認証装置
【課題】セキュリティ性の高い認証装置をより小型構成で実現する。
【解決手段】認証装置10は、通信対象を検出する検出領域が定められると共に、当該認証装置10に翳された通信対象の対向領域(通信対象における検出領域に向かい合う領域)を検出する対向領域検出手段が設けられている。更に、検出される対向領域の変化に基づいて通信対象の翳し動作パターンを検出し、その検出された翳し動作パターンが所定パターンであるか否かを判断しており、検出された翳し動作パターンが、所定パターンであると判断された場合に通信対象を認証する構成をなしている。
【解決手段】認証装置10は、通信対象を検出する検出領域が定められると共に、当該認証装置10に翳された通信対象の対向領域(通信対象における検出領域に向かい合う領域)を検出する対向領域検出手段が設けられている。更に、検出される対向領域の変化に基づいて通信対象の翳し動作パターンを検出し、その検出された翳し動作パターンが所定パターンであるか否かを判断しており、検出された翳し動作パターンが、所定パターンであると判断された場合に通信対象を認証する構成をなしている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、非接触通信技術を用いた認証装置が提供されている。例えば、特許文献1では、暗証番号開錠式ドアシステムに係る技術が提供されており、キー入力部を備えた認証装置が開示されている。この特許文献1の技術では、特定キー入力手順の他に時間的条件を暗証番号入力条件としており、これにより少ない入力桁数で守秘性を向上させている。
【特許文献1】特開2000−265719
【特許文献2】特開2004−341702
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1の技術によれば、確かに入力桁数を抑えて守秘性を向上させる効果が得られるが、カードリーダとキー入力部とを併設する必要があるため、読取装置自体が大型化するという問題がある。また、操作容易なキー入力部を実現するには、操作者が指で操作するときに複数のキーが同時に押されにくい程度にピッチを確保しなければならず、操作部全体が大きくならざるを得ない。更に、カードを翳す動作とキー入力動作とが必要となるため、キー入力操作前或いは後にカードを持ち替えたり、或いはカードを持ちながら操作する必要があり、認証作業に手間取る場合もある。
【0004】
一方、キー入力以外の方法で認証を行う技術として特許文献2が提供されている。この特許文献2では、ICカードを翳す向きについて予め取り決めがなされており、認証対象となるICカードについて検出された方向がその取り決めで定められた方向と一致した場合に当該ICカードを操作する操作者を正規の者として認証している。この構成では、キー入力部を省略できるという効果が得られるものの、単に方向だけを認証判定の要素としているため、取り決めの方向とICカードの検出方向とが偶然に一致する可能性が高く、翳すべき正規方向を知りえない第三者であっても誤って認証されてしまう虞がある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、セキュリティ性の高い認証装置をより小型構成で実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、非接触通信媒体を備えた通信対象との間で非接触通信を行い、前記非接触通信媒体に記録されるデータを読み出す読出手段と、前記通信対象の認証を行う認証手段と、を備えた認証装置であって、前記通信対象を検出する検出領域が定められると共に、当該認証装置に翳された前記通信対象における前記検出領域に向かい合う対向領域を検出する対向領域検出手段と、前記対向領域検出手段によって検出される前記対向領域の変化に基づいて前記通信対象の翳し動作パターンを検出する動作パターン検出手段と、前記動作パターン検出手段によって検出された前記翳し動作パターンが所定パターンであるか否かを判断する判断手段と、を備え、前記認証手段は、前記動作パターン検出手段によって検出された前記翳し動作パターンが、前記判断手段により前記所定パターンであると判断された場合に前記通信対象を認証することを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の認証装置において、前記動作パターン検出手段は、前記対向領域検出手段によって検出される前記対向領域の大きさ及び位置の変化に基づいて前記通信対象の前記翳し動作パターンを検出することを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の認証装置において、前記対向領域検出手段は、複数の検出部を備え、これら複数の検出部が散在する領域が前記検出領域とされており、前記検出部は、当該検出部に対して前記通信対象が対向したときに検出信号を出力することを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項3に記載の認証装置において、前記検出部は、外部からの光を受光する受光部からなり、前記受光部は、当該受光部に入射する光が前記通信対象によって遮られたときに前記検出信号を出力することを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、請求項3又は請求項4に記載の認証装置において、前記対向領域検出手段は、前記対向領域を検出した前記検出部の数に基づいて当該対向領域の面積を算出し、前記動作パターン検出手段は、前記対向領域検出手段にて検出された前記対向領域の面積の変化に基づいて前記通信対象の前記翳し動作パターンを検出することを特徴とする。
【0011】
請求項6の発明は、請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の認証装置において、複数の前記検出部はそれぞれ、固有情報が対応付けられており、前記動作パターン検出手段は、前記対向領域を検出した前記検出部の前記固有情報に基づいて、前記対向領域の大きさ及び位置を特定することを特徴とする。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の認証装置において、前記対向領域検出手段は、変化する前記対向領域についての各状態ごとの維持時間を検出する維持時間検出手段を有し、前記動作パターン検出手段は、変化する前記対向領域の各状態ごとの位置及び大きさと、各状態が維持される維持時間とに基づいて前記翳し動作パターンを検出することを特徴とする。
【0013】
請求項8の発明は、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の認証装置において、前記対向領域検出手段は、複数の前記検出部における2以上の前記検出部によって、変化する前記対向領域の各状態を検出する構成をなしており、変化する前記対向領域のいずれかの状態を検出する2以上の前記検出部の少なくとも一部が、他の状態の検出に兼用されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明は、通信対象における対向領域(検出領域に対向する領域)を検出し、検出される対向領域の変化に基づいて通信対象の翳し動作パターンを検出しており、この構成によれば、通信対象に対してどのような翳し動作がなされたかをより精度高く検出できる。更に、その検出された翳し動作パターンが所定パターンであるか否かを判断し、所定パターンであると判断された場合に通信対象を認証している。このようにすると、キー入力部を設けることなく認証システムを構築でき、装置構成の小型化を図りやすくなる。また、単に翳された方向のみを検出するのではなく、翳し動作パターンを検出しこれを認証に用いているため、翳し方向のみによって判定する構成と比較して偶然の一致をより低くすることができ、セキュリティ性を効果的に高めることができる。
【0015】
請求項2の発明は、対向領域検出手段によって検出される対向領域の大きさ及び位置の変化に基づいて通信対象の翳し動作パターンを検出している。このように対向領域の大きさ及び位置の変化によって翳し動作パターンを把握する構成とすると、第三者(予め定められた「所定パターン」を知らない者)の翳し動作が所定パターンと偶然に一致する可能性を極めて低くすることができ、セキュリティ性をより一層高めることができる。
【0016】
請求項3の発明は、複数の検出部が設けられると共にこれら複数の検出部が散在する領域が検出領域とされている。また、検出部は、当該検出部に対して通信対象が対向したときに検出信号を出力するように構成されている。このようにすると、大掛かりな構成を用いることなく対向領域の変化をより精度高く検出できるようになる。
【0017】
請求項4の発明は、検出部が外部からの光を受光する受光部からなり、この受光部は、当該受光部に入射する光が通信対象によって遮られたときに検出信号を出力する構成をなしている。このようにすると、非接触通信を行うときに必要な動作の性質(即ち非接触通信媒体が検出領域に近接して検出領域を遮光するという性質)を利用して対向領域の変化を簡易且つ良好に検出できるようになる。
【0018】
請求項5の発明は、対向領域を検出した検出部の数に基づいて当該対向領域の面積を算出し、このように算出される面積の変化に基づいて通信対象の翳し動作パターンを検出している。このようにすると、大掛かりな構成や複雑な構成を用いることなく対向領域の位置をより正確に特定でき、規定された動作がなされたか否かをより精度高く判断できる。
【0019】
請求項6の発明は、複数の検出部にそれぞれ固有情報が対応付けられており、対向領域を検出した検出部の固有情報に基づいて、対向領域の大きさ及び位置を特定している。このようにすると、対向領域の大きさや位置を簡易かつ迅速に特定でき、ひいては翳し動作パターンを簡易かつ迅速に検出できる。
【0020】
請求項7の発明は、変化する対向領域についての各状態ごとの維持時間を検出する維持時間検出手段が設けられ、変化する対向領域の各状態ごとの位置及び大きさと、各状態が維持される維持時間とに基づいて翳し動作パターンを検出している。このように、位置や大きさのみならず、各状態の維持時間をも判断要素とすれば、複雑な構成や大掛かりな構成を用いることなく翳し動作のバリエーションをより増やすことができ、セキュリティ性をより一層高めることができる。
【0021】
請求項8の発明は、複数の検出部における2以上の検出部によって、変化する対向領域の各状態を検出する構成をなしており、変化する対向領域のいずれかの状態を検出する2以上の検出部の少なくとも一部が、他の状態の検出に兼用されている。このようにすると、対向領域についてのより小さな位置変化を検出できるようになり、規定された動作がなされたか否かをより精度高く判断できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
[第1実施形態]
以下、本発明の認証装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1(a)は、第1実施形態に係る認証装置を用いたドア管理システムを例示する説明図であり、図1(b)は、図1(a)のドア管理システムのブロック図である。図2は、第1実施形態に係る認証装置を概略的に説明する説明図であり、図3は、図2の認証装置の検出部付近を概略的に説明する説明図である。図4は、ユーザ登録処理を例示するフローチャートであり、図5は、図4のユーザ登録処理によって登録されたデータ構成を例示する説明図である。図6は、認証処理を例示するフローチャートである。図7は、各受光部の固有情報等を説明する説明図であり、図8は、ユーザによる翳し動作の一例を説明する説明図であり、(a)は、第1回目の翳し動作と検出領域との関係を説明する説明図であり、(b)は第2回目の翳し動作と検出領域との関係を説明する説明図である。図9は、図8に続く翳し動作を説明する説明図であり、(a)は、第3回目の翳し動作と検出領域との関係を説明する説明図であり、(b)は第4回目の翳し動作と検出領域との関係を説明する説明図である。図10は、対向領域の変化を説明する説明図である。
【0023】
図1に示すドア管理システム1は、非接触型ICカードを認証する認証装置10と、入室管理コントローラ2と、施錠装置3によって構成されている。
入室管理コントローラ2は、CPU及び記憶手段(ROM,RAM等)を備えた情報処理装置として構成されており、施錠装置3と電気的に接続され、施錠装置3に対して開錠や施錠を指示する制御信号を出力する構成をなしている。また、認証装置10とも電気的に接続されており、認証装置10から認証信号等を取得し得る構成となっている。
【0024】
施錠装置3は、図1(b)に示すように、電気的信号に応じた施錠及び開錠が可能な電気錠5と、この電気錠5を制御する制御部4とを備えた公知の電気錠装置として構成されており、入室管理コントローラ2とインターフェース(図示略)を介して接続されている。電気錠5は、たとえばデッドボルトを有し、モータやソレノイドなどのアクチュエータによってデッドボルトを進退させることによって対象物の施解錠を行うものなどを採用することができる。なお、ここでは施錠装置の一例を挙げたが、入室管理コントローラ2からの制御信号に応じて開錠状態又は施錠状態に変化しうる構成であれば公知の様々な電気錠装置を採用できる。
