情報テーブルを設け、記録媒体から読取った識別情報に基づき、該識別情報に対応する使用権限動作モードを認証情報テーブル中から特定して該動作モードの使用許可指令を装置に送出することで、各利用者が各々1枚の記録媒体を用いて装置の利用可能な利用者及び動作モードを認証できる。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】本発明に係わる管理システムの全体構成を示す概念図。
【図2】管理システムにおける複合機と管理装置の機能構成を示すブロック図。
【図3】ICカードの情報格納構造を示す概念図。
【図4】実施例1で用いる認証情報テーブルの情報登録例を示す表図。
【図5】管理装置の認証処理動作を示すフローチャート。
【図6】実施例1に係わる画像形成装置の処理動作を示すフローチャート。
【図7】実施例1の画像形成装置におけるコピー機能モードの使用許可指令受信に基づくコピーモード画面の表示例を示す図。
【図8】実施例2で用いる認証情報テーブルの情報登録例を示す表図。
【図9】実施例2に係わる画像形成装置の処理動作を示すフローチャート。
【図10】実施例2の画像形成装置における複数の機能モードの使用許可指令受信に基づく機能モード選択画面の表示例を示す図。
【図11】実施例2の画像形成装置における機器管理者モードの使用許可指令受信に基づくモード選択画面の表示例を示す図。
【図12】実施例2の画像形成装置における機器保守者モードの使用許可指令受信に基づくモード選択画面の表示例を示す図。
【符号の説明】
【0161】
10…複合機、11…表示部、110…コピーモード画面、115a,115b,115c,115d…選択画面、12…操作部、13…画像形成部、14…管理装置接続部、15…複合機制御部、20…管理装置、21…表示部、211…読取可能状態表示LED、212…利用許可状態表示LED、22…非接触型ICカード通信部、221…カード載置部、23…操作部、24…設定装置制御部、25複合機制御部、26…記憶部、261,261a,261b…認証情報テーブル、27…管理装置制御部、271…認証情報設定制御部、272…認証制御部、30…非接触型ICカード、40…設定装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体から読取った情報に基づいて、複数の動作モードを有する装置の利用者及び利用動作モードを認証する認証装置、及びこれを用いて上記装置の動作を管理する管理システム、管理方法及びプログラムに係わり、詳しくは、各利用者が各々1枚の認証カードを用いて上記装置の利用可能な利用者及び動作モードを認証可能な認証装置、管理システム、管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが使用する各種の装置を選択するシステム、あるいは、装置の使用を許可されたユーザだけに制限するシステムとして、種々の方式が知られている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、ネットワークを使ったデジタルコンテンツの配信サービスが対価を払わずに不正利用されることを防止すべく、利用権コントロールサーバでユーザを特定するLC−IDを用いて認証データを生成し、暗号鍵で暗号化してユーザ端末に送ると共に、ユーザ端末で暗号鍵を用いて復号化した認証データを利用権コントロールサーバに送り返し、暗号化する前の認証データと比較することでユーザを認証する技術が開示されている。
【0004】
また、下記特許文献2には、課金装置の付いたネットワークプリンタにおいて、利用者が課金装置にコインを投入した(あるいは、カードを挿入した)際に割当てるIDと共にアプリケーションの種類を記憶することにより、アプリケーションの種類に応じたプリンタ使用を可能にする技術が開示されている。
【0005】
これら特許文献1、2に記載の技術は、それぞれ、デジタルコンテンツ配信サービス、インターネットプリンタの利用者を認証する技術であるが、画像形成装置、中でも、コピー機能、プリンタ機能等の複数の機能を有する複合機の利用に適用する認証処理技術も提案されている。
【0006】
例えば、下記特許文献3、4には、予め設定された情報を参照し、その情報に応じた手段を用いて画像形成装置(複合機)のアプリケーションの利用者の認証を行う技術、とりわけ、予め設定された情報として、利用者識別情報を登録したサーバのアドレスを含み、そのアドレスに基づき該サーバ宛に画像形成装置に入力された利用者識別情報を送信し、該サーバから認証結果を受信する技術が開示されている。
【0007】
この特許文献3,4に開示されるような複合機を対象に、該複合機の使用を許可されたユーザだけに、しかも許可された機能のみを使用可能にする認証システムにおいては、複合機を利用するユーザ(利用者)として、一般利用者だけでなく、機器管理者、機器保守者も存在する。
【0008】
ここで、機器管理者は、一般利用者が利用するコピー機能、プリント機能等の各種機能に加えて、コピーあるいはプリント枚数等の設定機能を利用する必要があり、更に、機器保守者は複合機の機能全般の保守機能も利用する必要がある。
【0009】
こうした複合機の利用環境において、従来、ICカードや磁気カード等の認証カードを用いることを前提とし、認証カード毎に使用可能な機能を変えられるような認証システムが提案されていた。
【特許文献1】特開2003−316913号公報
【特許文献2】特開平9−259351号公報
【特許文献3】特開2004−5408号公報
【特許文献4】特開2004−5409号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来の認証システムでは、認証カードに記憶された情報毎に使用可能な機能が異なり、一人で複数の機能を使用する場合、複数の認証カードを使用する必要があった。
【0011】
特に、一般利用者と同じ各種機能の利用に加えて各種設定機能を利用する必要のある機器管理者、該各種設定機能に加えて更に各機能全般の保守機能を利用する必要のある機器保守者にとっては、より多くの認証カードを持つ必要が生じ、認証カードの管理が煩雑になるという問題点があった。
【0012】
本発明は、上記問題点を解消し、一般利用者、機器管理者及び機器保守者のいずれの利用者も1枚の認証カードを使って各利用者に必要とされる機能のみを利用でき、カード管理の煩雑化を防止できる認証装置、管理システム、管理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、記録媒体から読取った情報に基づいて、複数の動作モードを有する装置の利用者及び利用動作モードを認証する認証装置において、固有の識別情報が記録された記録媒体と、前記記録媒体に記録された情報を読取る読取手段と、前記記録媒体に記録された前記識別情報と、前記装置の複数の動作モードのうちの使用権限のある動作モードの情報を対応付けて登録した認証情報テーブルと、前記記録媒体から読取った前記識別情報に基づき、該識別情報に対応する使用権限動作モードを前記認証情報テーブルから特定し、該特定した使用権限動作モードを対象とする使用許可指令を前記装置に送出する認証制御手段とを具備することを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、前記認証情報テーブルは、前記使用権限のある動作モード情報として、前記装置が有する複数の機器管理モードのうちの任意の機器管理モードの情報を登録し、前記認証制御手段は、読取った前記識別情報に対応する前記機器管理モードを前記認証情報テーブルから特定して該機器管理モードを対象とする前記使用許可指令を送出することを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明は、上記請求項1または2記載の発明において、前記認証情報テーブルは、前記使用権限のある動作モード情報として、前記装置が有する複数の機能モードのうちの任意の機能モードの情報を登録し、前記認証制御手段は、読取った前記識別情報に対応する前記機能モードを前記認証情報テーブルから特定して該機能モードを対象とする前記使用許可指令を送出することを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明は、複数の動作モードを有する装置と、利用者の識別情報に基づいて前記装置の動作を管理する管理装置とを有する管理システムにおいて、前記管理装置は、固有の識別情報が記録された記録媒体と、前記記録媒体に記録された情報を読取る読取手段と、前記記録媒体に記録された前記識別情報と、前記装置の複数の動作モードのうちの使用権限のある動作モードの情報を対応付けて登録した認証情報テーブルと、前記記録媒体から読取った前記識別情報に基づき、該識別情報に対応する使用権動作モードを前記認証情報テーブル中から特定し、該特定した使用権限動作モードを対象とする使用許可指令を前記装置に送出する認証制御手段とを具備し、前記装置は、前記管理装置から受信した前記使用許可指令の対象である動作モードの使用を許可すべく制御する制御手段を具備することを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の発明は、上記請求項4記載の発明において、前記認証情報テーブルは、前記使用権限のある動作モード情報として、前記装置が有する複数の機器管理モードのうちの任意の機器管理モードの情報を登録し、前記認証制御手段は、読取った前記識別情報に対応する前記機器管理モードを前記認証情報テーブルから特定して該機器管理モードを対象とする前記使用許可指令を送出することを特徴とする。
【0018】
