説明

誘電ライン・バイアのエレクトロマイグレーション耐性が向上した界面層を有する相互接続構造およびその製造方法

【課題】 相互接続構造内にガウジング・フィーチャを導入することなくエレクトロマイグレーション耐性を向上させる相互接続構造を提供する。
【解決手段】 この構造は、バイア開口の底部に存在する金属界面層(または金属合金層)を含む。バイア開口は、第1の導電材料が埋め込まれた第1の誘電材料の上に位置する第2の誘電材料内に位置する。バイア開口の底部に存在する金属界面層(または金属合金層)は、第1の誘電体内に埋め込まれた下にある第1の導電材料と第2の誘電材料内に埋め込まれた第2の導電材料との間に位置する。また、エレクトロマイグレーション耐性が向上した相互接続構造を製造する方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体相互接続構造およびその製造方法に関する。更に具体的には、本発明は、エレクトロマイグレーション(EM:electromigration)耐性が向上した半導体相互接続構造およびかかる相互接続構造を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体デバイスは複数の回路を含み、これらの回路が半導体基板上に製造される集積回路(IC)を形成する。通常、基板の表面上に分布した回路要素を接続するために、複雑な信号経路ネットワークをルーティングする。デバイス全体でこれらの信号を効率的にルーティングするには、例えばシングル・ダマシンまたはデュアル・ダマシン配線構造等の多レベル(すなわち多層)の構成(scheme)を形成する必要がある。配線構造は、必ずしも常にというわけではないが、典型的には、銅(Cu)を含む。Cuベースの相互接続配線構造は、アルミニウム(Al)ベースの相互接続構造に比べて、複雑な半導体チップ上の多数のトランジスタ間で高い信号伝送速度を提供するからである。
【0003】
典型的な相互接続構造内では、半導体基板に対して垂直に金属バイアが延在し、半導体基板に対して平行に金属ラインが延在する。今日の相互接続構造において、金属ラインおよび金属バイア(例えば導電フィーチャ)を、誘電率が4.0未満の誘電材料に埋め込むことによって、信号速度の向上および隣接する金属ライン間の信号(「クロストーク」として知られる)の軽減が達成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体相互接続構造において、1つの金属破損機構として、エレクトロマイグレーション(EM)が認識されている。エレクトロマイグレーションは、導電電子と拡散金属原子との間の運動量移行(momentum transfer)によって導体内のイオンが徐々に移動することで生じる物質の移動である。マイクロエレクトロニクスおよび関連構造におけるもの等、高い直流電流密度を用いる用途では、その影響は重要である。構造のサイズが小さくなるにつれて、EMの事実上の重大さが増す。
【0005】
エレクトロマイグレーションは、超大規模集積(VLSI)回路にとって最悪の信頼性の問題の1つである。この問題は、プロセスを適格とするためにプロセス開発期間中に克服する必要があるだけでなく、チップの寿命全体にわたって続くものである。高い電流密度が引き起こす金属の移動によって、相互接続構造縁部の金属導体内部にボイド(void)が生成される。このため、エレクトロマイグレーション耐性を有する相互接続構造が高く望まれている。
【0006】
平坦なバイア底部を有する従来技術の相互接続構造を示す図1を参照する。具体的には、従来技術の相互接続構造は第1の誘電材料10を含み、これは、例えばCuのような埋め込まれた導電材料18を含む。導電材料18は、例えばTaNのような金属窒化物の下層14および例えばTa等の金属の上層16を含む二層拡散バリア・ライナによって、第1の誘電材料10から離間されている。二層拡散バリア・ライナは、導電材料18を充填する前に第1の誘電材料10内に形成された開口の輪郭を表す。
【0007】
第1の誘電材料10の上には第2の誘電材料10’があり、これは、埋め込まれた導電材料18’を含む。導電材料18’は、第2の誘電材料10’内に形成されているライン開口20およびバイア開口22内に位置している。導電材料18’は、例えばTaNのような金属窒化物の下層14’および例えばTa等の金属の上層16’を含む別の二層拡散バリア層によって、第2の誘電材料10’から離間されている。第1および第2の誘電層間には誘電キャッピング層24が位置しており、誘電キャッピング層24の一部は、第1の誘電材料10内に存在する導電材料18の上面上に延在する。
【0008】
図1に示した従来技術の構造は、第1の誘電材料10内の導電材料18に接触している平坦なバイア底部(図においてAで示す)を有する。図1に示した従来技術の相互接続構造は、バイア開口22とその下にある相互接続18との間の接触領域が限られているために、高レベルのEMが生じる。通常、限られた接触領域は、結果として電流集中(current crowding)を生じ、EMの影響によるボイド核生成について最も弱い場所である。
【0009】
図2は、別の従来技術の相互接続構造を示す。これは基本的に図1に示したものと同じであるが、この従来技術の相互接続構造は、バイア・ガウジングフィーチャ(via gouging feature)(図2にBで示す)を含む点が異なっている。相互接続構造にバイア・ガウジング・フィーチャBが存在することによって、バイア接触領域が拡大し、図1に示した相互接続に比べて、かかる相互接続構造のエレクトロマイグレーション耐性が向上する。
【0010】