【0025】
次に、認証装置10について説明する。
認証装置10は、非接触通信媒体を備えた通信対象(図1の例ではICカード7)と通信を行い、所定条件が成立したときに当該通信対象を認証するものである。この認証装置10は、図2に示すように、制御部12と、ICカードリーダ13と、翳し動作検出装置20(以下、単に検出装置20ともいう)と、表示LED11と、電源部14とを備えた構成をなしている。なお、図2で示した構成以外に、ROM,RAM等の記憶手段などが設けられているが、一部部品については省略して示している。
【0026】
制御部12は、CPUによって構成されており、認証装置10内の全体的制御を司る構成をなしている。この制御部12には、入室管理コントローラ2(図1)が接続されており、ICカード7を認証したときに入室管理コントローラ2に対して認証信号を出力する構成となっている。
なお、本実施形態では、制御部12が「認証手段」の一例に相当する。
【0027】
ICカードリーダ13は、ICチップ(非接触通信媒体)を備えたICカード7と非接触通信を行う公知のICカードリーダとして構成されており、ICカード7が通信可能範囲にあるときにICカード7の読み取り或いは書き込みを行う構成をなしている。なお、図3に示すようにICカードリーダ13のアンテナ14は、後述する翳し動作検出装置20付近に配置されており、ICカード7が翳し動作検出装置20に接近したときにこのICカード7と非接触通信を行うようになっている。
なお、本実施形態では、ICカードリーダ13が「読出手段」の一例に相当し、ICカード7のICチップ(非接触通信媒体)に記録されるデータを読み出すように機能している。
【0028】
翳し動作検出装置20は、図3のように外壁をなすケース体20aが設けられており、このケース体20aから複数の検出部21a〜21vが露出するように設けられている。各検出部21a〜21vは、いずれも、外部からの光を受光し受光量に応じた電気信号を出力する受光素子(例えばフォトダイオード等)によって構成されている。なお、本実施形態では、各検出部21a〜21vがぞれぞれ「受光部」に相当している。
【0029】
これら複数の検出部21a〜21vは、それぞれケース体20aに形成された孔を介してケース体20a外部に露出するように配置され、各孔を通ってケース体20a内部に入り込む光が各検出部21a〜21vに受光されるようになっている。即ち、各孔が遮光されたときには、その遮光された位置の検出部の受光量が低減するようになっており、どの検出部の受光量が低減しているのかを把握することによってどの位置が通信対象によって覆われているのか(即ち、どの位置に通信対象が対向しているのか)を検出できるようになっている。なお、検出部21a〜21vが散在する領域がICカード7(通信対象)の翳し動作を検出する「検出領域」に相当し、図3では、一点鎖線ARによってこの「検出領域」を示している。
【0030】
このように構成される各検出部21a〜21vは、ICカード7(通信対象)が対向して各検出部21a〜21vに入射する光が当該ICカード7によって遮られたときにそれぞれ検出信号(低い受光量を示す信号)を出力するようになっている。例えば検出部21aを覆うようにICカード7が対向して配置されたときには検出部21aの受光量が低減し、検出部21aから制御部12に対して低い受光量を示す信号が出力されるようになっている。同様に、検出部21vの位置にICカード7が対向して配置されたときには検出部21vの受光量が低減し、検出部21vから制御部12に対して低い受光量を示す信号が出力されるようになっている。他の受光部21b〜21uでも同様である。
【0031】
表示LED11は、2つのLED11a、11bによって構成されている。これらLED11a、11bは、制御部12によって点灯の制御がなされるようになっており、本実施形態では、ICカード7を認証したときに制御部12によってLED11aを点灯する制御がなされ、ICカード7の認証が失敗したときに制御部12によってLED11bを点灯する制御がなされるようになっている。
【0032】
電源部14は、認証装置10内の各種電気部品に電力を供給する部分であり、例えば商用電源からの電力供給を受けて基準電圧を発生させる公知の電源回路によって構成されている。
【0033】
次に、認証装置10によるICカード7の認証について説明する。
まず、図4を参照してユーザ登録処理について説明する。ユーザ登録処理は、認証装置10がユーザ登録モードに設定されているときに実行される処理である。なお、図1等に示す認証装置10は、ユーザ登録モードと認証モードとに切り替え可能となっており、このような切り替えを入室管理コントローラ2の制御によって行う構成とすることができる。
【0034】
例えば、入室管理コントローラ2に図示しない操作部を設け、この操作部にてユーザ登録用の所定操作がなされたときに入室管理コントローラ2から制御部12に対してユーザ登録モード設定命令が出力され、この命令に応じて認証装置10がユーザ登録モードに設定される構成とすることができる。また、上記操作部にて認証モード用の所定操作がなされたときに入室管理コントローラ2から制御部12に対して認証モード設定命令が出力され、この命令に応じて認証装置10が認証モードに設定される構成とすることができる。
【0035】
図4に示すように、ユーザ登録処理が開始されると、まずカードID読出し判断処理が行われる(S1)。このS1の処理は、ユーザが認証装置10にICカード7を翳す登録操作を行ったか否か、及びICカードリーダ13がその翳されたICカード7からカードIDを読み取ったか否かを判断する処理である。
【0036】
ICカードリーダ13によってICカード7のカードIDが取得されたときにはS1にてYesに進み、その取得したカードIDの登録処理を行う(S2)。この登録処理は、上記のように取得されたカードIDを認証装置10内の記憶手段(図示略)に記憶する処理である。
【0037】
その後、検出装置20に対して翳し動作がなされているか否かを判断する処理を行う(S3)。検出装置20に対して翳し動作がなされているか否かの判断は、検出部21a〜21vのいずれかから遮光状態を示す信号が出力されているか否かを判断することによって行われる。本実施形態では、各受光部が遮光状態であるか否かを判定する基準となる閾値Svが定められており、いずれかの検出部から閾値Sv以下の信号が出力されている場合にはS3にてNoに進み、ICカード7が翳されている時間を計測する処理(以下、計時処理ともいう)を開始する(S4)。そして、全検出部(全センサ)が正常な受光状態となっているか否か(即ち、全検出部が遮光されていないか否か)を判断し、全検出部が正常な受光状態となったときにはS5にてYesに進み、S6の記録処理を行う。
【0038】
S6では、計時処理を停止し、S4の計時処理開始からその計時処理停止までに計測された時間(即ち、ICカード7が検出装置20に翳されていた時間)を記録する。たとえば、S4の計時処理開始からS6の計時停止までの時間が1sであれば、この1sというデータを当該認証装置20の記憶手段(図示略)に記録する。
【0039】
更に、S3〜S5までの翳し動作中に遮光されていた検出部の数(遮光センサ数)と、遮光されていた検出部の固有情報(該当センサNo)とを記録する。本実施形態では、図7に示すように、複数の検出部21a〜21vにそれぞれ固有情報としての番号が対応付けられており、S6では、遮光されていた検出部の番号が記憶される。
【0040】
例えば、図8(a)のように、検出部21i、21j、21n、21p、21s、21tが遮光された場合、これらの番号(固有情報)はそれぞれ、9、10、13、14、17、18であるので、このような遮光状態の場合に、遮光検出部数「6」と、これらの番号「9、10、13、14、17、18」が当該認証装置10の記憶手段(図示略)に記憶される。
【0041】
その後、S6の記録が所定回数行われたか否かを判断し(S7)、所定回数行われていない場合にはS7にてNoに進み、回数をインクリメントしてS3以降の処理を繰り返す。一方、S6の記録が所定回数行われた場合にはS7にてYesに進み当該処理を終了する。なお、S7の判断基準となる「所定回数」は、登録処理において翳し動作を行うべき動作回数として予め規定された回数であり、例えば、S7の所定回数が4回と定められている場合、S6の記録処理が4回行われるまでS7にてNoに進み、S4〜S6の計時処理及びS6の記録処理が繰り返される。
【0042】
なお、図5では、カードIDが「123456」であるICカードについて、図7のような4回の翳し動作(登録動作)が行われたときの記録例を示しており、1回目のS3〜S6において図8(a)のような翳し動作が行われ、検出部21i、21j、21n、21p、21s、21tが1秒間遮光されたときの翳し動作内容が1回目のデータとして記録されている。また、2回目のS3〜S6において図8(b)のような翳し動作が行われたときの翳し動作内容が2回目のデータとして記録され、3回目のS3〜S6において図9(a)のような翳し動作が行われたときの翳し動作内容が3回目のデータとして記録され、4回目のS3〜S6において図9(b)のような翳し動作が行われたときの翳し動作内容が4回目のデータとして記録されている。
【0043】
図4の登録処理が完了すると、その登録処理を行ったカードIDについての翳し動作パターンデータ(図5参照)が認証装置10の記憶手段(図示略)に蓄積される。例えば、図5のデータは、カードIDが「123456」であるICカード7について図8(a)(b)、図9(a)(b)のような登録動作(翳し動作)がなされたときの翳し動作パターンを記録したものであり、後述する認証処理では、同一のカードID(即ち、「123456」)のICカード7によって同様の翳し動作(図8、図9)がなされたときに当該ICカード7が認証されるようになっている。以下、認証処理について具体的に説明する。
【0044】
図6に示す認証処理は、認証モード(通常運用モード)に設定されているときに行われる処理であり、当該認証処理では、まずカードID読出し判断処理を行う(S10)。このS10の処理は、ユーザが認証装置10にICカード7を翳す登録操作を行ったか否か、及びICカードリーダ13がその翳されたICカード7からカードIDを読み取ったか否かを判断する処理である。ICカードリーダ13によってICカード7のカードIDが取得されたときにはS10にてYesに進み、その取得したカードIDが当該認証装置10の記憶手段(図示略)に登録されているか否かを検索するサーチ処理を行う(S11)。
【0045】
S10で読み出したカードIDが登録されていない場合にはS12にてNoに進み当該認証処理を終了する。一方、カードIDが登録されている場合にはS12にてYesに進む。例えば、認証処理を行おうとするICカード7のカードIDが「123456」であり、図5のようなデータが既に登録されている場合には、S11の処理にて当該データが検索されるためS12にてYesに進むこととなる。
【0046】
S12にてYesに進む場合には、翳し動作回数Nを0にリセットする処理を行う(S13)。そして、検出装置20に対してICカード7の翳し動作が行われているか否かを判断する(S14)。S14の判断は、検出部21a〜21vのいずれかから遮光状態を示す信号(即ち、上述の閾値Sv以下の信号)が出力されているか否かを判断することによって行われ、いずれかの検出部から閾値Sv以下の信号が出力されている場合にはS14にてYesに進み、回数Nをインクリメントする(S15)。
【0047】
その後、閾値Sv以下の信号を発している検出部数(遮光センサ数)と、それら閾値Sv以下の信号を発している検出部の固有情報(該当センサNo)とを検出し、S10で読み出されたカードIDについてのN回目のデータと照合する。例えば、カードIDが「123456」であるICカード7について現在1回目の処理を行っている場合(即ちN=1)、現在閾値Sv以下の信号を発している検出部数(遮光センサ数)と、それら閾値Sv以下の信号を発している検出部の固有情報(該当センサNo)とを検出し、「123456」に係るカードIDについての1回目の記録データと照合する。1回目についての記録データが図5のような構成の場合、1回目(N=1)のときにS16で遮光が検出された検出部数が6であり、遮光が検出された検出部の番号が9、10、13、14、17、18であれば遮光センサ数及び該当センサNoのいずれも合致しているといえるため、このような場合にはS16にてYesに進む。一方、遮光センサ数或いは該当センサNoのいずれかが合致していない場合にはS16にてNoに進む。なお、図6の例では、遮光センサ数及び該当センサNoが合致するまでS16の処理が繰り返されるが、一定時間合致しない場合にエラー情報を報知して当該認証処理を終了するようにしてもよい。