請求項6記載の発明は、上記請求項4または5記載の発明において、前記認証情報テーブルは、前記使用権限のある動作モード情報として、前記装置が有する複数の機能モードのうちの任意の機能モードの情報を登録し、前記認証制御手段は、読取った前記識別情報に対応する前記機能モードを前記認証情報テーブルから特定して該機能モードを対象とする前記使用許可指令を送出することを特徴とする。
【0019】
請求項7記載の発明は、上記請求項6記載の発明において、前記認証情報テーブルは、前記機器管理モードと前記機能モード毎にそれぞれ1つのモードを登録し、前記認証制御手段は、読取った前記識別情報に対応するそれぞれ1つの機器管理モードと機能モードを前記認証情報テーブルから特定して該特定したモードを対象とする前記使用許可指令を送出すると共に、前記装置は、前記管理装置から受信した前記使用許可指令の対象であるモードに対応する操作画面を表示する表示手段を具備することを特徴とする。
【0020】
請求項8記載の発明は、上記請求項6記載の発明において、前記認証情報テーブルは、前記機器管理モードと前記機能モード毎にそれぞれ1つのモードと複数のモードを登録し、前記認証制御手段は、読取った前記識別情報に対応するそれぞれ1つの機器管理モードと複数の機能モードを前記認証情報テーブルから特定して該特定したモードを対象とする前記使用許可指令を送出すると共に、前記装置は、前記管理装置から受信した前記使用許可指令の対象である複数のモードの間で所望のモードを選択可能なモード選択画面を表示する表示手段を具備することを特徴とする。
【0021】
請求項9記載の発明は、上記請求項8記載の発明において、前記装置は、前記複数の機器管理モード間の使用権限に関する包含関係を規定した包含関係情報を保持する保持手段と、前記管理装置から受信した前記使用許可指令の対象である機器管理モードと他の機器管理モードの包含関係を前記包含関係情報をもとに判定する判定手段とを具備し、前記表示手段は、前記判定手段により判定された包含関係に応じて、前記使用許可指令の対象の機器管理モードと該機器管理モードが包含する他の機器管理モードとの間で所望のモードを選択可能な前記モード選択画面を表示することを特徴とする。
【0022】
請求項10記載の発明は、管理装置が、記録媒体から読取った利用者の識別情報に基づいて、複数の動作モードを有する装置の動作を管理する管理方法において、前記記録媒体に記録された固有の識別情報と、前記装置の複数の動作モードのうちの使用権限のある動作モードの情報を対応付けて前記管理装置の認証情報テーブルに登録し、 前記管理装置の読取手段により前記記録媒体から読取った前記識別情報に基づき、該管理装置の認証制御手段が、前記読取った識別情報に対応する使用権限動作モードを前記認証情報テーブルから特定し、該特定した使用権限動作モードを対象とする使用許可指令を前記装置に送出し、前記装置が、前記管理装置から受信した前記使用許可指令の対象である動作モードの使用を許可すべく制御手段により制御することを特徴とする。
【0023】
請求項11記載の発明は、管理装置に実装され、記録媒体から読取った利用者の識別情報に基づいて、複数の動作モードを有する装置の動作を管理する処理を該管理装置に行なわせる管理プログラムにおいて、前記記録媒体に記録された固有の識別情報と、前記装置の複数の動作モードのうちの使用権限のある動作モードの情報を対応付けて認証情報テーブルに登録する認証情報登録処理と、読取手段により前記記録媒体から読取った前記識別情報に基づき、認証制御手段が、前記読取った識別情報に対応する使用権限動作モードを前記認証情報テーブルから特定し、該特定した使用権限動作モードを対象とする使用許可指令を前記装置に送出する使用許可指令送出処理とを前記管理装置に行なわせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、管理装置は、利用者が用いる記録媒体に記憶された固有の識別情報と、管理対象の装置の複数の動作モードのうちの使用権限のある動作モードの情報を対応付けて認証情報テーブルに登録し、記録媒体から読取った識別情報に基づき、該識別情報に対応する使用権限動作モードを認証情報テーブルから特定し、該特定した使用権限動作モードを対象とする使用許可指令を装置に送出する一方、被管理側の装置は、管理装置から受信した使用許可指令の対象である動作モードの使用を許可すべく制御する構成としたため、各利用者は、各々1枚の記録媒体を使って該記録媒体の識別情報に対応付けられた使用権限のある動作モードに関する使用許可指令を管理装置から被管理側の装置に送信することができ、該装置の複数の機能を選択的に駆動するために複数枚の記録媒体(カード)を保持する必要がなくなり、カード管理が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明に係わる管理システムの全体構成を示す概念図である。
【0027】
このシステムは、管理対象の画像形成装置である複合機〔コピー機能、スキャン機能、プリンタ機能、FAX(ファクシミリ)機能等の複数の機能を有する〕10と、利用者により所定の読取位置に載置あるいは近接される非接触型ICカード(以下、ICカードと呼称)30から情報を読取り、該読取った情報(カード情報)に基づき当該利用者が複合機10の使用が許可された利用者かどうかを認証し、該認証結果に応じて複合機10を利用許可状態または利用禁止(利用不許可)状態に制御する管理装置20と、ノート・パソコン等から成り、管理装置20に接続された状態で、上記認証処理を実施するために必要な情報の設定等、各種の設定を行う設定装置40とを備えて構成される。
【0028】
このシステムでは、複合機10と管理装置20とはケーブル等により常に接続され、設定装置40は、設定が必要な場合にのみ管理装置20に接続される。
【0029】
管理装置20は、外観構成上、その上面に、後述する非接触型ICカード通信部22の読取可能範囲内に読取対象であるICカード30を載置するカード載置部221が設けられる。
【0030】
また、カード載置部221の上部には、ICカード30の読み取りが可能な状態を示す読取可能状態表示LED(Light Emitting Diode)211と、ICカード30から読み取った情報に基づき複合機10が利用許可状態若しくは利用禁止状態に制御されるのに対応して点灯と消灯状態に制御される利用許可状態表示LED212とが備わる。
【0031】
また、カード載置部221の隣接位置には、複合機10の利用可能状態を解除する解除ボタン等を備えた操作部23が備わる。
【0032】
この管理システムにおいて、待機状態では、管理装置20から複合機10に使用禁止指令が送出されていて該複合機10は動作が行えない状態にある。この時、利用許可状態表示LED212は消灯状態にある。
【0033】
この状態において、複合機10を利用する場合、利用者は、読取可能状態表示LED211が点灯していることを確認して、自分が携帯するICカード30を管理装置20のカード載置部221に載置するか、若しくはかざす(近接させる)ことによりICカード30に記録された情報を管理装置20に読み取らせる。
【0034】
管理装置10では、ICカード30から読み取った情報を基に複合機10の使用を許可された利用者であると認証した場合(認証OKの場合)に複合機10に駆動を許可する指令(使用許可指令)を送り、該使用許可指令を送っている間、利用者が当該複合機10を利用してコピー、プリント、FAX等の作業を行なうことができる。
【0035】
上記複合機10が利用許可状態にある間、読取可能状態表示LED211及び利用許可状態表示LED212は消灯状態に制御される。
【0036】
図2は、図1における管理システムの複合機10と管理装置20の機能構成を示すブロック図である。
【0037】
図2に示すように、複合機10は、表示部11、操作部12、画像形成部13、管理装置接続部14、複合機制御部15を備えて構成される。
【0038】
表示部11は、複合機10が利用許可状態である時に、複合機10の動作状態や、利用者へ操作を促すメッセージ等、各種の情報を表示する。
【0039】
操作部12は、複合機10が利用許可状態である時に、コピー、プリント、FAX等に係わる起動指令操作等、各種指令や情報の入力を行う。
【0040】
画像形成部13は、操作部10での各種機能に関する起動指令に応じて、複合機制御部15の制御下で、印刷対象の画像情報を電子写真プロセスにより画像として用紙に印刷出力する。
【0041】
管理装置接続部14は、管理装置20の複合機制御部25と接続され、管理装置20との間でデータや制御信号の授受の制御を行う。
【0042】
複合機制御部15は、上述した各部の制御を通じて該複合機10全体を統括制御する。この制御には、管理装置20から使用禁止指令が与えられている状態では操作部11からのコピー開始等の指令操作受付を禁止する一方、管理装置20から使用許可指令が与えられている状態では操作部11から上記指令操作を受付け可能な状態(利用許可状態)に切換える制御、該利用許可状態において、操作部11からのコピー開始等の指令に応じて画像形成部13を駆動して画像を印刷出力させる印刷動作制御等が含まれる。
【0043】
一方、管理装置20は、読取可能状態表示LED211及び利用許可状態表示LED212を有する表示部21、カード載置部221に載置または近接されたICカード30との間で情報の読出しに係わる通信を行う非接触型ICカード通信部(以下、ICカード通信部と呼称)22、複合機10の利用許可状態を解除するための解除ボタン(図示せず)等を含む操作部23、設定装置40との接続インタフェースを司る設定装置接続部24、複合機10の管理装置接続部14と接続されて該複合機10の制御を行なう複合機制御部25、管理装置20の動作制御プログラム等の各種情報を記憶する記憶部26、記憶部26に記憶された動作制御プログラムに基づいて管理装置20全体を統括制御する管理装置制御部27を具備して構成される。
【0044】