相互接続構造のエレクトロマイグレーション耐性を向上させるにもかかわらず、図2に示したバイア・ガウジング・フィーチャBを形成するプロセスは、常にプロファイル損傷を引き起こす。「プロファイル損傷」とは、バイア・ガウジング・フィーチャを生成するために用いる物理的な気体ボンバードによる、具体的にはライン開口の底部(すなわちライン開口の形成中に露出される第2の誘電材料10’の水平方向の表面)における、パターニングされた誘電体損傷である。
【0011】
上述のことに鑑み、相互接続構造内にガウジング・フィーチャを導入することなくエレクトロマイグレーション耐性を向上させた相互接続構造を提供することが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、相互接続構造内にガウジング・フィーチャを導入することなくエレクトロマイグレーション耐性を向上させた相互接続構造を提供する。
【0013】
第1の態様から見ると、本発明は、金属界面層またはこの金属界面層およびその下にある導電材料の反応生成物である金属合金界面層のいずれかを含む界面層を提供する。界面層は、第1の誘電材料の上にある第2の誘電材料内に形成された開口の底部バイア部に設けられている。いくつかの実施形態では、金属界面層は、第2の誘電材料内に形成されたライン開口の水平方向の部分上にも位置することができる。この金属界面層は、埋め込まれた導電材料から第2の誘電材料を分離する。
【0014】
本発明の好適な実施形態の相互接続構造では、第1の誘電材料内に埋め込まれた導電材料の体積の低減は観察されない。更に、本発明の相互接続構造は、標準的な配線用およびeヒューズ用の双方のために、ライン/バイア界面において制御されたエレクトロマイグレーション耐性を有する。
【0015】
本発明の一実施形態においては、相互接続構造は、誘電材料内に形成された開口の水平方向の表面全体に存在する金属界面層を含む。これは、具体的には、埋め込まれた第1の導電材料を含む第1の誘電材料の上に位置する第2の誘電材料内に位置するバイアの底部およびラインの底部である。バイアの底部に存在する金属界面層は、第1の誘電材料内に埋め込まれた下にある第1の導電材料と第2の誘電材料内に埋め込まれた第2の導電材料との間に位置する。本発明のいくつかの実施形態においては、金属界面層を処理して金属合金界面層を形成する。金属合金界面層は、金属界面層および第1の導電材料の反応生成物である。本発明において形成することができる金属合金界面層のいくつかの例は、Ta−Cu、Ru−Cu、Co−Cu、またはIr−Cuである。
【0016】
金属界面層(または、形成された場合には金属合金界面層)の上に、拡散バリア・ライナが存在する。いくつかの実施形態では、拡散バリア・ライナは、金属窒化物の下層および金属の上層を含む。
【0017】
具体的には、本発明の好適な実施形態の相互接続構造は、第1の導電材料が埋め込まれた第1の誘電材料と、第1の誘電材料の上に位置した第2の誘電材料であって、第1の導電材料の上に位置する組み合わせバイアおよびラインを含む少なくとも1つの導電充填開口を含む、第2の誘電材料と、バイアの底部およびラインの水平方向底部にのみ位置する界面層と、を含み、バイアの底部に存在する界面層が、第2の誘電材料内の少なくとも1つの導電充填開口から第1の誘電材料内に埋め込まれた第1の導電材料を分離し、バイアの底部内に位置する界面層が金属界面層および金属合金界面層の少なくとも一方を含み、ラインの水平方向底部内に位置する界面層が金属界面層である。
【0018】
本発明において用いる金属界面層は、元素の周期表のVB群またはVIII群からの金属を含むいずれかの導電金属を含む。導電性であるVB群金属の例には、V、Nb、およびTaが含まれる。導電性であるVIII群金属の例には、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、およびPtが含まれる。本発明の好適な実施形態においては、金属界面層はTa、Ru、Ir、またはCoを含む。本発明のいくつかの実施形態では、金属界面層はInを含む。
【0019】
金属合金界面層は、金属界面層および第1の導電材料の反応生成物である。本発明において形成することができる金属合金界面層の例は、Ta−Cu、Ru−Cu、Co−Cu、またはIr−Cuである。
【0020】
本発明の別の実施形態においては、相互接続構造は、後で形成される金属界面層とその下にある導電材料との間の反応生成物から成る金属合金界面層を含み、これは、下にある導電材料の残り部分の上のバイアの底部にのみ存在する。
【0021】
具体的には、本発明の第2の実施形態の相互接続構造は、第1の導電材料が埋め込まれた第1の誘電材料と、第1の誘電材料の上に位置した第2の誘電材料であって、第1の導電材料の上に位置する少なくとも1つの導電充填開口を含む、第2の誘電材料と、を含み、少なくとも1つの導電充填開口および第1の導電材料が、少なくとも1つの導電充填開口の底部内にのみ存在する金属合金界面層によって水平方向に分離され、金属合金界面層が金属界面層および第1の導電材料の反応生成物を含む。
【0022】
本発明において形成することができる金属合金界面層のいくつかの例は、Ta−Cu、Ru−Cu、Co−Cu、またはIr−Cuである。
【0023】
エレクトロマイグレーションが向上した相互接続構造を提供することに加えて、本発明は、これを製造する方法も提供する。
【0024】
更に別の一実施形態において、本発明の方法は、第1の導電材料が埋め込まれた第1の誘電材料と、第1の誘電材料の上に位置した第2の誘電材料であって、第1の導電材料の表面を露出させる組み合わせバイアおよびライン開口を有する第2の誘電材料と、を含む構造を用意することと、第1の導電材料の露出した表面の上におよびラインの水平方向の壁部に沿って金属界面層を形成することと、組み合わせバイアおよびライン開口内に拡散バリア・ライナを形成することと、拡散バリア・ライナ上に、第2の誘電体の上面と同一平面である上面を有する第2の導電材料を形成することと、を含む。