【0048】
S16にてYesに進む場合、計時処理を開始する(S17)。この計時処理はN回目のデータとして登録されている所定時間を超えるまで継続し、所定時間を超えた場合にS18にてYesに進む。例えば、現在が1回目(N=1)であり、図5のように「123456」に係るカードIDの1回目の記録データとして「1s」が登録されている場合、S18では、番号が9、10、13、14、17、18である検出部(即ち、検出部21i、21j、21n、21p、21s、21t)について1s間遮光状態が継続するか否かを判断する。なお、S18の判断基準となる「所定時間」を超える前に検出部21i、21j、21n、21p、21s、21tの遮光状態が解除された場合、エラー情報を報知して当該認証処理を終了するようにしてもよい。
【0049】
S18にてYesに進む場合、所定回数に達したか否かを判断する。この「所定回数」は、図4に示す登録処理で翳し動作が行われた回数であり、図5のようにカードIDと対応付けて記録されている。S19では、S10で読み出されたカードIDについて登録されている操作回数(図5の例では4回)を読み出し、現在の回数Nがその登録されている操作回数に達しているか否かを判断する。現在の回数Nが「所定回数」に達していない場合にはS19にてNoに進みS14以降の処理を繰り返す。一方、「所定回数」に達している場合にはS19にてYesに進み当該認証処理を終了する。
【0050】
なお、本実施形態では図6に係る認証処理を実行する制御部12及び検出部21a〜21vが「対向領域検出手段」の一例に相当し、認証装置10に翳されたICカード7(通信対象)における検出領域ARに向かい合う対向領域を検出するように機能する。また、この制御部12は、「動作パターン検出手段」の一例に相当し、検出される対向領域の変化に基づいてICカード7(通信対象)の翳し動作パターンを検出するように機能する。また、制御部12は、「判断手段」の一例に相当し、検出された翳し動作パターンが所定パターンであるか否かを判断する機能を有する。更に、認証手段に相当する認証装置10は、上記「動作パターン検出手段」によって検出された翳し動作パターンが、所定パターンであると判断された場合にICカード7(通信対象)を認証するように機能する。
【0051】
また、図6の認証処理では、検出される対向領域の大きさ及び位置の変化に基づいて通信対象の翳し動作パターンを検出している。即ち、S16で検出し判断処理に用いている遮光センサ数(閾値Sv以下の信号を発している検出部の数)はICカード7の対向領域(検出領域ARに対向する領域)の面積を反映するものであり、本実施形態ではこのように遮光センサ数を検出することでICカード7における対向領域の面積を算出している。また、S16で検出している該当センサNo(閾値Sv以下の信号を発している検出部の固有情報)は、ICカード7における対向領域の位置を反映するものであり、該当センサNoによってこの対向領域の位置を把握できるようになっている。
【0052】
例えば、図8(a)では、1回目の翳し動作が行われたときのICカード7の位置を破線7'で概念的に示し、このICカード7の対向領域を太線AR1にて概念的に示しており、この対向領域AR1の面積の度合が遮光センサ数(図8(a)では6)で表され、対向領域AR1の位置が遮光センサNo(9、10、13、14、17、18)で表されるようになっている。同様に、図8(b)では、2回目の翳し動作が行われたときのICカード7の位置を破線7'で概念的に示し、このICカード7の対向領域を太線AR2にて概念的に示しており、この対向領域AR2の面積の度合が遮光センサ数(図8(b)では8)で表され、対向領域AR2の位置が遮光センサNo(6、7、10、11、14、15、18、19)で表されるようになっている。また、図9(a)では、3回目の翳し動作が行われたときのICカード7の位置を破線7'で概念的に示し、このICカード7の対向領域を太線AR3にて概念的に示しており、この対向領域AR3の面積の度合が遮光センサ数(図9(a)では6)で表され、対向領域AR3の位置が遮光センサNo(3、4、7、8、11、12)で表されるようになっている。更に、図9(b)では、4回目の翳し動作が行われたときのICカード7の位置を破線7'で概念的に示し、このICカード7の対向領域を太線AR4にて概念的に示しており、この対向領域AR4の面積の度合が遮光センサ数(図9(b)では4)で表され、対向領域AR4の位置が遮光センサNo(15、16、19,20)で表されるようになっている。なお、図10では、図8、図9の翳し動作が行われたときのICカード7の変化を破線にて示し、対向領域の変化をハッチングにて示しており、本実施形態ではこのような対向領域の変化を特定するデータを翳し動作パターンデータとして登録している(図5参照)。
【0053】
また、図6の認証処理では、S14〜S18の処理が複数回行われるようになっており、各回ごとに変化する対向領域の各状態ごとの位置及び大きさ(即ち、各回毎の遮光センサ数及び該当センサNo)と、各状態が維持される維持時間(即ち、S16で合致する遮光センサ数及び該当センサNoが維持される維持時間)とに基づいて翳し動作パターンを検出している。なお、制御部12は、「維持時間検出手段」の一例に相当し、S17、S18で説明したように、変化する対向領域についての各状態ごとの維持時間を検出するように機能している。
【0054】
また、本実施形態では、複数の検出部21a〜21vにおける2以上の検出部によって、変化する対向領域の各状態を検出しうる構成をなしており、変化する対向領域のいずれかの状態を検出する2以上の検出部の少なくとも一部を、他の状態の検出に兼用できるようになっている。例えば、図8(a)(b)の例では、1回目の対向領域AR1の状態を検出する検出部21i、21j、21n、21p、21s、21tの一部の検出部21j、21p、21tが2回目の対向領域AR2の状態検出に兼用されている。
【0055】
本実施形態の構成によれば、例えば以下のような効果を奏する。
本実施形態に係る認証装置10は、ICカード7(通信対象)における対向領域(検出領域ARに対向する領域)を検出し、検出される対向領域の変化に基づいてICカード7の翳し動作パターンを検出しており、この構成によれば、ICカード7に対してどのような翳し動作がなされたかをより精度高く検出できる。更に、その検出された翳し動作パターンが所定パターン(同一カードによって登録処理で予め登録されているパターン)であるか否かを判断し、所定パターンであると判断された場合にICカード7を認証している。このようにすると、キー入力部を設けることなく認証システムを構築でき、装置構成の小型化を図りやすくなる。また、単に翳された方向のみを検出するのではなく、翳し動作パターンを検出しこれを認証に用いているため、翳し方向のみによって判定する構成と比較して偶然の一致をより低くすることができ、セキュリティ性を効果的に高めることができる。
【0056】
また、検出される対向領域の大きさ及び位置の変化に基づいてICカード7の翳し動作パターンを検出している。このように対向領域の大きさ及び位置の変化によって翳し動作パターンを把握する構成とすると、第三者(予め定められた「所定パターン」を知らない者)の翳し動作が所定パターンと偶然に一致する可能性を極めて低くすることができ、セキュリティ性をより一層高めることができる。
【0057】
また、複数の検出部21a〜21vが設けられると共にこれら複数の検出部21a〜21vが散在する領域が検出領域ARとされている。また、検出部は、当該検出部に対してICカード7が対向したときに検出信号を出力するように構成されている。このようにすると、大掛かりな構成を用いることなく対向領域の変化をより精度高く検出できるようになる。
【0058】
また、検出部21a〜21vはいずれも、外部からの光を受光する受光部からなり、この受光部は、当該受光部に入射する光がICカード7によって遮られたときに検出信号を出力する構成をなしている。このようにすると、非接触通信を行うときに必要な動作の性質(即ち非接触通信媒体が検出領域に近接して検出領域を遮光するという性質)を利用して対向領域の変化を簡易且つ良好に検出できるようになる。
【0059】
また、対向領域を検出した検出部の数に基づいて当該対向領域の面積を算出し、このように算出される面積の変化に基づいてICカード7の翳し動作パターンを検出している。このようにすると、大掛かりな構成や複雑な構成を用いることなく対向領域の位置をより正確に特定でき、規定された動作がなされたか否かをより精度高く判断できる。
【0060】
また、複数の検出部21a〜21vにそれぞれ固有情報が対応付けられており、対向領域を検出した検出部の固有情報に基づいて、対向領域の大きさ及び位置を特定している。このようにすると、対向領域の大きさや位置を簡易かつ迅速に特定でき、ひいては翳し動作パターンを簡易かつ迅速に検出できる。
【0061】
また、変化する対向領域についての各状態ごとの維持時間を検出しており、変化する対向領域の各状態ごとの位置及び大きさと、各状態が維持される維持時間とに基づいて翳し動作パターンを検出している。このように、位置や大きさのみならず、各状態の維持時間をも判断要素とすれば、複雑な構成や大掛かりな構成を用いることなく翳し動作のバリエーションをより増やすことができ、セキュリティ性をより一層高めることができる。
【0062】
また、複数の検出部21a〜21vにおける2以上の検出部によって、変化する対向領域の各状態を検出する構成をなしており、変化する対向領域のいずれかの状態を検出する2以上の検出部の少なくとも一部が、他の状態の検出に兼用されている。このようにすると、対向領域についてのより小さな位置変化を検出できるようになり、規定された動作がなされたか否かをより精度高く判断できる。
【0063】
次に、第2実施形態について説明する。図11は、第2実施形態の認証装置で行われる登録処理を例示するフローチャートであり、図12は、図11の登録処理で記録されたデータ構成を例示する説明図である。図13は、第2実施形態の認証装置で行われる認証処理を例示刷るフローチャートである。なお、第2実施形態に係る認証装置のハードウェア構成は第1実施形態と同一であり、本実施形態では、登録処理、登録されたデータ構成、認証処理がそれぞれ第1実施形態の図4、図5、図6と異なっている。なお、第1実施形態と同一のハードウェア構成をなす部分については適宜図1〜図3を参照して説明し、説明においては第1実施形態と同一の符号を用いることとする。
【0064】
まず、図11を参照し、第2実施形態の認証装置10で行われるユーザ登録処理を説明する。このユーザ登録処理も、認証装置10がユーザ登録モードに設定されているときに実行される処理である。
【0065】
図11に示すように、ユーザ登録処理が開始されると、まずカードID読出し判断処理が行われる(S101)。このS101の処理は、図4のS1と同様の処理である。そして、ICカードリーダ13によってICカード7のカードIDが取得されたときにはS101にてYesに進み、その取得したカードIDの登録処理を行う(S102)。この登録処理は、図4のS2と同様の処理である。
【0066】
その後、検出装置20に対して翳し動作がなされているか否かを判断する処理を行う(S103)。このS103の処理は、図4のS3と同様であり、検出部21a〜21vのいずれかから閾値Sv以下の信号が出力されている場合にはS103にてNoに進み、ICカード7が翳されている時間を計測する処理(以下、計時処理ともいう)を開始する(S104)。そして、ICカード7の翳し動作が行われなくなるまでS105の処理を繰り返し、翳し動作が行われなくなったとき(即ち、全検出部の信号が閾値Sv以上となったとき)、S105にてYesに進み、S106の記録処理を行う。
【0067】
S106では、計時処理を停止し、S104の計時処理開始からその計時処理停止までに計測された時間(即ち、ICカード7が検出装置20に翳されていた時間)を記録する。たとえば、S104の計時処理開始からS106の計時停止までの時間が1sであれば、この1sというデータを当該認証装置20の記憶手段(図示略)に記録する。
【0068】
S106では、更にS103〜S105までの翳し動作中の対向領域の面積を記録する。具体的には、S103〜S105までの翳し動作中に遮光されていた検出部の数(遮光センサ数)を記録する。例えば、図8(a)のように、検出部21i、21j、21n、21p、21s、21tが遮光された場合、遮光検出部数は「6」であるので、この「6」という情報を上述の計測時間と対応付けて記憶手段に記憶する。
【0069】
その後、S106の記録が所定回数行われたか否かを判断し(S107)、所定回数行われていない場合にはS107にてNoに進み、回数をインクリメントしてS103以降の処理を繰り返す。一方、S106の記録が所定回数行われた場合にはS107にてYesに進み当該処理を終了する。なお、S107の判断基準となる「所定回数」は、図4のS7と同様に規定された回数(即ち、登録処理において翳し動作を行うべき動作回数として予め規定された回数)であり、例えば、S107の所定回数が4回と定められている場合、S106の記録処理が4回行われるまでS107にてNoに進み、S104〜S106の計時処理及びS106の記録処理が繰り返される。