表示部21は、管理装置制御部27からの所定の制御信号に基づき読取可能状態表示LED211や利用許可状態表示LED212を点灯制御し、管理装置20がICカード30の読み取りが可能な状態若しくは読み取りが禁止された状態であることや、複合機10が利用許可状態あるいは利用禁止状態であることを利用者に向けて通知する。
【0045】
ICカード通信部22は、カード載置部221の表面を含む所定の空間内にICカード30が載置されるか、もしくはかざされることでICカード30に記録された情報を読み取り、該読み取った情報を管理装置制御部27に転送する。
【0046】
設定装置接続部24は、管理装置20とケーブル〔例えば、Ethernet(登録商標)用ケーブル〕を介して接続される設定装置40との間でデータや制御信号の授受の制御を行う。
【0047】
複合機制御部25は、ICカード30から読取った情報に基づいて管理装置制御部27で行なわれる利用者認証結果に応じて該管理装置制御部27から出力される制御信号を受けて、複合機20に使用許可あるいは利用禁止等の指令信号を送信して該複合機20の動作制御を行う。
【0048】
記憶部26は、ICカード通信部22を通じてICカード30から読取った情報に基づき、管理装置制御部27が、複合機10を利用可能に登録された利用者か否かを認証する処理を行うために必要な情報、該認証処理実行に関連して設定装置40から設定される各種設定情報を上述した動作制御プログラムと共に保持する。
【0049】
管理装置制御部27は、上述した統括制御の中で、ICカード通信部22にICカード30の情報を読取らせる制御、ICカード30から読取った情報と記憶部26に保持されている認証用の情報を比較照合して複合機10の利用が許可された利用者か否かを認証する制御、利用が許可された利用者である(認証OK)か否(認証NG)かに応じ、複合機制御部25を通じて複合機10を動作(利用)許可状態あるいは動作(利用)禁止状態にすると共に、ICカード30を取り去ったりあるいは操作部23の解除ボタンを押下する操作に基づき複合機20を動作許可状態から動作禁止状態に切換える制御等を実行する。
【0050】
かかる本発明のシステムの運用において、複合機10の利用者としては、一般使用者、機器管理者、機器保守者が存在する。
【0051】
一般使用者は、複合機10の複数機能のうち、予め使用許可が設定された機能のみ利用可能な利用者である。
【0052】
機器管理者は、一般使用者が利用する各機能の利用制限等の管理を担当する者であり、一般使用者が利用できる各種機能を利用する権限に加えて、上記使用制限条件(例えば、コピー枚数やプリント枚数の制限値等)等を該当設定画面を用いて当該複合機10に設定する権限が与えられる。
【0053】
また、機器保守者は、複合機10の各種機能に関する保守作業を担当する者であり、機器管理者が利用できる機能を利用する権限に加えて、更に、保守用の画面を表示、操作する権限が与えられる。
【0054】
利用権限が異なるこれらの利用者が複合機10の利用機会を持つ本発明のシステムにおいて、管理装置20は、利用権限が異なる各利用者が、各々、1枚のICカード30を使ってその権限に対応する機能を利用できるような認証処理を実現している。
【0055】
この認証処理を実現すべく、図2に示す管理装置20の構成において、記憶部26には、複合機10の利用者が各自所持するICカード30に記憶された該ICカード固有の識別情報(例えば、カード識別情報)と、複合機10が持つ複数の動作モードのうちの使用権限のある(使用を許可する)動作モードの情報を対応付けて認証情報として登録した認証情報テーブル261が設けられる。
【0056】
また、管理装置20の管理装置制御部27には、設定装置接続部24に接続された設定装置40と通信し、該設定装置40から設定操作により入力された情報を取り込んで認証情報テーブル261に認証情報の設定を行う認証情報設定制御部271、利用者がカード載置部221に載置若しくは近接させたICカード30からICカード通信部22により読取ったカード情報と、認証情報テーブル261に登録された当該カード情報に対応する認証情報とを比較照合して当該ICカード30に対応して使用許可された利用者及び動作モードを認証し、該使用許可された利用者に該使用許可された動作モードのみを起動可能に複合機10の動作を制御する認証制御部272が備わる。
【0057】
以下、本発明に係わるシステムの運用動作について、各実施例を挙げて順を追って説明する。
【実施例1】
【0058】
本発明のシステムでは、その運用に先立って、認証カードとして用いるICカード30を発行する一方、管理装置20の記憶部26には、ICカード30から読取ったカード情報と比較照合して該ICカード30を所持する利用者を認証するために用いる認証情報を認証情報テーブル261に予め登録しておく必要がある。
【0059】
ICカード30の発行は、図示しないカード発行装置を用いて以下のように実施される。
【0060】
まず、カード発行装置にICカード30を装着し、認証装置として機能する管理装置20で認証するために必要な情報を含めた情報を当該ICカード30に記憶する。なお、ICカード30の発行は、例えば、複合機10を設置し運用している会社の社員から選出された機器管理者によって実施される。
【0061】
図3は、本実施例に係わるシステムで認証カードとして用いるICカード30の情報格納構造を示す概念図である。
【0062】
このICカード30は、例えば、本システムを設置、運用する会社の社員証として用いられているものであり、システムコード「12345、サービスコード「1008h」、「1028h」、「1068h」、「1088h」等が記憶される。
【0063】
このうち、サービスコード「1008h」に関しては、“0(零)”Byte(バイト)から7バイトまでには属性コード別番号が、8バイトから15バイトまでには有効期限が、16バイトから31バイトまでには名前がそれぞれ記憶される。
【0064】
同様に、サービスコード「1028h」、「1068h」、「1088h」についても、各サービスコード毎に各バイト領域内に図3に示すデータ項目の各情報がそれぞれ記憶されている。
【0065】
このうち、サービスコード「1008h」の0〜7バイトの領域に記憶される属性コード別番号は、当該ICカード30を識別するカード識別番号である。
【0066】
また、サービスコード「1068h」の0〜15バイトの領域に記憶されるカード発行回数は、カードの紛失やその他の理由によるカードの使用禁止制御に利用される。
【0067】
例えば、ある利用者がICカード30を紛失した後に再発行されたICカード30には発行回数=2が記憶され、再々発行した場合には発行回数=3が記憶されたICカード30が発行される。この場合、ICカード30には、最初に発行されたものから最後に発行されたものまで、同じカード識別情報が記憶される。
【0068】
一方、管理装置20にも、ICカード30が発行される毎に該ICカード30のカード識別情報に対応して当該ICカード30のカード発行回数が記憶され、ICカード30が再発行される度に最新のカード発行回数に更新される。
【0069】
管理装置20は、ICカード30から読取ったカード発行回数が記憶している最新のカード発行回数と一致しない場合は当該ICカード30による認証結果を認証NGとして処理することによって、該最新のカード発行回数未満のカード発行回数が記憶されたICカード30(紛失したカード等)の不正使用を防止する。
【0070】
管理装置20の認証情報テーブル261に対する認証情報の登録は、例えば、上述の機器管理者により、設定装置接続部24に接続した設定装置40を用いて行われる。
【0071】
この設定処理に際し、管理装置20に設定装置40を接続した状態で、該設定装置40にて予め決められた所定のキーの押下等により認証情報設定開始操作が行われた場合、自装置にインストールされているウェブ・ブラウザ(Web Browser)を起動して設定画面を表示部に表示させ、この設定画面上で必要な情報を入力する。
【0072】
一方、管理装置20では、上記情報入力操作によって設定装置40から入力される情報を設定装置接続部24を通じて受信し、認証情報設定部271が、これら受信した入力情報を所定の形でまとめて認証情報として認証情報テーブル261に登録する。
【0073】
ここで、認証情報テーブル261に設定する認証情報は、利用者が所持するICカード30から読取ったカード情報に基づいて、該ICカード30を所持する利用者が適正な利用者であることと、該利用者に対する複合機10の使用許可された動作モード(利用権限)を特定できる情報内容を持つ必要がある。
【0074】
特に、本実施例では、複合機10の利用者を、一般使用者、機器管理者、機器保守者の種別に区分し、各種別の利用者毎に複合機10の利用可能な動作モードを制限する認証処理を行うために、これら各利用者が持つICカード30から読取ったカード情報を基に該利用者が一般使用者、機器管理者、機器保守者のいずれであって、かつ、複合機10の利用可能な動作モードがどれであるかを特定可能な情報内容を持つ認証情報を設定する必要がある。
【0075】
図4は、本実施例に係わる認証情報テーブル261aにおける認証情報の登録例を示す表図である。
【0076】
この認証情報テーブル261aにおいて、カード識別情報は、複合機10の利用者が例えば社員証として各自所持するICカード30を識別するための各ICカード30固有の情報(例えば、サービスコード1008hの0〜7バイトの領域に記憶される属性コード別番号:図3参照)である。
【0077】
図4に例示する認証情報テーブル261aにおいては、一般使用者、機器管理者、機器保守者が所持する各ICカード30のそれぞれに対応するカード識別情報(「00011000」,「00011005」,…,「00008015」,「00013001」,)と、機器管理制限モード、機能制限モード、カード発行回数、認証用ID、読み込み範囲、設定用パスワードの各情報を対応付けて登録した内容となっている。