【0025】
本発明において用いられる金属界面層は、元素の周期表のVB群またはVIII群からの金属を含むいずれかの導電金属を含む。導電性であるVB群金属の例には、V、Nb、およびTaが含まれる。導電性であるVIII群金属の例には、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、およびPtが含まれる。本発明の好適な実施形態においては、金属界面層はTa、Ru、Ir、またはCoを含む。本発明のいくつかの実施形態では、金属界面層はInを含む。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態においては、アニーリング・ステップを実行して、金属界面層とその下にある第1の導電材料との間で反応を引き起こし、この結果として金属合金界面層が形成される。いくつかの実施形態では、金属合金界面層は金属界面層の全体を置き換え、他の実施形態では、金属合金界面層は金属界面層の一部を置き換えて、金属界面層と第1の導電材料との間に存在する。
【0027】
本発明の別の実施形態においては、本発明の方法は、第1の導電材料が埋め込まれた第1の誘電材料と、第1の誘電材料の上に位置した第2の誘電材料であって、第1の導電材料の表面を露出させる組み合わせバイアおよびライン開口を有する第2の誘電材料と、を含む構造を用意することと、第1の導電材料の露出した表面の上にのみ金属界面層を形成することと、金属界面層の少なくとも一部を金属合金界面層に変換することであって、アニーリングを含む変換と、組み合わせバイアおよびライン開口内に拡散バリア・ライナを形成することと、拡散バリア・ライナ上に、第2の誘電体の上面と同一平面である上面を有する第2の導電材料を形成することと、を含む。
【0028】
これより、一例としてのみ、以下の図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】平坦な底部バイアを有する従来技術の相互接続構造を示す図(断面図)である。
【図2】バイア接触領域がガウジング・フィーチャによって拡大した従来技術の相互接続構造を示す図(断面図)である。
【図3】本発明の相互接続構造を示す図(断面図)である。
【図4】本発明の相互接続構造を示す図(断面図)である。
【図5】図3に示した本発明の相互接続構造を製造する際に用いる基本的な処理ステップを示す図(断面図)である。
【図6】図3に示した本発明の相互接続構造を製造する際に用いる基本的な処理ステップを示す図(断面図)である。
【図7】図3に示した本発明の相互接続構造を製造する際に用いる基本的な処理ステップを示す図(断面図)である。
【図8】図3に示した本発明の相互接続構造を製造する際に用いる基本的な処理ステップを示す図(断面図)である。
【図9】図4に示した本発明の相互接続構造を製造する際に用いる基本的な処理ステップを示す図(断面図)である。
【図10】図4に示した本発明の相互接続構造を製造する際に用いる基本的な処理ステップを示す図(断面図)である。
【図11】図4に示した本発明の相互接続構造を製造する際に用いる基本的な処理ステップを示す図(断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は、ガウジング・フィーチャを含むことなくエレクトロマイグレーション(EM)耐性を向上させた相互接続構造およびこれを形成する方法を提供するものであり、これより本発明について、以下の考察および本出願の添付図面を参照して更に詳細に説明する。本発明の図面は例示の目的のためだけに提供するものであり、このため図面は一律の縮尺に従って描かれているわけではないことに留意すべきである。
【0031】
以下の記載において、本発明の完全な理解を得るために、特定の構造、構成要素、材料、寸法、処理ステップ、および技法等の多数の具体的な詳細事項について述べる。しかしながら、これらの具体的な詳細事項がなくても本発明を実施可能であることは、当業者には認められよう。他の例では、本発明を曖昧にするのを避けるために、周知の構造または処理ステップについては詳細に記載していない。
【0032】
層、領域、または基板のような要素が、別の要素の「上に」または「上方に」あると言及される場合、これは他の要素の直接上にある可能性があり、または介在する要素が存在する場合もあることは理解されよう。これに対して、ある要素が別の要素の「直接上に」または「直接上方に」あると言及される場合、介在する要素は存在しない。また、ある要素が別の要素に「接続されている」または「結合されている」と言及する場合、これは別の要素に直接接続もしくは結合されている可能性があり、または介在する要素が存在する場合もあることは理解されよう。これに対して、ある要素が別の要素に「直接接続されている」または「直接結合されている」と言及する場合、介在する要素は存在しない。
【0033】
上述したように、本発明は、EM耐性が向上した相互接続構造を提供する。EM耐性の向上は、本発明において、相互接続構造内にガウジング・フィーチャを導入する必要なく達成される。具体的には、一実施形態において、誘電材料内に形成した組み合わせバイアおよびライン開口の水平方向の表面上にのみ金属界面層を組み込むことによって、EM耐性の向上を図る。別の実施形態では、バイアの底部内にのみ、金属界面層および導電材料の反応生成物を含む金属合金界面層を形成する。
【0034】