【0070】
なお、図12では、カードIDが「123456」であるICカードについて、図7のような4回の翳し動作(登録動作)が行われたときの記録例を示しており、1回目のS103〜S106において図8(a)のような翳し動作が行われ、検出部21i、21j、21n、21p、21s、21tが1秒間遮光されたときの翳し動作内容が1回目のデータとして記録されている。なお、この場合、面積1として「6」という値が記録される。また、2回目のS103〜S106において図8(b)のような翳し動作が行われたときの翳し動作内容が2回目のデータとして記録され(この場合、面積2は「8」)、3回目のS103〜S106において図9(a)のような翳し動作が行われたときの翳し動作内容が3回目のデータとして記録され(この場合、面積3は「6」)、4回目のS103〜S106において図9(b)のような翳し動作が行われたときの翳し動作内容が4回目のデータとして記録されている(この場合、面積4は「4」)。
【0071】
図11の登録処理が完了すると、その登録処理を行ったカードIDについての翳し動作パターンデータ(図12参照)が認証装置10の記憶手段(図示略)に蓄積される。例えば、図12のデータは、カードIDが「123456」であるICカード7について図8(a)(b)、図9(a)(b)のような登録動作(翳し動作)がなされたときの翳し動作パターンを記録したものであり、後述する認証処理では、同一のカードID(即ち、「123456」)のICカード7によって同様の翳し動作(図8、図9)がなされたときに当該ICカード7が認証されるようになっている。以下、認証処理について具体的に説明する。
【0072】
図13に示す認証処理は、認証モード(通常運用モード)に設定されているときに行われる処理であり、当該認証処理では、まずカードID読出し判断処理を行う(S201)。このS201の処理は、図6のS10と同様であり、ICカードリーダ13によってICカード7のカードIDが取得されたときにはS201にてYesに進み、その取得したカードIDが当該認証装置10の記憶手段(図示略)に登録されているか否かを検索するサーチ処理を行う(S202)。このS202の処理は図6のS11と同様である。
【0073】
S201で読み出したカードIDが登録されていない場合にはS203にてNoに進み当該認証処理を終了する。一方、カードIDが登録されている場合にはS203にてYesに進む。例えば、認証処理を行おうとするICカード7のカードIDが「123456」であり、図12のようなデータが既に登録されている場合には、S11の処理にて当該データが検索されるためS203にてYesに進むこととなる。
【0074】
S203にてYesに進む場合には、翳し動作回数Nを0にリセットする処理を行う(S204)。そして、検出装置20に対してICカード7の翳し動作が行われているか否かを判断する(S205)。S205の処理は、図6のS14と同様であり、検出部21a〜21vのいずれかから閾値Sv以下の信号が出力されている場合にはS205にてYesに進み、回数Nをインクリメントする(S206)。
【0075】
その後、面積が合致しているか否かの判断処理を行う(S207)。S207では、閾値Sv以下の信号を発している検出部数(遮光センサ数)を検出し、S201で読み出されたカードIDについてのN回目のデータと照合する。例えば、カードIDが「123456」であるICカード7について現在1回目の処理を行っている場合(即ちN=1)、現在閾値Sv以下の信号を発している検出部数(遮光センサ数)を検出し、「123456」に係るカードIDについての1回目の記録データと照合する。記録データが図12のような構成で面積1が「6」の場合、1回目(N=1)のS207の処理において遮光が検出された検出部数が「6」であれば遮光センサ数が合致しており、面積が合致しているといえるため、このような場合にはS207にてYesに進む。一方、遮光センサ数が合致していない場合にはS207にてNoに進む。なお、図13の例では、遮光センサ数が合致するまでS207の処理が繰り返されるが、一定時間合致しない場合にエラー情報を報知して当該認証処理を終了するようにしてもよい。
【0076】
S207にてYesに進む場合、計時処理を開始する(S208)。この計時処理はN回目のデータとして登録されている所定時間を超えるまで継続し、所定時間を超えた場合にS209にてYesに進む。例えば、現在が1回目(N=1)であり、図12のように「123456」に係るカードIDの1回目の記録データとして「1s」が登録されている場合、S209では、面積1(即ち検出部数が「6」)の状態で1s間遮光状態が継続するか否かを判断する。なお、S209の判断基準となる「所定時間」を超える前に面積1の状態(検出部数「6」の状態)が解除された場合、エラー情報を報知して当該認証処理を終了するようにしてもよい。
【0077】
S209にてYesに進む場合、所定回数に達したか否かを判断する(S210)。この「所定回数」は、図11に示す登録処理で翳し動作が行われた回数であり、図12のようにカードIDと対応付けて記録されている。S210では、S201で読み出されたカードIDについて登録されている操作回数(図12の例では4回)を読み出し、現在の回数Nがその登録されている操作回数に達しているか否かを判断する。現在の回数Nが「所定回数」に達していない場合にはS210にてNoに進みS205以降の処理を繰り返す。一方、「所定回数」に達している場合にはS210にてYesに進み当該認証処理を終了する。
【0078】
なお、本実施形態でも図13に係る認証処理を実行する制御部12及び検出部21a〜21vが「対向領域検出手段」の一例に相当し、認証装置10に翳されたICカード7(通信対象)における検出領域ARに向かい合う対向領域を検出するように機能する。また、この制御部12は、「動作パターン検出手段」の一例に相当し、検出される対向領域の変化に基づいてICカード7(通信対象)の翳し動作パターンを検出するように機能する。また、制御部12は、「判断手段」の一例に相当し、検出された翳し動作パターンが所定パターンであるか否かを判断する機能を有する。更に、「認証手段」に相当する認証装置10は、上記「動作パターン検出手段」によって検出された翳し動作パターンが、所定パターンであると判断された場合にICカード7(通信対象)を認証するように機能する。
【0079】
また、本実施形態では、検出される対向領域の位置変化を考慮せず、対向領域の大きさの変化(面積の変化)に基づいてICカード7の翳し動作パターンを検出している。
【0080】
また、本実施形態では、S205〜S209の処理が複数回行われるようになっており、各回ごとに変化する対向領域の各状態ごとの大きさ(即ち、各回毎の遮光センサ数)と、各状態が維持される維持時間(即ち、S207で合致する遮光センサ数が維持される維持時間)とに基づいて翳し動作パターンを検出している。
【0081】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0082】
第1実施形態では、図4に示すように、登録のための翳し動作回数が予め規定されていたが、登録のための翳し動作回数をユーザが任意に定めるようにしてもよい。これを実現するためには、例えば、図4のS7の判断処理の代わりに所定の終了処理が行われたか否か(例えば、一定時間翳し動作が解除されたか、所定の操作ボタンが押されたか等)を判断する判断処理を設けるようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】図1(a)は、第1実施形態に係る認証装置を用いたドア管理システムを例示する説明図であり、図1(b)は、図1(a)のドア管理システムのブロック図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係る認証装置を概略的に説明する説明図である。
【図3】図3は、図2の認証装置の検出部付近を概略的に説明する説明図である。
【図4】図4は、ユーザ登録処理を例示するフローチャートである。
【図5】図5は、図4のユーザ登録処理によって登録されたデータ構成を例示する説明図である。
【図6】図6は、認証処理を例示するフローチャートである。
【図7】図7は、各受光部の固有情報等を説明する説明図である。
【図8】図8は、ユーザによる翳し動作の一例を説明する説明図であり、(a)は、第1回目の翳し動作と検出領域との関係を説明する説明図であり、(b)は第2回目の翳し動作と検出領域との関係を説明する説明図である。
【図9】図9は、図8に続く翳し動作を説明する説明図であり、(a)は、第3回目の翳し動作と検出領域との関係を説明する説明図であり、(b)は第4回目の翳し動作と検出領域との関係を説明する説明図である。
【図10】図10は、対向領域の変化を説明する説明図である。
【図11】図11は、第2実施形態に係る認証装置で行われるユーザ登録処理を例示するフローチャートである。
【図12】図12は、図11のユーザ登録処理で記録されたデータ構成を説明する説明図である。
【図13】図13は、第2実施形態に係る認証装置で行われる認証装置を例示するフローチャートである。
【符号の説明】
【0084】
1…ドア管理システム
7…ICカード(通信対象)
10…認証装置
12…制御部(認証手段、対向領域検出手段、動作パターン検出手段、判断手段、維持時間検出手段)
13…ICカードリーダ(読出手段)
21a〜21v…検出部(受光部、対向領域検出手段)
AR…検出領域
AR1〜AR4…対向領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、非接触通信技術を用いた認証装置が提供されている。例えば、特許文献1では、暗証番号開錠式ドアシステムに係る技術が提供されており、キー入力部を備えた認証装置が開示されている。この特許文献1の技術では、特定キー入力手順の他に時間的条件を暗証番号入力条件としており、これにより少ない入力桁数で守秘性を向上させている。
【特許文献1】特開2000−265719
【特許文献2】特開2004−341702
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1の技術によれば、確かに入力桁数を抑えて守秘性を向上させる効果が得られるが、カードリーダとキー入力部とを併設する必要があるため、読取装置自体が大型化するという問題がある。また、操作容易なキー入力部を実現するには、操作者が指で操作するときに複数のキーが同時に押されにくい程度にピッチを確保しなければならず、操作部全体が大きくならざるを得ない。更に、カードを翳す動作とキー入力動作とが必要となるため、キー入力操作前或いは後にカードを持ち替えたり、或いはカードを持ちながら操作する必要があり、認証作業に手間取る場合もある。
【0004】
一方、キー入力以外の方法で認証を行う技術として特許文献2が提供されている。この特許文献2では、ICカードを翳す向きについて予め取り決めがなされており、認証対象となるICカードについて検出された方向がその取り決めで定められた方向と一致した場合に当該ICカードを操作する操作者を正規の者として認証している。この構成では、キー入力部を省略できるという効果が得られるものの、単に方向だけを認証判定の要素としているため、取り決めの方向とICカードの検出方向とが偶然に一致する可能性が高く、翳すべき正規方向を知りえない第三者であっても誤って認証されてしまう虞がある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、セキュリティ性の高い認証装置をより小型構成で実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、非接触通信媒体を備えた通信対象との間で非接触通信を行い、前記非接触通信媒体に記録されるデータを読み出す読出手段と、前記通信対象の認証を行う認証手段と、を備えた認証装置であって、前記通信対象を検出する検出領域が定められると共に、当該認証装置に翳された前記通信対象における前記検出領域に向かい合う対向領域を検出する対向領域検出手段と、前記対向領域検出手段によって検出される前記対向領域の変化に基づいて前記通信対象の翳し動作パターンを検出する動作パターン検出手段と、前記動作パターン検出手段によって検出された前記翳し動作パターンが所定パターンであるか否かを判断する判断手段と、を備え、前記認証手段は、前記動作パターン検出手段によって検出された前記翳し動作パターンが、前記判断手段により前記所定パターンであると判断された場合に前記通信対象を認証することを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の認証装置において、前記動作パターン検出手段は、前記対向領域検出手段によって検出される前記対向領域の大きさ及び位置の変化に基づいて前記通信対象の前記翳し動作パターンを検出することを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の認証装置において、前記対向領域検出手段は、複数の検出部を備え、これら複数の検出部が散在する領域が前記検出領域とされており、前記検出部は、当該検出部に対して前記通信対象が対向したときに検出信号を出力することを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項3に記載の認証装置において、前記検出部は、外部からの光を受光する受光部からなり、前記受光部は、当該受光部に入射する光が前記通信対象によって遮られたときに前記検出信号を出力することを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、請求項3又は請求項4に記載の認証装置において、前記対向領域検出手段は、前記対向領域を検出した前記検出部の数に基づいて当該対向領域の面積を算出し、前記動作パターン検出手段は、前記対向領域検出手段にて検出された前記対向領域の面積の変化に基づいて前記通信対象の前記翳し動作パターンを検出することを特徴とする。