【0078】
機器管理制限モードとしては、各利用者(カード識別番号)に対して「一般使用者」、「機器管理者」、「機器保守者」の各モードのいずれか一項目〔各利用者に対して利用権限を与える(利用を許可する)機器管理モード〕を選択的に指定可能である。
【0079】
機能制限モードとしては、各利用者(カード識別番号)に対して「コピー」、「プリント」、「FAX」、「スキャン」、「全機能」の各機能モードのいずれか一項目〔各利用者に対して利用権限を与える(利用を許可する)機能モード〕を選択的に指定可能である。
【0080】
また、図4に例示する認証情報テーブル261aにおいて、カード識別情報に対応して登録される制限モード(機器管理制限モード、機能制限モード)以外の情報のうち、カード発行回数は、ICカード30から読取ったカード発行回数と照合して、不一致の場合に認証を不許可(NG)として処理するために用いる情報である。
【0081】
認証用IDは、ICカード30から読取ったカード情報を基に認証処理を行う際に、パスワードを要求してユーザに入力させる手順を採用する場合に、該入力されたパスワードと比較照合して一致すれば認証処理に進むための処理に用いる情報(パスワード)である。
【0082】
読み込み範囲は、図3に示す情報格納構造を有するICカード30から被認証用情報として読み込む情報領域を指定するものである。この例では、ICカード30からカード識別情報、カード発行回数を読取るべくこれら各情報の記憶領域(1008hの0〜7バイト,1068hの0〜15バイト)が読み込み領域として指定されている。
【0083】
設定用パスワードは、例えば、機器管理者が設定装置40を用いて認証情報を認証情報テーブル261に登録する際に、設定用パスワードを要求して機器管理者に入力させる手順を採用する場合に、該入力された認証用パスワードと比較照合して一致すれば認証情報設定処理を受付ける処理に用いる設定権限者認証専用の情報である。
【0084】
このように、本実施例において、機器管理者は、管理装置20に接続した設定装置40を用いて、「一般使用者」、「機器管理者」、「機器保守者」の各モードから成る機器管理制限モード、及び「コピー」、「プリント」、「FAX」、「スキャン」、「全機能」の各機能モードから成る機能制限モードの2種類の制限モードそれぞれについて、その中の1項目の情報が、ICカード30から読取ったカード情報(カード識別情報)から特定できる情報内容を有する認証情報テーブル261aを予め管理装置20に登録する。
【0085】
また、機器管理者は、上記した手順でカード発行装置から発行した各ICカード30を、以下の方法で該当する各利用者に配布する。
【0086】
例えば、認証情報テーブル261aの機器管理制限モードに関して「一般使用者」モードを記憶したカード識別番号=00011000のICカード30は、該一般使用者としての権限を与えられる例えば社員A(当該ICカード30に記憶された“名前”と一致する社員)に配布する。
【0087】
同じく、認証情報テーブル261aの機器管理制限モードに関し、「一般使用者モードを記憶したカード識別番号=00011005のICカード30,…,「機器管理者」モードを記憶したカード識別番号=00008015のICカード30,「機器保守者」モードを記憶したカード識別番号=00013001のICカード30を、それぞれ、一般使用者,…,機器管理者、機器保守者としての権限を与えられる例えば社員B,C,D(当該各ICカード30に記憶された“名前”とそれぞれ一致する各社員)に各1枚ずつ配布する。
【0088】
このように、各々のカード固有の識別情報を記憶した各ICカード30が各利用者に配布される結果、該各ICカード30に記憶された識別情報は当該各利用者を識別する情報として利用可能になる。
【0089】
その後、各利用者は、各自配布された1枚のICカード30を管理装置20のカード載置部221に載置し、該管理装置20による認証処理を経て、複合機10における当該各利用者に対して予め登録された権限に対応する各機能を利用することができる。
【0090】
図5は、上記認証情報テーブル261a登録後の本実施例に係わる管理装置20における認証処理動作を示すフローチャートである。
【0091】
図5において、管理装置20は、システム起動後、ステップS101〜S103におけるカード情報読取処理を開始する。
【0092】
このカード情報読取処理では、まず、ICカード通信部22からポーリングコマンドを無線送信(ステップS101)させ、該ポーリングコマンドに対する応答コマンドを受信(ステップS102)させる動作を繰り返し実施するように当該ICカード通信部22を駆動する。
【0093】
この状態で、ICカード30がカード載置部221に載置されると、該ICカード30はICカード通信部22からのポーリングコマンドに応答して自カードに記憶された各情報を含む応答コマンドを無線送信する。
【0094】
かかるICカード30の動作に対して、管理装置20では、載置されたICカード30から応答コマンドを受信すると(ステップS102YES)、認証制御部272が、該応答コマンドから、認証情報中に予め設定されている読み込み範囲の情報(カード識別情報、カード発行回数)を抽出し(ステップS103)、まず、読み込んだカード識別情報に一致するカード識別情報が認証情報テーブル261aに登録されているか否かをチェックする(ステップS104)。
【0095】
ここで、読み込んだカード識別情報に一致するカード識別情報が登録されていない場合(ステップS104NO)、認証制御部272は認証エラー処理(ステップS121)を行い、その後、処理を終了する。
【0096】
これに対して、読み込んだカード識別情報に一致するカード識別情報が登録されている場合(ステップS104YES)、認証制御部272は、読み込んだカード発行回数が、当該カード識別情報に対応して認証情報テーブル261aに記憶されているカード発行回数と一致するから否かをチェックする(ステップS105)。
【0097】
ここで、カード発行回数が一致しない場合(ステップS105NO)、認証エラー処理(ステップS121)を行い、その後、処理を終了する。
【0098】
これに対して、カード発行回数が一致する場合(ステップS105YES)、認証制御部272は、上記ステップS103で読み込んだカード識別情報に対応して認証情報テーブル261aに登録されている機器管理制限モードの登録項目を参照し(ステップS106)、「一般使用者」、「機器管理者」、「機器保守者」のいずれの項目(モード)が登録されているかを特定する(ステップS107)。
【0099】
次いで、認証制御部272は、上記ステップS103で読み込んだカード識別情報に対応して認証情報テーブル261aに登録されている機能制限モードの登録項目を参照し(ステップS108)、「コピー」、「プリント」、「FAX」、「スキャン」、「全機能」のいずれの項目が登録されているかを特定する(ステップS109)。
【0100】
更に、認証制御部272は、上記ステップS107で特定した機器管理制限モード(「一般使用者」、「機器管理者」、「機器保守者」の各モードのうちのいずれか1つ)、及び上記ステップS109で認識した機能制限モード(「コピー」、「プリント」、「FAX」、「スキャン」のうちのいずれか1つ)を対象とした使用許可指令を複合機制御部25を通じて複合機10に送出する(ステップS110)。
【0101】
一方、複合機10は、管理装置20から送出された使用許可指令を受信し、該受信した使用許可指令の指令対象である動作モードのみを使用許可すべく動作する。なお、この動作については、後で、図6を参照して詳しく説明する。
【0102】
これに対して、管理装置20は、上記ステップS110で複合機10に使用許可指令を送出した後、該複合機10の動作を管理する処理(ステップS111)に移行する。
【0103】
この動作管理において、管理装置20(管理装置制御部27)は、上記ステップS110で送出した使用許可指令によって複合機10で使用許可された機能の動作を監視して利用制限等を超えないようにする制御(例えば、コピー機能よるコピー枚数が予め当該利用者に対して許可設定されている枚数を超えた場合にコピーできないようにする)、複合機10の操作部12で、使用許可されている機能に関する終了操作が行われた場合、あるいは該機能に関する何等の操作も行われない期間が所定期間継続した場合、更には、管理装置20の操作部23で解除ボタンが押下された場合に、複合機10に使用禁止指令を送信して待機状態に戻す等の制御を行う。
【0104】
図6は、図5における認証処理のステップS110で管理装置20が送出する使用許可指令の受信に基づく複合機10の処理動作を示すフローチャートである。
【0105】
図6において、複合機10は、管理装置接続部14を通じて管理装置20から使用許可指令を受信したかどうかを監視している(ステップS201)。
【0106】
ここで、管理装置20から使用許可指令を受信すると(ステップS201YES)、複合機制御部15は、該受信した使用許可指令の指令対象である機器管理制限モード、及び機能制限モードの各モードを抽出し、該抽出した各モード(使用許可モード)を格納する(ステップS202)。
【0107】
次いで、複合機制御部15は、上記ステップS202で格納した機器管理制限モード、及び機能制限モードの各モードがサポートする機能の指示操作を行うことが可能な操作画面を表示部12に表示する(ステップS203)。
【0108】
その後、この操作画面上で、何等かの機能に関する指示操作が行われたか否かを監視する(ステップS204)。
【0109】