図3から図4は、本発明のこれらの様々な実施形態を示す。具体的には、図3が示す相互接続構造は、開口の底部内およびライン・パターンを含む第2の誘電材料の水平方向の壁部上に金属界面層を含む。図4において図示されている相互接続構造では、バイアの底部内にのみ、以前に形成された金属界面層およびその下にある第1の導電材料の反応生成物を含む金属合金界面層が位置している。図3に示す実施形態は、金属界面層の全体または一部の所定の位置に金属合金界面層を含む場合があることに留意すべきである。また、図4に示す実施形態は、金属合金界面層の上に残りの金属界面層を含む場合がある。図示する実施形態は、本発明の好適な実施形態を表す。
【0035】
具体的には、図3および図4に示した相互接続構造は双方とも、第1の導電材料56が埋め込まれた第1の誘電材料52を含む。第1の導電材料56は、第1の拡散バリア・ライナ54によって第1の誘電材料52から離間している。また、各構造は、第1の誘電材料52の上に位置する第2の誘電材料52’を含む。通常、第1の誘電材料52と第2の誘電材料52’との間に誘電キャッピング層62が位置している。図示のように、第1の導電材料56の上面上に誘電キャッピング層62の部分が位置している。
【0036】
第2の誘電材料52’は、第1の導電材料56の上に位置する少なくとも1つの導電充填開口125を含む。少なくとも1つの導電充填開口125は、組み合わせバイアおよびラインを含み、第1の誘電材料52内に存在する第1の導電材料56の上面まで延在する。図3に示す実施形態においては、少なくとも1つの導電充填開口125の底部バイア部および第1の導電材料56は、金属界面層66によって水平方向に分離されている。すなわち、金属界面層66は、少なくとも1つの導電充填開口125の少なくとも底部内に存在する。図4においては、以前に形成された金属界面層およびその下にある第1の導電材料56の反応生成物を含む金属合金界面層66’が、導電充填開口125の底部バイア部内にのみ位置している。
【0037】
また、各相互接続構造は、前記第2の誘電材料52’と少なくとも1つの導電充填開口120との間に位置する第2の拡散バリア・ライナ54’を含む。第2の拡散バリア・ライナ54’は、例えばTaN等の金属窒化物の下層および例えばTa等の金属の上層を含む場合がある。第2の拡散バリア・ライナ54’の上に、任意のめっきシード層55が存在する場合がある。
【0038】
ここで、図3に示した相互接続構造を製造するために本発明において用いられる基本的な処理ステップを示す図5から図8を参照する。
【0039】
図5は、本発明において用いられる初期の部分的に形成された相互接続構造50を示す。具体的には、初期の部分的に形成された相互接続構造50は多レベル相互接続構造であり、下部相互接続レベル110および上部相互接続レベル112を含み、これらは誘電キャッピング層62によって部分的に分離されている。下部相互接続レベル110は、1つ以上の半導体デバイスを含む半導体基板の上に位置することができ、少なくとも1つの導電材料(すなわち導電フィーチャまたは導電領域)56を有する第1の誘電材料52を含み、導電材料56は、第1の拡散バリア・ライナ54によって第1の誘電材料52から分離されている。上部相互接続レベル112は、組み合わせバイアおよびライン開口120を有する第2の誘電材料52’を含む。図において、バイアはVとして表し、ラインはLとして表す。図5に示す初期の相互接続構造50は、当技術分野において周知の標準的な相互接続処理を利用して生成される。例えば、初期の相互接続構造50は、最初に基板(図示せず)の表面に第1の誘電材料52を適用することによって形成することができる。図示しない基板は、半導体材料、絶縁材料、導電材料、またはそれらのいずれかの組み合わせを含むことができる。基板が半導体材料から成る場合、Si、SiGe、SiGeC、SiC、Ge合金、GaAs、InAs、InP、および他のIII/V族またはII/VI族化合物半導体等のいずれかの半導体を用いることができる。これらの列挙したタイプの半導体材料に加えて、本発明は、半導体基板が、例えばSi/SiGe、Si/SiC、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)、またはシリコン・ゲルマニウム・オン・インシュレータ(SGOI)等の多層半導体である場合も想定する。
【0040】
基板が絶縁材料である場合、絶縁材料は、有機絶縁体、無機絶縁体、または多層を含むそれらの組み合わせとすることができる。基板が導電材料である場合、基板は、例えばポリシリコン、元素金属、元素金属の合金、金属シリサイド、金属窒化物、または多層を含むそれらの組み合わせを含む場合がある。基板が半導体材料を含む場合、例えば相補型金属酸化膜半導体(CMOS)デバイス等の1つ以上の半導体デバイスをその上に製造することができる。
【0041】
第1の誘電材料52は、無機誘電体または有機誘電体を含むいずれかのレベル間誘電体またはレベル内誘電体を含むことができる。第1の誘電材料52は、多孔質または非多孔質とすることができる。第1の誘電材料52として使用可能である適切な誘電体のいくつかの例は、限定ではないが、SiO2、シルセスキオキサン、Si、C、O、およびHの原子を含むCドープ酸化物(すなわちオルガノシリケート)、熱硬化性ポリアリーレン・エーテル、またはそれらの多層を含む。本出願において、「ポリアリーレン(polyarylene)」という言葉は、結合、縮合環、または例えば酸素、硫黄、スルホン、スルホキシド、カルボニル等のような不活性連結基によって相互に連結されたアリール部分または不活性置換アリール部分を指すために用いられる。
【0042】
第1の誘電材料52は、典型的に約4.0以下の誘電率を有するが、約2.8以下の誘電率がいっそう典型的である。これらの誘電体は一般に、誘電率が4.0よりも高い誘電材料に比べて寄生クロストークが小さい。第1の誘電材料52の厚さは、用いる誘電材料および下部相互接続レベル110内の誘電体の正確な数に応じて変動し得る。典型的に、通常の相互接続構造では、第1の誘電材料52は約200から約450nmの厚さを有する。