【0011】
請求項6の発明は、請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の認証装置において、複数の前記検出部はそれぞれ、固有情報が対応付けられており、前記動作パターン検出手段は、前記対向領域を検出した前記検出部の前記固有情報に基づいて、前記対向領域の大きさ及び位置を特定することを特徴とする。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の認証装置において、前記対向領域検出手段は、変化する前記対向領域についての各状態ごとの維持時間を検出する維持時間検出手段を有し、前記動作パターン検出手段は、変化する前記対向領域の各状態ごとの位置及び大きさと、各状態が維持される維持時間とに基づいて前記翳し動作パターンを検出することを特徴とする。
【0013】
請求項8の発明は、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の認証装置において、前記対向領域検出手段は、複数の前記検出部における2以上の前記検出部によって、変化する前記対向領域の各状態を検出する構成をなしており、変化する前記対向領域のいずれかの状態を検出する2以上の前記検出部の少なくとも一部が、他の状態の検出に兼用されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明は、通信対象における対向領域(検出領域に対向する領域)を検出し、検出される対向領域の変化に基づいて通信対象の翳し動作パターンを検出しており、この構成によれば、通信対象に対してどのような翳し動作がなされたかをより精度高く検出できる。更に、その検出された翳し動作パターンが所定パターンであるか否かを判断し、所定パターンであると判断された場合に通信対象を認証している。このようにすると、キー入力部を設けることなく認証システムを構築でき、装置構成の小型化を図りやすくなる。また、単に翳された方向のみを検出するのではなく、翳し動作パターンを検出しこれを認証に用いているため、翳し方向のみによって判定する構成と比較して偶然の一致をより低くすることができ、セキュリティ性を効果的に高めることができる。
【0015】
請求項2の発明は、対向領域検出手段によって検出される対向領域の大きさ及び位置の変化に基づいて通信対象の翳し動作パターンを検出している。このように対向領域の大きさ及び位置の変化によって翳し動作パターンを把握する構成とすると、第三者(予め定められた「所定パターン」を知らない者)の翳し動作が所定パターンと偶然に一致する可能性を極めて低くすることができ、セキュリティ性をより一層高めることができる。
【0016】
請求項3の発明は、複数の検出部が設けられると共にこれら複数の検出部が散在する領域が検出領域とされている。また、検出部は、当該検出部に対して通信対象が対向したときに検出信号を出力するように構成されている。このようにすると、大掛かりな構成を用いることなく対向領域の変化をより精度高く検出できるようになる。
【0017】
請求項4の発明は、検出部が外部からの光を受光する受光部からなり、この受光部は、当該受光部に入射する光が通信対象によって遮られたときに検出信号を出力する構成をなしている。このようにすると、非接触通信を行うときに必要な動作の性質(即ち非接触通信媒体が検出領域に近接して検出領域を遮光するという性質)を利用して対向領域の変化を簡易且つ良好に検出できるようになる。
【0018】
請求項5の発明は、対向領域を検出した検出部の数に基づいて当該対向領域の面積を算出し、このように算出される面積の変化に基づいて通信対象の翳し動作パターンを検出している。このようにすると、大掛かりな構成や複雑な構成を用いることなく対向領域の位置をより正確に特定でき、規定された動作がなされたか否かをより精度高く判断できる。
【0019】
請求項6の発明は、複数の検出部にそれぞれ固有情報が対応付けられており、対向領域を検出した検出部の固有情報に基づいて、対向領域の大きさ及び位置を特定している。このようにすると、対向領域の大きさや位置を簡易かつ迅速に特定でき、ひいては翳し動作パターンを簡易かつ迅速に検出できる。
【0020】
請求項7の発明は、変化する対向領域についての各状態ごとの維持時間を検出する維持時間検出手段が設けられ、変化する対向領域の各状態ごとの位置及び大きさと、各状態が維持される維持時間とに基づいて翳し動作パターンを検出している。このように、位置や大きさのみならず、各状態の維持時間をも判断要素とすれば、複雑な構成や大掛かりな構成を用いることなく翳し動作のバリエーションをより増やすことができ、セキュリティ性をより一層高めることができる。
【0021】
請求項8の発明は、複数の検出部における2以上の検出部によって、変化する対向領域の各状態を検出する構成をなしており、変化する対向領域のいずれかの状態を検出する2以上の検出部の少なくとも一部が、他の状態の検出に兼用されている。このようにすると、対向領域についてのより小さな位置変化を検出できるようになり、規定された動作がなされたか否かをより精度高く判断できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
[第1実施形態]
以下、本発明の認証装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1(a)は、第1実施形態に係る認証装置を用いたドア管理システムを例示する説明図であり、図1(b)は、図1(a)のドア管理システムのブロック図である。図2は、第1実施形態に係る認証装置を概略的に説明する説明図であり、図3は、図2の認証装置の検出部付近を概略的に説明する説明図である。図4は、ユーザ登録処理を例示するフローチャートであり、図5は、図4のユーザ登録処理によって登録されたデータ構成を例示する説明図である。図6は、認証処理を例示するフローチャートである。図7は、各受光部の固有情報等を説明する説明図であり、図8は、ユーザによる翳し動作の一例を説明する説明図であり、(a)は、第1回目の翳し動作と検出領域との関係を説明する説明図であり、(b)は第2回目の翳し動作と検出領域との関係を説明する説明図である。図9は、図8に続く翳し動作を説明する説明図であり、(a)は、第3回目の翳し動作と検出領域との関係を説明する説明図であり、(b)は第4回目の翳し動作と検出領域との関係を説明する説明図である。図10は、対向領域の変化を説明する説明図である。
【0023】
図1に示すドア管理システム1は、非接触型ICカードを認証する認証装置10と、入室管理コントローラ2と、施錠装置3によって構成されている。
入室管理コントローラ2は、CPU及び記憶手段(ROM,RAM等)を備えた情報処理装置として構成されており、施錠装置3と電気的に接続され、施錠装置3に対して開錠や施錠を指示する制御信号を出力する構成をなしている。また、認証装置10とも電気的に接続されており、認証装置10から認証信号等を取得し得る構成となっている。
【0024】
施錠装置3は、図1(b)に示すように、電気的信号に応じた施錠及び開錠が可能な電気錠5と、この電気錠5を制御する制御部4とを備えた公知の電気錠装置として構成されており、入室管理コントローラ2とインターフェース(図示略)を介して接続されている。電気錠5は、たとえばデッドボルトを有し、モータやソレノイドなどのアクチュエータによってデッドボルトを進退させることによって対象物の施解錠を行うものなどを採用することができる。なお、ここでは施錠装置の一例を挙げたが、入室管理コントローラ2からの制御信号に応じて開錠状態又は施錠状態に変化しうる構成であれば公知の様々な電気錠装置を採用できる。
【0025】
次に、認証装置10について説明する。
認証装置10は、非接触通信媒体を備えた通信対象(図1の例ではICカード7)と通信を行い、所定条件が成立したときに当該通信対象を認証するものである。この認証装置10は、図2に示すように、制御部12と、ICカードリーダ13と、翳し動作検出装置20(以下、単に検出装置20ともいう)と、表示LED11と、電源部14とを備えた構成をなしている。なお、図2で示した構成以外に、ROM,RAM等の記憶手段などが設けられているが、一部部品については省略して示している。
【0026】
制御部12は、CPUによって構成されており、認証装置10内の全体的制御を司る構成をなしている。この制御部12には、入室管理コントローラ2(図1)が接続されており、ICカード7を認証したときに入室管理コントローラ2に対して認証信号を出力する構成となっている。
なお、本実施形態では、制御部12が「認証手段」の一例に相当する。
【0027】
ICカードリーダ13は、ICチップ(非接触通信媒体)を備えたICカード7と非接触通信を行う公知のICカードリーダとして構成されており、ICカード7が通信可能範囲にあるときにICカード7の読み取り或いは書き込みを行う構成をなしている。なお、図3に示すようにICカードリーダ13のアンテナ14は、後述する翳し動作検出装置20付近に配置されており、ICカード7が翳し動作検出装置20に接近したときにこのICカード7と非接触通信を行うようになっている。
なお、本実施形態では、ICカードリーダ13が「読出手段」の一例に相当し、ICカード7のICチップ(非接触通信媒体)に記録されるデータを読み出すように機能している。
【0028】
翳し動作検出装置20は、図3のように外壁をなすケース体20aが設けられており、このケース体20aから複数の検出部21a〜21vが露出するように設けられている。各検出部21a〜21vは、いずれも、外部からの光を受光し受光量に応じた電気信号を出力する受光素子(例えばフォトダイオード等)によって構成されている。なお、本実施形態では、各検出部21a〜21vがぞれぞれ「受光部」に相当している。
【0029】
これら複数の検出部21a〜21vは、それぞれケース体20aに形成された孔を介してケース体20a外部に露出するように配置され、各孔を通ってケース体20a内部に入り込む光が各検出部21a〜21vに受光されるようになっている。即ち、各孔が遮光されたときには、その遮光された位置の検出部の受光量が低減するようになっており、どの検出部の受光量が低減しているのかを把握することによってどの位置が通信対象によって覆われているのか(即ち、どの位置に通信対象が対向しているのか)を検出できるようになっている。なお、検出部21a〜21vが散在する領域がICカード7(通信対象)の翳し動作を検出する「検出領域」に相当し、図3では、一点鎖線ARによってこの「検出領域」を示している。
【0030】
このように構成される各検出部21a〜21vは、ICカード7(通信対象)が対向して各検出部21a〜21vに入射する光が当該ICカード7によって遮られたときにそれぞれ検出信号(低い受光量を示す信号)を出力するようになっている。例えば検出部21aを覆うようにICカード7が対向して配置されたときには検出部21aの受光量が低減し、検出部21aから制御部12に対して低い受光量を示す信号が出力されるようになっている。同様に、検出部21vの位置にICカード7が対向して配置されたときには検出部21vの受光量が低減し、検出部21vから制御部12に対して低い受光量を示す信号が出力されるようになっている。他の受光部21b〜21uでも同様である。
【0031】
表示LED11は、2つのLED11a、11bによって構成されている。これらLED11a、11bは、制御部12によって点灯の制御がなされるようになっており、本実施形態では、ICカード7を認証したときに制御部12によってLED11aを点灯する制御がなされ、ICカード7の認証が失敗したときに制御部12によってLED11bを点灯する制御がなされるようになっている。