ここで、指示操作が行われた場合(ステップS204YES)、複合機制御部15は、ステップS202で格納した、管理装置20からの使用許可指令対象のモード(使用許可モード)をチェックし、ステップS204で行われた指示操作が、該使用許可モード、若しくは、該使用許可モードに包含されるモードのいずれかのモードの機能に関する指示操作かをチェックする(ステップS205)。
【0110】
そして、ステップS204で行われた指示操作が、使用許可モード、若しくは、該使用許可モードに包含されるモード以外の機能に関する指示操作である場合(ステップS205NO)、複合機制御部15は、該指示操作の受付を拒否し(ステップS206)、ステップS208に進む。
【0111】
これに対して、ステップS204で行われた指示操作が、使用許可モード、若しくは、該使用許可モードに包含されるモードのいずれかのモードの機能に関する指示操作である場合(ステップS205YES)、複合機制御部15は、各部を制御して該指示操作に対応する機能を起動させる(ステップS207)。
【0112】
その後、複合機制御部15は、操作部12で使用許可モード、若しくは、該使用許可モードに包含されるモードのいずれかのモードを終了する操作がなされたか否かを監視し(ステップS208)、該終了操作がなされない間(ステップS208NO)はステップS204以降の処理を続け、該終了操作がなされた場合(ステップS208YES)は、管理装置20からの上記ステップS111での動作管理処理(図5参照)に基づく利用禁止指令の受信(ステップS209)を待って待機状態(ステップS210)に戻る。
【0113】
図5、図6を参照して説明した本発明のシステムの処理動作によれば、管理装置20の認証情報テーブル261aに図4に示す内容の認証情報が登録されている時、例えば、カード識別情報=00011000が記憶されたICカード30を持った利用者が、該ICカード30をカード載置部221に載置した場合、管理装置20では、該ICカード30から読取ったカード識別情報=00011000に対応する機器管理制限モード、機能制限モードとして、それぞれ、「一般使用者」、「コピー」の各モードが認証情報テーブル261aから特定されて(図5のステップS107、S109)、該「一般使用者」、「コピー」のモードを対象とする使用許可指令が複合機10に送出される(同、ステップS110)。
【0114】
一方、複合機10では、管理装置20から上記使用許可指令を受信すると(図6のステップS201)、該使用許可指令の対象である「一般使用者」/「コピー」モードに関する機能の指示操作を可能にする操作画面として、例えば、図7に示すように、コピーに関する各種機能の指示操作が可能なコピーモード画面110を表示部11に表示する(同、ステップS203)。
【0115】
このコピーモード画面111上で、利用者(一般使用者)が「倍率」ボタンや、「コピー濃度」ボタン等を操作することで(同、ステップS204YES→S205YES)、倍率やコピー濃度の指定が行えるが(同、ステップS207)、例えば、コピー機能以外の機能の機能モード画面を開こうとして、あるいは、機器管理者がコピー制限枚数等の設定に用いる設定画面や、機器保守者が機器の保守作業のために用いる機器保守用画面を開こうとして「次候補選択」ボタンを押下しても、現在の使用許可モード(「一般使用者」/「コピー」モード)以外のモード上の指示操作であると判定され(同、ステップS205NO)、当該指示操作は拒否される(同、ステップS206)。
【0116】
同様に、カード識別情報=00011005が記憶されたICカード30がその利用者によってカード載置部221に載置されると、該カード識別情報=00011005に対応して認証情報テーブル261aに記憶された「一般使用者」、「FAX」の各モードを対象とする使用許可指令が管理装置20から複合機10に送出される一方、複合機10では、管理装置20からの使用許可指令により該指令の対象である「一般使用者」/「FAX」モードに関する機能の指示操作を可能にするFAXモード画面が表示部11に表示され、該利用者(一般使用者)は、当該FAXモード画面上での指示操作によりFAX機能のみを利用できる。
【0117】
これに対して、カード識別情報=00008015が記憶されたICカード30がその利用者(機器管理者)によってカード載置部221に載置されると、該カード識別情報=00008015に対応して認証情報テーブル261aに記憶された「機器管理者」、「プリント」を対象とする使用許可指令が管理装置20から複合機10に送出される一方、複合機10では、管理装置20からの使用許可指令により該指令の対象である「機器管理者」/「プリント」モードに関する各種機能設定操作を可能にするプリント機能設定画面が表示部11に表示され、該利用者(機器管理者)は、当該プリント機能設定画面上でプリント機能に関する各種の設定を行うことができる。
【0118】
ここでもし、機器管理者が、設定内容を確認すべく実際にプリントしようとしてプリントモード画面を開く操作を行った場合には、該指示操作は、現在の使用許可モード(「機器管理者」モード)に包含されるモードであると判定され(図6のステップ205YES)、当該指示操作に基づきプリントモード画面が表示され、該画面を用いてプリントを行うことができる(同、ステップS206)。
【0119】
また、カード識別情報=00013001が記憶されたICカード30がその利用者(機器保守者)によってカード載置部221に載置されると、該カード識別情報=00013001に対応して認証情報テーブル261aに記憶された「機器保守者」、「スキャン」の各モードを対象とする使用許可指令が管理装置20から複合機10に送出される一方、複合機10では、管理装置20からの使用許可指令により該指令の対象である「機器保守者」/「スキャン」モードに基づき、スキャン機能に関する保守操作が可能な保守用画面が表示部11に表示され、該利用者(機器保守者)は、当該保守用画面上でスキャン機能に関する保守作業を行うことができる。
【0120】
ここでもし、機器保守者が、保守の都合上、例えば、ある機能に対応した設定画面を開く操作を行った場合には、該指示操作は、現在の使用許可モード(「機器保守者」モード)に包含されるモード(機器管理者モード)であると判定され(図6のステップ205YES)、当該指示操作に基づき該当する設定画面が表示され、該画面を用いて当該機能に関する各種設定操作を行うことができる(同、ステップS206)。
【0121】
更に、機器保守者が、上記設定画面を用いて行った設定内容を確認すべく実際に該当する機能を起動させようとして当該機能モード画面を開く操作を行った場合には、該指示操作は、現在の使用許可モード(「機器保守者」モード)に包含されるモード(「一般使用者」モード)であると判定され(図6のステップ205YES)、当該指示操作に基づき該当する機能モード画面が表示され、該画面を用いて該当する機能を起動させることができる(同、ステップS206)。
【0122】
このように、実施例1によれば、管理装置20は、利用者に対して発行したICカード30に記憶されるカード識別情報と、被管理装置である複合機30に備わる複数の動作モードのうちの使用権限のある(使用を許可する)動作モードの情報との対応関係を認証情報テーブル261aに登録し、認証のために近接されたICカード30から読取ったカード識別情報に対応する動作モード情報を認証情報テーブル261aから特定して、該特定した動作モードを対象とする使用許可指令を複合機10に送出する一方、複合機10は、管理装置20から送出された使用許可指令の対象である動作モードの使用を許可すべく制御するようにしたため、各利用者は、1枚のICカード30を使って該ICカード30に記憶されたカード識別情報に対応付けられた使用を許可する複数の動作モードを対象とする使用許可指令を複合機10に送信することができ、複合機10の複数の機能を利用するために複数枚のICカード30を保持する必要がなくなり、カードの管理が容易になる。
【0123】
また、複合機10では、管理装置20から送出された使用許可指令の対象である動作モードの使用を許可すべく制御するのに合わせて、該使用許可指令を受けた動作モードに対応する指示操作用画面を表示する制御を行うため、利用者は、該画面上で所望の機能の指示操作を行うことで、自分に許可権限の与えられた動作モードを直ちに利用可能になる。
【0124】
また、認証情報テーブル261aでのカード識別情報と複合機10が持つ複数の動作モード個別の使用権限との対応付けによって、使用権限の管理と、権限保持者の管理が容易になる。
【実施例2】
【0125】
図8は、実施例2に係わる認証情報テーブル261bにおける認証情報の登録例を示す表図である。
【0126】
この認証情報テーブル261bは、利用者に対して発行したICカード30に記憶されるカード識別情報に対して、機器管理制限モードについては1項目の情報(モード)を対応付けて登録し、機能制限モードについては複数項目の情報(モード)を対応付けて登録したものである。
【0127】
具体的に、図8の例では、機器管理制限モードについて、実施例1と同様、カード識別番号=00011000,カード識別番号=00011005,…,カード識別番号=00008015,カード識別番号=00013001に対して、それぞれ、「一般使用者」,「一般使用者」,「機器管理者」,「機器保守者」が関連付け登録されている。
【0128】
但し、本実施例では、機器管理制限モードについて、下式(1)に示すように、「機器管理者」モードが「一般使用者」モードを包含し、更に、「機器保守者」モードが「機器管理者」モードを包含するという取り決めを定めている。
【0129】
「一般使用者」<「機器管理者」<「機器保守者」 …… (1)
この(1)式の取り決め(包含関係規定情報)は、複合機10に実装され、複合機10は、後述する管理装置20からの機器管理制限モードの受信に基づく動作制御(図9参照)の中で該包含関係規定情報を参照したモード選択画面の表示制御を行う。