【0043】
また、下部相互接続レベル110は、第1の誘電材料52内に埋め込まれた(すなわちその内部に位置する)少なくとも1つの第1の導電材料56を有する。第1の導電材料56(これは導電領域または導電フィーチャとも称される場合がある)は、第1の拡散バリア・ライナ54によって第1の誘電材料52から分離されている。埋め込まれた第1の導電材料56を形成するには、最初にリソグラフィによって第1の誘電材料52内に少なくとも1つの開口を設け(すなわち、第1の誘電材料52の表面にフォトレジストを塗布し、フォトレジストを所望の放射パターンに露光し、従来のレジスト現像剤を用いて露光したレジストを現像する)、エッチングを行う(ドライ・エッチングまたはウェット・エッチング)。エッチングした開口は、最初に第1の拡散バリア・ライナ54を、次いで第1の導電材料56を充填する。
【0044】
第1の拡散バリア・ライナ54は、Ta、TaN、Ti、TiN、Ru、RuTaN、RuTa、W、WN、または他の、バリアとして機能して導電材料が拡散するのを防ぐことができるいずれかの材料を含むことができ、例えば原子層堆積(ALD)、化学気相堆積(CVD)、プラズマ増強化学気相堆積(PECVD)、物理気相堆積(PVD)、スパッタリング、化学溶液堆積、またはめっき等の堆積プロセスによって形成される。いくつかの実施形態(図示せず)では、第1の拡散バリア・ライナ54は、金属窒化物の下層および金属の上層を含む複数の層の組み合わせを含むことができる。
【0045】
第1の拡散バリア・ライナ54の厚さは、用いる堆積プロセスの手段ならびに用いる層の材料および数に応じて変動し得る。典型的には、第1の拡散バリア・ライナ54は約4から約40nmの厚さを有するが、約7から約20nmの厚さがいっそう典型的である。
【0046】
第1の拡散バリア・ライナ54を形成した後、第1の誘電材料52内の開口の残りの部分に第1の導電材料56を充填して導電フィーチャを形成する。導電フィーチャを形成する際に用いる第1の導電材料56は、例えばポリシリコン、導電材料、少なくとも1つの導電金属を含む合金、導電金属シリサイド、またはそれらの組み合わせを含む。好ましくは、導電フィーチャを形成する際に用いられる第1の導電材料56は、Cu、W、またはAl等の導電金属であり、本発明において極めて好ましいのはCuまたはCu合金(AlCu等)である。
【0047】
限定ではないが、CVD、PECVD、スパッタリング、化学溶液堆積、またはめっきを含む従来の堆積プロセスを用いて、第1の誘電材料52の残りの開口内に導電材料を充填する。堆積後、例えば化学機械研磨(CMP)等の従来の平坦化プロセスを用いることによって、第1の拡散バリア・ライナ54および第1の導電材料56の各々が第1の誘電材料52の上面と実質的に同一平面の上面を有する構造を提供することができる。
【0048】
少なくとも1つの導電材料56を形成した後、例えばCVD、PECVD、化学溶液堆積、または蒸着等の従来の堆積プロセスを用いて、下部相互接続レベル110の表面上に誘電キャッピング層62を形成する。誘電キャッピング層62は、例えばSiC、Si4NH3、SiO2、炭素ドープ酸化物、窒素および水素ドープ炭化ケイ素SiC(N,H)、またはそれらの多層等、いずれかの適切な誘電キャッピング材料を含む。誘電キャッピング層62の厚さは、これを用いるために用いる技法および層の材料構成に応じて変動し得る。典型的には、誘電キャッピング層62は約15から約55nmの厚さを有するが、約25から約45nmの厚さがいっそう典型的である。
【0049】
次に、誘電キャッピング層62の露出した上面に第2の誘電材料52’を適用することによって、上部相互接続レベル112を形成する。第2の誘電材料52’は、下部相互接続レベル110の第1の誘電材料52のものと同じまたは異なる誘電材料を含むことができるが、同じであることが好ましい。ここで、第1の誘電材料52についての処理技法および厚さ範囲を、第2の誘電材料52’についても適用することができる。
【0050】
次いで、第2の誘電材料52’の上にハード・マスク64を形成し、この後これをパターン・マスクおよびエッチ・マスクの双方として用いる。ハード・マスク64は、例えば酸化物、窒化物、または酸窒化物等の少なくとも1つの誘電材料を含む。ハード・マスク64は典型的にシリコンの酸化物またはシリコンの窒化物を含む。ハード・マスク64は、例えばCVD、PECVD、化学溶液堆積、蒸着、および原子層堆積を含む従来の堆積プロセスを用いて形成される。
【0051】
次に、リソグラフィおよびエッチングを含む従来のデュアル・ダマシン・プロセスを用いて、第2の誘電材料52’内に組み合わせバイアおよびライン開口120を形成する。エッチング・ステップでは、誘電キャッピング層62も、例えばパターニングによって開口される。単一の組み合わせバイアおよびライン開口を示すが、本発明は、複数の組み合わせバイアおよびライン開口が形成された実施形態を想定することに留意すべきである。エッチングは、ドライ・エッチング・プロセス、ウェット・ケミカル・エッチング・プロセス、またはそれらの組み合わせを含むことができる。本明細書において、「ドライ・エッチング」という言葉は、反応性イオン・エッチング、イオン・ビーム・エッチング、プラズマ・エッチング、またはレーザ・アブレーション(laser ablation)等のエッチング技法を示すために用いられる。
【0052】