【0032】
電源部14は、認証装置10内の各種電気部品に電力を供給する部分であり、例えば商用電源からの電力供給を受けて基準電圧を発生させる公知の電源回路によって構成されている。
【0033】
次に、認証装置10によるICカード7の認証について説明する。
まず、図4を参照してユーザ登録処理について説明する。ユーザ登録処理は、認証装置10がユーザ登録モードに設定されているときに実行される処理である。なお、図1等に示す認証装置10は、ユーザ登録モードと認証モードとに切り替え可能となっており、このような切り替えを入室管理コントローラ2の制御によって行う構成とすることができる。
【0034】
例えば、入室管理コントローラ2に図示しない操作部を設け、この操作部にてユーザ登録用の所定操作がなされたときに入室管理コントローラ2から制御部12に対してユーザ登録モード設定命令が出力され、この命令に応じて認証装置10がユーザ登録モードに設定される構成とすることができる。また、上記操作部にて認証モード用の所定操作がなされたときに入室管理コントローラ2から制御部12に対して認証モード設定命令が出力され、この命令に応じて認証装置10が認証モードに設定される構成とすることができる。
【0035】
図4に示すように、ユーザ登録処理が開始されると、まずカードID読出し判断処理が行われる(S1)。このS1の処理は、ユーザが認証装置10にICカード7を翳す登録操作を行ったか否か、及びICカードリーダ13がその翳されたICカード7からカードIDを読み取ったか否かを判断する処理である。
【0036】
ICカードリーダ13によってICカード7のカードIDが取得されたときにはS1にてYesに進み、その取得したカードIDの登録処理を行う(S2)。この登録処理は、上記のように取得されたカードIDを認証装置10内の記憶手段(図示略)に記憶する処理である。
【0037】
その後、検出装置20に対して翳し動作がなされているか否かを判断する処理を行う(S3)。検出装置20に対して翳し動作がなされているか否かの判断は、検出部21a〜21vのいずれかから遮光状態を示す信号が出力されているか否かを判断することによって行われる。本実施形態では、各受光部が遮光状態であるか否かを判定する基準となる閾値Svが定められており、いずれかの検出部から閾値Sv以下の信号が出力されている場合にはS3にてNoに進み、ICカード7が翳されている時間を計測する処理(以下、計時処理ともいう)を開始する(S4)。そして、全検出部(全センサ)が正常な受光状態となっているか否か(即ち、全検出部が遮光されていないか否か)を判断し、全検出部が正常な受光状態となったときにはS5にてYesに進み、S6の記録処理を行う。
【0038】
S6では、計時処理を停止し、S4の計時処理開始からその計時処理停止までに計測された時間(即ち、ICカード7が検出装置20に翳されていた時間)を記録する。たとえば、S4の計時処理開始からS6の計時停止までの時間が1sであれば、この1sというデータを当該認証装置20の記憶手段(図示略)に記録する。
【0039】
更に、S3〜S5までの翳し動作中に遮光されていた検出部の数(遮光センサ数)と、遮光されていた検出部の固有情報(該当センサNo)とを記録する。本実施形態では、図7に示すように、複数の検出部21a〜21vにそれぞれ固有情報としての番号が対応付けられており、S6では、遮光されていた検出部の番号が記憶される。
【0040】
例えば、図8(a)のように、検出部21i、21j、21n、21p、21s、21tが遮光された場合、これらの番号(固有情報)はそれぞれ、9、10、13、14、17、18であるので、このような遮光状態の場合に、遮光検出部数「6」と、これらの番号「9、10、13、14、17、18」が当該認証装置10の記憶手段(図示略)に記憶される。
【0041】
その後、S6の記録が所定回数行われたか否かを判断し(S7)、所定回数行われていない場合にはS7にてNoに進み、回数をインクリメントしてS3以降の処理を繰り返す。一方、S6の記録が所定回数行われた場合にはS7にてYesに進み当該処理を終了する。なお、S7の判断基準となる「所定回数」は、登録処理において翳し動作を行うべき動作回数として予め規定された回数であり、例えば、S7の所定回数が4回と定められている場合、S6の記録処理が4回行われるまでS7にてNoに進み、S4〜S6の計時処理及びS6の記録処理が繰り返される。
【0042】
なお、図5では、カードIDが「123456」であるICカードについて、図7のような4回の翳し動作(登録動作)が行われたときの記録例を示しており、1回目のS3〜S6において図8(a)のような翳し動作が行われ、検出部21i、21j、21n、21p、21s、21tが1秒間遮光されたときの翳し動作内容が1回目のデータとして記録されている。また、2回目のS3〜S6において図8(b)のような翳し動作が行われたときの翳し動作内容が2回目のデータとして記録され、3回目のS3〜S6において図9(a)のような翳し動作が行われたときの翳し動作内容が3回目のデータとして記録され、4回目のS3〜S6において図9(b)のような翳し動作が行われたときの翳し動作内容が4回目のデータとして記録されている。
【0043】
図4の登録処理が完了すると、その登録処理を行ったカードIDについての翳し動作パターンデータ(図5参照)が認証装置10の記憶手段(図示略)に蓄積される。例えば、図5のデータは、カードIDが「123456」であるICカード7について図8(a)(b)、図9(a)(b)のような登録動作(翳し動作)がなされたときの翳し動作パターンを記録したものであり、後述する認証処理では、同一のカードID(即ち、「123456」)のICカード7によって同様の翳し動作(図8、図9)がなされたときに当該ICカード7が認証されるようになっている。以下、認証処理について具体的に説明する。
【0044】
図6に示す認証処理は、認証モード(通常運用モード)に設定されているときに行われる処理であり、当該認証処理では、まずカードID読出し判断処理を行う(S10)。このS10の処理は、ユーザが認証装置10にICカード7を翳す登録操作を行ったか否か、及びICカードリーダ13がその翳されたICカード7からカードIDを読み取ったか否かを判断する処理である。ICカードリーダ13によってICカード7のカードIDが取得されたときにはS10にてYesに進み、その取得したカードIDが当該認証装置10の記憶手段(図示略)に登録されているか否かを検索するサーチ処理を行う(S11)。
【0045】
S10で読み出したカードIDが登録されていない場合にはS12にてNoに進み当該認証処理を終了する。一方、カードIDが登録されている場合にはS12にてYesに進む。例えば、認証処理を行おうとするICカード7のカードIDが「123456」であり、図5のようなデータが既に登録されている場合には、S11の処理にて当該データが検索されるためS12にてYesに進むこととなる。
【0046】
S12にてYesに進む場合には、翳し動作回数Nを0にリセットする処理を行う(S13)。そして、検出装置20に対してICカード7の翳し動作が行われているか否かを判断する(S14)。S14の判断は、検出部21a〜21vのいずれかから遮光状態を示す信号(即ち、上述の閾値Sv以下の信号)が出力されているか否かを判断することによって行われ、いずれかの検出部から閾値Sv以下の信号が出力されている場合にはS14にてYesに進み、回数Nをインクリメントする(S15)。
【0047】
その後、閾値Sv以下の信号を発している検出部数(遮光センサ数)と、それら閾値Sv以下の信号を発している検出部の固有情報(該当センサNo)とを検出し、S10で読み出されたカードIDについてのN回目のデータと照合する。例えば、カードIDが「123456」であるICカード7について現在1回目の処理を行っている場合(即ちN=1)、現在閾値Sv以下の信号を発している検出部数(遮光センサ数)と、それら閾値Sv以下の信号を発している検出部の固有情報(該当センサNo)とを検出し、「123456」に係るカードIDについての1回目の記録データと照合する。1回目についての記録データが図5のような構成の場合、1回目(N=1)のときにS16で遮光が検出された検出部数が6であり、遮光が検出された検出部の番号が9、10、13、14、17、18であれば遮光センサ数及び該当センサNoのいずれも合致しているといえるため、このような場合にはS16にてYesに進む。一方、遮光センサ数或いは該当センサNoのいずれかが合致していない場合にはS16にてNoに進む。なお、図6の例では、遮光センサ数及び該当センサNoが合致するまでS16の処理が繰り返されるが、一定時間合致しない場合にエラー情報を報知して当該認証処理を終了するようにしてもよい。
【0048】
S16にてYesに進む場合、計時処理を開始する(S17)。この計時処理はN回目のデータとして登録されている所定時間を超えるまで継続し、所定時間を超えた場合にS18にてYesに進む。例えば、現在が1回目(N=1)であり、図5のように「123456」に係るカードIDの1回目の記録データとして「1s」が登録されている場合、S18では、番号が9、10、13、14、17、18である検出部(即ち、検出部21i、21j、21n、21p、21s、21t)について1s間遮光状態が継続するか否かを判断する。なお、S18の判断基準となる「所定時間」を超える前に検出部21i、21j、21n、21p、21s、21tの遮光状態が解除された場合、エラー情報を報知して当該認証処理を終了するようにしてもよい。
【0049】
S18にてYesに進む場合、所定回数に達したか否かを判断する。この「所定回数」は、図4に示す登録処理で翳し動作が行われた回数であり、図5のようにカードIDと対応付けて記録されている。S19では、S10で読み出されたカードIDについて登録されている操作回数(図5の例では4回)を読み出し、現在の回数Nがその登録されている操作回数に達しているか否かを判断する。現在の回数Nが「所定回数」に達していない場合にはS19にてNoに進みS14以降の処理を繰り返す。一方、「所定回数」に達している場合にはS19にてYesに進み当該認証処理を終了する。
【0050】
なお、本実施形態では図6に係る認証処理を実行する制御部12及び検出部21a〜21vが「対向領域検出手段」の一例に相当し、認証装置10に翳されたICカード7(通信対象)における検出領域ARに向かい合う対向領域を検出するように機能する。また、この制御部12は、「動作パターン検出手段」の一例に相当し、検出される対向領域の変化に基づいてICカード7(通信対象)の翳し動作パターンを検出するように機能する。また、制御部12は、「判断手段」の一例に相当し、検出された翳し動作パターンが所定パターンであるか否かを判断する機能を有する。更に、認証手段に相当する認証装置10は、上記「動作パターン検出手段」によって検出された翳し動作パターンが、所定パターンであると判断された場合にICカード7(通信対象)を認証するように機能する。
【0051】
また、図6の認証処理では、検出される対向領域の大きさ及び位置の変化に基づいて通信対象の翳し動作パターンを検出している。即ち、S16で検出し判断処理に用いている遮光センサ数(閾値Sv以下の信号を発している検出部の数)はICカード7の対向領域(検出領域ARに対向する領域)の面積を反映するものであり、本実施形態ではこのように遮光センサ数を検出することでICカード7における対向領域の面積を算出している。また、S16で検出している該当センサNo(閾値Sv以下の信号を発している検出部の固有情報)は、ICカード7における対向領域の位置を反映するものであり、該当センサNoによってこの対向領域の位置を把握できるようになっている。
【0052】
例えば、図8(a)では、1回目の翳し動作が行われたときのICカード7の位置を破線7'で概念的に示し、このICカード7の対向領域を太線AR1にて概念的に示しており、この対向領域AR1の面積の度合が遮光センサ数(図8(a)では6)で表され、対向領域AR1の位置が遮光センサNo(9、10、13、14、17、18)で表されるようになっている。同様に、図8(b)では、2回目の翳し動作が行われたときのICカード7の位置を破線7'で概念的に示し、このICカード7の対向領域を太線AR2にて概念的に示しており、この対向領域AR2の面積の度合が遮光センサ数(図8(b)では8)で表され、対向領域AR2の位置が遮光センサNo(6、7、10、11、14、15、18、19)で表されるようになっている。また、図9(a)では、3回目の翳し動作が行われたときのICカード7の位置を破線7'で概念的に示し、このICカード7の対向領域を太線AR3にて概念的に示しており、この対向領域AR3の面積の度合が遮光センサ数(図9(a)では6)で表され、対向領域AR3の位置が遮光センサNo(3、4、7、8、11、12)で表されるようになっている。更に、図9(b)では、4回目の翳し動作が行われたときのICカード7の位置を破線7'で概念的に示し、このICカード7の対向領域を太線AR4にて概念的に示しており、この対向領域AR4の面積の度合が遮光センサ数(図9(b)では4)で表され、対向領域AR4の位置が遮光センサNo(15、16、19,20)で表されるようになっている。なお、図10では、図8、図9の翳し動作が行われたときのICカード7の変化を破線にて示し、対向領域の変化をハッチングにて示しており、本実施形態ではこのような対向領域の変化を特定するデータを翳し動作パターンデータとして登録している(図5参照)。