【0130】
また、図8の例において、機能制限モードについては、カード識別番号=00011000に対しては、「コピー」と「FAX」とが、カード識別番号=00011005に対しては、「プリント」と「スキャン」と「FAX」とが、それぞれ対応付けて登録されている。
【0131】
かかる構成を有する本実施例の管理装置20においても、基本的には、実施例1と同様、図5に示すフローチャートに沿った認証処理を行う。
【0132】
但し、実施例1に係わる管理装置20は、図4に示す認証情報テーブル261a〔機器管理制限モードと機能制限モードのそれぞれについて1項目の情報(モード)が登録される〕を備えることから、図5のステップS101〜S103でICカード30から読取ったカード識別情報に対応する機器管理制限モード,機能制限モードについてそれぞれ1項目のモードを特定(ステップS107,S109)して該モードの使用許可指令を複合機10に送出(ステップS110)していたが、本実施例では、図8に示すように、機器管理制限モードについては1項目の情報(モード)を、また、機能制限モードについては複数項目の情報(モード)をそれぞれ登録した認証情報テーブル261bを用いる構成の故、図5の認証処理中、ステップS107,S109では、ICカード30から読取ったカード識別情報に対応する、機器管理制限モード,機能制限モード別にそれぞれ1項目、複数項目のモードを特定し、同、ステップS110では、該特定した機器管理制限モード,機能制限モード別にそれぞれ1項目、複数項目のモードを対象とする使用許可指令を複合機10に対して送出する。
【0133】
本実施例の管理装置20が、上記ステップS110で送出する使用許可指令に対して、同実施例の複合機10は、該使用許可指令を受信して図9に示すフローチャートに沿った制御動作を実行する。
【0134】
図9において、複合機10は、管理装置接続部14を通じて管理装置20から使用許可指令を受信したかどうかを監視している(ステップS301)。
【0135】
ここで、管理装置20から使用許可指令を受信すると(ステップS301YES)、複合機制御部15は、該受信した使用許可指令の指令対象である機器管理制限モード(いずれか一項目)、及び機能制限モード(複数項目)を使用許可モードとして格納する(ステップS302)。
【0136】
次いで、複合機制御部15は、上記ステップS302で格納した機器管理制限モード、及び機能制限モードを順次チェックする。
【0137】
最初にまず、機器管理制限モードの登録項目が「一般使用者」、「機器管理者」、「機器保守者」のいずれであるかをチェックし(ステップS303)、ここで、機器管理制限モードが「一般使用者」であれば(ステップS303で一般使用者)、該「一般使用者」モードには、「コピー」、「プリント」、「FAX」、「スキャン」、「全機能」の中の複数の機能制限モードが使用許可指令されていることが前提であるため、ステップS302で格納した情報の中から、当該使用許可指令された複数の機能モードを特定し、これら複数の機能モードの間で所望のモードを選択するための選択画面を表示部12に表示する(ステップS304)。
【0138】
一方、機器管理制限モードが「機器管理者」であれば(ステップS303で機器管理者)、上記(1)式のモード包含関係を参照し、現在の使用許可指令対象のモード(「機器管理者」モード)が「一般使用者」モードを包含するとの認識結果をもとに、「機器管理者」モードと「一般使用者」モードの間で所望のモードを選択するための選択画面を表示部12に表示する(ステップS305)。
【0139】
また、機器管理制限モードが「機器保守者」であれば(ステップS303で機器保守者)、上記(1)式のモード包含関係を参照し、現在の使用許可指令対象のモード(「機器保守者」モード)が「機器管理者」モードを包含し、更に、「機器管理者」モードが「一般使用者」モードを包含するとの認識結果をもとに、「機器保守者」モード、「機器管理者」モード及び「一般使用者」モードの間で所望のモードを選択するための選択画面を表示部12に表示する(ステップS306)。
【0140】
上記ステップS304,S305,S306のいずれかで表示部12に選択画面が表示されている時、複合機制御部15は、該表示中の選択画面上で選択操作が行われたか否かを監視する(ステップS307)。
【0141】
ここで、被選択モードの選択操作が行われた場合(ステップS307YES)、該選択されたモードの機能を指示することが可能な操作画面を表示部12に表示する(ステップS308)。
【0142】
これ以後、複合機制御部15は、図6に示したステップS204〜S210の各処理と同等の流れで、上記操作画面上で操作指示を受け付け、該指示に従った動作を駆動する操作受付/動作起動制御(ステップS310)を実施する。
【0143】
以上に述べた本実施例の処理動作によれば、管理装置20の認証情報テーブル216bに図8に示す認証情報が登録されている時、カード識別情報=00011000が記憶されたICカード30がその利用者によってカード載置部221に載置されると、該カード識別情報=00011000に対応して認証情報テーブル216bに記憶された「一般使用者」、「コピー」、「FAX」のモードを対象にする使用許可指令が管理装置20から複合機10に送出される。
【0144】
一方、複合機10では、管理装置20から受信した使用許可指令に基づき使用許可モードとして「一般使用者」/「コピー」/「FAX」モードが認識され、該認識結果をもとに、例えば、図10(a)に示すように、コピー機能とFAX機能の各機能モードを選択対象とする選択画面115aが表示部11に表示される。
【0145】
この場合、利用者(一般使用者)は、該選択画面115aを用いて、いずれかのモードを選択し(「コピー」ボタン、「FAX」ボタンのいずれかを押下)、該選択によって表示部11に表示されるコピー機能あるいはFAX機能に関する機能の指示操作を可能にするコピーモード画面あるいはFAXモード画面を用いてコピー機能とFAX機能を選択的に利用できる。
【0146】
同様に、カード識別情報=00011005が記憶されたICカード30がその利用者によってカード載置部221に載置されると、該カード識別情報=00011005に対応して認証情報テーブル216bに記憶された「一般使用者」、「プリント」、「スキャン」、「FAX」の各モードを対象とする使用許可指令が管理装置20から複合機10に送出され、複合機10では、管理装置20から受信した使用許可指令に基づき使用許可モードとして「一般使用者」/「プリント」/「スキャン」、「FAX」の各モードが認識されて、例えば、図10(b)に示すように、プリント機能、スキャン機能、FAX機能の各機能モードを選択対象とする選択画面115bが表示部11に表示される。
【0147】
これにより、当該利用者(一般使用者)は、該選択画面115b上でいずれかのモードを選択し(「プリント」ボタン、「スキャン」ボタン、「FAX」ボタンのいずれかを押下)、該選択によって表示部11に表示される該当する機能モードの画面(プリントモード画面、スキャンモード画面、FAXモード画面)を用いてプリント機能、スキャン機能あるいはFAX機能を選択的に利用できる。
【0148】
また、カード識別情報=00008015が記憶されたICカード30がその利用者によってカード載置部221に載置されると、該カード識別情報=00008015に対応して認証情報テーブル216bに記憶された「機器管理者」モードを対象にした使用許可指令が管理装置20から複合機10に送出され、複合機10では、管理装置20から受信した使用許可指令に基づき使用許可モードとして「機器管理者」モードが認識され、図9のステップS305の処理により、該「機器管理者」モードと、当該モードに包含される「一般使用者」モードの各機器管理モードを選択対象とする例えば図11に示すような選択画面115cが表示部11に表示される。
【0149】
これにより、当該利用者(機器管理者)は、該選択画面115c上で、例えば、「機器管理者」モードを選択する(「機器管理者」ボタンを押下する)ことにより表示される機器管理者用の設定画面を用いて各種機能設定を行うことができ、または、選択画面115c上で「一般使用者」モードを選択する(「一般使用者」ボタンを押下する)ことにより表示される、例えば、コピー、スキャン、プリンタ、FAXの各モードの選択画面を用いていずれかのモードを選択して所望の機能を利用することができる。
【0150】
また、カード識別情報=00013001が記憶されたICカード30がその利用者によってカード載置部221に載置されると、該カード識別情報=00013001に対応して認証情報テーブル216bに記憶された「機器保守者」モードを対象とする使用許可指令が管理装置20から複合機10に送出され、複合機10では、管理装置20から受信した使用許可指令に基づき使用許可モードとして「機器保守者」モードが認識され、図9のステップS306の処理により、該「機器保守者」モードと、当該モードに包含される「機器管理者」モード及び「一般使用者」モードの各機器管理モードを選択対象とする例えば図12に示すような選択画面115dが表示部11に表示される。
【0151】
これにより、当該利用者(機器保守者)は、該選択画面115d上で、例えば、「機器保守者」モードを選択する(「機器保守者」ボタンを押下する)ことにより表示される機器保守者用の保守用画面を用いて各種機能に関する保守作業を行なうことができ、または、「機器管理者」モードを選択する(「機器管理者」ボタンを押下する)ことにより表示される機器管理者用の設定画面を用いて各種機能設定を行うことができ、若しくは、選択画面115d上で「一般使用者」モードを選択する(「一般使用者」ボタンを押下する)ことにより表示される、例えば、コピー、スキャン、プリンタ、FAXの各モードの選択画面を用いていずれかのモードを選択して所望の機能を利用することができる。