組み合わせバイアおよびライン開口120は、第1の誘電材料52内の第1の導電材料56の表面まで延在してこれを露出させる下部バイアVと、下部バイアに接触している上部ラインLと、を含む。図示のように、バイアの幅はラインの幅よりも小さい。エッチング・プロセスの間、最初にパターンをハード・マスク64に転写し、次いで灰化のような従来の剥離プロセスによってフォトレジストを除去し、その後、パターンを第2の誘電材料52’に、次いで誘電キャッピング層62に転写する(すなわち誘電キャッピング層を開口して第1の導電材料56の表面を露出させる)。デュアル・ダマシン・プロセスにおいては通常、バイアを最初に形成し、その後にラインを形成する。いくつかの実施形態では、ラインを最初に形成し、次いでバイアを形成することも可能である。デュアル・ダマシンは典型的に2つのパターニングおよび2つのエッチング・ステップを含む。
【0053】
図6は、組み合わせバイアおよびライン開口120内の水平方向の表面上にのみ、すなわちバイアの底部における第1の導電材料56の露出表面上およびライン内の第2の誘電材料52’の水平方向の露出表面上に金属界面層66を形成した後の、図5の相互接続構造を示す。
【0054】
本発明において用いられる金属界面層66は、元素の周期表のVB群またはVIII群からの金属を含むいずれかの導電金属を含む。導電性であるVB群金属の例には、V、Nb、およびTaが含まれる。導電性であるVIII群金属の例には、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、およびPtが含まれる。本発明の好適な実施形態においては、金属界面層66はTa、Ru、Ir、またはCoを含む。本発明のいくつかの実施形態では、金属界面層66はInを含む。
【0055】
図示する特定の実施形態においては、金属界面層66は、例えばガス・クラスタ・イオン・ビーム・プロセス等の金属注入プロセスを用いて形成される。あるいは、金属界面層66は、化学気相堆積(PVD)または、金属を水平方向の表面のみに堆積することができる他の同様の堆積プロセスによって形成される。
【0056】
形成される金属界面層66の厚さは、用いられる選択的な堆積プロセスの種類および金属界面層66自体の材料に応じて変動し得る。典型的には、金属界面層66は約1から約20nmの厚さを有するが、約5から約10nmの厚さがいっそう典型的である。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態においては、ここでアニーリング・ステップを実行しても良い。アニーリング・ステップによって、バイア内の金属界面層66をその下にある第1の導電材料56と反応させて、金属界面層66および第1の導電材料56の反応生成物を含む金属合金界面層を形成することができる。金属合金界面層の形成は、本発明のこの実施形態の図には示していない。図示した場合、形成される金属合金界面層はバイアの底部に存在して、金属界面層66の全体または一部を置き換えることになる。いくつかの実施形態では、金属合金界面層は、金属界面層66の残りの部分とその下にある残りの第1の導電材料56との間に形成される。
【0058】
アニーリングを用いる場合、これは、例えばファーネス・アニール(furnace anneal)、スパイク・アニール(spikeanneal)、急速熱アニール(rapid thermal anneal)、またはレーザ・アニール(laser anneal)を含む熱アニーリング・プロセスを用いて実行される。本発明で使用可能なアニーリング・プロセスの温度は、金属界面層66と第1の導電材料56との間に上述の反応を生じさせることができる限り、変動し得る。典型的に、アニールの温度は約200℃から約500℃であるが、約300℃から約400℃の温度である。アニーリングの時間は、実行するアニーリング・プロセスの種類に応じて変動し得る。典型的には、アニーリングの時間は約30秒から約120分であるが、約120秒から約60分の時間がいっそう典型的である。
【0059】
アニーリングは、例えばヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、およびそれらの混合物を含む不活性雰囲気において実行することができる。いくつかの実施形態では、アニーリングは、水素含有量が10%少ない窒素および水素の混合物において実行される。
【0060】
図7は、第2の拡散バリア・ライナ54’を形成した後の図6の相互接続構造を示す。第2の拡散バリア・ライナ54’は、金属窒化物(例えばTaN、TiN、RuTaN、またはWN)の下層および金属(例えばTa、Ti、Ru、RuTa、またはW)の上層を含む場合がある。あるいは、第2の拡散バリア・ライナ54’は、二層でなく単一の層を含むことも可能である。図7において、第2の拡散バリア・ライナ54’は、上述の双方の実施形態を含むことが意図されている。第2の拡散バリア・ライナ54’は、第1の拡散バリア・ライナ54を形成する際に用いた上述の技法の1つを用いて形成され、第1の拡散バリア・ライナ54と同じ拡散バリア材料が第2の拡散バリア・ライナ54’内に存在することができる。また、第2の拡散バリア・ライナ54’の厚さも、第1の拡散バリア・ライナ54について述べた厚さ範囲内にあることに留意すべきである。第2の拡散バリア・ライナ54’は、パターニングされたハード・マスク64の上面の上に位置することに留意すべきである。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態において、第2の拡散バリア54’の露出した上面上に任意のめっきシード層を形成することができる。図7において、参照番号55は本発明において使用可能なめっきシード層を示す。使用可能なめっきシード層55は、元素の周期表のVIII群からの金属または金属合金を含む。あるいは、めっきシード層55としてCuを用いることができる。めっきシード層として適切なVIII群元素の例は、限定ではないが、Ru、TaRu、Ir、Rh、Pt、Pd、およびそれらの合金を含む。いくつかの実施形態では、めっきシード層55としてCu、Ru、Ir、またはRhを用いることが好ましい。