【0053】
また、図6の認証処理では、S14〜S18の処理が複数回行われるようになっており、各回ごとに変化する対向領域の各状態ごとの位置及び大きさ(即ち、各回毎の遮光センサ数及び該当センサNo)と、各状態が維持される維持時間(即ち、S16で合致する遮光センサ数及び該当センサNoが維持される維持時間)とに基づいて翳し動作パターンを検出している。なお、制御部12は、「維持時間検出手段」の一例に相当し、S17、S18で説明したように、変化する対向領域についての各状態ごとの維持時間を検出するように機能している。
【0054】
また、本実施形態では、複数の検出部21a〜21vにおける2以上の検出部によって、変化する対向領域の各状態を検出しうる構成をなしており、変化する対向領域のいずれかの状態を検出する2以上の検出部の少なくとも一部を、他の状態の検出に兼用できるようになっている。例えば、図8(a)(b)の例では、1回目の対向領域AR1の状態を検出する検出部21i、21j、21n、21p、21s、21tの一部の検出部21j、21p、21tが2回目の対向領域AR2の状態検出に兼用されている。
【0055】
本実施形態の構成によれば、例えば以下のような効果を奏する。
本実施形態に係る認証装置10は、ICカード7(通信対象)における対向領域(検出領域ARに対向する領域)を検出し、検出される対向領域の変化に基づいてICカード7の翳し動作パターンを検出しており、この構成によれば、ICカード7に対してどのような翳し動作がなされたかをより精度高く検出できる。更に、その検出された翳し動作パターンが所定パターン(同一カードによって登録処理で予め登録されているパターン)であるか否かを判断し、所定パターンであると判断された場合にICカード7を認証している。このようにすると、キー入力部を設けることなく認証システムを構築でき、装置構成の小型化を図りやすくなる。また、単に翳された方向のみを検出するのではなく、翳し動作パターンを検出しこれを認証に用いているため、翳し方向のみによって判定する構成と比較して偶然の一致をより低くすることができ、セキュリティ性を効果的に高めることができる。
【0056】
また、検出される対向領域の大きさ及び位置の変化に基づいてICカード7の翳し動作パターンを検出している。このように対向領域の大きさ及び位置の変化によって翳し動作パターンを把握する構成とすると、第三者(予め定められた「所定パターン」を知らない者)の翳し動作が所定パターンと偶然に一致する可能性を極めて低くすることができ、セキュリティ性をより一層高めることができる。
【0057】
また、複数の検出部21a〜21vが設けられると共にこれら複数の検出部21a〜21vが散在する領域が検出領域ARとされている。また、検出部は、当該検出部に対してICカード7が対向したときに検出信号を出力するように構成されている。このようにすると、大掛かりな構成を用いることなく対向領域の変化をより精度高く検出できるようになる。
【0058】
また、検出部21a〜21vはいずれも、外部からの光を受光する受光部からなり、この受光部は、当該受光部に入射する光がICカード7によって遮られたときに検出信号を出力する構成をなしている。このようにすると、非接触通信を行うときに必要な動作の性質(即ち非接触通信媒体が検出領域に近接して検出領域を遮光するという性質)を利用して対向領域の変化を簡易且つ良好に検出できるようになる。
【0059】
また、対向領域を検出した検出部の数に基づいて当該対向領域の面積を算出し、このように算出される面積の変化に基づいてICカード7の翳し動作パターンを検出している。このようにすると、大掛かりな構成や複雑な構成を用いることなく対向領域の位置をより正確に特定でき、規定された動作がなされたか否かをより精度高く判断できる。
【0060】
また、複数の検出部21a〜21vにそれぞれ固有情報が対応付けられており、対向領域を検出した検出部の固有情報に基づいて、対向領域の大きさ及び位置を特定している。このようにすると、対向領域の大きさや位置を簡易かつ迅速に特定でき、ひいては翳し動作パターンを簡易かつ迅速に検出できる。
【0061】
また、変化する対向領域についての各状態ごとの維持時間を検出しており、変化する対向領域の各状態ごとの位置及び大きさと、各状態が維持される維持時間とに基づいて翳し動作パターンを検出している。このように、位置や大きさのみならず、各状態の維持時間をも判断要素とすれば、複雑な構成や大掛かりな構成を用いることなく翳し動作のバリエーションをより増やすことができ、セキュリティ性をより一層高めることができる。
【0062】
また、複数の検出部21a〜21vにおける2以上の検出部によって、変化する対向領域の各状態を検出する構成をなしており、変化する対向領域のいずれかの状態を検出する2以上の検出部の少なくとも一部が、他の状態の検出に兼用されている。このようにすると、対向領域についてのより小さな位置変化を検出できるようになり、規定された動作がなされたか否かをより精度高く判断できる。
【0063】
次に、第2実施形態について説明する。図11は、第2実施形態の認証装置で行われる登録処理を例示するフローチャートであり、図12は、図11の登録処理で記録されたデータ構成を例示する説明図である。図13は、第2実施形態の認証装置で行われる認証処理を例示刷るフローチャートである。なお、第2実施形態に係る認証装置のハードウェア構成は第1実施形態と同一であり、本実施形態では、登録処理、登録されたデータ構成、認証処理がそれぞれ第1実施形態の図4、図5、図6と異なっている。なお、第1実施形態と同一のハードウェア構成をなす部分については適宜図1〜図3を参照して説明し、説明においては第1実施形態と同一の符号を用いることとする。
【0064】
まず、図11を参照し、第2実施形態の認証装置10で行われるユーザ登録処理を説明する。このユーザ登録処理も、認証装置10がユーザ登録モードに設定されているときに実行される処理である。
【0065】
図11に示すように、ユーザ登録処理が開始されると、まずカードID読出し判断処理が行われる(S101)。このS101の処理は、図4のS1と同様の処理である。そして、ICカードリーダ13によってICカード7のカードIDが取得されたときにはS101にてYesに進み、その取得したカードIDの登録処理を行う(S102)。この登録処理は、図4のS2と同様の処理である。
【0066】
その後、検出装置20に対して翳し動作がなされているか否かを判断する処理を行う(S103)。このS103の処理は、図4のS3と同様であり、検出部21a〜21vのいずれかから閾値Sv以下の信号が出力されている場合にはS103にてNoに進み、ICカード7が翳されている時間を計測する処理(以下、計時処理ともいう)を開始する(S104)。そして、ICカード7の翳し動作が行われなくなるまでS105の処理を繰り返し、翳し動作が行われなくなったとき(即ち、全検出部の信号が閾値Sv以上となったとき)、S105にてYesに進み、S106の記録処理を行う。
【0067】
S106では、計時処理を停止し、S104の計時処理開始からその計時処理停止までに計測された時間(即ち、ICカード7が検出装置20に翳されていた時間)を記録する。たとえば、S104の計時処理開始からS106の計時停止までの時間が1sであれば、この1sというデータを当該認証装置20の記憶手段(図示略)に記録する。
【0068】
S106では、更にS103〜S105までの翳し動作中の対向領域の面積を記録する。具体的には、S103〜S105までの翳し動作中に遮光されていた検出部の数(遮光センサ数)を記録する。例えば、図8(a)のように、検出部21i、21j、21n、21p、21s、21tが遮光された場合、遮光検出部数は「6」であるので、この「6」という情報を上述の計測時間と対応付けて記憶手段に記憶する。
【0069】
その後、S106の記録が所定回数行われたか否かを判断し(S107)、所定回数行われていない場合にはS107にてNoに進み、回数をインクリメントしてS103以降の処理を繰り返す。一方、S106の記録が所定回数行われた場合にはS107にてYesに進み当該処理を終了する。なお、S107の判断基準となる「所定回数」は、図4のS7と同様に規定された回数(即ち、登録処理において翳し動作を行うべき動作回数として予め規定された回数)であり、例えば、S107の所定回数が4回と定められている場合、S106の記録処理が4回行われるまでS107にてNoに進み、S104〜S106の計時処理及びS106の記録処理が繰り返される。
【0070】
なお、図12では、カードIDが「123456」であるICカードについて、図7のような4回の翳し動作(登録動作)が行われたときの記録例を示しており、1回目のS103〜S106において図8(a)のような翳し動作が行われ、検出部21i、21j、21n、21p、21s、21tが1秒間遮光されたときの翳し動作内容が1回目のデータとして記録されている。なお、この場合、面積1として「6」という値が記録される。また、2回目のS103〜S106において図8(b)のような翳し動作が行われたときの翳し動作内容が2回目のデータとして記録され(この場合、面積2は「8」)、3回目のS103〜S106において図9(a)のような翳し動作が行われたときの翳し動作内容が3回目のデータとして記録され(この場合、面積3は「6」)、4回目のS103〜S106において図9(b)のような翳し動作が行われたときの翳し動作内容が4回目のデータとして記録されている(この場合、面積4は「4」)。
【0071】
図11の登録処理が完了すると、その登録処理を行ったカードIDについての翳し動作パターンデータ(図12参照)が認証装置10の記憶手段(図示略)に蓄積される。例えば、図12のデータは、カードIDが「123456」であるICカード7について図8(a)(b)、図9(a)(b)のような登録動作(翳し動作)がなされたときの翳し動作パターンを記録したものであり、後述する認証処理では、同一のカードID(即ち、「123456」)のICカード7によって同様の翳し動作(図8、図9)がなされたときに当該ICカード7が認証されるようになっている。以下、認証処理について具体的に説明する。
【0072】
図13に示す認証処理は、認証モード(通常運用モード)に設定されているときに行われる処理であり、当該認証処理では、まずカードID読出し判断処理を行う(S201)。このS201の処理は、図6のS10と同様であり、ICカードリーダ13によってICカード7のカードIDが取得されたときにはS201にてYesに進み、その取得したカードIDが当該認証装置10の記憶手段(図示略)に登録されているか否かを検索するサーチ処理を行う(S202)。このS202の処理は図6のS11と同様である。
【0073】
S201で読み出したカードIDが登録されていない場合にはS203にてNoに進み当該認証処理を終了する。一方、カードIDが登録されている場合にはS203にてYesに進む。例えば、認証処理を行おうとするICカード7のカードIDが「123456」であり、図12のようなデータが既に登録されている場合には、S11の処理にて当該データが検索されるためS203にてYesに進むこととなる。
【0074】
S203にてYesに進む場合には、翳し動作回数Nを0にリセットする処理を行う(S204)。そして、検出装置20に対してICカード7の翳し動作が行われているか否かを判断する(S205)。S205の処理は、図6のS14と同様であり、検出部21a〜21vのいずれかから閾値Sv以下の信号が出力されている場合にはS205にてYesに進み、回数Nをインクリメントする(S206)。
【0075】
その後、面積が合致しているか否かの判断処理を行う(S207)。S207では、閾値Sv以下の信号を発している検出部数(遮光センサ数)を検出し、S201で読み出されたカードIDについてのN回目のデータと照合する。例えば、カードIDが「123456」であるICカード7について現在1回目の処理を行っている場合(即ちN=1)、現在閾値Sv以下の信号を発している検出部数(遮光センサ数)を検出し、「123456」に係るカードIDについての1回目の記録データと照合する。記録データが図12のような構成で面積1が「6」の場合、1回目(N=1)のS207の処理において遮光が検出された検出部数が「6」であれば遮光センサ数が合致しており、面積が合致しているといえるため、このような場合にはS207にてYesに進む。一方、遮光センサ数が合致していない場合にはS207にてNoに進む。なお、図13の例では、遮光センサ数が合致するまでS207の処理が繰り返されるが、一定時間合致しない場合にエラー情報を報知して当該認証処理を終了するようにしてもよい。