【0152】
このように、実施例2によれば、管理装置20は、機器管理制限モードについては1項目の情報(モード)を、機能制限モードについては複数項目の情報(モード)を、利用者に対して発行するICカード30に記憶されるカード識別情報と対応付けて登録した認証情報テーブル261bを用い、認証のために近接されたICカード30から読取ったカード識別情報に対応付けられた、機器管理制限モードに関する1項目のモードと、機能制限モードに関する複数の項目のモードを認証情報テーブル261bから特定して、該特定した複数のモードを対象とする(使用許可モードとして指定する)使用許可指令を複合機10に送出する一方、複合機10は、管理装置20から送出された使用許可指令の指令対象の複数の動作モードを選択する選択画面115(115a〜115d)を表示させ、該選択画面上で選択されたモードに移行する制御を行うものである。
【0153】
かかる実施例2の構成によれば、上述した実施例1の作用効果に加えて、更に、以下の効果を有する。すなわち、本実施例では、ICカード30に記憶されるカード識別情報に対応付けて複数の動作モードを対応付け登録しておくことにより、該ICカード30を用いて認証操作を行った利用者は、複合機10側に表示される、該ICカード30のカード識別情報に対応して登録されるこれら複数の動作モードを対象とする選択画面を見ることで、自分に使用許可されたモードを明確に把握でき、その中の所望のモードを選択して該モードの機能選択へと迅速に移行することができる。
【0154】
上記実施例では、認証カードとして非接触型ICカード30を用いたが、磁気カード等の他の記録媒体を用いても良い。
【0155】
この他、本発明は、上記し、且つ図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
【0156】
例えば、上記実施例では、管理装置20と複合機10を1対1で接続した例を挙げたが、複合機10等の複数の被管理装置を管理装置20に接続する一方、管理装置20では、カード識別情報に対応して、これら複数の装置のうちの使用許可する装置の情報、及び使用許可するモードの情報を登録した認証情報テーブルを用いて認証情報を集中管理し、ICカード30から読取った情報に基づき、上記集中管理用の認証情報テーブルを参照して、使用する被管理装置と動作モードを認証するようにしても良い。
【0157】
また、上記複数の被管理装置をネットワークにより管理装置20に接続し、PC等からネットワークを介して利用者の識別情報を入力し、該利用者識別情報を基に上記集中管理用の認証情報テーブルを参照して利用可能な装置及び利用可能なモードを認証する構成としても良い。
【0158】
また、複数の管理装置とネットワークを介して接続された集中管理装置を設け、カード識別情報に対応して、複数の管理装置が管理する装置のうちの使用許可する装置の情報、及び使用許可するモードの情報を登録した認証情報テーブルをこの中中管理装置に記憶して認証情報を集中管理し、各管理装置でICカード30から読取った情報をこの集中管理装置に送信し、上記集中管理装置において認証情報テーブルを参照し使用する非管理装置と動作モードに関する情報を管理装置に返信するように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0159】
本発明は、記録媒体から読取った情報に基づいて、複数の動作モードを有する装置の利用者及び利用動作モードを認証する認証装置、及びこれを用いて上記装置の動作を管理する管理システムに適用でき、管理装置側に、利用者が用いる記録媒体に記憶された識別情報と、使用権限のある動作モードの情報を対応付けて登録した認証情報テーブルを設け、記録媒体から読取った識別情報に基づき、該識別情報に対応する使用権限動作モードを認証情報テーブル中から特定して該動作モードの使用許可指令を装置に送出することで、各利用者が各々1枚の記録媒体を用いて装置の利用可能な利用者及び動作モードを認証できる。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】本発明に係わる管理システムの全体構成を示す概念図。
【図2】管理システムにおける複合機と管理装置の機能構成を示すブロック図。
【図3】ICカードの情報格納構造を示す概念図。
【図4】実施例1で用いる認証情報テーブルの情報登録例を示す表図。
【図5】管理装置の認証処理動作を示すフローチャート。
【図6】実施例1に係わる画像形成装置の処理動作を示すフローチャート。
【図7】実施例1の画像形成装置におけるコピー機能モードの使用許可指令受信に基づくコピーモード画面の表示例を示す図。
【図8】実施例2で用いる認証情報テーブルの情報登録例を示す表図。
【図9】実施例2に係わる画像形成装置の処理動作を示すフローチャート。
【図10】実施例2の画像形成装置における複数の機能モードの使用許可指令受信に基づく機能モード選択画面の表示例を示す図。
【図11】実施例2の画像形成装置における機器管理者モードの使用許可指令受信に基づくモード選択画面の表示例を示す図。
【図12】実施例2の画像形成装置における機器保守者モードの使用許可指令受信に基づくモード選択画面の表示例を示す図。
【符号の説明】
【0161】
10…複合機、11…表示部、110…コピーモード画面、115a,115b,115c,115d…選択画面、12…操作部、13…画像形成部、14…管理装置接続部、15…複合機制御部、20…管理装置、21…表示部、211…読取可能状態表示LED、212…利用許可状態表示LED、22…非接触型ICカード通信部、221…カード載置部、23…操作部、24…設定装置制御部、25複合機制御部、26…記憶部、261,261a,261b…認証情報テーブル、27…管理装置制御部、271…認証情報設定制御部、272…認証制御部、30…非接触型ICカード、40…設定装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体から読取った情報に基づいて、複数の動作モードを有する装置の利用者及び利用動作モードを認証する認証装置において、
固有の識別情報が記録された記録媒体と、
前記記録媒体に記録された情報を読取る読取手段と、
前記記録媒体に記録された前記識別情報と、前記装置の複数の動作モードのうちの使用権限のある動作モードの情報を対応付けて登録した認証情報テーブルと、
前記記録媒体から読取った前記識別情報に基づき、該識別情報に対応する使用権限動作モードを前記認証情報テーブルから特定し、該特定した使用権限動作モードを対象とする使用許可指令を前記装置に送出する認証制御手段と
を具備することを特徴とする認証装置。
【請求項2】
前記認証情報テーブルは、
前記使用権限のある動作モード情報として、前記装置が有する複数の機器管理モードのうちの任意の機器管理モードの情報を登録し、
前記認証制御手段は、
読取った前記識別情報に対応する前記機器管理モードを前記認証情報テーブルから特定して該機器管理モードを対象とする前記使用許可指令を送出する
ことを特徴とする請求項1記載の認証装置。
【請求項3】
前記認証情報テーブルは、
前記使用権限のある動作モード情報として、前記装置が有する複数の機能モードのうちの任意の機能モードの情報を登録し、
前記認証制御手段は、
読取った前記識別情報に対応する前記機能モードを前記認証情報テーブルから特定して該機能モードを対象とする前記使用許可指令を送出する
ことを特徴とする請求項1または2記載の認証装置。
【請求項4】
複数の動作モードを有する装置と、利用者の識別情報に基づいて前記装置の動作を管理する管理装置とを有する管理システムにおいて、
前記管理装置は、
固有の識別情報が記録された記録媒体と、
前記記録媒体に記録された情報を読取る読取手段と、
前記記録媒体に記録された前記識別情報と、前記装置の複数の動作モードのうちの使用権限のある動作モードの情報を対応付けて登録した認証情報テーブルと、
前記記録媒体から読取った前記識別情報に基づき、該識別情報に対応する使用権動作モードを前記認証情報テーブル中から特定し、該特定した使用権限動作モードを対象とする使用許可指令を前記装置に送出する認証制御手段と
を具備し、
前記装置は、
前記管理装置から受信した前記使用許可指令の対象である動作モードの使用を許可すべく制御する制御手段
を具備することを特徴とする管理システム。
【請求項5】
前記認証情報テーブルは、
前記使用権限のある動作モード情報として、前記装置が有する複数の機器管理モードのうちの任意の機器管理モードの情報を登録し、
前記認証制御手段は、
読取った前記識別情報に対応する前記機器管理モードを前記認証情報テーブルから特定して該機器管理モードを対象とする前記使用許可指令を送出する
ことを特徴とする請求項4記載の管理システム。
【請求項6】
前記認証情報テーブルは、
前記使用権限のある動作モード情報として、前記装置が有する複数の機能モードのうちの任意の機能モードの情報を登録し、
前記認証制御手段は、
読取った前記識別情報に対応する前記機能モードを前記認証情報テーブルから特定して該機能モードを対象とする前記使用許可指令を送出する
ことを特徴とする請求項4または5記載の管理システム。
【請求項7】
前記認証情報テーブルは、
前記機器管理モードと前記機能モード毎にそれぞれ1つのモードを登録し、
前記認証制御手段は、
読取った前記識別情報に対応するそれぞれ1つの機器管理モードと機能モードを前記認証情報テーブルから特定して該特定したモードを対象とする前記使用許可指令を送出する
と共に、
前記装置は、
前記管理装置から受信した前記使用許可指令の対象であるモードに対応する操作画面を表示する表示手段
を具備することを特徴とする請求項6記載の管理システム。