【0062】
めっきシード層55は、例えば化学気相堆積(CVD)、プラズマ増強化学気相堆積(PECVD)、原子層堆積(ALD)、めっき、スパッタリング、および物理気相堆積(PVD)を含む従来の堆積プロセスによって形成される。めっきシード層55の厚さは、例えばめっきシード層55の構成材料およびこれを形成する際に用いた技法を含む多数のファクターに応じて変動し得る。典型的に、めっきシード層55は約0.5から約10nmの厚さを有するが、約6nm未満の厚さがいっそう典型的である。
【0063】
図8は、組み合わせバイアおよびライン開口120に第2の導電材料56’を充填した後の図7の相互接続構造を示す。第2の導電材料56’は、めっきシード層が存在しない場合には第2の拡散バリア・ライナ54’の上に、そうでなければめっきシード層の上に形成されることに留意すべきである。第2の導電材料56’は、第1の導電材料56と同じかまたは異なる導電材料を含むことができる。好ましくは、第1の導電材料56および第2の導電材料56’はCuを含む導電材料から成る。図示するように、充填ステップでは、第2の誘電材料52に存在する開口の各々の外側にも第2の導電材料56’が形成される。
【0064】
次に、化学機械研磨または研削あるいはその両方を含む平坦化プロセスを用いて、図3に示した平坦な構造を提供する。通常、平坦化プロセスの間に、構造からハード・マスク64を除去する。
【0065】
上述したプロセス・ステップを用いて、図3に示した相互接続構造の上に追加の相互接続レベルを形成して、多層相互接続構造を形成することができる。この多層相互接続構造内に埋め込まれた導電フィーチャの各々間に本発明の金属界面層が含まれる。
【0066】
図9から図11は、図4に示した構造を提供する本発明の第2の実施形態を示す。第2の実施形態においては、まず、初期の部分的に形成された相互接続構造50を上述のように提供する。これを図5に示す。図5に示す構造を提供した後、下にある第1の導電材料56の露出した水平方向の表面上にのみ金属界面層を形成する。このため、金属界面層は、第1の導電材料56の露出した上部に対して自己整合(self-align)する。金属界面層は、本発明の第1の実施形態において上述した材料の1つから成る。第2の誘電材料52’内に形成されたラインの露出した水平方向の部分上にも金属界面層が形成された上述の第1の実施形態とは異なり、本発明の第2の実施形態では、金属界面層は、下にある第1の導電材料56の露出した表面上にのみ形成される。
【0067】
本発明のこの実施形態においては、金属界面層を形成する際に、例えば化学気相堆積、プラズマ増強化学気相堆積、めっき、および原子層堆積等の自己整合堆積プロセスを用いる。自己整合した金属界面層の厚さは、本発明の第1の実施形態において上述したものと同じである。
【0068】
ここで、バイアの底部内の金属界面層とその下にある第1の導電材料56を反応させて、金属界面層および第1の導電材料の反応生成物を含む金属合金界面層を形成することができるアニーリング・ステップを実行する。金属合金界面層66’の形成は本発明の図9に示されている。金属合金界面層66’はバイア底部に形成されて、金属界面層の全体または一部を置き換える。この図では、設けられた金属合金界面層66’は金属界面層の全てを置き換えている。いくつかの実施形態(図示せず)では、金属合金界面層66’は、金属界面層の残りの部分とその下にある残りの第1の導電材料との間に形成される。
【0069】
アニーリングは、本発明の第1の実施形態において上述したアニーリング技法および条件を用いて実行される。
【0070】
図10は、第2の拡散バリア・ライナ54’およびその上にあるめっきシード層55を形成した後の図9の構造を示す。第2の拡散バリア・ライナ54’の組成および厚さならびにこれを形成する際に用いるプロセスは、第1の実施形態において上述した通りである。更に、めっきシード層55の組成および厚さならびにこれを形成する際に用いるプロセスは、第1の実施形態において上述した通りである。
【0071】
図11は、開口に第2の導電材料56’を充填した後の図10の構造を示す。第2の導電材料拡散バリア・ライナ56’の組成および厚さならびにこれを形成する際に用いるプロセスは、第1の実施形態において上述した通りである。図11に示す構造を設けた後、平坦化プロセスを用いて、図4に示した相互接続構造を提供する。
【0072】
本発明について、その好適な実施形態に関連付けて具体的に図示し説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、その形態および詳細において前述および他の変更を実行可能であることは、当業者には理解されよう。従って、本発明は、説明し図示した厳密な形態および詳細に限定するのではなく、添付の特許請求の範囲の範囲内に包含されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互接続構造であって、
第1の導電材料が埋め込まれた第1の誘電材料と、
前記第1の誘電材料の上に位置した第2の誘電材料であって、前記第1の導電材料の上に位置する組み合わせバイアおよびラインを含む少なくとも1つの導電充填開口を含む、前記第2の誘電材料と、
前記バイアの底部および前記ラインの水平方向底部にのみ位置する界面層と、を含み、前記バイアの前記底部に存在する前記界面層が、前記第2の誘電材料内の前記少なくとも1つの導電充填開口から前記第1の誘電材料内に埋め込まれた前記第1の導電材料を分離し、前記バイアの前記底部内に位置する前記界面層が金属界面層および金属合金界面層の少なくとも一方を含み、前記ラインの前記水平方向底部内に位置する前記界面層が金属界面層である、相互接続構造。