【0076】
S207にてYesに進む場合、計時処理を開始する(S208)。この計時処理はN回目のデータとして登録されている所定時間を超えるまで継続し、所定時間を超えた場合にS209にてYesに進む。例えば、現在が1回目(N=1)であり、図12のように「123456」に係るカードIDの1回目の記録データとして「1s」が登録されている場合、S209では、面積1(即ち検出部数が「6」)の状態で1s間遮光状態が継続するか否かを判断する。なお、S209の判断基準となる「所定時間」を超える前に面積1の状態(検出部数「6」の状態)が解除された場合、エラー情報を報知して当該認証処理を終了するようにしてもよい。
【0077】
S209にてYesに進む場合、所定回数に達したか否かを判断する(S210)。この「所定回数」は、図11に示す登録処理で翳し動作が行われた回数であり、図12のようにカードIDと対応付けて記録されている。S210では、S201で読み出されたカードIDについて登録されている操作回数(図12の例では4回)を読み出し、現在の回数Nがその登録されている操作回数に達しているか否かを判断する。現在の回数Nが「所定回数」に達していない場合にはS210にてNoに進みS205以降の処理を繰り返す。一方、「所定回数」に達している場合にはS210にてYesに進み当該認証処理を終了する。
【0078】
なお、本実施形態でも図13に係る認証処理を実行する制御部12及び検出部21a〜21vが「対向領域検出手段」の一例に相当し、認証装置10に翳されたICカード7(通信対象)における検出領域ARに向かい合う対向領域を検出するように機能する。また、この制御部12は、「動作パターン検出手段」の一例に相当し、検出される対向領域の変化に基づいてICカード7(通信対象)の翳し動作パターンを検出するように機能する。また、制御部12は、「判断手段」の一例に相当し、検出された翳し動作パターンが所定パターンであるか否かを判断する機能を有する。更に、「認証手段」に相当する認証装置10は、上記「動作パターン検出手段」によって検出された翳し動作パターンが、所定パターンであると判断された場合にICカード7(通信対象)を認証するように機能する。
【0079】
また、本実施形態では、検出される対向領域の位置変化を考慮せず、対向領域の大きさの変化(面積の変化)に基づいてICカード7の翳し動作パターンを検出している。
【0080】
また、本実施形態では、S205〜S209の処理が複数回行われるようになっており、各回ごとに変化する対向領域の各状態ごとの大きさ(即ち、各回毎の遮光センサ数)と、各状態が維持される維持時間(即ち、S207で合致する遮光センサ数が維持される維持時間)とに基づいて翳し動作パターンを検出している。
【0081】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0082】
第1実施形態では、図4に示すように、登録のための翳し動作回数が予め規定されていたが、登録のための翳し動作回数をユーザが任意に定めるようにしてもよい。これを実現するためには、例えば、図4のS7の判断処理の代わりに所定の終了処理が行われたか否か(例えば、一定時間翳し動作が解除されたか、所定の操作ボタンが押されたか等)を判断する判断処理を設けるようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】図1(a)は、第1実施形態に係る認証装置を用いたドア管理システムを例示する説明図であり、図1(b)は、図1(a)のドア管理システムのブロック図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係る認証装置を概略的に説明する説明図である。
【図3】図3は、図2の認証装置の検出部付近を概略的に説明する説明図である。
【図4】図4は、ユーザ登録処理を例示するフローチャートである。
【図5】図5は、図4のユーザ登録処理によって登録されたデータ構成を例示する説明図である。
【図6】図6は、認証処理を例示するフローチャートである。
【図7】図7は、各受光部の固有情報等を説明する説明図である。
【図8】図8は、ユーザによる翳し動作の一例を説明する説明図であり、(a)は、第1回目の翳し動作と検出領域との関係を説明する説明図であり、(b)は第2回目の翳し動作と検出領域との関係を説明する説明図である。
【図9】図9は、図8に続く翳し動作を説明する説明図であり、(a)は、第3回目の翳し動作と検出領域との関係を説明する説明図であり、(b)は第4回目の翳し動作と検出領域との関係を説明する説明図である。
【図10】図10は、対向領域の変化を説明する説明図である。
【図11】図11は、第2実施形態に係る認証装置で行われるユーザ登録処理を例示するフローチャートである。
【図12】図12は、図11のユーザ登録処理で記録されたデータ構成を説明する説明図である。
【図13】図13は、第2実施形態に係る認証装置で行われる認証装置を例示するフローチャートである。
【符号の説明】
【0084】
1…ドア管理システム
7…ICカード(通信対象)
10…認証装置
12…制御部(認証手段、対向領域検出手段、動作パターン検出手段、判断手段、維持時間検出手段)
13…ICカードリーダ(読出手段)
21a〜21v…検出部(受光部、対向領域検出手段)
AR…検出領域
AR1〜AR4…対向領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触通信媒体を備えた通信対象との間で非接触通信を行い、前記非接触通信媒体に記録されるデータを読み出す読出手段と、
前記通信対象の認証を行う認証手段と、
を備えた認証装置であって、
前記通信対象を検出する検出領域が定められると共に、当該認証装置に翳された前記通信対象における前記検出領域に向かい合う対向領域を検出する対向領域検出手段と、
前記対向領域検出手段によって検出される前記対向領域の変化に基づいて前記通信対象の翳し動作パターンを検出する動作パターン検出手段と、
前記動作パターン検出手段によって検出された前記翳し動作パターンが所定パターンであるか否かを判断する判断手段と、
を備え、
前記認証手段は、前記動作パターン検出手段によって検出された前記翳し動作パターンが、前記判断手段により前記所定パターンであると判断された場合に前記通信対象を認証することを特徴とする認証装置。
【請求項2】
前記動作パターン検出手段は、前記対向領域検出手段によって検出される前記対向領域の大きさ及び位置の変化に基づいて前記通信対象の前記翳し動作パターンを検出することを特徴とする請求項1に記載の認証装置。
【請求項3】
前記対向領域検出手段は、複数の検出部を備え、これら複数の検出部が散在する領域が前記検出領域とされており、
前記検出部は、当該検出部に対して前記通信対象が対向したときに検出信号を出力することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の認証装置。
【請求項4】
前記検出部は、外部からの光を受光する受光部からなり、
前記受光部は、当該受光部に入射する光が前記通信対象によって遮られたときに前記検出信号を出力することを特徴とする請求項3に記載の認証装置。
【請求項5】
前記対向領域検出手段は、前記対向領域を検出した前記検出部の数に基づいて当該対向領域の面積を算出し、
前記動作パターン検出手段は、前記対向領域検出手段にて検出された前記対向領域の面積の変化に基づいて前記通信対象の前記翳し動作パターンを検出することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の認証装置。
【請求項6】
複数の前記検出部はそれぞれ、固有情報が対応付けられており、
前記動作パターン検出手段は、前記対向領域を検出した前記検出部の前記固有情報に基づいて、前記対向領域の大きさ及び位置を特定することを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の認証装置。
【請求項7】
前記対向領域検出手段は、変化する前記対向領域についての各状態ごとの維持時間を検出する維持時間検出手段を有し、
前記動作パターン検出手段は、変化する前記対向領域の各状態ごとの位置及び大きさと、各状態が維持される維持時間とに基づいて前記翳し動作パターンを検出することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の認証装置。
【請求項8】
前記対向領域検出手段は、複数の前記検出部における2以上の前記検出部によって、変化する前記対向領域の各状態を検出する構成をなしており、
変化する前記対向領域のいずれかの状態を検出する2以上の前記検出部の少なくとも一部が、他の状態の検出に兼用されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の認証装置。
【請求項1】
非接触通信媒体を備えた通信対象との間で非接触通信を行い、前記非接触通信媒体に記録されるデータを読み出す読出手段と、
前記通信対象の認証を行う認証手段と、
を備えた認証装置であって、
前記通信対象を検出する検出領域が定められると共に、当該認証装置に翳された前記通信対象における前記検出領域に向かい合う対向領域を検出する対向領域検出手段と、
前記対向領域検出手段によって検出される前記対向領域の変化に基づいて前記通信対象の翳し動作パターンを検出する動作パターン検出手段と、
前記動作パターン検出手段によって検出された前記翳し動作パターンが所定パターンであるか否かを判断する判断手段と、
を備え、
前記認証手段は、前記動作パターン検出手段によって検出された前記翳し動作パターンが、前記判断手段により前記所定パターンであると判断された場合に前記通信対象を認証することを特徴とする認証装置。
【請求項2】
前記動作パターン検出手段は、前記対向領域検出手段によって検出される前記対向領域の大きさ及び位置の変化に基づいて前記通信対象の前記翳し動作パターンを検出することを特徴とする請求項1に記載の認証装置。
【請求項3】
前記対向領域検出手段は、複数の検出部を備え、これら複数の検出部が散在する領域が前記検出領域とされており、
前記検出部は、当該検出部に対して前記通信対象が対向したときに検出信号を出力することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の認証装置。
【請求項4】
前記検出部は、外部からの光を受光する受光部からなり、
前記受光部は、当該受光部に入射する光が前記通信対象によって遮られたときに前記検出信号を出力することを特徴とする請求項3に記載の認証装置。
【請求項5】
前記対向領域検出手段は、前記対向領域を検出した前記検出部の数に基づいて当該対向領域の面積を算出し、
前記動作パターン検出手段は、前記対向領域検出手段にて検出された前記対向領域の面積の変化に基づいて前記通信対象の前記翳し動作パターンを検出することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の認証装置。
【請求項6】
複数の前記検出部はそれぞれ、固有情報が対応付けられており、
前記動作パターン検出手段は、前記対向領域を検出した前記検出部の前記固有情報に基づいて、前記対向領域の大きさ及び位置を特定することを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の認証装置。
【請求項7】
前記対向領域検出手段は、変化する前記対向領域についての各状態ごとの維持時間を検出する維持時間検出手段を有し、
前記動作パターン検出手段は、変化する前記対向領域の各状態ごとの位置及び大きさと、各状態が維持される維持時間とに基づいて前記翳し動作パターンを検出することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の認証装置。
【請求項8】
前記対向領域検出手段は、複数の前記検出部における2以上の前記検出部によって、変化する前記対向領域の各状態を検出する構成をなしており、
変化する前記対向領域のいずれかの状態を検出する2以上の前記検出部の少なくとも一部が、他の状態の検出に兼用されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の認証装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−90582(P2010−90582A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−260600(P2008−260600)
【出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
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