【請求項8】
前記認証情報テーブルは、
前記機器管理モードと前記機能モード毎にそれぞれ1つのモードと複数のモードを登録し、
前記認証制御手段は、
読取った前記識別情報に対応するそれぞれ1つの機器管理モードと複数の機能モードを前記認証情報テーブルから特定して該特定したモードを対象とする前記使用許可指令を送出する
と共に、
前記装置は、
前記管理装置から受信した前記使用許可指令の対象である複数のモードの間で所望のモードを選択可能なモード選択画面を表示する表示手段
を具備することを特徴とする請求項6記載の管理システム。
【請求項9】
前記装置は、
前記複数の機器管理モード間の使用権限に関する包含関係を規定した包含関係情報を保持する保持手段と、
前記管理装置から受信した前記使用許可指令の対象である機器管理モードと他の機器管理モードの包含関係を前記包含関係情報をもとに判定する判定手段と
を具備し、
前記表示手段は、
前記判定手段により判定された包含関係に応じて、前記使用許可指令の対象の機器管理モードと該機器管理モードが包含する他の機器管理モードとの間で所望のモードを選択可能な前記モード選択画面を表示する
ことを特徴とする請求項8記載の管理システム。
【請求項10】
管理装置が、記録媒体から読取った利用者の識別情報に基づいて、複数の動作モードを有する装置の動作を管理する管理方法において、
前記記録媒体に記録された固有の識別情報と、前記装置の複数の動作モードのうちの使用権限のある動作モードの情報を対応付けて前記管理装置の認証情報テーブルに登録し、
前記管理装置の読取手段により前記記録媒体から読取った前記識別情報に基づき、該管理装置の認証制御手段が、前記読取った識別情報に対応する使用権限動作モードを前記認証情報テーブルから特定し、該特定した使用権限動作モードを対象とする使用許可指令を前記装置に送出し、
前記装置が、前記管理装置から受信した前記使用許可指令の対象である動作モードの使用を許可すべく制御手段により制御する
ことを特徴とする管理方法。
【請求項11】
管理装置に実装され、記録媒体から読取った利用者の識別情報に基づいて、複数の動作モードを有する装置の動作を管理する処理を該管理装置に行なわせる管理プログラムにおいて、
前記記録媒体に記録された固有の識別情報と、前記装置の複数の動作モードのうちの使用権限のある動作モードの情報を対応付けて認証情報テーブルに登録する認証情報登録処理と、
読取手段により前記記録媒体から読取った前記識別情報に基づき、認証制御手段が、前記読取った識別情報に対応する使用権限動作モードを前記認証情報テーブルから特定し、該特定した使用権限動作モードを対象とする使用許可指令を前記装置に送出する使用許可指令送出処理と
を前記管理装置に行なわせる
ことを特徴とする管理プログラム。
【請求項1】
記録媒体から読取った情報に基づいて、複数の動作モードを有する装置の利用者及び利用動作モードを認証する認証装置において、
固有の識別情報が記録された記録媒体と、
前記記録媒体に記録された情報を読取る読取手段と、
前記記録媒体に記録された前記識別情報と、前記装置の複数の動作モードのうちの使用権限のある動作モードの情報を対応付けて登録した認証情報テーブルと、
前記記録媒体から読取った前記識別情報に基づき、該識別情報に対応する使用権限動作モードを前記認証情報テーブルから特定し、該特定した使用権限動作モードを対象とする使用許可指令を前記装置に送出する認証制御手段と
を具備することを特徴とする認証装置。
【請求項2】
前記認証情報テーブルは、
前記使用権限のある動作モード情報として、前記装置が有する複数の機器管理モードのうちの任意の機器管理モードの情報を登録し、
前記認証制御手段は、
読取った前記識別情報に対応する前記機器管理モードを前記認証情報テーブルから特定して該機器管理モードを対象とする前記使用許可指令を送出する
ことを特徴とする請求項1記載の認証装置。
【請求項3】
前記認証情報テーブルは、
前記使用権限のある動作モード情報として、前記装置が有する複数の機能モードのうちの任意の機能モードの情報を登録し、
前記認証制御手段は、
読取った前記識別情報に対応する前記機能モードを前記認証情報テーブルから特定して該機能モードを対象とする前記使用許可指令を送出する
ことを特徴とする請求項1または2記載の認証装置。
【請求項4】
複数の動作モードを有する装置と、利用者の識別情報に基づいて前記装置の動作を管理する管理装置とを有する管理システムにおいて、
前記管理装置は、
固有の識別情報が記録された記録媒体と、
前記記録媒体に記録された情報を読取る読取手段と、
前記記録媒体に記録された前記識別情報と、前記装置の複数の動作モードのうちの使用権限のある動作モードの情報を対応付けて登録した認証情報テーブルと、
前記記録媒体から読取った前記識別情報に基づき、該識別情報に対応する使用権動作モードを前記認証情報テーブル中から特定し、該特定した使用権限動作モードを対象とする使用許可指令を前記装置に送出する認証制御手段と
を具備し、
前記装置は、
前記管理装置から受信した前記使用許可指令の対象である動作モードの使用を許可すべく制御する制御手段
を具備することを特徴とする管理システム。
【請求項5】
前記認証情報テーブルは、
前記使用権限のある動作モード情報として、前記装置が有する複数の機器管理モードのうちの任意の機器管理モードの情報を登録し、
前記認証制御手段は、
読取った前記識別情報に対応する前記機器管理モードを前記認証情報テーブルから特定して該機器管理モードを対象とする前記使用許可指令を送出する
ことを特徴とする請求項4記載の管理システム。
【請求項6】
前記認証情報テーブルは、
前記使用権限のある動作モード情報として、前記装置が有する複数の機能モードのうちの任意の機能モードの情報を登録し、
前記認証制御手段は、
読取った前記識別情報に対応する前記機能モードを前記認証情報テーブルから特定して該機能モードを対象とする前記使用許可指令を送出する
ことを特徴とする請求項4または5記載の管理システム。
【請求項7】
前記認証情報テーブルは、
前記機器管理モードと前記機能モード毎にそれぞれ1つのモードを登録し、
前記認証制御手段は、
読取った前記識別情報に対応するそれぞれ1つの機器管理モードと機能モードを前記認証情報テーブルから特定して該特定したモードを対象とする前記使用許可指令を送出する
と共に、
前記装置は、
前記管理装置から受信した前記使用許可指令の対象であるモードに対応する操作画面を表示する表示手段
を具備することを特徴とする請求項6記載の管理システム。
【請求項8】
前記認証情報テーブルは、
前記機器管理モードと前記機能モード毎にそれぞれ1つのモードと複数のモードを登録し、
前記認証制御手段は、
読取った前記識別情報に対応するそれぞれ1つの機器管理モードと複数の機能モードを前記認証情報テーブルから特定して該特定したモードを対象とする前記使用許可指令を送出する
と共に、
前記装置は、
前記管理装置から受信した前記使用許可指令の対象である複数のモードの間で所望のモードを選択可能なモード選択画面を表示する表示手段
を具備することを特徴とする請求項6記載の管理システム。
【請求項9】
前記装置は、
前記複数の機器管理モード間の使用権限に関する包含関係を規定した包含関係情報を保持する保持手段と、
前記管理装置から受信した前記使用許可指令の対象である機器管理モードと他の機器管理モードの包含関係を前記包含関係情報をもとに判定する判定手段と
を具備し、
前記表示手段は、
前記判定手段により判定された包含関係に応じて、前記使用許可指令の対象の機器管理モードと該機器管理モードが包含する他の機器管理モードとの間で所望のモードを選択可能な前記モード選択画面を表示する
ことを特徴とする請求項8記載の管理システム。
【請求項10】
管理装置が、記録媒体から読取った利用者の識別情報に基づいて、複数の動作モードを有する装置の動作を管理する管理方法において、
前記記録媒体に記録された固有の識別情報と、前記装置の複数の動作モードのうちの使用権限のある動作モードの情報を対応付けて前記管理装置の認証情報テーブルに登録し、
前記管理装置の読取手段により前記記録媒体から読取った前記識別情報に基づき、該管理装置の認証制御手段が、前記読取った識別情報に対応する使用権限動作モードを前記認証情報テーブルから特定し、該特定した使用権限動作モードを対象とする使用許可指令を前記装置に送出し、
前記装置が、前記管理装置から受信した前記使用許可指令の対象である動作モードの使用を許可すべく制御手段により制御する
ことを特徴とする管理方法。
【請求項11】
管理装置に実装され、記録媒体から読取った利用者の識別情報に基づいて、複数の動作モードを有する装置の動作を管理する処理を該管理装置に行なわせる管理プログラムにおいて、
前記記録媒体に記録された固有の識別情報と、前記装置の複数の動作モードのうちの使用権限のある動作モードの情報を対応付けて認証情報テーブルに登録する認証情報登録処理と、
読取手段により前記記録媒体から読取った前記識別情報に基づき、認証制御手段が、前記読取った識別情報に対応する使用権限動作モードを前記認証情報テーブルから特定し、該特定した使用権限動作モードを対象とする使用許可指令を前記装置に送出する使用許可指令送出処理と
を前記管理装置に行なわせる
ことを特徴とする管理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−141172(P2007−141172A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−337646(P2005−337646)
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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