【請求項2】
前記金属界面層が、元素の周期表のVB群またはVIII群からの金属を含む導電金属を含む、請求項1に記載の相互接続構造。
【請求項3】
前記金属合金界面層がTa−Cu、Ru−Cu、Co−Cu、またはIr−Cuを含む、請求項1または2のいずれかに記載の相互接続構造。
【請求項4】
前記第1の導電材料および前記少なくとも1つの導電充填開口が双方ともCuまたはCu合金を含む、上述の請求項のいずれかに記載の相互接続構造。
【請求項5】
前記第1および第2の誘電材料が同一または異なる誘電材料から成り、前記誘電材料が4.0以下の誘電率を有する、上述の請求項のいずれかに記載の相互接続構造。
【請求項6】
前記第1および第2の誘電材料間に存在する誘電キャッピング層を更に含む、上述の請求項のいずれかに記載の相互接続構造。
【請求項7】
前記バイアの前記底部における前記界面層が金属界面層である、請求項1、2、4、5、または6のいずれかに記載の相互接続構造。
【請求項8】
相互接続構造であって、
第1の導電材料が埋め込まれた第1の誘電材料と、
前記第1の誘電材料の上に位置した第2の誘電材料であって、前記第1の導電材料の上に位置する少なくとも1つの導電充填開口を含む、前記第2の誘電材料と、を含み、前記少なくとも1つの導電充填開口および前記第1の導電材料が、前記少なくとも1つの導電充填開口の底部内にのみ存在する金属合金界面層によって水平方向に分離され、前記金属合金界面層が金属界面層および前記第1の導電材料の反応生成物を含む、相互接続構造。
【請求項9】
前記金属合金界面層がTa−Cu、Ru−Cu、Co−Cu、またはIr−Cuを含む、請求項8に記載の相互接続構造。
【請求項10】
前記第1の導電材料および前記少なくとも1つの導電充填開口が双方ともCuまたはCu合金を含む、請求項8または9のいずれかに記載の相互接続構造。
【請求項11】
前記第1および第2の誘電材料が同一または異なる誘電材料から成り、前記誘電材料が4.0以下の誘電率を有する、請求項8から10のいずれかに記載の相互接続構造。
【請求項12】
前記第1および第2の誘電材料間に存在する誘電キャッピング層を更に含む、請求項8から11のいずれかに記載の相互接続構造。
【請求項13】
相互接続構造を形成する方法であって、
第1の導電材料が埋め込まれた第1の誘電材料と、前記第1の誘電材料の上に位置した第2の誘電材料であって、前記第1の導電材料の表面を露出させる組み合わせバイアおよびライン開口を有する前記第2の誘電材料と、を含む構造を用意することと、
前記第1の導電材料の前記露出した表面の上におよび前記ラインの水平方向の壁部に沿って金属界面層を形成することと、
前記組み合わせバイアおよびライン開口内に拡散バリア・ライナを形成することと、
前記拡散バリア・ライナ上に、前記第2の誘電体の上面と同一平面である上面を有する第2の導電材料を形成することと、
を含む、方法。
【請求項14】
前記金属界面層の前記形成が金属注入プロセスまたは物理気相堆積を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
アニーリング・ステップを更に含み、前記アニーリング・ステップが、前記金属界面層の前記形成の後であって前記拡散バリア・ライナの形成の前に実行され、前記アニーリングが前記金属界面層の全体または一部を金属合金界面層に変換し、前記金属合金界面層が前記金属界面層および前記第1の導電材料の反応生成物を含む、請求項13または14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記アニーリングが約200℃から約500℃までの温度で実行される、請求項13から15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
相互接続構造を形成する方法であって、
第1の導電材料が埋め込まれた第1の誘電材料と、前記第1の誘電材料の上に位置した第2の誘電材料であって、前記第1の導電材料の表面を露出させる組み合わせバイアおよびライン開口を有する前記第2の誘電材料と、を含む構造を用意することと、
前記第1の導電材料の前記露出した表面の上にのみ金属界面層を形成することと、
前記金属界面層の少なくとも一部を金属合金界面層に変換することであって、アニーリングを含む前記変換と、
前記組み合わせバイアおよびライン開口内に拡散バリア・ライナを形成することと、
前記拡散バリア・ライナ上に、前記第2の誘電体の上面と同一平面である上面を有する第2の導電材料を形成することと、
を含む、方法。
【請求項18】
前記アニーリングが約200℃から約500℃までの温度で実行される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記金属界面層の前記形成が、化学気相堆積、物理増強化学気相堆積、めっき、および原子層堆積から選択される自己整合堆積プロセスを含む、請求項17または18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記変換ステップの後に前記金属界面層の一部が前記金属合金層の上に残っている、請求項17から19のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−514321(P2012−514321A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542741(P2011−542741)
【出願日】平成21年11月11日(2009.11.11)
【国際出願番号】PCT/EP2009/064974
【国際公開番号】WO2010/076074
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】